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1975-02-27 第75回国会 衆議院 予算委員会第五分科会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十年二月二十七日(木曜日)    午前十時開議  出席分科員    主査 谷垣 專一君       内海 英男君    瀬戸山三男君       山村新治郎君    阿部 昭吾君       上原 康助君    金丸 徳重君       土井たか子君    大橋 敏雄君       岡本 富夫君    沖本 泰幸君       田中 昭二君    兼務 大出  俊君 兼務 田口 一男君    兼務 楯 兼次郎君 兼務 福岡 義登君    兼務 浦井  洋君 兼務 津川 武一君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 木村 睦男君  出席政府委員         運輸大臣官房長 住田 正二君         運輸大臣官房審         議官      中村 四郎君         運輸大臣官房会         計課長     松井 和治君         運輸省海運局長 薗村 泰彦君         運輸省船舶局長 内田  守君         運輸省船員局長 山上 孝史君         運輸省港湾局長 竹内 良夫君         運輸省鉄道監督         局長      後藤 茂也君         運輸省自動車局         長       高橋 寿夫君         運輸省航空局長 中村 大造君         海上保安庁長官 寺井 久美君         海上保安庁次長 隅  健三君         気象庁長官   毛利圭太郎君  分科員外出席者         防衛庁防衛局運         用課長     友藤 一隆君         防衛施設庁施設         部首席連絡調整         官       奥山 正也君         大蔵省主計局主         計官      佐藤  徹君         労働省労政局労         働法規課長   松井 達郎君         建設省河川局開         発課長     佐々木才朗君         日本国有鉄道総         裁       藤井松太郎君         日本国有鉄道常         務理事     内田 隆滋君         日本国有鉄道常         務理事     加賀谷徳治君         日本国有鉄道常         務理事     伊江 朝雄君         日本国有鉄道常         務理事     山岸 勘六君     —————————————  分科員の異動 二月二十七日  辞任         補欠選任   阿部 昭吾君     土井たか子君   堀  昌雄君     金丸 徳重君   岡本 富夫君     大橋 敏雄君   小平  忠君     渡辺 武三君 同日  辞任         補欠選任   金丸 徳重君     上原 康助君   土井たか子君     阿部 昭吾君   大橋 敏雄君     小川新一郎君   渡辺 武三君     小平  忠君 同日  辞任         補欠選任   上原 康助君     堀  昌雄君   小川新一郎君     田中 昭二君 同日  辞任         補欠選任   田中 昭二君     沖本 泰幸君 同日  辞任         補欠選任   沖本 泰幸君     岡本 富夫君 同日  第一分科員田口一男君、福岡義登君、津川武一  君、第四分科員大出俊君、楯兼次郎君及び浦井  洋君が本分科兼務となった。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和五十年度一般会計予算運輸省所管  昭和五十年度特別会計予算運輸省所管  昭和五十年度政府関係機関予算運輸省所管      ————◇—————
  2. 谷垣專一

    谷垣主査 これより予算委員会第五分科会を開会いたします。  昭和五十年度一般会計予算及び昭和五十年度特別会計予算運輸省所管並びに昭和五十年度政府関係機関予算中日本国有鉄道関係を議題といたします。  質疑に先立ち、分科員各位に申し上げます。質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。  なお、政府当局に申し上げますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は必ず的確に要領よく簡潔に行われますようお願いいたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。福岡義登君。
  3. 福岡義登

    福岡分科員 交通問題につきまして、四点ばかりお伺いしたいと思うのですが、まず初めにお伺いしたいと思いますのは、地方都市交通が非常に大きな社会問題になっておるのでありますが、総合交通体系の確立ということが強く要望をされておるのですが、運輸省としてどういう対策を考えておられるか、まずお伺いしたいと思います。  たとえば広島県の例で言いますと、広島市とかあるいは福山市というような都市中心にしました交通問題が非常にやかましくなってきておるのですが、そういう問題を中心にして、どう考えられておるのか、お伺いしたいと思います。
  4. 中村四郎

    中村(四)政府委員 ただいま先生質問の御趣旨といたしましては、一つ地方ブロック中核都市としての広島市等の都市交通と、それからこれら地域を含めました、たとえば広島県全体の交通計画、こういうふうに考えられると思います。  まず、広島市等の地方中核都市都市交通対策についてでございますが、従来都市交通と申しますと、その中心はやはり大都市交通ということで、東京、大阪、名古屋等大都市につきまして対策を考えてまいったわけであります。これらの大都市につきましては、地下鉄等高速鉄道を根幹としまして、バス等を有機的に組み合わせたところの総合的な交通網を形成するという見地から、地下鉄建設中心とした交通対策計画的に進めてきたわけでございます。しかし、ここ数年の状況を見ますと、たとえば広島とか仙台とか、こういった地方中核都市におきましても、周辺の都市化が急速に進んでまいりまして、大都市と似たような現象、問題が生じてきておるわけであります。そこで、運輸省としましては、本年度からこれらの地方中核都市につきましても、大都市と同様に計画的に対策を講じまして、これを推進していこう、かような考え方で、地方陸上交通審議会というものがございますが、これに諮問をいたしまして、本年度は当面広島市、仙台市について諮問をいたし、現在審議を進めていただいておるところでございます。その結論をまちまして、地方公共団体とタイアップして、早急にそういった地方中核都市具体的方策を講じてまいりたい、かように考えておる次第でございます。  それから第二に県スケール交通対策でございますが、私どもとしましては、一定交通圏におきます交通計画につきまして、五十年度におきましては、おおむね県全域を対象としました公共交通網整備計画を策定していきたい、こういう考え方をもちまして、これに必要な調査費予算案に計上しているところでございます。これは、従来都市中心交通対策に重点を置いてまいったわけでありますが、さらにより広域的な交通圏につきましても、鉄道バスなどを総合しました交通計画を策定しまして、そして、それをもとにしまして運輸行政を推進していきたい、かように考えておるところでございまして、こういった計画県全域の各都市なり過疎地域を含めまして県内交通計画というものを樹立していきたい、こういう予定をいたしておる次第でございます。
  5. 福岡義登

    福岡分科員 わかりましたが、それでは具体的にこの整備計画というものはどういうものを目標にしてやられようとしておるのか、また五十年度予算では具体的にどう予算計上されておるのか、そこも明らかにしていただきたいと思います。
  6. 中村四郎

    中村(四)政府委員 五十年度予算におきましては、いま申し上げました地方の大体県スケール程度交通計画広域交通圏公共輸送網整備計画調査費といたしまして約二千五百万円程度予定いたしております。これらにつきまして、たとえば県スケールの場合におきましては、その当該地域の地形的に中心になる都市があるわけでございますので、それらのブロックに分かちまして、最終的には全体的な整合性がとれた県スケールなり一定交通圏についての交通計画にまとめ上げていきたい、かように考えております。
  7. 福岡義登

    福岡分科員 時間がありませんので、これ以上この問題に触れませんが、早急に各地方ごと交通整備計画を立てていただいて、実施していただくように要望しておきたいと思います。  次の問題は、過疎バス対策についてであります。  全国的に過疎バス問題が非常に発生をしておるのですが、広島県の場合でも、昨年末には中国バスが非常に大きな危機に直面いたしまして、賃金の遅配あるいは要員の削減あるいは路線廃止というようなものも相当出てきたのですか、本年になりましてから、また同じ地区の福山市なんですが、鞆鉄道が非常に大きな赤字問題に悩んでおりまして、免許キロが大体百二十キロ余りのうち、今度廃止計画を出しましたのが四十キロ余り、つまり三分の一の路線廃止するということで、関係市町村にいま会社の方から申し入れをしておるのでありますが、これは一つの例でありますけれども、全国的にこういう過疎バスというか赤字バスが非常に大きな問題になっておるのですが、どういう具体的な対策を立てようとしておられるのか、全体的な問題と、当面しておるこの鞆鉄などのような場合にどういう対策を考えておられるか、お伺いしたいと思います。
  8. 高橋寿夫

    高橋(寿)政府委員 お答え申し上げます。  地方バス事業の現状につきましては、いま先生の御指摘のようなことでございまして、人口減少、マイカーの進出、そういったことのために、逐年経営が悪化してきております。私どもはそれに対してはこういう考え方で対処いたそうと思っておりますけれども、やはり交通事業でございますので、基本的にはそのかかるコストというものを適正な運賃を設定することによってこれを賄うというのが基本であると存じます。ただそれだけでは賄えない場合がある、と申しますのは、やはり人口減少の度合いの非常に激しい山間部路線等を持っております会社につきましては、コストに見合う運賃というのを取りますと、非常に高い負担を地域住民に強いることになるということもございますから、そういった適正な水準以上のコストがかかっているというふうな地域につきましては、やはり国と地方公共団体が力を合わせまして、補助金を支出いたしまして、そういったギャップを埋めるというようなことをいたしております。  それからもう一つは、運賃改定ないしは補助金支給というふうなものが、運賃でありますと、たとえば二年に一遍とか、補助金支給は毎年一回というふうなことでございまして、経営状況はやはり月々いろいろ上下いたしますものですから、それぞれの企業事情によりまして、一年の経過している最中にも過渡的に非常に資金繰りが苦しくなる時期がございます。こういったことに対する対策といたしましては、商工中金あるいは民間銀行等に対しまして、いわゆるつなぎ融資的なものを陸運局があっせんをいたしまして、そういった短期間の運転資金に事欠かないようにしたいというふうにいたしております。  そこで、政策の中心はどうしても補助金ということになると思いますけれども補助金につきましては、初め十数年前に五百万円からスタートした補助金でございますけれども、逐年その内容充実いたしまして、四十九年度に国の補助金額二十二億円というものが、いま国会にお出ししております五十年度予算案では約五十八億ということでお願いたしております。そういたしますと、ちょうど国が半分、県が半分ということでございますので、五十年度予算が通りますならば、国と県合わせて百二十億近くのものがバス事業者の手に渡るということにもなると思いますので、私はこの間の事情は相当改善されてくると思います。  それから今度は具体的に、広島県、なかんずく鞆鉄道の問題になるわけでございますけれども、いま先生指摘のように百二十キロほどの免許キロを持っておりますけれども、このうち四十六キロほどを路線廃止をしようというふうな合理化計画会社が立てているようでございます。ところが、これをそっくりやりますと、やはりその沿線住民には相当影響を及ぼすということもございますので、私どもはできるだけこれを廃止をしなくても済むような対策を立てさせたいと思っております。ただ、内容的にここまではつまびらかにしておりませんけれども、非常に極端な過疎路線補助金を支出いたしましてもとてもペイしないというふうな過疎路線につきましては、一部市町村代替をしてもらうとか、そういったこともあるいは必要かと思いますけれども、そういうふうなことも含めまして、地域住民最小限度の利便が害されないようにというふうなことを趣旨といたしまして、よく陸運局を通じまして施策を講じてまいりたいと思っております。
  9. 福岡義登

    福岡分科員 補助金関係でございますが、おっしゃいましたように今年度五十七億八千万円計上されておるのですが、初めに要求されましたのは八十億要求されておるのですが、それが約五十八億に削られたわけであります。私どもは八十億でも少ないと思っておったのですが、それがまた五十八億となりますと、さらに減額されているわけで、このままではとうてい補助金という名に値しない額だと思うのですが、今後補正予算その他の機会をとらえて、増額するように努力をしていただきたいということを要望しておきたいと思います。  それから、過疎バス赤字問題の根本的な解決というのは、いまの補助金制度だけでは解決しないように私は思うのです。私ども三つのことをかねてから主張しておるのでありますが、一つは、累積赤字をたな上げするということを考えることが一つであります。それからもう一つは、赤字に対するいわゆる補助制度をもう少し充実をするということであります。それからもう一つは、さっきもちょっとおっしゃいましたが、つなぎ資金などの問題なんですけれども、この金利が非常に高い。低いところでも大体八%から、高いものは一〇%余り金利を払っておるわけです。政府資金の場合はそれより少ないのですが、市中銀行の場合は非常に高い。そこで長期、低利の、特別の金融公庫までつくれとまでは言いませんが、そういう基金的なものを考えていく必要があるんじゃないかというように思うのですが、そういう点についてはいかがですか。
  10. 高橋寿夫

    高橋(寿)政府委員 つなぎ融資などを円滑に出すために交通事業向けの特別の金融公庫をつくるという案につきましては、私どもも大分前からそういった必要性を感じていろいろ検討をいたしてきておりますけれども産業別金融公庫をつくるということは、制度問題としても非常に厚い壁がありまして、なかなか簡単に実現いたしておりませんけれども、将来実現を期して努力いたしたいと思いますが、実現するまでの間は、その特別の金融機関ができたときに得られるような効果を実質的に獲得いたすべく、いろいろな方策を講じることでいたしたい。そのことにつきまして関係当局十分折衝をしてまいりまして、先ほど申し上げましたような意味つなぎ資金が円滑に供給されるように、今後も努力いたしたいと思っております。
  11. 福岡義登

    福岡分科員 全体的な問題は、さっき言いましたようなことで今後努力していただきたいということを強く要望しておきたいと思うのですが、鞆鉄の問題、さっきの御説明によりますと、市町村代替輸送などができれば、廃止する場合もある、こういうようにお聞きしたのですが、関係市町村三つしかないのであります。福山市、尾道市、それに沼隈郡の沼隈町、これはいずれも国道二号線を中心にした都市でありまして、いわゆる田舎じゃない。それで、関係市町村三つとも、いま私が聞いておるところでは、代替輸送はしない、あるいはやめてもらっては困るという意見のようであります。したがって、関係市町村同意もしない、代替輸送計画をしないというような場合は、路線廃止はさせないというのが正しい行き方だと私は思うのですが、その点どうですか。
  12. 高橋寿夫

    高橋(寿)政府委員 従来私ども指導方針といたしましては、地域住民の足をやはり最小限度守るということを基本に置いておりますので、指導の仕方としては、各企業路線廃止をする場合には当該沿線市町村同意を持ってくるということを指導方針にいたしております。  ただ、これのために、お客さんの数の非常に少ない路線につきましても、なかなか廃止ができない。そうしますと、結局そのことの赤字は、そのバス事業を利用している沿線住民全部に及ぶというふうな結果も出てまいりますので、やはりその点については若干の改善をする必要があるだろうというふうに考えまして、一つの点は、これも来年度予算でございますけれども市町村代替バスに対する補助率を高めまして、たとえば代替バスを買うときの車両単価を引き上げるというふうなことをやりまして、代替バスを受け入れやすくなるような体制を講ずる、そういったことをやります一方、従来、五人未満乗車密度しかない極端な閑散路線については、補助制度がなかったわけでありますけれども、そういったことで、市町村代替バスに移行するまでの過渡期といたしまして、約五年間を考えておりますけれども、五年間を限りまして、五人未満の超閑散路線にもこの補助金を出そうという制度を五十年度予算では要求いたしております。  そういったことで、市町村代替バスに移行していただくべく、この企業当該市町村とお話をいただく一方、つなぎ的には五人未満路線に対する補助金を支出いたしまして、地域住民の足を確保していく、そういうふうなことでいくことを考えております。
  13. 福岡義登

    福岡分科員 重ねて確認をしておきたいのですが、大体の事情は私もわかって質問しておるのでありますが、路線廃止について今後関係者の間で——関係者の間というのは、陸運局指導もあるでしょうし、あるいは会社市町村話し合いもあるでしょうし、いろいろの曲折が予想されるのですが、考え方として、代替輸送市町村計画しないあるいは路線廃止についても同意をしないというような場合には、原則的にはその路線廃止をさせないという方針指導していただくということを確認をしておきたいのですが、そういうことでいいですか。
  14. 高橋寿夫

    高橋(寿)政府委員 この点につきましては、こういう考え方をとっておりますけれども、五十年度補助金金額が格段に増加いたしまして、従来もやっていたわけでありますけれども、この機会に、やはり地方公共団体、なかんずくこういった問題の中核的立場にありますところの県当局県内交通に対する計画的な考え方というものを大幅に導入をしていただきたい、こう思っております。したがいまして、県内の各バス企業ごと路線計画あるいはサービス充実計画、こういったものについて、まず県段階整備計画をつくっていただく、こういうことを基本にいたしておりまして、その上で必要なものについて補助をするというたてまえにいたしておりますので、いまの先生の御指摘の点につきましては、私は当該市町村要望を県に吸い上げていただきまして、県段階でいろいろそういったこともよく耳を傾けながら整備計画をつくっていただく。それを尊重いたしまして、私ども陸運行政をするという仕組みにいたしたいと思っておりますので、そういったことは十分県陸運当局話し合いで尊重できると思います。
  15. 福岡義登

    福岡分科員 次の問題に移りますが、国鉄関係ですが、三江線工事をやっていただいておるのですが、近くそれが完成する。いつごろ完成をしまして、いつごろ開業される予定なのか、その開業内容などにつきましても御説明をいただきたいと思います。
  16. 内田守

    内田説明員 三江線建設につきましては、鋭意工事を推進しておるわけでございますが、御承知のような物価の騰貴あるいは需要抑制等がございまして、どうしても工事がおくれざるを得ないという状況になっております。  この線路は、御承知のように、口羽—浜原間の三十キロを結びますと陰陽連絡完成するという意味におきまして、両側の三江南北線信号設備等改良もあわせて行うという問題がございまして、この予算物価高騰関係で全部五十年度になったということで、信号あるいはCTC関係工事は五十年度当初に着工しまして、約一年間、しかしそれでは地元の皆様に御迷惑がかかるので、その他の土木工事あるいは建物の工事等は現在のところ大体七月いっぱいをめどに完成をさせて、八月ごろには暫定的な開業をさせていただきたいというようなことで目下進めております。
  17. 福岡義登

    福岡分科員 当初の計画より相当おくれておるわけでありまして、これはおっしゃったような不可抗力的な要素もあったということを認めざるを得ませんが、地域住民の期待も大きいわけですからできるだけ作業を急いでいただきたい。七月末の工事完了、八月中ぐらいの部分的開業、こういうようにおっしゃったのですが、その内容というか、何本ぐらいの運行計画を持っておられるのか。それから、せっかく陰陽連絡するわけですから、広島から急行を、ディーゼルでも通していただきたい、あるいは福山からも一本通していただきたいという要望が、かねてから関係者の間から出ておるのでありますが、そういうものを含めまして、どういう営業計画を持っておられるのか。
  18. 伊江朝雄

    伊江説明員 いま内田常務がお答え申し上げましたように、直通体制をとるための信号設備が整うのが七月一ぱいでございまして、できればその信号直通体制ができ上がりました段階直通を考えたいと思っております。しかし、何せ乗降客の予想が、余り考えられない線区でございますので、問題は早く陰陽をスピートアップして結べる線であるかどうかということに尽きるだろうと思います。したがいまして、その段階におきましては直通を考えたいと思っております。しかし、当分の間、つまり開業いたしまして信号設備直通体制が整うまでの間は、せいぜい六往復どまりであろう、かように考えております。
  19. 福岡義登

    福岡分科員 一日も早く信号設備整備していただきまして、本格的な営業をやっていただくように、強く要望しておきたいと思います。  あと、時間がないのですが、もう一つ国鉄関係。これは運輸省にも関係すると思うのですが、新幹線がどんどん建設されまして、三月十日には博多まで開通をするということで、関係者の御労苦を多とするのですが、同時に地方在来線整備というものも、非常に大切だと思うのです。そこで、かねてから話が出ておるのですが、広島県の例で言いますと、山陽新幹線ができることによって、在来線が少しあくわけですね。それと福塩線と芸備線とをつないで循環運転というようなものが考えられないか。東京山手線ほどは——将来の計画としてはそこまで持っていくべきだと思うのですが、当面は在来線で、幸いに山陽本線新幹線開業で相当あくわけだから、いま福山から三次を通って広島までの直通便は一日に二往復あります。それを今度山陽線へ回して、若干部分的な設備改良を必要とするかもしれませんが、そう大した工事をしなくてもいいように私は思うのです。いま福山から三次、広島、逆に言えば広島、三次、福山に通っておるディーゼルを、山陽本線を回して循環運転をすることはできないのか。将来は申し上げましたような本格的な循環線で電化をしていくというようなことも考えなければならぬと思うのですが、当面の考え方として、過疎問題の関係あるいは総合交通体系の一環として、そういう循環運転というものが必要なんじゃないか、またやろうとすればできるのじゃないかというように思うのですが、国鉄が直接やられるのですから、国鉄側の御見解はいかがでしょうか。
  20. 伊江朝雄

    伊江説明員 非常に貴重な御提案だと思います。しかし、事務的な話を先に申し上げて非常に恐縮でございますけれども、私ども循環ルートあるいは列車の体系を考えます場合に、二つの観点から考えるわけでございます。一つはビジネス的に非常に需要の強いものかどうか、第二番目には、観光的なルートで成り立つのかどうか、非常に事務的でございますけれども、この二つの観点から考えるわけであります。  いま御提案のものは、ビジネス的に考えますと、成り立たないと思います。率直に申し上げます。しかし、観光的に考えますと、非常におもしろい、貴重な御提案であります。したがいまして、先ほど御提案がございました循環ルートは観光的に成り立つ性質のものだというふうな立場から、非常に貴重な御提案だと思いますが、非常に困ったことには、福塩線から芸備線の方を回って広島へ出ますルートにつきましては、非常にスムーズに参りますが、それが広島から山陽本線を渡りまして福山まで参りますのに、非常に構内横断がございまして、物理的に非常にむずかしい点がございます。しかし、これは先ほど御指摘のとおり、やってできないことはないわけでございます。けれども、非常に困難な問題が伴いますので、そういった問題をよく検討いたしまして、将来に備えたい、かように考えておりますので、すぐに実現はちょっとむずかしいと思います。ただ、福塩線、芸備線を通じて広島とのこのルートにつきましては、御提案のような立場から、もう一歩踏み込んで検討を進めてみたい、かように考えます。
  21. 福岡義登

    福岡分科員 時間が来ましたから、これ以上この問題の話ができぬのですが、お話がありましたように、一歩踏み込んで、本格的にひとつ検討していただきたいということを要望しまして、私の質問を終わりたいと思います。
  22. 谷垣專一

    谷垣主査 これにて福岡義登君の質疑は終了いたしました。  次に、金丸徳重君。
  23. 金丸徳重

    金丸(徳)分科員 私は、せんだって災害対策委員会におきまして運輸大臣から政務次官を通じまして昭和五十年度防災関係予算の概要という説明を受けました。これに関連いたしまして二、三お尋ねを申し上げ、また御要望もいたしたいと存じまして時間をちょうだいしたところでございます。  災害対策委員会におきましては、昨年の初夏の伊豆沖地震その他、また奥羽地方あるいは茨城沖というような累次に起きました地震などにかんがみまして、災害対策等の中でも特に地震対策について相当新しい構想を練り、強化していかなければなるまい、そのような考えに立ちまして、さらにそれについては地震そのものの基本研究といいますか、基本調査をもう格段的に急がなければなるまいというような関係で、学者その他の意見も求めつつ政府側の対策の強化推進を待っておったようなところでございます。しかるに、五十年度予算状況を承りますと、確かに運輸省関係におきましてもあるいは海上保安庁の受け持つ分、また特に気象庁関係の受け持つ分につきましても若干の進歩があるように受け取れるのでありますが、しかし、これは数字の上だけでありまして、いまの物価その他の状況から見ますと、はたして実質的に国民が要望するような地震に対する基本的な態度の強化というようなことがあらわれておるのかどうか、これは運輸大臣かから基本の姿勢についての御意見を承って質問を進めたいと思います。
  24. 木村睦男

    ○木村国務大臣 五十年度予算につきましては、御説明を申し上げましたような情勢のもとで編成をいたしましたので、運輸省全体といたしましても、二〇%を割る対前年度の増加ということでしんぼうせざるを得なかったわけでございます。その中で、いまお話しの気象関係予算につきましては、全くいまお話しのとおりに、昨年に比べて若干よくついたという程度でこれまたがまんをせざるを得ませんでした。しかし、気象庁の持ちます一番の使命でありますところの気象にしろあるいは地震にしろ、的確な予報、予報の精度を期すというところに私は仕事の重点を置いていくべきである。したがって、予算関係におきましても、その精度が期せられるというところへ予算の焦点を合わせて、予算の重点を置いていくという考えでまいってきておりますけれども、現実は、全般の情勢、御説明したようなことで思うようにはいっておりません。しかし、その限られた予算の中で後は内容をよくしていくということに努力を続けていきたい、かように思います。
  25. 金丸徳重

    金丸(徳)分科員 時節柄なかなか大変だと思います。ただしかし、去年の暮れ二十七日には、地震に関連いたしまして、学者グループといいますか予知連絡会の先生から一致した意見としての重大な警告が発せられました。これは申し上げるまでもない、川崎地域における地盤隆起に関連いたしまして、もしかするとある程度の地震が近いうちに起こるのではないかということで、そしてその対応策につきまして国民にも強く要望されておるようであります。政府側においてもこれの対策を進められなければということも要望されておるのであります。それで、この警告は私から申し上げるまでもないのでありますが、恐らく地震予知連絡会が設けられて以来初めてぐらいにはっきりと物を言った。もっとも、はっきりと物を言ったといたしましても、物が物、問題が問題ですから、非常に言い回しを慎重に、世間の響きなども考えながら大変大事に心を配っての書き方のようであります。しかしその書き方に応じまして地域の人々はこれまた非常に堅実にその対策を練りつつある。行政当局におきましてもしかりということでありまして、この警告は私はまさにその先生方の意図するところを達しつつあるように思われる。ところが一方、政府側の対応というと、その後私は実は同じ問題をとらえまして今日まで、あるいは建設大臣あるいは科学技術庁長官に関係のところの御意見を求めてまいったのであります。その後直ちに会議は開きました。地震予知研究推進連絡会議という政府側の会議もあるものだから、それでも会議をいたしました。とまではいきましたけれども、これに応じてすぐに打てば響くというような形における対応策が政府側に見られないのであります。  いかがでございましょう。運輸大臣といたしましては、この問題についてどういうふうにこれを受けとめ、また今後に対してどう動きなさるおつもりでありましょうか。
  26. 木村睦男

    ○木村国務大臣 昨年来お話のような点につきまして、政府部内におきましても関係機関が集まりましていろいろ相談をいたしておるのでございますが、なかなかむずかしい点もあるわけでございますし、今後一層配慮しながら努力をしてまいりたいと思っております。なお、詳細のことは気象庁長官が参っておりますので、長官の方から……。
  27. 毛利圭太郎

    ○毛利政府委員 気象庁といたしまして三つのものがございますが、測地学審議会の建議を受けました方向で施策を進めてまいります。また、地震予知連絡会と、それからもう一つございます地震予知研究推進連絡会議と、三つのものに関係を深く保ちながらわれわれとして地震予知の研究業務を進めてまいっておる状況でございます。  ただいま先生から御指摘ございましたように、われわれといたしまして地震予知は非常に大きな問題でございまして、ことし、五十年は地震予知第三次計画の第二年度に当たっておりますが、この第三次地震予知計画の中で今年度は地殻岩石のひずみ観測網の整備、また海底地震計の研究開発、また地震活動検測センターの強化などを進めまして、地震予知実用化を目指して努力を進めたいと存じておる次第でございます。
  28. 金丸徳重

    金丸(徳)分科員 大臣、いま長官の方からお話がございましたように、気象庁におきましてもそのような建議にのっとってやられておるようであります。今回の地震予知連絡会の警告も恐らくその前からの建議などをもとにしての意見の発表だと思うのであります。私もそのような測地学審議会の建議というものを大変大事に思いまして、繰り返し読ましてもらったのであります。建議は日本学術会議などの意見をも参酌されたらしくて、一番初めの建議は三十九年でございます。いまから十一年前になるようであります。その後この建議に基づいて四十一年、四十三年それから四十八年というふうに立て続けた地震予知関係の政策の進め方を強化しなければという趣旨のもとにされておるのであります。およそ公的機関が政府に向かって建議されるという場合において、このように短期間において立て続けの建議がやられるということも私は余り例がないのではないかと思うのであります。そのもとをなしたものは何かと言いますと、地震予知の仕事というものが余りにおくれておるということが一つだと思います。そしてそのおくれておったことにつきましての対応策が、同じように建議後におきましてもそう目につくほどてきぱきとして進まなかったということもその一つだと思います。そしてもう一つには、やがて日本は、日本国土は例の六十九年周期説というような大事な時期を控えておりますものですから、世間におきましても関心が高まってくるであろうというようなこともいろいろの角度から考えて、これはもうゆるがせにできないのだ、急がなければならないというやむにやまれぬ気持ちからこのような立て続けの建議となっただろうと思うのです。そしていまもお話がありました第三次の四十八年六月ですか八月の建議におきましては、具体的に非常に細かなスケジュールを立てて、こうやってほしいんだ、こう言っておるのであります。私は、この学者グループのやむにやまれぬ気持ちの建議というものは、政府の側におきましても相当真剣に受け取って対応してくれなければならぬと思うのでありますが、いかがでございましょうか。いま長官の方では、それにのっとってと言われておりますが、その実は果たして上がってきておるのでありましょうか。上がる形跡がないと思えばこそ、心配があればこそ今度のようなまことに例のない意見の発表となってきただろうと私には思えるのであります。大臣いかがでございましょうか。
  29. 木村睦男

    ○木村国務大臣 日本が世界的に見ましても非常に地震の多い国でございますし、また、過去においてもそれが立証されるような大きな地震が起こっておるという環境の中におけるわが国のこの地震につきましては、いま御指摘のように、たびたび勧告も受けて建議も受けておるようなわけでございます。それを受けまして当然気象庁といたしましては、十分にこの地震予測、観測等に努力をしてまいっておるのでございますけれども、なかなか御期待に沿うほど十分にはまだいっていないことを、私も率直に認めざるを得ません。たとえば、海底の地震観測のシステム等もできるだけ早く整備をしなければならない重要な問題だと思いますが、いまお話しのような点を十分われわれも頭に入れまして、今後さらに一層努力してまいりたいと思います。
  30. 金丸徳重

    金丸(徳)分科員 御意見、お気持ちの点は、私も了得いたしたいのであります。ただ、この問題はよほどの決意といいますか、よほどの勇気を持って取り組んでいただかぬと、やはりマンネリになりがちなのではありますまいか、いままでの経験によりまして。と言いますのは、事が地獄のことなんです。ことに海中火山だとか海中地震というようなことになりますと、まあわれわれの日常の生活からすればほど遠いことなものですから、それからもう一つには、何と言ってもいまのこの高度成長経済下におきましては、すぐに物の役に立つというようなことの方に力が入ってしまいまして、十年後、二十年後、百年後における国土の状態を心配するというような仕事については、どうも世間の関心も薄らぐのであります。その気持ちが、私は、学者などの御苦労に対する報い方も少ないのでありまして、またその張り合いのないようなことになってきておるのではないか、こう思うのですね。いままでのそういうようなことを、この際何かのきっかけにおいて、何かの機会に思いを改めて、思い切った踏み出し方をしていかなければ、なかなかこの問題は片づかないと思うのです。運輸大臣が気象庁というような大変天然現象を相手にしての、あるいは地獄の奥深い大変な問題を相手にする仕事を受け持っておられる担当大臣でありますだけに、まず運輸大臣あたりから声を大にして、力をきわめて、閣内においてもこれに重点を置くべきであることを主張してもらいませんと容易なことではないのではないか。目の前に川崎におけるあの心配があるということは、私はこれに踏み出すべきいい機会である、運輸大臣どう声を大にしてもいいときじゃないかと思うのですが、どんなものでしょうか。
  31. 木村睦男

    ○木村国務大臣 金丸委員の大変お気持ちのこもったお話、私も全く感慨を深くして承っておるところでございます。もうおっしゃるとおりでございまして、将来の日本の国土というものを考えますときに、こういう非常に精密なしかも緻密な研究と知識を要する地震等に対する科学的なメスを入れて将来の計画を立てるということには全力を挙げていくべき時期であると私も同感に思っております。したがいまして、今後、先生のその御趣旨を私も十分頭に入れまして、努力を続けていく覚悟でございます。もちろん、気象庁といたしましても、当面の重要な課題として真剣に取り組んでおるのでございまして、さらに一層これにも拍車をかけるように、私からも指導いたしたいと思っております。
  32. 金丸徳重

