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1975-03-17 第75回国会 衆議院 農林水産委員会畜産問題に関する小委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
本小
委員会
は
昭和
五十年二月十三日(木曜日)委
員会
において、設置することに決した。 二月十三日 本小
委員
は
委員長
の
指名
で、次の通り選任され た。 伊東 正義君 今井 勇君
笠岡
喬君
坂村
吉正
君
島田
安夫君 染谷 誠君
丹羽
兵助
君
角屋堅次郎
君
島田
琢郎
君
芳賀
貢君
諫山
博君
瀬野栄次郎
君 稲富
稜人君
二月十三日
坂村吉正
君が
委員長
の
指名
で、小
委員長
に選任 された。
—————————————
昭和
五十年三月十七日(月曜日) 午後一時五十三分
開議
出席小委員
小
委員長
坂村
吉正
君
笠岡
喬君
丹羽
兵助
君
角屋堅次郎
君
島田
琢郎
君
竹内
猛君
芳賀
貢君
諫山
博君
瀬野栄次郎
君
出席政府委員
農林大臣官房審
議官
高須
儼明君
農林省畜産局長
澤邊 守君 小
委員外
の
出席者
農林省農林経済
局統計情報部長
吉岡 裕君
農林水産委員会
調査室長
尾崎 毅君
—————————————
三月十一日 小
委員諫山博
君二月十四日
委員辞任
につき、そ の
補欠
として
津川武一
君が
委員長
の
指名
で小委 員に選任された。 同日 小
委員瀬野栄次郎
君二月十八日
委員辞任
につき、 その
補欠
として
瀬野栄次郎
君が
委員長
の
指名
で 小
委員
に選任された。 同日 小
委員津川武一
君同日小
委員辞任
につき、その
補欠
として
諫山博
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に 選任された。 同月十七日 小
委員角屋堅次郎
君同日小
委員辞任
につき、そ の
補欠
として
竹内猛
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に選任された。 同日 小
委員竹内猛
君同日小
委員辞任
につき、その補 欠として
角屋堅次郎
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に選任された。
—————————————
本日の会議に付した案件
畜産
問題に関する件 ————◇—————
坂村吉正
1
○
坂村
小
委員長
これより
畜産
問題に関する小
委員会
を開会いたします。 私がこのたび小
委員長
に選任されましたので、何分よろしくお願いいたします。
畜産
問題に関する件について
調査
を進めます。 この際、
畜産振興審議会
に対する
昭和
五十年度
畜産物政策
、
価格等
の
諮問
について
政府
から
説明
を聴取いたします。
高須審議官
。
高須儼明
2
○
高須政府委員
私、
畜産局
の
審議官
の
高須
でございます。 ただいま
局長
が
畜産振興審議会
の
飼料部会
の方に出席いたしておりますので、間もなく参ることと思いますが、それまで
局長
にかわりまして私の方から御
説明
を申し上げたいと思います。 まず、初めには、十五日に行われました
畜産振興審議会
の議事の
状況
を簡単に御
報告
申し上げます。 冒頭に
農林大臣
の
あいさつ
がございまして、その後、
部会長等役員
の
指名
がございまして、お
手元
の
資料
の中に入っております
諮問
が正式に
諮問
されたわけでございます。 この
諮問
の中身は
三つ
ございまして、最初のものは、
飼料需給安定法
第三条の
規定
に基づきまして
政府
が行う
輸入飼料
の買い入れ、
保管
及び売り渡しに関する
昭和
五十年度
飼料需給計画
の
意見
を求めておるわけでございますが、これはただいま
三番
町の方でこの
部会
が行われておる段階でございます。 第二番目の
諮問
は、お
手元
にございますように、
畜産物
の
価格安定等
に関する
法律
第三条第一項の
規定
に基づきまして、
豚肉
の
安定価格
を定めるに
当たり
留意すべき
事項
について
意見
を求めるといった
趣旨
のものでございます。 第三の
諮問
は、
加工原料乳生産者補給金等暫定措置法
