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1975-02-27 第75回国会 衆議院 予算委員会第三分科会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十年二月二十七日(木曜日)     午前十時四分開議  出席分科員    主査 野田 卯一君       奥野 誠亮君    松浦周太郎君      三ツ林弥太郎君    宮崎 茂一君       加藤 清政君    佐野  進君       柴田 健治君    清水 徳松君       中村 重光君    安井 吉典君       湯山  勇君    林  百郎君    兼務 瀬崎 博義君 兼務 北側 義一君    兼務 坂井 弘一君  出席国務大臣         自 治 大 臣 福田  一君  出席政府委員         警察庁刑事局長 田村 宣明君         自治大臣官房長 山本  悟君         自治大臣官房審         議官      山下  稔君         自治大臣官房審         議官      山本 成美君         自治大臣官房審         議官      遠藤 文夫君         自治大臣官房審         議官      石見 隆三君         自治大臣官房会         計課長     角田 直方君         自治省行政局長 林  忠雄君         自治省行政局公         務員部長    植弘 親民君         自治省行政局選         挙部長     土屋 佳照君         自治省財政局長 松浦  功君         自治省税務局長 首藤  堯君         消防庁長官  佐々木喜久治君  分科員外出席者         警察庁刑事局捜         査第二課長   平井 寿一君         大蔵省主計局主         計官      名本 公洲君         大蔵省銀行局銀         行課長     宮本 保孝君         厚生省医務局指         導助成課長   黒木 武弘君         厚生省社会局生         活課長     石原 公道君         林野庁指導部治         山課長     鈴木 郁雄君         通商産業省立地         公害局保安課長 鎌田 吉郎君         資源エネルギー         庁石油部精製流         通課長     松村 克之君         労働省職業安定         局失業対策部企         画課長     守屋 孝一君         自治大臣官房地         域政策課長   久世 公堯君         自治省財政局財         政課長     石原 信雄君     ————————————— 分科員の異動 二月二十七日  辞任         補欠選任   松浦周太郎君     宮崎 茂一君   多賀谷真稔君     佐野  進君 同日  辞任         補欠選任   宮崎 茂一君     松浦周太郎君   佐野  進君     柴田 健治君 同日  辞任         補欠選任   柴田 健治君     加藤 清政君 同日  辞任         補欠選任   加藤 清政君     中村 重光君 同日  辞任         補欠選任   中村 重光君     安井 吉典君 同日  辞任         補欠選任   安井 吉典君     清水 徳松君 同日  辞任         補欠選任   清水 徳松君     多賀谷真稔君 同日  第一分科員坂井弘一君、第二分科員北側義一君  及び第四分科員瀬崎博義君が本分科兼務となつ  た。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和五十年度一般会計予算自治省所管  昭和五十年度特別会計予算自治省所管      ————◇—————
  2. 野田卯一

    野田主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。  昭和五十年度一般会計予算及び昭和五十年度特別会計予算中、自治省所管を議題といたします。  質疑の申し出があります。順次これを許します。宮崎茂一君。
  3. 宮崎茂一

    宮崎分科員 私は、この前の二月二十日の予算委員会におきまして、水島三菱石油タンク破壊の問題につきまして政府側の御意見をただしたわけでございますが、きょうはその中で、タンク安全性と、それから防油堤安全性を中心にいたしまして、その原因究明、そしてまた、できればひとつ原因究明基礎にいたしまして、これからひとつ政府としてどういう方策をおとりになるか、積極的に前向きにやってもらいたいと思いまして、その方策等につきましてお尋ねを申したいと思うわけでございます。  御存じのように、ああいったまだ完成後一年にもならない巨大新鋭タンクと申しますか、五万トンを入れるようなタンクが、地震その他の外力もなしに突然破壊をいたしたわけでございまして、タンクのある地域の住民はその原因がどういうところにあるんだろうかということで不安を持っているわけでございます。単に三菱石油水島だけの限られた原因であれば非常に安心するわけでございますが、そういった点から、いろいろと政府調査委員会がなされておりまして、消防庁長官もこれに参加しておられるというふうに聞いておりますが、現時点で、どういうような理由でこわれたのだろうというような予想をされておりますか、その要因、原因、そういったものをできる限り発表していただきたいと思うわけでございます。
  4. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 現在、三菱石油水島製油所タンク事故につきましては、ただいま御指摘のように原因調査委員会におきまして原因究明中でございまして、まだその結論を得るに至っておらないわけでございます。  現在この原因究明にあたりましては、恐らくその原因となるであろうと思われます基礎関係、あるいはタンクについての設計関係、それから施工上の問題点、あるいはまた材質の問題、あるいは送油関係の問題、これら考えられる原因につきまして、それぞれの専門の立場でいま調査を進められておるところでございまして、できる限り早い時期、できますれば、私どもとしましては少なくとも三月いっぱいぐらいまでには、明確な調査結果までに至らなくても、ある程度の中間報告的な結論を出していただきたいということをお願いをしている段階でございます。
  5. 宮崎茂一

    宮崎分科員 ただいま三月いっぱいに何とか中間報告が出せるのじゃないかというようなお話でございましたが、極力委員会お願いをしていただいて、なるべく早くひとつ出していただきたい。要請でございます。  それから私は、今後の問題として、タンクの問題はまた後で質問をいたしますが、全体的にコンビナートの問題ですね。一つ石油コンビナートということを考えますと、タンクは万が一こわれないとも保証はないわけでございます。こわれる可能性もあるかもしらぬということで、この前の質疑にもございましたように、タンク安全性はもちろん、第二線の構えとして、万が一タンクから漏れましても、防油堤で防いでいこうというような考え方ですね。これは法律改正も何も要らないわけでございます。先般のときには政務次官がお見えになりましたけれども、こういう防油堤その他自治省ですぐできるやつは、早速やりますということでございました。ついてはこの防油堤につきましては、私消防法関係のものをよく読んでみますと、政令とそれから規則通達というふうに、防油堤については非常に完璧なまでに自治省指導をしておられるわけです。ですから、この前のああいった被害にかんがみまして、防油堤を今後どうしたいというような御計画がありましたらひとつ言っていただき、そしてまたすぐ実施してもらいたいと思うのですが、防油堤安全性、今後の問題としてどういうふうにしたいんだと、この点をお尋ねいたしたいと思います。
  6. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 防油堤につきましては、現在の防油堤構造基準というものが、どちらかといいますと火災ということを非常に強く意識しておりましたために、油の流出ということについてややその欠陥があらわれたということが言えると思うのであります。そういう意味におきまして、防油堤につきましては、構造がいまのままでいいかどうか、それから防油堤の高さがいま一・五メーターということになっておりますけれども、この高さがこれでいいかどうかという問題、それから防油堤容量が標準的には五〇%ということになっておりますけれども、やはりこれをもっとふやしていかなければならないだろうというような問題、それから、一つ防油堤の中に収納できるタンクの基数というものも制限が必要ではないだろうかというような観点から、現在この保安基準につきましての再検討をやっております。  そしてこの防油堤につきましては、ただいま御指摘のように、危険物政令、省令によりまして必要な強化対策を講じることができるわけでございますので、この防油堤につきましては他のタンク安全基準等の問題と切り離しまして、できるだけ早い機会に結論を得まして、できますれば、四月ごろには防油堤部分についてだけでもその対策法令の上で明らかにしていきたいというふうに考えております。
  7. 宮崎茂一

    宮崎分科員 防油堤につきましては、方針はわかるわけですが、まだ具体的な改正方向がなされていないように思いますが、三月末かそこいらにするという御意見のようでございますが、私は今回のこの事故は、いまの防油堤というのはどういうふうな見方で設計されているかわかりませんけれどもタンク容量の五〇%だけを確保できることになっているわけですね。水島事故は、そういった徐々に油が漏れるということではございません。底が抜けて一遍にばっとこういくわけですから、これは防油堤で全部カバーしよう。外へ出さないようにしようということですと、容量を一〇〇%とってもらわなければならぬわけです。またあるいは、考え方によっては、第二線の防油堤ということで、第一線の防油堤は五〇%、第二線の防油堤でまた防ぐという、こういう考え方もあろうと思いますけれども、その点はひとつこれは消防庁だけで、あなただけでできるわけですから、私はこれは議論の余地はないと思うので、どういうふうにするかということですから、大臣に相談されてすぐやる、こういうふうにしてもらいたいと思うのです。  それともう一つは、あれはただ水道の水を入れるように少しずつ水位が上がっていくものじゃないわけですね。力学的に言うと、いわゆる静水圧一ではないのです。動水圧なんです。一遍にばっとくるわけですから、あるスピードでぶつかるわけですから、そういった動水圧計算もしないといかぬわけですね。それから高潮とかそういったものも十分考えて基準を考えなければならぬですが、これはひとつ、そういった専門家もおいでになると思いますから、防油堤の問題につきましては早速やっていただきたいと思うわけでございます。つまり、油が海へ流れたから今回は非常に被害が大きかったわけですから、あれが三菱の構内だけに、防油堤の中だけにとどまっておれば、そういったような大事件にならなかったはずでございます。ですから、その点をよく考えて、ひとつ早急にやっていただきたい。  それから、ついでにお伺いしますが、この前の三菱事件では、雨が降ったときの排水口が閉じてなかったのではないが、その排水口からどさっと流れ出したという新聞記事も見ましたが、その点はどうですか。もしそういうことがあれば、これはもう技術の問題ではなくて、三菱管理者管理責任の問題でありますが、その点、ちょっと長官からお願いいたします。
  8. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 最初のまず防油堤の今後の方針でございますが、ただいま御指摘ございましたように、防油堤につきましては、現在の防油堤というものは、いわば第一次の防油堤にいたしまして、その容量につきましても、できる限り一〇〇%収納ということを目途にいま検討している段階でございます。また、この前の経験から見ましても、当然に二次防油堤が必要であろう、こういうことで、二次防油堤の案もあわせて検討しているわけでございますが、この二次防油堤の場合には面積が相当広がってまいりますので、火災の際に非常に問題が出てまいります。そういう意味におきまして、二次防油堤に対する火災防御という面とあわせていま検討しているところでございます。できるだけ早く結論を出して実施に移していきたいというふうに考えております。  また、これと関連いたしまして、排水口の問題がこの二次防油堤の場合にもこれは問題になる事項でございますが、先般の水島事故におきましては、御指摘のように海へ流れる部分最終末端排水口開閉装置というものが完全に作動しておらなかった、排水口を閉める部分がさびついて十分動いておらない、そのために相当油がその排水口から出てしまって、最後は土のうでそれをとめざるを得なかった、こういうような事情がございます。これはもう排水口のいわば管理面というものについて非常に問題があったというふうに考えておりますが、これらにつきましても、今後の点検といったような問題について十分注意してまいりたいというふうに考えております。
  9. 宮崎茂一

    宮崎分科員 時間がございませんので、次にタンク安全性の問題に移らせていただきますが、先ほど、政府調査委員会でもまだ結論が出ないのだという話でございました。私は、この細かい結論じゃなくても、今回の問題は、日本のいわゆる埋立地軟弱地盤の上のああいうタンクですから、何と申しますか、フローティングファウンデーション浮き基礎ですね。砂の上にタンクを置いてやっている構造です。これで大部分成功しているわけですが、こういったいわゆる力学的な問題、土質力学の問題が入ってまいります。結局、弾性床上に荷重がかかったということですから、それについて局部的な不等沈下はどうしても免れないのです。これはタンク設計専門家が言っておるわけです。そういう局部的な沈下というのは、土壌、土質自体が完全な弾性体じゃないわけですから、平たく言いますと、われわれ夜ベッドの上に寝ますけれども、朝起きると、またもとのようにぷっとなるわけですね。油を入れますと少し変位する、デフレートする。そして油が空になっても、土の方はなかなか完全にもとに戻らないといったようなことで、それを繰り返しますと、結局局部的な不等沈下はどうしても免れないわけですね。こういった非常にむずかしい問題に取り組みますというと、結論が長くなりますが、あの場合に十三メートルぐらい亀裂が入っておった、それは後からつけ加えた垂直のはしご原因がある、こういうことも言われているわけですね。はしご平米当たりの重量は二トン・パー平米ぐらいです。タンクは御承知のように二十トン・パー平米ぐらい。その圧力にもつような基礎をやっておるわけですね。それをディスターブしてやったから問題がある。あるいはまた、空気のエレクションの方法として、空気孔を掘るために地盤を掘削した。この辺のことはどうしても問題になるのじゃないかと思うのです。  それから、私どもいわゆる水理学とか水工学を一専攻した者はすぐわかるように、ああいったような油が漏れて、洗掘されて基礎が倒壊した、そして防油堤が壊れたということは、あのラダー、はしごの下の基礎がやってなかったということですね。これはもう土木技術をやった人であれば、あそこできちっとした基礎をつくっておくことは間違いないわけですね。その点において設計上のミスといいますか、計画ですか、それがあったと私は思うわけです。ですから、防油堤につきましても同じことで、タンクの洗掘による倒壊ということはこれはしないようにやらぬといかぬと思うわけですが、そういったタンクの本体の問題、これから技術委員会でお詰めになると思いますが、大体の方向としてはこれは出ているんじゃないか。もう少し部分的なミスとか、そういうものに対する厳重な監督といいますか、自治省としては、その後一生懸命やっておられるようです。不良のタンクもあるということを発見されていろいろやっておられますが、あるいは全体的に傾いたから危ないということではないと私は思うのです。二百分の一傾いたものが四百分の一傾いたものよりも危ないというわけじゃないのです。この前破壊いたしましたタンクは何ぼか傾いておったわけですね、四百分の一くらい。ですから、部分的な不等沈下というのは非常にむずかしい問題でございますけれども、そういったものをあらかじめ察知できるような工夫をしていただきたい。これは技術的な問題でございますから、消防庁としてはこれからも細心の努力をしていただきたいと思うわけでございます。  これ以上大型タンク安全性の問題について議論をいたしましても、あるいは時間もなくなりますし、技術的な問題でございますので差し控えますけれども、要は、私はこの法律消防法関係を読みまして、いろいろ問題があるわけでございますが、現行法におきましても、消防法の第十条第四項によりますと、技術水準政令で決めればいいわけですから、そうすると大型タンクについても、そういうフローティングファウンデーションの上のタンクについても、あなたの方が技術水準を掲載すればいいわけです。それで私は一応はいいと思うのです。しかし、いま三木総理の御指示によってコンビナート全体の法律をつくろうというようなことでやっておられるそうですか、そういった法律は今国会にお出しになるのですか。どういう状況なのか、ちょっと消防庁長官……。
  10. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 タンク安全基準につきましては、この事故調査委員会における御審議と並行的に、その改定についての準備を進めていきたいというふうに考えております。  なお、後段のコンビナート防災対策というものにつきまして大臣からも御指示がございまして、コンビナート地帯防災対策というものについての総合施策というものを、立法を含めて検討を続けておるわけでございますが、このいわゆるコンビナート防災法というものにつきましては、現在各省意見の取りまとめが終わりまして、自治省におきましてその立案の作業を進めております。大体法案の大綱について一両日中ぐらいに結論を得まして、その考え方についての各省意見を取りまとめていきたいというふうに考えております。できますれば、今国会にできるだけ早い時期に提案をする、こういうことで作業を進めているところでございます。
  11. 宮崎茂一

    宮崎分科員 自治大臣にお伺いいたしますが、いまのコンビナート法関係でございますね、各省とも問題が出てきて非常に困難な問題もあろうと私は思うわけです。いま長官お話によりますと、何とか今国会に出したいということでございますが、大臣のお気持ちはいかがでございますか。
  12. 福田一

    福田(一)国務大臣 消防庁長官からも御説明申し上げたところでございますが、私としては、石油化学のような自分で開発した企業というか、そういうものではなくて、海外から輸入したというものでございますからして、どうしてもこれに伴う危険の発生の部分等がよく理解できない面もあるものであると考えております。したがって、これは普通の工場とか企業とは違った意味で、特別な措置をしておかぬと大変な災害が起きることもあり得るということを考えましたので、何としてもやはり法律的な措置をとりたいと思っております。その意味関係庁とひとつ十分に、いろいろ関係がございますので、協議をして解決を図っていきたい、そうして法案提案をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
  13. 宮崎茂一

    宮崎分科員 屋外のタンクを所管しているのは自治省でございます。先ほど申し上げましたように、消防法によりまして技術基準をつくって、自治大臣が全責任を持って監督しておられるわけです。ところが、消防法政令規則あるいは通達までずっと読んでみますと、その対象になっているのは、町にありますところの小さいタンクとか、そう大きなタンク対象にしておりません、大体私の感じでは。通達まで全部読んでみましたけれども……。ですから、ああいう巨大タンクに対してはいまの法令で、自治大臣監督下でやっていけるわけです。現行法でもやっていけるわけです。しかし御承知のように、ああいうタンクの設置の許可権者自治大臣じゃなくて、大臣消防署長とか都道府県知事とか、そういうところにお任せになっている。ところが、その任せられたところでも、今回三菱事故にどういう書類を取っているか私は調べてみましたけれども、非常に詳しい書類を取っておるのですね。こんな膨大な書類を取っておるわけです。それで、タンクの強度の計算書タンク基礎計算書まできちっと取っておるわけです。果たしてこれを力学的に本当にマスターして、あそこの地質にはこの工法で大丈夫だと認定し得る、そういう才能のある人が消防署の下の方におるのかどうか、この辺が問題じゃないか。法律の方もそうですけれども、実際にそういう人がおるのかどうかと私は思うのです。というのは、たとえば建設省でやっておりましても、橋梁でありますとかダムとか、これは人命にかかわる問題ですから、昔から官庁の技術陣がございます。内務省、いまは建設省土木研究所、運輸省の港湾技術研究所、こういったところは日本で一番トップレベル技術者の集団でございます。ところが消防庁の方は、タンク監督する方はそういうのはないんじゃないかと思うわけです。自治大臣、今度のやつはいろいろな問題で一万分の一くらいの確率だったんだろうと私は思うのです。今後、この組織の問題、人の問題、これは一番大事な問題じゃないかと私は思うのです。ですからひとつ、法律の整備も必要ですけれども、本当にこれは技術的な問題でございますから、あるいは人員抑制問題であれば建設省の方の研究所を動かすとか、そうしませんと、ほかからお願いをしてきた大学の先生は、これはなかなか当てにならぬと私は思うのですよ。なかなかやってくれません。自治大臣がやっと命令して一週間以内に出せ、一カ月以内に結論を出せと、こういうふうな、内閣が命令するようなものがないとこれは答えられないのじゃないか、大臣の職責を果たされないのではないかと思いますが、大臣、どうですか。
  14. 福田一

    福田(一)国務大臣 法律を幾らつくっても、それを実施する能力がなければ問題になりませんから、お説は十分参考にして、今後、行政をやらしていただきたいと思います。
  15. 宮崎茂一

    宮崎分科員 その点、やはり国民が本当に私は不安を持っていると思うのです。ですから、自治省の方で、いまの権限の問題からいけば、大臣ですから、大臣が全責任を持ってこの安全性の問題をひとつこれからも——これはもうきょうから実は実施していかなければならぬ問題ですから、私は特に要望をする次第でございます。  もう時間が実はございませんのですが、ちょっと通産の方、だれか見えていますか。
  16. 野田卯一

    野田主査 おられます。
  17. 宮崎茂一

    宮崎分科員 二つだけお尋ねをいたしたいのですが、石油基地ですね。これはああいう軟弱地盤にそういうサンドパイプ、サンドドレーンを使った工法経済的にいままで大分やってきたわけですけれども自治省消防庁監督も厳重になると思いますが、やはりこの安全の問題は、私は、経済を超越した、経済以前の問題だと思うわけです。ですから、ひとつ通産省におかれましても、業界を、もっと安全性の問題に力点を置くように、平たく言えば、安全施設にもっと金をかけるように御指導お願いしたいという点が第一点と、この前委員会火災保険の問題を私は提案をいたしました。大蔵省の方からは、石油関係のああいった災害のあった場合の保険でございますが、いま限度額二億だけれども、五十億にひとつするように努力してみようと電話で問い合わせましたところ、四月中旬から業界の方の了解を得ればスタートできるということでございますが、この二点について、ひとつ通産省の御意向を発表していただきたいと思うわけでございます。
  18. 野田卯一

    野田主査 時間の都合があるから簡潔に願います。
  19. 松村克之

    松村説明員 お答えいたします。  第一点につきましては、二月の二十四日に通産大臣のところに各コンビナートの代表を呼びまして、コンビナート保安について十分重点的に考えていくようにということを、大臣から強く指示いたしたところでございます。  第二点につきましては、いま先生お話のございましたように、保険の実施につきまして、業界内部でもそれについて現在検討を始めているということでございます。
  20. 宮崎茂一

    宮崎分科員 了承しました。  それでは、これで私の質問を終わります。
  21. 野田卯一

    野田主査 これにて宮崎茂一君の質疑は終了いたしました。  次に、佐野進君
  22. 佐野進

    佐野(進)分科員 私は、都市交通における財政問題について、大臣並びに関係局長に質問を申し上げたいと思います。  今日の地方財政の危機的情勢は、私がいまさら申し上げるまでもない状況であります。このしわ寄せが結果的に各方面に及んでおるわけでありまするが、それでなくとも、都市交通のいわゆる地方公営交通事業がここ十数年にわたってきわめて深刻な影響を受けておる事情はよくおわかりのことと思うわけであります。したがって、今日のこの地方財政の危機的様相の中で、地方公営交通の受ける深刻な財政的状態について、自治当局としてはどのようにお考えになり、どう対処されておられるか、この点ひとつ、原則的でありますが御答弁をいただきたいと思います。
  23. 福田一

    福田(一)国務大臣 この公営交通事業、これはやはり重要な住民の生活に及ぼす影響のある問題でございますが、その経営状況は最近、どうも人件費とか物件費が原価において著しく上がった等で、非常に困難の度を加えておることは事実でございます。  自治省といたしましては、昭和四十八年度から、路面交通については、法による経営健全化対策を講じておりますが、昭和五十年度には、交通事業再建債の利子補給、それから地下鉄特例債の利子補給等を引き続き行いますほか、再建企業バス購入費補助の大幅な増額、それから地下鉄建設債の償還年限の延長等を図ることといたしておるのでありまして、地方公共団体の一般会計負担分については、計画額を地方財政計画に計上するとともに、所要の交付税措置をとることといたしております。  公営交通事業の場合は、人件費を初めとする経費の効率化に特段の努力を払うこととすると同時に、適時適切な料金改定を実施することも長期にわたって経営基盤の強化を図る方法となるという意味指導をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
  24. 佐野進

    佐野(進)分科員 大臣がいまお話しになっておりますように、自治省が公営交通事業の健全な発展のためにいろいろな角度から力を尽くしておることについては、私も認めるにやぶさかではないわけでございます。しかしながら、その努力にもかかわらず、今日なお深刻な状況が日一日と高まりつつある情勢は、公営交通企業者並びにそこに働いておる人たちの自主的な努力を越えた社会的環境の変化等が強くその努力を上回って内容の悪化が進行しておる、こういうように判断される面があるわけであります。  そこで、いま大臣お話しになりましたように、料金の改定等あるいは経営の合理化等、それに関連して幾多の財政的な措置をとるということでありまするが、これまた原則的な点でありますので大臣に御質問してみたいと思うのでありまするが、政府方針としては、今日総需要抑制の中で、いわゆる低成長、一定の成長を見込んだ中で経済の運営を図っていく、こういうことになっておるわけでございまするが、現在までの状況下において、この種条件が悪化した最大の原因は、やはり高物価といいまするかインフレの高進、さらに、それをもたらすところの産業優先政策によるいわゆる高度成長政策がその最大の原因であると私は考えるわけでありまするが、これからの問題を審議する意味において、大臣の見解をひとつお聞かせいただきたいと思います。
  25. 福田一

    福田(一)国務大臣 御指摘のとおり、高度経済成長が一つ原因になっておるということも、私は否定をいたすものではございません。しかしまた、経営の合理化とかあるいはいろいろの意味における企業の努力というものも実は私は必要だと思うので、両々相まって、その二つの原因を順次解消していくという形で問題の解決を図っていくべきではないか、かように考えるわけであります。
  26. 佐野進

    佐野(進)分科員 そこで大臣、もう一つお聞かせをいただきたいと思うのですが、そういうような御見解であることは私もよく知っておるわけです。しかし、そういうような見解の中で一定の条件の責任を認めておる——責任といえば語弊があるかもしれませんが、条件の存在しておることを認めておる。自治省が、政府が一定の補助なり具体的な対策を行っておる。したがって、そのことはよくわかるわけですが、今日これからの情勢を私たちが前向きに見た場合、この状態が一挙に好転するという情勢はないわけです。より深刻になっておる情勢が路面交通の渋滞問題を初め客観的に存在するわけです、単なる物価の高進だけでなく。したがって、そういう悪化されるであろうと予想されるもろもろの情勢に対して、地方公営企業であるからといっても、いままでもそうであったのでありますが、特に今後国のこの公営企業に対する責任がきわめて大きい。この住民の福祉を高進する、福祉を守るという立場の中において、その果たさなければならぬ責任がきわめて大きい。したがって、国は積極的にこれに取り組むべきだと私は思うわけでありますが、見解をひとつお聞かせいただきたいと思います。
  27. 福田一

    福田(一)国務大臣 われわれといたしましては、そういう企業の経営が悪化していくについてはいろいろの条件があると思われるのでありますが、その条件を前提にいたしまして一律にこうだと決めてしまうことよりは、やはり条件を一応検討しながらそれに対する対策を立てていくことにしたいと思っておるわけでございます。お気持ちはよくわかります。お気持ちはわかりますが、何でもかんでも国の責任にばかりするということではわれわれとしては納得できないという気持ちを申し上げたわけでございます。
  28. 佐野進

    佐野(進)分科員 そこで、大臣並びに局長に答弁を求めたいと思うわけでありますけれども、これからはひとつ具体的な問題になりますから、大臣が必要があれば御答弁をしていただいて結構ですが、関係局長から答弁を求めたいと思います。  そこで、いま大臣の言われたように、気持ちはわかるけれども、さて何でもかんでもということはちょっと抵抗がある——これは私ども、何でもかんでも政府でやれというなら地方公営企業なんてなくして政府直営でやるということで、そんなことを言っておるわけではございません。しかし、国の責任を明確化した中で最大限の努力を払う中で、今日路面交通の渋滞あるいは地下鉄の建設等々のおくれ等から、国民が、特に都市住民が大変困難を感じておる。その状況を打開するために努力をしてくださいということであります。  そこで、時間がありませんので具体的な問題に入りたいと思いますが、政府が多年にわたって一次再建、二次再建等々を行っておるにもかかわらず、一向条件がよくなっていない。その原因をどうお考えになっておられるか、ひとつ答弁をいただきたいと思います。
  29. 松浦功

    松浦政府委員 非常にむずかしい問題だと思いますが、大臣から先ほどお話がございましたように、やはり交通を取り巻く諸環境の変化が、われわれの予想を超えて早く進んでいるという一面と、もう一面は、私どもの目から見ますと、企業としての努力にやや欠ける面がある、両方の面ではないかというふうに判断をいたしております。
  30. 佐野進

    佐野(進)分科員 私は前者の方に重きを置いて論議を進める、局長は後者の方に重きを置くという形にならざるを得ないと思うのでありますが、そこで、私は過日大蔵大臣にこの点質問したのでありますが、根本的解決を阻んでいる問題として、たとえばあなた方の方では合理化という言葉でしょう。企業努力ということは一種のそうでしょう。あるいは私の方で言う客観情勢ということは、また別の言葉で言えば、世の中をもっと合理的にしてくれなければ困る、幾ら自主的な努力をしてもその解決にならぬということにつながると思うのでありますが、この最大の条件は何といっても、突き詰めると、あなたは専門家ですからよくわかるでしょうが、独算制の問題だと思うのですね。いわゆる総需要抑制策を堅持する堅持すると副総理は声を大にして言っているが、現実にはもう空洞化してしまってどうにもならない。この独立採算制の問題もいまや実質的には空洞化しているが、形骸としてこれが存在していなければならないというところに問題があると思うのであります。そこで、もちろん利用者、受益者負担という原則を問題にしなければならぬ。料金の適正化、これも必要だと思うのでありますが、これにこだわっての合理化の要求というものであっては、もはや企業者ないしそこに働いている人たちの自主的な協力を求めることの限界を越えている。特に地方財政悪化の状況の中にもうそういう限界を越えていると判断いたしますが、この点についての見解をひとつお示しいただきたいと思います。
  31. 松浦功

    松浦政府委員 御承知のように、政府といたしましては独算制が空洞化しているとは考えておらないわけでございます。そこが残念ながら先生と意見を異にするところだと思うのでございますが、ただ、私どもが独立採算制ということをあくまで堅持をしたいというたてまえは、やはり特定の者が利益を享受するわけでございますから、その方々がそれに要する経費を負担するという均衡原則はあくまで守るべきだ。ただ、現実の財政というものは御承知のように生き物でございます。時々刻々変化をいたします。その辺のところにつきましては、独立採算制とそれから一般会計との接点というものに一般会計の繰り入れということを制度的にも認めておるわけでございます。この制度を十分時代にあるいは経済に即応した形で運用する形において私はこの制度は守っていける、また守っていかなければいけない、こういう気持ちでおります。
  32. 佐野進

    佐野(進)分科員 この点はここで局長が、じゃ変えましょうなどと答弁できるものじゃないと私は思いますが、これは大臣、いまお聞きのような状況でありますので、時間の関係がありますので、後で一括ひとつ御答弁をいただきますとき、この点についても御見解をお示し願いたいと思います。  そこで、いま言ったような条件が悪化して、独算制も形骸化している。だから、あなたは繰り入れというような措置の中で環境の情勢に応じた対策をとる、いわゆる柔軟性を持って対処する、こう言っておるわけです。その環境が日一日と深刻な状況になっていることを私は申し上げておるわけであります。その環境とは、先ほど来申し上げているとおり、地下鉄建設のおくれ、路面交通の渋滞あるいは諸物価の値上がり等々、政治の力をもって解決しなければならない原則的な問題がその大きな条件であることは先ほどの大臣の御答弁でも明らかであります。したがってこの際、そういう条件の中で働く人たちに対する労働条件といいますか、環境に支配されないで勤労意欲をふるい立たせてその条件を向上させるための対策、たとえば賃金あるいはまたその労働条件等々について、他の一般労働者と比較して、一般地方公務員と比較して差のない、平均化した状況の中においてこれを処遇すべきではないか、こう考えるわけでありますが、その点、財政局長の見解をお聞かせいただきたい。
  33. 松浦功

