○石田(幸)
委員 大蔵大臣、
行政財産等は、いわゆる公の利用目的に使っている場合が多いわけですね。そういうようなことも
考えますと、私は一応やはり公開の原則を導入する必要があるという意見でございます。いまの御
答弁をいただきましたので、なお十分御検討をいただきたいと思うのでございます。
さて、具体的な問題に入ります前に、いま各大臣のお手元まで差し上げましたけれ
ども、この普通財産の貸し付け
状況を見ておりますと、非常に賃貸料が安い。安いというよりは、安過ぎるというのが
実態ではないかと思うのでございます。今日、俗な言葉で言えば、土地一升金一升と言われるような時代でございましょう。そういう時代に余りにも安過ぎる価格というのは、かえって社会的な不公正を招くことは言うまでもないのでございます。
ここに挙げました中で、極端に貸付料の安いものを挙げますと、福島県の北塩原村の一流会社、いわゆる上場している会社でございますけれ
ども、一万二千百七十平米借りておって、年間の賃貸料が八百五十八円、月額一平米当たり六厘という値段。今日のこういった物価高騰の時代に、六厘という価格で土地を一平米借りられるなんというのは、全くこれは話のほかだと思うのです。
そのほかに代表的なものを挙げてみますと、たとえば
宮崎県の
宮崎市、サービス業、十三万五千平米借りて、一平米当たりの月額が四十九銭、こういうような
状態でございます。
しかし、ただこれだけの
数字を挙げただけでは、監督官庁である大蔵省も納得をなさらぬかもしれませんので、以下具体的に挙げます。しかしながら、いま普通財産を貸し出ししているその数量というのは、百九十三万九千二百四十平米余あるわけであります。五十八万坪余あります。私
どもが近接地の公示価格でずっと調べてみますと、その
総額は、評価をしてまいりますと一千四百三十三億円くらいだろう。これだけの膨大な国有財産でありますので、どうかひとつ以下具体的な事例を挙げますので、慎重な御
答弁、また明快な御回答をお願いいたしたいと思うのでございます。特に私は
指摘をしなければなりませんが、この五十八万余坪にわたる国有地を借りている百六十七社のうち、上場会社が実に四十社にわたっているということでございます。そういうような
状況を見ても、この国有地が企業の
利益追求のために使われている、利用されている、そういうことが明らかにうかがわれるのであります。そういう基本的な問題を踏まえて、具体的に申し上げてみたいと思うのでございます。
まず、いま
指摘いたしました賃貸料の問題でございますけれ
ども、今日お金の価値がなくなったといいましても、新聞一部を買いますと、夕刊でも三十円というような時代でございましょう。そういうような時代に、大蔵省のいままでのいろいろなお話を聞いていますと、物価鎮静のためにはそう簡単に賃貸料を上げることはできない、こういうふうなことを言っております。しかし、それが余りにも安過ぎるというのは、常軌を逸するような安さでは、私は社会的に大きな問題が起こると思うのでございます。
まず、具体的に、京都市北区にありますゴルフ場に貸している問題について取り上げます。この借地面積は四万一千七百七十五平方メートル、賃貸料は年間で二百八万八百八円であります。この京都ゴルフ場に貸し付けをいたしました経過については、私も事情をよく
承知いたしております。
昭和二十一年、アメリカ軍の命令によってゴルフ場をつくることになった。そこで民間会社を設立してこの土地を貸し与えたわけでございますけれ
ども、貸すこと自体、そこにも私はいろいろ問題はあろうかと思いますけれ
ども、いま特に賃貸料を問題にしているわけでございますので、そのことをまず申し上げてみたいと思います。大蔵省からの資料をもらいましても、このゴルフ場、約五十八万平米ありまして、その中の七%ぐらいのところでございますけれ
ども、まあ現場に行ってみても、どれが国有財産であるかわからぬ。大蔵省の資料によれば、赤丸でちょこっと印をしてある程度、そういった意味では、私は国有地にもう少し明確な表示をつけなければならぬのではないかという感想を抱きながら帰ってきたわけでございますけれ
ども、いまこの周辺の土地の売買価格というのは、一坪三十万から三十五万。たとえば京都市も多分に漏れず過密都市の
一つでございますけれ
ども、この近辺はどんどん住宅地としていま発展をいたしております。そのために車庫がない。自動車の車庫を確保することがなかなかむずかしい。たまたまあったとしても、月に五千円から七千円くらいはするだろうと言われております。また、隣接地の公示価格で調べてみましても、ここら辺の公示価格は約七万二千五百円くらい。この借地面積に掛けてみますと、三十億からの財産になるのでございます。三十億の財産を借用していて年間に約二百八万でございます。月額にいたしまして一平米当たり四円十五銭。これは一体どういう
状態を意味しているかといいますと、たとえば仮にこれだけの土地を取得するために銀行から三十億円を借り入れしたと仮定をいたします。公定歩合を九%とはじいてみても、金利だけでも年間二億七千万払わなければならぬ。その金利と賃貸料との問題を
考えますと、実に銀行金利の〇・〇〇七、銀行金利の百三十分の一の値段。先般本
会議におきまして公明党の竹入
委員長が、中小企業救済のために三百万までは無保証、しかも無利子にしたらどうかということを申し上げましたときに、金融の体系からなじまぬ、そういうことはちょっとどうかと思うと言って拒否をされましたけれ
ども、この賃貸料は銀行金利の百三十分の一ですよ。いかにも安過ぎるじゃありませんか。そういうような
状態をこのまま放置しておいてよろしいでしょうか。
もう少し申し上げてみましょう。今日いわゆる庶民は、自分の住宅を建てるための土地を確保するだけでも大変な苦労をしております。そういう反面において、こういう安い値段で国有地が貸し出され、そしてこのゴルフ会社は、そういうような安い土地を借りて一このほかにも農林省の土地がかなり借りられておるわけであります。約七万八千平米くらい借りられておるはずでございますけれ
ども、そういうような公有地を借りて膨大な金もうけをしておるわけであります。ここの会社のゴルフ会員権というのはいま四百万円と言われております。恐らくそれだけでも百億の資産を持つ会社でございましょう。こういった中小企業の土地取得の現状から見て、いかにも国有地貸し出しは過保護になっているのではないかというふうに思うのでございますけれ
ども、この賃貸料が適正であるという根拠について、大蔵当局の御説明をお願いいたします。