第十一条第一項の
規定
に基づきますところの
加工原料乳
の
保証価格等
につきまして留意すべき
事項
について
審議会
の
意見
を求めるというものであります。 こういう
趣旨
の
三つ
の
諮問
が出されたわけでございますが、その後で、
畜産局長
から、最近におきますところの
畜産
の
動向
と
畜産
の諸
施策等
についての
報告
がございました。これはかなり長いものでございますので、その要旨だけを簡単に私から
説明
いたしたいと思います。 まず、初めには、
畜産
をめぐります
一般動向
についてでございます。
わが国
の
経済
は、四十八年秋以降異常な混乱に見舞われたわけでございますが、最近におきましてはようやく収束の
兆し
が見られたというふうに、まず
一般
の
経済事情
を
説明
いたしております。この中におきまして、
農業面
にもいろいろな
種々
の
影響
がありましたが、とりわけ
畜産
につきましては、国際的な
飼料穀物需給
の
逼迫
というようなことが起こってまいりまして、きわめて困難な情勢になった。特に、
消費節約ムード
が浸透いたしまして、
畜産物
、とりわけ
牛肉
につきましては
需要
の減退が見られ、
卸売価格
が低落するというような
状況
が起こったわけでございます。この
畜産物需要
の
停滞
というものは、しかしながら一時的現象にすぎない。そうして、今後においては、
国民経済
の
発展
に伴って
拡大
するというふうに考えております。 そこで、御
承知
のように、
農政審議会
におきまして、
昭和
六十年を
目標年次
といたします
長期見通し
をただいま
検討
中でございますが、この
長期見通し
の中におきましては、
一般
の
消費支出水準
の
伸び
を大体五%くらいに想定いたしておりまして、こうした
見通し
の中におきまして、
畜産物
の
生産
といったようなものあるいは
消費
というようなものの
見通し
が行われておりますが、これにつきましてはまた後に申し上げますが、
一般
的に言いまして、ほかの
農産物
の
伸び
が非常に低いにもかかわらず、
農産物
の中におきましては
畜産物
は安定的な
発展
をすることがこの中に述べられておるわけでございます。 そこで、この
畜産物
の
政策
といたしましては、
生産
の
増強
、特に一その
基盤
でございますところの
飼料穀物
の
需給
、粗
飼料
を
中心
といたします
国内飼料資源
の
開発
というようなものと、それから
海外原料
に依存いたしておりますところの
濃厚飼料
の
輸入
の
確保
、そのほか、
畜産物価格安定対策
であるとか、技術、
経営
の
改善合理化
というような諸
施策
を
推進
することを述べておるわけでございます。 こういう
畜産物一般
の
状況
から、次に、
牛乳乳製品
と
酪農
の
動向
に及んでおりまして、まず、
生乳
の
生産
につきましては、四十五年以降
鈍化傾向
をたどっておるわけでございますが、特に、最近二カ年は前年を下回って推移いたしております。 また、このような中にございまして、
生乳
の
主要生産地帯
は次第に
遠隔農業地帯
に移行するという現象が見られ、このために
生乳輸送
の問題が
増大
いたしております。
牛乳
の
需要
につきましては、堅調に推移してまいっておりましたが、四十九年には、対前年比九八・五%とやや
停滞ぎみ
に推移いたしております。 また、
乳製品
につきましても、最近の
消費節約ムード等
の
影響
もございまして、
消費
も減退いたしております。そして、
指定乳製品
の市況は、
安定指標価格
の
水準
か若干それを下回るというようなことで推移いたしております。 次に、
酪農経営
の
動向
でございますが、
飼料戸数
は三十八年がピークでございまして、その後、 一貫して
減少
いたしております。四十九年には十七万九千戸となっております。
飼養頭数
を見てまいりますと、これも四十六年以降
停滞
いたしておりまして、四十九年も一・六%の
減少
を示しておるわけでございます。 ところが、一戸
当たり
の
飼養頭数
を見てまいりますと、四十年当時三・四頭が四十九年には九・八頭となっておりまして、
規模拡大
が着実に進んでおるわけでございます。 また、
酪農
の
飼養規模階層別
の構成も非常に変化してまいりまして、
