○馬場
委員 そこで
自信がないような答えをぼそぼそと言っている、それじゃ国民の健康を守るという厚生行政がなっていないと思うけれ
ども、はっきり聞いておきます。
だからいまのところカネミライスオイルを食べたというのがカネミ油症患者であるけれ
ども、私が言ったような経路で売られておるわけです。それは
農林省とも
相談して
調査するとおっしゃいました。そしていまの答えでも油症
研究班と
相談してそれはさらに
検討するということできょうは受け取っておきたいと思うのです。
最後に、このダーク油事件の
責任について申し上げたいと思います。全部質問申し上げますので端的に答えてください。
結局ダーク油にどうやってPCBが入ったかというその
原因が、七年たった今日といえ
どもまだわかっていないのです。これは
農林省は迷宮入りさせるのか、これをさらに徹底的に調べるのか、端的にひとつ答えてください。
それからもう一つ、四十三年の三月の中旬に福岡の肥飼料
検査所がカネミに入っているのです。そうして東急エビスもカネミに対してダーク油は大丈夫かという問い合わせもしております。このころ、大体ダーク油に鶏の死ぬ毒性があるということがわかっておるのです。そういうことでカネミ倉庫には大体三月中旬ごろライスオイルは大丈夫かということを
農林省の係官が言っている事実もございます。ところが
農林省は、カネミの方はたとえば米ぬかからダークオイルも出てくるわけですし、ライスオイルも出てくるわけですから、そのダークオイルの方に鶏が死ぬという毒性が入っているというならば、まず米ぬかを調べ、その主製品であるライスオイルも当然調べなければならない。ところが、三月ごろ、ライスオイルの方は大丈夫かということを言っている。ところが、それについてカネミ倉庫は、心配はないと突っぱねておる。それ以降
農林省は何も言っていない。そのときライスオイルも危ないと調べてみたら、五月ごろから売られたもので発症しておる者がたくさんおるわけですから、カネミ油症患者は非常に数が少なくて済んだのではないかと私は思うのです。そういう点について
農林省のカネミ倉庫に対する行政指導というのに非常に
手落ちがあった、あるいは緩やかであった。そういう裏には、カネミ倉庫が
食糧庁の指定モデル工場であったとか、また、そこの常務、専務というのが
農林省の職員であったとか、あるいは山口という食糧センターの所長も
農林省の職員であったとか、こういう
農林省の天下り的な役人がたくさんカネミ倉庫に入っている。こういうことがあって、カネミ倉庫に対する
農林省の行政指導というのは非常に甘かった。本当に三月時点でライスオイルが大丈夫かと見てそれを調べておれば、カネミ油症患者はそういまのように出なくても済んでいた、こういうぐあいに思うわけでございます。それで、そういうことに対する
農林省の現在の反省といいますか、態度についてお聞きしたいと思います。
それからいま一つは、
農林省は三月時点でこれを
厚生省に知らせていない。
厚生省に知らせておけば、
厚生省がさらによく
調査をして、さっき言ったような汚染された肉とか卵とかいうのが市販されずに済んだのかもしれない。
厚生省に対する連絡というのが非常におそかった、こういう問題点もあると思います。
そうして、私は結論的に言いますと、
厚生省にも連絡せずに
農林省が独断でカネミ倉庫を追及もせずに、うやむやのうちにこの問題を片づいたんだという形にしてしまったところに非常に大きい問題があろうと思うのです。
それから
厚生省にも聞きますけれ
ども、
厚生省は
農林省から言われなくてもちゃんと二百万羽も死んだというような事実はわかっているわけですし、これが世界的な飼料中毒であるということもわかっている。三月とか四月とか五月にも新聞にもこれは載っておる。ところがこれを
農林省から言ってくるまで何ら知らなかったといって自分から乗り出そうとしていない。国民の健康を守ろうという
立場の
厚生省としても積極性を欠いでおる、こういうことだろうと思うし、本当にダーク油事件について適切な措置を
農林省並びに
厚生省がうまく連携をとって進めておれば、今日のような人間の
被害というのは最小限度に食いとめられた、この行政の怠慢というか不十分さが非常に
被害を増大した、こういうぐあいに思うのです。そういう点について、いろいろな質問をしておりますと本当に連絡も不十分です。なわ張りも非常にあるようでございますが、これでは国民の命と健康は守れないと思うのです。
いま私が言いましたことについて
農林省と
厚生省の反省を含めた御
答弁をお願いしたいし、最後に、これについては次官がおられますから、次官の方からも——本当にうまくいっていない、
農林省とか
厚生省、環境庁とかのなわ張り主義、そしてまた非常にカネミ倉庫には遠慮もしておる、行政指導が不十分だったということもあります。担当官の
答弁の後に、こういう事件を二度と起こさないという
立場において、次官の総括
答弁もお聞きしたいと思います。