運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1975-10-18 第76回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十年十月十八日(土曜日)     午前十時開議  出席委員    委員長 金丸 徳重君    理事 今井  勇君 理事 越智 伊平君    理事 田村 良平君 理事 高鳥  修君    理事 兒玉 末男君 理事 柴田 睦夫君       宇田 國榮君    瓦   力君       塩谷 一夫君    中尾  宏君       萩原 幸雄君    増岡 博之君       宮崎 茂一君    森下 元晴君       金瀬 俊雄君    芳賀  貢君       古川 喜一君    山本弥之助君       三浦  久君    山原健二郎君       高橋  繁君    広沢 直樹君       和田 耕作君  出席国務大臣         農 林 大 臣 安倍晋太郎君         国 務 大 臣         (国土庁長官) 金丸  信君  出席政府委員         農林省農林経済         局長      吉岡  裕君         農林省構造改善         局長      岡安  誠君         食糧庁長官  大河原太一郎君         中小企業庁計画         部長      織田 季明君  委員外出席者         国土庁長官官房         審議官     紀埜 孝典君         農林大臣官房審         議官      杉山 克己君         建設省河川局防         災課長     井沢 健二君     ————————————— 委員の異動 九月十七日  辞任         補欠選任   稲富 稜人君     折小野良一君 十月十八日  辞任         補欠選任   津川 武一君     山原健二郎君   折小野良一君     和田 耕作君 同日  辞任         補欠選任   山原健二郎君     津川 武一君   和田 耕作君     稲富 稜人君     ————————————— 十月十六日  天災による被害農林漁業者等に対する資金の融  通に関する暫定措置法及び激甚じん災害に  対処するための特別の財政援助等に関する法律  の一部を改正する法律案内閣提出第二九号) 九月三十日  熊本県の災害復旧費援助に関する請願(野田毅  君紹介)(第一九九号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  天災による被害農林漁業者等に対する資金の融  通に関する暫定措置法及び激甚じん災害に  対処するための特別の財政援助等に関する法律  の一部を改正する法律案内閣提出第二九号)      ————◇—————
  2. 金丸徳重

    金丸委員長 これより会議を開きます。  この際、一言ごあいさつ申し上げます。  列国議会同盟に出席していた折、委員各位の御推挙により、再度私が委員長の重責を担うことになりました。まことに光栄に存じます。  何とぞ委員各位の格別なる御協力、御支援をお願い申し上げます。(拍手)      ————◇—————
  3. 金丸徳重

    金丸委員長 天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置法及び激甚じん災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
  4. 安倍晋太郎

    安倍国務大臣 天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置法及び激甚じん災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  天災融資法は、昭和三十年に制定されて以来、天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に大きな役割りを果たしてきております。その間、農林漁業経営動向に即応し、天災による被害農林漁業者等経営の安定に資するよう、前回の昭和四十六年の改正に至るまで、数次にわたる改正が行われてまいりました。  しかしながら、最近における農林漁業経営の推移に伴い、現行貸付限度額では、農林漁家災害時に必要とする経営資金等需要に対して、必ずしも十分に対応し得ているとは言いがたい面も生じてきております。特に、本年八月には、集中豪雨台風五号及び六号により、各地で農林漁業経営等に大きな被害発生し、これら被害農林漁業者等需要に十分対応した資金融通要請されております。  一方、昭和三十七年に制定された激甚災害法におきましても、農林漁業者中小企業者等の最近における経営動向及び経済規模拡大等から見て、同法に基づく被害農林漁業者被害中小企業者等に対する貸付限度額引き上げが必要となっております。  以上の観点から、農林漁業者中小企業者等災害による資金需要の増大に対処するため、これらの者に貸し付けられる資金に係る貸付限度額引き上げ内容とする法律案を提出することとした次第であります。  次に、法律案の主要な内容について御説明申し上げます。  まず、天災融資法改正でありますが、第一点は、被害農林漁業者に貸し付けられる経営資金貸付限度額引き上げであります。すなわち、従来、都府県にあっては四十万円、北海道にあっては七十万円、政令で定める資金の場合は百万円、政令で定める法人に貸し付けられる場合は五百万円、漁具購入資金の場合は一千万円と定められている貸付限度額を、いずれも三倍に引き上げることとし、それぞれ八十万円、百四十万円、二百万円、一千万円、二千万円とすることであります。  第二点は、被害を受けた農業協同組合森林組合水産業協同組合等に貸し付けられる事業資金貸付限度額引き上げであります。すなわち、従来、単位組合にあっては五百万円、連合会にあっては一千万円と定められている貸付限度額を、いずれも二倍に引き上げることとし、それぞれ一千万円、二千万円とすることであります。  次に、激甚災害法改正でありますが、その第一点は、激甚災害における天災融資法特例措置に関する規定を改め、激甚災害の場合の経営資金及び事業資金貸付限度額について、いずれも従来の二倍に引き上げることとし、経営資金につき、都府県にあっては百万円、北海道にあっては百六十万円、政令で定める資金の場合は二百四十万円、政令で定める法人に貸し付けられる場合は一千万円、漁具購入資金の場合は二千万円とし、事業資金につき、単位組合にあっては二千万円、連合会にあっては三千万円とすることであります。  第二点は、中小企業者等に対する資金融通に関する規定を改め、従来、激甚災害を受けた中小企業者については二百万円、協業組合及び中小企業等協同組合その他の団体については六百万円と定められている貸付限度額を、いずれも二倍に引き上げることとし、それぞれ四百万円、一千二百万円とすることであります。  なお、経過措置といたしまして、この法律の施行前に災害資金融通措置を講ずべく指定された天災及び災害につきましては、なお従前の例によることといたしております。  以上がこの法律案提案理由及びその主要な内容であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
  5. 金丸徳重

