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青島幸男君 どうも話がかみ合わなくて、私も大変歯がゆく思っているのですけれ
どもね。
比例代表制にしても金がかかることはかかるわけですよ。
自民党の内部でのお話し合いの様子を私外からうかがっていますとね、どうも拘束制にするのはやめよう、非拘束にしたほうがいい、拘束にすると順番が下の方になったら、これ、ぐあい悪いわけですから、やっぱり前面に
自分の名前を打ち出していきたい——そうなりますと、いつもと同じことですよね。ポスターもそれなりに張らなきゃならないだろうし、ビラもチラシもやらなきゃならないだろう、そういうことになりますと、同じですしね。拘束制をきちんとやろうじゃないかということになると、党内で金が動くんじゃないかということも予測されるわけですね。そうすると、どっちにしたってお金の動くことに変わりがないじゃないかというようなことになると、
国民の
意思を反映するために
選挙が行われているということと、かけ離れたことになってしまいますね。それは正当に選出された議員
たちによって構成される院が一番民主的な運営ができるわけですね。ですから、基本的にはだれが何を
考えているかということがわかりやすく
国民の皆さん方に御理解いただけるように努力をするのが本来の姿ですね。ですから、最近問題になっていますのは、
選挙の公営化をかなり進めていこうじゃないか……。
私、当
委員会で、かつて佐藤
総理に御質問した際に、ちょうど
選挙の折でした、
総理が、私は二十何日間に五千キロ走って五十万人の
方々に親しくお目にかかってお話をしたと、大変自慢げにおっしゃるわけですよ。
総理の権力をもってして、五千キロ走って五十万人の方にやっとお目にかかれるかどうかですね。しかも、手を振ってあいさつぐらいのものでしょう。そうなりますと、それはテレビの視聴率から言えばコンマ以下の存在ですね。だから、テレビがあるのだから、政見放送もラジオだけじゃなしに、テレビを通じて行われるようにしたらいかがでしょうかということを、私その際提案いたしました。それから御
検討があって、その次の衆議院の
選挙から実際にテレビが活用されるようになりました。私も逓信
委員会に所属しておりますのでね、各地へ視察に参りました折などは、放送局その他で
調査しますと、テレビの政見放送を投票する際の参考にしたという方のパーセンテージが三〇%、四〇%あるわけですね。そういうふうに機会均等に皆さん方に
自分の主張が遂げられる、しかも国営というようなかっこうでですね。何もかも国営にしてしまうことはすばらしいことだと私は思いませんけれ
ども。しかし、そういう形で機会均等にそういうことが行われるようになれば、そうむやみにお金を使おうとなさる方もおいでにならなくなるはずです。ですから、もう少し——政府のPRも、いまわりあい私は冗漫な使われ方をしている
部分があるのじゃないかと思うところもあるわけですよ。それから、放送局に協力を求めるとか、あるいは公報を通じるとか、その他の手だてを講じて、もう少し公営の線を伸ばしていく。そうすれば、ずっと金をかけずに候補者の
考え方を皆さん方に理解していただけるようになる。
もう
一つ、ポスターの問題ですけれ
どもね。金がかかる主たる原因はポスターにあるようにしばしば論じられておりますけれ
ども、確かに諸事物価値上がりの折から、ああいうものを、人件費も高いから、張って歩いたら大変ですよ。しかも、
全国区という規模になりますと、ポスターを張るというのは実に大変です。ポスターが本人の主張をどの程度正確に有権者の
方々に伝えるかというと、これは疑問ですね。ただにっこり笑ったポスターで、各
政党どれも同じて、手を振っている写真が幾ら並んでいても、どれがよくてどれが悪いか、
国民の
方々判断に苦しまれるわけですよ。ですから、
全国区の場合は——わりあい話は具体的になりますけれ
どもね、
全国区の場合にポスターを一挙に廃止してしまうとかいうようなかっこう、あるいは公営を逐次増加していくというようなかっこうにすれば、先ほど来申しておりますように、何も
参議院のあり方を根本的にゆがめてしまうような
比例代表制というものにいきなり飛びつかなくてもいいんではなかろうかというふうに私は思いますけれ
ども、その辺どういう御
見解をお持ちでしょうか。