    松浦政府委員 再建計画自体の審議に当たりましても、御承知のように私どもは財源が許して再建計画が組めるならばという前提がございますけれども、一般会計の職員の給与に差別をするということを強要いたしておりません。言いかえますならば、一緒になっている方が望ましいという考え方でございます。ただ再建団体においてはプラスアルファだけはやめてくれということは私どもかたく言っております。そういう事情でございます。考え方自身としては先生と私ども考え方に食い違いはない。ただ問題は、一般会計の方の職員に非常に問題がございます。これは私どもは、今後国家公務員の給与に近づけるような努力を地方公共団体に要求してまいりたいということは、補足でございますがつけ加えさせていただきます。
  34. 佐野進

    佐野(進)分科員 その問題をやり出すと、後で最後につけ加えたことに質問が集中するとそれだけで時間が終わってしまいますから、きょうはそれには触れません。いずれ議論のあるところであります。しかし私の申し上げたいことは、一般職員に比較して不均衡にならざるよう処置するということをいまあなたは言っておられたわけです。そこで、この一般職員に比較してという問題は、早朝、深夜あるいは渋滞の中でワンマンカーを運営する等々、いわゆる比較にならざる過重なる労働条件の中に働いていることを前提にして考慮しようということでありますが、その点も当然でありましょうけれども、一言お答えをいただきたいと思います。
  35. 松浦功

    松浦政府委員 また給与問題に入りますので、ここで深い論争は避けたいと思いますが、私どもは、困難、不快そういった種類の労働に対しては特殊勤務手当で対処すべきものであって、いわゆる給料で差別すべきものではないという理解でおります。
  36. 佐野進

    佐野(進)分科員 そこで私は、一つの具体的な例を引きながら、その労働条件の問題について局長の見解、最後にこの点も大臣の見解を一括ひとつお示しをいただきたいという問題があるわけであります。  それは地方公務員法第二十八条に関連したことであります。御承知のとおり、交通事業に従事いたしております者は、地方公務員法によってその分限が定められておるわけでありますが、この地方公務員法第二十八条によるところの処置ということの問題は、結局、簡単に申し上げますと局長、こういうことですね。あなたは財政局長だからちょっとむずかしいと思うのですが、大臣の見解で結構だと思うのですが、交通事故を起こしますね、そうするとそれが公務の上で交通事故を起こしても、裁判で有罪になりますね。公務の上で、たとえば過失があったといたしましても、その過失が重過失であるとかどうとかいう形の中で有罪になりますね。そういうような形の有罪になった場合は直ちに、この職にある者は運転手ですね、その職をやめなければならないという地方公務員法の規定になっているわけです。このような規定の中で、今日多くの人たちがその職を離れていっているわけです。いわゆる汚職であるとか、そういうことに類しない、裁判において無罪か有罪かの判決が、非常に厳しい判断がある場合、これはまあ有罪だろうといって、今日交通事故というものは非常に重い処置をとられるわけでありますから、その中に入った場合、直ちにその職を失い、懲戒免職になるわけであります。これは、今日のような路面交通情勢の中において、その職に携わる人たちにとってはきわめて過酷な条件になっておるわけであります。したがって、この過酷な条件に対して、省令あるいはまた規則さらにはまた法律改正等の措置によって温かい配慮を加えてやるべきだということは、多年にわたる要望として出ておるわけでありますが、これに対する見解をひとつお聞かせをいただきたいと思うわけであります。
  37. 松浦功

    松浦政府委員 地方公務員法の二十八条では、全部免職だということは法律には書いてないのでございます。「できる。」と書いてある……(佐野(進)分科員「しかし、現実にはそうなっている」と呼ぶ)それは私どもの問題ではなくて、地方公共団体がその人のやった行為についてどういう価値評価をするかという問題だと思います。(佐野(進)分科員「だから、それを条例、規則とか省令とか、そういうものにおける措置によって……」と呼ぶ)それはだから、私ども法律を直すとかなんとかいう問題じゃなくて、本当に、たとえば禁錮の刑になったけれども同情できるという場合には、免職にしないということも二十八条の規定から可能なわけでございます。私どもとしては、地方団体の良識に期待するということ以外には申し上げ得ないと思います。
  38. 佐野進

    佐野(進)分科員 この点については、私も直接関係している人がおります。多年助けようと思い、自治省なり都なりに対して交渉した経験がございます。いまあなたは直接的な担当者じゃございませんので、後でまたさらに詳しくこの点は別個ひとつ話し合いを進めてまいりたいと思います。そこで大臣、いまのことは一般的な勤労意欲を向上させるという意味においての御答弁をいただきたいという一環として質問をしておるということでありますので、あとで御答弁いただきたいと思います。  そこで、時間もだいぶ迫ってまいりましたので、これは局長から一括御答弁をいただきたいと思うのでありますが、一つには補助率の六六%の問題であります。これについては大蔵大臣にも質問をいたしましたが、この引き上げ、四分の三程度に地下鉄、高速鉄道の建設費の分についてはこれを引き上げてもらいたい、こういう要望についてのお考えをひとつお聞かせいただきたいと思います。  さらにバスの補助の問題について、これに付帯設備等も加えて大蔵省に要求すべきじゃないか。大蔵省としてはでき得る限り善処したいという考えでありますので、その点についてのお考えをひとつお聞かせいただきたいと思います。  それからもう一つ、事務所事業所税等に対する問題であります。これは新しく国会提案されるということに相なることになっておるようでございます。いまだなっていないのかもしれません。しかし、この税が地方公共団体の目的税として、地方税として創設されるということになったやに聞いておるわけでございますが、この税が地方公営企業等に対して活用される条件があるのかどうか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。局長、以上二つの点。
  39. 松浦功

    松浦政府委員 地下鉄の補助率六六%を四分の三ぐらいに上げたらどうかという御意見でありますが、私どもも将来の問題として、状況を見ながら検討をすることにやぶさかではございません。いまこの場で結論を申し上げることは困難でございます。  バスの問題につきましては、本年度非常に大蔵省の理解を得て大幅に上げたところでございます。ことしはどうおっしゃられてもこのままで実行さしていただく。果たしてこれでうまくいくかどうかということも見定めながら、仮になお無理があるということであれば、来年度以降大蔵省お願いもいたしたい、こういう気持ちでおります。
  40. 首藤堯

    ○首藤政府委員 御指摘の事業所税の使途の問題でございますが、この税は都市環境の整備に要します事業に充てることになっておりまして、その一つといたしまして道路、都市高速鉄道、駐車場その他の交通施設の整備事業、こういうものに使うということを規定いたしておりますので、当然公営交通の施設整備の財源に充て得るものと考えております。
  41. 佐野進

    佐野(進)分科員 そこで、財政局長にもう一問質問をいたします。  先ほど来質問を続けてきておるわけでありますが、結果的に悪化する財政事情の中で、地方公共団体としても、その事業として行う公営交通事業に対して、なかなかその維持管理が困難な状況になってきている。したがって、これは単に一つの交通事業だけの問題でなくして、あらゆる面にわたっておるわけですが、その中で特に公営交通事業の持つ宿命的な事情によってこれを維持していかなければならぬ問題の一つとして、いわゆる行政路線があるわけであります。この行政路線に対して、もう多年にわたって論議が続けられておるわけでありますが、これに対する、いわゆる再建団体指定の際におけるいろいろな問題としてあることも事実であろうと思うのでありますが、この際、再建団体であるとなしとにかかわらず、これら行政路線を過密過疎の現状の中において維持しなければならないという現実を踏まえながら、これに対して財政的な補助をする、こういう立場におけるところの取り組みを即刻行うべきではないか、こう考えるわけでありますが、この点についての見解をひとつお示しいただきたい。
  42. 松浦功

    松浦政府委員 何が生活路線であるのか不採算路線であるのか、この辺が私どもには、毎回先生にお話し申し上げているように、きめかねる問題でございます。したがって、私どもとしては、全体の交通の主管省でございます運輸省が、過疎バスなりあるいは宅地バスなりに対する助成をお始めになっておられます。こういうものにはまるところには補助というのが出ておるわけであります。こういうものを十分活用することによって、先生のおっしゃられている趣旨を実現をしていきたい。当然、補助金の裏負担分については自治省の方で必要な措置を講ずる、こういう体制をとってまいりたいと思います。
  43. 佐野進

    佐野(進)分科員 時間が参りましたので、大臣に最後に一括質問をいたしたいと思います。  先ほど保留いたしておりました問題といたしましては、独算制の問題がございます。いわゆる独立採算制という形の中で、大臣が冒頭御答弁になられましたような趣旨を中心にしてこの制度があるわけでありますけれども、現実の問題といたしましては、地方財政の悪化、公営交通の持つ宿命的な都市の交通事情の中におけるところの悪条件等々、幾つかの条件の中において、もはや一般財政の繰り入れという、いま財政局長が御答弁になられた措置を十分配慮せざる限り、その存続を続けることが不可能になっていることは、いまの論議を通じて御理解なされたと思うのでございます。したがってこの点について、大臣といたしまして、いま少しく明確に地方公営交通の持つ本質的なあり方というものを理解した上で、積極的に地方財政の面に対する指導とあわせて取り組みをしていただく、いわゆる独算制の問題に対する一歩前進した見解の中において処置をしていただきたいということについての御判断をお示しいただきたいというのが一点であります。  第二点は、先ほど言いましたとおり、そこに働いておられる方々が、きわめて複雑な交通情勢の中で、一般職員と比較してきわめて多くの負担を受けて働いておられるわけであります。先ほど申し上げましたとおり、一たび事故を起こした際は、その事故が条件になってその職を去らなければならないというような事例が幾つも幾つもあるわけであります。したがって、これらの点については格別の配慮をする恩情ある措置をとられてしかるべきではないかということについての御見解をいただきたいということです。  おしなべて、自治省が今日まで公営交通に対してきわめて積極的に取り組んでいる、財政局長が御答弁になられた積極的に取り組んでいるということを私は評価しながら、なおよりよくしていただかなければならないという前進的な意味における希望を付して質問を続けておるという意味を踏まえながら、ひとつ御答弁をいただきたいと思うわけであります。
  44. 福田一

    福田(一)国務大臣 先生の御質問の趣旨はよく了解をいたしたところでございますが、公営交通の交通事業というものは、特定の地域の特定の人が利益を受けるという意味で、やはり独立採算の形でやっていくのがいい、こういうことでスタートいたしておると思うのであります。その条件が全部いま消え去ったかというと、私は必ずしも消え去っておるとは思いません。したがいまして、事情の変化等を十分考えながら、適宜、自治省としても措置をとっていく、こういうことで今後進めていきたいと思っております。  それから、先生がただいま御指摘になりました法二十八条ですかの問題で、処分を受けた人の復職の問題でございますが、私は、やはり独立採算制ということをとっている以上は、その事業をやっている主体が人事の面においても一つの自由裁量の権能を持って、そして皆が勤務時間中よく働いてもらうとか注意をしてもらうとかということをしなければならないと思うので、そういう意味で、これを法律か何かで決めてしまうとか、それはそうしなさいとかいうことよりは、その事業主体であるところの企業体の長あるいはそれを運営しておる人が十分理解をして措置をしていくのがいいのじゃないか、これがやはり独立採算制の一つの趣旨にも合うのじゃないかというふうに考えております。まだ法律的にはっきり私理解をしておらない面もあるいはあるかもしれませんが、ただいまのところはさように申し述べさせていただきたいと思います。
  45. 野田卯一

    野田主査 これにて佐野進君の質疑は終了いたしました。  次に、柴田健治君。
  46. 柴田健治

    柴田(健)分科員 消防防災に関連をして、お尋ね申し上げたいのです。  毎日毎日いろいろな事故日本列島の中には起きておるわけですが、われわれは、そういう事故を、天災、人災含めてあらゆる防遏に努力しなければならぬのが国または都道府県の任務であろう、こう思っておるわけです。特に防災対策の中で、いまわれわれが真剣に取り組んでおる点で悩んでおる点は、各家庭で使っておるLPガスに関連する事故発生なんですが、私たち非常に矛盾を感じておる点は、これだけ日本のいろいろな石油文化が発達をして非常に近代化されておるにもかかわらず、先般の水島の油流出時、あの清掃にはひしゃくをもってくみ取らなければならぬという現象、それから各家庭におけるLPガス、プロパンガスの器具の点検に、消防団に対して石けん水と筆をもって点検しろという指導のやり方、どうもわれわれは矛盾を感じる。消防団員に、予防査察するのに筆と石けん水をもってガス器具の点検をしろなんという事態は、これは消費者泣かせであるし、結局業者の野放し——業者がどんな器具をつくろうと、どんなことをしようと、業者には何にもやかましく言わない。要するに、消費者責任において物事を解決しようとするその行政姿勢にわれわれは矛盾を感じておるわけなんです。私はこのガス器具、特にコック、それから各ホース、プロパンガスではゴムホースなんというのは、だれが考えても非常識な利用なんですよね。そんなものを平気で使わせてきた通産省なり消防庁はどういう考えを持っておるのか。この点について責任を感じてもらいたい。  それから、いまの器具の製造のばらばら行政、各メーカーがばらばらにやっている、これをどうするのか、それから不良品の一掃をどうするのかということをまず消防庁長官にひとつお答え願いたい。
  47. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 最近の一般家庭におけるガスの事故、特にその中でもLPGの事故というものが非常に多発をしていることは、私どもも非常に心配しているところでございます。一つには、ただいま先生御指摘のような問題があると思いますので、この点は私ども通産省の方に十分その安全対策等についての申し入れもし、通産省におきましても、最近そういう面についてのいろいろな施策を実施されていると思いますが、私どもも私どもなりに、このガス器具の扱い方について、一般国民のいわば啓発宣伝ということについて十分配慮しているつもりでございます。
  48. 柴田健治

    柴田(健)分科員 ガス器具の使用指導だけというのは片手落ちだと私は思うのですよ。もうプロパンを使い出して二十年以上経過している。その間消防庁は毎年消防白書を出されているのですが、毎年どの白書を読んでも、事故の発生原因について器具の不備というようなことは一遍も指摘していないのですよ。だから業者まかせなんですね。どんな製品ができようとそれはもう業者任せ、それは通産省に任せておけばやるだろうということ、私はそういう考え方自体に誤りがある。まあ言うてみてもしようがないが、二十数年間ほってきたその責任というものは、政府に重大な責任がある、こう私は思う。  それから、今日不良器具の部品の取りかえというものを直ちに業者にやらしたらどうか。いま千七百万世帯が使っておるというが、不良器具を全部一斉点検をして早急に取りかえさせる。いま、ガス漏れ報知機というかガス漏れ探知機というものを買いなさい、半ば悪い業者が出てきて押し売りみたいなことをやっている。三千五百円から、いいのは八千円です、こう言う。それで地上二十センチぐらいのところにつけなさいという程度の指導をしておるのですが、そういう押し売り業者が出てくる。なぜこんなことが起きるのか。国家検定したのだから間違いない、こう言われるかもわかりませんが、そういう者が消防庁の名をかたり、通産省の名をかたって押し売り業者が生まれてくるというそういう背景。同時にまた、そういうガス漏れ報知機はガス供給業者が無料で貸与すべきじゃないか。それとも通産省責任を持って無料で配付するか。なぜ消費者がそういうことまで責任を持たなければならぬか、何もかもどろをかぶらなければならないか。その点、通産省消防庁、お答え願いたい。
  49. 鎌田吉郎

    ○鎌田説明員 お答え申し上げます。  ガス漏れ警報機につきましては、先生御指摘のように、なお技術水準の改善に一層努める余地があるわけでございまして、実は本年一月から検討基準の大幅な改善を図っております。  また、一般家庭での設置を容易にするための措置といたしまして、政府関係資金を使いましての融資制度を検討中でございまして、現在財政当局と折衝中でございまして、私どもといたしましては、来年度から融資制度をぜひ実現いたしまして、毎月少額な支払いでどの御家庭でも警報機を設置できる、こういう体制をぜひつくりたい、こういうように考えております。
  50. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 ガスの事故につきましては、一面において使用者にいろいろ過失がある場合もございますけれども、やはり御指摘のようにガス器具自体、あるいはガスボンベからガス器具に至るまでの間のガス漏れというものが非常に大きい事故につながっている事例も相当あるわけでございます。そういう意味におきましては、やはり現在のプロパンガスというものの危険性というものが都市ガスよりも相当大きいということにかんがみまして、私どもとしましては、所管省であります通産省の方におきまして、現在とられている単純なガス検知というような方式以上に、さらにもう少し内容の改善等に当たってその措置をとっていただきたいということを、通産省の方とも寄り寄りこれは御相談申し上げているところでございます
  51. 柴田健治

    柴田(健)分科員 液化ガスの中でプロパンが非常に危険性が高いという性能を持っておることはあなたはいつから知っているのか。通産省はいつごろからそういうことを認識したのですか。
  52. 鎌田吉郎

    ○鎌田説明員 プロパンガスの本格的な普及が始まりましたのは三十年代の後半からでございます。昭和四十三年に、液化ガスの保安の確保に関する法律というのをつくっていただいたわけでございますが、その法律に基づきまして、いま先生御指摘ございましたLPガス器具の検定制度をずっとやってまいっておりまして、現在、こんろ、瞬間湯沸かし器、ふろがま、あるいはストーブ、こういったほとんどの器具につきまして国家検定を実施している状況でございます。また、先ほど先生から御指摘がございましたコックでございますが、コックにつきましても、最近の事故を見ますと元栓をしっかり締めない事故が起きているケースがたくさんある、こういう状況にかんがみまして、コックと申しますか元栓につきまして、ストッパーあるいはロック装置つきのものしかつくって売ってはいかぬということで、近々国家検定の対象にする予定でございまして、現在事務的な作業を進めている段階でございます。またゴムホースにつきましても、規格の改善が必要であるという先生の御指摘は御指摘のとおりでございまして、現在、専門委員会におきまして具体的な規格の改善案を検討中でございまして、これも成案を得次第できるだけ早く実施に移したい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  53. 柴田健治

    柴田(健)分科員 液化ガスの種類の中で一番危険性が高いことはようあなた方は前から知っておって、そして器具の製品をばらばらにやらせたということはもう少し反省してもらわなければ困るのです。いまごろから研究を始めて、国家検定を厳しくして、基準を改定してと言うけれども、いままで器具からくる事故発生で被害をこうむった各家庭は気の毒ですよ。あなた方通産省、補償しなさいよ。そのくらいの責任を感じてもらわなければわれわれは納得できないという気持ちがある。特にこれからそういうガス漏れについて、器具が不備で事故が発生した場合には業者に賠償責任をとらせる、そういう措置をとれるかね。
  54. 鎌田吉郎

    ○鎌田説明員 現在行政指導によりまして、検定の対象品目につきましては生産物賠償保険というものに全メーカーを加入させておりまして、ガス器具の欠陥によりまして事故が発生し、消費者の方に不測の損害をおかけ申し上げた場合には、保険制度を使いまして賠償するこういう体制をとっている次第でございます。
  55. 柴田健治

    柴田(健)分科員 それから、基準ではプロパンにはにおいを入れることになっているんですね。それがにおいがないのが出る。なぜこういうことが起きるかということを聞いてみると、コストが高くなるのでということでちょいちょいごまかす。そういう道が残されておるというのは、法律はあっても、それをチェックする監督の立場にある国なり県というものが人手が足りないし、正直のところそういう機構になっていない。法律はつくられても機構はなっていない。それならこのLPガスの製造元もしくはにおいを添加する作業場は、所轄の消防署に点検させるという法の改正をして権限を委譲したらどうか、こういう気がするのですが、消防庁通産省、お答え願いたい。
  56. 鎌田吉郎

    ○鎌田説明員 現在、私ども法令上の基準によりまして着臭義務を課しているわけでございます。これまでのところ、先生いま御指摘がございましたけれども、着臭が実施されていないというようなことで問題が報告されたケースはないのでございますけれども、私どもといたしましては、所轄の都道府県等を通じまして随時保安検査、立ち入り検査等によってチェックしてまいりたいと考えておる次第でございます。ただ問題は、LPガスの場合は——都市ガスの場合はガス状のガスに着臭剤をまぜるものでございますから非常にまざりがいいわけでありますが、液体の状況にございますガスに着臭剤をまぜるということは若干不均一になるケースがあるわけでございます。その辺につきましてはなお技術開発、研究開発が必要でございまして、実は来年度私ども新しく予算をとりまして、高圧ガス保安協会の中にLPガスの消費者保安センターをつくることにいたしております。そこでそういった技術的な問題の改善、解明に今後十分当たっていく、こういうことで考えておる次第でございます。
  57. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 LPガスの保安対策につきましては、私ども消防側といたしましても非常に重大な関心を持っておる事項でございますので、所管省とも十分打ち合わせ、検討してまいりたいと思います。
  58. 柴田健治

    柴田(健)分科員 私たちは、早急に不良器具等のそういうばらばら行政責任をとってもらうということで、通産省に、一日もゆるがせのできない、事故が起きたらどうなるかということで、予防という立場、事故をどう未然に防ぐか、そういう努力をしているものの立場から物を申し上げているのですから、いつごろまでにそういう不良器具の点検を完了して、いつごろまでに取りかえさせるのか、どうするのかということを具体的にちょっとお答え願いたい。
  59. 鎌田吉郎

    ○鎌田説明員 私どもといたしましては、先生御指摘のとおりとにかくガスを漏らさない、あるいはガスが漏れないように器具の改善を図っていくということが事故防止対策の王道であるというふうに考えておりまして、現在そういう方向で鋭意対策を進めておる段階でございます。特に、セーフティーパイロットと言っておりますけれども、仮に立ち消え等がございました場合でも、もとが自動的に締まりましてガスが外へ出ないという装置が開発されております。こういった現状にかんがみまして、実は本年一月に関係法令改正いたしまして、瞬間湯沸かし器、ふろがま、ストーブ、こういったものにつきましては安全装置の装着を義務づけた次第でございます。これは今後製造し販売されるものに適用されるわけでございまして、近い将来においてそういったものにいま申し上げましたような器具は全部入れかわっていく、こういうことになるわけでございます。また、御家庭の主婦等からのLPのガス器具につきまして苦情が出ました場合には、私どもすぐ実態を調べまして厳重な措置をとっておりまして、たとえば器具に欠陥があったというような場合には、販売業者あるいは製造業者に指示いたしまして、回収、点検をさせるというような措置を適宜とっておる次第でございます。
  60. 柴田健治

    柴田(健)分科員 大臣、いまお聞きのとおりに、油が出るとひしゃくを持っていってすくわなければならぬという現状、ほんにしゃくの種だ、こういうことでみんなすくっておったのですが、ガス漏れについては筆に石けん水をつけて調べて回れ、こういうことをいまの世の中で聞かれたら、あなた、どう感じますか。
  61. 福田一

    福田(一)国務大臣 こういう非常に忙しい時代に一々ひしゃくでこぼれた油をすくうとか、あるいは何か石けん水を毛筆につけて調べて回れなどということはだんだん改めていかなければならぬ問題だと私は思うのでありまして、そこにやはり行政一つの目的がなければならない、そういう合理化ということをもっと考えなければならないと私は思っております。どうするかはまたこれからの課題だろうと思います。
  62. 柴田健治

    柴田(健)分科員 そういう今日のいろいろな防災対策、これは消防庁も本気でやっておられるのですが、たとえばこの間の三菱水島のC重油流出事件についてもいろいろの問題点が浮き彫りにされてきて、いずれ法の改正もしなければならぬだろう、こういうことになる。それと四日市の石油タンクの爆発が起きるということで、消防庁は本気でやっているのだろうか、こういう気がするのですよ。それで、やっています、やっていますということはよく聞くのですが、さてそれならどうだということを言うと、係官がおりませんとこう言う。係官はどこへ行っておるんだと言うと、いや水島へ行っております。いや四日市へ行っております。三人ほどしか専門官はおりませんと言う。こういう状態で全国に大小百六十近くある石油コンビナートの本当の防災対策ができるのだろうか、指導ができるのだろうか、こういう気がするのですが、消防庁の機構を見ると総務課が十五名、消防課が九名、予防課が十二名、防災課十二名、安全救急課十名ということですね。まことにお粗末なものです。こんなお粗末な機構でどこまで本気でやっているんだろうか。そして専門的に、たとえば防災官というかそういう防災管理官的な任務を持って指導しておるんだろうかということを見た場合、本当に危なっかしいというか、どうも本気でやっておるような姿勢でもなし、そういう機構でもなし、そういう人員でもない。この機構を思い切って強化する、人員増加をやったらどうかという気がするのですが、大臣長官、ちょっとお答え願いたい。
  63. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 現在消防庁の中で専門的な技術を持っている職員でございますが、本庁の職員六十六名中十三名が危険物、建築物等の専門技術の人間でございます。ほかに消防研究所に所長以下三十八名の研究職の職員がございまして、現在、本庁と研究所相互に密接な連絡を持って防災行政の執行に当たっているわけでございますが、御指摘のように最近いろいろな事故が発生をし、そしてまた最近の災害が非常に複雑多様化してくるということのために、それに対応する強力な体制づくりが必要であるということは私どもも痛感いたしておるわけでありまして、特に専門技術を持つ技官の増員を毎年お願いをしてきておるところでございます。今年も、新規に採用いたしました職員はすべて技術者でございます。しかし人数的にはまことに微々たるものでございますので、この職員の充実問題というものには私どももさらにできる限りの努力をしてまいりたいというふうに考えております。
  64. 福田一

    福田(一)国務大臣 今後の対策としては、われわれはいま御質問の趣旨等を体して積極的に取り組んで行かなければならない、特に人員の問題等も十分考えていかなければならぬと考えております。
  65. 柴田健治

    柴田(健)分科員 まあ、どこの省の外局も、島流しに遭うたような感じで本気でやるという気が抜けておるのだけれども、特に自治省の外局の消防庁だけは、日本災害防止の総元締めだから、これはもう本気で考えてもらわないといけないと私は思うのですよ。これはぜひお願いしておきたいと思うのです。  それで、今度の石油コンビナートに関連するいろいろな法案改正というもの、たとえば消防法等はすぐに改正しなければならぬだろうし、危険物の規制に関する政令改正しなければならぬだろう。こういう法令改正について、ただ役所サイドでなしに、第一線でいろいろ苦労し、そしてまた消防の方の機関もあるわけです、日本消防協会というものがあるわけですから、そういう機関の専門的な意見をどこまで取り入れて作業をせられるかどうか、そういう意見を聞く姿勢があるのかどうか、それをまず聞いておきたい。
  66. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 水島事故に対応いたしまして、特に消防法関係法令改正ということを私どもも十分意識をいたしまして、すでに第一線の危険物担当の専門官というものの会合を開きましてその意見聴取をいたしますと同時に、コンビナートを持っております各府県の消防防災課、さらににはまた各都市の消防長というものの参集を願いまして、それぞれの意見聴取もすでに行っております。これらの意見もとにいたしましていま消防法令の改正作業を進めておりますし、また、コンビナートの総合防災対策というものにつきましても立法化の措置ということをそれぞれの意見もとにしながらいま取り進めている段階でございます。
  67. 柴田健治

    柴田(健)分科員 役所サイドで物を考えると、現実に現場でどうも食い違いというものが起きていけないのです。そういう点はよくお考えを願いたい、こう思います。  次に、消防団の予算の編成について、交付税の算定基礎、まあ時間がございませんから細かいことは申し上げませんけれども、特に出動費の算定、今度の新年度の交付税で年六回、一回二千円という、これをもう少し大幅に上げたらどうか、こういう気持ちを持っておるわけですが、この点についての今後の考え方を聞いておきたい、こう思います。
  68. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 出動手当の交付税の算定は、ただいま述べられたとおりでございます。ただ、現実の問題といたしまして、各市町村が支払っております出動手当というものが、交付税の算定基準と比べますと現実の数字が非常に低い状況にございます。まずこの辺の市町村における出動手当の額の引き上げということを行いまして、これによって消防団員の処遇の改善というものを現実的なものにしていきたいということから、私どもも、交付税法の作業が終わりますと同時に、こうした市町村条例の関係についての指導を各府県を通じてよろしくお願いいたすような措置をとったところでございます。
  69. 柴田健治

    柴田(健)分科員 もう時間がございませんからもう一点だけ聞いておきたいのですが、行政局長が見えておるが、市町村広域行政という形、そして昭和二十七年から町村合併を各地でやって、一万三千数百あった全国の町村がいま三千ほどになりましたが、しかし、規模拡大はしたけれども行政の円滑化、円満、そして住民のサービス、総合的に考えてどうも近ごろ十分いってないという感じがするわけです。特に、私たちの住んでいる近くに、町長選挙が済んでもまだ助役も収入役も監査委員も決まっていない、けんかばかりしているという町村を見たら、もう話にならぬ。先般も和歌山で選挙管理委員長がああいうことをやった。町村はごだという気がするわけですね。民主政治の基盤である地方自治体の行政というものがもう少し何とかならないと、よくならないと、日本はよくならぬという気がするわけですが、局長の立場で、そういう紛争が起きておる町村の実態というものはどういう形で把握し、どういう形でその指導をしておるのか、見解を聞いておきたい、こう思います。
  70. 林忠雄