    金丸委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     —————————————
  6. 金丸徳重

    金丸委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。芳賀貢君。
  7. 芳賀貢

    芳賀委員 ただいま提案されました天災融資法等改正案並びに今次の災害対策につきまして、安倍農林大臣並びに金丸国土庁長官質問を申し上げます。  まず第一に、今次の台風第五号、第六号の災害については、九月二十九日の閣議決定をもちまして、この両災害については激甚法指定をしたことはわれわれも承知をしておるわけでございます。  これに関連して、当委員会におきましては、先般の九月二十二日並びに二十三日の両日にわたりまして、金丸特別委員長を団長として、北海道発生いたしました五号台風、六号台風並びに九月上旬の集中豪雨災害現地調査並びに災害対策等について実態を調査してまいったわけでございます。  調査報告は次回に譲ることになっておりますが、われわれ調査団に加わった一員といたしまして、五号台風、六号台風とあわせて北海道における九月上旬の集中豪雨災害についても、災害規模並びに被害の度合いが相当甚大であるので、これを一括して激甚災指定とせられたい、こういう強い要請もありましたし、われわれも痛感したわけであります。これがことさらに落とされておるわけでありますので、この点については速やかに政令改正をもって指定をするという方針であるか、その点を国土庁長官にお尋ねいたします。
  8. 金丸徳重

    金丸国務大臣 その問題につきましては、国会先生方からも強い要望もありますし、また地元北海道からもあるいは関係被害を受けました市町村からも強い要望がありまして、一応ただいま決まったような問題が内定いたしたとき、私は災害を受けたということは、できるだけ災害を国の温かい手で見てやるべきだという考え方で、各省連絡協議会をいたしたわけであります。いたしましたところが、気象状況関連がないということで、法律気象庁考え方を非常に重く見るというようなところもありまして、いろいろ国土庁窓口でこの問題を折衝いたしたわけでございますが、その問題が、どうしても気象関係関連がないというようなことでございましたので、この激甚災指定に当たりまして、閣議で私も経過を報告する中で、激甚災指定に漏れた町村につきましては、激甚災指定を受けたと同じような、ひとつ温かい目でこの対策、処置、金融措置等についても格段の御配慮を願いたいというお願いをいたしたわけでございます。  私は、できるだけ全部この際という考え方で対処いたしたわけでありますが、そのような状況の中で、やむを得ずそのように決まったことを御理解をいただきたいと思うわけであります。
  9. 芳賀貢