    金丸(徳)分科員 気象庁で真剣に取り組んでおられることは私も信じます。そしてまた、ほかの省庁におきましても一生懸命やっておられることを私も信じたいのであります。ただ、私、心配しますのは、この地震予知関係、火山関係におきまして、ことに地震予知関係におきましては、関係省庁が余りに多いんですね。言葉が少し悪いかもしれませんけれども、いままでの実績から言いましてばらばらにやっているのではないか。あるいは運輸省建設省、科学技術庁というところも、そのほかに通産省でもやっている。大学の研究室におきましてはもとよりであります。私は各方面においてこういうように力を入れてくださることはありがたいと思います。ありがたいと思いますけれども、その力がいろいろなところにありますだけに、どうしても総括的な総合的な大きな力というものが出てこない。もう少し高次元において物を見る、物を考えるという立て方ができないのではないかというような心配を持つものでありますが、そういうことがあればこそ推進連絡会議というものができたようであります。ただ私は、この建議の中にも言われておるのでありますが、そういうことも踏まえながら、しかしそれをさらに改組し強化し、高度に力の発揮できるような体制を打ち出すべきではないか、打ち出してほしいということが建議の中にもうたわれておるようであります。この点については運輸大臣、どういうふうにお考えになりますか。
  33. 木村睦男

    ○木村国務大臣 当面は関係機関相互の連絡会議のかっこうでやっておりますけれども、将来の構想といたしましては、やはり私はそれを統一いたしまして一つの機関に吸い上げて、そして強力な対策を立てるという方向でいくべきである、私もかように思います。その方向に向かって努力をいたしたいと思っています。
  34. 金丸徳重

    金丸(徳)分科員 どうかその方向を一刻も早く強力にお進め願って、国民に、せめてそれだけやってくれたんだから、まずそれに信頼して、落ちついてみようかというような気持ちを起こさせるように、ひとつお進め願いたいと思うのであります。  そこで私は、せっかく大臣がそういうふうにお考えを持ってお進みくださるものですから、具体的に私が、もしできればと思うような要望を申し上げたいのであります。  先ほども申し上げましたように、この仕事は非常にじみであり、縁の下の中にもぐっての仕事のようなものでありますから、容易ならぬことだと思います。けれども、それをやっぱり基本的に進めてもらわなければならない日本の国情、国土の状況なんですから、これには思い切っていい人材が集まってもらう、その処遇も考えなければなるまい、こう思います。  ところが、私がそれに対して一つの心配を持つのでありますが、実は大臣、いまから三十何年も前に、運輸通信省という役所がありましたころ、私もそこにお勤めをいたしました。気象台関係というようなものにつきましての予算などのお手伝いをいたしたこともあったのであります。そのとき、私の痛感いたしましたことは、やはりこれは地震関係はもちろんでありますけれども、もっと前の気象観測その他におきましても、ここに働く皆さんの処遇というものがあまりにも特殊性を無視された形になっておるのであります。あの富士山の上に雪をかいて働いているような人たち、あるいは非常に絶海の孤島において気象の観測をしておられる、あるいは時によると徹夜をして台風を追わなければならない、見つめておらなければならないというような人たち、また、きわめて細かい機器などと取り組んで、間違ってはならないような数字を相手に、しょっちゅうやっているという人たちの待遇というものが、ほかの一般の仕事と比べてほとんど変わりない、むしろ下であるかのような状況であることをいまも思い起こすのです。そうして、そういうことから仕事がうまくいってなかった。人員の吸収もうまくいってなかったというようなことで、あのとき、参謀本部の兵隊さんが、軍刀持ってどなり込んできたことも、いまもよく覚えておるのです。そのとき、じだんだ踏んだって間に合わなかったのです、戦争の状況にないのです。だからもっと前からこの方に力を尽くしておけばよかった。時すでに遅し。私はその状況が一日も早く戦後改善されるべきことを期待し、念願いたしておりました。  果たしてそうでありましょうか。その点がどう改善されたでありましょうか。実は、ほかの機会におきまして、気象庁長官の方から、大分よくなってきておるからという話を聞きましたけれども、人員の充実にいたしましても、もちろん普通の人ではいけません。学識のある、また経験豊かな人であってこそ、こうした問題はうまく処理ができるんだろうと思います。そういうことについての問題があるものですから、十分に人材を集めるわけにいかないのではないか。いわんや人を十分配置するということもできないのではないかと私は思っておるのです。大臣の見るところ、これはいかがでございますか。またこういうことが問題解決の基本、前進する第一歩だと思いますだけに、大臣のお考えを承っておきたいと思うのであります。
  35. 木村睦男

    ○木村国務大臣 戦前の日本の政府のやり方といいますか状況は、いま御指摘のように、こういった専門的な、科学的な、技術的な仕事に関係しておる国家公務員というものは、どっちかといいますと、一般よりも非常に冷たい扱いを受けておった、私もそういうふうに思います。しかし戦後になりましてから逐次その点は改められまして、ことに気象業務が非常な役割りを持ってまいりましたのと並行いたしまして、予算折衝のときにおきましても、あるいはこういった国会審議の場におきましても、与野党を問わず、気象関係の問題だけは各委員の方々から非常に同情をいただき、激励をしていただきまして、人員におきましてもここ十年、十五年、二十年の間にかなりふえてまいっております。しかし、この仕事は人数だけふえてもだめでございまして、やはりその内容が優秀でなければなりません。そういう意味におきまして人員の増加とそれから待遇、この両面がそろわなければりっぱな業績は上がらないと思っております。こういう意味におきまして、最近、全般的に国家公務員の処遇は改善されてまいりましたけれども、特にこういった非常に高度の技術的頭脳をもって仕事をやる人たちの待遇はさらにその中でもよくしてあげなければならないと思っておりますし、逐次改善されておることは事実でありますが、現状をもって満足はいたしておりません。今後とも十分努力をするつもりでございます。
  36. 金丸徳重

    金丸(徳)分科員 時間が迫っておるようですから、私はまだ残ったお願いもいたさなければならない気持ちもうんとあるのでありますが、いずれまた別の機会を選ぶことといたします。ただ私は、そういう意味におきまして、もう一度そういう大臣のお気持ちをもとにして、改めて測地学審議会の大胆に出された建議というものを、事務当局の方におきましても、大臣におきましても、もう一度ひとつ読み直していただきたい。私が下手な内容をいきり立って申し上げるよりも、ここにうたわれた学者グループの切実なる訴えというものは、この機会において改めて見直して、心中深く納めながら政治あるいは政策をお進め願いたいと思うのであります。  わが国は地震国であり、火山国であります。それにもかかわらずその対策は抜きにして、と言っては言い過ぎかもしれませんけれども、後にして、まず経済の成長ということになってきました。それはそれでやむを得なかった事情もあったと思います。しかし、いま安定成長の経済でがまんするというときになったこの機会において、私は、いままでおくれておった、なさねばならなかったところの問題を解決するいい機会だと思う。ことにじみな、しかしながら非常に大切な研究に心身を削らしておる学者なり専門家なりというものの労苦に対して、私は政治として、政府といたしましても、これに報いるため最善を尽くさなければならないのではないか、こう思うのであります。そのような要望を申し上げ、大臣の御決意を承って、私の質問を終わることといたします。
  37. 木村睦男

    ○木村国務大臣 金丸委員のまことに力のこもった御鞭撻の御発言に、私も本当に感激をいたしております。このお気持ちを私も気象行政の上に映しまして、お示しのような内容を十分に検討させていただきまして、さらに一層努力をいたしたい、かように思っておりますので、今後ともよろしく御指導、御鞭撻をいただきますようにお願い申し上げます。ありがとうございました。
  38. 谷垣專一

    谷垣主査 これにて金丸徳重君の質疑は終了いたしました。  次に、上原康助君。〔主査退席、内海(英)主査代理着席〕
  39. 上原康助

    上原分科員 私は、限られた時間ですので、主に、前々から問題になってまいりました那覇空港の整備の件についてお尋ねをしたいと思います。  まず、きょう運輸省だけにお尋ねをしておきたいのですが、沖繩返還の時点で、いわゆる那覇空港は目玉商品だということで、完全民間空港にするということを政府首脳の方々が非常に強調してまいりました。しかし、残念ながらその目玉は完全に抜かれて、いまなお、復帰三年目を迎えた段階においても、民間空港どころか米軍、米海軍それから海兵隊、航空自衛隊、海上自衛隊、陸上自衛隊、民間航空機、本土にもあまり例を見ないような共同使用の形をとってきております。  そこで、しばしば対潜哨戒機であるP3の移転問題との関係で、この空港整備をどう進めていくかということを議論をしてまいりましたが、一体、運輸省は、この那覇空港を完全に民間空港にするという方針をお持ちなのかどうか。お持ちであると思うのですが、そういう方針であるならば、どういうふうに民間空港にしていくための整備なり、あるいは自衛隊関係、米軍関係との話し合いども進めておられるのか、その方針をまずお伺いをしておきたいと思うのです。
  40. 木村睦男

    ○木村国務大臣 那覇空港の将来についての問題でございますが、もちろん、運輸省といたしましては、那覇空港を沖繩と本土との交通の唯一の——まあ、海上がございますけれども、唯一と言っていいほど重要な役割りを持つ航空路の拠点といたしまして今後十分に機能を発揮するようにいたしたい、かように思っております。しかし、最終的に返還になった場合に那覇空港がどうなるかという問題は、ただ運輸省だけの考えで決まる性質のものではございませんので、これはやはり政府全体といたしまして、日本の全体の国防、そういう観点からもいろいろな問題もあるところでございます。したがいまして、政府の立場に立ちます場合には、いろいろな観点から、那覇空港の今後については最終的な結論を出さなければならない問題ではございますが、運輸行政を預かる運輸省といたしましては、ここを全面的に民間航空の基地として、今後十分活用できるようにもっていきたい、かように思っております。
  41. 上原康助

    上原分科員 これまでも、大体いま大臣が御答弁いただいた範囲のことは指摘をされてきたわけです。  そこで、具体的にお尋ねをしまして、いわゆるP3対潜哨戒機が、この三月末まで嘉手納移駐の関連工事が大体終える、移るのは五月ないし六月だというふうに聞かされているわけですが、対潜哨戒機が那覇空港から他に移った場合に、現在、この米海軍あるいは米海兵隊、いわゆる対潜哨戒機関連の施設の跡の利用については、どの程度防衛庁なり関係省庁と話し合いが進んでいるのか。この点については、できれば防衛施設庁なり防衛庁も呼んでお尋ねをしょうかと思ったのですが、私がいろいろ調査をしている限りでは、かなり双方の言い分に違いがある。両方の代表に来ていただいていろいろお話をしてみても、なかなか政府全体の関係ということで、率直なことを言ってもらえない面もあるわけですね。私は、あれだけ手狭まになっている空港というものを整備をして、本当に安全性の面とかサービス面を確保していくには、やはり運輸省の立場でこうしたいというプランというものがないとなかなか進まないのじゃないかという感じを持つわけですね。P3移転との関係において、運輸省はどういう方針でその跡地を利用しようとする計画をお持ちなのか、この点もっと明確にしていただきたいと思います。
  42. 中村大造

    中村(大)政府委員 先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、将来の計画といたしましては、民間航空最優先ということで、これに利用するための運輸省としての腹案というものは従来から持っておるわけでございます。  ただ、近々返還が予定されますP3機相当地区でございますか、それ以外の地区につきましてはいまだ具体的な返還見通しというものが立っていないわけでございますので、そういうものを含めた全体的な具体的な計画というものについて防衛庁と具体的に詰めていくということは、時期がまだ熟していないわけでございます。さしあたりはいわゆるP3地区でございますけれども、これについては民間航空が優先的に使うということで防衛庁と現在折衝をいたしておるわけでございまして、われわれとしては、できる限りわれわれの要望を満たすように最大の努力をしたいと思っておるわけでございます。
  43. 上原康助

    上原分科員 私も、現地の空港長にもお会いをしたし、また、関係の職員の皆さんともいろいろお話をしてみましたが、二月いっぱいには、大体防衛庁との話し合いはいろいろこれまでも連絡会みたいなものを持ってやっているのだ、その案ができるのじゃないのか、そのことは航空局と防衛庁の担当者の間で話し合いは進められているであろうというようなことでしたが、実際問題として、今日までどのくらい話し合いが進んでいるのですか。全然まだ、どうするということの合意はないのか、あるいは双方の意見が対立をして平行線で今日まで来ているのか、この点ももう少し明確にしておいていただきたいと思うのです。  私は、この問題は、きょうのわずか三十分間ではとても議論できませんので、徹底的にもう一遍洗ってみたいという感じを持ちますので、そこで、運輸省は、一体、本当に本気で那覇空港を民間航空優先の空港に持っていくという考えがあるのかどうか、若干疑問を持たざるを得ない面もあるわけですね。そういう面で、どの程度話し合いが持たれているのかも、ぜひ明確にしていただきたいと思うのです。
  44. 中村大造

    中村(大)政府委員 P3地区移転後の使用につきましては、お説のように、海洋博というものがとにかく目前に迫っておるわけでございますので、海洋博時の旅客輸送を処理するためにも、このP3地区の使用についてどうするかということを早急に煮詰めなければならないわけでございます。したがいまして、防衛庁とは相当具体的に交渉をいたしておるわけでございまして、当然こちらの要望を出し、向こうの要望も出ているわけでございますけれども、原則的に少なくとも海洋博開催中これをどうするかという点につきまして、運輸省と防衛庁との間にそう大きな開きはないわけでございまして、具体的に折衝をいたしますれば、私は解決が可能ではないかというふうに思っておるわけでございます。
  45. 上原康助

    上原分科員 その結論はいつごろ出るんですか。
  46. 中村大造

    中村(大)政府委員 これは明確に何日ごろということは、要するに相手もあることでございまして、申し上げるわけにまいりませんけれども、とにかく海洋博というものが迫ってまいりますので、逆算いたしまして、とにかく諸準備もございますから、できるだけ早く結論を出そうということで、鋭意両者間で交渉いたしておるわけでございます。
  47. 上原康助

    上原分科員 どうもまだしっくりいかないんですが、要するに、当初完全返還をするんだと言いながら、日米間の話し合いをほごにした形で米軍も居座ってきた。しかも、先ほど申し上げましたように、海上、陸上の自衛隊さらに航空自衛隊も移駐していった。百歩譲って、先ほど大臣のお答えもありましたが、皆さんのお立場では防衛ということも頭に置かなければいかぬこともあるでしょう。しかし、これ以上軍事色を強めちゃいかぬわけですね。  いまどういう状態になっているかということは、御承知のように新しい暫定ターミナルができたにしましても、実際の駐機場にしましても、こういう状態なんですね。民間が使っているのはわずかにこの青い部分でこういうふうに大部分はまだ米軍が使用している。しかも、ここにおいても、ここはまだ自衛隊でしょう。この跡地をやはり民間のエプロン、スポットに持っていくという計画がない限り、これは大変な状況になるわけです。航空局長は海洋博との関係ということも指摘しましたが、それは後ほど少しお尋ねしますが、海洋博期間中は少なくともいまの六割以上の増便になり、いろんな空港の利用度というのが出てくるだろうと現地は言っているわけです。そうしますと、とてもじゃないが収容能力というのはない。ここに自衛隊が入り込むということになると、一体何のための返還だったかということになるわけです。それだけに県民感情からしても好ましくない。  さらに、駐機場の面からしますと、いまわずかに民間空港が利用できるのはこれだけなんですね。ここを返せというものを返さぬでここに持ってきた。暫定ターミナル、ここは一方通行なんです、橋をかけて。ジャンボなら、ここを通るにも大変な危険性が伴う。タワーはこの付近にしかないから、タワーの方から実際にこの飛行機にいろいろな指示をするにも不可視の状態なんです。見えないんですよ、ここの方、後ろになっていますからね。こういう状態。三分の一でもないです。五分の一くらいですよ。いま大体全部P3機が使うところまでのスポットになると、二十くらいの駐機スポットができるわけですね。現在、民間の航空機が使用できるというのはわずかに八スポット。八機しか二十のうち駐機できない。しかも、この一番中央部分を自衛隊がいま乗っ取ろうとしておるわけでしょう。  これに対して運輸省としては、ぼくはもう少し強い姿勢で当たってもらわぬといかないと思うんです。これについて大臣、本当に本気でやる御意思があるんですか。
  48. 木村睦男

    ○木村国務大臣 さしあたっては、海洋博のための航空旅客の円滑な輸送さばきができるようにするということが当面の問題でございますが、これはその方針で、航空客の円滑な輸送ができるように、十分な那覇空港の使用ができるようにやります。  それから、将来の問題といたしましては、やはり将来民間空港として那覇空港がどの程度の規模とどの程度の機能を持ったらよろしいかということを、まずわれわれの方で決めなければなりません。それに従って、将来、現在の那覇空港をどういうふうに使っていくかということになりますが、先ほど申し上げましたように、運輸省といたしましては、民間航空の飛行場として那覇空港を使用するような方向で強力に努力をいたすつもりでございます。
  49. 上原康助

    上原分科員 その決意はある程度理解いたしますが、ぜひこういう状態、しかもここに延ばしたといってみたって、ここは橋をかけただけで大変な危険な状態があるわけですね。そういう現場の実態というのもぜひ御理解していただいた上で空港の整備というものをやっていただきたいと思うんです。  それに飛行機の離着陸状況にしましても、いま自衛隊を含んだ軍用機が大体六〇%ですね、民間機は四〇%。それから消防車の出動の回数なんかは、軍用機の場合が何と九〇%を占めている、民間機は一〇%。この一〇%の中には、いわゆる爆弾を仕掛けたというようなことがあって出動したのも含めてこういう状態。ですから沖繩県民は、こういう実態というのはみんな知っているわけですよ。これで実際民間空港なんて言えたはずはないんですね。さらに、こういう状態ですから、これ以上自衛隊が占用するとか、軍事色というものを強めていくということには、われわれはもう断固反対をします。また、容認できません。それを十分なし得るかどうかは、私は運輸省の姿勢にかかっていると思う。その点特に念を押しておきたいと思うのです。  そこで、現在滑走路に、前にも、航空管制が返還される場合も私は議論をいたしましたが、ジェットバリヤーがあって、米軍の艦載機がフックをかけてやって滑走路をいま傷つけているわけですね、中央線のあれ。ちょうど中央にその歯どめにするようなバリヤーがあって……。こういうものは、P3が移駐をした段階においては全部撤去するんでしょうね。そういう計画はどうなっているかということ。  さらにもう一つは、管制塔にしましても、そのほかのGCあるいはILS、TACANの施設にしましても、米軍から引き継いだきわめて老朽な施設、機器しかないわけですね。関係の職員に聞いてみますと、もう二時間置きに故障するのもあるという。寸秒を争うような飛行機の管制、いろいろな誘導について、ああいう老朽化した機器では、とてもじゃないが海洋博時点になるとお手上げだ、万一事故でも起きたらどうしますかという質問があるわけですね。一体こういう老朽化した機器の取りかえなりあるいは米軍から引き継いだ施設の改善等については、海洋博時点までに本当に間に合うのですか。また、今後五十年度予算においてはどういうふうに処理されようとしておるのか。  さらにもう一つは、いまの管制塔というのはエレベーターも何もありませんよ。職員の皆さんも大変苦労している。同時に、そのほかの職員のいろいろな待遇面においてもまだまだ改善をする余地があると思うのですね、現場の意向を聞いてみますと。これらの点についてもどういうふうにお考えなのか、特にジェットバリヤーの撤去は、P3が移転をした時点において、これは民間の飛行機なら無用の長物らしいのですね。こういうのはどういうふうになっておるのか、明らかにしていただきたいと思うのです。
  50. 中村大造

    中村(大)政府委員 海洋博を控えまして非常に増便をする必要がございますし、そういう点から考えましても、運航の安全というものを最優先的に考えていることは当然でございまして、そういう意味で、老朽化いたしました施設の改善は予算面でも最優先的に取り上げてやっております。ただ、具体的にどういう施設について五十年度どれだけの予算を組んでおるかという点については、現在ここに資料を持ち合わせておりませんので、後ほど取り寄せまして御報告申し上げたいと思います。  それから、御指摘のジェットバリヤーの撤去の問題でございますけれども、この点につきましては、申しわけございませんけれども現在私つまびらかにいたしておりませんので、至急調査をいたしまして御報告を申し上げたいと思います。
  51. 上原康助

    上原分科員 それはもう少し実態を皆さんの方も調査をしたりしていただかないと困るんじゃないですか。このジェットバリヤーというのは、米軍の艦載機にフックをつけて引っかけていく。それがとまらない場合があるわけですね。ですから、滑走路のど真ん中にでっかい線をつけてある。こういうのは、聞くところによりますと、自衛隊のF104Jにも必要ないのだという言い方なんですね。民間の飛行機は、ましてや旅客機なんか、これは無用の長物だ。いろいろな面で非常な支障を来しているのですよ。恐らくP3が移駐した場合は撤去されるとは思うのですが、しかし、場合によっては、飛行機だから米軍機が非常の場合におりる可能性がまだある。これは後ほど問題にしますが、そういう面でそのまま置かないとも限らないのですね。だから、こういったことについてもどういうふうにするのか、これもぜひ早急に明らかにしていただきたいと思うのです。  それと、この駐機場との関係においてもう一つ問題にしておきたいことは、南西航空さんの場合なんかはもうスポットがないものだから、全日空さんとか日航さんのを借りてやっているわけですよね。南西航空は定期のスポットのエリアというのはないのです。飛行機を洗うにも、米側の方にしっぽを向けたら、これはおれらのところだからこうしてはいかぬということで文句が出る。いま南西航空は大変に困っている。新しくできた暫定ターミナルの所に駐機場が行ったって、ここは塩気の多い所で、飛行機の駐機をする場所としては非常に不適当なところなんですね。こういうP3が使っている中央部分が一番那覇飛行場の心臓部なんですよ。だから、どうしてもそれを民間のスポットなり整備場に充てていただかないと困る。特に南西航空のそういったエリア確保については、これも同時に考えていただかなければいかない問題でありますので、この点もどういうふうに話を進めておられるのか、ちょっとお伺いをしておきたいと思うのです。
  52. 中村大造

    中村(大)政府委員 P3地区を民航優先に使用するというその中には、当然、この南西航空の駐機場を確保する、こういうことも重要な要素として入っておるわけでございまして、そういうことを含めて強力に、現在その確保方を努力いたしておる次第でございます。  それから、先ほど御質問の中で保安施設、それから管制塔のエレベーター等の予算でございますけれども、これは五十年度においてすべて完成するように予算措置を講じております。
  53. 上原康助

    上原分科員 それでは、時間がわずかしか残っていませんので、これとの関連もありますが、先ほど海洋博時の問題を言っておりましたが、いま政府は国鉄に年間幾らぐらいの助成をやっているのですか。補助なりいろいろなものをやっているわけでしょう。簡単に額だけ言ってください。どなたかおわかりですか。
  54. 松井和治

    松井政府委員 五十年度予算案につきましては二千六百八十四億円余りでございます。
  55. 上原康助

    上原分科員 二千億余り国鉄にいろいろなあれをやっているわけですね、国の財政。しかし、沖繩県民は、残念ながらこの恩恵には浴していないわけですよ。  そこで、これは大臣にぜひ御検討いただきたいのですが、私はせんだって大蔵委員会でも、離島航路の通行税の問題についてお伺いをしました。また、海洋博との関係もあって、県当局からも、いわゆる航空運賃の割引制度をぜひ設けてもらいたいというような強い要求もあるわけですね。離島航路の通行税についてはいま一〇%課されている。さらに沖繩返還特別措置法で、例の燃料税のものもこの三月三十一日で切れる。社会的公正なりあるいは政治の公平さというものを期すということであるならば、鉄軌道、国鉄もない、私鉄も全くないそういう沖繩の航路の問題については、政府はもう少し親身になって考えてしかるべきだと思うのですね。ぜひこの二点については、運輸省としては大蔵当局とも話していただいて、何らかの措置を講じていただきたいと思うのです。割引制度の問題にしましても当然考慮をしてしかるべきだと思うのですが、これは御検討いただけますね。
  56. 木村睦男

    ○木村国務大臣 航路の通行税の問題は、いま担当者が来ておりませんが、私もちょっとつまびらかにしておりません。これはよく聞きまして検討いたしたいと思っております。  それから航空客の割引の問題でございますが、前からもいろいろ、沖繩出身の先生方からのお話もよく承っております。事情なり、要望なさいますお気持ち、私も本当によくわかるのでございますけれども、公正、不公正という観点から言いますと議論がかえって逆になりますので、そうではなくて、ああいう大きな催し物があるので、少しでも見学する人がしやすいように、本土からも人が行きやすいようにということから考えなければいかぬと思うのですが、実はこれはなかなかむずかしゅうございます。それで、いま団体割引という制度が御承知のようにございまして、これは単独で行く場合に比べますとかなり安くついておりますので、ああいうお客をあっせんする方もできる限り団体客として募集をしておるようでもございますし、また、こういう機会に私がこういうことを申し上げて、少しでも国民の皆さんがそういう制度を利用した方が得だということを知っていただければ大変幸いだと思うのですが、なるべく、現在ありますそういうふうな低運賃で行ける方法を利用していただいて、一人でも多く参加、見学をしていただきたい、こういうふうな気持ちでおるわけでございまして、個々のお客の割引をこのためにだけ設けるということは、いろいろな問題でちょっとむずかしい点がございますので、それにはまだ踏み切り得ずにおるような状況でございます。
  57. 上原康助

    上原分科員 きょうの段階ではっきりしたお答えがいただけるとは私も期待していませんが、しかし、団体客だけというわけにいきませんよね。その点はもう少し、離島航路の通行税の問題にしましても燃料税にしても、特別措置であるわけだから、その法律を延長するとか——県の方からないとか、あるいは大阪万博にはそういう制度を設けなかったというような、そんな大阪万博と沖繩の海洋博と比較してもらっては困るのですよ。これだけ交通網整備をされて、どこへ行っても鉄道や地下鉄があって、バスやその他の交通網というのが整備をされている所と離島の沖繩と同一に考えては困ると思いますので、どうかそういった面は、運輸大臣としても、また運輸省としても十分御検討をいただいて、何らかの方策を講じていただきたいということを強く求めます。改めて御答弁をいただいておきたいと思うのです。
  58. 木村睦男

    ○木村国務大臣 ひとつよく研究をさせていただきたいと思います。
  59. 上原康助

    上原分科員 時間ですから終わります。
  60. 内海英男

    ○内海(英)主査代理 これにて上原康助君の質疑は終了いたしました。  次に、津川武一君。
  61. 津川武一

    津川分科員 国鉄総裁にお伺いします。  この間、私、五能線の青森県の付近を歩いてみましたが、国道は、拡幅する、舗装する、波に洗われる所は護岸工事をする、至れり尽くせりの工事をしていました。五能線、工事らしいものが目につかないのです。そこで、地元の人に聞いてみたら、どうやら国鉄は、国道だけを整備して、五能線を捨てるんじゃないか、だんだんそういうかっこうにするんじゃないかという疑念が持たれているので、これはぜひ復旧させなければならないし、災害にも強い五能線をつくらなければならないと思うのですが、この点、国鉄方針をひとつ。  時間がないので、もう一つお伺いします。それは、五能線のダイヤです。三月十日に改正される予定のものを見ますと——秋田県の県境の青森県側の大間越から岩崎の小中学校に、特に中学校に子供さんが通学しております。同じく岩崎の駅からもっと下りの方の沢辺という所から小中学生が通学しておる。ところが、今度のダイヤ、いままでのダイヤもそうですが、朝八時二十九分大間越発・八時四十九分岩崎着、そこから岩崎の学校まで足の速い人は十五分、遅い人だと二十分かかります。さて、授業が終わってから帰りの時刻、岩崎から大間越に行くのが十五時十六分、ここに来るまでには十五分ないし二十分歩いてこなければいけない。これで授業ができないのです。それから、授業が終わってからのクラブ活動は全然できないのです。そこで、とうとうどういうことになったかというと、学校が組んでいる授業時間を、五十分授業が正規なのを四十五分に削る、そうして休み時間は午前と午後に五分一回だけ、こういう授業をやっているわけです。私たち、小学校のころを思い出してみても、休憩時間も必要だし、十分な時間も必要だし、ましてクラブ活動。これはぜひ授業が影響を受けないように、授業がやれるようにダイヤを改正してあげなければならぬと思いますが、この二点、まず伺わせていただきます。
  62. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 さっきの五能線は、どうも国鉄はやめるのじゃないかというような御懸念でございますが、これは決してやめません。同時に、御承知のように四十四年十二月に、浪害によりまして脱線の大きな事故を起こしておる、それから十三億くらいの浪害防止の金を投じておりますし、これも一部できましたけれども、今後とも県当局、国ともよく歩調を合わせまして、この浪害対策を強めていくという努力をいたしたいと思います。  それから第二番目の問題も、これは担当者から詳しく御答弁させますけれども、確かに御不便なダイヤになっておりますけれども、これは要員とか車両とかなんとか、いろいろな関係もあるようでございますが、極力国鉄としても努力はいたしておりますけれども、まだ御満足のいく段階には大分距離がありそうであるということで、担当者から詳しく御説明いたさせます。
  63. 津川武一

    津川分科員 総裁、まだ学生たちに不自由させる、授業時間を短縮する、サークル活動をできなくする、休憩時間をなくする、そういうお気持ちなんですか。事務当局の返事は要らない。あなたの考え方で変わるか変わらないか決まる。事務当局の返事を聞いたって変わるものではない。このダイヤはぜひ修正すべきだと思うのですが、どうです。
  64. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 そういう他の地区と異なった御不便をかけるということは、それが交通機関の、つまり国鉄のせいであるということならば、可能な限りそれを改善していくというのが私どもの使命でございまして、しかし、現実の問題はいろいろな事由が絡みまして、そういう希望を持っても、にわかに御希望どおり沿わない場合もあり得る、しかし根本としてはそういうものは改善して解消しなければいかぬ、かように考えております。
  65. 津川武一

    津川分科員 改善して解消する、よろしい。三月十日のダイヤ、どうです。これをやらなければ、何言ったってだめです。
  66. 伊江朝雄

    伊江説明員 私から御答弁申し上げますが、御指摘のとおりの事情に近い状況であることは事実でございます。しかし、このダイヤと申しますのは非常にむずかしい仕組みがございまして、事務的なことを申し上げますのは非常に恐縮でございますので、詳しくは申し上げませんけれども、やはり通勤、通学は確保するというのが、どんなローカル線におきましても私どもの使命でございます。したがいまして、総裁が御答弁申し上げましたのも、授業に根本的に差し支えるようなダイヤにはなっておらない、ただし、先生が御指摘の通学の帰りでございますね、帰りについてはやはり多少御不便な点がある、こういうことで、最近、これは去年の七月からでございますけれども、急行の一部、急行列車の先の方でございますね、一部各駅停車にする、これは下り急行列車です。今度の三月十日には上り急行列車を同じように、前回の下りの各駅停車と同じ駅を上りの急行についても各駅停車にする。それの利用によりましては、先ほど御指摘の帰りのクラブ活動を済ませてからでも乗れるというふうなことがこの三月十日からできる。しかし、根本的には、先生指摘のたとえば十四時から十七時ころまでの間は、一応その時間帯は欠いてございます。私どもは、バスが利用できれば利用していただきたい、国鉄は御要望に沿うべく努力はいたしますけれども、やはり限られた車と限られた要員でございますので、その間はバスの御利用もお願い申し上げたい、こういうふうに考えております。
  67. 津川武一

