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1975-11-19 第76回国会 衆議院 逓信委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十年十一月十九日(水曜日)     午前十時三十六分開議  出席委員    委員長 地崎宇三郎君    理事 宇田 國榮君 理事 加藤常太郎君    理事 志賀  節君 理事 羽田  孜君   理事 三ツ林弥太郎君 理事 阿部未喜男君    理事 古川 喜一君 理事 土橋 一吉君       小渕 恵三君    金子 岩三君       亀岡 高夫君    倉石 忠雄君       高橋 千寿君    坪川 信三君       長谷川四郎君    廣瀬 正雄君       水野  清君    綿貫 民輔君       大柴 滋夫君    金丸 徳重君       久保  等君    平田 藤吉君       田中 昭二君    小沢 貞孝君       小宮 武喜君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 村上  勇君  出席政府委員         大蔵政務次官  森  美秀君         郵政政務次官  稲村 利幸君         郵政大臣官房長 佐藤 昭一君         郵政大臣官房首         席監察官    永末  浩君         郵政大臣官房電         気通信監理官  松井 清武君         郵政大臣官房電         気通信監理官  佐野 芳男君         郵政省郵務局長 廣瀬  弘君         郵政省貯金局長 神山 文男君         郵政省簡易保険         局長      中市 彩也君         郵政省人事局長 浅尾  宏君         郵政省経理局長 高仲  優君  委員外出席者         警察庁警備局警         備課長     若田 末人君         大蔵省銀行局総         務課長     清水  汪君         中小企業庁計画         部下請企業課長 飛永 善造君         郵政大臣官房資         材部長     福守 博一君         郵政大臣官房建         築部長     森  俶朗君         日本電信電話公         社総裁     米澤  滋君         日本電信電話公         社総務理事   三宅 正男君         日本電信電話公         社総務理事   遠藤 正介君         日本電信電話公         社理事     玉野 義雄君         日本電信電話公         社計画局長   輿 寛次郎君         日本電信電話公         社資材局長   小西 一郎君         逓信委員会調査         室長      佐々木久雄君     ————————————— 委員の異動 十一月十九日  辞任         補欠選任   村岡 兼造君     綿貫 民輔君   池田 禎治君     小沢 貞孝君 同日  辞任         補欠選任   綿貫 民輔君     村岡 兼造君   小沢 貞孝君     小宮 武喜君 同日  辞任         補欠選任   小宮 武喜君     池田 禎治君     ————————————— 十一月十九日  簡易郵便局法等改正に関する請願徳安實藏  君紹介)(第九四号)  同外四件(徳安實藏紹介)(第三三八号)  同外百三十五件(徳安實藏紹介)(第三五八  号)  同(足立篤郎紹介)(第三七七号) は委員会の許可を得て取下げられた。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和二十四年五月以前の簡易生命保険契約に関  する特別措置法案内閣提出第一九号)  郵便貯金法の一部を改正する法律案内閣提出  第二〇号)  簡易生命保険法の一部を改正する法律案内閣  提出第二一号)  逓信行政に関する件  簡易郵便局法等改正に関する請願徳安實藏  君紹介)(第九四号)、同外四件(徳安實厳君  紹介)(第三三八号)、同外百三十五件(徳安  實藏紹介)(第三五八号)及び同(足立篤郎  君紹介)(第三七七号)の取下げの件      ————◇—————
  2. 地崎宇三郎

    地崎委員長 これより会議を開きます。  この際、請願取り下げの件についてお諮りいたします。  本委員会に付託になっております簡易郵便局法等改正に関する請願、第九四号、同第三三八号、同第三五八号及び同第三七七号につきまして、紹介議員であります徳安實藏君及び足立篤郎君からそれぞれ取り下げ願いが昨十八日に提出されております。これを許可するに御異議ありませんか。
  3. 地崎宇三郎

    地崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  4. 地崎宇三郎

    地崎委員長 逓信行政に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。平田藤吉君。
  5. 平田藤吉

    平田委員 インフレと不況が同時に進行するという非常に国民にとっては大変な事態が生じております。とりわけ中小企業の困難が増大しているわけですけれども、自民党の代々の政府は、大企業中心高度経済成長政策を推し進めてきて今日の結果をもたらしているわけです。中小企業者はこの困難を打開するためにさまざまな努力をしておりますけれども、国が妥当な援助を今日の段階で行うことは当然なことだというふうに考えます。国民の世論が高まる中で政府閣議でことしの七月十一日に昭和五十年度中小企業者に関する国等契約方針を決定して、関係機関に指示しております。この閣議決定がどのように実行されているか。一つは特定品目総額中小企業への発注額、その比率、それから二つ目には全調達物総額中小企業向け発注額とその比率について、郵政省並び電電公社から、それぞれお答えいただきたい。
  6. 高仲優

    ○高仲政府委員 お答え申し上げます。  郵政省におきます昭和四十九年度の中小企業向け官公需契約実績額について申し上げますと二百六十五億円でございまして、官公需契約の総実績額七百六億円に対しまして三七・五%と相なっております。この数字目標額三五・六%に対して若干でございますが上回っておる、このように相なっております。  なお、同じように四十八年度につきましても目標額二七・八に対して三六・九%というふうに、若干ではございますが目標を上回る実績を示しておる実情でございます。
  7. 三宅正男

    三宅説明員 電電公社関係中小企業向け発注割合についてお答え申し上げます。  四十八年度におきましては、総官公需総額公社におきまして一兆四百億余りでございます。この中で中小企業向け発注割合は、目標一三・二%に対しまして一三・九%の千四百四十八億になっております。  また四十九年度につきましては、総額一兆一千億余に対しまして目標は一三・七%、これに対しまして実績は一五・六%の千七百二十七億、こういう数字になっております。
  8. 平田藤吉

    平田委員 六月二十六日に参議院で郵政省は、わが党の山中郁子議員に対して中小企業向け発注増大させる具体案報告いたしますというふうに約束をしました。五カ月たっているんだけれども、いまだにその報告が出されていないけれども検討したのかどうか。  それから、特定品目は全部中小企業へ回せるものだと考えるわけですけれども、なぜ割合が低いのか、お聞かせいただきたい。
  9. 福守博一

    福守説明員 前国会でいろいろ山中議員から御質問また御意見がございました。それに対しまして、またいろいろお答え申し上げているわけでございます。私ども、それにつきまして真剣に検討いたしたわけでございますが、具体的にどのようにそのときに問題になりました上衣、下着類等被服繊維の扱いについて受注増大していくかということにつきましては、なかなかむずかしい問題でございまして、さらに十分のこれからの検討を加えたいと思っているわけでございます。  しかしながら、できるだけ中小企業向け需要増大したいということを念頭に置きながら努力をいたしているわけでございまして、今年度につきましては、昨年度の実績でそのとき一八%程度ということを申し上げたわけでございますけれども、それよりもできるだけ上回るように持っていきたいというふうに努力しているわけでございます。
  10. 平田藤吉

    平田委員 報告いたしますと言って何で返事しないのか、報告をなぜ出さないのかということを聞いているのですが、それを答えてください。
  11. 福守博一

    福守説明員 お答え申し上げます。  いつごろということまでお約束できかねたわけでございますが、御報告申し上げますというふうに確かに申し上げたことをよく承知しております。ただ、いまも申し上げましたようにまだ検討中でございますので、御報告に及ぶ段階になっていないということをまことに遺憾に思います。
  12. 平田藤吉

    平田委員 報告できないような状態だということを示しているわけでしょう。あなたはいま困難にぶつかって、もう中小企業の困難というのはずっと続いているのですよ。何でそんなに検討するのに時間がかかるのですか、聞かしてください。
  13. 福守博一

    福守説明員 先生、先刻御案内のこととは思いますが申し上げさせていただきますが、郵政省調達いたします制服類はいろいろな機能を持っておるわけでございまして、対外的には事業の信用を保持する、職員の品位を確保するというような役割りを持ちますし、対内的にはまた職場環境整備の一環として安全、快適な職場での着用がなされる、規律の保持にも役立つというような、そのほかいろいろ役割りを持っているわけでございますが、全国の職場におきまする需要を的確に把握いたしまして、それに即応しました調達を実施するということでございます。そのためには、大量に短期間調達事務を運営しなければならないというわけでございます。使用の目的から仕様規格を統一いたしまして、品質のよいものをできるだけ効率的に調達するということでありますので、どうしても現在やっているような方式が最も適当しているのではなかろうかというふうに考えているものでございます。  そういうことで、中小企業者に対する需要増大ということは絶えず念頭に置きながらも、私どもといたしましてはどうしても予算の適正な執行とかあるいは調達事務といいますか、資材業務の合理的な運営ということからも離れるわけにはなかなかまいらないのでございまして、できるだけ中小企業向け需要増大するということで努力はしているわけでございますけれども、いまのたてまえを変えてそれを進めるというようなことはなかなか慎重にならざるを得ないというふうに思います。  ただ、この際申し上げさせていただきますが、現在の方式におきましても、原反部分紡績会社が受け持つ生地の調達部分、それからその工程相当部分を占めます縫製業者制服として仕立てる部分、これを共同して運営するという形になっておりますけれども中小企業者であります縫製企業者がその縫製部分についてはすべて受注を受けているわけでございまして、相当部分というものは現在の制服類需要中小企業に向けられているということを申し上げさせていただきたいというふうに存ずるわけでございます。  なお、それ以外につきましても、たとえば比較的簡単な仕様なものでございますとか、特別な仕立てを要するもので特定——失礼しました、中小企業者が手がけた方が適当であるというものがあるわけでございます。そういうものにつきましては、極力中小企業者向けに向けるというようなことで努力してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
  14. 平田藤吉

    平田委員 中小企業庁、見えておりますか。いますね。中小企業庁にお伺いしたいのですけれども、なかなかどうも郵政省関係上着類下着類というものはむずかしいもののように聞こえるのですわ。そこでお伺いしたいのですが、いま郵政省で用いている上着下着類など繊維製品について、現在の中小企業にそれをつくる技術が、中小企業の今日の技術ではむずかしいのかどうなのか。  それから、いまのお話ですと、短い期間に大量に必要なんでという話がありましたが、つまり分割発注などを行うようにというのが政府方針なんだ。この分割発注などをすればやれるんだというふうに思うのですけれども中小企業庁としての見解を聞かしていただきたい。
  15. 飛永善造

    飛永説明員 ただいま問題になっております中小企業における、特に私どもで国の方針で決めております特定品目、御承知のように現在繊維だとか外衣、その他、大体八品目決めております。この八品目というのは、昨年までは七品目であったわけでございますが、事務用品を追加いたしまして、ことしから八品目にふやしたわけでございます。現在それがどの程度中小企業へ向いているかということでございますが、たとえば機械すきの和紙、これはタイプライターなんかに使うものでございますが、そういうのが九六%、印刷は八七%、そういうような状況でございます。一方、ここで問題になっておりますたとえば外衣下着類でございますが、これは御議論になっておりますように、たとえば郵政さんでありますとか、そういう大量発注のところがございまして、比率は全体として大体一二・六%というような数字になっております。総体としては大体全部足しますと四割ぐらいになりますけれども、いまのたとえば外衣下着類でございますとか、それから織物類でございますとか、いろいろ事情があってなかなか比率が高められないものがあるわけでございます。  具体的に技術的に可能であるかどうかという点につきましては、実は私どもそういう技術的な専門でございませんので、ちょっとお答え申し上げかねるわけでございますが、官公需の確保という立場から、実は先生も御指摘がありましたように、できるだけ何とかして中小企業仕事を回したいということで、御例示ございましたたとえば分割発注をふやしますとか、あるいは資格の等級をできるだけ中小企業に回せるようにするとか、そういうことで各省に御努力をお願いしておるわけでございます。ただ、私ども、直接中小企業庁として契約するわけにいきませんので、各省にお願いするということになるわけでございますが、先生承知のように、官公需調達ということにつきましては、個々の契約の担当の方が、会計法規に基づきまして予算の適正な使用ということを考えつつ、値段でございますとか、品質、納期、そういうことを総合的に判断してそうして契約されるということで、それぞれの現場の方々はいろいろ苦労していただいているんだと思います。私どもとしましては、たとえばいま問題になっておりますその郵政関係制服がこの品質のものだったら中小企業にできるかどうかということは、私ども専門家でございませんのでわかりませんので、結局各省でそれぞれいろいろな角度から御検討いただいて、何とか比率をふやしていただく、そういうことよりいたし方なく、それで基本方針として国が方針を決めました上で、その方針各省も加わっていただいてお決めいただいて、そして後は各省で種々の角度から御努力願うという状況でございます。
  16. 平田藤吉

    平田委員 結局あなた方は、頼んで歩いておりますよという話ですが、私が聞いているのは——郵政省の元来の言い分は、技術的に中小企業じゃどうもとか、数が多いものですから一遍に発注して短い期間に納めてもらうのにはむずかしいとかいうのが理由なんですよ。この問題を打開しようとすれば、技術的にはこうですよということをあなた方は言うのがあたりまえなんだ。何です、あなた。怠慢ですよ。何かその日その日を糊塗していればいいようなかっこうですよ。分割発注はこのようにしてやれば間に合うんじゃないですかと言えるんだ。そんなことが答えられないで、中小企業庁が今日当面している困難を打開できると思いますか。だめですよ、そういうことじゃ。  たとえば特定品目のうちの上着とか下着とか、繊維製品などというのは、大体原反は大企業でつくりますよ。しかし縫製関係中小企業が多いんですよ。郵政省だけでも被服三十万人分でしょう。大変な量ですよ。関係中小企業の相当な部分にこれは仕事が回っていいはずなんです。  この間予算委員会建設大臣は、わが党の野間議員質問に対して、被服類全額中小企業から講入するようにいたしますというふうに答えているんですよ。郵政大臣、いまお話ししたような状況です。やはり同じ閣僚なんですから、あなた方が決めたんですから、ここのところはひとつ英断をふるってもらいたいと思うのです。ひとつ大臣見解を聞かせていただきたい。
  17. 村上勇

    村上国務大臣 中小企業に関する国等契約方針ということで八品目が定められておりますが、これらにつきましては、国の方針に従いまして発注計画を立て、中小企業団体中央会等に対しまして情報を提供して受注機会増大に役立つように措置しておるところであります。  郵政省資材調達について見ますれば、これら特定品目に関する中小企業者への発注割合は、品目によっては九〇%以上を占めているものもあり、また特定品目の総計としても四十九年度約四六%を占めておりまして、積極的に努力いたしております。今後も、この国の方針に沿うように十分推進していきたいと考えております。
  18. 平田藤吉

    平田委員 これは、建設大臣国会での答弁いいかげんだと言うたけれども、あの大臣よりあなた消極的ですよ。被服関係繊維関係縫製関係というものは中小企業へ出せるんだから、全部出すように努力するとおっしゃるかと思ったら、そう言われない。そこのところを私は聞きたいんです。もう一遍答えてください、大臣
  19. 村上勇

    村上国務大臣 大体九六%まで出しておるのでありまして、この点は誠意を持って国の方針に従ってやっているというように私は承知いたしております。
  20. 平田藤吉

    平田委員 大臣九六%と言われたけれども、どうなんです。もう一遍、被服関係縫製関係中小企業へ九六%出していますか。
  21. 福守博一

    福守説明員 被服類につきましては昨年度実績では一八%程度でございます。なお繊維製品をとってみますと六〇%程度でございます。両方合わせますと三〇%程度になるわけでございます。
  22. 平田藤吉

    平田委員 あなたの方から出された資料によると、被服関係は二十三億円、郵政省が四億二千万で一八・四%という資料になっていますね。どうして、あなた、八〇%、九〇%になるの。私の方に出した資料、違うの。どういうことなんです、この違いは。だめですよ、ちゃんと答えないと。
  23. 村上勇

    村上国務大臣 品目によっては九〇%以上ということです。
  24. 平田藤吉

    平田委員 私が聞いているのは、とりあえず被服ですよ。
  25. 福守博一

    福守説明員 お答え申し上げます。  いま大臣から御答弁がございましたように、特定品目は、御存じのようにことしは八品目になっているわけでございますが、それぞれについて見ますと、物によっては九〇%を超えているものがあるということでございます。御了承いただきたいと思います。
  26. 平田藤吉

    平田委員 了解できません。私がいま論じているのは、被服中心にして論じているのですよ。それに対する答えが九〇%で済みますか。うそおっしゃい。すれ違いの、ごまかしの答弁しなさんな。ちゃんと答えなさいよ。被服関係で幾ら出しているのか。
  27. 福守博一

    福守説明員 ただいま申し上げましたように、外、下着類につきましては一八%の実績を見ております。それから、つけ加えて申し上げますが、ただいま申し上げましたけれども繊維製品、外、下着類を除いた部分につきましては六〇%を超えております。そこで、先ほども申し上げましたけれども被服類繊維製品、総合いたしまして三〇%程度になるわけでございます。
  28. 平田藤吉

    平田委員 総額六億円のうち三億六千万円、六一・一%、これがそうだ。これはあなた方の方から出した資料なんです。余りでたらめ言いなさんな。はっきりしちゃ困るものだからなるべく数字でもってごまかそうとしているんだ。だめですよ、そんなことは。電電公社は特に悪い。これは、あなた、上着下着類は全部大企業発注しておるでしょう。なぜですか。
  29. 小西一郎

    小西説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生からいろいろ御指摘いただいております被服につきまして、電電公社では本社購入品につきましてはすべて大手発注をいたしております。  この理由につきましては、先ほど来郵政省からも御説明がございましたが、大体状況としてはその状況と同じでございますけれども、少し敷衍をいたしますと、第一に、被服類につきましては、JISによる規格統一化が図られておりません。公社におきましては、特に機能性あるいは安全性耐久性、経済性等考えまして、独自に原反規格縫製規格を定めまして、上着下着を別々に勘定いたしておりますが、延べ百万点を超えるような大量の発注を行っております。したがいまして、市販既製服市販原反ではこういう条件を満たすことができない状況にございます。公社としまして、いかに要求に合致する繊維製品購入するかということに苦慮いたしておるわけでございます。  第二に、原反生産工程と申しましてもいろいろございますが、一貫いたしまして原反生産しておりますのは大手を除いてございません。繊維工業にはいろいろ中小もございますが、紡績なり、織布なり、染色なり、あるいはその後の後工程なり、それぞれを分担して生産しておるところもございますけれども、一貫して生産しておる紡績メーカというのは大手以外にはございません。  それから第三に、繊維業界実態といたしまして、先ほど郵政省からも御説明がございましたが、紡績メーカーによります原反生産、それから裏地、しん地の手配、それから縫製に関しましては、先生も御指摘のように中小がこれを担当しておるわけでございます。そういう原反縫製全体の生産の仕組みと申しますのは、繊維業界の長い伝統と申しますか、実態がございまして、この実態に基づきまして、私たちも代表メーカーといたしまして大手原反メーカーを選んでおるわけでございます。実質的にはその縫製専門業者である中小縫製業者生産委託実施をされておりまして、推定ではございますけれども公社被服発注額が約三十億ございますが、その約半分ぐらいの金額は中小縫製業者に実質的には渡っておるのではないかというふうに推定をいたしております。  そういう実態もございまして、公社として一貫した生産体制をしきながら、しかもその量産効果による価格の引き下げと品質の安定ということを考えまして、大手繊維メーカー発注をいたしておる状況でございます。  で、先ほど来先生が御指摘のように、なぜ中小縫製業者を直接使えないのかという御指摘でございますが、過去に電電公社で、昭和三十五年から昭和四十二年にわたりまして、そういう形を実施した経緯がございます。しかし、いろいろ先ほど来申し上げますように点数が非常に多い、種類も非常に多い、原反がどうしても大手しかつくれない、いろいろ総括的に考えますと、調達にいろいろな難点が出てまいりまして、昭和四十三年から現在の契約の仕方、購入の仕方に変えた経緯がございます。  で、今後中小縫製業者についてもう少し契約上の地位向上を図れないかという御指摘につきましては、かねて通産省、中小企業庁等が御指導いただいておりますように、まあ協同組合というようなものがもしでき上がりますならば、そういう線に沿いまして公社としては真剣に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  そういう状況でございます。
  30. 平田藤吉

