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1975-10-28 第76回国会 衆議院 内閣委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和五十年九月十一日)(木曜 日)(午前零時現在)における本委員は、次のと おりである。    委員長 藤尾 正行君    理事 越智 伊平君 理事 奥田 敬和君    理事 加藤 陽三君 理事 木野 晴夫君    理事 箕輪  登君 理事 上原 康助君    理事 大出  俊君 理事 中路 雅弘君       赤城 宗徳君    有田 喜一君       大石 千八君    笠岡  喬君       近藤 鉄雄君    竹中 修一君       中馬 辰猪君    旗野 進一君       林  大幹君    三塚  博君       吉永 治市君    木原  実君       八木  昇君    山本 政弘君       和田 貞夫君    渡辺 惣蔵君       木下 元二君    瀬長亀次郎君       鬼木 勝利君    鈴切 康雄君       受田 新吉君 昭和五十年十月二十八日(火曜日)     午前十時三十分開議  出席委員    委員長 藤尾 正行君    理事 越智 伊平君 理事 奥田 敬和君    理事 加藤 陽三君 理事 上原 康助君    理事 大出  俊君 理事 中路 雅弘君       赤城 宗徳君    大石 千八君       笠岡  喬君    近藤 鉄雄君       竹中 修一君    中馬 辰猪君       葉梨 信行君    林  大幹君       三原 朝雄君    三塚  博君       吉永 治市君    木原  実君       山本 政弘君    和田 貞夫君       木下 元二君    鈴切 康雄君       受田 新吉君  出席国務大臣         外 務 大 臣 宮澤 喜一君         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)      植木 光教君         国 務 大 臣         (行政管理庁長         官)      松澤 雄藏君         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 坂田 道太君         国 務 大 臣         (科学技術庁長         官)      佐々木義武君  出席政府委員         人事院総裁   藤井 貞夫君         人事院事務総局         給与局長    茨木  広君         人事院事務総局         職員局長    中村  博君         内閣総理大臣官         房総務審議官  佐々 成美君         総理府人事局長 秋富 公正君         総理府恩給局長 菅野 弘夫君         行政管理庁長官         官房審議官   川島 鉄男君         行政管理庁行政         監察局長    鈴木  博君         防衛政府次官  棚辺 四郎君         防衛庁参事官  伊藤 圭一君         防衛庁長官官房         長       玉木 清司君         防衛庁防衛局長 丸山  昂君         防衛庁人事教育         局長      今泉 正隆君         防衛庁装備局長 江口 裕通君         防衛施設庁総務         部長      安斉 正邦君         防衛施設庁施設         部長      銅崎 富司君         科学技術庁長官         官房長     小山  実君         沖繩開発庁振興         局長      井上 幸夫君         厚生大臣官房審         議官      中野 徹雄君  委員外出席者         外務大臣官房人         事課長     波多野敬雄君         大蔵省主計局共         済課長     岡田 愛己君         郵政省人事局審         議官      魚津 茂晴君         自治省行政局公         務員部福利課長 大嶋  孝君         内閣委員会調査         室長      本田 敬信君     ――――――――――――― 委員の異動 十月一日  辞任         補欠選任   近藤 鉄雄君     倉石 忠雄君 同日  辞任         補欠選任   倉石 忠雄君     近藤 鉄雄君 同月二十七日  辞任         補欠選任   鈴切 康雄君     矢野 絢也君 同日  辞任         補欠選任   矢野 絢也君     鈴切 康雄君 同月二十八日  辞任         補欠選任   有田 喜一君     三原 朝雄君   旗野 進一君     葉梨 信行君 同日  辞任         補欠選任   葉梨 信行君     旗野 進一君   三原 朝雄君     有田 喜一君     ――――――――――――― 九月十一日  国の行政機関の休日に関する法律案大出俊君  外六名提出、第七十二回国会衆法第二〇号)  一般職職員給与に関する法律の一部を改正  する法律案大出俊君外六名提出、第七十二回  国会衆法第二一号)  休日の範囲の改定等のための民事訴訟法等の一  部を改正する法律案大出俊君外六名提出、第  七十二回国会衆法第二二号)  内閣法等の一部を改正する法律案内閣提出、  第七十一回国会閣法第二七号)  内閣法の一部を改正する法律案内閣提出、第  七十二回国会閣法第六号)  国家公務員法及び地方公務員法の一部を改正す  る法律案内閣提出、第七十五回国会閣法第六  七号)  職員団体等に対する法人格の付与に関する法律  案(内閣提出、第七十五回国会閣法第六八号) 同月二十日  恩給法等の一部を改正する法律案内閣提出第  六号)  許可、認可等の整理に関する法律案内閣提出  第七号) 同月二十七日  防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法  律案内閣提出第四号)  科学技術庁設置法の一部を改正する法律案(内  閣提出第五号) 十月九日  一般職職員給与に関する法律の一部を改正  する法律案内閣提出第一二号)  特別職職員給与に関する法律及び沖繩国際  海洋博覧会政府代表設置に関する臨時措置法  の一部を改正する法律案内閣提出第一三号)  防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(内  閣提出第一四号) 同月十一日  在外公館の名称及び位置並びに在外公館勤務  する外務公務員給与に関する法律の一部を改  正する法律案内閣提出第二七号) 九月三十日  軍人恩給等改善に関する請願外五件(大西正  男君紹介)(第一号)  同(長谷川四郎紹介)(第二号)  同(宮崎茂一紹介)(第六号)  同外十二件(黒金泰美紹介)(第一二号)  同外一件(田川誠一紹介)(第四五号)  同(愛野興一郎紹介)(第七七号)  同外一件(野中英二紹介)(第七八号)  同外一件(羽田野忠文紹介)(第七九号)  同外一件(松野頼三君外一名紹介)(第九六号)  同(森山欽司紹介)(第九七号)  同(坊秀男紹介)(第一六五号)  金鵄勲章制度復活に関する請願宮崎茂一君  紹介)(第五号)  同(西岡武夫紹介)(第一三号)  同(稻村左近四郎紹介)(第四六号)  同(染谷誠紹介)(第四七号)  同(金子岩三紹介)(第八〇号)  同(羽田野忠文紹介)(第八一号)  同(中村弘海紹介)(第八二号)  同(松野頼三君外一名紹介)(第九八号)  同(臼井莊一君紹介)(第一六六号)  同(小此木彦三郎紹介)(第一六七号)  同(床次徳二紹介)(第一六八号)  恩給及び共済年金給付改善促進に関する請願  (山本幸一紹介)(第四八号)  天皇陛下在位満五十年奉祝国民大会開催に関  する請願外二十二件(奥田敬和紹介)(第七四  号)  同(野呂恭一紹介)(第七五号)  同外一件(三池信紹介)(第七六号)  国立大学付属幼稚園教員義務教育等教員特別  手当支給に関する請願天野光晴紹介)(第一  二八号)  同(有田喜一紹介)(第一二九号)  同外一件(伊能繁次郎紹介)(第一三〇号)  同外一件(石田博英紹介)(第一三一号)  同(大久保武雄紹介)(第一三二号)  同(大野市郎紹介)(第一三三号)  同(大橋武夫紹介)(第一三四号)  同(奥田敬和紹介)(第一三五号)  同(加藤六月紹介)(第一三六号)  同(亀岡高夫君紹介)(第一三七号)  同(小山省二紹介)(第一三八号)  同外一件(佐々木秀世紹介)(第一三九号)  同(佐藤孝行紹介)(第一四〇号)  同外一件(佐藤守良紹介)(第一四一号)  同外一件(斉藤滋与史君紹介)(第一四二号)  同(塩崎潤紹介)(第一四三号)  同(田中正巳紹介)(第四四号)  同外一件(谷垣專一君紹介)(第一四五号)  同(渡海元三郎紹介)(第一四六号)  同外一件(中山正暉紹介)(第一四七号)  同(灘尾弘吉紹介)(第一四八号)  同(西岡武夫紹介)(第一四九号)  同外一件(羽生田進紹介)(第一五〇号)  同外一件(葉梨信行紹介)(第一五一号)  同外一件(橋本登美三郎紹介)(第一五二号)  同(服部安司紹介)(第一五三号)  同外一件(廣瀬正雄紹介)(第一五四号)  同外二件(深谷隆司紹介)(第一五五号)  同(福永健司紹介)(第一五六号)  同外一件(藤波孝生紹介)(第一五七号)  同(保利茂紹介)(第一五八号)  同(細田吉藏紹介)(第一五九号)  同(松永光紹介)(第一六〇号)  同外一件(松野頼三郎紹介)(第一六一号)  同(三塚博紹介)(第一六二号)  同(森喜朗紹介)(第一六三号)  同外一件(渡辺美智雄紹介)(第一六四号)  傷病恩給等改善に関する請願關谷勝利君紹  介)(第一六九号) 十月六日  軍人恩給等改善に関する請願關谷勝利君紹  介)(第二〇〇号)  同外四件(江崎眞澄紹介)(第二六三号)  同(唐沢俊二郎紹介)(第二六四号)  同外二件(河本敏夫紹介)(第二六五号)  同(中村梅吉紹介)(第二六六号)  恩給法等の一部を改正する法律案成立促進に  関する請願今井勇紹介)(第二〇一号)  同(江崎真澄紹介)(第二〇二号)  同外十一件(黒金泰美紹介)(第二〇三号)  同(關谷勝利紹介)(第二〇四号)  同外一件(田川誠一紹介)(第二〇五号)  同(谷垣專一君紹介)(第二〇六号)  同外一件(松野頼三君外一名紹介)(第二〇七号)  同(野中英二紹介)(第二〇八号)  同(長谷川四郎紹介)(第二〇九号)  同(三池信紹介)(第二一〇号)  同(三原朝雄紹介)(第二一一号)  同(早稻田柳右エ門紹介)(第二一二号)  同(三原朝雄紹介)(第二三四号)  同外二件(江崎真澄紹介)(第二七二号)  同(唐沢俊二郎紹介)(第二七三号)  同(山崎拓紹介)(第三〇一号)  同(徳安實藏紹介)(第三三九号)  金鵄勲章制度復活に関する請願小林正巳君  紹介)(第二三三号)  国家公務員給与早期改定等に関する請願(石  母田達君外二名紹介)(第二三五号)  同外一件(山田芳治紹介)(第三〇二号)  天皇陛下在位満五十年奉祝国民大会開催に関  する請願三塚博紹介)(第二六七号)  国立大学付属幼稚園教員義務教育等教員特別  手当支給に関する請願内田常雄紹介)(第二  六八号)  同(唐沢俊二郎紹介)(第二六九号)  同(田澤吉郎紹介)(第二七〇号)  同外一件(坪川信三紹介)(第二七一号)  同(奥野誠亮紹介)(第三四〇号) 同月十三日  恩給法等の一部を改正する法律案成立促進に  関する請願海部俊樹紹介)(第三五九号)  同外七件(加藤常太郎紹介)(第五〇二号)  同(久野忠治紹介)(第五〇三号)  同(島田安夫紹介)(第五〇四号)  同(高鳥修紹介)(第五〇五号)  台湾残置私有財産の補償に関する請願足立篤  郎君紹介)(第三六〇号)  旧満州農産物検査所職員恩給法適用に関する  請願足立篤郎紹介)(第三六一号)  旧満州国軍に服務した旧軍人等の処遇に関する  請願海部俊樹紹介)(第三六二号)  恩給及び共済年金改定に関する請願外二件  (横山利秋紹介)(第三六三号)  軍人恩給等改善に関する請願外一件(加藤常  太郎君紹介)(第四九四号)  同外一件(島田安夫紹介)(第四九五号)  同(坪川信三紹介)(第四九六号)  同外七十六件(楢橋進紹介)(第四九七号)  同外十件(宮澤喜一紹介)(第四九八号)  金鵄勲章制度復活に関する請願楢橋進君紹  介)(第四九九号)  国立大学付属幼稚園教員義務教育等教員特別  手当支給に関する請願江藤隆美紹介)(第五  〇〇号)  同(廣瀬正雄紹介)(第五〇一号)  恩給共済年金受給者処遇改善に関する請願  (楢橋進紹介)(第五〇六号)  岐阜県徳山村等の寒冷地手当引上げ等に関する  請願(楯兼次郎紹介)(第五〇七号)  同(大野明紹介)(第五〇八号)  同(金子一平紹介)(第五〇九号)  同(武藤嘉文紹介)(第五一〇号)  岐阜県八幡町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(楯兼次郎紹介)(第五一一号)  岐阜上石津町の寒冷地手当引上げ等に関する  請願(楯兼次郎紹介)(第五一二号)  岐阜県金山町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(楯兼次郎紹介)(第五一三号)  長野県飯田市の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(小川平二紹介)(第五一四号)  長野県富士見町の寒冷地手当引上げ等に関する  請願小川平二紹介)(第五一五号)  長野県平谷村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(小川平二紹介)(第五一六号)  長野県浪合村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(小川平二紹介)(第五一七号)  長野県売木村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(小川平二紹介)(第五一八号)  長野県小海町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(羽田孜紹介)(第五一九号) 同月十六日  傷病恩給改善に関する請願小平久雄紹介)  (第六一〇号)  国家公務員給与早期改定等に関する請願外二  件(下平正一紹介)(第六一一号)  同(鈴切康雄紹介)(第六一二号)  同外一件(下平正一紹介)(第六九八号)  栃木鹿沼市等の寒冷地手当引上げ等に関する  請願小平久雄紹介)(第六一三号)  同(広瀬秀吉紹介)(第七六二号)  栃木県茂木町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(小平久雄紹介)(第六一四号)  新潟県村上市等の寒冷地手当引上げ等に関する  請願外四件(旗野進一紹介)(第六一五号)  同外四件(渡辺紘三君紹介)(第六一六号)  岐阜県馬瀬村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(楯兼次郎紹介)(第六一七号)  岐阜県下呂町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(楯兼次郎紹介)(第六一八号)  岐阜県美山町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(楯兼次郎紹介)(第六一九号)  同(野田卯一紹介)(第七〇二号)  岐阜県萩原町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(楯兼次郎紹介)(第六二〇号)  岐阜県関ヶ原町の寒冷地手当引上げ等に関する  請願野田卯一紹介)(第六二一号)  岐阜県藤橋村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(松野幸泰紹介)(第六二二号)  同(野田卯一紹介)(第七〇三号)  岐阜県山岡町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(松野幸泰紹介)(第六二三号)  岐阜県板取村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(松野幸泰紹介)(第六二四号)  福井県池田町等の寒冷地手当引上げ等に関する  請願植木庚子郎君紹介)(第六二五号)  同(堂森芳夫紹介)(第七五二号)  福井県美山町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(植木庚子郎君紹介)(第六二六号)  同(堂森芳夫紹介)(第七五三号)  福井市旧国見村等の寒冷地手当引上げ等に関す  る請願植木庚子郎君紹介)(第六二七号)  同(堂森芳夫紹介)(第七五四号)  福井県池田町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(植木庚子郎君紹介)(第六二八号)  同(堂森芳夫紹介)(第七五五号)  福井県大野市西谷・阪谷両地区の寒冷地手当引  上げ等に関する請願植木庚子郎君紹介)(第六  二九号)  同(堂森芳夫紹介)(第七五六号)  岐阜県徳山村等の寒冷地手当引上げ等に関する  請願野田卯一紹介)(第六九九号)  岐阜県八幡町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(野田卯一紹介)(第七〇〇号)  岐阜上石津町の寒冷地手当引上げ等に関する  請願野田卯一紹介)(第七〇一号)  栃木鹿沼市の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(船田中君紹介)(第七〇四号)  同(広瀬秀吉紹介)(第七五七号)  栃木県那須町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(船田中君紹介)(第七〇五号)  同(広瀬秀吉紹介)(第七五八号)  栃木県藤原町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(船田中君紹介)(第七〇六号)  同(広瀬秀吉紹介)(第七五九号)  栃木県日光市の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(船田中君紹介)(第七〇七号)  同(広瀬秀吉紹介)(第七六〇号)  栃木県足尾町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(船田中君紹介)(第七〇八号)  同(広瀬秀吉紹介)(第七六一号)  金鵄勲章制度復活に関する請願八田貞義君  紹介)(第七二四号) 同月二十三日  天皇陛下在位満五十年奉祝国民大会開催に関  する請願足立篤郎紹介)(第八〇八号)  同外六件(田中龍夫紹介)(第八〇九号)  同外六件(野田毅紹介)(第八一〇号)  同外七件(八田貞義紹介)(第八一一号)  同外七件(毛利松平紹介)(第八一二号)  同(伊藤宗一郎紹介)(第八五二号)  同外三件(加藤陽三紹介)(第九五七号)  岩手県田老町等の寒冷地手当引上げ等に関する  請願外五件(山本弥之助紹介)(第八一三号)  宮城七ヶ宿町等寒冷地手当引上げ等に関す  る請願(佐々木更三君紹介)(第八一四号)  宮城県秋保町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(佐々木更三君紹介)(第八一五号)  同(三塚博紹介)(第八一六号)  同(伊藤宗一郎紹介)(第八五八号)  宮城県小野田町の寒冷地手当引上げ等に関する  請願(佐々木更三君紹介)(第八一七号)  同(三塚博紹介)(第八一八号)  同(伊藤宗一郎紹介)(第八五九号)  宮城七ヶ宿町の寒冷地手当引上げ等に関する  請願(佐々木更三君紹介)(第八一九号)  同(三塚博紹介)(第八二〇号)  同(伊藤宗一郎紹介)(第八六〇号)  栃木鹿沼市等の寒冷地手当引上げ等に関する  請願稲村利幸紹介)(第八二一号)  同(藤尾正行紹介)(第八二二号)  同(船田中君紹介)(第八二三号)  同(森山欽司紹介)(第八二四号)  同(武藤山治紹介)(第八六一号)  同(稲葉誠一紹介)(第八九八号)  同(神田大作紹介)(第八九九号)  栃木県茂木町の寒冷地手当引上げに関する請願  (稲村利幸紹介)(第八二五号)  同(藤尾正行紹介)(第八二六号)  同(武藤山治紹介)(第八六二号)  同(神田大作紹介)(第九〇〇号)  栃木鹿沼市の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(森山欽司紹介)(第八二七号)  同(稲葉誠一紹介)(第九〇一号)  栃木県那須町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(森山欽司紹介)(第八二八号)  同(稲葉誠一紹介)(第九〇二号)  栃木県藤原町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(森山欽司紹介)(第八二九号)  同(稲葉誠一紹介)(第九〇三号)  栃木県足尾町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(森山欽司紹介)(第八三〇号)  同(稲葉誠一紹介)(第九〇五号)  福島県河東村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(八田貞義紹介)(第八四九号)  福島県湯川村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(八田貞義紹介)(第八五〇号)  福島県塩川町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(八田貞義紹介)(第八五一号)  北海道滝川市等の寒冷地手当引上げ等に関する  請願芳賀貢紹介)(第八五三号)  同(美濃政市紹介)(第八五四号)  宮城県岩出山町の寒冷地手当引上げ等に関する  請願内海英男紹介)(第八五五号)  岐阜県明智町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(金子一平紹介)(第八五六号)  岐阜県大和村の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(金子一平紹介)(第八五七号)  同(野田卯一紹介)(第九〇六号)  同(武藤嘉文紹介)(第九〇七号)  同(大野明紹介)(第九五八号)  栃木県日光市の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(森山欽司紹介)(第八六三号)  同(稲葉誠一紹介)(第九〇四号)  山形市等の寒冷地手当引上げ等に関する請願  (渡辺三郎紹介)(第八九六号)  島根県仁多町の寒冷地手当引上げに関する請願  (大橋武夫紹介)(第八九七号)  恩給共済年金受給者処遇改善に関する請願  (三原朝雄紹介)(第九〇八号)  恩給共済年金受給者に対する処遇改善に関す  る請願三原朝雄紹介)(第九〇九号)  金鵄勲章制度復活に関する請願福田篤泰君  紹介)(第九二九号)  恩給及び共済年金給付改善促進に関する請願  (田邊誠紹介)(第九五六号)  自衛隊予備自衛官平時勤務期間現職勤務期  間に加算に関する請願加藤陽三紹介)(第九  五九号) は本委員会に付託された。 十月二日  軍人恩給等改善に関する陳情書  (第  一号)  傷病恩給等改善に関する陳情書外一件  (第二号)  元日本赤十字社従軍救護員に対する恩給適用等  に関する陳情書  (第三号)  靖国神社法制定促進に関する陳情書  (第四号)  同和対策審議会答申完全実施等に関する陳情  書(第  五号)  福祉庁設置促進に関する陳情書  (第六号)  行政管理庁における行政相談充実強化に関す  る陳情書  (第一〇一号)  恩給法等の一部を改正する法律案成立促進等  に関する陳情書外四件  (第一〇八号) 同月二十一日  軍人恩給等改善に関する陳情書  (第  一〇九号)  恩給法等の一部を改正する法律案等成立促進  に関する陳情書  (第一一〇号)  同和問題の早期解決に関する陳情書  (第一一一号)  天皇陛下在位満五十年奉祝国民大会開催に関  する陳情書  (第一一二号)  国家公務員の職務に対する精励及び能率向上に  関する陳情書  (第一八二号) は本委員会に参考送付された。 本日の会議に付した案件  国政調査承認要求に関する件  恩給法等の一部を改正する法律案内閣提出第  六号)  一般職職員給与に関する法律の一部を改正  する法律案内閣提出第一二号)  特別職職員給与に関する法律及び沖繩国際  海洋博覧会政府代表設置に関する臨時措置法  の一部を改正する法律案内閣提出第一三号)  在外公館の名称及び位置並びに在外公館勤務  する外務公務員給与に関する法律の一部を改  正する法律案内閣提出第二七号)  防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法  律案内閣提出第四号)  防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(内  閣提出第一四号)  科学技術庁設置法の一部を改正する法律案(内  閣提出第五号)  許可、認可等の整理に関する法律案内閣提出  第七号)      ――――◇―――――
  2. 藤尾正行

    藤尾委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  本会期中、国の行政の改善を図り、公務員の制度及び給与の適正を期する等のため、  一、行政機構並びにその運営に関する事項  二、恩給及び法制一般に関する事項  三、国の防衛に関する事項  四、公務員の制度及び給与に関する事項  五、栄典に関する事項 以上の各事項について、小委員会設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により国政調査を行うこととし、議長にその承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 藤尾正行

    藤尾委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ————◇—————
  4. 藤尾正行

    藤尾委員長 次に、恩給法等の一部を改正する法律案一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案、及び特別職職員給与に関する法律及び沖繩国際海洋博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。  順次、趣旨の説明を求めます。植木総務長官。     —————————————  恩給法等の一部を改正する法律案  一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案  特別職職員給与に関する法律及び沖繩国際海洋博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  5. 植木光教

    植木国務大臣 ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  この法律案による措置の第一点は、恩給年額の増額であります。  これは、実施時期を昨年よりさらに一カ月繰り上げまして昭和五十年八月から、昭和四十九年度における国家公務員給与改善率により二九・三%増額するとともに、昭和五十一年一月から、恩給と公務員給与との水準差の補てんを完結するため、さらに六・八%を上乗せすることとし、この両者を合わせ、恩給年額を三八・一%増額しようとするものであります。  その第二点は、普通恩給等の最低保障の改善であります。  これは、今回の恩給年額の増額措置に伴いまして、長期在職の老齢者の普通恩給の最低保障額を三十二万一千六百円から四十二万円に引き上げる等、普通恩給及び普通扶助料の最低保障額を大幅に引き上げようとするものであります。  その第三点は、扶養加給額の引き上げであります。  これは、傷病恩給及び公務関係扶助料に係る扶養加給額を、現職公務員の扶養手当相当額に引き上げようとするものであります。  その第四点は、八十歳以上の高齢者の恩給の算出率の特例であります。  八十歳以上の高齢者の普通恩給または扶助料の年額を計算する場合には、普通恩給の最短年限を超える実在職年の年数が十年に達するまでの一年について、基礎俸給の三百分の一に相当する額を普通恩給年額に加えることによって、その処遇改善を図ろうとするものであります。  その第五点は、六十五歳未満の傷病者の併給普通恩給に対する最低保障の適用であります。  六十五歳未満の傷病者の併給普通恩給で、これまで最低保障の適用を受けていなかった者についても、六十五歳以上の者と同様に最低保障を適用することにより、傷病者の優遇を図ろうとするものであります。  その第六点は、旧軍人に対する一時恩給の支給範囲の拡大であります。  引き続く実在職年が三年以上七年未満の旧軍人またはその遺族に対する一時恩給または一時扶助料は、下士官以上として六月以上在職することが支給要件とされておりますが、この支給要件を廃止し、その対象を兵にまで拡大することとし、引き続く実在職年が三年以上ありながら、従来一時恩給等を支給されなかった旧軍人またはその遺族に対し一時恩給または一時扶助料を支給しようとするものであります。  その第七点は、旧軍人等の加算年の年額計算への算入要件の緩和であります。  現在、七十歳以上の老齢者、七十歳未満の傷病者または妻子に給する普通恩給または扶助料の年額を計算する場合には、旧軍人等の加算年を年額計算の基礎在職年に算入いたしておりますが、今回は、七十歳以上という年齢要件を五歳引き下げ、六十五歳以上七十歳未満の老齢者の普通恩給または扶助料についてもこの措置を及ぼすことにより、戦地等で勤務された方々に対する処遇の範囲を広げようとするものであります。  その第八点は、特別加給の増額であります。  増加恩給受給者の中でも特に重症である第二項症以上の受給者に対しては現在、年額七万二千円の特別加給が支給されておりますが、重症者という特殊事情を考慮しまして、その額を十二万円に引き上げようとするものであります。  以上のほか、準公務員期間の通算要件の緩和、低額の仮定俸給年額の引き上げ等所要の改善を行うことにしております。  なお、以上の措置は、さきに述べましたように六・八%の増額を昭和五十一年一月から実施するほか、すべて昭和五十年八月にさかのぼって実施することとしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要でありますが、この法律案は、前国会に提案しました内容を変更することなく提案するものであります。何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。  次に、ただいま議題となりました一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案、及び特別職職員給与に関する法律及び沖繩国際海洋博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について、一括してその提案の理由及び内容の概要について御説明申し上げます。  まず、一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  本年八月十三日、一般職職員給与について、俸給表及び諸手当の改定等を内容とする人事院勧告が行われたのでありますが、政府としては、その内容を検討した結果、人事院勧告どおり、本年四月一日からこれを実施することとし、このたび、一般職職員給与に関する法律について、所要の改正を行おうとするものであります。  次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一は、全俸給表の全俸給月額を引き上げることとしたことであります。  第二は、医療職俸給表(二)に特二等級を新設することとしたことであります。  第三は、初任給調整手当について、医療職俸給表(一)の適用を受ける職員に支給する支給月額の限度額を十三万円から十四万円に引き上げるとともに、医療職俸給表(一)以外の俸給表の適用を受ける医師または歯科医師で、医学または歯学に関する専門的知識を必要とする官職を占める職員に対し、支給月額の限度額を二万五千円から三万円に引き上げ、同時に支給期間の限度を二十年から三十五年炉延長することとしたことであります。  第四は、扶養手当について、配偶者についての支給月額を五千円から六千円に引き上げるとともに、配偶者以外の扶養親族についての支給月額を二人までについてはそれぞれ千五百円から二千円に引き上げ、この場合において、職員に配偶者がない場合にあっては、そのうち一人については四千円とすることとしたことであります。  第五は、住居手当について、公務員宿舎の入居者等を除き、月額五千円を超える家賃を支払っている職員に住居手当を支給することに改め、その支給月額は、月額一万千円以下の家賃を支払っている職員にあっては家賃の月額から五千円を控除した額とし、月額一万千円を超える家賃を支払っている職員にあっては、家賃の月額から一万千円を控除した額の二分の一を六千円に加算した額に引き上げ、この場合においてその加算した額が九千円を超えるときは、九千円とすることとしたことであります。  第六は、通勤手当について、交通機関等を利用して通勤する職員に支給する全額支給の限度額を月額八千円から一万円に引き上げるとともに、最高支給限度額を月額九千円から一万千五百円に引き上げることとしたことであります。このほか、自転車等を使用して通勤する職員または交通機関等と自転車等を併用して通勤する職員についてもそれぞれ通勤手当の支給月額を引き上げることとしております。  第七は、義務教育諸学校等に勤務する教育職員に支給する義務教育等教員特別手当について、支給月額の限度額を月額九千円から一万百円に引き上げることとしたことであります。  第八は、非常勤の委員、顧問、参与等に支給する手当について、その支給限度額を日額一万五千五百円から日額一万六千五百円に引き上げることとしたことであります。  以上のほか、附則において、この法律の施行期日、適用日、俸給表の改定に伴う所要の切りかえ措置、住居手当の経過措置等について規定しております。  次に、特別職職員給与に関する法律及び沖繩国際海洋博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  この法律案は、ただいま御説明申し上げました一般職職員給与改定に伴い、特別職職員について、所要の改正を行おうとするものであります。  次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一は、特別職職員の俸給月額を引き上げることとしたことであります。その内容を御説明いたしますと、内閣総理大臣及び国務大臣等の俸給月額は据え置くことにするとともに、内閣法局長官等の俸給月額は七十八万円とし、その他政務次官以下の俸給月額については、一般職職員の指定職俸給表の改定に準じ、六十八万円から五十八万五千円の範囲内で改定することとしております。  また、大使及び公使については、国務大臣と同額の俸給を受ける大使の俸給月額は据え置き、大使五号俸は七十八万円とし、大使四号俸及び公使四号俸以下については、一般職職員の指定職俸給表の改定に準じ、六十七万円から五十二万五千円の範囲内で改定することとしております。  なお、秘書官については、一般職職員給与改定に準じてその俸給月額を引き上げることといたしました。  第二は、委員手当について、委員会の常勤の委員に日額の手当を支給する場合の支給限度額を二万八千五百円に、非常勤の委員に支給する手当の支給限度額を日額一万六千五百円にそれぞれ引き上げることとしたことであります。  第三は、沖繩国際海洋博覧会政府代表の俸給月額を六十七万円に引き上げることとしたことであります。  以上のほか、附則においては、この法律の施行期日、適用日等について規定しております。  以上が両法律案の提案理由及びその概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  6. 藤尾正行

    藤尾委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     —————————————
  7. 藤尾正行

    藤尾委員長 次に、ただいま議題となっております各案中、恩給法等の一部を改正する法律案について質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。
  8. 大出俊

    大出委員 この質疑に具体的に入ります前に、スト権問題に関しまして、けさの新聞に意外なことが載っているわけでありまして、この秋に決着をつける、結論を出すという政府方針は、昨年すでに確認をした五項目の中にあります。きょう、私どもの党の国対でも、関係のあるあらゆる機会を通じて政府の物の考え方を承っておこう、実はこういうことになっておりますから、きょうは恩給給与とを審議するわけでありますけれども、スト権つまり労働基本権というのはその前提でございまして、そういう意味で承りたいのであります。  昨年、二階堂官房長官と総評大木事務局長の間でいろいろな取り交わしがございました。時間がございませんからここで詳しい中身は省略をいたしますが、そこで、二つの機関ができているわけでありますね。片や公労協の閣僚協があるわけでありますが、そこに専門委員懇談会などもできているわけでありますけれども、総務長官の所管をなさるのは公労協以外の公務員関係にかかわる、つまり労働基本権の問題を所管なさるわけでありまして、まずそれはどういう機関で、いままで何回ぐらいおやりになっているのか、まずちょっと承りたいわけであります。
  9. 植木光教

    植木国務大臣 公務員問題連絡会議がございまして、これは総務長官が座長となりまして、関係各省庁の次官をもって構成をいたしております。この下には幹事会がございまして、関係各省庁のそれぞれの課長クラスの者が集まっておるわけでございますが、今日まで三十二、三回開かれております。事務段階と申しますか、ただいま申し上げました幹事会におきましていろいろ細部にわたりまして詰めを行っております。  これは、先生御承知のとおり、運用面において改善すべきもの、それから法律によるもの、引き続き協議すべきものというようなことで、大きく申しまして三つに分けられておりますが、すでに前国会におきまして法律案として御提案をしたものもございますし、運用面において改善をしておるものもあるわけでございます。ごく最近では、十月の十三日に各省庁の次官にお集まりをいただきまして、いろいろ検討すべき問題点について協議をしたところでございます。
  10. 大出俊

    大出委員 給与というのは、本来団体交渉の中心課題であります。また退職年金等につきましても、私が組合をやっておる時代に、実は参議院側から、いま大分県宇佐市長をやっておられます永岡光治、日ソ貿易協会の事務局長をやっておられる横川正市、当時の両参議院議員の連名で法案を議員立法で出しまして、二国会にわたってこれが尾を引きまして、結果的に大蔵省の岸本給与課長と私との話で、岸本給与課長が各省に文書を流しまして、全逓の案に基づく参議院側からの提案もこれありということで各省審議が始まりまして、共済移行という形に実はなったわけでありまして、私、当時の当事者の一人でありますけれども、それだけに、これまた労働基本権の問題と深くかかわり合いを持っておりまして、人事院の方々の立場などもありますけれども、基本権が回復をする、団交権が付与されるとなりますと、賃金勧告というものは消えていくわけでありまして、当然別な何がしかの機関をつくらなければならぬ、こういうかかわり合いがあるわけであります。だから当然、そうだとすれば、所管をなさっている公務員問題連絡会議で基本権に触れた議論がなければならないわけでありますが、そこらのところは一体どういうことになっておるわけでございますか。
  11. 植木光教