    ○林政府委員 御指摘のような事態が間々ございますし、あるいは選挙管理委員長がもう考えられないことをするというようなこともございまして、これに対する指導というのは特に具体的なやり方に大変悩んでおる次第ではございます。ただ、三千幾つ町村がございまして、いま御指摘のように広域行政の必要性から町村合併もいたしました。合併した後えてして旧町村地域同士の感情のしこりというものもしばらく残っておるという事態も確かにあると思いますが、これらは結局時間をかけて解決をする以外に手はございませんし、現実には町村合併が実施されましてから十数年、二十年近くになんなんとしておりますので、それもほぼ全般的には解消したとも言えるわけでございますが、それなりに大きい町村においての町村の当局者の行政姿勢といいますか自覚という問題がやっぱり大切になってまいるわけでございます。  いま御質問のありました紛争のある町村の実態ということ、これは私の方でなかなか詳細には確保できませんものでございますので、直接的な第一次的な指導と申しますか、そういうものは都道府県の地方課というところにお願いしておりまして、地方課から、具体的な紛争が起こった場合、できるだけ早く手を打ち、その調停をするというか正しい指導をするということを強くお願いもしておりますし、手に余るむずかしい問題について、たとえば法律的な問題とか技術的な問題について私の方へ御相談を受けアドバイスをすること、これもしばしばございますけれども、直接の第一線の指導の地方課というものの強化をそれぞれの府県を通じてお願いをしておる、そういう形で、特効薬はございませんけれども、逐次町村行政の自覚を高め、その内容を充実させていくという方向に今後とも心がけてまいろうと考えておる次第でございます。
  71. 野田卯一

    野田主査 これにて柴田健治君の質疑は終了いたしました。  次は、林百郎君。
  72. 林百郎

    ○林(百)分科員 私は、自治体病院の財政の問題について質問したいと思います。  自治体病院というのは地域の住民の生命と健康にとっては非常に重要な役割りを果たしておりますし、しかも公共的な性格を持っておりますので、これには十分国としても配慮をしなければならないことは言うまでもないと思います。  そこで、四十九年度においてとられております自治体病院の不十分ながらも財政的な国の援助政策としての不良債務に対する特例債の問題についてでありますが、これを見ますと、特例債は五百六十九億円のうち三十億が公庫資金であとは縁故資金になっているわけですね。長野県の例も調べてみましたら、長野県で許可された特例債の予定額が十三億五百七十万ですが、そのうち公庫資金は三千百万円くらい、正確に言いますと三千百三十万、縁故資金が十二億七千四百四十万。利子が大分違ってきますね。言うまでもなく公庫資金ですと約八・九%程度で済みますか、縁故債になりますと、これも私自分の郷里の方を調べてみたのですが、岡谷市に市立病院がありますが、この縁故債の利率が九・三%それから上伊那の昭和伊南病院というのがありますが、ここも九・三%ですから、八・九%と九・三%の利率の違いというのは自治体病院にとっては相当の負担になりますが、これを何とかして公庫債で全部引き受ける、あるいは公庫債で引き受けられない場合は公庫債を超える利率については国がこれを見てやるとか、こういう手段がとれないかどうか、まず最初にそれをお聞きしたいと思うのです。
  73. 松浦功

    松浦政府委員 これまでも再建債につきましては原則として縁故というのがたてまえでございます。交通もさようでございます。病院につきましては、本当にへんぴな町村の小さな規模の団体において赤字が相当たまっているという実情がございます。こういうところに縁故を割りつけましても、なかなか銀行の方が信用して貸さない、こういう一面がございますために、こういう問題を除却することを前提において、わずかではございますが、三十億の公庫資金をやっと認めてもらった、こういう形でございます。全体について公庫資金を持ち込むということは、現在のところ考えておりません。
  74. 林百郎

    ○林(百)分科員 なかなか松浦局長渋い答弁をなさるのですが、大臣、どうですか、政治的に考えて、自治体病院の公共性というようなことを考えますと、やはり公庫資金をなるべくこちらへ回すように、仮に全額でないにしても、そして見てやる必要があるのではないかというように思うわけですが、この赤字の推移を見ましても、四十七年と四十八年を比べますと、四十七年には単年度欠損金額が百九十九億円だったのが、四十八年は四百三十六億になるのですね。累積金額を見ますと、六百九十四億円が千五十億円になっているわけですね。単年度欠損金額は四十七年度、四十八年度比一一八・九%増、累積欠損金額が五一・二%増なんですね。  自治体病院は、大臣も御承知のとおり、これはもう民間の営利的な医療業務と違って差額ベッドもそう取るわけにはいきませんし、そうかといって地域住民の要望にこたえるためには相当の施設も完備しなければなりません。相当金が要るわけですな。だからなるべくこの資金を公庫資金で見るような方向福田自治大臣の時期に努力されるようなそういう意欲はありませんか。局長は渋い方で有名ですから、局長でなくて、大臣、政治的にどうですか。
  75. 松浦功

    松浦政府委員 先生御承知のように、公営企業金融公庫は建設面の資金引き受けとういことがたてまえなものですから、これはもう本当に例外的にどうにもならないのでお願いをしたわけでございますので、その辺のところはひとつ御了解をいただきたいというように思います。
  76. 林百郎

    ○林(百)分科員 それじゃ大臣、もしそうでしたら、利息を何とか見てやる、この公庫資金を超えるような、いま言った八・九%と九・三%の違いですね、それを何とか見てやるとか、建設も大事ですけれども、人間の健康、ことに医療に恵まれない僻地の住民の健康と生命は大事ですから、公庫資金は建設の方が主だから医療の方へは回せませんというのは、これもちょっと冷たい答弁だと思いますが、大臣の政治的な意向はどうでしょうか。松浦さんのは大体決まっているから、大臣の答弁、政治的な意欲としてはどうお考えですか。
  77. 福田一

    福田(一)国務大臣 まあお気持ちはよくわかるわけで、みんなのために、また過疎地域の人たちのためにできるだけ便益を図るというか福祉行政をやっていくという意味から言うと、おっしゃるとおりですが、今後も検討を続けさせていただきたいと思います。
  78. 林百郎

    ○林(百)分科員 まあ検討にも後ろ向きと前向きとありますから、ひとつ前向きな検討をされるように希望しておきます。  それから次に、特例債の元金の償還の時期に五十年度から入っておりますね。これは御承知のとおり公営交通では二五%は交付税交付金で見るようになっておりますが、この元金償還は交付税交付金で見てやるような考えはありませんか。率は全国自治体病院では五〇%見てもらいたいと言っていますけれども、それはそれとして、少なくとも公営交通企業程度のものは見てやるというような意向はございませんか。
  79. 松浦功

    松浦政府委員 先生の御発言でございますので、その方向検討します。
  80. 林百郎

    ○林(百)分科員 珍しく……。そのとおりされるわけですか。パーセントはどのくらい。
  81. 松浦功

    松浦政府委員 率の問題は別にいたしまして、交付税で見るようにいたしたい。私どもとしてはやはり交通との関連を考えなければいけないと思っておりますが、ともかく交付税で措置するということについてはお約束できると思います。
  82. 林百郎

    ○林(百)分科員 松浦財政局長にしては珍しく前向きの答弁を得たわけですが、ぜひひとつ御努力を願いたいと思います。  それから四十九年度、ことし恐らくまた不良債務が生ずると思いますけれども、これはやはり特例債の枠の中へ組み込むようにしますか。これはしばらく様子を見るということにするのでしょうか。これはやはり特例債の中へ組み込んでやるべきだと思いますが、どうでございますか。
  83. 松浦功

    松浦政府委員 たな上げ措置は、これは法律に基づかずに病院は財政措置としてやったわけでございます。これを繰り返しましても決して根本的な解決にはならないわけでございます。したがって、私どもとしては四十九年度に出た単年度の赤字を直ちに繰り入れるという考えをいま持っておりません。ただ、実情がどうなるのかということをもう少し見きわめてからどうするかの結論を出したい。特に診療報酬どの関係が非常に大きな問題になってまいるわけでございます。その辺のところの状況を見ながら検討を進めてまいりたい、こう考えております。
  84. 林百郎

    ○林(百)分科員 自治体病院で重大な問題は、自治省が窓口にはなっていますが、やはりこの診療報酬の問題が非常に問題なんですよ。これが低いために、たとえば看護婦さんを一人持っておりますと、医療費の基準看護料は十七万円ですが、これが原価というか、もともと十七万五千円かかる。それに衣服だとか宿舎料等を含めますと二十二万五千円もかかるのですよ。だから、看護婦さん一人置いておくためには五万円の赤字が出るようになっているわけですよ。さっき松浦財政局長が、不良債を特例債の中へ組み込んでも根本的に解決できない、医療費の問題が根本になるから、というようなことも話がありましたけれども、こういう点について、国公立病院特に公立病院、自治体病院についてのこういう基準の医療費あるいは基準看護料が低いために自治体が財政的に負担をしているものについての何らかの考慮というものはないのでしょうか、してやるということは。そこが解決しませんと、毎年毎年自治体病院の不良債務が出てきちゃうわけなんですよ。これはやはり医療費の問題なんですね。保険料の問題が根本的にあるわけなんです。それを解決してやりませんと、やはり地域で公共的な非常に重要な任務を持っている自治体病院が赤字赤字で苦しめられているわけです。それを何とか解決する考えはありませんか。
  85. 黒木武弘

    ○黒木説明員 自治体病院の経営を圧迫している主たる要因が先生御指摘のように人件費等であろうかと思います。その中で、やはり看護婦さんの人件費等をどうするかということでございます。これについては、私どもはやはり病院の経営は診療報酬で賄われるたてまえであるということの考えから、まず社会保険診療報酬を適正化する必要があるということの考えに立ちまして、昨年は御承知のように年二回の診療報酬の引き上げを行ったわけでございまして、その中で基準看護につきましては特二類といった格段の措置を講ずるとともに、病院入院部門あるいは看護料部門の引き上げを中心に措置したわけでございます。私ども考え方としては、そういった社会保険診療報酬で賄うべき原則のもとに、しかしそれでも賄えない分野がある、と申しますのは、救急だとか不採算地区だとかあるいはそういったいろいろな意味での高度あるいは不採算医療については、どうしてもやはり社会保険診療報酬で賄えないだろう、したがって、そういう医療を担当される病院については、公的財政援助の措置を講じたいということで努力しているわけでございまして、一般的に、そういった看護婦さんの人件費とか、そういうものについて助成を講ずる道は非常にむずかしいと私どもは思っております。これはやはり社会保険診療報酬の方で解決すべきものである。しかし、そうではなくて、特殊な医療を手がけられているその部分についての赤字要因あるいは経営の圧迫要因については、財政援助の措置を強化することによって対処しようというふうに考えております。
  86. 林百郎

    ○林(百)分科員 大体わかりました。厚生省が努力しておる方向がわかりましたが、医療問題については私も余り玄人じゃありませんので……。  自治体病院に関する限りの特殊な医療部門で、何とか将来援助の方向を考えていく、具体的に考えていくというのはどういう問題が出ているわけですか。いま救急医療の問題あるいは僻地医療の問題がありましたね。こういうような部門、そのほかどんなものがありますか。
  87. 黒木武弘

    ○黒木説明員 不採算医療はどういうものが考えられるかという御質問だと思いますけれども、私どもとしては、患者さんが非常に少ないということの不採算要因ということに着目しまして、まず入院患者あるいは外来患者のどうしても少ない地域で経営をなさっている病院、つまり不採算地区病院ですね、これについては、やはりどうしても不採算要因だと考えますので、四十九年度の予算から助成の道を講じたということでございます。  それから次は、救急医療であろうと思います。これはどうしても、医師、看護婦等の待機あるいは救急患者のための優先的なベッドを確保する必要がございますので不採算になってくるということで、今年度から救急について助成の道を講じたところでございます。  その他、看護婦養成事業についても、これは当然のことながら医療費収入で賄うべき筋合いでございませんので、運営費の助成を行うことにいたしたわけでございます。  その他、不採算医療というものは診療費がらみでいろいろ考えられるわけでございますが、たとえばがん診療といったものは非常に高度な設備を要するというようなことで、その辺が経営の圧迫の原因にもなろうかと思います。そういった意味で、不採算医療と申しますものは、社会保険診療報酬のあり方と絡みまして出てくる問題もありますし、いろいろ地域的特性その他によって出てくる問題もございますけれども、今後そういうものをいろいろな経営の実態と比較しながら検討し、そういった不採算病院については財政援助の道を検討し、努力していきたい、こういうふうに思っております。
  88. 林百郎

    ○林(百)分科員 非常に結構だと思います。そういう方向をぜひ進めていただきたいと思います。  私は、実は質問で準備してきたのですが、これは自治省、厚生省、両方にお聞きしたいのですが、やはり自治体病院で地域の住民の期待にこたえるためにいろいろな機械を入れなければいけないというので、その機械の費用が莫大なものがあるのですね。たとえばリニアックというような機械は五千七百万円、コバルト60遠離照射装置が七百十万円から三千万円ぐらいのものがある。ベータトロンは三千万円から六千八百万円、テレビレントゲンで二千三百万円ぐらい、こういうようなものを入れませんと近代医学として地域住民の健康を保障することができない。ところが、こういうものを入れるということになりますとこれは大変でございまして、こういう設備投資とか重要な機械を入れる場合には何とか国が一定の補助をしてやるという制度をひとつ確立してやる必要があるのじゃないかと思いますが、そういう特殊な機械で、しかもその病院になくてはならないという客観的な条件がある場合、その機械を入れる場合に、それに対する国庫補助の方法、これが考えられないかどうか。いま一部、厚生省の方からそれのような方向への答弁がありましたけれども、これは自治省と厚生省と両方へお尋ねしたいと思います。
  89. 松浦功

    松浦政府委員 私ども自治省といたしましては、こういう機械が本当に必要なところについては補助金を出していただくようにお願いをいたしておるところでございますが、当省としては直接大蔵省とかけ合うわけにはまいりません。ただ、私どもの方といたしましては、仮に国庫補助金がつかないでも、どうしても必要だというものであれば地方債を認めます。地方債の償還については、これは公営企業法で一般会計から繰り入れすることも許されておりますので、そういうたてまえで、できるだけ地方団体の御要望に沿いたいという気持ちでおります。  ただ、私どもとしては非常に注意しなければいけないと思うのでございますが、日本全国の公立病院が争っていい機械を入れる競争をしてしまって、それの稼働が十分でないということになることを、また非常に恐れておるわけでございます。その辺のところは、私ども技術的にわかりませんので、やはりどういうところにどういう形になるかは、これは厚生省の方で御判断をしてそういった御措置をとっていただくということが望ましいのじゃないか、こう考えております。
  90. 黒木武弘

    ○黒木説明員 先生御指摘のようなリニアックとかベータトロンとかいったような機械は大変高価でございます。私ども考え方といたしましては、そういった高度な診療機能に要する設備につきましては、いま財政局長から御答弁がありましたように、どの病院でもそういうものを持つということが必ずしも適当かどうかというような判断もございまして、広域市町村圏ごとに、たとえばがん診療のセンターをつくる、あるいは救急のセンターをつくるといったような形で整備を進めているわけでございます。そういう意味で、従来からがん診療施設あるいは救急診療施設あるいは小児だとかいったような特殊な専門的な機能に基づく病院を、広域ごとに、あるいは県ごとに診療圏を一応設定しまして施設整備に努めておるわけでございますが、大変高価な機械も出てまいっておりますので、現在の補助額なり、あるいは補助の基本額で必ずしもカバーできない面もあるわけでございますが、一応私どもが補助対象にいたしております機械の中には、こういったリニアックとかベータトロンとか有線テレビだとか、そういうものも含めて補助対象にいたしておるわけでございます。
  91. 林百郎

    ○林(百)分科員 補助率はどのくらいになっていますか。
  92. 黒木武弘

    ○黒木説明員 三分の一でございます。
  93. 林百郎

    ○林(百)分科員 松浦さん、厚生省の方では、いま私の言ったような機械について三分の一の補助を認めておる。しかし、あなたが心配されているように、効率が十分発揮できないのに高価な機械を入れるということについては、若干やはり技術的な配慮を厚生省からも指導してもらいたい、それはわからないことでもないです。しかし、医者の良心から言いますと、やはり近代的な機械でその地域の人たちの健康を守ってやりたいという気持ちも、これまた無理からぬところがあると思うのですね。  そこで、その三分の一の補助金以外のものについて、さっき松浦さんの言うように起債を認めてやる方針だということですか。そう聞いておいていいのですか。
  94. 松浦功

    松浦政府委員 これは先生御指摘のように、三分の一補助が出れば、残りの負担分については地方債を認めます。しかも、これだけはおほめいただけると思いますが、全部政府資金でもってやっております。
  95. 林百郎

    ○林(百)分科員 その点に限ってはなかなかよろしいと思います。  それから、自治大臣もお忙しいようですから、最後に、私、ちょっと専門の方に聞いたのですが、沖繩の自治体病院は大変なので、これは何か特別な手だてが必要ではないかという意見がありますので、これは何か自治省と厚生省でお考えになっているのか。とりあえず沖繩の東京事務所へ聞きましたら、沖繩の自治体病院数は、自治体病院が五カ所で精神病院が一つだそうですか、これはアメリカ的な医療制度がまだずっと残っておるものですから、アメリカ的な医療制度というのは余り薬をやらなくて、医者の技術で治療をするという方法だそうだものですから、日本のいまの健康保険制度による収益に余りなじまないような制度がずっと残っておるわけなんですね。そういうようなことからも出てくることかと思いますが、医療収益に対して人件費が一〇〇%ということになっている。要するに医者の技術で病気に対していくということが重点のようですね。そういうアメリカ的な医療制度が残っておるということからも出てくると思いますが、沖繩県の東京事務所に聞きましたら、四十八年の単年度欠損金が七億七千六百六十一万円、累積欠損金十三億三千九百九十七万円、不良債務がそのうち五億七千三百十三万円、昭和四十九年度決算見込みだと、単年度欠損金八億八千九百四十七万円で、累積欠損金は二十二億二千九百四十四万円になるというのですね。これは、交付税でも沖繩については暫定的に特別な措置をしているわけなんですけれども、この自治体病院、ことに沖繩のように開業医も少ないところですし、それから、たしかあそこには医科大学もないように私認識しているのですが、そういう沖繩の自治体病院に対する特別な配慮をする必要があるんじゃないかと思いますが、これに対して自治省と厚生省の答弁を求めたいと思います。
  96. 山本成美

    山本(成)政府委員 沖繩県立の病院についてのお尋ねでございますが、御承知のように、沖繩県下におきましては、公立病院としては県立病院しかございません。この県立病院をどういうふうにしていくかということが、いま御指摘の中にもありましたように、地域住民に非常に重大な影響を及ぼしますので、われわれとしては非常に関心を持っております。  ただ、沖繩県下の公立病院につきましては、御承知のように、補助金等におきまして厚生省の方で高率な補助をいたしますとか特別な優遇をいたしております。そして、先ほど建設につきましては局長からお話がありましたように、内地におきますと同様援助をいたしておるわけでございます。  そこで、四十九年度がお説のようになりますかどうか、まだ私どもとしては収支の見込みが立っておりませんけれども、起債、さらには交付税措置の上で十分な配慮はいたしておるつもりでございます。
  97. 黒木武弘

    ○黒木説明員 沖繩県に対します私どもの補助につきましては、主として建物関係につきましては沖繩開発庁に一括計上されておるわけでございますが、四分の三という高額な補助率で施設の整備につきまして補助いたしております。  それから、器材については、これは私どもが計上いたしておりますが、同様に四分の三という高率な補助率をもって助成をいたしておるわけでございます。さらに、本土でございますと、特殊ながんとか救急とか、先ほど申しましたような特殊な医療に対します助成の道しかないわけでございますが、沖繩につきましては、ベッドだとか一般的な機械についても補助対象に広く認めておるわけでございまして、そういった形で、本土以上に補助額あるいは補助対象を拡大いたしておりまして、それによってやっていく。さらに、沖繩の医師不足の状況等にかんがみまして、医師の派遣等もやっておるわけでございまして、そういった意味では、本土に比べましたら沖繩県に対してはかなりの補助をやっておるという現状だと思います。
  98. 林百郎

    ○林(百)分科員 大臣、大事なことですから、実は沖繩は厚生省としても特別な配慮をしておると言うのですけれども、単年度欠損金が四十九年度は四十八年度よりまた一億ぐらい多いものが出てくる。それから累積欠損金も二十二億ぐらいになるというので、これは何か特別な配慮、自治省としても交付税か起債か何かで見てやる必要があると思うのですよ。厚生省の方も一歩進めて考えてもらう必要があると思います。その点をどうお考えになるか。  それから地域の、ことに長野県のような山村地域の多いところに持っておる自治体病院の公共的な役割りに対して、財政的な赤字を解消するために自治大臣はどういう姿勢を持っておられるか、それを最後に三木内閣を代表して自治大臣から答弁を求めて、私の質問を終わります。ことに沖繩の問題を前向きにしていただきたいと思います。
  99. 福田一

    福田(一)国務大臣 沖繩の赤字の問題につきましては、まだいろいろ事情があることと私思いますが、その内容をよく見きわめて、必要なものがあればまためんどう見るということでなければならないと思っております。  それから、病院の経営の問題、特に地方病院の経営の問題、これもまたいろいろな問題点がございます。そこへ通ってくるというか来られる患者の数が非常に少ない場合とか、あるいはまた人件費等が不当に高いものがある場合とか、それも私いろいろ原因があると思うのです。これらをよく見て、そしてそれに応じて、われわれとしては医療行政というものをできるだけ地方の実情に沿ってやっていかなければならぬという問題があるのですから、その面に即応できるような方法を今後も検討をしてまいりたい、かように考えます。
  100. 松浦功

    松浦政府委員 沖繩の問題につきましては、先生御指摘のように沖繩臨特もまだあるわけでございますので、配分に当たりましては本土とは考え方を異にしてやっております。ただ、非常に遺憾なことでございますが、去年からことしにかけまして非常に極端な一斉昇短などを行っておられるようでございます。こういうことをしていただきますと、何ぼこちらから金を流してもなお足りないようになります。その辺を私どもうるさく言ってまいりたいと思いますけれども、基本的には、沖繩臨特がある間は沖繩は内地とは別扱いにしていくというつもりで、先生の御趣旨に沿うようにしてまいりたいと思います。
  101. 野田卯一

    野田主査 これにて林百郎君の質疑は終了いたしました。  次に、北側義一君。
  102. 北側義一

    北側分科員 大阪とか東京、このような大都出の周辺の人口急増地帯、こういうところでは、各自治体におきまして宅地化の進展による人口の増加、また上下水道、学校、保育所等の公共施設の負担が非常に大きくなりまして、地方財政を圧迫しておるわけです。そこで地方自治体では、宅地開発及び住宅建設で、それぞれ名称は違いますが、開発協力金を徴収しておるのが実態であります。  この開発協力費の内容につきましては、各地方自治体でそれぞれ取り決めておるわけでありますが、たとえば適用対象が千平米とか建物の高さとかいろいろあるわけです。また協力金の内容につきましても一個百二十万、百三十万、また四十万等いろいろばらばらになっておるわけです。このように開発協力費適用対象が非常にばらばらになっておるわけであります。地方自治体の財政的悪化によってこのような開発協力金を取っておる、このことはよくわかるわけでありますが、自治省としてはこの問題につきまして一体どのようなお考えを持っておられるのか、まずそれをお伺いしたいと思います。
  103. 松浦功

    松浦政府委員 地方公共団体が住宅団地等の建設に伴いまして、小中学校あるいは保育所等、その他関連公共施設の整備に要する経費、こういったものにつきまして、開発事業者にその一部を負担させて、結局はでき上がった住宅にその価格を転嫁するというような形をとっておるようでございますが、現在のような事情のもとでは、私どもとしてはやむを得ないことではないかという気持ちを持っております。
  104. 北側義一

    北側分科員 やむを得ないということはよくわかるわけですが、その場所によりまして適用対象が違ったり、協力金の内容が違ったり、このようなばらばらの制度をそのまま国が放置しておいていいか悪いか、そこを聞いているわけです。
  105. 松浦功

    松浦政府委員 お説のようにいろいろ団体によって態様が違うものでございますから、開発者負担金の取り方についても、方法あるいは額、もう本当にてんでんばらばらでございます。そういったものはあくまでそれぞれの実態あるいは地方公共団体の特殊事情から出ておるものでございますので、私どもとしてはこれを統一することを非常に望んでおりまするけれども、現実にどう統一するかということになるときわめて困難でございます。私ども関係各省との間で寄り寄り検討を急いでおるのでございますが、なかなかいい結論が出てこないというのが偽らざる実情でございます。御指摘をいただきましたように、できるだけ統一ができるように何らかの結論を得たいと思っております。今後も検討を重ねてまいりたいと思っております。
  106. 北側義一

    北側分科員 これはやはり、たとえば宅地開発をして住宅建設をする、その住宅を購入なさる方に全部その負担が行くわけなんですね。それが市町村でばらばらということ自身に対して、やはり国として明確な一つの何らかの制度というものをとるべきではないかというのが私の考え方なんです。そうしなければ、その自治体によって全部変わってくるわけですね。たとえば地方財政法の第二十七条の四に「市町村は、法令の規定に基づき当該市町村の負担に属するものとされている経費で政令で定めるものについて、住民に対し、直接であると間接であるとを問わず、その負担を転嫁してはならない。」このようにあるんですね。その政令とは地方財政法の施行令第十六条の三の二号で、「市町村立の小学校及び中学校の建物の維持及び修繕に要する経費」と、こうあるんですね。そうしますと、これとの関係はどうなるのか、こういう問題が起こってくるわけですね。その点、どのようにお考えになりますか。
  107. 野田卯一

    野田主査 政府側の答弁、時間の関係もありますので簡潔に願います。
  108. 松浦功

    松浦政府委員 十六条の三規定は、維持、修繕はいけないと書いてございますが、建物についてはいけないとは書いてございませんので、法令的には問題ございません。そういう意味では、趣旨としてはいささか問題があろうかと存じます。
  109. 北側義一

    北側分科員 結局、これは政令部分で「市町村立の小学校及び中学校の建物の維持及び修繕」、こうなっておりますが、中学校の校庭の用地、小学校の校庭の用地も含まれておるんですね、その開発協力金の中には。これは大阪で行われている実態です。明確にこの中に入っております。そうしますと、いわゆる自治省ではそういう地方財政法の違反になるかもわからないという疑義があるにもかかわらずそれを放置しておる、こうなるんですよ。そこで私、申し上げておるわけです。こういうばらばらの問題をやはり国の責任においてやるべきではないか。これは、もちろん根本的にずっと掘り下げていきますといろいろな問題があります。地方行財政の問題、そこまでメスを入れなければならない。そういう問題になるかもわかりませんが、だからといって、このまま放置するのは国の責任が、余りにも無責任ではないか、私はこう言っているわけなんです。これはある法制局の人に聞きますと、違反だと言っていますよ。
  110. 石原公道

    石原説明員 法律解釈の問題といたしましては、地方財政法で直接規制しておりますのは、小中学校の建物の維持及び修繕に要する経費あるいは市町村の職員の経費、こういったものを規制しておりまして、法律解釈上は、開発者負担金として取られております用地の提供の経費でありますとかあるいは建設費そのものは該当しておりません。ただ、地方財政法の基本的な考え方としては、本来地方公共団体が設置すべき公の施設、行政施設等については、行政費でこれを賄うのが原則でありますから、開発者負担金、法的にはこれは任意の寄付金の性格を持つと思いますけれども、かような形で負担がなされるということは望ましいことではないというように考えております。
  111. 北側義一

    北側分科員 そのようにやはり疑義があるわけですよ。ある以上はやはり明確にひとつ制度化すべきものではないかというのが私の考え方なんです。そうしなければ——何も全部地方自治体がそういうことをやっちゃいけないと私は言っているんじゃないのです。その制度がばらばらで、しかもそれは全部マイホームを購入する人に負担がかかっていくのです。だから、そういうものについては国が明確に一つの線というものを引かなければならないのじゃないか、それを私、言っているわけなんです。自治大臣、どうでしょう、この問題について早急にやられる御意向はありますか。
  112. 福田一

    福田(一)国務大臣 お説のような問題点がございますので、統一したいとは考えますが、種類が非常にに千差万別であることは御承知のとおり。まあ工夫をいたさなければならないかと考えております。
  113. 北側義一

    北側分科員 早急に検討していただきたいと思うのです。  次に、地方自治体は財政が非常に硬直化しまして財源不足に悩んでおるわけです。そこでいろいろな新税構想というのが生まれておるわけです。  たとえば先日、熱海市では、別荘マンション建設が非常に多くて、それに対する公共施設整備に追われまして、いわゆる上下水道とかまた道路整備、ごみ処理等々、これらにつきまして熱海市が、特にこういう観光地の別荘マンションにも応分の負担として、法定外普通税としてマンション税の創設を自治省に申請する、このようなことが言われておったわけでありますが、これらに対してどのようなお考えを持っておられるのか。
  114. 首藤堯

    ○首藤政府委員 御指摘のとおり、最近、地方財政は大変財源が枯渇をいたしておりますので、法定外普通税につきましての発掘と申しますか、それについて努力が重ねられておるのは御指摘のとおりでございます。ただいまございます法定外普通税は、商品切手発行税とか砂利採取税とかいったような市町村税で多うございまして、四十七市町村ほどが約四十三億くらいの徴収をいたしております。  この法定外普通税は税法にも規定がございますように、税収入を確保できる税源があって、それから明らかに必要だと思われる財政需要がある、こういう場合には起こしていいことになっておりまして、その場合に自治大臣が許可をいたしますが、ただ、許可ができないケースは、国税や他の地方税と課税標準を同じくして非常に住民の負担が著しく過大になる、つまり二重課税になるといったようなこと、それから第二点は、物の流通に非常に大きな障害を及ぼすというケース、流通関係でございます。それから三番目は、国の施策上著しく違う。こういうケース以外には、やはり実態を見て許可をしてしかるべきではないか、このように考えておるわけでございます。したがいまして、当該団体の財政事情のあり方、それからその発掘されます新税の適正、こういうものを十分考えながら、私どもとしても積極的にこれは許可をしていきたいと思っております。
  115. 北側義一