    平田委員 村上大臣法律が四十一年にできてから十年、毎年同じような趣旨の閣議決定をしてきている、とりわけ今回の閣議決定というのはやはり今日の経済情勢のもとで重大だと思うのですね。そういう意味では、いま言われたように、あなたの郵政省、同時に電々公社に対しての指導、これはやはりもっと強化して、いろいろ理屈は挙げておりますけれども中小企業に渡してもできるのですよ、原反をつくっておるところに渡せば一番たわいないと言いますけれども、みんなしぼってしぼってしぼりかすを末端にやっている始末なんですから、だからそういう意味では、五十年以降について、とりわけやはり閣議決定を全面的に実行するように努力すべきだと思うのですが、この点あなたの郵政省それ自身もともかく、電電公社に対する指導も強化する必要があるという点で、大臣見解を聞かせていただきたい。
  31. 村上勇

    村上国務大臣 中小企業の経営を少しでもよくするために、すでに閣議決定した事項に沿いましてどこまでも積極的に私ども努力すべきだと思っております。いま説明を聞きましたし、いろいろな事情もありましょうけれども、でき得る限り政府方針に従っていくように、前向きでひとつ検討努力させたいと思っております。
  32. 平田藤吉

    平田委員 郵政省の関係で言いますと、指定業者登録の手続は本省と地方郵政局、別に行っているようですけれども、いまの段階ですと、どうやら地方の業者に入札に参加できる機会を十分に与えてない。いま電電公社の方からも言われましたように、協同組合どもかなりつくられてきていて、そして通産省が発行している官公需適格証明書というのが渡されている協同組合もかなりの数に上っているわけです。それで、私どもどうしても理解に苦しむのは、中央段階で大体契約して、たとえば建設をめぐる問題でも、地方の業者になかなか行かない、入札の機会が与えられないというふうに聞いているわけですよ。この点一体どうなっておるのか。やはりそれぞれ地方に業者がいるのですから、建設関係でも地方の業者に仕事を回すようにするのが当然だろうと思うのだが、どうなっておるのか聞かしていただきたい。
  33. 森俶朗

    ○森説明員 お答え申し上げます。  地方の業者に入札の機会を与えよというお話でございますけれども、われわれといたしましても、地方に発注の工事につきましては、その地元の業者のランクを一つ上に上げますとか、なるべく地元優秀業者を使うように指導しておるところでございます。  それから協同組合の件でございますが、協同組合も現在通産省から来ておりますのは、建築工事に関しましては非常に数が少のうございまして、場所その他につきまして適当なものがございましたら今後とも積極的に指名していくつもりでございます。
  34. 平田藤吉

    平田委員 どうも聞いていて、閣議決定は徹底していませんな。もしありましたら努力いたしますというような話ですよ。あるから言っているんですよ。地方の業者は入札の機会を与えないという状態があるから言っているんですよ。もし適当な仕事がありましたら回しますみたいな話ですよ。だめですよ、これでは。やはり今日の情勢の中で、積極的に今日の困難を打開していくために、官公庁が先頭に立って一番困難をしわ寄せされている中小企業を守るという立場に立つべきだと思います。そういう意味で、今後どんな手が打たれるかを十分注意深く見守りながら、ひとつ積極的な努力を要求して次の質問に移りたいというふうに思います。  電話料金をめぐる問題について質問したいと思います。時間ももうありませんから、ひとつ簡潔にお願いします。  まず電電公社にお聞きしたいのは、基本料金、設備料、度数料など、この十年間に変更した数字だけでいいですから、挙げてください。
  35. 玉野義雄

    ○玉野説明員 度数料は二十八年以来七円で変えておりません。それから基本料につきましては、たしか四十三年であったと思いますが、三割上げております。ただし、そのときには近隣の通話の秒数を多くするということで調整をしまして、プラス・マイナス・ゼロというふうにいたしております。それから付加使用料等につきましては、これはその都度改定をしておりますので、回数、金額等種類が非常に多うございますので覚えておりませんが、人件費のアップとか、そういうようなのを見て改定いたしております。
  36. 平田藤吉

    平田委員 基本料金はいま言われたように三〇%アップした。設備料についてはゼロだったのが一万円になり、一万円が三万円になり、三万円が五万円になった。度数料については四十六年から広域時分制を実施して時間制限を設けた。度数料には変わりない。時間制限を設けた。三分を七円にしたという点で——これは公衆電話でかけると十円ですね、そういう点で事実上変更しているのですよ。  次に、事務用、住宅用電話それぞれの一年間の一台当たりの支出は幾らになっているかということについてお聞かせいただきたい。
  37. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 お答えいたします。  いまの一電話当たりの経費という問題を事務用と住宅用に分けるということは非常にむずかしいことでございまして、なかなかむずかしいのですが、これは普通の産業と違いまして、この点は先生は御理解いただけるかと思いますが、事務用、住宅用というものが、もし回数によって事務用は非常によく使う、住宅用は余り使わないということがありましても、それに正比例をして経費がかかるものでない、そういう性質の産業でなくて、いわゆる純粋の設備産業といいますか、そういうものであるということは御理解いただけると思います。そういう意味で、両者込みにした数字は大体私も累計はできますけれども、それをさらに住宅用、事務用に分計することは非常にむずかしゅうございます。
  38. 平田藤吉

    平田委員 これはまた後でお聞きしましよう。  電電公社の設備というのはいわゆるトラフィックに基づいているはずだと思いますが、間違いないですか。
  39. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 トラフィックの経験的な数値によって設備が行われていることは事実でございます。ただ、私が先ほど申し上げましたのは、それが一本当たりのコストに正比例的にはね返ってくるものではないという点も、これは設備産業という意味から御理解いただけるところだ、こういうぐあいに思っております。
  40. 平田藤吉

    平田委員 そのトラフィックは、電話のピーク時の量を満たすものになっているはずだけれども、間違いないですか。
  41. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 これから先のある程度技術的な話は計画局長にしていただいた方がいいと思いますが、おっしゃるような形で行われておると思います。
  42. 平田藤吉

    平田委員 現在、電電公社資料によると、電話のピーク時は午前九時から十二時が一日の最高であるというふうになっておりますが、間違いないですか。
  43. 輿寛次郎

    ○輿説明員 お答え申し上げます。  そのとおりでございます。
  44. 平田藤吉

    平田委員 このピーク時の通話量全部がさばけるように施設はできているはずだが、間違いないですか。
  45. 輿寛次郎

    ○輿説明員 そのとおりでございます。
  46. 平田藤吉

    平田委員 ビルなどが集中している電話局、市街局、中継局ではこのピーク時通話が賄える制度がとられているというふうに聞いていますが、事実ですか。
  47. 輿寛次郎

    ○輿説明員 ちょっと御質問の意味がよくわからないのでございますが、料金といたしましては平均的にとっておりますので、特に差がついているわけではございません。しかしわれわれの方といたしましては、設備といたしましては御指摘のとおりビルの集中している地域についてはそれに見合ったトラフィックに合うような設備をしております。
  48. 平田藤吉

    平田委員 住宅の多い地域にある電話局の設備とビルの集中している電話局の設備、これはおのずから違うと思うのですが、どうですか。
  49. 輿寛次郎

    ○輿説明員 程度の差はございますが、多少変わると思います。
  50. 平田藤吉

    平田委員 そこで、さっき理事さんの方からお話がありましたね。私の方で入手できる範囲のあなた方が発行した資料によると、町田局、ここは住宅用電話の比率が八一・一%、一加入当たりの総支出は月三千六百三十二円。九段局、住宅用の比率は一六・二%、一加入当たり支出は月五千八百七十六円。浜町局、住宅用電話の比率は八%、一加入当たり総支出は月八千九百六円、こうなっているが、間違いないでしょうか。
  51. 玉野義雄

    ○玉野説明員 お答え申し上げます。  具体的な局別の計算はしておりませんので、その資料は私の方はまだ持っておりません。
  52. 平田藤吉

    平田委員 そんなばかな話がありますか。局の収支を調べればすぐわかるのです。だめですよ、そういうでたらめを言っていたんでは。この資料、あなた方が出しておる「局状便覧」というのに出ているのですから。これは東京電気通信局が出していますね。「東京電気通信局報付録「局」京経調第一九〇号」昭和四十九年十一月三十日発行になっている。その中に出ているのですよ。町田局の場合に八一%が住宅用であって一加入当たりの支出は三千六百三十二円である。浜町局の場合は住宅率が八%であって八千九百六円である、これはどう説明しますか。これはさっきの話、少少違いますなんというものではないでしょう。  ちなみに、私どもが電話をかけますとお話し中と出るのです。ところが後から電話がつながって、さっき話し中でしたねと聞くと、いや話していないし、どこからもかかってきてないよというのです。これは、たとえば私が住んでいる上尾を例にとると、あの上尾での国鉄の事件が起こったときに、上尾の電話局の施設はパンクしたですね。通用しなくなった。それはあなた、住宅の比率が多いために、集中してきたときには使いものにならなくなるような容量になっているのですよ。だからそういう事態が起こる。われわれがかけて相手が話していないのに話し中と出るのは、局と次の局との間の関係で線がふさがっていて、そういう事態が出るのでしょう。こんなことになっていたら九時から十二時までのピーク時にビルなどの事務所の集中している地点で電話を大量に使っていこうとすれば設備は充実させなければならぬというのは理の当然なんです。ややこしい専門家の話なんか要らぬですよ。わかり切っている。こういうわかり切った事柄を専門的によくわからないからというので、あの新聞の宣伝を見てごらんなさい、でたらめな宣伝を、平気でやる。しかも事務用が幾らかかって住宅用が幾らかかるかは出せませんと言っている。技術的に出すことがむずかしいと言っている。むずかしいと言っていながら片一方では大赤字でございます、そういうことを平気で言っている。こういう国民の目をごまかすような宣伝はすべきじゃないと思う。そういう意味で、次にまた数字をはっきりさせてもらいたい。  第五次五カ年計画、これは後から多少手直しはしているようですけれども、当初の計画、四十八年から五十二年までの第五次五カ年計画による一般加入電話数は幾つか、住宅用、事務用それぞれ幾つかを明らかにしてもらいたい。時間がありませんから簡潔に数だけ聞かせてください。
  53. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 いま資料を整理しておりますのでいまお答えいたしますが、その前に先生の前段に言われましたことを、言いっ放しになってしまうといけませんので私がはっきり申し上げます。  私も技術的な専門家でありませんから、わかりやすくお答えできると思うのですが、私は差がないとは申さない。差があることはありますが、それを正確に数字にあらわすという作業は大変むずかしい。なぜかならば、いま先生が御指摘のように回線の数だけではございません。あるいは住宅電話というものと住宅地の住宅というものの概念も違います。あるいはまた住宅の場合にはなるほど回線の数は少ないけれども、ビルと違って非常に分散しておりますから、たとえば保守の経費なんというものも違ってまいります。そういう意味で、差は全然ないとは申しません。それからまた東京電気通信局から出しました資料は全国的な償却費をどういうぐあいに入れているかというような点で少し問題がありますから、計算もさしていただかなくちゃいけませんが、それにしても町田が三千何百円の経費がかかっておって現在町田の収入はおそらく住宅用ですとそれ以下だと思います。そういう意味ですから、私は、現在新聞等で私どもが宣伝をしているわけじゃありませんが皆さん方に申し上げていることは、決して間違っているとは思っておりません。
  54. 輿寛次郎

    ○輿説明員 第五次五カ年計画について申し上げます。  総額は七兆円でございまして、五年間の加入電話の開通数は千五百三十万でございます。そのうち事務用が二百七十五万、住宅用が千二百五十五万でございます。
  55. 平田藤吉

    平田委員 当初あなた方の方から出した数字だと、住宅は千二百万で事務用が三百三十万というふうになっております。  それで、その収入は幾らになっているか。設備料が幾らで、債券が幾ら、それぞれ数字を聞かしてください。
  56. 玉野義雄

    ○玉野説明員 五カ年計画でございますので年度計画のように細かくは分けておりませんが、大項目で申し上げますと、加入者債券で二兆一千五百十億円、設備料で八千百十億円という計算をいたしております。これは五カ年間でございます。
  57. 平田藤吉

    平田委員 どうもその数字も違いますな。設備料が七千八百八十二億、債券が一兆八千八百二十億というふうに、あなた方が出した資料によれば私の方の数字はなっている。そして、これの支出総額は幾らになっているか。工事費、あなた方ではサービス工程と言っておりますが、これは幾らか、局舎建設費は幾らか、路線費は幾らか、お答えいただきたい。
  58. 輿寛次郎

    ○輿説明員 お答え申し上げます。  ちょっと手元に細かい資料がございませんので、詳細につきましてはまた別にお答えしたいと思います。
  59. 平田藤吉

    平田委員 こんな五カ年計画の総額ぐらいは頭の中に入ってなきゃしょうがないじゃないか。あなた方の資料によれば工事費が三千五百億、局舎建設費が八千六百億、路線費が六千七百億、合計一兆八千八百億円、こうなっている。そこで、収入が二兆六千七百二億円、ここから支出の一兆八千八百億円を引くと、差し引き七千九百二億円黒字になるはずであるということなんですよ。これはそのとおりですね。
  60. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 いま先生のお持ちの資料が、実は私どもわからないのです。五カ年間で一兆五千億という少ない数字で投資金額があるはずもございませんし、何かお間違いじゃないかと思いますが、一遍突き合わせていただけばもっと正確にお答えできます。ただはっきり申し上げますのは、いま先生のおっしゃっている収入は損益の収入でありまして、投資の方は建設勘定ですから、両方どういうぐあいに計算されておるのか、その辺のところが私はさっぱりわからないので、ここでいいとも悪いともお答えできません。資料の突き合わせをさせていただければありがたいと思います。
  61. 平田藤吉

    平田委員 時間もないですから、後でこの資料の突き合わせをやってみましょう。  それでは、データ通信の収入は総額幾らになっていますか。総額と設備料と債券それぞれ。
  62. 玉野義雄

    ○玉野説明員 先ほどもお答えいたしましたように、五カ年計画というのは年度計画と違いまして区分を大項目にいたしておりますので、そういうブレーク・ダウンは年度でいたすということにいたしておりますので、五カ年計画自体では収入としましては電信収入、電話収入、専用収入、雑収入、こういう分け方しかいたしておりません。その中を細かく分けるのは毎年予算をつくるときに分けていくということでやっておりますので、五カ年計画自体ですとそういう小項目には分けておらないわけでございます。
  63. 平田藤吉

    平田委員 データ通信の収入総額ですけれども、設備料が五十一億、債券が九百三十五億、合計九百八十六億というふうになっておりますね。それで建設投資に五千億。ですから収入が九百八十六億で支出の方が五千億出ておりますね。これは四千十四億円の赤字になるのですね。四十九年度のデータ通信の事業収支の赤字、これは幾らになっていますか。
  64. 玉野義雄

    ○玉野説明員 四十九年度につきましては事業別分計を電信、電話別に分けておりますが、データの分は細かい算出がなかなかむずかしい点がございます。収入はわかりますが、支出の点が分計が非常にむずかしい点がございます。大体収入にいたしまして四百八十億でございます。それから支出が約七百八十億ということで、差額は約三百億というふうになっております。
  65. 平田藤吉

    平田委員 いまの数字も、事業収入が四百七十九億、事業支出が七百八十四億、収支差額、赤字が三百五億ということになっているのですよ。これはあなた方の資料ですよ。  そこで、七月からデータ通信の料金を改正して値下げされていますが、その値下げした額が総額にいたしますと一カ月に千百万円になる、こういう数字になっていますが、間違いないですか。
  66. 玉野義雄

    ○玉野説明員 そういう数字は、私の方では持っておりません。
  67. 平田藤吉

    平田委員 それでは、値下げをした数字もひとつ出してください。  どうもあなた方の方のお話というのは、つまり大事な詰めにいくとはっきりしない。五カ年計画の総額数字も何かややこしいこと言っておって、そしてわからないようにしておる。私がおととしですかこの委員会質問して以来、データの出し方をわからないように変えてきています。そういうやり方をして、なるべくわからないようにしようというふうにしているから、あなたこんがらがってわからなくなるのですよ。  時間も来たようですから最後に、九月ごろから電電公社が広告を出しておりますが、新聞、雑誌などに出した広告は何回か、紙誌名と月日それから広告料、これを明らかにしていただきたい。
  68. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 先ほどのデータ通信の値下げというのは、恐らく先生は専用線の値下げに伴う特定回線の値下げ部分のことを言っておられると思うのですが、これは一般に専用線の料金改定の問題としてお答えをしておりますので、データ通信だけ値下げをしたというようなことではございません。  それから、後の広告でございますが、これは新聞、雑誌総額一億四千万円であります。新聞社、雑誌社は御案内のような大新聞でございまして、それぞれ合わせまして一億四千万円でございます。
  69. 平田藤吉

    平田委員 その明細な資料を、委員長ひとつ当委員に出してもらうようにお願いしたいのですが。
  70. 地崎宇三郎

    地崎委員長 承知しました。
  71. 平田藤吉

    平田委員 というのは、私ども資料をいただきたいと言ってもくれないのですよ。電電公社というのは、その点では国会議員に資料を出すのを一番いやがっていますね。何を悪いことをしているのか知りませんけれども、こんなにいやがる省庁はないですよ。郵政省だって国鉄だって、皆こういうふうにやりましたというのを出しているのですから。あなた方に出してくれと言ってもなかなか出さない。国会で要求されるまでは出さないと言うのですから。そういうのは、われわれが国会で審議をする上でやはり審議しやすいように、国民の皆さんにわかりやすいように、ガラス張りにやっていくのが当然だと思うのです。そういう意味で、ひとついま申し上げた関連のデータを出していただきたいというように思います。  最後に一言申し上げておきたいのは、いま電電公社が行ってきているあの赤字宣伝なるものには、いま申し上げたようにいろいろ問題があります。私がながめてみただけでも、これは突っ込んでいったら三時間ぐらい時間が必要だというふうに思っています。  たとえば公社は加入者から取った設備料を収入に入れていないのです。これを収入に入れますと、四十九年度の赤字といわれる千七百五十三億円はほぼ解消するのです。減価償却が四十九年度は六千四百八十三億円に上っておりまして、これも問題です。また損益勘定から建設勘定に約一兆円も回しております。これにも私どもが考えると問題がある。したがっていま出されている一方的な値上げ宣伝に莫大な金をかけるということはやめるべきだ。この莫大な金をかけること自身が重大な問題だというふうに考えるわけです。  そういう意味で私どもは、きょうは時間がありませんからこれでやめますけれども、こうした諸問題について引き続いて検討していきたい。そういう意味では、私どもは、当然現段階においてこういうたくさんの疑問を持っているままで値上げするということは認めるわけにはまいりませんので、十分な検討を引き続いて行っていきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。
  72. 地崎宇三郎