    津川分科員 ダイヤのことは、国鉄総裁、ひとつ不便をかけないように。いまバスの話が出たけれどもバスは不定期で遅れてだめなんだ。そして三百六十万くらいキャンセルしていますよ。だから、そういう点でなく、根本的に、授業ができ上がるようにひとつ……。  それから、この間歩いてみてびっくりした。国道ならわれわれのお金を使って、同じ歩く、物を運ぶ国鉄は国民の負担で、国道は国税なんだな。これはやはり不公正を直すようにがんばってくださいよ。とてもあれは国鉄ではやれない問題が出てくる、それをつくづく感じました。  次に、青森機関区における最近の暴力事件、これはこの間予算委員会でも扱ったのですが、確認しなければならない問題と新しくやらなければならない問題が出ているわけなんです。  そこで、五十年二月十二日のわれわれに対する国鉄からの報告書、この中には、  一、「四十八年四月以降の暴行等を含むいやがらせ事件は六十八件に及んでいる」  二、四十九年「四月十七日十一時三十分ごろ、修繕庫内において動労組合員数人が車両検修掛(全動労支部副委員長)を取り囲み、いわゆる説得追及行動が行なわれ、その後約二十名に増えた動労組合員のうち数人が、前記車両検修掛の体に手をかけゆさぶるなどの事実があった。  この間、管理者は再三にわたって制止し続けたが、聞き入れられず、その後動労組合員は、前記車両検修掛を仕上室に連れ引み、管理者が入室して制止しようとしたが、ドアを閉め、管理者の入室を阻んだ。室内では、いわゆる説得、追及行動を続けたものと思われ、前記車両検修掛は、十二時五十七分ごろ仕上室から出てきた。」  三、「五月二日十六時五十五分ごろ、修繕庫検修員室において、着替えをすませて帰ろうとした車両検修掛(全動労支部委員長)に対し、動労組合員十数名がいわゆる説得、追及行動を始めたので、管理者が制止したが続けられた。その後帰ろうとする同車両検修掛に動労組合員らは、その体を押さえるなどの行為を行ない、十七時四十分ごろまで続けられた。  同車両検修掛は、その際、全治三週間の傷害をうけたとして告訴している。」  四、「六月二十九日九時三十分ごろ、修繕庫内において、車両掛(全動労組合員)に対し、車両検修掛(動労組合員)が若干のやりとりのあと、突然その胸を突くなどの行為があった。この行為により、車両掛が全治五日間の傷害を負っている。」  五、「九月十八日十二時すぎ、修繕庫脇において休憩中の全動労組合員数名に対し、多数の動労組合員による、いわゆる説得、追及行動が行なわれ、もみ合いに発展、これを制止しようとする管理者をも巻き込んで、もみ合いとなった。  このため、管理者及び全動労組合員計十名が傷害を負った。  管理者四名は、この件について告訴している。」  六、「十月二十九日十三時三十五分ごろ、仕業検修員室において、車両検修掛四入(全動労組合員)に対し、動労組合員十数名が取り囲んで、いわゆる説得、追及行動を行なった。その際、動労組合員が身体を押すなどの行為があった。この行為により東両検修掛一名から全治三日間の診断書が提出されている。」  七、「これら一連の行為に対する管理者の厳正な対処及び無断掲出ポスター等の撤去などのことから、管理者への反発が強く目立ち、また相つぐ闘争により、職場が不安定な状態であった。  十一月は、すでに報告した十一月十九日の事件を含め十一件、十二月は六件が発生している。」  これが報告書です。このとおりでございますか。
  68. 加賀谷徳治

    ○加賀谷説明員 ただいまのお話は、大体そのとおりでございます。
  69. 津川武一

    津川分科員 総裁、あなたの職場は暴力のあっていいところでございますか。
  70. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 ただいま御指摘のような事件が起こったことはきわめて遺憾でございまして、こういうことを防止するのはわれわれの責任の一つの重大なものである、かように考えて、とり得べき処置はとった、これは一〇〇%完全な処置とは言えぬかもしれませんけれども、とった、かように考えております。
  71. 津川武一

    津川分科員 傷害事件があなたの報告書の中に何件も出ていますが、これは犯罪でございませんか。
  72. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 職場を正常な職場に返すということは、ひとり処罰するとか告発するとかいうことのみならす、全般的な問題でございますので、私どもといたしましては全般的な考え方から漸次改善していこうということでございまして、処罰すべきものは処罰し、告発はこれは個人の意思に任すべきものであるというふうに従来やっておりますので、必ずしもそうでなくちゃいかぬという議論じゃないかもしれませんが、さように考えております。
  73. 津川武一

    津川分科員 あなたの職場で起きておる傷害は、犯罪と思いませんか。これだけ答えていただければよろしいのです。
  74. 加賀谷徳治

    ○加賀谷説明員 いま申しましたように、職場の中のそういう規律、まあ仲よくやっていくということが一番大事で、その効果をねらって現場の管理者はいろいろ相務めておるわけでございますが、いまの御質問につきましては、私ども、やっぱり職場の中の問題ですから、本人なり労働組合の意思というものを尊重して、まあ告訴をするというようなものもあります。これは犯罪かどうかというようなことにつきましては、その結論を待たないと私どもは何とも申せないわけでございますが、そういった告訴するものは告訴するということもやっておるということだけ申し上げておきます。
  75. 津川武一

    津川分科員 助役、管理者が傷害を受けて、ここに四人告訴したと書いてあります。この罪名は何です。
  76. 加賀谷徳治

    ○加賀谷説明員 これはいままだ告訴をしたという段階でございますので、その結論を待たないと、私ども何とも申し上げられないと思います。
  77. 津川武一

    津川分科員 少し国鉄側に注意してほしいな。私の聞いていることに答えていない。国鉄の管理者が四名動労の人を告訴している。しているのです。その罪名が何だかと聞いている。告訴したとき、罪名はついているのです。
  78. 加賀谷徳治

    ○加賀谷説明員 こちらの言い分としましては、業務に対する妨害とか傷害だとかいうようなことでやったものと思いますので、その罪名といいますと、結論が出ませんと私ども何とも申し上げられません。
  79. 津川武一

    津川分科員 告訴するときには、事態を書いて、こういう罪名に当たるから逮捕して調べてやってくださいというのが告訴ですよね。おたくの方は傷害と業務妨害ですよ。覚えていますか。
  80. 加賀谷徳治

    ○加賀谷説明員 ただいま私が申し上げましたとおり、また、先生いま何回かの具体的なことについて読まれたとおりのことを私ども申して、告訴をしておるということでございます。
  81. 津川武一

    津川分科員 総裁、あなたの職場で犯罪と思われる傷害が行われておったこと、わかりましたか。
  82. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 ああいう事態が起こったことはきわめて残念である、これをできる限り改善いたしたい、かように考えております。
  83. 津川武一

    津川分科員 この犯罪は、職場に起こすと、総裁の一番大きな責任になる。犯罪をこれから起こさせない方針かどうか、いままで起きた犯罪と思われるものにどう処置したか、今後どう処理するつもりか、聞かしていただきます。
  84. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 この種のごたごたは、これはきわめて気の長い話になりますけれども、当時者を説得する、教育するということが第一義になり、不幸にしてそういう事態が起こればこれを処罰するとか、先ほど御議論になっている法の裁きを受けるとか、こういうことはございますけれども、第一義的にはやっぱり説得、教育、こういうようなことを続けて、そういう事故を起こさぬように教育していく、説得していくということが第一じゃないかと私は考えます。
  85. 津川武一

    津川分科員 その後段の説得なんというのは後で聞きますが、総裁、刑事訴訟法第二百三十九条、その二項、「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」日本国有鉄道法で、国鉄の職員はこの官吏もしくは公吏である。そうすれば、助役、当局者は四人告訴している。国鉄総裁なり機関区長は、この状態を法に基づいて告発しなければならない。これをなぜおやりにならなかったのか。
  86. 加賀谷徳治

    ○加賀谷説明員 ただいまの御議論でございますが、私どもとしましては、何と申しましても職場内の問題である。不幸にして労働組合同士の組織の争いが起きて、こういう、いま先生が読み上げたようなことも間々起こるということですが、これは基本的には、動労が説得、追及行動だというようなことを言ってやっておるわけですけれども、そういったこと自体にやはり労働組合の未熟性があっては困るので、基本的にはそういうことはいかぬという意識が浸透すべきものであるということでございますので、現場の管理者の務めとしましては、最終的に、やはり組織が違っておっても同じ職場で働いてもらわなければならぬわけでございますから、極力そういった説得によって解決するということでなければ、職場の問題としては本当の解決にならぬというふうに思います。  それから、告訴その他につきましても、やるかやらぬかということになりますと、やはり職場管理が後々うまくいくかどうかということにも結びつけて考えなければならぬ問題である。したがって、いままでにもいろいろな各職場でそういう事例がありましたが、これまでやっております慣習に基づいて、労働組合なり本人なりの意思を尊重してやっておるということでございます。
  87. 津川武一

    津川分科員 加賀谷理事、間違わないで。ぼくは告訴せいと言っているんじゃないの。告訴したのはあなたたちのところ。告発。職場の長は告発。助役たちが告訴している。黙っている、国鉄総裁は。今度傷害が起きたら、しかもあなたたち、傷害と決めなくて、傷害と思考されることでいいんだ。これはやはり毅然たる態度をとって告発しなければならぬと思いますが、これからもいままでどおりの体制でやっていくつもりか、これが一つ。  もう一つ。総裁、あなたは、業務が正常な運転になるように指導していくという、その点でどういうことをした。処罰したことありますか、この事件で職員を。
  88. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 詳しくは追って説明しますが、現に処罰いたしております。
  89. 津川武一

    津川分科員 処罰するとき、信賞必罰、りっぱな職員だったら、ほめて、表彰してあげてくださいね。ぐあい悪い人は処罰してくださいね。この信賞必罰において公平であればいい。不公平であればいけない。あなたは公平であるつもりか、不公平はなさらないつもりか、お答え願います。
  90. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 これは申し上げるまでもなく、結果的にはどういう御批判があるか知りませんけれども、私は公平なつもりで行動しています。
  91. 津川武一

    津川分科員 マル生事件で新鶴見の機関区、あれで東京地方の人たちが十名首になっていますよ。私は首にせいとは言わない。今度の事件、だれが見ても、処罰において、当局の言うことを聞くマル生を援助するためならば、相手を厳重にする。一番国鉄の復興を願って闘っている人がやられたときには軽い処分で済ませる。これをいま、あなたらにわかに検討せいと言えないだろうけれども、二つ、あのマル生の事件の新鶴見の機関区の事件と青森の動労の事件を検討して、あなたの態度を、時間がなくなったから書類でここに出していただきたいと思います。出してくださいますか。
  92. 加賀谷徳治

    ○加賀谷説明員 私ども、いま総裁も申しましたとおり、公正な判断に基づいてやっておると思いますので、具体的な事情につきましては、それはまた後で詳しく申し上げたいと思います。
  93. 津川武一

    津川分科員 総裁、どうです。答えてくれますか。
  94. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 答えるべきものは答えます。
  95. 津川武一

    津川分科員 その後、青森機関区の状態は正常に運転されておりますか。
  96. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 御承知のように昨年の四月に起こりまして、その後、これは先生の方がよく御承知かもしれませんが、小康を得ておったのが、六月ないし八月になって乱れてきまして、最近小康を得たと言ったら言い過ぎかもしれませんが、去年の暮れあたりから順次よくなっている、かように考えております。
  97. 津川武一

    津川分科員 国鉄総裁、よく検討してみてくださいね。おたくの機関車、一月三十日現在で、一休が七両、特休が一両、未検修が三両、臨時入場が二両、台検が一両、工場入場が一両。そのために盛岡機関区から八両借りてきている。長町機関区から二両借りてきている。盛岡機関区にかなりの台数を修理にやっている。こういうときに、問題の暴力を働いた小山石清五郎、勤めなければならぬときに、ある集会に行くと言って休暇をとっているんだよ、七日。この人はどのくらいだかというと、停職三カ月処分を受けた人だ。それから、減給一カ月受けた藤野という男、これも四日休暇をとっている。ある集会に出席です。これを認めている。この人たちが集会に行ったために機関車が動かなくなった。そこで、全動労の村上君が助役に、病気のために休暇を申し込んだ、これを認めない。ある会合に行くときには休暇を出している。こういう点で、処分の不公平と同時に、動労と全動労に対する不公平がなお続いている。そのために機関区がまだ正常でない。これだけの車が動かない。これだけの台数を借りてこなければならない。そして修理に出している。  かてて加えて、あなたが平常にいっていると言っているけれども、何と言っているか。おととい、二十五日十時ごろ、検修庫において、加害者ら動労十数名が全動労上村君に因縁をつけ、約十二分間にわたって暴行。その後当局の指示により十時二十五分ごろ組合事務所に待機。上村君はすぐ二名の管理者に付き添われ鉄道病院で検診したため、検修作業ED七五、一五七号が中止になっている。二十五日、こういう事件が起きている。この事件でてんやわんやして、機関車の配置に困っている。  当局は、全動労の交渉に対して、だれが加害者だか、だれがけがしたかということを言わない。だから続く。全動労というものを敵にして、動労にべったりになっちゃった。だから、こういう不正常な状態によって機関区はまだこうなんです。  そこで、ただ一つ、厳たる態度でこの事件を調べて処分しなければならぬ。これでとまります。厳重処分すればとまります。いままでやらなかったのは、四月の十何日から今日まで続いてきているのは、いままであなたたちがこれを認めてきた。大丈夫だと言っているときこんな状態なんだ。この傷害事件をまず総裁が告発してやると、私はここがびりッと締まると思います。この不正常な状態に対して、処分において、休暇の取り扱いにおいて、動労べったり、差別している、この状態をどう見てどうなさるつもりか、総裁答えていただきます。
  98. 加賀谷徳治

    ○加賀谷説明員 職場で仕事をやっているときにそういう問題が起きますと、どうしてもそれは業務に支障を来すということがあります。先生、前段におっしゃいましたように、あの当時は、たとえばほかの闘争なんかもからんでおりまして、いろいろ仕事が平生どおりいかなかったという面がございまして、いろいろ車の検査に支障を来した、これは事実でございます。  ただ、私どもとしましては、そういう場合、あるいはまた災害があったり事故があったり、いろいろなことがあるわけですが、そういう場合にはもちろんその代務を手配するなり何なりして、全力を挙げてその自分の庫の機関車の検査なんかを挽回に努めるわけでございますが、よそから借りて運用するとか、こういったようなことはしょっちゅうあることでございまして、それによって一応列車の運行はどうやら保ってきている。ストその他による影響はこれはまあ別といたしまして、保ってきている。それから、その庫にはそういったものが残っておりますが、あといろいろ他の職員の代務その他で漸次こなしてきている、挽回してきているということは事実でございます。  それから、先生おっしゃったように、最近の事情はちょっとわかりませんが、そういったものにつきましても私どもかなり厳重な処分をしてきたという経過も、御報告してあるとおりでございますが、いま申しました事例なんかにつきましても、停職三カ月というのは、私は非常にきつい処分だというふうに思います。  それから、休暇について差別待遇、これは絶対あり得ないことでございまして、その本人の事情を聞いて処理するということをやっておるはずでございますから、その点につきましては恐らく間違った処理をしてないというふうに私ども考えております。
  99. 津川武一

    津川分科員 最後に総裁の方針を伺いますが、おととい起きた傷害事件ですよ。あなたがあれほどここの国会の委員会で、国鉄の職場を正常にすると言っていた。これをいまなお知らない。ここに問題がある。機関区を正常に運転させることの努力はよろしい。ところが、いかないのは何かというと、この全動労と動労を差別する。動労の人をべったり支持する。暴力やっても黙って見過ごした。刑事事件が起きても告発しない。処分が軽い。処分を公開しない。このところだけが欠けている。あとどんなにぎりぎりしたって幹部が苦労するだけだ。ここのところをびりっとさせるつもりか。少なくとも今度起きた二月二十五日の事件だけでも速やかに告発すべきだと思う。この決意を聞いて、方針を聞いて私は終わります。総裁に答えていただきます。
  100. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 先ほどから全動労、動労を区別するというような御意見がございますが、結果的にそういう感じを抱かれたのははなはだ残念でございまして、私どもは、動労、全動労を区別する意思は全然ございません。  それから、二月何日の事件に関しましては、これはまことに申しわけないのですが私も詳細を明らかにしておりませんので、よくそれを調べて、とるべき処置は厳にとりたい、かように思います。
  101. 津川武一

    津川分科員 終わります。
  102. 内海英男

    ○内海(英)主査代理 これにて津川武一君の質疑は終了いたしました。  次に、大橋敏雄君。
  103. 大橋敏雄

    大橋(敏)分科員 新幹線がいよいよ博多まで乗り入れられて、三月の十日開業ということで待たれているわけでございますが、私はきょうは、その新幹線福岡トンネルに関係いたします深刻な事態の問題について、国鉄当局の見解をただしたいと思います。今後のために一応経過から説明しつつ問題点を指摘し、そして誠意ある答弁を求めたいと考えるものであります。  犬鳴川上流に福岡県営の多目的ダムをつくろうということで、昭和四十七年から調査費一億円をかけ地質調査、測量等を行い、ダムサイトの予定地も決め、土地買収も地元農家と進められ、進んでいたわけでございますが、そのダムの建設地の真下を新幹線、いわゆる福岡トンネル、長さは八千四百八十八メートルが横断する。このトンネルが貫通しました四十八年をピークに、その一帯の地表から犬鳴川系一帯が脱水症状を起こし始めた、住民の井戸などがかれたという問題が起きてきたわけでございますが、若宮町側入り口から毎分十二トンという膨大な地下水が噴出し続け、現在でも依然として毎分十トン前後の地下水を吐き出しているという問題であります。このためダムの水源になる犬鴨川は、数百メートルにわたりましてからからに底抜けしてかれてしまっているという深刻な問題に発展いたしております。もうすでに御承知とは思いますが、改めてきょうはお尋ねをするわけでございます。  四十四年十二月、新幹線のルートが決まり出した際、国鉄側に対しましてその住民の代表あるいは県の代表が、福岡トンネル真上に県営多目的ダムを建設するためすでに予備調査を行っているが支障はないか、このように確かめているわけでございますが、これに対して国鉄側は、関門トンネルは海底わずか二十メートル下を走っております、福岡トンネルの場合はダム水没地帯から地下百メートルの地点を掘るから絶対大丈夫だと、自信満々の回答をしたと聞いておりますが、そのときの事情はどうだったのでしょうか。
  104. 内田守

    内田説明員 県側と昭和四十四年の十二月に打合会並びに説明会をいたしております。その時点で、まず調査の結果等からダムの下を通過しても支障はないというような説明国鉄側からいたしております。
  105. 大橋敏雄

    大橋(敏)分科員 恐らく、そこまでの心配されたいわゆる意見が出されていたわけですから、かなりの調査をした上での実施ということであっただろうと思いますが、どのような調査をなさって実施に入られたか、お尋ねします。
  106. 内田守

    内田説明員 このような場合は、通常、ボーリング調査を行ってトンネル地点の地質調査を行います。なお、これはいわゆる各点を調査するわけでございますから、それをつなげる意味において弾性波試験をいたしまして、全体の山の地質を把握するわけでございます。そういうような調査をいたします。
  107. 大橋敏雄

    大橋(敏)分科員 その結果、大丈夫ということで始まったと思うのですけれども、事実はいま申し上げたような問題がたくさん起こっておりますが、どこに欠陥があり問題があったと考えられておりますか。
  108. 内田守

    内田説明員 国鉄では、新幹線を初めとして非常にたくさんのトンネルを掘っておるわけでございます。それで、工事中に水が出るというのはほとんどトンネルの半分ぐらい、出水をいたすわけでございます。これは工事の前提としてやむを得ないというふうにわれわれは考えております。  ただ、工事が竣工いたしまして覆工をいたし、なおかつ水がとまらない場合には、トンネルの裏側に注入をいたすとかいろいろの措置を講じますと、ほとんどの場合におきまして、まあ多少復水に時間がかかる場合はございますが、ほとんど支障のないように戻るのが通常でございます。なお戻らない場合には、それに対する補償なり代替の施設等をやっている場合も数例かはございますが、大体において復水するのが通例でございます。
  109. 大橋敏雄

    大橋(敏)分科員 建設関係の方、来ていますか。
  110. 内海英男

    ○内海(英)主査代理 来ています。
  111. 大橋敏雄

    大橋(敏)分科員 私は専門家の方に聞いてみたのですが、犬鳴川の源流である犬鳴山系にあるその水といいますか、それをたたえているというか保っているのは破砕帯というもののおかげである、ですから、今度の漏水というのは、この破砕帯をトンネル工事が突き破ったのだ、こういうふうに聞いているのでございますが、ダム建設を担当している、直接担当というわけじゃないでしょうけれども責任ある立場にある建設省の立場から、その問題についての見解を伺いたいと思います。
  112. 佐々木才朗

    ○佐々木説明員 お答えいたします。  ダムをつくりますときは、まず第一にダムの直接の基盤の調査をいたします。それから貯水池内の基盤の調査をいたすわけでございますが、流域全体にわたります保水能力の問題あるいはそれが何らかの人為的な要因によって抜けてしまうというようなことは、今度、建設省に関係いたしますダムといたしましては初めてのケースでございます。  それで、この問題につきましての建設省の立場を申し上げますと、当該河川の枯渇区間は、一級河川ではございますが、福岡県知事の所管の区間でございます。建設省がダムの助成はいたすわけでございますが、これは県営のダムでございます。そういうことで、国鉄当局とこの問題に関する折衝はすべて福岡県で担当いたしております。われわれはそれにつきまして指導をしていくというような立場でこの問題に当たっております。
  113. 大橋敏雄

    大橋(敏)分科員 いま私が聞きたいとしたのは、いま申し上げました犬鳴系の水を保っている重要なものは破砕帯というものである、それを新幹線工事が突き破ったんだ、それで大変な水が出てきた、こう聞いてるのですが、この点はどうでしょう。
  114. 佐々木才朗

    ○佐々木説明員 破砕帯と申しますのは、通常の岩盤が破砕された状態にあるわけでございます。先生おっしゃいます保水という意味が、ちょっとわれわれ理解いたしかねるわけでございますが、通常の水がその破砕帯を伝わって流れていく経路になる、通常のかたい岩盤よりもそれに伝わっていく経路になる、こういうことは、一般的に申しまして事実であろうかと思います。
  115. 大橋敏雄

    大橋(敏)分科員 総裁、いずれにいたしましても、いまのお話を伺ってわかるように、問題は事前調査が不十分であったんだろう、こういう結論になるのです。それに対して、県は九月に国鉄に対しまして、犬鴨川の機能を回復して犬鳴ダムへの障害を取り除くよう正式文書で提出いたしておりますね。それに対してまた回答もなされてはおりますが、私の聞くところによりますと、総額二十億円をかけて機能回復計画をやる、こうした回答をしたと聞いておりますが、この点についてはどうでしょう。確認したいのです。
  116. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 原因は那辺にあるにしましても、国鉄がトンネルを掘ったということで第三者に被害を及ぼすということになれば、全面的に国鉄はこれを補償すべきものであるということは間違いないので、県に対して二十億円という数字は正しいかどうか知りませんけれども、その金にとらわれず、必要な処理を講じてそういう被害をでき得べくんば消してしまいたい、消えない場合には残った障害の補償をやる、こういうことでございます。
  117. 大橋敏雄

    大橋(敏)分科員 要するに金に糸目をつけずに、きちっと回復できるまでの工事は責任をもってやる、そうして、そこから出てくるあらゆる補償も責任もって受けて立つ、こういうふうに理解してよろしいですね。
  118. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 金に糸目をつけぬということになると、貧乏国鉄、ちょっとはばかるのですけれども、その金の問題は別として、その御被害ははっきり国鉄のせいであるということになるならば、金に糸目をつけるかつけぬかは知らぬが、できるだけの手を打ってそれを抑える、抑え切らぬときにはまた補償をいたします。
  119. 大橋敏雄

    大橋(敏)分科員 国鉄のせいであるとなればというお話ですが、これは国鉄のせいですね、しておきましょう。
  120. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 従来そういう被害がなかったのを、新しい事態で、国鉄がトンネルを掘ったということですから、これは一応国鉄のせいというふうに考えざるを得ないけれども、強いて言えば、去年あたりはそうでもなかったようだけれども、去年が希有の渇水の年だったとか、おととしもそうだったとかいうことになると、これは国鉄だけの責めだというのには、ちょっと考えざるを得ないけれども、新しい事態が起こったのは、国鉄である、まあ当方の責めであろうというふうには考えております。
  121. 大橋敏雄

    大橋(敏)分科員 総裁はやはり責任ある方だと思う。いまの答弁では、いろいろ事情はあろうけれども、最終的、結論的に言えば、国鉄側にその責任はあると考えて対処していく、こういうふうに考えていらっしゃいますね。  それではお尋ねしますが、昨年十一月からそういう補修工事がなされまして、この補修工事は来年の三月には終わるという予定でなされているようでございますが、果たしてその期間中にダムの水源の水流が回復できるのかどうか、その見通しはあるかどうかということです。そしてどの程度の回復ができるのか、あわせてお尋ねします。
  122. 内田守

    内田説明員 先生承知かと思いますけれども、トンネルの覆工の裏側に注入する、あわせて、出水がありましたので、本トンネルの両側に水抜き坑をつくっております。これも十分に防護をして水が出ないようにする。  なお、犬嶋川につきましては、ベントナイト注入をその河床にしまして、そして水が逃げるのを抑えるというような工事をいまやっておるわけでございます。これが先生おっしゃるように五十年度完成をするわけでございますが、それの見通しは、われわれとしては、完全に水が復水するというふうに見通しをつけております。ただ、過去の例から言いますと、丹那トンネルのときもそうでございましたが、二、三年たってだんだんに復水するという例もあるわけでございます。したがって、それらの点につきましては、結果を見ましてその後の処置を、ただいま総裁が申しましたように、誠意をもってやってまいりたいと思っております。
  123. 大橋敏雄

    大橋(敏)分科員 建設省の方に聞きますが、地元の専門家の話を聞きますと、工事は九〇%程度までのことはできるだろう。しかし、県側はいまのままの、現在の工法ではこれは無理じゃないか、こういうふうに言っているんですが、専門的な立場からどうお考えになりますか。
  124. 佐々木才朗

    ○佐々木説明員 われわれが聞いておりますところでは、国鉄の御当局も、先ほどお話ありましたように、一生懸命やっていただいておりますし、また、各大学の先生等にも技術的な御相談いろいろされておると聞いておりますので、まあ九〇%なのか、九五%なのか、一〇〇%なのか、その辺はやはり対策工事のでき上がり方あるいはそれの結果に対する学問的な背景、また、それへの対応策、いろいろこれからもやっていけることがあると思いますので、その様子を見ながらわれわれとして考えていきたい、こういうふうに思っております。
  125. 大橋敏雄

    大橋(敏)分科員 私は一番心配するのは、いまですら二年おくれる。ましてや、この問題が思うように進まなかった場合、どれだけ延びるかわからない。これは御承知と思いますけれども、このダムは若宮町、宮田町、この二カ町の飲料水五千六百万トン、それから二百万平方メートルの筑豊大工業用団地の用水日量二万五千トンを供給するために計画された多目的ダムである、こういうことでございます。その貯水量は四百五十万トンということであったわけですが、その底が抜けたという感じになっていまの問題が起こっているわけでございますが、これは二年おくれただけでも大変な支障が各所に起こっているわけですね。それ以上におくれるようなことがあれば、またその被害は増大していくわけでございますが、国鉄の総裁の先ほどのお話では、いかなる補償もしてまいりますということでございますが、補償の上からは今後真剣に検討され、手は打たれるでありましょうけれども、果たしてとまるのかとまらないのかというその問題がきわめて重要な問題です。いまここではっきりした答弁はできないかもしれませんが、私が地元で聞く限りにおいては、いまの工法では無理だ、こういうふうに聞きますので、どこかに何か欠陥があるのではないか。国鉄側としましても、建設省としましても、地元に乗り出していただいて、もう一度この工事のあり方を検討していただきたい。いかがでしょうか。
  126. 内田守

    内田説明員 ただいまのところでは、最善の工法によりましてベストを尽くしておるつもりでございます。しかし、先生の御指示もございますし、もう一度地元に参りまして、それらの点を検討する、あるいは建設省、県、学識経験者等とも御相談をいたしたいと思います。
  127. 佐々木才朗

    ○佐々木説明員 われわれの立場も同じようでございまして、先生お話しのように、これからも、より一層この問題に力を入れていくつもりでございます。
  128. 大橋敏雄

    大橋(敏)分科員 現地に乗り込んでくれますね。——うなずかれましたので、それて結構です。  総裁、先般新幹線の試運転がなされたわけですが、百キロぐらいのスピードですでに七十五ホンの騒音が出ておるそうですが、規制は八十ホンになっているわけですね。恐らくこれを超えることは、もう予想されるわけでございますが、それに対する対策も約束できますか。
  129. 内田守

    内田説明員 先生も御承知のように、この若宮地区はいわゆる石炭の鉱害地区でございまして、まあ、それも考慮いたしまして、盛り土を主体にして構造物をつくっております。したがって、当分の間は百十キロで速度制限をしてまいりたい、こう考えておりますので、音はそれほど高くなることはないというふうに考えております。  ただ、御指摘のとおり、ある程度これで試し運転をいたしまして、まあ何年かかるかわかりませんけれども、大体まず陥没等の構造物に対する恐れはないという見きわめがつきましたら、二百キロ運転をいたしたいというふうに考えております。そのときには所定の八十ホン以下に抑える、いろいろ技術開発もいたしておりますし、もし八十ホン以上が出れば、それ以下に抑えるような措置をしてから二百キロにいたしたいというふうに考えております。
  130. 大橋敏雄

    大橋(敏)分科員 それは真剣にお願いします。  テレビの受像悪化については、当然、考慮はなさっておるでしょうね。
  131. 内田守

    内田説明員 これは各沿線地域でもってやっておりますので、それと同じような措置を誠意をもってやってまいりたいと思っております。
  132. 大橋敏雄

    大橋(敏)分科員 実は、これはいままでの話とは全く違うのでございますが、けさの新聞に、「“ちょっと失礼”と博多新幹線 他人の土地走る?トンネル用地まだ未買収」という新聞記事が出たのです。これも場所は、福岡県の鞍手郡宮田町の室木トンネル北出口に当たるところの問題だそうです。土地の買収がまだ正規に完全に手続き上とれていない、こういうことなのですか、恐らく報告は入っていると思うのですけれども、これはどうなのですか。
  133. 内田守

    内田説明員 その問題は、いわゆる工事に着手してよろしいという起工承諾はいただいておるわけですから、工事はやってよろしいというので工事をやったわけです。それで、お金をお支払いしようとした段階で、その土地がたくさんの人の共有地であって、その間にいろいろと取り分その他で話し合いがつかないためにお金をお支払いできないということで現在に至っておるというふうに、私の方は聞いております。したがって、その辺の所有権の問題がはっきりいたしますれば、私の方としては、他の地区と同じ、いわゆる不利あるいは有利にならないようにということを前提にいたしまして、至急、早速お払いいたしたいというふうに考えております。
  134. 大橋敏雄

    大橋(敏)分科員 私も、きょうこれを初めて知ったので、実情は現地に行って調べてみたいと思いますが、確かに記事によりますと共有地らしいのですが、そのお金の支払い云々からのもめごとではなくて、それ以前の問題があるようです。  ところが、この直接関係なさっている入江フミエさんという方ですけれども、この方のおっしゃるには、ということが記事に載っているのですけれども、「話がついていないのに話がついているといいくるめる国鉄の不誠実な態度は許せない。このままでは絶対に売れない」こういうふうにおっしゃっているようでありますし、また、この入江さんら三人の土地に無断で捨てたという事件。国鉄は「貝島炭鉱の土地で、地区の責任者にも立ち会ってもらった」と、こういうふうに突っぱねていますけれども、何だか国鉄当局が買収工作のほかにも入江さんの態度を硬化させたのは、トンネル工事で搬出した土砂を入江さんら三人のおうちに投げ込んだというような感情問題もあるようなんです。  私は、この新聞記事を通しまして何とはなく感じられるのは、やはり現場に行く国鉄当局の皆さんの態度に何か問題があるのではないか、これは指導不足といいますか、そういうものを感じるわけなんですがね。私、また、これ、実際に地元に行って事情は調べてまいりますが、そういう点についてしっかり指導してほしいし、また、問題がうやむやにならないように、ただ金で解決すればいいというような問題じゃないと私は思いますので、その点についてのお考えを聞かせてください。
  135. 内田守

    内田説明員 多少行き違いがあって感情的になっておられるようでございますし、その辺も含めまして、今後、現場の国鉄職員並びに起業者、請負業者等も誠意をもってやるように指導いたします。  なお、この件につきましては、今後の処置等につきまして地元の皆さんと十分話し合いをして、円満に解決いたすように、今後現地を指導してまいりたいと思います。
  136. 大橋敏雄