    北側分科員 たとえば観光地なんかは、こういう熱海市の例とよく似た例が非常に多いわけです。これは別に熱海だけに限ったことじゃありませんで、白浜におきましても、観光地においてはこういう別荘マンションの建設が非常に多いわけです。考えてみると、こういう問題につきまして、やはり関連公共施設の整備というものに非常に金がかかるわけです。そういう点で、そういう問題をとらえた場合の答えとしてはどうなんですか。
  116. 首藤堯

    ○首藤政府委員 御指摘のマンション税につきましては、まだ正式に申請が出てまいっておりませんが、申請が出てまいりますならば、もちろん県とも十分相談をいたしまして、私どもとしては積極的に考えていきたい、こう思っております。
  117. 北側義一

    北側分科員 同じように、高速道路の高架下、こういう場合も非常に問題にされておるわけなんです。たとえばいわゆる高速道路の目的以外に高架下が使用されている例が随所に見られるわけですね。そういう場合にこれに対する固定資産税の課税、こういうものについてはどうなんでしょうか。
  118. 首藤堯

    ○首藤政府委員 固定資産税は公の用に供します道路そのものには賦課できない、こういうことに相なっておりますが、ただいま御指摘のように高架道路等でありましてその下が倉庫そのほかに使われておる、こういったようなケースにあっては、ケースに応じまして課税をすることはもちろん可能であると考えております。実態に応じて措置をすべきものであろうと思います。
  119. 北側義一

    北側分科員 そういう場合は、各地方自治体から申請があって初めてそういう課税するとかしないとかいうことをやられるのか、それとも初めに規定なさっておられるのですか。
  120. 首藤堯

    ○首藤政府委員 ただいまの固定資産税の課税問題は、これは法的に規制があって私どもでどうこうするというものではございません。地方団体で適正だと認めれば課税ができるわけでございます。もちろん法解釈上違法に当たるというケースがございますれば、こちらもいろいろ指示をしなければなりませんが、そうでない限りは地方団体限りでできます。
  121. 北側義一

    北側分科員 それから、これはいま自治省大蔵省等で非常にもんでおられる問題じゃないかと思うのですが、国の直轄事業または補助事業、こういうことに使う用地を地方自治団体が先行取得しておるわけです。国は自治体が支払った用地の取得価格と利子九%の合計額を支払うことになっておりますが、しかし大蔵、自治両省の協定によりまして国の買い取り額は時価を限度とする、このようになっているらしいのですね。ところが最近御存じのとおり、インフレ抑制のための総需要抑制で金融の引き締めが行われまして、またあわせて国土利用計画法等の施行、こういうことで地価が、先般の地価公示価格でも発表になりましたとおり、全国的にかなり下がってきておるわけです。そうしますと、早く先行買収した土地はいいんですが、近年に地方自治体が先行取得した土地になりますと、地価の一番高値の場合はいいのですが、そのように低い場合にはその差額分、すなわち値下がりした分だけが先行取得した地方自治体の損失になる、このようなことが言われておるわけです。これは私自身考えてみましても、国の仕事をするのに先行買収して、そうして地価が安くなったからその差額分全部地方自治体が持つというんじゃ、これは少し通らぬのじゃないか、こういう考え方を私持っておるのですが、それに対する考え方及び一体、現状はどのようになっておるのか、それをお伺いしたいと思います。
  122. 松浦功

    松浦政府委員 御指摘の問題は当省としてもきわめて重要な問題だと思っております。国の直轄事業や補助事業、こういったものの用に供するためにあらかじめ取得をし、しかもそれについては関係省の了解を得てやっておる、こういうもの、もちろん了解を得ないで勝手にやっておるものは地方団体のリスクで、これはやむを得ないと思います。こういうものについては、私は、いかなることがあろうとも地方団体が支出しないで済むようにしなければいけないと思います。これは全く政府責任に相なるかと思います。大蔵省の方もおいでになりますが、これはとことんまで、どんなことがあっても、大蔵省とけんかをしても私どもはこのたてまえだけは守り通さなければいけない、自治省としてはそういうかたい決意を持っております。したがって当省といたしましては、大蔵省との協定の破棄をすでに通告をいたしております。建設省に対しても、それを前提にして建設省から出している通達を直してほしいということを申し上げております。いろいろそのほかに事務的なやりとりがまだございますけれども結論的に、値下がりをしたために損をするという団体がまだ幸いなことに出てきておらないわけであります。そのうちに始末をいたしませんと、現実にこれだけ負担しなければならないという団体が出てきた場合には、これは大きな政治問題になろうかと思います。私どもとしてはそういうことのないように、できるだけ早くこの協定自身というものを改めるということの必要があると考えております。その方向に努力をいたします。
  123. 北側義一

    北側分科員 総需要抑制が緩和された地価の高騰は絶対に避けなければならない、私たちはこういうことでやっておるわけでありますが、この四月程度のめどを見まして、かなり下がるのじゃないかという声も聞くわけです、専門家意見によりますと。そういう点から、やはり五十年近くになって先行買収した用地等がこれに問題になってくるのじゃないかと思うのですが、そこらはないのでしょうか。
  124. 松浦功

    松浦政府委員 これは長いものになると二、三年先の問題がございますので、私ども詳細には調べておりませんが、金額的には相当大きな金額の土地を抱え込んでおるようでございます。古いものでは恐らく四十八年度に買収したものもあるのじゃないかと思います。そうなりますと、具体的な問題としては地価公示法との関係からいって、あるいは国土法、そういったものの適用関係からいってぐあいが悪い面が出てくるかと思います。この点は私どもとしてはそういうことのないようにいたしませんと、自今地方公共団体にはこういうことで協力をするなということを当省としては言わざるを得なくなります。現実の問題として、先生御承知のように、土地の先買いは国ではなかなかむずかしいわけでございます。知事なり市町村長だからできるわけであります。その辺のところの実態をよく関係省に御理解を願えれば、必ず当省の考え方に歩み寄っていただけるものと私としては考えておる次第でございます。
  125. 北側義一

    北側分科員 最後に、これは非常に大きな問題でありますが、地方行財政制度の改革、これをやはりなさらなければ、根本的な、いま私が御質問申し上げたような問題が解決されないのじゃないか、こう私考えておるわけなんですが、特に今日まで国の機関委任事務として県の仕事の八〇%、市町村の仕事の五〇%、このように占めておる、このように言われておるわけです。これらの事務を全面的に洗い直して、そうしていわゆる地域住民にはやはり地方自治団体の身近な事務、これをできるだけ地方自治団体に移譲すべきではないか。そうしなければ、——機関委任事務というのは非常に多岐にわたっておるわけなんです。     〔主査退席、三ツ林主査代理着席〕 そういう点で、地方行財政制度の改革というものを考えなければいけない時代が来たのじゃないか、このように私自身は考えておるわけなんですが、その点はどうでしょうか。
  126. 松浦功

    松浦政府委員 機関委任事務ということで世上言われておりますのに非常に誤解があるのじゃないかと思うのでございますが、機関委任事務でございましょうとも団体の固有事務でございましょうとも、全部金は地方公共団体が払いなさいということが書いてあるわけであります。それを前提に置きまして、機関委任事務の中で国が大きな関心を持っておるもの、利害関係を持っておるものについては、地方財政法で何割負担をしなさい、補助金を出しなさいと書いてある。したがって機関委任事務と申しましても、生活保護も機関委任事務、戸籍も機関委任事務でございます。地方公共団体に利害関係のない機関委任事務などというのはほとんどないわけでございます。それを機関委任事務という形をとるかあるいは固有事務という形をとるかということは、国の関与の度合い声どの程度にしていくかという問題だと思うのでございまして、この問題は財政の問題と直接に結びつけることはいささか私どもとしては疑義を持っております。  ただ、機関委任事務で国が関与すべき度合いを少なくして自治体にお任せになったらいいじゃないか、こういう御意見については、私どもも時々刻々、時代の動きに従って地方へできるだけ移譲していただく方向検討すべきだと思っております。そういった問題を含めまして、総理の諮問機関でございます地方制度調査会に御検討願っているというのが現在の段階でございます。
  127. 北側義一

    北側分科員 そのほか、まだ財源の再配分等いろいろ聞きたいこともあるのですが、自治大臣が本会議の最初に出なければならない、後の方の関係もあるので、一応これで終わらしておきます。
  128. 三ツ林弥太郎

    ○三ツ林主査代理 これにて北側義一君の質疑は終了いたしました。  次に、加藤清政君。
  129. 加藤清政

    加藤清政分科員 大臣が四十五分に本会議のため中座するというお話がございましたので、大臣に冒頭お尋ねしたいと思います。  自治大臣は所信表明の中で「地方公共団体が自主的で責任ある地方行政を行うためには、地方自治の基盤の一層の充実を期することはもちろん、行財政両面にわたる見直しを行い、」一層地方財政について力を入れるという力強い表明があったわけであります。  それに関連してお尋ねいたしますが、いま、不況とインフレと同時に進行する大変厳しい経済情勢の影響によりまして、地方財政、特に東京のような大都市財政はきわめて不安定な状態に置かれておるわけであります。この現状の中で、社会福祉の充実だとかあるいは生活関連社会資本の整備等に関する都民の要請を背景として、財政需要は飛躍的に増大してまいりましたが、この施策を積極的にやっていくためには従来にも増して財源の強化拡充がなければならないわけでありまして、特に東京は、首都東京としてのはかり知れない行財政を必要とするわけであります。したがって、大臣の言われる地方財政の見直しと一層の強化ということとあわせまして、このような首都東京が大変厳しい財政状態に置かれ、特に当初予算におきましても、骨格予算ということではなくして骸骨予算という骨だけの予算しか組めないという厳しい財政事情にあるわけでありますので、財源の強化充実という点について、大臣からお答えを願いたいと思うのです。  まず、法人事業税の超過課税と地方交付税の特例規定ともいうべき合算規定の廃止についてお尋ねしたいと思います。  東京都が法人事業税の超過課税を決めたことに対しまして、一三・二%という制限税率を設けて抑制しようとしておるわけでありますが、こういうやり方は地方自治の本旨から言いまして地方自治体の課税自主権の介入であると言わざるを得ないわけでありますので、この制限税率を設定した根拠と、撤廃する意思はないかどうか、そうして地方財政の一層自主的な充実を図るということについて、大臣の見解をお聞きしたいと思います。
  130. 福田一

    福田(一)国務大臣 私が冒頭において述べましたそういうような非常なインフレというか高度成長時代においてインフレ感が高まってきておる段階、ところがこれからは低成長ということになるとやはり一遍見直しをしていかなければならぬということ、これはお認めを願えることだと思うのでありますが、その中で、具体的に東京都の問題についていま御質問がございまして、東京都あたりにおいては非常な住民の要望、福祉関係あるいは環境衛生関係その他いろいろの問題がある。それには財源を必要とするが、その財源をどういうふうにして見ていったらいいのか、こういう御質問であると思うのであります。  この財源の問題というのは、収入と支出ということが財政の根本になると思うのでございます。でありますから、支出が多い要望が多くなる場合におきましても、いままで支出しておった面を抑えるという形によって、消極的な形でありますけれども財源を生み出すことは当然できることではないか。そういう意味で人件費の問題というのは相当な問題点としてわれわれは考えていかなければならないのではないか、こういうことを考えておるわけであります。  そういう点、東京都自体の細かいことについて私がいろいろ申し上げるということになりますと、これは予算全体を見た上での話でありませんと、非常に枠を逸脱したようなことを言ったりするおそれがありますので、私は一般論として申し上げておるのでありますが、同時に法人事業税の超過課税をどの程度に見ていったらいいかということでございますが、これはもうあなたもおわかり願っておると思うのでございますけれども、事業税をかけますというとその分だけは損金決算に立ちますからして、そこで国の法人税にいたしましても、地方の法人事業税にしても、やはり影響を受けることになります。これは一定の限界においてやるというのが税制の体系として私は認められてしかるべきであると思うのでありまして、われわれは税制調査会等の答申等も踏まえまして、そうして法人税割りの場合の二〇%までは超過課税ができるというのに対して、事業税の場合は、その二分の一に当たる一〇%程度に抑えるのがいいんじゃないか、われわれはこういう考え方を持っておるわけでございます。
  131. 加藤清政

    加藤清政分科員 あと五分しかありませんから。この法人事業税の超過課税の問題は、地方税法で法人事業税を一二%を標準にしているわけですね。ところが、条例でそれぞれ超過課税につきましては決められておるわけでありますけれども、都の場合には二%ふやして一四%になっておるわけですね。そこで、地方の実情に合わせて標準税率を上下することは法は許容していると思うわけですよね。  そこで、東京都の場合には新財源構想研究会というのをつくりまして、都の財源をどうしたらいいかというようなことで、自主的な学者やあらゆる人を入れましてその新財源構想研究会の中で決めましたことを答申されたのですが、その答申の中に、東京のようないわゆる集積の利益だとか、あるいは集積によって大きな不利益をこうむるというような事態が非常に行政の面であらわれるわけでありますので、そういうことを考慮に入れて、首都東京の場合に二%の超過課税を決定して、それは都議会の議決を経て実施され、東京都が一四%を決められておるわけでありますので、そういう法律の中で許容された範囲内において、住民の要望によって条例で決定されたということに対して、これを制限税率を設けるということは、東京都という地方団体が自主的に決めたものに対して国が関与しておると言わざるを得ないわけでありまして、大臣の言われる、地方公共団体の財政の充実に一層力を入れて地方行政の前進を期待するという、大臣の所信とはおよそ反しておるのではなかろうか。したがって、大臣、この点考慮に入れていただいて、十分首都東京としての行財政についてお考えを願いたい、こういうふうに思います。
  132. 福田一

    福田(一)国務大臣 私が申し上げておりますのは、一般論を方針として申し上げておったわけでございまして、私は東京都の場合においてそういうような二%増というようなことをされておることについては、いささか疑義を感じております。しかし、現在の段階では条例で決めるということが決まっておるのでありますから、それをやってはいけないということでないので、東京都はおとりになったかもしれません。私たちは税の体系から考えてみて、大体一二%の一〇%増というぐらいのところが一番適当ではないかという考え方を持っておるわけでございます。国が全体の問題を考えて法を改正するということは必ずしも、一つの自治体の意見とは違っておっても、場合によっては全体としてやらなければならない場合もあり得ると私は考えておるわけでございます。
  133. 加藤清政

    加藤清政分科員 いま大臣から答弁がありましたように、地方財政についてはその充実に力を入れることにはやぶさかでないという答弁があったわけでありますけれども、東京都の場合には、先ほど申しましたように首都東京としてのはかり知れない行財政を必要とするわけでございまして、特に先ほど申しましたように、超過課税につきましては法の許容する範囲においての条例の設定を見て、その中でこういう一四%というものを決定されたわけでありますので、そういう点についてはひとつ十分御考慮願って、東京都の財政についてお考えを願いたい、そのように思います。  時間がありませんので。東京都が地方団体として、東京都と二十三区の特別区に対して、地方交付税の問題なんですが、これを合算して交付税を決定されておるということでありますが、これは交付税法の二十一条によっていわゆる合算規定があるわけなんでありますが、東京都は昭和十九年に東京府と東京市が一緒になって、都制官制で東京都が発足したことは御案内のとおりでありますが、その前は東京府と東京市があったわけです。たとえば大阪の場合には大阪府と大阪市、神奈川の場合には神奈川県と横浜市、愛知の場合には愛知県と名古屋市というように、それぞれ府県があり市があるわけでありますけれども、東京の場合にはやはり東京都と二十三区があるわけでありまして、特に今度地方自治法が改正になって、特別区のこの二十三区は市と同様の権限を与え、そして区長は公選にして、都の抱えておりました百七つの事務事業は区に移管になるというようなことで、区の自治権を十分尊重するということで、国会において地方自治法の改正を見たわけであります。ところが、東京都は交付税の対象になっておりますけれども、二十三区は特別地方公共団体として東京都と合策して交付税の計算をするということになっておるわけでありまして、これなどは大変東京都だけ別扱いにしておると言わざるを得ないわけでありまして、先ほど申しましたように、東京都の首都東京としての行財政を考えるならば、もっと国が力を入れていかなければならないというにもかかわらず、この二十一条の合算規定によって東京都の財源、特に二十三区は基礎的な地方公共団体としての全く同じような性格を持っておるわけでありますので、なぜこういう問題について区別しなければならないのか、その点大変考えに苦しむわけでありますので、この合算規定を廃止して、そして府県並みに地方公共団体としての機能を発揮させることが妥当ではなかろうか、そのように思いますが、その点についていかがでしょう。
  134. 松浦功

    松浦政府委員 確かに、法改正が行われて本年から公選の区長が出、事務も一部移譲されたということは事実でございます。しかし、基本的には従来とほとんど変わっておらないわけでございまして、消防、下水あるいは廃棄物処理といったような、本来市町村が行うべき事務を逆に府県に相当する都が扱っておられる、きわめて一般の府県と市との関係とは違った形で、特別な形がとられておるのが現在の都政でございます。したがって、これまで同様に合算の規定を働かしていくべきだというのがわれわれの考え方でございまして、地方交付税法二十一条の規定を改めるという気持ちはございません。
  135. 加藤清政

    加藤清政分科員 時間がございませんので、引き続き申したいと思いますが、超過負担が非常に都財政の場合に大きいわけでございまして、この超過負担につきましては、非常に行政上大きな影響を受け、深刻の度合いを増しておるわけでありますが、その最も顕著な例は単価差にあるわけでありまして、この単価差による負担が非常に多いということであります。国の基準単価と実勢単価の差がインフレの波の中で大きくなって、それがあらゆる面で、特に公営住宅の建設について大きな障害となっているわけでありますが、この補助単価について見直す考えはないかどうか、この点と、それから、公営住宅の土地購入について起債によっておりますが、これも充当率は八五%しか認められていないわけですが、この許可方針についてもひとつお尋ねしたいと思います。  ちなみに東京都の場合には、四十八年度の決算によりますると、公営住宅、中層で一戸当たりの建設費が四百四十四万三千円でありますけれども、国の基準は二百八十六万八千円でありまして、その差額は実に百五十七万五千円の大きな差があるわけでありますので、こういった超過負担が非常に公営住宅の建設に大きな隘路になっておるわけでありますので、超過負担の解消について所信を承りたいと思います。  それからさらに、時間がございませんので詰めたいと思いますが、特別区の起債の許可権は、地方自治法施行令の百七十四条の規定によって、自治大臣が持っておりますが、この特例を廃止して、やはり東京都知事の権限とすべきであると考えますが、この特例を廃止できない根拠は一体どこにあるのか。  それから、東京都の場合に、起債の許可率が、昭和四十六年度は八七・四%、昭和四十七年度は七二・五%、昭和四十八年度は四八・二%と、ぐんと年々許可率が低下しておりまして、現在、四十九年度は一三%であるわけでありますが、こういう問題について、都は負担能力が十分あるわけでありますけれども、「当分の間」ということが四分の一世紀たっても押えられておるわけでありまして、公債費の比率についても制度的には、たしか二〇%と起債制限を聞いておりますけれども、この東京都の場合には、四十九年度でも六%台の比率であって、起債許可を渋るということは考えられないわけでありますが、何か意図的で、革新都政への締めつけが大きくあらわれておるのではなかろうかと大変その点不満に思うわけですが、そういう点について御答弁をお願いしたいと思います。
  136. 松浦功

    松浦政府委員 非常にたくさんまとめて御質問いただきましたので、もし答弁漏れがあったら御指摘をいただきたいと思いますが、まず第一に、超過負担の問題ですが、これにつきましては、学校それから福祉施設、住宅、これにつきましては、これまでになく本当に大蔵省の事務当局がよく理解をしていただきまして、四十九年度の補正予算でこれまでに例を見ないような大幅な単価改定が行われております。しかも、それを基礎にいたしまして、五十年度につきましては、物騰率、物価騰貴率を掛けまして算出をいたしております。しかも、各省におかれて、地域の単価差というものはある程度考慮をいたしまして、傾斜配分をするということになっておりますので、私どもとしては、単価差はほとんどなくなったというつもりでおります。  ただ、先生、御指摘いただきましたように、東京都の単価が幾らで、国の単価が幾らだ、こういうお話がございましたが、あくまで私どもは、標準設計に基づいてしか補助金を出さないというのがたてまえであってしかるべきだと思っております。したがって、都の方で改良的な部分を加えて単価が上がってくる分については、もちろん補助の対象にならないということを前提としてまず御了解をいただきたいと思います。  次の公営住宅の起債の充当率を八五にいたしておりますのは、これは制度上、家賃収入があるからということを考慮してでございまして、これまでも充当率をだんだん引き上げてまいってきております。私どももさらに実態を調べまして、必要があれば引き上げをするということについてやぶさかではございません。  それから三番目に、区の起債許可権を自治大臣が持っているのはおかしい、都知事に渡すべきじゃないかということでございますが、現在のような財源調整制度を持っておりますと、往々にして知事と区長の利害が相反する場合が非常に出てまいります。そういう問題をも含めて私どもとしては検討してまいりますけれども、いま直ちにこの制度を取りやめるという気持ちはないということを申し上げておきたいと思います。  それから、「当分の間」ということで、起債の許可を受けなければ起債ができないようになっているのはおかしいじゃないかということでございますが、これは「当分の間」という言葉がどうかという問題は別にいたしまして、実態といたしましては、現在のような情勢ではやはり起債の許可というものはどうしても必要であろうというふうに考えております。  最後に、東京都の起債の問題のお話がございましたが、四十八年度の例を見ましても、全国の県に起債を許可しましたうち、一二・一%が都に許可されておるわけです。決して少なくございません。また、先生の方から御指摘がございまして、東京都には起債能力があるんだというお話でございますが、むしろ私ども調査では反対でございまして、経常一般財源に占める起債償還額の割合は、都ではすでに六・七%にもなっておる。一般のその他の道府県の平均は四・一%でございます。この辺のところを考えますと、むしろ逆に都の方の起債については私の方で十分注意をしていかないと危険だという感じすら持っておるのが実情でございます。何か革新団体であるから起債の制限をしているんではないかという御発言がございましたが、むしろこの数字をごらんいただければ逆でございまして、非常に起債をよく許可しておるということでございます。  また、一般論から申しますと、東京都が現在、実質的には一千億に近い赤字を持っていることは、先生御承知のとおりでございます。一千億の赤字がありますれば、本当のところは、実質的にこれが出てまいりますれば、起債を一切許可できない団体になるはずでございます。その辺の事情も十分おくみ取りをいただきたいのでございます。私どもは、革新都政であるがゆえに起債を差別するなどという考えは全然持っておりません。ただ、これ以上にしていくことは技術的に無理だ、精いっぱいのところまで努力しているということを御理解をいただきたいと思います。
  137. 加藤清政

    加藤清政分科員 超過負担の問題と起債の許可の問題につきましては、いま御答弁がありましたが、東京都の場合には、超過負担の問題が非常に大きな問題でして、特に東京都の行政を大きく圧迫しておるわけであります。  ちなみに教育の問題にいたしましても、教員の給与の問題でも、実は定員実額で他の府県ではやっておりますけれども、東京都の場合には定員定額であるために超過負担が八十億からあるということでありまして、特にいま公営住宅の問題やいろいろこの超過負担の問題にいたしましても、約三百億からの超過負担を都は抱えておるということが、都財政を著しく圧迫し、そして東京都の行政に対して大きな支障を来しているという現実であるわけでありますので、こういう点もひとつおくみ取り願いまして、十分考慮に入れていただきたい。東京都の場合にはもう御承知のとおり、首都東京としてなさねばならない仕事がたくさん山ほどあるわけでありまして、日本の顔としての東京都の果たすべき行政についての財源の裏づけということについて、一段とひとつ御考慮を願いたいと思います。  あと時間が三分しかありませんのでお尋ねいたしますが、労働省の方来ておりますか。国民の生活福祉は景気変動に左右されることなく充実されなければならないわけでありますが、特に国民の生活福祉要求には十分応じられない財政実態こそまさに財政危機の本質であろうと思うわけであります。  私は二月十五日朝六時、職安の人たちに全く仕事にあぶれて食べてもいけないというような実態を聞きましたので、芝浦の東京港労働公共職業安定所に行きまして就労の状態を調査いたしました。それによりますと、一月現在におきまして大体求職の対象が千五百二十五件あったわけでありますけれども、求人がわずかに六百六十一人、そしてあぶれて仕事にありつけない人たちが千二百八十七人という膨大な数に上っておりまして、特に一月には大体一人平均四日くらいが就労の実態であるということであるわけであります。そして、これでは大変、暴動にも発展するのではなかろうかということで、安定所長やそれから東京都に対して再三陳情し、そして労働者の人たちも一緒になって陳情いたしました結果として、東京都のいわゆる建設事業の一環であるガードレールの水洗い清掃ということで都道の付属物清掃事業を二月十八日から三月三十一日までやったわけでありまして、一日当たり三十四人これに充当するということであるわけであります。そこで、この簡易事業が出て、これによってかなり消化されたわけでありますけれども、三月三十一日でこの事業が切れるということになりますと、働いている人たちは果たしてその後はどうなるのかという不安と焦燥でいっぱいであるわけであります。ちなみに、この簡易公共事業がなかった場合には、大体一件平均港土木で六人、それから赤坂土木で一人、高輪土木で二人というような、二百人からの希望者に対してわずか九人しか消化できないというような実態であるわけでありますので、このことで簡易事業がなくなると、またそのようなことに戻ると、もう労働者の不満と焦燥はまさに爆発の頂点に達するのではなかろうかということが想定されるわけでありますので……
  138. 三ツ林弥太郎

    ○三ツ林主査代理 結論お願いいたします。
  139. 加藤清政

    加藤清政分科員 労働省はこれに対してどういう対策を立てておるか、その点をお聞きしたいとともに、やはりこういう地方公共団体だけに押しつけるのではなくして、そして財政の圧迫を地方公共団体に加えるということだけではなくして、何といっても国の責任において失業に対してはやっていかなければならないということで……
  140. 三ツ林弥太郎

    ○三ツ林主査代理 本会議ですので、結論お願いいたします。
  141. 加藤清政

    加藤清政分科員 あわせて地方公共団体の関連をどうするかという点についてひとつお尋ねしたいと思います。
  142. 守屋孝一

    ○守屋説明員 私どもも日雇い労働市場につきましてはその動きに非常に重大な関心を持っております。  御指摘のように、現在の状況を見ますと、一部地域におきまして、特に先生ごらんになりました東京、この地域におきまして求人が一月ごろ非常に落ち込んだというような状況がございます。私どもはこのような状態に対処しますために特別の求人開拓体制をしきまして、これを各職業安定機関に指示したところでございます。東京都自体でも、いま先生御指摘のように、都自体が特別の求人を出す等の対応措置をなさったわけでございます。一月時点はそれで何とか乗り切ったわけででざいますが、求人開拓がやはりわれわれ何といいましても基本になりますので、今後安定機関が総力を挙げてこれに取り組むという体制を組んでおります。
  143. 三ツ林弥太郎

    ○三ツ林主査代理 ひとつ簡明にお願いします。
  144. 守屋孝一

    ○守屋説明員 はい。で、現在その結果が出てまいりまして、一月以降傾向といたしまして徐々に民間求人もふえつつありますし、私どもも今後なお一層公共事業、特に年度内消化分の施行促進とあわせまして、この公共事業へ向けましての特別求人開拓について全力を挙げてまいりたい、かように考えております。
  145. 加藤清政

    加藤清政分科員 時間が参りましたので、質問を終わります。
  146. 三ツ林弥太郎

    ○三ツ林主査代理 これにて加藤清政君の質疑は終了いたしました。  この際、休憩いたします。     午後一時四分休憩     —————————————     午後三時十五分開議
  147. 野田卯一

    野田主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  自治省所管を議題とし、質疑を続行いたします。中村重光君。
  148. 中村重光

    中村(重)分科員 消防白書によると、消防団員は減少の一途をたどっているようですが、これに対する対策をお聞かせいただきたい。
  149. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 御指摘のように、消防団員は累年減少を続けてきておりますが、これは一つには、最近の社会経済情勢の非常な変動がもたらしたものであるというふうに考えられるのでございますが、一面におきましては、それだけにその地域における消防力の弱体化というようなことが生じるわけでございまして、その点は、地域社会の安全という面から見て私どもも大変心配しているところでございます。ただ、これに対します措置といたしましては、一面におきまして、消防力の機械化ということを進めていきますと同時に、消防団団員自体の処遇の改善等を図りまして、この消防団の仕事について若い人たちの魅力ある社会にしていきたいというふうに考えているわけでございまして、こうした消防力の機械化あるいは消防団員の処遇改善ということにつきましては、私どももできる限りの措置を講じているつもりでございます。
  150. 中村重光

    中村(重)分科員 消防団員は消防精神によって国民の生命、財産を保護しているわけですが、それかといって団員も働かなければ生活できない。いまお答えになりましたように、常勤消防団員は、これはまだ当然常勤としての給与があるわけです。非常勤の消防団員に対しましても若干の手当はあるわけですが、いまの程度の手当ではとうてい生活を維持していくことができないんではないかと私は思っておるわけです。五十年度の予算の内容を見ましても、若干の増額はいたしておりますが、これでは不十分であるというように考えているわけです。その点に対する考え方はいかがでしょうか。
  151. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 消防団員の方々は、やはり郷土愛の精神から、いわば社会奉仕的な精神のもとに消防団に、その生業のかたわら地域社会の安全を守るという立場で奉仕をしていただいているわけであります。そういう意味におきまして、常勤の消防職員というものとは、その待遇のあり方につきましては相当な違いはあるというふうに考えるわけでございますが、現在その報酬額というものは、御指摘のとおり確かに非常に低い水準にございます。ただ私どもといたしましても、こうした報酬面の改善ということについて努力をいたしておるつもりでございますが、現在地方交付税における基準財政需要額の水準と、それから市町村がそれぞれの市町村で決めております条例での報酬額との間にまだ若干の乖離がございまして、私どもも毎年、こうした報酬の引き上げというものにつきましては、できる限り引き上げてもらうように、それぞれ各県を通じて指導しているところでございます。
  152. 中村重光