    植木国務大臣 答申の中にあります処理の機関の問題につきましては、いま御指摘がありましたように、非常に重要な問題でございますので、協議をいたしております。団結権の問題、それから団体交渉に当たりましての各省庁における交渉——既制度のほかに、新たに別のいわば政府が一本の窓口としての制度を設けるべきかどうかというようなことについて真剣に意見を交わしているところでございます。まだ結論を見るに至っておりませんけれども、協議をいたしております。
  12. 大出俊

    大出委員 ちょっといまの点、別な窓口というのですが、そこのところはちょっといまのみ込みにくいのですけれども、もうちょっと御説明いただけませんですか。団交権あるいは別な窓口、そこらは一体どういうことになるのですか。
  13. 植木光教

    植木国務大臣 ただいま申し上げましたものは、紛争が起こりましたときに各省庁におきましてそれぞれ交渉があるわけでございますが、それを処理いたしますための制度というものが確立されてしかるべきではないかという御意見があるわけでございまして、その点についての協議をしていくというのが具体的なところでございます。
  14. 大出俊

    大出委員 けさのこの新聞に「スト権結論、延期固まる」という、これは政府の発表と書いてあるのがあるのですが、それに触れます前に、まず一つは、本年四月に開かれましたILOの、公務員ですね、公務の専門総会、この争議権の解決について、「個々の労働団体がその正当なる利益を守るために通常用いることのできる他の諸手段を公務員団体にとって不必要とするために、国内的諸条件に適切な方法において当事者間の交渉を通じもしくは調停、あっせん及び任意仲裁などの両者が合意した独立かつ公平な機関を通じて求めることを規定すべきである」という提案がございましたね。これは前回は日本側は留保して、応諾をしなかったですね。ところが今回は日本側もこれは賛成。国際的な大勢ですから、万やむを得ず日本側も渋々でございましょうけれども、賛成せざるを得ないという御判断で今年ははっきり賛成したわけですね。  そこで、このILOの九十二号勧告を受けた専門総会、この論議の後段で一つの結論を出しているわけでありますが、「調停、あっせん及び任意仲裁などの両者が合意した独立かつ公平な機関を通じて求めることを規定すべきである」こうなっておるわけですね。これを尊重して、つまり制度改正をしなければならぬという趨勢なんですね。  いまちょっと触れておられる問題は、これは国際会議で政府が賛成をしておるわけでありますから、そうだとすると、基本権というものを片や踏まえて、何がしかこれは政府が物を考えなければならぬ立場になっておると思いますが、そこらのところは一体どういうふうに受けとめておられるわけですか。
  15. 植木光教

    植木国務大臣 人事局長からお答えいたさせます。
  16. 秋富公正

    秋富政府委員 公務員問題連絡会議は、先生十分御承知のとおり、四十八年九月三日の答申の処理のために開催するわけでございまして、ただいま総務長官からお答え申し上げましたように、紛争ができた場合にこれをどういうふうに処理するのがふさわしいかということについて答申も指摘ございましたので、その問題を検討しているわけでございます。  それから先ほど御指摘の、ことしの四月にILOにおいて第二回の公務員問題合同会議がありまして、これにつきましてはいろいろな御意見があったわけでございます。そのニュアンスはそれぞれいろいろとございましたけれども、日本政府といたしましてもこれに賛成いたしたわけでございまして、この問題についての今後の運びということにつきましては、いずれことしの秋にございます理事会とかあるいは来年ある理事会というところにおいて、さらにこの問題がILOの場においていろいろと議論がされると思うわけでございまして、われわれといたしましてもそれに備えまして現在いろいろと検討を重ねておるわけでございます。
  17. 大出俊

    大出委員 これは労使があるわけでありますから、理事会に出かけていくとすれば、政府の態度はどうなのかというのを、結論を出さなければいけませんね。その意味の検討と、こういうことになりますか。
  18. 秋富公正

    秋富政府委員 そのとおりでございます。
  19. 大出俊

    大出委員 それは大体いつごろまでに——これはいま、いろんなニュアンスがある、それはございましょう、労使の意見もあるわけですから。ニュアンスはいろいろありますけれども、それにもかかわらず日本政府が賛成をしたという現実は明確なんで——日本政府が賛成をしたのですから、今回は。あなたはお認めになっていると思うのですがね。だとすれば、具体的にそれをどうするかということについて政府が方針を決めるのはあたりまえなんで、いつごろまでにお決めになるおつもりですか。
  20. 秋富公正

    秋富政府委員 これは各国におきましてそれぞれの沿革もあるいは制度も違っている問題でございまして、大体、公務員の定義という問題も明確にすべきであるということもILOの場において指摘されて、これは事務局でさらに検討するということもございまして、各国でそれぞれ実情、実態あるいは沿革が違うわけでございますが、私たちといたしましても、そういった事務局におきましての作業ということもございますし、私といたしましても、今後のまたILOの審議の時期ということともにらみ合わせてこの問題をさらに検討を重ねていきたいと考えております。
  21. 大出俊

    大出委員 じゃ、そこから先に中へ入りますと議論になりますから、長くなりますから、きょうの時間もございますから、気をつけて物を聞きます。  そこで聞いておきたいのでありますが、新聞の報ずるところによりますと、これは朝日新聞でありますけれども、朝日のみならず、各紙がいろいろ書いておるわけです。きょうの朝刊が。ここで政府は、二十七日の夜というときのうですな、これは。きのう、十一月中に最終結論を出すわけにいかない。つまり、労働基本権、特にスト権の問題ですね。これは連動いたしますから、皆さんの方と関係がないわけじゃない。その限りは、基本権問題も扱う座長でございますか総務長官は、おやりになっているわけでありますから、一体ここで言っている——私どもは秋までに結論を出すということでございましたから、私も実は山下元利当時の副長官とも話は当時いたしましたが、秋に結論を出す。秋というのは一体いつだといったら十一月末なんですね。日本の四季でいきますと、十二月というのは冬なんです。秋というと、秋のおしまいは十一月の末日なんです。したがって、私も全逓という組織の出身でありますけれども、つまり、十一月中にストライキなどという言い方は妥当でない、政府との間の約束があるのだから、したがって、十一月いっぱいはそういう物の考え方を表に出すべきではないのではないかという意見を私どもも自分の組織には述べて、だから十二月ということになっているわけですね、想定をしておりますのは。だからそれまでに、国民に迷惑をかけることがもちろん本旨ではないわけでありますから、何らかの結論はお互いに出さなければならない、こういう場面なんですね。これは公務員共闘の諸君も例外ではございません。昨日公務員共闘の皆さんは、組織改編を含めまして会議をお持ちになって、いままで総理府に対して文書でいろんな要求を出しておりますけれども、改めてもう一遍、さっぱりおたくの方でやっておる機関が進展を見ていないということも踏まえて、文書を出そう、こういう動きになっておるわけですが、近日中に恐らく総務長官に会見を求めるということになるのだと思うのでありますけれども、これまた秋の決着ということを前提にして物を考えておるわけであります。関係がないわけではない。そういう意味で、この見送りという物の考え方、大変なこれは不信であり、背信であるという考え方に私は立つわけでありまして一そこのところは一体、閣僚の一人であり、かつ公務員一般の方の機関の責任あるお立場にある総務長官でございますから、こちらの方も十一月という時期には何がしかの実力行動を考えて進めておるわけでありますから、一体どういうふうにこの点は御説明をいただけるのか、まずもってひとつ承っておきたいのであります。
  22. 植木光教

    植木国務大臣 三公社五現業の職員のスト権問題につきましては、御承知のとおり、官房長官が座長となりまして関係閣僚協議会を持っているわけでございます。私もその一員でございます。  新聞報道を私も拝見をいたしましたけれども、私自身はその報道につきまして関知いたしておりません。  それから、ただいまこの委員会が始まります前に、予算委員会におきまして総理に対して御質問がございまして、新聞報道にはかくかく出ているが、政府としてはどういう姿勢であるかという意味の質問に対しまして、総理は重ねて、今秋中に結論を出したいという答弁をしておられました。したがいまして、私といたしましては、今秋中にその件についての結論を出すというのが政府の姿勢であるというふうに考えているところでございます。
  23. 大出俊

    大出委員 そうすると、この新聞はこういうふうに書いたが、この秋、つまり十一月末までに結論を出すという政府の方針は変わっていない、こう受け取っていい、そういうことですね。それが一つ。  ということになると総務長官が所管されておられる公務員問題連絡会議、こちらの方もこれは直接絡んでおる問題でございまして、実は何がしかの物を言ってもらわぬと困るわけであります。  そこで、これはもうすでにおわかりをいただいておることでございますけれども、先ほどちょっと私が触れました。これは本年四月でございますけれども、ILOの公務員専門総会でブランシャールILO事務総長の話をしておる中身からいたしましても、「世界的に見て、公務員の権利保障が民間労働者と区別しない方向に向かいつつあり」これは各国そうで、実は三十二年春闘で、前総理である田中角榮氏が郵政大臣で、東京駅前の中央郵便局にストライキを私が打たした関係で私の首を切ったわけでありますが、三十二年でございますけれども、この五月の二十八日に総評と私の所属している全逓、連名で、私は原告でございますけれども、ILOに提訴をした、それが百七十九号事件と言われる事件でございまして、ドライヤー調査団まで来ることになった。かくて公制審ができる、先ほどのお話の結論が出た、こういうことなのであります。つまり、三十二年以来の長い争いの中で、国際的に私もずいぶんたくさんの国を歩きましたが、実情をよく知っておりますけれども、まさにブランシャール事務総長が言っておりますように、「公務員の権利保障が民間労働者と区別しない方向に向かいつつあり」向かいつつあるんだ、現実に。フランスなんかは片っ端からストライキをやっておるわけですから「多くの国で政府は公務員のストライキに対する禁止がもはや正当とされないものであるとの見解に到達しつつある。さらに労使関係は全体として対話と参加の方向に大きく向かいつつある。」これはこの四月の公務員専門総会におけるILOの事務総長の報告なんです。ここまで来ているわけですから、これは何も三公社五現業だけを指しているわけではない。  そうすると、皆さんの所管をしておられる方も、労働基本権に関して何らかの結論を、いま総務長官がお答えになったこの十一月の秋に決着をつける政府の方針が変わらぬものであるとすれば、三公社五現業の方は官房長官が主宰をしておりますけれども、総務長官が主宰をしておる方の一般公務員の方々に対して一体どういうふうな物の考え方でお進めになるのかという、あるいは結論をどういうふうにお出しになるのかという、あるいはあわせて、何らかの結論を出そうとお考えなのかどうか、そこのところをはっきりさせていただきたい。
  24. 植木光教

    植木国務大臣 非現業の公務員につきましてのスト権の問題につきましては、これはすでに御答弁申し上げておりますように、三論併記の形で公制審から答申が出されまして、したがいまして、現行制度のまま、すなわちスト権は認めないということで一応政府の態度が現在まで決まっているということは御承知であると存じます。  その他の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、連絡会議におきましていろいろ詰めているところでございまして、すでに法律案を二法案提案をいたしまして御審議を仰いでいるというような状況であります。  これは、非現業職員に関しましては、ことしの秋という時期的な制約と申しますか、期限というものが切られてはおらないわけでございますが、しかし私どもとしましては、先ほど申し上げましたようないろいろな問題点についてできるだけ早く措置してまいりたいということでせっかく努力を続けているのでございまして、したがいまして、われわれとしましては、真剣にこれに取り組んでいるということで御理解をいただきたいのでございます。  なお、先ほどお話がございましたように、官公労の代表者の方々がすでに私に対しまして近く面会をいたしたいというお申し出がございます。その際にもさらに十分話し合いをいたしたいと存じております。
  25. 大出俊

    大出委員 三公五現のスト権を条件つきで認めざるを得ぬというのは、これはうちの堀昌雄政審会長が質問したときに、総理がこれが公式見解であることをやむなくお認めになりましたが、三公社の総裁いずれもが条件つきスト権付与という意思表示をなさっている。その場合に当然起こるのは、他の公務員の皆さんの団体交渉権ですね。今日三公五現は団体交渉権を持っているわけでありますから、そっちがスト権まで前進をするとすれば、そのスト権を、いかなる条件がついたにしても、基本的に認めるとなれば、当然他の公務員についての団体交渉権というものは考えられなければ国際的にもおかしいわけであります。  だから、私が労働基本権という言葉を使っておりますのは、ストレートにスト権と言っているわけではなくて、片や三公五現にスト権の結論が出るとすれば、三公社の総裁の国会における正式発言もあるのでありますから、これは皆さんがどうお考えになるかは、政党政治でございますからわかりませんけれども、しかし少なくとも長官が総理答弁を引用して方針変更でないとおっしゃるなら、片や総務長官が所管をされる側の団体交渉権というものの議論が相当煮詰まってきていなければおかしいわけでありまして、そこを承りたいのです。いかがでございますか。
  26. 植木光教

    植木国務大臣 先ほどもちょっとこれに触れましたわけでございますが、まだ結論を得るに至っておりません。しかし、これは一つの大きな検討事項として取り組んでいるというのが現実でございます。まだ結論を見ておりませんので、ただいまの状況は、検討中であるということで御了承いただきたいと存じます。
  27. 大出俊

    大出委員 一言だけ申し上げて次に移りますが、昭和三十年なんですね、私自身が権利闘争についてという提案を私の組織でいたしまして、ストライキ権がないところに満足な賃金も労働条件も確保はできないのだという、あわせて私は当時総評の会議に、スト権奪還特別委員会というものをつくれという提案をいたしまして、総評がスト権奪還特別委員会をつくった。そこが主導して今日まで来ているわけでありますが、そちら側の決着がつくとなると、当然、当時私どもが考えたように、権利というのはみずから闘い取るものであるという前提に立ってというようなことになって、一般公務員の方々の方もストライキ、処分、ストライキの繰り返しに入りかねないのですよ。いまそういう趨勢です。だから、やはり責任ある立場で、政府の立場で二つの機関をつくったんだから、片っ方が結論が出るとするならば、片っ方の結論もおおむね前進方向で出てこなければ、結果的にまた三公社五現業のような形の運動の繰り返しになってしまう。また、その処分とストの繰り返しは避けなければならぬなんというようなことを言わざるを得なくなると思いますから、そういう意味で総務長官の側でひとつそこのところは進めていただきませんと困る、こう思っておるわけでございまして、最後にひとつもう一遍承っておきたいと思います。
  28. 植木光教

    植木国務大臣 御承知のように、答申には協約の締結権には触れた部分はございませんが、しかし現行の交渉権の充実を図るということで、検討、努力を続けていきたいと存じます。
  29. 大出俊

    大出委員 交渉権の充実を図る——本当に充実を図ればこれは団交権でございまして、協約締結を前提にしなければ充実は図れませんから。ただ、そこまで詰めるとあなたがお困りでしょうから、その辺にいたしておきます。  そこで、恩給問題を幾つか承りたいのですが、最初に一つ、陳情請願等がたくさん来ております中で一つだけこの際取り上げさせていただきたいのは、郵政省の方にお見えをいただきましたが、私が郵便局に入りましたのは昭和十四年でございますけれども、当時は郵便局には特定局等がございまして、逓信手、通信手という制度が実はございました。この逓信手、通信手という制度の沿革というのは一体郵政省、どういうふうにお考えでございますか。
  30. 魚津茂晴

    ○魚津説明員 現在の公務員制度が新しい法律によってできるまでの郵政省の特有の制度ということで理解しております。
  31. 大出俊

    大出委員 郵政省特有じゃないんですよ。国鉄にも鉄道手なんていうのがありまして、これもやはり一つの、いまお話しの趣旨と同じ意味の身分でございまして、逓信手、通信手というのは郵政省特有じゃないんです。国鉄にもありますよ。当時は火夫なんて制度もありまして、これは後に機関助手というふうに名称変更いたしましたが、いろいろそういう似たような制度というのはほかにもございます。  この無集配の特定局が直轄形式になった、あるいは集配特定局が人件費等の直轄形式をとったというのはいつごろでございますか。
  32. 魚津茂晴

    ○魚津説明員 正確に記憶いたしてないのでございますが、たしか昭和十二年くらいじゃなかったかと思います。
  33. 大出俊

    大出委員 この集配特定局が人件資本省直轄になったのが十二年でございまして、無集配は二十一年でございました。つまりこの辺のところから変わってきているわけであります。  時間がございませんから端的に承りますが、この特定局制度と絡みまして、特定局長さんの恩給、年金期間の通算という問題、これは長い間懸案でございましたが、この委員会に提案をされてまいりました。その変化というのはどういうことになったわけでございますか。
  34. 魚津茂晴

    ○魚津説明員 準公務員としての特定郵便局長さん、これは共済組合制度としてとらえてなかったものですから、結局恩給法上の期間として取り扱う、こういうことに相なった次第でございます。
  35. 大出俊

    大出委員 それとの絡みがございましてね、当時特定局というふうな制度——先ほどちょっと冒頭にお答えがございましたが、というふうなものと絡みまして、身分的に通信手であるとか逓信手であるとかいうふうな制度がございました。それだけに当時の逓信手、通信手の身分であった方々は、特定局長さんの全期間通算をするようになったのだ、われわれの側が放任をされておるというのは筋が通らぬのではないかと言う、当時一緒に郵政省の仕事をしてきたわけですから。私も昭和十四年の郵便配達でございますから、地下たび、巻ききゃはんで赤自転車で走った方ですから、雨が降れば全くずぶぬれになるというわけでございまして、外勤なんですね、逓信手というのは。当時は共済長期の適用を受けておりましたから、恩給法納金を払っておるわけじゃないので、二十年間で三割三分三厘の恩給をもらう。ところが、恩給法納金を払っておる方は三年早く十七年で三割三分三厘でやる。したがいまして、これはここまでくると——時間がありませんから途中省略をいたしますけれども、有利になると解釈ができるものは有利にしてやるべきであるという、特定局長さんでも本来ならば——私も長く恩給、共済を手がけてまいりましたが、筋論からすると納得いたしかねる面はあるんだけれども、当時の制度上の欠陥ですから、そういう意味で認めていこうということにしているわけです。逓信手、通信手も当時の制度上の問題なので、同じ理屈なんですね。だから、そういう意味ではこの方々は抱えていくべきである、私はこう考えているわけですよ。  だからその意味で、まず一体、非常に不合理である逓信手、通信手の方々というのはどのくらいおって、計算上有利になる面と不利になる面がありますけれども、皆さんの方に御検討いただいて久しくなるのでありますけれども、どういうことになりそうかという点を御説明いただきたいのです。
  36. 魚津茂晴

    ○魚津説明員 現在共済組合法による年金受給者のうち、約一万七千名、これが逓信手または通信手の履歴を有している方と推定いたしております。これは個別的に調査したわけでなくて、抽出調査によって推定をしたという意味でございます。
  37. 大出俊

    大出委員 これは、私がどのくらいいるのかといって資料を欲しいのだと言ったら、困難だという話でございましたから、属人的に当たれば積算はできるのじゃないかと言ったら、そのとおりだ、ただそこまでの骨折りをかけるわけにもいかぬから抽出調査でもやればわかるじゃないかという言い方をしたのですけれども、皆さんの方で抽出調査をなさったようであります。それがいまお話しの約一万四千人と、ここに書いてあります。つまり逓信手、通信手の履歴を有する者が一万七千人、そのうちでその期間の一部または全部を恩給公務員期間に算入した場合に、現在より年金の額が高くなる者が約一万四千人、こう書いてありますね。皆さんからいただいた資料であります。所要経費が約二億円と推定される。もう一遍言いますが、逓信手及び通信手の履歴を有する者のうちで、その期間の一部または全部を恩給公務員期間に算入した場合に、現在より年金の額が高くなる者が約一万四千人、所要経費は約二億円と推定されるという、ここに推定数字が出ています。  そこで、実は専門調査室の皆さんにお願いをして計算をしてみていただいた。月給十万円と仮定した場合に、基礎俸給年額は——ちょっとそこでメモしていただきたいのですが、十万円掛ける十二カ月でございますから百二十万円が俸給年額ですね。これを基礎にいたしまして、百二十万掛ける六十分の一掛ける二十。二十年ですから二十です。これは四十万円です。この計算は共済長期の場合であります。恩給で二十年たった方、そっちの計算をいたしますと、百二十万円掛ける括弧五十一分の一掛ける十七——年間五十一分の一ですから、掛ける十七プラス百五十分の一掛ける三括弧閉ず。百五十分の一掛ける三というのは、十七年以後年額百五十分の一になりますから、二十年間という計算をいたしますから、掛ける三であります。そうすると、これは四十二万五千円であります。つまり同じ二十年間を計算をすると、共済長期の方は四十万円にしかならないけれども、恩給法納付金を払って恩給をもらう方の方は四十二万五千円になるという計算であります。十万円と仮定した場合。つまり、二十年というところをとりますと、共済長期をお掛けになってきた方の方々が損をする。恩給で計算をした方が得になるという算定であります。計算例がたくさんございますが、時間がありませんから省略をいたします。そこから先は逆になってまいります。つまり、共済長期の方が六十分の一ということになるからであります。  したがって、じゃ一体この逓信手、通信手の方々の勤続年数はとなりますと、大体十六、七年から十七、八年でやめていく方が非常に多いですね。任官してしまいますと、一時金をもらって身分が変わってしまいますから。だから共済長期を払って逓信手、通信手をやっておって身分が変わる。それが大体十七年くらいです。そうすると、そこでこの期間は一時金をもらっておしまいということになる。中には、そこで身分切りかえになって恩給法納付金を払い始めたんだが、これも十七年たたぬで終わり。十七年共済長期を払ってきて、あと三年なければ恩給共済年金ももらえない。ここで二十年に切りかえられた。もう十七年勤めたら三十四年ですから、それを三十年でやめてしまえば両方つかない。両方一時金、そういう方々もたくさんあるのです。私も職場におりましたからよく知っていますけれども、たくさんあります。そういうことになっているということになると、これは局長さんの身分通算をしたこの時期にやはり救済をする、その方向が私は望ましい、こう考ているわけであります。  この時代の方々は、一生懸命——いまほど近代化されていない郵便局の中で、集配をやって帰ってくると、いろりがあって、炭俵の、いわゆるかまどというのを切って、引っ張ると、炭が井げたにずっと積まれたままで、そこへ抜ける、下から新聞紙に火をつけて炭を燃すわけです。ぼくらさんざんやったのだけれども。そうでないと、全身ぬれているから、二号便に行く気がしない。集配特定の方というのは、そういう時代の方々なんですね。そういう苦労をしてきた諸君。当時は地下たびですから、犬よけの、こんな上にやるものなんかないのだから、一つ間違えば犬にかまれるということをやってきたわけです。だから、やはりそこらの御苦労を考えて、これら先輩の方々の有利な選択を考えていい時期ではないかという気が私はする。そこのところのお考え方を承りたいと思いますが、いかがでございますか。
  38. 魚津茂晴

    ○魚津説明員 いま先生が御指摘されましたような観点で、私たちの方にも全くそういった趣旨で、現実に逓信手、通信手をやった方が退職をされまして、その方たちがいろいろ陳情をなさっておられるわけです。私たちの方といたしまして、直接恩給法上の問題ということでございまして回答する立場にないものですから、そういった声を関係のところにお伝えいたしまして、いろいろお話をしている次第でございます。
  39. 大出俊

    大出委員 実はこの恩給期間となりますと、これは恩給局にも関係がないわけではない。さっき私が申し上げたように、今日、これは私の仕事の一つでございますが、永岡、横川両議員の議員立法でお進めをいただいて共済移行いたしました。そういう意味で共済との関係も出てまいります。だから、きょうは恩給関係の方々もおいでになるところで一遍承っておいてという気持ちもあって、大蔵省の方にもお見えいただきましたが、そういうことで実は承っているわけであります。この時代の方々、私どもの大先輩が退職者の組合をおつくりになって、方々に要望書等をお持ちになっている。ここに郵政省に持ち込んで省と話し合っている中身の記録がある。退職者の全国協議会、ここで郵政省とのやりとりがずっと会報に載っているわけでありますが、どうもいささかにべもないお答えになっております。さんざん苦しい時代に苦労された方々なんですから、私も鶴見郵便局で外勤を長らくやった人間ですけれども、よくわかる。だから、やはりこの際、こういうにべもない話でなしに、明らかに選択をすれば有利になるんだから、そこのところは考えてあげるという姿勢を持っていただいて、そして、それが関係の方にお話しになったときに隘路が出てくれば、その隘路は隘路でお互い努力をし合うという姿勢が私はほしいのですけれども、いかがでございますか。
  40. 魚津茂晴

    ○魚津説明員 先生のおっしゃるような苦労をした方の退職者の処遇といたしまして、心情的には理解を私たちとしてできるわけでございます。先ほど先生からもお話しございましたように、恩給法という形でとらえますならば、これは推定値でございますけれども、一万七千人のうち一万四千人が有利になるだろうという実態を考えてみますと、心情的には私たち耳を傾けるわけでございますが、現在の恩給制度あるいは共済組合制度という制度化され事実化されているその中で、有利な方は恩給で、あるいはまた共済年金でという、その択一が制度の中で取り入れることが果たしてできるのかどうかという点になりますと、若干私たちとしてもむずかしいなというふうに考えておりまして、先ほど申し上げましたように、そういった事実を主務官庁の方にお伝えいたしまして、検討願っている次第でございます。
  41. 大出俊

    大出委員 これは一万七千人のうち一万四千人が有利になるということが推定できるということであれば、大多数が有利になるという解釈なんですよ。残り三千人が悪くなるんじゃないですから。そうでしょう。これは恩給局の皆さんには、私の持論ですけれども、本来ならば現職公務員の給与の配分、その配分の仕方で、本当ならば上薄下厚で下から高い配分をしてきたのですから、その形で仮定俸給表を改定をしてくれば、今日最低保障だなんて騒ぐ必要はない、本当のことを言うと。ところが、一律アップの形で進んできたから上下格差は開きっぱなし、恩給の仮定俸給の面でいけば。そこに最低保障をせざるを得ない問題が起こってきているわけです。だから、基本的な問題はそこにある。したがって、私は最低保障なら保障の面で救うものは救っていく、現段階ではそれはやむを得ないですから。だけれども、その間に矛盾があって有利に考えられる。これは特定局長も同じですが、制度上の問題なんですから。それは、たとえば国鉄で火夫といって石炭をくべる人も、機関助士と名前を変えたって一つもありがたくないのです。名前だけの問題でしょう、中身が伴わなければ。火夫という名前はどうもシャベルで石炭を入れているんだということになるからというので機関助士、それだけでは意味がないのですね。やっぱり社会的な地位あるいは給与という問題に触れなければ。そういう意味で、同じ苦労をしてきている郵便配達をしてきた諸君なんだから、私もその一人だけれども、だからその方々の問題なんだから、そういう意味でこれは前向きで取り組んでいただきたいのですが、いかがでございますか。もう一遍お答えいただきたい。
  42. 魚津茂晴

    ○魚津説明員 先ほど答弁をさせていただきましたように、心情的には私たち実態を承知した上に理解をしているわけでございますが、全体の制度との関連の中でとらえなくちゃならぬということで、関係のところにそういった声をお伝えするという立場で、私たちのその心情を反映させていきたいと思う次第でございます。
  43. 大出俊

    大出委員 関係のところというと、どこですか。
  44. 魚津茂晴

    ○魚津説明員 恩給局でございます。
  45. 大出俊

    大出委員 目の前で恐縮なんだけれども、たまたま恩給局おいでになりますので、総務長官の所管でございますから。  いま、るる申し上げましたように、文官にせよ武官にせよ、恩給というものはある意味で戦後処理という意味が多分に含まれている。理屈に合わぬことがずいぶんございまして、三十幾つも議員立法があったりするのですから。そういう意味で特定局長さんの、つまり制度に伴う矛盾を改正をしとうという時期でございますから、そこにおられて一生懸命、公共性があるという意味で言えば、一番町の諸君と接触をしながら、地下たび、巻ききゃはんで一軒一軒ぬれながら郵便を配ってきた諸君なんですから。局長さんだけ改善をするということだが、しかし、そこで働いてきた人間は、そういう同じ制度上の矛盾なんだが、それをおっぽっておくというのでは筋が通らぬ、そう考えますが、いかがでございましょう。総務長官、ちょっと承りたいのです。
  46. 植木光教

    植木国務大臣 いろいろ沿革的に問題があるというふうにも思いますが、私もいま承っておりまして、心情的に理解できます。したがいまして、この点につきましては、ひとつ研究をさしていただきたいと思います。
  47. 大出俊

    大出委員 ぜひひとつお願いしたいと思います。  これは、特定局という制度がございまして、前島密さんが明治初年につくった郵便制度の中で、収支対償の法といって、町、村の有力者にお上の御用だということで郵便を扱わした。収支対償法というのは一体何かといえば、政府は金を一銭も出さぬで済むということでございまして、だからそれが請負制度の形になっている。そこに身分上の矛盾があってこういうことになっている。特定局長さんもそうでございます。それは、時の明治政府にすれば一番金がかからなかったのだけれども、それだけに、そこに働いている人間というのは極端に劣悪な条件になっていた。これが逓友同志会などという戦前の労働運動が、逓信省時代に今日歴史に残る活発な状態にあった理由でもありますから、戦後処理という意味ならば、局長さんの身分改定、通算をする、それもいいわけでありまして、さっき申し上げたように、配達している方は十二年、そうでない方は二十一年に政府直轄の形に変わってきているわけでありますから、そういう意味で、これはぜひひとつ前向きで御検討いただけますようにお願いをいたしておきます。あわせて二、三点承っておきたいのでありますが、国家公務員共済組合審議会がございますが、大蔵省の方に承りたいのですが、今日至るところに退職者組合というのがたくさんできてきている。非常に運動も活発になってきている。これは民主主義の世の中、それでいいわけでありますが、それだけに、どうかひとつこの審議会の中にこういう退職者の代表をお加えいただけぬかという気が私はするのでありますが、議論のあるところでありますが、いかがでございますか。
  48. 岡田愛己

    ○岡田説明員 お答えいたします。  委員御案内のとおり、現在、国家公務員共済組合審議会というのは、学識経験のある者と関係行政機関職員、それに共済組合員の代表、この三者構成、これはわれわれの審議会に同種の、自治大臣の諮問機関である地方公務員共済組合審議会につきましても、これに地方公共団体の職員というものを加えた彩でございますので、構成としては同じでございまして、御指摘のとおり、特に退職者の代表という形で委員を構成しておりません。いまおっしゃいました件につきましては、一つの御議論だろうと、これは承っておきます。  ただ現実の問題としまして、これは非常に技術的な問題ですが、いかなる方をいかなる形で入れるかという問題が一つございます。それから、そういう短所というものを補うために現実にどうしているかといいますと、実は組合の代表の方々を通じまして退職者の意見をいろいろな形でお聞き申し上げております。それを審議会の上に反映さしていただくという形式をとっております。かたがた、直接われわれが共済組合あるいはいまおっしゃいましたような退職者の会の方々にお会いいたしまして、そういう声を集約して、また審議会でわれわれの方から事務当局ということでお話し申し上げるというようなことでございまして、幾らかその短は補っているだろうと思います。他の審議会もいまと同様でございますし、それから、そういう形でいま運用しておりまして、われわれから見れば特段の大きな支障もないということで、現在のところそれは行っておりませんし、行うとすれば、それは法制上の問題でございますので、なお法制上の検討等もございます。それもあわせて、今後の検討課題とさせていただきたいと思います。
  49. 大出俊

    大出委員 お話はわからぬわけではないのですが、各種この種団体の方々から私も陳情をたくさんもらっておりまして、入れないのは不合理である、われわれ自身の問題ではないか——ごもっともなんですね。これは論理いとも明快なんです。  そこで、意見を聞く意見を聞くと言うが、いろいろ意見を言ってみても、それを持っていってどう反映するのかさっぱりわからぬと言う。だから、法制上の問題もあるから万やむを得ぬというならば、正式に参考人かなんかの形で呼んでもらって意見の開陳をさせるとか、せめて何らかの措置を早急にとってもらいたいものだという意見も出てくる。したがって、法制上の問題もあるとすれば、いま私が申し上げたような直接的にその諸君の物の考え方を、ただ単に陰で聞くのではなくて、公にそういうところまでまずもって持ち込めないかという気がするのでありますが、いかがでございますか。
  50. 岡田愛己

    ○岡田説明員 お答えいたします。  審議会にどういう形で反映するかという御議論だろうと思います。直接というのも一つの方法だと思います。ただ、現在やっておりますのは間接的かもしれませんが、われわれといたしましては、それなりに一応成果を上げているんじゃないかというふうに考えておりますが、なお検討はいたしていきたいと思います。
  51. 大出俊

    大出委員 課長さんはまだ現職だからですけれども、おやめになるときは相当の年になるのですね。そうすると、私どものところへあらわれる方はみんな御年輩の方なんですね。御年輩の方というのは生活の中心はそこしかない、それで生活しているのですから。そうすると、この方々は非常に熱心なわけですよ。恐らく皆さんお仲間内だっておやめになったら、私は郵政省ですけれども、えらい方がおやめになって、旧局長さんなどが退職者の組合の会長になったりしておられるわけですが、そういう方々が出てこられて話をする。非常に熱心なんですね。だから、やはり物の考え方はそこに集中しているのですから、その方々を納得させていただかぬと、余世を送っておられるのですから、そういう意味の配慮が必要であろうと私は思う。だから、参加のさせ方、おっしゃるとおりであります。させ方をこれはぜひ前向きで一遍検討していただきたいのでありますが、いかがでございますか。
  52. 岡田愛己

