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岩動道行君 そういうことで、ドイツは
国内批准をしましたけれども、寄託をしてない、こういう
意味において正式の加盟国にはなっていないという実情、この辺も
日本もやはり横にらみで
考えなければならない点があろかと思うのであります。また、エジプトについても、米ソ仏等が核燃料を供給を申し出ているということが伝えられております。こういう点においても、
日本の
立場というものも十分に
考えなければいけないと、こういうことを申し上げたいと思うのであります。
そこで、保障措置協定については、先般
政府はウィーンにおいて仮調印をなさいましたですね。この保障措置協定は、
日本側から言うならば、少なくとも
政府筋においてはユーラトム並みになった、平等性を確保した、最恵国待遇を受けたと、こういうようなことを強く表面に出しておられまするが、これは当然のことでございまして、
日本が原子力の平和利用をやっていく場合にユーラトム並みのことは当然のことである。それを最恵国待遇という、よその国よりも悪くはならないということは当然ではないでしょうか。それを最恵国待遇を得たと言って、まるで手柄を立てたようなことをおっしゃっている。これは私は
国民に対するいささか誤った印象を与えるのではないだろうか。もしも最恵国待遇を与えられないような、ユーラトム並みみたいなことが与えられぬようなことであるとするならば、これは
日本の査察技術なり、そういうものの開発なりが非常におくれておって、とても
日本には任せられないんだと、そういうことであって、したがって調印以来五年間、
日本側は一体そのことについては十分な対策を講じて、当然のことを要求し得る
立場にまで
日本の内部体制ができ上がっていたかどうか、こういう点が私は
政府の
立場として努力が十分であったかどうかという疑問を持たざるを得ないのであります。そういうヨーロッパ並みでない
立場においてヨーロッパ並みのことを要求するから、平等性を獲得したとか最恵国待遇を得られた、こう言ってその手柄のようなことを言う。これはもうおかしい話なんです。そういう
意味において、私は
国民に対する印象を誤らないようにしていただきたいし、
政府自体が平和利用に対するもっともっと自主的な技術の開発、そして努力をしなければならない。
先般、NHKの解説において平沢和重氏が、この査察協定は
相手側から見たならば清水の舞台から飛びおりるような
気持ちで
日本側に平等性を与えたんだと、こういう解説をしております。平沢さんは
三木総理の外交のブレーンとしておられるということを私はひそかに聞いておりますが、それは別といたしましても、NHKという公共的な放送機関がそのような解説をして、まるで
日本が土下座外交しているような印象を与える解説をしたということに対しては、私は大きな抵抗を感じたのであります。そのようなことば、すべてやはり
日本の平和利用、原子力に対するいろいろな体制が不十分であったということを物語るものではないか。どうか
政府の努力を一層お願いをいたしたい。
また、ユーラトム並みと申しましても、西独は、いろいろな場面で問題になっているのは、イギリスにオランダと三国共同の濃縮ウラン工場をつくっている、それによってドイツの大部分の核燃料というものは査察から逃れ得る
立場にある。イギリスは査察を受けない
立場にあります。