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1975-12-09 第76回国会 参議院 運輸委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十年十二月九日(火曜日)    午前十一時三十三分開会     —————————————    委員異動  十一月二十一日     辞任         補欠選任      鈴木  力君     戸田 菊雄君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         宮崎 正義君     理 事                 黒住 忠行君                 平井 卓志君                 前川  旦君                 三木 忠雄君     委 員                 石破 二朗君                 今泉 正二君                 佐藤 信二君                 永野 嚴雄君                 宮崎 正雄君                 山崎 竜男君                 杉山善太郎君                 瀬谷 英行君                 戸田 菊雄君                 岩間 正男君                 和田 春生君    国務大臣        運 輸 大 臣  木村 睦男君    政府委員        運輸省自動車局        長        高橋 寿夫君    事務局側        常任委員会専門        員        池部 幸雄君    説明員        法務省刑事局刑        事課長      吉田 淳一君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○運輸事情等に関する調査  (道南バス株式会社経営状況等に関する件)     —————————————
  2. 宮崎正義

    委員長宮崎正義君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る十一月二十一日、鈴木力君が委員を辞任され、その補欠として戸田菊雄君が委員に選任されました。     —————————————
  3. 宮崎正義

    委員長宮崎正義君) 運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
  4. 岩間正男

    岩間正男君 ちょうどこの前質問をしておりまして、国会の情勢により中断したので、最初からやり直したいと思うのでありますが、それは道南バスの問題についてお伺いしたいと思うんです。  道南バスは日高、胆振地方、七市二十一町村の広い範囲に及ぶ北海道民の足として重要な役割りを果たしており、一日に十万人の利用者がいる。いまその十万人の足が奪われようとしている。この事件に徹底的にメスを入れ、再びこれを繰り返さないことは道民の願いでもあります。  そこでお伺いしますが、この事件概要、その後の経過、これをまず最初にお聞かせを願いたいと思います。
  5. 高橋寿夫

    政府委員高橋寿夫君) 道南バス事件につきましては、すでに司直の手が入っておりますので、私ども新聞等によりまして知れておりますことの概要を、時を追いまして簡単に申し上げたいと思います。  まず、会社経営状況の推移でございますけれども、この会社規模はいま岩間先生お話のとおりでございまして、資本金三億円で一般乗り合い、一般貸し切り、このバス事業経営している会社でございます。北海道道南地方唯一会社でありまして、私どもの見るところではその営業区域は必ずしも悪くない、他のバス会社に比べましてむしろ観光地等も中に入っておりますし、また室蘭市という北海道の中でもかなり大きな町を中心として路線を持っておりますので、決して地域的に悪い地域を抱えている会社ではない、こういうふうに考えております。  収支状況でありますけれども昭和四十七年から赤字が出てまいりまして、乗り合い事業で四十七年五千二百万円、四十八年七千六百万円赤字を出してまいりました。このほかに貸し切りバスをやっておりますが、この方もやはり赤字でございまして、そうしております間に、いわゆる石油ショックを受けまして、諸資材及び人件費等の大幅な高騰がございまして、これによって四十九年度は三億一千七百万という赤字を出しました。貸し切りバスで二億三千六百万の赤字を出しました。単年度で合計いたしまして五億五千万ほどの赤字を出したわけでございます。この赤字自体は、四十九年度会社収支は、ほかの会社につきましても、いわゆる石油ショックによる経営の悪化ということはかなり全国的現象でございまして、特にこの会社についてひどかったというわけでもないと思います。全国的には、こういった赤字運賃適正化、あるいは補助金交付等によってかなり埋めてきているわけでありまして、道南バスにつきましても、不祥事件という事実が起こらなかったならば、私ども運賃適正化企業合理化、それに補助金交付、この三本柱によって、これまでの段階に至らなくて何とか収拾できたのじゃないのかというふうに想像されるわけでございます。  このような経営状況でございましたので、五十年九月八日に、会社札幌地方裁判所会社更生手続開始申し立てをいたしまして、九月二十五日には保全管理人が発令されまして、裁判所の手元におきまして審査をしてまいりましたけれども、つい最近であります、十二月の八日、昨日、札幌地裁におきまして更生手続開始決定をいたしまして、管財人が二名選任されまして、更生手続が開始されることになったわけでございます。  次に、いわゆる事件の方でありますが、四十九年の五月三十日に小倉寿夫氏が代表取締役に就任いたしております。それから五十年の四月三十日に亀田洸吉氏が代表取締役に就任いたしております。五十年の五月の十九日に亀田社長の手で小倉社長告訴いたしまして、これは道南バスとしての告訴でありますが、小倉社長及びこれと関係のあったいわゆる町の金融業者酒井という人ほか四人、これを手形詐取偽造事件札幌地検室蘭支部告訴をいたしました。その後、五十年九月十日に小倉社長特別背任容疑逮捕されました。同時に、道南バス財産保全命令札幌地裁から出たわけでございます。そして、十月の一日に小倉社長特別背任容疑起訴をされております。  それから、さらに下りまして十月二十日には、この小倉社長告訴した会社代表者亀田社長特別背任及び同共犯の疑いで逮捕をされました。十一月十日にこの人は社長を退きましたけれども亀田社長、井上前常務、この二人が起訴をされたわけであります。そして今日に至っているわけであります。
  6. 岩間正男

    岩間正男君 非常にこれは、内容を時間の関係から詳細に述べられなかったと思うんでありますが、その一端を聞いただけでも大変な事態だと思うんですね。このような事態を生んだ原因というのは、さらにそれをこれまで放置しておいた運輸省当局行政責任というのは、これはやはり免れないと思うんですね。ことにバスに対する補助金を年間三千万円ずつも出している運輸省としては、この点を明らかにしなくちゃならないと思いますが、この行政責任についてどうお考えになっていらっしゃいますか。
  7. 高橋寿夫