    中村(重)分科員 いまお答えになりましたように、政府で決めているところの団員の報酬、それから市町村で条例で決めている額、これに差があることは事実なんですね。ところが、最近は大分これが変わってきた。私が申し上げたいのは、政府が決めている団員の報酬、団長にいたしましても、三十年以上勤続でもって二十万円ですね。それから団員でもって十四万ですか、こういった程度ではこれはもうお話にならないんじゃないかと思っているんですが、大蔵省に対する要求もこの程度の要求をされたんですか。
  153. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 ただいまの御指摘の数字は、退職報償金の数字だろうと思っています。この退職報償金につきましては、確かに長い年月の間、無報酬に近い姿で消防団の仕事に奉仕をしていただく方々が消防団を退かれます際に、その労苦に報いるという意味での報償金でございますが、御指摘のとおり、いままで相当その水準は低かったのでございますが、昭和五十年度からその報償金の額を相当大幅に引き上げたつもりでございます。団長三十年以上という場合には、四十九年度までは十万円でありましたものを、本年、二十万円というふうに引き上げたものでございます。この退職報償金の額は、これは消防団員の基金の方から支給される仕組みになっておりまして、この消防基金に対するその報償金の金額は、各市町村からの掛金でこれが運用されるということになっております。  そこで、この掛金の額は、報償金の引き上げに伴いまして、これまでの二千二百四十六円から三千六百五十円に引き上げになる、こういうことになりました。この掛金額は、交付税の消防費の計算の中へ算入される、こういうことになっております。
  154. 中村重光

    中村(重)分科員 私が申し上げたのは、お答えのとおり、消防団員の退職報償金ですね。これは申し上げたように、極端に低いということですが、非常勤消防団員並びに団長の場合の報酬にいたしましても、五十年度で三万五千円ですね。それから団員に至っては九千円でしょう。火災等の出動手当も、千五百円から二千円に引き上げているようでございますけれども消防庁が知らないような出動というのはもう常時あるわけですね。そのことから考えてみますと、この程度の報酬とか出動手当ではもうお話にならない。それから、団長は団長として団を統率していかなければならぬですね。その費用というものは、これはとうてい手当なんかで追いつくものじゃないんですよ。団員の場合も、ただいま私が申し上げたとおりなんですね。余りにも、私は現実離れをした手当であるというふうに考えるんです。それらの点に対しては、どうお考えになっていらっしゃるか。
  155. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 団員報酬の方は、最近の市町村における条例で規定されました額というものは、次第に交付税で算定いたしております金額にだんだん近づいてきております。それらの動向を見ながら、今後措置してまいる必要があるというふうに考えておりますが、まだ出動手当の方も、現在五十年度二千円まで引き上げておりますけれども、四十九年の実績を見ますと、全国平均はまだ七百五十円というような非常に低い数字になっておるわけでございます。こういうことで、交付税の方でいかに計算をいたしましても市町村条例の措置がこれに及んでおらないという現状につきまして、できるだけそれぞれの市町村の指導を通じまして、少なくとも交付税で見込んでおります額ぐらいまでにはその実態を近づけていきたいというふうに私ども努力をしておるところでございます。
  156. 中村重光

    中村(重)分科員 そういった条例で全国平均七百円程度になっているというようなことを計算基礎に置いておるわけですね。それだから私が指摘をいたしましたような非常識とも考えられるような手当になっているということです。改めさせるところはどんどん改めさせて、あなたの方で指示しておるところの額まで引き上げて、それから、申し上げたようにこの程度の額は出さなければならないという額までに引き上げるというようなことでなければ、大蔵省との折衝の場合だってお困りになるでしょう。これはあなたの方で、全国平均が市町村の条例よりも大変低く支給するように決めてあるというようなことを基礎にして、大蔵省折衝等をやるということになってくると、これは申し上げたように五十年度の予算のような中身になってしまう。これではだめだということです。後で大臣からお答えをいただくのですが、それから消防団員等の公務災害補償の補償額にいたしましても、団長及び副団長で二十年以上で六千五百円、それから部長とか団員で四千七百円ですね、五十年度。これを基礎にして基礎額掛けるの三百六十五倍、これに掛けるの二分の一ということになってくると、殉職した消防団員等はわずかに八十五万八千円に過ぎない。とうとい生命を奪われた方々に対してこの程度のことでどうするのだということですよ。きょうの毎日新聞の社説の中にもありましたが、例の何ですか、交通事故でなくなった自衛官の補償というものが八十四万円にすぎないのだということを指摘しておりましだが、私はいまここでそれを比較はいたしませんけれども、余りにも非常識な額ではないかということです。これらの点に対して、どのように改善をしていこうとお考えになっていらっしゃるのか、一応長官からお答えをいただきまして、大臣にひとつお答えをいただきたいと思います。
  157. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 消防団員の公務災害に対します遺族補償というものは、常勤の地方公務員の取り扱いと同様な方式をとっておるわけでございます。したがいまして、原則として年金方式をとっておるわけでございますが、その年金の算定の基礎になります補償基礎額の計算は、一般職の給与表の公安職の俸給表のうちから、消防団員としての経歴を換算いたしまして、団長の場合、たとえば、いま御指摘のように、団長歴が二十年以上の団長につきましては、日額六千五百円というものを基礎にいたしまして年金計算を行うということになっておるわけでございまして、この消防団員の遺族補償の点につきましては常勤の消防職員というものとほとんど変わりはない措置をとっているつもりでございます。この額につきましては、そういう意味におきまして、非常勤の消防団員でありましても常勤の消防職員と同じような遺族補償が行われておるという状況でございます。
  158. 中村重光

    中村(重)分科員 大臣、いかがですか、先ほどの報酬の問題も含めて。
  159. 福田一

    福田(一)国務大臣 私、消防に対する、給付といいますか、こういうような措置、俸給その他遺族等に対する問題も含めて非常に程度が低いのではないかという意味では、私は中村さんと同じような考えを持っておる。ただ、消防団員というものは、実務をやっておる実際の公務員ではございませんからそのところに差がございますけれども、これから私たちはやはり国民の協力を得て消防とか災害に対する何らかの措置を徹底していくということによって国民の生命を守るということをしなければいけないということから考えてみると、私は具体的にはここでどうこうとは申し上げられませんが、やはり何か補償とかあるいは給付が非常に少な過ぎるのではないかという考えを持っております。したがって、今後そういう意味で勉強をさしていただきたいと思っております。
  160. 中村重光

    中村(重)分科員 長官がお答えになりましたような計算の方法はわかっておるのです。なぜにそういう少ない額になるのかということになってくると、計算基礎になる額が少ないからだ。それを直さなければいけない。だから大臣がお答えになりましたようなことも、それは少ないことは認めるが今後勉強していくというようなことなんですけれども、こういう額ではどうにもならないということははっきりしているのです。もっと引き上げていく。それから、地方自治体の条例でも全国平均七百円になっているということ自体が問題なんだから、そうした点についても改めさせるとか、それから交付税の中に入れていくことが適当でなければ目的支出といったようなことでやる方法等もあるわけだから、ともかく政府が出した額がそのまま消防団員の報酬であり、あるいはその他の費用に充当されるということ、同時にその額が少なければ国が引き上げていくという、そういうやり方をおとりにならなければ、少ないということがわかりながらこれはどうにもしようがないのだというようなことでは話にならぬ。きょうの本会議で、地方交付税とか地方税法の改正の中において、公務員の給与の問題に対しまして国家公務員よりも上回っているのは適当ではないということで盛んに締めつけをやっているのですよ。そして自治大臣なんかは、この政府が怠っているところの超過負担の解消よりも人件費の問題が重点なんだというような、全く地方自治を否定をするような、否認をするような発言を平気でやっておられる。しかしながら、いまこの消防団員の報酬の問題なんかに至っては、交付税の中に政府がはっきり計算をして出しているところの金額がそれだけ支払われていないということについては、これはどうにもしようがないのだということでほったらかしている。私は、そんな無責任なことがあってはならないと思うのです。いまのようなやり方でできなければ、それじゃどうするのだということで、地方自治体とも十分話し合いをやって、これを改善をしていくというようなやり方をおやりにならなければいけないのじゃないかということを指摘しておきたいと思います。  それから、消防庁の重点施策として、「婦人少年層を中心に防災意識の高揚を図る」とあるわけですが、具体的にはこれはどうしていこうとお考えになっていらっしゃいますか。
  161. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 現在、少年消防クラブは、小学校の高学年それから中学校の生徒でございますが、この学校のクラブ活動を通じて現在少年消防クラブ員が約五十万人ございます。それから婦人消防クラブは、これは地域によりましていろいろ差がございますけれども、地域の婦人団体等が防火活動、火災予防活動を行っている組織がございまして、このクラブ員が約九十万人ございます。この少年あるいは婦人のそうした火災予防活動をもっと何らかの形で支援をしていきたい、こういうことでいろいろ私ども、施策を考えているわけでございます。  一つは、そうした組織についていろいろな面からさらにその知識の普及を図るという意味での助成方式、あるいはテレビ、ラジオを通じましての啓蒙宣伝というようなことを心がけているつもりでございます。
  162. 中村重光

    中村(重)分科員 この婦人の場合はわかるのですよ。防火クラブをつくって、最近は非常にこの組織が拡大しつつある。少年を中心に防災意識の高揚を図るというのは、これはどういうことですか。
  163. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 少年の場合には、学校のクラブ活動を通じまして火災に関する知識のお互いの研さんをやる、あるいはまた場所によりましては部落の火の用心の運動の先頭に立って、その地域の活動をやっていくというような団体がございます。これらにつきましては、クラブ活動でございますので、どうしても少年の場合には指導者というものがおるとおらないとで活動に非常に差が出てまいります。そういう意味におきまして、指導書の作成といったようなものを、ことしやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  164. 中村重光

    中村(重)分科員 これは文部省及び教育委員会、地方自治体等との話し合いができた上で、この方針を打ち出しておられるわけですか。
  165. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 この問題につきましては、文部省とも打ち合わせをいたしまして、県によりましては副読本的なものを配っている県もございますし、これらのものを参考にしながら、そうしたクラブ活動として少年消防クラブを伸ばしていきたいというようなところにつきまして、この指導書の配付といったようなものを通じまして、さらにこの運動を盛り上げていきたいというふうに考えておるところでございます。
  166. 中村重光

    中村(重)分科員 消防団の問題はこれで終わりますが、大臣、先ほどのような答弁では私はどうかと思うのですよ。少ないとお考えになっているのだったら、勉強したいということではなくて、やはり大臣として、こうあるべきだ、こういう方向で今後これを改めていくというような、いろいろな点について私も指摘をいたしましたし、長官からも、地方自治体の中で条例を決めているのが全国平均七百円だという具体的な答え等もあなた聞いていらっしゃるのですから、それをどうするのかということについてのやはり方針というものはもっと明確にお示しになるのでなければいけないのではないでしょうか。いかがですか。
  167. 福田一

    福田(一)国務大臣 先ほどお答えいたしまして不十分であるという御質問でございますが、いままでは七百円という数字でございましたけれども、交付税の方ではすでに二千円まで認めることができるように交付税を配分してあるんでありますから、それに応じて地方団体が給付をするように指導してまいりたい、かように考えております。
  168. 中村重光

    中村(重)分科員 いまの二千円までというのは出動手当のことですね。私が申し上げたのは、団員の報酬の問題であるとかあるいは公務障害の手当の問題であるとか、公務障害手当が非常に少ないということは、その基礎となるところの報酬が少ないところにあるんだというようなこと、地方自治体の条例の中ではその報酬が七百円程度にしかなっていないというようなことで、消防庁が示しておるところの額ははるかにそれより低いものにあるというそのところに実は問題があるということなんです。これはもう時間の関係がありますから、重ねてお答えいただきません。その点を指摘をいたしておきたいと思います。  それから長官、このガソリンスタンドとオートスタンドが併設をしてあるところがあるわけですが、私はこれは非常に危険であると思います。その間に障壁すらないですね。こういうことを消防庁は認めているのですか。いかがです。具体的なことですから答えられないのかもしれないけれども、わからなければわからないで、どうするということでも結構です。
  169. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 ガソリンスタンドは危険物の規制政令の定めるところによりまして一定の保安基準というものが定められておるわけでございます。いまのオートスタンドといいますと、プロパンスタンドでございましょうか——高圧ガスのスタンドにつきましては、現在高圧ガス取締法の規定によりまして、ガソリンスタンドは消防機関、それからLPGにつきましては県の高圧ガス取り締まり当局がそれぞれの保安基準に基づいて行っているわけでございますが、この際このガソリンスタンドとガススタンドが一緒になっているというものの保安の問題につきましては、私は細部について存じませんので、また改めて御返事申し上げたいと思います。
  170. 中村重光

    中村(重)分科員 私、超過負担の問題等々についてお尋ねしたかったのですが、時間が参りましたから省略いたします。  大臣、きょうも本会議で公営ギャンブルの問題について質問があったわけです。この公営ギャンブルを改めてつくりたい、競輪場であるとか、その他それをつくりたいといったような動き等があるわけですが、自治省としてはこれを認めることもあり得るのか。公営ギャンブルというものは適当でないから今後一切新設の申請に対してはこれを認めないという方針なのか、その点を明確にしておいていただきたい。
  171. 福田一

    福田(一)国務大臣 公営ギャンブルの新設については、これを認めないという方針でございます。
  172. 中村重光

    中村(重)分科員 それから、いま県段階で機構改革とか退職奨励、昇給延伸等、合理化の動きが出ているのですが、これは自治省の方でそのような指導をしているわけですか。
  173. 松浦功

    松浦政府委員 本来の所管は行政局でございますが、私、財政局長でございますが、ある程度知っておりますので、かわってお答え申し上げます。  給与が非常に多額になってまいって、地方自治団体の財政が非常に苦しいことになってきている。その過程において給与費の合理化を図りたいということで動きが出ているのかと思います。われわれといたしましては、どういう方法があるかということに対して、昇給延伸の方法もあればこういう方法もあるというようなことは、行政局の方で意見を聞かれればこういう方法があるということをお答えしているかと存じます。
  174. 中村重光

    中村(重)分科員 これは、あなたは聞かれればこういうこともあるということを言うという。実際自治省の方で超過負担の解消は第二義的に考えて、地方自治体の給与が、人件費が国家公務員よりも非常に高いということはけしからぬというような考え方から締めつけをやっているところにこういう状態があらわれてきている。  私は、きょうの本会議でも大臣の答弁を聞いておって実に不可解に思うのは、国家公務員よりも地方自治体の公務員の給与の方が低いところだってあるわけです。それには口をつぐんで何も言わない。おまえさんの方は低いからもっと国から財政措置でもしてやらなければならないということをおやりになるのじゃない。その方は黙って目を覆っておいて、高いところだけけしからぬ、けしからぬと、昇給延伸をやりなさい、機構改革もやって、もっと人事部なんかが人事権を持ってやるようなことをやらなければならない、それから、公務員の退職制度というものがないということから、退職奨励をやる必要があるんだといったようなことで、盛んに締めつけをやっている。こういうけしからぬことは許されてはならない。ともかく地方自治体に対してそのような干渉をやられる前に、みずから果たすべき義務を果たす。その上に立って国として何か物を言う必要があるというふうに考えられるならば、物を言っていくというようなことでなければならない。まずみずからを正すということが当然でなければならないと私は思うのですが、大臣、その点はいかがですか。
  175. 福田一

    福田(一)国務大臣 私が申し上げておるのは、超過負担を解消することに消極的であるわけではございません。これはもう当然やらなければいかぬということでいつも申し上げておる。しかし人件費の問題で、いまあなたは低いところもあるじゃないかとおっしゃいますが、それは私は低いところもあるかと思います。しかし低いところが高いところへ上げていくことについては、われわれは抑制するというような意図はございません。それは地方団体の気持ちで、どうしてもやはり国家公務員並みにしたいということであれば、財源があるならばやられて結構じゃないかと私は思っておる。問題は、国家公務員と地方公務員との差がある。多いところでは四〇%も四五%にも上っておるし、ちょっと目につき過ぎる。それからこの間の武蔵野市の、あなたも御存じだと思うのですけれども、議会の事務局長がやめたら四千万円の退職金があった。あれは国家公務員に直すと千五百万円になってしまう。私は地方公共団体というのはやはり住民の福祉ということを中心にしてサービスをしていくものであるから、それぞれの自治体の権限をむやみに押さえようとは思いません。だからそんな、こうしなさい、ああしなさいということは、いま財政局長が言ったように、何も言っているわけじゃない。そういうふうに高いことは事実であるから、高いところはひとつ十分その点も考えて運営をはかってもらいたい。異質の問題ですからね、人件費の問題と超過負担の問題は。われわれは超過負担は解消しないといかぬ、こういうたてまえでございます。人件費も、国家公務員と地方公務員とで差があればこれはなるべく解消するように努力すべきではないだろうか、こう言っているだけで、省令を出したとかあるいは訓令を出したとか、こうしなさいと言っておることはございません。
  176. 中村重光

    中村(重)分科員 議論をしたいのですけれども、時間が参りました。
  177. 野田卯一

    野田主査 これにて中村重光君の質疑は終了いたしました。  次に、安井吉典君。
  178. 安井吉典

    安井分科員 いま中村君から消防の話がありましたので、私も続いて消防の問題をまずお尋ねしていきたいと思います。  消防の職員の団結権の問題なんですが、北海道の北見市と周辺三町で組織している北見地区消防組合議会が、一部事務組合ですね、十二月四日の臨時議会におきまして、地方公務員法で規制されている消防職員の団結権の禁止の規定を削除し、消防職員についても団結権の保障を求めるという趣旨の請願を採択し、同時に国に対しても団結権の保障を求める要望を決議したという報道があります。いわゆる消防職員の労働基本権の問題、公務員制度審議会の中でも審議されておったし、それからILOはもちろん許すべきだというむしろ前向きの方向であるのも御承知のとおりです。諸外国の例も、認めている国の方が私は多いのではないかと思うのですけれども、この要望は国の方に来たということになると、消防庁まで行ったのですかね。どうですか。まあそれは別として、これについての自治省としての見解を伺います。
  179. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 消防職員につきましては、法律上、警察職員等と同じように従来から団結権を禁止されてきたところでございます。この消防職員の団結権につきましては、一昨年の第三次公務員制度審議会におきまして全会一致で「当面、現行制度によるものとし、今後のILOの審議状況に留意しつつ、さらに検討するものとする。」というような結論が出されておるわけでございます。したがいまして、政府としましてはこの問題につきましては、公務員制度審議会の答申の線に沿いまして、当面現行制度によることといたしまして、今後さらに長期的な視野に立って、慎重に対処してまいりたいという態度でございます。  なお、ILOにつきましては、ただいま御指摘のとおりの専門家委員会意見もございましたし、あるいはまたそれ以前におきましても、結社の自由委員会におきましては、またそれと相反する意見も二度にわたって出ておるわけでございまして、この辺につきましてILOの考え方も必ずしも同一の方向で出されているというふうなこともないというふうに考えられますので、私どもといたしましては、今後ともILOの場におきまして政府の見解も十分説明をし、その審議の動向を見守っていく必要もあるというふうに考えておるところでございます。  なお、北海道の北見地区の消防組合の決議は、そういう決議が昨年の暮れに私どもに送られてまいりました。
  180. 安井吉典

    安井分科員 きょうのところは、審議会の審議もあることですから、一応そういう御見解だけ伺っておきます。  これは二月二日の毎日新聞の投書欄に、「地方消防官の過酷な勤務条件」という投書がありました。恐らく長官ごらんになっていると思います。中小都市では依然二交代隔日勤務制をとっている現状であり、二十四時間勤務を一日おきにやらされているというふうな状況。拘束時間は長いし、しかも勤務条件もよくない。警察の方は改善されたけれども、四十数年にわたって消防がどうしてこうなのかという疑問の提示であります。いま大臣と給与が高過ぎるという話が大分あったのですが、人間も多過ぎるという話もあったのですが、これとそれと別の問題かもしれませんが、こういう問題について、改善措置は講じておられないのですか。
  181. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 消防職員の勤務体制は現在ほとんどの市町村におきまして二部制でございます。この二部制の勤務体制というものは、現在の火災の出動件数あるいは救急の出動件数等から見まして、肉体的な労働条件等から見ますと、必ずしも過酷な条件にあるというふうなことは、通常の市町村の場合には考えられないのであります。ただ、拘束時間が非常に長いという問題につきましては、それぞれの消防機関におきまして勤務の体制というものを、それぞれの市町村の実態に応じながら実働時間をできるだけ緩和していくような方向での体制の検討を行うようにということを、いま指導しているところでございます。  なお、大都市等における非常に救急出動の回数が多い、出火件数が多いという地域におきましては、現在東京都などは三部制を実施いたしておるわけでありますが、大都市等につきましては、三部制の移行を準備すべき時期に来ているのではないかということで、そういう体制を計画的にとらせるような指導をしてい一きたいというふうに考えております。
  182. 安井吉典

    安井分科員 給与が高いとか人が多いとかいう反面に、そういう具体的、現実的な問題もあるという事実を、私もこの投書で知ったわけですけれども、それで総体論を——財政局長など言いたそうな顔をしておられますけれども、それをこれで反論する材料に使うつもりはありませんが、しかしこれはこれとして、消防職員の人はかわいそうですよ。もう少し改善措置を講じていただきたいということで、消防問題は終わります。  それから、準過疎地域町村に対する財源対策の拡充の要望というのを、私どもの方も受けているわけです。これは自治省の方にもしばしば問題が提起されているわけでありますけれども、人口の減少率や財政力指数の一定の限界線を過疎法で引いている関係で、それから漏れるところと過疎法の適用になったところと、その間の差が余り開き過ぎるのではないかということの提起のようであります。それを明確にできる資料をつくってくれと言ったら持ってまいりましたけれども、四十八年度における人口条件等が大体同じようなところを比較した表なんです。ところが市町村それぞれ独自の事情があると見えて、これは余り参考にならないような気もするのですが、ただ過疎法の適用のところは過疎債を三千五百万とが四千万とか、多いところは八千万も借りられて、しかもこれはほとんど交付税で返還ができる。一方、過疎法の適用のないところは何もそういう財源がない。五年か十年もたつうちに大変大きな格差ができてしまうという主張だけは、わかるような気がするわけです。いずれにしても、過疎法というものは私はそれなりの評価と位置づけがあると思いますし、法律をつくるときにはどこかでラインを引かなければいけないものですから、人口減少率一〇%とか、財政力指数についても一定の限界がどうしても必要になってくる。それのごく近くで基準からはずれたところから文句が出てくるのは、これはやむを得ないように思うが、その差が余り大き過ぎるということがやはり問題で、自治省の方も特別交付税措置もやっておられるわけでありますけれども、きょう私は要求をし忘れておりまして国土庁から来られていないので、過疎法そのものの問題についてちょっと触れられません。これは国会での立法ですから、当時国会で私たちも一〇%でなしに七・五%ぐらいの線にしたらどうだという主張をしたが、最終的に一〇%になったという経過もあります。だからむしろ国会がその法律を直せばいいということにあるいはなるのかもしれませんけれども、この適用条件の緩和の問題が一つあります。それから、それがすぐできない段階でも特交での対策措置を強めていくとか、辺地について準過疎地域というふうなものを設定して何らかの措置を講ずるとか、もっと改善した方法はないかということです。その点お尋ねしたいと思います。
  183. 松浦功

    松浦政府委員 こういう制度をつくりますと常に境のところが問題になることは、先生御指摘のとおりでございます。過疎、辺地につきましても点数制でやっておりますので、一点足りないためにというような議論が、特に辺地等にはいろいろ出てまいります。これはこれなりに制度として仕方のない問題だ、処理のしようのない問題だということについては、先生も御理解いただける問題だと思います。ただ、問題はむしろ人口の減少が一〇%でなくて九・九%である、人数の減り方がごく一部足りない、そういうことから財政力指数は四未満なんだけれども過疎に該当しない。こういうところとのアンバランスが非常にひどくなってきたということについて、いろいろお話を聞きましたので、四十八年度に、ある程度試行錯誤かもしれませんけれども、思い切って七・五とか一定の数字を用いました上で、入りそうで入らなかったところを救ってやろうということで措置をいたしてみました。非常に好評でございまして、そういうこともございましたので、本年度は定め方を若干改めまして、さらに単価も引き上げるということによりまして、四十八年度では八億五千八百万準過疎対策費ということで特別交付税を配りましたが、本年度はそれの二・七三倍二十三億四千二百万というものを本年度の特別交付税で措置をいたしたところでございます。これにつきましてもいろいろ御異論があろうかと思いまするが、私どもといたしましては、来年度は国勢調査も行われます、そうなりますればまた当然条件も変わってくると思います。それらの状況を見ながら、過疎辺地対策を手抜かりのないように進めてまいりたいという気持ちでおります。
  184. 安井吉典

    安井分科員 法律改正という問題も一つ提起されているわけでありますけれども、これは所管官庁が国土庁ですからここではこれ以上触れないことにいたしますが、さらに関係市町村の反響を見ながら改善措置を講じていただきたいということを申し上げるにとどめたいと思います。  次に、超過負担の問題も先ほど議論されたわけでありますが、五十年度の地方財政計画を策定する段階において、自治体における超過負担と考えられるものは幾らぐらいあるということで自治省はそろばんをはじかれたか、それから伺います。
  185. 松浦功

    松浦政府委員 超過負担が幾らあるということがはっきりいたしますならば、大蔵省にすぐ折衝ができるわけでございますが、実はその額がわからないから折衝できないというのが本音でございます。来年度予算も大蔵省の方にお認めをいただきましたので、昨年度は御承知のように九項目の調査を行いました。残ったものについては来年度調査をいたしました上で措置をいたしたい、このように考えております。
  186. 安井吉典

    安井分科員 ことし金額的に措置されたのは幾らでしたかね。
  187. 松浦功

    松浦政府委員 昨年度九項目を調査をいたしまして、昨年度の補正予算で措置をいたしましたものが住宅、福祉事業、福祉施設、それに学校、合わせて事業費で千二百億でございます。  本年度は、その他の運営費の問題につきましていろいろ大蔵省の方にお願いをいたしまして、事業費ベースで、私の推測では、まだ正確な分析ができておりませんが、二百億前後の超過負担の解消が行われているんではないかというふうに推測をいたしております。
  188. 安井吉典

    安井分科員 いわゆる超過負担というのは、単価の差もあるし、それから数量の差もあるし、それから対象差という問題もあるわけです。いまおっしゃったのは単価差がほとんどじゃないかと思うのですが、その点はどうですか。
  189. 松浦功

    松浦政府委員 これまでも地方行政委員会で繰り返してお話を申し上げておりますが、いわゆる物の本には、超過負担とはという書き出しで、ただいまおっしゃられた三種類が挙げられております。当省といたしましては、単価が超過負担の問題になるんであって、後の数量差、対象差という問題は補助政策の問題である。したがって時々刻々の社会情勢あるいは経済情勢に合わせて妥当なものを補助政策として取り上げていただくようにというお願いは続けてまいりたいと考えておりますが、これをもって直ちに超過負担とは私どもは考えておりません。
  190. 安井吉典

    安井分科員 自治省が単価差以外のものを超過負担だというふうな規定をされようとされまいと、国の補助対象と現実の自治体の財政支出とには差ができているわけです。財政局長はそれは超過負担ではないと言ったって、名前は別にした差というものは必ずあるわけですよ。超過負担とは何ぞやという定義は、別にそんなもの法律にあるわけでも何でもないですからね。ただ地方財政法の中には明らかに、一つの事業について国が負担を出す場合にはその仕事が完全にできるように、十分に間に合うような仕事が完成できるように考えていかなければいけないという規定は、たしかあったと思う、いまちょっと条文がないのですが。そういう意味からすれば、対象だって、あるいは数量の問題でも、局長はこれは超過負担じゃないと言うが、別の名前をつけてもいいですよ、何かの自治体の当然の負担よりも超過した負担であることは確かです。どうでしょう。
  191. 松浦功

    松浦政府委員 たとえば六百平米の屋体であれば補助対象になるという場合に、千二百平米の屋体をおつくりになって、残りの六百平米は超過負担だ、私はそれについてどうこうするつもりはないわけでございます。単独事業というのがあるわけでございますから、単独事業の中で継ぎ足し単独として処置をしていただくということでございませんと、これはもうどこまでいっても歯どめのないもので、地方と国との関係の秩序は乱れてしまう、私はそのように考えております。
  192. 安井吉典