    地崎委員長 田中昭二君。
  73. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 現在の経済情勢の中で、特に国際的にも大変な経済の不安という状況がございますが、わが国のこのような経済的な景気の落ち込み、それから不況下のインフレも懸念されております中で、最近の政府の施策の中で一番問題ではなかろうかと思いますのは、今回の金利の引き下げの問題であります。  時間も余りございませんから、簡単に、先日からの委員会での議論を再び繰り返そうとは思いませんけれども、そういう意味において端的にお尋ねいたしますから、有効な答弁をひとつお願いしたいと思います。  今回の金利の引き下げに関連して郵便貯金の利率まで引き下げたことは、大衆の預金者にとってはインフレによります貯金の目減りを一層増長したことになりますし、こういうことは、特に郵便貯金の零細な貯金者の立場を考えますと許すことができないことであります。郵政大臣はこのことをどのようにお考えになっておりますか、お聞かせ願いたいと思います。
  74. 村上勇

    村上国務大臣 全く先生指摘のとおりでありまして、郵便貯金が一般大衆の零細な貯蓄の集積でありますだけに、これらの大衆の利益を守るということは私に課せられた義務と責任であろう、かように思ってまいりました。したがいまして、今回の各種金利の引き下げについては極力反対してまいりました。しかし第四次不況対策というものはこれらの問題を超越と言うと言い過ぎでございますが、この第四次不況対策を遂行することにならなければ非常に大きな経済的破局を来すであろうというようなことから、やむを得ず郵政審議会に諮問した次第であります。
  75. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 大蔵大臣のかわりに政務次官来てもらっておりますが、大蔵省に対しましていままでのいきさつは、同じことを繰り返すと思いますから省略しますが、いずれにしろ郵便貯金を所管する郵政大臣が、いわゆる預金者を保護しなければならない、こういう意味ではいまの御発言は私どもとうてい納得できない。この金利の問題が起こりましたときにいろいろ新聞報道もございまして、中には、これは恐らく郵政省の茶番劇に終わるのではないかというようなことも書かれておったのです。ところが、その後郵政大臣の強烈な抵抗があるのを私たち見ておりまして、何とかして郵便貯金だけでも特段の配慮をすべきではないか、やってくれるのだろう、そういうふうに思っておりましたが、どうも結果的には茶番劇を裏づけするような結果に終わってしまった。郵政大臣として、預金者保護は郵便貯金法にもはっきり書いてあります。そういう郵便貯金法の精神から考えても、この責任は重大なものがございますが、答申を得てやったといいましても、この引き下げ処置にかわる何か具体的な施策を郵政大臣お持ちなのかどうか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
  76. 村上勇

    村上国務大臣 その報酬としてここに取り上げて指摘するほどのことはございませんけれども、しかし私は国家的に考えて、ここでもし金利の引き下げが行われなかった場合のいろいろな混乱、また一般に及ぼす影響というものを考えますと、今日のこの非常な不況のために失業者はどんどんふえてくる、大学を出ても就職もできないというようなこういう事態を切り抜けるためには、やはり中小企業といい大企業といいすべての企業を活発に運営していかなければならない。他の預貯金は据え置きであるのに郵便貯金だけ云々というようなことになりますれば、これは体を張って、私の政治生命をかけて、私はこれに抵抗したと思います。しかし十一月四日からの金利が、それからのは下がる、それまでに預け入れた人は、十年契約していれば十年間前の金利でいく。そうしますと、物価指数を下げていけばとにかく目減りという問題もこれからはなくなる。そういう目減りを解消し、一方に事業を旺盛にして失業者の救済をするというような余得も——余得と申しますか、というようなことになればその方がかえって国家的見地から私はやむを得ないのではなかろうか、かように思って郵政審議会に諮問した次第であります。
  77. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 大臣、私は金利引き下げの理由をまたここでくどくど聞いておるつもりじゃないのです。また大臣は、ほかの金利がそのままで郵便貯金が引き下げられるならば体を張ってでもやるとおっしゃいますけれども、これは全然逆さまにした議論ですよね。ほかの金利が引き下げられても郵便貯金だけは引き下げないようにがんばろうという、それに体を張ってがんばろうとおっしゃるならあれですけれども大臣がそういう考えじゃ、全然もうこの議論はしましてもむだだと思います。しかし国民は、零細な貯金を郵便局の窓口へ持っていく人たちは、いまの大臣のお話を聞いたらそういう行政官庁の責任ある立場の発言とは思えない、怒ると思います、はっきり申し上げて。  もう一遍聞きますが、大臣は引き下げに関連して、それにかかわる処置は何もないとおっしゃったけれども、その引き下げることについて条件つきの何かいろいろな対策が講じられたということは新聞にも報道されておるのですね。そういうものも全部郵政大臣はもう棒に振って、そういうことは要らない、そういう事後の対策は、引き下げにかかわる具体的な施策は何もやらぬでもいいというお考えなのかどうか、イエスかノーかだけお答えください。
  78. 村上勇

    村上国務大臣 私の言葉が足らなかったのですが、私の一貫した考えは、他の金利はどうでもいい、郵便貯金だけは何としても守らなければならぬ、これが私の本当の気持ちであります。しかし、それでずいぶん交渉しましたが、やはり大きく国家的見地から、日本経済がどうなっていく、ますます失業者もふえるのではないか、あるいは物価も上がっていくというようなことからあれして、そうしてそこにいろいろな交渉をして、それが大蔵省との間に合意を見た点もあります。御承知のように、この一年物の定期はいままで市中銀行よりも二厘五毛低かった、それを市中銀行と同列にさすことができた。これなんかも従来十五年間にわたって郵政省が折衝しておったが果たされなかった、しかし今回の交渉によって預金者の利益を守ったということでありますが、私はそういう成功した部分はなるたけ少な目に申し上げて、本当に私ども預金者のために常に気持ちを張ってはおります、そういうようなことでありますので御理解いただきたいと思います。
  79. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 きょうは大蔵省から貴重な時間を割いて出席してもらっておりますことに対して敬意を表して、この問題まだ不十分ですけれども、次の問題に移って大蔵省の方にお答え願いたいと思います。  まず問題にしますのは、六月にできました特別利率の定期郵便貯金及び定期預金のことでございます。これは重複するかもしれませんが、どういう趣旨でつくられたものか、ひとつ簡単にお聞かせ願いたいと思います。
  80. 神山文男

    ○神山政府委員 先生のおっしゃる福祉定期郵便貯金の制度でございますが、この制度は、経済的に弱い立場にある老齢福祉年金等の受給者、これらの方々の貯金を優遇しようということで、そのために、これらの方々が預入する一年の定期郵便貯金の利率を年一〇%ということにしたものであります。  創設の趣旨は、先ほど申し上げたような経済的に弱い立場にある、しかも技術的に確定しやすく、取り扱いが可能な老齢福祉年金等の受給者の貯金というものを優遇するという趣旨で始めたものと承知いたしております。
  81. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 私は貯金局長さんに聞いたんじゃない。大蔵省の方に聞いたんですけれども、貯金局長さんがお答えになったから後で聞くことが省けましたけれども、大蔵省の方からお願いします。
  82. 森俶朗

    ○森(美)政府委員 いわゆる福祉預金というのは、先生も御承知のように弱い者を助けよう、こういう意味を含めまして設立されたものでございます。
  83. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 これは福祉定期預金というふうに通称呼んでおるようでございますが、この預金の最近の受け入れ状況はどういうふうになっておりますか。金融機関別にひとつ種類ごとに大蔵省の方からお答え願いたい。
  84. 森俶朗

    ○森(美)政府委員 全体では預金者数が約五十万人、預金総額が千八百億でございます。それにつきまして各銀行別の区分につきましては、銀行局総務課長から答えさせたいと思います。
  85. 清水汪

    ○清水説明員 民間の金融機関の種類別に申し上げますと、都市銀行では、この九月末の報告でございますが、億円単位で申し上げますと百八十七億円でございます。それから地方銀行では二百二十七億円、相互銀行では百二十五億円、信用金庫では百三十三億円、農業協同組合では二百三十四億円、これらが主なところでございまして、あと長期信用銀行あるいは信託銀行はわずかでございます。それから郵便貯金につきましては、私どもが伺っております数字といたしましては約八百七十五億円ということのようであります。
  86. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 この状況は、この制度が発足する当初の見通しとはどういうふうに違いますか。この制度が発足する直近の大蔵委員会での発言と思い合わせて、発足当時どういうふうな見通しを持っておったのか、お聞かせ願いたい。
  87. 清水汪

    ○清水説明員 当時御説明を申し上げました際には、この種の対象者を予算算定上の資料に基づきまして把握いたしましたところ、約五百万人という数字があったわけでございます。そこで私どもといたしましては、仮に全部の方がこの特別の定期預金をおやりになる、しかも一人当たりは五十万円という限度額でこれをやることにいたしておりましたが、それを単純に掛け算いたしますと全体では二兆五千億円という数字になるだろうというふうに、それは一つの仮定の数字として御説明をしたように記憶しております。それに対しまして現在九月までの実績は、ただいま申し上げましたように数字としては、予想といいますか、いま申し上げた数字に比べれば相当下回った数字になっております。今後さらに十月、十一月、十二月という残された期間内にどの程度ふえるか、これはもう少し様子を見てみなければ何とも申し上げかねるというふうに思います。
  88. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 これはいいか悪いかわかりませんが、こういう制度を発足させたときに、いま総務課長さんの御発言では、仮に五百万を全部の人が五十万でというようなはじき出した数字は仮定であるというふうにおっしゃっておりますけれども、これは仮定であっても、当初からこういう弱い、先ほど大臣も言われたように、また政務次官言われたように、弱い立場の人たちに対する預金救済措置として預金制度が発足するのであれば、私はやっぱり的確な見通しと、それから行政指導といいますか、これに対する温かい配慮、行政処置を初めから持って、そしてそれを進めていくとか、それからまた見通しがわからぬ、あと日にちがたてばわかるだろうと言うが、あと日にちがたてば、一応いまの規定ではこれは年末まででなくなっていくんでしょう。そういう答弁では、私は大変納得できないんですが、もう時間ばかりかかりますから次に移りますが、大蔵委員会では、議論されたときには、そういう預金を受け入れることによって各金融機関は相当の出費を要する、負担増を要する、そういうことが言われておりまして、その辺の当初の銀行局の見通しといいますか、そういうのはどういうふうにあったか、後段の方が抜けておりますからもう一回お答え願いたい。
  89. 清水汪

    ○清水説明員 ちょっと一言、ただいまの答弁補足させていただきたいと思いますが、御指摘もございましたせっかくの制度であるから十分この制度が浸透するようにという御注意でございます。私どももその点はできるだけ努力をしてきたつもりでございまして、たとえば制度が発足いたしました六月、七月、八月という期間におきましては、ちょうど年金受給証書などのそういう証憑書類の更新といいますか、チェックの期間になっておりました。したがって、手元にそういうものがない状態がかなりあったと思いますけれども、そうした事態におきましてもとりあえず便法を講じまして預金の希望がある方からは受け入れるようにという措置をいたしましたし、なお店頭掲示につきましても注意をいたしております。  それから、今後につきましてもさらに機会を見て、一般にもこの制度の周知を図るような努力をするように、銀行協会等にも指導をいたしております。  それから、金融機関の負担の点でございますけれども、民間の金融機関について申し上げますと、これは当初の、いま申しましたようにマクロで推定をいたしましたのに比べれば、現在の受け入れ実績はかなり下回っておりますので、その点は、負担の点は当初予想した状態よりは軽減されておるということは言えると思います。  当初は、これは金融機関、どのような分布で入ってくるかということが、これまた必ずしもはっきりつかみにくいわけでございましたが、ある程度個人預金のシェアのようなもので推定をいたしたわけでございますが、そういたしますと、たとえば中小の金融機関とか農協系統ということになりますと、経常収益に対して数%というような負担の増加要因になるであろうという計算をいたしたこともございますけれども、現在の数字自体から言えば、その点はそれよりも下回っているということになろうかと思います。
  90. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 その民間の金融機関の当初予想しました金利の負担増といいますか、そういうものは、ある金融機関でもいいですから、固定の名前の金融機関じゃなくて地方銀行なら地方銀行でようございますから、当初どのくらい預け入れられて金利負担がどのくらいになるというのが九月末ではどうなっているか、具体的に教えていただきたい。
  91. 清水汪

    ○清水説明員 その点につきましては、あくまでも仮定の計算をしてみたわけでございまして、結果的には個人預金のシェアと多少違った分布に、たとえば郵便局の方に多く入っているというような傾向が見られます。したがいまして、当初の想定したものと現状とを一概に比較するのは必ずしも適当ではないと思いますけれども、たとえば当初におきましては都市銀行あるいは地方銀行それから相互銀行、信用金庫、この辺のところにつきましては大体経常収益に対しまして、この経常収益というのも便宜四十八年から四十九年にかけての出ている数字を使っておりますけれども、そうしたものに対して二・二五%の金利アップになる部分の負担率というものは約二%ないし四%というふうに計算をいたしたことはございます。しかしながら、これはあくまでも当時に便法として使いました数字に基づいた計算でございます。  現在はそれがどうなるかということでございますけれども、預金の総額の方はただいま申しましたようにまだ中間段階であるということもございますが、傾向としてはやや下回ってくる可能性があろうと思います。それから逆に収益の方も、逆にといいますか、同時に収益の方も四十九年度あたりの実績に比べれば、五十年度はかなり減益になってくるだろう、こういうふうに思いますので、今後の関係につきましては現在ではちょっと断定的なことは申し上げかねるわけでございます。
  92. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 いや、現在までは断定的には言えないというのは、そういうことも調べてないということですか。えらい数字にこだわっているようですけれども、私それじゃ地方銀行ですね、地方銀行は四十八年度でも四十九年度でもいいのですが、経常利益はどのくらいあって、それがあなたのいまの説明では当初は二%から四%くらいの負担増と言われておったけれども、九月末の預け入れに対してはどのくらいの負担増になるか、数字をひとつ教えてください。地方銀行それから農協、二つだけ。
  93. 清水汪

    ○清水説明員 地方銀行につきましては、九月末の預金の受け入れ実績が先ほど申しましたように二百二十七億円ということでございます。これに二・二五%の差額を掛けるといたしまして、まあ今後におきましては三・二五%の差額ということになろうかと思いますが、九月末でございますから二・二五%の差額を掛けるといたしますと、その増差額というものはちょうど六十三億円ぐらいになろうかと思います。  それからそれの経常利益はどれくらいかという点でございますが、これは四十九年度の数字しかまだ現在確定しておるものはございませんが、これが三千八百億円でございますので、それで割り算をいたしますと〇・一三%ぐらいの比率になろうかと思います。  同じような比率は農協について計算してみますと、この場合農協の経常利益の数字というものがもう少し古い数字になりますので恐縮でございますが、利息の増加額の方は、農協の場合には先ほど申し上げましたように預金の受け入れ残高が二百三十四億円でございますので、これに二・二五%を掛けますと利息の増加額は約五億二千七百万円になるわけでございます。これをちょうど七百億円ぐらいというのが、これは四十七年度から八年度に展望したときの数字で、やや古くて恐縮でございますが、その七百億円という利益の数字を仮にとれば、その比率は〇・七%台になるということでございます。
  94. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 いまの数字でちょっと私わからないのですが、地方銀行は四十九年度の経常利益が三千八百億ですか、確認しますが。三千八百億ですね。それに対して九月末の二百二十七億の預け入れに対しては、その二・二五に匹敵する分の負担増が六十三億とおっしゃいましたね。違いますか。  それからいま、農協は七百億で五億とおっしゃったけれども、それは間違いないですか。
  95. 清水汪

    ○清水説明員 どうも大変失礼いたしました。地銀の数字につきまして、私、別の欄を見間違えまして申し上げました。地方銀行の場合には利息負担増加額は約五億円でございます。五億一千百万円。(田中(昭)委員「どこがですか」と呼ぶ)地方銀行の場合でございます。これが三千八百億円に対しまして〇・一三%に当たるわけでございます。(田中(昭)委員「農協は」と呼ぶ)  農協は利息の負担増加額が約五億二千七百万円でございます。これが分母の方が七百億円というのは、これはきわめて概数でしか申し上げようがございませんので、便宜七百億円ということで数字をとらえますと、約〇・七%ということになるということでございます。
  96. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 これは数字の動きですからどうと言えませんが、いまの九月末で見てみても、そういう〇・何%というような数字になるものが、当初は二%か四%の負担増になるだろうというような見積もりがなされておったということについて、私はこういう大事ないわゆる預金制度ができたときに、見通しが大変雑であったなというような感じがしてなりません。  そこで次に、先ほどもあなたが言われましたが、この預金制度を受け入れる金融機関に対しては、それ相当の指導もした、また今後指導もしていきたいというように言われておりますが、その具体的な、当初発足に当たってはどのような行政指導、また対応の仕方を金融機関に指示されたのか教えていただきたいと思います。
  97. 清水汪

    ○清水説明員 先ほどもちょっと一部申し上げましたが、基本的にはこの趣旨をよく店頭掲示あるいはチラシ等で周知徹底を図ること、あるいは協会単位では新聞の広告もいたすようにしております。それからなお、窓口を明確にして親切にやるようにというような指導もいたしております。全体といたしまして、預金の受け入れに対して一々行政指導しているということは一般的にはないわけでございますが、そうした中にありまして、これはやや特殊なものであるということから、間違い等を生じないように、かなり詳細に通達も出して、事務の間違いを起こさないようにというような注意を払っているところでございます。
  98. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 六月七日に各地方の財務局長あて、それから金融機関の監督されるところに対して銀行局は通達を出しておりますね。もしもこれに違反した銀行があった場合には、罰則か何か受けるのですか。この通達によりますと、店頭掲示とかいろんなことが通達なされておりますが、このとおりやっていない金融機関があった場合には、罰則か何かございますか。
  99. 清水汪

    ○清水説明員 この通達全体について論ずることはちょっとむずかしいかと思いますが、一般論として申し上げますと、この種の通達は大部分が行政指導ということでございまして、それに対して違反という事態は私どもとしてはまず予想しないわけでございますが、不幸にしてそうなりました場合にも、これは法令上の問題ということではないと思いますが、さらに指導の徹底を図るというような努力を私どもとしてはいたさねばならないと思います。  それからなお、これにつきまして最小限必要なことは、こういう預金をやるとある金融機関が決めた場合にはそのことを当局に届け出をしなければならないということでございますが、結果的に見ますとそうした届け出は全部出ておるわけでございます。なお、一部に店頭掲示が徹底してなかった店があったように記憶しておりますが、その点につきましては早急に注意を喚起したというようなこともございます。
  100. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 罰則はない。行政指導でやる以外ない。そういう店頭掲示についても金融機関の方から届け出るようになっているというようなことで、大変行政機関は便利な、自分たちの都合のいいような、せっかくこういういい制度——いい制度と言えるかどうかわかりません。この問題についてはもう少し議論してみますが、そういう行政の立場では、私はすべての日本の行政がそういうことで行われていることに対しては根本的にまだ納得ができません。  そこで、いまあなたはくしくも、こういう大蔵省が出した通達に沿わない、店頭掲示もしてない金融機関があると言われたが、それはどこですか。
  101. 清水汪