    ○岡田説明員 お答えいたします。  御趣旨を承った中で検討いたしていきたいと思います。
  53. 大出俊

    大出委員 もう一点だけ承りますが、時間がありませんから細かいことを言いませんが、いま各自治体が代理してやっております国民健康保険なるものは会計は非常に苦しい状態でありまして、にっちもさっちもいかない。大きな組織で、たとえば郵政省なり厚生省なりというところでやめた方が国保にどんどん入ってこられる。こういう現状なんですね。それで、法改正等もありまして、一年間は使用者としての政府負担分まで払わされているわけでありますけれども、そういう点もこれは考えなければいけません。やめたんだからといって、一年間は組合員として継続できるように、こういうことにはなったんだが、しかし、本人負担分と政府負担分と両方払わされているわけですね。やめてしまった人に両方払わせるという、これも私はずいぶん酷な話だ、こう思うのですね。そうでなければ医者にかかれないから……。せっかくこういう法改正をするんなら、まずもうちょっとここのところを考えるべきではないか。  それからもう一つ、同一疾病ならば、これは五年間認められているわけですね。ところが、郵政省で長らく働いて現場をやってきた人で、ほっとしたときはどこかが悪い。通常そうですね、相当な労働ですから。だから、全部病気にしちゃって五年間継続、そういうわけにはいかぬわけでありまして、だから私は国保の実情も考えたときに、これは厚生省、大蔵省必ずしも意見は一致しませんけれども、単位共済組合で、たとえば郵政省なら郵政省の共済組合で、その退職者を当分の間抱えていってやるというふうな制度論、これは私は合理的に検討して、その辺を考えてみる必要があるという気がするのです。何でもかんでも国保にほうり込んでしまうというかっこうはいいはずはない。だから毎年毎年自治体国保の値上げばかりやっている。これは私は放任できぬと思うのですよ。だから、そこらのところは一体どのようにお考えなのか、この際承っておきたいのであります。
  54. 魚津茂晴

    ○魚津説明員 お答えいたします。  現在、退職者の退職後の医療問題につきましてはいろいろ社会問題となっております。退職後の医療給付の充実につきましては、私たちといたしましても今後一層努力をしていく必要があると考えておりますが、しかしながら、これはまた同時に、被用者保険全般の問題として検討すべきであると思います。現在、関係の向きにおきまして検討をしておいでになる、こういうふうに聞いておりますので、その成り行きを私たちとしては関心を持って見ている次第でございます。
  55. 大出俊

    大出委員 とりあえず逓信手、通信手問題を主に承りましたが、いまの問題も非常に大きな問題で、何も郵政共済に限らず、国そのものが国保などの立場も踏まえて、自治体の実情等もございまして、厚生省と私は何遍かこれはやりとりをしたことでございますけれども、全体として何らかの結論を求めなければならぬというふうに私は思っている。  厚生省の方、おいでいただきましたので、一体この問題についてはどうお考えなのかをとりあえず聞かしておいていただきたいのですが、いかがですか。
  56. 中野徹雄

    ○中野政府委員 お答えいたします。  先生仰せの退職者医療問題、これは共済組合からの退職者、あるいは一般の健康保険組合等、あるいは政府管掌の健康保険から離脱した者、一般的にある問題でございます。  先生仰せのとおりに、これらの方々が国民健康保険の方に加入をいたしまして、たとえば老齢になれば疾病の罹患率も高いというような事情も加わりまして、先生仰せのような非常にむずかしい問題を発生させつつあるわけでございます。この問題につきましては、過去大蔵省との間でもいろいろな意見の交換をいたしまして、目下私どもの方の社会保険審議会におきましてこの退職者医療問題を検討中でございます。せんだって十月の九日に中間的に審議の取りまとめをしたわけでございますけれども、さらに明年度の法律改正案に向けまして問題の所在をさらに掘り下げて検討を続けるということになっておりますので、できる限りの努力をしてまいりたい、かように考えております。
  57. 大出俊

    大出委員 ぜひこれは解決の方向を打ち出していただきたいと思っている問題でございます。改めて承ります。  最後に、この概算要求を恩給局お出しになっておりますが、附帯決議も当委員会でございます。また、私がこれは持論で申し上げている点もございまして、この「昭和五十一年度恩給改善主要項目 総理府恩給局」という主要項目を見ますと、大きな問題で三点ばかりございます。  一つは何かというと配分の仕方。現職の公務員のアップ率に合わせた配分の仕方をしてもらいたいということを私は言ってきているわけでありますが、これは一体本年どういうふうにお考えなのかという点、これが一つ。  それからもう一つ、時間がありませんから三つ並べますのでお答えいただきたいのですが、扶助料ですね。扶助料を、共済関係の方ではいまの半分じゃなくて七〇%ぐらいのことで検討なさっているようであります。本来、恩給主導型でこうなってきたわけですから、確かに恩給審議会の中では、恩給と共済は本質的に違う、共済は共済独自のあり方があってもいいんだという御意見もあります。したがって、そういう変化の中で議論が進んでいるわけでありますけれども、かといって、やはり恩給主導型で今日までやってきたのですから、私は、むしろ恩給の側で本年の概算要求等々の中でこの辺は改善をしていくべき筋合いではないかという気がいたします。ここにはただ単に「扶助料の改善」としか書いてありませんけれども、一体これはどういうふうにお考えか。  それからもう一つは実施時期の問題でございまして、実は時間がありませんからよけい申しませんが、本来ならばぼつぼつ改正というのは感心をしないのでありますけれども、しかし財政の事情その他がございましょう。ございましょうから、少なくとも本年の要求、そして来年の実施も八月であってはならないという気が私はするわけでありまして、そういう意味で、そこのところを一体どういうふうにお考えなのか、はっきりさしておいていただきたいと思います。
  58. 植木光教

    植木国務大臣 いま御指摘のまず第一点でございますけれども、これは申すまでもなく一律アップをしてきたところでございますけれども、この委員会の附帯決議もございましたので、五十年度においてもいろいろ考えたところでございましたが、五十一年度におきましては、検討の結果、公務員給与改善傾向をできるだけ反映することといたしまして、恩給年額計算の基礎となる仮定俸給の年額を約七%ないし一二%増額するという考え方で予算の要求をいたしているのでございます。  それから扶助料の問題でございますけれども、これは私どもとしても改善をいたしたいと考えております。大正十二年以来一貫いたしまして普通恩給年額の二分の一相当額というたてまえできたわけでございますが、遺族に対しましては、老齢者の場合と同様に基礎俸給の格上げ、加算年の年額計算への算入等の優遇措置を講じておりますので、実質的には普通恩給年額の二分の一を超える場合も出てきてはおります。しかしながら扶助料改善は私どもの一つの大きな課題でございますので、また要請も強いことでございますから、他の公的年金の動向等も勘案しながら対処してまいりたいと思うのでございます。五十一年度概算要求に当たりましては一五%の枠いっぱいの要求を行っておりますけれども、この扶助料の改善につきましては、ただいま具体的な要求内容を固めつつあるところでございます。したがって、私どもとしてはいま御指摘のような方向で努力をしていくということで御理解をいただきたいと思います。  それから実施時期の問題でございますが、これは九月となり、また今年度からは八月にしていただきたいということでいま御審議をいただいていることでございますが、私どもとしては一歩ずつ前進をしておりますので、五十一年度におきましては、御承知のような財政事情でございますけれども、さらに一カ月切り上げまして七月実施で概算要求をしているのでございます。これの繰り上げにつきましては、他の公的年金制度との均衡の問題もございますが、いま申し上げましたような要求をぜひ実現をいたしたいという考え方でございます。
  59. 大出俊

    大出委員 恩給局長さん、どうですか。この恩給年額の増額のところで、いまお話がございましたが、七%ないし一二%増額しようとしていると、こうなっていますね。現職公務員の一〇・八五が出ているわけでありますが、給与配分ですね、つまり傾斜配分です。配分の仕方、この点は昨年の大蔵省とのいきさつもあるわけでありますが、現状をどういうふうにお考えでございますか。
  60. 菅野弘夫

    ○菅野政府委員 いま総務長官がお答え申し上げましたような趣旨で、そういう要求をいたしているところでございます。本年、たとえばいままでのやり方と申しますかそういうことでございますと一〇・七、俸給だけで申しますと一〇・七でございますので、一律に上から下まで一〇・七ということでございますけれども、当委員会で種々御審議をいただき、私たちも昨年は一応暫定的に三段階ということで、結局は実りませんでしたけれども、そういう要求をしたところでございますが、その三段階というのもきわめて暫定的でございますし、三段階の一つ一つの中、各段階の中ではやはり一律でございますので、そういう問題点もございますので、本年はできるだけ公務員給与改善傾向を考慮する、ほとんどそれに近いような数字を当てはめるということで研究をした結果が、先ほど長官がお答え申し上げましたような数字になったわけでありまして、現在、まだこれは概算要求を総理府の立場で要求した段階でございますので、大蔵省と詰める段階は後にございますのでまだはっきりしたことを申せませんけれども、私たちとしては、こういう考え方の方がより妥当であるという信念のもとに今後とも折衝を続けていくつもりでございます。
  61. 大出俊

    大出委員 私がこれを取り上げたときに、実は技術的にむずかしいというお答えが当時返ってきたわけですけれども、そんなことはないじゃないか、やればできるじゃないかという話を私が例を挙げてしたことがございます。少しそこのところの理論根拠を明確にして折衝いただかぬと、昨年の三段階、何で大蔵省認めなかったんだと聞いたら、簡単に言ってしまえば恩給局さっぱりはっきりせぬからと言う。これはその背景にはもう一つ政治的なものがあるんだから、恩給局の責任だけではありませんけれども、ぜひひとつそういう結果にならぬように、これは総務長官、御努力をお願いしたいのでありますが、最後でありますから一言……。
  62. 植木光教

    植木国務大臣 私どもといたしましても、最善の努力をいたします。
  63. 藤尾正行

  64. 中路雅弘

    中路委員 恩給の問題は、前に当委員会では附帯決議も付して全会一致で通過をさせておる問題でありますので、本日も一、二点だけ短く御質問して終わりたいと思います。  最初に一点お聞きしておきたいのは、いますでに大出委員の方からも御質問があった問題ですが、もう一度念を押しておきたいわけです。この問題は、私ども、党が、恩給の問題で前回から賛成するということに踏み切りました一つの点でもありますので、もう一度お尋ねしたいんですが、前回の委員会でも、四十八年以来現職公務員の給与サイドのスライドですね。一律アップの給付だったわけですが、これを上薄下厚にしていくということが大きな課題になっていたわけでありまして、附帯決議に関連してこの問題を御質問いたしました。当時は、先ほどもお話しのように三段階ですか、五十年度予算編成に当たっては一つの案としてこの三段階で大蔵省と折衝されたわけですが、皆さんの御答弁の中でも、まだ理論的なあるいは技術的な問題が種々あるということも御答弁をされていたわけです。五十一年度の予算の概算要求の中で、従来の一律アップ方式を改めてベースアップに基づく傾斜をとった要請をされておるわけですが、最初に、五十一年度の予算の概算要求の中で総理府の考え方として要求されている中身、考え方について、簡潔に、この場所でもう一度お伺いしておきたいと思います。
  65. 植木光教

    植木国務大臣 上薄下厚方式をとるということについては、五十年度におきましても大蔵省と折衝したわけでございますが、恩給局でつくりました案が必ずしも成熟したものではございませんでした。そういう意味で五十年度は見送ったわけでありますが、五十一年度で何とか実現をいたしたいという考え方で、公務員の給与改善傾向をできるだけ反映することにいたしまして、仮定俸給の年額を約七%ないし一二%増額するという方式でありますと合理的な要求ではないかという考え方でただいま予算要求をし、折衝を始めつつあるというところであります。
  66. 中路雅弘

    中路委員 四十九年の委員会でも、「一律アップ方式について、最近における現職公務員の給与改善の傾向を考慮して再検討を加える」という附帯決議がなされていたわけですが、五十年度の場合は、結論としてはまだそれが採用されなかったということで、一層格差がひどくなっている、附帯決議の実現とは反することに結果としてはなっているわけですね。そういう点で私は、附帯決議の問題は当委員会でも問題になっていますが、これは委員会の、また国会の意思でもありますから、それぞれの立場、考えもあると思いますが、大蔵省との折衝の中でやはりこれを尊重していただいて、ぜひとも実現をするということで五十一年度は努力をしていただきたいと思うわけです。この前の御答弁でも、もちろんまだこの案は熟していなかったということでありますが、御答弁では、恩給局といたしましてはこの案を考えて大蔵省との折衝に当たり、また総理府そのものといたしましてもこれを柱として折衝してきたという御答弁ですから、大蔵省との折衝の間に問題があったことも事実だと思うのです。そういう点では、総理府の案でありますけれども、これはまた附帯決議に基づいた考えでもあるわけですから、総理府の立場というだけでなくて、ひとつ大臣の場合も政府閣僚の一員として、当委員会の質疑や附帯決議を尊重する立場から、五十一年度はぜひともこれを実現していただきたい。その点をもう一度長官からひとつ決意なりお考えを聞いておきたいと思うのです。
  67. 植木光教

    植木国務大臣 国会の附帯決議というものは、最大限尊重せられるべきものであると考えておるのでございます。したがいまして、五十年度におきましては四十九年の附帯決議に対応いたします上薄下厚方式を採用するというところまで至りませんでしたけれども、五十一年度につきましては不退転と申しますか、重大な決意をもって臨みたいと存じますので、委員各位の御協力をお願いするところでございます。
  68. 藤尾正行

    藤尾委員長 委員長から申し上げますが、ただいまの附帯決議の実行方につきましては、委員長といたしましても、国会の権威に関する問題でもあり、最大限の努力をいたしまして、必ずこれが実行せられるようにあわせ努力をいたしますということをつけ加えさせていただきます。
  69. 中路雅弘

    中路委員 委員長からも非常に、委員会の決議を実現するという意味の御発言もいただきましたので、次に移らしていただきます。  もう一点だけ、きょうお聞きしておきたいのですが、時間が限られていますので、いろいろ恩給に関連して請願を幾つもいただいているのですが、きょうは一つだけ取り上げてお尋ねしたいと思います。  これは日赤の救護看護婦さんの問題ですが、この前の戦争で、日赤の救護看護婦さんとして戦地へ派遣された方はどれくらいおられるか御存じでしょうか。
  70. 菅野弘夫

    ○菅野政府委員 私たちがお聞きしておりますところでは、第二次大戦中に従軍いたしました日赤看護婦の方々は、約三万三千人というふうにお聞きしております。
  71. 中路雅弘

    中路委員 三万三千五百名と言われているわけですが、その中で亡くなった千四百七十五名には、現在保障制度として遺族年金の支給が遺族にされているわけです。そして婦長ですか、判任官相当の救護看護婦さんには恩給が支給されているわけですが、私のところへ来ています。これは一人名前を挙げて具体的に御質問したいのですが、請願者の一人で岡松八千代さんという川崎市在住の方です。経歴を言いますと、昭和十八年の八月に召集になって、小さい子供がいたわけですが、戦地に行けば加算もつくということで召集されて、二十年に中国で終戦になりまして、終戦後ソ連、中国に抑留、二十八年の八月に帰国をしている。帰国してから徳島の県立病院に六年ほど勤めたという看護婦さんです。本人は県立病院を退職するときに退職一時金をもらっただけ、帰国したときに帰還手当の一万円をもらっただけということであるわけです。私もこの問題、いままでの関連した国会論議も見てみましたけれども、普通の看護婦さんはいま恩給の対象になっていない。判任官の婦長さん等だけでありますし、また婦長さんであっても、戦後国家公務員に就職していないと恩給の対象にならないという現状です。この岡松さんの場合は帰国後県立病院に勤務をしていますから、地方公務員としての経歴から地方公務員の共済組合法の適用が考えられるのではないかということで私もいろいろ関連のところを見てみたのですが、これを見ていく中でいままでの制度の中で幾つか矛盾もあるということを感じたのです。恩給の支給の中で、いわゆる恩給対象の看護婦さん、判任官相当の看護婦さんについては、軍属にあります抑留期間の加算あるいは通算、この規定がないわけですね。これはどういう経過で看護婦さんについては抑留期間の加算や通算もないということになったわけですか。
  72. 菅野弘夫

    ○菅野政府委員 日赤救護員の方はもともと公務員でないわけでございまして、恩給法上の公務員でもないわけでございます。しかしながら、先ほど先生が申されましたように、戦時中に召集を受けまして戦地あるいは事変地等で活躍をされたわけでございますので、その方々のそういう特殊な事情を考慮したということで、後に公務員期間がございます方々についてはその期間を通算するということに相なったわけでございます。そういうことでございまして、きわめて特殊な措置として身分が公務員でない方々についてもそういう特別な措置をするということでございましたので、いま申しましたように戦地等でございますから、期間といたしましては終戦までの期間というふうに切ったのが実情でございます。
  73. 中路雅弘

    中路委員 昭和二十一年に勅令六十八号で一時、旧軍人軍属の恩給が二十八年までストップされました。しかしこの中で、看護婦の場合はこの規定から除かれて、引き続き婦長等については恩給が支給されたわけですね。二十八年の法律百五十五号の附則四十一条の二で軍属の抑留加算それから抑留期間の通算、こういったものもできるようになったわけですが、私のいろいろ聞いたところでは、事実上看護婦さんについては勅令からはずされていましたから、そういうことのプラスマイナスといいますか引きかえということで、恩給復活された際にこの抑留期間については看護婦さんについては通算、加算されない、いままでストップされた期間もあったわけですから。そういうような考えでこの期間通算、加算がなかったというようなお話も聞いているのですが、この辺の事情はどういう事情だったのですか。
  74. 菅野弘夫

    ○菅野政府委員 先ほどお答えいたしましたように、公務員という身分に着目して、公務員の判任官以上というところでございますけれども、そういうことで恩給制度が成り立っているわけでございます。そういういわばからを持っておりますので、公務員以外の方というのは本来入ってこないのでございますけれども、いま問題になりました従軍看護婦さんのごときものは、特別に御勤務の実態等を踏まえまして、戦後の制度として恩給公務員期間に通算するということをとりましたので、恩給審議会のいろいろな議論の中にもございますけれども、やはり本来公務員でない者の特例措置であるので、全面的に広げるわけにはいかないという審議会の答申もございまして、そういう考え方のもとにいまのような制度になったわけでございます。  ただ、したがって二つの問題があるような気がいたします。一つは加算の問題でございますが、加算の問題につきましては、これはやはり本来の恩給法上の公務員でない者でございますので、その特例措置でございますので、加算までというのはなかなかむずかしいんじゃないかというふうに思っております。いまもう一つの御指摘の、長く抑留をされた方々についてでございますが、これはやはりよく調べてみないとわかりませんが、抑留された期間の実態等あるいはその間の問題等につきましては、これは将来の問題としてはそういうものを十分調べた上で検討の余地があるのではないかというふうにいま私は思っておるところでございます。
  75. 中路雅弘

    中路委員 いま長く抑留された、いまの場合は八年ですね、この場合にはこれからよく実態を調べて検討したいというお話ですが、地方公務員の共済組合法の場合は雇用員でも、いわゆる判任官でなくともいいわけですね。しかしその場合に恩給の規定が準用されているわけですから、先ほど例を挙げました方については恩給法が準用されておるわけですから、この抑留期間が入らないわけですね。だからこれが入りますと、通算しますと相当の年限になりますし、地方公務員の二十年以上にもなるわけですけれども、それが加わってないために期間も足りないということで、いまの例の場合には地方公務員の共済法の年限にもちょっと足りない、途中でやめていますから。というような事情に請願された方はなっておるので、このあたりの矛盾が解決できれば、こういう関係の看護婦の皆さんの問題を取り上げて何らかの形で救済ができる方法が出てくるのではないかというふうにも思うわけですが、その点いまもお話がありましたけれども、恩給の面でそういう点の検討がやられれば、それを準用している地方公務員の共済の場合も検討がまたできるんじゃないかというふうに思うのですが、この点の考えはどうですか。
  76. 菅野弘夫

    ○菅野政府委員 先ほどお答え申し上げましたとおり、特に長期に抑留をされました方々につきましては問題点があると思いますので、実態を調べさせていただきまして検討してみたいというふうに思っております。
  77. 中路雅弘

    中路委員 もう一点、自治省お見えになっていますか。岡松さんの場合、調べましたら県立病院を三十六年にやめているのですね。地方公務員の共済組合法が三十七年の九月に成立しているので、もし年数がそろっても適用されないというような、自治省の御意見をちょっと聞いておるのですが、この点は法律のたてまえからいうと必ずしもそうじゃなくてよいんじゃないか。現に恩給は毎年新しい適用の対象をつくって、過去のことでも法律制定時点から適用していっておるわけですから、この岡松さんの場合に、いまの通算の問題が解決すれば、三十六年にやめていても当然その対象になってくるんじゃないかと私は思うのですが、その点の見解をひとつお聞きしておきたいと思います。
  78. 大嶋孝

    ○大嶋説明員 この問題につきましては、もともと恩給関連の制度でございまして、恩給公務員相当の看護婦さんといいますか救護員につきましては、退職年金条例で措置するようにしておりますので、実のある期間になり得るということになります。それ以外の方につきましては施行法で規定をいたしてございますので、仮に抑留期間が通算になりましても、よく検討してみますが、ちょっと無理ではないか、かように考えます。
  79. 中路雅弘

    中路委員 いま自治省の方はそういう見解なんですが、たとえば、これがもし抑留期間の通算、加算ができるとなりますと二十八年になるわけですね。地方公務員共済ですと、たしか二十年ですね。二十八年にもなりますから、それがいま言ったいろいろ矛盾の重なった中で実際に何らの救済措置もとられないということは、非常に心情的にも何かの方法がないかと思っているわけですが、ひとつきょうの結論という意味じゃないのですけれども、幾つかこういう実例で、先ほどお話しのように、この従軍の看護婦さんの場合三万三千人からおられたわけですから、いろいろの形で戦後の中でこういう救済されない人たちも出てきておるわけなんで、さっきの抑留期間の問題ですね、期間の問題の検討とあわせて、いま私が例示しました問題についてもひとつどういう方法——年金の合理的な充実、救済措置が何らか必要であると思いますけれども、検討を一度していただきたいというふうに私は考えているわけなんですが、その点の御検討をいただくということについて、ひとつお考えだけ聞いておきたいと思います。
  80. 菅野弘夫

    ○菅野政府委員 いま具体的な問題は共済の関係のものもずいぶんございましたので、恩給局といたしましては共済のことまでお答えできませんけれども、先生御指摘のような問題点につきましては、前からお話もあるところでございまして、大変むずかしい問題をはらんでおりますけれども、いろいろの面から検討してみたいというふうに思います。
  81. 中路雅弘

    中路委員 直接恩給の対象としては、いま私が例を挙げましたのはむずかしい問題ですが、共済組合法の適用が可能かどうかという問題もありますし、含めてひとつ最後に総務長官というよりも、この問題自治省にも関係してくるわけですけれども、大臣の方から、こういった例の請願も幾つも来ていますので、ひとつ研究をしていただくということでお願いしておきたいと思うのですが、どうでしょうか。
  82. 植木光教

    植木国務大臣 今後の課題として検討してまいります。
  83. 中路雅弘

    中路委員 それでは時間ですので、一応終わりたいと思います。      ————◇—————
  84. 藤尾正行

    藤尾委員長 この際、在外公館名称及び位置並びに在外公館勤務する外務公務員給与に関する法律の一部を改正する法律案防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案科学技術庁設置法の一部を改正する法律案及び許可、認可等の整理に関する法律案の各案を議題といたします。  順次趣旨の説明を求めます。宮澤外務大臣。     —————————————  在外公館名称及び位置並びに在外公館勤務する外務公務員給与に関する法律の一部を改正する法律案  防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案  防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案  科学技術庁設置法の一部を改正する法律案  許可、認可等の整理に関する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  85. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 ただいま議題となりました在外公館名称及び位置並びに在外公館勤務する外務公務員給与に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  この法律案におきましては、パプア・ニューギニアが先般九月十六日独立したことに伴い、同国の首都ポートモレスビーに大使館を設置し、同大使館に勤務する職員の在勤手当の基準額を定めるとともに、同地に引き続き存置する在ポートモレスビー日本国総領事館の国名をオーストラリアよりパプア・ニューギニアに改めるものであります。  パプア・ニューギニアの独立につきましては、国連も一貫して積極的立場をとってきており、わが国も国連等の場を通じ、これを支持してきており、同国の独立と同時にこれを承認したところであります。わが国とパプア・ニューギニアとの間の経済等諸分野における緊密な関係を踏まえ、かつ、わが国のアジア・大洋州外交を積極的に進めるとの見地からも同国にわが国の大使館を早急に設置する必要がありますので、本法案により所要の措置を講ずるものであります。  以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
  86. 藤尾正行

  87. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案の提案の理由及び内容の概要について御説明いたします。  まず、防衛庁設置法の一部改正について御説明いたします。  これは、自衛官の定数を、海上自衛隊五百十七人、航空自衛隊三百三十六人、計八百五十三人増加するための改正でありまして、海上自衛官の増員は、艦艇、航空機の就役等に伴うものであり、航空自衛官の増員は、航空機の就役等に伴うものであります。  次に、自衛隊法の一部改正について御説明いたします。  これは、航空自衛隊第三航空団の司令部の所在地を愛知県の小牧市から青森県の三沢市へ移転するものでありまして、当該部隊の任務遂行の円滑を図るためであります。  以上、法律案の提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げましたが、何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いいたします。  次に、ただいま議題となりました防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  この法律案は、このたび提出された一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案の例に準じて、防衛庁職員給与改定を行うとともに、営舎または船舶内に居住する一等陸曹、一等海曹または一等空曹以下の自衛官の給与改善するものであります。  すなわち、参事官等及び自衛官の俸給並びに防衛大学校及び防衛医科大学校の学生の学生手当を一般職職員給与改定の例に準じて改定するとともに、営外手当についても従前の例にならい改定することとしております。また、営舎または船舶内に居住する一等陸曹、一等海曹または一等空曹以下の自衛官の特殊な法的拘束性にかんがみ、これら自衛官の俸給を改善するとともに、営外手当について所要の改正を行うこととしております。  なお、事務官等の俸給のほか、扶養手当、住居手当、通勤手当、医師等に対する初任給調整手当につきましては、一般職職員給与に関する法律の規定を準用しておりますので、同法の改正によって同様の改正が行われることとなります。  この法律案の規定中、営舎または船舶内に居住する一等陸曹、一等海曹または一等空曹以下の自衛官に対する給与改善に係る規定は昭和五十一年二月一日から施行することとし、その他の規定については公布の日から施行し、昭和五十年四月一日から適用することといたしております。このほか附則において俸給の切りかえ等に関する事項について、一般職におけるところに準じて定めております。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
  88. 藤尾正行

  89. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 科学技術庁設置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  原子力の開発利用は、現下のエネルギー問題に対処してわが国エネルギーの安定供給を確保するため、大きな役割りを果たすものであり、政府としては、その推進に努めてきたところであります。  しかしながら、その安全性については、必ずしも国民から万全の信頼を得ているとは言いがたい状況にあります。政府は、原子力平和利用の推進に当たっては、まず第一に、その安全性確保のために万全を期し、国民の理解と協力を得なければならないと考えております。このため、研究開発と安全規制とを同一の局で行っている現行の原子力行政体制の中から、原子力の安全規制等原子力の安全確保に関する機能を分離、独立させ、これを強化することにより、安全確保の明確な責任体制を確立することがぜひとも必要と考えるものであります。  なお、これとあわせて、安全を確保するために必要な試験研究等についても抜本的な強化を図り、安全の確保に万全を期したいと考えております。  この法律案は、このような観点から、現在の原子力局の事務のうち、核燃料物質及び原子炉に関する規制に関する事務、原子力利用に伴う障害防止に関する事務等原子力の安全規制に関するものを分離し、これを一体的かつ効率的に処理する体制として、新たに原子力安全局を設置するとともに、その所掌事務を定めようとするものであります。  なお、これらの改正とあわせて、科学審議官の定数を三人以内から一人に減じ、原子力局の次長二人を廃止して原子力安全局に次長一人を置くため、所要の改正を行っております。  以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。原子力の安全の確保の重要性について皆様の深い御理解をいただき、何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
  90. 藤尾正行

  91. 松澤雄藏

    ○松澤国務大臣 ただいま議題となりました許可、認可等の整理に関する法律案について、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。  政府は、行政の簡素化及び合理化を促進するために、許可、認可等の整理を図ってまいりましたが、さらにその推進を図るため、昨年十一月六日に提出された行政監理委員会の許認可等に関する改善方策についての答申事項のうち、法律改正を要するもので今年度分として成案を得たもの及びその後政府部内における検討の結果改善することが適当と思われるものを取りまとめ、この法律案提出することといたしました。  法律案の内容について御説明申し上げますと、第一に、規制を継続する必要性が認められないものにつきましてはこれを廃止し、第二に、規制の方法または手続を簡素化することが適当と認められるものにつきましては規制を緩和し、第三に、下部機関等において処理することが能率的であり、かつ、実情に即応すると認められるものにつきましては処分権限を委譲し、第四に、規定の明確化を図る必要が認められるものにつきましては規定を整備することといたしております。  以上により、廃止するもの一事項、規制を緩和するもの九事項、権限を委譲するもの四事項、規定を整備するもの一事項、計十五事項について、六省庁、十一法律にわたり所要の改正を行うことといたしました。  以上がこの法律案の提案理由及び概要であります。  なお、本法律案は、さきの第七十五回国会における御審議を尊重し、同国会に提出いたしました政府案から外国人登録法の一部改正に関する部分を除いたものでございます。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
  92. 藤尾正行

    藤尾委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。      ————◇—————
  93. 藤尾正行

    藤尾委員長 引き続き、恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑を続行いたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴切康雄君。
  94. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 恩給法の一部改正法律案につきましては、すでに七十五通常国会におきまして、衆議院におきましては附帯決議を加えて、そして参議院に送付をされた、しかし、七十五通常国会の参議院における幕切れ等におきまして、残念ながら恩給法が廃案になってしまった、こういういきさつがあるわけであります。  そこで、七十五国会におきましては、私の同僚議員である鬼木先生が約三時間にわたって詳細にその質疑を行いましたので、あえてその問題について私が細かくお聞きする必要もなかろう、同じ法律案でありますので、そういうことを踏まえて、衆議院におきまして最終的にいろいろ附帯決議がこれに付されました、そのこと自体がこの内閣委員会のいわゆる総意であるという観点から、この問題について少し、総務長官としてその後どのような対策を立てられておるかということについて、具体的にお聞きをしたい、このように思う次第であります。  そこで、七十五通常国会におきますところのこの内閣委員会の附帯決議に対して、政府は、国会における決議を尊重して速やかにこれに対して対処をするということで、検討の上善処を約束されたわけであります。そこで、まず第一にお聞きしたいことは、一番目の問題でございますが「一律アップ方式については公務員の給与改善の上薄下厚の傾向を考慮する」こういうふうになっておりますけれども、結局、上厚下薄であるものを上薄下厚にするように検討すべきであるということについてここで附帯決議をしたわけでありますけれども、いわゆる五十一年の改善方式をどのように概算要求でされたか、それについてお伺いします。
  95. 植木光教

    植木国務大臣 国会における附帯決議は最大限尊重すべきであるという姿勢をもって臨んでおります。ただいま御指摘のありました上薄下厚の問題につきましては、従来一律アップ方式でありましたものを、何とか実現したい、改善をしたいということで努力をいたしておりまして、五十年度におきましてもそのための努力をしたのでございますが、大蔵省との折衝の過程におきまして実現を見るに至りませんでした。五十一年度につきましては、公務員給与改善傾向をできるだけ反映をするということといたしまして、その改善傾向を分析した結果に基づきまして、仮定俸給の年額を約七%ないし一二%増額するという考え方で予算要求をいたしているのでございます。この点につきましては、五十一年度においてぜひ実現をしたいという姿勢で臨んでおりますので、御協力賜りますようにお願いをいたします。
  96. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 この一律アップ方式については、公務員の給与改善の上薄下厚の傾向を考慮するということになっているわけでありますから、当然概算要求においても、一律アップ方式というのではなくして、それぞれ各号俸によって上薄下厚の傾向を考慮するということがなされなくてはならない、私はこう思うわけでありますけれども、たとえて言うならば、二十一号俸においてはどれくらいのアップのいわゆる概算要求をしたのか、あるいはまた七十九号俸においてはどういうふうなことをしたのかということについて、具体的な事例を挙げて概算要求——これは概算要求ですから、これから大蔵省は認めるかどうかという問題については別問題であるにしても、具体的にどのようにその点の改善をなさったのか、お聞きしたいと思います。
  97. 植木光教

    植木国務大臣 ただいま例示せられました二十一号俸、これは軍人の階級にいたしますと兵に相当するわけでございますが、一一・七%アップでございます。七十九号俸は大将の号俸でございますが、七・四%というふうに上薄下厚方式をとっているわけであります。
  98. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 そうしますと、概算要求で出されたわけであって、大蔵省でこれを認めるかどうかという問題にもまた問題があるにしても、一律アップ方式と、それから上薄下厚で号俸別にその点を是正するということになりますと、予算において大体どれくらい違いが出てくるでしょうか。
  99. 菅野弘夫

    ○菅野政府委員 きわめて大ざっぱな数字でございますけれども、二十億ぐらいじゃないかというふうに思っております。
  100. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 二十億ぐらいの違いであれば、当然この国会の附帯決議を尊重して、そしてそういうふうに是正をしていくという方向でやるべきであると私はそのように思うわけでありますけれども、その次の「恩給改定時期については、年度当初からの実施を目途とする」ということでありますけれども、現在は八月にさかのぼっているわけでございますが、これについて来年度はどのようにお考えであるか、それから、それ以降についてさらに総務長官としてはどういうふうな改善を加えていかれる御決意であるか、その点についてお伺いいたします。
  101. 植木光教