    安井分科員 四千万円退職金をもらった人があるから地方は人件費をよけい出しているという論法と、いまの局長の論法は同じなんです。六百平米の基準のところへ千二百平米つくった、それで残りは全部超過負担だという考え方を自治体はしているのじゃないと私は思う。当然国の基準そのものが地方財政法が規定しているような必要最小限度のものまで見込んでいないということに私は原因があるのではないかと思う。  短い時間のやりとりですから深く入った議論はできませんけれども、私は超過負担を解消するのに一きょうは本会議でも精算払いがどうだという提案もあった、私どももそれが一番いいと思う。しかしすぐにそれができないにしても、数量なり単価なりの問題について議論が地方と国との間であるこの際、どうでしょうかね、国がたとえば九十人なら九十人の子供を収容するに足る保育所を一たんおつくりになってみる。国立の保育所でやれと言ったら、法律では国立で保育所はできません、こう言うわけですけれども、ひとつそれをおつくりになって、どこかの自治体にやってもいい、そういうモデル的な基準的なものを国がやってみればいいのですよ。敷地を買って、そこでこれなら何とか間に合うというものをおつくりになってみて、それでその保育園は摂津市につくってもいいじゃないですか、つくってみて、これだけでできるじゃないですか、敷地もこれで買えたし、これでできたじゃないですかと、そう言えば、私は自治体は満足すると思う。いつまでたっても水かけ論だというふうに逃げておられるわけですけれども、やはりそういう積極的な構えがなければ、問題の解決にはならない。この超過負担の問題も私はせんじ詰めれば補助金政策にあると思うので、もう補助金政策なんかみんなやめちゃって、国と地方で行政事務をきちっと再配分してしまって、地方はこれだけで国はこれだけなんだ、国はこれだけとって後はみんな地方なんだ。その中で地方は保育所をつくってもいい、職員の月給を倍にしてもどうでもいい、そういうつもりでおやりなさいと、私はそういう構えまでいくのなら、そういう状況をつくっていて、人件費が高いとか安いとかいう住民の判断や批判、渡された全体的な財政の中で、住民の総意によって職員にもっとサービスをやってもらいたい、人件費をもっと増せという議論ができればそれでもいいんだし、だから何もそんなことをやらないそういう段階で、ただ人件費だけを多いとか少ないとか、補助金政策で相変わらずどんどん自治体をつるような政策をそのままやる中で、私たちは、超過負担が多いという議論やら人件費が高いという議論をやっているように思うわけです。だからそういう基本的な行財政政策の大なき転換こそがいま望まれているわけで、そういう仕事をさっぱりおやりにならぬで、枝葉末節を議論しているような気がするわけです。十五分だけ大臣に向こうへ行っていいという許可を私は与えたはずなんですが、まだちょっとお帰りになりませんけれども、そういう基本論が一つあるのです。それについてお考えがあればお聞かせ願いたい。  もう一つ、三二%の交付率の点についてもお尋ねをしておきたいと思います。たしかこれは四十一年度に三二%になったと記憶しておりますが、四十一年度までの対象事業というのが、その後恐らく膨張してきたと思うのです。その膨張するのに見合うように三二%の額もふえてきた。それは納得できるわけですけれども、その翌年から、四十二年度以降に政府はいろいろな新しい制度をどんどんつくって、自治体にかぶせてきた。たとえば老人福祉の医療の問題だとか、児童手当だとか、あるいはその他新設の仕事をどんどんやってきているわけであります。私もいろいろな資料で拾ってみたが、それがどれぐらいあるのか、よく押さえ切れないわけですが、四十二年度以降において国が自治体にかぶせてきた事業の件数と、それが現在段階でどれぐらいの額になっているか、計算ありませんか。
  193. 松浦功

    松浦政府委員 財政計画というものできちんと収入と歳出とを合わせてまいっておりますので、どれだけふえておるかということをいま明確に申し上げるわけにはまいりませんが、交付税率三二%で十分足りておるというふうにわれわれとしては理解せざるを得ないと考えます。  それから、前の御質問でございますが、お説のように、超過負担の問題は、大臣がおっしゃられたように当省としては懸命にやります。やりますが、たとえば先生がおっしゃられたモデル的なものを立ててみたらどうかというようなことになりますと、当省ではとても手に負えないわけでございます。これは各省お願いしなければいかぬわけでございます。その点は、私は答えは避けさせていただきたいと思います。  ただ、私は非常に先生と考え方を異にするのでございますが、どのようにおとりになるか知りませんが、超過負担が非常にたくさんあるから給与の問題など、ということをおっしゃられますが、私も全く大臣と同じでございまして、全然次元の違う問題じゃないか。超過負担は超過負担で仮にあるにしても、給与費をいまのような状況にしなければ、それだけ住民サービスに回せる金がよけい出てくるはずだということについては、私はどう考えても譲る必要のない考えだと思っております。ですから、先生の方で、超過負担も解消しないで人件費のことばかり突っつくなとおっしゃられるのと同じように、私どもの方からいたしますれば、地方団体の側に、ともかく人件費の問題をもっと合理化してくれよ、その上で金が足りるか足りないか論議してくれないかということも逆に言いたいような気持ちになるというのが現在の実情でございます。
  194. 安井吉典

    安井分科員 いまの財政局長のお話にも、私は私なりに反論があるわけですが、これは時間が大部かかるものですから、きょうはやめて後の宿題にしておきます。  大臣、いままでの話のいきさつを知らないで答えよと言っても、ちょっとどうしようもないと思うのですが、十五分というお約束が延びてしまったのでいたし方ありません。  私は三二%の交付税、これで足りてきているからそれでやったのだ、こういうふうに財政局長は言われるけれども、実はいままで三二%ではないのですよ。その後の経過をずっと見ても、毎年何らかの特別措置を順々にやっていますよ。ここに資料がありますけれども、いままでの財政計画や財政白書の中を見ても、毎年これ以外の措置を何かずっとやっていますよ。現実は三二%じゃない一のですよ。ところが五十年度においては何もない。少なくも五十年度に本来くるべきものまで去年先食いしちゃって、ことしは何もないのですよ。全く手ばたき。非常にきれいな交付税法の改正です。これはいまだかつてないですね。そういうふうな事態に追い込んでおりますけれども、しかし自治体として国への要求のし残しは、たとえば教員の人材確保法による自治体の負担だけでも、完全実施ベースになったら二千二百四十億円、児童福祉手当が三百五十億円、老人医療手当が七百億円。これを合わせてみても三千三百億円。それから、四十二年以来新しく国が制度をつくってきたのを地方財政計画の方で拾ってきたら、四十九年度までに件数は何と六百六十九件です。これが現在ベースで幾らかわからぬが、初年度ベースだけを累計してみても八千億円になりますよ。八千億円どころじゃないです、これは初年度ベースをただ機械的に足しただけですから。そういうことになると、これだけ合計してみても一兆一千億円を超える額になる。だから私は別な、いままで議論されてないような論点から問題を提起したわけですけれども、もう少し地方交付税の税率を引き上げるような努力を自治大臣としてすべきではないか。国と自治体との財源の再配分や行政事務の再配分等にもっと努力をすべきじゃないか。全体的なお話を聞かないでの質問ですが、それはそれとして大臣のお考えだけひとつ伺っておきます。
  195. 福田一

    福田(一)国務大臣 安井さんは非常に良識のあるお方であると私は思っておりますし、あなたの言っておられる気持ちをわからぬわけではございませんが、しかし何もしないといっても、ことしは税その他が相当増収になっておりまして、地方交付税においても三〇%も伸びておりまして、いわゆる地方公共団体の受けられる歳入というものは相当伸びを来たしておると思うのでございます。しかし、この問題についてはいろいろ議論が出てくると思うのですが、私が申し上げておるのは、そういうこととは別に、悪いことは直さなければいかぬが、どっちでもいいから人件費の問題をわれわれ言っているのは、国家公務員と地方公務員との差があることは決していいことではないので、なるべくそれは差がないようにしてもらいたいということで言っているだけで、これで何も命令出したわけでもなければ、そうせいと言って何か強圧的なことをしているわけではない、その点だけはひとつ御理解を賜りたいのでございまして、この超過負担の問題とこれと同一に見て、超過負担をやらないんだから、だから人件費の方はほっておいてもいいんだということではわれわれとしては納得いたしかねる、こういうことを申し上げているのだから、あなたのおっしゃる点にもまたわれわれとして努力をすべきものがあれば努力しなければなりませんが、人件費の問題は人件費の問題としてやはり地方公共団体に協力をしてもらいたい、こういう気持ちであることを御理解を賜りたいと思います
  196. 安井吉典

    安井分科員 これでやめますが、地方交付税は去年よりも三〇%ふえたというけれども、当初とのアップであって、この間国会を通った補正した交付税に比べると五・五%しかふえてないんですよ。そのことを大臣にもう一度申し上げて、終わります。
  197. 野田卯一

    野田主査 これにて安井吉典君の質疑は終了いたしました。  次に、清水徳松君。
  198. 清水徳松

    清水分科員 自治大臣にお伺いいたします。  公共事業費等で大変財政的に追いまくられまして、地方自治体は、民間あるいは公共を問わず、宅地や住宅等の開発に当たりまして開発負担金というものを取っておるということは御承知だと思います。私たちもいろいろ資料をあちこちの自治体に参りまして集めたわけでありますが、ここに狭山市の例もありますが、学校教育施設のためだけでも一戸当たり二十五万円、それからまた、その他の公共施設の維持のために一戸当たり七万五千円、そういったような取り決めが要綱、そういう形であるわけです。その他、川越その他あるわけですが、その場所場所によって非常にばらばらでございます。そういったようなことは別として、自治省はこういつたような法的な何らの根拠のない開発負担金というものについてどういうふうに理解され、把握され、そしてまたどのような今後の指導を行おうとしておるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
  199. 松浦功

    松浦政府委員 ただいま御指摘をいただきました開発者負担金でございますが、私どもの調べでは一四十八年六月末現在でございますが、二百七市町村がこの制度を持っております。非常にばらばらでございまして、条例制定形式によるものが四、条例以外の要綱等でやっておりますのが二百三。団体別に見ましても大都市で四、都市で百二十三、町村で八十。あるいは規定の内容で見ましても、技術基準それのみの規定の団体が十七、それから開発者負担のみの規定のものが一つ、両者あわせて持っておりますものが百八十九というぐあいに、きわめて千差万別でございます。  先ほども御質問がございましてお答えを申し上げたのでございますが、こういうふうに経済の実態の変動の激しい時代において、いろいろ問題があって個々の町村でこういった形の開発者負担金をお取りになっておられることについて、当省はやむを得ないものだという考え方はとっておりますけれども、できることでございますならば、これが全国的に統一をされて、住民の皆様にも実務者にもわかりやすい形になっていくということが望ましいと思いまして、関係各省との検討は続けておりますけれども、余りにもばらばらに離れ過ぎているものでございますから、どこかに統一しようとすると、上下の幅のある団体に非常に大きな変化を与えることになります。そういう意味で、どこにどういう形でまとめたらいいかということに苦慮をいたしておる段階でございまして、なお、私どもといたしましては、できるだけ統一的な何か指導ができないだろうかという形での検討については努力を重ねてまいりたい、このように考えております。
  200. 清水徳松

    清水分科員 そういう実態は報告をされたわけですけれども、これは一体何に起因するものであろうかということについて、自治省はどのように認識されておるかということもお答え願いたいと思います。
  201. 松浦功

    松浦政府委員 いろいろな住民の要望というものが果たして妥当な水準であるかどうかという一面、さらには、仮にだれもが納得するような妥当な水準が引けて、こういうところではこれだけのものをつくらなければならないということができた場合における文部省なり建設省なりの対応の仕方のおくれ、各種の原因がこれにまじり込んでいるんじゃないかというふうに私どもとしては理解をいたしております。
  202. 清水徳松

    清水分科員 非常にばらばらな状態である、そしてまた住民の要求に対応する要求のいろんな形、それから対応の仕方、そういったようなものがばらばらになっている一番の原因であるとおっしゃいましたが、そうでなくて、こういうような開発負担金を取らなければならない原因というものがどこにあるかということです。いまの答弁では何かすれ違いみたいな感じがしたのですが。
  203. 松浦功

    松浦政府委員 ちょっと表現が不足であったかもしれませんが、たとえば、私どもの目から見て、ある町村のある団地ができることに伴って学校は二つでいいという認定を私どもができるような場合においても、当該団体では三つつくる、こういうことになる場合もあるわけです。そういう意味の住民のニードとそれに対する対応の仕方によってレベルが違ってまいります。そのために、住民の意向に沿うためによけいに金がかかっていくという一面があるだろうということを一つ申し上げたわけでございます。  もう一つは、かりにそれが二つであったとしても、その二つつくる時期に国庫補助が文部省なり厚生省なりから適切に行くという対応性が必ずしもとれていないという一面が、もう一面には国の側の責任としてありはしないだろうかということを、問題として私は御提起を申し上げたわけでございます。
  204. 清水徳松

    清水分科員 これは後者の方にその主たる原因があるんじゃないか。住宅を建て、人間が移動していく、そこでもちろん市町村の税金を納めるし、県民税も納める、そしてまたその他あらゆる税金を納めておるわけでありますから、まるで昔の関所のように、そこへ行くために別にたくさんのこういったような負担金を出さなければならぬといったようなやり方というものは、非常に納得いかないあり方であろう一やり方というよりもあり方であろうと思うわけです。自治省はこの負担金の解消のために具体的にはどのようなやり方を考えておられるか。特に三木内閣の目玉商品ともいうべき住宅対策についても、この開発負担金の問題というものは大きくその前途に立ちはだかる重大問題であろうというふうに思いますが、この負担金解消のために自治省はどのような今後の努力をされるのか、どういうような形で努力をされるのか、お伺いをいたしたいと思います。
  205. 松浦功

    松浦政府委員 先生御承知のように、地方自治体の問題だから自治省だというふうにお考えいただくと、非常に私ども困るのでございますが、学校を建てるのは文部省の問題であり、保育所の問題は厚生省であるわけでございます。したがって、私どもといたしましては、それぞれの国庫補助行政が現実に合うように各省お願いをし、大蔵省お願いをするということによって、補助率の引き上げでございますとか、用地の補助金制度の新設でございますとか、足切り率の引き上げでございますとか、こういったことにこれまでも最大の努力を各省を通じ大蔵省お願いをすることによって、少しずつなりとも問題解決に近づく努力をしてまいったところでございます。当省の本来の持ち分といたしましては、交付税の配分に際しまして、人口急増地域にはできるだけ傾斜的に交付税がよけいに行くようにするという措置あるいは建設に必要な地方債をお認めするというような措置、そういったものを通じてこれらの団体の財政が円滑に運営され、なおかっこういった負担金を幾らかずつでも減らしても運営ができるような方向へ持っていっていただく、こういう気持ちでこれからもやってまいりたいと思っております。
  206. 清水徳松

    清水分科員 余りにも差があって、なかなか画一的に基準なり、また枠なりを設けて指導するということはむずかしいというようなお答えだったわけですが、これは昨年の暮れのことでございますが、やはり各自治体の長、全国知事会の臨時地方行財政基本問題研究会ですか、これが行われた際にこの問題が取り上げられまして、この開発負担金は法的には何ら根拠のないもの、しかも相当額が取られているわけですから、これではまずい、やはり何らかの法的根拠を与えるようにしないと、必ずそういう面での法律的根拠のないものでそういう負担金を取っているということで、非常に疑点が出てくるわけですから、その点はっきりとした根拠を与えていく必要があるということで、法律をつくるべきではないかというような提起がされておるわけですが、この開発負担金について自治省がひとつ中心になって法制化を考えていく、そういうおつもりはないかどうかお伺いをいたしたいと思います。
  207. 松浦功

    松浦政府委員 先ほども申し上げましたように、できるだけ統一した基準でやっていただきたいということに実質的な面に非常に問題があるわけでございます。私どもは、法制化することについて決してやぶさかではございませんが、法律の内容をどう決めるかということ自身が、実は各省庁の間で意見がまとまらないわけでございます。たくさん取っておられるところにここまでだというふうに書けば、負担金が減るので財政的にえらいことになる。少ししかかけていないところにここまで取れということになると、また先生のおっしゃる意味と逆に、負担解消とは逆の方向へ行ってしまう。その辺の問題をどう調整するかということに非常に技術的な困難がございます。しかし、せっかくの御指摘でございます。知事会でもそういう御意見がございますので、知事会の御意見も十分聞きながら、各省との意見をできるだけ煮詰める方向で努力することはお約束いたします。
  208. 清水徳松

    清水分科員 これはぜひ努力をしてもらいたいと思いますし、法制化してもらいたいと思います。そうでないと、どんどんどんどん差が開いていくだけで、そういったような傾向にあるからこそ、むしろ一定の基準というものを早急に設けて、その開きをなくしていく必要がある、そういう努力をすべきだと思います。  次に、いま自治省の方からのお答えによって、教育施設の負担あるいはその他公共施設の負担等について、文部省にしても厚生省にしても、その他の担当の官庁が十分なるそれに対する負担をしないから、こういう開発負担金といったような問題が出てくるというふうにおっしゃったのですが、結局は、いわゆる超過負担というのは、これはこの委員会でも再三、再四論議された議論だと思いますが、それが一番大きな原因になっているというふうに思いますが、その点お認め願えるでしょうか。
  209. 松浦功

    松浦政府委員 私どもといたしましては、超過負担の概念自身に先ほども申し上げましたように問題がございますが、私どもは国が定めた基準に従って単価が追いつかないものを超過負担だと考えております。これにつきましては、昨年も大臣の強い御指示で補正予算の際に、住宅、福祉事業、福祉施設、それから学校、これに絡みまして事業費で千二百億円の超過負担の解消を行いました。これら三事業については、もはや実質的な超過負担はないと私ども思っております。それ以外のものにつきましても、明年度大蔵省と実態調査をいたしまして、修正をするということを考えております。  超過負担の問題は、どのようにしても国の責任であるということをはっきりと認識をいたしまして、私どもだけがそれをしょって立つつもりはございませんが、関係各省と協力をして大蔵省の理解を得てこれを解消するということについてはやぶさかでございません。
  210. 清水徳松

    清水分科員 この公共事業費の負担金の問題も、帰するところは公共負担の超過負担の問題が一番大きな原因であるということは、いまの自治省の答弁いかんにもかかわらず、実際、問題の起こりつつあるそれぞれの自治体なりあるいは住民の中ではそれが実感となって出てきておるわけでございまして、そういう意味で、私はこの超過負担というのは公共負担金を解消する方向あるいは最低限度の一定の基準を設ける法律を作成する場合でも絶対の前提条件になるのじゃないかというふうに思う次第です。  さて大臣、四十九年の十月十一日付で、この人口急増、そうしてまた超過負担等で大変苦労しておる埼玉県の二市二町、つまり埼玉県富士見市、上福岡市、大井町、三芳町、これは全国でも最高の急増地帯に属するだろうというふうに思いますが、その地域から「人口急増地域における保育所の設置及び運営に要する経費並びに小中学校の用地取得及び建築に要する経費にかかる国の支出金の算定に関する意見書」というのが地方財政法第二十条の二の第一項の規定により提出をされておるわけでございます。これは私も一緒に参りまして、古屋政務次官だったと思いますが、大臣にお会いできなかったものですから、お会いいたしまして、この意見書をお渡しいたしまして、諸般の手続をとっていただきたいということをお願いしてきたわけです。もちろん二市二町の首長さんも同行をいたしておるわけでございますが、それに対しまして自治省は、もちろん窓口になっておるわけですが、どのような対処をその後されておるかお伺いをいたしたいというふうに思います。
  211. 松浦功

    松浦政府委員 自治大臣に御提出をいただきました意見書につきましては少し時間的には遅うございましたが、その間にむしろ御指摘をいただきました部分の実質的な対策を講ずべきだということで、ずいぶん御意見に対します措置を講じた部分がございますが、これにつきましては内閣に送付の予定でございますが、国会の方にお出しいただく書類が私どもにはわからないわけでございます。どこを捜しましてもないわけでございます。どういうことになりましたのか、逆に私の方から先生にどなたにお渡しをいただいたかお伺いをいたします。
  212. 清水徳松

    清水分科員 そういったような財政法——これはぼくらは地方自治法についてはあまり詳しくは知っておらないが、意見書を出された場合に「内閣は、前項の意見書を受け取ったときは、その意見を添えて、遅滞なく、これを国会に提出しなければならない。」と書かれておりますが、われわれの方が直接国会の方へ出さなければいかぬものでしょうか。どうもぼくらこの法律どう見てもそうは解釈できないですが。
  213. 松浦功

    松浦政府委員 内閣にお出しをいただく意見書は自治大臣で結構でございます。国会にお出しをいただくものは内閣に御提出をいただかなければならないわけでございます。
  214. 清水徳松

    清水分科員 この三は、「内閣は、前項の意見書を受け取ったときは、その意見を添えて、遅滞なく、これを国会に提出しなければならない。」それは書類が欠如があったということであるならば、なぜ、それは欠如されておるから、緊急の、これは救済措置の必要な意見書でしょう。ですから、それだけに皆さんこういう人口急増地帯を少しでも救済しようという誠意があるならば、もしそういう欠如があったとしたならば、そんな遠い中じゃないですからね、これは足りないからどうしたと言って、それくらいの注意があってしかるべきだと私は思いますが、いかがでしょう、誠意がないと思いますよ。
  215. 松浦功

    松浦政府委員 ちょっと先生にお伺いさせていただきたいのですが、どなたにお渡しいただいたのですか。
  216. 清水徳松

    清水分科員 古屋政務次官です。
  217. 松浦功

    松浦政府委員 そうですか。政務次官はおそらくこういう細かい規定を御承知にならなかったんじゃないかと思います。
  218. 清水徳松

    清水分科員 それはそちらの責任ですよ、そんなことはこっちが責任をとることじゃないですよ。
  219. 松浦功

    松浦政府委員 それでお出しいただくなら内閣の方へ郵送をしていただくあるいは内閣へお届けいただくというのが法律の手続としては正しいのではないかと思います。
  220. 清水徳松

    清水分科員 ぼくらが行って政務次官に頼んだわけです。諸般の手続の方はよろしくお願いします、承知しましたということでお渡ししてきたのでありますから、諸般の手続をとるについて、これはそう何回もある意見書じゃないです、財政法十三条による意見書なんというものは。それなのにどこかの、自治法の九十九条の意見書くらいに受けとめてもらって、それでふいにしたんじゃないかな、そういうふうにすら感じておりますが、大体自治省というものはその程度しか考えておらない。しかも日本で一番人口急増地帯で、これはもう一番問題のあるところなんです。それは十分説明してきたわけです。それなのにこういったような誠意のないやり方でしか対応できないというのは、ぼくは絶対に納得できないですがね。いつもそうなんですか。
  221. 松浦功

    松浦政府委員 私の方へ政務次官からその書類が下げ渡されるということであったならば、私どもはおそらく完全な手続をしたと思うのです。政務次官御自身が財政法十三条の問題と自治法九十九条の問題との詳しい御理解はおそらくお持ちになってなかったんじゃないか。結果的にまことに失礼な結果になって、その点は私は政務次官にかわっておわびをしなければならないと思います。しかし、手続としてはやはりそういうことでなくて、事務手続のできる人のところへ置いていっていただきませんと、それはやはり私どもとして後になって言われるとこういう結果になりますので非常に困りますから、今後はもしそういうことでございましたら政務次官にお話をいただいても、私なり財政局長なりに、これの条文に基づくやつだから頼むというふうに言っていただければ、私ども間違なく措置をいたします。お許しをいただきたいと思います。
  222. 清水徳松

    清水分科員 そんな、いまごろそういうことを言われては、われわれとしては、政務次官というのは何のためにあるか、それこそ設置法をよく見てもらった方がいいと思いますよ。われわれと内閣との間のやはり連絡の役割りでしょう。その政務次官によくお願いしてきたものがこういう扱いになっておるということは、これはもう重大な問題だと思いますよ。しかもこれは正式に出された文書ですからね。ですからわれわれとしては何とか処理してもらわなければ困るし、国会にも当然これは報告されなければならぬ問題だと思いますよ。ですからそれは早速処置してもらいたいと思います。理事の方でぜひこの件については扱っていただきたいと思います。
  223. 松浦功

    松浦政府委員 私の方で早速当該市町村の方からもう一度大至急出していただきまして、至急先生のおっしゃるように手続をとらせていただきます。
  224. 湯山勇

    ○湯山分科員 議事進行。ただいまの清水君の御指摘の点につきましては、ひとつ保留いたしまして処理するようにお計らい願いたいと思います。
  225. 野田卯一

    野田主査 それでは保留して、後で処理することにいたしましょう。
  226. 清水徳松

    清水分科員 この超過負担の問題については、との意見書で額の一番大きいのは小中学校の用地の買収費の国庫補助との差額ですね。実際かかった額との差額が一番大きな超過負担になっておるわけです。この小中学校の用地買収というのは大体人口急増地帯ですから、特別措置法によって特別に配慮されているはずなんですが、どの程度配慮されているのですか。
  227. 松浦功

    松浦政府委員 人口急増地の小中学校用地に対しましては一定の単価を予算上定めまして、その単価を限度といたしまして、平均単価でございますが、それに対していま三分の一国が助成をするという制度をとっております。ただ、いま申し上げました単価は全国平均でございますので、高いところはある程度高いなりに、安いところはある程度安いなりにという配分を文部省の方でおやりになっておられるようでございますが、その細かな実態は私どもよく存じませんので、ひとつ文部省の方にお尋ねをいただきたいと思います。
  228. 清水徳松

    清水分科員 確かに特別措置法によって三分の一配慮をいただいておるわけです。しかし実際は、この人口急増地帯、最高の場所なんですが、富士見市においては実際は一二%、本当は三三%が当然でしょう。それから大井町は一五%。四十八年はこの二カ所だけで平均して一三%ということになって、富士見市においてはその超過負担というのは超過負担と言い得るかどうか、二億九千五百六十三万七千円になっておるわけであります。  時間がないから早くお伺いしますが、しかもこの特別措置法が用地については五十年度が最後になっているわけでしょう。最後になっているわけですよ、この三分の一を限度として補助していただける。これは五十年度で打ち切るつもりですか。当然延ばしていただかなければいかぬと思っていますが、どうでしょう。
  229. 松浦功

    松浦政府委員 これは文部省の方でおやりになっておられる問題なので、私どもの方はここで右か左か申し上げられないのははなはだ遺憾に思いますが、当省といたしましては五十年でこれを打ち切っていただきたくない。だから文部省にもっと延長してくれということを当然のことながら申し出るつもりでおります。
  230. 清水徳松

    清水分科員 わかりました。ぜひそうしてもらいたいと思います。  それから大蔵省をたしか呼んでおるはずですが、富士見市の場合は二億九千万円、それから三芳町の場合はわりと少なくて七千六百八十六万円、こういうことですが、これに対してそれぞれみんな質の悪いそういう起債等を行いまして、やりくり算段しているのじゃないかと思いますが、これに対して何年間かの長期の起債を認める、たとえば七年なり十年なりの起債を設けまして、そしてそれを特別交付税なり何なりで見ていく、そういうやり方で処理はできないものだろうか、その程度の親切味というのはないものだろうかということをお伺いいたしたいと思います。起債を認めてもらいたい。
  231. 名本公洲

    ○名本説明員 起債とその償還、特交による措置お話でございますが、これは私の方でございませんで、財政局長の方でおやりでございますので、そちらの方からひとつ……。
  232. 松浦功

    松浦政府委員 現在の制度でも、人口急増地域に認めた用地取得費の一部は償還額を普通交付税で見ることにいたしております。今後ともその方策は続けてまいるということでございます。
  233. 清水徳松

    清水分科員 そうすると、用地費については大体三分の一以下なんだけれども、その超過部分については起債を現在も認めておるということですか。私、不勉強でそれを確認しないで来たものですから、大変恐縮です。
  234. 松浦功

    松浦政府委員 現実の購入価格から認められた国庫補助を引きました残りについては、起債を認めるようにしております。だから、全部起債を認めております。それの一定割合は交付税で償還額を見るということでございますから、残った部分についても実質的には補助が一定割合で行くわけです。その形をわれわれとしては続けてまいりたいと思っております。
  235. 清水徳松

    清水分科員 ぜひお願いしたい。これで終わりたいと思いますが、起債の償還の期限ですね。こういったようなものについても、できるだけ長くしてもらいたいという希望がわれわれとしてはあるわけです。  それからもう一つ。最後に、山村振興だとか過疎地域対策緊急措置法とか離島振興、いろいろ特別立法があるわけです。それに基づいて補助率をうんと上げたり、対象を広げたりしているわけですが、人口急増地帯、学校の用地取得の場合とかいろいろ配慮はしてもらっているけれども、全体として過密地帯の特別財政負担法みたいなそういう総合的な立法というものも考えていかないと、なかなかあれもこれもで大変になるのじゃないかと思いますので、自治省としては、その辺のところをどう考え、どう努力されるか、最後にお伺いしたいと思います。
  236. 松浦功

    松浦政府委員 私どもといたしましては、五年間というような時限のかかっているものがございますので、そのために、出発の年次によってばらばらになったりしているものもございます。しかも、また、実質的な実務が全部各省にわたるものでございますから、そういうものを果たして一つ法律にまとめることがより効果的か、それとも現実に一つ一つなし崩しというような形で実質的に人口急増団体のためになるような措置を講ずるのがいいかということについては、いろいろ議論のあったところでございます。現在の段階では、私どもは個々に問題を片づけていった方がいいという立場に立っておりますので、いまにわかに統一立法をつくろうという気持ちには恐らくならないだろうと思います。
  237. 清水徳松

    清水分科員 過疎もあるわけです。山村もあるわけですから、過密も当然そういった補助のための総合立法を制定する時期が来ているんじゃないかというふうに思うわけです。その辺のところを要望をしまして、質問を終わりたいと思います。
  238. 野田卯一

    野田主査 これにて清水徳松君の質疑は終了いたしました。  次に、瀬崎博義君。
  239. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 まず、大臣にお伺いをしたいのでありますが、昨年、滋賀県の知事選挙をめぐりまして、上田建設及び同社社長の上田茂男氏が、自民党が支持しておりました前野崎県政の存続を目指しまして、当時の社会党の県本部の幹部に政治献金を行って革新統一の分断を図った。これに対しまして社会党は、大会で、保守勢力の仕組んだ革新勢力の分断策に乗じられ、党と県民にとって許しがたい腐敗行為を行ったとして、当時の県本部三役を除名処分にした。このことについては御承知だと思います。私はいますぐこれが違法であるかどうかを尋ねようとするのではないのです。三木首相は、わが党の不破議員の質問に答えまして、企業が自民党に献金しているからといって一回も意識したことはない、自民党の政治と献金は別々の問題だ、こう答えておられるので、自民党の政治の存続のため、革新陣営の分裂を目して、革新統一を進めようとしている社会党の一部の幹部を買収することが果たして別々の問題だと言えるのかどうか、これを大臣にお答えいただきたいと思うのです。
  240. 福田一

    福田(一)国務大臣 いまの御質問の趣旨がよく聞き取れなかったように思いますので、答弁になるかどうかはいかがかと思いますが、私は、三木総理が言っておるように、政治献金があったからといってそれで行政を曲げるというようなことはすべきでないと思いますし、また政治自体もそういうことで曲げるべきではないと信じております。
  241. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 とすれば、明らかに革新勢力の分断を図って、一部の野党幹部を買収しようというふうな行為で政治献金を行うということはいけない、こういうことですね。
  242. 福田一