    大橋(敏)分科員 最後に一言、総裁にお願いしておきます。  犬鳴ダムの問題は、宮田町、それから若宮町にとっては言うならば死活問題というぐらいの大きな問題であります。先ほど責任ある御答弁がありましたので、それで私も一部には安心はいたしましたけれども、現実の事態の推移をよく見守っていただいて、適切な措置をとっていただきたいことを強く望みます。  最後に、総裁のお気持ちを聞いて終わりたいと思います。
  137. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 先ほど申し上げましたように、国鉄のトンネル掘削に起因して起こった損害に対しては責任を持って善処いたします。  しかし、先生が先ほど触れましたけれども、ダムが何だか国鉄以外の御都合によって遅れたから、遅延料をよこせ、そういうことはまさかおっしゃらぬだろうけれども、そういうのは別であって、国鉄のトンネルに起因したものは責任を持ちますと、そういう意味であります。
  138. 大橋敏雄

    大橋(敏)分科員 終わりましょう。
  139. 内海英男

    ○内海(英)主査代理 これにて大橋敏雄君の質疑は終了いたしました。  次に、田口一男君。
  140. 田口一男

    田口分科員 私は、灯台の問題に限って質問をしたいのですが、今国会でも相当問題になりました水島の石油タンクの油漏れの問題、それから前後してマラッカ海峡におけるタンカーの座礁、しかも今月に入ってすでに御承知のように四日市の大協石油のタンクの火災、一連の石油に絡む事故が多発をしておるのですが、そういった問題に絡んで特に指摘をされておるのは、事故が起こってから、事故の原因、それを規制をし、取り締まる責任の所在というものが明確でないということをよく言われておるのですね。私はそういった観点から、たまたま今月十六日、四日市の大協石油の火災に絡んで地元の漁民がこういう心配を私に言ってきたわけです。したがって、先見とかどうとかという意味でなくて、事故を防止をする意味から灯台の役割りということをもう一遍この機会に見直す必要があるんじゃないか、そういう観点から申し上げたいと思うんです。これは、ただ単に四日市港の問題だけではなくて、御存じのように四日市のコンビナート地帯、京浜、九州、類似の地帯があると思うのですが、私は四日市港に限って実例を挙げたいと思います。  灯台の位置であるとかその能力ということについては、海上保安庁所管ですから、私が申し上げることもないと思うのですが、四日市港の場合に、いま五つ灯台がございます。そのうちで一番大きな灯台が四日市港防波堤灯台といって、高さが二十メートル、光度が一万五千カンデラ、十三・五海里の沖合いから確認のできるようになっておる。その灯台は、白色光を三秒ごとに点滅をして灯台の所在を明らかにしておるそうでありますが、これは四日市の第一コンビナートの先端に位置をしておるわけであります。そのほか第三コンビナート、第二コンビナートに、囲むような形であと四つ灯台があるわけでありますけれども、沖合いから見た場合、御存じのようにコンビナートを保安をするということで夜間照明灯がついております。俗に百万ドルの夜景と言われておるのですけれども、この百万ドルの夜景が見た目には大変きれいなものですけれども、夜間、四日市港に入港をしてくる船舶にとってみた場合に、このバックグラウンドのコンビナートの照明が明る過ぎるために、いま申し上げた前にある五つの灯台の光というものが埋没するといいますか隠れるというか、入港する船舶にとって大変紛らわしいという事実があるそうであります。そこから十六日のああいった火災が起こったものですから、万一、入ってくるタンカーなんかがその灯台の所在を確認するのに手間取り、ぼやぼやしておるうちに座礁したり衝突をしたりした場合に、あってはならぬことですけれども、コンビナートは火薬庫のような状態ですから、大変な惨事を引き起こすのではないか、こういう心配は無理からぬと思うのです。  私、残念ながら時間の関係で、船に乗って沖合いからその状況を見てはいないのですが、常に船舶に乗ってそういった経験をしておる漁民からの話によれば、大変紛らわしい。しかも、現地の海上保安庁の職員の方に聞くと、どうも規制のしようがない、決め手がないというんですね。決め手がないということと規制の方法がないということでそのまま推移をしていけば、あってはならぬことでありますけれども、いま言ったような座礁、衝突、こういったことで油漏れまたは火災なんかが起これば大変なことになる。起こってしまってからああだこうだと言ってもこれは何でありますから、私は、そういう一連の石油事故の後だけに、こういった漁民の、またコンビナート周辺の住民の心配というものを、単なる危惧に終わればいいんですが、取り除くことがいま最も必要なんではないか、こう思うわけでありますけれども、灯台をもっと明るくするとかどうとかということでそれは解決するものではないと思うのですが、一体、規制の方法がないのか。また、そういった漁民の心配というものに対して、これを安全を確保するという面から灯台の機能をどう強化をすればいいのか、そういった面についてお伺いをしたいわけであります。
  141. 隅健三

    ○隅政府委員 ただいま先生の御指摘のとおり、最近のコンビナートあるいは大都市たとえば神戸港のように、非常に灯火が多うございまして、海上保安庁が所管をいたしております航路標識がともすれば見えにくいというような話は方々で伺います。その一つが四日市でございます。  四日市におきまして、先生指摘の四日市港防波堤灯台を初めといたします第一航路につきましては七つのブイを入れておりますし、また、午起の方の第二航路につきましても五つの灯浮標を入れてございますけれども、これについての灯火が後ろのコンビナートに紛れて非常に見にくいのではないかということでございます。  われわれ航路標識を保守、管理いたします立場から、これが一番問題でございます。一つには、この機能低下に対処するために光度の増大と申しますか、光を明るくするということ、それから灯質を見やすいような灯質に変えるというような、可能な限りの措置は講じております。たとえば、四日市はいままで灯浮標はアセチレンガスを使っておりましたけれども、いち早く四十五年には蓄電池で光度を上げております。しかし、いずれにいたしましても、後ろの方の灯火の紛らわしさということにつきましてはいろいろの問題もございますので、航路標識法第八条によることも一応考えてみましたし、また港則法第三十六条によりまして「燈火の制限」ということも部内でいろいろ検討もいたしました。しかし、これもその火を全部遮蔽するとか消すというわけにもまいりませんので、われわれといたしましては、一つには、コンビナートに所在いたします会社の方々が、大量流出油の協議会であるとか、そのような運航安全に関する協議会を持っておりますので、その協議会に対しまして、業界もできるだけ光を海の方に出さないで遮蔽をしていただけないかという協力要請をいたしておりますのと、もう一つは、三千トン以上の船が四日市に入ります場合には、前日に港長のところに港則法の規則によって届け出がございますので、代理店あるいは運航会社に対して、十分入港については航行安全を確保するようにという保安部からの指導もいたしております。
  142. 田口一男

    田口分科員 コンビナート各社に対して協力要請は当然やらなければならぬと思いますし、いろいろな策をとっておることは私ども承知をいたしております。が、いまお答えがありましたように、航路標識法第八条を見た場合、「何人も、みだりに航路標識と誤認される虞がある燈火を使用し、又は音響を発してはならない。」こういうことになっておるのですが、御存じだろうと思うのですが、この四日市に限って——他の地域のコンビナートは知りませんけれども、沖合いから見ると帯状になっておるというんですね、すっとコンビナートの照明灯が。その帯状になっておるコンビナートの照明灯といま申し上げた五つの灯台、全部が全部じゃありませんけれども、たとえば四日市港防波堤灯台それから西防波堤灯台、東防波堤南灯台、これは大協石油のすぐ近くにあるんですか、いずれも、この帯状になったコンビナートの照明灯と高さが同じである、同じように見えるわけですね。しかも、いま申し上げた例が二十メートルでありますから、これを高くするということも限度があるでしょうし、といって、照明灯を暗くしろと言ったって、いままでの例から言ってもおいそれとは応じてこないだろう。しようがありません、しようがありませんという状態が実は今日まで続いてきておるわけですね。といって、この灯台の設置されておる位置からいって、陸上から電灯線を持ってくるということにもなかなかならぬでしょうし、電池の許容能力といいますか発電能力から見てもそうは明るくはならぬだろうし、現地の漁民それから現地の保安庁の諸君の話なんかを聞いてみると、いつもひやひやしておるということです。これは四日市に限らずに、いま例に言われました神戸それから川崎なんかにも、そういったことがあるのじゃないか。ひやひやしてそれだけでも困るのに、早急に手を打つ方法がないかというのが漁民の切実なる願いなんです。いまいろいろな手は打っておるというお話でありますけれども、先ほど申し上げたように、こういった一連の事故か起きておる折からも、言葉はなんですが厳しく規制をするといった、第八条の運用を厳しくするというふうなことができないのか。照明灯を夜間についてはこれとこれぐらいにつけてはならぬといったことが資源節約の問題からも、両面からでも言えるのじゃないか、こういう意見があるのですが、こういった規制ができないものかどうか。
  143. 隅健三

    ○隅政府委員 第八条で「みだりに航路標識と誤認される虞がある燈火を使用し、又は音響を発してはならない。」この規定を使いまして灯火の制限を行う。これは、たとえば灯台の下にホテルのようなものがございまして、そこで広告のために照明灯を出しておる、それで非常に見にくいという例がございまして、これについて、八条によってその光を海の方へ出さないように、陸の方に向けるというような指導をしたことはございます。  それで、コンビナートにつきましては、コンビナート内の安全と、それからもう一つは、相当高いコンビナートと精製施設について、それぞれのところで危険灯と申しますか警戒灯をつけておるのだと思います。こういうことで、われわれといたしましても四日市保安部に指示をいたしまして、海上から見て最も紛らわしいと思われる灯火はどの灯火であるかということを、これはそれぞれの工場あるいは精製所等について沖からの灯を点検するということが、航路標識の管理の上からは海上保安庁の重大な仕事の一つでございます。ですから、われわれの航路標識を良好な状態で管理しておくということのために、四日市保安部に対しまして、沖からもう一遍総点検と申しますか、非常に明るい灯と灯台の灯火それから灯浮標の灯火と、本当に紛らわしい灯がどれであるかという実情の調査を早速指示したいというふうに考えております。
  144. 田口一男

    田口分科員 早速そういった具体的な調査をやって、それに基づく適切な措置をとっていただきたいと思うのですが、同時に、灯台だけではなくて、そちらの方の専門用語で何と言うか知りませんが、灯柱と言うのですか、それから灯浮標、こういったものも、四日市港に限って見ますと二十二あると聞いておるのですが、これらは、入港の場合には白の灯がつくのですか。船が入ってくる場合には白、船が出ていく場合には赤ということで誘導をしておると聞いておるのですが、そういう仕掛けになっておるのですか。
  145. 隅健三

    ○隅政府委員 それは航路標識の世界の原則といたしまして、航路を示す場合には、入港のときに港の方に向かって左側の方では青あるいは白を用います。右側の方につきましては紅灯を出すようにいたしております。でございますから、左舷、右舷を、灯を見て、白と赤あるいは青と赤の間を通っておるからいま自分は航路の中を通っておるというふうに、航路標識は航行の援助をするものでございまして、たとえば出るときは赤とかあるいは何らかの標識を示すというのは信号所において、たとえば川崎では、海上保安庁におきましては、入港制限であるとか入港許可であるとか出港許可であるとか、それは文字あるいは形象を用いまして表示をいたしておりますが、これは航路標識ではございませんので、航路標識では常に左側が青あるいは白、右側が赤ということでございます。
  146. 田口一男

    田口分科員 わかりました。  いま言った灯浮標ですか灯柱、そういったものが二十二あって、小さい船ですと右左の赤、白の灯を見て真ん中をずっと走っていく。ところが三千トン、五千トン、それ以上の大きなタンカーが来た場合に、いまの船の構造は後ろの方に運転席があって、死角という関係で見にくいということもよく聞いておるのですが、そういった白、赤、青の灯が沖合いから見ると、さっき申し上げたバックグラウンドのコンビナートの灯と紛らわしくて、言葉はなんですが、そこでまたうろちょろするというのですか。ところが人間は、うろちょろしても十メートル先でぴたっととまることができるでしょうけれども、大きな船なんかは、あっと思った場合でも惰性ですーっと走るわけですから、灯台の灯と紛らわしい照明灯のために大変困惑をする、こういう話なんです。ですから、そういった灯柱、灯浮標をはっきりさせるような方法となれば、先ほどの灯台の問題と同じようにバックグラウンドのライトを落とさなくてはならぬ、これに通ずるわけですね。  いずれにいたしましても、コンビナートを抱えた港は、出船入船ことごとく大変頭を悩ましている。いま頭を悩ますだけで済めばいいのですが、くどいようでありますけれども、四日市港で一日に大小船舶合わせて、少ないときで大体二十隻、多いときには五十隻が出入りをするそうでありますから、夜間は多少少なくなるにいたしましても、不測の事態を生ずる危険というものが常にある。これを未然に防ぐ決め手がないかどうかということを専門的な立場で早急に対策をとってもらいたい、これを要望いたひまして、時間がありませんから、それに対する具体的な方策、さらに私ども地元という関係もあって言うんじゃありませんけれども、一度調査団を編成をして、私どももその中に入れまして、具体的な方策がとれるようなことも考えてもらいたい、これを要望したいのですが、それに対する見解を承って終わりたいと思います。
  147. 隅健三

    ○隅政府委員 先生御存じのように、四日市には昭和四日市石油の一号シーバースと二号シーバース、大協石油のシーバースがございます。私の方の調査によりますと、四十八年は二百七十二隻の大型タンカーが四日市に入港いたしております。そのうち十万トン以上の船が百十八隻を占めている、二十万トンから二十五万トンという大型が百九隻というふうに、ここには大型の船が相当に入っております。これは沖合いのシーバースに着桟するわけでございます。この大型タンカーのシーバース着桟につきましては、われわれは、必ず十分な引き船を配備すること、それから夜間の着桟はしないこと、それから消防能力を有する警戒船を必ず配置することということで、大型タンカーにつきましては、四日市入港についてシーバース着桟の際の警戒体制をとっております。  ただ、それ以外の船で第一航路を通過いたしまして入る船につきましては、やはり先生指摘の点があろうかと思います。そういうことで、先ほどちょっと申し遅れましたけれども、この第一号灯浮標にはレーダーレフと申しまして、灯が薄くてもレーダーには必ずびかびかと反射するような装置をつけてございます。  いずれにいたしましても、夜間入港について十分に操船の注意をしていただくと同時に、やはり航行援助の施設を、先ほど申しましたように、光度の増大であるとか灯質の改善というような点で、やはり第一航路の両端を示します一号ブイ、二号ブイを良質な管理でその灯を守っていきたい。それから、先生指摘のとおり、四日市港防波堤灯でございますが、光度一万五千カンデラ、十三・五マイル、これはこの灯でいいのかどうかということを、われわれ内部といたしましてももう一遍検討をいたしたいと思います。  それから、こういうコンビナートについての安全対策のために調査団をつくって、それぞれ国の方からも見るべきではないかというお話でございました。われわれといたしましても、まず海上保安庁におきましてこの問題点、夜間におきましての航路標識の灯火と紛らわしい背後の灯火についての調査をいたしまして、さらに検討をいたしたいというふうに考えております。
  148. 田口一男

    田口分科員 終わります。
  149. 内海英男

    ○内海(英)主査代理 これにて田口一男君の質疑は終了いたしました。  この際、暫時休憩いたします。     午後零時五十四分休憩      ————◇—————     午後三時十七分開議
  150. 谷垣專一

    谷垣主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  運輸省所管について質疑を続行いたします。楯兼次郎君。
  151. 楯兼次郎

    ○楯分科員 この前総括質問で時間がなかったものですから、頭だけちょいちょいと質問をしましたので、きょう三十分で三問題質問しますから時間がないと思いますけれども、よろしくお願いします。  まずこの前申し上げた新交通システムというものですね。これは新種の交通機関の研究というのを質問をしたのですが、具体的に申し上げますと、神戸市、大阪、それから愛知県、ここでニュータウンなんかできる。団地の密集したところにどういう交通施設を敷いたらいいかというので、私の聞いておるところでは、これは昔からそうですが、運輸省建設省がこのシステムの構想をめぐってなわ張り争い、こういうことを聞いておるわけです。これはもうわれわれが国会へ出てきてからの話で、社会党は交通の一元化ということを言いまして、交通省をつくって全部一括してやればいい。特に都市交通なんかそうですね。一元化を叫んで三十年ですよ。一向に実現をしない。そこへまたこの新しい交通機関の研究によってなわ張り争いが起こっておる、こういうことを聞いておるものですから、何かいま申し上げました神戸、大阪、愛知県で、建設省、運輸省それぞれ助成策を考えておる、こういう事実はありますか。
  152. 後藤茂也

    ○後藤(茂)政府委員 前回委員会で御説明申し上げたところでございますけれども、いわゆる新交通システムにつきましては、私ども運輸省建設省とがそれぞれそのような施設を設置し運営する人たちに対して、国としてどのような助成措置をとるべきかという方式につきまして、それぞれ二つの省が別々の構想を持って、それぞれの構想に基づいて五十年度予算の折衝を始めたという事実がございます。さらに御説明しますと、私ども運輸省は、いわゆる新交通システムでございますが、これの設置運営について、大体都市内の地下鉄の建設について行っていると同じような考え方補助方式というものを考えたわけでございます。二つの考え方というものは、ただいまのところ結論を申しますと、こういう方法でやろうという政府の一致した方式はまだできておりません。できていない状態で、とりあえず運輸省といたしましては、財政当局とのお話でプロトタイプの設計調査費という約二十万の経費を五十年度予算に計上させていただくということについてお話がついたわけでございます。  ただ、両省の助成措置についての考え方、あるいはこういうことをめぐっての建設省と運輸省との意見の不一致というのは、確かにいま御説明申し上げましたようにありますけれども、それは何と申しますか、よりよき都市をあるいはよりよき都市交通の解決というものをこいねがうAさんとBさんがそれぞれ別々の考え方で、しかし同じ目標に向かっていろいろと努力しているということの一つのあらわれにすぎませんし、私どもはこの話を進めるに当たりまして、決して争うとかそういうふうな気持ちでこの問題を処理していないことを御説明申し上げられると思います。  ただいまもお話申し上げましたように、ただいまのところ、このところをどういうふうに国全体としての方式を編み出すかは今後に残された問題でありますが、運輸省といたしましては、財政当局あるいは建設省、関係の方々と今後ともできるだけ早く御相談を詰めて、最も合理的な単一の方式を見つけるべく努力するつもりでございます。
  153. 楯兼次郎

    ○楯分科員 いま、あなたのそういうことはないという答弁の意欲はわかるのですが、われわれは二十何年も前に国会に来て、一つの例を挙げると、道路で国土開発縦貫自動車道というのを、私も提案者の一人ですが、各党の代表が提案したわけですね。それで高速道ができた。途端に建設省は、正確な名前はちょっと忘れましたが、高速自動車国道法というような同じ法案を出して、名前は違うのですよ、人を削減せよというのに、同じ審議会を二つつくってやっておるわけですよ。だから、この問題も新しいシステムができて、いまのうちにどこがやるかという一元化をはっきりさせておかないと、建設省、運輸省でやって——なぜ声を大にして二回もこういう話をするかと言いますと、これからできるものが将来の都市交通のひな形になってしまうと思うのですよ。全部そういうふうに切りかわる。時間がないのでうまく言えないのですが、出発点が一番大事である。過去の官庁のなわ張り争いといいますか、競争というのか、そういうことでいけばなかなか、いまあなたの言われるようななまやさしいものではない。だから、運輸大臣に一方的にこんなことを言っておってもしようがない、総理大臣に言うことばかもわかりませんけれども、それを心配しておるから私は言うわけです。どうだね木村さん、そういうおそれがあるでしょう。大臣なんていうのは一年か二年でかわってしまうものですから、なかなか本気になってやってもらえぬような気がするのですよ。どうですか。もう時間がないので、大臣の答弁を求めて次に移ります。
  154. 木村睦男

    ○木村国務大臣 過去におきましては楯先生のおっしゃるような経過がずっとありました。私も当時その渦中の一人でありましたので、よく知っております。しかし、最近はそういうことではいけないということで、両省は非常に協力的に意思の疎通を図りながら、両方の所管にまたがる問題についてはうまく調和をとりながら解決に当たっております。実は私も建設大臣と、こういう問題についてはきわめてフランクにそして自由に話し合って、権限争いというようなことで問題がこじれたりおくれたりすることのないようにしようではないかということで十分話し合っておりますので、それで部下を指導しながら効果を上げていきたいと思っております。
  155. 楯兼次郎

    ○楯分科員 それから、総括のときに申し上げましたように、私の知る限りでも、十何種類のひな形を各大メーカーがつくっておるわけです。また、これは昔の軍用機のグラマン、ロッキードの売り込み競争で自殺者も出るというような状態に将来なりかねぬのじゃないかと思うわけです。きわめて短時間でこんな漫談のようなことを言っておりますが、重大な岐路、出発点になるのじゃないか、こう私は思いますので、時間は短いのですけれども、よくよくひとつ肝に銘じてやっていただきたい、こう思います。  それから国鉄の問題は、総括で質問を申し上げましたら、早速再建委員会をつくって八月ごろまでに来年度予算要求をする、こういうことを新聞で拝見したわけです。  そこで二、三申し上げたいことは、根本的な考え方を変えた再建策といいますか、表現はうまくないのですが、そういう形でやらないとこれはだめだと思うのです。たとえば財政十ヵ年計画というのは、田中内閣のとき、その前からかもしれませんけれども、大体田中前総理等の高度成長、日本列島改造論ですか、そういうような構想に基づいての計画だと思うのです。だから、インフレになってこれがだめになったということ以外に、たとえ安定成長を続けておったとしても、高度成長、日本列島改造論がこれを取りやめるというのか、だめになったといいますか、そうなったのですから、全く変わった見地から考えていかなくてはならぬ。いま本会議で地方財政の危機の法案の提案があり、質問があったのですけれども地方財政も想像以上の状態ですね。だから、いままでの運輸省国鉄、大蔵省ぐらいがだれもわからぬところでぼそぼそと会議をして、これを予算要求しようじゃないかというような予算要求ではだめだと思うのですよ。私が強調したいのは、来年度から、いわゆる経済指標なんというものもないですね、したがって輸送指数なんというのもこれはかいもくわからぬと思うのですが、とにかく高度成長、列島改造論を頭に描かない、全然白紙の状態で国鉄なら国鉄の輸送分担といいますか分野を決めて、それから出発していくという考え方でないと、いままでの計画にどれだけマイナスし、どれだけプラスしてやっていくという従来のやり方ではだめだ、こういうことを私は申し上げたいのです。  そういう考え方に立って、では、たとえば国鉄の財政再建を具体的にどうやるか。私もそうは言っても、いまどういう形でやったらいいかと言うことはちょっと困るのですが、本会議の席で社会党の運輸部長の久保君が前におるものですから、何かいい知恵はないか、とにかく予算委員室を相当期間、これから八月まで借りて、それで組合、各政党、消費者、あらゆる団体の代表にあそこに集まっていただいて、それであらゆる角度から論議をして、予算要求の案をつくるつくらぬということは、これはどうかと思うのですけれども、意見を集約をしてみたらどうか、こういうことを話をしたのですが、何かいままでと変わった国鉄再建についてのやり方というようなものはお考えであるかどうかということをお伺いしたいと思います。
  156. 木村睦男

    ○木村国務大臣 非常に短い時間で申し上げるのには余りにも内容が多いのでございますが、考え方基本的な態度としては、いま楯先生のおっしゃるのと同じ考えで私はおります。いままで何だびか長期計画をつくりましたけれども、それの焼き直し的な再建方策ではとうていできない、もう本当にそう思います。  それともう一点は、やはりこれもいま御指摘がありましたように、広く各方面にオープンに意見を聞いて最終結論を出さなければいけないということも考えております。その方法等についても考えておりますが、いま申されましたような、非常に思い切ったやり方もひとつ参考として、私、よく承っておきたいと思います。  そういう上に立ちまして、いま公共企業体というかっこうでございますが、この二つの要素は実は矛盾しておることです。したがって、この矛盾しておる公共性あるいは企業性、これを本当にうまく包括して、両方の長所を発揮できる運営で、本当にそれでいけるものかどうか、その点まで掘り下げて検討してみなければいけない、かように思いまして、いま国鉄の方も部内に委員会をつくっていろいろ検討してもらっておりますし、私の方もそういうグループをつくって研究いたしております。これはメスの入れどころだけをいま探そうとしておりますので、そういうことでやっておりますが、いずれこの次の段階では、最終的には国民の皆さん、各方面の意見も聞いて決めたい、こういう考えでおりますので、いろいろな意味で御指導、御協力をお願いしたいと思います。
  157. 楯兼次郎

    ○楯分科員 私は昔、国鉄におったものですから、こういうことを言うと我田引水にとられるのですが、私がいつも言っておるのは、自民党の議員の方見えているか、見えぬでもそれはいいのですけれども、インフレだとか物価で、もう悪政の連続ですよ。だから、せめて旅行するときぐらいは安心して愉快に旅行のできるという、これはもう政権担当政党、委員長にしかられるかもしれませんが、政権担当政党の唯一の善政ではないか、こういうことをしょっちゅう言っておったわけです。  いまわれわれの地方に行きますると、駅の構内が相当広くて、駅前広場が広くて、建物もりっぱなものが建っておる。乗降も千人ぐらいあるところで、駅員がおらぬわけですね。列車の中へ荷物を忘れてきて、おりて、さてこれを何とかしようと思ったって、その忘れてきた品物が安い物ならいいのですけれども、金の一億円を忘れてきたって、どこへ連絡していいか、もうそれっきりなんですよ、一つの例を言えば。全くおかしいと思う。だから家で言えば、いや、門なんかぜいたくだ、玄関も要らぬ、ガラス戸と真ん中に畳を敷いてあって、布団だけ入れる押し入れさえあれば、それでいいのだというのが、いまの国鉄、まあすべてそうだろうが、のやり方だと思うのですね。これでは私はいかぬと思う。だからそういう面も、千人ぐらい人がおりたら、駅に一人や二人ぐらいの番人ぐらいおってもらいたいというような意見も、地方の方たちにどんどんとそういう場をつくって言わせなければいかぬと思うのですよ。そういう場をわれわれも考える。ひとつ運輸省国鉄の方も考えていただきたいと思う。もうそんな、独算制がどうとかこうとかなんと言っている時代ではない、こう思います。  いろいろ言いたいのですけれども、何か四十六分までだそうですから、今度はちょっと海運でお聞きしたいと思うのです。  私は、海運のことは素人で、余りわからぬのですけれども、最近予算の本委員会で、便宜置籍船であるとかチャーターバックであるとか、いろいろなことが言われておるわけです。われわれが考えると、何で、便宜置籍船だとか自分の船を売っておいてまた借りるなんというばかげたことをやるのか、理解に困るわけですよ。したがって、便宜置籍船であるとかチャーターバックというようなことは何か税金逃れ、あるいはめんどうな日本人同士の労務関係、いろいろのそういう利点からこういう制度ができたのかと思われるのですが、そのメリットというのは何ですか。
  158. 薗村泰彦

    ○薗村政府委員 先生のいまお尋ねのことでございますけれども、まず海外売船というのがございます。これは、日本船が、船員費の上昇その他経費の高騰がございまして、どうしても運航経費が高くつきまして、日本船のままでは競争力に乏しくなったということで、特に資本集約的な大きな船だったら競争力はございますのですけれども、中小の船型の船というのはもう競争力がなくなってしまって、老朽した中小型の船を海外へ売って、売船益も出したい。一方、ここ数年間、世界の海運は非常に景気がよかったものですから、比較的高くそういった日本の老朽船を買う相手方があったというところから、まず海外売船ということが行われたと思うのです。  ここで問題なのは、日本の船員がそういうことで海外売船によって職場を失うということがあったらいけませんので、私どもは、海外売船の許可の基準と申しますのは、この間予算委員会で大臣から先生にお答え申しましたように、許可ということになっておって、一定の条件が備わったら売らせなければいかぬ、こういうことになっておるわけです。というのは、その船を売ることによって日本の船の需給のバランスが著しく阻害されることがない場合にはもう売っていいんだということで、許可ということになっているので、その場合には、われわれは日本の船員が職場を失わないように、労務関係を両方で話がついたということを確かめてから、両方でと申しますか、労使の間でそういうことを便宜やって、海外に売らしているというのが一番先にございます。  その次に、チャーターバックというのは、その海外へ売りました中古船をいきなり、外国籍になったものを再び日本の船会社が用船してくるという場合でございまして、これは基本的には、私が先ほど申し上げた海外売船がどうしても行われなければならぬという事情に始まって、そのまま売ってしまったらもう日本の海運とは輸送力という面から全然関係がなくなってしまって第三の外国人の手に移ってしまうということになるのですが、しかし日本の海運としては、いかんせんそういうことで競争力がなくなったけれども、それに再び、外国の船員、たとえば東南アジアの安い船員を乗せて、外国の船主が採算に合うようなかっこうにし得るということは可能なものですから、そういう船員の交代をして日本の物をやはり引き続いて運びますということがありますので、それは単純な外国用船だと、用船料で吹っかけられたり、あるいは適当な船でなくても雇わなければいかぬという点があるのですけれども、何しろ、自分がいままで使っていた船ですから、そういう用船料が幾らぐらいだったら適正であるかとか、運ぶ荷物はどういうことに適しておる船であるかとかいうことがわかっておりますので、それをいきなり用船してくるということで、単純な外国用船をするよりは日本の海運にとってプラスじゃないかと思っているわけです。  それから第三番目のお話の、便宜置籍船というのがありますけれども、これは実は大臣が、これも予算委員会のときに御説明申し上げましたように、日本の船主が外国の用船をしなければならぬというのは、日本の船主がいま自分の手で使っている船のうちの六〇%は自社船、邦船ですけれども、残りの四〇%は外国の用船をしなければ日本の物が運べない。その四〇%のうちに約六〇%ぐらいはリベリア、パナマの船があるということで、やはり日本の品物を運ぶためには、どうしても全部の船の、必要量で申しましたら二四、五%のものをリベリア、パナマの船によらざるを得ないということが現状になっている。そこで、運航上の問題がございましたら、特にその事故を起こさぬように外国船一般に適当な指導監督をしていって、日本の近海で事故を起こさないように指導するということでございます。
  159. 楯兼次郎

    ○楯分科員 その需給関係で、日本の品物を運んで行って、向こうから日本へ来るときは空で来る。その逆もある。第三国輸送。そういう需給関係のことは私はわかるのですよ。ところが、リベリアというような国が最大の保有国になっておる。そこで、何か売っておいて借りるとか、いまの籍を向こうへ移すという点について、いまあなたの言われたこと以外に、繰り返すようですが、税金逃れだとか、できるだけ労務関係の費用削減とか、何かそういうものがあるような気がしてしようがない。時間がないですからもうお聞きできぬのですが、これは外交上の問題あるいは向こうの国の国内の問題で何かトラブルというようなものはないですか。
  160. 薗村泰彦

    ○薗村政府委員 時間がないようで、ごく簡単に、十分御説明できないかもしれませんけれども、確かに税制面で税金が安いという面が一つあるわけです。これは、船舶の登録料などは取っているのだけれども、船舶の運航によるところの収益に対して課税してないというような点がありますので、どうも税金は安い。そういうことで、先進国のちゃんと税金を取っている国に比べてそういった便宜置籍国の船が過当競争になるというようなことがあったら問題だということは、国際的に一つ取り上げられています。  それから二つ目には、やはり賃金の低廉な外国船員を配乗することができるというようなことがメリットになっておりますので、そういったことで国際的な船員の賃金が低くされるというような傾向があったらいけないということで、これも国際的に研究されておるわけです。  それから三つ目には、安全管理上の問題で不十分な点がないかどうかということがございますけれども、これは大体SOLASというような国際条約に入ってちゃんと安全面でのチェックはしているということですが、これもややルーズなところがないかどうかということが国際的に問題になっています。それでOECDの場で国際的に研究されて、世界の海運として非常にそういう面での弊害があるということだったら、この問題に対して世界を挙げてどういった方向をとればいいかということを研究しようと言っているわけでございます。ただ一方、リベリアの国としましては、国の方針として、登録税収入を上げて、本来世界の海運にとって何も関係のない国ですけれども、それで収入を得ようということをいわば国の方針としておりますので、国際的な面での十分な研究がなくて、リベリアその他の便宜置籍国がやっているその国のやり方がおかしいのだということをきめつけるということは、これはまた外交上の問題になるということで、やはり国際的な場でよく研究してその措置を決めようというのが世界の動きになっているということでございます。
  161. 楯兼次郎