    芳賀委員 いま国土庁長官が言われたのは、気象庁見解として五号台風、六号台風に比して、北海道における九月上旬の集中豪雨災害というものは、気象条件の点から見て共通なものではないということの見解であって、これを激甚災指定にする場合に関係がないからできないというのとは、これは全然違うわけですよ。  そこで、時間が限定されておるので、前例を具体的に申し上げます。  昭和四十一年の八月十五日に政令第二百八十八号、さらにこれを四十一年八月二十二日に改正いたしまして、政令第二百九十四号、この指定内容は、「昭和四十一年台風第四号、同年六月十九日から二十四日まで及び同月三十日から七月二日までの豪雨、同月七日から二十二日までの断続した豪雨並びに同年六月下旬及び七月の降ひようによる災害」、これが一括して激甚災害指定ということになっておるわけです。これは当初の政令改正して追加指定をしたという実例であります。  それから、最近のを一つ申し上げますと、「昭和四十八年台風第六号及び同年七月二十七日から八月七日までの豪雨による災害」、これは昭和四十八年九月十九日政令第二百六十一号で激甚災指定基準による指定が行われておるわけです。  だから、その気象庁の言う台風集中豪雨は、災害の様態、気象条件から言って違うというのは、これは気象学上のイロハでしょう。しかし、いかなる規模災害というものを激甚災指定するかというのは、これは災害対策基本法に基づいた激甚災指定基準に基づいて政府行政的に閣議決定するわけじゃないですか。だから、まず最初に五号台風、六号台風指定が行われておる。さらに、北海道地域においては、九月上旬といっても六号台風発生から十日以内にこれは生じておるわけです。  もう一つは、六号台風発生地域と九月上旬の集中豪雨発生地域というのは、これはダブっておるわけですよ。連続的に重複しておるわけですからして、この両災害を、たとえばいま審議しておる天災融資法発動によって被害認定をする場合においても区分のしようがないでしょう。あるいは農地並びに農業施設被害の査定あるいは緊急復旧をやる場合においても、反復して災害を受けたその施設農地を区分することはできないでしょう。  こういう特徴を持っておるわけですから、行政的に政府として、この六号台風と九月上旬の集中豪雨災害行政上区分できないという問題があるので、その点からすれば一括指定をしなければ、これは実態的に十分な対策が進まないという大きな難点があることが最初からわかっているわけでしょう。だから、この点を十分に国土庁長官においても、農林大臣は御承知の点でありますから、先般の指定にさらに追加をして、実態に合うような政府としての災害対策激甚災害として講ぜられるべきであるということを私は指摘しておるわけであります。
  10. 金丸徳重

    金丸国務大臣 気象関連性がないからそれは認められないというものでなくて、激甚災のいわゆる程度によって決めるものであることは、先生の御指摘のとおりだと私も思います。  実はこの問題につきましては、いわゆる戸数の問題とかいろいろの法律内容にもあるとおりでございますが、しかし私は戸数の問題とかなんとかでなくて、もうそういう災害に遭った人のめんどうは国が見る、困る問題を解決することが政治だという考え、姿勢で国土庁各省庁と連携をとってやったわけでございますが、そのような結果がただいまのような決定になったわけでございます。  実は北海道長官も見えましたし、あるいは関係被害を受けた市町村長も見えましたから、いろいろ指定を受けないという場面で困る問題も起きると思いますが、できるだけ国土庁窓口になってその問題につきましては今後対処をいたしますから、ぜひひとつ御相談に来ていただきたい、直接私が承ります、こういう話までいたしておるわけでありますが、先ほど申し上げましたように、閣議でも私はそのことを強く関係閣僚要請をいたしてありますので、一応この辺でおいていただきたいと思うわけであります。
  11. 芳賀貢

    芳賀委員 この点については、きょうは激甚法関係天災融資法政正をやるわけですから、これは改正が行われれば、十月三日の閣議で保留された激甚法の第八条の天災融資法に関する指定が当然出るわけですから、そういうものをおもんばかった場合、北海道集中豪雨災害激甚災追加しなければ実際の運用ができないという点が必ず出てくるわけですから、これをあらかじめ指摘して、当然その際は追加指定が行われるということを私として判断しておきたいと思うわけであります。  次に、法案の改正内容については、今回は融資限度額現行規定に対してそれぞれ倍額に引き上げるという点だけの改正でありまして、この点は社会党の災害対策方針に照らしても、限度額引き上げという点については、おおむねわが党の趣旨に合致するわけでありますからして、あらかじめ賛意を表しておきたいと思います。  ただ問題は、せっかく天災融資法内容改正をするのでありますから、この際、たとえば以前から問題になっておる一般被害農林漁業者適用条件緩和の問題、それから特別被害地域における特別被害農林漁業者適用条件緩和問題等については、これは非常に重要な点でありますので、政府として農林大臣におかれまして、この点の緩和措置というものをどのように改正に向かって検討されておるかどうか、まずその点を明らかにしてもらいたいと思います。
  12. 安倍晋太郎