    政府委員高橋寿夫君) 先ほどお答えを申し上げましたように、この会社は、会社自体の持っております営業区域、あるいは会社内容その他を考えましたときに、全国の他の会社に比べて格別に悪い内容を持ったとも思えませんのに、このような事態になりましたのは、やはり経営者経営態度が悪かった、特に刑事事件になるようなことをした、それによりまして会社資金が急速に枯渇をしたということがございまして、この資金枯渇ということが会社更生法までいってしまった大きな原因であると思います。  陸運局を通じまして地方バス事業監督をいたしておりますけれども、私どもは何よりも、やはり地方バスは住民の不可欠な足でございますので、この足を確保する、そしてまた、そこに働く労働者の生活を保障するということが一番大事なことであると思いまして、そういう考え方で従来も会社合理化指導し、運賃適正化を図り、そしてまた、必要な場合には補助金交付してきているわけでありますが、そういったさなかでこのような事件が起こったわけであります。それでは一体陸運局は何をしていたんだ、これだけのことがわかんなかったのか、道路運送法によって、あるいは補助金適正化法によって監査もしているじゃないか、どうしてわかんなかったんだというふうなことを責められても、私どもそれに対して、一〇〇%私どものやり方に落ち度はなかったということは言い切れません。結果論でありますけれども、やはり私どもはもう一歩突っ込んで、会社の中身に踏み込んで監督をすることができたならば、あるいはこういった事態、ここまでの事態は避けられたかもしれないというふうには考えております。今後、もちろんこういった種のことが起こりますことはあってはならないと思いますし、また、そういったことは起こらないように期待いたしますけれども、しかし、もしも他の地区におきまして似たような事例が起こりかけている場合には、私どもやはり会社経営内容に相当立ち入って監督をする必要がある、そのように今後戒めてまいりたいと思っております。  ただ、この道南バス事件につきまして、私どもそういった見地で、一体陸運局がもうちょっと踏み込めなかったのかということをずいぶん現地陸運局にも聞きましたわけでございますけれども、この種の何といいますか、初めからある種の意図をもってなされたことは、もうそういうふうにすべてを外からわかんないようにやっておりますし、また関係者も本当に問題になっている人たち、ごく少数で密室の中でやっているわけでありまして、帳簿等も二重帳簿三重帳簿になっておりまして、なかなか監査官が行きましてもわからないようになっているというふうなところから、非常にその事実をつかむことはむずかしかったと思います。  たとえば、今回少し事件の詳細につきまして調べようと思って会社に行きましたところが、関係書類は全部検察庁の方に持っていかれてしまいまして全然調べることができない。で、その群類の解析に検察庁でもかかりっきりでやっているというふうな状況でございますので、なかなかそういったことまで私どもが、監査委員が入り込んでどこまで見られるかということにつきましては限界もあるかと思いますけれども、しかし、要はやはり会社経営姿勢を正す、それに対して陸運当局責任者が常に監督をし指導をするということであると思います。そういったことにつきまして、もうちょっと会社経営姿勢について、その会社責任者にしょっちゅう接触をして陸運局意図を伝え、厳重な監督を続けていたならば、会社姿勢としましてここまで落ち込むということは避けられたのではなかったかということは考えております。そういった意味で大変遺憾なことでございまして、今後はもちろん私たちの組織の全機能を挙げまして、こういう事態に立ち至らないように、内容的にも踏み込める限り踏み込んで検討いたすと同時に、やはり何といいましても、経営姿勢の問題につきましては陸運当局責任を持って会社責任者を常に指導するということで、このようなことの発生を今後防止したいというふうに考えております。
  8. 岩間正男

    岩間正男君 ちょっと時間の制限がありますんでね、簡単にやってもらいます。ずいぶん長い、質問二問やっておるうちにもう二十分というものが経過しておりますね。だから、端的にどうするか、どこに一体欠陥があったか、そういうところを言えばいいので、少しいろいろ粉飾が多いですから、そういうことでなく、時間の関係から簡潔明細にやってもらいたいと思います。  いまの反省の中に、検察にも帳簿を取り上げられて何とも調べようがなかったというようなことを言っていますけれどもね、それまでの問題を私聞いているんですね。検察の問題になってから、その後で追っかけていってそれをやったって問題にならぬわけでしょう。ところが、それに対してちゃんと調査する、会計上疑念があれば監査の目的を達成するためにやる権能は持っているわけですね。この限界内でも十分にこの問題をやれたと思うのですよ。だから、これは後でどれだけの一体限界があるのか、調査のですね、その問題についても資料としてむしろ出してもらいたいと思います。  では、具体的に個々にお聞きしたいのですが、ここには四十九年度道南バス営業報告書がある。これは道南バスからもらったものですね。これによると、四十九年度は四十八年度や他の年度に比べて異常な点が幾つかある、こういうことにわれわれが見ただけでも気がつくわけです。  その第一は、この貸借対照表、これを見ますというと、その中に固定資産、そうして土地の項というのがあります。そこに五億八千九百万円からこれが九億一千万円に一年の間に急増しているのですね。その差額三億二千二百万円、これを見ますというと、全くこれは土地を購入しているためだということが明らかになるわけです。これは小倉社長亀田社長と共謀して、室蘭東北興業から千歳柏台の十五万二千平方メートルの土地を二億七千万円で買って、これを道南バスに三億二千二百万円で転売して、その利ざや五千万円を着服したためであることは明らかだと思うんですね。これが亀田社長逮捕原因となっているのでありますが、法務省からお伺いいたしますが、これに違いございませんか。
  9. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) ただいまお尋ねの東北興業から買い受けた道南バス土地の件でございますが、大体御指摘のとおりでございます。その事実関係につきましては、亀田洸吉伊藤豊、この両名をすでに起訴をしておりまして、その事実の要旨を申しますと、四十九年の九月に東北興業から道南バスが買い受けて登記が道南バスに移っているものを、道南バス経営不振となり、会社更生法適用申し立てをすることになったため、これを隠匿し、自分らで処分して利益を得ようと考えて、その名義を錯誤を理由として不当に抹消した、そういう事実に基づきまして、これは千歳柏台の山林、原野でございますが、これについてすでに公判請求をしております。
  10. 岩間正男

    岩間正男君 経営の危機が叫ばれて、再建の道を目指す公共事業会社が、このような土地売買に手を出している事実というのは、行政監督の立場から考えれば、これは運輸当局責任が重大だと思うんですが、この点はどうお考えになりますか。
  11. 高橋寿夫

    政府委員高橋寿夫君) 運輸事業経営しております会社が、運輸事業のために土地を買うということはございますが、それ以外に運輸事業を支えるために、いわゆる兼業投資という形で土地を買うということがあるわけでありますけれども、これはときにやはりそのことが原因になりまして本業の方にかなりの負担、あるいは破綻を来させるおそれがなきにしもあらずでございまして、私は運輸事業会社土地に手を出すということは、全面的に禁止をするというわけにはいかないと思いますけれども、やはり節度を持ってやることが大事であるというふうに考えております。
  12. 岩間正男

