○国務大臣(大平正芳君) 仰せのとおり、非常に勘ぐり過ぎられておられると思います。毛頭そういうことはわれわれ
考えていないわけでございます。正直に申しまして、この付加価値税という問題は、ずいぶん前から、
政府はこの
税金を検討しておるんじゃないかというようなことを、で、また一部はもうすでにやるつもりであるというんで、自由民主党なんていうのはずいぶんそのうわさで損しておると思うんですよ。こういうことは非常に迷惑なんでございまして、付加価値税を導入するなんていうことは、容易ならぬ大事業なんでございます。それで、かりにこれこれやるとしても、もう非常に広い
国民的な支持が得られなければこれできる相談じゃないんです。ひそかに
大蔵省が画策してできるような、そんな私は簡単な仕事じゃないと思いますよ、これ。ですから、そういうことと全然関係ないわけでございまして、この
入場税の引き下げというような問題は、それはそれとして素直にお受け取りいただきたいと思います。
付加価値税の問題につきましては、先般衆参両院におきまして、
大蔵委員会中心に
税制の議論をいたしておる場合に、直接税とか、間接税とか、まあ付加価値税の導入の意思があるかないかとか、諸外国の状況はどうなっておるかというような論議が行われておるということを、この間、総理大臣に、私
どもの事務の方が参りましたときに、国会でこういうやりとりが
現実にございますということを御理解いただく
意味で報告したわけです。そうしたら、何かこちらが意図的な
考えを持っておりまして、総理大臣に
説明したように一部の新聞に出ましたりして、これまた非常に迷惑をしたわけでございまして、できたらもう付加価値税なんということはもうこんりんざい言わない方がいいんじゃないかと、ぼくはもういま
考えておるんでございますが、またきょう先生から引き出され、出るわけなんです。どうしてもこれ、まあ非常にこの問題についてはお答えが困るわけでございますが、いま
大蔵省は付加価値税が簡単に導入できるなんていうことをそう手軽に
考えておるわけじゃございませんし、これは長期の展望に立ちまして
税制をアカデミックに
考える場合には、いろいろな論議、検討に値する課題ではありましても、
現実の政治の問題として、ここ政治の課題に、日程に上ってくるような私は問題であると毛頭
考えていないわけでございます。