    安倍国務大臣 その点につきまして、経済局長から御答弁させます。
  13. 吉岡裕

    吉岡(裕)政府委員 先生ただいま御質問特別被害農業者等に係ります基準制限がきついのではないかというお話でございますが、現在特別被害地域内の特別被害農業者等に対しまして、御承知のように三%資金というものが貸し付けられております。ところが、最近の実績によりますと、この三%資金が貸し付けられております割合が全体の七、八〇%を占めておるというようなことでございまして、適用基準実態からいたしますと、大体一番安い金利が適用されるケースが非常に多いという実態でございますが、なお災害対策重要性につきましては私どもは十分認識をしておりますので、この制度の改善、充実につきましては今後とも検討を続けていきたいというふうに考えております。
  14. 安倍晋太郎

    安倍国務大臣 今回ば限度額引き上げということに限って改正をお願いいたしておるわけでございますが、今後の問題といたしましては、いま御指摘のような問題点も、天災によるところの被害を受けた方々に対する対策としては研究をしなければならない問題であろうと思います。そういう点については、今後とも検討を進めてまいりたいと思います。
  15. 芳賀貢

    芳賀委員 いま経済局長から重点を外れた答弁がありましたが、私の言っているのは、まず一般被害農業者認定をする場合、これは天災融資法指定地域の中において農作物被害が三〇%以上の減収であり、かつ農業収入の一〇%以上の損失額である場合であり、次に、特別被害農業者認定は、指定地域内の被害農業者の中に、農業収入額の五〇%以上の損害を受けた者が一〇%以上ある場合、こういうように非常に厳格な規定があるわけですね。ですから、被害農家認定条件緩和すべきではないかと言っておるわけです。大臣は大まかに、検討の必要があると言われたが、早速検討を進めてもらいたいと思います。  それから、本年度返済期に達している借入金についての延納の問題、それから災害対策の自創資金融資枠を設定しての貸し出しについては一体どう措置するのかという問題ですね。  それからもう一つは、国土庁長官にも質問をしましたが、何も激甚災指定を受けなければ天災融資法発動ができないわけではありませんからね。天災融資法それ自身が、これはひとり歩きができるわけですよ。激甚指定による財政特別援助規定適用がないというだけであって、天災融資法政令発動することはできるわけですからね。その場合でも、やはり一般被害農家並びに特別被害地域における特別被害農家に対する融資というものは今回の改正によって行われるわけですから、そういう点も念頭に置いて、次の指定の機会には必ず、まず激甚災については北海道集中豪雨追加指定する。それから、天災融資法発動についても、いま私の指摘したような問題については十分に行政努力をして措置してもらいたいと思うわけでありますが、その点はどうですか。
  16. 安倍晋太郎

    安倍国務大臣 秋雨前線につきましては、いま激甚災指定をするかどうかということについては、国土庁長官が申し述べましたように、関係各省で決めまして、これは外すということにいたしたわけであります。天災融資法発動につきましても、これも各省間でも協議した結果、秋雨前線につきましてはこれは外すことになったわけでありますけれども、しかし先ほど国土庁長官もお答えいたしましたが、資金対策等につきましては、北海道庁とも十分連絡をとりまして、被害者皆様方に対して天災融資法にかわるあるいは自作農創設維持資金適用とかその他の対策融資対策等も行って、被害者の御期待にこたえたい、こういうふうに考えております。
  17. 金丸徳重

    金丸委員長 次に、山原健二郎君。
  18. 山原健二郎

    山原委員 今回の天災融資法改正は、一定の前進だと思っております。  ところで、二つの面から質問いたしたいのですが、この法律がこの国会衆参両院を通じて通過した場合に、大体この発動準備はできているのかどうかという問題です。国会の流れにもよると思いますけれども、国会を通過した場合には直ちにこれが発動されて現実融資が受けられるのかどうかという問題ですが、その点の準備はできておるのですか。
  19. 安倍晋太郎