    岩間正男君 運輸のための土地じゃないんですね、節度も何もないでしょう。これは全く土地転がしの一環になっているわけですから。こういうことをやられておるんですね。これはちゃんと報告書を見ればわかると思うんですよ。われわれ見てもこれはすぐにわかることなんだ。この点に目が届いていないということは問題だと思うんです。さらに重大なことは、この三億円の土地転がし事件は、今年の五月三十一日の道南バス株主総会では非常に大きな問題になった。延々まさにこれは三時間にわたる激論が繰り返された事実がある。このように疑惑の焦点になった事実を現地陸運局が知らなかったのか、こういうことを一体見逃していたんじゃないか、これは許されないと思うんでありますが、現地陸運局責任ともあわせてどうお考えになりますか。これは大臣、いかがですか。
  13. 木村睦男

    国務大臣木村睦男君) 道南バス会社がこういう非常な乱脈な経営で、とうとう会社更生法適用まで受けるというふうになりましたことは、非常に私も遺憾に思っておるところでございます。もともと公共事業でございますし、それに責任を持って当たる責任者は、十分に公共性というものを強く認識をして事業に当たってくれるものである、かようにわれわれは一般的に考えて、またそれを期待して事業監督をやっておるわけでございますが、このように、まことにその趣旨に反して、こういう公共性の強い事業経営責任者が当たっておったということは、本当に残念で仕方がないわけでございますが、こういう場合に対する、一体運輸省なり出先陸運局がどのように監督をしておったかということでございますが、年に一回営業報告書を規則によって取りまして、報告書を十分に審査をいたしまして、事業健全性継続性ということを見るわけでございますが、恐らくこういう不正なことをたくらんでやっておるというふうな、いわゆるそういう犯罪行為のおそれがあるというようなことを頭に持って営業報告書などを見るということはまずありませんので、その点で、いま少しその辺に目を光らしているべきであったかというふうにも感ずるわけでございますし、また、これだけの悪事を働く以上は、働く方も相当微に入り細をうがって、計画的に、わからないようにいろいろ潜行的にやっておったことも容易に想像できるわけでございますが、それだけに、営業報告書等内容審査はもっともっと厳格に、厳重にやるべきであったと、私はかように思うわけでございます。したがいまして、こういうことが万に一こういった公共性の高い事業にもあるという一つの手本を示されたわけでございますので、出先機関等監督上の指導に当たりましては、これを十分生かし、今後指導してまいりたい、かように考えておるわけでございます。  なお、こういうことの会社経営の乱脈が旅客に非常に不便をかける、たとえば、バスの予定の便数が減ったとか何とかということが、外部にこの結果があらわれておりますれば、もっともっと早く当然気のつくことでございますけれども陸運局といたしましても、公衆の利便に影響があるかないかということを真っ先に頭に入れて物を見るものですから、一応バスは、平常どおりずっと運行しておりましたので、よもやという感じもあったごとは否めないと思います。しかし、こういう事情が現在起きております以上、今後は十分に平素の経営姿勢等についても、一層厳格に監督をするように注意いたしたいと思います。
  14. 岩間正男

    岩間正男君 私たちいろいろ陸運局行政内容について触れてきたことがあるわけですけれども地方企業陸運局の癒着の問題がしばしば問題になるのですね。だから、そういう点では数時間にわたって土地転がしの問題が激論されていると、それも知らないでいるというようなことは、非常にいただきかねるのですね。この点についてはやはり監視、監督のそういう体制をもっとしっかりしたものにしておく必要があると思う。  さらに二つ目の不明朗な点ですね。この貸借対照表資産の部の、その他流動資産の項というところを見ますというと、四十八年度はゼロである。ところが、四十九年度は三億五千七百万円にもふくれ上がっている。この点が非常に問題だと思う。その内訳を見ますと、小倉社長の仮出金として二億三千二百十九万円が出されている。社長個人への金が二億円以上も出されている疑惑がそのままに放置されている。この金額は四十九年度営業収支二億三千六百八十五万円の赤字とほとんど同じ金額になっている。つまりこのことは何を示すかというと、これはこのような仮出金というものがなければ赤字はゼロであった、こういうことになるわけです。こういう問題がほとんど目が通っていない。これはやはり非常に重大な問題だと思います。何らこれは監査報告の中には全然そういうものが出てこないわけですね。これはどうですか。
  15. 高橋寿夫

    政府委員高橋寿夫君) これも貸借対照表をしさいに検討すれば、異常な事実について気がつくべきであったというふうに考えておりますが、当時そこまで直ちに気がつかなかったということは大変遺憾であったと思います。
  16. 岩間正男

    岩間正男君 第三の点は、流動負債支払い手形、これは四十九年度は四十八年度より四億二千六百万円も多くなり、六億二千六百万円ということになっています。この内訳調べてみると、重大なことに亀田洸吉前社長に二億円の借金として焦げついていることがわかります。このような背景の中で、労働者の給料が一月から未払いになったという、こういう具体的な現象が出てきているんですが、この点も非常に大きな問題ですが、この点も非常にこれは目が届かなかった、こういうことだと思うんですが、いかがですか。
  17. 高橋寿夫

    政府委員高橋寿夫君) 大変遺憾なことでありますが、そのようなことだと思います。
  18. 岩間正男

    岩間正男君 これは、われわれが素人としてこの資料を見て、調べてみただけでも、以上の三点というようなものは調べがつくんですね。これが実際陸運局がこういう問題をつかむことができなかったというのは、非常にこれは不十分などころじゃない。  以上述べたような不明瞭な点は、運輸省から出された道南バス営業報告書を少し調査しただけでも発見できるものですから、この点について、責任は免れないんじゃないかと思います。監査報告書というのは、ついでにこれはあなたたち資料としていただいたわけですが、いまのような問題を何ら触れていないんです。これは運輸省自動車局が五十年六月二十六日に行った監査報告書でありますが、この中で「(2)後期(昭和五〇年)は、営業管理関係、輸送と労務管理関係経営改善関係サービス改善計画等について監査した結果、次の3項目につき改善方等につき注意した」。どういうことを注意したかと言いますと、一つは「営業所規模が不必要に大きい、必要最少限度程度規模に改組すること」、ロとしまして「実労働時間数が可成り短かい、労使協調のうえ、労働生産性の向上に努めること」、ハとして「長大路線の縮少のための再編成、競合路線の縮少等効率的路線運行の確保を図ること」、こういうような業務上の問題だけで、経理内容についてはほとんど立ち至っていない。だから、こういう通り一遍の報告書なんですよね。しょっちゅうこんなことをやっているんですか。どこでもこんなことになっているんですか。これは全国的にやっておられると思うんですが、こういうことでは、とても問題の本質はつかめない。さらにまた、こういうような不正の発生に対して、これを未然に防ぐとか、これに対して改良をするとか、こういうことはできないと思うんですね。これは運輸省で出しておられると思いますが、これに関する監査報告書の全体をいただけますな、資料として。
  19. 高橋寿夫