    ○楯分科員 時間が来てしまいましたからこれでやめますけれども、中途半端ですけれども、どうもありがとうございました。
  162. 谷垣專一

    谷垣主査 これにて楯兼次郎君の質疑は終了いたしました。  次に、浦井洋君。
  163. 浦井洋

    浦井分科員 まず入港料の問題についてお聞きしたいのですけれども運輸省の出された四十九年度の運輸白書によりますと、主要八大港の収支を企業会計方式であらわすと、四十六年度が四七%、四十七年度が四八%、金額にして七十七億円の赤字だということだそうでありますけれども、これは八大港の話で、港湾全体としても相当財政的に窮迫しておるというふうに聞いておるわけですが、港湾全体としての実情をひとつ簡単にお答え願いたいと思います。
  164. 竹内良夫

    ○竹内(良)政府委員 いま先生のお手元の資料は八大港の入港料でございますけれども、これは一応仮定をいたしまして企業会計的な計算をした数字でございます。そのほかの港に関してはそういうような計算は現在していないわけでございますけれども、現在の地方財政——港湾管理者は地方公共団体がなっている状態でございます。地方公共団体の財政面といたしましては、港湾のみならず一般的に非常に苦しくなってきておるということを聞いておりますので、港湾におきましても非常に苦しい状態になってきているということがうかがわれるわけでございます。
  165. 浦井洋

    浦井分科員 苦しくなってきておるだろうということで、そこでそういう状況であるわけですから、昭和二十九年に改正をされた港湾法の四十四条の二、入港料の問題、港湾管理者としては非常に貴重な財源になるだろうというふうに考えるわけですが、二十九年に法改正がされたにもかかわらず、現実には日本全国千港余りある中で約四十港ぐらいしか徴収されておらない。たとえば岡山の例でいきますと、県は入港料徴収条例を四十三年につくって、さらに県の水鳥港港湾整備基金条例までつくっておるのに、まだ徴収できないでおるというのが実情であるというふうに聞いておるわけですが、なぜこういうふうになったのか。一体、入港料の徴収の実現を阻害しておる要因というのは何なのかという点を、これも簡単にひとつお伺いしたい。
  166. 竹内良夫

    ○竹内(良)政府委員 先生おっしゃるように、最近の港湾管理者財政の悪化の事情から見まして、入港料制度があるということははっきりしていながら、徴収が事実上行われていない。また、いまおっしゃいましたように、岡山の水島では条例までつくりながら実際の徴収は行われていないということは、私どもとして残念であるというふうに考えているわけでございます。港湾管理者の方の財政といたしましてはぜひ欲しいと考えておりますけれども、これには相手があるわけでございまして、相手、すなわち利用者である船会社、こういうところとできるだけ円滑な感じでこれが決まってもらいたいというふうに私ども考えている次第でございます。そういういろいろな事情がありまして、現在入港料を徴収できないという状態であります。
  167. 浦井洋

    浦井分科員 これは大臣にお聞きしておいた方がよいのですけれども、いまの局長の答弁の中で、船会社、船主協会との話が詰まっておらない。しかし大臣のお考えとしては、船主協会のこういうような考え方は果たして根拠のあるものであるのかどうか、どう思われますか。
  168. 木村睦男

    ○木村国務大臣 船主協会の方が入港料を取るのに反対であるということでございますが、監督の立場にあります私たちといたしましては、これは港湾管理者が入港料を取るわけでございますので、払う方は、ことに中小船会社というものは相当あるわけでございます。そこらの窮状を考えながら、港湾管理者に入港料を取ることを勘弁してくれということで言っておるわけでございますので、これはやはり払う方と徴収する方との間である程度円満に話がつきませんと、こういう問題は一方的に進めるということはいろいろ後にトラブルを起こすおそれもありますので、よく話し合った上で、そういうことで恐らく徴収する方の港湾管理者の方も、船会社側の方に反対が非常に強ければ見合わすというような関係にいま立っておると思います。したがって運輸省といたしましては、両者が円満に話し合った上で妥当な解決をすることが一番好ましい、かように思っておるような次第でございます。
  169. 浦井洋

    浦井分科員 絡むようですが、中小船会社の窮状、これはわかるのです。だから反対の意向が強い。そうすると、大船会社の方は反対をされておらないわけですね。
  170. 木村睦男

    ○木村国務大臣 いや、これは船主協会としてですから、全部の船会社を一応含めておる、こう考えていいと思います。
  171. 浦井洋

    浦井分科員 港湾局長、この入港料というのは港湾整備のどの部分に使用されるのか、ちょっと聞いておきたい。
  172. 竹内良夫

    ○竹内(良)政府委員 入港料の考え方は、港湾の業務をしておりますけれども、その業務に関する費用は港湾を利用する者からもらうというような感覚から出ております。したがいまして、どちらかといいますと、その中でもやはり防波堤であるとかあるいは航路のような施設、こういうものは現在のところは考えないで、主要な業務に対する費用を利用者からの収入で行っていくというような考え方に発しております。そのほか岸壁であるとかあるいは引き船等の役務のものがございますけれども、こういう施設については個々に使用料をいただいておる。ですから、そういうものを除いたものについて対象になるというような考え方に一応は立っておるわけでございます。
  173. 浦井洋

    浦井分科員 使用料を徴収できない、使用料徴収になじまないようなところの整備に充てたい、こういうことだろうと思うのです。入港料について大臣のお答えがあったわけなんですが、念のために海運局長に入港料についての考え方をひとつ。
  174. 竹内良夫

    ○竹内(良)政府委員 海運局長おりませんので、私の方から船主協会等の考え方を申し上げますと、船が港に入るときに、外航船の場合にはとん税であるとか特別とん税というものを取られます。この特別とん税、とん税を取られるのと入港料とは二重課税ではないか、こういう点が一点ございます。  それから、ずっと先ほど先生おっしゃいましたように、昭和二十九年に入港料が法律的には決まったわけでございますが、その後二十年間も徴収されていない。それをいま突然といいますか——二十年間も徴収されていないということはすでに一つの既得権ではないかというような考え方一つございます。そのほか船会社だけがこの港を利用するあるいは利益を受けているものとは限らないというような理由もございまして、船会社と港湾管理者との間にいま話がつかない。海運局といたしましては、やはり船主協会と管理者との間に円滑な話が終わってから入港料の徴収にひとつ踏み切ってくれないかというのが大体海運局の方のお考えかと思います。
  175. 浦井洋

    浦井分科員 大臣にこの問題について最後にお聞きしたいのですが、現在いろいろ調整中だというようなお話が出てきたわけなんですが、大体いつごろまでに目途をつけられるおつもりなのか。  それからついでに、時間がないので、港湾法の入港料のところの二項で、「政令で定める重要港湾の港湾管理者は、前項の入港料を徴収しようとするときは、料率を定めて、運輸大臣の認可を受けなければならない。」とある。一方で、大臣御承知のように、八大港からは入港料に関する要望書が出されておるわけなんです。だから、そういう八大港の港湾管理者から運輸大臣に正式に申請があれば直ちに認可すべきだ、入港料を取ってよろしいということをやるべきだと思うのですけれども、その辺の問題について、大臣の政治姿勢の問題だろうと思うのでお答えを願いたい。
  176. 木村睦男

    ○木村国務大臣 運輸省といたしましては、将来、港の管理をする者と港を使う船会社側と、やはり港の利用について円滑にいかなければ全体の能率は上がらぬわけでございますから、極力話ができることを期待いたしておりますが、しかし、ぜひ入港料を取るということで申請があれば、これは法律で決まった正規の手続があるわけでございますから、運輸審議会等に諮問いたしまして、そこで幅広い検討をしてもらうことにもなりますので、そういうふうな措置をとって処理しなければならない。ですから、申請があればそういう手続によって最終的な処理をする、こういうことでございます。
  177. 竹内良夫

    ○竹内(良)政府委員 その申請があった場合には、十分審査いたしまして、運輸審議会に諮りながら認可をしていきたいと考えますが、その場合に船主側の負担能力等についても十分考えていかなければいけないというふうに考えております。  また、先ほどの時期でございますけれども、私どもといたしましては、できるだけ早い機会にそういう形にできたらよろしいのじゃないか、港湾の担当といたしましてはそういうふうに考えておる次第でございます。
  178. 浦井洋

    浦井分科員 大臣に要望をしておきたいわけなんですが、港湾管理者としては非常に正当な要望をしておるというふうに思うわけで、ひとつそういう立場を十分に考えて早急に話を詰めて実現を図るようにしていただきたい、このように要望しておきたいと思うのです。よろしいですか。
  179. 木村睦男

    ○木村国務大臣 御趣旨は十分に理解をいたしております。
  180. 浦井洋

    浦井分科員 そこで、あと半分しか時間が残ってないのですが、次の問題は港湾労働の問題なんです。  港湾産業でこの十年間近代化が図られて、近代化、合理化による特有の職業病的なものもいろいろ出てきておるわけなんですけれども、また一方では、港湾労働法が実施されて十年近くなる。確かに労働分野における非近代的なところはなくなっておるようなところもあるというふうに私も認めるわけなんですけれども、一体、昔のような低賃金、長時間労働、労働強化、就労の不安定、暴力的な労務管理、企業と暴力団との結びつき、こういうようなものが本当に改善されておるのかどうか。運輸省なり、労働省来ておられますか、運輸省と労働省からひとつそれぞれお聞きをしておきたいと思う。
  181. 竹内良夫

    ○竹内(良)政府委員 そのようなお話、昔はあったと私は聞いておりますけれども、港湾労働の重要性というものがわかりまして順次そういう点は改善されつつある、また私どもといたしましては、日港協といいますが、日本港運協会、こういうものを通じながら労働の重要性を指導していると申しますか、そういう点についての改善が行われつつあるというふうに見ている次第でございます。
  182. 松井和治

    松井説明員 お答えいたします。  私どもとしましては、一般的に港湾労働の方を担当しているわけではございませんで、労使関係全般でございますが、私どもの方でも職業安定局の方では港湾の方をやっております。それでそちらの方から聞いておるところでございますが、一般的には、港湾における労使関係と申しますか、そういう水準につきましては逐次向上しておるのではないかというふうに承知いたしております。
  183. 浦井洋

    浦井分科員 逐次改善されていっておる、確かにあなた方が全く努力をしなかったということではないだろうとは思うのですけれども、実際に港湾を知っておる者にとっては、あなた方の考えておられるほどよくなっておらないわけなんです。  一つの頂点的な事件といたしまして、数年前に関光汽船の労働組合の脇田分会長という方が殺されておる、これは殺人です。それから、昨年は神戸の上津港運の労働組合の永井分会長が、これは自殺ということで、殺人あるいは自殺行為というようなことが、余り他の労働分野では見られないような現象がいまだに起こっておるわけなんです。私、これから述べますけれども、団結権やあるいは団体交渉権というような労働基本権が実際上空洞化して、労働運動に不当な暴力が介入しておるというような事実もあるわけなんです。  そこで、私きょう指摘したいのは、この上組の問題であります。上組はあなた方御承知のように、日通を除くと業界第一の港湾運送業者である。特に六大港でのシェアはトップである。この上組が、昨年の十月ごろから大阪港や神戸港などで全港湾の組合員に対して、明らかに暴力を用いた不当労働行為を行っておる。組合から出しておる文書によりますと、こういう事実があるわけなんです。  全港湾の阪神支部に対して、全港湾と上組との間で協定しておる時間外割り増し四割、七割の協定に基づいてフォアマンに対しても当然にその協定を適用するよう要求した。ところが会社は一時、団交ではそれを認める発言をしたにもかかわらず、その後その回答を撤回した、こういうことであります。  会社はその後、組合が抗議をしたということを理由に団体交渉を拒否する、そして会社構内に掲揚した組合の旗を六回にも七回にもわたって取り外し、これを隠匿するなどというような公然とした挑発行為を行ってきておる。  団体交渉の拒否については、去年の十月二十五日、神戸地裁に対して団交応諾の仮処分の申請を行って申請どおり決定をされた。しかし、会社は仮処分の決定にもかかわらず団交に応じないため、さらに団交に応ずるまでの間、一日につき二十万円の支払いを求める間接強制の仮処分を組合がした。  さらに上組の職制、管理職からの執拗な組合員の切り崩し、並びに下請企業関係者からの脅迫及び切り崩しが次々と行われる中で、この上組の労働組合の分会員の二名が下請企業の山一運輸株式会社、これは明らかに広域暴力団と言われておる山口組に関係があるわけなんですが、この山一運輸株式会社によって、以後山一運輸が荷役を行う本船への乗船を拒否されておる。  さらに、ことしの一月二十日、コンテナドライバー九名がターミナル待ち、これは手待ちですけれども、このために近くの喫茶店におったところ、会社の業務課長補佐某という者など数名が、あらかじめトレーラーヘッドのエンジンキーを抜き取った上、ドライバー九名の前にあらわれて、職場放棄だ、全員首だと叫び、トレーラーに乗務しようとした組合員を実力で外へ追い出した。  こういうようなことに対して全港湾の阪神支部は、一月の二十二日、再度会社に団交を申し入れたが、この団交の休憩中に全港湾の組合員が待機しておる団体交渉の会場に、数十名の上組労連と称する暴力集団がなだれ込んで、そして交渉委員に暴力を加えるとともに、実力で場外へ排除した。このとき阪神支部の安田副委員長は、全治五日間の負傷を受けて、同時に団体交渉は一方的に中断をされた。  というように、組織の切り崩しであるとか、あるいは団交の拒否であるとか、団交の交渉委員に対しての暴力行為、こういう明らかに不当労働行為だと思われるようなことが、いまだに大阪港、神戸港では上組を中心として横行をしておるわけです。  運輸省は、こういうような神戸港、大阪港の事態を十分に把握しておるのか、また港湾の監督官庁として、これまでにどういうような指導をしてきたのか、ひとつ聞かしていただきたい。
  184. 竹内良夫

    ○竹内(良)政府委員 いま先生のおっしゃった上組と全港湾関西地本との紛争でございますが、これにつきましては私どもも聞いておりまして、この問題が発生して以来、近畿海運局を通じまして概要について報告を受けていたわけでございます。いま先生のおっしゃったような細かいところまでは私どもも存じていないわけでございますけれども、概要といたしましてはできるだけ報告を受けていたということでございます。  考え方といたしましては、この問題はどこまでも労使間の問題である。したかいまして、労使双方の努力によりまして早く解決していってもらいたいというのが私ども考え方でございますけれども運輸省といたしましては、港湾運送事業の円滑な発展を望むという立場から、大阪府の労働部であるとかあるいは大阪市港湾局の方々と一緒になりまして、この上組と関西地本の労使の方々に早く解決するよう要望していた次第でございます。私どもといたしましては、今後も早期解決が図れるように努力していきたいというように考えている次第でございます。
  185. 浦井洋

    浦井分科員 労働省はこの問題についてどういうふうに把握をして、どう指導してきたのか、ひとつ聞かしていただきたい。
  186. 松井和治

    松井説明員 お答えいたします。  この上組の労使の紛争につきましては、先生先ほど御指摘のように、昨年の秋ごろからいろいろな事件が出てまいりまして、私どもも大阪府の労働部労政課から逐次情報の収集を図りまして、また必要に応じましては指導に努めるように指示をいたしておるところでございます。  それで、何分港湾のことでございますので、大阪府あるいは労政課がひとりでやるというわけにもいきませんので、いま運輸省の方からお答えがありましたように、近畿海運局あるいは大阪市と緊密な協力、連携をとりながら、必要に応じて指導してほしいというふうなことで、大阪府の方に指示いたしておるところでございます。何分いまお話がありましたように、労使の対立がかなり険しゅうございまして、なかなかむずかしいわけでございますけれども、しかしながら、何といたしましても、この労使の問題というのは、双方が解決しようというような気構えで紛争解決のための軌道が敷かれませんと、あるいは軌道に乗っていかないと困難なのでございまして、こういうような気構えに立ってやってもらうよう、労働省としても切望しているところでございます。
  187. 浦井洋

    浦井分科員 運輸省も労働省も非常に手ぬるい感じを私はいまの答弁から受けるわけなんですけれども運輸省にお尋ねしたいのですが、こういう組合の意見を聞いてみましても、なかなか運輸省指導にもうんと言わない、上組が。それから大阪府、大阪市がいろんな行政指導をしても、それを公然と無視する、裁判所の決定さえも踏みにじるというような場合に、果たしてこのままこの上組に対する免許を継続さしてよいものかどうか。港湾運送事業法第二十二条による「事業の停止及び免許の取消」という、そういうような項に該当するのではないかとさえ私は思うわけでありますけれども、ひとつ運輸省の御意見、あるいはこうしたいというような点を聞きたいと思います。
  188. 竹内良夫

    ○竹内(良)政府委員 先ほども申し上げましたように、この問題は労使の問題である、そういう点から、やはり労使で十分話し合って解決していただきたいというのが私どもの根本的な姿勢でございます。この労働問題につきましては、やはり労働法の立場からやっていただかなければ、港湾運送事業法の面から処分はなかなかむずかしいというふうに考えております。  仮に、この上組の行為が不当労働行為であったと仮定いたしましても、これはいろいろ現在調べているところであると思いますけれども、これをもって直ちに上組に対して港湾運送事業法に基づいて処分をすべきであるとするのには、現在では困難であると思っております。
  189. 浦井洋

    浦井分科員 港湾運送事業法の第一条目的のところに「この法律は、港湾運送に関する秩序を確立し、港湾運送事業の健全な発達を図り、もって公共の福祉を増進することを目的とする。」それを受けて二十二条の一号「この法律又はこれに基く処分に違反したとき。」こういうことになっておるわけですかち、私は、労働者の立場に立てば、こういうようなことで免許の停止なり一時停止なり取り消しが十分可能だというふうに判断をしておるわけなんで、ひとつ運輸省にこの点は要望しておきたいと思います。  それで最後に、労働組合の方としてもこういうようなことを要請をされておるわけなんです。  一、上組の港湾労働者に対する、暴力行為、不当労働行為など不法行為を根絶すること。  二、上組の不当解雇を全面撤回し、スト破り職安法違反の暴力会社を職場から完全に排除すること。  三、上組の団交拒否、差別就労、不当処分を直ちに撤回し、労働基本権の確立をはかること。  四、地方裁判所の仮処分決定を、忠実に守ること。  五、暴力集団をスト破りに投入するなどの反社会的行為を禁止すること。  六、港から組織暴力を追放し、明るい民主的な職場を作ること。  これを読んでみますと、あたりまえのことが書かれておるわけなんです。こういうような要求が出ること自身が、やはりまだ港湾ではいかに暴力行為が横行しておるか、港湾労働がいかに前近代的な支配下にやられておるかということの証拠だろうと私は思うわけなんです。この点をひとつ大臣は十分認識を深めていただいて、具体的な強力な行政指導をこの問題についてやっていただきたいと私は要求するわけなんですが、最後にひとつ大臣の御意見を聞きたいと思う。
  190. 木村睦男

    ○木村国務大臣 企業内におきます労使のいろいろな紛争につきまして、その企業を規制しておりますいわゆる事業法規を真っ先に前に立てて処理するということは、私は、余り賢明なやり方ではない、かように思っております。したがって、そうではなくて、やはり円満な労使間の協調のために、両者が労働関係のいろいろな手続によって、あるいは労働関係を監督しておるところの政府あるいはその他から、まずその紛争の解決のために努力してもらって正常な関係を取り戻すということが、私は、まずやるべきことである、かように思います。そして、労使関係の紛争が非常に激化いたしまして、また、非常に長く続きまして、これが公の秩序を著しく害するとかあるいは事業法規に非常に違反して公益が害される、そういうふうな段階になりましたときにはもちろん事業法規に従って監督もし、処理すべきことは処理しなければなりませんが、私は、やはりそういうふうな段階を経て十分労使間の円満な関係に復帰するようにすることが望ましいのではないか、かように思っております。したがって、われわれといたしましても、こういった関係はなるべく両者が話し合いによって円満に解決することを望みながら事態を静観をしていく、そして事業法規等に照らして処置すべきことは処置いたしますけれども、そういう考え方で対処することが望ましい、かように考えております。
  191. 浦井洋

    浦井分科員 最後に、大臣のいま言われた公の秩序に、まさしくこれはもう違反しておるということは明らかになっているんです。それから公益にも反しているわけなんです、神戸港や大阪港のヤードの中では。それをいまだに甘く、のんきにそんなことを言うておられたら、これはもう労働者は浮かばれぬですよ。具体的にもうあなたが何かされているわけでしょう。どういうことをされたのか、これから具体的にどういうふうな行政指導をされるのかということを、もう一遍念を押して聞いておきたい。
  192. 木村睦男

    ○木村国務大臣 私が言っております意味は、たとえばそういう場合に、他の例で言いましても、組合の方に逆に公の秩序を害する場合もあると思います。したがって、こういう問題は双方に起こる問題でございますので、かといって直ちにそれに対して制裁を加えるということでなしに、両方が円満な関係に立ち返るということを第一に私は期待すべきものである、こういう意味で申し上げておるのでございます。
  193. 谷垣專一

    谷垣主査 これにて浦井洋君の質疑は終了いたしました。  次に、土井たか子君。
  194. 土井たか子

    ○土井分科員 昨年の八月十三日に航空審議会の方から「関西国際空港の規模及び位置」という答申が出ておりますが、その中に、もうこれは世上広く知られておりますとおりに、「新しい空港は、大阪国際空港の廃止を前提として、同空港の機能を代わって受け持つ能力のあるものとしなければならないと認識した。」ということでこの答申は出発をいたしまして、そうしてこの四つの候補地の中から泉州沖を適当と考えるという答申が出されたわけでございます。  そこで、まずお尋ねしたいのは、あの答申の中身を見ますと、種々いろいろな裏づけをもって昭和六十年ということを一つの目途としながら新空港の建設ということをお考えになっている答申でありますが、この答申が昭和六十年ということを新空港建設の目途としてお考えになったという点はひとつ確認をしたいと思うのですが、航空局長さん、そのように考えてようございますね。
  195. 中村大造

    中村(大)政府委員 昭和六十年度目途といたしましてそういう計画が策定されたというふうに承知いたしております。
  196. 土井たか子

    ○土井分科員 ところが、この答申が出る前夜にいろいろこの答申を出す裏づけになる作業が進んだわけですが、その中に航空局飛行場部関西国際空港調査室から四十九年の四月二十四日に出されております「関西国際空港候補地比較総括表」というのがございます。ところが、その中身を見てまいりますと、いろいろ候補地についての比較をしております中に、ここでは泉州沖ではなしに泉南沖という表示になっておりますが、海底地盤が軟弱であるというのが明記されておるのですね。御承知のとおりに、最近石油コンビナート等々のあの埋立地における不等沈下の問題が大変大きな問題になっております。これは海上の空港でございますからどういう工法——工法か四つ、五つこの答申の中にも出ておりますが、どういう工法をとるにいたしましても、埋立地であるということにおいては変わりはない。不等沈下の理由はいろいろございますが、大きな理由の一つに、地質の変わったもの、それから砂の質の変わったもの、こういうものを一つところに集めて埋立地としてこの造成をするところに不等沈下の大きな理由が一つあると言われているわけであります。泉州沖の大プロジェクトということになりますと、やはり土質だとかそれから砂の質なんかについても同一のもので埋め立てるということは不可能事でありまして、やはりこれは異質なものがそこの埋立地には持ってこられるというふうなことを一応考えなければならぬ。そうすると、現存あちこちで石油タンクをめぐる、またコンビナートをめぐる不等沈下の問題が非常に注目を集めているやさきでございますが、事は、石油タンクでも大変だと思うのですが、空港になりますと直接人命にかかわる安全問題ということになってくるわけです。したがいまして、この泉州沖の埋め立てについても、環境保全の上からの環境アセスメントというのもこれからの作業になっているわけでありますが、肝心かなめの、いかにして埋め立てを進めるかという問題についても、基本中の基本と言われるこういう問題についてのめどはまだまだ立っていないと思うわけでありますか、六十年を目途に考えられた答申、六十年という時期は少しずれるのではないか。恐らくこれは着工しましてから十年の時期というものを必要とするということで考えられて六十年でありますから、まだまだ計画の中身というのはこれからという時期でございましょう。そうすると、六十年というのはかなり向こうにずれ込むということは考えておかなければならない問題ではないかと思いますが、こういう事柄はどういうふうにいま航空局並びに運輸省としてお考えになっていらっしゃるかをひとつお聞かせいただきたいのです。
  197. 中村大造

    中村(大)政府委員 先生指摘のように、四つの候補地それぞれ一長一短あるわけでございますけれども、総合的に泉州沖が一番よろしかろうというような御答申をいただいたわけでございます。ただ、泉州沖の候補地は地盤が軟弱であるということは当然予測されるわけでございます。今後この泉州沖につきまして、環境アセスメントその他必要な調査をいたしていくわけでございますが、地盤の関係につきましては、今後現地を詳細に調査いたしました上で、技術的に見ましてもまた工費的に見ましても最も望ましいいわゆる軟弱地盤処理工法というものを検討していかなければならぬ。どの工法をとるかということは、結局今後現地の調査をいたしまして、それに最も適した工法をとるということになろうと思います。したがって、いまだ未確定要素があるわけでございますけれども、まあ十年という目標は非常に長いようでもあり短いようでもあるわけでございますけれども、この軟弱地盤というものは技術的にも相当真剣に取り組んで、解決していかなければならない問題であろうというふうに思っております。
  198. 土井たか子

    ○土井分科員 そういたしますと、いまの御答弁からすれば、やはり当初考えられていた答申時の六十年を目途にというのはずれるというふうに考えさしていただいていいわけでありますね。
  199. 中村大造

    中村(大)政府委員 これは挙げて今後の現地調査を待たなければ何とも申し上げられませんけれども、私どもとしては、答申でも述べておられますように、新しい関西の国際空港を建設するというのは非常に緊急を要する課題であるというふうに受けとめておるわけでございますので、できるだけ早くあらゆる問題を解決して着工にこぎつけたいと思っておるわけでございます。
  200. 土井たか子

    ○土井分科員 ただ、時期的に焦って早くつくることに精を出すために、肝心かなめの安全性であるとかあるいは環境保全という問題を抜きにして考えられたら、これは取り返しのつかないことになるわけであります。特にもうはっきりしているのは、地盤が軟弱であるということでありますから、それからすると、これに対しては安全の上にも安全の確認をやってやり過ぎることはないと私は思うわけでありまして、これにはかなり日時をかけて慎重にひとつこの問題こそ慎重に検討していただかないと、それこそ禍根を残すことになりはしないかという思いもいたすわけであります。  したがいまして、できる限り早い機会にとおっしゃいますが、やはり一応六十年というのは少しずれるというふうに考えておかなければならないんじゃないか。この点は現在ございます大阪国際空港との兼ね合いがございますから、あの答申の前提になっておりますとおり、「新しい空港は、大阪国際空港の廃止を前提として、」というので出発するということでもありますので、そうしますと、大阪国際空港について、今後あの空港利用計画がどういうことになっていくか、それから騒音対策が大体どういうふうになっていくかということとも兼ね合いがございますから、少しそこのところは六十年ということを目途にした答申どおりに事は進まないだろう、少しずれるというふうに考えておかなければならないのじゃないか。この辺は非常に大事な問題でございますから、もう一言そこのところをおっしゃっていただいて次に進みたいと思います。
  201. 中村大造

    中村(大)政府委員 新しい空港が十年で目鼻がつくかどうかということ、これは先ほどから申し上げておりますように、今後いろいろな技術的な調査をして、その前にやはり地元の公共団体の御協力がぜひとも必要であるわけでございますので、そういうことで進めてまいるにいたしましても相当長時間を必要とするということは、先生指摘のとおりだと思います。したがいまして、それとの関連で、現在の大阪国際空港というものは、十年後に新空港が確実に完成するかしないかということにかかわりなく、やはり現在の大阪国際空港が課せられております環境基準の達成というこの目標をわれわれはどうしても達成するべく努力をしていかなければならないという課題があるわけでございます。
  202. 土井たか子

    ○土井分科員 いま局長さんがおっしゃいましたとおりでありまして、昭和四十八年の十二月二十七日に環境庁から出されました航空機の騒音に対する環境基準でございますね、これは四十八年から五年以内ですから五十三年ということになると思いますが、その昭和五十三年を迎える以前にWECPNLを八十五未満にしなければならない、屋内で六十五以下にしなければならない。そして、十年以内に、つまり昭和五十八年までに七十五未満にしなければならない、屋内で六十以下にしなければならない。十年を超える早い時期に七十以下にしなければならないという線は、これは至上命題として守っていかなければならない。そうしますと、新空港ができないということを前提に、いまの大阪国際空港については昭和五十三年時点で考えましてWECPNL八十五未満、屋内で六十五以下にしなければならないというのは、これはもういま先立つ大変問題になるポイントであると私は思うのです。WECPNLですから、やはり飛行機そのものの一機一機の騒音を低減していくということと同時に、頻度も低めていかなければならないということだと思うのです。つまり発着回数をそれだけ減らしていくということでなければ、WECPNLをこの言われるとおりの規制値に適合させていくということはできなかろうと思うのです。     〔主査退席、内海(英)主査代理着席〕  昨日のことでございます。けさの新聞にこれは載っておりますが、現地でいろいろ運輸省の方も苦心をされて、十一市協に対しての説明をなすっているようでありますが、新聞記事の報ずるところによりますと、各紙全部が全部足並みをそろえた物の書き方ではございません、少しニュアンスの相違もあるようでございますけれども、この発着回数というものを減らしていくことに対して、こういうふうな考えで臨んだらどうだろうというふうなことをお示しになったようであります。二百四十便から二百十便に減らしたい、最終便についても少し時間を切り上げるようなこともやってみたい、これについての協力がいただければというふうな説明の中身だったようであります。ところが、そのときに早ければ四月、おそくとも沖繩海洋博が始まる七月にはこれが実施されるやに書かれている新聞もあるわけでありまして、何だかそうなってきますと、タイムリミットを置いて、そしてもし地元でのこれに対する協力が得られなければ強行なさるやもしれぬという向きすら、推測をやったらやれるような記事も中にはあるわけです。こういうふうにタイムリミットを置いて、運輸省としてはこういう問題に対して、いまの便数削限の問題やあるいは夜間便の時間切り上げというふうなことをお考えになっていらっしゃるのかどうか、ひとつそのタイムリミットということについての御認識をお聞かせいただきたい。
  203. 中村大造

    中村(大)政府委員 私どもといたしましては、現在何月何日ころからそういうことをやろうというふうな意味でのタイムリミットは持っておりません。要は、われわれの持っております計画を地元の皆様方にできる限り御理解をいただくという努力を積み重ねまして、その御理解を得られておるという確信をわれわれがいつ持ち得るかということでございますので、今後その努力を積み重ねまして実施をしたいということでございますから、決してタイムリミットをあらかじめ定めておるということはございません。ただ、先生指摘のように、これはいわゆる音源対策ということで環境基準を達成するためにはどうしてもやらなければならない措置でございますので、できる限り早くこれを実施することが大きな意味でプラスになるとわれわれは確信いたしておりますので、そういう意味ではできるだけ早く実施したいと思っておるわけでございます。
  204. 土井たか子

    ○土井分科員 ただ、その節大変私たちにとって気にかかりますのは、御承知のとおりに、二百四十便から二百十便にと言われる前提にはエアバスの乗り入れという問題があるわけであります。大型化を促進した上で便数の削限をやろう。したがいまして、便数削限をしても、座席の数は上回るととはあっても下回ることはないということで計算された結果の減便でありまして、地元の方々がこのエアバス乗り入れに対して反対をなすっているという経過からいたしますと、過去ジェット化が進められる、大型化が進められるたびごとに、減便についての約束をなさりながら約束が果たされてこなかったという経過があるわけであります。今回もエアバスについては安全性の確認がもう一つだということと同時に、やはり過去のそういう経過があって、住民の方々は大変不信感を持っていろいろな交渉の場に臨まれるということが事実あるわけでありますから、ひとつそういう不信感を取り除くというふうな誠意のある態度で、運輸省としてはいろいろな協議、いろいろな申し入れに臨んでいただかなければ一歩も半歩も前進しないと思うわけなんですね。  そういう点から、昨年二月二十七日に大阪国際空港の騒音訴訟の第一審の判決が、御承知のとおり大阪地裁でございました。その明くる日の二十八日に、ただいまの内閣総理大臣、当時の環境庁長官であった三木さんが、公の席で、また参議院の公害対策及び環境保全特別委員会の席上でこういうふうに言われているわけです。東京−大阪間には新幹線もあることだし、ジェット機はいまの半分くらいにしたらいい、どういう形でやるかは運輸省に考えてもらう。これは別に大型化が前提になっている発言ではないわけでありまして、現に就航しているジェット機についても代替交通機関が、これはスピードということを考えた場合にまさるとも劣らない新幹線があるのであるから、したがってこの新幹線を利用する方向に切りかえていくということが必要だ、だから東京−大阪間についてはいまの半分くらいにすることは可能じゃなかろうか、こういう読みでもっておっしゃった発言だと思うわけです。その後、東京−大阪間についてはどのように便数の削減がなされたかをひとつお聞かせいただけませんか。
  205. 中村大造