成畜十頭
以上層の
シェア
が大幅に増加いたしております。 このような
酪農
の
一般事情
を踏まえまして、
酪農関係
の
施策
を申し上げますと、まず、第一番目は、
加工原料乳生産者補給金制度
についてでございますが、四十九年度は御
承知
のように大幅な値上げをいたしまして、七十円二銭、
基準取引価格等
も五十三円四十一銭、その結果、
補給金
といたしましては十六円六十一銭、これは御
承知
のとおりでございます。五十年度におきましては、この三月三十一日までに適切な
水準
に決定してまいるという考えでおるわけでございます。 第二番目に、
酪農
の
生産対策
でございますが、何よりも必要なのは
飼料生産
の
積極的推進
でございまして、五十年度
予算
におきましても、
自給飼料
の
対策
の
強化
とか、あるいは
乳用牛資源
の
有効利用等
を
中心
にいたしまして
生産
の
振興
を図る
予定
でございます。
飼料関係
の問題につきましては、後でまた
飼料部会
の
会長報告
がございますので、その中で詳しく御
説明
いたすことにいたしまして、ここからはすべて省略させていただきます。 それから、
乳用牛資源
につきましては、従来から引き続き、
優良乳用種雄牛選抜事業
であるとかあるいは
乳用牛群改良推進事業等
を通じまして、一層
改良増殖対策
の
拡充
を図りますとともに、
乳用牛資源確保対策事業
その他
乳用牛
の
導入
を
推進
いたすことにいたしております。 また、従来から引き続きまして、
市乳供給モデル団地育成事業等
を実施いたしまして、
酪農経営
の
組織化
にも努めてまいります。 第
三番
目には、
牛乳
の
需要
の
拡大
と
流通対策
でございますが、これには、まず
学校給食用牛乳供給事業
を引き続き計画的に実施いたすことになっておりまして、前年度同様六十三万キロリットルの
供給量
を
予定
いたしておりますが、また、
僻地校
への
輸送費
についても助成いたすことにいたしております。
流通
改善問題につきましては、
生乳
の
輸送体系
の
整備
であるとか、あるいは送
乳用
のコンテナをリースする
事業
でございますとか、こういう
事業
を行うことにいたしております。 また、協業化につきましては、
牛乳配送合理化促進モデル事業
ということを引き続き実施することになっております。 以上のように、
酪農対策
につきまして、現状とその
施策
を御
説明
申し上げたわけでございます。 次に、
牛肉
と
肉用牛飼養
の
動向
でございますが、
牛肉
の問題につきましては、一昨年及び昨年と、諸
先生方
も
十分内容
を御存じでございますので、簡単に御
説明
申し上げます。
牛肉
の
国内生産
は、四十八年に非常に低下いたしまして、そのために
牛肉価格
が暴騰いたした。その反動といたしまして、四十九年は
生産
もきわめて
増大
いたしておりますが、
価格
は非常に低迷を続けたわけでございます。このために、
政府
は、四十九年の二月以降、
輸入枠
の凍結と申しますか、
輸入調整
、それからまた
生産者団体
による
自主調整保管事業
あるいは
小売価格指導
、
消費拡大促進等
の
種々
の
政策
を繰り返してまいりまして、最近では
牛肉
の
価格
も回復の
兆し
を見せておりまして、たとえば
和牛去勢肉
「中」一キログラム
当たり
千三百円
程度
、
乳雄牛肉
にいたしましても千百円弱の
水準
で推移いたしておるわけでございます。 また、注目すべき
状況
といたしましては、四十九年の夏以降、
乳用雄子牛
の
屠殺
が急激に
増大
いたしております。昨年の十一月には二万五千頭を超える
屠殺
になっております。ところが、最近、この
屠殺
の
動向
もやや
減少傾向
を示しておりまして、この二月、一月でございますか、一万八千頭
程度
まで
減少
いたしてまいっております。このことは
肥育仕向け率
もまた次第に回復しておるということを示すわけでございますが、しかし、昨年の後半に
屠殺
の増加いたしましたことは、五十年の後半、特に暮れから五十一年にかけて
牛肉
の不足を予想されるわけでございます。
肉用牛
の
一般
の
経営動向
を見てみますと、
乳用牛
と同じように
飼養戸数
は
減少
いたしておりますが、
飼養頭数
の方は最近やや上昇いたしております。特に
乳用雄牛