    ○清水説明員 大変恐縮でございますが、その点につきましては掲示の仕方の適否というような事実の問題もあったように思いますし、この場でその金融機関の名前を申し上げるということはひとつ御容赦いただきたいと思います。  しかしながら、この種の店頭掲示はほかにもいろいろ種類がございますが、機会あるごとに注意を喚起して、通達の趣旨に沿わないような現象の起きないように私どもとしては努力を重ねていきたい、かように思います。
  102. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 政務次官聞いておいてくださいね。大臣も。銀行局が、金融機関からこの制度を行いますということを受けて、そしてこの制度を発足して、それでそれに対して最小限の、銀行局としてはこの制度をこうしなさい。これを受ける人たちは老齢福祉年金をもらっているとか母子家庭とか、経済的に弱い人たちでしょう。そういう人たちに対して、いままでないような、いわゆる一割の金利をつけるという、一応その対象者にとってはやはり喜ばれる行政であるわけです。そういうものが、この通達によって店頭掲示をしなさい、最小限こういうポスターぐらい店頭に掲げなさいということ等が通達されていると言うから、それはそれでいいでしょうと私は言っている。まだ十分とは言えませんけれども。ところが、その店頭掲示さえしていない金融機関があると言われたから、どこですかと言ったら、それはこの場では言えない。それに対してそういうことじゃ、国民はどう受け取られますか。大蔵省は庶民の敵ですか。そんなもの、あなた、そういうポスターを掲げていないところが、罰則も何もない。銀行局が当然の仕事として、そういう通達に違反するものがあれば指導しなければならない。私は、私の方から言ったんじゃないですから、銀行局の方で調べた結果、日本全国どこの銀行にどういうふうに掲示していないという事実があったはずなんです。私も調べました。私も調べたところが、この東京の一番おひざ元で霞が関のすぐ近くで堂々とそのポスターは私の店舗には掲示しません、こういうものは扱いません、仮に掲示しておってもその掲示は見にくいところに、中にはチラシも何もない。そういうことが行われていることは私も調査をして知っております。それに対して大蔵省はどういう考えを持っているか。また庶民がどういう考えを持っているか。金融機関が、いま言ったように、このインフレによって政府の失策を私たち金融機関が肩がわりしなければならないということは許されぬ、と言っていることも調査しております。そういうことを全部言わなければならない。大体、いま銀行局の方では何のために定期検査なんかやっているのですか。行政指導がうまくいくために、銀行局は金融機関に対して検査もやり、指導もしておるのじゃないですか。それを銀行局が、仮に具体的な金融機関名はここで言えないとしてみても、言わないという態度自体が私は行政じゃないと思うのです。何でこういう通達を出しますか。ポスターを掲げていない金融機関があったと言うから、それを明らかにしなければ、国民は納得できないじゃないですか。どうですか。
  103. 森俶朗

    ○森(美)政府委員 いまお話しのようなことがあったとすれば大変遺憾でございますが、私ども行政指導に万遺漏なきを期して、一生懸命やりたいと思います。
  104. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 それは一生懸命やってもらうことでいいのですが、この問題は、私はこの場で言えないならば、しかるべくはっきりしてもらわなければ、私の方から指摘したのじゃないのですから、銀行局の方から、こういう金融機関があるけれども名前は言えないということについては、私は了解できません。いまから私が調査しましたことをずっとここで述べようと思うけれども、そういうことでは何も言えないじゃないですか。  政務次官が遺憾の意を表する、遺憾の気持ちがあるということだから、それに免じて質問を続けていきますが、まず、私がさっきから言っておりますが、銀行局もこの制度については発足から大変不服であったというようなことを聞くのです。調査したところによりますと、こういう制度はやると決まったからやるのであって、仕方なくやるんだ、やめた方がいいんだということを銀行局の幹部が言われた。これはどうですか。言った人の名前はここでは伏せておきますけれども、こういう態度であることについて、仮にそういうことがあるとするならば、政務次官、どうですか。
  105. 森俶朗

    ○森(美)政府委員 このいわゆる福祉預金につきましては、私ども大蔵委員会で何回も討論されたわけでございまして、いまお話しのような事実は、私はないと考えております。私ども、もちろん、委員会で決まったことにつきましてそんな不遜な気持ちは毛頭持っておりません。
  106. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 もう一つ、これはこういう見方もあるかもしれませんから、こういう考えが大蔵省の中にあるかもしれませんが、しかしこういう考え方があってはならないという面もある。これを福祉や社会保障と呼ぶならば、生活保護世帯や難病患者の家族など、対象をもっと広げなければならない、この程度のことならば福祉とは言えない、だから積極的に進める必要はないんだ。積極的に進められない、行政がうまい指導ができない、こういう意味のことを含まれた発言だろうと思われます。これはどうですか。これは大蔵省です。
  107. 森俶朗

    ○森(美)政府委員 そういうことは、私はないと思います。
  108. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 この委員会の場ではない、ないと言うけれども、ちょっと外に出るとあるというようなことを言うことが多いから。私がことしの二月、大平大蔵大臣によその分科会で、四十九年の赤字は出ませんかと言ったら、出ませんと言う。二、三日したら、出ました。五十年度歳入欠陥にならないかと言ったら、なりません、見積もりだからそのとおり入ると思います。ちょっと廊下に出て、私呼びとめられるから何だと言ったら、どうも歳入欠陥が出るようでございます。そういうことが多いのですよ、国会の議論というのは。本当にだまされているみたいだ。だまされに私は国会に来ているのではないのです。国民にはっきり現実を、国家の財政、そういうものを知ってもらうために来ている、国民の代表として来ているのです。  今度は金融機関に行って調べましたら、こういうことを言うのです。これは代表的な言い方ですけれども、国の福祉政策や狂乱物価の失政に金融機関がつき合わされてはかなわぬ、それから大蔵省主導型での金利決定に対する不満もある。こんな重い荷物を背負わされては銀行はたまらぬ、これは新聞に出ていました。これは政務次官も銀行局の幹部の皆さんも新聞を見ておると思うのです。こういう金融機関が仮に一部にあるとするならば、より以上に、この制度ができたときにりっぱな行政指導をやらないと、いわゆる銀行局でやれ何をしなさい、かにをしなさいと決めたことが、各金融機関では逆なことが行われるという結果になるのじゃないですか。それは違いますか。そういうふうになるかならないか、言ったか言わないかはあなたが確認するわけではないですからあれですが、そういうことが新聞にも報道されて、金融機関は渋い顔をしている。国の政策の過ちを一々金融機関が負わされたのではたまらぬという気持ちがあるならば、この制度発足に当たっては間違いのないような行政指導をするべきであるという私の精神は、これは間違いないでしょう。どうですか。
  109. 森俶朗

    ○森(美)政府委員 この預金ができました当時のあの狂乱物価の、あの当時を振り返ってみましても、私どもは大変時宜に適した処置である、この預金についてはそう考えたわけでございます。したがいまして、いま先生のおっしゃるような気持ちで、弱者救済のためにやったという事実は、あの当時のことを考えましても、私どもそう考えておるわけでございます。
  110. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 いや、だからそう考えておることが世間では、実際の制度としてその対象者が預金することについて、たとえば金融機関の窓口に対象者が来たときに、その受け付ける金融機関がこういう不満を持ったり何かしているならば、そこにいわゆる逆なことが行われる可能性があるわけでしょう。そうならば、監督機関である大蔵省が、そういうこともあるかもわからぬからもう少しく、各金融機関の店頭にはいつでもそれが受け入れられるようなPRをするとか、そういうことを行政の中で行っていくことはどうかとこう聞いているのです。だけれども余り大した答えが返ってこないようですから、私はここで各金融機関の、いわゆるおひざ元の東京でポスターも掲示していない、ちらしもないというところをいま申し上げようかと思うのですが、いまこれを申し上げるとまたあれでしょうから言えませんが、東京でもこうですからね、北は北海道、南は沖繩まで各支店もあるでしょう、農協もあるでしょう、そういうところでどういうふうにこの通達が生かされているかということを本当に調べなければだめじゃないですか、これはどうですか。おひざ元の東京でそうなんですよ。ないと言うならば私は銀行名を言います。
  111. 森俶朗

    ○森(美)政府委員 早速調査してみたいと思います。
  112. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 ただ、つけ加えておきますが、調査しているうちにこの福祉預金の申し込み期限が切れてしまうことがないように、責任を持って調べることによって、きちっと対象者が喜んで預けられるような体制をつくるような指導をしてもらいたいということを申し上げておきます。  そこで、時間がこれで大分なくなりましたが、郵政大臣、郵便貯金の福祉郵便貯金ですね。これはもう先ほど貯金局長答えられましたが、大臣としてはどのような趣旨でこの施策を進められておりますか、一言お答え願いたいと思います。
  113. 村上勇

    村上国務大臣 福祉定期郵便貯金の創設につきましては、経済的に弱い立場にある老齢福祉年金等の受給者の貯金を優遇するために、これらの方方が預け入れする一年の定期郵便貯金の利率を年一〇%としたものでありまして、預入金額は一人につき五十万を限度として、取り扱い期間は本年の六月二十三日から十二月の三十一日までの六カ月程度ということで実施しておりますが、郵政省といたしましては、ビラあるいは広告あるいは郵便局の店頭にいろいろな手段をしてこれを周知徹底せしめてまいっておる次第であります。
  114. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 具体的な福祉郵便貯金の事務の取り扱いの実際の内容については、大臣は一々御存じないと思いますが、私もずっと貯金局に来てもらって調べてみますと、一応本省ではいろいろなチラシをつくったり、それから先ほどの銀行局の通達にあるように、最低限こういうものはポスターとして郵便局の局内に張って、それでしなさい。また、本省でもいろいろな会議を行ったり検討なされておることは聞きました。ところが、このポスターも、銀行局からの通達に出ておるような内容のポスターが出てないところがあるんですよ。途中が抜けているところがある。それはいいです。一々言ってもあれですから。まあ、そういうところがあった。  それから、そのポスターを六万枚つくって、一応六万枚つくったということは、全国で二万何ぼの郵便局がある、その一局に二枚か三枚行き渡っているはずなんですね。ところが、ことしの八月、私は北海道に視察に行きました。北海道で二、三の郵便局を見せてもらいました。視察に行ったのは八月ですよ。八月のもう月末近い。行きましたら、全然ポスターも張ってない郵便局もある。郵便局に行って、視察ですから、郵政行政にがんばってもらうということでいろいろ事情を聞きました。ある郵便局では、大体福祉預金なんかいつできたんですか、八月まで取り扱い件数も一件もありません。もちろんポスターもない。ここに実際行かれた委員先生もいらっしゃいますが、私一人で行ったのではないんです。この逓信委員会の派遣によって行ってきました。私は九州ですから、行くたびに郵便局に行っていますけれども、ポスターも張ってないところもある。  ところが先ほど言うように、本省の方ではいろいろな会議をやって、六万枚のポスターも配るし、チラシも三十何万枚刷って行き渡るようになっておるはずなんです。各金融機関よりも郵便局の方が徹底しておったと思うのです、私の見たと一ころでは。けれども、やはり庶民の銀行がないようなところにも郵便局があるわけですから、そういうところにせっかく一割の金利をつけるこの預金制度があるならば、やはりそういうことであってはならない、こう思うのです。どうですか。そういうことが私があると言っているのですから、ないとは言えないと思いますが、大臣、そういう状態がたくさんあるとするならば、いまからでもいいですよ、きょう現在で日本全国の郵便局へ行ってみなさい、金融機関と一緒に。恐らく相当な店舗がこの通達に違反している。郵便局が違反している。どのくらいあると思いますか。
  115. 神山文男

    ○神山政府委員 福祉定期貯金につきましては、先ほど先生おっしゃいましたように、ポスターそれからチラシ、その他地方の市町村の広報紙に載せていただいたり、あるいは敬老会にも職員が出ていって説明したり、いろいろ指導して、また自発的に各局それぞれ創意工夫をこらして周知徹底を図るようにいたしております。が、ただいま先生のおっしゃるような、全然そういう措置をとっていないというような局につきまして、私どもただいまのところ残念ながら把握しておりませんが、もしそういうことが多少なりともあるとすれば、さらに早急に徹底いたすようにいたしたい、こう考えております。
  116. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 把握してないで適当なことを言ってもらっては困る。なぜかといいますと、先ほどちょっと大蔵省の方にも指摘しましたが、行政というのは、あなたたちが本省で、また各地方の郵政局で、それは確かにそういうPRをしたことはあるでしょう。PRしなさいという会議はやったでしょう。ところが、それと逆のようなことが現場では行われる。それはどういうことか、わかりますか。首を振っているが、わかるんだったら言ってみてください。どういうことでそういうことになるのか。
  117. 神山文男

    ○神山政府委員 これは組織でございますから、末端の方に行く途中においてあるいはそういう指導徹底の手が抜けるという部面があるということも考えられますので、そういう点について再度早急に指導を徹底いたしたい、こう考えております。
  118. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 そうじゃないのですよ。そこがお役所で、何でも上から下にずっと流れていくと思っている。それは流れていかないところもあるというのは私はわかりますよ、人間ですから、組織ですから。しかし、いま私がこうやって指摘しようと思っても、それと全然違うことを——あなたはわかっておると言ったから言わせてみたら、全然違う。それはわかっていないのです。それでは一つ挙げましょうか。いいですか。大臣、わかりますか。大臣は庶民の気持ちがわかるから、わかるでしょう。郵政大臣も相当古いあれをなさっておりますから、わかりますか。
  119. 村上勇

    村上国務大臣 大体わかるけれども、言われません。
  120. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 大体わかるけれども言われませんでは、大臣、困りますね。郵便局をやり玉に上げてはどうかと思いますが、定額預金をとりますと募集手当をもらえるのですよ。ところが、この福祉預金はとっても手当がないのですよ。どうですか。人間の気持ちで、そんなことがちゃんとありながら、会議をやって達しをすれば、チラシを何万枚か刷れば、それがそのとおりサービスが行われていると思っているところに一つは問題がある。そうでしょう。福祉預金しましょうかと言っても、老齢者ですから、いやそれはだめですよ、こっちの定額預金がいいですよと言う。五十万とってきた。千分の六の募集手当があります。三千円入ります。悪く考えればそういうことが行われているかわかりませんよ。全然逆じゃないですか。それは私は郵便貯金のことは全然素人ですよ。素人ですけれども、実際郵便貯金を預ける。私も最近銀行から郵便局に預けかえたのですから。調べてみてください。そういう人間の微妙な、一銭もならぬことよりも、歩き回って定額預金をとって歩く人の身になってみてください。それだったら、役場にそういう福祉預金がありますよとPRなんか絶対しませんよ。しなさいと何遍会議をやってみても、チラシを置いておけと言っても、置いておきませんよ。何にもならないもの。一銭の得にもならないもの。違いますか。私はそれは手当はやらないという、それもわかります。だから、手当をやるということを前提に言っているのではないですけれども、こういうわずかながら福祉に似たような制度がつくられたならば、それが対象者にも喜んでしてもらうようにその取り扱い機関がすべきではないか、これが原点なんです。そういうことによってチラシを配ったりポスターをつくったり、いろいろな会議をやったり、その費用は全部むだじゃないですか。そんなむだは全部やめてください、これだけ財政欠陥の不況の時代ですから。どうですか。
  121. 村上勇

    村上国務大臣 田中先生の御指摘の点はよくわかります。しかし私の口からは申し上げたくありません。それは相当そのビラ等の紛失その他の点もありましょうけれども、非常によく働いてくれていると思いますのは、今回の福祉預金のその預け入れ金額が各金融機関全部とちょうど相半ばするという、五〇%まで郵便局で扱っておるというこの事実がすべてを証明しておると思います。  なお御指摘の点については十分これを頂門の一針として、まだ日にちも相当残されておりますし、周知徹底いたさせまして、必ずわれわれの目的を達成していきたい、かように思います。
  122. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 いまの郵政大臣の御発言は、そのことだけでも相当議論せぬと郵政大臣はどうもわかってもらえないような御発言のように私は思います。  時間が来たと委員長から来ておりますけれども電電公社も来てもらって、あとまだ大事なものもありますから、最後に一間聞きますよ。いいですか。  郵便局に五〇%ぐらい来ていると言いますけれども、それでもまだまだ当初の予想よりも下回っているのですよ。そして弱者、いわゆる弱い立場の人の預金が実際は下回って、対象者の中の一割ぐらいしかまだ預け入れされていない、こういう状況なんです。いまのような行政の中でこういう預金制度がありますよというPRといいますか、国民に知らせるということも大変おろそかになっている。おろそかになっているどころか、逆に知らせたくないというのが実際の現場の状況なんです。ですから私は先ほどから金利引き下げの問題で具体的な対策は何かないかということをいろいろ言いましたが、弱者救済の上からもこの福祉の預金だけでも受け付け期限を延ばすとか、それから適用範囲を拡大するとか、それから限度額は五十万ですから、いいか悪いか知りませんが、そういう何らかの喜ばれる措置を郵政大臣としては推進すべきではないか。一遍でもいままでこのことについて閣議なりまた大蔵大臣に、現場の状況ではこういうことがあるけれども、これも少し適用範囲を広げたり期間を延長するようなことを考えてみてはどうかというようなことをお話しになったことがあるのかどうか。また郵政大臣としてはそういうことを推進する立場にあると私は思う。その立場の上からそれを推進する意思があるのかどうか。大蔵省の方は、いまの適用範囲の拡大とか期間の延長とか限度額の引き上げをする意思があるのかどうか。一言ずつ聞いて終わりたいと思います。あくまでも郵政大臣の立場を考えて、推進するということについて郵政大臣はお答えいただきたいと思います。
  123. 村上勇

    村上国務大臣 まだ各地方において周知徹底していない部分に対しましてはこれからひとつ十分周知徹底できるようにあらゆる機関を通じて努力を続けたいと思います。そして対象者に一人の漏れもなくこの問題を十分周知させて、少しでもこれを利用してくれる人の多くなることを私どもは念願しつつ十二分の手を打っていきたいと思っております。  それから適用範囲の問題につきましては、原爆被爆者に関する法律改正に伴いまして、これらの受給者も十月一日から対象に加えておりますので、今後の拡大につきましては認定までの技術的な問題や期間の終了が近いなどの事情から一応延長することは困難ではないか。したがって、まだ十二月三十一日までですから十分徹底さしていきたい、かように思います。
  124. 森俶朗

