○
国務大臣(
福田赳夫君) 第一点は、
物価抑制などの政策的理由によりまして料率を抑えたという際に、一般会計から補てんをするという道はないか、こういうことのようでございますが、これは
考え方によりましてはそれはあり得ることであります。しかし、
わが国の
郵政事業は、これはまあ
郵便法にも明定してあるとおり、総合独立採算
制度、こういう
制度を採用しておるわけでございます。とにかくできる限り独立採算でやっていくというたてまえをとっているわけでありまして、仮に
政府の方針として
物価を抑制しなければならぬ、そのために
郵便料金を長期にわたってこれを据え置く、こういうような政策をとって、これでは大変な
赤字になり、
企業の経営に困難が生ずるという際に、これは一般会計から入れようなんというような、そういう
考え方が絶対できないというわけじゃないと思うんです。しかし、多少の
赤字であると、そういう際に、この独立採算制の原則を破ってまで財政補給をする、こういうことが適当であるかどうか、これは相当議論のあるところになると思うんです。
それともう
一つは、財政独自の問題があるわけです。いま財政硬直化、硬直化と言われます。いま
わが国の一般会計の財政は二十一兆円だ。そこへもっていって交付税交付金、それから地方財政に対する補助金なんか十兆円ぐらいあります。そういうことで正味言うと十一兆円ぐらいな
予算ですね。そこへもっていっていわゆる
国鉄だとかあるいは米価だとか、そういう他の会計、他の
企業に対する補給、これは三兆円ぐらいになるんです。そういうことで非常に会計が窮屈になっておる。そういう一般財政の立場なんかを
考えると、なかなか一般財政と申しましても、他の会計にこれを補給するというような余力もない状態なんです。その辺を彼此
考えまするときに、これは
郵政会計で
赤字が出る、それを一般会計から補給する、これは非常にむずかしいことじゃないかと、こういうふうに思うんです。
それから地方における公共
料金の問題でございますが、これは私もあの通牒を新聞で見まして実は心配したんです。そこで自治省と相談してみると、確かに出てるんですが、これは誤解を招くような節もありますので、自治省と企画庁との間で文書の交換までしまして、とにかく公共
料金をあしらうという際におきましては、地方におきまして、その
企業の合理化
努力、これをやった上、万やむを得ざる場合に限るようにしよう。それから第二の条件といたしましては、そういう際に上げるにしても、国の公共
料金抑制ということも含めての
物価政策、これとの調和を図るようにやっていきましょうと、こういうことにいたしたわけなんです。そういうことで、万やむを得ざる場合に地方でも公共
料金の引き上げは、国でも多少やっているんですから、あり得ると思いまするけれ
ども、自治省、地方自治体とよく連絡をとっておりますので、そう一斉にどれもこれもということにはなるまいし、なってはならないと、そういうふうに
考えております。