を
中心
といたしまして急速に
増大
いたしておりまして、
肥育用
の
仕向け率
も四十八年は非常に高かったわけでございますが、四十九年は若干下がりましたが、最近再び復活してまいっております。 このような
経営
の
動向
を
対象
といたしまして、
肉用牛
の
生産振興対策
の概略を申し上げますと、やはり大
家畜
でございますので、
自給飼料
、特に粗
飼料
の
利用
ということを重点に
飼料基盤
の
整備
を図ってまいりたいと思いますが、これにつきましては後ほどまた申し上げます。 特に、この
肉用牛
につきましては、山林と農用地が併存する
地域
において、
林業経営
との調和を図るというような形で
林間放牧
の問題の新たな
調査
を実施してまいることにいたしております。 第二点は、
肉用牛資源
の
維持強化
でございますが、このためには、
産肉能力調査
であるとか、あるいは
乳用雄子牛利用促進事業
であるとか、また、
肉用牛
の
導入事業
を引き続いて実施することにいたしております。 それから、
草資源
の
利用
ということを
基礎
といたしまして、多
頭繁殖経営
の集団的な
育成
を図るための
肉用牛生産団地育成事業
であるとか、また、高能率な
大型畜産専門経営群
の
育成
を図るための
畜産基地建設事業
の
拡充
というような
基盤
の
事業
があるわけでございます。 それから、四番目は
牛肉価格安定対策
でございますが、これには先般
国会
の方で御
審議
をいただきました
畜産物
の
価格安定等
に関する
法律
の
改正
を行いまして、
牛肉
を同法の
指定食肉
に追加するということで将来の
価格
安定を図ってまいりたいと思うわけでございますが、この三月三十一日までに可能であるならば、同法案の
可決成立
によるわけでございますが、速やかに
牛肉
の
安定上位価格
と
安定基準価格
を
審議会
に諮って決定できることを期待いたしておるわけでございます。 それから、
牛肉流通
の問題でございますが、これにつきましては、
生産圏
を単位といたします大
規模
な
食肉処理保管施設
の
整備
であるとか、また、
消費地
における
生産者団体等
による大
規模冷蔵施設
の
整備
であるとか、こういう
流通
問題にも新たな
施策
が五十年度には
予定
されておるわけでございます。 さらに、また、
牛肉
の小売問題はなかなか問題でございますが、これにつきましても、
標準食肉販売店
の
育成事業
を新たに実施することといたしております。
牛肉
につきましては以上のようなことでございますが、次に、
豚肉
と
養豚
の
動向
を御
説明
いたしたいと思います。
豚肉
の
需要
は順調に、きわめて急速に
伸び
てまいったわけでございますが、最近やや
鈍化
の
兆し
を示しております。
豚肉
の
国内生産
もこの
需要
に対応して急速に
拡大
してまいったわけでございますが、昨年に至りまして、年度後半、
生産
の
伸び悩み
傾向
を示しておりました。したがって、
豚肉価格
も最近に至って急激に上昇いたしておるわけでございまして、これは特に本年に入りましてから
肉豚
の出荷の
減少
ということから由来いたしておるわけでございます。したがいまして、三月十三日から
関税減免措置
を実施いたしまして、
消費者価格
の安定を図っておるところでございます。 豚の
飼養動向
につきましても、やはり同じような
状況
を示しておりまして、
飼養戸数
は
減少
、
飼養頭数
は
増大
というようなことで、二戸
当たり
の
飼養規模
は確実に進んでおるわけでございます。 特に、
肥育経営
の
規模拡大
というものはまことに顕著でございまして、五十頭以上の
階層
の
シェア
が現在
戸数
にして九%、
頭数
にして六〇%に達しているわけでございます。 このような、
養豚
に対しまして
種々
の
施策
を行っておるわけでございますが、豚、そのほか
鶏等
につきましてはほとんど
完全自給
の体制でございますので、それを一層進める、ほぼ
完全自給
をさらに一層進めるというようなことで基本的に考えておりますが、そのために
養豚団地育成パイロット事業等
を引き続き計画的に実施するわけでございます。 また、豚の
改良等
につきましては
種々
の
改良増殖
の
事業
を行っております。そして、
優良種豚生産促進事業等