    安倍国務大臣 その点に対しましては準備を進めておりまして、この法律改正の成立直後発動をいたしたいと考えております。直ちに発動いたしたいと考えております。
  20. 山原健二郎

    山原委員 もう一点は、この激甚法基準の問題でございます。これはたとえば台風五号の場合に、高知県の例をとりますと、激甚災指定を受けているところは、たとえば土佐市とか伊野町とか九つの市町村があるわけです。ところが、同じ被害を受けた高知市の場合、これは高知市の所得推計の〇・七%であるわけです。ところが、基準は一%ということになっておりますから、〇・三%不足しておるということで、隣の市町村がこの指定を受けているにもかかわらず、高知市の場合はこれを受けることができない状態なんですね。  そうしますと、災害というのは市町村別に起こるわけではないわけです。したがって、広域的な立場で見ないと、同じ中小業者であってもあるいは農業者でありましても、隣の町であればこれに対する融資が今度の場合受けられる、ところがそうでないところは、同じ被害を受けておりながら何らの措置も講ぜられないということが出てくるわけです。これは当然改正をしなければならぬと思うのですが、このあたりの問題について検討されておるのか、あるいは法改正をされるのか、その点について伺っておきたいのです。
  21. 織田季明

    織田政府委員 ただいま御指摘のありました点につきましては、われわれも十分意識しておりまして、今後指定基準について十分検討したいと思っておりますが、現実いま起きている問題につきましても十分配慮していきたいと思っております。
  22. 山原健二郎

    山原委員 配慮するということは、たとえば〇・七%の場合、これに対してその適用操作していくというふうに受け取ってよろしいですか。これは中小企業者の場合だけでなくて農業者の場合もあるわけですから、その点について伺っておきたいのです。
  23. 織田季明

    織田政府委員 中小企業者の場合につきましては、そういう方向で現在の規定解釈を拡張、弾力的に行いながらできるのではないかという方向検討いたします。
  24. 山原健二郎

    山原委員 ただいまの御答弁ですと、大変結構な答弁であります。  そうしますと、農業関係の場合はどうでしょうか。やはりそういう操作をされるわけですか。
  25. 吉岡裕

    吉岡(裕)政府委員 農林省農業関係の場合には、全国的な基準に基づいてやっておりまして、特にそういうもので指定をいたしておりません。
  26. 山原健二郎

    山原委員 そうしますと、中小業者の場合は何かやれる、農業者の場合はいまの話ではそういう操作といいますか、拡大した適切な措置を講ずるということはやらないと言う。これは通産省と農林省見解は違うのですかな。
  27. 金丸徳重

    金丸委員長 先ほどの答弁、訂正するそうです。
  28. 織田季明

    織田政府委員 高知市につきましては現在の基準では適合いたしませんので、いろいろ矛盾といいますか、不適当なところがあるのではないかということで、基準の改定につきましてはいま検討しております。  結論的には、高知市につきましては、先ほどいろいろ弾力的に解釈すればと申し上げましたが、現在の規定では適用することができません。
  29. 山原健二郎

    山原委員 いいがげんな答弁になると困るのです。これはきちっとしておいていただかないと……。  やはり一つは、法律改正していくということが、農林大臣、必要だと思うのです。これはもう大変な要望なんですね。災害町村ごとに来るわけではありませんから、そういう点では広域的な立場で見ていくという、この要求は大変強いわけですね。それが一つと、そして現実に起こっている問題として、余りにも不公平なことが起こらないような操作というものが必要だろうと私は思うのです。  だから、最初の御答弁はその必要性を認められて、何かその辺の適切な解釈をしておられる、こう考えているわけですが、もう一回聞きますけれども、どっちなんですか、やはり現実に即して、実情に即してやれる可能性はあるわけですね。
  30. 織田季明

    織田政府委員 現在の基準に従いまして適用することは無理でございますので、基準の見直しということをこれからいろいろ検討したいと思っているわけでございます。  結論的に申し上げますと、現在の基準では高知市に適用することば無理でございます。
  31. 山原健二郎

