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政府委員(
安養寺重夫君) 一番よくわかっておりますものから申し上げますと、国が建設費を補助いたしました六十九の現在活動しております公立少年自然の家は、
設置主体別に見ますと、県立が三十八ございます。市立が二十九カ所、その他二、そういう形になっております。それ以外に、今度は
補助金を交付しませんで各
市町村でおつくりになっておるというものが九カ所ばかりでございまして、市で建てておりますものが四カ所、町村で建てておりますものが五カ所、九カ所あるわけでございます。国の
補助金を出しますものと出さないものとあるわけでございますが、出します際には一応私どもの方に基準をつくっておりまして、その基準を
一般に
関係者にお示し申してございますのでおわかりなんだろうと思うわけですが、端的に物理的な面を申し上げますと、建物面積は原則として二千平方メートル以上、それから宿泊する
規模は二百人以上、こういうぐあいにいたしておりまして、これに合致しておりますものについて
補助金を出しました結果が六十九カ所です。それ以外はこれは
規模が小そうございまして
補助金を出さないでおります。
現在、公立少年自然の家で活動しておりますところが寄りまして、少年自然の家の協議会というような
組織をつくっておりまして、年々必要なときにこの会議が開かれまして、
運営の
実態等についての御相談なり、あるいはその実績をお互いに評価するなり、
研究活動も進められておるわけでございまして、
文部省の私どももその会議へ出向きまして、いろいろとこちらの考えておりますことを申し上げて御批判もいただいており、またそこでお教えもいただいておる。共同に仲よく少年の教育活動、今後の見通し等も語り合っているというような現況でございます。
本年もそういうことがございまして、いろいろ活動の実態についてのデータは整っておりますが、余り細かしいことは別といたしまして、どんなことであるかという概況を申し上げますと、大体年間活動いたします際に学校が引率をして行かれると、そして学校教育の一環としてそこで野外活動等々の、後で申しますような教育が行われておる。そのほかには、少年団でございますとか、あるいはたまさか少年団その他少年教育活動の指導者がそこへ研修に行かれるというようなことがこの少年自然の家で行われておりまして、現在そういういろいろな多彩な事業が行われております。どういうような
仕事がそこで行われておるかと申しますと、かいつまんで申しますと、自然観測あるいはキャンプ、ハイキング、あるいは、山あるいは川、沼等における立地条件を利用したいろいろな野外活動、自然探索というようなこと、あるいは先ほど申しましたような少年教育活動の指導者の研修の場を提供するというような行為が行われておる。そういうような概況でございます。
現在、そういうような実態を踏まえまして、私ども国では、国立少年自然の家を
各地区に
一つずつつくってまいりたいと、最小限十二を考えておりまして、まあ首都圏その他人口稠密な
地域、環境上そういう少年を自然に親しませるようなことの必要性の度合いの高いところはさらに追加で考えていこうではないかという検討を進めたいわけでございますが、そのほかに公立少年自然の家がもっともっとできることを希望いたしておりまして、現在まで行いました補助に引き続きまして、今後もその補助を強化してまいりたい。ちなみに五十年度は、一カ所八千万円の施設の国庫
補助金を提供いたしまして、三十カ所分公立でおつくりを願えないかというような用意をいたしまして、関係の地方公共
団体にいろいろとそういうようなお勧めをしておるという形でございます。
なお、全般を通じまして一番われわれが考えておりましてむずかしい問題だと思いますのは、指導者の研修と養成でございます。学校教育の一環として行われます際は、学校の
先生方が引率してこられ、宿泊その他を含めまして御指導いただけるわけでございますが、それにしましても、やはり少年
団体その他の利用の便宜も考えておりますし、そういうことをやはり相当やっていきたいと思っているわけでございますので、そういう指導者を指導する層を集めることと、しかるべく指導者になっていただけるような人に研修の
機会をこの場所で提供するという実態を早く確立をしたいというようなことを考えております。学校の
先生でございますとか、指導主事でございますとか、
社会教育主事でございますとか、民間のいろいろな少年
団体の指導者、そういう
方々にいろいろこういう施設を御披露いたしまして、こういう場所を中心としていろいろな少年教育活動が展開されることをわれわれとしては願っておるわけでございます。