を実施いたすことにいたしております。 それから、豚と、後に申します鶏の場合には特に
環境汚染
の問題が問題でございまして、これらにつきましては、
土地還元
を軸といたした適正な
ふん尿処理
を
推進
することを考えておるわけでございます。 次に、
豚肉
の
流通
の問題でございますが、これは
牛肉
とともに、
食肉処理施設
であるとか、あるいは大
規模冷蔵施設等
の
整備
を行ってまいる
予定
でございます。
豚肉
の
価格安定対策
につきましては、これは御
承知
のように、
畜産物
の
価格安定等
に関する
法律
に基づきまして
安定価格帯
をお決めいただくことになっておるわけでございます。これにつきましては、いずれ
部会
が開かれまして御答申をいただくことになっております。 そのほか、子豚の
需給調整
につきましても、
需給調整対策事業
を
拡充
してまいりたいと考えております。 次に、
鶏卵
、
鶏肉
及び養鶏の
動向
でございますが、
鶏卵
の
需要
につきましては、すでに日本の
消費
は世界的にもきわめて高い
水準
にございますところから、
伸び悩み
の
傾向
を示しておるわけでございます。大体百八十万トン
程度
ということで
横ばい
になっておりますので、
鶏卵
の
生産
もこのような
消費
の
動向
に合わせまして計画的な
生産
を指導いたしてまいりたいと考えておるわけでございます。
価格
につきましては、四十九年の夏ごろは二百円を少し超える
程度
の異常な低落を示したわけでございますが、最近に至りまして
鶏卵
の
価格
は
計画生産
の効果が如実にあらわれてまいりまして、四百円という
史上最高
の
高値水準
に到達いたしておるわけでございます。 鶏につきましては、特に卵につきましては、毎年毎年
季節変動
を繰り返すわけでございますが、この
季節変動
を調整するために
卵価安定基金
があることは御
承知
でございますが、五十年度の
予算
から初めて国がこれに対しててこ入れをすることを考えておるわけでございます。
液卵公社
の
強化
あるいは
団体
の
調整保管事業
に対する
助成等
も引き続き講じてまいる
予定
でございます。
鶏肉
につきましては、最近
需要
はやや
横ばい
と申しますか、いままできわめて急速に
伸び
てまいりましたが、ようやく転換期に到達したように思われます。したがいまして、ブロイラーの
卸売価格
も非常に安定的な
水準
と申しますか、最近三百三十円
程度
で推移いたしております。 鶏の
飼養状況
につきましても他と同じことでございまして、他よりはもっと激しく
飼養戸数
が
減少
、
飼養羽数
が
増大
、一戸
当たり
の
飼養規模
が
拡大
というような
規模
の
拡大
が引き続いて進んでおるわけでございます。 この鶏につきましても、
生産対策
といたしまして、
優良種鶏集団
の
育成事業
であるとか、
優良鶏相性テスト事業
であるとか、こういうものを引き続き進めてまいるわけでございます。
流通対策
その他につきましては、その
資料
にございますが、これは省略させていただきます。 このように各
部門別
の御
説明
を終えまして、その
基礎
でございまするところの
飼料
問題を詳細に御
報告
申し上げておるわけでございます。
資料
をずっと四十ページまで飛びまして、
えさ関係
は後でまた御
説明
申し上げたいと思いますが、時間がございませんので、さらに四十ページのところの
畜産経営
の
環境整備
の問題ですが、これは
ふん尿処理
が一番の問題でございます。 それから、四十三ページにございますように、
家畜
の
改良増殖
の
推進
であるとか、あるいは四十五ページの
家畜衛生対策
と、
畜産局
の現在
推進
いたしております
一般
的な御
報告
を申し上げております。特に、
衛生対策
のところで、四十六ページにございますように、
豚水胞病
を
家畜伝染病予防法
の一部
改正
によりまして
伝染病
に指定していただくという
法律改正
を現在
国会
に提出しておるところでございます。 時間がございませんので、
畜産局長報告
をこの
程度
でやめさせていただきます。 このような
報告
がございまして、
あと質疑
がございました。そこで若干の
問題点
が指摘されておるわけでございます。 その
問題点
だけ申し上げますと、まず、
