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1975-03-18 第75回国会 参議院 地方行政委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十年三月十八日(火曜日)    午前十時三十六分開会     —————————————    委員の異動  三月十八日     辞任         補欠選任      鍋島 直紹君     山崎 竜男君      大谷藤之助君     最上  進君      加瀬  完君     竹田 四郎君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         原 文兵衛君     理 事                 金井 元彦君                 安田 隆明君                 野口 忠夫君                 神谷信之助君     委 員                 安孫子藤吉君                 井上 吉夫君                 岩男 頴一君                 夏目 忠雄君                 橋本 繁蔵君                 最上  進君                 山崎 竜男君                 赤桐  操君                 小山 一平君                 竹田 四郎君                 和田 静夫君                 阿部 憲一君                 上林繁次郎君                 市川 房枝君                 福間 知之君    国務大臣        自 治 大 臣  福田  一君    政府委員        自治大臣官房審        議官       山下  稔君        自治省行政局長  林  忠雄君    事務局側        常任委員会専門        員        伊藤  保君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○市町村合併特例に関する法律の一部を改正  する法律案内閣提出)     —————————————
  2. 原文兵衛

    委員長原文兵衛君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  市町村合併特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  3. 小山一平

    小山一平君 今日までに市町村合併はずいぶんだくさんできましたけれども、その状況を、非常に簡単で結構ですから御報告をお願いいたしたいと思います。
  4. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) 御承知のとおり、戦後新しい地方自治法ができましてから、地方団体組織運営もすっかり改まりましたし、国民生活水準向上に従って市町村の受け持つ行政事務も大変ふえてまいりましたので、まず、昭和二十八年に町村合併促進法という法律ができまして、これに基づきまして全国的な、計画的な町村合併推進が行われてまいりました。で、その結果、その昭和二十八年十月、これが九千八百六十八町村がございましたのが、その町村合併促進法が失効するまでの三ヵ年の間に三千九百七十五に減少したわけでございます。しかしこれも、多少これの後始末という意味でなお合併推進が続けられまして、新市町村建設促進法に引き継がれまして、同様に計画的な合併推進が行われ、この規定では内閣総理大臣合併勧告をして、最後には住民投票によって合併を実施するというような手続もございましたが、これが昭和三十六年の十月に失効いたしました。申し上げてみれば、ここまでが、町村合併促進法からこの新市町村建設促進法の未合併町村推進に関する規定が失効するまで、この間が計画的に全国的な合併推進というのが行われた時代でございまして、ここに至りまして、最終的に三千四百七十市町村になったところでこの計画的な推進というのは一応終止符を打った形でございます。  その後自主的な合併、これは国民生活水準が上がりますにつれていろいろ広域行政必要性が高まってまいり、これに対応するために、それぞれの市町村が自主的に御判断なさって合併をするという形がずっと今日まで引き継いでこられまして、法制的には、その間、市の合併の督励に関する法律、あるいは新産業都市建設促進法といったもので、そういった自主的な合併障害を取り除く規定がございましたが、それらを集大成いたしまして昭和四十年の三月二十九日——今日からちょうど十年前に、きょうこれで御審議いただいております市町村合併特例に関する法律というのが制定されました。で、この法律趣旨としては、自主的な合併をなさる場合の障害を取り除くという形でございましたが、それに基づくこの十年間の合併件数として百二十二件、そのための減少市町村として百八十八市町村が減少して今日に至っております。今日現在で、つまり五十年の二月末現在で市町村数は三千二百六十二になってきておる。この十年間の合併というのは、いま申しました百二十二件が、多少のばらつきはありますけれども、年度に大体平均すると十件ぐらい、多い年で二十三件ということですから、大体平均した速度を示しておりますし、地域的にも大体全国的に平均した速度を示しております。  まあこういう形でございますので、今日は合併というのは町村の自主的な判断に基づいて行われる、行われる場合の障害を取り除くという政策がずっと続いておる、こういう状況でございます。
  5. 小山一平

    小山一平君 この合併によってもたらされたメリットデメリットというものがあるはずだと思いますが、自治省はどのように評価していますか。
  6. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) もちろん、その合併メリットデメリットというのは、それぞれの具体的な市町村においていろいろそれぞれのねらいといいますか、相違がございますわけでございます。ですけれども、これらをおしなべて、一般的に申しまして、自治省の方で、合併による一般的なメリットとしては大体こんなことが見られるのであろうと思っております。  その一つは、組織の統合、合理化等による経費の節減とか財政運営合理化が図られること、それから、区域が広くなり、その人口もふえますので、勢い広い範囲から人材を求めることが可能になって職員の資質の向上が見られる、それから窓口事務合理化とか事務機械化というのが、ある程度規模が大きくなります場合は効率的にやりやすくなる、つまり、事務処理の改善が行われる、それから公共施設の効率的な利用が可能になる、それから住宅、交通、土地利用、その他公共施設整備に関する施策を総合的に計画的に実施できること、こういったことが一般的な合併メリットである、そう考えております。同時に、ある程度広い区域においての広域行政必要性というのが最近高まっておりますが、これに合併というのが一つ対処できる方法である。しかし、これ以上に広い広域行政については、現在広域市町村圏等でもって、共同処理施策もこれは問々推奨しておりますけれども、合併自体が持っておるメリットというのも、その行政広域的処理という面は見落とせない面ではあろう、一般的にはこういうメリットがあるというふうに考えております。
  7. 小山一平

    小山一平君 その反対の面で、大きくなったために自治体としてデメリットというものもあるはずだと私は思うのですよ。自治省はそれをどういうふうにお考えですか。
  8. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) もちろん、従来の体制を改めて広くするわけでございますから、その間には、従来別々にやっておったものが一緒にやらなければならないという場合のいろいろな摩擦とか、あるいは住民の民主的な意思の反映が希薄になるとかいう、いろいろなケース考えられると思います。したがって、町村合併もすべてメリットばかりであって、デメリット一つもないとは私たちも思ってはおりませんが、それらを比較考量し、さらに今日の国民経済発展国民生活水準の上がっていくのに対応します行政的処置としましての広域行政必要性、そういったものを考えます場合に、やはり自主的に話がまとまって合併をなさるところでは、そのデメリットを克服して、より大きいメリットを追求していかれることになるだろう、そして事実そういう効果が出るであろう、こういうふうに考えておる次第でございます。
  9. 小山一平

    小山一平君 今後、市町村合併というものを皆さんどういうふうにお考えですか。
  10. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) 昭和二十八年から先ほど申しました三十六年までの間は、それは国策といたしましてと言いますか、計画的に合併推進を図ってまいったわけでございますけれども、その後は、先ほど御説明いたしましたとおり、自然の流れに任せ、そして広域行政必要性その他について市町村が自主的にこれがよろしいという結論を出されて合併をされることについてはそれは結構なことである、つまり自然の流れに任せるという考え方で進んでまいりましたが、今日においてもなおその姿は必要であろう。したがって、ここ当分、かつての町村合併促進法のような計画的な合併を推奨しようとは毛頭考えておりませんが、合併デメリットがあるから今後はなるべく制限していこうというようにも考えておらない。つまり自然の流れに任せ、市町村が自主的に合併がいいと判断された場合には、それに対して問題を取り除くとか、その合併についての援助を行っていく、そういうふうに考えている次第です。
  11. 小山一平

    小山一平君 そうすると、今後は、あくまでも市町村自主性に基づくこととして、自治省合併は結構なことだとか奨励をするとかあるいは宣伝をするとか、そういうことは一切今後おやりにならない、こういうふうに確認をしてよろしゅうございますか。
  12. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) 三十六年以降はそういう考え方でおりますし、現在も今後もそういう考え方で進んでまいって差し支えないと考えております。
  13. 小山一平

    小山一平君 それを確認をさしていただいておきます。  それから、合併はしたけれども、いろいろ住民の間に問題があって、分村の運動だとか分市の運動だとか、混乱が起きたり、またそれに基づいて分市分町などというようなことが行われた事例もたくさんございます。恐らくこれは十分住民説明をしたり合意を得るという手続手段の欠如がもたらした結果、そういうことがいままで幾つか起きたと思うのですがね。そこで、いまは自主的な合併ですから、そういう点はかなり慎重にいずれの市町村でも取り扱っておりますが、中には非公式的な住民投票などという手段を通じて合併結論を出すというようなことをやってきている例もありますが、こういう点についてはどういうお考えですか。
  14. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) 合併後のトラブルというのは、確かに全国的に非常な勢い推進をしておりました時代には、あちらこちらに確かに見られたわけでございます。まあそれにいたしましても、全部の合併が行われた件数からすれば非常に少ないパーセンテージでそういう紛争というのは起きておる。つまり大部分が、もちろん住民意思を十分問われての合併だったと思いますが、そういうトラブルというのはあの時代以降は実はほとんど起きてないと言ってもいいのではないかと見ております。それは自主的な町村判断に基づく合併でございますので、後に紛争を残すというケースが三十六年以降にはほとんどなくなっておるように私は拝見しておりますので、今後も合併はまあそうあるべきである、いずれにせよ、一つ町村一緒になって新しい町村をつくるという大問題でございますから、その町村の中には恐らく全員一致賛成ということはなくて、いろいろ反対意見があったり、いろんなトラブルがあったり、折衝があったりすると思います。それらを十分踏まえた上で合併手続がとられたものに対しては、その後そういうトラブルが起こるおそれは余りない、しかも自主的な合併ということであれば、今後それについての配慮はそう多くは要らないのじゃないか。  いまのお話の中にありました非公式の住民投票において町村民意思を確かめるというのも、その町村自体がそういうことがいいとなれば、これも一つ手段であろうし、あるいは住民投票でなくて、アンケートをとるとかあるいは説明会その他でもって生に住民の声を聞くとか、いろいろ慎重な手続を払われることはそれ自体も結構なことであろうと考えております。
  15. 小山一平

    小山一平君 恐らく今後も、合併の問題については説明会だとか懇談会だとかアンケートだとか、さまざまな手段方法が講ぜられると思いますが、いま申し上げたように、自主的に住民投票などによって判断をするというようなやり方については、自治省も大変これは結構なことだというふうに評価されていると考えてよろしゅうございますか。
  16. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) いま私は、住民投票一つ住民意思を確かめる有力な方法であろう、そういう意味での評価はしていいと思いますが、住民投票唯一方法だとは実は思っておりません。だから、住民投票を必ずすべきであるというようなことまでは実は考えておらない。住民投票によるなり、あるいはアンケートによるなり、あるいは公聴会によるなり、住民意思十分確めてやるということは、それぞれの町村の自主的な方法でやられることは大変結構である、そういうふうに考えております。
  17. 小山一平

    小山一平君 今後の市町村合併についてそういう方針であるということを確認できればそれで結構でございます。  続いて、私は自治省推進してきている広域町村圏構想、どうもこの考え方の根底には、大合併を大いに歓迎するという、何か考え方、発想があるように思えてならないんですが、いかがですか。
  18. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) おっしゃるような趣旨のものではございませんことは、広域市町村圏施策を進めるに際しまして、各地で口を酸っぱくしてと申しますか、繰り返し説明をしておるところでございます。もちろん、国民生活水準が上がっていく、そうすると町村住民行政に対する注文、行政需要というのもますますふえてまいりますし、しかもそれが、最初は小さな行政需要でありましても、これはもう経済発展生活水準向上に伴って、必ずその需要は高度のものになっていき、お金のかかるものになっていく。同時に、やはりそれを処理するには広い範囲が必要、つまり広域化ということは避けられないことだと存ずるわけでございます。  そこで、それに対応するために、まず一つ方法としては市町村合併をして大きくなるという方法があるわけでございますけれども、これはもう二十八年から三十六年に至る大合併でひとまず全国的に済んでおる。そして、合併した後では、全体が一つ一体性を取縛する前にはやっぱり相当の年月というのが必要である。そこで、今日外政需要が広まったからと書ってさらに第二次合併を進めるというには、いかにも時期が早過ぎるといいますか、まだ一回目の合併一体性も確保していないときにそれは決して得策ではない。しかもなお、個々市町村単位処理できる仕事はまだたくさん残っておる。一方、広い範囲何方町村かが共同して処理しなきゃならない行政需要というのはふえている。これに対処するために、合併によらないで、生活圏的に一体的な、何と申しますか、条件を有するところが、合併によらないで、個々独立性を保持したままで共同処理する、これを進めるのが実は広域市町村圏施策の主たるねらいでございますので、先生の御指摘のように、これを引っぱっていって将来は一緒にさしてやろうというような下心があると言われるのは大変不本意でございまして、現在必要な広域行政処理方法を、合併によらないでやるのはこの方法唯一であり、しかも最も効果的であると、こう考えて、三年、いやもう少し前ですか、四、五年来推進してまいったのが、この広域市町村圏でございます。
  19. 小山一平