    福田(一)国務大臣 これは場合によっては刑事問題等になることではないかと思うのですが、私はそういう事件について、事実の内容を詳しく知らないで、これがいいとか悪いとかいうようなことをお答えすることは、この際は差し控えさせていただきたいと思います。
  243. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 では、私は以下事実に即していろいろ御質問したいと思います。  上田茂男氏は、届け出されております分だけでも、自民党の滋賀県連に昭和四十六年八百万円、息子さんの上田茂行現代議士の後援団体新風クラブへ四十七年二百万円、また上田茂行氏自身は、自民党県連に四十七年から四十九年にかけて五百五十万円、みずからの後援団体新風クラブに四十七年七千三百九十三万円の政治献金をしていらっしゃいます。高額所得者に出ていない上田茂行氏が、当時これだけの政治献金ができるというのも不思議の一つなんでありますが、もちろんこれは氷山の一角であり、その上田茂行氏が当選を果たしたあの四十七年の総選挙、この上田陣営が多数の選挙違反者を出して、金権選挙の見本と言われたわけなんでありますが、この点は大臣御記憶ですね。
  244. 福田一

    福田(一)国務大臣 私は、残念でございますがそのときのことをよく了承いたしておりません。
  245. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 クリーンを標榜する三木内閣の、しかも公選法やあるいは選挙資金を預かっておる自治大臣が、いまのようなありさまでは大変心もとないと思うのですね。これは事実違反者が出たのであります。なにでしたら警察の方に改めてその事実を確かめておきたいと思います。捜査第二課長来ておりますね。こういうことはありましたね。
  246. 平井寿一

    ○平井説明員 警察といたしましては、現在までのところそのような具体的な事実についてはつかんでおりません。
  247. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 四十七年の暮れの総選挙ですよ。これは逮捕者がたくさん出たのですよ。警察庁はそういうことも御存じないのですか。
  248. 平井寿一

    ○平井説明員 失礼いたしました。選挙違反の件につきましては私も記憶しておりますけれども、具体的な状況については手持ちの資料がございませんので、はっきりとお答えいたしかねます。
  249. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 このような多額の、言うなら買収資金が一体どうしてできたのか。われわれ一般に上田建設グループと聞いておるわけなんでありますが、このグループの元手はどうしてつくられたのか、これが国民の大きな疑惑であります。また疑惑を持つのは当然だし、だからこそわれわれは、この疑惑を明らかにしなければならないと思うのです。私は、これは三木内閣の政治姿勢にもかかわる問題として、以下質問をしていきたい。  遠いところのことですから、わかりやすいように地図をつけた資料もお配りしておりますから、それと照合しながらお聞きいただきたいと思うのです。その地図はびわこニュータウンと一般に呼ばれている場所の図面であります。おおむねそこの土地は滋賀県の土地開発公社が現在保有をしております。  まず林野庁に聞きたいのです。  このびわこニュータウンと一般に呼ばれている計画の中で、国立滋賀医科大学建設用地及びその取りつけ道路四十万平米に対しては、確かに保安林の解除の通知が出ました。ところが、その西側の土地五十八万平米に至りましては、昨年の五月保安林解除の申請が出されているにもかかわらず、今日まで留保されております。その理由についてごく簡潔にお答えをいただきたいと思います。
  250. 鈴木郁雄

    ○鈴木説明員 先生お話しのとおり、昨年五月に宅地造成の目的で約五十八ヘクタールの保安林解除申請が滋賀県知事から農林大臣あてに申達されております。林野庁において受理いたしておるところでありますが、申請の内容につきまして、特にこの事業の全体計画あるいは事業着手の段取り、あるいは資金計画、さらに防災計画あるいは環境保全上の森林の残存計画、こういうものにつきまして明確でない点がございましたので、これらにつきまして滋賀県に対しましてたびたび説明を求めてきたわけでございますが、現在に至るまで説明がございませんので、やむを得ず保留しておるものでございます。
  251. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 一言で言うならば、保安林の解除申請を検討しようにも、検討する基礎になる計画というものが余りにも漠然とし過ぎて検討のしようがない、こういうことなんですか。
  252. 鈴木郁雄

    ○鈴木説明員 先生のおっしゃるとおりでございます。
  253. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 いま私が指摘しております土地というのは、最も早く用地買収の行われました中央地区というところなんです。この地区についての計画が、いま林野庁の鈴木治山課長お話しになったとおりであります。計画らしきものが全然存在しないのに、土地の買収だけが進んでいる、これではっきりいたしました。  そこで、自治省にお伺いをしたいのであります。  この土地開発公社というのは一体どういうものなのかということなんです。公有地拡大法では、地域の秩序ある整備を図るため、必要な公有地の取得や造成、管理を目的とする、こうなっているのでありますが、そうだとするならば、当然土地開発公社の正常なあり方として、いやしくも土地投機に利用される、明確な全体の計画や見通しもなしにずさんに土地を購入する、保安林が解除になるのかどうかわからずにどんどん土地を購入する、そのために借入金や負債を無限に膨張させる、こういうことは許されないことだと思うのですが、いかがでしょうか。
  254. 遠藤文夫

    ○遠藤(文)政府委員 公有地拡大法に基づきますところの、土地開発公社が法令の規定に基づきまして適正にその仕事を行うべきことは当然のことだと考えます。
  255. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 私が聞いたのは、土地投機に利用される、明確な全体の計画や見通しもなしにずさんに土地を購入する、そのために借金を膨大なものにしてしまう、この三つの点について、こういうことをしてもいいのか、してはいけないのか、これを聞いているのです。どっちです。三つについて答えてください。
  256. 遠藤文夫

    ○遠藤(文)政府委員 御質問の趣旨でございますけれども、土地開発公社は、公有地拡大法の定めるところによりまして、法律に定めました業務をそれに従って行うわけでございますので、別に土地開発公社の行います業務がどういう形で土地投機に利用されるというふうな御質問の趣旨がちょっとのみ込めませんので……。
  257. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 それじゃ、私が言ったようなことは起こらないはずだということなんですか。
  258. 遠藤文夫

    ○遠藤(文)政府委員 土地開発公社は、その業務がたとえば学校とか道路、緑地その他の公共施設を取得して地方団体に引き継ぐというような仕事でございますので、おっしゃるような事態がどのような形で起きるのか私にはのみ込めませんので、もう少し教えていただきたいと思います。
  259. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 だから、そんなことが起こったらおかしいのですね。まだわかりませんか。もう一遍言いましょうか。この土地開発公社が土地投機に利用される、もっとわかりやすい言葉で言ったら、土地の転がしに利用される——首振っていますね。ないということですか。それから計画を全然持たずにばんばん土地だけ買っていく、こういうことがあっていいのかどうか、それから借入金をどんどんふやしてもいいのかどうか。こういう点について、法律の定めるところに従えば、いいことか悪いことか、これを聞いているのですよ。はっきり答えなさい。日本語わからぬですか、あなた。
  260. 遠藤文夫

    ○遠藤(文)政府委員 これは、土地開発公社の業務の内容によりますけれども、たとえば四条一項で届け出があった場合の用地の取得という場合でございますと、別に計画とかそういう問題は生じないで購入する場合もございます。四条一項の規定で、住民の方から届け出があって土地を購入するような場合ですと、そういうふうな計画という問題が生じない場合もありますので、一般の土地とおっしゃられましても、いささか答えにくいのです。
  261. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 もういいです。そういう人が自治省にいるんだからさもありなん、起こり得ることかもしれませんね。自治省として、私が心配するようなことが起こらないようにはちゃんと歯どめがかかっているんですか。
  262. 遠藤文夫

    ○遠藤(文)政府委員 私どもとしましては、土地開発公社が法の趣旨に従いまして適正に仕事を行うようにできるだけ指導しているつもりではございます。
  263. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 いまお配りしております。びわこニュータウン内でペケペケで書いてあるところは、全部開発公社が公有地として現在保有しているところでありますね、県の公益目的ということで。本来ならこれだけの大事業ですから、よほどしっかりした計画があってしかるべきなんですね。ところ、が、ただいまの林野庁の話でももう見当はついたと思うのです。保安林の解除申請をどう扱うかという判断すらする基準に合う計画がないというありさまのところであります。といって最初から全然計画がなかったかというとそうではないのであります。  一番上の図面、これが唯一の正式に出ている計画なんでありますが、昭和四十五年の十月に策定されたびわこニュータウン開発基本計画であります。これは県が出しております。これによりますと、対象面積は六百八十四ヘクタール、全体を中央地区、東地区、西地区の三地区に分け、中央地区は公的機関、主に県が新住法適用で開発し、東地区、西地区は民間機関による区画整理事業適用で開発する。全体で住宅一万四千戸予定人口五万六千人、完成時期を、中央地区と東地区A住宅は五十年、東地区B住区と西地区は五十五年、こういうふうな概略計画になっているわけであります。  さて、私は、自治省に、計画はこれ以後出ていないか、何回も確かめたのであります、公式、非公式合わせて。ないというお話でしたね。確認しておきたいと思います。あるのかないのか、それだけ一言。
  264. 久世公堯

    ○久世説明員 公式のものはないと聞いております。
  265. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 私は、部内資料も含めて、あるものは一遍全部出してくださいとこう言っているのです。たとえ非公式のものにしろないということですか。
  266. 久世公堯

    ○久世説明員 昨日滋賀県の方に電話で聞いたところによりますと、住宅課で内部検討用としてつくった計画はあると聞きました。
  267. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 私ども調査によりますと、実はあるわけなんです。それはびわこニュータウン土地区画整理事業基本計画書というのが四十八年一月十九日に出ているわけです。相当膨大なものであります。これの要点を説明いたしますと、施行者は京都労働者住宅生活協同組合、西武鉄道、日生不動産で、京都労住協が共同施行代表者、こうなっております。対象区域は、先ほど示しました四十五年十月の県が出しておりますびわこニュータウン基本計画の東地区、西地区。民間機関が開発を受け持つとした地区と一致しております。したがって、これはほぼ県の公式の構想に従ってつくられたものだろうと私たちは思うのです。しかもこの中には相当詳細な図面もちゃんとついております。校区割図もあって、東地区九校区、西地区六校区、こういうふうにちゃんとなっております。  しかも、これはあとでお見せします。一部しかないのでお渡しはできませんが、関係機関との協議の経過も非常に詳しく出ておりまして、四十六年九月、四十七年六月、四十七年九月の三回に分けて滋賀県の地方課、企画調整課、総合開発局、住宅課等ほとんどの関係部課及び大津市、草津市等ともいろいろと協議を行われた結果がここに載っております。その中にも、「開発手法は共同施行の区画整理とする」ことが再確認されるとともに、「労住生協」、正式の名前を京都労働者住宅生活協同組合「を通じる。今迄通り連協の西武綾羽労住生協と接することを建前とする。」こういうことも書いてあるのです。しかも四十七年十月十三日の日付のところには、括弧してではありますが「(上田建設との打合せ)」そして「関西電力では四十八年五月に送電予定として通産省に申請しているので変電所の位置を決めなければならない。」こういう重要なことまで出ているのです。上田建設は共同施行者にも何も表には出ていないが、ちゃんとこの中にはこういう重要な立場で、この協議の中に加わっているのであります。ここでは区画整理事業について京都労住生協が主役を果たすということになっているのが大きな特徴であります。  ところが、これだけのあちこちと協議の上でつくられたこの土地区画整理事業の計画が、結局いつの間にやらやみに葬られてしまっているのであります。おそらくこれはあなたたちの目にもついていないし、県もこれは伏せていると思います。この後、四十九年二月の計画というものがあります。ここでどういうふうに変更したかといいますと、当初と同じ八住区なるも、低密度開発に変更し、計画戸数を一万四千戸から一万一千四百戸に減らすとしております。しかしこの段階では、決定をしておりました国立医大のことも、また当時予定されておりました滋賀国体主競技場の計画も、なお変更された計画には姿をあらわしてこないのも何とも不思議なことなのであります。この資料というのもここにありますから、後でごらんいただいたらいいのでありますけれども、ペラ一枚の簡単なものでありまして、詳しいことが書いてないのであります。計画としては非公式なものとはこういうものなんであります。  ところが、同じ去年、四十九年にこれら公式、非公式の計画とは全く無関係な土地開発公社の土地買い増し、つまりいま申し上げました労住協が主体で行おうとしておった区画整理事業区域の大半を、去年の五月から九月にかけて土地開発公社が買うという事態で今日に至ったのであります。もしこれでも事業計画があったとか、計画に従って公有地の先買いをしたんだとか言うんなら、これは何でもできるということになると思うのですね。法律のいう秩序ある地域の整備とか、必要な公有地とかは一体何を意味するのか。公社は、およそ県でどんな計画を立てているとかそんなことにとんちゃくなしに土地が買える機関なのかどうか、これを自治省にお伺いしたいと思います。
  268. 遠藤文夫

    ○遠藤(文)政府委員 この公社の場合は、もちろん県が出資してつくっている法人でございますので、もとより県のつくっております計画に即しまして、十分県と相談もいたしまして事業を行うという形に行うのが通常の形だと考えております。
  269. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 そうすると、もしこういうふうな事態で計画が全く葬り去られておったとしたら、これは異常だということですね。ここでは確かに、おたくはこういうのは、ごらんになっていないから判断するのはむずかしいと思うんですね。これも渡しておきますから、一度確かめて、先ほど私、三つのようなことがあってはならないのじゃないかと申し上げましたね。現に起こってきておりますから、報告をしていただきたいのであります。
  270. 遠藤文夫

    ○遠藤(文)政府委員 私ども現実の中身をよく存じておりませんので、具体的に土地のそのような区画整理とか計画とかそういう問題について所管しておりませんので、御指摘のような点を直ちに調べろと言われましても若干……(瀬崎分科員「時間がかかるでしょう。いいですよ」と呼ぶ)いや、時間というよりも、私どもの手には若干むずかしいかと思いますので、御容赦いただきたいと思います。
  271. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 これは主査の方で、私たちは資料の提供をする、これが根拠があるのかどうかを確かめて、果たして公有地拡大法に基づく運営が伴われておるかどうかを調べてほしいと言っているんですね。これは監督官庁は自治省なんです。ぜひやるようにおっしゃっていただきたいのです。
  272. 遠藤文夫

    ○遠藤(文)政府委員 少し法律のたてまえで恐れ入りますが、公有地拡大法に基づきますところの土地開発公社と申しますのは県が設立するものでございまして、御指摘のような具体的な事業の中身がいいか悪いかという運営につきましては、県が責任をもって指導するという形になっておりますので、そういう問題につきましては、まず適当かどうかを県の段階でよく調査していただくということではないかと考えております。
  273. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 まだ自治省責任を逃れられるようですから、さらに次へ続けましょう。  しかし、こういうようなことがあってはいけないんだということだけは確認されましたね。いいですね。実は、言うなら計画はあることはあったのだけれども、こんなものは全くけ飛ばされて土地買いが進んだ。これはいまの事実で大臣おわかりになったと思うのです。  さて今度は、土地登記に利用された実態であります。これも、時間の関係がありますので、私は一覧表をそこにつけておきました。二ページ目をごらんいただいたらよろしいかと思います。もちろんこの公社が上田グループなどの転がし地を買っておるということはかねがねうわさされておりましたし、このびわこニュータウンではありません、湖西の方の土地でありますが、わが党の仲川県会議員が県議会で同じような状態にあることを明らかにしたこともあります。また、お手元の第一ページの図面の桐生、西萱尾地区という一番新しく買い取られた地域でありますが、これについては公社が転がし地を買ったことを認めております。しかし、私ども調査で、このびわこニュータウン域内の公社が保有している全地域にわたって、実は上田建設グループの転がしが行われておった、これの片棒を公社が担いでおったということがはっきりしてまいりました。全部はとても申し上げられませんから、ごく要点だけ申し上げていきたいと思います。  まず、A地区というのがある。つまり国体の主競技場にするとかしないとか言われている土地であります。ここの上田グループの転がしの主役は大和不動産、京都レースであります。しかもこのころは上田建設グループ内の転がしが目立つのが特徴であります。ですから、こういう点でも、これは主競技場になるのかどうかわかりませんが、国も補助金を出すかもしれない事業でありますから、国にも関係があるわけであります。  次に、B地区というのは、これはすでに法律も通って国立滋賀医大用地として決まっているところであります。これもびわこニュータウンの計画ができるずっと以前から上田建設グループによって買い占められ、転がされていたということがはっきりいたしました。ここの上田建設グループの主役は、同じく大和不動産、それから京都レースであります。こういうふうな会社については、もうすでに発表されておりますから省略したのでありますが、この線の引っ張ってあるのが全部上田グループであります。全く田中金脈の場合と一緒なんです。電話をかけてごらんなさい。同じ人が電話に出てくるという、こういう手合いですね。住所が一緒。こういう会社です。しかも念の入ったことに、ここに上田茂行後援会のパンフレットがあるのですが、上田茂行さんの経歴として、大和不動産重役となる、こういうことまで書いてあるのです。そういう会社であります。しかも、この国立医大用地については、上田グループから宏和興業というのを通って開発公社に土地が転売されている、こういう一つの特徴があるのです。私ども残念ながら、この宏和興業がどういう会社であるかを今日時点では調べ得なかったのであります。しかし、結局国立医大も、上田建設グループの土地転がしの言うなら指標にされたということがこれでおわかりいただけると思う。  次に、去年の五月に公社が買った瀬田西地区であります。ここの上田建設グループの転がしの主役は、京都レース、そして伊吹建設であります。しかも、このときになって初めて、よく言われる土曜会グループ、これは大手建設業者と上田建設が結託をいたしまして、滋賀県のいろいろな開発事業を牛耳るためにつくられたグループでありますが、これが登場してまいります。戸田建設であります。こういう手合いの手を経て、今日、日本信和というのが登記面の所有者になっております。しかし、公式の公社の書類を見られたらおわかりのように、一応公社は去年これを買ったことになっているのですね。  さらに、これはもうすでに明らかになっている地域なんですが、桐生、西萱尾地区、ここでまた大和不動産、京都レースが転がしの主役として登場してまいります。これを一応公社が買ったことにはなっているけれども、登記面では一部は東海土地建物の所有になっているし、一部は有楽土地の所有になっているのです。しかし、この公社が出しております資料で見ますと、西萱尾地区に対しては飛栄産業から買った、こういうことになっている。この飛栄産業というのは登記面に出てきてないのですね。こういう不可思議なことが現にあるわけであります。  こういう点から見て、私、大臣にむずかしいお話を聞こうとは思いません。一言感想として、さてこれでも転がしがないとお考えなのか、これはやはり土地転がしの一種だとお考えになるのか、それだけお聞きしたいのです。この線の引っ張ってあるのは全部上田建設グループです。
  274. 福田一

    福田(一)国務大臣 いろいろお話を承ったのでございますが、私がこれを転がしと見るとか見ないとかいうことは、転がしというものの定義もございますし、いまここで私がこれは転がしだと申し上げることは……(瀬崎分科員「感想として」と呼ぶ)感想と言うけれども、感想などはこの国会で申し上げるのはいかがかと思うのです。国会議員とか、まして大臣というものは、めったに感想などというものをこういう席で申し上げることは、差し控えさせていただきたいと思います。
  275. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 では、これは自民党の、あなた方の党の政治姿勢にもかかわることですから、一度よく調べをいただきたいと思うのです。  さて、この転がしの中で新しい一つの問題が発見されたわけであります。というのは、この土地が転がされていく過程をよくごらんになりますと、ところどころに京都労住協の名前が出てきますでしょう。先ほどのあの土地区画整理の共同施行者代表になっておった協同組合であります。  まず、所管ですから厚生省にお尋ねしたいのでありますが、この京都労住協の定款を見ますと、「この組合の地域は京都府の区域」としてあるのですが、この労住協が滋賀県で土地の売買をやるということは法律上妥当なことなのかどうか、これをお聞きしたいのです。
  276. 石原公道

    石原説明員 確かに、組合員の範囲は京都府下に限定しておると思いますが、事業自身そういう組合員のために土地を買って、あるいは住宅を建てて組合員のために供給する事業を、京都府以外、このケースでございますと滋賀県でございますか、滋賀県の方でやりますことについては、法律で特に禁止しているというふうには考えておりません。
  277. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 組合員に分譲するという目的で土地を買っているのならよい、こういうことですか。
  278. 石原公道

    石原説明員 そういうことでございます。
  279. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 そういたしますと、A地区の二番目のところを見ていただきたいのであります。この瀬田南大萱町の土地は、大和不動産、上田グループです。京都レース、上田グループへ渡ります。そこから京都労住生協が買いまして、四十八年三月大和不動産、また上田グループなんですが、これに売っております。さて、大和不動産はもちろん法人であります。組合員ではないはずであります。こういうことは許されるのでしょうか、いまの御答弁とちょっと食い違うように思うのですが。
  280. 石原公道

    石原説明員 事実関係を私どもまだよくつかんでおりませんので、このケース自身ということでなくて一般的な形でお答え申し上げますが、もちろん生活協同組合というものは、組合員のために住宅を提供したり、あるいは宅地を提供したりということを目的に用地の取得をすることが許されているわけでございます。一般論といたしまして、土地を不動産運用の一環として講入するとか、あるいは単に組合員以外の者に売るとかいうことは、許されておらないというふうに御理解いただきたいと思います。
  281. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 もし私が指摘していることがきちっと登記面にも出ておる事実であるとすればどうなるのですか。そこだけはっきり答えてほしいですね。具体的なケースがおわかりにならぬなら、これをお渡ししておきますので、お受け取りください。赤線で引っ張ってあるところです。こういうケースです。どうですか。
  282. 石原公道

    石原説明員 もちろん生活協同組合が土地を購入いたします場合には、それを組合員に宅地分譲いたしますか、あるいはその土地に住宅を建てまして、土地つきで売るなり賃貸するなりという目的で、しかも本来、しっかりした事業計画を持ってその土地の購入に当たるべきでございます。そういうたてまえで事業を行うのが適当であろうと考えます。  ただ、場合によりましては、そういう計画に基づきまして一定の土地を購入いたしましたけれども、事業計画が所期のとおりにならないで、その土地自身について、それを組合員に宅地としてなりあるいは土地つき住宅として供給することが、いろいろな事情があってなかなかできにくいという場合、それをそのまま継続して持つということがむずかしいといった場合に、他に、一般の組合員以外のそういう会社に転売するという事情があることはもちろん予想されますけれども、本来、土地投機あるいは資産運用といったようなことを当初からもし仮に考えてやっているというようなことがございますれば、それは生活協同組合法の上から言いまして、きわめて問題な事柄であろう、かように所管庁としては考えます。
  283. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 いま申し上げましたように、単純な売買ではないんですね。大和不動産、京都レースという同じ上田グループを経由して土地を買って、同じところにまた売っているわけでしょう。こういう点については、いま登記簿の謄本もお渡ししましたから、事実関係をお調べいただきまして、それが違法になっていないかどうか、報告をいただきたいと思うのです。よろしいですね。いますぐは無理でしょうから。
  284. 石原公道

    石原説明員 生活協同組合自身につきましては、直接の所管監督庁が都道府県知事、この場合で言いますと京都府知事になるわけでございますが、京都府知事が監督しているわけでございまして、事業の内容の当不当という問題につきましては、知事自身監督はいたしておりますものの、先生御承知のように、生活協同組合というもの自身は、組合員の方々のきわめて自主的な組織でございまして、そういう意味で、私どもの所管しております法律自身にも、できるだけ組合員の自主性は尊重しろというたてまえがございまして、個々の事業内容の問題の当不当というものは、第一義的には組合員自身によって判断されるべきである。そして、組合が適正な事業運営が行われるように、十分民主的に組合員みずから、あるいは組合の中に定められている代理機関あるいは役員会等々を通じて、いわば自主的なコントロールのもとでやるべき問題だ、かように考えております。したがいまして、この関係の事実自身について、私の方で先生からいただいておるわけでございますが、こういう登記関係の移動があったという事実はいただいておるわけでございますが、その事実関係の事業、その関連する事業というものが果たして当該組合にとってやむを得ないものであったのか、あるいはおかしな事業の実態であったのか、その辺は組合員自身の自主的なコントロールのもとで、組合自身に十分検討させたいということを、所管庁である京都府知事を通じて徹底させてまいりたい、かように考えます。
  285. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 それじゃ、その結果は必ず報告してくださいよ。  いま、やむを得ぬ事情で当初の計画が狂って、売る場合があるとおっしゃいました。ところが、そうでない場合が次に出てくるのです。つまり労住協が一たん買収して保有した土地を錯誤抹消している例がかなりあるわけです。ごらんになったらわかると思います。しかも、そのとき労住協の保有期間は八カ月から十一カ月、相手は大和不動産、伊吹産業、京都レース、いずれも上田グループなんです。しかも、聞きますと、この登記抹消というのは合意が条件であると聞いておりますから、そうしますと、これらの幾つかの分かれております上田グループの会社と労住協の間がよほどじっこんの間柄でないとこういう錯誤抹消を次々やれないのじゃないかと私たちは考えざるを得ないわけですね。こういう点で一つ大きな疑問が生じてくる。  しかも、登記上錯誤抹消でも、もし裏で金銭の受け渡しがあったとしたら、これは恐らく生活協同組合法上問題になってくると思うのだし、第一、税金の方でも問題になってくると思うのですね。ですから、まさに違法すれすれ、あるいは事実違法かもわからない、こういう事態が生じていることは現実なので、私は何も内部に干渉してくれとは言いませんから、違法という事実があるのかないのか、こういうことだけはちゃんと、ひとつ所管官庁である厚生省の方で調べて御報告をいただきたい、あるいは報告をとって私どもの方に知らしていただきたいと思うのです。いかがです。
  286. 石原公道

    石原説明員 いま先生の方からちょうだいいたしております資料によりますと、そういう、かなり錯誤による登記抹消という事実があるようでございますので、主管庁でございます京都府知事に対しまして、いろいろ組合の方の状況を調べて、果たして適正な事業執行であるかどうかということについて十分組合自身で検討させるように、私どもとしては十分指示して、この件について先生の御心配の点につきましては、知事を通じて十分に指導してまいりたい、かように考えております。
  287. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 私は指導だけ求めているんじゃない、結果の報告を求めておりますから。いいですね。  同時に、もう一つつけ加えておきますと、錯誤抹消以外に、今度は京都労住協が、自分の持っておった土地と、それから県の開発公社とが土地を交換しているという事例まであるわけなんです。ですから、これは単に労住協の自主的な運営と言われるけれども、ここに相手が出てきたわけですね。もし労住協のやっていることが法に違反している行為だとするならば、そんな違法な土地と交換している県の開発公社の方は、今度は交換によって違法を肩がわりした、こういうことにもなってくるわけであります。ですから、この部分に関しては、もちろん知事を通じてで結構ですから、ちゃんと報告を上げて、そうして違法なのかどうなのか。もし違法だったら、今度は公社の方はどうなのか、こういうことについても自治省の方でもちゃんとしていただきたい。これは両方にかかってくる。これは大臣にひとつはっきりした答弁をいただきたいと思うのです。いいかげんに済ませられない。大臣に答弁を求めているのですよ。
  288. 遠藤文夫

    ○遠藤(文)政府委員 まあ先に。本件につきましては、まず主管省の方の措置の状況を聞きまして、その上でもって協議の上、措置さしていただきたいと思います。
  289. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 じゃ渡しておきます。これ。いずれも登記謄本です。交換のやつが一つと、錯誤のやつです。錯誤の方は厚生省に渡してください。  いま申し上げましたように、大臣、ずいぶん際どいことがこの中に絡んでいるわけですね。おわかりになったと思います。問題は、こういうことをして転がり込んできた土地を、よくもどんどん公社が買えたな、公社の金は一体どうしてできてきたんだろう、こういう問題になるわけですね。資金の問題であります。大蔵省は四十九年十二月二十五日付で、大口融資規制の通達を出されて、これによって自己資本の二〇%を超える大口融資は自粛するというふうな趣旨だったと思います。この場合公共団体などは除くとしておられますが、地方公社はやはり規制の対象、こういうふうに説明を受けました。開発公社は、別紙のように資本金わずかに三千万円ながら、現在負債総額は五百億に近いのであります。まさにもう倒産同然であります。そのうち二百五億が借入金であります。二十八億は県が貸している金でありますから、残り百七十七億円が五つの金融機関の協調融資になっており、滋賀銀行はそのうちの五〇%を受け持っております。滋賀銀行は、ことし一月末現在でこのうち八十億円を公社に貸しております。滋賀銀行の自己資本は九月期決算で資本金三十億円、積立金を合わせて二百三十七億円でありますから、これの二〇%といいますと四十七億円であります。実に規制基準の二倍もの貸し出しをしていることになっているのでありますが、こういう事態に対して、大蔵省通達というのはただ単なる精神規定にすぎないのですか。
  290. 宮本保孝