    ○森(美)政府委員 本制度が適用されまして約十ケ月、世の中の情勢が全くさま変わりをいたしまして、先ほど郵政大臣がおっしゃいましたように第四次不況対策まで行われておる折から、この十二月三十一日をもってこの制度は終わりたい、こう考えておるわけでございます。
  125. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 お二人の御発言とも大変私は不満です。これだけ問題をいろいろ提起して、庶民の味方に立って雰細な貯金者のために申し上げたことが、ただそういう御発言、御回答だけでは私はなお不満になってきました。ところが、もう約束の時間も過ぎておるようでございますので、電電さんに対する質問は保留いたしまして、郵政省に対する質問は一応終わります。
  126. 地崎宇三郎

    地崎委員長 午後一時五十分より再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後雰時四十八分休憩      ————◇—————    午後一時五十三分開議
  127. 地崎宇三郎

    地崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。小沢貞孝君。
  128. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 ごく簡単なものから先に質問します。簡単ですが、関係者にとっては大変重要な問題だと思います。  かねて郵政省の方へお願いしてあることは、往復はがきを折らないで売ってくれということで、発売もこの方が便利であろうし、それから往復はがきは大概印刷をするわけですが、印刷の業界が、この折ってあるのをプレスするのに幾日も開げておくということは、大変な労力その他を要するので、先般来参議院においてもわが党から要請をしてありますが、大体結論がついておるようにも聞いております。いつごろから、どういうような販売をするか、折らないでやるか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
  129. 廣瀬弘

    廣瀬政府委員 お答えいたします。  往復はがきの利用状況を見てみますと、先生指摘のように、通信文などを印刷の上差し出されるものが多い実情でございます。最近、私ども調査をいたしました、ごく少ない例でございますので、全般的に断言するのには問題があろうかと思いますけれども、約八割くらいが印刷されているような模様でございます。こういった実情からいたしまして、折らない往復はがきを発売する方向で、ただいま準備を進めているところでございます。  この往復はがきにつきましては、差し出される際に折りやすいように中心に筋をつける必要がございます。往復はがきをつくる製造業者におきましては、その筋つけの機械を設備する必要がございますが、そのための改造の時間が必要でございますし、また、これらのはがきを折って差し出されました場合に、郵便局におきまして機械処理をいたすわけでございますが、この機械のテストなどもいたさなければならない状況でございます。したがいまして、発売時期につきましては、本年度内は困難かと考えられますけれども、できるだけ早い時期に発売することができるように努力してまいりたいと考えております。
  130. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 大変ありがとうございました。もうこれはこれで終わります。  次に、書き損じのはがき、十円の場合には二円の手数料で済んだわけであります。郵便料金値上げにはわれわれ反対でありますが、今度は倍に上がるという情勢ですが、手数料はいきなり倍に上がるはずはないと思うわけです。それで、書き損じの手数料は現行のとおり、たとえはがきが二十円になっても二円で据え置くように、これもかねて強い要望をしておるわけであります。これは郵便規則の別表か何かで省が決めればいいわけですが、こういう時節柄、これも同じように倍に上げるということのないように、願わくは据え置いていただきたい、こう考えますが、どうでしょう。
  131. 廣瀬弘

    廣瀬政府委員 書き損じのはがきの交換手数料につきましては、今回の料金改定全体が、申し上げるまでもなく、郵便事業の運営に要する費用の増加ということによるものでございますので、これにつきましては検討の要があろうと考えておるわけでございますけれども、サービス上の見地に立ちまして、ただいま先生の御要望もございました、そういう御趣旨も十分理解できますので、これは先生指摘のように省令の問題ではございますけれども、今後手数料を定めます際には前向きに取り組んでまいりたいと考えております。
  132. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 ここで幾らにしろということは結論は出ないと思いますから、これは大臣にも強く要請をしておきます。はがきが十円から二十円になったから、書き損じの手数料をいま二円払っておるわけですが、それをどうしても四円にするということのないように、願わくは据え置いて、大衆の利便を図っていただきたい。これは強く要望しておきます。  次に、これも繰り返しになりますが、ことしの年賀はがきに間に合わなくて大変残念ですけれども、年賀はがきをたくさん出す人は何万枚と出すわけです。これを印刷屋さんは一枚一枚印刷するということは大変なことであります。したがって、合理化のために、印刷代を安くするために四面つづりのはがき、郵政省は多面はがきと言っておるようですが、四面または八面、その辺は技術的なことがあるからさしあたって四面でいいわけですが、四枚つづりの一般のはがき、年賀はがきももちろんです、そういうものを発売するように、こういう要請をしてあって、これも委員会の席でも申し上げたし、そのほかのときにも郵政省に要請をしてあります。これについて、実現の可能性ありや、お答えをいただきたいと思います。
  133. 廣瀬弘

    廣瀬政府委員 多面刷りのはがきの発売につきましては、ただいま印刷業者のこれに対する需要が全般的に必ずしも明確になっていないというような状況でございます。これは業界の中の問題でございますが、この需要の実情をさらに見きわめました上で対処してまいりたいと考えておりますので、ただいまの段階では決定いたしておりません。
  134. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 これも小さいことですが、大変合理化に役立つことではないかと私は思います。何万枚と刷るはがきを一枚一枚刷らせるようなことを販売者側が要請する必要はないと思うわけです。だから、業界の方で四枚つづりのものを売ってくれ——切ることは一分間だかで何万枚も切れると言っておりましたから、そういうのにこたえて、これも全部のはがき売捌所で売る必要はない。集中局なり人口何万以上の主な大きな局で売ればいいわけですから、どうしても一枚つづりのものでなければ印刷できないという業者はそれを買えばいいわけですから、この点についても、これは私たち印刷業界といろいろ話して、たっての要望でありますので、近い将来すみやかに検討してできるように、これも大臣に要請をしておきます。  続いて大臣にお尋ねをしたいが、第三種の料金であります。当委員会においても、第三種が郵政審議会の答申だと五倍も上げなければいけないみたいなことになっておって、これは大変な騒ぎであります。これはかっては法定料金で国会で決めたのだけれども郵政省大臣認可で決められる、こういうことになったわけです。大臣認可で決められるとたんに五倍も四倍も上げるということは、そういうことをやるのだったらまた国会の認可に戻せ、こういう声が出てくるのが正論だと私は思うわけです。したがって、はがきが二倍、一番上がるのが封書で二・五倍であります。だから、われわれは無理は言わぬ、いまの郵政の特別会計の財政事情から無理は言わぬが、少なくとも国会で決める法定料金の枠内に抑える、これは私は正論ではないか、こういうように考えるわけです。かつては国会で決めた、それを決めなくなったとたんにそれだけは五倍も四倍も上げますということでは筋は通らぬ。そういうことをもしやるなら、またもとのとおり国会で決めろ、こういうことになりますから、はがき二倍、封書二・五倍だからその法定料金の枠の中に抑える。これは大臣の政治的判断だと思います。大臣からお答えをいただきたい。
  135. 村上勇

    村上国務大臣 第三種の料金につきましては、郵便法が改正されました後におきまして郵政省令で定める取り運びになっておりますが、その際には郵政審議会の答申の趣旨を尊重いたしますとともに、さきの国会における本委員会の附帯決議とかあるいは審議の過程において表明されました数数の御意見を参酌させていただいて、その上で慎重に決定いたしたいと思っております。
  136. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 きょうのところは、大臣の答弁はその枠を出ないと思います。しかしこれが法定料金の上げる率よりも倍率を高くする、こういう事態になればこれは重大な政治問題です。国会で決めなくなったとたんにはがきや封書より倍率が高くなったということになれば、これは重大な問題だと思いますので、料率は必ず法定料率以内にこれをおさめるように、政治的な判断を大臣に要請をしておきます。  次に大臣にお尋ねいたします。年賀はがきはいま郵便料金値上げの最中に十円で売り出されておるわけであります。この法律が参議院で通れば二十円になるわけであります。ところがこれは、特別取り扱い期間といって十二月十五日から二十八日までに投函をするという、期間的に大変複雑な状態の中にいるわけであります。私が情勢を判断すれば、恐らく今月以内には参議院で郵便料金の値上げが通らないという情勢ではなかろうか。これは私の判断ですが、通ったとしても月末遅くになって通る。こういうことになれば、この料金の値上げは公布の日から五日以内、こういうふうにたしかうたわれていると思います。それでは公布の日をいつにするかということは、国会法で法律が通ってから三十日以内、こうなっているわけです。これは大変複雑な問題であります。そこで私は、これも要望にとどめるようになってしまうと思うのですが、すでにもう十円をそのままにしておくというようなあの新聞報道ですから、大衆はそういう印象で、ことしの年賀はがきは郵便料金が上がろうと上がるまいと十円で出せるものなりというつもりで恐らく買っていると思うわけです。それを施行の日が十二月十日になったから、さあ十五日から投函するのにあと十円切手を張る、あるいは百枚持ってきたら千円納めて張る、こういう事態になれば、これは郵政事業に対する不信感というものは大変な事態になるのではないかというように考えるわけです。大臣から言わせれば、いま国会法律を出してあるから煮ても焼いても国会でうまくやってくれ、こういうように言うかもしれないけれども、これはそういう方法もある。あるが、または公布の日を法律が通ってから十日にするか二十日にするか三十日にするかという、省限りでやれる方法もある。だからこれは幾つもの選択の方法があるのだが、いま大衆はもう十円で出せるものなりとして買っていますから、その間の事情を考慮して——参議院が法律を直せばこれは問題ない。直さないにしても、省限りで公布の日の取り方いかんによってできるはずであります。大臣、その年賀はがきを据え置くように、これは強い要望ですが、ひとつ決意のほどをお答えいただきたいと思います。
  137. 村上勇

    村上国務大臣 いろいろ手があろうと思います。法案審議の過程で申し上げることははばかりますが、そのいろいろな点については賢明なる先生方の御判断を待つ以外にないと思っております。
  138. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 賢明な判断をしているのだけれども、われわれは参議院の方に手が回らないわけだ。その参議院は、強行採決、はいガチャン、こういう審議の仕方しかしないような、私は良識の参議院ならもう少し考えると思うが、どうもそこらのところがおかしいので、修正しようじゃないか何しようじゃないかという意見がなかなか出にくい場面が出てくるのじゃないか。そういうことを考慮して、これはいつかの売り出しのときは年賀状だけは安く売るぞということを昭和二十六年にやったことがあるわけで、今度だって本当は郵政省が親切なら最初に法律を出すときから、年賀状というものはこういうようにするのだということを附則にうたってあれば、私がこういう心配をする必要はないのだけれども、たとえ法律が修正されなくとも公布の日の選択いかんによっては、法律が通ってから一週間で公布するか十日で公布するか、国会法では三十日間あるわけです。その選択いかんによって、もう大臣の腹一つでできるわけですから、皆さんの良識でなくて大臣の良識を私の方がお尋ねしておるわけです。
  139. 村上勇

    村上国務大臣 郵政省といたしましては国民に御迷惑のかからないような方法をとってまいりたいと思っておりますが、これはいろいろあれこれとありますので、また賢明なる先生方のお力もおかりしたいと思っております。
  140. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 これも良識で、質問はこのくらいにしておきます。  次に私は、通常郵便貯金は郵便貯金法の三十二条で「十円以上」となっているわけです。だから十円から貯金ができるわけであります。この「十円以上」というのは、昭和二十五年だか六年ごろにできたと思います。その当時の物価と比べてみればいまは大変な開きができておるのだけれども、この最低十円というものを新しい時代に適合するように最低二百円、最低五百円、こういうぐあいに直さないと、これは大変な矛盾が出てくるわけであります。たとえば簡易郵便局の取扱手数料は一件について四十円とか四十五円だか四十八円、こうなっているのだから、十円の貯金一件くれば簡易郵便局に手数料四十八円払わなければいけないという矛盾が出てきておるものだから、法律も直さないでこの簡易郵便局における貯金一件当たりの手数料というものを、郵政省は勝手に省の判断でやっているわけであります。私はこれはまずいことだ、とんでもないことだと思います。法律の趣旨と反すると思います。したがってこれは新しい時代に沿うように、この十円というものを少なくとも五百円、あるいは物価指数がどのくらいになっておりますか、この法律のできたとぎから比べるともう二百倍や三百倍になっているのではないかと思いますから、そういうぐあいに直さなければならないのではないか。そこで私が申し上げる理由は、またこれが大変私もひっくり返してみてびっくりしてしまうんだけれども、たとえば金利の計算なんかについてはむずかしい政令だか省令ができておって、一銭以上は書かなければいけない、十銭はどうするとか、三月三十一日になってその合計が一円になったならば、一円二十銭というときには一円にしろとか、五十銭だけの金利になったら一円として繰り上げろ——これは法律でそういうことができておるし、貯金台帳をいま見せてもらったが、こういうものだそうですけれども、これを持っていってみんな書き込まなければいけない。これは、そういうことをいまやっている必要があるか、こういうことです。これをもう少し能率を上げるためには、貯金は十円と言わずに二百円とか五百円とかあるいは千円とか、それ以下のものはだめだ、こういうぐあいに決めて、そして合理的に扱っていくというのが国民にサービスをするゆえんではないか、こういうように考えるわけです。どうでしょう。
  141. 神山文男

    ○神山政府委員 ただいま御指摘の通常貯金、一回の預け入れが十円という規定でございますが、郵便貯金法が二十二年にできまして、そのとき以来ある条文でございます。その後貨幣価値の変動もありますし、事務処理の効率性、経済性ということを考えてこの最低額を引き上げるということを検討したらどうかというお話でございますが、事務の経済性という面から見ますと確かに先生指摘のような問題があろうかと思います。この十円という最低単位がどういう趣旨で規定されたかということでございますが、昭和二十二年、当時インフレの非常に激しい時代で、事務も相当膨大であったというようなことから最低限度が決められたと思っているわけであります。現在この十円という最低限度の規定が現実にどれだけ意味を持っているかということになりますが、現実にはそれほど少額の貯金はないというふうに聞いておりますので、いまこれを引き上げるかどうかについて、確かに問題はありますけれども、貯蓄思想の普及というような点から、少額といえども金銭の価値を大切にする必要があるのではないかというような一方の考え方がありまして、この問題は慎重になお検討してまいりたい、こういうふうに考えております。  それから利子の計算でございますけれども、現在、国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律という法律がございまして、これで一円未満の国等の債権債務の金額については切り捨て、あるいは債務については、一円未満のものは一円とみなす、そういう規定がございまして、現在一円以上はやはり国等の債権債務というふうに考えられますので、この辺につきましてはそういう法律のたてまえからもなお慎重にわれわれとしては考えていきたいというふうに考えております。
  142. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 この問題はひとつ機会を見て徹底的に論議したいと思うのです。郵政省サイドでなくて、いまほかの法律でできている点もありますから、しかし私は一銭だ十銭だという金利を計算しなければならないような非能率なことはなるべく早くやめなければならない、こういうように考えるわけです。また別の機会に論議するとして、時間がないので関連質問小宮さんに譲ります。
  143. 小宮武喜

    小宮委員 現在全国的に全逓の組合員の組織拡大闘争によって全郵政組合員に対する人権侵犯の問題やあるいは傷害事件が連日のように発生しております。個人の思想、信条の自由は憲法で保障された基本的な人権だと思うのです。その基本的人権が、集団の力によって恐怖感や威圧感を与えるかのごときことをやるというのは、憲法違反の疑いさえもあるのではないか。私は特に法治国家として許されるべきではないと思うのです。それに基本的な人権の尊重というのは民主主義の根幹であって、そういった根幹である人権が侵されるということになると、民主主義の崩壊にもつながるというきわめて重大な問題だと思うのです。これらの問題は私は組合運動以前の問題だと思うのです。これに対して郵政省はどのように取り組んでおるのか、またいかなる姿勢で取り組んでこられたのか、これは大事な問題ですから大臣から御答弁願いたい。
  144. 村上勇

    村上国務大臣 お答えいたします。  省といたしましては、労働組合相互の組織拡大のための活動に対しては労働組合の自主性にゆだねるべきものとして不介入の方針で臨んでおる次第であります。労働組合相互の争いの過程においても、職場の規律を乱し、業務の正常な運営を妨げる等の場合はもちろん、たとえ職場外でありましても暴力行為あるいは人権無視の言動等職員としてあるまじき手段に訴える場合には、管理者の措置すべきものとして対処することを怠ってはならないものであると考えまして、それを基本姿勢として臨んでいる次第であります。
  145. 小宮武喜

    小宮委員 大臣の答弁も非常にそらぞらしい感じを抱くわけですが、長崎中央郵便局でも十月十三日から今日まで現在も続いております。従来は全郵政組合員の出勤時、退庁時をねらって、そして集団で取り囲んで全郵政を脱退しろ、全逓に入れということを強要していたわけですが、これらの行為が庁舎内でも休息室で現在でも行われております。私が目撃したところでも、逃げようという全郵政組合員を二十名、三十名の全逓の組合員が追いかけていくという光景も見てまいりました。私はこういうような現状を見る場合に、郵政省としては庁舎管理規程もあるはずです。現に私も持っておりますが、その庁舎管理の責任者として各郵便局長は、こういった事態に対しては当然職場秩序の維持を図るためにも犯罪を防止するためにもこれをやめさせる責任があるわけです。ところが管理者は、局長は見て見ぬふりをしておるというふうな実態の中で、現在管理者に対する不信感が非常に増大している。  時間がございませんから端的に大臣質問しますが、局長が庁舎管理の責任者として管理規程を忠実に守る責任があるのにもかかわらず、その責任を全うしていない場合はどのような責任をとらせますか。これは非常に大事なことであって、やはりこれは信賞必罰を明らかにしなければいかぬ。そういったぬるま湯に浸ったようなことをやっておるから、今日まで何もやっておらぬ。時間がありませんから、管理規程を読み上げてもいいですが、そういう中で、こういった忠実に職場、庁舎管理規程を守っていない管理者に対してどういうような責任をとらせるのか。またそれは、各郵便局の管理者、局長だけではなくて、九州郵政局長、ひいては最高責任者であるあなた、郵政大臣はどのような責任をとろうとしておられるのか、どのように責任を感じておられるのか、その点をひとつはっきりしてください。
  146. 村上勇

    村上国務大臣 ただいま御指摘の長崎市の郵便局につきまして、いま先生からいろいろと御指摘がありましたと同様なことを長崎県選出の議員から私に訴えがありました。ちょうど同様なことでありますが、全く相反したことでありまして、要するに管理者が何かあればすぐ熊本からでもトラックで押しかけてくる、こういういわゆる労務干渉というか、干渉されることは実に許すべからざることである、いろいろ私に強く訴えられました。  そこで、先般福岡市に参りました際に、郵政局長が参りましたので、こういう強い訴えがあるが、その是非、善悪というものは君が十分承知して判断すべきである、もしその局内においての紛争が言われるごときものであるならば、君自身局に座り込んで、そうして真相を究明するようにと、もし君ができなければ、国会の暇を見てぼくが長崎に行って、そうして真相究明するぞというまで私は指揮してまいりましたが、ちょうど先生と全く逆な訴えもまたあるわけなんでございまして、私としては兄弟かきにせめぐということはまことに遺憾なことであります。私には、その組合、二つの組合がありましてもどの組合がどうというのでなくて、どうかひとつ正しい姿で、兄は弟に愛情を持って、また弟は兄に真心を持って尽くす、こういうような麗しいものでなければいわゆる全郵政行政というものは、私は人の和のないところに郵政行政の振興も発展も展開も何もないものと、私はほかの行政は素人でわかりませんけれども、少なくともこの人事行政については、私自身陣頭に立って、殴られてもいい、どうされてもいい、もしそういう危険があるならばその危険な個所に飛び込んでいって、そうして間違っておれば私が父子の情によって何とか本心に立ち返らせたいという気持ちでいっぱいでありますので、どうぞひとつ、そういう点については具体的にまた、この委員会の席でなくて結構ですからお示しをいただいて、その上でひとつ私に判断させ、また処置さしていただくことをお願いいたします。
  147. 小宮武喜