    小山一平君 そういうお答えでしょうが、私はそうだからと言って、前から抱いている疑いの気持ちが解消できたわけではありませんけれども、それはそれとして、従来一部事務組合という方法でかなり広域的な事業は実際に行われているわけですね。これは非常に現実的です。こういう従来の一部事務組合ということで広域行政がかなり進んでいるにもかかわらず、あえて広域市町村圏構想というものをお出しになられた。どうして従来の一部事務組合という方法広域行政処理が十分できないというふうな判断をされているのか、その点お尋ねをしておきたいと思います。
  20. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) 一部事務組合というのは確かに非常に古い沿革がございまして、共同処理をするために有力な一手段であることは御指摘のとおりでございます。しかし、これはまた従来個々事務について行われておったのが普通でございまして、今日の社会情勢に合わした、ある程度生活圏的に一体をなす地域が、個々事務ごと共同処理でなくして相当広い範囲を総合的計画的にやるには、従来の一部事務組合活用だけでは足りないのではないか。しかし、法律的な手段としては、広域市町村圏でも、実際に共同処理をされる場合は一部事務組合という形をかりて行っておるわけでございますから、従来の一部事務組合やり方を否定したのではなくて、その共同処理を一部事務組合なりあるいは協議会なり、まあいろいろな共同処理方法がございます。それらを組み合わせて、一つ生活圏単位のものを全体として総合的に計画的にやる方法としてこの広域市町村圏というのがいいんではないかということを考え、そしてこれを推進してまいった次第でございます。  そこで、昨年の国会の御審議を得まして成立をいたしました地方自治法改正案におきまして、この一部事務組合も、従来の一部事務組合個々事務についての組合からもう一歩進んで、ある程度総合的に複数の事務一つ組合共同処理できるという道もつくったのでございまして、これ自体も、実は一部事務組合活用のための道を一本広げたということでございます。おっしゃいますように、一部事務組合共同処理を否定したのではなくて、それらを使いながら、さらに全体的に総合的ににらんで、みんなで相談し合って共同処理をやっていく、こういう道を広げようと、そういう意味でございます。
  21. 小山一平

    小山一平君 いままで各省が不統一に、やれ首都圏構想だとか、生活圏構想だとか、開発圏構想だとか、さまざまなものを考え出して、そうして地方自治体に膨大な資料や計画を出させて指定をしたりしてきましたね。そうしてこれはほとんど予算、財政の裏づけというようなものが欠けているために、うたい文句だけで、自治体にとっては非常に迷惑なことであったし、不信と失望をもたらしたと、私はそういうふうに思っているんです。こういういままでの各省まちまちの構想、これは恐らく経済高度成長に伴う、それを推進をしていこうというための基礎づくりというようなことで各省がお考えになったと思いますけれども、自治体はこれで非常な迷惑をしているんです。自治省はこれどういうふうにお考えですか。
  22. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) 先生の直接の自治体理事者としての御体験からの御批判と思いますので、これは謙虚に受けとめなければいけないとわれわれも考えるわけでございまして、中央の役所で机の上で頭の中だけで考えていた施策が必ずしも思ったようにいかず、むしろ自治体に御迷惑をかけている面、これがあることは常に反省をしなければならないこととは思っております。  ただ、いま先生がお挙げになりました各省のいろいろ何々振興圏とか開発圏とかいう、それらのものと実はこの広域市町村圏とはやや性格を異にする。各省がそれぞれ考えられましたのは、それぞれの特定な地域において、たとえば首都圏であるとか、近畿圏であるとか、それにおいてのいろいろな開発なり総合的な施策なりだと思いますが、広域市町村圏というのは、その中身は、それぞれの市町村のそのときの問題点を解決するための一つの枠組みでございまして、しかもこれは大都市周辺を除きまして全国に及ぼしておる。まあ全国民生活水準向上に伴う一つやり方というものを考え出すと言いますか、示しまして、それによってやっていただく、やっていただく方は全く自由にお使いになってください、その地域によって最も適した方法でやってくださいという趣旨でつくり出したものでございまして、各省の中では、建設省のいわゆる地方生活圏、あれとやや性格は似ているわけでございますが、地方生活圏の場合は、少なくとも建設行政に関することだけを一応中身考える。まる私の方の広域市町村圏は、この地方生活圏調整をしつつ、大体圏域も一致するか、あるいは一つ地方生活圏の中に二つの広域市町村圏が入るというように、少なくとも境目がばらばらにならないような調整はいたしましたが、こちらの方の中身は、それぞれの市町村のおやりになるお仕事、その共同処理方法ということでございますから、まあいささか、各省の持たれておる、いま御指摘になりましたようないろんなものとは中身が違うと存じております。  したがって、同時に、この広域市町村圏活用状況というのは全く地域によって異っておりまして、広域市町村圏のために補助金とか交付税措置とかいうのも、これは推進するために私たちで勇るだけのことをやりましたが、中にはそういうものだけを目当てに形だけつくっておるというところもそれはなきにしもあらず。しかしまた、一方別のところでは、この趣旨を相当活用して、活発に共同処理事務を展開しておられるところもある。言わば千差万別でございますが、私はまたその千差万別でむしろいいのではないかと思っております。それぞれが自主的にこれを十分利用されれば、それは住民の福祉につながることでございますし、かといって、もう無理して、摩擦をけっ飛ばしてでもこれを使わなきゃいけないという趣旨のものではない。そういう意味では、利用の度合いがいろいろ濃淡ありましても、むしろそれはそれでいいのではないか。なるべく有効に使っていただくように、こちらからは常に、強制はいたしませんけれども、御相談には乗ると、こういう態度でいくことがいいのではないかと思っております。
  23. 小山一平

    小山一平君 実は、地方自治体では、国で出すいろんなこういう構想というものをあんまり信頼もしないし、期待も実はしていなかったんですよ。ところが、自治省広域市町村圏構想も、多分各省でやって余り実のなかったものと似たか寄ったかのものだろうと実はたかをくくっていたところが、自治省広域市町村圏は若干の補助金——まあ補助金なんというのは大したことなかったんですが、交付税をかなり厚く上乗せをするという措置がとられた。そこでみんな大あわてにあわてて、その指定を受けることに狂奔をしたというのが実際の姿です。自治省はどうお考えになっているか知りませんが、この広域市町村圏構想自治省のお考えになっている、そのことに魅力を感じて指定を受けようなどと考えている市町村というものはほとんどないんですよ。そのお金が不公平に分配される、おれのところが外されるとこれは非常に損害だと、この金を目当て指定を受けるためにみんな熱心になったんです。皆さんが勘違いしちゃいかぬと思うんですよ。この構想は非常に結構な構想を出したもんだから、地方自治体がもう物すごい勢い指定運動を進めてきたと、こういうふうに評価をされるとしたら、これは私は間違いであると断言できます。  まあ、時間があんまりありませんから、一々御説明や御意見聞いていると長くなって困りますから私が申し上げますが、そこで、広域市町村圏建設計画というものは、これは非常に非現実的な、自治省の要求されるというか、期待されるものにどのようにして模範答案を書こうかという非常に非現実的な内容のものが非常に実は多いんです。そして実際にできる現実的な事業というものは、従来の一部事務組合方式で十分処理できる範囲のものにすぎない。そこで、さっきも申し上げたように、こんな構想を出さなくても、広域行政は従来の一部事務組合という方式によって自治体は自主的に十分機能することができるはずだというふうに私は申し上げたわけなんですが、皆さんはこの計画市町村圏の提出している事業計画というようなものは非常に大規模なものが出ておりますけれども、これが非現実的な作文の部分が非常に多い。こういう点をどういうふうにとらえておりますか。
  24. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) 先ほども申しましたように、この広域市町村圏という、現在三百二十九件指定がなされておりますこの三百二十九全部が全部、私たち考えておりますようなりっぱな計画を立て、かつそれに基づいてどんどん推進が行われているとは実は思っておりませんので、これの利用状況はまさに千差万別でございます。いま先生がお話しになりましたような、あわてて補助金なり交付税の恩典を受けるためにとにかく形だけ整えた、実体は何もないというところもそれは相当数ございますことは間違いございませんでしょう。しかし、私たちも中央で役所で頭だけで考えてこれをやっているだけではございませんので、この政策を実施し、こういう姿にするためには、いろいろ地方の意見も伺い、それから指定された後にも実際に地方に伺って、この広域市町村圏処理ぶりを拝見したり意見を伺ったりしたこともたくさんございます。そのうちには、まあ程度の差はいろいろありますが、確かにこの新しい機構、新しいやり方を十分活用なさって大いに活発に活動しておるというところもこれも決して少なくはない。つまり、御指摘のようなものあるいはそういうふうにこれを十分使っているもの、いろいろな姿があるのが私は現実だと思っておりますので、これ自体がもう全く意味のない施策だとは実は思っておりません。むしろ多少は自信を持っておるんでございますけれども、反面、これですべてうまくいっているなどというおごった気持ちはもちろん毛頭ございませんので、要は、この方式をその市町村でどういうふうに利用していただくか、十分活用していただくのならそれだけでももう十分目的を達しているじゃないか、そういうふうに思っておりますので、もちろん、今後市町村住民の福祉のために大いに活用なさりたいというところは大いに活用していただいて結構でございまして、まあ従来どおりの一部事務組合で十分事が足るじゃないかというふうにお考え地域は、それでおやりになるとしても、こちらも議論をする筋合いのものでもございません。そういう意味で、全くそれぞれの地域の実情に即した自主的な利用方法をしていただければ、それはそれでいいんではないかと、そういうふうに考えております。
  25. 小山一平

    小山一平君 これは大臣、ぜひよく聞いていていただきたいと思うんですがね。私は一番問題なのは、地方交付税は本来地方自治体の固有の自主財源でございます。そうですね。それを、私に言わせれば、まあ思いつきの構想と言えばちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、自治省広域市町村圏構想というのを打ち出して、その交付税指定したところへは分厚く支出をして、指定されないところと非常に不公平な取り扱いをしていくという、この交付税を操るやり方というものは私は適当ではないのではないか。もっとも、こういう不公平はけしからぬという各自治体からの突き上げがございまして、全国的に大体何年もかかって指定を広めましたけれども、とにかく最初のころなどは、第一次の指定の場合などは、どんどん指定をして、そこへ公平に分配さるべき交付税を分厚くどんと出すというやり方を実はとったんです。これは私はその当時も大変憤慨をしたんですけれども、ちょっとこれは自治省の越権行為ではないか、こういうふうにいまでも思えてならないんですが、この点大臣いかがですか。
  26. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) これは交付税の配分、実は財政局の所管の問題かとも存じますが、まあ広域市町村圏施策に関連して行ったことでございますので私から御答弁申し上げますが、現在は、大都市周辺の一部を除いて、全国的にもう広域市町村圏の設定が終わっております。全国をくまなくカバーしておりますので、そういう意味での不公平ということはもう現在はないと考えております。  当初ああいう形で交付税の配分をいたしましたのは、その広域市町村圏というのを構想をお立てになって共同整備をしようとする場合、すべてのことに優先するのは、まず道路を整備してお互いの交通をよくしなきゃいかぬじゃないかと、そこで道路を整備してお互いの交通をよくするというのは、生活水準が上がり、行政広域的な処理を必要とする場合には必ずこれが出てくるわけでございます。そこで、広域市町村圏の整備計画を立ててこれに手をおつけになるところには、当然起こるべき財政需要としてこれは見なきゃいかぬじゃないかと。その速度が、手をおつけになる段階、それからこれから相談される段階、いろいろ段階がございますから、現実に手をおつけになるところへその道路整備のための費用として上乗せをするというのは、当然毎年起こる財政需要に対して財政需要額を算定するという必要上から、これはむしろ当然のことだろうと私たち考えておったわけでございます。そしてそういう計画を立てて道路の整備に手をおつけになるところ、まだそこまで至らない段階と、結局広域市町村圏指定がこう年度がずれてまいりまして、ずれて先に広域市町村圏指定を受けたところはそれから三カ年間上乗せする、三年目に指定されたところはそれから三ヵ年間上乗ぜする。結局全部をとってみれば全部公平になるようにするという考え方でやっておりましたので、最初指定を受けたところが後から指定を受けたところに対して大変得をするような制度であれば、それはおっしゃるような御批判があると思いますけれども、私たちのほうは、もともと広域市町村圏ということで一応全国をカバーするという立場で出発しておりますし、先に指定を受けたところに先に交付税をやる、後から指定を受けたものはその年度から始めて同じ年間だけ交付税措置をやるという考え方で出ましたわけでございますが、もちろん、その間に物価のいろいろな変動その他もありまして、初めのものと後のものに多少の不公平はあるというようなことはあるかもしれませんとしましても、全般的には決して公平を失わない交付税措置であると考えておる次第でございます。  今日なおあの交付税措置の上乗せは大変御要望が強うございまして、当初三年間であったのを四年に延長し、さらに五年に延長しておりますけれども、今後は全国的にも広域市町村圏が全部カバーされたわけでございますので、差し引きの不公平はないと考えております。
  27. 福田一