    植木国務大臣 従来十月でありました実施時期を九月とし、さらに、ただいま御審議いただいております五十年度からの改定が実現いたしますと八月実施になるわけでございます。私どもといたしましても、附帯決議もございますし、また受給者の立場に立ちましても、できるだけ早い時期に実施時期を改定すべきであるというふうに考えておりますが、五十一年度におきましては御承知のような財政事情でございます。しかし、さらに一カ月間切り上げて七月の実施にいたしたい、こういうことで要求をしているのでございます。御指摘のように、私どもとしましては年度当初からの実現を目途といたしまして今後努力をしてまいりたいと存じます。
  102. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 総務長官は、年度当初ということで、それを目途として今後やっていきたいということでありますけれども、私は、やはり恩給問題については、年度当初を目途とするならば、概算要求でも、一カ月上げたからそれで国会の附帯決議の趣旨に沿ったというのでなくして、やはりこういう問題については姿勢が大切なわけですね。大蔵省に対する姿勢が大切なのであって、そういう意味から言うならば、当然四月を目途とするならば四月を目途とする、そういう姿勢で大蔵省に臨まなくちゃいけない。一カ月だからというのでやったということで、それで十分だというふうにお考えであっては困ると、私はそう思うのですが、その点についてどうでしょうか。
  103. 植木光教

    植木国務大臣 私どもも、決してそれで十分だとは思っておりません。実施時期の繰り上げにつきましては、他の公的年金制度との均衡の問題もありますし、また財政面での問題もあるわけでございます。しかし、いろいろな困難がありましても、何とかして年度当初に近づけたいということで、実現可能な一カ月というものをとりあえず五十一年度では要求をするということにしたのでございまして、これとても実現のためには大変な努力が必要であると思っております。決して十分だとは考えておりません。それにいたしましても、この七月実施が実現をしますように、御協力のほどをお願いをいたしたいのであります。
  104. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 その後の、終わりから二番目の「扶助料の給付水準の改善について考慮する」ということが書かれておりますけれども、これについてはどのように配慮をされて概算要求に盛られましたか。
  105. 植木光教

    植木国務大臣 現行恩給法が制定せられました大正十二年以来、普通扶助料の年額は一貫して普通恩給年額の二分の一相当額というたてまえをとってきておりますが、遺族に対しましては、老齢者の場合と同様に、基礎俸給の格上げ、加算年の年額計算への算入等の優遇措置を講じておりますので、実質的には二分の一を超える場合も出ております。     〔委員長退席、加藤(陽)委員長代理着席〕  しかし、扶助料の改善について受給者の側に強い要請がありますし、また附帯決議も尊重せられるべきであるという考え方のもとに私どもとしてはこれに対処してまいりたいと考えているのであります。ただ他の公的年金の動向等も勘案をしなければなりません。したがいまして、五十一年度概算要求に当たりましては一五%の枠いっぱいの要求を行いまして、この中で扶助料の改善について具体的に詰めていきたいということで、いまいろいろ検討しているのでございまして、しばらくの間この内容につきましては御猶予をいただきたいと存じます。いま何とかしてこれを引き上げるための努力をしているところでございます。
  106. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 他の年金とのバランスがあるから、だからそれを考慮してということでありますけれども、御存じのとおり、厚生年金のいわゆる遺族年金ですか、これはやはり二分の一でありますね。ところが来年度は厚生年金の遺族年金についても三分の二に改善したい、こういう言うならば前向きの声が上がってきているわけです。そういうふうな問題があるわけですから、年金の受給者の死亡の場合の扶助料、いまの二分の一は、私は決してこれがいいとは思ってはいません。ですから、亡くなって後に残された奥さんの生活が不安定であるということでは困るわけですから、この扶助料を具体的にいまどのようにお考えになっているか、それを明らかにしていただきたい。
  107. 植木光教

    植木国務大臣 公的年金の場合も、いまお話しのような、何とかして改定をいたしたいという動きがあるわけでございます。ただ、まだ固まったわけではございません。私どもといたしましては、いわばそれと歩調を合わせると申しますか、同じ考え方のもとで進めていこうということで、いま概算要求の成案を得べく努力をしているのでございます。したがいまして、私どもがすでに要求いたしております枠の中で扶助料の改善改定ができるという考え方のもとで作業を進めておるのでございまして、何とかしてこれを二分の一ではないようにいたしたいという考え方、そしてまた、いまの概算要求の総額の中で賄い得るというめどで御指摘のように作業を進めているということでございます。
  108. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 では、こういうふうに判断してよろしゅうございましょうか。附帯決議が出されたので、具体的にはこれから煮詰めるにしても、扶助料の二分の一については、当然これについて何らかプラスアルファを加えていきたい、そういうことで前向きに検討しているというふうに判断してよろしゅうございましょうか。
  109. 植木光教

    植木国務大臣 そのとおりでございます。
  110. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 私もあといろいろ質問もありますけれども、いずれにしても、こうやって質問をしている間も恩給をいただきたいという方々の要望は切なるものがあると私は判断をいたしております。ですから七十五通常国会においてすでに細かいところまで審議された結論が、言うならば附帯決議として出てきているわけでありますから、その点について前向きの答弁をいただけば私もそれでいいと思いますので、さらに恩給の問題について総務長官として今後どのようにこれに取り組んでいく決意があるか、それだけをお伺いをして質問を終了したいと思います。
  111. 植木光教

    植木国務大臣 恩給は制度発足以来ちょうど今年が百年目に当たるわけでございます。公的年金の先駆的な役割りを果たしてまいりました恩給制度の充実というものは非常に重要であります。その受給者は老齢者あるいは遺族あるいは傷病者というふうにいわば弱い立場の方々でございます。私どもといたしましては、この内容の充実改善のために一層の決意をもって臨んでまいります。     〔加藤(陽)委員長代理退席、委員長着席〕
  112. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 それではもう一度。この恩給の受給者は非常に立場の弱い方々ばかりであるわけであります。ところが恩給局というのは非常にチェックを厳しくしている。恩給はいわゆる情をもって見ていかなければならないのをむしろ切り捨てをしていく、そういう傾向のところもあるように私は伺っているわけでありますけれども、恩給局長、あなたはその責任者として、恩給に対してはやはり情ある物の取り組み方をやっていくということをお約束願いたいのです。
  113. 菅野弘夫

    ○菅野政府委員 私は、恩給局、恩給局長といたしまして、まさにいま先生が言われましたとおり、受給者の立場に立つと申しますか、請求者の立場に立つと申しますか、そういうつもりでいま日夜業務をしているつもりでございます。まあ法制度の上で非常にむずかしい問題がございますし、それから長い期間かかってきている問題でございますので、もちろん法律の枠外に飛び出すわけにはいかないわけでございますが、その範囲内におきましては十分先生の言われましたようなことを心に体して今後も仕事を続けていくつもりでございます。
  114. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 以上で質問を終わります。
  115. 藤尾正行

  116. 受田新吉

    受田委員 先国会ですでに論議のほとんどが言い尽くされておるわけで、あえてきょうこうした情勢の中で質問申し上げるという点につきましては、観点を新しくしてお尋ねしてみたいのです。  過ぐる国会で、私からも何回かここで問題点を提起してその実践を迫ってまいりましたが、総理府を中心にしてその私が指摘した幾つかの要求に対しても具体的に問題を取り上げて予算概算要求をしておられるようです。たとえば、女子公務員が死亡した場合にその配偶者である御主人に年金を支給するという、私が提案した問題であったのですが、それも一応概算要求を出しておられる。また、例の特別による傷病恩給の受給者の場合、四十六年の改正で誕生したが、これもその遺族に対する年金の支給の提案を新しくしておられる。これらは私自身も、総務長官を中心にして国会の論議の中に出た最も公正な意見を素直に取り上げるという態度はみごとであると一応おほめ申し上げておきますが、これらの要望に対して、総理府として、この概算要求は全部完全に実現させたいという熱意には変わりはないのかどうか、お答えをいただきます。
  117. 植木光教

    植木国務大臣 私どもといたしましては、国会における附帯決議を尊重いたしますとともに、質疑の中に出てまいりますいろいろな御指摘、御提案に対しましては誠意をもって臨むべきであるという姿勢でございます。  したがいまして、ただいまお話しございました女子公務員の夫に対する扶助料の支給条件の緩和及び扶助料を支給されていない傷病年金等の受給者の遺族に対する年金の支給、款症妻に対する年金支給でございますが、この二点につきましては概算要求の中に新規に取り入れることにいたしまして、ただいま大蔵省と折衝に臨みつつあるというところでございます。何とかして実現をいたしたいと思っております。
  118. 受田新吉

    受田委員 恩給法が古いタイプの恩典的な法規として、非常に厳しい制約のもとに今日までの道のりを歩んだわけです。先般、恩給制度の創設百年記念式典に私も参加しまして、その来し方百年を顧みて、恩給法のいかに涙ぐましい変遷があったかということを私自身もしみじみと感じ取りました。先輩に対しての敬意と、あわせて現役に希望を与えるという意味において、退職後においてわれわれはかく保障されておるのだという大原則がりっぱに打ち立てられるようにすることが、現役の公務員に対しても希望を持たせることですね。やめた後には悲惨な姿であるぞという、そういう悲惨な先輩を描くことのないように、その意味でこの恩給法というもの、新しくできておる共済組合諸制度というものは非常な意義があるわけです。この点を十分含みまして、組合管掌による共済組合制度というのが後に誕生したのであるが、その原点は恩給法であるという意味におきまして、恩給法は確固たる現役及びその退職者の一貫した処遇という意味の大きな使命感に燃えて、恩給当局がんばってほしいと思うのです。  もう一つ長官、恩給局、まあこれは厚生省もそうなんですが、恩給法及び援護法に基づく諸申請書、この申請書の中には、もう過去にさかのぼって証人を得ることのできないような、たとえば、上司がいまは死んでいない、治療に当たったお医者もいない、民間の医師に診てもらったけれどもその医師もいない、公に診てもらったのと民間へ下がって診てもらったのとつながりが思うようにいかない、そんなものは余り手厳しくやらぬでも、もう何回も何回も、却下−再申請−却下−再申請とやった、その人が涙ぐましいほど次から次といろいろと前進した資料を出す場合は、高度の政治判断で結論を出すという扱いをして私はいいと思うのです。これは傷痍軍人の場合などでもそうですし、それから公務死の方々の奥さんにしてもそうですが、余り枠を厳しくし過ぎて、せっかく今日までがんばりがんばって、却下−申請−却下−申請を何回かやりながら今日を迎えて、余命幾ばくもないというような人には、その熱意、その環境、そういうものを見たときに、これは証人がいないけれども、これほどまで熱心に要求をしておるのを見ると、これは大体間違いはないのだという答えを出してあげるように——未処理の案件がどの程度あるのか、私いまここでは資料を要求してないので問いません。けれども、この熱心な申請に対して高度の政治判断でその扱いについて結論を出す、恩給局長の決裁がぴしっといけるように総務長官がその幅を認めて、厳しい制約による事務処理でなくして、これほどまで苦労されて今日を迎えた人だとならば、この環境の中にこれだけの書類があればこれでよかろう、ぽんと印判を押す、こうやられたらどうかと思うのです。
  119. 菅野弘夫

    ○菅野政府委員 ただいまの御質問でございますけれども、もちろん法制度の中からはみ出すわけにはまいりませんが、先ほどもちょっとお答え申し上げましたように、その制度の中において私たちは御申請の方の立場を十分考えて、その御申請の方の御主張の心証を得るように最大限の努力をいたしたいというふうに思います。  いま、例でいろいろお話しになりましたけれども、公的な資料等がない場合でも、恩給局の職員がそのお宅の近くにお伺いしたり、御本人にお会いしてお話を聞いたり、実態調査等も必要に応じてはやっております。そういう実態でございますけれども、先生の御指摘のようなことを踏まえて、今後とも仕事を続けていきたいと思います。
  120. 受田新吉

    受田委員 質問を終わり。
  121. 藤尾正行

    藤尾委員長 これにて質疑は終了いたしました。     —————————————
  122. 藤尾正行

    藤尾委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出もございませんので、直ちに採決に入ります。  恩給法等の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  123. 藤尾正行

    藤尾委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  124. 藤尾正行

    藤尾委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  125. 藤尾正行

    藤尾委員長 午後三時より委員会を再開することとし、暫時休憩いたします。     午後零時五十五分休憩      ————◇—————     午後三時二分開議
  126. 藤尾正行

    藤尾委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  一般職職員給与にに関する法律の一部を改正する法律案特別職職員給与に関する法律及び沖繩国際海洋博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。
  127. 大出俊

    大出委員 いま委員長お読みになりましたように、沖繩海洋博にかかわります皆さんの賃金もございまして、この委員会でかつてから審議もしたところでありますけれども、どうも余り感心した結果になっておりませんために、たくさんの意見が実は方々からございます。私も沖繩に長らくかかわり合っておりまして、二十六、七回も行っておりますから、最初のいきさつから承知をし、かつ何遍かこの問題は取り上げてもきた問題でもあります。  この際、冒頭に総務長官に幾つか承っておきたいのであります。というのは、いわゆる折り返し地点も過ぎた海洋博でございまして、大体見通しもついていなければならぬ時期でもあります。そういう時期でございますだけに、このままで捨ておけない実は事情にございまして、残り九十日ないんじゃないかと私は思うわけでありますが、そういう状況の中で、概括してまずもって一体海洋博そのものをどう見るのかということですね。  耕作をやめて海洋博の関係で出てきた方々もたくさんおりますし、いまさら帰農できないという事情の方もあります。沖繩県自体は今日五%ないし六%の失業率でありますから、それに伴う帰農ができないとすれば、さらに五、六%の失業率は上がっていくことになるという問題も抱えております。本来、坪川さんのときにも関係がありましたが、山中総務長官のときに、ずいぶん彼は一生懸命前に出て物を進めたいきさつもあります。また小坂さんの時代にもいろいろございまして、小坂さんは、どうも沖繩で海洋博をやることに踏み切ったのは十年ばかり早かったのではないかという意見を述べたことまであります。  したがって、そこらをとらえて結局現在総務長官をおやりになっている植木さんのところにしか持っていき場所がないわけでありまして、通産省の側にはこれからこの国会で別な場所で承ろうと思っているのでありますが、総理府の立場から、出先を沖繩に持っておられますし、自後対策なんということになりますとこれまた直接に関係がございます。そういう意味で総体として、成功であった、不成功であった、いろいろな見方がありますけれども、どういうふうにながめておられるのか、そして当初予定等からいって、見に行かれる方々も極端に少ない数字が出つつありますが、そこらも踏まえてこの収支はどういうことになるのか、そこらのところもひとつお聞かせをいただきたいのであります。
  128. 植木光教

    植木国務大臣 沖繩海洋博につきましては、いま先生御指摘のように直接は通産省が所管をしておられるわけでございますが、私も沖繩開発庁を担当いたしております関係上強い関心を持ちますとともに、この博覧会が成功いたしますためにあらゆる施策をとるべく努力をしているところでございます。  お説のとおりちょうど後半に入ったところでございまして、一体成功か不成功かという御質疑に対しましては、いまの段階では成功ですということは申せない状況ではないかと思います。  御承知のとおり、海洋博覧会の事前の投資は総額にいたしまして約三千億でございます。そのうち、公共事業に政府が投入いたしましたのが約千八百億円でございまして、これらの海洋博覧会関連の民官ともによる投資というものが、沖繩の生活基盤でありますとかあるいはまた産業の基盤の充実に大きな寄与をしたということは、これは長期的に見ていただきましたならば評価せられるのではないかと思うのでございます。ただ、御承知のように石油ショック、経済財政困難というさなかに開かれたわけでございますし、入場者につきましても必ずしも予想したようにはまいらない。八月まで、いわゆる夏休みでございますが、日によりましていろいろな入場者の変動がございましたが、大体予想どおりいっておりましたところ、九月、十月にかけまして入場者の大変な落ち込みがあったことは御承知のとおりでございます。したがいまして、周辺のいろいろな業者が非常に大きな打撃を受けまして、一体これで元が取れるのかどうかということまで憂慮せられている事態がございます。  それから、那覇市におきましては、比較的、本土から参ります観光客がみやげ物等によりましていろいろ金を落としておりまして、肝心の会場周辺ではなしに、那覇がこれによって潤っているというような現実がございます。また、大きいホテルはワンパッケージで参りますので、それぞれ旅行業者との契約のもとに一応の採算をとっておりますが、中小ホテルあるいは民宿につきましては、いろいろ問題が生じているのでございます。  総額にいたしまして、日銀の調査によりますと、海洋博覧会の前半で、いわゆる飛行機代やこちらから参ります船代というような交通費を除きまして、約五百億円の金が沖繩に落ちた、そういう調査の結果を発表いたしておりまして、大体海洋博期間中一千億を見込んでいる、予想しているというような状況でございます。  十月の二十六日が日曜日でございますが、この日から入場者がまた少しふえてまいりまして、十一月は、ただいまの予想では観客は比較的多くなるのではないか、十二月、一月にかけましては、もう最終を迎えるわけでございますし、また冬でございますから、沖繩の地理的条件は、そういう意味においては観客を誘致するのにはよいのではなかろうか、そういうようなことを見込んでいるのでございます。  そこで、私どもといたしましては、いろいろ中小ホテルあるいは民宿、その他の業者で打撃を受けております者につきましては、いまからいろいろ手を打っておりまして、これらの宿泊施設にできるだけ多くの人々が宿泊いたしますように、利用いたしますようにいろんな面で県とともに配慮いたしますとともに、さらに金融機関とも十分連絡をとりまして、たとえば借金の返済を延期しますとか、あるいはまた転業します者につきましては特別の融資の配慮をいたしますとかというようなことを、特に沖繩振興開発のための金融公庫がございますのは御承知のとおりでございますが、これ等を活用いたしまして、ケース・バイ・ケースで対策に当たっているというのが大体の概況でございます。
  129. 大出俊

    大出委員 まずもって、どのくらいの入場者があるかという予測が当初ございました。私も質問をいたしましたが、まあ五百万という指数もあります。しかし、四百五十万ぐらいでしょうというお話が出てまいりまして、専門家を動員していろいろ調査もさせた、協会の側でもいろいろ検討をした、総合的にそういうことなんです。しかし、それよりも余計になるのではないかという、そういう政府側の物の言い方でございましたから、だから一日三万人からの、当初そういう数字もございましたが、夏の休みもございましたから、そういう状況でございましたから、それなりの思惑も手伝って地価が上がったり、これは七五%くらい本土資本でございますからね、そういう意味で大変な広壮なショッピングセンターをつくったりしたわけでありまして、したがって、これは、そういう政府側の予測が結果的に一つの投機熱をあおった結果になった。ところが閑古鳥が鳴くという。周辺のショッピングセンターを初めとする民宿その他すべてに大きな影響がある。  私は実は、開会当日に騒然たる騒ぎがありましたから、長らく沖繩を手がけている者の責任というものもありまして、祝賀会場には参りませんでしたけれども、全体の様子は見てきたわけでありますが、大変ひどい目に遭いまして、昼、食事をしようたって、そば一杯食べるのに一時間半かかって、まだできない。与野党問わず来ていた方々、一様に大変な憤慨の仕方で、工事も中途半端ですから、やたらもうもうたるほこりだらけで、これはえらいことになったなという。その中からエキスポ何とか価格なんという話まで生まれて、大変これは悪評だったわけでありますから、全くの準備不足だったという感じを私は受けているわけであります。  そういう焦り方をして、しかも大変な予測を世の中に出して始めたわけでありますから、そうすると、地元は大変な国の宣伝に乗って、卑俗な言葉で言えばペテンにかかったと言う。大変な私財を投入をして倒産をした方々もある、こういうわけであります。そこで、この海洋博周辺に立っている三百七十六軒のショッピングセンター等を含む店舗、これが現在百八十九軒、約二百軒近いものが閉店、残りほとんど全部が営業不振で倒産寸前、こういう状況になっていて、写真などが出ておりますが、すでに外へ出れば海洋博が終わったということでガラスが破れたまま空き家になったプレハブであるとか、海洋博に入っていく左側なんかにプレハブがずうっとありますが、そこらはまるっきりただ単に資本の投入のしっ放しで損失だけ残った。一日たってお客が一人も入らなかったという店もあるというわけです。エキスポ倒産、負債額で一千万円以上のところが八月に八件、九月が七件、これは東京商工リサーチの那覇支店が調査をしております。まさに夢の跡になってしまっているわけでありますが、異口同音に政府の無責任な宣伝と言う。うまくいかないときはえてしてそういうものではありますけれども、そういうことがはね返ってきている。私のところなども手紙をもらっておりますが、一体どこに不満をぶちまけたらいいんだという調子の中身であります。  いまいろいろな手当てについてのお話は聞きましたが、こういう大型の倒産、大型な負債、夫婦別れした人も大分あるわけでございますけれども、こういうことに対してやはり政府の立場で一体どうお考えになるのか。金融措置というものは借りれば返さなければならぬわけであります。どういうわけでわれわれがこういうツケを回されることになるのかという怨嗟の声まさに町に満ちているわけでありますが、その辺のところは一体どういうふうにお考えでございますか。
  130. 植木光教

    植木国務大臣 会場におきます物価の問題等も一番最初問題になりまして、思惑によりまして大分値段をつり上げていたりなどいたしまして、これは物価パトロールなども巡回させまして、県の方もいろいろ御協力いただきまして、これは短期間で収拾することができたわけでございます。  それからいま、先生方おいでになりましたときに、大分長い間、食事なども待たされたというようなお話もございましたが、沖繩県民の方々の県民性と申しますか、一つには、どちらかといいますと余り積極的でありませんで、むしろこうお客様が来るのを待つというような、何といいますか、受け身と申しますか、そういう仕事ぶりであるというような点もございました。こういう点につきましても、いろいろ私どもとしましては県とともに、やはり積極的な姿勢でお客を迎えていただくようにというようなことをお願いをしたこともあったのでございます。  それから問題は、入場者がまず第一番の問題でございますけれども、予測されましたのは四百四十五万というのが海洋博覧会の予測でございまして、本土の方から、百四十万であったかと存じますが向こうへ見学に行く、こういう予測を立てたようであります。ところが、本土につきましてもこの予測の数字に達しませんことと、それから地元の沖繩県の方々の出足が大変悪いのでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、本土から行った人たちはいろいろな旅行あっせん業者などを活用いたしますので、したがって、沖繩県に参りましても、いわば博覧会は半日コースだとかあるいは一日コースになってしまいまして、必ずしも会場の周辺の地元を潤すことはない、那覇市内に金を落とす、そういうような姿でございます。最近の端的な例でございますが、二十六日に三万人を超す入場者があったわけでありますが、これはほとんどが本土からの客ではありませんで、地元の客が非常に多かったようでございます。と申しますのは、会場内及び会場周辺の店舗が非常にはやっております。あるいは駐車場がふだんの五倍くらいになるというような状況が見えております。したがいまして、私どもとしましては、これから通産省、海洋博協会とともに、あるいは県とともにやらなければなりませんことは、本土から参ります客がもっと多くなりますこととともに、それらの客が那覇における大ホテルに集中することなく、地元をも含めた中小ホテルやあるいは民宿を活用してもらうように努力をすることと、沖繩県の県民の方々自身がもう少し積極的に、この唯一の機会でございますから、博覧会へ足を運んでいただくように努力をしなければならないということで、いま観客動員の面におきましてはそういう努力をしているということでございます。  それから、お説のとおり倒産をした大きな企業がございますが、この倒産企業につきましては県が積極的に乗り出しまして、県も関係をしている面がございますので、これの収拾の努力をいたしております。それから小さいものにつきましては、先ほど申し上げましたように、あるいは後ろ向けの融資になってみましたり、あるいはまた返済の延期というような面あるいは転業資金の貸し付け、そういうようなことをいたしまして、打撃を受けないように、少なくするようにという努力をしているのでございます。  なお、先ほど失業者のお話がございましたが、確かに五%を上回って五・六%という時期がございましたが、八月は五%を割りました。恐らく九月もそのままの傾向で推移しているのではないかと思います。海洋博覧会だけの問題ではないわけでございますけれども、総合的対策として、何とかして全国平均よりも非常に高い失業率の現状を打開いたしますために、別途いろいろ努力をしていることも申し添えさせていただきたいと存じます。
  131. 大出俊

    大出委員 これはいま総務長官の言葉の中にもあったのですけれども、どうも私は納得いたしかねるのです。十月八日に開かれた第十回沖繩経済振興懇談会、ここで越智さんとおっしゃるのですかね、協会の事務総長さんですか、出席をされて、海洋博不振の原因を四つ五つ述べておられますね。不振の原因の第一は、石油ショック以来の不況である。二番目に、本土から遠いということで、なかなか本土の方々の出足がスムーズにいかない。それから三番目に、開幕当初、さっき私もちょっと触れましたが、エキスポ価格なんという異名をとって大変な物価高、そしてまたべらぼうに暑い。どうも私どもも暑さにはいささかまいったわけでありますが、そういう問題。それから県民感情。この県民感情の中に閉鎖的な県民性、こう言うのですが、さっき総務長官は、積極性がない、そういう県民性だとおっしゃるのですが、私は別に沖繩の皆さんが閉鎖的だと思ってないし、積極性がないなんて一つも思ってないのでありまして、人間というのは積極性を持てる条件さえあれば積極性を持つのであります。私も中国大陸に何遍か参りましたが、昔はマンマンデーという言葉がはやったのだが、本来、中国の国民というのは大変積極的な民族なんだ、それをマンマンデーにしたのは一体だれだったのだと言う言い方をいたしましたが、マンマンデーにしてしまった、つまり積極性がないのだとすれば、そういうことにした責任は一体どこにあるんだということになるのであって、どうもうまくいかないからといって沖繩の県民性に責任を転嫁するというのは、しかも閉鎖的な県民性だからと言い切る総長がいたり、総務長官がどうも積極性がないからと言い切っちゃったり、これは私はいただけないという気がするわけであります。私が行ったときには、パインランチなんというのをやっている唯一の食堂がありましたがね。大変積極的に飛び回っているのだが、ほかの準備が悪いものですから人はそこに集中するから、全く汗みどろでやったって間に合わぬ。そば屋さんにしたってそこしかないのですから。だから、これは異口同音にみんな言っておりましたけれども、そこで働く人は全く汗だくでやったってどうにもならぬのですよ、本当に。そんなところでお客さん待たして済みませんなんて言っているのだけれども、にっちもさっちもいかない。全くの準備不足なんですね。  準備不足のところにあらわれた——一・八倍かあるいは三倍か知りませんが、一遍行った人は二回、三回必ず行くという万博の例を挙げて皆さん計算をされているのだけれども、一遍行ったらこりちゃって、二度と行かないことになってしまうようなことにしているのだから。そういうミスという点、これは非常に大きなミスですが、最初あれだけの人間が集まったが、帰ってきてよく言ったのは一人もいない。こんなばかげた話があるかというのが——帰りのバスの中は一緒だけれども、北海道のおたくの議員さんだって、こんなべらぼうなところで、またこの暑いのにこんなことをするから、これは成功しっこない、何で北海道でやらないのだなんてことを言っておられましたが、帰ったら河本のやろうただじゃおかねえぞなんてなことになっちゃったわけですから。まだそこらは一生懸命開発をしている工事の過程のままで、赤土で置いてある。そういうことにするから、私に言わせれば全くの準備不足、おっつけ仕事、やっつけ仕事でやっていると言うのです。至るところそれがある。そういう大きな計画者側のミスがあるわけでありますが、そこらのところは一体どうお考えなんですか。
  132. 植木光教

    植木国務大臣 海洋博覧会について私は責任を逃れるわけではございませんけれども、御承知のように通産省が所管をいたしておりまして、博覧会協会がこれを運営しているという状況でございますので、私どもといたしましてもいろいろ不満がございます。したがいまして、開発庁長官の立場として、あるいは国務大臣の一人といたしましていろいろな面で問題点を指摘いたしまして、こういうことでは成功しないではないかというようなことを積極的にむしろ注文をつけ、開発庁としましても、むしろ所管外のようなことにつきましても、いろいろ積極的に海洋博を成功させるために努力をしているということはひとつ御理解をいただきたいと思うのでございます。  準備不足ではなかったかという御指摘でございますが、いろいろな点について私も指摘をした点がございます。その具体的内容につきましては時間がかかりますから申し上げませんけれども、御指摘の点が大分あったというふうに考えます。  それから、先ほどちょっと私、県民性などにつきまして申し上げましたけれども、これは非常に長い異民族支配の苦渋に満ちた歴史の中で、非常にお気の毒な生活を送ってこられた、そして復帰しまして三年間、こういうことでございますけれども、本土の人たちに比べますといわば昔から守礼の島と言われておりますように、非常に温和な県民性を持っておられるということが一つでございます。それから、それが商売ということになりますと、こちらの方から見ますといわば商売下手、そういうような点がうかがわれますので、それを私はちょっと積極的でないと申したのでございまして、この点は御理解をいただきたいと存じます。その点につきましては県の方々もあるいは県民の方々も、十分その後いろいろな面におきまして指導助言をいたしましたので、最近では私の申します意味での積極性を持ってこられたと思います。ただ、お話しのように、せっかく積極性を持って取り組んでも予想したような事態でないのならば何にもならぬのじゃないか、これはもう私同感でございます。そういう意味におきまして、先ほど来申し上げておりますような本土からの観客の誘致及び県民の方々の会場への参加、こういう点等を中心といたしまして、いろいろな施策をやっているわけでございます。  また同時に、海洋博はやがて一月で終わるわけでございますので、ポスト海洋博につきましては、五十一年度予算編成に当たりましても、他の省庁の協力も得まして、県民の生活そのものに直結いたします概算要求を私どもはいたしているのでございまして、この博覧会ができるだけあと半分の期間に成功への道を歩んでいきますように、そして海洋博後が一番心配されておりますので、この点については、かつての海洋博の関連工事はほとんど三分の二から四分の三ぐらいは本土の方へ金が逆流したではないかという指摘があり、事実そういう点があるわけでございます。五十一年度のポスト海洋博予算につきましては、地元に投資いたしましたものが残りますような配慮をしながら、いま沖繩振興開発に取り組んでいるという状況でございます。御了承をいただきたいと存じます。
  133. 大出俊

    大出委員 私も実はそこが心配で取り上げたのです。  結論にいたしますが、当初屋良さんにお目にかかりましたときも、あるいは時の総務長官ともいろいろなやりとりをいたしましたが、これは善意で取り組むにしても、復帰というところを記念するにしても、うまくいかないとなるとえらいことになる。また、沖繩処分みたいなことになりかねない。いま異民族のとおっしゃって、先ほどのお話は悪意でお話しになったのではない、善意で物を考えているのだというお話ですが、それはそれでいいのですけれども、その上にまたしわを寄せられただけで終わった、そういう感情だけが残ったのじゃ、具体的にこんなことになってという問題が残ったのじゃ、これはえらいことになる。そういう心配で実は私もずいぶん何遍かこれを取り上げてきた経験がある。ところがどうも私が心配したようなことになりかねぬ面がたくさん出てきている。  いまいみじくも出てまいりましたが、三千億と言われ、四千億と言われる、民間投資だけで二千億からあるとまで言われる、正確につかみ得ないわけでありますが、そういう金が動いたわけであります。ところで、仮に三千億としても、そのうちの七五%までは本土資本にみごとに吸い上げられたじゃないかという。そして荒廃、中小企業の倒産、農業をやっていた人がみんな農業をやめて、一日千三百円から千五百円という日当だったものが四千円、五千円にはね上がる、それはだれだって出ていきますよ。そういうことにしてしまって、帰農はできない。まして畑まで売ってしまった家がたくさんあるわけですね。そういう結果になって、荒廃だけが残った。これでは、善意でものを考えられたにしても、当時私どもが心配した結果にしかならない。諸悪の根源は海洋博にあるという感情が沖繩県民の中にあるなんということを言う方がありますが、そう言ってみたところで、当初いろいろな意見があったことは御存じで始めたわけですから、そうだとすれば、そこらも計算に入っていなければおかしいわけでありますから、そういう意味で——その中で進めようとした屋良さんの立場だってある、だから、そうだとすると、この振興開発計画というもののつまり所管という責任もある。とすると、ここらの問題まで含めていまからよほどきめ細かにポスト海洋博対策を立てなければ、これはそれこそまたぬぐい切れない感情が定着してしまう。そこを実は私は非常に心配をしまして、一遍調べに行かなければいけないと思っているわけであります。  そこで、そのポスト海洋博なるものの中心は一体どこに置いてお考えになるのか。通産省なら通産省に対して、総理府、開発庁持っておられるわけでありますから、皆さんの側から少し出過ぎてものを言ったとおっしゃるけれども、幾ら出過ぎてもいいから、われわれも言わなければいけませんけれども、ポスト海洋博という時点でどうすべきかという青写真をいまからつくってそれを詰め合うという、実はここまでの考え方がいまからないと、結果的に大変なことになるという心配をいたします。そういう意味で、ポスト海洋博対策とおっしゃるのだが、もうちょっと突っ込んだら幾つかの問題点があるわけですけれども、それは一体何なんだ。そしてあの会場、本部のあの地域はどういうふうに——村の助役さんの言うことじゃないけれども、これによって、あの外れの本部周辺が開発をされていくという夢を持ったというわけですね。夢破れたりという結果になったというのだが、そこらを含めて、一体あの跡はどういうふうにお考えなのか。この辺を含めてもうちょっと、所管の関係もありましょうけれども、心配になりますから承っておきたいのです。
  134. 植木光教