    小宮委員 私の言い分とまた正反対の言い分とあるというようなことですが、それでは、いま先ほど大臣が言われたように、本省からでも調査に行ったらどうですか。こういうように中央におって、ただ陳情だとかあるいはそういった言い分だけを聞いておれば、どちらが本当かわからぬというような疑問があるならば、なぜ郵政省は、局長でも審議官でも現地に行けば、一目瞭然はっきりするじゃないですか。そういうような問題をただ疑問のまま、おまえはそう言うけれどもこういうような意見もあるぞというようなことでこの問題をないがしろにするところに、非常に根の深い問題がある。だから、いま大臣の言われたように、あなたが忙しくて行けなければ局長でも審議官、やったらどうなんですか。  その点、私また農水で質問がありますからこれぐらいにしますが、せっかく警察庁も来ておるようですから、ひとつ警察庁の方にお伺いしますが、こういうような問題について警察庁としての姿勢の問題をひとつお聞きしたいということと、時間がないのでもう一度に申し上げますから。  それが、道路上で集団で個人を取り囲んだ場合にいかなる犯罪を構成するのか。それからもう一つ、家庭にまで集団で押しかけてきて面会を強要したりあるいは大声で叫ぶというようなときの場合はどういうような犯罪を構成するのか。あるいは尾行をしたりあるいは家の前に必ず張り番がおって見張っておるというような、こういった行為に対してはどういうような犯罪を構成するのか。また、これらの行為に対して警察はどのような対策を立てるのか。これらの問題、一括御答弁を願います。私、二時半までに行かなければいかぬですから。
  148. 若田末人

    ○若田説明員 お答え申し上げます。  労働組合運動そのものに対しましては私どもいまさら申し上げるまでもないわけでございますが、不介入の立場にございます。しかしながら御質問のような労働組合運動に随伴いたしまして発生を見ます暴力事案につきましては、仮にそれが労働運動に随伴いたしましても暴力事案は許されないということでございますので、公平厳正に取り締まるのが警察庁の立場でございます。ちなみに、今日までに御質問のような立場、関係で四十八件の暴力事案が発生をいたしておりますが、すでに二十九件の六十一名につきまして検挙をいたしておるところでございます。  それから後段の御質問の具体的な事例を幾つかお挙げでございますが、それにつきましては具体的に事実関係を詳細詰めませんと、そう簡単にどういう犯罪が成立するということは申し上げにくいと思いますが、たとえば非常に長時間にわたりまして監禁をするような場合には監禁罪でございますとか、あるいはいろいろな組合に加入することを強要したような場合には強要罪、あるいは帰りの途中につきまとうというようなことになりますと軽犯罪法違反というようなことが一応疑いが出てまいりますが、立件できるかどうかにつきましては具体的な事件につきまして調査した上で決定すべきもの、そういうふうに感じております。
  149. 小宮武喜

    小宮委員 じゃ、これで失礼します。      ————◇—————
  150. 地崎宇三郎

    地崎委員長 昭和二十四年五月以前の簡易生命保険契約に関する特別措置法案郵便貯金法の一部を改正する法律案及び簡易生命保険法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。  これより、各案について政府より提案理由説明を求めます。村上郵政大臣。     —————————————  昭和二十四年五月以前の簡易生命保険契約に関する特別措置法案  郵便貯金法の一部を改正する法律案  簡易生命保険法の一部を改正する法律案     —————————————
  151. 村上勇

    村上国務大臣 ただいま議題となりました昭和二十四年五月以前の簡易生命保険契約に関する特別措置法案について、その提案理由を御説明申し上げます。  この法律案は、昭和二十四年五月以前に効力が発生した簡易生命保険契約について、簡易保険事業の運営の効率化を図るとともに加入者の利便を図るため、保険金の支払いにかえて、特別一時金の支給をする特別措置をとろうとするものであります。  その内容について申し上げますと、まず、この特別措置の対象とする保険契約は、昭和二十四年五月三十一日以前に効力が発生した保険契約で、この法律施行の際に有効に存続中のものといたしております。  次に、取り扱い期間は、事務の円滑を図るため、保険契約の締結年度に従い、二区分とし、昭和十六年三月三十一日以前に効力が発生した保険契約については昭和五十一年一月一日から三年間、昭和十六年四月一日以後に効力が発生した保険契約については昭和五十一年七月一日から三年間とし、この取り扱い期間内に保険契約者から保険契約を消滅させ、保険金受取人に保険金の支払いにかえて、特別一時金を支給しようとするものであります。  特別一時金の額は、保険金繰上支払金、分配金繰上支払金及び特別付加金の合計額といたしております。このうち、保険金繰上支払金の額は保険金相当額とし、分配金繰上支払金の額は保険契約を消滅させる旨の申し出があったときに被保険者が死亡したとした場合に分配すべき剰余金相当額としております。また、特別付加金は、この特別措置により事業運営の効率化が図られ経費の節減が可能となること、対象となる契約が長期間にわたり簡易保険事業の大きな支えとして貢献してきたこと等の点を考慮し、保険金等の繰上支払金に付加して支払うものでありまして、その額は、保険金額及び経過年数によって定めることといたしております。  以上申し上げました特別一時金の額は、個々の契約によって異なりますが、一件平均の支給額は五千円程度となります。また、この特別措置の対象となる保険契約の件数は約二百三十三万件で、昭和五十年度といたしましては、約十七億円が予算に計上されております。  次に、この特別措置の周知につきましては、保険契約者に対して特別一時金の支給に関してあらかじめ通知をするほか、郵便局における掲示等の方法によりその周知に努めなければならないことといたしております。  なお、この特別措置は、事業として可能な範囲で最善の措置をとるものでありまして、加入者の大多数がこれに応ずるものと確信いたしている次第であります。  なお、この法律案の施行期日は、昭和五十一年一月一日からとしておりますが、加入者に対する周知に関する事項については、公布の日からといたしております。  以上がこの法律案の提案の理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。  次に、ただいま議題となりました郵便貯金法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。  この法律案は、郵便貯金の預金者貸し付けの限度額を引き上げることを内容とするものであります。  現在、預金者貸し付けの限度額は一人二十万円でありますが、預金者から引き上げについての要望も強く、最近における経済情勢にかんがみまして、日常生活の不時の出費を賄うための資金として二十万円では低きに失しますので、これを三十万円に引き上げて、預金者の利益を増進しようとするものであります。  なお、この法律案の施行期日は、公布の日といたしております。  以上がこの法律案の提案の理由であります。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。  次に、ただいま議題となりました簡易生命保険法の一部を改正する法律案について、その提案理由を御説明申し上げます。  この法律案は、簡易生命保険の保険金の最高制限額を引き上げるとともに廃疾保険金の支払い制度を改善しようとするものであります。  まず、保険金の最高制限額の引き上げについて申し上げます。  現在、保険金の最高制限額は、被保険者一人につき五百万円となっており、定期保険については昨年十月から、その他の保険種類については本年四月から実施いたしましたが、最近の社会経済情勢の推移及び保険需要の動向等にかんがみまして、加入者に対する保障内容の充実を図るため、比較的低廉な保険料により高い死亡保障が確保できる定期保険及び満期の場合の保険金額と死亡の場合の保険金額とを異にする一定の養老保険について、それぞれ八百万円に引き上げようとするものであります。  次に、廃疾保険金の支払い制度の改善について申し上げます。  従来、被保険者の廃疾による保険金支払いは、被保険者が一定の身体障害の状態になった時期についての認定が困難なことを考慮し、保険契約者からその旨の通知があったときは、その通知のあった日に被保険者が死亡したものとみなして保険金の支払いをすることとしておりますが、傷害特約制度等も軌道に乗り、身体障害の状態になった時期の認定についても相当の経験を重ねてきておりますので、この際、被保険者が身体障害の状態となりその旨の通知があったときは、その身体障害になった日に被保険者が死亡したものとみなして保険金の支払いをしようとするものであります。  なお、この法律案の施行期日は、公布の日からといたしております。  以上がこの法律案の提案の理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
  152. 地崎宇三郎

    地崎委員長 これにて各案の提案理由説明は終わりました。     —————————————
  153. 地崎宇三郎

    地崎委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。阿部未喜男君。
  154. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 ただいま提案のありました保険の二法並びに貯金、この三法の改正につきましては、これは前の七十五通常国会で附帯決議等をつけた上で、本委員会でも各党賛成で通過をした経緯がございます。したがって、私は改めてこの問題について審議をするという必要はないと思うのですけれども、ひとつ明らかにしておきたいことは、その際われわれは附帯決議を付してこの委員会で成立を図ったわけでございますけれども、この附帯決議の取り扱いについて慣例がまだ確立していないようでございます。したがって、委員会によっては廃案になってもう一度提案をされた場合に改めて前の附帯決議を付すという方法もとっておる委員会がございます。また、委員会によっては、一度つけた附帯決議はそのまま生きておるんだ、同じ法案である限り附帯決議は生きておる、こういうような解釈をとっておるところもあるようで、必ずしもこの慣行が確立していないように思われますが、私は要はその附帯決議を行政の面で十分に生かしていくかどうかということに問題があると思いますので、この委員会でこの取り扱いをどうするか、われわれが決めなければならない問題ですが、もし大臣の方で、すでに前回の附帯決議があったことだからその趣旨は十分これからの運営に当たって生かしていくのだという御決意があれば、ここで改めて附帯決議を付する必要はないのではないか、そういう気もしますので、前回の附帯決議に対する大臣のお考えをちょっと承っておきたいのです。
  155. 村上勇

    村上国務大臣 前国会の附帯決議でありましても、多数をもって御提案になり、これが御可決を見た附帯決議であります限り、十分尊重してまいりたいと思っております。
  156. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 特に事務当局にお願いしておきますが、いま大臣からお話がありましたように、改めて附帯決議をつくることはいたしませんが、七十五通常国会でこの関係法案の審議をしたときの附帯決議はそのまま生かされておるというふうに理解をいただいて、これからの運営に当たって十分配意をしていただきたいと思います。  それから、これは私は質問するつもりはなかったのですが、先ほどの一般質問小宮委員から、何か郵政の労働関係について若干質問があったようですが、私は大臣の御答弁を承りながら非常に感銘を深くしました。全くそのとおりだと思うのでございまして、よく、木を見て森を見ざるたぐいという言葉がありますけれども、今日職場において二つの労働組合があるために、それぞれ、みずからの組織を拡大するために紛争があるという事実は私も承知をしております。しかし、先ほどのお話のように、片方の全逓という組合だけが悪くて、全郵政の組合は常にいいのだという、こういう主張だけがまかり通りますと、これはなかなか黙って聞き捨てしがたい問題で、私の住んでおります大分では、逆に第二組合の全郵政の諸君が鹿児島や熊本から大挙してあらわれて、勤務中の全逓の組合員に暴力を働くとかあるいは帰りを路上で待ち受けて、空手などの有段者がやってきて暴行を加えるとか、そういう事例が多々あるわけでございます。したがって私は、大臣の御答弁を聞きながら、まことにそのとおりで、二つ組織がある限り、両方の組織がそういう意味で自分の組織を大きくしょうとして職場に紛争が起こっておる、この事実は覆いがたいが、その処置については常に厳正中立でなければならない、そういうふうにいまでも私は思っておるわけでございます。  ただ、これは歴史的経過がございまして、実はこれをつくったときは郵政当局がつくらしたわけですよ。労務政策としてですね。これはマル生の問題として今日天が下明らかなところでございますけれども、しかし最近の姿勢は、確かに、いま大臣おっしゃったように、私は中立の姿勢になっておるというふうに理解をしておりますが、末端にいきますと、つくらしたときの経緯があるものですから、したがって第二組合、全郵政の労働者は、郵政省側がこれを庇護してくれる、かばってくれるものというふうに考えておる。そういう傾向から、何かあればすぐ郵政当局に泣きついて、郵政当局の力をかって、いわゆるトラの威をかって何とか処理をしようという傾向が今日なおなくなっていない。そういうところに紛争の大きい原因があるので、最近郵政当局では労働問題という言葉を使って、労働組合同士の問題ではないか、こういう言葉を使っておるようですが、これもまた私は当を得たことで、従来第二組合といえば即郵政当局というふうに見られてきたのですけれども、今日はそういうことでないことを私は非常に喜んでおりますが、なお下部に、先ほど申し上げましたように、歴史的な経過から、第二組合は郵政当局側で、全逓は敵だというふうな、まだ誤った考えを持っておる諸君もおるようでございますから、この点については、労務政策上の措置として、ひとつ十分に、先ほど大臣がお答えになりました厳正中立であるし、また同じ職場で働く者が兄弟かきにせめぐようなことがあってはならないのだということについて、事業を中心に、人の和をもってこれが運行が図れるような趣旨を、ひとつ機会を見て、大臣の御趣旨として徹底を図っていただければなお幸いだと思いますが、ひとつお願いしたいと思います。
  157. 村上勇

    村上国務大臣 全く御指摘のとおりでありまして、私は、とにかくそこには甲も乙も、色もなければ何もない。とにかくまじめに郵政業務のために専心してくださる人、それは私は神さんだと思って、私も手を合わして歓迎いたしておるわけでありまして、どうぞよろしく……。
  158. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 大臣、そういう通達か大臣の趣旨が徹底するような措置を考えてもらえませんかということです。
  159. 村上勇

    村上国務大臣 絶対に本省内においてもまた管理職がへんぱな考えを持つようなことはないと信じておりますし、また、そういうことのあろうはずもなし、また、そういうことがないように指導してまいります。
  160. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 通達を出すというには至らないようでございますが、ひとつこれも時期を見て考えていただきたいと思います。なおこの上紛争が続けば、大臣の気持ちを下部まで徹底させてもらいたい。これは要望にしておきます。  ところで、どうも郵政省というのは、いろいろ国会で審議をし議論をしても、なかなか、大臣の気持ちと違って、守ってもらえない傾向がございまして、非常に残念に思っております。私はあえて国会軽視とは言いませんが、ここでこういうふうにしたいと思いますというふうに答弁をされたことについては、やはりそれなりに実行してもらいたいと思うのですが、かなりの日数がたってもなおかつ守られていない二、三の事項について、その後の取り扱いの模様等を聞きたいと思います。  まず、郵便切手売りさばき所の手数料の問題でございますけれども、私ずいぶん前から議論してきたのですが、大臣も田舎にたくさんこれはあると思うので、よく聞いておいてもらいたいのですけれども、これは切手の売りさばき所をつくって、看板を出して、常備定数を備えて、切手売りさばきの箱を置いて、しかもその売りさばき時間というのまで決められて、言うならば人間を拘束しておるはずです。看板も出さしておる。常備定数も持たしておる。そこで一体手数料として基本はどういうものかということを議論したら、そういうものも含めて売りさばき手数料というものが考えられておるというわけです。したがって、その月の切手なりはがきを買い受ける額が五千円に満たないときは五千円買ったものとしてその一割の五百円を差し上げます、これは私は最低保障だと思う。ところが矛盾があるのは、はがき一枚買い受けてもこれを五千円とみなして五百円の手数料がもらえますが、一枚も買い受けをしないと一銭もやらないというのですよ。最低保障であるならば、一枚も買い受けしなくとも、看板は出しておる、切手箱も置いてあるじゃないか。人間もおる。それに一銭もやらぬとは無理じゃないか、こう話したら、これはもう理屈の上では大臣もわかってもらえると思うのですが、大体そういうことです、したがってこれは何らかの措置をとりたいと思いますということだったのです。何らかの措置が何年たってもとられないわけですよ。そこで、今度は質問をするということを申し上げてありますから、幾らか検討してもらっておるのではないかと思いますので、事務当局の方で結構です、検討の結果を説明を願いたいと思います。
  161. 廣瀬弘

    廣瀬政府委員 売りさばき手数料の問題でございますが、これにつきまして過去先生からたびたびの御指摘をいただいておることば十分承知いたしております。  一カ月の買い受けが皆無の場合でも最低保障として何らかのものが受けられるような措置を講ずべきであるという御趣旨でございますが、その後も私どもは種々検討は重ねてまいったところでございます。これまでも、たとえば運用の面におきましては、買い受け皆無の売りさばき所をなくしていくという観点から、できるだけ買い受け実績をつくっていただくように郵便局への指導を行ってきております。また、売りさばき人の組合を通じて、そういったことを勧奨するようにしておるわけでございます。また、距離的あるいは時間的に買い受けが非常に困難であるというような向きにつきましては、郵便集配人による買い受けを勧奨するというようなことで買い受けを容易にするような方法を指導してまいってきておるわけであります。しかしながら、先生指摘のように、こういったことのみでは私は基本的な解決にはならないというふうに考えます。したがいまして、一カ月の買い受けの実績のない売りさばき所をすべて救済する方法ということにつきましては、やはり現行法の規定の仕方からは困難ではなかろうかというふうに考えますので、この基本的なあり方につきましては、次の売りさばき手数料改定の際には、御趣旨を体しまして措置するようにいたしたいと考えております。
  162. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 まことにりっぱな答弁をいただきましたので、きわめて満足でございますが、それでは、今日いろいろな手段を講じておるが、なお十分ではないから、次に売りさばき所の法改正の際に趣旨に沿うような措置をとる、こういうふうに理解をしてよろしいわけでございますね。——わかりました。  それでは、その次に、もう一つ、大臣、非常に似通りた問題があります。  最近は御承知のように電話が非常に発達したものですから、電報が非常に少なくなっております。電電公社もこれが赤字で大変困っておるところなんですけれども。それで、郵政省の方でも従来は電報を配達するための人間を配置しておったのですが、一名を配置しておったのではもったいない、こういうところが出てきた。これはやむを得ぬことでございます。そこで請負という制度をつくりまして、そして電報配達請負人というのに対して委託契約をするわけです。それで電報があったときに、あなたが配達に行ってくれということで、これは市内配達、それから特使をもって配達をするところ、夜間配達といろいろと分かれてきて、契約の内容はいろいろあるわけですけれども、その中で市内の配達に当たる、普通配達区域の配達に当たる契約ですが、月をもって契約をしているわけです。もちろん月をもって契約をするに当たっては、たとえば、この局の電報は平均して一カ月十通であるというところ、平均して五十通であるというところは、それなりに五十通のところは五万円とか、三十通のところは三万円とかいう契約の多寡はありますが、とにかく月をもって決めておるわけです。ところがここがまた最近の状況で一カ月間全然、一通も電報が出ないのが出てきたわけです。これが相当な数に上るわけです。  ところでその契約の内容には、電報を配達したときに払うと書いてあるから、一通もなければ配達したという実績が残らぬわけです。そこでやらない。ところがこれは法的に解釈しますと雇用契約みたいな問題にまで発展する。相手の労働力を拘束しているわけです。あなたは電報があったときには必ず行ってくださいよということで契約をして、そこで一カ月三万なら三万あるいは五万なら五万という契約を結んでおる。たまたまその一カ月について普通配達区域の電報がなかったからといって、ごれに一円も支給をしない、相手の労働力を潜在的に拘束をしておきながら金をやらない、これは私はきわめて悪質な契約だと言わざるを得ないと思うわけです。  こういうのが実態として幾つかありますが、たとえば一人の電報配達の請負の方について、昭和四十九年で二カ月全然もらっていない月がある。昭和五十年で、いままだ十月ですけれども、すでに二カ月一銭ももらえない、契約を結んでいながらもらえない。契約条項から見ますと、これは無理もないのですよ。電報の配達を行ったときにという言葉があるから、一通もなければ、行わなかったではないかと言われれば、この契約の上からはもう仕方がないことになるけれども、しかし本来の契約の趣旨から考えて、恐らく郵政省も一カ月に一通も電報の配達がないというようなことは考えずに結んだ契約だと思うのですよ。たまたま一通も配達がないような事態が起こってきたら、これを奇貨として一銭も払わない。これはちょうどいまの切手売りさばき所の最低保障と同じように、相手の労働力を拘束する以上は最低保障として支払うべきものだと私は思うのですが、どうでしょうか。
  163. 廣瀬弘