    ○国務大臣(福田一君) ずっと先生の御意見を拝聴いたしておった次第でありますが、ただいま局長からも御答弁をいたしましたけれども、小山先生の御趣旨を体して、そういう不公平の起きないように処理をいたしてまいりたい、かように考えております。
  28. 小山一平

    小山一平君 実は、いまは広く行き渡って不公平がないように長年かかってなりましたけれども、あれは不評で、余りその問題が騒がれるからやむを得ずあれ拡大したんですよ。初めから、皆さんのところへまんべんなく最終的には行き渡るようにいたします、したがって今回はその第一次です、その次は第二次ですなんという話は一度も聞いたことがないですよ。これはある程度の拡大ということはお考えになったかもしらぬけれども、あの当時、第一次の指定が行われて、後から後から運動が起きたときに、これは時間はかけるけれどもまんべんなく不公平のないようにするという、安心を与えるような言葉というものは聞くことができなかったんですよ。だから私は、不公平が問題になって、不公平のないようにすべきであるというふうにお考えになったこと、これは結構だと思うんですけれども、とにかく発想が、交付税自治省で勝手に考え構想によって不公平になるようなおそれを生ずるというやり方は、これは越権行為である。だから、今後何か手かげんが自由にできるような、そういうことはやるべきではないのではないか、このことだけははっきりさしておいていただきたいと思います。
  29. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) ちょっとお言葉を返すようでございますけれども、広域市町村圏というのは、たとえば新産とか工特とかいうような特定の選ばれた地域だけ指定するなどという考え方は、実は最初から持っておらなかったんです、最初から全国的な市町村共同処理のための一つ施策として考えておりましたから。それで、建設省は同じく地方生活圏ということについて同様な考え方を持っておった。この建設省との間の調整をとりつつあれを実施してまいったのでございますから、最初からこれは全国をあまねくカバーするという方策であったことはこれは間違いございません。私はその当時、ちょっとその衝から離れておりましたけれども、その後の仕事を引き受けたわけでございますけれども、最初からのいきさつからして、これは全国津々浦々に及ぶという考え方で出たことは間違いないのでございまして、その意味では、先に指定を受けたところにまず交付税の上積みをする、しかし、当然いずれは必ず指定を受けるその年から同じ年度で上積みをするということで、最初から不公平をするつもりもございませんし、最後には全体にならされるということを予想しつつやっていたことでございますから、勝手にというか、えこひいきというか、そういう不公平があることを期待したり、承知したりしながらやったものでないことだけは申し上げさしていただきたいと思います。
  30. 小山一平

    小山一平君 それはいまになればそうおっしゃいますが、実は私はその運動でさんざん自治省にも来たんですよ。来たけれども、指定を受けられずに取り残されるかもしれないという不安を取り除くような説明は、どなたからも聞いたことがないんですよ、実際に。ですから、全国の市町村は非常なけんまくでこの指定運動を展開したんです。ところが、いまおっしゃるように、いや、やがて皆さんのところへも年次的に行きますよと、必ず不公平にならないようにやりますよと皆さん説明してくれれば、みんな安心をしてあんな気違いじみた運動にはならずに済んだはずだと、これは水かけ論ですから、ただ私の経験の上でそれだけのことを申し上げておきます。  それから大合併広域市町村圏構想というのは私はこういうふうに考えるのです。いずれの市町村でも、最小の経費で最大の行政効果を上げるように努力をいたしております。しかし、何でも大きければ大きいほどいい、広ければ広いほどいい、それが安上がりで近代化、合理化ができるんだという、こういう考え方に立つとすれば、これは私は間違いだと思うのです。これは経済高度成長の発想と軌を一にするものですから、私はもう高度成長から安定成長へということが政府でも常に言われている時代でもあるし、先ほどからお話のあったように、町村合併も非常に広範に大々的に行われた時代でもありますから、何でも大きく何でも広くという、そうしてそれが安上がりで効率的だという考え方に立つことは、大変これは反省すべき時期に来ているのじゃないか、こう思いますが、時間がありませんから非常に簡単で結構ですから。
  31. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) まさにそのとおりでございます。何でも広ければいい、大きいほどいいという意味でやっておるのではなくて、まさにものによるわけでございまして、現在でも、たとえば保育所とか小学校の経営というのは何も共同処理する必要はない。これらのものはそれぞれの市町村が独自に処理をしながら、共同処理したほうが効率的であり経済的であるものを一緒処理していただきたいというのがこの広域市町村圏考え方でございますので、いまの先生の御説には全面的に賛成でございます。
  32. 小山一平

    小山一平君 それから、これは例が共通だということではありませんけれども、広域行政組合が先行をして、そうして本来基本であるべき市町村自治が壊されるというか、そういう事例というものがあるのですよ。たとえば広域組合で何か問題を出すでしょう。そうすると、それに賛成多数で決まる。ところが、その中に反対市町村もある。そういう場合に、多数で決まったからいいんだと、多数意見だからいいんだということになると、本来主体であるべき市町村の自治権が侵される、こういう事例が実はございます。こういう点、どういうふうにお考えですか。
  33. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) これはまさにそこの関係市町村がこの共同処理機構をどういうふうに運営するか、その運営の適否の問題であると存じます。どんな運営をしても、その成果は結局その地域住民に帰するわけでございますから、運営の仕方がまずければかえって弊害が出るということはあらゆる制度に共通でございますし、その運営を自主的に、しかも民主的にやっていただくということが必要であろう。この町村の運営の適否ということに帰するのではないか。たとえばどんな行政でも絶対反対が一切ないというところまで話を持っていくとすれば、かえってこれは効率を落とし、ものができないということもございますから、ある場合の踏み切りは必要だろうと思いますが、かといって、いま先生のおっしゃったような、一つ町村がまるごとまるまる反対なのを、それを押してやることが果たしてその地域全体のために後々憂いを残さないか、いいか、そういうことを判断してやっていただければ、その間にはいろいろ摩擦もありましょうし、ひずみもありましょうけれども、結局はその運営に習熟していただき、最も適切なところに落ちつくようにやっていただく、ここに実は自治の真髄があるのかとも思いますので、こちらのほうが、一人くらいの反対があるんだがやっちまえというようなことを言うわけでございませんが、さりとて、全員が完全に一致するまでものを発動するなというわけにもいかない。まさにその地域に適した運営に習熟していただくということで、そのために技術的な御相談にはいつでも乗るという考え方でございます。
  34. 小山一平

    小山一平君 もう時間がありませんから、一、二のことだけ確認しておきたいと思いますが、私は、あくまでも地方自治の主体は市町村である、広域市町村圏組合ではないと、こういうことを自治省もはっきりとしておいていただきたいと思います。  それから、広域行政というものも見直す時期ではないか。何しろこの自治省構想に基づく広域なんというものは、全く名のとおり広域過ぎて、ひどいのになれば香川県とこの圏が同じ大きさだなんというばかばかしい広さの圏が実はできていますね。これで共通の現実的な施策が講じられるなんということが実はあろうはずがないんです。そういうところに限って問題も多いんですが、やはり、時代が変わってきたんですから、広域行政の限界、あり方というようなものを見直していく時期ではないか、こう思います、その点。
  35. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) 自治の主体が市町村であることは、まさにおっしゃるとおりでございます。広域市町村圏でたとえば総合事務組合をつくったとしましても、それは法律的には別の自治体であり、一つの人格を持っておるかもしれませんが、実質的にはまさにその関係市町村共同処理機構にすぎないわけでございますから、主体は関係市町村が持つことはあたりまえでございます。  ただ、共同処理しようとする場合に、それぞれの主体、これは一人ではないんで、四人なり五人なりが集まって相談するわけでございますから、エゴなり意地ばかり張り合っておったら共同処理が進まないということになりましょうし、ある程度譲り合うというような配慮はもちろん必要であろう。それをどういうふうに運営していかれるか。まさにその地域住民の福祉のために、それぞれの団体がいろいろお考えになって御相談なさることが結構であろうと考えております。  それから二番目の、その広域行政を見直すときというのは、国民生活水準が上がるに従っていろいろな行政広域的処理を必要としてくる、この傾向にいま歯どめがかかったとは実は思っておりません。やはり、屎尿処理にいたしましても、あるいは医療の技術の進歩による医療体系にいたしましても、あるいは消防の、いろいろな化学消防その他の高度の内容による共同処理必要性にしても、やはりこれはずっと続いておるし、今後も続くものと思います。  しかし同時に、すべてが広域処理されるものとは、先ほどもお答えしたとおり思っておりませんし、それから、広過ぎるというようなところがあることはまた事実であろうと思います。たとえば北海道あたりは、別海村という村自体がもう香川県の広さを持っておりますから、こういうところにさらに広域行政必要性処理必要性というものは余りないだろう。おっしゃるように、そういう非常に不適当な例その他も決して皆無ではないとすれば、これをどういうふうにうまく使うか。まさに地元で関係市町村がお寄りになって自主的に判断していただく。こうすれば、たとえ一時的に誤りがあろうと、それはいずれ正されましょうし、全体としては正しい方向に進んでいくのではないか、こういう運営を私は期待しております。
  36. 小山一平

    小山一平君 時間ですから、またの機会にひとつ。
  37. 和田静夫

    ○和田静夫君 きわめて短い時間ですから、先ほどの小山委員の質問にあったことをちょっと資料で求めたいんですが、すなわち、市町村合併特例法ができた以後の合併の推移、たとえば編入による合併であるとかあるいは合体による合併であるとか、そういう推移と、市町村別の数の状況ですね、これを資料で提出していただきたい。よろしいですか。
  38. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) 早急に整えてお手元に届くようにいたします。
  39. 和田静夫

    ○和田静夫君 そこで、昭和四十三年小笠原が復帰したし、四十七年沖繩の復帰がありますから、その辺を勘案しないと正確なことがあれですが、この十年間における推移をちょっと資料をいただければわかるんですが、私たちが見てきたのでは、市の数が非常に著しくふえていますね。町の数はわずかに減る。それから村の数というのは、これは大幅減という傾向が明らかなんですよ。村の数というのは昭和三十三、四年当時千二百ぐらいあったんですね。それが現在では半分に減ってしまっている。村というものの将来について、村自治体というものの将来について、自治省はどういう見通しをお持ちになっているのか。また、市町村という基礎的地方公共団体の種類分けというものについて、どういうふうに一体考えになっているのか。これが一つです。  それから、まとめてやりますが、自治省は、村というものをいずれなくして、そうして市や町に合併して、基礎的地方団体として市、町に統一した方がよいと考えているのか。端的に言ったら、私たちはこの合併法に前に賛成したときの論議を思い浮べてみますと、市、町、村なんて何で分けるのか。全部市の呼称でいいじゃないか、そういう意味で賛成だというようなことを言ったことが論議の中にあるんですが、その辺なんですが。
  40. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) いずれ、この十年間の合併の推移は資料でお届けいたしますが、いまざっと御説明申し上げますと、先ほどの御質問にもお答えしたんですが、この前の法律が施行されてから今日までちょうど十年間です。この十年間に合併が行われました件数が全体で百二十二件でございます。ところが、この百二十二件というのが大体この十年の間にほぼ均等に分布されている。四十一年が十二件、四十二年がちょっと多くて二十三件でございますが、あとは十九、九、ちょっと少なくて四、十五、十五、十一、六、八というふうに、ある年度にうんとかたまったことは、四十二年がちょっと目立って多いだけでございまして、多いといっても二十三件、というのはほぼばらまかれておるという姿でございます。  それから——よろしゅうございますか。いずれ資料でお届けしますから、筆記は結構でございます。  それから、百二十二件のうちで編入、つまり県庁所在地みたいな大きなところが、近い、わりあいと小さなところを吸収するかっこうのものが八十九……。
  41. 和田静夫

