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横山委員 まず、きょうは
警察関係で大いにほめたいところと、大いにまずいところ、しかっていかなければならぬところと、両方あるわけでありますが、
検察陣の指揮監督をする立場の法務
大臣にも聞いてもらいたいと思います。
最初の事例は、東京北区役所、小林区長に絡まる諸問題であります。ここに
一つの文書がございますから、まずそれから読み上げます。
念 書
小林区長は、
昭和四十九年十一月十四日午前十時二十分から正午まで、王子信用金庫本部
理事長室に於て大前三次郎、富田直之、鈴木たけ、堀内英雄、堀内文吾の五名に対し、次のような事項を語った事実を確認する。
一、王子運送は、区の仕事を請負うと五台の車を使えば十台分を請求して支払いをされた。
二、区役所第二庁舎の建設工事に当り、浜野さんは請負人の畑野組から「区長に渡す」といって三百万円受取ったが、もちろん私はもらっていない。
三、浜野さんは、行政委員などの人事に介入してきたことは事実である。(選挙管理委員、教育委員)特に娘婿を教育委員会の指導室長にさせろと言ったが結局させなかった。
四、このほかもっと重大な問題があると語った。
昭和五十年三月三十日
大前三次郎(印)
富田 直之(印)
堀内 英雄(印)
堀内 文吾(印)
鈴木 たけ
この文書が北区における
中心的な問題なんであります。御想像がつきますように、濱野さんというのはわれわれの同僚委員の一人であります。おわかりですね。それから大前三次郎さんは信用金庫の
理事長、自民党員。富田直之さんは自民党の都
会議員、前議長。堀内英雄さんは自民党の前北支部長。堀内文吾さんは元都議
会議員。鈴木た
けさんは元衆議院議員鈴木仙八さんの奥さん。
これが問題になりまして、北区においては北区政
調査特別委員会が設置をされた。そうして統一地方選挙の前にこの
調査が行われた。これは新聞の引用でありますが、「北区政
調査特別委員会(上代国吉
委員長)は四月十四日、①特定業者からの献金
行為②水増請求③産業会館建設計画にともなう不正
事件の有無、などについて「直ちに結論を得るに至らず、
関係者の告訴による司直の判断の経過を見守り、その結果をまって適切な処置がとられるよう期待する」との方向を出して解散した。」そして直ちに選挙に突入したわけですね。これが私が
質問する第二番目の事実。
第三番目の事実、「五月二十三日、北区議
会議長あてに三上仁一王子
警察署長から次のような要請があった。文書は「
捜査関係事項照会書」となっていて「
捜査の必要上刑法第百九十七条二項によって、
昭和五十年四月三日及び同十一日開催された北区政
調査特別委員会の傍聴者名簿各二部あて送付してもらいたい」というもの。」これが第三の事実であります。
第一の事実は、事実というには少し語弊がありますが、これは問題になった念書です。第二番目は、その特別委員会が司直に依頼をして、解散をして選挙に突入した。第三番目は、その間、
警察から北区議
会議長あてに傍聴者の名簿をくれと言うた。これは事実であります。
そこで私は
警察に聞きたいわけであります。この文書は、刑法第百九十七条二項によって傍聴人の名簿をよこせと言った。あたかもそのことについては違法ではないようには思われる。ところが二つの問題がある。
一つは、五月二十三日当時は北区議会の構成がまだできてなくて、正副議長が
選任されたのは二十九日。その間、二十九日前に事務当局が勝手に名簿を渡しちゃった。これは
警察に関したことではないとおっしゃるかもしれぬが、区議会の最高責任者が許可していないという問題です。
それから、一体、この区役所の中で行われている委員会の傍聴人、たとえばきょうも傍聴人がいらっしゃる。この傍聴人が、
国会でもそうですが、傍聴に来ていらっしゃる。それを
国会の事務総長に、名簿をよこせと言うことが一体想像されるだろうか。そうしてまた、仮に万一想像されるとして、その傍聴人を、きょうおまえさん何を聞いてきた、
横山は何言った、稲葉は何言ったと、そういうことを調べる必要性というもの、調べる政治性というもの、そういうことが
考えられることなのか、常識的なことなのかということなんであります。
これは俄然北区の区議会におきましては大問題。つまり、北区議会というものが知らぬうちに
警察の、言うならば泥ぐつでじゅうりんされておるということなんです。二つ目には、その傍聴人がそこで名前を知られて、
警察が傍聴人のところに
調査に来た。あなたは委員会を聞いておってどう
考えましたかとか、委員会の質疑応答はどうでしたかということを聞かれた。議会の傍聴をすることについて
警察から
調査を受けるなんてゆめにも思わない
人たちだ。私はこの話を聞いて、なぜそんなことを
警察がやろ必要がある。それはもうあなたは違法でないと言うかもしれぬ。しかし、私はきょう法的に違法であるか否かの議論をするためじゃないですよ。常識的に、そういうばかげたことをして何の益があるか。
一つには非常識であるということと同時に、
一つにはそういう傍聴人から聞いた言葉が、今度この問題で告訴が行われているのですが、
調査に何の益になるのか。そんな、傍聴人から聞いた話で、
警察が、告訴された諸問題についてどういう
効果があるか。全くこれはおかしな話だと思うのです。
まず第一に、
警察が傍聴人の名簿を区議会に対して要求する。それなら
国会にも要求することがある。そういうことが適当な処置だと思うかどうか。第二番目に、そうしてもらったやつで傍聴人を次から次へと調べるということが適切な措置だと思うか。第三番目に、そういうことをやって傍聴人を調べた結果が、何かの
捜査上のプラスになると本当に思っておるのか。三点について伺いたい。