    植木国務大臣 私が就任をいたしまして直ちに沖繩へ視察に参りまして痛切に感じましたことは、いま御指摘になりましたことでございます。したがって、まず海洋博覧会の会場の跡利用につきましても、政府の中で何ら意思統一が行われていない。大阪の万博の際とは全く違った様相でございました。したがいまして、まず海洋博覧会場をどういうふうに跡利用すべきかということを開会前にその方向を決定すべきであるということを主張いたしまして、あえて私が買って出まして、これは各省庁との話し合いでございますけれども、開発庁がこれを担当をすることにいたしました。そしてこれを国定公園といたしまして、あの中にあります施設、これはまだ最終的には決定されておりませんが、その主なものを残していくということにいたしまして、そしてそこを公園にいたしますとともに、御承知のように人工ビーチでありますとか遊園地がございますが、これが沖繩県民のために活用せられ、また同時に観光客の誘致の素材にもなるというようなことも、いま考えております。  さらに、海洋博覧会を開いたわけでございますから、海洋研究が今後沖繩県を中心にして行われるように、たとえば臨海実験場などの拡充等につきまして、これは文部省との関係もございますが、いろいろいま案を練っているというような状況でございます。  それから、その背後にあります。いま御指摘の北部の各地域でございますが、リゾート開発ということは一つの考え方。それから、さらにこれからの沖繩の産業振興といたしましては、いま御承知のように第二次産業は非常に弱いわけでございます。これはこれとして考えなければいけません。同時に、北部に果たしてその第二次産業が育つかどうかということが問題でございますが、少なくとも農業振興という面におきましては将来性を北部は持っておりますので、したがって、これを振興いたしますとともに、たとえば農産加工業などを振興いたしましたならば、一次、二次が共存して進展するというような形にもなろうかと思うのでございます。     〔委員長退席、加藤(陽)委員長代理着席〕  そういうことで、あの会場及びその周辺についての計画は持っておりますが、五十年度の予算におきましても、それから五十一年度、これは本格的なポスト海洋博でございますが、私どもは、まず第一番目に何としてもバランスのとれた産業の発展、第三次産業が非常に大きなウエートを占め過ぎておりますので、一次、二次、三次が本土並みになりますことはもうとうていむずかしい地理的あるいは歴史的な条件がございます。これは無理といたしましても、できるだけバランスをとらせようというのが一つでございます。  それから、教育施設でありますとか、医療を初めとする福祉施設、これなども本土水準よりも非常に低うございます。教育の施設の面については大分向上してまいりましたが、高等学校以上についてはやはり大分格差がございます。こういう点について力を入れていく。医療水準は大体半分ぐらいでございますから、これを振興させるということでございます。  それから、何といいましても本島を含めまして離島でございますから、一番大事なことは、離島振興策としての交通機関の整備であろうと思います。それは道路でもありますし、あるいは港の問題でもありますし、空港の問題でもございます。これは同時に公共投資にもつながってまいりまして、経済的な落ち込みを防ぎ、また、それぞれの土地に、島に金が落ちるということにもなりますので、そういう点を重点的に配慮いたしまして五十年度予算も組みましたが、五十一年度の予算におきましては、いま申し上げました考え方に基づきまして予算要求をしているのでございます。そして沖繩県の財政が、他の府県もそうでございますけれども、特に財政的に弱小でございます。したがって、いまも補助率等につきましては特例措置が行われておりますが、私ども、概算要求に当たりましてもその点について特に配慮をいたしますとともに、いわゆる裏負担ができるだけないような、国そのもので仕事ができることによって県の負担を少なくして振興策を図る、そういうようなことも考えながらやっているのでございまして、いま先生が心配されておりますのと同じ気持ちで沖繩県の問題に取り組んでおります。  いろいろ今後とも御指導をいただきたいと存じます。
  135. 大出俊

    大出委員 余りこれを詰めますとまた時間がかかってしまいますから……。  相当な企業、たとえば電通であるとか三井であるとか三菱とかいろいろございますが、建物によっては大変大きなフロアをつくってなかなかりっぱな建物でありますけれども、船を置いてあったりしまして、どういうふうにでも転換できるような感じの建て方のところもいろいろあるわけでありまして、うまくいったとすればその資本効率が上がるような転換方法を初めから考えているのじゃないかというようなことを記者の方々が言うような建物があるわけでありまして、跡処理の仕方いかんではまたここに問題を生ずることにもなりかねないという気がするのでありまして、これ以上多く申し上げませんが、いろいろ立場があったり意見が違ったりいたしましても、当初計画が立てられて進めておられるわけでありますから、やはり責任の所在というものもございますので、やれるだけのことをやり、あとひとつさっき申し上げた結果になりませんように、これは十分な御尽力と御配慮をいただきますように、私どもは私どもなりにまた調べさせていただこうと思っておりますが、よろしくお願いしたいわけであります。  そこで、どうせ予算委員会の方もございますから、防衛庁長官のお見えになる時間が恐らく遅くなりましょうし、私が長官に質問している時間もないと思うのであります。  そこで最初に、この間の質問に関連をいたしまして、防衛庁の方々、事務当局で結構でございますが、幾つかの点を確かめておきたいのであります。  実は防衛庁の今回の給与法と絡みまして、その前に人事院からひとつ答弁をいただきたいのでありますが、この自衛官の給与の中に食費、これは九千五百円でございますか、本俸に入れる改正という形のものが出てくるわけでありますが、ここのところは人事院の立場からすると、これは尾崎さんが事務総長の立場で入っていたわけじゃないのですけれども、委員会に籍を置いておられるわけですね、中間報告なども出ていたわけですから。そこらの関連というのは、給与全体のバランス等をながめまして一体どういうふうにお考えでございましょうか。
  136. 茨木広

    ○茨木政府委員 一応現物給与をいたします際には俸給との間の調整をするという規定がございますけれども、この場合の実情をいろいろ承ってみますと、営舎外に居住いたしております者と、営舎内に居住いたしております者との均衡の問題もございます。営舎内に居住いたしております間に提供されます食事等については選択の余地というようなものは全くない、こういうような関係もございますので、本俸自体から差し引いておくという俸給表をおつくりになっておったわけでございますが、やはりその辺は今回の改善を加えることによって、昼食とそれから一部夜間の場合についてはそういう調整を行っておるわけでございますが、その他の一般の方でありますれば家庭で食べる、その間拘束された形でもって営舎内で食事等を提供される、それに関連する経費というものについては俸給表に戻して現物支給の形をとるということで全体のバランスがかなっているという見方をとるということは適当ではないかというふうに考えております。一般の職員の場合との関係で、またこういう類似のものがあるかどうかということも検討させてみたわけでございますが、いま直ちにすぐ問題になるというようなあれは出てこないのではなかろうか、こんなふうに考えているわけでございます。
  137. 大出俊

    大出委員 官庁なんかでも、朝忙しいものですから、遠距離通勤の人が多くなっていますから、食事をせずにぱっと出てくる。その官庁に着いて食堂に駆け込んでぱっと飯を食う、仕事をする。昼飯はまたその食堂に行って食べる、夕方も食べて帰る、共かせぎで片方も働いているから。そこで三食、営内居住の給食みたいなものですね。メニューは幾つかありましょうけれども、決まっているでしょう。たとえば郵政省の食堂に行ってごらんになればわかりますけれども、とんでもないものがあるわけじゃないですよ。決まっている。定食などという。定食でないものなんか頼んだ日には、できはしないですからね。だから、やはりそこらの一般の官庁公務員の方々との関係というのはそれなりに納得のできるように理由を説明していただきませんと、どうも、人事院は賛成でなかったはずの先生方の人確法なんというのも片方にはできている。前総裁は、大出さん私はこれは反対だとちゃんとさしでおっしゃった。ところが、最初は回答まで出していましたが、だんだんこれは賛成だと言い出したから、何で賛成なんだ、いや決められてしまったから仕方がないと言う。寄らば大樹のもとということになるのですかと言ったら、そういう言い方をすると私は怒られましたがね。だけれども、これは明らかに前総裁が最初に言ったように、給与上体系が大変に混乱をする、これは間違いない。そこのところがやはり納得し得る理由を説明をいただかないと、私の方でも、そうでございますかと言えない。そこのところを給与局長と防衛庁の方とで、真ん中に、委員会には尾崎事務総長がおいでになっているわけですから、意思の疎通がなければならぬと思うのですが、これは一体どこで一致してこういう法案をお出しになったわけでございますか。いまの理由だけではどうも私は納得し得る理由にならない。  いまのお話はこういうことですよ。現物給与について調整をするという規定は、これは確かにございますよ。だから、調整をすることになるというと本俸から差し引く、こうなるわけです。そこで、決まったものしか食べられないからというのがいまの茨木給与局長さんのお話なんで、決まったものしか食べられないと言うなら、遠距離通勤で三食その食堂で食っているのも、これまた決まったものしか食べられぬわけでありますから、どこにも差はないわけでありまして、そうすると、それだけではそうでございますかとは言い得ないわけでございますが、そこの理由というのをもう少し双方からいただいて納得さしていただきたいのですが、いかがでございましょう。
  138. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 お答えいたします。  私たち防衛庁職員給与について、直接これを管理しております官庁は総理府の人事局でありまして、また財源的にはもちろん大蔵省の主計局であります。今回の法案を提案いたすに当たりまして、主として直接的には総理府人事局、大蔵省主計局と協議をいたしたわけであります。  ところで、提案いたします内容なんでございますが、その一つは、先ほど人事院の給与局長から御答弁がありました営舎内の自衛官について食事の選択性がないということがございます。これは重要な一つの要素でございます。  と同時に、先生さっき、朝早く駆け込んでくる例を挙げられましたが、これは、営舎内の自衛官はともかく営舎内に法律をもって拘束されておる、その拘束されておる意味が、一面においては有事に即応した防衛力の確保という点もありますけれども、それに加えまして、同じ時刻に起きて、同じ飯を食って、同じ時間に課業をして、同じ時間に寝るという共同生活の積み重ねが、これまた一朝有事の際にそのままのかっこうで出動する、もちろん営外の自衛官もございますが、そのままのかっこうで出動する。現在多いのは災害派遣がそうであります。そういった規律を持って出動する。それは自衛隊の骨格をつくる上で必要不可欠なことであります。さればこそ、他の場合と違いまして法律で義務づけている、強制をしている、そういうことに伴う食事あるいは営舎内の生活経費というのは、これは原則として国庫負担であってしかるべきではないかという根拠に基づいて提案をいたしました。
  139. 大出俊

    大出委員 ちょっといま最後のところがわからなかったのだけれども、つまりこういうことですか。営内居住を義務づけられている、だからそこで食べるものは国庫負担でいいじゃないか、こういうことですか、簡単に言うと。
  140. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 簡単に言えばそうでございますが、営舎内に居住することが義務づけられておるのは法律をもって義務づけられておる。他にもたとえば学生などがいわゆる全寮制ということで、ある種の拘束的な寮の中にいるということはありますけれども、それとは違って、防衛の目的のために法律で義務づけられておるという特殊性に基づく食事その他の営舎内の経費というのは、原則として国庫負担であっていいのではないかという感じを持っております。
  141. 大出俊

    大出委員 ちょっと人事院に承りたいのでありますが、営舎内に義務づけられている、もちろん出られないのですから食事を出さなければならぬ。食事を出すのはいいですけれども、だからつまり一般の官庁公務員と比べてみて、食事分だけの何%と、こういうことになります。全額お認めにならなかったわけだけれども。しかし中間報告は全額だから、論理的には全額ということになりますが、それを予算的に削ったわけだから。まあ義務づけられて営舎内にいるのだから食べることはただで国が見る、複雑に言っても簡単に言ってもそういう理屈なんだけれども、その理屈は公務員一般というものをながめて成り立ちますか。茨木さんどうですか。
  142. 茨木広

    ○茨木政府委員 その拘束のいかんということにもよるわけでございますが、この場合は法律に基づく防衛義務といいますか、そういうところから拘束でございましょうが、一般の場合にそういう類似のものがあるかないかというふうにいろいろ考えてみますと、たとえば研修みたいなものの場合もございます。この場合には拘束、一定の管理規律のもとに研修を受けられるわけでございます。その場合にはやはり食費を徴しておる例が多いと思います。そのかわり一定の研修旅費のようなものを支給して、そこから本人は支払うというような関係に相なっておる。したがって、その場合とこの場合と、やはり別途そちらの方はそういう旅費を支給して、その中から本人が食事代を出す、食わなければ大体は割り戻しをするというような関係に相なっておると思います。本俸は本俸体系で別にその場合は決めてございます。この場合、従来のやり方は防衛庁の場合は本俸との間で調整を加えておったものでございますから、いろいろな基礎に本俸はなりますから、そういうはね返りまで考えていきますと、そこにやはり少し問題があったのじゃなかろうかと思います。その辺が検討されて、こういう新しい提案になったものだと思います。この新しい提案の姿でそれぞれ本俸、それから現物支給のバランスがとれておるというふうにお考えになって御提案なさっておる、こういうふうに解すべきではないかと思っております。
  143. 大出俊

    大出委員 そうすると、自衛隊の皆さんは隊内に研修にでも行っているようなことになるのですな。これは十日とか半月とかじゃなくて、二年なり何なり研修に行ってしまっていることになるわけですな、人事院の解釈は。そういうことですか。
  144. 茨木広

    ○茨木政府委員 研修とは即同じようには申し上げてなかったつもりでございますが、こちらの方は法律に基づく営舎居住義務を課せられて防衛の一端を担当される、こういうことでございましょうし、研修の方はそうじゃなくて、場所によりましては通勤で研修を受けさせるという場合もございますし、それから合宿研修を受けさせるという場合もございます。それらはそれぞれの各省庁の研修所なり、私の方もそうでございますが、それぞれの考え方によって合宿研修がよいという場合には合宿研修をさせるということでございますから、それを承知で研修を受けられるということで、そういう特別の拘束下に入っている、こういうことだろうと思います。ですから、いろいろ拘束力の点からいきましても、根拠からいきましても、防衛庁の自衛隊の場合と一般の研修の場合とはとてもやはり比較にならぬ段階のものじゃなかろうか、こんなふうに考えられます。
  145. 大出俊

    大出委員 いままでは給与の方から落としていたわけですね、そうですね。今度はそれを戻すわけですな。そうすると、いずれにしても形の上では給与はふえる勘定になるのですね。そうでしょう。公務員給与と名がつきますと、たとえば学校の先生の場合でもやりたくない人事院にともかくやれと言って決めて、義務づけて、人事院が勧告をすることになった。そうすると、今度はその人事院勧告との関係というのは、自衛官の方々の給料が上がるときは、一般の皆さんの人事院勧告が前提になって上がっているわけですね。そうすると、いまの話からすると、これは全く人事院勧告に関係はないということになるのですか。茨木さん、いかがですか。
  146. 茨木広

    ○茨木政府委員 こちらの方の所管外でございますから、そういう意味で佳人事院勧告と直接の関係ありということではないと思います。あとは、実際上そちらの方でどのような基準でそれをお決めになって御提案されておるかという問題になるんじゃなかろうかと思います。
  147. 大出俊

    大出委員 世上なかなか、防衛を考える会だ何だとかやかましいのがありますが、さっきのお話は、私からすれば理由にはならぬ。つまり自衛隊の方々の優遇措置だということになるとすると、これは賛否の議論は別として、話はわかるのですよ。義務づけられて隊内にいて、国の防衛に当たっているのだから少し何とか優遇してやろうじゃないかという議論なら、これは立場は違いますから賛否は分かれます。分かれますけれども、それならそれなりに論理としてはわかる。ところが、わが方の所管外だからといって、本俸に戻ってきて本俸がふえるという形のものを、所管外だからおやりくださいとなると、これは将来に向かって人事院の所管外だというんだから、そうなるとお手盛りで、どこもその機関はないんだ。何とか委員会か何か知らぬけれども、これはいやなものですわね。何か国会に正規に出てきたわけでもない。ごそごそどこかでやっていた、ところが、この辺で少し上げておこうじゃないかということになると、もう出てきた。人事院は所管の外だというんですが、総理府は所管の外じゃないと思うのです。総理府の外局でしょうから。そうすると、これは事給与ですから、ここに法律が出てくるんでしょう。  総務長官に一言承っておきたいのですが、大変奇妙な気がするのです。私は賛否分かれてもいいが、それなりに皆さんの立場が立場なら構わぬが、筋の通った話なら話として受け取るわけですよ。そこで、いまの人事院勧告を例にとりましたが、何となくどこかで事務総長が入っているんだけれど、これは人事院の事務総長で入っているわけじゃないのですね。尾崎事務総長には違いないけれども、人事院の事務総長ということで入っているのではない。学識経験者か何かで入っているんでしょう。そうすると、外から見るというと、もっともらしく見えるんだな。人事院の事務総長が入っているんだ、事務総長としての個人尾崎何某ということで。人事院所管の公務員の方は勧告でこうやっているのだけれども、こっちは構わない。だとすると、これもずいぶん無責任な話で、そこらは一体総務長官、どういう理解をわれわれはすればいいんですか、それを聞いているのです。
  148. 植木光教

    植木国務大臣 この性格づけにつきましては、人事局また財政当局であります大蔵省、それから防衛庁がそれぞれ協議をいたしております。人事局長から詳細について説明させます。
  149. 秋富公正

    秋富政府委員 ただいま防衛庁の人事教育局長からお話がございましたように、防衛庁の給与法につきましては、総理府の私の方も御相談にあずかっておるわけでございます。私たちといたしましては、一般職につきましては、人事院の勧告の完全実施ということで人事院勧告どおりにいつもしてきたわけでございますが、総理府が所管しております特別職給与に関する法律、これにつきましてもやはり似た一般職との横並びということを絶えず考えながら法案を提出させていただいておるわけでございますが、防衛庁職員につきましても、やはり同様に一般職との均衡ということにつきましては十分配慮したつもりでございまして、ただいまの糧食費の問題でございますが、たとえて申しますと、お昼の分というのは、一般の公務員でございましてもやはりそれぞれの庁舎におりまして食事をするというたてまえでございますので、これは現物支給の対象から外すとか、あるいは土曜日の午後でございますとか日曜日とかいったような法的拘束力から外れている場合、これも外すというふうに、一般職との均衡という面につきましてはいろいろと影響もございますので、十分検討して御相談にあずかったものでございます。
  150. 大出俊

    大出委員 だから秋富さん、さっきから順序を追って聞いているので、何で一体糧食費だけ落とすのですかと言ったら、茨木さんからは研修の例が出てきましたね。そうすると、二年なら二年、自衛隊の皆さんは研修に行っている勘定になる。それしか理由がない。あとは隊内にいることを義務づけられているから、とこう言う。だけれども、物を食えば、それは幾らであっても金がかかっているんだから。そうでしょう。いまあなたがおっしゃるので言えば、さっき私が例に挙げたように、朝昼晩食堂で食っているやつもたくさんいる。決まったものしか食えない。通勤の時間の関係でそれしか方法がないからやっている。朝行ってごらんなさい。郵政省の食堂に行ったって一ぱい列をつくっている。それじゃ、日曜はいいから、一般の官庁でも、朝昼晩官庁のお仕着せを食っている人たちは、それだけひとつ俸給表に積み重ねてくれませんかね、いかがですか。
  151. 秋富公正

    秋富政府委員 遠距離通勤の職員の場合にはあるいはそういったそれぞれの官庁の厚生福祉施設を利用するという場合も考えられるわけですが、しかしその場合には選択性があるわけでございまして、営舎居住の場合にはそういった選択性がない、いわばあてがいぶちと申しますか、あてがわれたもの以外にはできない、こういうところ、勤務の場合でも就寝の時刻あるいは起床の時刻というものにつきましても、これが一定の規則に基づきまして行われているという拘束性という面をとらえましてのあれでございます。
  152. 大出俊

    大出委員 そうすると、選択性がないとその分だけは俸給表を上げようというわけですか。選択性と給与とはどう関係があるのですか。それじゃ給与とは何ですか。給与法にどう書いてありますか。
  153. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 提案いたしました私の方からお答えさせていただきます。  俸給は、俸給の中に本来食事その他の生活費が入っておるということは確かなことでございます。そういう意味では確かに処遇改善の面が今回の案の中にはございます。ただそれを、先ほどから申しておりますように、営舎内に法律で拘束をしておるという特殊性、それはたとえば、民間でも船員が乗船し、船務に従事する期間には食事代が出まして、それで御飯を食べるときにその食事代をもって充てるわけでございますが、そういう実質的には無料の制度がとられておる。また公務員でも海上保安官、それからまた私のところの幹部の海上自衛官、営外におります海上自衛官も、乗組員として艦船に乗り組んでおります場合にはその間食事を無料で支給するというような例もありまして、そういった部分についてこれを国庫負担とするのは度を超えた処遇改善ではないのじゃないか。逆に言いますと、さっき総理府の人事局長の答弁にありましたように、普通の勤務日の昼食の部分、あるいは外出いたします場合の外出直前の夕食の部分、そういったものは一般の公務員と変わりがありませんので、そういったものは実質的に有料とするというものでございます。  ところで給与との関連でございますが、これは、もともとわれわれ自衛官の俸給も一般職の公務員を基準として決められておるものでありますが、一たん決めようとします際に、曹士のクラスについては営舎内の経費をそこで決める際に差っ引いて決める方式をとっておりますために、かっこうとしてはここで俸給を上げるというかっこうをとりますけれども、その俸給が上がりますのも、俸給だけについて申しますと、一〇〇%上がりまして一般職のそれぞれの対応するものと均衡のとれた額になるわけでございます。ただ一面、自衛隊という特殊性から、ある人間から、きょうの食事は有料だ、きょうの食事は無料だというような、そういうチケット制をとることが非常に困難でありますので、便法として俸給による調整をやっておるわけであります。その点ちょっと誤解を与えかねないのでございますけれども、そういった意味で一面においては処遇改善である。しかも、それは他の例からして度の過ぎた処遇改善ではないのではないかというのが提案の趣旨でございます。(発言する者あり)
  154. 大出俊

    大出委員 これは別に、いまも意見がありますが、給与というものと、食事というものあるいは現物給与というものとは本来次元の異なるものです。だからさっきから申し上げているように、優遇措置だというのならわからぬわけではないのです。立場は違うが。中曾根さんが防衛庁長官になったときにもいまの問題に触れられた。何とか優遇してやりたいという表現をした。それなら、賛否の意見が分かれても、わからぬ筋合いじゃない。海上勤務なんかやっている人の場合には、いろいろな意味で優遇措置を講じているのです。飛行機だってそうです。だからそれならそれで、勤務の態様等からいって優遇措置を講じたいというのならわかる。ところが、それを給与と絡まして物を言うから、そうだとすると給与には給与の理論があるのであって、人事院の所管ではないと言ったって、横並びと秋富さんいみじくも言ったが、横並びでなければこれはおかしいわけですよ。地方公務員まで、地方自治法があるのに今度ラスパイレスがどうだから下げるという世の中でしょう。そうでしょう。だから、そこのところを皆さんが優遇措置だとおっしゃるならそれでもいい。賛否の議論が分かれるだけだ。ところが給与と絡ませると、これは給与の論理があるわけですから、給与とは何だというところに帰ってくるわけで、納得いたしかねる、こう申し上げておるわけです。  念のためにもう二つ、三つ、時間がありませんが聞いておきますが、税金はどういうことになるのですか。旧来、現物の場合どうなっていたのか。本法に入れた場合にはこれはどうなるのかという課税の問題がございます。それからもう一つ、退職年金だとか退職手当などとかいうものとの関連が、何事も本法が基準とさっきどなたかがおっしゃいましたが、ならばこれはいろいろある。そこらの関連というのは、包括的に見て一体どうお考えなのか。その二つをとりあえず先に答えてください。
  155. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 お答えいたします。  最初の課税の点でございますが、これは今回この案のように仮に成立いたしますと、その上がった分については、もちろんこれは俸給でございますからその部分は課税の対象になります。一面、現物をもって支給されておる食事は、これは従来からもそうでございますが、課税の対象になっておりません。  それから、俸給が改善されて上昇することに伴います退職手当あるいは退職年金へのはね返りは、これは結果としてそうなってまいります。この点につきましても、一般職の公務員との均衡は図りながら、また将来均衡を欠くような場合にはこれは是正する必要があろうかと思います。
  156. 大出俊

    大出委員 だから、さっき私は人事院に聞いているのですよ。所管外だと言ったって、これははね返ったら何だというのは、これは総理府の所管には違いない。退職手当だって恩給だってそうですよ。だけれども、人事院が調査して資料は総理府へ出しているわけですから、総理府から私のところに退職手当を上げるときに一案、二案、三案とお持ちになったのだけれども、総理府が調べたのじゃないのだから、皆さんは質問一つわからないのだから、資料はみんな人事院が持っているのだから、そうでしょう、関係ないわけじゃないのです。そういう意味で。だから、そういうばらつきが出てくるということになると、そこまで慎重に三者お話し合いの上で納得さしてくれと私は申し上げているのだ。これは賛否の意見はある。だから、優遇措置だというのならそれでわかるというわけだ。それならそれでばらつきがないような措置をどうするかというような問題が残るわけで、その上で賛成反対という議論が残るだけでね。  ところが、さっきから順番に聞いていったら、茨木さんの答弁は、決まった物しか食べられないからだと言う。研修の例を挙げられている。しかし、これは二年間研修に行っているわけじゃないんだから。そうでしょう。それから、横並びなんだけれども拘束性が強いからと言う。秋富さんは拘束性と言う。横並びなら横並びでいい。ところが、拘束性が強いからそういうものは上げるんだとこう言う。今度は防衛庁の皆さんの方は、船に乗っかっている人は食事をくれるのだから、まあ、そのくらいはいいんじゃないかとこう言う。合わせてみて、論理的にはどうも事給与といったら筋は通らぬ。つまり結果的に、中曾根さんがかつて私に言いましたが、国防という大変な仕事に携わっているんだからもう少し優遇してあげたいと言う。必要上拘束しているんだからと言う。それは一番根本にあるのは国防という仕事であって、緊急を要する、だから拘束している。つながってきているわけですよね。つまり、これは優遇措置だ。だから、それならそれでそこのところは整理しておいていただかぬと、公務員給与というものそのものの本体からいくと妙なことができ上がる。人確法だってそうだ。私は、日本で一生懸命に働いている人の給料が上がることについては反対はしないのだけれども、そのかわり人事院総裁に、その分だけ差ができたのだから後で何とかしろと必ず言いますけれどもね。先生も、上がるところまでは賛成しますが、上がってしまえば一般職どうするんだと私は言いますので、この間答弁できませんとおっしゃったが、これはどうしても答弁してもらいますから。それは差がついたのだから。オギャーと生まれたときから焼き場まで持っている和田さんのところのような組織もあるんだから、これだけは何とかしてもらわなきゃ困るわけでありますが、どうもさっぱりはっきりしませんけれども、以上の点だけ私は指摘しておきたいわけであります。それが財政赤字云々で赤字国債まで出そうというわけですから、そうなってくると、将来赤字国債の中から出すなんてことになりかねない相関性だってあるわけでありますから、一言申し上げておきたいと思ったわけであります。  次に、防衛庁の皆さんに一つだけここで、この間の引き続きでございますから簡単に伺いたいのは、次の機会にもう一遍申し上げますけれども、そこの山王ホテルのところに米軍の将校集会所であるとか宿舎であるとかいうふうなものがある。もうこの間細かい中身は申し上げましたから多くを申し上げませんが、零細なわずかな土地を、しかもお年寄りの女性の方で持っている方などもある。実はこの間お話を聞きましたら、売りたいんだというわけですね。ところがいまのままでは売れない。解除されれば売りたい、こういう方々もいる。  それで私はどうも、この間申し上げたような契約のあり方で延々といまに至るも、しかも裁判をやって国が負けて上告をしているという、そういうものをいつまでも放任しておくというのは——それは確かに中には大林組だとか日交だとか安全自動車だとかいろいろありますよ。ありますけれども、これはどこから考えても性格上納得できない。その後もいろいろ調べてみましたが、何としても納得できない。きょうはよけいな時間は使いません。私はあれだけ申し上げたのだが、一体こんなことがいまの世の中に存在していいはずがない。終戦以来今日まで何年たっているんだ。個人の土地がいまだに米軍の宿舎であるとかクラブであるとかなんとかに使われっ放しになっているというふざけた話はない、国の接収地じゃないんだから。だから、そういうふうなことについての結論を出せというふうに申し上げているのですけれども、それ以後やれ青山のなにをとかという話はいままでいろいろございましたが、一体どういうことになっているのか、一遍ここで聞かしていただきたい。経過だけ承りたい。
  157. 銅崎富司

    銅崎政府委員 山王ホテルを地主の皆さんに返還することにつきまして、お話のように裁判にもなっておりますし、私どももできるだけそういう線でお返ししたいということでいろいろ検討しておるわけでございまして、一案として、赤坂のプレスセンターにこの山王の機能を持っていくということも考えたわけでございますが、それをやりますと大変たくさんの経費がかかる。それから、あの地区が建築基準法第二種の住居専用地区になっておりまして、ホテルを建設する場合いろいろな手続がございまして、たとえば周辺の住民の方々の意見を聞くために公聴会を催すとか、建築審査会の同意を得る必要があるとかということで、実現まで大変時間がかかるといいますか、いろいろな難点がございます。それで私どもとしては、その後も引き続きまして米側に条件の緩和を申し入れたわけでございまして、地理的条件の緩和といいますか、都心にどうしてもなければいかぬのかどうか、それから移設する規模は分離できないのかどうか、ホテル施設と支援施設との機能を分離してそれぞれ別の所に置けないか、いろいろそういうことで再三米側と折衝を重ねたわけでございますが、一部に緩和を認めたものもございますけれども、最も問題となっております移転先については、やはり都心でないと困るということを言われておるわけでございます。  そこで、先ほど裁判の話もございましたが、この裁判の方も、東京高裁ですが、昨年の十一月五日から、和解しようという勧告がございまして、現在まで八回の和解手続が進められております。それで、そういうことで和解の方ももう何回か、八回以上もやっておりますので、やはりここ一、二回の間におきまして、国側としては具体的な和解の条件を出す時期に来ておるのではないかというふうに考えておるわけでございます。それで、また改めまして、国有地で何か適当な所はないかということで、いま洗い直しをやっております。それから、民間施設の借り上げとか買収とかいうこともできないだろうかということで、もう一度見直して、そういうものを調べて適当な所がないかどうかということをやっておるわけですが、やはり民有施設によりますと費用がたくさんかかるということもありますので、国有地についていま優先的に、そういう条件を満たす適地がないかどうかということで、国有財産の関係のところといろいろ話し合いをやっておるわけでございます。そういうことで、非常に問題がありまして、私どももどうやって解決したらいいかというのは実は悩んでおりますし、苦しんでおるわけですが、いままでの経過からいたしまして、やはり年内には具体的な解決案を出さなきゃならぬ時期に来ておるということで、いま鋭意部内で進めておる段階です。
  158. 大出俊

    大出委員 これは皆さんの方が和解をけるという筋合いのものじゃないと私は思っているのですよ。相手は国ではなくて、さっき申し上げたように、大変お年をおとりになった女の方まで、零細な土地を持っているわけですからね。それは大きいところも、申し上げたように大林だとか日交だとか安全自動車とかあります。ありますが、その中に小さいのもあるわけですから。しかも、これは一審で国が負けているわけですから、筋が通らぬのです。したがって、それで裁判長は、二審の結論を出すとすればまた一審のようなことになってしまうから、皆さんに和解を勧告しているわけです。だからやはりこれは——まあその中には持っているうちにお亡くなりになるなんという方があった場合に、大変人道上の問題にもなります。目の黒いうちにとおっしゃっているのですから。だからやはり急いで精力的に動かれて——この間実は私、平井参事官から少し事情を聞きましたが、ぜひひとつ、いまお話しの年内には決着をつける、それが先々一、二年かかるというようなことがあってもそれで和解が成り立たないわけじゃないのですから、何とかひとつ年内に決着をつけるということでこれはお進めいただきたいのです。また機会がありますから、もう少し細かく物を言おうと思っておりますけれども、とりあえず、ひとつ和解の決着を年内なら年内というめどでつけてしまうということでお進めいただきたいのですが、いかがでございますか。
  159. 銅崎富司

    銅崎政府委員 先生のお話を体しまして、年内決着を、具体的条件を提示できるように誠意をもって努力したいと思います。
  160. 大出俊

    大出委員 それでは、あと人事院総裁に承りたいのですけれども、その前に総務長官に承りたいのですが、今度の給与をめぐりまして、閣僚の給与、それからかつて私がここで長い時間しゃべりましたが、寄付というのは、これから一体どういうことになるのですか。
  161. 植木光教

    植木国務大臣 閣僚の給与は、今回、総理大臣、国務大臣ともに据え置きということにしたのでございますが、これは据え置きにいたしましても、私どもが考えました、なだらかな上薄下厚の人事院勧告との見合いで均衡はとれるという観点から、据え置きにしたわけであります。  一部返上につきましては、これは四月から御存じのとおり各閣僚の自発的申し合わせとして実施しているのでございます。今後どうなるのかということでございますが、今後につきましては特別職職員給与に関する法律改正が行われました場合、具体的に各閣僚の自由意思はどうであるかということをもう一度聞く必要があるかもしれない場合もあろうかと思うのでございます。  いずれにいたしましても、自由意思によって決められたものでございますので、今後も自由意思によって決められるべき性格のものだと考えております。
  162. 大出俊