    ○和田静夫君 それはもういいです、そこは時間をとりますから。
  42. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) それから合体が三十三と、こういうことでございます。いずれ、これはまた資料をお届けいたします。  それから、村が大変減っておる、市はふえておる、確かにそういう傾向をとっております。で、私たちの方は、いま町と村というものの区別はほとんど頭に置いておりません。これは単なる名称の相違である。ですから、村が町になろうと——まあ町が村になることはございませんけれども、町になろうと一向構わない。何も市と町の二つにしてしまうという気持ちがあるわけではございませんけれども、村でも町でも、それは一向構わない。市は多少その法律的権限が違っておりますですね、現在福祉事務所を市自体で持っておったり。さらに市と将来の町村との姿のいかんによっては、おっしゃるように、そういう福祉事務みたいな住民の生活に関連する事務は、なるべく上から下へおろすという方向のもとに、もし市と町村とが同じ権能に統一できるものなら、それも一つの結構な方法であろうと思いますが、今日の状態であれば、何といってもやはり市がいろいろな意味規模も大きいし、その意味では職員の素質なり行政能力なりもまだ高いということで、現在の事務配分が現在不合理になっているとは思いませんけれども、方向として、全体をなるべく住民の身近なところで処理するようにという方向を進あていった暁において、仮に全部市になるとしても、それもまた一つの行き方ではないか。特に現在、一体どう持っていこうとかいう考えというのはございませんけれども、強いて言うならば、全体の方向として市町村を強化していこう、これが私の省の伝統的な考え方でございます。
  43. 和田静夫

    ○和田静夫君 念のために言っておきますが、私は、合併して全部市にしたらいいというようなことで言ったんではなくて、呼称の問題としては現在の村を市と呼んだって何も構わぬという考え方を言っただけなんです。  で、特例法というのは、これは大体五年単位ぐらいで法制化するのが私は普通だと思うんです。したがって、地方制度調査会でも私はそういうような趣旨のことを述べたのでありますが、いままで十年やった、またこれから十年というのは、一体どういう根拠があるのか。これは理由と立法例を聞かせてもらいたいと思うんですよ。
  44. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) 立法例といっても、ちょっとすぐ思いつきませんが、少し調べさせていただきたいと思います。  で、理由というのは、これは特例法と名を打っておりますけれども、現在、確かに個別の法律特例を決めていることではございますけれども、たとえば町村合併を大いに推進しているときに、一定の期間を区切って、この中で目的を達してしまいたいというようなときには、その特例期間はきわめて短く区切る。たとえば、町村合併促進法では三年に区切ってやったわけでございます。ところが、この法律中身となっておりますのは、さっき御説明いたしました数字のように、徐々に社会生活、国民生活水準が上がっていき、それにあわせて規模の適正化というのは全国的にまんべんなく起こっておるという、いわばなだらかな、平常事態のうちで行なわれる合併について、実際に合併したときにこの特例がございませんと、一時的に議員を出せない地域ができるとか、あるいは災害を合併直後にこうむったときに不利をこうむるとかいうのを合理的に直そうとするわけでございますから、ある意味では恒久法に近い性格を持っている。そこで、これをこの特例法からばらして、それぞれの法律の中に入れるという考え方一つ考え方が成り立つと思います。ただ、まとまってこういうふうに特例法となっていることが、実際に合併を御相談なさるときには非常に便利だという形もあって、こういう姿で十年やってきた。  しかも、この十年間の推移を見ると、初めの方に集中しておって後のほうはなだらかになったとかいうことでなしに、じわじわ、じわじわと、同じペースでやってきて——とすれば、今後も町村合併というのは、こういう社会生活の進展、その他に従って、こういうふうになだらかな、平均したペースで進められていくだろうということが予想されるわけでございます。そこで、もし、たとえばこれを五年に区切りますと、五年に区切っていけないというわけではございませんけれども、こういう特例というのは、なくなる直前にある程度強引なことが行われやすい。もうあれはなくなるんだから、十分町村民意思を確かめなければいかぬけれども、ひとつ大いに合併手続、早くやろうじゃないかということで、切れる面前が、むしろ何と申しますか、平常な、十分慎重に事を運ぼうということに対して、せっついたり、急ぐということが行われるわけでございますので、現在の合併の進行その他から考えれば、今後当分この間で続くだろうということで、従来これが十年間でごさいましたので、もう一つ立法例——これが一つの立法例と思いますが、もう一つこれと同じ間を延ばしてみたい。  じゃ、十年たったらどうするのかと、恐らく同じような社会情勢が続いておるとすれば、またさらに延長するという議論がそこで起きるか、あるいはそこでもうばらして、各基本法律の中に入れてしまうという議論が起きるか、そのときの事態だと思いますけれども、それが急に三年なり五年なりでものが変わるということも考えられませんし、十年延長しておいて、全体的にもう相当安定した条件のもとに、ゆっくり合併の相談があればしていただくというのがむしろいいんじゃないか。これが率直な十年というのをお出しした考え方でございまして、もし五年、五年に区切れば、さらに五年ごとにせっつかれたり、いろいろ無理が起きたりすることをむしろ恐れるという気持ちでございます。
  45. 和田静夫

    ○和田静夫君 かつて町村合併法を制定したときに、町村の標準規模ですね、標準規模というものを一応想定して計画的に合併と、こういう時代がありました。現在の時点で町村の標準規模というのをどういうふうに考えているのか、これが第一点です。  それからさらに、昭和二十八年の町村合併促進の制定後に、当時目標とされた町村合併による市町村の適正化がほとんど完了している。それにもかかわらず、地方自治法の八条の二の規定ですね、つまり昭和二十七年の改正法で加えられたわけですが、この市町村の適正規模の勧告に関する規定がまだ存続している。これはその内容が自治に対する強い制限規定でありますから、適当じゃないんじゃないかと、私は、大臣、考えているんですよ。この際、地方自治法の八条の二の規定を削除するのが私は妥当だと、こう思っておりますが、いかがですか。
  46. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) まず、前半の適正規模について現在どう考えているかということでございますが、御承知のように、町村合併促進法をつくりまして、三年間で町村規模を再編成しようというときに、目標として一応人口八千というのを設定いたしました。したがって、当時は八千が適正というか、むしろ最低規模という形で、その指標のもとに合併が進められていったわけでございます。しかし、現実には、じゃすべてが八千以上になったかというと、そうまで至ってはおりませんので、四十九年、昨年の四月一日現在においても、町村の平均人口こそ一万四百十四人、八千を超えて一万の大台に乗せておりますが、平均規模の半分の五千、この五千になお足りない町村が、なお四百八十九、全体で一五%ほどある。そういう意味では、町村合併、あのときの促進によってすべて規模の適正が完了したかというと、必ずしもそうは言えない。しかし、この残った四百八十九の五千以下の市町村、あるいは平均の——平均というのは、あのときの目標の八千に満たない、なお四割弱の数の市町村というものが、じゃ現在なお不適正な規模であるかというと、これはもうまさに地域の実態によりますから、必ずしもその全部が不適正であるとは言えない。そういう意味で、今日の段階で適正規模というか、平均というか、この一万前後の町村が通常の町村だとは考えておりますけれども、合併を大いに促進して、すべてをそこまで持っていこうという考え方を現在持っているわけではございません。  そこで、今度は、御質問の後段の八条の二でございますが、この規定については、まさに適正規模町村が求めるという必要性はずっと今日なお続いていると思います。国民生活水準が上がれば、何度も申しますように、いろいろな新しい行政需要が出てき、その中には高度な技術、ある程度広い区域による広域処理を必要とするものも決して減ってはいかない。こういう段階において、一般的に市町村が適正規模を求めるべき努力義務というのですか、常に住民のことを考え、そういうことを考えていかなければいけないという段階は今日もなお続いておると思います。先ほど申しましたような、平均の半分の五千にも足りないような町村がなお五百近くあるという今日の段階において、具体的に都道府県知事の目から見て、もう少し規模を適正にしたらいいじゃないかという勧告、あるいはこういう勧告は条文がなくともできるといえばそれまででございますけれども、そういう必要性があることも十分予想されると思いますので、私のほうといたしましては、この規定はなおその使命を失っておらぬし、いまあえて削除する時期ではないだろうというふうに考えておる次第でございます。
  47. 和田静夫

    ○和田静夫君 一言だけですが、具体的に合併するかしないかの判断は、これは自治体自身が考えることである。自治省自身として、このことは自治大臣、いまのことだけは確認をもう一遍しておきたいのですがね。
  48. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) 先ほど御説明しましたように、あの二十八年から三十六年までの一生懸命推進した時代推進策というのは一応終止符を打っておりまして、その後ずっと合併は、まさに町村の自主的判断に基づいて行うものだという立場をとっております。今後ともそれは変わらないつもりでございます。
  49. 福田一

    ○国務大臣(福田一君) ただいま、私も余り勉強しておらないので、条文八条の二というのをちょっと読ましていただきましたが、これはいま趣旨から言って、残しておいても、特別知事が権限を持ってこうせい、ああせいというようなことを言うことはほとんどないだろう。もうこれをやめてもいいじゃないかというお考えもわからぬわけではありませんが、特にこれをもう削除しなければならない——あるいは何かの特別の事情でもあって、府県知事がそういうことをやりたいという場合に残しておくのも、たとえそれを残しておいたからと言って、住民反対なのに、知事が幾ら何か言ったってできやしませんよ、いまの時勢というものは。だから、まあまあいまのところ、まだ残しておいても、そう弊害は起きないのではないか、こう考えております。
  50. 和田静夫

    ○和田静夫君 そこはわかったのですがね。わかったと言っても、論議はあとにまた残しますけれども、いまのやつ……。
  51. 福田一

    ○国務大臣(福田一君) 合併を自主的にやらせるかどうかということでありますれば、これはもう自主的にやらせるというのが筋だと思います。
  52. 和田静夫

    ○和田静夫君 いま小山委員の方から、広域市町村圏をめぐる交付税の取り扱いなどいろいろ意見がありまして、まさに実態に即した意見ですから十分にお考え願いたいと思うのですが、そこで財政局にちょっと聞きますが、広域市町村圏振興整備構想研究費、この補助金、四十九年度九千二百万円、五十年度九千二百万円、この自治省の予算について、四十九年度分はどうお使いになりましたか。五十年度はどうされるおつもりですか。こういうことは、一体何を、どういうことを研究するためにつける補助金なんですか。
  53. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) これは一応私の局の所管の補助金でございますので、私からお答えさせていただきます。  広域市町村圏の設定が全部終わりまして、それから設定した後の一圏費、一年度一千万円、二ヵ年継続二千万円という補助金も、大体四十九年度までで終わりました。  そこで、広域市町村圏というのを今後どう持っていくかということが当然問題になるわけです。で、広域市町村圏も、先ほど小山先生から御指摘もございまして、これは形だけで、補助金あるいは交付税もらうだけのことだという地域もございますけれども、反面、できましてこれが歩みを開始しますと、やはり相当熱心に活動なさる地域もございまして、全国的にもこの広域市町村圏の連合体みたいな組織もできました。そういうものからも、この広域市町村圏というのをもっと大いに推進するためにいろんな行財政施策もとってほしいという強い要望も私たちいただいたわけでございます。  そこで、新しくつくりました補助金というのは、一圏域二百万の八%引き、百八十四万ほどになりますが、これは広域市町村圏指定をされまして、その計画をお立てになったところも、まあ三年度にわたってやりましたので、古いところはもう何年か前におつくりになっていらっしゃる。ところが、その後経済情勢というのはいろいろ変わりまして、たとえば一時大変もてはやされました列島改造というような地域開発のブームみたいなものから、急激に経済が冷えて、今度は低成長下にどうあるべきかという議論にもつながっていくという事態、その社会、経済の変動に対処しまして、最初に考え構想を果たしてこのまま進めていいのか。あるいは新しい時代に対処し、さらには少し見通しを先まで持った上でこれを考え直すことの必要なところがあるのではないか。そこで、一年度に五十圏域ほど、考え直して、ひとつ新しく整備構想をもう一遍再検討し、いまの時代にマッチした新しい構想を立ててみたいという意欲のあるところへこの補助金を差し上げまして、そして見直してほしいと。それで見直していただく、そして新しい計画というのを今度は国は国として今後の地域発展を進めていくための行政指導の参考にもしたい。その意味補助金も出す。しかし、地元でも地元の負担を幾らか持っていただいて、原則として、考え方としては半額負担ぐらいで、新しい方向をもう一遍見直してほしいという意味でございます。  そこで、五十と申しますと、まあ平均すれば一つの県一つということになります。まあ東京とか大阪とかいう、広域市町村圏のないところもございます。一方、北海道のように広いところでは二つということにもなるかというので、その五十という数字をとりまして、これは来年度、五十年度も全く同じ考え方で、あと五十ほどお願いをするつもりでございます。そして、その見直しの仕方いかんによっては、より全部の広域市町村圏に及ぼさなければならないということも出てまいりますが、あるいは事態がそう変化しない、まあ都会地じゃない農山漁村地域で、比較的そういう事態が変化しないであえて見直しが要らないというところもあるかと存じまして、さしあたり四十九年度と五十年度で百圏域を見直すという趣旨で予算化し、そして執行をさしていただく。まあ四十九年度はいただきましたし、五十年度も同様の趣旨で予定をしておるわけでございます。
  54. 和田静夫