年度内価格改定
の問題で、
生産者代表
の方から
改定条項
の
発動基準
を具体的に明らかにした方がよろしいというような御
意見
が出ておったわけでございますが、
中立委員
、
消費者
の方々からは、
年度内改定
は慎重にすべきであるというような御
意見
が出ておりました。なお、
年度内改定
の問題に関連いたしまして、この
畜産物価格
を決定する時期についても
検討
、研究の必要があるというような発言がございました。 それから、第二番目の問題は、
国有林
をもっと積極的に活用すべきであるという御
意見
が主張されておりました。 それから、第
三番
目は、そのほかいろいろな問題が出ておりましたが、
農業
の位置づけであるとか、あるいは
畜産対策
とか、
各種
の
制度
があるけれども根本的に再
検討
を加えるべき時期ではないかとか、あるいはまた
金融制度
を新たに見直すべきではなかろうかとか、あるいはまた
牛肉輸入調整金
といったようなものをもっと活用すべきではないかとか、そういうような御
意見
が聞かれたわけでございます。 このようにいたしまして、十五日の二時半ごろ終了いたしまして、それから
あと
若干時間がございますが、本日
三番
町におきまして、ただいま
畜産振興審議会
の
飼料部会
が行われておるわけでございます。ここで
部会長あいさつ
あるいは
諮問
が行われまして、
畜産局長あいさつ
といったような順番で目下進んでおる最中でございます。 この
諮問
の
内容
は、先ほど申し上げましたように、
飼料需給計画
についての
意見
を求める
趣旨
の
諮問
でございます。そこで、
飼料部会
の
局長
の
説明
の中に
一般
の
飼料需給
の
動向等
を詳細に
説明
いたしております。これはいまさら御
説明
するまでもございませんが、一昨年来の
飼料穀物
の
国際需給
の
逼迫
、特に昨年の
国際需給
の
逼迫
で
国内
の
配合飼料価格
が非常に上がった、そのために
畜産経営
が非常に苦しい
状況
になったというような
状況
を御
説明
申しまして、そこで、これらのこのような
状況
を踏まえまして、
飼料関係
の
施策
といたしましては、やはり良質な
飼料
を安定的に供給して
畜産経営
の
安定向上
を図ることにあるというようなことで、
各種
の
施策
が述べられております。 これは、お
手元
の
資料
の
飼料部会
の方の
資料
の中に
局長説明
というものがございまして、その六ページから七ページあたりから重要な点だけ御
説明
させていただきたいと思います。 まず、
飼料対策
といたしましては、
飼料生産
の
増強
でございまして、この方向といたしましては、
長期見通し
におきまして、将来、六十年までに
作付面積
を百四十七万ヘクタールに
拡大
する、そうして大
家畜
について粗
飼料給与率
を六七%
程度
に高めるということを
目標
にいたしておるわけでございます。このためには、八ページにございますように、従来からの
草地開発事業
を
推進
する、あるいはまた、
事業団
の行います
畜産基地建設事業
の
拡充
を行ってまいる、また、従来から行っております
既耕地
における
飼料作物生産
の
増強
を行うところの
飼料作物生産振興対策
を行ってまいる、特に、五十年度におきましては、新たに
水田裏
における
飼料作物
の
生産利用
という
事業
や、また、
地域
の実態に即応いたしました
飼料作物
の
作付拡大
、
効率的利用
あるいは粗
飼料流通
の
促進
、
稲わら
の
利用
といったようなことを
対象
にいたしますところの緊急粗
飼料増産総合対策
を強力に実施してまいる、こういうことになっております。 第二番目の点といたしまして、
わが国
の場合
流通飼料
が非常に重要な位置を持っておるわけでございます。そこで、
流通飼料対策
といたしましては、まず第一に、
政府操作飼料
を安定的な運営を行ってまいるということでございます。また、
国内
におきまして
飼料穀物
の備蓄を行うとか、また、
飼料穀物
の
長期輸入取り決め
の
推進
といったようなものを考えてまいるとか、あるいはまた
輸入先
の
多元化
を図ってまいるとか、このような
事業
を五十年度において考えておるわけでございます。 特に、
流通飼料対策
といたしまして特筆すべきものは、
配合飼料価格安定対策