    山原委員 二回質問しなかったらよかったですね。最初のものを議事録に残しておいたらよかったと思うのですが、これはやはり綸言汗のごとしという言葉があるけれども、一遍出したものは二度と引っ込めてはいかぬわけですよ、しかも国会の場で。だから、そういう点では今後十分検討してもらいたいと思います。これは切実な要求であるということを申し上げておきたいのです。  それから、いろいろ災害復旧その他につきましてもっと実情というものを考える必要があると思います。たとえば堤防の破壊の場合ですね。これは堤防が破壊して隣が農地であるという場合には、この査定が大変なんです。建設省の査定と農林省の査定、両方が行われる。ところが、市町村にとりましては技術者も少ないわけです。よその県から技術者に応援にかけつけてもらっておるという実態で、この二つの査定を何とか一つの査定でやってもらいたい、こういう意見もあるわけです。これは農林省と建設省に、そんなことはうまくいかぬのかどうか伺っておきたいのです。どうでしょうか。
  32. 岡安誠

    ○岡安政府委員 いまのお話でございますけれども、農地、それから農業施設、それから堤防等につきましてはそれぞれ適用する法律が違うわけでございますので、これを一緒に査定をするということは非常に困難であるというふうに考えております。しかし、おっしゃるとおり、復旧につきましては非常に関連がある工事でございますので、われわれといたしましてはお互いによく協調、連絡をいたしまして、事業の遂行には支障のないようにいたしてまいりたいと考えております。
  33. 山原健二郎

    山原委員 こういう細々したところに行き届いた行政をやらないと、そういうことが市町村の大変な重荷になっておるわけでございますから、これらの運用についてはやはり適切なやり方をやってもらいたいと思うわけでございます。  それからもう一つ、ちょうど農林大臣もいらっしゃいますが、今度の災害によって規格外となった米の買い上げの問題でございますが、この前の災害委員会では調査をして善処すると御答弁があったわけですが、これはいまだ未確定だと聞いておりますけれども、どの程度進捗しておるのですか。
  34. 安倍晋太郎

    安倍国務大臣 高知県におきまして発生をいたしました規格外玄米のうち、主食用の用途等に向けることが可能な品質のものは、約五百トン程度出回るものと見られておるわけでありますが、等外、規格外玄米につきましては原則としてくず米または特定低品位米として流通させることとしておるわけでありますが、これらの規格外玄米につきましては、関係者の御努力によりまして、現在三百トン程度が自主流通米として販売の目途がついております。さらに自主流通米として販売努力を行っておるわけでございます。食糧庁としても販売のあっせん等につきましては、積極的にこれを行っておる次第でございます。
  35. 山原健二郎

    山原委員 時間がございませんので、最後にダム災害の問題について建設省に伺いたいのです。  これは高知県の土佐郡大川村の例です。ここには御承知のように巨大な早明浦ダムが建設されて、いま二年目を迎えております。ところが、ここではダムの水位の変化による被害が大変な状態でございまして、約百三十カ所の崩壊が起こっているわけです。ところで、この村は現在人口一千人を割ってしまいました。ダムによる水没あるいは白滝鉱山の廃鉱等によりまして、一千人を割るさびしい村になっているわけです。この村の被害総額が二十二億円です。ところで、この二十二億円の被害の中で、少なくとも十七カ所の道路あるいは農地の崩壊はダムの災害だというふうに村は言っているわけです。これはかなり遠慮した数字だと私は思うのでありますけれども、このダムの災害、ダムの水位の変動その他によって起こった被害について、水資源公団に対して復旧要求をいたしております。ところが、水資源公団は全くそんなことは認められない、こう言ってけっ飛ばしているわけです。これで大変な紛糾が起こっているわけでございますが、このようなダム災害というのはあちらでもこちらでも起こっているわけです。村の方へ聞きますと、村道などにつきましては、一次査定、二次査定を終わって申請をしておりますけれども、ダムの関連施設については当然原因者の負担でやるべきだ、しかもそれはダム建設当時の約束からいっても、絶対に迷惑をかけないということを言ってきておるたてまえからいっても当然ではないかというのが、この小さな村の当局の要望であります。ところが、これを全然認めない、こういう状態にあるわけです。これではこの小さな村はもう成り立っていかないという状態にあるわけです。  こういう問題について、たとえば現実に現地を調査していただいて、そして水資源公団とこの村当局との間の仲を持つとか、あるいは適切な指導をするとかいうようなお考えがあるかどうか、この点を伺っておきたい。
  36. 井沢健二