    政府委員高橋寿夫君) いま御指摘のございました昭和五十年の監査報告書の全文をお届けいたします。
  20. 岩間正男

    岩間正男君 この問題で考えるのは、監査報告の場合には、これは専門家でないとわからないような問題もあると思うんですが、今後の機構の中に会計検査の専門的な人員を配置する、そういう必要があるように思うんですが、こういうところはどうお考えですか。
  21. 高橋寿夫

    政府委員高橋寿夫君) 先ほど大臣がお話し申し上げましたように、私ども行政監督の第一義が、やはりバスサービスの維持というところでありますものですから、どうしても先ほど御指摘ございましたような経営の問題、営業の問題、バス営業ないし運送サービスの方の問題にかなりウエートがかかってしまうということになるわけでありまして、経理的な内容分析につきましては、従来やはり重点の置きどころが必ずしも十分でなかったような気がいたします。また調べるお役人の素養といたしましても、なかなか経理のことというのは非常に専門的なことも多うございますし、特に相手方の方がその気になってごまかそうという場合には、なかなか見分けることがむずかしいこともございます。しかしながら、やはり経営収支というのは会社経営のもとでございますし、そこが乱れれば所期の運送サービスも提供できなくなりますので、今後はそういう会計経理等につきましても研修、その他のチャンスをふやしまして、十分素養を高めまして、できるだけ内容までチェックできるようなことにいたしたいと思っております。
  22. 岩間正男

    岩間正男君 じゃ、資料の問題二つですね。さっきの監査報告の結果、さらにまた、監査限界はどこまでやれるのか、こういう二つの資料の提出を求めます。  そこで本論に入ります。一番重大な問題は、この事件の審議に当たって特に明らかにしなければならない問題は、再建屋と称するブローカーが、この背景にある政界人とつながって、道南バスを食い物にしてきたのではないかというこの事実です。  そこで、私はまず刑事課長にお聞きしますが、道南バスの前社長小倉寿夫、元社長ですか、小倉寿夫逮捕した理由ですね、これを説明してほしいと思います。
  23. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) 小倉寿夫につきましては、本年の十月一日から十一月十日にかけて合計四回にわたって、商法特別背任罪の公訴事実によってすでに起訴しておるわけでございますが、その事実は、小倉関係している会社、あるいは小倉の友人が関係している会社経営資金等を捻出するため等の自己らの利益を図る目的で、道南バス会社の手形を振り出して財産上の損害を与えたという、合計七億四千六百万円に上る特別背任の事実でございます。逮捕したものは、その中の一つの事実で逮捕しているわけでございます。
  24. 岩間正男

    岩間正男君 それでは、小倉のいままでの経歴並びに彼が道南バスに就任した年月日、また退任した年月日、これは調べがついておることと思いますが、これをお聞かせ願いたい。
  25. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) 小倉道南バス代表取締役に就任いたしましたのは、四十九年三月三十一日から本年の四月十日まで代表取締役に就任しております。本件の公訴事実は、ほぼこの期間内の事件でございます。
  26. 岩間正男

    岩間正男君 経歴についてはわかりませんか、いままでの経歴。
  27. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) 小倉被告の経歴につきましては、もとより捜査の対象になっておりますので、十分検察当局としてはその内容は承知しております。しかし、これからいよいよ公判が開始されるという事件でございますので、余りここで詳しく申し上げるのはいかがかと思いますが、その略歴を申し上げますと、小倉被告は昭和十二年ごろ富士川電力という会社の社員をしていたようであります。それから昭和十四年に日本軽金属に入っていたようでございます。その後幾つかの会社の取締役等を歴任いたしまして、昭和四十年に小倉興業株式会社代表取締役になり、昭和四十九年、先ほど申し上げました三月三十一日に道南バス代表取締役に就任した、こういう経歴があると承知しております。
  28. 岩間正男

    岩間正男君 前歴について私たち調べたのですが、流山電鉄株式会社、これは昭和三十五年、ここで代表取締役社長、それから株式会社新東宝代表取締役、これは昭和三十六年から三十八年、それから富久娘酒造株式会社代表取締役社長、これは昭和三十七年から三十九年、それから市川機械工業株式会社代表取締役社長昭和四十二年から四十四年、道南バス株式会社社長、これは先ほどの話もあったとおりです。その他の役職としては、小倉興業株式会社社長、それから三真実業の取締役社長、それからJMPの社長、日立金属の顧問、株式会社大屋相談役というふうに、非常にいろいろな会社関係しているのです。そして、しかも長くないんです。いわゆるここで同じような事件が、問題が起こっていたんじゃないか、こういう点についての調査は進んでおりますか。
  29. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) もとより、先ほど申しましたように、本件について犯罪として捜査をし、起訴をいたしました以上は、検察当局としては小倉被告についての経歴等は十分捜査の対象にしております。  ただいま御指摘になりましたような会社の役員等を歴任してきているということは、私どもも承知しております。
  30. 岩間正男

    岩間正男君 前歴が今度の事件との関係を語っていると思うんですね、彼の性格。これは本当に再建屋と言われるようなそういう性格が出ているのであります。  さて、この事件をめぐって、当時衆議院の運輸委員長、元郵政大臣の三池信代議士と、この小倉との関係がとかくうわさされています。そして、非常にこれは疑惑を深めているんですが、この事実はどうですか。
  31. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) 小倉被告と、いまお尋ねの三池議員との関係についてでございますけれども、まず、小倉被告が三池議員と知り合い関係にあったという点は、もちろん捜査の過程で明らかになっております。しかし、その内容がどういう関係であったかということを逐一申し上げるのは、捜査の内容を逐一申し上げる結果になりますのでいかがかと思いますのでございますが、いずれにいたしましても、小倉被告が振り出している手形の振り出し先の関係で、ただいまお尋ねの三池議員について、参考人として札幌の検察庁事情を聴取した、取り調べたということは事実でございます。
  32. 岩間正男