    ○和田静夫君 時間がなくなりましたからあれですが、ちょっとまとめて述べますが、先ほど小山委員との広域市町村圏に対する交付税問題のやりとりがありましたし、長い間自治省の側というのは、大体関係諸団体からの要望もあるというようなことをずっと言い続けられてきておるわけですね。で、広域市町村圏の割り増し算入額は、この総需要額ベースで大体一千六十六億。何も、この国が指定したところの広域市町村圏事業に即して交付税を配分すると、そんなことしなくても、市町村の福祉水準向上のために交付税を配分する方法は私は幾らでもあると思うのですね。もともと交付税というのはひもつきであってはならぬのですからね。で、国の指定した圏域における事業に即して交付税を配分するというやり方は、これは交付税の本来の配分のやり方から見ると適切ではない。ぼくはもうひょっとすれば違法じゃないかと思っているのですけれども、きょうは論議する暇がありませんから、まあ適切ではないと、こう言っておきます。  で、交付税はまた改めて交付税の論議やりますが、自治省がみずから指定した町村事業を後押しすることによって、中心市と周辺町村一体を促進して、やがては市町村合併に持っていきたい、そういう素地をつくっていくという考え方が根底にあるのじゃないだろうかということを非常に危惧するのです。いろいろ、答弁そのものを疑いませんがね。大臣、ここのところ大変問題なんですよ、実は。いかがです。
  55. 福田一

    ○国務大臣(福田一君) 私も一時この市町村合併をあれする、あるいは府県の統合をやるという問題もあった時代を私も承知しております、そういう意見が相当あった時代を。私はその時分でも、そういうような無理をして、歴史とか風土とか地理、いろいろな関係、地勢的な問題、これを無視してそういうものを一緒にしたからといって、それが果たして住民の幸福につながるかどうかという考えを持っておりまして、私の考え方では、そういうようなことはまあまあただ機構いじりに終わって、実際の効果があるのかどうかという問題もありますから、余り私自身は賛成はしておりません。
  56. 和田静夫

    ○和田静夫君 とにかく私は、広域市町村圏に対する交付税の割り増し措置なんというのは、四十四年度指定分は五十年度で打ち切ると、その後の指定圏域分というのはもう暫時打ち切ったらどうかと、こういう意見を持っていますから、きょうはもう論議するいとまがありませんので、意見だけ述べておきます。  そこで、最後なんですがね。今後の合併に出たって、先ほど局長は小山委員に対して、ほとんどトラブルがないという述べ方をされているのですがね。やっぱり賛成派と反対派というのは必ずあるものですよ。過去十年間にあった百二十二件の合併について、この関係市町村の議会の議決の状況ですね、関係都道府県の議会の議決の状況孤すね、これ一遍ちょっと資料で出してくれませんか。  それから、全部しゃべっちゃいますが、特例法は市町村合併を促進することを意図する法律ではないと、これは自治省何遍も言われています。そこで、合併にからんで賛成派と反対派がある限り、この法律が賛成派に有利な口実を与えるこりになることだけはこれは明らかですよ。これは明らかです。その意味では、この法律はやっぱり今後合併促進法の性格を持っていくということ、ここを警戒的でなければならぬと思うのです。そのことを一つは明確にしておきたいのですね。  住民は御存じのとおり議会の解散請求権を自伝法上持っている。あるいは議員のリコール権力持っている。そうすると、市町村の議会が他の市町村合併の議決をしようとするときに、この不満な住民というのは議会の解散請求権を行使するわけです。請求権などを行使するわけですがね。そうすると、住民の直接請求権の行使を準備している段階がありますね。準備している段階で、自治法第七条に基づいて議会が議決を行っちゃう。そうすると知事が合併の処分を行う。こういうことになると、合併の処分というのはこれは当然いまの法律では効力を生じますね。有効的である。そうすると、住民は従来の市町村で保有している基本的な権利を行使しないままにこの合併は強行されるということになってしまうわけでしょう。その点、これは私の法律の解釈は間違っていませんでしょう。一言だけ、間違っていないなら間違っていないと、一言だけでいいです。
  57. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) おっしゃるような事態もあり得ます、法律上は。
  58. 和田静夫

    ○和田静夫君 そこで、最後ですがね。住民の直接請求権は、大臣、何といっても十分に尊重されなきゃなりません。また、どこの市町村に属するかは、先ほど大臣もお述べになっていますが、住民とその属する団体との政治あるいは行政関係の最も基本的なものでありましょう。そうすると、市町村合併の議決に当たっては、やっぱり私は基本的には住民投票によって、そうして住民の意向を十分反映させる機会を保障をしていくということ、そういう必要性というものは当然存在すると思うのです。大臣、一言御答弁願って私の質問を終わります。
  59. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) おっしゃるような事態が法律上あり得ることも当然でございますけれども、いま先生まさにおっしゃいましたように、あらゆる問題には賛成派と反対派というのがあるわけでございまして、町村の議会というのは、それらの賛成、反対住民があるその全体を見通して、全体的に賛成派が多いか反対派が少ないかとか、あるいはその賛成、反対が一部あっても、これを合併した方が全体的な町村住民の福祉につながるんだという判断をして当然議決すべきものでございます。しかも、その町村自体がそういう公正、中立な判断に立たないで、たとえば議会の勢力その他の関係でやや無理な議決をしたといたしましても、さらにそれらの状況を勘案して県議会で議決するという二重のチェックがここでつくられておりますので、一部の反対があったからということですべて合併手続がとめられるということは必ずしも合理的ではない。その辺の判断は、まず第一次的に町村の議会でやり、次には県の議会でやるという二重のチェックが加わっているという今日の制度自体は、したがってそう不合理なものじゃないし、どんないい制度でも、無理な運営をすれば無理かもしれませんけれども、そういう無理というのが続くものではないという考え方をうたっております。  そこで、いまの先生住民投票をするという、これを制度化するということも一つの立法論としては当然考えられると思います。ただ、今日の自治法のたてまえ上、住民が全部直接に参加して意思決定するのが物理的にいろんな意味で無理なために代議制をとっている。その代議制の議会というのが、ほっとけば当然正しい機能の行使ができないようなときの制度であろうかと、住民投票というものを制度化するという意味では。で、そこまでは現在至っておらないのではないか。むしろしかし、合併を実際進めるに当たって、住民の意向を聞く事実上の投票とか、先ほど小山先生の御質問にも出ましたけれども、アンケートとか公聴会とかその他、住民の意向を十分くみ取ってやるという運営は望ましいにいたしましても、直ちに住民投票を制度化するということにはまだ検討の余地が十分あるのではないかと思っておる次第でございます。
  60. 福田一

    ○国務大臣(福田一君) ただいま局長が御答弁を申し上げた趣旨で私は結構だと思っております。私、現実に私のくにの方でよく町村合併の問題にぶつかっておりますが、いよいよになるというと反対と賛成がありまして、そうするともう住民反対派の議員のところへ押しかける、賛成のところへ押しかけるで、わんわんやって相当熱気が出てきまして、それでも結局どっちが多いかというようなことは、やはり議員の数でもって大体判定できておるのが今日の状態だと私は思っています。それを無視して、それは町会とか村会で議決なんてできるもんじゃありません、実際問題として。かなり住民パワーというのはそういう意味では働いておりますから、いまの段階でそれをやって非常に住民意思を無視したというようなことは、私、例が少ないように思うのです。それから、これからも政治をやる上で、何でも住民の全部に意見を聞いてやることにしたらいいと思いますけれども、それじゃまた迅速という問題とか、あるいは簡素化という問題もございますから、私は御趣旨はよくわかりますけれども、一応先ほど局長が答弁を申し上げたような程度で現在は結構ではなかろうかと、かように考えております。
  61. 和田静夫

    ○和田静夫君 いま局長答弁あったですからね、住民投票についてはいま直ちにというお話がありましたが、私たちが将来に向かって制度化問題を含んで十分に検討をされる、そういう答弁に承っておいてよろしいですか。
  62. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) 十分検討に値する問題であると考えています。
  63. 福田一