    廣瀬政府委員 御指摘のように現行の制度におきましては電報の配達を行わなかった場合は、その月の請負料は支払わないということになっておるわけでございます。  先生の御指摘のように、当初そのような事態が多数発生するということはあるいは予想していなかったことであろうかと思います。しかしながら最近先生の御指摘のように電報通数が減少してきておりますし、また電話の普及によりまして電報の電話送達の増加というような現象も見られるようになってまいりまして、地域によりましては請負人の配達する通数が相当減少してきておりまして、中には当初想定いたしておりませんような、配達すべき電報がないというような、御指摘のような事例が出てきておるのは事実でございます。こういった事柄につきましては、将来の電報配達区域のあり方などをも十分勘案しながら今後検討してまいりたいと考えております。
  164. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 これは行政ですから、私は郵政省仕事がきょう言ってきょうできるとは思わないのですけれども、しかし契約を結んでおる方々は電報がないということは想定をしていないわけです。この契約があるから今月は三万なら三万、四万なら四分の収入があるということを想定しながら生計を立てておると思うのです。それがいま申し上げたように一人の電報請負の方でも一年のうちに二カ月も無収入の月ができてくるということになりますと、これはなまやさしい問題じゃないのですよ。そうなれば過去に起こった問題についてどうするかということから考えてもらわなければならない。これから先検討して将来の課題として何とかというふうななまやさしい実態ではない。  まず第一点は、いままでそういう事情で支給されなかった者についてどういう措置をとるか、これからどういうふうに変えていくか。これは契約内容を変えればいいのですから、いと簡単なことです。これは大臣、気の毒でしょう。私だって電報の請負をしておれば、今月は電報請負で四万入るという計算をして自分の生計を立てていますし、したがって就職もせずに電報請負をすることを目標として仕事をしているわけでしょう。それがたまたま電報が一通もなかったから、契約条項がこうなっておりますという契約条項を盾にとって金を払わないというに至っては、これは悪質な高利貸ですよ。そうすると大臣どういうことが起こると思いますか。いいですか、悪知恵があれば自分で電報を一通打つんですよ。ところが私は、やはり国の政治の機関がそういうことをやれと言うのは間違いで、契約を直してやる、法を直してやるという精神でなければならないと思うのです。私も言うように、それは悪知恵があればやれと言うんですよ。そんならおまえ自分で一通打って自分で配達すれば四万なり五万なりもらえるじゃないかという理屈になるが、それは法の網、契約の網をくぐる悪質な手段だと思います。それならそういうことをさせなくて済むように法を改正すべきだ、それが国会仕事だとも私は思うのですが、どうでしょうか大臣
  165. 村上勇

    村上国務大臣 とにかく生活に直結している問題でありますので、これはやはり慎重に考えて前向きの姿勢で処置すべきものだと思います。いまの電報を自分で打ってなどというようなそういう不正義なことを公務員、従業員がやるということは、これはまた金の問題と違う大きな問題が起きてきますので、その点については十分前向きで検討させたいと思います。
  166. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 いま大臣もおっしゃったように、私もそう思うのです。すでにいままで起こっておるのですから、具体的な措置をどうせよとかいうことまで私は申しません、いままで起こっておる問題、契約金を払っていないものについても措置をするということを前提にして、速やかにこの契約改正なりあるいは一通もなくても支給ができるように、そのかわり契約金額が幾らか変わるかもわかりませんよ、そこまでは私は言いませんから、その辺を措置ができるかどうか、事務当局の考えを聞かせてください。
  167. 廣瀬弘

    廣瀬政府委員 ただいま大臣からお答え申し上げましたように大きな問題でございますので、全般的に十分検討する要があろうかと思いますが、これからその内容につきましては慎重に分析いたしまして検討をし、その結果を得たいと考えております。
  168. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 郵務局長、私は慎重というよりも拙速でもいい、これは早くやってもらわなければならないと思うのですよ。趣旨ははっきりしているわけですから、この問題は何も慎重になんということはないんですよ。内容ははっきりしているわけです。一通も電報がなければ一カ月の契約金を全部やらぬ、一通あれば全額払うというのでしょう。それなら当然悪いことをしようと思えば自分で打って自分で配達して一カ月分もらう以外に手がないんですよ。そういうことを慫慂するのか、それともまじめに今月は配達がありませんでしたと言ってきた人間も拘束をしておる以上は最低の保障をしてやるというふうに考えるのか。これは慎重でなくて急がなければならない。どのくらい急いでくれるのかちょっと……。
  169. 廣瀬弘

    廣瀬政府委員 私が慎重と申しましたのは、電報配達制度全般のあり方につきましても全体的に考慮をする必要があるという意味で申し上げたわけでございまして、ただいま先生指摘の事柄につきましては、今後できるだけ速やかに検討してまいりたいと思います。
  170. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 それではくどいようですが、その速やかの中に、いままで不正をしなかった、不正と言うと語弊がありますが、特定の手段を講じなかったためにもらえなかった月がある。この人たちの分も含めて考慮してもらう、そう理解しますが、いいですか、局長
  171. 廣瀬弘

    廣瀬政府委員 これは契約に関する事項でございますので、過去にさかのぼってというのはきわめて困難なことではなかろうかと私考えるわけでございますが、将来に向かって速やかな検討をいたしたいという意味で申し上げた次第でございます。
  172. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 大臣、そこなんですよ。悪知恵があって自分で電報を一通打っていったやつは、金をもらって涼しい顔をしておる。まじめにそれをしなかった者は、お役所のたてまえですぐ契約だからさかのぼれぬとかいろいろ言うけれども、それは何か知恵がありましょうがと言っておるのですよ。そのことを含めて解決をしてくれませんか。これはもう大臣、政治的です。あなたひとつ答えてください。
  173. 村上勇

    村上国務大臣 これはどうも電電公社とのいろいろな打ち合わせをする必要がありますので、あなたの御趣旨はよくわかるし、といって私は、要領よくやって犯罪者をつくるというような、そういうことはやらせたくないし、とにかく何か適当ないい方法をひとつ見出すように努力いたします。(阿部(未)委員「犯罪じゃない」と呼ぶ)いや、犯罪じゃないが、もし電報を自分で打てば犯罪的な、そういうことであってはならぬ、こう思っております。
  174. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 そうなると、ちょっと技術的ですが、たとえば一つ例を申し上げますが、私が持っておる資料によると、この電報請負の方は四十九年の八月は普通区域にあてたものについては配達はないけれども、特使をもって配達する特別区域にあてた電報は扱っておるのですよ。そうすると、この条項からいけば全部を含めて契約しておるから、特別区域に配達があればやってもいいじゃないかという理屈だつて成り立つわけですね。ここは、普通区域にあてた電報が一通もないときに払わぬとは書いてないのですよ。「電報の配達を行なったとき」と書いてある。契約は、料金こそ違え特別区域も含めて契約しておる。これによりますと、特別区域にあった、普通区域になかった、これも払ってないのです。だからこれは契約の解釈ではどうにでもなる問題も含まれているはずですから、そこで私は便法というものがあるだろうということを申し上げておる。大臣公社の方は余り触れぬで、もう郵政省は請け負うと言っておりますのであとは大丈夫ですから、いいですか。局長、どうです。
  175. 廣瀬弘

    廣瀬政府委員 ただいま先生指摘の特別配達区域につきましては、別の立て方をとっております。したがいまして、両者は混同できないものと私どもは解しております。
  176. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 そんなこと言うと、これは論争せにゃならぬですよ。この契約書は全部ひな形大体同じですが、請負契約をするのは第一条の一号、二号、三号とありまして、一号は普通配達区域なんですよ、いいですか。二号は特使をもって配達するもの、三号はたまたま欠員ができて欠務を生じたときなんですよ。この三つを含めて契約しておって、料金の算定こそ異なれ、この中に「第一条の規定により電報の配達を行なったとき」とあるけれども、第一条一号の規定によりということはどこにもないですよ。そんなことはもっと勉強しておいてもらわなければ困りますよ。
  177. 廣瀬弘

    廣瀬政府委員 契約書によりますと、第一条第一号の電報については一カ月幾らという定め方をしておるわけでございます。これは第三条の第一項の第一号に掲げてございまして、そういう立て方で支払うというたてまえでございます。
  178. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 おかしいよ。しかしこれは解釈の仕方で、解釈からいけば非常にあいまいになるのですよ。第三条は、「乙が第一条の規定」——第一条には三つの場合が規定されておるのですよ。「第一条の規定により電報の配達を行なったときに」払うとなっているのですよ。行わなかったときに払わないという規定はどこにもないのですよ。これは、行ったときに払うという規定なんです。それなら第一条には第一、第二、第三号とあって、そしてそのうちの第二号に該当するものがあるわけでしょう。そのときは、月によっても違うし時間によっても違うが、こういうものを払うと決まっているでしょう。それなら配達を行っておることは間違いないでしょう。特別区域であるから月額のを払わぬでいいという規定はどこにもないでしょう。あなたがそれを強く主張されるならば、第一条第一号のものについては配達がなければ払わないと明定してあればそういうことになるでしょう。しかしそれは配達したときに払うとしてあるのだから、どの条項であろうとも配達したという事実が残る限りこれは月額払わなければおかしいですよ。これは論争しようと思えば私はできますよ。
  179. 廣瀬弘

    廣瀬政府委員 これは第三条の読み方かと思いますけれども、全体に第一項がかぶっておりますので、あるいは先生のような御疑問も生ずるかと思いますけれども、それの払い方を実はその第一号以下で明定しておるわけでございまして、「第一条第一号の電報については」ということで月額をはっきり示したものというふうに私どもは解さざるを得ないのではないかと考えます。
  180. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 時間もありませんし、これを余り長く議論する気はありませんが、さっきも申し上げたように、これは委員長も一銭も払わぬのかとびっくりしておりますように、本来請負の契約というものは相手の労働力を潜在的に拘束しておるのです。拘束しておるからこそ、仮に一カ月に十通ぐらいの電報であろうとも、一通当たりで契約すれば安くて済むものをかなり高い——高いと言えば語弊がありますが、かなりの金額をもって契約しておるのは、潜在的に労働力を拘束しておるからわりあいに高い契約金を払っておるのですよ。そういう最低保障的なものがこの契約の中に含まれておると理解すべきですよ。含まれておるならば、一通もなければ一銭もやらぬという理屈はどこにも成り立ってこない。この原則をあなた方が認めるならば、いままでたまたま漏れた人がおる、この者についても何らかの措置を講じてもらいたい。これは私は金がないとは言わせません。あなた方がもし突っ張れば、私は金の出場まで全部明確にしていきますが、どうですか。
  181. 廣瀬弘

    廣瀬政府委員 先生指摘のように、最低保障の問題につきましては私ども先生指摘のとおりだと思いますし、今後十分検討してまいりたいと思いますが、過去にさかのぼってということになりますと、契約の性格から現在の段階では非常に困難ではなかろうかというふうに考える次第でございます。しかしながら、私ども決してこのままでいいというふうには考えておりませんので、先生指摘のように、この問題につきましてはできるだけ速やかに検討をいたしたいと考えております。
  182. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 くどくなりますからもう言いませんが、ぼくは方法があると思うのですよ。たとえば一通もないところについては慰労金とか報償金とか、何かそういうことが考えられやせぬですか。そういう意味も含めて、それならこの期間中に該当した者は、たまたま契約が不備であったから一銭ももらえなかったという結果を生むのでは片手落ちになるでしょう。だから将来に向かって改定ができるものならば、ここ一、二年のわずかの間なんですから、件数も百とはないわけですからちょっと考えてくださいと、ぼくはわかりやすい話をしておるのですから、あなた、はいと言いなさいよ、どうですか。
  183. 廣瀬弘

    廣瀬政府委員 できるだけ速やかに結論を得たいと考えます。
  184. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 余りそこまで言いにくいところもありましょうが、私が申し上げた趣旨は大臣も十分御理解いただけると思います。国会の場で公式に約束すればなかなかあれでしょうから、趣旨はわかったということでひとつ進めたいと思いますが、ようございますか。——それではその次に参ります。  先ほど小沢委員から普通貯金の十円以上ということについて質問がありましたね。十一円でもいいのか。それはいいことになっておるのです。定額貯金の方ですが、定額貯金はたしか規則の方で金額の定めがあるのですよ。そこで私の記憶では、たしか千円とか五千円とか一万円とか十万円とかあるのですが、なぜああいうものをつくってあるわけですか。
  185. 神山文男

    ○神山政府委員 お答えいたします。  定額貯金は、貯金法第七条によりまして、「一定のすえ置期間を定め」云々、「一定の金額を一時に預入するもの」ということで、第二項でございますが、「前項のすえ置期間及び預入期間は政令で、預入金額は省令で定める。」ということで規則に委任されているわけでございます。  そこで「一定の金額」をどうするかということでございますが、現在「千円、五千円、一万円、」というような刻みを置いた金額を定めているということでございます。
  186. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 大臣、われわれは郵便貯金三百万円までできるわけですね。三百万定額貯金にしたときにどういうことになるか御存じですか。大臣は、三百万円おれは定額貯金したとお考えになっておるでしょう。あれは五十万円六口ということになるのです。三百万円一口ではないのです。そういう規定になっております。したがって、たとえば十一万円定額貯金したいという場合は、十万と一万ではなくて、一万円十一口となるわけですね。証書は一枚だから、加入者はみんなおれは百万貯金した、おれは二百万貯金したと思っているのですよ。裏をひっくり返してみますと、五十万円何口となっているわけです。それで、郵政省は規定上そうするのは構わぬ上しても、仮に五十万円一口の場合と十万円で五口になった場合にはわずかではあるが利子の計算が変わってくるのです。十年も預けておけば大分これは違ってくるわけですよ。そうすると、預入者は百万貯金をしたいと思っても、そういう規則があるために、百万持っていっても五十万二口と郵便局で決められてしまうわけです。五十万二口ぐらいのときは、率直に言って百万と余り利子の変わりはないでしょう。しかし十一万という貯金をするとき、十一万の定額ができるか一万十一口になるかではずいぶん変わってくる。まことに時宜を得ないもので、しかも今日総額が三百万になった以上はその都度改正をしていくべき筋のものだったと思うのです。その改正を怠っておったから今日最高五十万が一口、おれは三百万定額貯金しておると思うておると間違うて五十万六口になっておる、こういう規則になっておるのです。これは預入者の方の立場から考えてみると郵便局の都合で勝手に決められておるもので、まことに不都合きわまるという気がするのですが、まず私の解釈に間違いがあるかないか貯金局長から答えてもらいたい。
  187. 神山文男

    ○神山政府委員 ただいま先生のおっしゃるように、一万円口の場合と十万円口の場合と利息については端数計算において多少違う、非常にわずかでございますが、違うことは事実でございます。最高一口五十万という金額を検討して、上げるという方向はとれないのかという御質問でございますが、この件についてはよく検討いたしたいというふうに考えております。
  188. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 実はこの前ちょっと積み残している任意弁償の問題についてもきょうもうちょっと質問したいと思ったのですが、あのとき大臣も前向きで期間を定めて検討しようというお話でございましたから、任意弁償問題についてはそれではきょうはやめますけれども、あのときの趣旨を事務当局も十分くんでいただいて、任意弁償をどう扱っていくかということについて十分検討願うということをお約束してもらって、私の質問を終わります。
  189. 神山文男

    ○神山政府委員 十分検討いたしたいと存じております。
  190. 地崎宇三郎

    地崎委員長 土橋一吉君。
  191. 土橋一吉

    ○土橋委員 私は、郵便貯金法の一部改正並びに簡易保険法の一部改正については全面的に賛成をしておるわけです。ですから私は郵便法の一部改正についてだけまず質問をして、あと昭和二十四年以前の簡易保険の特例に関する問題について、この二つを質問したいと思いますので、明確に答えていただくようお願いしたいと思います。  今度の郵便貯金法の金利の引き下げの問題は、郵便法の料金引き上げと同様に一般新聞などでも連日報道いたしておりました。私もその内容をスクラップしていたのですが、ほとんど連日郵便貯金の問題が書いてあるわけですね。  そこで私は、ちょうど十月の過日、郵政大臣政府委員室でお会いをいたしまして、私どもの物価対策関係の本部長の工藤晃さんとともに、日本共産党・革新共同としての基本的な問題について、大臣にも金利を下げないようにということで要請文と抗議文を出したことは御承知のとおりだと思います。  そこで私が特に質問したい点は、いま非常に不景気で皆さんが困っております。また不況対策をどうするかということも今次国会中心的な課題であります。  もう一つは、インフレがずっと進んでまいりまして、これはどの国民の皆さんも非常に困っておるわけですね。ところが政府の提案によって郵便料金、特に酒、たばこはいま参議院の大蔵委員会にかかっておりますけれども政府指導型によってこういう料金をどんどん上げてくるということは、物価を鎮静さすあるいは国民需要を抑えてそうして国民生活の安定を図るというような観点から見ると、根本的に間違った方向で郵便料金の値上げあるいは酒、たばこの値上げを政府指導型によってやっておるというふうに私は思いますが、大臣はこの問題について、簡単で結構ですから、一体どういうことでさような行き違いを政府がやっておるのか、この点を答えていただきたい。
  192. 村上勇

    村上国務大臣 郵便料金につきましては、すでに趣旨説明等でたびたび申し上げましたように、とにかく郵便の事業というものがほとんど人手を要するものでありまして、毎年上がってくる労銀引き上げのためにはどうしても現行料金では一年に千二、三百億も、あるいは二千億も、三年間では七千億も足らなくなる。これではとても郵便事業の経営というものが成り立つものでない。そこでお許しをいただいてあの料金改定の法案を提案しておる次第であります。
  193. 土橋一吉

