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阿部(昭)
委員 先ほど
伊原参考人が、いわばふるさとづくりにどう貢献をするか、これが地方
銀行の使命だ、こういうふうに思っておられる。また佐々木
参考人からは、
国民のニーズにどうこたえるか、これが都市
銀行の使命、こういう
意味の御発言がございました。私は、かねてからこの土地政策あるいは土地問題、不動産、こういう問題点について心を砕いてまいった者でありまして、
一つずつお尋ねをしたいと思っておったのでありますが、時間がございませんので、まとめて問題点を申し上げて、今後のこの
金融機関としての対応の仕方、
あり方というものをお尋ねしてみたい、こう思うのであります。
一つの例を申し上げますると、これは岐阜の十六
銀行であります。その東京の支店長は、大蔵大臣、大蔵省の天下り官僚であります。取締役支店長、この人が、ある政界のかつての有力者であります、この人に頼まれて、その人の家族の皆さんの名義になっておりまする都内にあります不動産を担保にして、八千六百万の融資をいたしました。四十八年の三月の末にはその不動産を処分して返済をするから、御用立てを願いたいというので、十六
銀行東京支店は融資をした。ところが、なかなか約束のように立ち退きをしない。そこでその十六
銀行東京支店は困ってしまったのだと思うのです。金は貸したけれども返ってこない。そこで、この不動産を十六
銀行は担保として取っておりますから、この担保を他の
関係のない第三者に、十六
銀行東京支店が方々にあっせんをして売り込んだわけであります。したがって、その善意の第三者に対しては、迷惑はかけません、十六
銀行がやっておるのであります、こう言って売りつけておいて、いまだに立ち退きはされない。所有権は移ったけれども、当時その十六
銀行の天下り支店長が言うようなわけにはならない。私はこれは
一つの例だと思います。今日、その
銀行の不動産、土地、こういうものとのかかわりで、いまのようなやり方、私どもの土地プロジェクトの中でも幾つかの
銀行のやり方を知っておるんであります。私は、これはやはり
銀行の
あり方として間違っておるのではないか、こう思うのであります。
銀行が自分の責任で金を貸して、担保を取って、そのなかなか解決つかぬものを、善意の第三者に、
銀行があっせんして売り込まして、その善意の第三者が、いまこの金融の厳しい時期でありますから大変に迷惑を食う、こういう状況がある。いまのは
一つの例でありますが、方々にございます。
さらに、かつて土地ブームがばあっと出る以前の、
昭和四十六年段階の、私どもプロジェクトでいろんな調査をやってみますると、これは三和
銀行がメーンバンクになっておりますが、大林組の副社長は、
日本工業新聞で私は拝見したのでありますが、当社は
関連会社、いろんな不動産会社等を含めて、当時で約一千万平米の土地を確保しておる。この土地を買い取った価格は大体三・三平米平均が約一万円だ。これは四十六年五月の話であります。これを四十七年段階から、三・三平米平均七万ないし八万円程度で、造成をして売り出しをいたしました。そういたしますると、一千万平米のうち五百万平米程度を処分した段階で、売却をした段階で百三十億から百四十億程度の利益が上がります、こういう言明であります。それ以降の状況はどのようにいっておるか、私どもいま追跡していろんな調査をいたしておりますけれども、問題はそれ以降、昨年以降のいろんな状況の中で、土地はそう簡単にいかぬという状況になってきた。いまのこの問題の大林組がどの程度までその土地を販売したかにつきましては、私どもいろんな調査をしておりますけれども、これも
一つの例であります。まだ土地でもうかるぞという判断で、大量に買い占めをして、最近の状況ではなかなか売れないという状態で、じっとがまんしておる、土地をうんと大
企業、商社がたくさん持っておるわけであります。いまの大林組の場合は、バックは三和
銀行であります。
さらに、今度、前回の総括質問の際に私が指摘をいたしましたら、
委員長からも、少し穏当を欠く発言じゃないかという御注意がございました。あの場合で言えば、竹内参議院議員も、私に対して問いただすつもりだと、こう言っておるそうであります。まだ問いただしは来ておりません。そこで、私どもいま調査をしてみますると、茨城県の鹿島
開発の段階で、いろんな土地の買い占めその他があった。この皆さんが、青森の方のむつ小川原
開発に乗り込んでいっておるというので、私どもプロジェクトはいま大変関心を持って調査をしておる。このグループが、私ども竹内ファミリーと呼んでおりますが、この皆さんがむつ小川原に行って買収をした土地の値段は、三・三平米平均大体八十円、九十円程度であります。坪当たり八十円、九十円平均なんです。私は去年の集中論議の際に、丸紅飯田が中国縦貫自動車道の沿線で、村ごと、三・三平米百円平均で全部買い占めたということを問題にしました。いまのはそれよりもうちょっと安い値段で、われわれの調査でも、すでにそのグループが買っておる土地は約四百万平米であります。そうしてそのグループの背後には丸紅飯田がある。そのグループが買った土地はどんどん直ちに丸紅飯田に所有権が移っていっております。この丸紅飯田という巨大商社は、恐らく資金
関係は全部都市
銀行なりいまの
金融機関との対応なしには、こういう土地買い占めというのは行われ得ない。
去年来、私どもがまだ追跡をしておりまする千葉県の大網白里町における優良農地の買い占め、これはバックが北海道拓銀であります。この金の
動きは、私ども調べてみますると大変な問題がある。いま千葉県はさすがに、それ以降問題に
なりましたから、建設省とも協議されて、相当莫大な買い占めをやられましたが、ほんのわずかの部分しか
開発許可は出さなかった。しかし土地は買い占めておるのであります。この土地はほとんどみんな、いまの場合で言えば、北海道拓銀からだけでも、私ども問題だと思う金の出方で、四十五億円、もっと出ておるのであります。いま
開発許可はほんのわずかの面積しか出ない。
そうすると、これはどんどん金利がかさんでいくわけでしょう。
情勢このとおりで、ぎゅっと押さえ込まれておるのであります。私ども昨年の
国会で、
国土利用計画法というものをつくった、こういうあれもありますし、最近、土地を投機対象にするということに対する社会的
批判が非常に強い。したがって、いまじっとしておるわけです。しかし、買い占めた土地は、黙って
動きをやめておくことは将来ともない。どこかでいろいろな
動きをするに相違ない。その中に、私は、
金融機関がどういう
動きをするかということが非常に大きなかかわりを持ってくると思います。
私は、いま挙げました問題、さらに別の機会でもっと、農地法違反の問題、いろいろな問題を声明に解明するつもりでおりますけれども、先ほどの竹内ファミリーの問題、向こうも私に対して問題を問いかける、こう言っておりますから、それは私ども堂々とやるつもりでおります。(発言する者あり)何を言うのだ。