    大出委員 これは自由意思じゃないのですね。総理のツルの一声と書いてあって、何人もの閣僚の方がぶつぶつ言っているのが、筒抜けで、後でみんな新聞に載っているじゃないですか。そうでしょう。総理がああ言うからしようがないと言って。これは、昭和五十年四月十五日の閣議申し合わせの趣旨により、昭和五十年四月から当分の間、各月の俸給月額の一割に相当する金額を国庫へ寄付する。氏名を書いて、内閣官房長官あてに出した。これまた妙な話だ。この間、私取り上げてみましたが、時間がなかったから全部言っていないのですけれどもね。つまり、だれかが強制をするということは許されぬことになっているのですよ。二十三年の閣議決定もあるのですよ。だから、どうも、しきりに閣僚の自由意思で自由意思でとおっしゃるけれども、寝耳に水でと言う人もおったり……。私、直接聞いてみたら、どうも善行というものは言ってしまってはだめですよというところから始まって、いろいろな意見を吐く人がおるわけですよ。だから、余り妙なものを——これで今日的財政危機が救われるわけじゃないのですから。だから、やはりどこかでこれは整理をしておいていただく必要がありはせぬか。というのは、事給与に関しては、余り妙な先例をつくっていただきたくない。これは太政官布告が財政法のときに廃止されたりしまして、あと今度閣議決定しましたり、いろいろなことをしてきていますから。吉國さんの解説までありますけれどもね。地方財政法との関係もございましてね。最近は公職選挙法の話まで閣議で出てくれば、またえらいことになるわけでございましてね。だから、これはやはりすっきりした方がいいんじゃないかという気が私はするので、御検討いただきたいところです。  それから人事院総裁に承りたいのですけれども、時間短縮、週休二日という問題でございますけれども、何かどうも少し、しりすぼみの感じでございます。     〔加藤(陽)委員長代理退席、委員長着席〕 私は一般論として申し上げれば、こういう不況期というのは、レイオフであるとか、いろいろな問題が出てきておりますけれども、こういう時期には、当然民間企業等においては時短の問題なり週休二日という問題は積極的に進められていい時期だという気が私はする。民間の組合の中でそういう問題を取り上げているのも幾つもあります。したがって、前に私が何遍か承っておりますけれども、また何遍も御答弁をいただきましたが、ここまで参りますと、人事院が後退されることはどうもはなはだ心外だという気が私はする。したがって、これ一体どういうふうにお考えなのか、私はいままでに具体的に承っておりますけれども、年内に、十二月までに基準をお示しになることになっていた、こういう総裁の御答弁でありました。そうして一月という時期に試行を考えたい。そのことに関連をしていろいろな意見等々があって、人事院総裁に就任をして、総裁として、もう一遍ここで人事院が前に出て物を言わなければならない、そういうことを痛感をするという御答弁も実はありました。人事院の、給与勧告の中でという考え方はよろしくないのではないか、別に勧告なり、やむを得なければ意見なりというきちっとしたものをお出しいただくべきではないかという私の質問には、総裁は賛成をされました。ところが人事院勧告の中に報告としてお載せになっておられますから、この点を人事院当局に私が承りましたら、時期的な判断もあってこの中に入れたんだという御説明がございました。しかし、私はそのこと自体非常に不満足でございまして、やはりこれだけの問題でございますから、後ほど総務長官に承りますけれども、関係の各段の部会で総理府の側でもいろいろ議論してきたことでもございます。そういう意味ではっきりすべきだ、実はこういう考え方で不納得なんでありますけれども、現在の時点で一体どういうふうに総裁お考えでございましょうか、はっきり承っておきたいのであります。
  163. 藤井貞夫

    ○藤井政府委員 いわゆる週休二日制に関します人事院の態度というものは別に変わっておるわけではございません。本年を含めまして過去三回にわたって、漸次前向きに進んでまいるという姿勢で対処してまいっておりますことは大出委員も御承知のとおりでございます。ただ、いまお話の中にもございましたですが、実際にこの問題を具体的に進めてまいるということに相なりますと、各省庁それぞれのいろいろの問題点があることも事実でありますし、また職員団体側の意見というものも十分調整をとるというようなことの必要もございまして、これらを中心に目下鋭意調整を進めておる段階でございます。  ただ、卒直に申しまして、私の当初の思惑よりも若干作業がおくれております。これは事実でございますが、事柄の性質上、大変重要なことでございますので、十分調整を図った上で、無理のない入り方をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。  来年当初から試行計画を具体化するということにつきましては先般の報告でもお出しをしておるところでございます。したがいまして、その方針には変わりはございませんけれども、どういう形で、どういうような範囲でやっていくかというようなことにつきましては、さらに各方面との折衝を重ね、調整をとりました上で、できるだけ早い機会に試行計画の基準というものをお示しをして、これに基づいて、報告にも触れましたような段取りで入ってまいりたい、かように考えております。
  164. 大出俊

    大出委員 それでは少し具体的に承ります。人事院は旧来の方針を変えていないとおっしゃるわけですから。私が何遍も質問してきておりますが、ざっと読み返してみましたけれども、そのときにときどき総裁お答えになっておりますが、一貫しておりまして、私の質問も総裁の答弁も変わっていない。ここでまたそのおっしゃいますから変わっていないんだと思う。この点を確認をした上で承りたいのですが、まず、基準は十二月までにお出しになるというふうにお答えになっておりますけれども、そう理解してよろしゅうございますか。
  165. 藤井貞夫

    ○藤井政府委員 そういう御理解で結構でございます。
  166. 大出俊

    大出委員 そこで、この試行、つまり試みにやるという試験的な実行でございましょう。試行というのは一月と言う。いろいろな詰めの中で一月の中ごろというようなやりとりになっておりますが、それもそういうふうに理解しておいてよろしゅうございますか。
  167. 藤井貞夫

    ○藤井政府委員 まだその時期等について最終的な結論は得ておりません。しかし、来年当初を目途としてというようなことを言っておりますので、日にち等につきましてもおのずから出てくるものがあるのではないかと思います。
  168. 大出俊

    大出委員 そう変わっていないという御答弁でございますね。  そこで、やり方の一つでございますけれども、試行、試みにおやりになるわけでありますから本当の実施ではない。そこで、年次有給休暇なんということはもってのほかだという話を私いたしまして、それはそうだというお話になっておるわけであります。そうすると特別休暇とかあるいは職務専念の義務免除だとかいろいろな問題がついてまいりますが、そういう形をとらなければできないと思うのでございますけれども、そこらのところはどうでございますか。
  169. 藤井貞夫

    ○藤井政府委員 これも従来からお答えを申し上げておりますように、年次有給休暇を活用するということは考えておりません。したがいまして、お話しになりましたような職務専念義務の免除あるいは特別休暇、どちらかというと、いままだ最後まで煮詰めておりませんですが、感じといたしましては職務専念義務の免除でいく方がよいのではないだろうか、そういうふうに考えております。
  170. 大出俊

    大出委員 私も実はその感じを持って前から承っているのでありますが、どっちにしてもやらなくちゃならないと私は思うわけでございます。  そこで、銀行法十八条等との関係もありまして私は大平大蔵大臣にも直接質問もいたしましたし、それから森美秀政務次官にも何遍もここに出ていただいて詰めてもまいりましたしいたしましたが、山田耻目君の質問等、に大蔵委員会でも大平大蔵大臣答えております。来年六月ごろを目途とする、ここまで言っているわけでありますが、この委員会で私がそれを再確認を求めましたら、大勢には逆らいがたいと思いますという御答弁だとか、全体の流れということもございます。それにさおはさせませんという答弁等が出てまいっております。これは、もちろん郵便局等の関係その他小切手法等の関係も出てまいりますから、そういう大蔵との関連があるのでありますけれども、それらと絡みまして試行をやっていく。さて、そこから先はどういうふうにお考えでございますか。
  171. 藤井貞夫

    ○藤井政府委員 テストと申し上げますからにはおのずから大体の期間的な見通しも持っていかなければならぬと思いますが、現在のところでは、目途としては大体一年ぐらいはやっていくということの必要性があるのではないか。その結果をいろいろ検討いたしまして、どこに問題点があるかということを見つけてまいらなければなりませんので、期間としては一応は一年というふうに考えております。
  172. 大出俊

    大出委員 いまのお話によりますと、試行期間は一応一年ぐらい必要であるというふうに考えておる、こういうことでありますが、これは総裁がおっしゃることをとりあえず承っておこうと思っていま質問しておりますから、それについての意見は後ほど申し上げたいと思います。  そこで試行の範囲ということがもう一つございます。一体どういう範囲で試行をやっていこうとお考えなのかという点、ここのところはいかがでございましょうか。
  173. 藤井貞夫

    ○藤井政府委員 この点が実は一番問題でございまして、われわれも頭を悩ましておるところでございます。これにつきましては、各省庁の実情等もございますので、もう少し詰めた段階において御答弁をさせていただきたいと思います。
  174. 大出俊

    大出委員 総理府総務長官に承りたいのですけれども、この試行の範囲は、総理府が所管をしておやりになっている各部会の議論との関連も実はあるわけであります。そこで、私ここに記録がございますけれども、総理府が扱っておられる幾つかの部会の中におけるこの試行の範囲という問題をめぐっての議論というのは、一体どういうことになっているのか承りたいわけであります。
  175. 秋富公正

    秋富政府委員 これは、全体としましては関係閣僚会議がございまして、事務局は総理府の審議室でございまして、これは一部から四部までございましたが、さらに銀行の関係がございまして五部になっておるのでございます。
  176. 大出俊

    大出委員 私が聞いたのは、部が五つあるということを承ったのじゃないのですよ。つまり、総理府が所管をしておられる審議室が事務局になっておりますが、第一部会が非現業公務員の部会ですね、第二部会が三公五現の部会ですね、第三部会が教育、第四部会が民間、それにいまの銀行関係、こういう部会ですね。そこで、おのおの所管の省庁が決まっておりまして、たとえば非現業公務員の部会なども何回も会議をおやりになっておられる趣旨を承っております。そこで、それなりの話し合いの結果を人事院にも伝えてある、こう言うわけなんでありますが、このところは一体どういう話し合いの結果になっておるわけですか。
  177. 植木光教

    植木国務大臣 いま人事局長が総理府審議室と申しましたが、いまの関係閣僚協は内閣審議室の所管になっているのでございます。したがいまして、私の直接の所管ではないということでございます。ただ、私がここで申し上げられますことは、人事院におきまして各省と協議を重ねながら具体案を作成中でございます。これはいま人事院総裁がお話しになったとおりでございまして、私どもといたしましては、人事院が具体的な実施基準を策定せられますのを待ちましてこれに対応してまいりたいというふうに考えているのでございまして、人事院からは、いまお話がありましたように、まだその成案を示されていないという状況でございますから、私どもとしては、この際こういうふうにするということを申し上げる段階には至っていないのでございます。
  178. 大出俊

    大出委員 これは五回ばかりおやりになって、ここに記録がありますけれども、いま総務長官おっしゃるように内閣審議室、ここに各省事務連絡会ですか、週休二日制関係省庁連絡会議、そこに第一、第二、第三、第四という部会があった、こういうことなんですね。そこで第一部会等の——これは私はかつて人事院に伝えてあるのかと言ったら、人事院にもオブザーバーで入ってもらっている、なおかつまた伝えてある、こう言うわけですが、ここでこの試行等をやるについては各省一斉に、全官庁、門を完全に閉めてやってもらいたい、それからやさしいところからやって、むずかしいところは残すというようなことは困る、こういうふうないろいろ話し合った結論があって、そのことを人事院にも十分伝えてある——これは私が当時皆さんに承ったとおり書いてあるのですけれども、そのときの記録を持ってきたわけですから、ですから、私はいま範囲という問題を取り上げておりますので、こういうふうに皆さんがお話しになったから、そのとおり書いたのですから、これがもし間違いだと言うならば、これは改めて審議室長さん以下呼んで質問しなければいけませんけれども、ここにちゃんとこういう中身になったのでこれを伝えてある、こう言うわけですから、間違いがないかどうかという点を、審議室長さんおいでになりませんけれども、承っておきたいのです。
  179. 秋富公正

    秋富政府委員 ただいまお尋ねの問題は、第一部会のいわば非現業の問題につきまして、私もことしの春でございましたか、この席においてお答えしたことがございますが、これはいわゆる本実施と申しますか、週休二日を実際に施行するにつきまして、それぞれ関係省の意見を合わしたときに、全省庁がこれを行われるようにして、むずかしいところが取り残しにならないように、こういう気持ちであるということを申し上げたのでございます。
  180. 大出俊

    大出委員 そこで人事院に承りたいんですけれども、この総裁の答弁の中の、いま範囲と言いましたら、非常に慎重なお答えになって、そこが実はと言う。何か人事院が勝手に一人でやっているようなことになったんじゃこれは困ると思って、いまの問題を実は取り上げているんですけれども、私も審議室長さんにも聞いてみたりいろいろしているわけですけれども、つまり、部会が銀行もあるから一つふえて五つになっていって、そこでそれなりに責任官庁も決まっていて、そうして話し合われてきている。試行でも実施でもそれはいいですよ。秋富さん、おっしゃっているんですから、そのとおりでもいいですが、ともかく難易の度合いにおいて、ここはやりいいからやるとかいうようなことはやめてくれと言う。人事院だけで一人やるというんじゃなくて、関係各省庁も人事院と密接な連絡をするという前提もあってこういう部会があって話し合いをしているわけですから、何も人事院がほかに相談なしに進めているわけじゃない。内閣の審議室でちゃんと部会をつくってやっている。だから、そこのところをあわせ考えますと、私はやはり人事院の立場がなかなかむずかしいことはわからぬわけじゃない。わからぬわけじゃないけれども、少なくともここで後退するがごとき印象になることは、私は断じてこれは不賛成でございまして、そういう意味で、実は細かい中身をここにいろいろ持っておりますけれども、余りどうも細かい中身までここで取り上げて、一々根っ掘り葉っ掘りやる気はありませんが、少なくとも大きな筋として、いままでのやりとりをしてきたこと、これは変えていただきたくない。  そこで承りたいんですけれども、試行の回数、これは隔週、一週間置きという意味ですね、これは隔週実施するということになるとすると、月二回なんですね。いままでのやりとりは、隔週というような言い方の答弁が出てきているわけでありますけれども、この辺のところは一体どんなふうなことになるわけでございますか。
  181. 中村博

    中村(博)政府委員 先ほど総裁からも申し上げましたように、関係方面といろいろなお話を申し上げておるわけでございます。そこで、そのときにお話し申し上げる段階で私どもが申し上げておりますのは、試行をいたします場合に、大体試行日といいますか、その試行を行う日は、月の第一と第三土曜日でどうでしょう、こういうことで御意見をいただいておるのでございます。いろいろこれにも御意見がございまして、先ほど総裁が申し上げましたように、今後やはり至急詰めていきたいということで、いま私どもは努力をいたしておるつもりでございます。
  182. 大出俊

    大出委員 これはたとえば自治省なんかにしても、私もいろいろなところから承っておりますが、おのおの具体的な仕事を所掌している面から、それらしい意見が出てくることは当然予測されていることでもあり、あり得ることなんですね。たとえば、消防をどうするとか警察をどうするとか。だから、非現業部会の第一部会なんかでも、警察、消防の議論も出ている。人事院だけが議論しているんじゃない。だから、そこらは予側をされているところなんですから、多少の意見がそこにあったからといって、あるいは行政管理庁なんというのもありますから、これは改めて行管に承りますけれども、いろいろな意見があることは、初めから予測できないわけではない。だから前に出て物を言わなければならないと総裁がお考えになった御答弁をいただきましたが、つまり、そこらのこともあって、総裁がもう一遍、この辺で人事院がはっきりさせておかぬといかぬのだという、そういう意思を御就任直後にお持ちになったのだと私は思っている。というふうなことがあるからといって——四項目の確認というようなことがございます。何遍も言ってきましたから繰り返しませんが、やはりやる以上は、人事院が方針を変えていないのですから、いろいろなことがありましても進めていただきたいわけでありまして、いま私が申し上げたような隔週という言い方を旧来されておられましたから、それならば仮に月二回ばかりやるとすると、年に二十四回か二十六回か知りませんけれども、そのくらいの試行をやることになる。そして最終的に残るのは範囲という問題になるわけでありますが、これが最後の詰めでございますけれども、もう一遍ひとつ、直接おやりになっておられる局長さんからでも結構でございますけれども、そこらを一体どういう判断をなさっておられるのか承りたいと思います。
  183. 中村博

    中村(博)政府委員 先ほど総裁からも御答弁申し上げましたように、先生もおっしゃいましたように、いろいろな御意見があるわけでございます。それで、できるだけその御意見の、もちろん職員団体からも大変な御意見がありましたので、それをできるだけ早く調整したい、でき得べくんば双方の一致した御見解があればこれは大変スムーズにいくわけでございます。しかし、現在のところいろいろな情勢がございますので、これは先生も御承知のとおりでございます。  とにかく週休二日制の試行につきまして、私ども大変熱意を燃やしておるつもりでございまして、ですから、国民の御批判を賜って、そしてもうそんな試行ならやめろということが言われないように、最初は規模は小さくてもとにかく試行に入る。各方面の御了承を得つつとにかく試行に入って、そしてまたその後の情勢変化はそれに対応していこう、こういうことで、とにかく入りたいということで熱意を燃やしておるつもりでございますし、またそのような姿で、とにかく入るとお約束しました来年入りたいということでいろいろな案を御提案申し上げておるわけでございます。  それで、先生もこれはとっくに御承知でございましょうけれども、最初十分の一とかいろいろなことを申し上げておりますけれども、それはそれなりに、何もしみったれたことという意味ではなくて、現状に即した、私どもの入り方がスムーズにいくという、その視点に立っての考え方でございます。いろいろ御意見があることは御承知のとおりでございまして、その辺を、こいねがわくは大きな国民からの御批判を受けずに、とにかく試行するということによって自後措置を考えていくということで御納得いただけませんかということを、ただいまおしかりを受けつついろいろやっておる最中でございます。
  184. 大出俊

    大出委員 先にこの話が出てまいりましたが、したがってそこらをめぐる細かいいろいろなことがありますけれども、そのことは、ここまでは入ることは差し控えると先ほど実は申し上げたわけなんです。つまり、この試行をやっても——意欲を燃やしていろいろなことがある中で割り切ってやろうという前向きの御意思はわかるわけですけれども、だがやってみたら、試行とは名ばかりであったということであっては相ならぬという気がするわけでありまして、だから冒頭言ったようにいまの不況と言われる世相というものがあります。ありますが、その中で帰休だ、やれ何だという問題が起こっておりますけれども、組合の側は、だから二日制に移行せよという、激しい意欲で労使間でやりとりしているところもあり、私の知っているところでも二日制に踏み切っているところもあり、ですから私の側から言わせれば、こういう時期だから悪いということではないので、これは、機械化が進んでいく中で時短というものは生まれてきたものでございまして、だから操業短縮という形が二〇%、多いところでは三〇%あるところもあります。それだけに、一体労使間でどうこれを扱うかという議論の中に二日制という問題も出てきておるところもあります。だから、余りそのことを消極的にお考えはいただきたくない。さっき幾つか、警察だ消防だ、例を挙げましたけれども、やりにくいところがあることはわかる。行管などの意見のあることもわかる。がしかし、それにもかかわらず、ここまで来るとあえておやりをいただかなければならぬという、こういう段階だと私は思っている。だから、その一〇%などという、何だか知らぬけれども、やってみたら名ばかりじゃないかということになったんでは意味がない。  だから、どうかそこのところは、当該団体等々もあるわけでありますから、ましてスト権だ何だ、私は冒頭に申し上げましたが、団交権の範囲内というものを考えるといろいろなことになりかねない時期でもございます。だからひとつ人事院の側で総裁御就任以来一貫して、いろいろあるけれども、人事院としてはやる、こう割り切って進めてこられておるわけでありますから、足らなければ、もう一遍勧告するなり、意見を出したってどこも聞いてくれないなんてたわ言を言わないで、意見を出すなり、ずばりあえてやっても進めていくという姿勢になっていただきたい、私はこう考えているのですけれども、そこらの決意のほどをひとつ承っておきたいのです。
  185. 藤井貞夫

    ○藤井政府委員 基本姿勢はいままでどおりでございまして、何ら変わらないということでございますが、これは御指摘にもございましたように、事柄の性質が他の人事院のいろいろの仕事と違いまして、ほかならぬ、これは各省がその気持ちになってやってもらわなければならぬ。これはわれわれの方で引っ張ってやるというわけのものではございません。そこのところが非常にむずかしいところでございますので、大変苦慮をいたしておるのでございますけれども、しかし三回にわたって報告に触れましたその基本姿勢というものは、これはそのまま貫いてまいる所存であることは申すまでもございません。  ただ、いろいろ民間の不況その他の事柄もあり、また地方財政が大変困難な時期でもあるというようないろいろな背景がむずかしいものが加わっておるという実情もございますので、それぞれの立場からいろいろな意見が出ているということは、これは事実でございます。したがって、それらの点を十分に調整を図りながら、やる限りはやはり円滑にうまくやってまいりませんと、国民の批判というようなことで、これが大きなつまずきになるというようなことになっても困りますので、それらの点を十分見きわめながら考えてまいりたいと思います。  いまの範囲の問題はまだ微妙な段階でございますので、この席上で申し上げることはもうしばらくお待ち願いたいと思うのでありますが、一割云々ということにつきましても、これは実は組合側だけでなくて、事務当局の部内でも、果たしてそういうことで試行と言えるのかといった議論もございます。したがいまして、私はいまここで幾らというふうに申し上げることは差し控えますが、しかし一割ということには別にこだわっているわけではないという点につきましては、申し上げておきたいと思います。
  186. 大出俊

    大出委員 総務長官にお願いをしておきたいのですが、これは御存じのとおり長い懸案であり、民間で言えば銀行協会と全銀連の間では、文書による取り決めまでしているわけです。ただ、取り決めた後で銀行側は政府に物を言って、郵便局との関係あるいは小切手法だ為替法だとの関係もある、銀行というのは土曜日やることは十八条で明定されているのだというようなことなどで政府に申し入れている。大蔵省自体は銀行法全体をいじられることは困るという考え方があって、だがしかし、一つ間違ってそっちの方へ流れていくよりは、十八条だけで片づけばその方がいいかもしれぬという判断も、ある人が私に言いましたが、あって、来年の六月ごろというふうなことで大平さんの答弁になったといういきさつもある。それぞれあっちへ行ってもこっちへ行ってもいろいろな障壁のある中を、文部大臣の言い方なんかでも、外国にあったように、学校の方だけは教育だといって休まないことにした、ところが親の勤めている会社の方は休みになってしまったから、子供のために休んだんだが休めないというばかなことになって、改めて学校もというようなことになった歴史もあるから、だから文部大臣は賛成する、週休二日いいじゃないか、文部省としてもそれに対する対応策は考えていきたいというようなことまで言っているわけですから、いろいろな障壁は具体的になればなるほどあるわけですけれども、また不況だからということが一つひっかかるのです。そういうニュアンスもなくはない。が、さっき申し上げたように、民間の場合を例にとれば、だからこそ進めている、進んでいるというところもあるわけでありまして、そういう点を御考案をいただき、かつ、これは全く名ばかりじゃないか、やるやる、やるやると言ってきたからちょっとやってみたという、それでもやったんだと言えるんだからというようなことでやったんだなんということになると、これは逆な結果になります。したがって一〇%などというのは、これはもう願い下げにしていただきまして——こだわっているわけではないとおっしゃるから、その意味では一〇%だと言っているわけではないんで、こだわっていないと言うなら、一体どこがこだわっていないことなのかという中身を聞きたいけれども、範囲の問題との関連もありますから、そこまでは詰めません。どうかひとつ関係諸団体の方ともやりとりを切らずに、何遍もおやりになっているわけですから切らずに、さっき御説にありましたように、働いているのは、その団体に属する方々が働いている大多数ですから、ひとつ納得し合えるところまでこれは御努力をいただき、詰めていただいて、そしてやる以上、確かにおっしゃるとおりスムーズでなければなりません。そういう点も、期間はありませんけれども、人間お互い横着でございますから、せっぱ詰まらぬとなかなかいい知恵は出ないものであります。だからその意味では、期間がないと言ってもきのうやきょうのことではないのですから、最後の詰めなんですから、そこをひとつ誤らずに踏み切っていただくように、これは総務長官が所管でございますので、総務長官に、人事院を含めましてそういう御配慮をいただきますようにお願をしたいのでありますが、いかがでございましょう。
  187. 植木光教

    植木国務大臣 人事院がただいま作成中でございます実施基準につきましては、各省庁と詰めに入っている段階でございます。私どもといたしましても、速やかに成案を得ますように、調整と申しますか、まとめのための努力をいたしてまいりたいと思います。
  188. 大出俊

    大出委員 予算との関係もございまして、防衛庁長官のお見えになる時間、五時ごろということでございましたから、この辺で私の質問を終わらしていただきます。
  189. 藤尾正行

  190. 中路雅弘

    中路委員 今年の賃上げ配分において、本俸の重視、それから組合員層は一律配分になっていますし、諸手当の改善についても生活給的な要素の強いものに限定されていますし、こういう点では職員団体等の要求も一定程度反映されたものになっているわけですが、特に職員団体の皆さんからも強い要望のあります問題で、職員団体では指定職については据え置き、上位等級は四%あるいは五%以内、四等級以下は同率配分を基本にして六、七等級に上積みする、七等級は八等級を上回る引き上げ率にしてほしい等の要求が出されていますが、こういう要求から見ますと、今回の場合に、管理職手当の一〇%カットをすることを明らかにしているだけで、指定職は六・五%、上位等級を一〇%近く引き上げ、六、七等級への特段の配慮も避けているなど、いままでの上厚下薄の現行給与体系そのものを改善するという点では、全体の引き上げ水準の低さとともに十分満足できるものではないと思います。  特に、最初に何点か御質問したいのは、特権官僚優遇の給与体系が、昇格の優遇処置とともに職員団体の中でもいま非常に大きな問題になってきているわけですので、この点について二、二御質問したいと思うのですが、先日結成されました国公労連の新聞を見ますと、なかなかうまいことが書いてあると思いましたが、こういう記事が出てます。特権は新幹線の超特急のような勢いで昇格いしているが、一般職員は特急、急行待ちの多いローカル線普通列車並みで、差別がひどい。しかも問題なのは、新幹線のレールの上はローカル線の列車が絶対に走れない仕組みになっているというような記事が出ていました。大変うまく言い当てているのじゃないかと私は思います。  たとえばこれを、人事院の国家公務員給与実態調査による行(一)の等級別在籍者数を昭和三十二年七月と五十年一月とを比較しますと、三十二年には三等級以上が三千五百五名あったものが、昭和五十年には指定職を含めて一万六千五百十六名と、その増加率が四・七倍にも達しているわけです。これは行(一)の職員全体の増加率一・四倍の三倍強にもなっています。これでは政府や人事院の人事行政が特権官僚の優先生言われても仕方がないと私は思うわけですが、最初に、こういった職員団体からの指摘あるいはいま私が取り上げました事実、こういう点についてどのようにお考えですか。
  191. 茨木広

    ○茨木政府委員 行政職(一)俸給表及び指定職俸給表全体を含めての運営の問題でございますが、これは三十二年のときに一応新俸給表になって、その後さらに三十九年に指定職俸給表ができてきたわけでございますが、この間に人事の構成が大変変わってきたということもやはりお考えいただかなければいかぬ問題だろうと思います。二十年当時で、約四十二、三歳で次官が大体任命されておったわけでございますが、三十年ころになりますとそれが約二歳ぐらい上がってまいった。これが最近でございますと五十二、三歳ということで、その間に十年以上年齢が上がってまいっております。  その間に、逐次その処遇を考えながらその俸給表を運営してきたわけでございますから、たとえば俸給表の構造上でも特三を入れますとかいうようなことをやったり、あるいは号俸を延長しましたり、いろいろなことを対処しながらやってまいったわけでございます。その一環として指定職俸給表もつくられていったという、そういう経過がございます。それは何も上の方の人たちだけを処遇するということではなくて、逐次上の方へ抜いていきましては下を逐次上げてまいったということであるわけでございます。でありますから、係長クラスあるいは課長補佐クラスの辺がずっと順次上の方にずれ上がってまいったと、こういう処遇をしてまいっておるわけでございます。でございますから、この十年間の級別定数の動きを見ましても、大体四十年代、三十九年のころは一番人員の多い層が七等級にあったわけでございますが、それが数年で六等級に上がり、さらに現在では五等級の方に一番多いところがずれ上がってきているというふうに、こぶが二段階そこにずっと上がってきておるわけです。  そういうようなことで、公務員の人員分布というものが、終戦当時入りました方々がそのままずっと上がってきているというようなこともございまして、いわゆる中高年問題と言われておる態様を示しているわけでございますが、そういうものの対応のためには、やはりそういう措置を講じなければいかぬのでございまして、いま一つの指摘をされましたような意味のいわゆる特権官僚を処遇するためにそうしたということではなくて、そういうふうに上げてまいりませんと、全員がやはり頭押さえになって上がってまいらない、こういうようなことに相なるわけでございます。そういう点をひとつよくお考えいただきたいと思っております。
  192. 中路雅弘

    中路委員 いまの問題を、職種別、学歴別の賃金格差を見てみますと、たとえば行(一)の上級甲の場合、具体的な例で一つお話しますと、たとえば二十二歳で入省し、初めは七の二で八万五百円、三十歳勤続八年で十三万二千七百円、四十歳十八年で二十万六千六百円、五十五歳三十二年で六十六万円というようにどんどんとんとん拍子で上がってくるわけです。初級の場合で見ますと、二十二歳勤続四年で七万四千六百円、三十歳十二年で十万五千六百円、四十歳二十二年で十五万六千四百円、五十五歳三十七年で二十四万七千六百円というぐあいに非常に大きな格差がつけられているわけです。私は、いま言ったこの職種別、学歴別の賃金格差を見ても、特権優先の姿勢というのは非常に歴然としていると思うわけです。  たとえばその実態を、これは資料でありますが、通産省の本省で見た場合に、ちょっと年限は古いのですが、昭和四十四年の一月現在における通産省の本省内部の部局における管理職員の実態で見ますと、管理職員の百三十二名のうち高文または上級甲が百二十五名というようにほとんど独占しています。一般の採用者はわずか三名であって、しかもそのポストは管理官、大体専門官どまりという状態です。そしてこういう事態は今日においてもほとんど改善されていない。これは決して通産省だけじゃなくて他の省庁においてもほぼ同じような状況ですから、こういった一、二の例を見ても特権優遇の姿勢というものは私は隠しようがないんじゃないかというふうに思うのです。先ほど人事の構成が変わっているというお話もされましたけれども、いまの私が挙げましたこういう実例を見ても、これは歴然じゃないですか。  もう一つ、これは具体例を挙げて、名前を挙げて失礼ですけれども、これもある新聞に出ていましたから取り上げますと、たとえばいまの電源開発総裁、前の通産省の事務次官両角さんの場合をずっととってみますと、昭和十七年の九月に東大の法科を出て、十七年十一月通産省へ入省ですね。二十四年十二月に大阪府の商工課長、二十八年十二月大臣官房審議官、二十九年の一月に大臣官房調査課長、三十一年六月審議官、三十二年八月大臣官房企画室長、三十二年にフランス大使館一等書記官、三十六年企業局第一課長、三十八年大臣官房総務課長、四十年六月企業局次長、四十一年三月に鉱山局長、四十三年五月官房長、四十四年十一月企業局長、四十六年六月に事務次官、現在電源開発総裁というふうに、この昇格の超特急ぶりは、この事実を見ても私は非常に明白だと思うのです。同じ年齢で初級採用の職員は、そのほとんどは課長にもなっていませんし、大体補佐の高位号俸に格づけされているのが実情だと思うのですが、具体的なこういう例を挙げれば切りがないわけですけれども、いま二、三実例を挙げました。こういう特権優先の姿勢というのは否定しがたいのじゃないかと私は思います。この点どうお考えなのか、またこういう点の人事行政をやはり抜本的に検討し、改善していく必要があると思うのですが、この点についてのお考えを聞きたいと思います。
  193. 茨木広

    ○茨木政府委員 いま、初級採用の者とそうでない者との昇進の仕方等に関します実例を挙げてお話しなさいましたが、私の方の給与制度をどう決めていくかということは、大きな点では官民比較をしながらやっていっておるわけでございます。  初級の初任のところ、あるいは中級試験、それから上級試験というようなそれぞれの対応のところで初任給を決め、それからその後の状況等も、係長クラスなり補佐クラスなり課長クラスなり部長クラスなりというような対応のところを、それぞれの民間と比べながら、対応の処遇を考えていっておるわけでございます。そういう面で言えば、やはり同じような官民の間で人事採用をやっておるわけでございますから、特段にこちらを抑えましたような処遇をするということは、人材がこちらの方には集まらぬということになってしまうわけでございまして、やはりその点も考えながら、民間の処遇とこちらの処遇と相対応をしながら考えていくというふうに持っていかなければいかぬものだろうと思います。  そういう点から見ますと、いろいろな給与関係の雑誌等にあらわれております民間の、そういういま御指摘なさいましたような処遇の点等についても、いろいろ棒グラフ等で書いてあるのを見ますと、それぞれの一般的な昇給ラインと申しますか、そういうものは、やはりそれぞれ相違がございますようです。そういうものを踏まえながらこちらも考えておるわけでございまして、特段にそれじゃ国家公務員の方が民間に比べて対応のところでよろしくなっておるかということになりますと、決してそうではない。むしろ一般に言われますのが、初級採用の方の方が得をし、大学出の方が損をしているというふうに、公務員の関係では言われる場合がある。そういうようなことに実は相なっておるのでございます。  また御案内のように、毎年の俸給表の改善でも、上下の関係では率でいけば上薄下厚ということに相なるわけでして、そういう点で言えば、三十九年当時は、指定職の、要するに次官相当のところと初級の初任のところというふうに比べますと、十七倍程度の差があったものが、現在では十倍というふうに差が圧縮されておるという関係になっておりますし、まあ御指摘のような見方で評価されますことは、私どもとしては大変心外な気持ちでございます。
  194. 中路雅弘