    ○土橋委員 しかし、郵政大臣もよく御承知のように、去る十月一日、本院のこの委員会においてああいう状態において強行採決をしたという形でただいま参議院へ回送されておるわけです。したがって、この審議の模様も、委員長自身もよく御承知のように、ああいうものはこの逓信委員会において通過したと言いがたいものであります。これはもうはっきりしておるわけです。  そこで、私は金利の問題を追及いたしますが、これは端的に答えていただきたいのですけれども、そういう状況で公定歩合を一%下げたから、どうしても郵貯のいわゆる金利を下げなければいかぬ、こういう理屈になってきておるわけですよ。ところが、現在郵便貯金というのは、九九%近いものは個人の零細な貯金であるわけですよ。したがって、郵便貯金法の第一条の規定を見ますと、これはどういうことを書いておるかといいますと、あなたもよく御承知でございますけれども、ここにはこういうふうにはっきり書いてある。「この法律は、郵便貯金を簡易で確実な貯蓄の手段」としているわけです。貯蓄の手段ということは、結局そこへ預けておけば幾らか知らぬが利がついて、それを引き出したときには自分の当初の計画どおりのものが十分買えるであろうということを予定しておるわけです。また郵便貯金法の第十二条の規定によりますと、やはりここにも書いてあります。「郵便貯金が簡易で確実な少額貯蓄の手段としてその経済生活の安定」をするということになりますと、貯金をすることについて、国民大衆はあそこへ預けておけば確実な貯蓄の方法として金利ももらえるし、また元金もちゃんとしたものをもらえて、その元金、利息では自分が考えておったものをちゃんと買える、こういうことがこの法律によって保障されておるわけですね。ところが、さっきあなたもおっしゃいましたように、物価もこれから上がるんだ、大学出でもなかなか勤め口がない、こういう状況だということをあなたは先ほどの田中委員の御質問の中でもお答えになった。物価が上がることを予定をしておって、郵便貯金の目減りについて、この価額が非常に少なくなってくる、こういうことについて政府はどういう保障をしてくれますか。その保障なくして、郵便貯金法第一条と第十二条の規定からいっても、この精神を政府自身が足げにしてけとばすようなことをやっていながら、郵便貯金をやってくれ、やってくれと国民に幾ら言ったって、国民が信用するはずがございませんでしょう。そういう事態を救済しないでおいて、そして郵便貯金だけをなぜ奨励するのか。どういうわけですか。政府国民から与えられた強大な権限をせっかく持っておるのですから、物価の安定を図る、そして郵便貯金法の基本的な原則に従って——これは郵便貯金だけじゃございません。農協なんかの金もそうでしょう。また町にある信用組合などに預けておる一般庶民の皆さんもそうでしょう。しかし、大法人は公定歩合の引き下げによって非常な利益を受けるわけだね。これは法人組織です。事業形態を持っておるそういう私法人です。端的に言えば大資本の株式会社です。そういう諸君の利益を図って、郵貯にわずかな金を預けておるそういう人の目減りを抑えることもできないでおいて、おまけに金利だけは下げるというのはどういうわけですか。
  194. 村上勇

    村上国務大臣 先生も御承知のように、第四次不況対策の一環としてどうしても金利水準を下げなければならぬということは、総理大臣の施政方針演説の中にも入っておりました。そういうようなことで、政府全体の考え方がどうしてもここで金利水準を下げる、貸し出し金利も下げるかわりにやはり預金金利も下げなければならぬということでありました。
  195. 土橋一吉

    ○土橋委員 わかりました。そうすると村上郵政大臣はこの金利を下げるということは第四次不況対策上の基本原則だ、こういう説明だったと思うのです。ところが第四次不況対策なるものは結局大企業、大資本、さようなものが景気刺激政策によって日本銀行から膨大な金を借りたものが、金利が安くなっておのれの肩が軽くなった、それだから事業をやるだろうという予測のもとに行われている金利引き下げであるわけです。ところが一般国民大衆、零細な金を貯金しておる者は、さようなところまで均てんを受けることはできないわけです。たとえば中小企業が大きな銀行へ行って金を貸してくんなと申し入れても、それは担保を提供せよとなかなかむずかしいわけです。特に市中銀行などでは中小企業が金を貸してくれ、一千万円貸してくれと言えば、二百万預金してくれとかいわゆる歩積みあるいは両建てという方法で、なかなか金利が渋いわけです。同時に金も貸してくれないわけです。したがって、金利政策というものが大資本、大企業には景気刺激によって事業をやるような方向に向かうかもわからぬけれども、一般国民やあるいは零細な貯金をしておる方方にとっては、何の縁もないことだ。そうすることによって物価は上がってくる。そうして不景気でなかなか収入も入らない。そうするとこの一般の新聞が報道しておるように、ダブルパンチを郵政省国民の皆さんにかけておるということになるのですが、それでもそうでないと言い張るのですか。
  196. 村上勇

    村上国務大臣 非常に誤解があると思います。今回の金利水準を引き下げたということが大企業の一方的な利益になるというようなことは断じてありません。中小企業といい小企業といい、全般の金利水準が、貸出金利が下がるのでありまして、大企業のみに金利が味方するというようなことは断じてございません。
  197. 土橋一吉

    ○土橋委員 あなたは断じてないといま公言をいたしましたが、現実問題として中小企業の諸君がこの金利引き下げによっていまあなたがおっしゃったような利益を受けておるのですか。実際はそうではございませんでしょう。たとえば三百万貸してくれと言っても五十万金を預けてくれ、実際の状態というのはそういう状態ですよ。これは動かしがたい事実であります。ましてや郵便貯金をしている人たちにはとてもそんなことはできない。そしてこれは勤労者であります。あるいは零細な漁民や農民の方々であります。そのことによって、金利を下げてどんな利益があるのですか。仮に私が郵便貯金をしておるといたしまして、金利を下げられて私はどんな利益があるのですか。何の利益もないですよ。そういうことを予定しておるからこそ——郵便法第一条の規定でも、第十二条の規定にいたしましても、金利問題については相当考慮しなければならぬということは明瞭であるわけですね。ですから、あなたがいま仰せになりましたように、絶対そうじゃないと言い切るけれども、事実はそうではない。逆なんですよ。たとえばここで申し上げますと、ある新聞はこういうふうに報道しております。ここをちょっと読みましょうか。「ところで、金利が一%下がると、企業はどのくらいもうかるか。郵政審で参考人の教授が、はじいてみせた試算によると、三菱商事が年間八十億円、三井物産が六十四億円、新日鉄や三菱重工が二十五億円と金利負担が軽くなる。」金利負担が軽くなってよろしいというようなことをちゃんと新聞が報道しておるわけですよ。過日私もあなたに指摘をいたしましたように、企業は太る、個人はやせてしまう、こういうことをちゃんと新聞も——これは報道機関ですからいいかげんなことを書いておるものじゃない。ちゃんと第三種郵便物の認可も受けておるところの毎日新聞という報道機関がちゃんと報道しておるわけだ。いかがですか。あなたがおっしゃっておるようなことになっていないわけだ。ましてやこの金利政策は明らかに反国民的なものであるし、反郵便貯金者的なものであることは明瞭であるわけだ。ですから、私はあなたがここで金利の目減りについて、あるいは預金の目減りについてどういう措置を政府は考えておるかということを明確に答えてもらわなければならない。ここのところが一番大事なところですよ。いままで逓信委員会で何回も論議をしておるけれども、あなたがこの預金の目減りについてどうするか、この金利の引き下げについて国民がどういう被害を受けるのでどういう救済をするかということは正確に答えていないわけですよ。これをきょうは答えてもらいましょう。
  198. 村上勇

    村上国務大臣 私もこの金利引き下げについてはずいぶん抵抗してみました。しかし不況対策の一環としてどうしても日本の経済というか、物価を落ちつかして、そうして各企業中小企業といい大企業といい、活発に運営するのでなければ失業者はどんどんちまたにあふれてくるし、物価もまたとどまるところを知らなくなったのではというその不況対策と、それから一方ではインフレ、この二つがちょうどあぐらをかいているような時代でありましたので、とにかく政府としてはいろいろな対策の中でまず金利引き下げというものを非常に大きく取り扱ってきたわけでございます。もちろん、私の立場からすれば国民大衆の零細な貯蓄の集積であります郵便貯金の金利を下げることについてはずいぶん逡巡いたしましたけれども、物価を安定させることと、また失業者をなくするためにはどうしてもこの政府方針に従わざるを得ない、かように思いまして郵政審議会に法に従って諮問いたした次第でありまして、郵政審議会の結論は、まあ今日のこの不況対策のためにはやむを得ないだろうという結論が出て今日に至っておるのであります。
  199. 土橋一吉

    ○土橋委員 村上郵政大臣、私は端的に言いますけれども、日本のいわゆる生産構造は二重構造と言われております。それで、大企業が異常な不景気の中でどんどん金もうけをしておるのに中小企業は倒産をしておるということが言われておるわけでございますね。したがって、中小企業がどういう恩典を受けるかというと、先ほどから私が申し上げておりますように、実際恩典を受けていないわけですよ。両建てで、たとえば借りる三割とか四割の貯金をしなければ貸してくれないとか担保を強化しておるとか、こういう実情にあるのですよ。ですから、あなたが仰せになるようなことは、大企業にはそのとおりなんです。だから大企業はみんな喜んでおるわけです。だから過日私がここで質問いたしましたように、土光さんがああいうべらぼうもないことを勝手にしゃべって歩くわけですよ。しかし、あなたは、要するに零細な預金者であるところの国民大衆から預っておる金でありますから、その目減りを防止しなければいかぬ、金利を上げてやっても下げてはならない、こういう立場に立っておられるのに——あなたのことは新聞で拝見しておりますよ。あなたが大蔵大臣とこうして並んでおる写真が出ておりますよ。いろいろ協議したとか、いろいろあなたが討議をされたこともみんな新聞に出ておりますよ。出ておりますけれども、結論的に言いますとあなたは賛成してしまわれた。ですから、私はやはり元金の目減り——貯金金利をむしろ上げるべきではないかということを中心にこの点を明確にしておきたい。これはどの新聞でも書いておりますよ。うそじゃございません。皆大企業の利益である、そして零細な業者は皆苦しんでおるということは、どの報道機関も一様に論じておりますよ、国民の貯金に対する攻撃だと。これは私が言うんじゃない、皆、報道機関、学識経験者がちゃんとそういうふうに言っておるわけです。そうすると、郵政大臣としては元金の目減りをどう抑えるかということに今後は全力を挙げて奮闘しなければならぬ。この金利引き下げによって何百億円という金が、要するに郵政省が払わなければならないものを払わないというかっこうになるわけですから、ここのところはやはり私は明確にしておかなければ、この法案に賛成をしたからといってここを通過させるわけにはまいらないということでありますから、この点をよく理解をしていただきたい。あなたが仰せになったようなことと逆のことを皆書いておるわけですね。中小企業はあなたがおっしゃったようなことになっていません。この報道機関でもちゃんと言っておりますよ。大企業は金利を下げたことによって大変な利益を受けておるのですね。この新聞報道機関によりますと、三井物産は百四十四億円の利益を受ける、三菱商事は百二十七億円の利益を受ける、新日鉄は百十三億の利益が与えられておる、したがって、一部上場五百五十六社の年間の金利負担は三千五百四十億円も軽減されるのですと、ちゃんと事実を挙げて書いておるわけですね。そうすると、あなた方の景気浮揚政策、これは明らかに大企業の金もうけの刺激をして、そうして事業をやらせる、依然として中小企業は倒産の方向に向かっておる、こういう二重構造上における上部のいわゆる大資本、大企業に対して利益は奉仕しておるという結果になっておるわけですよ。ですからこの点を郵貯においては厳重にしておかなければならない、こういうわけなんですよ。わかるでしょう、大臣。あなたどうですか。
  200. 村上勇

    村上国務大臣 とにかくこれは私でなくて経済企画庁長官にお答えしてもらえばよくおわかりだと思いますが、とにかくあなたのお考えは、大企業の金利は安くなるが中小企業の金利は安くならないんだということのような、これはあなたのお考えだけである。しかし今回の金利引き下げは、これはもとより預金の引き下げも行いましたけれども、貸し出し金利は、その人とかあるいは人種とか色とか思想とかなんとかいうようなものを意味するものじゃありません。これは大企業にも中小企業にもみんな全般的に行われることでありまして、何か先生の御意見を聞いておると特別な人によくする——私は大企業なんかの味方でもなければ何でもありません。したがってそういうことは先生の方が少しどうかと、私は日ごろの御意見と少し違うような気がする。
  201. 土橋一吉

    ○土橋委員 それは言い過ぎです。それは取り消していただきましょう。日ごろから私は大資本奉仕をしてはならない、大企業に自由民主党がべったりくっついて——それではっきり言いましょうか。あなた方の自由民主党本部は百四億円の負債をしょっておる。そういうところが五十億まけたとかまけないとか、担保を提供したとか騒いでおる。したがって、この問題は、私は従来大資本に奉仕をする政治に反対しておるわけですし、国民本位の立場に立つことを主張しておるわけですから、私は大臣がいまのような答弁をなさってもお上手でおっしゃったと思うけれども、そんなお上手は日本共産党の国会議員には通りません。われわれは声を大にして国民の生活を守り、国民の預金の目減りを防止しなければならない。国民の金利を上げ、要するに中小業者の皆さんもそうですけれども、生活を防衛する前線にわれわれは立っておるわけですから、あなたがそういうお上手をおっしゃってもだめなんですよ。ですから、ここでやはり貯金の目減り、これを防止する体制をとるべきである。同時に金利は、公定歩合を下げたからといって、むげに郵貯に及ぼすべくもない、これを明確にわれわれは考えておるわけです。その点をこの委員会においてはっきりしないで、この法案に賛成したからといって黙って通してくれなんて言えませんよ。
  202. 村上勇

    村上国務大臣 目減りの問題につきましては、ここでその金利を下げたということはいろいろ御批判がありましょうが、万やむを得ず、今日の目減りの問題を解決する物価の安定を図る意味においてこういう措置もしなければならないんじゃないか、また、ちまたに失業者がごろごろするようなことになったら大変だから、そういういうような景気浮揚策もあわせて考えながら、何とかしてひとつ国民生活が安定するようにということでありまして、ただ金利だけの問題で目減り問題を私どもが無視したというのじゃございませんので、その辺ひとつ御了承願います。
  203. 土橋一吉

    ○土橋委員 時間がないので、これは引き続いて土光さんの責任も追及しなければいかぬし、理事会においてこれを証人として喚問することもまだ決まっておりませんので、これも続いて私の方はやりますから。  そこで私は、昭和二十四年五月以前の簡易生命保険契約に関する特別措置の問題について私たちはこれは棄権をいたしました。なぜかと申しますと、本日のある私的な会合においてもある有名な先生が、頭の床屋代は七千倍に上がっておる、こういうことを仰せになりました。そうですかなというふうに私は聞いておりましたけれども、七千倍も上がっておるのに、簡易生命保険で昭和二十四年以前のものはたとえば三十銭とか五十銭積み立てていく、それが当時の三十銭、四十銭といったら大変な大金ですよ。ところが、これが特例法を制定しまして、そして特別一時金というのは、ここにも書いてありますようにごく少ないわけですね。最低は千円ぐらいからせいぜい三千円前後といわれる。多いもので五、六千円ということです。そうすれば、二十四年以前の簡易保険を全部締め切るといたしまして、件数では二百三十三万件ございますけれども、これはやはり七千倍とか一万倍というような物価の上がった状態でやはり支払いの措置を決めるべきものであって、ここには要するに約十七億円を予定して五十年度問題を解決したいと言っておるわけです。これでは政府の信用を失墜するわけですね。なぜかと申しますと、簡易保険法の条文を大臣もお読みになっておるが、「この法律は、国民に、簡易に利用できる生命保険を、確実な経営により、なるべく安い保険料で提供し、もって国民の経済生活」を満たすと書いてある。ですからこの第一条の基本的な方針からいいますと、このことによって確実に安い料金で、確実な経営でちゃんとした保険料がもらえると思って保険契約を結ぶわけですよ。ところが結んだところが政府のおかしな政策で、戦争政策をやったりおかしなことをやっちゃって、そして家は焼かれた、何だかんだいろいろな被害を受けて、おまけに、それから二十六年も二十七年もたって今日、そのもらった三千円や千五百円の金でどうして一体償いができましょうか。もし政府がさようなでたらめなことをするならば、この金額を上げてあげなければならない。少なくとも七千倍とか一万倍上げて、さらに慰労的な意味の金も加えて、金額はここで申しません、適当な、なるほど電車賃使って、自動車を使って行ったけれども郵政省もある程度めんどう見てくれたというようにならないと、千五百円や三千円やって恩に着せたような法律を出したってだめですよ。いかがですか。
  204. 中市彩也

    ○中市政府委員 ただいま先生がおっしゃったように、三千円という金額は、それ自体をとってみますと確かに少のうございます。しかし今回の特別措置は、考え方といたしまして、この二百三十三万件の契約が今後九割が約十五年間続くわけでございますが、それに要する経費が八十億、正確に申し上げますと八十六億四千三百万円でございますけれども、ただし現在仮にこの措置を実施いたしますと、人件費、超勤とか賃金とか十三億五千万円ほどかかりますので、それを差し引きますと七十二億九千三百万円、こういう節減額でございますので……。
  205. 土橋一吉

    ○土橋委員 ちょっと待ってください。せっかく御答弁中で恐縮でございますが、私はそんなあなた方が考えたようなルールの、こういうでたらめなことをやめなさいということを言っておるのですよ。そんなルールは聞かなくてもわかっておる。ここにちゃんと書いてある。法案提案の内容に何をくれるかということをちゃんと書いてある。保険金繰上支払金と分配金繰上支払金と特別付加金、この特別付加金をふやしなさいということを言っているのですよ。ここに書いてあるような金をもらうのだったら何も問題にならないのです。そんな金をやっておって、そこに書いてある簡易保険の基本的な命題を自分から切り崩すようなことはやめなさいということを言っておるのですよ。したがって、金額は言いませんけれども、ある委員長がおっしゃったように、七千倍も床屋がしておるのですから、その倍ぐらい、一万四千倍ぐらい加えるとかあるいは三万倍ぐらい加えて、行った人が喜んで、よかった、おじいちゃんがかけてくれたのはよかった、死んだお母さんがかけてくれて非常によかったということになるようにしないと、簡易保険制度の今後の運営は非常に困難になってくるということであります。大臣、最後に答えてください。
  206. 村上勇

    村上国務大臣 先生の御指摘の点はよくわかります。よくわかりますが、郵政省の困難な事情もまた御賢察いただきまして、この程度で、ひとつよろしくお願いいたします。
  207. 土橋一吉

    ○土橋委員 最後に、参議院においてやはりこれを増額する態勢をとってください、修正をして。  終わります。
  208. 地崎宇三郎

    地崎委員長 これにて各案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————
  209. 地崎宇三郎

    地崎委員長 これより各案について討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  まず、昭和二十四年五月以前の簡易生命保険契約に関する特別措置法案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  210. 地崎宇三郎

    地崎委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、郵便貯金法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  211. 地崎宇三郎

    地崎委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、簡易生命保険法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  212. 地崎宇三郎

    地崎委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、ただいま議決いたしました各案に関する本委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  213. 地崎宇三郎

    地崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     —————————————
  214. 地崎宇三郎

    地崎委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時四十七分散会      ————◇—————