    ○国務大臣(福田一君) この問題についてね、すべてになると大変だから。     —————————————
  64. 原文兵衛

    委員長原文兵衛君) 委員の異動について御報告いたします。  本日、加瀬完君が委員を辞任され、その補欠として竹田四郎君が選任されました。     —————————————
  65. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 この特例法が施行されましてからおおむね十年たちましたが、その間、百二十二件が合併されましたわけですけれども、この合併に併いまして、経過から見まして、さらに今後十年間も特例法を延長しようとお考えになっているようですけれども、延長しなければならないという理由について簡単にひとつ御説明願います。
  66. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) 先ほどの御答弁でも申し上げましたが、一応、政府が音頭をとって一生懸命合併を大いに奨励し、推進するというのは、三十六年で終わりを告げております。しかし、その後も社会情勢の変化、国民生活水準向上などのために、広域行政必要性その他はやはり高まってきておりますので、それにあわせて自主的な合併がいま申しました十年間で百二十二件行われている。この百二十二件が、その最初のうちたくさん行われてだんだん減ってきているというのであれば、今回この法律をもうあるいはやめてもいいんじゃないかとか、あるいは期限を短くしてもいいんじゃないかという議論も出ますが、何度も御説明いたしましたように、この十年間ほぼ平均して行われておる。多い年の昭和四十二年の二十三というのがちょっと一番多いんですが、次に四十七年の十五件、四十三年の十九件というふうに、大体平均して行われているということは、今後もそういう国民生活水準向上とか、新しい外政需要の対応のために、こういう姿の年々十件前後というのがやはり平均的に行われるんではなかろうかという推察ができるわけでございます。で、これは件数もそういうふうにばらまかれておりますが、地域的にもまさに非常にばらまかれておりまして、ある県だけ特に多いなどというのは非常に少ないわけです。大体一年に多くても一個内で二件ないし三件、一つもない県もありますが、一件というのが相当多いと、こういう姿でありますので、この傾向は当分安定したいまのままの姿でつながるであろう。すると、一方この法律趣旨とするところは、前の合併を大いに奨励し、促進するという意味規定はほとんどございませんで、自主的に合併した場合に、たとえば一時的にも編入された町村から議員が出せないという状況、これを救って人口割りにある程度出せるようにするとか、あるいは合併した直後に災害を受けたときに、その災害復旧費において、合併したために損をしないようにするとかいう、本当の不合理なところをただ手直しをするというだけのものでございますから、自主的な合併が行われたときにこういう配慮をしないということはむしろ合理的でない、やはり同じような配慮をしてあげなければいけない、そういう趣旨で、今後十年間、さしあたりとにかく十年間やってみまして、それで十年たったらもう要らなくなるかというと、恐らくそうではないだろう。その十年たった時点でまたさらに延ばすか、あるいはそれぞれ、そういう当然やらなければならないことですから、自治法なり、災害復旧関係の法律の中に入れるということもあるいはその時点では考えられるかもしれませんが、しかし、さしあたりいま申し上げたような理由で、このままの姿で十年間延長したらどうかと考えておる次第でございます。
  67. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 このような合併がこれからもいままでと同じように徐々に行われていくであろうと、そんなような意味においてこの特例法を延長することが必要である、そのように承りましたが、それではちょっと伺いたいんですけれども、この十年間に百二十二件の合併がありましたけれども、この経過とか実情というものについて一々お伺いするわけにはいきませんが、私、お伺いしたいのは、この十年間にこの特例法によって合併が行われましたが、非常にうまくいったと申しましょうか、合併によって非常に効果の上がった実例と、あるいは合併したために、むしろ何と申しますか、効果が上がらなかった、というより、むしろ地域住民にとって不幸なことになったというような例がございましたら、一、二お話し願いたいと思います。
  68. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) 政府が大変音頭をとって合併を進めていた時代には、合併の効果はこうであるということで、われわれ大いに宣伝もした時代もございました。しかし、それが平常状態に戻って、自主的な合併をなさるというこの百二十二件の合併について、個々具体的に、どこでどんな効果があったかという調査までは、実は私のほうでもしておりませんので、具体的に申し上げる材料をいま持ち合わせておりませんけれども、この百二十二件の合併が後でえらい紛争が起こって住民に大変迷惑をかけたということは聞いておらないわけでございます。  そうすると、じゃ効果は何だったかというと、先ほども申し上げましたような、一般的な組織の統合とか、経費節減とか、それから人材確保——広く人材を求められるようになるとか、それから窓口を機械化合理化するというような場合に、やはり規模が大きいと相当効率的な機械化合理化ができるけれども、小さいところではかえって経費倒れになるということもある。そういう点でのメリットは恐らくこの百二十二件、大なり小なり合併がもたらした効果は享受していらっしゃると思います。恐らくそういうこともあり、この百二十二件の合併がその後紛争をもたらしたとか、またけんかが起きたとかいうことを聞かないというところからしましても、当然予期した効果というのは享受しておられる、私たちはそういうふうに見させていただいておるわけでございます。
  69. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 合併ということになりますと、一応考えられることは、経費の面において非常に効果があるということだと思いますし、いま、御承知のように、非常に地方財政の危機ということも叫ばれておりますけれども、そのような面から、財政的に当該合併した都市について非常にいい影響があるだろうと推定いたしますが、その点について何か具体的に例がありましたらば伺いたいと思います。
  70. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) まあ理屈上は、二つの組織一つにすればいろいろな意味組織合理化財政的に浮くという一般論はどこでも言えることであるかと存じますけれども、その一般論を離れて具体的にということになりますと、どこか特別な合併例を引かなければならないと思いますが、いま具体的な例でたまたま手元にございましたのは、実はきょうあとの御質問とも関係あるわけでございますけれども、福島県にいわき市という大変だだっ広い市が合併をしておりまして、これ、余りだだっ広過ぎまして、その後、たとえば合併一つの失敗例などとしてよく引かれるケースでもございます。市自体に問い合わせてみますと、そんなことはない、合併で大変効果があったと言っておるんでございますけれども、その財政上の例といたしまして、これ、四十一年の合併当時に各合併市町村から持ち寄った赤字が表面四億から五億と言われておりました。御承知のとおり、合併をするということになりますと急いで事業をしてしまうという町村が多いわけで、あわてて一あわててというか、急いで合併までに仕事はやってしまって、そのツケだけ持って入るというのが相当ございまして、このいわき市の場合も何分その例に漏れず、当時持ち寄った赤字が四億ないし五億と。これは実は表面上の数字でございまして、実質的には十七億赤字があったそうでございます、これは市の報告によりますと。これが三年間でほぼ解消できまして、それで現在、四十八年度は六億六千万の黒字で、四十九年度、いま非常に地方財政の苦しいと言われているこの年度も、どうやら単年度収支でとんとんの見込みです。つまり六億六千万の黒字をそのまま維持できておる。こういうケースの実は報告を受けております。  これは一つの例でございまして、ほかにいろいいろな例もございましょうから、一概には言えないとしましても、この相当批判のあるような合併でも、財政的にはこれだけのメリットがあったということを市自身が言っておりますので、一般的な理論のある程度裏づけになるかと存じております。
  71. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 それはいわき市の例を挙げられましたが、実はもう少し詳しく承りたかったけれども、時間もございませんし、余り前のことを掘り下げてみてもどうかと思いますので、この辺にとどめます。  実は、最近本土に復帰しました沖繩のことでございますが、これは沖繩県におきましては、その意味でもって、いままで本土において行われましたような広域市町村推進するというようなこともなかったんじゃないかと思っております。しかし、こうして復帰した以上、これからやっぱり本土並みの広域市町村推進といいましょうか、あるいはそうい行った政上の理由から行われることと思いますけれども、この辺について、沖繩県の事情というのは案外皆知りませんので、現在まで過去に市町村合併をしてきたこと、それから現状、それからまたさらにどのような規模でもって行われておるかということについてお話し願いたいと思います。
  72. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) 実は、沖繩県の合併は、本土が一生懸命合併推進をしていた時代にアメリカの統治下にありまして、合併が進んでいないということは、まさに先生の御指摘のとおりでございます。その結果、町村の数、町村規模においても、現在、本土の平均に比べて大分下回っているところが多い、まさにそのとおりでございまして、ちょっと数字を申し上げますと、四十七年五月に復帰した時点で市が十団体です。町が六で、村が三十八、合計五十四団体でございます。その後、復帰後四十九年の四月一日、ちょうど一年ほど前でございますが、コザ市というのと美里村というのが合体合併いたしまして沖繩市となりました。一つ減っております。ところが、復帰前も、実は、合併が本土で大変進んでおりますときにほとんどなされておりませんで、四十年以後を拾ってみましても、名護という町と四つの村が合体合併をして名護市になったというのが四十五年に一つございます。それから、四十六年に本部町が上本部村を編入するという、この二件しか合併が行われていない。つまり、ほとんど合併が手つかずのまま残っておる。  そこで、現在、沖繩県の市町村規模は、本土に比べて人口、面積ともに少なくなっておりまして、市は平均六万八千人でございます。全国平均は十一万四千人、まあ全国平均の半分強。それから、町村の人口が八千二百人で、全国平均が一下四百人でございますから、これもやや小さい。それから、面積でいいますと、市の平均面積は六十九平方キロ、全国平均は百五十一平方キロでございます。それから、町村も三十六平方キロ、全国平均百三平方キロ。こういう、規模、人口とも小さいという姿になっております。これが今日の現状でございます。  ただ、じゃ、沖繩は従来本土でやったような大いに推奨して促進する策をとるかということになりますと、現在の沖繩県の実情もございますし、あの時期のような、本土でやったような、何と申しますか、中央政府なり県が推奨して大いに進めるというかっこうをとることは相当困難があるだろう。そうして現実には、町村自身も規模が小さいものですから、これは、やはり自主的合併という形をなるべく進めていくということで対処せざるを得ないと思っております。
  73. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 そうすると、やっぱり沖繩という県が依然として本土とは違う姿でずっと続くと、行政面において、形の上で違っていくというふうに見られます。  それから、もう一つは、先ほどおっしゃったように、市町村合併によりまして財政的なメリットもあるということになりますると、その意味においては、沖繩のような特殊な、いわば非常に収入の少ない県でございますので、逆に言うならば、そのような合併をすることが好ましいというふうに私ども思いますけれども、その辺についてはどうお考えですか。
  74. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) 沖繩に関しては、まさに先生おっしゃいますとおり、これだけおくれてもおりますし、規模の適正化が進んでおりませんから、それが進む方向が実は好ましいというか、沖繩県民のためにぜひそういう方向に進んでほしいと思ってはおります。ただ、本土全体であれだけの熱気のもとに進めたような進め方ができるかというと、客観情勢は相当困難な面もあり、やはり自主的な判断——あの当時も結局は自主的な判断でやったのではございますけれども、より重きを置いた進め方をしていかなければ進まないだろうとは思っております。その意味で、本土のように一気かせいにある程度の規模を取得するところまで沖繩が持っていけるかというと、そこにはまだ大変な問題があろうと思います。ただ方向としては、まさにいま先生指摘になりました方向を沖繩の町村はたどるのがいいことだと思っております。できるだけ、それに対して政府ができるものなら援助していきたいと考えております。
  75. 神谷信之助

    神谷信之助君 前の町村合併法の問題については、先ほど、これが計画に基づいて、指導的にというか、非常に強制的に強行されたというようにも大体お認めになったというように思うのです。  そこで、いまの、今度の特例法については自然の流れのままに任せてきたのだ、こういうようにおっしゃっているわけです。ところが、実際はどうかというと、御承知のように新産工特法ができて、そしてその適正な規模という問題が、いわゆる合併を伴うそういう適正化という問題がこれと絡み合っていわゆる新産工特の推進というのが進められてきたと思うのです。ですから、この特例法だけが一人歩きをするという、そういうことではなかったという意味では、自然の流れのままにとおっしゃる意味もわかります。しかし、これも先ほどからも発言がありましたように、一定の特例措置の中での優遇といいますか誘導的な部分が全くないとは言い切れない、そういうものだったと思うのですけれども、したがって、すでにそういう点は明らかになってきていると思いますから、時間の関係もあるのでその部分は全部省略をして、それ以後の問題で少し進みたいと思いますが、特に具体的に私はいわき市の新産都決定に伴う合併ですね、これをめぐってひとつ具体的にお尋ねをしたいと思います。  まず、いわき市の合併の経過ですね、これを簡単にひとつお話し願いたいと思います。
  76. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) いま先生がおっしゃいましたいわき市というのは、実は漢字で磐城と書きますもの、これが二十九年の三月に合併をしてできております。  それから、ひらがなのいわき市というのは、その後できた常磐市やなんかとさらに一緒になって大合併をしておりますが、その前者の方から申し上げますが……。
  77. 神谷信之助

    神谷信之助君 いや、後者でいいです。
  78. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) まあ前者の方は昭和二十九年三月に磐城市ができ、それから最近非常に近いところで、湯本町、磐崎村を編入した常磐市と、昔の平でございますが、昭和四十一年十月にこれらのものが大同合併いたしましていわゆるものすごいだだっ広い市をつくっております。  いわき市は当時の平市ほか四市、四町、五村、全部で十四市町村になりますか、それが四十一年十月一日に合体合併により設置されたものでございます。これらの市町村は地理的に非常に近接しているということ、それから住民意識、生活圏、経済圏、こういうものが一体化しているいうことで、ある程度前から、これらの市町村を構成員として常磐地区開発期成同盟会というのが結成されまして、この地域開発の促進を図っておったわけでございまして、そしてまた、昭和三十九年三月に常磐郡山地区が新産業都市として指定されまして、この新産業都市としての機能を大いに発揮するために合併をする機運が一層高まったわけでございます。御承知のとおり、当時は今日とやや状況が違っておりまして、地域開発、工場誘致というか、新産業都市の指定を受けていろいろ地域に産業を張りつけるということがもう全国的にそれぞれの実情に即して推進された時代でございまして、まさにその時代に乗ってこの地区の開発を図ろうというのがこの協議会考え方であったようでございますし、先ほどちょっと御質問に出ました新産業都市促進法の中に、やはり合併に関する特例規定が書いてございます。町村合併促進法時代は、それは大いにやろうやろうということで補助金も出し、いろいろ優遇してやらせた。  それから、さっき言いましたこの法律町村合併特例に関する法律の方は、もう正常状態でもって自主的合併と私申し上げましたけれども、いわば新産業都市の法律はその中間といいますか、経過的な地位に属するわけで、全国的な町村合併は終わったけれども、新産業都市としてこれから大いに整備していくところは大いに合併しなさいという、むしろ推奨の気持ちがそこに強く出ておったと思います、新産業都市は。その後それらも全部集大成して一本になった現在のこの法律は、そういう大いにやれではなくて、自主的な合併のときの不合理を取り除くという、やや静的状態になっております。新産の方はまだ合併促進沖の傾向が残っていたとも言えるのではないか。それに即しまして合併を実施したわけでございます。  そのときに、当時の資料によりますと、満場一致が六団体、起立多数が五団体、それからあとの三つが、二十一対七、十九対一、十九対三、こういう多数議決になっております。つまり満場一致の六団体と、起立多数というのは数字が残っておりませんけれども、そういう程度の議決状況であった、こういうふうに聞いております。
  79. 神谷信之助