    中村(大)政府委員 昨年の一月でございますけれども、当時東京−大阪間の便数は発着回数で申し上げて五十八回あったわけでございます。その後、総理のそういう御発言がございました。また、運輸省といたしましても、音源対策を強化するという観点から、当時ジェットの回数が二百六十回ございました、それを二百四十回にして二十回減らす、こういうことを決めまして、昨年の五月でございますけれども、約八発着減じまして、約五十回にいたしたわけでございます。その後は現在まで大体そういう便数で推移しておるということで、したがいまして当時、昨年でございますけれども先生がおっしゃいましたようなことを契機にいたしまして、東京−大阪間については半減はいたしませんけれども、当時の需給状況をにらみまして、十発着近い回数を減じた、こういうことでございます。その後は余り異動がないということでございます。
  206. 土井たか子

    ○土井分科員 お伺いしておりますと、三木総理、当時の長官が二月二十八日段階で、いまの半分くらいにしたいとおっしゃったのですが、現に半分にはなっていないわけでありまして、まあ遅々として進まないということでありましょうが、要は大阪国際空港というのは端的に言うと欠陥空港だということを、これはもう自他ともに認めて今日に来ているわけなんですね。特に判決後その認識というのは具体的になってきている。当時の運輸大臣にも、これは欠陥空港というふうに認識していいでしょうかと質問しましたら、やはりこれは欠陥空港という名を使うことが適切かどうかは別として、おっしゃるところの意味のとおりの空港だというふうに考えていいと思うというふうな御答弁もあったわけでありまして、欠陥空港であるということであるならば、やはりこの空港に対しての利用を縮減していく、やがては空港そのものについて代替空港ができた限りにおいては使わないような方向で、この現在ある空港を問題にしていくということが、基本姿勢としては大切だと思うのですね。そういう点からしますと、東京−大阪間の新幹線についてそういうふうないままでの取り組みがあるわけでありますが、今後、三月十日に開通になる博多までの新幹線ということを考えますと、現に大阪空港を利用している国内便の中でもやはり大きな幹線であります福岡線なんかをどう考えるか、あるいはローカル線でまいりますと岡山とか広島に行く便をどういうふうに考えるかという問題も具体的に出てくるわけで、これに対する減便の問題というのは具体的にお考えになっていらっしゃらないと、幾ら大型化を促進することによって減便したいと思うという御説明をなすっても、地元の住民の納得は得られないと私は思うのですよ。新幹線が九州に三月十日をもって開通するということになりましたら、やはり従前からありました新幹線と航空路との兼ね合いということからして、何らかのこれに対する受け答えがおありになってしかるべきだと思うわけでありますが、どういうふうな態度をいまお持ちになっていらっしゃるか、また具体的なそれに対する、先の計画でありますから、なかなかこれは計画どおりに進まないということもあるかもしれませんけれども計画を現にお持ちになっていらっしゃるかということをお聞かせいただきたいと思います。
  207. 中村大造

    中村(大)政府委員 この問題につきましては、私ども従来からいわゆる低騒音大型機を導入いたしまして、それによって便数を削減するという措置と、それからしかる後に新幹線開通後にその影響を考えましてさらに回数を削減するということを考えておったわけでございます。それが大型機の導入がずっとおくれてきて、結局一緒のような時期になってきたわけでございます。したがいまして、現在の時点ではわれわれとしての希望は、一昨日も現地で表明いたしましたようなかっこうで、二百四十回を二百十回に、これは大型機導入による減便と、それから新幹線開通による減便というものを含めまして二百十回にしたい、こういうふうな考えでおるわけでございます。
  208. 土井たか子

    ○土井分科員 あくまで大型機の導入ということを前提におっしゃいますが、もし大型機を導入しない場合の減便というのはどういうことになりますでしょうか。
  209. 中村大造

    中村(大)政府委員 これは非常にむずかしい問題でございまして、やはり大型機を導入することによりまして、大阪発着便だけではなくて、わが国の国内幹線、ローカル線全体のダイヤというものを再編成しなければならないことになるわけでございますので、大型機の導入というものを切り離して新幹線開通による削減をするということは非常にむずかしいわけでございます。ただ、大型機を導入する時期との関係もございますけれども新幹線が開通いたしましてどのような影響が現実に起こるかということをやはり見る必要がございますが、当然何がしかの影響はあるわけでございますので、そのための何らかの減便というものは、これは一応大型機の導入というものと本当は切り離せないわけでございますけれども、しかし新幹線が開通するという事実を踏まえまして何らかの減便ということをやはり考える必要があるのではないかと私は思っておるわけでございます。ただ、これはあくまでも全体の計画との関連が非常に大きいわけでございますので、大幅な減便ということは非常にむずかしいというふうに考えております。
  210. 土井たか子

    ○土井分科員 まあ大幅でなくても、大型エアバスを乗り入れないで、博多まで新幹線が開通した時点において、一体それでは可能性の問題としてどこらあたりまで減便できるというふうに読んでいま取り組んでいらっしゃるか。ダイヤの改正というのは、航空路においては少なくとも一カ月以前に考えておかないと具体的には運ばないわけでありますから、三月十日をもって博多線は開通しますね、そうしますと、もういまからそういうことに対してもある具体的な計画がなければ、これは開通してから後ということをおっしゃると恐らく私は実現不可能だと思うのです。これはいまから取り組んでおいて十分な問題だと思いますから、そういう時期的な問題も兼ね合わせてひとつできる限りのところのお答えをいただけませんか。
  211. 中村大造

    中村(大)政府委員 この点につきましては、いま真剣に計画を練っておるわけでございまして、一便減便できますか二便減便できますか、この点はもう少し計画を詰めてみないとわかりませんけれども、せめて一便でも新幹線の開通いたしました後に早急に減便をいたしたい、その前提でいま事務当局でいろいろ作業を進めている段階でございます。
  212. 土井たか子

    ○土井分科員 それでは、航空行政それから騒音対策、まだいろいろお伺いしたいことがございますが、これはいずれ公害対策並びに環境保全特別委員会の席の方に譲ることにいたしまして、海上保安庁からせっかくお出ましですから、もう時間もございませんが、基本的なことを一問——時間の都合から二問にならないと思います、ぜひぜひお伺いしておきたいのは、船舶の余裕水深については海上保安庁とされてはどのように現在御指導なすっていますか。
  213. 隅健三

    ○隅政府委員 余裕水深につきましては、喫水の長さと申しますか、それに喫水の一〇%を加えまして、さらに〇・五メートル、五十センチの余裕をつけるというのを海上保安庁は余裕水深として指導いたしております。
  214. 土井たか子

    ○土井分科員 そういたしますと、単純計算すれば、二十万トン級のタンカーに例をとりますが、二十万トン級のタンカーだと二・五メーターなければならないということになりますね。
  215. 隅健三

    ○隅政府委員 二十万トンを満載いたしますと、普通喫水が二十メートルでございます。そうすると、その一割で二メートル、さらに余裕水深五十センチを加えますと二・五メートルの水深が必要だということになります。
  216. 土井たか子

    ○土井分科員 ところで、先般、例の流出事故を起こしました岡山県の水島の例、これは「水島港」という岡山県水島港湾局から出ているパンフレットでありますが、このパンフレットによりますと、十万トン級大型船が入港可能な水深十六メーターの航路等々を整備なすったのが昭和三十二年に入ってからであります。ところが、最近、この水島港については十万トンはおろか二十万トンのタンカーが出入りをいたしているわけでありまして、この二十万トンのタンカーに見合うだけの水深があそこでは用意されているかどうか、それから港湾設備というのはそれに見合うだけのものになっているかどうか、どういうふうに御認識をなすっていらっしゃいますか。
  217. 隅健三

    ○隅政府委員 これは先日、衆議院の環境保全特別委員会でも御質問がございましたが、満載のタンカーは川崎製油所あるいはほかの港で荷おろしをいたしまして、この十六メートル五十に合う喫水にいたしまして、積み荷を半分と申しますか、それに合うだけの積み荷をおろしまして水島に入港いたしております。  なお、水島におきます桟橋につきましては、私どもの方で調べましたところ、三菱石油の六号桟橋は四十六年に改造いたしまして、一応強度としては二十二万デッドウエートの船舶に耐える。日本鉱業二号原油桟橋は、これも四十四年に改造いたしまして、十八万デッドウエートの船舶に耐える構造になっております。
  218. 土井たか子

    ○土井分科員 いまおっしゃったのは第六号桟橋じゃないと思います。第六桟橋というのは、実は水島の製油所では花形なのでありまして、大体三万トン級の船を受け入れるだけの構造しかないところに十万トンから二十万トンが入っているという現実の問題があるわけであります。そして、いまおっしゃいました公害対策特別委員会は、おっしゃるとおり一月二十三日にいろいろ参考人の方々にもおいでをいただき、特にその参考人の中で三菱石油の水島製油所の大島所長さんにお出ましをいただいて質問したその御答弁の中に、油を抜いて軽くしてつけるというふうな御説明もございました。ただ、こういうことをやると、これは非常に無理があると思います。安全性の上から言っても、大変に私は問題点が多かろうと思います。  時間がございませんから、私はずっと項目別に申し上げてまいりますが、港内の深さが十分でないものが三四%、大型タンカーが入港しているのについて港が浅いというのが三六%、防波堤のない港が四四%、完全に安全性を確認して遮蔽されていないというものが七二%、港の広さが足りないというのが六六%、危険物の取り扱い区域が分離されていない港というのが二四%というふうに、これは日本海員組合の資料によるわけでありますが、現に海員組合の方がいろいろ点検なさっている中身からしましても、それぞれの港湾がいわゆるコンビナートを抱えて安全性が十分に確認されていないという本質がここに出てきているわけなんですね。  それと同時に、水島港の場合には、港則法でいう特定港に昨年度まで指定されていなかったという経過もございます。港湾審議会の方ではこういう問題に対して今後どういうふうな確認をされ、またどういうふうに安全策というものを講じようとなさっているかということを一言承りたいわけであります。
  219. 竹内良夫

    ○竹内(良)政府委員 先ほど先生のおっしゃいました全日海のレポートでございますが、あれに関しまして、私どもといたしましては早速全国の関係港湾管理者に通知いたしまして、それの対策を指示した次第でございます。その後それぞれの予算の編成に当たりましては、できるだけ早くそれの対策をとれるよう、常に処置している次第でございます。  港湾計画、港湾審議会におきましてどうするかという御質問がございましたけれども、個々の計画は港湾管理者がつくることになっておりまして、港湾管理者におきまして今後安全という面に最もウエートを置きながら計画をつくってもらう、それについて、地方港湾審議会それから港湾審議会というところで十分審査していただきたいと思っている次第でございます。
  220. 土井たか子

    ○土井分科員 最後に一言申し上げたいのは、港湾審議会の計画部会、昭和四十八年の十月十九日、この日には、水島港については十二万トン級以内に入港する船をとどめるというような討議もなされております。そしてまた、岡山県の方から出されているパンフレットによりますと、水島港については十万トン以内の船舶の入港というふうに、これははっきり記載されているわけですね。この十万トン、十二万トンというのを大きくオーバーする二十万トンというのを現に行き来させているというふうな実態からしますと、港はそれだけの規模を持たないところに大型タンカーが出入をしている。そこに至るところの内海なんかを考えてみますと、これは最近交通安全の上からいくともう大変にゆゆしい事例というものはいっぱいあるわけですね。特に瀬戸内海それから東京湾等々について、さらに伊勢湾、これは臨海工業地帯をめぐる大問題だと私は思うわけでありますが、今後やはり大型タンカーの規制をやるか、それとも受け入れる側の港湾整備ということに重点を置いてやるか、現在の石油の備蓄量というものを六十日から九十日に増大していかなければならないという前提に立つならば、二者択一の問題しか後は出てこないと思うのですよ。だから、いまの臨海工業地帯についての個々の備蓄量というものを低減していくということが前提にあって考えられるのならば、もう一つ考え方基本的に転換するということも出てこようと思いますが、内海にあるところの、現にあるコンビナートのこの貯油量というものをいまのままに据え置きしておいて、あるいはそれから増大していくということを前提に置いて考えたら、二者択一しかない。  そこで、お伺いしたいのは、二者択一で大型タンカーの規制ということを今後どういうふうに考えていったらよいか、これをひとつお聞かせいただいて、私は終わりにしたいと思うのです。
  221. 隅健三

    ○隅政府委員 瀬戸内海あるいは東京湾の入湾規制の御質問でございます。われわれといたしましては、コンビナートが現在ございます以上、これに対する入湾につきましては、やはり航行の安全というものを第一義的に考えたいと思っております。そのためには、水先人の乗船あるいは警戒船の配備それから航路標識の整備等々の施策を十分にいたしまして、事故の絶滅を図りたい、そのように考えております。
  222. 土井たか子

    ○土井分科員 これで質問を終わりますが、それぞれを法的に義務づけられるというふうな御用意がおありになるのか、それから大型タンカーというと、十万トン級以上を大型タンカーというふうに通念の上で指すようでありますが、十万トン以上の大型タンカーに対しての内海航行というものを規制するという方向を行政指導上打ち出される御用意があるのか、その点を端的にお答えいただいて、それで私は終わります。
  223. 隅健三

    ○隅政府委員 今後ともこの点につきましてはさらに慎重に検討を続けまして、それぞれの大型タンカーの運航の実態というものを十分見詰めて対策を立てたいというふうに考えます。
  224. 土井たか子

    ○土井分科員 終わります。
  225. 内海英男

    ○内海(英)主査代理 これにて土井たか子君の質疑は終了いたしました。  次に、田中昭二君。
  226. 田中昭二

    田中(昭)分科員 本日は、私は福岡空港の問題をまず質問いたしますが、限られた時間でございますので、簡潔にお願いしたいと思います。  第二次空港整備五カ年計画によって福岡空港の整備をおやりになったと思いますが、いままでの投下されました金額並びにどんな整備がなされたか、御説明願いたい。
  227. 中村大造

    中村(大)政府委員 お答え申し上げます。  福岡空港につきましては、滑走路の施設の改良あるいはターミナル地区の整備、保安施設の整備というふうな、第二次五カ年計画の中で策定いたしました事業を四十六年度以降着実に進めてきておるわけでございまして、五十年度までにほぼ九割方の事業は完成をいたす予定でございます。  金額につきましては、四十六年度以降五十年度予算まで含めまして約五十七億、こういうことでございます。
  228. 田中昭二

    田中(昭)分科員 五十年度で終わる第二次空港整備で、それでは全国の空港整備計画の進捗状況といいますか、どのくらいの進捗率でありますか。また、福岡空港が九割だとすれば、あと残された一割はどういうものなのか。
  229. 中村大造

    中村(大)政府委員 第二次五カ年計画のこの全体でございますけれども、これは現在のところの試算によりますと、約七八%弱ということに相なろうと思います。  それから、福岡空港であと残っております工事でございますけれども、これは駐車場の工事でございまして、これが用地買収にやや手間どったいきさつがございまして、現在工事に着手いたしておるわけでございます。ただ、五十年度中に完成を見ないということで若干おくれているということでございます。
  230. 田中昭二

    田中(昭)分科員 大臣、福岡空港はおかげさまでいまのような整備が進んでおりますが、これが民間空港として九州、西の方では一つの大事な空港として米軍から返還されて三年になるわけでございますが、いま整備が何か一割ぐらい残っている、それは、駐車場を主にやれば終わるのだというような理解をしなければならぬような御答弁だったのですが、大臣も現状を御存じだと思うのですが、いまだもって終戦後の米軍の施設がいまの空港の反対側の西側の方にありまして、これはもう戦後三十年たった老朽建物がそのまま放置されておる。これはもう空港としての美観よりも、ある場合には幽霊屋敷みたいな大変危険な状態もあるかと思われますが、こういう整備は一体いつ行われるのか、またこれは跡地計画とも関係があると思いますが、その点の御説明をひとつお願いしたいと思います。
  231. 中村大造

    中村(大)政府委員 先生指摘のように、この福岡空港の整備につきましては、返還の後に、地元の非常に強い御要望によりまして、まず東側の地区を整備してみたわけでございます。この東側の地区についての整備といいますと、用地上これ以上の整備は非常に困難なわけでございます。したがいまして、将来必要に応じまして地元との調整も図りまして、西側の地区を含めまして空港全体の利用計画を検討してまいりたいというわけでございまして、西側地区につきましてはもうすでに不用になった建物があるわけでございますけれども、これは返還後逐次撤去いたしており、今後も引き続き撤去は行いたいというふうに考えております。ただ、全体の数から申し上げますと、まだこれが非常に進んでおるということは言えないわけでございます。
  232. 田中昭二

    田中(昭)分科員 いま西側のことについてちょっと触れられましたが、現状は、先ほどあなたが福岡空港の整備としては一割ぐらい残しておるだけだというような御答弁があった。そこで、空港全体から見ますと、いま私言いましたように、終戦後から残っております米軍の建物、そういうものはそのままでありまして、素人から見ますと大変なまだ未整備といいますか、完全ではないというような状態があるわけでございまして、そこで問題は、そういう古い建物があったりする中で、空港周辺のいろいろな民家に対しては騒音とか航空上の障害になるといって、移転とか取り崩しとか、そういうものが行われておる。肝心かなめの福岡空港の滑走路に近い方の古い建物の化け物屋敷みたいなものはそのままにしておいて、空港以外の周辺の民家の方を早く撤去しようという、そういう姿勢がどうだろうか、私はこう思ったからお尋ねしたわけです。その辺のことでもう一遍航空局のお考えをお聞きしておきたいと思います。
  233. 中村大造

    中村(大)政府委員 騒音対策としてのこの周辺の整備ということは、私どもとして主としてこれを居住地としてそれにどのように適応させるかという観点から行っておるわけでございます。  御指摘のように、西側の地区につきましてこれをどうするかということでございますけれども、一応私どもの考えております騒音対策というものとは切り放して考えざるを得ないのではないかと思います。
  234. 田中昭二

    田中(昭)分科員 航空局長さんもおかわりになるものですから、私、三年前ごろからこの空港が民間空港として返還になったときからいろいろな計画を聞いておりますけれども、そういう問題にはひとつもお触れにならないものですから、まあそれは何かの事情があってお触れにならないから、ここでいわゆる現場の認識というのが少し足らない点があるのではないか、また現場の住民の考えというものの認識が足りない点があるのではないか、私はこう思います。  これはまた別に議論することにしまして、次に私、民間空港ということを先ほどから言っておりますが、この民間空港の中に米軍の施設があります。これをひとつ施設庁の方からお見えになっておればお答え願いたい。
  235. 奥山正也

    ○奥山説明員 ただいまお話のございました西側地区でございますが、そこに米軍施設がございます。一つは通信のための施設でございます。それと隊舎などがございます。もう一つは滑走路でございますが、これは一時使用の施設といたしまして地位協定の二条四項(b)という形で使用しておるというのが実態でございます。
  236. 田中昭二

    田中(昭)分科員 次に、自衛隊もここにおります。自衛隊の規模それから使っている状況をお答え願います。
  237. 友藤一隆

    友藤説明員 福岡空港におきます自衛隊の離発着は、昭和四十九年の一月から十二月までの間でございますが、約二千五百回程度離発着が行なわれております。機種としてはT33、それからYS11、T34、バートルの107等でございます。それらの航空機は、航空自衛隊の西部航空方面隊の支援飛行隊あるいは輸送航空団等に所属しているものが大部分でございます。そのほか、航空救難団であるとか、陸上自衛隊のものであるとか、そういうものがございます。
  238. 田中昭二

    田中(昭)分科員 常駐しております飛行機の機数と隊員の数はどのくらいですか。
  239. 友藤一隆

    友藤説明員 常駐いたしておりますのは西部航空方面隊の司令部の支援飛行隊でございまして、所属機はT33が三機、それからT34が二機でございます。
  240. 田中昭二

    田中(昭)分科員 航空局は民間空港としてのこの空港を管轄しておると思いますが、いまのそれぞれの御答弁につけ加えるか何かございませんか。そういうことは御存じですか。もちろん、御存じと思いますが。
  241. 中村大造

    中村(大)政府委員 それぞれの機関からの御報告によりましてわれわれはその概要を承知しておるということでございます。
  242. 田中昭二

    田中(昭)分科員 内容承知しておるのでしょうけれども、それでは内容承知しておれば民間空港にこういう米軍の施設——いま施設庁の方から隊員の常駐はお話はなかったのですけれども、自衛隊機がいま二千五百回も離発着する。自衛隊機も常駐機は違います、私が確認したところでは。だから、私強いて監督の航空局に聞いたのです。それはだれが報告するか知りませんけれども、飛行機が常駐すれば見えるのですから、はなはだそういう現場認識がないことについては遺憾に思います。それでは本当の航空の安全と民間空港としての使命は果たされません。  一応申し上げておきましょう。私が一月六日に空港に参りましたときには、自衛隊機は全部で九機見受けました。その日はC1、C1というのは大きな輸送機です。これは米軍かもしれません。YS、そういうのが発着しております。そのときは当然民間機は飛べません。こういう実情は指摘されなければ——指摘してもいまのようにあやふやなんですね。確認されますか。ことしの一月六日に米軍機、自衛隊機がどういう発着をして、どういう常駐の状態で、機数とかその他把握しておりますか、把握してあればお答え願いたい。
  243. 中村大造

    中村(大)政府委員 一月六日当日の常駐機数あるいは発着機数それぞれについてどのようであったかということについては、現在ここに資料を持ち合わせておりませんので、後刻調べまして御報告申し上げます。
  244. 田中昭二

    田中(昭)分科員 そういう状態ですが、もうこれで時間をとってもあれですから次に移ります。  福岡空港がせっかく長い市民の願いによりまして返還されたのですが、いま申し上げましたように米軍、自衛隊の施設が残っておるということは、これはやはり住民としては余りいい感じはしません。そればかりか、先ほどから問題にしました米軍の跡地がまだそのまま三年間も放置されているという状態、そういうものを見ていますと、だんだん民間空港が米軍並びに自衛隊の転用といいますか、使用といいますか、こういうのが既定の事実になって大変心配もあるわけでございます。  先ほど私が申し上げましたように、常駐機以外の自衛隊機もそこに姿があるということ、それからいろいろな米軍機の大型機、こういうものが飛来することによって民間の航空が圧迫されておる、これは大変な問題だと思いますが、このような福岡空港の状態、また今後の福岡空港の重要性、国際線も定期便が飛ぶようになっております。国際空港というといろいろな問題がございますけれども、そういう状況の中で、大臣、今後この福岡空港をどういうふうに位置づけて、いかに整備していかれるのか、お聞かせ願いたいと思います。
  245. 木村睦男

    ○木村国務大臣 いままでのいきさつがございまして共同使用のようなかっこうに現在なっておるわけでございますけれども、何と申しましても福岡空港はわが国の一番西の国際空港という非常に大きな使命を持っております民間空港でございます。したがって、この使命からもやはり将来にわたってさらに一層整備して十分なものにしていかなければならないと思っておりますので、その方向で今後福岡空港を民間航空の使用を中心とする空港に逐次育てていきたいと思います。  いま御指摘のように、駐留軍時代の施設が残っておるとかいろいろあるようでございますから、これらにつきましては防衛施設庁その他と十分連絡をとりながら、民間航空の使命を少しでも十分に果たし得るような空港に持っていきたいと思っております。
  246. 田中昭二

    田中(昭)分科員 航空機の大型化等とかいろいろな問題がございまして、もしもの事故がございましたら大変な人命の損傷等も行われますし、そういう意味からもいまの大臣の御発言の方向でりっぱな民間空港、国際空港として整備していただきたい。大臣がおかわりになってもその方向だけは変わらないということをきょうはひとつ確認しておきたいと思います。  そこで、次に海上保安庁でございますが、この福岡空港に海上保安庁の福岡基地を設置なされたわけでございますが、最近、タンカーの衝突、石油の流出、こういうふうに大変海難事故が多くなっております。これらを監視、早期発見するための航空基地が置かれたことは大変喜んでおるわけでございますが、全国に配置されております海上保安庁の航空機も職員も大変少ないようでございまして、思うようにいかないようでございますが、福岡培地に配備されました航空機のうちの一機がいまのところないのです。福岡空港には二機あるようになっている、ところが一機しかないのです。どうしてですか。今後どういうことをしていかれますか。
  247. 隅健三

    ○隅政府委員 いま先生おっしゃいましたように、福岡航空基地は、四十九年十二月一日から福岡空港に海上保安庁の基地を置きまして、十二月五日にビーチを一機持ってまいりました。四十九年度予算におきましてはベル212と申します最新鋭のヘリコプターが福岡航空基地に配備される予定でございます。このヘリコプターにつきましては、実はカナダの発動機製造工場がストライキに入りまして、予定よりもおくれております。われわれといたしましては関係方面を通じましてこれを急がせております。納入され次第、福岡航空基地に配備するというように考えております。
  248. 田中昭二

    田中(昭)分科員 四十九年度末に、いまの御答弁でもわかりますように、二機あるものが一機しかない。しかし、アメリカに注文しているヘリコプターの発動機が云々という話がありますけれども、これでは、たとえばいまビーチクラフトが一機あるそうでありますが、これはただ飛んで監視するだけで実際の救助なんかには役に立たないのですよ。いままで第七管には飛行機がなかったわけでございまして、広島第六管には六機もあったわけでございますが、こういうふうな点で監視海域と言いますか、そういうものから見れば、第六管には六機もあって九州には全然なかったのが二機配置になっておるように載っておるのだけれども、実際は一機しかないということについては大変遺憾に思うのです。大臣いかがでしょうか。
  249. 木村睦男

    ○木村国務大臣 七管の管内に現実に一機しかないということは、私もいま初めて聞きまして、大変おかしいなと思っております。しかし、いま保安庁次長が説明いたしましたように、もう一機の予定がおくれてはおりますけれども、入りますと最優秀な新鋭機であるわけでございますので、機能としては非常に性能のいいものが配属になるわけでございます。今後保安庁の業務から言いまして、航空機の整備は非常に必要なことであると私も思っております。毎年の予算で少しずつふやしておりますけれども、何せ全体の枠が抑えられております上に飛行機は単価が高いものですから、一生懸命努力しておりますけれども思うようにいかない、しかし今後努力いたしていきたいと思っております。
  250. 田中昭二

    田中(昭)分科員 つけ加えておきますけれども、これは福岡だけじゃなくて、ほかの基地でもあるようになっておるのがないのがあるのです。こういうものは全国的視野に立ってひとつ整備されるものはきちっと整備して、国民の生命財産の安全のためにがんばっていただきたいと思います。  次に、国鉄にお尋ねしますが、新幹線がいよいよ博多まで開通になります。それに伴い岡山から博多間におきましても大変公害の問題が起こっております。それなりに国鉄も対処されておるようでありますか、まだ最終的には公害の未解決が多うございます。  そこで、二、三お伺いしますが、まず終点であります博多に膨大な、いままでないような車両基地をつくりました。これをつくるときにも、私、運輸委員会で御説明も受けたりいろいろ検討した。その車両基地が大変な文化財がある所にできておりまして問題もあったわけでございますけれども、これも新幹線法の成立のときに私いろいろ議論しましたことがまだ約束が果たされてない面もあります。それはさておきまして、車両基地におきますいわゆるごみ処理、これがまた大変な問題を起こす可能性がある。ごみ処理についてはそれぞれ計画実施を予定されておるようでございますが、たくさんございますけれども一つ取り上げてみれば、車両基地の中でごみを焼くわけですね。焼けないものもあるわけです。焼いたものの灰も残るわけです。この捨て場について、関係町村も大変、現況でも地域から出るごみが処理できない状態で、国鉄は、その不燃物ごみ等は、何か聞くところによりますと業者に任せて処分すると言っておりますけれども、業者に任せますと、そういうごみをまたどこに持っていくかわからない。そういうこともありまして大変困っておりますが、時間もございませんから、こういうごみは国鉄自身が廃棄物処理は事業者負担で行うというのが、これはもう原則だと思います。そういう意味に立って国鉄自身が責任を持って解決すべきであると思いますが、いかがでしょうか。
  251. 内田守

    内田説明員 先生のおっしゃるとおりだと思います。それで、この問題につきましては福岡市あるいは那珂川町とよく相談をしまして、国鉄の責任において処理するように今後協議を続けてまいりたいと思います。
  252. 田中昭二

    田中(昭)分科員 ここで言葉で責任を持ってやると言われましても、現実はごみを市にしても那珂川町にしても持っていく場がないわけですよ。だから業者に任せて処理しようとなさっておる。そうすると、また業者は、いま言ったように捨て場がないのですから、どこに捨てるかわかりませんよ。もう少し責任を持ってやるということは、そういう捨て場でも確保して、そしてやるという方向に御検討願わなければ困ると私は思いますが、いかがでしょうか。
  253. 内田守

    内田説明員 確かに先生のおっしゃるとおり、いまの状態ではそういうことでございまして、捨て場について地方自治体とよく協議をいたしまして、円満な解決をするような方向で努力をいたしたいと考えます。
  254. 田中昭二

    田中(昭)分科員 では、私の言う方向で解決していただくということで了解しておきます。  次に鹿児島本線の問題でございますが、私も昨年、鹿児島本線に新駅をつくってくれという要望があるが、これについてはどうかというようなことをお尋ねしましたところが、大変困難な状況で、新幹線の開通を見てというようなお話もあったわけでございます。総裁も御存じかどうか知りませんが、福岡県の宗像郡に東福間という所がございまして、そこにもう十年くらい前から用地をちゃんとセットしてありまして、大変その辺の地域に住宅ができまして要望が強いわけでございます。そういうことで昨年お尋ねしたわけですけれども、そのときははっきりしないために一年は過ぎたわけでございますが、最近になって地元ではこれが、新駅が設置が決まったと、関係の町、それから県並びに期成会等においては本決まりになったということで、大変新駅の設置の早からんことを期待して喜んでおるわけでございますが、この新駅設置についての今後の取り組みと建設計画の概要でもわかっておればお聞かせ願いたいと思います。
  255. 伊江朝雄

    伊江説明員 昨年もたしか同じような御質問を承りましてお答え申し上げたのは、先生指摘のとおりでございますが、実はお言葉を返して非常に申しわけないわけでございますが、はっきり決定をいたしたということではございませんで、あそこは私もよく存じている所でございますけれども、沿線に非常に団地造成が多くなってきております。その事情の変化に応じて私ども対応するという態度は決めております。したがいまして、いつ幾日、どういう規模で駅をどの辺につくるという具体的なことは、実はまだ決まってない、しかし態度につきましては、付近の事情の変化に応じてそれに対する措置を講ずるということは去年よりは前進だと思いますけれども、具体的にはまだ申し上げられる段階ではない、かように思います。
  256. 田中昭二

    田中(昭)分科員 総裁、そうしますと、現地ではこの新駅ができるということでどんどん報道されて、そういうことと、本社のいまの担当の方のお答えではちょっと心細いような感じがするのですが、国鉄もずうたいか大きいから——これはごく最近の県議会でも問題になって、はっきりと知事も答弁して、知事も期成会の会長なんですよ。全然そういうことがまだはっきりしない段階でそういう決まったというような報道がなされることはないと私は思うのです。その辺、どんなものですか。
  257. 伊江朝雄

    伊江説明員 総裁にお尋ねでございますけれども、ちょっと舌足らずの点がございましたので、補足させていただきますが、地元では確かにそういった説が流れております。それは、私どもが現実に周辺の事情の変化というものを認識をしまして、そしてやはりつくるとなるとどういう規模でつくろうかという非公式な話はもちろんいたしております。その段階での地元の御反応が、いま先生の御指摘の決まった決まったという声になったという事情ではなかろうかと私は存じます。しかし先ほどもお答え申し上げましたとおり、非常に周囲の事情が変化いたしておりますので、何らかの形でこの実現に努力はしたいと思っておりますけれども、まあこの種の問題は予算上の問題もございますし、したがいまして、いつの時点で、どういう形で、どういうふうにつくるというところまでの詳細はまだ申し上げられない、こういう意味でございますので、補足さしていただきます。
  258. 田中昭二