    ○井沢説明員 台風の五号、六号というのは、非常に異常な豪雨でございまして、四国等では一千ミリに及ぶような豪雨であったわけでございます。大川村の施設につきましては、そういうふうな異常な豪雨によって被災したということで、これらの公共施設についてはそれぞれの管理者が自分の所管する事項に従いまして対策を講ずるというのが趣旨でございますので、そういうふうにしておるというふうに聞いておりますが、監督官庁としましても、適切な措置が行われますよう今後とも公団を指導していきたいと思っております。
  37. 山原健二郎

    山原委員 時間がございませんが、このダム災害の問題は、これは建設省はよほど腰を入れて検討していただかなければ困るのです。たとえば今度の流量は多かったことは事実でありますけれども、しかしダムの操作の変更をすれば、これは防げる状態もあったわけです。その点についてはもう時間がないので申し上げませんけれども、これはいずれ日を改めて申し上げたいと思うのですが、とにかくダムのために、ダムの水位の変動によって土砂が崩れる、崩壊が起こる。下流では、これは本山町大又地区ですが、ダムサイドのすぐ下ですけれども、膨大な毎秒二千五百トンの水を五時間三十分にわたって異常放流をやっているわけです。そのために下の人たちは、大又地区の人たちはもう避難しなければならぬというような問題が起こりまして、これらの問題についても水資源公団、これが当然責任を持ってこの話し合いに応ずべきでありますけれども、これもいまだ何ら進展を見ないという状態にありますので、建設省としましては、直ちに調査をしていただいて、その問題点を把握して、そして問題の解決に対して適切な指導をしていただきたいと思いますので、再度この点についての見解を伺っておきたい。
  38. 井沢健二

    ○井沢説明員 ダムの下流につきましては、この早明浦ダムというのは御承知のように非常に大きな効果を発揮したわけでございまして、もしもダムがなかった場合には、実際に流れた量の三倍の流量が流れたことになるわけでございます。それで、この下流の地区につきましては護岸が被災しておるわけでございますが、それの早期復旧に努めるとともに、こうした異常な豪雨であったことにかんがみまして、ダムの放流現象の実態について十分調査し、必要ある場合には適切な措置を講ずるよう公団を指導していくつもりでございます。
  39. 山原健二郎

    山原委員 終わります。
  40. 金丸徳重

    金丸委員長 次に、高橋繁君。
  41. 高橋繁

    ○高橋(繁)委員 簡潔に質問いたしますので、要領よくお答えを願いたいと思います。  まず、今回の天災融資法改正によって限度額引き上げられたということについて、農林省としては一体どれくらいの枠を用意して大蔵省と折衝しておるのか、その辺について、その経過、見通しを簡潔に御返事願いたい。
  42. 吉岡裕

    吉岡(裕)政府委員 農林省といたしましては、出先、都道府県等から資金需要を徴収いたしますとともに、一方、統計情報部の調査に基づきまして全国的な融資総額の推定等をいたしまして、こういう両方の操作から資金枠を最終的に大蔵省等と決定をする、こういうことで進めておるわけでございます。  現在までのところ、都道府県、市町村の段階におきまして、それぞれ末端の資金需要というものを吟味いたしまして上がってきておりまして、いろいろ調整中でございます。目下のところ、はっきりしたことは申し上げられないわけでございますが、被害額が全体で約五百三十二億円ということになっておりまして、それの大体一〇%から十数%というふうなところが融資希望額というふうなことになっております。  なお、これはいろいろ調整を必要といたしますが、私どもといたしましては、被害地の実態に即しまして、できるだけ融資枠を確保するようにこれから努めてまいりたいというふうに思っております。
  43. 高橋繁

    ○高橋(繁)委員 速やかに大蔵省と折衝して決定をしていただきたい。  それから、先ほども農林大臣からお話がありましたが、政令で定めて、天災指定によって直ちに発動するということでありますが、直ちに発動ということは大体どれぐらいのめどを置いて——一週間とか一カ月とかいうことなんですけれども、その期限について、直ちにということはどの程度と理解しておりますか。
  44. 安倍晋太郎

    安倍国務大臣 この法律改正案が成立をいたしまして、公布施行されて後直ちに政令発動したいわけでありますが、大体公布施行後一週間以内に発動したいというふうに考えて準備を進めております。
  45. 高橋繁