    岩間正男君 これは検察の機能を十分に発揮して、もっと的確に調査をしてほしいと思うんです。これは実は今度の予算委員会でも問題になったんです。三池と小倉との関係、手形の授受などについて政府の見解を求められた。これに対して予算の最終日に、三木総理が政府の見解として総括的にこれに対する見解を述べている。これによりますと、「小倉氏を道南バス会社に三池信氏が紹介したことはない」。それから「小倉氏が手形を持参したことはあるが、それは会社に返還してある」こういうふうに答弁しております。この答弁については、もちろん運輸大臣、これは内容について聞かれたと思うんです。こういうような点について明らかにされたと思うんですが、いかがですか。この大臣答弁について関知されておりますか、どうですか。
  33. 木村睦男

    国務大臣木村睦男君) 予算委員会におきまして、いまお話のような、質問に対して総理が答弁をいたしております。私の方はそこまで立ち入るあれではございませんので、別にその問題については関知をいたしておりません。
  34. 岩間正男

    岩間正男君 しかし、運輸省がこれは直接担当ですから、この問題について関知されていないというのはちょっとおかしいと思うんですが、私は三木総理の答弁というのはずいぶんこれは違ってきていると思います。そういう事実を明らかにするためにお聞きしたい。  実は私は先々月の十月二十八、二十九日の二日にわたって現地に赴いて事情調査したんです。そしてさらに、わが党の北海道委員会の調査に基づいて十月三十一日に札幌地検を訪問し、そして山崎検事正と面会したんです。そのとき山崎検事正は、この問題については、背後にある政治的関係の事実についても調査の対象にしている。現在国会中であり、調査がおくれているという説明をされたわけです。  ところが、十一月十八日の朝日新聞の夕刊によりますと、札幌地検が東京に出まして、そして三池信氏に、参考人として事情を聞いたという報道がなされておる。この文を読んでみますというと「三池代議士から事情を聴く 道南バス事件 道南バスをめぐる特別背任事件調べている札幌地検は十七日午後、元同社社長小倉寿夫(六三)=起訴済み=の社長就任に関連し、小倉が乱発した手形の一部を受け取っていた、とみられている自民党の三池信代議士(佐賀県選出)から、東京都内で参考人として事情を聴いた。同事件で、小倉社長をしていた一年余りの間に約十六億円にのぼる同社の手形を不正に乱発、このため同社は九月、事実上倒産した。小倉はこのうち、昨年五月、七千五百万円の手形を「借金返済」の名目で同代議士に渡した。しかし、同社の経営状態が悪化していることを知った同代議士は、昨年暮れ、手形全部を同社に返している。」こういう朝日新聞の報道があるわけです。  この点についてこれは法務省からお伺いしたいんでありますが、このような事情聴取の事実はあるわけですね。さらに、朝日新聞で伝えられているようなその事実はどうなのか、この点についてお伺いしたいと思います。
  35. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) 先ほど申しましたように、札幌地検が参考人として三池議員から事情を聴取したということは先ほど申し上げたとおりでございます。  で、どういうことで参考人として調べをしたのかということのお尋ねだと思いますが、小倉被告の方で振り出しました道南バスの手形の関係で三池議員の名前が出てまいりましたので、その事実関係を明確にするためにその事情を聴取したということでございます。で、具体的な内容はいかんというお尋ねでございますが、この点はぜひ御理解いただきたいのでございますが、それはただいま申しましたように、参考人として調べたにすぎないものでございまして、その捜査の結果の内容を当国会で明らかにして、その内容はこうこうこうであったということを申し上げるのはいかがかと思いますので、ぜひこの点は御了解いただきたいと思います。
  36. 岩間正男

    岩間正男君 新聞がもうすでに内容について触れているんですからね。検察庁が隠したとしても疑惑は残ると思うんですね。この中で三木総理はこういうことを言っているんですよ。「小倉氏が手形を持参したことはあるが、それは会社に返還してあると、こういうことです。」これは国会答弁でやっているわけです。実際言っている。ところがそうなると、手形を持ってきてすぐ返したように印象づけられるような答弁なんです。ところが、違うでしょう。これは五月に渡したんでしょう。受け取ったことは事実だ。返したのは、この間半年あって十一月でしょう。半年間所持しておったという事実はこれは明らかでしょう。この点いかがですか。
  37. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) 小倉被告から、いつどのような手形を受け取っているかということ、それでいつ返したのかということでございますが、小倉被告から、お尋ねのように約束手形を受け取って、これをその後返還していることは事実でございます。この手形につきましては、手形の金額は何回か切りかえられてきておりまして、金額といたしましては合計七千五百万円というふうに承知しておりますけれども、それらはすべてその後切りかえられた手形が全部返還されておると、実害は全く生じていなかったというふうに聞いております。それ以上詳しい内容をここで申し上げるのは、再三申し上げますように、決して私どもとしては隠すつもりは毛頭ございません。ただ、参考人として調べた方につきまして、捜査のその内容を逐一申し上げるということは、これは捜査のたてまえから言いまして許されないことであると私ども考えておりますので、この点はぜひ御了解いただきたいと思います。
  38. 岩間正男

    岩間正男君 新聞ですでに報道されているんですね。この間の事情については、これは当地ではもっぱら問題になっているんです。九月十二日付の毎日新聞を見ますと、こういう記事があります。記者の質問に答えて、手形を受け取ったことを三池氏自身が認めている。その中で「昨年夏、三枚の手形を持ってきた。昨年十一月と、ことし一月、三月に割れる手形だった。」「手形を返した時期は、三枚のうち十一月に期限がきれるものをまず返した。たしか十一月末だ。あとの二枚もその直後に渡してある。」九月十三日付の北海道新聞を見ますと、「小倉はすぐ返済するつもりでいたので、七千万円を振出したものと思う。しかし、道南バスからもらうべきではないので、映画会社の名で裏書きしてくれといったら、小倉は、それは困る。では政治献金として受け取ってほしいといった。一枚は期限が十一月」——四十九年の十一月です。「で、そのころ道南バス経営も苦しいと聞いたので、立派な会社ならいいが…と突き返し、そのあと残りの二枚も返した。」、こういう報道がなされているんですね。検察庁はこういう事実についても確かめられたと思うのでありますが、いかがですか。
  39. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) 札幌地検は、小倉被告が振り出した手形の全貌につきましてその真相を解明すべく、その全般について捜査の対象としております。その手形にはいろいろな性質の手形があるようでございますけれども、犯罪になるもの、ならないもの、いろいろありますけれども、それらのすべてについて捜査の対象としております。お尋ねのような事実があるかどうかは、事実関係になっているかどうかは、先ほど申しました理由で申し上げることはできませんけれども、三池議員のことについてお尋ねでございますのでさらに申しますと、手形の授受が行われたということは事実のようでございますけれども、しかし、それは先ほど言いましたように、何ら実害が結局生じていなかったということでございますし、その他、検察庁が慎重に十分捜査した結果、犯罪と認めるに足りるような容疑は全く認められなかったというふうに報告を受けております。
  40. 岩間正男