    中路委員 官民比較の対応だというお話が出ているわけですが、これは後でもう少し……。まあ私は比較の仕方に問題があると思うのですが。  もう一つ具体的にお尋ねしたいのですが、たとえば人事院の標準職務表の変遷で見てみますと、特権と一般職員の昇格格差、これは非常に歴然としていると私は思うのです。昭和三十二年の四月と昭和四十九年の四月と対比させてみますと、特権は二階級特進しているわけですが、一般職員は据え置きまたは一階級しか上がっていない。たとえば本省について見ますと、いまの昭和三十二年の四月と四十九年の四月と対比させますと、事務次官は三十二年は一等級であったわけですが、四十九年には指定職甲、部長は二等級から指定職乙、課長が三等級から一等級、それぞれ二階級特進しています。ところが補佐は四等級から三等級、係長は五等級から一部が四等級に上がっているにすぎないわけですし、一般係員はそれは推して知るべしという状態ですね。末端の出張所等をとってみますと、五、六等級の所長、七、八等級の係員はそのまま据え置きで、一部が七等級から六等級へ上がっているにすぎないわけですから、改善の跡はほとんど見られない。ここにもやはり先ほどからの一貫した姿勢が浮き彫りになっているのじゃないか。  私たちは職務給の体系には反対ですが、人事院は特権を優先するという余り、いま例に挙げましたように、この職務給の体系自身をみずから崩している点があるのではないか。もし修正をするならば、みんな二階級ずつ上げるという必要があると私は思うのですが、この点はどのようにお考えですか。
  195. 茨木広

    ○茨木政府委員 この見方でございますけれども、先ほど特三というか、三十九年に課長補佐クラスを二つに分けたということを申し上げたわけですが、その影響で見かけが二段階ずれたようになっていますが、実質的にはやはり一つしかそこは上がっていないわけでございます。  これは先ほど、一番最初の御質問にお答えしたときに申し上げたのでございますけれども、一般の職員の方は昔から六十歳前後のところまで行けたわけでございまして、この点は従前と現在と変わってないわけでございます。ところが上の方は、先ほども申し上げましたように、次官のところが四十二歳くらいで首を切られておったわけでございますから、それに合わせたようにして全部首を切られておったわけでございます。どこかに流れておった。それが十年以上も延びておりますから、漸次それがほぼ二十年の間に、処遇を考えながらそういうふうなことがおさまるように持ってきたわけでございまして、そういう関係からもいろいろ処遇上の問題を考えていかなければいかぬ点があったことは事実でございます。  そういう意味で、別にこの層だけを特に上げたということではなくして、先ほども申し上げましたように、各等級別人員分布の山が七等級から六等級、五等級というふうにすでにもう二つもずれ上がってきているということでおわかりのように、全部が年齢が上がってまいりましたものと相呼応しまして、そういうような人員分布も変わってまいった、こういうように解釈いただかなければいかぬものだというふうに考えております。
  196. 中路雅弘

    中路委員 じゃ、たとえば別の角度でもう一つ資料を挙げますけれども、政府関係の法人の天下りといいますか、これで見てみましても、その特権官僚の優遇の問題というのは私は非常に明白だと思うのですね。七四年の十月に政労協が調査した資料が手元にありますが、これを見ますと、六十四の法人の中の役員四百十九人のうちの実に八〇%近く、七八・三%が天下り組で独占されています。部内からの登用はわずかその一割程度しかありません。役員数百二十三名のうち、内部登用が五名、民間登用が四名ですね。これは七三年十一月から昨年十月までに就任した役員なんですが、これを見ましても、その八五%が天下り組だということで、しかもこれらの人たちは大体数年間いて数千万円に上る退職金をもらって、また関係法人を渡り歩くというようなのも、この経歴を見ますとあるわけですね。この政府関係の法人、直接的には総理府の人事局の所管だそうですが、こういった点を見ましても、全体としてこの特権官僚の優遇問題というのは、職員団体から指摘されているように、この姿勢というのは共通をしているのじゃないかというふうに私は思うのです。  先日、十月二十四日ですか、この問題で国公労連職員団体の皆さんと森参事官が交渉をされていますが、この席上で国公労連の方から、特権と一般職員との昇格格差について合理的な理由をひとつ示してほしいということに対して、森参事官の方から、職務の複雑、困難度が高まったということと、先ほどから答弁にありますように、民間との対比だということをお答えになっていますが、十分な説明ができなくて、改めて十月三十一日に公式見解を出すということになったということに私は聞いているわけです。この点で十月三十一日に公式見解を出すという約束をしておられるそうですから、この点についてはぜひ約束を守っていただきたいと思います。この特権と一般職員との昇格格差が非常に大きいという問題についてこの理由ですね、森参事官はきょうお見えになっていませんが、皆さんの方からこの場でこの問題についての見解もお聞かせ願いたいというふうに思うわけです。
  197. 茨木広

    ○茨木政府委員 三十一日はほかの審議会に出席するため、当初しばらくの間私も会うという約束になっております。後は次長に引き継ぐつもりでございますが、その際よく話を承って、大体いまお答えしたような筋道には相なることだろうと思いますが、よくお話をしておきたいし、またさせたいというふうに考えております。  ただ、いろいろ採用の窓口がそれぞれ試験の種類ごとにございまして、それで各省の人事当局もそれぞれの省の方針に基づいて人事の運用をやっていらっしゃるわけでございますので、それぞれの係長以上ということになりますと、やはりその人の適性、能力、勤惰、そういうものが総合的に勘案されまして、非常に激烈な競争の過程に置かれながら選抜されていっておるというのが実情だろうと思います。必ずしも当初入ります入り口が、何も初級、中級、上級であるからそれぞれのルートが完全に決まっておるわけじゃなくて、初級でも上の方に行かれる方もございますし、中級、上級でも途中で足踏みになってしまうという方もございますし、それはやはり大変な競争であることは私は間違いないと思います。そういう過程に昇格されておるわけでございまして、給与の面からのみ大数的観察で一括これを論議するというわけにもなかなかいかない面があるものだというふうに考えております。
  198. 中路雅弘

    中路委員 先ほども官民対比ということもお話しになりまして、国公労連職員団体の皆さんとの交渉の席上でも、民間との対比でこうなるんだと参事官が発言しておられるそうですが、私はこれをいまの理由にするというところに非常に問題があるんじゃないか。これは給与問題が出てくるたびにたびたび問題になっているわけですが、人事院の皆さんが官民対応ということでやっておられる対応のさせ方ですね。第一番に、職務分類を公務の場合は等級別区分だけとしていますし、民間は規模と職名の組み合わせになっているわけです。そして第二番目に、公務の場合は同一職名であっても二つ以上の等級にまたがっているにかかわらず、一つの等級にまとめているわけですし、民間の場合は本社、支社、支店、営業所などの組織区分、これを度外視して、職務評価を同一職名一本にくくっているという対応のさせ方になっています。そして具体的な対応のさせ方の段になると、三等級以下になると、対応を一ランク落として、しかも平均年齢が十歳も若い民間労働者と並べているわけですから、この対応のさせ方ですね、この問題の改善がないと、やはり民間対応でこうなるんだということが理由づけにならないんじゃないか。この問題は、お話を聞きますと、職員団体の皆さんの交渉でもこういう点が出まして、森参事官も、この問題は頭の痛い問題だという発言をされていたということを聞いているのですけれども、私はその点で人事院にお尋ねしたいのですが、職員団体の方から出していますこの対応のさせ方、基準職務表の準拠と標準労働者の比較というより合理的な提案にもう少し耳を傾けて積極的な検討をさるべきじゃないかという考えを持っているわけです。この職員団体からの提案について、この点では公制審の答申でも、四十八年だったですか、「国家公務員給与については、」「その基礎となるべき調査等に、職員側および当局側の意見を聴く制度を設けるものとする。」ということが言われていますが、やはりこの方向に沿って、職員団体が提起している問題について十分耳を傾けて、改善について検討されていくということが必要ではないかと思っているわけですが、ひとつこの点についても御答弁をお願いしたいと思います。
  199. 茨木広

    ○茨木政府委員 勧告の調査段階でも、各組合及び任命権者側のそれぞれの要望をお聞きいたしまして、調整をしながら調査方法等も最終的に御決定いただいておるわけでございますが、いまのこの対応関係の問題は大変むずかしい問題でございまして、比較いたしますときに、いま十歳も若いところと比較してということを言われましたが、具体的に比較いたしますのはそうじゃございませんで、同一職種の同一年齢のところの民間の平均給与が幾らになっているかというその給与を、こちらの同一年齢の公務員数のところにぶち込むわけでございまして、そんな十歳も違う層を斜めに給与比較をするということではございません。平均給与の比較じゃなくて、そういう年齢別——職種別、年齢別、地域別等いろいろありますが、そういう対応別にいたしました細かい比較をやっておるわけでございます。層によりまして、こちらの方が大変人事が促進している層は、民間よりも早い年齢のところが上の方に上がっているということもございますし、逆に上の方が詰まっておるようなところは民間の方が早いという場合もありますし、同じ民間でも、最近の会社でございますと人事が非常に早い。しかし、大手の明治以来の会社みたいなところでございますと、ほとんど全くこちらと同じような年齢対応になるようなところもございます。そういうふうに会社別に見ますとやはりいろいろございます。そこでこちらの方は、対応年齢のところの同じ年齢のところのものを持ってきて比較する、こういうことをやっておるわけでございます。  あと、組合の方から森参事官との折衝の際に出ました問題等は、これまた別の機会によくお話をしてみないといかぬだろうと思いますが、これは標準職務表にからんだ話も出ておったようでございますが、そういう問題でございますと、やはりいまの人員分布が、標準的なものであるかどうかということをよく考えながらやはりやっていきませんと、そのこぶが過ぎてしまえばまた通常の状況に返るわけでございまして、その辺のところを考えながら標準職務表の方はやはり考えていかないといけないものだろうというふうに考えております。
  200. 中路雅弘

    中路委員 いまの問題で、もう一度一言だけお聞きしておきたいのですが、先ほど言いましたように、公制審の答申でも、こういった問題について、給与等について、その調査については職員側、当局側の意見を十分聞く制度を設ける問題について答申も出ているわけですから、いま職員団体が一つの提案をしているわけですから、この点については、やはり十分検討していただく、そしてより合理的な改善をひとつ図っていただきたいというふうに考えるわけですが、この点についてはもう一言、ひとつ積極的な姿勢を示していただきたいと思うのです。
  201. 茨木広

    ○茨木政府委員 この調査及び対応比較の問題については、職員側、それから各省側、それから地方の人事委員会等からもそれぞれ意見が出されておりますし、それから一般のやはり世論というようなものもいろいろございます。なかなかそれぞれの立場で有利な方を主張されますから、やはりその辺の調節をとりながら、国民の納得の得られる調査方法を決めていきませんというと、私どもの給与勧告がいろいろな方面に使われておるということもあり、また、私どもの層は大体税金で賄われているということもございますので、その辺のこともいろいろ考えながら持っていかなければいかぬので、毎年苦心しながら考えておるわけでございます。  御趣旨のように、意見聴取制度についての公制審の御意見もございますので、特に専門の参事官も設けていろいろ意見を聞き、それらの意見のございましたものは全部院議に、こういう意見がございましたということを書類にいたしましてずっと一覧表でお目にかけて、御審議いただいておるようにさせておるところでございます。また、その時期には十分よく意見を聞きながら運営してまいりたいと思っております。
  202. 中路雅弘

    中路委員 時間が限られていますので先に進みますが、もう一つ、いま大きい問題になっています中だるみに関する問題について幾つか御質問したいのですが、これも表で見ますと、行(一)のたとえば各等級別の間差を見ますと、間差減額対象者ですね、それと、第二双子上位該当者は、五等級、六等級の場合、これを在籍者数に対する比率で見てみますと、この両者の合計で、これは七五年の資料ですが、五等級で八九・一%、六等級でやはり八九・五%というふうに最も高くなっています。また、これを六五年に比べても、その比率は大変ふえていますし、これを見ましても、行(一)の五等級、六等級の高位号俸に格づけされた者がふえていて、昇格の頭打ちがはっきりとこの表の中にも出ていると思います。しかも人員で見ますと、ここにその圧倒的部分が集中しているという状態になっていますが、この点も、先ほど御質問しました特権の優遇ぶりと比べて、見過ごすことができない問題だと私は思います。このような問題について、現状を放置しておいていいかという問題ですが、どのようにお考えですか、今後この改善について……。
  203. 茨木広

    ○茨木政府委員 この点については、昨年あたりからこちらの委員会でもいろいろ意見を申し上げておるわけでございますが、ことしの俸給表の改善でも、相当中堅層の改善に重点を置いておるわけでございます。昨年度もそうでございましたが……。そういうことで、ことしなんかは、特に各等級の各号俸の引き上げ率がほとんど類似の引き上げ率になるというようなかっこうをとっておるわけでございます。それからもう一つそのほかに、毎年俸給表の等級別の人員分布がどういう号俸に分布しておるかということを院議で御検討いただきまして、そのピークのところがどういうずれを示しているかということを見ながら、号俸延長のようなものもやってまいっておるわけでございます。号俸延長をいたしましたり、それから昇給間差額のいわゆる折れ曲がりと申しますか、そういうところを起こしてまいったりというふうにしながら、この俸給表というものを改正する案を御提案申し上げておるわけでございまして、そういうことで、中堅層というものについてはずいぶん配慮をしてまいったわけでございますが、ただもう一つ私どもとしてやはり見解がございますのは、総体が比較較差の中の配分になりますから、初任給とまたこの中堅層との間の配分をどうするかということが、大変組合の内部でもいろいろことしあたりも御議論があったようでございますが、私どももやはりそういう目で見まして、いろいろ考えていかなければいかぬ問題があるというふうに考えております。ことしも、昨年の際の附帯決議の問題もございまして初任給にもある程度配慮しなければいけなかった点もございますが、事情の許す限り中間の職員のところに配分をしてまいるということで、六等級、五等級、四等級、この辺にも相当手厚い配分をやった結果が、先ほど申し上げましたような各等級内の各号俸ごとにほとんど類似の昇給引き上げ率になったというようなことに相なっておるわけでございます。したがって、たとえば例示をいたしますと、五等級と四等級の俸給表の構造を比較していただきましても、五等級のある号俸と同じ金額のものを四等級のところで吟味していただきますとわかりますように、引き上げ額では五等級の同じ金額の号俸のところの引き上げ額の方が大きくなっておるというような限度のところまで、そういういろいろ処遇を考えた俸給表構造を御提案申し上げた次第でございます。
  204. 中路雅弘

    中路委員 いまの問題をもう一つ間差率で見ても非常にはっきり出てきていると思うのですね。四、五、六等級の間差率を行(一)の各号俸別に見ますと、四の十五、それから五の十五、六の九以降になりますと、級別の平均間差率をずっと下回ってきているわけです。しかも構成で見ますと、ここの四、五等級などこの部分に職員が集中しているということで、この間差率で見た場合でも中だるみが四等級、五等級にきているということも非常に明白な事実で、統計で出てきていると私は思いますので、やはりこの点の大きな改善がぜひとも必要だと思うのです。  こういう問題に関連してきますけれども、幾つか例で質問を続けていきたいと思います。  先ほどの特権と一般職員との問題にも関連しますが、昇格で見た場合、たとえば特権と一般職員の昇進の実態をある省の例で見ますと、上級・高文の事務系をとってみますと、二十四歳、経験二年で係長、それから二十八歳六年で班長、三十六歳十四年で課長、四十八歳二十六年で局長、五十歳二十八年で次官になっているわけですが、一般職職員の場合、男子をとりますと、早い者で二十八歳十年で係長、遅いのになりますと三十六歳十八年で係長、班長になれるのは早い者で三十九歳二十一年、遅いのになりますと四十四歳二十六年もかかっているわけです。しかも課長以上には上がれないという状態ですし、女子になりますとその差別はもっとひどい。三十九歳二十一年でやっと係長になれるだけで、それ以上には上がれないようになっているわけです。こういった昇格の格差、非常に大きい格差がつけられていますが、こういった問題についても抜本的な改善の検討が必要ではないかと私は思いますが、この点についてもひとつ御意見をお伺いしておきたいと思います。
  205. 茨木広

    ○茨木政府委員 ただいまの問題は、給与上の問題というよりも任用上の問題だろうと思いますが、先ほどもちょっと触れたと思いますけれども、入り口がいろんな種類があって、やはりそれぞれの役付段階等から順次その力量を見ながら上げていっておるわけでございまして、その辺のところは、幹部養成と申しますか、そういうものをどう考えていくかというそれぞれの省の御方針もございまして、一律にどうこうというふうに給与上の問題からだけこれを論ずるというわけにはまいらぬ問題だろうと思います。実態としましても、先ほども申し上げましたように、それぞれ人の力量によって、初級で入りましても上に上がる方もあれば、中級、上級で入りましても途中で足踏みするというのも実態でございまして、やはりそこは各省ごとにそれぞれ人材抜てきという気持ちで人事を運用されておるものだというふうに考えております。
  206. 中路雅弘

    中路委員 これは私は総裁にも少し答えていただきたいのですが、一般職給与が適用されている職員の採用年次別の構成の表を見てみますと、終戦後大量の職員が採用されたわけですが、これらの職員の人たちは戦後のあの混乱の時期に行政を支え、また今日の行政水準をつくり出してきた中心でありますし、また今日でも中堅職員として行政を支えている人たちだと思うのですね。これらの職員が大体四十歳から五十歳の間に集中して大きな山をつくっているわけですが、先ほど幾つかの例で挙げましたが、これらの職員の人たちが現行の職務給の体系のもとで大体行(一)の五、六等級、行(二)の二、三等級の高位号俸に格づけされたまま放置されているというのが現状だと思うのです。人事院もこの山を切り崩すためにいろいろの方策を考えられているわけですが、たとえば定年制の導入の問題だとか、退職勧奨の運用の強化だとかありますけれども、私は、この職員の待遇改善の問題というのは、たとえばこういう方法ではなくてもっと根本的な改善が必要なわけですし、たとえばポストをふやすというだけでは、ポストをつくって救済措置をとるというのには余りにも多くてどうにもならないというのが現状だと思います。思い切ってやるとすれば、十年くらいの時限立法で暫定定数を設ける以外に解消の道はないと思うのですが、これは人事院としても大きな決断を要する問題だと思いますし、そう簡単なことじゃないと思うのです。このいわば中堅職員の中だるみ、この是正についていま特段の配慮が必要になってきていると思うのですが、この問題についてひとつ総裁から具体的なお考えをお聞きしたいと思うのです。
  207. 藤井貞夫

    ○藤井政府委員 職員の構成の問題の中でいま御指摘になりました点は、これはわれわれも大変重大な関心を持って対処をしてまいらなければならぬ問題であろうかと思っております。ただ、その点は、ただ単に給与だけというようなことで処理のできる問題でもございません。しかし、また他面そういう構成の中で、非常に集中してきている、たくさん集まっているというものにつきましては何らか根本的な対策というものも並行して考えていかなければならぬということがございます。しかしそれらの点につきましては、われわれといたしましても、中だるみの解消のためだけということではございませんが、たとえば五等級にいたしましても、主任制度というものを設けて、そこへ抜けていくような方策を、われわれとしてはできる限りの措置として考えて運用しているというような面もございます。それと別問題といたしましては、いまお話しにもなりましたような定年制の問題等含めまして退職管理の問題、あるいは勧奨退職の問題、それらの点もひとつ並行いたしながら考えていかなければならぬ問題であろうかと思っております。われわれといたしましても、この問題は放置をいたしてよいというふうに考えておるわけではございませんで、いろいろな角度から検討を加えて、できる限りの配慮を将来ともども考えてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  208. 中路雅弘

    中路委員 私はこの問題と関連して、まだ行(二)の問題や男女の差別の問題ですね、取り上げたいと思ったのですが、防衛庁職員の問題もきょう一緒に審議をするというお話で、これはどうしても一言物を言わなければいけないと思っていますので、ちょっと先へ進みますが、「国家公務員給与改善に関する要望」というのが、五十年の七月四日に各省庁の人事担当課長会議ということで要望書が出されているわけですね。この要望書を見ますと、具体的に提起されていますが、   さきに当会議は、「人事行政に関する関心事項」において、職員構成上のひずみを指摘し、その適正化のための整合性ある人事施策の実施を求めたが、現に存在するひずみに対処し多数の職員勤務意欲の維持、高揚を図るためには、勤務条件の根幹をなす給与の面の充実、改善をゆるがせにはできない。当会議は、以上のような観点から、本年度の国家公務員給与に関する勧告に当って配慮されたい事項について、次のとおり要望する。」 ということで、具体的な要望が出ています。  一つは、俸給表の改善ですね。行政職俸給表(一) について   本俸給表適用職員については、中位等級(三〜六等級)に典型的にみられるように、中堅層職員の高位号俸化傾向が著しいので、職員構成のひずみが解消されるまでの間、昇進管理の適正化を図るため次の諸措置を実施すること。   ア 等級別標準職務基準の改訂   イ 等級別定数の改訂   ウ 号俸数の増加及び昇給間差額の拡大  それから、行政職俸給表(二)、すなわち行(二)について   本俸給表の適用を受ける職員の職務において経験や習熟度が果たす役割が大きいことにかんがみ、等級構成を簡素化するとともに、昇給間差額の改善、格付に当っての部下数の制限緩和等その処遇改善を図ること。 等の要望書が出ているわけですが、この要望書は各省庁の人事担当課長会議で決められた要望書です。私は先ほどから御質問で、また要望しているものとも関係があるわけですが、この給与改善に関する要望書について、皆さんの方でどのように検討されているのか、少し具体的にお伺いしたい。
  209. 茨木広

    ○茨木政府委員 人事課長会議の代表の方が五、六名参られまして、それぞれの要望内容について御説明なさいました。直接総裁等にお聞きいただいたわけでございます。  それらの要望の中で、実現できますものはそれぞれの段階で実現していくということで先ほどいろいろ——いま提案されております勧告の内容の中にも盛り込まれまして、先ほど言ったような、それぞれ四等級、五等級、六等級というようなところの俸給表の改善の考え方、あるいは号俸延長あるいは間差額の改善、そういうところにこの俸給表の方としてはそれぞれ取り入れられておるわけでございます。  それから、級別定数に関します御要望もございますけれども、そういうものはこれから予算時期にどう考えていくかということを検討をしていくということに相なろうということでございます。  それから、俸給表については、等級については今度は新設を一つ御提案申し上げておるわけでございますけれども、統合というような問題も出ておるようでございます。これはなかなかそう簡単にいく問題ではないので、一応いまの中ぶくれの人員構成の縮図的な意味で、いろいろな要望が出ておるというふうには考えておりますけれども、それぞれの関連事項ごとに決めさしていただいて、実現できるものから実現を図り、あるいは提案を申し上げておる、こういうことでございます。
  210. 中路雅弘

    中路委員 この問題と関連してもう一点だけお聞きしておきたいのですが、この要望の中にも行(二)の問題について、たとえば格づけに当たっての部下の数の制限緩和等処遇改善を図ってほしいという要望が出ていますが、昨日二十七日の国公労連との話し合い、交渉で、森参事官が出席されておりますが、行(二)の問題で部下の数で格づけを制限しているという問題に関連して、運転手に何人の部下があるかということが格づけの重要な要素になるというのは制度的におかしいのじゃないかということで、これは検討すべきであるという意見が出たわけですね。これはいまの人事担当課長会議の人事院への要望書の中にも出ておる問題ですが、この問題については、昨日は森参事官の方はほとんど説明できなかったというお話ですが、ことしの昇格の運用でこういう問題を検討されるのかどうなのか、この点をもう一点お聞きしておきたい。
  211. 茨木広

    ○茨木政府委員 その問題は、ここ二、三年、行(二)の関係の問題としては出ておる問題でございます。それは車庫長の問題でございまして、運転手そのものの問題ではないわけです。車庫長でございますから、その格づけをするのにどの程度の運転手さんを監督していらっしゃるか、こういうことでございます。それで一等級、二等級等に格づけになっておるわけでございますが、特一ができましてから、順次きわめて大きなところは特一にいたしていくというような運用で、これもやはり先ほど行政職の(一)の俸給表の運用で、こぶが七から六、五と上がってきたということを申し上げましたけれども、特一新設に伴いまして、順次ずり上がるような運用をいま図りつつあることは御案内のとおりでございます。  当初は、特一等級のところで、いろいろな職種を含めてでございますけれども、百五十人から二百人ぐらいの人数をそこに出していく。今年度は三百人程度まで合計で出していくというような運用をいまやっておるわけでございます。来年度のものをこれから折衝するわけでございますが、何人出すかということはまだ決めておりませんけれども、その辺の全体のはまりぐあいを見ながら、順次俸給表として完了をやっていかなければならぬ問題でございますが、よく考えながら検討してまいりたいと思っております。  ただ、資格基準表の方の表現の仕方といたしましては、行政職(一)の方は、係長とか課長補佐とか課長とかいうような感じで職務の難易度というようなものを中心に表現をしておりますけれども、行政職(二)の方は、たとえば運転手さんでございますと、何年経験年数たちましても同じ運転手でございます。そういうようなところから、そういう意味の熟練度だとか部下の数だとか、行(二)になじむ表現をとりながら文言をうたっておりますので、そういう文言になっておるわけでございます。  しかし、実際問題としましては、その辺の運用上の調整は、やはり実際の人事のぐあい等見ながらよく相談をしてまいっておる、こういうところでございます。そんなことで考えたいと思っております。
  212. 中路雅弘

    中路委員 時間が七十分という約束で、あと十分余りしかありませんので、きょうは週休二日制の問題で少し時間をかけて前回に続いてお尋ねしたいと思ったのですが、ちょっと質問の中に入れるわけにいきませんので、防衛庁長官もお見えになっておりますので、先に防衛庁職員の問題で二、三お尋ねしたいのですが、私たちは、今度予算委員会中でも、いままでの慣例とは違いますが、恩給だとか公務員の給与、こういった生活に直接関連ある問題は何とか早く上げたいという御相談で、委員会を開くことにも承知をしたわけですけれども、この防衛庁職員の問題は、人事院勧告に基づく給与改善ですね、それがまたそのまま防衛庁職員の方へ適用されるということだとすれば、自衛隊に対する私たちの考え方は違いますけれども、家族を含めた生活の問題ですから、前回の場合もあえて積極的に反対をするという立場はとらなかったのですが、今回の場合は新しい問題が加わっているわけなんですね。だからこういう問題を一般職員の問題と一緒に論議をするということには、私は賛成できかねたんです。  まず最初に、営内居住者に対する食事代補助の増額分を本給に繰り入れ、食事代を実質的に無料にしていこうというものですが、これで完全に潤う対象者はどれぐらいで、またこれに要する経費について本年度はどれぐらい、それから平年度はどれぐらいになるのか、まずその点からお聞きしたい。
  213. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 本件改善措置の直接の対象になりますのは、十二万の自衛官であります。それから本件改善措置に要します経費は、本年度は、来年二月からという提案でございますので、これは三十八億円でございます。それから現在のままのベースでこれを来年度の平年化で申しますと、約百八十億円でございます。
  214. 中路雅弘

    中路委員 営舎内に居住する曹士の俸給月額を五十一年二月から一律に九千七百円引き上げるという中身でありますけれども、これによって自衛官の五十年度の俸給月額の引き上げ率、それから五十一年二月以降の引き上げ率はどれぐらいになるのか、率でわかりますか。
  215. 今泉正隆

    ○今泉政府委員 今回の提案の引き上げで、まず来年一月末までの上昇率は約一〇・三%、それから来年二月一日以降はいま申しましたさらに引き上げがありますので、自衛官全般で約一七・四%であります。
  216. 中路雅弘

    中路委員 五十一年二月以降一七・何%というふうにいまお話しになるわけですから、これは一般職を大幅に上回ることになると私は思うのです。その点で先ほど大出委員の質疑もありまして聞いていましたら、たとえば船員ですね、いま船員なんかは食事代もみんな見ているんだとか、それから研修費ですか、その話も出ましたね。どなたか、研修に旅費を払うというようなことが上がってきましたけれども、しかし今度の場合はそうじゃなくて、本給への繰り入れですね。だからそれはまた諸手当にはね返ってもくるわけですし、一般職と比べても対応がそれよりうんと引き上がるということになるわけです。たとえば、いろいろ理由はつくでしょうけれども、食事の分、営内の分を見るんだということで食費分としてまたその分を出されるなら、船員が航海に出ておる間に食費を見るというのと変わらないわけですけれども、その分を本俸繰り入れになりますから、全体としてそれが諸手当にもはね返って、給与体系そのものがそれによって変わってくるということですから、私はこの問題は食費を実質的に見るんだというだけじゃなくて、このことによって自衛隊職員給与一般職の人たちに比べても大幅に上回る、率直に言って優遇措置ですね、一つの目玉といいますか、こういうことで出されてきたんだというふうに理解せざるを得ないわけです。先ほどの御質問のように、給与の問題の観点じゃなくて、はっきりと自衛隊の優遇措置の一つの案だというふうに、出されるとすれば、率直にそのように提起をされた方がいいんじゃないか、それについての賛否の問題はありますけれども。そうしないと、給与の問題の枠で論議をしていると、さっきのような混乱した意見がいろいろ出てくるんじゃないかと私は考えるのですが、率直に言って、今度の処置が一つは営内居住の自衛隊員の優遇措置として、皆さんの自衛隊に対する対策の目玉として出されてきたのだ、そのように理解した方が率直でいいんじゃないですか。そういうことなんでしょう。長官、どうですか。
  217. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 お答えいたします。  その点は、先ほどもお答えいたしましたが、確かに現在営舎内の食事が実質有料でありますものを無料にするという意味では優遇でございます。ただ、先ほども申しましたように、現在食事を有料にいたします方式は、一般職に準じまして自衛官の俸給を決めます。その決める際に、あらかじめ差し引いて額を決めている。したがって、優遇の方法としては、俸給を上げる、言葉をかえますと、一たんこれまで引いておりますものの大部分をもとに戻すという方式しかとれないわけであります。それから実質的内容におきましても、先生もいまおっしゃいましたように、たとえば乗り組みを命ぜられている船員あるいは海上保安官、あるいは私のところの幹部自衛官、海上自衛隊の乗り組みを命ぜられている幹部自衛官、そういった者は実質的にそういった際の食事が無料であるということと比べますと、度の過ぎた処遇改善ではないという点で妥当なものであると思っておるわけであります。
  218. 中路雅弘

    中路委員 これは私は長官にお聞きしたいのですが、営内の居住者は住居、衣服等は給与されているわけですから、それで今度食費も見ようということで、明らかに防衛庁の隊員に対する優遇、改善の処置であることは間違いないわけですし、いまの時期に一般職職員との対応関係を崩してまで、いろいろ理由はあると思いますけれども、さらに特別に優遇をしていくということ、しかもこれは二月から実施をされるということで、いまの民間の給与状態やあるいは経済情勢から見て、今次の改正案にこれを盛り込むという緊急性といいますか、二月、三月からどうしてもこれを盛り込んでいく、そういう緊急性がどこにあるのか。特に補正予算でも財政困難だということでいろいろ縮減をされる検討をされているという中で、あえてこの問題を二月からどうしてもということで出される緊急性といいますか、一般職員との対応も考えると、この点について私は賛成できないわけですけれども、長官の方から、この問題をいまの時期にどうしてもこの改正案の中に織り込んで出されたという理由、それについて一言お聞きしておきたいと思います。
  219. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 私、防衛庁長官になりまして、防衛庁職員給与制度等研究調査会、この中間報告で、特に本答申を待たずして緊急にやるべきであるという御答申も受けたわけでございます。それからもう一つは、本年度の予算を策定いたしますときに概算要求が出ておりましたので、どう考えてみましても法律で居住を拘束されておるというのはほかの職種にはない、この点をわれわれ重視いたしまして、それからまたもう一つは、これをやることによってはなはだしく他官庁の職員等に影響を与えるというようなことがあってはならない。それからいま一つは、たとえば光熱、水道、トイレットペーパーというものすらも引かれておるということで、やはり名実ともに実質的に食事代がただだということにするのが素直だ、こういう観点からやったわけでございますが、何分にも大蔵省の壁が厚うございまして、私としては半年度分というふうに要求をいたしたわけでございますが、それが二カ月分ということにおさまったということでございます。
  220. 中路雅弘

