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広瀬(秀)
分科員 いま私が引用しました栃木県の宇都宮でそういう問題が起きているということで、LPG
業者がこれはゆゆしき問題である、まさに生活権の問題である、営業権の問題であるというようなことで県に請願をいたしました。そういうものを引かないでもらいたい、パイプを敷設しないでもらいたいということで請願を県議会に出した。県議会も困って、県の商工労働部の
中小企業課が間に入って両方の言い分を聞きながら、ある程度あっせん役をやったということですけれ
ども その中で、大企業である東京瓦斯が示したものは、パイプをとにかく敷設をして、ガバナーステーションですか、そういうものをつくる、そこから今度はどんどん
ガス供給を始めるというような場合に、既存のLPGを
配管し敷設をしておったその施設を撤去する際に、小零細
業者は立ち会え、立会料として二千円出しましょうということが東京瓦斯から示された。それに対して、とんでもない、そんなことでどうしてわれわれが将来食っていけるのかという反撃があって、しばらく折衝を重ねたら、東京瓦斯の方では、それではざらに千円だけ立会料として上積みしましょう、こういうような見解を出した。これに対してもやはりLPG
業者は、とうてい納得できる線ではない、こういうことで県もほとほと困ってしまって、これ以上あっせんを続けてもさらに進展はなさそうだし、われわれの限界もこれくらいだ、こういうようなことで手を引くかっこうにいまなっている。
しかし請願としては、パイプラインを引かないでもらいたいということを県の防災課の方を通じて出しておったものですから、その点では安全性というものはほぼ大丈夫であろう、パイプラインそのものの敷設に伴う危険性というものについては、かなり安全性は立証されているというようなことで、その段階ではそれじゃ請願を取り下げましょう、こういうことになり、さらに今度は営業権の補償の問題というような形でもう一遍筋を変えて、商工労働部というのが県にあるわけですけれ
ども、そちらへ請願を出し直そうということで、一たんパイプライン敷設反対ということではそういう
取り扱いになったけれ
ども、また請願を改めてしかるべき筋、というのは商工常任
委員会を通じて県議会にもう一遍出し直すというような状況にいまあるわけなんですね。
私
どもが考えるのは、やはりどうしても
中小企業対策という面から考えてもらいたい。この問題は、単に低廉な、しかも
安定供給が
確保される、そういう立場からすれば、おそらく
消費者の選択は自然にそっちに流れるであろうということは、もうだれしも察しのつく問題なんです。しかし、今日まで大部分の都市において、非常に高いシェアを持ってそれぞれの
家庭燃料として
プロパンを供給してきた、しかもLPG二法によって取引の
適正化も図られ、五十年の三月三十一日でほとんどメーターもつける、これは取引
適正化法の趣旨を具現化した、そういう事態になってくる。あるいは、御承知のように
プロパンはもう皆ボンベ供給であります。最近小規模導管というようなこともありますけれ
ども、主体は何と言ってもボンベ供給。そういうことで、そういうように進出されたらそのボンベが全部要らなくなってしまう。つけて幾らもたたないメーターも全部要らなくなる。それぞれに投資をしているわけです。そういうものがもう全部くず鉄になるわけですね。
しかも
中小企業にとっては、特に小零細企業にとっては——大体LPG
業者は全国各地そうでありますが、主として薪炭商をずっと古くからやっておった人たちが
転換をした零細
業者が非常に多い。零細とまで言わなくても小
業者であることに間違いない。そういう人たちが、たとえばメーターも一台大体五千円だ、それからボンベ、これは十キロ物が大分少なくなっているようですが、十キロ物で大体三千円見当、二十キロがいま非常にふえて、これが主役をなしているようですが、これが大体一本当たり五千円程度、五十キロボンベになりますと約一万円、こういうような値段がしている。たとえば宇都宮あたりの例で見ましても、大体二百七
業者あるわけですけれ