    神谷信之助君 ひらがなのいわき市の合併ですね、四十一年の十月一日、これはいわゆる新産都市の決定に基づく合併であったということではありませんか。
  80. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) 先生のおっしゃいます、基づくというのがどういう法律的な意味だか、ちょっと解しかねますが、あの合併手続は、法に基づきまして通常の合併手続で行われておる。それに対して、当時新産業都市に関係の、関連法律による特例というのはもちろん享受していると思います。
  81. 神谷信之助

    神谷信之助君 このいわき市合併は、いわゆる新産都市、新産都の指定を受けるために、受けるためには合併をしなきゃならぬ。さらに合併をするという約束で当時の福島県の佐藤知事と話をして、そして新産都の指定を受ける、援助を県に要請をする、県とも協力をする。そして、おっしゃったように三十九年の三月に新産都市の決定がされております。ところが、なかなかその合併が進まないということで、関係市町村長を集めて、合併を前提に新産都市の指定を受けたくせに合併をしないということになったらすべての面で蹉跌をするだろうという話がされた。そしてさらに、県会の方でこれのための特別委員会もつくられ、これには反対の社会党の議員なんかは皆参加をしないという状況の中で、一月に調停案が出、そして四月から五月にかけて市町村、県会というように決議をする、こういう段取りなんですね。これはいわき市の合併に至る経過、市の発行した書類の中にも、そういう点が明らかにされています。  ですから、こういう事実経過を見ますと、あの新産都法に基づく指定を受けるために合併をしなきゃならない。しかも、御承知のように、あの地域が、常磐炭鉱が、エネルギー政策の転換によって炭鉱が閉山をする、そして失業者はふえる、生活保護者は急増する、そういう状況の中で、新産都のばら色の夢に大きな期待を持ってその指定を受け、国の援助を受けようということになった。しかし、それは合併が条件だということになって、結果としては合併が強制されて、先ほどもおっしゃったように、だだっ広い、日本一広い面積の市が誕生した。こういうように事実の経過は考えられるんですが、この点はいかがですか。
  82. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) 恐らく、いま先生の御指摘のような事情で、石炭産業の斜陽その他であの地域のやや下向きになったものを取り返す。そのために、たまたま当時あります新産都の指定を受けて、大いに国の援助も得、市の力を回復しようという意図があったことは恐らく事実であろうと思います。ただ、いま先生強制されとおっしゃいましたけれども、手続としてはいろいろな推奨あるいはそういうことはあったといたしましても、最終的には先ほど私が申しましたような議会の議決状況でございますから、この合併は最後にはそれぞれの市の自主的判断であったことは私疑えないと思っております。まあ、そこへいくまでの過程で問題がなかったとは言えないという御指摘は、あるいはそのとおりかも存じませんと思います。  そういう姿で合併をいたしまして、おっしゃるような相当大きな区域の市ができた。で、大き過ぎて合併の効果が十分でないとか、その後のまとまりが悪いとか、しばしば合併を論議する際に引き合いに出される。そういう意味では、合併の効果と、さっきの御質問にもございましたメリットデメリットがあるわけでございますけれども、そのデメリットが相当あげつらわれる市になっておることは事実でございますが、しかし反面、じゃ合併したメリットは全くなかったかというと、実はこれも相当大きなメリットもあったように聞いております。少なくとも現在の市当局は、この新しい市を大いに、何と申しますか意欲を持ってその行政を進めており、その合併メリットとしてはたくさんのことをも挙げてきておりますから、これらもまた否定できないことであろうと考えておる次第でございます。
  83. 神谷信之助

    神谷信之助君 いまメリットとおっしゃいましたが、メリットもあるというのなら一体どういう点を挙げておられますか。
  84. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) 現在、市の方から合併メリットとして私の方が報告を受け、事実、県もこれが確かだと確かめておりますところによりますと、まず財政の面で言いますと、これは実は先ほど阿部先生にもお答えしたところでございますけれども、合併当時の赤字が四億ないし五億と言われておりました。これは町村合併のときのつきものと申しますか、合併の前に仕事をばたばたやってしまって、ツケだけ持って合併してくるというケースがこのいわき市でも例外ではございませんで、現実に、表面だけで四億ないし五億の赤字を抱えて市として出発したわけでございます。市の話によりますと、これは表面だけで、実質的には十七億赤字があったということだそうでございます。この十七億の赤字はおおむね三年間でほぼ解消した。そして現在四十八年度で六億六千万の黒字市でございますし、四十九年度、地方財政の危機と言われておるこの四十九年度も、現在の見通しではほぼ単年度収支でとんとんでいける。つまり財政的な基礎が非常に現在はしっかりしておる。黒字が六億六千万をなお残しておるということでございます。  それから財政構造の改善といたしまして、経常収支率、この経常収支率が非常に高いときは財政の弾力性が弱いわけでございますが、合併当時は全市町村の経常収支率が平均して九割と高かったのが、現在では七割から八割の間、経常収支率を一割以上改善をしておる。これも財政構造がよくなったということでございます。それから各種建設事業の伸び、この四十年度合併前を一〇〇といたしました場合に、四十七年度の指数——これはもちろん物価騰貴その他もありますから事業量そのものではございませんが、それにいたしましても、道路、橋梁が三五〇、小中学校二三〇、清掃施設は八〇〇、都市計画七八〇というふうに、もちろん物価の騰貴を考えましても相当の伸びを示している。これもまあ合併後の財政が健全化されたからであろうと市は言っております。  それから、あとは具体的な数字ではございませんけれども、国県道の整備が一元化できた。あるいは通信施設の統合で、電話が全市同一局番で統合された。これは合併しなかったら恐らく電電公社もこういうことをしなかっただろう。合併して強力に働きかけた結果、電話が全市一つの局番になったということも言えますし、それから水資源の開発として、水が元来少ないのですが、県営ダムが市内に一カ所ある。現在なお一カ所建設中でございますが、炭鉱の水利権を買い取って一元的に利用しておる。逐年、逐次、年次計画で買い取っておって、炭鉱から出す毎秒四万トンといううち、現在一万三千トンはもう買い取り済み。これを逐次買い取って計画的に給水できるようにする。あと幾つか挙げておりますけれども、こういうことを市から報告を受けておりまして、これ自体はもちろんそれなりの効果がある。これらも合併メリットだというふうに市も受け取っておるとすれば、われわれもそれを大いに今後伸ばしていくことに力をかしていきたいと思っております。
  85. 神谷信之助

    神谷信之助君 新産都の指定を受けて、補助金なり起債事業者の大枠がずっとふえてきますから、そういった意味でのいろいろな事業というものは一定前進をする。それからそれに伴っていもゆる赤字もその中でずっと解消の条件というのけ生まれます。だから、そういう意味ではわかります。  問題は、合併をして実際の地域住民の暮らしがよくなってきたりあるいは利益が前進をしたのか、暮らしの環境はどのように進んでおるのか、こういう点になると大分違ってくるのですよ。これはもう時間がありませんから、その点で論争けしたくないと思うけれども、たとえば新産都の計画の進行状況を見ますと、一九七三年で基本計画の千九百五十六億円、このうち八〇%の千五百六十九億円が達成をしています。しかし、その中身は、これはまあ新産都の——工特にしても共通をしているわけですが、生産関連投資というのは一〇三%の進行だけれども、いわき市では生活関連投資というのは四九%の進行にとどまっています。両者の進行比率は七十三対二十七という状況ですね。ですから、そういう生産関連の投資というのは大きく増大をしている。それに伴って、いまおっしゃるように水資源の確保なり、そういう問題は進んでいる。しかし、実際には生活関連の投資というのはずっとおくれてきている。しかも、先ほど話があったように、広域合併ですから、その中で住民への大きな問題が起こっている。特に、予定をしていたように進出企業が大小業が来なくて、結局三十人以上の企業で九十三社ですね。そのうち、千人以上の企業は一つも来なかった。千人以下五百人以上がやっと三社で、大半が百人前後の工場で、いわゆる機械が主として動く。したがって、労働力の吸収も十分にされなくて、人口が、わずかではあるけれども合併当時よりは減ってきている。過疎は相変わらず進行しています。  さらに、南北五十一・五キロ、東西三十九キロですから、その中で支所がいま十二、出張所というのは三です。そして議員の選出の方法はほとんどが大体支所ごとの小選挙区制になっている。こういう状況になって、言うならば議会制民主主義と言いますか、住民意思の反映というのもずっと変化をしてきて、後退をしてきている。  地域格差がやはりひどい状況で出てきてますね。これは商工会議所の資料によると、商業活動で平地区は三四%を占め、年間の売り上げは七百二十七億円になってきているけれども、二番目の磐城、肝心の磐城地区ですが、これはこの磐城地区の約二・五倍が平地区の商業活動になるのですね。あるいは文化面でも、過疎と過密のいわゆる偏在というやつがひどくなっています。旧五市の市民会館、公民館、これの大ホールの使用状況を一見ましても、四十八年度で平市は百五十八回、勿来は四十二、内郷は六十九、磐城は三十五、常磐は三十。総収入を見ますと、総収入の二千四百二十万円のうち、平の市民会館が七一%の千七百十五万円を得ている。だから、文化活動にしても、いままでの旧五市の市民会館、公民館の使用状況を見ましても、急速度に平に集中をして、いわゆる過疎が、新たな過疎と過密の現象があらわれているという状況も起こっています。  あるいは下水道事業が、今度いわゆる幹線下水道の距離が長くなってきますね、市街地と市街地とを結ばなければならぬ。こういったことで、終末処理場は三カ所必要だし、という問題もあるそういった条件の中でなかなかはかどらないという状況が生まれています。  先ほども話がありましたが、学校の統廃合で通学に八キロを要する。あるいは廃校をして寄宿舎をつくらなければならぬけれども、財政難でそれが十分にできない、そういうような状況が起こっています。  そのほか挙げれば数限りなくありますが、こういう意味からずっと見ますと、本当にこれが住民の暮らしをよくするためにやられたのだろうか、この合併が。政府のエネルギー政策の転換によって炭鉱が閉山になって、失業者とそれから生活保護世帯が急増する。そこで打ち出されたバラ色の夢の新産都にすがりつく。そのために合併をしなければならぬ。だから相当無理な合併をやって、そしてこれで繁栄をするかどうかというように思ったけれども、実際には、そう大きい企業が来て、そうして地元の労働力が吸収をされ、そして産業が大きく発展をするという状況にはならない。しかも、広大な地域になったものですから、そういう意味でも新しい過疎と過密の現象が起こる、こういう状況になってきているのですね。ですから、本来合併住民意思に基づいて行われれば、それは当然住民の自治権がより一層拡大されなければならぬし、それから住民の暮らしが一層よく向上されなきゃならぬ、こういう合併の目的から言うと、いわきの合併については、今日の状態では、合併のねらいといいますか、目的から言うと大変うまくいかなかった状況じゃないか、こういうように思うんですが、どういうようにお考えでしょうか。
  86. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) もちろん先ほどもいろいろ議論が出ておりますように、メリットもあればデメリットもある、それが一般の合併の姿であろうと思います。いま私の方からは、地元の市がこういうところがよかったというメリットを幾つか並べ挙げました。先生はそれに対しまして、地元のいろいろの声としてこういうデメリットもあるということもお出しになりました。結局それらの、たとえば事業が伸びたとか、あるいは炭鉱が斜陽になって地域住民所得が落ちたとか、まあこれらは合併とは関係ない一つのそのときの経済情勢でもございましょうし、それからさらに、これだけ大きく合併をいたしまして、地域も非常に広うございますので、いま言ったように過疎過密の問題が新たに生じたとか、いろいろ学校、その他の整備施設がおくれているとか、いろいろ住民の不満というのはそれはたくさんにございますと思います。ただ、それらをひっくるめてみましても、じゃ合併しなかったら、それぞれの地域住民はもっとこういう施設の整備や何かの恩恵を享受していたかというと、それはまた本当にそうなってみなきゃわからないことでございまして、あるいは、なお不満がありながらも、合併のおかげである程度施設の整備が早められたということもございましょうし、いろいろな面がある。そこで、これだけ広い合併でございますので、そういったデメリットというのもある程度目立ちまして、先ほども私が申し上げましたように、全国の合併のうちで、これは失敗例だという例にもよく引かれるのでございますが、決してこれは、私もこれ自体が完全に失敗であったとも思いません。さっき申し上げたようなメリットというものも出ておると思うんです。要は、この合併して大きくなった市を今後どう育てていくかということです。それに対する地元の努力なり国、県の力というものが必要であろうと思うんです。  ただ、一つだけ申し上げておきたいのは、これが国の意思とか、何か上の方から強制されたものであると、そういう趣旨の御発言がございましたけれども、それはいろいろ趣旨説明なり、誘導といいますか、技術的な助言なり、指導なり、それはいろんな形で行われたでございましょうけれども、最終的には、先ほど申し上げましたように、六カ町村は満場一致と、あと残ったところも十七対一、それから二十三対三というような、議会のもうぎりぎりというところではございませんで、相当多数の意思で、いわば結局住民意思合併したことには間違いございません。その意味では、この合併は何も国の都合によって強制したものでも何でもないということだけは申し上げておきたいと思います。要は、今後これをどう育てていけるかでございましょう。
  87. 神谷信之助