    岩間正男君 この中には、政治献金として受け取ってくれというふうなこともあるわけですね。こういう事実は、現在金権問題が非常に大きな問題になっている世の中では、厳正に調査すべき問題だと思う。  で、さきに、開会中だから呼べない、調べられないというふうなことを言っていた検察出局が、結局開会中に三池氏を呼ばなくちゃならなくなった。それほどに事態が進展しているのかどうか。また、十月の三十一日に山崎検事正は、背後にいる政治的関係の事実については、地元代議士も被疑者として呼ぶか、参考人として呼ぶか慎重に調査して、上とも相談して決定したいと述べています。で、他の地元代議士についてもこのような問題があるのかどうか、これはいかがですか。
  41. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) お尋ねの点については、私は承知しておりません。検事正がどういうふうに申したのかは、その点については具体的に私ども報告を受けておりませんので承知しておりませんけれども、先ほど申しましたように、小倉被告が道南バスの手形を相当数振り出しております。そのいわゆる乱発と申しますか、そういう手形を振り出しておるその関係につきましては、その手形の振出経路等について詳細に札幌地検は捜査をしておるわけでございます。その結果が、先ほど申しましたように七億四千六百万円に上る合計十七件、手形、小切手六十九通に上りますが、それを振り出したという特別背任小倉被告を起訴しておるのでございます。それ以外の事実につきましては、犯罪としてこれを問擬するというものはなかったと報告を聞いております。
  42. 岩間正男

    岩間正男君 捜査中だから答えられないというような御答弁でありましたが、まあそういうこともありましょうが、先ほども述べましたように、田中金脈問題を頂点にしていま金権政治の問題が重大な政治問題となっていて、国民の関心は非常に高まっておる。当然この事件についても政界との関係を徹底的に明らかにする必要があると私は考えます七このことを国民もこれは要求しているんです。徹底的調査をこれは検察当局がすべきだと思うんです。この点について態度をお聞きしたいと思います。
  43. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) 私は、刑事課長にすぎない者でございますが、検察当局姿勢につきましてはいま御指摘のあったような態度で、この本件の捜査も厳正に行っているはずでございます。お尋ねのように、三池議員の点につきましても手形の振出経路等の関係で、すべてその事実を解明する必要がある関係から、参考人として事情を聴取しておるような次第でございまして、検察当局としては、犯罪の容疑ある者については厳重な態度で処置するということには何ら変わっておりません。
  44. 岩間正男

    岩間正男君 そこでお聞きしますが、三池信代議士と小倉との関係は、これはどういうことなんですか。たとえば「昭和十三年ごろ、同じ日本軽金属の社員として、山梨県の発電所建設現場に勤めていた間柄だ。戦後、僕が国会に出てから訪ねて来て、つきあっていた」と、こういうことを三池信氏の言葉として言われたことが北海道新聞に出ておるんでありますが、こういうことについても調査がされておりますか。
  45. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) お尋ねの点につきましても十分捜査をしております。小倉被告といつごろからどういう関係になって、どういういきさつでこの手形の授受が行われるようになったのか、そういうようないままでの経路につきましては、当然札幌地検で事実関係を明らかにする必要がありますので、その経路は調べております。
  46. 岩間正男

    岩間正男君 先ほどの三木総理の答弁の中で、第一項に属しますが、「小倉氏を道南バス会社に三池信氏が紹介したことはない」と、こういうふうに総理は答えているわけですけれども、そこで、私は具体的にお聞きします。  ここに臨時株主総会議事録があります。これは道南バスから提出してもらったものです。「昭和四十九年三月三十日午後一時開催、道南バス株式会社四階会議室、第二号議案取締役二名選任の件、取締役小倉寿夫、同三池信、以上二名、別段異議なくこれを承認可決した。」以上のように、三池信氏は明らかに一応道南バスの取締役に選任された事実があると思うんでありますが、いかがですか。
  47. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) お尋ねの臨時株主総会について、私その議事録の内容等は承知しておりませんので、その具体的な内容についてはよくわかっておりません。
  48. 岩間正男

    岩間正男君 これは法務省に提出します。この資料道南バスからもらったものですからね。ちゃんと会社株主総会の議事録があるんです。これについてまだ調べていないんですね。読んでいないんですね。どうなんですか。
  49. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) ただいま申し上げましたのは、本日国会に出席いたしました私の方で承知していないということでございまして、札幌地検はそれらの経緯についても十分捜査の対象にしているはずでございます。
  50. 岩間正男

    岩間正男君 これは調べてくださいね。もし、なければ、これは後から証拠として出します。  その直後の午後二時二十五分に再開された第三十九回取締役会議事録というのがありますが、これによりますと、「本日開催の臨時株主総会において取締役に選任された三池信は都合により取締役就任を延期することとする」、このことは、株主総会では選任はされたが、取締役会で取締役に就任することを延期するということに決められている。しかし、就任しているのは事実なんですね。そうしてそれを延期する、こういう手だてをとっているのであります。これは明らかに三木総理の国会で出した答弁は間違っている。事実はない、こういうことを言っているんですが、この関係は非常に深いと思います。ここに会社から手にしました資料がございますから、運輸大臣にも、委員長にも差し上げます。  第二の問題、昭和四十九年五月三十一日、定期株主総会における三池信氏のあいさつ、こういうのもあります。株主総会に出席した二人の株主の証言によりますと、これは当時衆議院運輸委員長である三池信氏が、この定期株主総会北海道室蘭までわざわざ出向き出席していること。小倉社長を紹介するため次のようなあいさつをしていること。「小倉氏はいい人です。私は現職の運輸委員長であるので役員にはなれない。しかし相談役や顧問として再建に力をつくしたい。現職をはなれたのちには、取締役になります」。最終的には相談役として就任している。こういうことを私たち関係者から聞いたわけですね。こういう事実はどうですか。
  51. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) ただいまお尋ねの点の具体的な内容については、私は承知しておりませんけれども株主総会の経緯等についても詳細その状況検察庁が承知しているというふうに聞いております。ただ、議事録に具体的にどういうことが書かれているかまでは私は承知しておりません。
  52. 岩間正男