    中路委員 私は、あえてこの時期にどうしてもということでこの改正案を出される緊急性という問題については納得できないわけですし、ぜひこの問題については検討をしていただきたいという強い意見を持っているわけです。それでなければ、職員給与法が一般職員の改善に応じた、対応した形の改善であれば、その点については、先ほど言いましたように家族を抱えた物価高の中の生活ですから、この改正案についてあえて正面から反対するという気持ちはないのですが、この問題については、いまここで問題を出された根拠についてどうしても納得できないという意見だけは述べておきたいと思うわけです。  時間になりましたけれども、あと一、二問だけ……。  週休二日制の問題について一、二点、簡潔にお尋ねしておきたいのです。試行基準案の提出の時期の問題ですけれども、これまで人事院の皆さんが九月中に出すとか秋に出すとかおっしゃっていましたし、ことしの八月の公務員共闘と人事院総裁の交渉の中でも、総裁自身が、九月中に基準案を示すという方針について、いかなる情勢の変化があっても既定方針で実施したいというふうに答えられておりますが、まだ出ていないわけです。余りぎりぎりになりますと、各省庁もいま検討がされているわけですから、試行計画が不十分なまま試行に入った場合にはその結果についてもいろいろ影響を与えますし、また各省庁がいま独自のテストの計画も進めているわけですが、最後の詰めの段階になると、人事院の基準案が出てからということで最後の段階に踏み込めないという状況にあるわけですね。その点で一点、まずお聞きしますが、人事院が試行基準案の提出時期を明確にすべきだと私は思うのですが、いつ、お考えになっていますか。
  221. 藤井貞夫

    ○藤井政府委員 先刻もお答えをいたしたところでございますが、現在各省庁あるいは職員団体関係と緊密な連絡をとりながらいろいろ具体案について調整をやっておるわけであります。私の当初の予定よりは若干その作業が手間取っておるということは事実でございますけれども、テストの実施は来年からという一つの時限がございますので、それとのにらみ合わせで、できるだけ速やかに試行基準案というものを作成して正式に各省庁にお示しをしたいと思っております。実際上の作業は何回もやっておりまして十分連絡がとれておりますので、試行基準ができますならば、それに基づいて具体的な各省庁の案もそれほど長期間を要せずしてでき上がるものというふうに期待をいたしております。
  222. 中路雅弘

    中路委員 もう一点だけお聞きしておきます。  先日も、月二回、一〇%程度の職場または職員で実施するというような話が出ていますけれども、一〇%程度ということになりますと、平均しますと、一人、五カ月に一回休日がふえるだけじゃないかという意見もありますし、年休の転用にはよらないということをたびたび言明しておられますけれども、これでは実質的には年休の計画的な転用と同じじゃないかという意見もあります。制度的には職免ということを考えておるようですけれども、実質的にはいま言ったような現状で、職免を年間二、三日ふやすだけじゃないかというふうにも私は思うわけなんで、この問題については改めて撤回をして、検討し直していただくというのが、これを進めていく上で大事じゃないかというふうに私は思うのですが、事務総長ですか、一〇%という発言がありましたけれども、この問題についてもう一度検討し直していただくという問題ですね、ひとつ総裁から御意見を伺っておきたいと思います。
  223. 藤井貞夫

    ○藤井政府委員 これも先刻も申し上げたところでございますが、ある段階において一割という線を出したことは事実でございます。しかしこれが最終的なものではございません。私といたしましては、なおこの点については、それにこだわらず各省庁と調整を図っていきたい。いまここでどのぐらいにするかということは決めておりませんので、もうしばらく時日をおかし願いたいと思います。
  224. 中路雅弘

    中路委員 では終わります。
  225. 藤尾正行

  226. 受田新吉

    受田委員 国務大臣が一人残っておられますので、まず国務大臣に質問をいたします。  坂田生先、陸上自衛官が海上自衛官あるいは航空自衛官になる場合はどういう場合でございますか。
  227. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 お答えいたします。  きわめてまれな例でございますけれども、たとえば幹部候補生になります場合に、陸上自衛官から海上自衛官に転官を希望する、逆のような場合もありますが、ほとんどそういった例は現実にはございません。
  228. 受田新吉

    受田委員 海上自衛官から陸上自衛官、航空自衛官になる場合は同じですか。
  229. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 同じでございます。これは各自衛隊の自衛官、それぞれ職種がございまして、非常に下位の階級の場合にはそういうことも実際不可能ではありませんけれども、それまでの経験等からして、転官と申しますか、自衛官になることはきわめて至難なことです。
  230. 受田新吉

    受田委員 防衛庁長官、あなたの各幕傘下にある自衛官が、相互に入れかわることが可能であるというこです。そういうことをあなた御存じでしたか。初めて聞いたか、御答弁を願います。
  231. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 初めて聞きました。
  232. 受田新吉

    受田委員 防衛庁職員給与法の第五条にそのことが明確に書いてあるのでございます。これは実際問題として、どういうふうにその実例があるすかないか、例示していただきたいと思う。いいでか。幹部候補生ということになって、陸上自衛官が海上自衛官あるいは航空自衛官になる、また航空自衛官あるいは海上自衛官が同様のことになるというのは、いまの幹部候補生——幹部候補生という表現ではこれは納得できないのです。
  233. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 突然のお尋ねで、記憶に定かでない点はありますが、かつて、防空上の観点からナイキは航空自衛隊、ホークは陸上自衛隊が担当しておりますが、そのナイキ、ホークの兵器体系を入れました際に、航空自衛官が陸上自衛官に、陸上自衛官が航空自衛官になった例がございます。
  234. 受田新吉

    受田委員 それは部隊編成の異動によって、つまりナイキ、ホークが航空か陸上かという所属、これはアメリカと日本はちょっと違っておるが、それが陸に属するか空に属するかで、途中で体制を変更するという場合に起こる問題ですね。
  235. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 そういった要請もありましたが、防空について陸上自衛隊と航空自衛隊とが協力の度合いを増すという意味での人事交流的な意味もあったように記憶しております。
  236. 受田新吉

    受田委員 そうしたら、海上はどうですか。海上が陸上とか航空とかいうものはどうなんですか。
  237. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 海上自衛官が陸上自衛官あるいは航空自衛官になった例は記憶しておりません。ないのではないかと思います。
  238. 受田新吉

    受田委員 そうしますと、実際に防衛庁職員給与法なるものがせっかくできておりまして、そして給与法の第五条に明確に「陸上自衛隊の自衛官が海上自衛隊の自衛官若しくは航空自衛隊の自衛官となり、海上自衛官が陸上自衛官若しくは航空自衛官となり、又は航空自衛官が陸上自衛官若しくは海上自衛官となった場合」とちゃんとここにあるのですけれども、これが海上の場合は死文化しておるわけですね。
  239. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 現在、死文化ではありませんが、不可能ではありませんので、さっき私が申しました幹部候補生などの場合にありますが、この条文は航空自衛隊が発足いたしましたときに、陸上自衛隊あるいは海上自衛隊から航空自衛隊へというような場合に非常に有効な規定だと思います。
  240. 受田新吉

    受田委員 すでに発足は終わっておるのです。そしてもう固定化したのです。それが海が陸にかわったり空にかわったり、途中でそういうことをやると指揮命令系統も乱れてくるし、たとえばホークとナイキの部隊が陸に属するか空に属するか、その場合は特例ですよ。原則的な規定がここに生きておるのです。つまり、陸が空になったり海になったり、海が空になったり陸になったり、今度は空が陸やら海へ行ったりするようなことがいつでもできるような原則的な規定がここにあるのがおかしいじゃないですか。そういうことは陸海空の分別が明確でない。
  241. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 その点では、先ほど私が申しましたように、幹部候補生などになります場合にわずかではありますが例がございますので、そういった場合に、同一階級で、対応する号俸でかわれるということを述べておるという意味で、非常にわずかながら意味があろうかと思います。
  242. 受田新吉

    受田委員 最近は海からかわったのはおらぬというお話でしたね。スタート当時しかない。ところが、これは今後どういう場合が予想されるのですか。これは大体陸の系統と海の系統と空の系統とぴしっと分かれておる。それは連合作戦をやるときは、またそれは作戦上の連合であって、指揮命令系統というのはそれぞれ分かれている。それがいつでも入りまじれるような規定がそこに書いてある。これは特例か何かでやるのなら別ですけれども、原則的な規定の中にあるのもちょっとおかしいじゃないですか、もう済んだんだから。
  243. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 その点では、確かに先生のおっしゃるとおり、原則的にはない規定でありますけれども、最近の例で、実はこれもわずかな例でございますけれども、婦人自衛官が陸上自衛官から海上自衛官になったという例がございました。たまにしか起きないのですけれども、そういった場合にこの規定があるために円滑転官できるというわけでございます。
  244. 受田新吉

    受田委員 だからこれは例外的な規定であって、原則的な規定じゃないわけなんですね。それがこういう原則的な規定としてここに挙げてあるというところに一つの問題があるわけです。これはひとつ検討してもらいたい。この条文だけから見ると、陸海空いつでも入りまじってやれるようになっておるわけです。  それから、参事官あるいは事務官が自衛官になった最近の例がございますか。
  245. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 最近では例がございません。
  246. 受田新吉

    受田委員 それから、自衛官が参事官あるいは事務官にかわった事例が最近ありますか。
  247. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 これはときどきございまして、停年で退職しました自衛官のうち、きわめて特技を持っておる者を、その特技を買って引き続き技官として任用するというような事例はときたまございます。
  248. 受田新吉

    受田委員 「参事官等が事務官等若しくは自衛官となり、」参事官等が自衛官となるということがあり得るんですか。ないんならないで、こういう規定は外した方がいいですよ。
  249. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 参事官等が自衛官になるという例は、最近ではほとんどございません。ただ、事務官になる例は、たとえば内部部局から付属機関にかわりますと、これは参事官が事務官になるという例はしばしばございます。
  250. 受田新吉

    受田委員 そこで、ここに明確に、防衛庁職員給与法第五条に「参事官等が事務官等若しくは自衛官となり、」とあるのです。だから、参事官等が自衛官となる規定がここにあるのです。参事官等が自衛官にならないのなら、またこれをしては指揮命令系統上適切でない、文官と武官との混同になるということであるならば、参事官等が事務官等になるということならそれはいいけれども、「若しくは自衛官となり、」という参事官が自衛官になるという規定、事実問題として今後やらぬのなら、これは削除した方が明確になるのですよ。文武の別を明らかにする。参事官等が自衛官になるとすれば、参事官のところまでいっておれば、少なくとも自衛官の一佐もしくは二佐ぐらいのところへ突然持っていかなければいかぬわけです。  参事官は等級で言うとどこからどこまでか、ひとつ……。
  251. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 参事官は指定職でございます。
  252. 受田新吉

    受田委員 全部指定職。それが自衛官となるという場合がありますか。
  253. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 かつて防衛庁の内部部局の官房長が航空幕僚長に転官した事例はありますが、最近ではございませんし、近い将来にも恐らく考えられないと思います。
  254. 受田新吉

    受田委員 以前は、前の統幕議長は文官からかわってきた人だから、そういう道がスタート当時にはあった。しかしいま、指定職になった参事官が自衛官になるというならやはり一佐じゃない、陸将か海将か空将かにならなければならないが、急に局長が空将になってうわっというわけにいかぬじゃないですか。もうこれは今後——坂田長官、参事官等が自衛官となるという規定が給与法に生きておるのです。そういうことは、あなた、いま思われてもおかしいでしょう。指定職の参事官が今度自衛官になるといえば、大佐や中佐じゃだめなんですよ。やはり将補でなくて将ですよ。将になるということが実際あり得ますか、長官。あり得ないでしょう。ここにあなたの内局の人が、今度各幕の将になるというようなことができますか。事実問題は局長さんどうですかね。
  255. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 ほとんど考えられません。
  256. 受田新吉

    受田委員 考え得る場合が例外としてありますか。
  257. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 きわめて特殊な場合にないかと言われますと、それはないとは言えませんが、しかしこれだけ定着といいますか、歴史ができてきました場合に、ちょっと考えることはできないと思います。
  258. 受田新吉

    受田委員 局長さんが空幕の幕僚長になるというようなことが考えられますが。訓練も得ていない、教育も受けておらぬ。あなたがいま急に自衛官の陸将の制服を着ていばったって、敬礼の仕方からわからぬでしょう。事実問題であり得ぬことですよ。参事官等が自衛官となるということはあり得ぬことです。あり得ぬ規定は法律改正すべきですよ。これは非常に奇妙な規定がここに残っておるんです。参事官等が自衛官になるという、スタート当時の規定をそのままに残しておるからこういう問題になってくる。これは長官、防衛庁は、内局の指定職の参事官の皆さんが各幕の将になるというあり得ぬことを——それは将以下じゃいかぬのだよね、やはり将でなければいかぬ。それは事実問題として文武が混同しますよ。統制が乱れる。そして、内局におった、仕事的にはだらしない生活をした——大変失礼だけれども、朝寝はゆっくりするし、マージャンはやる、焼き鳥屋へは行くような訓練を、そういう面では得ておられるかもしれぬが、昼夜を分かたざる勤務をされるところへは、お互いそういう平素の文官の生活をした人はなかなか行けませんよ。これはぴりっとしたところに急には行けませんよ。行けないようなことなら、この規定を削除せねばいかぬ。参事官等は自衛官となるということはやめる、こういうことをぴしっと、この法改正を提案しておきます。
  259. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 ただいま先生、参事官が将になる例を言われましたが、もっとも「参事官等」という中には部員まで実はございます。たとえば、考えられる例で、内部部局の衛生関係の部員が衛生関係の自衛官になるということは、最近例がありませんけれども、若干考えられないでもありません。が、いずれにしましても、御指摘になりました点はじっくり検討さしていただきたいと思います。
  260. 受田新吉

    受田委員 局長さん、「参事官等」、参事官がついておるんですよ。部員ならいいよ。部員等がというならいいがね、「参事官等が」自衛官となるという規定ですから、これは問題ですよ。部員は指摘されたが、参事官が上についておるでしょう。だから、それをひとつ研究していただく。  長官、私、中路先生がいま指摘された問題は逆の考えを持っているんです。自衛官の待遇を改善して職務に精励してもらう。これは非常に大事なことだと思っております。特に士曹の階層にある皆さんは、自衛隊に入隊以後、日なお浅くして、しかも特別の訓練を受けて、昼夜分かたざる苦労をしている。これまた自由がきかない生活。あの年齢であれば、一般の公務員なら、きょうも焼き鳥屋へ行こう、マージャンをしても——自衛隊の中でマージャンは頻繁に行われておるのかどうか、ちょっと……。
  261. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 勤務場所であるところではマージャンは禁止しておりますが、たとえば隊員クラブのようなそういう娯楽的な施設の中では禁じておりませんし、現実にやっております。
  262. 受田新吉

    受田委員 それからゴルフへ行けますか、どうですか、自衛隊。
  263. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 勤務時間外であれば、また営舎外居住の自衛官であれば、外出のときであればそういうことをやることも差し支えありません。
  264. 受田新吉

    受田委員 週休二日制が自衛隊に施行された場合に、自衛隊はどういうことになるのですか。
  265. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 これはいろいろの態様がございまして、内部部局に勤務するような者は、一般の官庁にほぼならえばいいことだと思います。それから自衛隊の一般の部隊では、これは訓練、演習その他からして、確実に毎週週休二日ということが、五日勤務して二日連続して休むということが必ずしも確実にできるかどうか知りませんが、年間を通じてそういった方向へ持っていくということは可能だと思います。  それから、これは自衛隊に限りませんが、交代制勤務で、勤務としては四六時中やっている部署、たとえばレーダーサイト、そういったところでは週休二日に移行します場合にいろいろ問題はあると思いますが、しかしそれじゃ不可能かと言えばそうでもないと思います。
  266. 受田新吉

    受田委員 非常に問題があるわけです。週休二日制の実行は。いま人事院が、目下テストの答えをどうするかというところでさっきから論議されておるような問題は、自衛隊にはこれは非常にデリケートな問題があると思うんです。週休二日が施行される場合に、自衛隊にいかにこれを施行するか。事実、いつ急迫不正の侵略があるかもしれない。そういうときに、週休二日制を実行中に急迫不正の侵略があったときにはなかなか間に合わぬということもあるというようなことで、自衛隊では週休二日制についても特別な御苦労があると思うのです。そういう、つまり常時昼夜を分かたざる勤務をしなければならぬ形態が自衛官なんです。確かに自由を束縛されておるのです。自由を束縛されて、国家、国民のために勤務しているのが自衛官であるとなるならば、国土、国民を守り、その上に立って自由を束縛して奉仕しているという人に対して、その待遇を大いに優遇してあげることは、これは当然のことです。したがってその待遇を引き上げる、つまり教職員、教育という崇高な仕事、その方々に対する人材確保法というものが施行された、自衛官もまた生命をささげて国土、国民を守る職種であるということであれば、それに相当する待遇をしてあげること、これは当然です。その待遇の仕方が実物支給、現物支給というようなかっこうでいく場合と、給与でいく場合とがあるわけだ。そして被服は、三尉以上は被服はあれは官給ですかね、そうなっていたんじゃないかね。
  267. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 三尉以上は、任官した場合に一回限り官給でありますが、それ以後は自弁ということです。
  268. 受田新吉

    受田委員 一回限り官給というのがある。それからそれ以下の者は貸与、借るのです。そういう一つ優遇方法がある。それから食費というものをどう計算するかというのが今度問題があるわけなんです。私、これはやり方としてはいろいろ問題があるが、実際に給与を高めるという点において、九千七百円というものが一律に、食べるのは位がどうあろうと同じほど食うわけですから、位が上へ上がるほどよけい食うような自衛官というわけにはいかぬです。食費は全く同格、九千七百円、これはこのままでよろしいという意味で、営外居住者との調整も一応図っておるという点で、私この案を一応肯定します。が、これよりももっとまだ別の方法で自衛官の処遇改善してあげる方法はないのですか。
  269. 今泉正隆

    ○今泉(正)政府委員 もちろん、こういった以外に処遇改善の、考えなくてはいけない方法がずいぶんございます。たとえば、自衛隊はまだ発足後二十年しかたっておりませんために、官舎などにおいて他の官庁に比べて非常におくれております。今後はまた、営舎外居住の自衛官の官舎といった面でも大いに努力をしなくちゃいかぬと思います。
  270. 受田新吉

    受田委員 宿舎が余りふつり合いに悪いです。これはわれわれが内閣委員会で各地の自衛隊の施設を拝見しても、もう往年の、戦前のあの惨めな寝台などを拝見をさしていただいておる。人間らしい寝台じゃないのです。こういうところは、とにかく自衛官の誇りを感じて勤務される皆さんに、日常の生活にもどこかに人間らしいものを与えてあげる必要があるという意味で、今後そうした現物支給等をさらに住宅等にも振り向けて、あるいは営外居住者などは住宅が完全に満たされるというような、それは何といってもいい個所へ——何年も何年も長期にわたって、しかもそれは町場でなくして町外れで遊び場所はまことに少ない、焼き鳥屋へもなかなか行けないようなところに勤務される人がたくさんあるわけです。そういうことも考慮して、自衛隊の特殊事情に基づく処遇改善というところでやってあげる。いまや自衛隊もようやく公務員の中へ定着して、国民的規模で御苦労さまというところにきておるし、また災害出動等では非常な貢献をしておる自衛隊であるということです。長官構想の中に、そうした災害出動等を自衛隊の最も主要な任務に持っていきたいというような、サービスというものでなくして本質的な任務だという構想をお持ち——私この問題は、かねてから私自身からこの委員会でも何回か提案した問題であります。そういう問題といよいよ取っ組もうという、量よりも質、質をしっかりして、隊員の数をふやすよりも隊員は少なくして内容を充実していくという、九千師団を七千師団にするなどという提案も何回かしたわけです。そういう方向へ漸次前進しつつあるやに承っておりますので、増強でなくして内容を充実するという方向へチェンジするとなれば、これは国民の支持がまた大きく起こると思うのです。長官、そういう構想の転換をあなた御自身がいまされつつある。量よりも質、質的転換、そうして国土、国民を守る自衛官として国民が——それは一部の反対はあります。けれども大半が、できるだけ多くの者がこれを感謝して迎えるというためには、そうした国民への奉仕というようなものの部位をうんと高めるということを含めた構想転換をお持ちと了解してよろしいかどうか。
  271. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 非常に御激励を賜りましてうれしく思います。  私も就任いたしましてから、本当に国民の中に溶け込んだ自衛隊の育成ということを一つの大きな柱に考えております。その意味合いにおきまして、正面装備も大切でございますが、同時に抗たん性、後方支援あるいは基地対策、そしてまた処遇改善ということ、これを重視していこうと、ポスト四次防につきましてはそういう考え方で、小規模ではあるけれども質の高い自衛隊をつくろうというふうに考えておるわけでございます。  特に御指摘のございましたように、世の中が非常に自由な社会になってきておる、その中において法律でもって二十四時間拘束されておるのはわが自衛官のみである、ここに私は着目をいたしたわけであります。お互い、いろいろ自由を拘束されるということがどんなにいやなものかということは痛感されることでございますが、そういう意味で、しかしながら職務として、しかも自衛官の一番下の階級の人で曹士、しかも士はほとんど全部、そして曹は半分という人が二十四時間拘束されておる、食事も一緒のもの、寝起きも一緒とこういうこと、外出についても、いろいろ普通の人とは違った制約を受けておる、こういうのはほかにないのだ、しかも有事の際においては、命を投げ出して国家、国民を守るんだ、こういうことでございますから、そういう人たちに対してやはり隊舎についても、私行ってみましたけれども非常にまた悪うございまして、一般の民間のいろいろな建物はよくなっておりますけれども、われわれの隊舎は非常に貧弱でございます。あるいはまた二段ベッドの解消を考えておりますけれども、まだまだそれも十分とは言いがたい状況にございます。しかも、そういう拘束された人たちに、せめて公務以外の時間、自由に団らんのできるような場所というものも非常に狭隘であるし、あるいは、私文部大臣をやりましたからわかっておりますが、小中高におきましては最近温水プールとかあるいは普通のプールとかあるいは体育館とか、かなりなところまで整備をされてきたわけでございますが、しかしわが自衛隊におきましては、僻陬地においてはことにございませんし、こういうようなこともおいおい充実していかなくてはならないのではないかというふうに私は考えておるわけでございます。  この問題につきまして、就任いたしまして答申も出ておる。それから、この委員会においてもそのような御指摘もあるということであるならば、ひとつぜひともこれをやり遂げたいということで、本年度の予算折衝におきまして大蔵大臣と折衝して、来年の二月から施行されるような三十八億の予算を認めていただいた、そしてまたこの法案を用意をしたということでございますので、どうぞひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
  272. 受田新吉

    受田委員 自衛官が外出してぴりっとした規律ある行動をしてくれることは、これは非常に国民にいい印象を与えるのです。だらっとした青年のとかく多くなりがちな中で、ぴりっとした行動というものは青年に一つの夢を与えるという意味では、自衛官がそうした一般社会に飛び出したときの態度など非常に大事なことで、その平素の訓練を、より対外的影響のある訓練をしっかり今後やってもらいたいということを感じるわけです。  同時に、その自衛官の中におかしな行動をして国民に迷惑をかけ、ひんしゅくを買うようなことが相次いでおることもこれは事実で、こういう者はやはり待遇をよくして任務を自覚せしむるそうした平素の教育が必要なんで、今後そういう者を、待遇の改善とあわせて、国民のひんしゅくを買うような自衛官を撲滅する。撲滅するということは殺すという意味じゃなくして、なくするという意味ですから、ひとつ長官、そこはあなたは一緒に考えなければいけませんよ。やはり自衛隊の行動が国民に与える影響は非常に大きいのです。だから、そこからまた国民に奉仕する自衛官ということになれば、また増強でなくして内容を充実する質的の転換だとなれば、自然に予算その他の困難な情勢の中で、自衛隊に対する、災害出動等の協力ぶりがより大きなウエートを占めることで、理解が加わってくるわけです。  私、あなたにきょう基本的な問題をお尋ねして、法律よりもちょっと逸脱したようなことになりましたが、もう一つ、今度は一般文民に関する給与の問題です。さっき中路さんから質問をされて、私も非常に共感を呼んだことがあるのです。それは行政各部の職員がエリートコースという皆さんに栄進が限られて、一般の多数の公務員の夢を抑えているという問題です。これは全く私同感なんでございますが、ちょっとここで人事院の定めた規則を例示してお尋ねをしてみたいのですが、この人事院規則九−八に等級別資格基準表がありまして、その行政職俸給表(一)等級別資格基準表に正規の試験、上級甲、上級乙、中級、初級、こうなっておりまして、そして学歴免許等で、大学卒、短大卒、高校卒、中学卒、それで、上級甲は職務の等級が六等級で零、五等級で五、四等級で九、三等級で十三、十三年で三等級ということ、上級乙は十五年で三等級、中級は十八年で三等級、初級は二十一年で三等級、しかも五等級あるいは四等級、三等級の各等級にとどまる年限は全く同じです。四年、四年、四年、全部四年、こういう規則をつくっておられる。  もしこれを忠実にやろうとするならば、いまのような大学卒、上級の甲だけが特に優遇されて、乙や中級、初級になると冷遇されるということが救われるわけです。そして、成績が優秀な者はその二割以内を短縮することができるという規定がある。そういうものが乱用をされるのが上級甲の人に多いんではないか。たとえ初級であっても、等級の五等、四等、三等に在職する期間は皆同じなんです。同じとおりにいくんなら課長以上に——もう初級の人はもともと高等学校出たらすぐやるんですから、大学出るまでは四年やっておるし、短大は二年やっておる、その上へ今度は上積みしていくんでありますから、そう大きな差がなくして——同じ等級には在職年数が同じなんですからね、結果的には三年か四年の差で課長にも局長にもなっていくべきじゃないですかね。それが上級甲だけを優遇していくものだから、そのほかの等級の者が事実問題として抑えられてきておる。精励恪勤しても上がとまっておる。それではもう職務に精励する意欲を失いますよ。初級でも中級でも、精励恪勤すれば課長にも局長にもなれる、そういう道を開いておけばみんな張り切ってきますよ、大多数は初級、中級なんですから。その初級、中級の職務精励意欲を喪失させるような——せっかく人事院規則がこういうようにできておるのに、この運用を誤って、各省の指導を誤って、結果的にいまのような一部の人だけが処遇を豊かにしてもらうというようなことになってきておる。これはもうこれをきちっとやれば、大体課長以上に上級が三分の一、中級が三分の一、初級から上がった者も三分の一、局長から上の方にはその比率がもっと今度は初級が少なく、中級がその次に少なくということはあってもいいが、課長クラスぐらいまではこの三つが同じぐらいで進んでいいと思うのです。そういう方法を幾らでもとれるじゃないですか。これは人事院総裁が幾らでもできる。各省を指導すればいいでしょう。そしてその指導の責任者は、総理府の人事局長が責任者として各省のそうした行政人事の調整役を果たしていけばいいのです。そのために秋富さんは局長のポストにおられるのです。そういうところをぴしっと押さえていけばまことに調子よくいくのだが、私はいま中路さんの質問を聞きながら、なるほどといまうなずいて、私もかつてこのことを指摘したことがあるのですが、その根拠に、この等級別の資格基準というものをすかっと守っていくことで事は解決しますよ。御答弁。
  273. 茨木広

    ○茨木政府委員 資格基準表は最低年数をここに決めておるわけでございますが、その前にやはり任用行為がございますわけでございます。先ほども触れましたように、係長、課長補佐、課長というような段階がございまして、それぞれのところに級別定数等もございますわけですが、ポストの数も組織上ございますわけでございます。そこで、だれを任用していくかということはやはり任用行為として各省庁で真剣に選抜をされておることだろうと思うのです。その選抜をされた者が任用されました際に給与をどう決めていくかという場合に、この資格基準表は生じてまいります。その際に、最低それだけの年数がたっておればその等級に給与上の格づけをいたします。特に勤務成績のよい場合にはその八割の年数で結構でございますよ、こういうふうに決めてあるわけでございます。  でございますから、あくまでもやはり任用行為が先行するわけでございまして、先ほどの答弁の中にも触れたのでございますが、私の所管からは多少出るかと思いますが、そういう目で見ますと、各省それぞれ相当激烈な競争過程の中から、やはりそれぞれのポストに任用をされておるものだというふうに私どもは見ておるわけでございます。でございますから、先生がいまおっしゃられますように、初級でいきましても課長にずっと上っていかれる方もありますし、さらに上まで行かれる方もあります。中級でもあるいは上級でも途中でとまられる方もあります。こういうふうに申し上げたのでございますけれども、そういう意味で、やはり競争はそれぞれの省内において行われておることは事実だろうと思います。ただ、人数の多寡ということになりますと、上級自身でも相当人数採って、そうしておいてむしろ途中段階でだんだん落としていくような人事になっておると思うので、そういう意味では初級で一番上まで上がるというのはなかなかむずかしい関門にはなるだろうと思いますが、そういう道が全く閉ざされておるというものでもないというように考えております。  こちらの方の給与は、冒頭に申し上げましたように一応任用が先行しまして、そのポストに任用された者の給与をどうするかということを決定する場合の必要な経験年数、こういうふうにお考えいただきたいと思います。
  274. 受田新吉

    受田委員 それでは局長さん、明後日までに、課長以上に在職する官庁職員で上級、中級、初級別の職員数を出してもらいたい。そして、上級、中級、初級職員の総数の上で課長以上に何人なっているか、上級も総数の上で何人なっているか、それを明確にひとつ示していただきたい。そして、その上級の中で東大と東大以外とを学歴別にひとつ分けていただきたい。そういうものをちょっと資料として見せていただきたい。  つまり、初級、中級の皆さんが課長以上に相当出ておる、それから上級でも、おかしいのは下がってきておるということでございますが、その上級、中級、初級別の人数の中から課長以上に何人なっておるのか、中級の合格者で課長以上に何人なっておるのかというのを見れば、そこに人事行政上の何かまずさがある。つまり、上級だけが重要ポストを占めて、そして各省の人事はその上級の一部が担当して上級を優遇することに力を注ぐ、初級や中級はお粗末にしておく、こういう人事行政の欠陥があるのではないか。そういうようなところはやはり人事院が締めていくと同時に、人事局長がそういう各省の中の大体を見て、その中で初級、中級を優遇する手はないか。試験で人生を決めていくということは非常に問題があるわけだ。もちろん、一応の試験で資格を取った者を普通の形で所遇することはいいけれども、その一部だけを優遇するというようなことでは——特に公務員というものは国民全体の奉仕者である、その全体の奉仕者が公平な国の恩恵に浴して、そして公務に精励できるように。初級出身者などというものはもう局長以上にはほとんどなれないのだというような、道を閉ざす形はいけない。初級といえども、家庭の都合などでそれ以上行けない、それでも精励恪勤して、もう上級以上のりっぱな実績を示しておる人には、むしろ上級でもなれない事務次官にしてもいいわけなのです。初級の事務次官がおっていいのです。そのぐらいの道を開くべきですよ。そこにいまの日本の官界の大きな欠陥がある。人材を吸収するということと同時に、もう一つは、公務の執行上すべての職員に希望を与えるということと、両面を考えていくべきである。これについて人事局長の御所見を伺いたいのです。総務長官には私は退出を許したのですから。
  275. 秋富公正

    秋富政府委員 先ほどから先生の御指摘の点、私も拝聴いたしましていろいろと教えられるところもあったわけでございます。ただいま人事院の方から話もございましたように、給与の問題と任用の問題と両方のものがあると思うわけでございますが、任用の面に当たりましても、ただいま御指摘のように、一つにはやはり官界にいい人材を集めるということが大事なことだと私は考えています。同時に、官界に籍を置く職員が、士気の高揚、職務に精励してさらに望みを持つということもやはりきわめて大事なことでございまして、いたずらな悪平等は避けるとともに、やはりできる方は抜てきしていくという人事というものは当然に考えられるべきものでございまして、そういった点につきましては、かねがね各省人事課長会議あるいは人事管理官会議におきましても問題となることでございますが、私たちとしましても、今後もそういう点につきましても十分注意してまいりたい、かように考えております。
  276. 受田新吉

    受田委員 その資料を拝見した上で——さっき給与局長が民間との比較でお話をしておられたが、民間ではもう奮励努力する幹部が小学校だけでもどんどん出ておる。そういう意気込みが違うのです。官界はエスカレーター式にいって萎靡沈滞の風潮も起こってくる。国会は国権の最高機関であるにかかわらず、国会を自分たちが動かすような心得違いをする官僚もあらわれておる。(「けしからぬ」と呼ぶ者あり)けしからぬ。そういうところで、そこに自然に国民全体の奉仕者であることを忘れて、国民の前に官僚としていばることを研究する方々が出てくるということになると、これは問題なんです。われわれ国会議員は国民に対しては最敬礼ですよ、主権在民の上に立つわれわれは。しかし、われわれは国権の最高機関として憲法第四十一条に保障されておる。行政権の担当者である皆さんの方は、今度は国会に対しては非常に低姿勢であるが、国民に対しては高姿勢であるというような、そこに循環作用が行われておるという世間のうわさがある。われわれは、そこを行政府の優秀な皆さんにひとつ行政革命を願いたいのです。暴力革命の方じゃないのですよ。民主的な革命を官僚の責任者の皆さんが、大半を東大が占めておるという形じゃなくして、他の国立大学にも私立大学にも人材をできるだけ分散し合っていけるような体制、上級、中級、初級、これがバランスがとれて、それぞれの道で大きく前途が開けてくるというような、みんなに希望を与えられるようなものをひとつ十分人事院、政府で検討しておいてもらいたい。それを要求して、資料があさって出るから、その資料に基づく質問を一部残さしていただき、きょうの質問を終わらしていただきます。  長時間御苦労さまでございました。
  277. 茨木広

    ○茨木政府委員 いま資料の要求がございましたが、あさってまでということになりますと、ちょっと各省全部というわけにいかないので、恐らく省庁の例示的なもので……
  278. 受田新吉

    受田委員 そうそう、それでいいです。ある限られたので大体大勢がわかりますから。
  279. 藤尾正行

    藤尾委員長 よろしいか。
  280. 茨木広

    ○茨木政府委員 はい。
  281. 藤尾正行

    藤尾委員長 次回は明後三十日木曜日午前十時理事会、十時三十分より委員会を開催することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後七時六分散会