    神谷信之助君 大体役所の話というとそういうふうになるんですね。だから、それは議会の決議を経ないでやっていれば、これはそんなことは認められぬということになるんでしょうが。ですから、議会の決議を経てそういう形式的にちゃんとやっていれば、それは住民意思なんだ、それに至る間にいろいろの助言なり何なりをしたのは、それは決して強制したんでもないと、きわめて官僚的にそういうようにおっしゃるわけです。しかし、実際はそうじやない。国の政策によって炭鉱は閉山になり、十億トンからの埋蔵量を持っておる常磐炭鉱で、まだこれからも、最盛時の一年間に五十万トンぐらい掘っても、百年以上はまだ掘れるような埋蔵量を持っている、それが閉山にされている。そのために町がさびれて、にっちもさっちもいかぬところにハラ色の夢が出されて、それに飛びつかざるを得ない。これはやっぱり国の政策指導だ、誘導操作だ。そういうことに基づいて、しかもそういうバラ色の夢を描こうとすれば合併が条件になる、こういう仕組みがしかれて、そうして、反対ならおまえさんらこのさびれた町のままでいいのかということになるわけです。そういう形で議会の中で論議がされながら決まった。ですから、私は合併がよかったかどうかというのは、住民の側から見て、幾つもメリットもあればデメリットもありますが、それがどうなのかということで判断するということが基本的に大事なのではなかろうか。  そこで、問題は、そういう点をはっきりさしていくためにも、私は市町村合併というのは、これは自治体組織の変更は、主人公である地域住民にとってはきわめて重大問題ではないか。自治体というのは、住民の暮らしをよくするための住民自身の組織ですから、その組織住民自身がどう変えるかという問題は、これはきわめてたくさん大事ないろいろな問題があるにしても、その中で最大の住民の権利に係る事項だというように思うのです。それを私は単に議会の議決にゆだねるだけではなしに、先ほどから論議が出ておりますが、より一層主人公である住民意思を明確にするためにも、住民投票の制度化をして、そうしてこういう住民の基本的権利、基本的な問題に係る問題については住民投票を経てやるというようにする必要があるというように思いますが、この点についてひとつお考えを聞きたいと思います。
  88. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) 先ほどの和田先生の御質問にお答えしたところでございますけれども、合併をするかしないかを住民投票で決める、立法論として、一つの制度化論としては大いに検討に価することではあると思います。しかし、いま直ちにそれがいいかどうか、その方がいいかと言われますと、なお検討すべき余地がいっぱいあるのではなかろうか。  つまり、合併をするということは、まさに御指摘のとおり、その町村の最大の運命を左右することでございますから、直接住民意思投票によって調べるということも立法論としては結構でございますけれども、合併ということは、それに伴ういろいろな利害得失について、いろいろな資料を参考にして冷静に判断をしていかなければならない。議会という場でいろいろな資料を参考に説明を受け、そうして議員が住民の代表として判断をするということ。それから、住民投票という場合は、住民全部がそういう資料について冷静に判断をするということは望めませんので、勢い運動とか、感情とか、そういったものに左右される面もあるかもしれない。  そこで、理論的には、住民投票によることが最も住民の意向を直接に反映するので民主的だと言えるといたしましても、果たして合併の可否をこの住民投票で決めるのが本当の住民の福祉のためにいいのか、それとも、現在の代議制のたてまえのもとに議会であらゆる資料を冷静に判断して決めるのがいいのかということになりますと、やはりそこには議論の存する余地があると思います。  そこで、先ほど和田先生の御質問にも御答弁しましたが、十分に検討に価するから検討はしてみたい、直ちにその方が進歩であり、正しい方向であるとは、現在はまだ確言をもって言えない。十分に検討をいたすことにはやぶさかではございませんけれども、なお問題が大変存するということもこの場で明確に申し上げておきたいと思います。
  89. 神谷信之助

    神谷信之助君 府県合併については、住民投票あるいは特別の法律でもっての合併、これは今日の法制、自治法でも住民投票の制度はやっているんでしょう。ですから、この市町村合併についてもそうするのがいけないということにはならない。しかも、住民投票というのは、冷静にその住民全体が十分理解をして判断ができるかどうかは疑問だという理由を挙げられたけれども、それは都府県合併というのはもっと広域になるのですから、もっとより困難になるわけでしょう。ですからその点も疑問です。私はだから、こういう自治体行政区域、それは単に上から見ると行政区域というように見えますが、住民が主人公である住民の自治、地方自治の本旨に基づくというこの憲法九十二条の立場に立つならば、住民の側からのこの問題についてのどういう組織自治体をつくるかという判断ですね、これは住民の側が主人公であるから、住民の方で検討する必要がある。われわれはそこまで、根本の問題についてまで、議会に、議員に委任をしたというように考えるというのは行き過ぎではないか、その点については、ひとつ住民自治の原則に立って住民投票という制度を取り入れるというのがどうしても必要じゃないか。本当に合併住民の自由な意思に基づく、そのことを政府自身が期待をされるというならば、私はそのことを法制的にも明らかにするということが必要じゃないかと、こういうふうに思うのですが、この点はひとつ大臣の御見解をお聞きしたい。
  90. 林忠雄

    政府委員林忠雄君) いまの先生のお話のうちで、府県は住民投票ではないかという点について、ちょっと御説明さしていただきたいと思いますが、地方自治法自体で、府県の合併を府県民の住民投票にかけているものではないことは御承知のとおりだと思います。地方自治法は古い府県制その他の規定をそのまま受けまして、前の時代には、府県というのはむしろ自治体というよりも国の行政区画的性格が強かったために、府県の区域法律で定めるということになっておった。それをそのまま自治法の中に一応引き継ぎまして、府県の区域というのは、府県は自治法制定で性格は相当変わりましたけれども、やはり従来の国の行政区画という面も残っているために、その点はそのままの形で引き継がれている。そこで、市町村合併は議会の議決による知事の処分です。ところが、府県の合併は国会の議決により法律でと、こういうかっこうに訂正をした。ところが、たまたま憲法の九十五条に、一の地方公共団体に適用される法律は国会の議決のほかに住民投票が要るという規定がございまして、それがそのままかぶってきたというだけのこと一だけのことと申し上げますか、そういう経緯でございます。したがって、府県の合併も、市町村合併と同じように、府県会の議決に基づく内閣総理大臣行政処分ということでやることも立法的にはこれは可能なんでございます。そこで、そういうふうにしたらどうかという法案もかつて国会に提出されたこともあると存じます。ですから、自治法の体系の中で府県は住民投票になっているということではございませんで、自治法と憲法が重ね合わさったその結果として、現実に現行制度としては府県は住民投票が要るという形になっておることはまさに御指摘のとおりでございます。
  91. 福田一

    ○国務大臣(福田一君) ただいま局長からもその点について御説明申し上げておるのでありますが、実は一言だけ申し上げておきますと、ちょうどその合併があった時期に私は通産大臣をいたしておりまして、新産都市の問題を決定した当時の大臣だったわけです。いま神谷さんは、国の政策でもって石炭を廃棄したと、石炭政策を廃棄したとおっしゃいましたが、実はもうそれは、それをせざるを得なかった国際的ないわゆる石油という代替燃料が出てきまして、どうにもやむを得なかった。あの当時やっていったらこれはもうますます大変なマイナスがあったろうと思うのでありまして、その点もひとつお考えを願っておきたいと思います。  それから、当時は、住民がみんなそう思ったんじゃないとおっしゃるかもしれませんが、私は実を言うと福島は本当はやりたくなかったんです。やりたくなかったというか、最初は候補に入れてなかったんです。大変な運動で、もう私のところは取り巻かれて何ともかんともならなくなっちまって、やむを得ず——というとそれは行政措置としてけしからぬじゃないかと言われるかもしれぬけれども、まあそれならばというその熱意にこたえて実はあそこを新産都市にした、こういう事情がありますので、その点だけは申し述べさせていただきたいと思います。  しかし、今後の合併の問題について、住民の音思を住民投票によって聞いてはどうかということについては、先ほど和田委員に御答弁を申し上げたとおり、今後の問題として検討をさしていただくと、かように存ずる次第でございます。
  92. 神谷信之助

    神谷信之助君 もう時間もありませんので最後にしますが、したがって、私どもは都道府県合併については、いまも話がありましたように、住民投票の制度をつくっているわけです。したがって、市町村合併の場合も、これはその地域住民の生活と地域社会に重大な変更をもたらすところの地方自治の根幹にかかわる問題ですから。ところが、実際に今日までの経過を見ますと、すでに報告もありましたように、住民に十分に計画内容やあるいは利害得失、これらが明らかにされないばかりか、いわゆる議会の議決のみによって一方的に強行されるという、そういう例も今日までなかったとは言えないと思うんです。ですから、これはいかに住民の民主主義的な権利を踏みにじるところの不当なものであるかということは、今日まで合併問題をめぐりまして多くの無効訴訟やあるいは直接請求あるいはその他もろもろの反対運動が頻発をしてきたという経過からもはっきりしています。したがってさらに、合併は例外なしに支所とか出張所の統廃合、これに伴う住民サービスの低下とか、各種公共施設投資の中心部偏重ですね、これによって、先ほどいわきの例を挙げましたが、周辺農村部との行政格差の拡大、新たな過疎の進行、あるいは議員数の激減によるところの小選挙区制導入に伴っての議会制民主主義の形骸化、こういった不利益な問題を伴ってきております。  したがって、私どもは、わが党は、この合併そのものに反対するものではありませんが、要は、やっぱり住民自身の意思に基づく自主的で民主的な合併をいかに保障するか、このことが一番問題ではないかというように思います。したがって、そういう立場から、この合併については、住民投票による過半数の賛成を得ることを第一義的な要件にするということを主張いたします。そのために地方自治法の一部改正案を準備をしていますが、きょうの委員会には間に合いませんので、衆議院の方に近日提出をいたします。ぜひこの点をひとつ成立をさせていただくように御審議を得たいというように思うんです。したがって、そういう法案を準備をして、この問題を明らかにするということを提案をしているわけですから、この現在の特例法の延長法案について、わが党は態度を、賛成もできない、反対もできないという状況ですから、棄権をするという態度を明らかにして、私の質問を終わります。     —————————————
  93. 原文兵衛

    委員長原文兵衛君) 委員の異動について御報告いたします。  本日、鍋島直紹君 及び大谷藤之助君 が委員を辞任され、その補欠として山崎竜男君 及び最上進君が選任されました。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  94. 原文兵衛

    委員長原文兵衛君) 速記起こしてください。  他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  95. 原文兵衛

    委員長原文兵衛君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  96. 原文兵衛

    委員長原文兵衛君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  市町村合併特例に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  97. 原文兵衛

    委員長原文兵衛君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  野口君から発言を求められておりますので、これを許します。野口忠夫君。
  98. 野口忠夫

    ○野口忠夫君 私はただいま可決されました市町村合併特例に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党、第二院クラブ、各派共同による附帯決議案を提出いたします。案文を朗読いたします。  各委員のよろしく御協力のほどをお願い申し上げます。
  99. 原文兵衛

    委員長原文兵衛君) ただいま野口君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  100. 原文兵衛

    委員長原文兵衛君) 全会一致と認めます。よって、野口君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、福田自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。福田自治大臣。
  101. 福田一

    ○国務大臣(福田一君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重して善処してまいりたいと存じます。
  102. 原文兵衛

    委員長原文兵衛君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  103. 原文兵衛

    委員長原文兵衛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十八分散会