    岩間正男君 これは相談役として就任していますね。
  53. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) 先ほど申しましたように、議事録の内容については承知しておりませんでしたので、そこはわかりませんでした。私は現在は承知しておりません。三池議員が道南バスの役員になったという話は承知しておりません。
  54. 岩間正男

    岩間正男君 三池氏が相談役としての手当を受けている、こういう事実があるわけですが、これはどうですか。
  55. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) 先ほどのお尋ねを私ちょっと勘違いして受け取ったようでございますが、相談役になっているのかどうか、その点についてもまことに申しわけありませんが、そこまでは私現在承知しておりません。またさらに、その関係で何がしかの報酬を受け取っているかどうかという点についても現在は承知しておりません。
  56. 岩間正男

    岩間正男君 これは株主の証言によって、しかも、これは相当な地位の人の証言によって私たちは明らかにしておるわけですが、相談役としての手当を、就任後昭和四十九年五月から毎月二万円ずつ送金を受けていた。四十九年十一月に受け取った手形とともに一括返還されている、こういう事実もこれはあるようでありますが、こういうものについてやはり正確にされたいと思います。  そこで、これは新しい事実といいますか、こういう問題についてお聞きしたい。  小倉寿夫氏と共謀して京葉設備機工株式会社社長天田勇、同取締役久野広仁、また元北海道白老観光開発株式会社社長の酒井保斗、これが逮捕された事実はありますか。
  57. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) ございます。京葉設備機工の代表取締役天田勇、それからいまお尋ねのもう一人の氏名は酒井……
  58. 岩間正男

    岩間正男君 天田勇、それから久野広仁等……
  59. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) 京葉設備の専務をしております久野広仁、この両名については逮捕して取り調べ、先ほど小倉被告人について申しました十七件の一部の事実について、小倉被告人と共犯という特別背任の公訴事実によって起訴しております。
  60. 岩間正男

    岩間正男君 この逮捕され、さらに起訴されたこういう三人と三池氏の関係については、これは調査が進んでおりましょうか。
  61. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) 私は現在承知しておりません。
  62. 岩間正男

    岩間正男君 いま言ったような事実は、これは後で調べて報告できる分だけは報告してもらえますか、委員会の後でいいですから、資料として出してくださいよ。知りません、知りませんというのは、事実を具体的に、これはこちらで質問の要点も十分、全部はあなたの方に最初に事前に報告しなかったからお調べになることができなかった点もあると思いますが、いまの問題については是非これは出していただきたいと思います。  そこで、わが党の調査によりますと、さらに新たな関係が明らかになった。その一つは、三池代議士の後援政治団体である国策問題懇話会というのがある。これが四十七年と四十八年の上期に、京葉機工株式会社に人件費の名目で四十七年上期に百三十一万七千八百二十五円、下期に百四十万二千三百九十四円、四十八年の上期に八十九万二百八十一円、合計三百六十一万五百円を支出をしている、こういう関係があるわけですね。政治献金なのかどうか、こういう点について、これは性格を明らかにする必要があると思うんですが、この点はいかがですか。
  63. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) どうも、まことに申しわけありませんけれども、そういうお尋ねの事実関係については、現在私は承知しておりません。札幌地検で本件の捜査をするについて必要なものについては、十分その事実関係を明らかにしておると思いますけれども、その関係については私は現在承知しておらないので、まことに申しわけないのでございますが、その内容については本日お答えすることはできません。
  64. 岩間正男

    岩間正男君 この逮捕され、起訴されている天田勇社長、さらに久野広仁副社長、これは京葉機工株式会社の取締役であるわけですね。このことは、小倉社長と共謀して逮捕されたグループの天田氏、久野氏ともに、これは三池代議士がすでに四十七年当時から密接な関係を持っていた、こういうことを裏書きするものだと思います。この点も明確にされたいと思います。  さらに第二の点は、これは酒井保斗氏の問題ですね。これは三池代議士の後援政治団体の国策問題懇話会が、これも逮捕され、起訴されている酒井保斗氏が社長をやっていた北海道白老観光開発株式会社、これに四十七年一月十日、車両費という名目で百五十万円を出資している、こういう事実が判明しているわけです。これらの挙げました事実は、小倉氏、天田氏、久野氏、酒井氏というようなこの事件の一味と、三池代議士が四十七年当時からすでに旧知の間柄であり、それも金銭のやりとりをしていた、そういう密接な関係があるということが証明されるものだと思いますが、このような新しい事実について、これはいかがですか。
  65. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) 御指摘のとおり、酒井氏につきましても小倉被告人と共犯という容疑で、特別背任罪によりすでに起訴をしておるものでございます。酒井被告人につきましても、先ほど来申し上げましたとおり、それらの当該被告人のいままでの経歴、関係等については詳細捜査の対象にしておるわけでございますが、ただいまのお尋ねの車両費云々という点につきましては、私は現在承知しておりません。お尋ねのようなことが本日当委員会で御指摘があったということを早速検察庁にも伝えておきます。
  66. 岩間正男

    岩間正男君 委員長にお願いします。  これは刑事課長も承認されたんでございますから、私の質問に対して、これは、ことに起訴された問題については相当詳細に報告されていいと思いますので、事実の有無、そしてそういう質問の事項について、これは当委員会としてもぜひ報告を受ける、こういうことを委員会として承認していただきたいと思いますが、いかがですか。
  67. 吉田淳一