    ○宮本説明員 いまの数字自体はまだつまびらかでございませんけれども、自己資本二〇%以上の融資につきましては、御指摘のとおり、昨年の十二月末に、今後一刻も早くこれは回収するようにという通達を出しておりまして、今後銀行の方からいろいろと回収計画等につきましても十分ヒヤリングをいたしまして、われわれといたしましてもそういう大口融資につきましての解消を今後早く図ってまいりたい、こう考えております。
  291. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 さらに大蔵省は、その前、四十八年の年末にも通達を出しておられて、不動産業に対する貸し出しの増加率を総貸し出しの増加率以下に抑えること、及び地方公社に対する融資もこれに準ずることを指示した。なお追加して四十九年の二月には、土地取得関連融資は、すでに融資してある分についても、土地保有の目的、状況等を洗い直し、手形の書きかえ、約定の更新に応じないこと、計画的に回収を図ることを指示しておられます。しかるに滋賀銀行の総貸出残高の推移を見ますと、昨年三月末が四千七百六十六億円、十二月末が五千二百三十七億円、四百七十一億円ですから、九・八%の増加率になっております。一方、滋賀銀行の開発公社に対する貸出残高の方は、昨年三月末六十四億円から今年一月末、先ほど言いました八十億円へと、実に十六億円、二五%の増加になっているのであります。比較については、確かに十二月末と一月末という一月のずれはありますけれども、それを考慮したところで、公社への貸出増加率は総貸出増加率の二倍をはるかに超える数字になっておると考えられます。これが一点。  さらに、第一・四半期の公社に対する融資の銀行審査なんですが、公社の側が多賀工業団地六億六千二百万円、日野住宅工業団地六億一千百万円、マキノ西浜団地二億一千万円、国立医大用地四億三千七百万円、水口工業団地二千四百万円、計五口十九億四千四百万円の借り入れ申し込みをしたのに対しまして、多賀工業団地二億三千万、日野工業団地二億八千万、マキノ団地二億一千万を銀行は認めて、逆に本来緊急かつ必要な医大用地分の申し込みは全額カットしているのであります。この点でも、聞けば義務教育とか、医療とか、公営住宅とか、災害復旧等国民生活に不可欠なものを優先させよと、こういうふうに大蔵省指示しているそうでありますが、全く逆の審査の態度を銀行はとっているわけであります。こういう点では大蔵省指示は一体どういう役に立っているのかと私は思わざるを得ないのでありますが、いかがですか。
  292. 宮本保孝

    ○宮本説明員 まず第一点でございます。不動産業に対します貸し出しの伸び率を総貸し出しの伸び率以下に抑えなさいと、こういう趣旨の通達に対しましては、大体よく守られているのでございますけれども、実は大都市周辺の銀行の場合には、土地開発公社の需要が非常に強うございまして、かなり通達の率よりも上回っているケースも間々見られるわけでございます。  本件につきましても、やはり大都市周辺というような感じもございますし、いろいろの資金需要も強かったようでございます。そこで財務局の方といたしましても、事前の連絡を受けておったようでございます。それにつきまして、銀行側からの申し出につきましてある程度のヒヤリングはいたしまして、そして公共的な性格を持った公社だというふうな点もございまして、一応銀行の申し出を実は了承しておるというふうなことでございます。  それから第二点につきまして、国民生活に不可欠なものを重点的にやるのだ、にもかかわらずおかしいじゃないかという点につきましては、確かにそうでございまして、そういう点につきましては、十分銀行の方にもその点は言っておるわけでございます。  ただ、それ以外に債権債務関係が差し迫ったものであるとか、すでに融資を約束しておるようなものとか、そういうものをも含めまして判断しなければいけないものでございますから、ある程度いま先生御指摘のような点、それだけをとらえますと、若干違うような点もあろうかと思いますけれども、全体として見れば、やむを得なかったのではないかなという感じがいたしております。
  293. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 念のため言うておきますけれども、多賀工業団地なんというのは土地全部がキリンビールの用地なんですね。こんなものが必要不可欠なのかどうか、私は理解に苦しむのであります。一度この点もよく大蔵省調査をして報告をしていただきたいのであります。  さらに、自治省も昨年五月通達を出しています。新規契約分については、事業の着手時期、用地交渉の経緯から見て、緊急を要するものについて、あらかじめ金融機関と融資の見込みについて十分協議の上やれ、こういうことでしたね。しかるに、先ほどから御説明いたしましたとおり、林野庁の説明でもおわかりのように、保安林解除申請の検討もできないほど全体計画も、具体的な着手段取りも、資金計画も全く不明確なびわこニュータウンの、しかも本来なら京都労住生協、日生不動産、西武が区画整理事業を共同施行しなければならなくなっているところを、昨年の五月瀬田西、八月桐生、九月西萱尾と、たった五カ月で百五十四万平方メートル、二百八十五億円も買い増しをしたのであります。これは結局現在の公社保有地の半分近くに当たっております。  もう一つつけ加えますと、早く買わないと不動産業者が買い占めてしまうというおそれがあるのならいざ知らず、もうすでに上田グループや土曜会グループが買い占めを終わった後にのこのこ買いに行っているのでしょう。急いで買う理由はもう昨年の状態では全くなかったと思うのです。こうした事実は、結局公社と銀行がぐるになっているのじゃないか、こういう感じを私は受けざるを得ない。何か一つでも政府通達が守られているのならそれはいいですよ。もう大蔵省通達も、自治省通達も、どれもこれも完全に無視されている。まさに公社と銀行が土地転がしという不法行為に加担した、こういうふうに言わざるを得ないのじゃないかしらと思う。そのために結局年間二十億円もの金利が見込まれまして、このままではそのツケは国民に回ってくる。私たちはここで大臣に言いたいですね。結局通達さえ出せば政府はそれで用事は済んでおるのか、こういうことなんです。これはぜひ自治大臣に、いままでの通達に照らして、こういう事実があるのですが、ひとつどういうふうにされるのか、これは大臣にぜひ私は答弁をいただきたいのであります。
  294. 福田一

    福田(一)国務大臣 いろいろと御説明をいただいておるわけでございますが、われわれも実はそういうような問題があるやに聞いており、これは放置しておくのはどうかということで、土地開発公社等の計画的かつ適切な運営が図られるようにしなければいかぬというので、五十年の二月二十四日付で建設省計画局長と自治大臣官房長名によりまして各都道府県知事、全部ですね、各都道府県知事及び指定都市市長あてに通達をいたしております。  で、滋賀県の土地開発公社に関する今後の措置としては、現在直接指導監督の立場にある滋賀県において、各界の専門家より成る対策委員会をただいま設置をいたしておるわけであります。そこで早急に調査検討をすると言っておりますので、自治省としては、この委員会における調査検討の結果をもって必要があれば適切な措置をとりたい、かように考えておるところでございます。
  295. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 早急にその結果の報告を私はいただきたいと思うのであります。  同時に、こういうふうな、いま大臣も若干聞き及んでおるとおっしゃったような不祥な事態で、おそらく上田建設グループは大きなもうけを博したと思うし、またそういうもうけがなかったら、あんなはでな買収行為には出られなかったと思います。現に社会党の方は、ちゃんと大会まで開いて、買収行為のあったことを認め、残念ながら一部の当時の県の幹部を処分していらっしゃる。こういうふうないきさつを聞いておられて、警察の方なんですが、果たしてこれがさてこの公選法、政治資金規正法等に照らして捜査の対象にならないものなのかどうか、そこをお聞きしたいのであります。
  296. 田村宣明

    ○田村政府委員 滋賀県警におきましては、そういううわさと申しますか、報道……
  297. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 うわさじゃない、事実ですよ。いまお話ししたとおり。
  298. 田村宣明

    ○田村政府委員 ただいま御発言のありました内容からは、直ちにこれが公職選挙法に違反するかどうかというような点につきましては、判断することはむずかしいと思います。
  299. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 いまここで判断しろと言っているんじゃないんですね。大臣も、やはりちょっと問題がある、それで対策委員会までつくって、報告を待っておる、こうおっしゃっているんですね。警察は何も動かないんですか、こういうことを聞いているんです。
  300. 田村宣明

    ○田村政府委員 当委員会においていろいろそういう御指摘がございましたので、そういう点につきましては、滋賀県警に連絡をいたしまして、滋賀県警察の措置にゆだねたいというふうに考えております。
  301. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 一応、きょう本委員会でいろいろと論議された内容について、一定の捜査については県警に指示する、こういうことですね。
  302. 田村宣明

    ○田村政府委員 滋賀県内におきまして具体的な犯罪の疑いがあるという場合には、滋賀県警察がその責任において捜査を行うものでございますので、本日、当委員会質疑の内容等については、滋賀県警に連絡をいたしましてその措置にゆだねたい、こういうことでございます。
  303. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 私は、ここで特に念を入れて申し上げておきたいんですが、決して政府に自治権に干渉しろとか、あるいは生活協同組合の民主的な活動に干渉しろとか、まじめに努力をしております中小企業に圧力を加えろとかということを申しているのではないのであります。ただ、上田建設グループについては、現実に四十七年総選挙のときにも大がかりな選挙違反を出したのでありまして、昨年の県知事選挙についても、買収された方の党できちっとした処置をとっているのであります。ですから、まさにこういう金権選挙、金権政治に対して政府のきっぱりした態度を望みたい、こういうことであり、私がいろいろと指摘した疑惑を、まさにそういう意味政府は明らかにしてもらいたい、こういうことであります。  先ほど大臣の御答弁がありましたから、一応それに一定の期待を私はするといたしまして、ただ、今後の滋賀県の開発公社の問題についてであります。滋賀県もいま新しい県政のもとで再建に取り組んでおります。恐らく、対策委員会等の中でも銀行金利の負担軽減の問題とか、莫大な土地代の未払い金については、これはそもそも異常な事態でこういうことになったのですから、今後の調査内容等によって、買わせた方に問題があるということになってきたら、これも大体が上田建設グループや土曜会グループなんですが、土地を引き取らせ、契約金を返させるとか、あるいは奥野前文部大臣がちょうど一年前の分科会で、国立医大用地については、完成の年から割賦方式で国が買い上げるとお約束をいただいておるのでありますが、買い上げの時期をもう少し早めてほしいとか、こういうような要望が、そのほかにも出ると予想されるのであります。地方自治体で起こりました問題とはいいながら、その根は、国会議員をその一族に持っていらっしゃる上田建設グループと自民党の金権政治から起こっているわけであります。また、滋賀県知事に行政権限のない問題等もあることもおわかりになったと思います。将来国有地となるべき土地に疑惑があるわけであります。保安林の問題銀行の問題労住生協の問題等政府各省庁に権限がまたがっている問題もあります。ですから、こういう点で自治大臣は、いままでのそういう疑惑の調査とともに、自治体が立ててくるであろう自主的な再建計画についても、ぜひともひとつ援助と尽力をしていただきたい、この点についての大臣の御答弁をいただきまして私の質問を終わりたいと思うのです。もう一つ残っておりますから。大臣の答弁はもうこれだけですから。
  304. 福田一

    福田(一)国務大臣 私は、いま御発言があって、上田グループがどういうことをしたかということについて、いろいろの御発言がありましたが、それだから自民党全部がそういうようなものであるというような印象を与える発言については、これはお互いに差し控えたいと思うのです。  大体そういう発言は私は差し控えていただきたいと思いますが、いまあなたのおっしゃったような事実があれば、事実は、これは調査をさしておるところでありますから、それについて県が適当な再建といいますか、善後策を決めて、そしてこちらの方へ出してくれば、これについては、やはり自治体のことでございますから、われわれとしては、それに応じて対策を考え、いろいろの措置も研究をして、できるだけ考えることは、これは当然だと思う。しかし、それをどこまでやるとかなんとかいうことを、いまここで言えるわけはございません、出てこないんですから。仮定のことでございますが、一般論で言えば、そういう場合においては、やはり自治体のためにも、また自治省としては考えていかなければならない、かように考えております。
  305. 野田卯一

    野田主査 もう時間をオーバーしましたから、簡単にやってください。
  306. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 私は、いまの大臣の答弁で絶対に承服しないこと、取り消してもらわなければならぬことが一つあるんです。  それこそあなたは、大臣たる者は感想などは言えない、こういう話だ。一体、いかなる事実に基づいてそういうことを言っているのか。これは主査の方からぜひ大臣に取り消すように言っていただきたい。また、そういう処置をしていただきたい。  それからいま一つ、これは主査お願いすることであります。この際、国会としてもこういう疑惑を晴らさなければならないと思うのです。上田茂男氏を本予算委員会に証人喚問するようお取り計らいをいただきたいのであります。
  307. 野田卯一

    野田主査 その問題は、理事でもって相談いたします。
  308. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 大臣の取り消し答弁を求めてください。けしからぬじゃないか、どこに事実があるのですか。
  309. 野田卯一

    野田主査 大臣はその必要なしと言っておられますから……。時間が来ましたので、これで……。
  310. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 それは私は承服しませんね。そんな事実に反する答弁はだめです。
  311. 福田一

    福田(一)国務大臣 私が申し上げたのは、あなたが、こういうようなことをして自民党は金権政治であるというように御発言があるから、そういう一部の者にあったからといって自民党全体が非常に悪いのだというような発言は、できるだけ差し控えていただきたい。たとえば、あなたのところにおいても何かそういうようなことがあったときに、われわれが、共産党はこういうことがあったからとか社会党の一部にこういうことがあったからといって、共産党が全部悪いのだとか、社会党はけしからぬのだというような発言はわれわれもしないのですから、こういうように党全体に影響を及ぼすような発言は、お互いに差し控えていただきたい、こういう意味で申し上げたのです。
  312. 瀬崎博義

    瀬崎分科員 だから、あなたが挙げた例がいけないと言うのですよ。  だからそこだけを取り消せばいいと言うわけだ。だから、それならそれで事例を挙げなさいよ。委員会でそんなことは許されませんよ。
  313. 福田一

    福田(一)国務大臣 私は、そういうことがあったらということを言ったのであって、何もあなたに汚職があったと言っておるわけじゃない。もし、そういうふうに議事録に書いてあれば、そういう意味に、訂正をいたします。
  314. 野田卯一

    野田主査 ただいまの大臣の発言中、不適当な部分があれば、後刻速記録を取り調べの上適当に処置いたします。  これにて瀬崎博義君の質疑は終了いたしました。  次に、坂井弘一君。     〔主査退席、三ツ林主査代理着席〕
  315. 坂井弘一

    坂井分科員 昨年の十二月十八日の三菱石油大島の事故が発生いたしましてから、自治省消防庁が、全国の都道府県ないし市町村に対しまして石油タンクの緊急点検を要請いたしまして、その結果につきましては、二月二十一日に報告が取りまとまりまして発表ということになっているわけでございますが、この報告内容というものは、当然正確を期せられたとは思いますが、自治省消防庁いかがでしょうか。いま、正確を期し得た、こういう御判断でございましょうか。
  316. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 緊急点検をいたしまして報告を求めました一万キロリットル以上のタンクの分につきましては、おおむね正確を期し得たものだというふうに判断をいたしております。
  317. 坂井弘一

    坂井分科員 どうもそのおおむねというところが引っかかるのですが、少なくとも報告の数字については、これは正しくつかまれて発表ということになったであろう、当然そういうこととは思うわけでございますが、念のためにお聞きいたしますけれども、和歌山県の場合はどのような報告がなされたか、お伺いいたしたい。
  318. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 和歌山県につきましては、緊急点検の対象になりましたタンク数が百八でございます。このうち、タンクの付属物について改善を要するもの一、防油堤について補修を要するものが三十四、配管弁等について油漏れ等の認められたものが三、消火設備等について腐食その他の不備なものがありましたものが七、それから防油堤内等の空地管理に改善を要するものが三十四、こういう報告でございます。
  319. 坂井弘一

    坂井分科員 私は、この数字の違いをここであげつらおうというようなつもりで実は申し上げるわけではございませんけれども、和歌山県の報告は、いま申されました数字とは食い違いがあるのじゃないでしょうか。消火設備等の不備、改善を要するもの、これは八件じゃございませんか、いま七つだということですが。
  320. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 私どもの報告には七となっております。
  321. 坂井弘一

    坂井分科員 これは和歌山県から消防庁に報告した書類なんです。これは八件。いま手元にお持ちはございませんか。
  322. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 各県別の報告書は手元にございません。いま手元にあるのは全国の集計表でございます。
  323. 坂井弘一

    坂井分科員 念のために申し上げておきましょう。タンク規模別で六万五千から六万二千キロリットル、これが一つ、それから三万四千から三万キロリットル、これが一つ、それから、一万四千から一万キロリットル、これが六つ、こう分類して合計八、こういう報告なんです。これはあとで御照合ください。確認いたしましたらば——どうもおかしい。どうして、こういう報告をしたのにもかかわらず数が少ないのだろう。だからそれは、たとえば、まあうかつとしたといいますか、これを書き写す際に、全くうかつに八つが七つになったというようなこともあろうかとは思いますよ。とは思いますが、しかし、少なくとも今回の緊急点検につきましては、相当慎重を期し、正確を期し、わずか一つのあの水島タンクがあれだけの大事故を起こしだということにかんがみて慎重におやりになったはずだ。したがって、この報告については、自治省消防庁の発表については、数字にかけてはきわめて正確だ。それが和歌山県においてもそうやって違うということになりますと、これは一体どういうことなのだろうか。心しておやりになっておるのだろうかどうであろうか、ということに相なるわけでございますので、これはひとつ、一度よく御確認いただきたいと思います。
  324. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 確認をいたします。
  325. 坂井弘一

    坂井分科員 それから、この報告がございまして、その後、一つ一つの項目につきまして各都道府県の点検のあり方等につきまして、この数字は上がってきましたけれども、またこの点検につきましては、それぞれの項目を消防庁が一応示しまして、当然それに基づいての点検であったわけでございますが、点検の内容、実態、実情というものは、各都道府県あるいは市町村においてばらばらといいますか、そういう状態であったように思います。そこで、どういうような実態で各都道府県の点検がなされたかということについて、事後においてその辺のところを御検討されたでしょうか。
  326. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 先般、点検結果をまとめましたものは、一万キロリットル以上の大規模タンクでございます。そうして現在は、この一万キロリットル以下のタンクについての点検をそれぞれの消防機関において実施をしているという段階でございます。この緊急点検は、とりあえず外部から判断できる基準を一応設定いたしまして緊急点検を実施したのでございますけれども、この緊急点検のやり方につきましては、現在私どもの方で進めております事故調査委員会結論を得ました段階で、さらにもう一度この点検のやり方についてその標準方式というものをつくりまして、また、そうした方式を具体的に示して、別の機会に、この点検については一定の期間を定めてやってもらう、こういうことを考えております。
  327. 坂井弘一

    坂井分科員 たとえばということで申し上げますが、不等沈下の点検にはトランシットを使っての点検ということになるわけですね。そういたしますと、このトランシットが、消防当局、それから自治体、それから企業側の提供の三つに分類されると思うのですけれども、どういう実情、実態でこのトランシットを使って不等沈下の点検に当たったかということについては調査、確認なさっていらっしゃいますか。
  328. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 個々の消防機関についてどういう方法でやったのかということにつきましては、別に確認いたしておりません。ただ、消防機関の中にはそうしたトランシット等の測量機械を持っておらない消防機関もあることは事実でございますが、そういう消防機関におきましては、おそらく市町村の土木担当部局の方の応援を得て実施をしているものというふうに考えております。
  329. 坂井弘一

    坂井分科員 そうしますと、消防庁関係でトランシットはどれぐらい御用意なさっておるのですか、おわかりであれば……。
  330. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 消防機関においてトランシット等をどれだけ備えておるかということについては、調べておりません。
  331. 坂井弘一

    坂井分科員 地方自治体の土木部、土木課あたりから確かにこのトランシットが動員されたということはわかるわけですがね。企業側からどれぐらい出されたか、実情を把握されておりますか。
  332. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 存じておりません。
  333. 坂井弘一

    坂井分科員 ですから、私が前段申し上げましたように、なおこの調査結果について、この調査の実態、実情ということについて、都道府県に対してどう行われたかということを調査検討なさる必要があるのではないかということなんですよ。  なお申し上げますと、たとえば和歌山県の場合、消防関係にはトランシットなんかありません。そこで、当然県なり市町村の土木関係のトランシットをひとつ提供してもらいたい、しよう、こうなるわけですね。しかし、これまた数が全く少ない。このことだけにトランシット全部持ち出すということは事実上できない。そこでどういうことが行われたかと申しますと、ほとんどこのトランシットを企業側から提供されまして、そして不等沈下の測定が行われた、こういうことなんです。こうなりますと、私はだから直ちにこの数値がおかしい、こうは申しませんよ、申しませんが、企業側からただトランシットが提供されたということだけではなくて、この点検に当たる技術者、これがまたどこから出たかということなんです。だれが当たったかという問題なんです。そういうことについて、たとえば技術者の問題等についても、消防庁は実態をあらあらでもおつかみにはなっていらっしゃらないということでしょうか。
  334. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 ほとんどの消防機関におきましては、トランシットの使用の技術というものは、町村の土木当局の応援を借ります場合には十分それに対応できたものだというふうに考えております。資器材のない消防機関におきまして、企業側の方の機械を借りたというものもあるいはあるのかもしれませんが、その辺の実態は私ども特に調べてはおりません。
  335. 坂井弘一

    坂井分科員 ですから、またもとに戻りますけれども、くどくど申し上げて恐縮ですが、やはりもう一回、この点検がどういう形で、どういう内容で行われたかということを、この際おつかみになる必要があるのではないでしょうかということでございます。つまり、たとえば不等沈下で非常に大きく問題視されているわけでございますが、〇・五以上、和歌山県の場合はゼロという報告でございます。このような点検員、技術者企業側から出される、その器具トランシットも企業側の提供を受ける、そこへ消防関係なりあるいは県なり市町村のこの点検に当たる職員が立ち会ってみたとて、これで果たして本当に正確なものが出たかということは、これはちょっと正確を期し得たということには直ちに結びつかないのではないかと私は実は懸念をするわけであります。  そういう点について後ほど大臣の御答弁をちょうだいしたいと思いますが、その問題とあわせて——その問題と申しますのは、もう一回全国の実態を、どういうことで行われたかということを調査してみるかどうか、してみる必要があるのではないでしょうかということに対して大臣の答弁をいただきたいことと、あわせて、大臣が先般の予算委員会におきまして、この大事故にかんがみ、これは緊急に全部点検するというお約束をされているのでありますが、一万キロリットル以上であります。以下のものについてまたずいぶん問題があるわけですね。全国的には八千八百八十九基もあるというわけでございますが、一万キロリットル以下のものについては、これはもう市町村なり都道府県任せだ、あるいは消防本部任せだということなのか。それともここで自治省なり消防庁が、一万キロリットル以下のものについても何らかの具体的な保安のための、保全のための対策をお考えになっていらっしゃるのかどうなのか、あわせてひとつ大臣から御答弁いただきたい。
  336. 福田一

    福田(一)国務大臣 ただいま調査の方法が適正であったかどうか、不正確に陥る可能性があるというような意味のあれでありますが、さしあたりわれわれとしては、一万キロリットル以上のものはいま一応調査をしたわけであります。以下のものもいま調査を進めておるところでございます。一万キロリットル以下のものも調査をさせるようにいたしておりますが、もう一度点検するかどうかということにつきましては、ちょうどいま法案の作成もいたしておりますし、そういうものともからみ合わせて一つ基準でもつくれば、またそこで一定の期間を限って何かやるというようなこともできますし、いままたもう一度やるかどうかということについては、私、それほど不正確であるかどうかということを一遍よく調べさせまして、その上で措置をとりたいと思っております。
  337. 坂井弘一

    坂井分科員 私の質問は、実はいま大臣が御答弁になったようなことではないのです。もう一回やれと言うのではないのです。そうは言っていなのです。少なくともこの点検のあり方、これは都道府県でばらばら、市町村においてももちろんばらばら、特に私、前段に例として和歌山県の場合を申し上げましたけれども、つまり企業側からそのような形で検査員あるいはまた器具の提供を受けておるというようなところもあれば、そうではなくて、ほとんどは消防関係あるいは都道府県が器具等の備えつけもあって、検査員も十分あって行われたということなのか。個々ばらばらであろうから、一度そういう調査結果についてさらにもう一回調査しろと言うのではなくて、どういう状況で調査されたのかということをおつかみになれば、今度は次の段階として、しからば二度と水島事故を起こさないためにはいかにあるべきかという具体的な対策というものがここに出てくる。たとえば、こうした検査員の体制が不備である、あるいは器具等においても、消防庁なりあるいはまた都道府県等においてなお整備し、あるいは増強する必要があるのではないかというような、私はまことに建設的なことを申し上げたいと思って、そういう意味お尋ねをしているわけでございます。  なお、この一万キロリットル以下については大体いつごろまでに実態がつかめ、報告がなされるのか、あわせてひとつ御答弁をちょうだいしたい。
  338. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 一万キロリットル以下のタンクにつきましては特に報告は求めておりません。これにつきましては、一万キロリットル以上のタンクにつきましてとりましたのと同様な措置をとってもらうつもりでおるわけでございます。  なお、予防要員が主としてこのタンクの点検に当たるということになっておるわけでございますが、これらの職員の充足につきましては、さらに昭和五十年度の交付税等におきましても措置をいたしているところでございます。消防にとりましては、こうした土木機械等を利用いたしまして調査をしたというのは初めての消防機関もあったわけでございますので、これらにつきましては、今後指導体制というものを十分とってまいりたいというふうに考えております。
  339. 坂井弘一

    坂井分科員 この石油タンクの設置につきましては消防当局の許認可事務ということで、その設置後を一体どうするか、どうして保安管理をやっていくかという問題が残ろうかと思います。とりわけ、今回初めて緊急の総点検を行ったわけでございますが、これは定期的にやる必要があるのではないかという問題が次の問題として起こってくるであろうと思います。同時に、この保安基準等についても、いまずいぶん洗い直して御検討されていらっしゃる最中だと思いますが、これはまた早急に出さなければならぬのではないか。同時にまた、もう一方、地方自治体が今回のような点検でかなり負担があるわけですね。これは次に定期的な点検をされるかどうかについても御答弁ちょうだいしたいと思いますが、そういうことになってまいりますと、なおやはり地方自治体の財政負担ということに対して、交付税等をもってこれに見合うものを手当てするとかなんとか検討していかなければならぬのではないか、こう考えるわけでございますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
  340. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 今後こうしたタンク類についての点検の制度をどのように取り入れるかということにつきまし又ただいま検討中でございます。その制度としましては、自主点検を義務づけるということと、消防機関による定期点検というものをあわせて用いるというような方向で、いま検討しているところでございます。  なお、今回の緊急点検に対する必要な経費についての財源措置は、今回の特別交付税の配分に当たりまして、その必要経費につきましては措置いたしたところでございます。
  341. 坂井弘一

    坂井分科員 今後の問題もあろうかと思いまして重ねてお伺いしますけれども、定期的な点検算をお考えでしょうか。いかがでしょう。
  342. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 ただいま申し上げましたように、企業側による定期的な自主点検と消防機関による定期点検という、この二つの制度を併用いたしまして、今後の保安体制の強化の一つ方策に考えているところでございます。
  343. 坂井弘一

    坂井分科員 石油コンビナートを持つ消防署ないし自治体、一方ではコンビナートがないところ、これはおのずから違うわけですね。消防組織法を受けまして消防庁の規定で人員数等も定めておるようでございますけれども、そうなりますとここに一つの格差が当然出ようかと思うのです。とりわけコンビナートを構えておる市町村、これはやっぱり相当それらに対して何らかの形で見ていかなければ、石油タンク事故の完全な未然防止、防災ということは期し得られないのではないか。これは地方自治体もそれぞれにいろいろ苦慮しているところでございますけれども、当然自治大臣として、その辺に対する財政的な手当てということについて、これは御配慮あってしかるべきではないかと私は思うわけでございますが、いかがでしょうか。
  344. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 コンビナート地帯がございます市町村と、それほど危険物の堆積のない市町村におきましては、火災危険度、その他の災害危険度において差のありますことは当然考えられることでございます。現在消防力の基準は、平均的な市町村というものを前提にして策定されておるわけでございますけれども、これに対しまして、コンビナート地帯においてさらに必要な付加すべき消防力の基準というものについて、今後の課題としていま検討を進めているところでございます。現在消防力の基準につきましては、改定の作業が一応一段落したところでございますが、次の課題として、コンビナート地帯の問題について検討していきたいというふうに思っておるところでございます。
  345. 坂井弘一

    坂井分科員 時間が参っておりますので終わりたいと思います。どうか自治大臣、今回の水島三菱石油事故については——まあ大臣の御認識としては、今回の大事故にかんがみまして、二度とこのようなことがあってはならぬという御決意に立たれると思います。重ねての質問で恐縮でございますけれども、確かに一万キロリットル以上の点検は一応やった、同時にまた、一万キロリットル以下のものについてもそれぞれが点検を進めつつある。そういう中で、もうタンクが腐食して、くぎを打ち込んだらそこが穴があくというようなタンクも一万キロリットル以下にはある。それできわめて危険な状態にあるということでもって、コンビナートを抱えた市町村、またその周辺の住民というものは非常におののいております。心配をいたしております。そういうことでございますので、いま私が申しましたように、どうか、再び事故を起こさないという御決意に立たれるならば、単に今回の点検に基づいてあと悪い部分についてそれなりの指導をし、それに対する改善をそれぞれ求めてはおりますけれども、なお不十分なところがあるのではないかということで、とりわけコンビナートを抱えているところの市町村が、もう少し積極的に防災に取り組めるような財政措置というものを、国の責任においておやりになるということが大事なことではないか、こう申し上げているわけでございますので、最後に大臣の御方針を一言お伺いして、質問を終わりたいと思います。
  346. 福田一

    福田(一)国務大臣 コンビナートのある市町村は、まあコンビナートがあることによって税収ももある程度あるわけでございます。これはあなたもおわかりだと思うのでありますが、しかしそう言っても、非常に負担が多くなっておるというようなことであり、また、今後新しい施策をさせるということになれば、その企業からは国税もあげておるわけでありますし、いまは出しておらぬでも将来はあがるということもあるのですから、国も若干のめんどうを見る。また、企業はもちろん中心になってめんどうを見るべきだと私は思いますけれども、しかし、全部その企業にかけていいかどうかということについては、今後のそういう措置をとることについては研究をさせていただきたいと思います。私は、そういうことについて国が全然めんどうを見ないでいいとは思っておりません。
  347. 坂井弘一

    坂井分科員 終わります。
  348. 三ツ林弥太郎

    ○三ツ林主査代理 これにて坂井弘一君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして、昭和五十年度一般会計予算及び昭和五十年度特別会計予算中、自治省所管に対する質疑は終了いたしました。  次回は、明二十八日午前十時から開会し、労働省所管について審査を行います。  本日は、これにて散会いたします。     午後六時三十分散会