    田中(昭)分科員 どうもここで申し上げたことによって、かえって後退したような感じで、私困るんですけれども、つくってくれという期成会というのがあるんですね、総裁。そこの会長さんが公式の場で、現場の門司鉄道管理局ですかの方で大体つくるということは決まったんだと、その条件はいろいろありましょうけれども。その辺はどうも私は納得いかないのですが、総裁から一言、決まったら決まっただけでいいのですよ。概要がわからなければ、条件は何だと言いますけれども、条件を申し上げるのだったら、私はいままで県議会でいろいろ議論されたことをもう一遍ここに持ってきて、きょう持ってきてないのですけれども、別な運輸委員会なり何なりでお聞きしなければいかぬと思いますが、どうでしょうか。
  259. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 お答えします。  昨年御質問になったときは、おそらく本線の線路の容量と申しますか、それがいっぱいになっておって、にわかにそういう駅はできないというお答えをしたはずでございますが、最近そういうお話がございますのは、新幹線が博多まで行ったから線路はあいてきたはずじゃないか、よって、できるだろうということが根底になっていると思いますけれども、要するに、真ん中のはこれは通勤駅でございまして、いつの時間帯で昼は線路があいだがら、それっと言っても、朝、夕の通勤時間帯に列車を設定しなくちゃ意味がないというようなことでございますので、しからばその駅を御利用になるその団地そのものは、いまは御承知のように全部が建っているわけでない、漸次拡張しつつあるというような状態でございますので、この団地の完成と見合わせて駅をつくります、こういうことでいかがですか。
  260. 田中昭二

    田中(昭)分科員 時間がないので、総裁の、つくりますということを信じて、この議論は終わっておきます。  先ほどから言いました公害の問題でございますけれども、もう一つ具体的に申し上げておきますが、博多駅のすぐ手前に吉塚という所がございまして、ここが新幹線建設工事で、ここ二年ぐらいの間に、吉塚地区の東吉塚地区というのですが、その辺の人が大変迷惑を受けております、地下水が枯れた、病人が出た、何があった、かにがあったといういろいろなことで。いずれこれは、そういう住民に迷惑をかけたんだから、何らかの補償なり手当てなりあるだろうと思って、いままで黙ってきた。ところが、開通する段階になって、そのほかで、やれ騒音だ、やれ何だといって、やいやい言った所には国鉄はそれなりに手当てをしたけれども、迷惑を受けて黙っておった所はそのままにしていくということで、いまこの東吉塚地区の人たちが深刻なる問題を抱えて、住民運動、住民大会、陳情、署名をやって市並びに県当局にも行っているわけでございますが、これは当然迷惑をかけたものについては国鉄当局は責任を持って、その要望の全部はどういうものかはわかるわけでございますから、ひとつ解決してもらいたいと思いますが、いかがでございましょうか。
  261. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 御指摘のとおりでございまして、おそらくその被害というようなものは、新幹線工事による振動によって家が狂ったというような問題、あるいは渇水の問題というようなものが中心をなすものと思いますが、明らかにこの国鉄工事のためにそういう被害が出たということは、これは国鉄の責任なので、補償か何かしかるべき措置をとるのが当然でございまして、大体二月いっぱいくらいに、金額とかなんとかで交渉を続けておるのでございますが、解決をしたいと思って努力をいたしておりますが、大体新幹線が走るまでに何とかかっこうをつけたい、かように思っております。
  262. 田中昭二

    田中(昭)分科員 総裁からそういう大変温かい解決の御決意を聞いたわけですけれども、現場ではまだ遅々として進まないということで住民の感情は余りよくありません。どうか、迷惑をかけたものについては早く手を打っていただくということをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
  263. 内海英男

    ○内海(英)主査代理 これにて田中昭二君の質疑は終了いたしました。  次に、大出俊君。
  264. 大出俊

    大出分科員 二つ三つ承りたいことがあるのでありますが、けさからたくさん質問がすでに出ているのだとは思いますけれども、どうも被害者の一人ですから一言言っておかなければならぬのですが、新幹線です。これはもう次々に出ている問題だと思いますけれども、これはひどいもので、私は、国鉄労働組合なり動力車労働組合なりのそれなりの主張というものをよく読んでおりますから、そういう論点はわきまえた上でありますけれども、ともかく現状放任ができない。私の資料によりますと、昨年の七月一日から八月十日までの四十一日間で、ダイヤどおりに走ったのはわずか十六日しかなかったという、これは確かに冷厳な事実であります。最近また何ともいたし方ない状況でありまして、昨日も、実は予算の分科に間に合うようにあわてて港北の菊名のそばの新横浜、あそこに飛んでいって東京へ戻ろうと思ったら、これはまた五十分遅延だということで、しょうがないからあわててもとへ戻って東横線で東京へ出てくる。当てにならぬどころの騒ぎではない。これで事故でも起こったらえらいことだ。  ところで、収入を調べてみると、収入は四十七年度二千五百十三億円、純利益で千二百六十二億円あるのですね。新幹線それ自体考えれば五〇%ばかりの利益。したがいまして、これは皆さんの方で、もう少し、抜本的にどうするかという、そこらのところをお出しいただけないかという気がするのです。昨年は徳永運輸大臣が国鉄の総裁にいろいろものを言った時期もあったようでありますけれども、当面どうお考えでございますか。
  265. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 御指摘新幹線の事故は、多発と申しますか、はなはだ申しわけないと存じておりまして、徳永運輸大臣からもこれを整備するような命令を受けて、われわれとしても、ある程度の安心のいく点までは、御承知のように昼間のインスペクションも四たびくらいやりましたけれども、ああいうことが効果があるということが確認されれば今後もやりたい、かように考えている次第であります。  先ほど、新幹線は非常にもうかっているので、もう少し金かけたらどうだという御議論は、ごもっともでございますけれども、実は国鉄新幹線山手線以外は全部赤字でございまして、新幹線のもうけた金はみな赤字線二万キロに流れているということなんで、国鉄の再建をいかにするというような問題にも絡む問題でございますけれども、にわかに現在の状態では、新幹線がもうけたから新幹線に使ってしまえということには相ならぬということは、ひとつ御了解願いたいと思います。
  266. 大出俊

    大出分科員 これで長い議論をする気はないですけれども、丹羽さんが運輸大臣のときでございましたかね、少し突っ込んで国鉄財政あるいは国鉄の機構全般について私は長い時間承ったことがありますけれども、調べてないわけじゃないのですけれども、問題は、新幹線というのは特殊な走り方をいたしております。したがって、これを見ますと幾つかありますけれども、レールの折損から始まりまして、折損は年々増加して、四十七年には六十七件、これは大変なことであります。かと思いますと、ダブル事故で、走行中ドアがあいてしまったことが二度あったというのですね。四十八年八月十五日と四十九年二月十五日、曲線で、一つ間違えば客が落ちるというんですね。運転台には事故現示がない。幸いホームにいた運転士さんが連絡をして、一遍は発見をして直した。あるいは車内販売の人が見つけたというのがもう一件。そうかと思いますと、大阪、これは四十八年二月二十一日でありますが、大阪の運転所から出庫電車が脱線事故。四十一年四月二十五日、豊橋駅通過に際して「ひかり」の床下から火花が落ちる。車軸の折損。四十四年九月十八日の大阪駅での「こだま一二〇号」、これなんかも、事故現示は全くない。二列車が同時に走っている。片っ方が見つけてあわてて停車したという。たくさん起こっているんですね。これだけ速いんですから、雪害や何かでもスプリンクラーあるはずでありまして、だから保守作業等——実は、私の親戚みんな国鉄なんで、京都でございますけれども、おやじからきょうだいから、みんな国鉄ですから、私の家内の里は。いろいろ話してもおりますけれども、これはほうっておけないと。だから、いまのように、新幹線それ自体もうかっているんだが、ほかは赤字だから、これはそっちで使うわけにいかぬ、そう、この……。新幹線という走り方は人が死なないからいいんだという言い方をされた例もここにありますけれども、それは大変に傲慢な言い方になると私は思うんで、そこらは抜本的にそろそろ考えていただかぬと、死ななくたって、大変な時間汽車の中で苦労しているわけです。さっき谷垣專一代議士に会ったら、彼は福知山ですがね、私の家内の里と一緒。同じ日に帰ってきた。いや、もうひどい目に会ったと言って嘆いていました、二十三日だから。私は、あわてて電話をかけて、女房に二十四日に帰れと言って一日延ばさした。二十三日は六十何本運休だ。ほんとに嘆いていましたよ、くたくただと。そういう状態で放任はできないから、何人も聞いているんだろうと思うけれども、抜本的にどうするんだということを承りたい。運輸大臣含めて、いかがですか、これ。     〔内海(英)主査代理退席、主査着席〕
  267. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 お答えします。  新幹線は、申し上げるまでもなく非常にスピードが速いので、新幹線のたてまえは、御承知だろうと思うのでございますが、何かふぐあいがあったらとめるということがたてまえになっておるのでしょっちゅうとまる。さっきおしかりをこうむっているようなこともおそらくそうだと思いますが、開業当初は列車の回数が三十往復か何かで少なかったので、一列車がおくれましてもそれが波及しなかった。しかるに現在四倍ぐらいの列車回数になっているので全部波及するというようなことで、非常におしかりを受けて、まことに申しわけないので、できる限りの手を尽くして、それは、金はほかへ回すから新幹線には金かけられませんということは決して申し上げてないので、必要な金は全部かけていく。しかし、もうかったものを全部使うというわけにはいきませんと、こういうことを申し上げたつもりですが、いずれにしましても安全対策をできるだけ講じまして、これからも、おしかりのあるなしに関せず、安全だけはキープしたい。これは最小限度は安全を確保するということなんでございますので、今後とも一層の努力をしたい、かように存じます。
  268. 大出俊

    大出分科員 車両もあるいはレールも、架線についても、保守作業の外注、外部委託なんかもありますけれども、やはりコンビナートと一緒で、私は京浜コンビナートの中にいますから調べてあるいていますが、新しいんですけれども、四六時中動いているわけでしょう。だから大変に老朽化が早いんですね。そこらのこともやはり考えて、金をかけるべきものはかけるということでなければ本当の安全は保てないという気がする。組合側の主張もそこにあります。外注だって、季節労働者を集めるといったって集まらぬというわけですからね。そうでしょう。だから、そこらのところを実はお気をつけいただきたい。いかがですか。
  269. 木村睦男

    ○木村国務大臣 先ほどの問題も含めてお答えいたしたいと思うのですが、本当に新幹線が昨年あたりから事故が非常に多い、私もきわめて残念に思っております。いま新幹線事故といいますか、故障といいますか、私は必ずしもレールとかあるいは列車とか、そういうものの物理的な故障ばかりではないと思います。同時にやはり点検整備、これをもっと注意をしてやる、つまり機械の方の整備もやらなければなりませんが、従事する人のやはり熱心な点検等、両方が必要だと思いますので、私はそういう意味で、今後新幹線の故障のあるいは事故の防止にはこの両立てでいかなければならない、かように思って、国鉄にもよく申しておるようでございます。
  270. 大出俊

    大出分科員 これは大臣、そこまでお話が出たから一言つけ加えておきますが、この資料を見ますと、保守というのはみんな外注、作業は九五%は外部委託ですね。季節労働者等でありますから、熟練度も要求されるわけでありますが、それもそう完全ではない。夜間作業ですね。したがって、若年労働者が集まらない。したがって、バラスト、道の下ですね、これを締めていく作業なんかも、昭和四十七年を見ると実績約二〇%しかできていない。つまり、そういうところにやはり金をかけなければいかぬ。おっしゃるとおり人の問題もあります。そこらを皆さんの方で思い切ったことをやっていただかぬと、とんでもないことが将来に向かって起こると心配をするのであります。これは私のみならず国民一般が。そこのところを、実は時間がもったいないんだけれども、せっかくの機会だから一言触れておきたいわけであります。御検討いただきたい。  次に、先ほど新駅の問題が出ておりましたが、実は私横浜でございますけれども、品鶴線の延長ですね、品川から鶴見、そしてこれを戸塚まで延ばすという貨物線ですね、荷物線。とんだお荷物をと横浜の市民は言っておりますが、まさに荷物なんですね。八年間ひどい目に遭いましたよ。市長室に座り込まれてしまいましてね。横浜市民を脱退する、離脱すると言うのです。横浜市民をやめるといったって、行政区横浜市の中にいるのですからね。横浜市民離脱宣言。私はこの前の選挙のときも車がとっつかまって、座り込んでおる諸君に取り巻かれて、大出代議士も同罪だということで大変なことになっているわけでありますが、しかし、にもかかわらず決断するところは市長もしているわけでありまして、実はこれ以上やることはないのです。  そこでさて、昨年の私の質問の結果としては、東戸塚というところに新駅をという長い陳情が続いております。横浜市が請願駅式な形で引き取って陳情をし始めましてからも昭和四十一年の四月の九日が初めであります。ここから始まりまして、四十一年九月、四十五年八月、四十五年九月、四十六年の十一月、四十七年の九月、四十七年の同じく九月、四十八年の九月、四十八年の十月、ずっとやってきているわけですね。  この地域は大変な人口増であります。私は三十八年から十二年間衆議院にお世話になっておりますけれども、当時は横浜市民百六十万、去年は二百四十万をちょっと欠けた。ことしは二百五十万をすでに超えてしまった。そういう人口のふえる中心地域なんですね。したがいまして、去年の議事録の結論は、伊江さんでございましたか内田さんでございましたか、お答えになっておりますが、ともかく品鶴線をやらしてくれというわけです。じゃ、そこから先輸送力を増強する、そこから先、東戸塚の駅をということ、ずばりそう言ってしまってはなかなかお答えにくいようでございましたから、物に順序がある、まず輸送力を増強する、つまり新貨物線を何とかやる、その次にということで、そういう理解でよろしいか、そうしたら、そういう理解でよろしゅうございます、こうなっておるのですけれども、この一年で品鶴線問題は横浜市としてはずいぶん苦心をいたしました。これは新聞等にたくさん出たので御存じだと思うのです。したがって、現地に別な問題もありますので、この辺でもうちょっとはっきりしていただきたい、こう思いますので質問するわけでありますが、お答えいただきたい。
  271. 内田守

    内田説明員 横浜市には別線の線増の問題につきましては大変な御協力をいただきまして、われわれとしては非常に感謝している次第でございます。おかげさまで土地収用法の裁決も告示されましたし、それに基づいて着々と現地の工事も進んでおります。したがって、私の方の工事完成見込みといたしましては、土地収用法の裁決が全部済みましてそれから約二年というふうに考えております。  新駅の問題につきましては伊江常務の方から……。
  272. 伊江朝雄

    伊江説明員 先生の先ほど御指摘のとおりでございまして、やはり品鶴線のこれができた暁に考えたいということでございます。したがいまして、それまでの間お約束でつくるということにはなりませんので、つまり向こうの新しいルートができて、輸送力が増強したらできるというふうに私どもは御答弁申し上げたと思います。したがいまして、できる前に駅をつくってしまうというふうに御理解いただいては困るということだけを申し上げておきます。
  273. 大出俊

    大出分科員 私の申し上げているのは、いまこういうことになっているんですね。国道一号線というのがございます。保土ヶ谷という駅が、横須賀線の駅でありますがございます。その隣が戸塚でござります。その先が大船、御存じのとおり。大船から分かれて横須賀に行く、こうなっているわけですね。  そこで、一番の保土ヶ谷の駅から戸塚に行く国道一号線、ここに建設省の直轄工事もございましたがバイパスが二つ、保土ヶ谷バイパス、横浜バイパス、二つこうできている。狩場町インターというところから中心が開通しているわけです。ところが、この種のバイパスというのは先までできてしまわないと、十六号線を避けてそっちへ入ってくるのがやたらふえるものですから、元町橋という保土ヶ谷−戸塚の中間でございますけれども、東戸塚駅がないんですから、バスに乗っかって保土ヶ谷の駅まで来る二・二キロ、二・二キロですから本当に短い所ですが、それでも四十分からかかる。一つ間違うと一時間、保土ヶ谷警察に文句が殺到する。警察もしようがない。私も署長に話しましたら、わが警察は大変被害者でございましてと言うわけですね。それでしようがないからバスレーンをつくった。朝の七時から七時半までバイパスをとめまして、バスレーンをつくった。何とかそれで輸送している、こういう状況なんですね。そうしたら今度、とめたら、向こう側に左近山という団地があって、こっちも大変な人口でございまして、そっちの方が前の国道一号とあるいはそれ以上の実は混雑に今日なっている。何とかしなければ飽和状態。かと言って、憲法上横浜市民になっちゃ困ると言って追い出すわけにいかない。  そうすると、この現実をとらえれば、やはり先にこうなるんだという見通しがなければ、住んでいる人は住みにくいわけですよ。毎日人はふえるんですから。年間十五万ぐらいふえちゃうんですから、この地域は、全部で。  だから、そういう意味ではひとつあなたの方でも東戸塚の駅なら駅を、横浜市長名にして四十一年四月からこれだけずっと陳情しているわけですから、請願駅なら請願駅でもいいと割り切って皆さんのやつを全部市長が一括、代理に助役を出して皆さんのいる前で受け取って——ですから、そこらをまずはっきり、東戸塚の駅をつくる必要があることをお認めをいただきたい。そこからの話にしていただきたいのですが、いかがですか。
  274. 伊江朝雄

    伊江説明員 戸塚地区の状況は私どもよくわかるわけでありますが、結論を申し上げますと、やはりあの地区の方々は、東戸塚を新しくいま近々のうちにつくりましても、結局同じ方が分散するだけの話だと思います。したがいまして、道路規制その他で非常に御不便をなさっていらっしゃると思いますけれども、先ほど内田常務が申しましたように、あと二年間のごしんぼうをいただければ、私どももその趣旨に沿いまして輸送力の増強をいたしませんと、やはり一カ所にお客様が集中するということを避けたいと思うわけであります。したがってバスその他で非常に御不便をかけますけれども、分散していただくというかっこうの方が東海道の現状からは、しかもあの横須賀線と湘南電車が一緒の線路を走っている状況から言いますと、やはり分散していただかなければいけない。つまり分散していただくということは、結局横浜に行けばたくさんの人が入れかわってしまう、こういうふうな事情を頭においてのことを申し上げているわけでございまして、それぞれ分散をしばらくはやっていただかないと私の方もどうにもならぬ、こんな状況でございます。
  275. 大出俊

    大出分科員 私も去年もちょっと触れましたが、官庁育ちでございますから理屈がわからぬわけじゃない。郵便なんかだって同じことで、ポスト一つよけいつくったって、その地域の住民が減ったりふえたりしない限りは出す郵便の通数というのはこれは同じなんです。こっちのポストへ持っていくか、あっちへ持っていくか、真ん中へ持っていくしかない、そうでしょう。こっちのポストは遠いからここにポストをつくってくれ、こう言う。行程二十キロあれば一人配置という決まった基準がある。そうするとそれには人も要る、定員配置もしなければならぬ、取り集めの配置もしなければならぬということなんですけれども、郵政省のふところ勘定からいけば少ない方がいいのだ、ポストというのは。人の配置も要らなければ施設も要らなければ、出てくる通数は一緒なんだから、採算上は変わらないのだから、そうでしょう。だが、しかし、問題はそれで済むのならいいんだけれども、行政サービスというのはそれでは済まない、済まないところに新駅をつくれという問題が出てくるわけですよ。だから私どもは、貨物線をつくったら分散する、複々線化するのですから、それは百もわかっている。だが、しかし、いま住んでいる状況、つまり横浜駅—保土ヶ谷駅、保土ヶ谷駅—戸塚駅というのはうんと長いのですから、これは。そうだとすると、保土ヶ谷という駅があって、大変長い戸塚駅との間に駅があってもおかしいことはない、どっちかに行くのはうんと時間がかかるのですから。国道の場合なんて国道がいきなり二つになるのじゃない。十六号だって一号だって変わらないのだから、広げようがないのだから。そうだとすれば、その大変な通勤ラッシュというものを考えれば駅を一つつくらざるを得ないというそこに問題があるのですよ。あなたが言っている二年間待てというなら待ったっていいんだ、これは。いいんだけれども、これだけ苦心して横浜市だって片や貨物線問題の解決をと、市長はぶったたかれたってやっているわけでしょう、さっきおっしゃいましたが。だったらば市長が同じく住民の実態を考えて、ここに駅が一つ欲しいと言って、請願駅であってもいいといって国鉄に物を言っているのたから、行政長官がそう言っているのだから、そこらのところにあなた方乗っていただきたいのだ、私は。だから東戸塚というところに駅を考える、そしてその駅の設置の時期という問題は、これは後から相談をすればいい。あなたが二年待てと言うならばまた説明していただけばいい。いかがでございますか。わからぬことを言っているのじゃない。
  276. 伊江朝雄

    伊江説明員 仰せのとおりいろいろと地元とも御相談申し上げていきたいと思っております。
  277. 大出俊

    大出分科員 つくるつもりがあるのですか、ないのですか。
  278. 伊江朝雄

    伊江説明員 先ほど先生指摘のように、やはり人口増というのはひどいと申しますか非常に急カーブだと思います。新しく新駅をつくりました場合でもやはり相当の利用客はあると思います。したがって、そういう事態も踏まえまして今後の推移も見なければなりませんし、やはり地元の横浜市と、この問題だけじゃございませんので、ずっと御相談申し上げていきたいと思っております。
  279. 大出俊

    大出分科員 この東戸塚品濃地区というのですけれども、最初あなた方のもっと直接的におやりになっている官庁の方々と話をしたときに、相談をさしてくれと、てっぺんまで相談をするというわけですな。そして何を言ったかというと、品濃地区の都市計画、区画整理、これは必要だというわけですね。まあいろいろありましたが、市も最終的には住民の意思に乗って区画整理に大変な努力をした。区画整理を全部やったわけですね。さて請願駅たら一体幾ら金がかかるのだという計算も実はしたわけですね。そこらは皆さん知っているわけです。そうなっているのにつくるかつくらぬかわからぬということがあっては、これはおさまらぬです、ここまで来ると。片っ方の貨物線品鶴線の延長という問題でさんざもめているわけですから。ここにドラムかんから石油かんから置いて、皆さんが来れば、子供さんが張り番していて、ひっぱたいて人が集まるところまでやっているわけですから。そうでしょう。そういう中で問題を進めているわけですから。だからやはり時間がかかったってそれはやむを得ぬ。やむを得ぬけれども、つくるのかつくらぬのかというのをはっきりしてくれぬと、じゃ何のために区画整理に苦労したんだ、地域住民にすれば、協力をしたんだ。片っ方に貨物線の問題がある。だがしかし片方のこの問題との関係でということをあなた方は暗におっしゃるから、努力もしてきているわけです。  そこで、ここまで来て、さっきおっしゃったように、横浜市としてのやることは一つ済んでいて、それでまだつくるのかつくらぬのかという点についてはっきりしなくちゃ筋が通らぬじゃないですか。いかがでございますか。そんなむちゃくちゃな話ないじゃないですか。
  280. 伊江朝雄

    伊江説明員 筋が通らぬというお言葉でございますけれども、実は駅をつくりますその沿線の陳情がまだほかにございまして、やはり駅をつくりますときに、はっきりわれわれの輸送の体系が整う段階においてこそ、こちらはつくる、ここはつくらないということがはっきり申せると思うのです。先生指摘の所は東戸塚のお話だけでございますけれども、私どもの方にはまだほかに駅がございまして、両方に同時にどういう返事をするかということが実はまだ申せない事情にあるわけでございます。その辺のところをひとつ御理解賜りたいと存じます。
  281. 大出俊

    大出分科員 それは去年私が指摘しているじゃないですか。品川から出ていくほかにも多摩川の方に、あっちの方の住民の方々だって物を言っている。そんなことはわかっている。しかし地域が明らかに違うのです、これは。そうでしょう。何もてんびんにかけなければならぬ理屈はない。そっちはそっちで考えればいい、あなた方のさっきも言った筋で。そうでしょう。だから私の言っていることは、わからぬからじゃない。去年は先生そこまでよく御存じなんですからということで、あなたそれ以上言わなかったでしょう、私の方から物を言ったから。わからぬから言っているんじゃない。だから関連のあることはわかっているんだが、先生そこまで御承知ならば失礼いたしましたとあなたは言い直されて、品鶴線の延長を、これ早いところ何とかしてください、複々線化で一生懸命ここからここまでやっているんですけれども、まだ目鼻がつかない。だからあなたはしきりにそれを私におっしゃった。それはやりましょう、その上で東戸塚駅をつくる、こういうふうに理解していいかと念を押したら、先生そういう御理解でよろしゅうございますということなんだが、えんきょくにあなたはお認めになったんだが、そこのところをもうちょっと、一年たったんだから、やることはやったんだから、苦労してるんだから、市長選挙でまたそっちの方から市長候補が出るなんという騒ぎになっているんだから、そのくらいはっきりしてくれなければ、さんざん私に骨を折らしてだめじゃないですか。
  282. 伊江朝雄

    伊江説明員 前回のお答えを繰り返すようでございますけれども先生の御理解のとおりに考えてよろしいかと存じます。
  283. 大出俊

    大出分科員 いや、私の理解というのは、片一方片づいたわけだから、工事は進んでいくわけだから、これだけの政治的な問題を含めたやりとりになってきているわけだから——順番がある、順番は認める。つまり片方のやつが進行する、こっちには駅ができるという理解、だからそれでよろしいか。言い直しますがね。よろしゅうございますか。
  284. 伊江朝雄

    伊江説明員 そのように努力をいたします。
  285. 大出俊

    大出分科員 これは去年より一つ進んでいるのですよ。議事録をお読みください。いいですか。片方の工事は進んでいく、こっちには駅ができると言ったんですよ。前回は言っていないのですよ。順番について私は理解をする、そういう順番があるというふうに理解すると言ったら、あなたはそういう理解でよろしゅうございますと言った。私はいまちゃんと念を押しておきますが、こっちには工事が進んでいく、こっちには駅をつくるという点については、あなたはその理解でよろしいとおっしゃったんだから去年とは違う。そこから先を言うとあなたの立場が困るでしょうから、私も責めません。時間が三分ぐらいになりましたが、いまの問題は去年の議事録をお読みいただければわかりますが、私もあなたの立場もわかるからなかなかむずかしい聞き方をしているので、そこのところは逆に御理解いただきたい。  そこでもう一つ、昨年十二月二十六日、二十七日にかけて、地震予知連絡会から川崎市元木町という所、ここで震度六ないし五の地震が起こるというので、初めて予知というような形のものが萩原さんから出された。国土地理院が事務局を持っております。方々で質問を続けてまいりましたが、いま大変な騒ぎが起こっているわけですね、この地域は。文化地震と申しまして文化時代に大きな地震が起こっております。それから慶安地震と言いまして慶安の時代に起こっております。明治十三年にまた起こっている。明治十三年の地震は横浜地震という名がついて国際的に有名でありまして、地震学の進展というのは国際的にここから始まったという歴史的な地震でありますが、その都度大変な被害が起こっている。それがきわめて近くに来ているという萩原会長の言い方であります。したがいまして、皆さんのお考えになっているパイプラインの問題ですね。これは京浜−南埼玉間パイプラインの計画、横浜の新興貨物駅から北へ、横浜線、八高線、川越線沿いに、川越市内の川越線南古谷というのですか、この辺まで行く百十キロのパイプライン、もちろんこれは横浜の下につくるのじゃなくこっちの方につくるわけですが、そこはわからぬわけじゃないのですけれども。この問題が地震との関連で、法律を討議した時期がございましたから、地域住民の間にまたいろいろ再燃しておりまして、八王子市の意向の変化等がありましたので、一体こんな時期にまたパイプラインだなんていうことがあったのでは困るということで、また心配が出ている。こういう時期なんですが、当分の間はこのままであるということなのか。何か皆さんは、計画計画だからお進めになると言って着々お進めになる気がおありなのか。そこらいかがですか。
  286. 内田守

    内田説明員 パイプラインの目的はもう先生承知のとおりだと思います。われわれとしては、いまの石油輸送の方法としては非常に安全でかつコストが安いというふうに考えております。それでいろいろの技術の勉強なり研究をいたしまして、いま震度六というお話がございましたが、大体関東大震災は震度六で、その程度の地震には十分耐え得るような構造にするということで、基本的にはこの計画を進めてまいりたいということでございます。地元の横浜市その他沿線の各市町村には何遍もPRしておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
  287. 大出俊

    大出分科員 そのPRが通用しませんで、皆さんも計画をお持ちだからお困りだろう、こう思うのです。ここにもございますけれども、地震の学問の専門家である日大の金子教授等が中心になって川崎市等の公害対策特別委員会などで調査をされている。この辺の地盤というのは非常に悪い地盤が多いものですから、したがって地震の震度五ぐらいが来ますと、その揺れによって土質が粒状化していく、液化状態になる。だからコンビナートは持たぬし、所々方々にいろいろな危険な所がありますが、全部いかぬというデータも出ている。そういう時期でございますから、あなた方は外国の例から言って安全だとおっしゃるけれども、その安全性を信用しないんですよ。冒頭に申しましたが、新幹線だって本当はあんなことになるはずはなかったのですから。だから当分の間皆さんはこの問題をお持ち出しにならぬ、こういうことにしていただきたい。いかがでございますか。
  288. 内田守

    内田説明員 われわれとしては過去相当の勉強をし、調査もしておりますので、技術的な問題につきましては十分の自信を持っております。したがって技術的な問題につきましては、県並びに横浜市にも、いろいろとそういうような機関もございますので、そういう方々ともよくお話し合いをいたしまして、できるだけ早い時期にこれを進めてまいりたいという考えでおります。
  289. 大出俊

    大出分科員 国鉄さん、なかなかうまいのですよ。市内で何かありますと、おたくの用地にかかわったりすると、大黒町の貨物埠頭を広げたいとか、すぐひっかかってくるわけです。その辺のやりとり、取引はなかなかみごとなものだと思って感心しているのですけれども、このパイプだけはそういきませんですよ、沿道の市長さんはほとんど全部が反対なんですから。途中だけつくってあとほっぽっておくわけにはいかないですから。だから、計画だから方針をお変えにならぬというならそれで結構で、そう簡単にできないようにする以外に手はないので、そういたしますからいいのですけれども余り御無理なさらぬように一方的に申し上げて、時間が参りましたから終わらせていただきます。
  290. 谷垣專一