ども、これが七万八千からの戸数に供給しておるわけですから、一
業者当たり平均すれば大体四百戸くらい。こういうことで計算してみましても、ボンベだけでも恐らくほぼ二、三百万は投資をしているのですね。それからメーターを三月三十一日で皆つけるのだということでいまそれを一生懸命やっているわけです、もう期限も幾らもないということで。そういうものが大体四百台としまして、五千円とすればやはりこれも二百万だ。少なくとも大体四、五百万の投資というものはやっているのですね。それが全部くず鉄になってしまう。タイムラグがありますから、これは東京瓦斯が進出してもどのくらいの年次でどういうように供給していくかということは、東京瓦斯でも計画はお持ちでしょうけれ
ども、それは一切示さないのですね。
消費者が選択して次々にこうやっていくんだからという逃げ口上もあるわけです。これは、東京瓦斯は恐らく企業としてはそんな悠長なことをやっているはずはないから、ちゃんとした計画は持っている。そしてやはりそれなりの
対策もやっているのですね。自治会長をうまく抱き込んで過度の宣伝をやって、もうLPGなんかの時代じゃないんだ、われわれのこの天然
ガスでやればかくかくのメリットがあるんだなんということを、どんどんそういう人たちを抱き込みながらやっているのです。これだって小零細企業にとっては非常に目に余るようなこともあるのですね。そういうことをやりながらやってるんだけれ
ども、そういう点についてはもう全然問題にしない。こういうことで、やはり先ほど申し上げたように企業側としては計画的に進めるに違いないのです。そうすればごく短期間のうちに相当のシェアが奪われていくということは、もうはっきりしているのですね。それにもかかわらずそういう人たちに対して——いままで四百戸供給しておったやつが一、二年の間に半分になってしまったといったらどうしてその人たちの生活が成り立っていくのか、業として成り立っていくのかというようなことが恐れられているんだけれ
ども、それに対しては何らこたえる考えはない。まあ将来
器具の販売などを、新しい
ガス供給に伴ういろんな
器具なんかについて幾らか考えてますよ、減った分について幾らか
器具の販売な
どもやってもらうようにやりましょうとかなんとかという条件は出しているようですが、それなんかも具体化されない。まだそこまで話し合いも進まないというようなところでがしんとぶっついたままで、いま水が入ったような状況になっているわけなんです。
したがって、そういう点について先ほど話し合いをさせたい、十分話し合って円満にいきたいという、それはわかったけれ
ども、その話し合いの基準になる、そういうようなものについて、たとえばそういうボンベだとか、あるいはメーターだとか、これは法によって皆強制してそういう
方向に持っていったものですよね。それはボンベは、当初からそういう個別の供給をやればそれ以外にないのだから、これはもう当然のことだけれ
ども、そういうものが全部スクラップになってしまうということをみすみす、国がそういう二法をつくった経過もこれあり、そのままにしていいのかどうかという問題はやはり大きな問題だと私は思うのですよ。だからその辺のところについて、これはやはり大きい問題ですから、基本的な考え方を通産大臣からひとつ——いま私が申し上げたし、両庁の
責任者から話がありましたから内容はおわかりだと思いますから、通産大臣というこの問題に関する最高の
責任者である
河本さんから、あなたのそういう場合に処する基本的な構え方、どういう
方向でこういう問題を解決したらいいのかということをお聞きをいたし、それから話し合いの基準となるべき、たとえばボンベのごとき必須のもの、それから法によって強制されたメーターなんというのが二束三文のスクラップになる、こういう問題なんかについて、やはり話し合いの基準になるべきものとして、当然それは力のある大企業の東京瓦斯が持つべきではないかと私は思うのだけれ
ども、そういう問題についてやはり話し合いの基準のようなものを国としても示していくというようなことが必要だと思うのですが、その点はあなたの方から、これは
中小企業庁でも
資源エネルギー庁でもどっちでも結構ですから、お伺いしたいと思うのです。