    説明員吉田淳一君) ちょっと一言だけ私の方からお願いを申し上げたいのでございますが、先ほど来申しておりますように、検察庁といたしましては、犯罪の容疑が認められる者につきましては厳正に処置をして、これは全く検察官の独自の力だけでこの不正事件を摘発したのでございます。その過程で必要な捜査については十分捜査を遂げているはずでございます。私がその内容を  一々申し上げられないのは、先ほど言ったような、まず捜査の内容を一々詳しく申し上げるということは、捜査の原則から言って、性質から言って適当でないということが一つ、そういうことで御了解を得られたいということが一つと、もう一つは、個々の事実について私自身全く承知しておりませんので、まことに遺憾でございますが、お答えができないということを申し上げておるのでございます。  これからこの事件につきましては、来年一月二十七日に第一回の公判が予定されております。これからこれらの被告人にかかる特別背任について、検察官は収集した証拠に基づいて公判を維持するという重要なこれからの職責を持っておるわけでございます。したがいまして、その捜査の内容の中にあるものを逐一御説明したり、資料として提供するということは、これはぜひ御勘弁願いたいと思います。ただ、ただいまの点につきまして、一般論としてはそういうことでございますので、ひとつその辺を何分御配慮をいただきたいというふうにお願い申し上げる次第でございます。
  68. 岩間正男

    岩間正男君 具体的に聞いているんですから、その具体的に聞いた事実についてできるだけ、あなたたちの無論立場もありましょう、それから捜査上の問題もありましょうから……。しかし、これは国会の審議ですから、国会の審議の場で問題を出して具体的に聞いている。それについては、はっきりした答弁が当然出されていいと思う。だから、それをぜひ願いたいと思うんです。  以上述べました点で、小倉氏らが道南バスを食い物にし、事前に談合してきたと言われていることから考えても、これは三池代議士にも重大な疑惑がある、こういうふうに考えられるわけであります。現地調査によりまして、私たちはこれはいろいろ調べたことは、このように再建屋という手形ブローカーと三池信氏の関係が非常に密接であるということ、そして、この再建問題については、実はいまは亡くなりましたが、地元の代議士に——これは閣僚もやられたこともある代議士に相談した。そうして、その代議士から今度は、ある派閥の領袖を通して三池氏に相談がかけられた。当時三池氏は運輸委員長をやっておったわけです。三池氏の紹介で小倉がこれは選ばれた。その小倉が、そのときに一億五千万円の金を持参する、いままでの資本と合わせて三億円にこれは増資をする。そういう中で、小倉はブローカーと共謀して手形を乱発して、その一部が政治献金、さらに三池代議士の手形というかっこうで一時出されておる。こういう事態なんかは、もうほとんど現地では明らかになっている事実なんですね。  こういう点から考えて、私は道南バスの問題をただすと言っても、このようないわば伏魔殿の内容について明らかにしなければ、実際これを再建すると言ってもできないんじゃないか。だから、この点について運輸大臣にお聞きしたいんですね。どうしてもこの点は明確にしないというと、本当に運輸行政の上っ面のことだけを話をしたって話にならぬと思います。これはいかがでしょう。これについて運輸大臣の見解をお聞きしたい。
  69. 木村睦男

    国務大臣木村睦男君) 公共性の強いバス事業責任者がこういうような事件を引き起こしたということは、非常に私も残念に存じておるわけでございます。幸いにバスそのものは順調に運行いたしておりますので、一般利用者には不便をかけていないようでございますが、これは全国に数あるバス会社でございまして、その多くはほとんどは公共性を十分認識して経営に当たっておるわけでございますが、まことにどうも遺憾千万なことでございまして、今後こういうことが起こらないように、バス事業監督する立場からは事前に、先ほどお話がございました法に許された構文の方法、営業報告書審査等十分厳重にやりまして、こういう不正が起きて、公共事業担当の会社営業が危うくなることのないように、今後十分注意したいと思っております。
  70. 岩間正男

    岩間正男君 この問題は、さらに私たちはいろいろ調査をして、また法務省からの返事ももらって、その次の機会に質問したいと思います。  これで、私の質問は一応終わって中断しておきますが、一つだけお聞きしたいのは、会社更生法適用が決定されて、昨日これは会社更生ができたわけですね。それによりますというと、債務返還能力を札幌地裁は認めている、こういうことですね。こういう点から考えますと、労働著の生活費の問題、それから退職者があるわけでありますけれども、この退職者の一体退職金はどうなるのか、現地に行って私たちこの退職者の陳情を受けたわけでありますけれども、全くこれは困っている。もう本当に前途真っ暗で全然退職金が出ない。そのために路頭に迷っている人がたくさんあるわけです。  こういう問題について、当然これは監督行政の立場から考慮を払うべきだということを考えるわけです。労働者の賃金の問題、これを優先的にやるべきだ。それから退職者のこの退職金の問題というものは、これはよく、えてして会社更生の場合には後回しにされたり、物すごく減額されたり、その被害が及ぶわけです。一方でこのような乱脈な経営をやっておいて、しかも食い物にされたその会社がここで更生決定をするわけでありますが、そういう中でいまのような、先ほどの答弁の中にもありました、労働者の生活権を確保する、こういうことを非常に重要視する、こう言われたわけでありますから、そういう立場からもこれについて特に留意する必要があると思うのですが、この点いかがでしょうか。
  71. 高橋寿夫

    政府委員高橋寿夫君) これから裁判所の手で会社更生手続が進められるわけですけれども、その過程におきまして一番大事なことは、これによりまして地元の足が脅かされないように、そしてまた、働く人の生活を脅かされないようにということが眼目であると思います。特に退職をしてまだ退職金をもらっていないという人もたくさんおられます。その方々の生活保障のこともございますので、十分この更生手続の過程におきましては、そういったことも配慮するように私たち当局といたしましても、裁判所の方に機会をつかまえまして要望いたしたいと思います。
  72. 岩間正男

    岩間正男君 最終に、運輸大臣からもいまの局、長の答弁、これを裏づけしていただきたいと思います。いかがですか。
  73. 木村睦男

    国務大臣木村睦男君) 更生法の適用を受けて更生決定になりまして、管財人が裁判所の指導を受けながら今後の処理に当たるわけでございます。いま御質問の点は、自動車局長が申しましたとおり、そういう趣旨で裁判所の方に、そういうことについて十分配慮をするように連絡をとりたいと思っております。
  74. 岩間正男

    岩間正男君 これで終わります。
  75. 宮崎正義

    委員長宮崎正義君) 岩間君のただいまの質疑中、道南バスの役員等の件につきまして、起訴取り調べ中という問題でありますので、資料要求につきましてはなかなか提出の方も困難だと思いますけれども、一応理事会にて取り計らっておきたいと思います。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十九分散会      —————・—————