    谷垣主査 これにて大出俊君の質疑は終了いたしました。  次に、沖本泰幸君。
  291. 沖本泰幸

    沖本分科員 大出さん、退席されたのですが、大出さんの発言の中に、おれは関東生まれだから物わかりがいいのだ——そのほかは皆物わかりか悪いみたいに聞こえるのですが、私は関西で、非常に物わかりの悪いお話をするかもわかりませんが、毎年やっているので総裁もよく御存じだと思うのです。大阪の城東貨物線のいわゆる外環状線の建設促進についてということになるわけです。  これはもとから繰り返しますけれども、この問題はもう二十年以上にわたって地元は運動を続けているわけですね。その点はよく御承知だと思うわけです。言うなれば、やる気があるようなかっこうで立体交差のところを一部は高架になさったわけです。それで少し調査費もおつけになったということで、地元から見てみますとまるでヘビの生殺しみたいな状態になるわけですね。それで最近は人口の過密化という問題から、首都の移転なり何なりというような立体的な人口の分散ということでもいろいろ研究され、検討されて議論が起きておるということになってきておるわけですね。それでいままで延びてきたということは、第三次長期計画赤字になったためにやり直しだということから延びてしまったということになるわけであり、大阪の自治体から大阪の住民全体が万博に間に合わしてほしいということが初めの念願だったわけです。それを目標に一生懸命陳情もし、いろいろなところへ交渉もやり、来たわけですけれども、だんだんと第三次長期計画が御破算になってしまったということで振り出しに戻ってまたやってきているわけですけれども、それにいたしましてもこの計画に従って地元の自治体がすでに多額の国鉄債を買わされているわけですね。そして長い間、実現してほしいから住民から納める税金の中から国鉄債を買って、毎年のように大ぜいの人が東京へ集まり、周辺都市の市長が全部集まって、大阪府からもいろいろな運動も起こしていき、現在まで来ている。こういう努力というものは、ずいぶんの労力も使い費用も使って現在までずっと実現してほしいということで努力を続けてきておるという点を考えていただかなければならないのじゃないか、こういうふうに考えるわけです。ですから、ただいたずらに、国鉄の財政が非常に窮迫してしまって何度も何度も国鉄の再建計画を手直ししていかなければならない、こういう段階でほったらかされたのではどうにもならないということになるわけです。そして大阪の各関係のある市長さんとか人たちが見ている目は、首都圏に入るところの総武線は政治的な配慮と言えるのか何か、また将来の発展計画なんかも中へ含めながら総武線をおやりになったということになっているわけです。ところが大阪の外環状線というのはたちまち困った問題を突きつけられて、大阪の人口のドーナツ現象ということが起きて、それで交通の面においても城東貨物線が交通停滞の大きなネックになってきているという問題になってくるわけですね。そういう点もお考えになっていただく。東京の場合は、いろいろな面で大阪との関係が違ってきている。おまけに国鉄の方は関西支社を引き揚げてしまって、そして関西の言い分は全然通らないような状態にまで国鉄の方は内容を変えてしまっているということで、関西の人から見てみれば、全く国鉄に踏んだりけったりの目に遭わされて、それでもなおかつ希望を託しながら毎年のように陳情している。こういうことはあり得ないということになりますし、それから地方財政が非常に逼迫してきているというような事情の中にあるわけですから、ただ住民の税金を集めて、その中から国鉄債を買わされて、それをやりっ放されておるということは、住民に対して言いわけもきかないというような事情にあるわけです。こういう点を考えていただくと、このままずるずる引っ張っていただくということは重大な問題が起きてくると言わざるを得ないわけです。  わが党からも、この問題で質問したいという人が何人もおるわけなんです。それを私一人に集約をして、ここへ出てお伺いしているわけですから、ただ私が分科会で思いつきでこういうことを皆さんにお伺いしているということではないんだということも御承知いただきたいわけですね。  昨年は調査費をおつけになったということで、多少は何とかなるのかなあという疑心暗鬼の中で皆おるわけですね。そういう話の中で、またこういう財政が逼迫している中だから、また応分のことをなんてよくおっしゃるわけですね。そういうことであっては困るわけです。ですから青写真を示していただいて、そして現地の市長会なりが十分住民に説明ができる内容計画をお示しになっていただかなければ、大きな問題になってくると思います。その辺をお考えになって、現時点の問題と将来に向かってのお答えをしていただきたいと思います。
  292. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 大阪の環状線を初め、交通政策に関しましては、従来関東、東京地区は非常に急を要するようなものが多かったので、はなはだ申しわけないのだが多少おくれたということは、これは否めないと思うのでありますが、国鉄の再建計画がおかしくなったからこれはやめたということでは決してないので、いま詳しく御説明のあった大阪の外環状線といったようなものは、これは積極的に進めていきたい、かように考えておりまして、いま遅々として進まぬゆえんは、こういうことをやると、やはり河川だの道路との交差関係あるいは連続立体交差というようなことになると、これは地元の方にも御負担を願うというようなことに相なっておりますので、そういう地元の方の御協力方の協議と申しますか、これをいま一生懸命に進めている段階でございまして、この協議がしかるべき線にまとまりますれば、ひとつできるだけ早く着工いたしたい、かように考えている次第でございます。  なお、詳しくは担当の理事から申し上げます。
  293. 内田守

    内田説明員 先生に、昨年の分科会のときにも御質問がございまして、進めるということでお答え申し上げたわけでございますが、その後、各地方自治団体等と設計の中身について詰めております。そして具体的な図面もつくっておりまして、それらのものを集約いたしまして、今月各市長に対しまして、正式に文書でもって設計の協議をいたしまして、具体的な意見を求めたというところまで来ております。先生も御承知のように、これは大変な大工事でございまして、大工事を進めるときには、ただいま総裁が申しましたように、やはり相当の事前調査それから協議が要ります。また協議に伴って、各市町村が独自で負担をしていただく予算もございますし、また、現在線の連続立体交差という御希望がございます。また、これをしなければいけないと思いますが、それらの問題については、昨年も御説明いたしましたように、府の都市計画事業になりますので、府が具体的な設計に基づいて建設省に補助金の申請をするというような手続が要るわけでございまして、これらのものもあわせて来年度から実際に具体的なものに進めてまいりたいというふうに考えております。
  294. 沖本泰幸

    沖本分科員 それでは、昨年一億の調査費をおつけになったわけですが、調査費に基づいてどういうふうな内容の調査をおやりになったのか、それは将来に向かってどう結びついていくのか、具体的なことをお聞かせいただきたいのです。
  295. 内田守

    内田説明員 調査につきましては、これはいわゆる部内の調査費を使いまして、主として直轄ですべての図面その他をつくりましたので、いわゆる外注調査費というのは使っておりません。それで大体の計画をつくり上げたというのが現状でございます。  それで今後につきましては、具体的な各市町村から——この場合は市並びに大阪府でございますが——の協議を正式にさしていただきまして、今後は具体的な実行計画を含んだ回答をいただきまして、それに基づきまして両者の負担区分の問題を決めていく。都市計画事業の場合は負担は決まっておりますけれども、大阪の環状線の場合には、いま盛り土の高架になっている部分に対して、これをスラブに直してくれという問題がございます。この問題は国鉄ではちょっと例のない工事でございまして、地元に対しましてどの程度受益者負担というのを持っていただくのか、あるいは国鉄が全部やるのか、その辺も初めてでございますので、それらの点についても地元とお打ち合わせしてまいらなければいかぬ、そして全体の規模を具体的に決めまして工事を進めてまいりたいというふうに考えております。
  296. 沖本泰幸

    沖本分科員 そうしますと、大体の計画を部内でおつくりになったということは、各関係市町村は御存じになっているわけなんでしょうか。あるいは大阪府とだけ概略な折衝を起こして、その辺だけにとどまっておるのかどうか。たとえば沿線あるいは関係市町村では、市長会をつくって、それでこの計画を進めてほしいということで、毎年のようのお互いにお金を出し合って協議はやっていっているわけですね。そこは一生懸命知りたがっている。ところが国鉄と大阪府だけが、たとえば補助金の問題なり建設省の方に交渉をするための具体的な交渉をなさっておる。そういうことは一切ほかの方にわかっていない。そういうことは間々あるわけなんです。たとえば大阪府と市とは、大阪市は特別市になっていますから、そういう点が抜けているわけですね。そうすると暗やみであるということになると、ロスが起こってきますしね。だから、大阪府と折衝をお始めになり協議をおやりになっているのがすぐ周辺の自治体の長にわかるようにしていただければ、それだけ準備が早いということになるわけですし、また、そのスラブ化の問題でも、いろんな問題が出てくると、地方自治体の方ではもっと早くやっておってくれたらこんなことにならなかったのにとか、もっと早くやっておけば安く問題が片づいたのにとか、これは逆に国鉄に対する恨みになって、それだけ財政が窮迫しているときにわれわれに負担を全部かけるということはいわゆるあこぎだ、こういうときになっておっしゃらなくても、という恨みごとになってくると考えられるわけです。そういう点から、スラブ化の問題にいたしましても、すでに立体交差五カ年計画、いま建設省で手を染めてずっといったわけでして、同じような内容のもので、国から相当な財政負担を受けることができるような内容があるのかないのか、この辺はいかがなんですか。
  297. 内田守

    内田説明員 スラブ化の問題につきましては、これはもう立体交差がすでにできておりますので、いわゆる連続立体交差、踏切除却の対象にならないと思います。したがって、国鉄と地元の市とお話し合いで解決をしていかざるを得ないというふうに考えております。
  298. 沖本泰幸

    沖本分科員 これは、新しい何か名目は全然立ちませんですか。何かこれにかわるべき、そういう点で検討できないものでしょうか。これは具体的にこれから御協議をなすっていく中で出てくる問題だと思いますけれども、ただ、外環状線の促進の団体の中からもスラブ化の要求は初めからみんなしているわけです。しているということは、国鉄の方にそういうことをして欲しいということなんですね。それで、その当時国鉄債を買った、こういうような時点では応分のことはするということは言っているのですよ。その時点の応分という考え方と、現段階に至ったときの応分というのは、金額の面にも大きな開きがありますし、財政的にも大きな問題が生じてくるということになるわけですからね。一つの問題でも非常にむずかしくなってくるということになるわけです。そういう点も考えていただかなければならないことになるわけでして、その辺はどういうお考えでいらっしゃるわけですか。
  299. 内田守

    内田説明員 先ほども申し上げましたとおり、この問題は、いままで扱ったことのない問題でありまして、たとえば東京都内でも山手線は大部分が盛り土で高架になっておらないわけです。これは地元の発展に対しては大分阻害になっておると思いますけれども、直っておらないのです。そういうようなことで、その立体交差というのは、道路と鉄道とがいわゆる踏切でない交差をしていれば、それでもっていわゆる町の発展には阻害がないという考え方でございますので、ただ、新しく高架にする場合には、用地の関係その他からいって、盛り土は非常に用地が多くなるものですから、自然に高架になるということでございまして、実際でき上がってみますと、下を使用する問題等で線路のいわゆる沿線の発展に非常に違いが出てくるわけでございますけれども、したがって、これはそういう地元の受ける受益の問題等を勘案して、どういうふうに解決するかというのは今後御協議申し上げたいというふうに考えております。
  300. 沖本泰幸

    沖本分科員 ただ盛り土してあるというのは——城東貨物線というのは戦前からずっとあるわけで、それで過密化した大阪の中心部を一本筋を通してずいぶん邪魔だと皆考えているわけですね。国鉄のおかげでみんな迷惑しているというのが現状ですから、それをスラブ化にして、おまえさんのところ、これで利益を受けるだろう、利益を受けることによって応分に負担しなさいとストレートにそういう話がいくと、これは逆効果になってくるということも考えられるわけです。その辺はどうしても国鉄としては、約束したとおり問題を解決していくためにこの問題に取り組んでいるのだ。中身をおまえさん方の方へ投げかけているのではないのだ、こういうような方向から十分この問題を協議していただいて、そしてそのネックになるような問題を徐々に外しながら、どうしてもあそこへ外環状線を建設するという方向でやっていただきませんと、この問題が解決しませんとうちはやりませんぞというようなことにならないように、その辺はひとつお約束していただきたいのですが、総裁その辺いかがですか。
  301. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 外環状線をやるということは、これは既定の事実で、いかなる困難を冒しても解決しながらやるということはお約束するまでもなくはっきりしています。
  302. 沖本泰幸

    沖本分科員 ひとつ十分取り組んでいただいて、ただ協議段階ということもありますけれども、こういうことをやっていっている、だから時間は少しかかるかわからぬけれども必ずここへ外環状線ができますよ、ということがやはり地域住民に十分熟知できるような方向で、ただ秘密会で問題を進めておって、ある時期が来たらオープンにするということでなく、逐次その地域住民が十分その内容を知りながら、直接には協力できなくても十分その協力態勢ができるような方向で協議を進めていただいて、実現の方向へ早く進めていただきたい。こういう点をお願いいたしまして、また来年もやらせていただきます。
  303. 谷垣專一

    谷垣主査 これにて沖本泰幸君の質疑は終了いたしました。  次に、阿部昭吾君。
  304. 阿部昭吾

    阿部(昭)分科員 私は、当第五分科会の副主査でもありますから、なるべく簡潔にいたしたい、こう思うのであります。  そこで国鉄総裁、私は長い間国会で、またがって地方議会で建設行政というものに携わってきました。したがって、道路政策その他にいろいろなかかわりを持ってまいりました。そういう観点から見ますと、国鉄はいまの再建の方策というものを三方一両損でやろう、こう言っているわけであります。しかし、道路の方は全部税でやる、これがたてまえですね。最近有料道路なども出てまいりましたけれども、原則的には税で全部やるのであります。したがって、いま国鉄というのが私鉄とは違いまして、余りもうかるところはやってはいかぬ、もうからぬところは大いにやれ、こうなっておるわけであります。これを、国鉄で働いておる労働者はひとつ首切りでも何でも甘んじなさい。国民も運賃値上げをひとつやってくれ、国もちょっぴり出しなさい、こういうやり方の三方一両損ですね。これは、ぼくら長い間建設政策に携わってきた観点から見ますと、道路の方は税でやっていく。だからいま私の大まかな計算では、貨物輸送というものは重量と距離の関係で言っても一四、五%を国鉄で持っておる。あるいは違った計算でいきますと、四%か五%ぐらいしか国鉄は持っていない、こう言われるわけですね。ほとんどが全部、道路トラック輸送に食われつつある。こういう状況ですね。したがって、私は従来の、国鉄の職員がもっと負担を強いられなさい、国民は特に旅客や何か運賃値上げで、貨物の方はずっと据え置きで、国民がもっと負担しなさい、政府はちょっぴりやります、この三方一両損という方式では国鉄の再建はできないのではないか。したがって、私はかねがね軌道の方、レールですね、線路の方は公共で道路並みにやりなさい、上物と人件費等々は営業収支の中でやっていきなさい、そうすると道路と大体均衡がとれるのではないか、こういう認識を持っておるのであります。これが一つ。  それから私は職場出身じゃないのです。それでもときどき労働組合のデモなどに参加をいたします。見ますると、国鉄の労働者というのはずいぶんくたびれておるなという感じがするのであります。私のかつての仲間や何かで国鉄で二十何年間も働いてきたという仲間が五十近くなってまいりますと、大変に体力的にも見た感じでも疲れ切っておる、消耗し尽くしているという感じを実は持つのであります。デモなんかでいろいろな職場の連中は集まりますと、やはり国鉄のデモが一番くたびれておるという感じ。したがって、従来の三方一両損といわれる国民もっと負担せいというやつもそう簡単にいかぬでしょう、これは。大体長期計画はそこらあたりも——運賃値上げは思うようにいかぬ、またやろうと言ったって今度は参議院の方が保革伯仲だし、そう簡単にいきません。国鉄労働者をもってスピーディーに首を切ろうったって、いまでさえ私どもデモや何かで各職場みんな並んでいるのを見ると、くたびれ切っておる国鉄の労働者ですね、これをもっと首を切って、もっと過酷な労働でいけなどと言っても、やはりこれは労働組合が反発するのは当然だと思う。そういう意味で見ると、いま長期計画が破綻をして来年あたりまでに新しい長期計画を出そう、こういう段階にあるようでありますけれども、従来と同じ発想の原点の上に立って長期計画を何とか小手だめなことをいろいろやりながら、同じ発想の観点で再建計画を組もうと言ってもぼくは成り立たぬだろうと思う。したがって、全く新しい観点からの発想がなければ国鉄の再建というのはない、こう思うのですが、どうでしょうか。私の発想はちょっと違っておると思われますか。
  305. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 非常に広範にわたって国鉄の問題全部網羅した、いずれも非常にむずかしい問題でございますが、私はちょっと皆さんと感じが違うし——感じの本質は同じても表現かちょっと乱暴なので誤解のないようにまずもってお願いするのでございますが、最後の、長期計画が破綻しておるのだが、同じ構想でやったのでは経済成長じゃないのだからだめだ、これはお説のとおりでございます。  一体、国鉄のような輸送は、外の経済がだんだん変貌していくから、それの補助手段として経済の動きの一脈として一機関として動いておるのであって、したがって、国鉄は一義的な、おれはここへ行くから経済もついてこいというほど偉いわけじゃない、付属機関である。したがいまして、政府におきましても、御承知の経済社会基本計画とかを中心として御検討になるのはあたりまえの話なので、その線に沿って、国鉄は自己に課せられた輸送の使命を全うしていきたい。それには過去において財政再建十カ年計画などといったものの金であるとか、あるいはその内容をなすものも若干はこれは修正せざるを得ない。なかんずく新幹線網のごときものは相当の審議、検討が要るであろう。しかし、現在線につきましては複線化するとか電化するとかいうことで大したあれも要るまい。かように考えられますので、もう長期計画が何とかなったから国鉄どうするかと言われても、国鉄は国全体の経済の一機関であるから、主体がどう動くかということによって動きが決まる、これは最後のお答えでございます。  それから第一番の道路との分担でございます。道路は国が扱っているのに、国鉄も下部は国につくらせたらいいじゃないかという議論も過去においてずいぶんやられたことはあるのです。なぜそういう議論ができたかと申しますと、これは先生百も御承知だと思いますけれども、道路は国が全部ただでつくって、走るやつだけ行ってガソリンだのドライバーの給料をペイすればいい、国鉄は下から全部やっているということになると、当然国鉄に走るべきものが、道路が安いから国が助けているからというので、道路に走る。これは交通の正当なるシェアを乱し、交通政策を誤るものである。したがって、必ずしも国鉄の下部構造は全部国がしてやってくれとは言わぬけれども、道路と同じ立場に立ってしかるべく分け前を分担するような形にしたらどうだというのが先生のおっしゃること。これは先生百も承知の道路と分担の説論です。  国鉄の労働者が非常に疲れていることはまことに申しわけないので、先生も御承知のように、時たま合理化闘争とかなんとかやりますけれども、大体諸君は非常に働いてくれておる。しかも危険を冒かして働いておる。疲れるのも当然であろう。まことに申しわけないので、できるだけ職場を明るくするとかなんとかで彼らの疲れを少しでもいやしたいという意味でも及ばずながら努力しているということでございます。  それから最後の、三方一両損の財政再建計画というようなお話がございましたけれども、これは私は大分観念が違うので叱られるかもしれませんけれども国鉄の職員は、経済全体が動いているので、それに課せられた輸送を忠実にやればいい。忠実にということは、さらに具体的に言えばできるだけ安くやればいいということで、あとは御利用になる国民かあるいは国が必要な金を、国鉄が一生懸命働いているという前提のもとに補充してくださる、これは実に当然な話なんですね。国が下さるといっても、これは結局、私はそういうことはよくわからぬのだけれども、国民の御負担になった税金なのでございまして、いずれにしたって、利用になる国民が直接運賃としてお払いになるか税金の形で間接にお払いになるかということなんです。三方が一両損したのか得したのか私にはよくわかりませんけれども、ただ国鉄が言えることは、できるだけ一生懸命やって、安い輸送をなさい、これが国鉄の使命である、その意味合いにおいて努力いたしております。だけれども、職員はそういうことで非常にやつれる、貧乏やつれするほど働いておるということで、これは何とか彼らにも報いてやりたいというのが私の信念であります。
  306. 阿部昭吾

    阿部(昭)分科員 この間、私は田舎で国鉄に働いておる仲間の皆さんと議論したら、前に石田禮助さんという総裁がおった。この総裁はなかなか私ども尊敬できた。今度の藤井総裁というのも、これはちょっと骨っぽくて、技術屋出身で何か頼りになりそうな感じがするのだけれども、まだどうなっていくのかちょっとわからぬ、こう言っておりました。そこで私はいま総裁のお話を聞いて、ただ一生懸命やればいいと言ったって現代はそうはいかぬと思うのです。どういう具体的なプランで、どういうやり方で国鉄全体をこう持っていくんだというそれが明らかでなければ、しっかりやれ、国鉄はがんばれ、あとは国鉄というのは補助的ないろいろな要素を持っておるので、社会全体の経済の動きにどう対応するかだ、こういうことじゃやはりだめなんで、いまの長期計画をどのようにしていくのかということについても、私は国鉄の主体的な立場で国に対しても腰を切ったいろいろなものを言わなければいかぬと思うのです。その意味で言うと、何と言っても三方一両損はまず運賃面で破綻したでしょう。運賃はなかなか上がらなかった。それから要員の合理化だけはある程度やったのですよ。そうでしょう。だからぼくがいま心配しておるのは、国鉄を見ておりますと、ぼくは昭和三年生まれですけれども、ぼくらの年代より上のところが相当層が厚いのです。ぼくらより十年後になりますと、国鉄の要員の層はうんと層が薄いですね。昭和の一けた組、大正の人間というのは、いずれもう十年たったら大体みんな第一線から交代していきますね。そうすると、国鉄は、みんな若い方々で一気にぐっと入れなければ、持っていけない人事構成になっていくだろうと思うのです。私は、そういういろいろな面を考えてみますと、一体国鉄の全体をどうしていくのかということについて、やはり国鉄独自の主体的な主張なりビジョンなり、こういうものがなければならぬと思うのです。その意味では、この道路との関係における問題点などは、もっとやはり総裁が運輸大臣とけんかをぶつくらい、総理大臣とけんかをぶつくらいの値打ちのある、しかも論理的に成り立つ問題なんじゃないか、こう思うのです。後でまとめて御答弁をいただきたいと思うのであります。  そこで、若干お伺いしたいのでありますが、ぼくは国会議員になったおかげでいつでも国鉄はただで乗っけていただいて、寝台だけは払いますけれども、一カ月の間に選挙区と東京の問を多いときは六回ぐらい、少ないときでも四回ぐらい往復をいたします。一月などは車中泊十二泊いたしました。そうすると、大体目をさますのは、上越線で乗ってまいりまして赤羽のちょっと向こうあたりで目をさますのです。私は九年前、初めて国鉄からただのパスをいただいて乗るようになったころは、寝台に寝ておる時間が大変楽しみでした。電話も来ないしお客さんも来ないし、選挙区の方々にいろいろなやかましいことも言われないし、寝ておる時間が大変楽しかったのです。最近は、とにかく列車の揺れがひどいということをこの二、三年、上越線あたりでも痛感するのです。同時に、まあなかなか揺れがひどくて寝れませんから、乗り込むときに一杯やって、そして乗るわけですね。そして朝、赤羽の向こうあたりで目をさます。そうすると、目をさますころに行われる放送は、これから住家密集地帯ですからお手洗いは使っちゃいけませんと、こう言われるのです。何か最近、私、膀胱障害でも起こしつつあるんじゃないかということで、しばしば、この列車に何度も乗っていますとオシッコが最近少し近くなった。何かこれは国鉄のせいじゃないかという感じを実は持つのですよ。この間ぼくは新幹線にも乗ってみた。大変都合よくいっておるのです。いまの上越線あたりの列車をああいう状態にするまでにはどのくらい時間がかかるでしょうか。
  307. 山岸勘六

    ○山岸説明員 在来線におきましても、私ども鋭意、先生のおっしゃるようにタンクを積みまして基地において処理するように進めたいということで、一次、二次、三次計画等、計画を立てまして進めてまいったわけでございますけれども、現在、在来線において使用いたしております基地は三ヵ所でありまして、これは総武線の幕張電車区、それから大阪の宮原客車区、それから田町の品川客車区であります。品川の客車区はごく最近一部の列車について使用開始しただけであります。私ども一次計画、二次計画とも最近できるものからということで進めておりますが、この三カ所を含めまして十二カ所であります。さらに、いま三次計画を十カ所ふやしまして二十二カ所を対象にしまして、鋭意、少なくとも長距離列車についてはおよそ全国的に解決できる目安を立てたいということで進めてまいっておりますが、何せ基地の建設につきまして、非常に地元との間の交渉に手間を取っております。ごく最近秋田でも秋田の車両基地におきます市との話がついてまいりまして、秋田の車両基地におきますこのタンク使用につきましては、ごく近々に使用開始ができるのじゃないか。秋田だけでは上越を通る列車につきましてはごく一部でございますけれども、少なくともその点の一部の緩和には相なるかと存じております。今後とも鋭意努力いたしまして、できるだけ早い機会に、一応長距離列車についての体制をつくり上げたい、これが国鉄の態度でございます。
  308. 阿部昭吾

    阿部(昭)分科員 この長距離列車が、山岸さんかつて秋田の局長さんだったから、秋田だけはとおっしゃるわけじゃないでしょうが、長距離列車が全般的にたれ流ししないようにするというのは、大体何年ごろまでには完成できると……。
  309. 山岸勘六

    ○山岸説明員 私ども目標としては五十三年度いっぱいを目標といたしております。しかし相手のあることでございますので、よろしく御指導を願いたいと存じます。
  310. 阿部昭吾

    阿部(昭)分科員 とにかく、いま公害問題が政治課題としてやかましいときであります。あれがたれ流しで歩いておるということは、大腸菌をばんばんばらまいて走っておるということであります。これは時代の趨勢からいきましても……。ぼくはそれから、あの現場で働いておる線路班の皆さん、施設関係の労働者の皆さんがかわいそうだと思うのです。それのみならず、いまの衛生という観点から言いましても、いま山岸さんがおっしゃる、この五十三年目途は、私はある筋から五十二年まで何とかやってしまおうという、そういう意欲もあるのだというふうに聞いておるのですが、いま用心をして五十三年と言われたのではないかと思うのです。これはまあいろいろ事情はあると思いますが、五十三年にはぜひひとつ長距離列車については整備をする、こういうふうに御努力を願いたいと存じます。  また先ほどの問題に戻りますけれども、総裁、再建計画を立案する場合に、私は国鉄の中だけでこぢんまりやっちゃいけないと思うのです。したがって、もっと外回りのいわば国民の各層の代表、その論議というものをやはり吸収するような仕方で国鉄の長期的なビジョンというものを、政策の原点というものを策定していく、こういう努力が必要だと思うのです。その辺はどうでしょう。これは運輸大臣にも伺いたい。
  311. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 その点に関しましては、運輸大臣から御高見があるはずでございますが、国鉄にいたしましても諮問委員会とかなんとか、あるいは学者、あるいは実際の経験者であるとか、そういう方々でいろいろな会合をつくって、この方々の御高説を聞きながら立案していくということは、特に最近努力を重ねておる次第であります。
  312. 木村睦男

    ○木村国務大臣 国鉄は国民の鉄道でございますし、利用されるのも国民でございます。その国鉄が、いま大変な赤字を抱えまして、もう私企業であればとっくに倒産をしておるという状況から立ち直ろうというのでございますから、われわれはその再建の責任者といたしまして、いろいろこれから努力をしてまいるのでございますが、しかし、その再建のやり方については、やはり国民の皆さんの御了解、また御理解を得なければできないと思っております。したがって、この再建策の案ができました暁におきましては、やはり国民各界各層の皆さんから御指導なり御批判なりを得て最終的な案にするような方法を講じたい、かように考えております。
  313. 阿部昭吾

    阿部(昭)分科員 国民の各層の意見というものを形式的にではなくて、やはり私は運輸省国鉄当局者の側にとって都合のいいメンバーだけの意見を入れるというのじゃなくて、何というか一番異なる議論あるいは観点の違う議論というものも議論をさして、その中から一つのまとめをつけていく、こういう努力が必要だというふうに思うのです。その意味では従来の三方一両損的発想で長期計画をつくろうなどと言っても、それはもう成り立たない、そういう段階に来ておると思います。国民のための国鉄だなどと言うのでありますけれども国鉄経営という観点から見ると、実際上はもうかることはあまりやっちゃいかぬ仕掛けになっておるわけであります。そういう意味ではいろいろな制約を国鉄は受けておると思うのです。その中でどうするか。制約しなければならぬ事情もまたあるわけでございますから、そうだとすると、政治の責任というものが大変大きいと思うのです。制約しなければならぬ事情もたくさんあるのでありますから、そういう意味で、長期計画の立案については、やはり広い国民各層の意見を聞いて、その上でしっかりしたものをつくるようにしてもらいたいと思います。  私は、この間新幹線に乗っておりました。おとといであります。そういたしましたら、列車の中でおなかがすいた。そうしたら弁当を売りに来たのであります。ウナギ弁当というのが、小さなこんなものでありましたが、八百円でした。こんなウナギが二切れくらい入っておりました。それから今度、昨日特急「いなほ号」で、ある所まで行ってきたのです。そしたらそこのウナギごはんが四百五十円でした。こんな小さなあれじゃなくて、ちゃんと車内食堂で出してくれるあれですよ。ああいう、国鉄の中にいろいろ入ってきておる業者のサービスのあり方なんというものは、一体どこでだれがどのように規制しておるのか。聞くところによりますと、国鉄の古手幹部天下りが相当ああいうところにはあるのだという話も聞くのであります。だけれども、片一方は同じ国鉄の中の特急列車の方のウナギごはんは、お汁もついておって、お新香なんかもついておって四百五十円。こんな、木で鼻をくくったみたいとは言わぬけれども、こっちも買う気で買ったのでありますから、あけてみたところが、小さな二切れのウナギしか入っておらないやつが八百円であります。私は、いろいろなうわさを聞くのでありますけれども、やはりサービスの改善ということについてもいろいろな方法、心の配りようがあるのじゃないかというふうに思うのです。そういう指導なり監督はどこでだれがやられておられるのか。
  314. 加賀谷徳治

    ○加賀谷説明員 そういう関係指導は、大もとは本社の事業局というところがございまして、きょう事業局長来ていませんけれども、やるわけでございますが、それによってサービス品の内容とか値段、そういったものは全国一本で決められておる。ただ、同じものにつきましても、最近では、一つの弁当でもいろいろな段階を設けておるということでございますから、いろいろなものがあると思います。それから、実際問題としましては、地方鉄道管理局等がある、こんなことは御承知と思いますが、その管理局ごとにそういったものについての監督、指導ということをやっておるということでございます。
  315. 阿部昭吾

    阿部(昭)分科員 ぜひひとつ、もっとサービス面についても心を配っていただきたいと存じます。  それから、私の地方的な問題でありますが、新潟までは特急も「とき」何号か、ずいぶんあるのであります。そして、私の郷里の、あの羽越線というのは、秋田までは特急は東京から直通のやつは二本しかない。いつも満席であります。私なども選挙区へ、なかなか大変なんでありますが行ったり来たりする。いつでも席をいただくことが困難で、ときどき上野の駅長さんなり何なりにそっと御無理を願わなければならぬという、大変心苦しいことが多い。いつでも満席に近い状態であります。したがって、私は、国鉄営業という観点から考えても、ああいう利用状況の濃密な、欲求のあるところはやはり何か考えても損じゃないんじゃないかという気がするのであります。考え方としては、たとえば箱がないということをよくおっしゃるのであります。それならば、新潟まで行っておる「とき」を一本秋田まで延ばすとか、いろいろな方法があるんじゃないかという気がするんですね。だけれども、私どもは方々回って見ますると、からっぽの特急が走っておったり、私の所みたいにいつでも満席でどうにも大変だという地帯と、大変なアンバラがあるように思うのです。したがって、私は、何かダイヤの編成をやる場合に局同士のなわ張りのようなことがあって、なかなかうまくいっておらぬというようなふうに感じられてならぬのですが、その辺は改善についてもっと熱意を持ってもらわなければ困るという気がするのですが、どうでしょうか。
  316. 山岸勘六

    ○山岸説明員 私の承知している限りでは、「いなほ」が一本特急として秋田まで運転されたのもつい最近のことでありまして、またもう一本青森までの「いなほ」ができました。よく御利用いただいていることは私ども承知いたしております。こういう特急等の列車の増発等につきましては、全国的に見まして、やはりお客の流れの状況を見合わせてつくっているつもりでございます。決して不公平にやっているつもりはございませんけれども、なお担当の伊江常務の方にもよくその点を申し伝えて、さらに検討を進めるようにいたしたいと思います。
  317. 阿部昭吾

    阿部(昭)分科員 これで終わりますが、くれぐれも長期計画、再建計画を立案するに当たって、従来と新たなる観点からの、同時に、国鉄の労働者、職員というのは大変疲れておる、この現状を踏まえた観点で、どうするのかということを策定をしていただかなければならぬように思います。そのことは、同時に、藤井総裁を中心とする当局が、大胆な、しかも現状を長期的に展望した見通しを持ったどういう対応をするかということによって、四十数万の国鉄の現場の皆さんもやはり疲れた中でもみんな勇をふるい起こしてがんばっていくということになるんだと思うのです。従来と同じ発想のパターンで、腰だめで何かやろうということでは、私は、いまの大国鉄の前途というものは切り開くことはできない、こういう感を深くしておるところであります。このことを強く希望申し上げて、私の質問を終わります。
  318. 谷垣專一

    谷垣主査 これにて阿部昭吾君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして、昭和五十年度一般会計予算及び特別会計予算運輸省所管並びに昭和五十年度政府関係機関予算中日本国有鉄道関係に関する質疑は終了いたしました。  次回は、明二十八日午前十時より開会し、郵政省所管を審査することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時五十八分散会