    ○高橋(繁)委員 今回の被害については大変大きいし、改正前の融資を受けたいという希望がありましたが、改正されればその資金融資を受けたいということで農家の人たちは待っておりますので、どうかひとつ直ちに、一週間以内で発令できるべく最大の努力を払っていただきたいと思うのであります。  それから、若干今後の問題になりますが、この資金の使途の枠の拡大ですが、農家にとって簡易な施設というものについても、この資金の中で大体使途ができるような方向に今後多少の幅を持たしていくということについての考えは農林省は持っているのかどうか、そのことについて。
  46. 吉岡裕

    吉岡(裕)政府委員 天災資金は、御承知のように農業の再生産確保ということで農業資材等の購入を主たる内容といたしておりますが、最近の状況施設野菜の経営でありますとか、果樹経営などが非常にふえてまいりまして、温室、果樹だな、簡易灌漑用の配管といったような構造上非常に気象的な災害を受けやすい、かつ担保価値が薄いということのために農林漁業金融公庫等の対象にもなりにくいというふうなものが確かに出てきておるわけでございます。こういったことにつきましては、「その他農林漁業経営に必要な資金」を天災資金の中で書いてございますので、この項目を弾力的に運用をいたしまして、農林漁業金融公庫との調整も図りながら、できるだけ現地のそういう要望に沿うような方向で運用してまいりたいというふうに考えております。
  47. 高橋繁

    ○高橋(繁)委員 その辺の状況は今後ひとつよろしくお願いしたい。  時間がありませんが、東北あるいは北海道のホップの問題ですが、これはなかなか栽培が大変で経費もかかるので、政令指定資金、いわゆる果樹並みにこのホップを指定してもらいたいという希望があるわけです。したがって、将来このホップについて、政令の枠内に入れる考えはないかどうかということです。
  48. 吉岡裕

    吉岡(裕)政府委員 私どもはまだ県の方からそういう話を聞いておりませんが、そういう要望が出てまいりましたならば、できるだけ前向きの方向検討していきたいと思います。
  49. 高橋繁

    ○高橋(繁)委員 最後に八丈島でございますが、これは大変な災害一つの島が受けているわけで、ハウス園芸、いろいろ農業園芸もありますが、今後この八丈島の農家の人を救っていくためのあるいは天災融資法発動なり、あるいは激甚災害指定も大変むずかしいと思うのですが、今後農林省としてこの八丈島の農業経営者に対する救いの手というものはどのように考えておりますか、大臣から簡潔にお答えを願いたいと思います。
  50. 杉山克巳

    ○杉山説明員 八丈島を襲いました台風十三号による被害は、農林漁業関係では、施設関係が四億四千四百万、それから農作物関係が五億九千八百万、合計いたしまして十億四千三百万、その施設災害のうち一番主なものは、ビニールハウスでありますとか温室、そういった非共同利用施設、個人施設関係が一番大きいと聞いております。最近、八丈島の観葉植物あるいは花卉、花の需要が多いため、ハウスあるいは温室等に対する投資が非常に盛んであると聞いております。  これらの復旧策につきましては、私どもとしては、融資の方法によるのが一番適切ではないかと考えておるわけでございますが、このための仕組みといたしましては、制度的な仕組みとして農林漁業金融公庫の主務大臣指定施設資金あるいは農業近代化資金あるいは農林漁業金融公庫によりますところの自作農維持資金、こういったものがありますが、東京都とも相談いたしまして、現地に一番ふさわしい適切な融資の仕組みを適用してまいりたい。そこで現在、農業近代化資金、これは一般の場合は政府が助成をいたしまして、末端金利が六・五%となるようになっておりますが、東京都の場合、東京都がさらに金利の一部負担をいたしまして、実質末端金利が四・〇%になるように手当てをいたしております。これを活用するのが一番よろしかろうということで、現在いろいろ相談を進めているところでございます。
  51. 高橋繁

    ○高橋(繁)委員 ハウス施設ばかりでなくて中身がやられておりますので、その辺についても今後篤と検討していただいて、できるだけ温かい措置をお願いいたしたいと思います。  以上で終わります。
  52. 金丸徳重

    金丸委員長 本案に対する質疑はこれにて終了いたしました。     —————————————
  53. 金丸徳重

    金丸委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置法及び激甚じん災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  54. 金丸徳重

    金丸委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 金丸徳重

    金丸委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
  56. 金丸徳重

    金丸委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十時五十三分散会      ————◇—————