でございます。これは四十九年度内に、本年の二月一日でございますが、すでに
配合飼料価格安定特別基金制度
というものを発足させまして、この一−三月
対策
ということを考えておるわけでございます。この細かい点は省略させていただきたいと思います。 それから、
飼料
につきましては、
価格
の問題あるいは量の問題のほかに、もう一つ
飼料
の品質問題があるわけでございます。これにつきましては、今回
飼料
の品質改善に関する
法律
の一部
改正
というような形で、すでに去る十四日閣議決定が行われまして、
国会
提出の運びとなっておるわけでございますが、この問題は、配合
飼料
におきましては非常に種類の多様化等も進んでまいりましたし、また、
飼料
添加物が非常に多くなってまいりまして、中には人体への
影響
、残留性の問題等も問題になってまいったわけでございます。したがいまして、現行
制度
では十分対応し得ないというようなことで
飼料
の品質改善法の
改正
を考えておる次第でございます。 この
改正
の
内容
は先刻御
承知
のとおりでございますが、
飼料
添加物を規制の
対象
に加えるとか、あるいはまた安全性を重視いたしまして、
飼料
、
飼料
添加物についての基準または規格を設定してまいるとか、また、品質改善のために公定規格適合表示の
制度
を設けまして、その
内容
を表示するということを義務づけるといったような性質の
内容
でございます。 以上のような
飼料
事情を背景にいたしまして、十三ページにございますように、
昭和
五十年度の
飼料
の
需給
計画ということを御
諮問
申しておるわけでございます。 個々の
内容
につきましては、「
昭和
五十年度
飼料需給計画
説明
資料
」というのが
資料
の中に入っておると思いますが、この
説明
資料
の二枚目をあけていただきますと、「一、
飼料需給安定法
による
昭和
五十年度
政府
売買計画(案)」というのが載っております。これがその
内容
でございまして、小麦につきましては、ふすま増産用の
昭和
五十年度計画は百十八万トン、前年と同じでございます。それから配合用の小麦は五十万トンでございまして、前年四十九年の欄を見ていただきますと、二十万五千トン、ざっと三十万トンをふやしてあるわけでございます。これは、万一の場合、トウモロコシ、コウリャン等の
輸入
が困難になりました場合のための余分のものでございます。それから、大麦につきましては、前年度より五万トンふやしまして百十五万トン、それからさらに、備蓄用といたしまして十五万トンを考えておるわけでございます。それから、従来、調整用として掲げておりましたトウモロコシ、コウリャンは、これはなかなか技術的にも困難な点がございますので、この六万トンは落としてあるというのが今回の
需給
計画の骨子でございます。先ほどの
局長
の
説明
資料
の中には、これが詳細に述べてあるわけでございます。 いただきました時間を経過いたしましたので、また細かい
内容
は御質問の際にお答えいたすことにいたしたいと思います。
坂村吉正
3
○
坂村
小
委員長
以上で
説明
は終わりました。 質疑の申し出があります。順次これを許します。
島田
琢郎
君。
島田琢郎
4
○
島田
(琢)小
委員
一昨日から、新しい年度の
畜産
問題に対しまして、
政府
の
諮問
機関であります
畜産振興審議会
に諸問題が提起されているようでございますし、きょうは
飼料部会
が開かれているそうでありますから、そちらの方に大臣も
局長
も出ておられて、
審議官
とのやりとりということに相なるようでございますから、
政策
的な面等につきましてはきょうはおきまして、主として当面の技術的な分野で若干の質問をしたいと思います。 最近の
畜産
の
動向
について、先ほど概括的に
審議官
の
説明
がございましたが、そういう中で、非常に総
需要
抑制等の
影響
を受けながら、
消費
面における
伸び悩み
ということが強調されていたようであります。しかし、最近における
牛乳
において、そしてほかの
畜産物
におきましても、個々的には
生産
の不安定というようなことが非常に心配されております。これは技術的には、
牛肉
対策
とかあるいは
豚肉
におきます従来の成り行き等があって、日本の
畜産
というものは、原則的に見ましただけでも、まだいまだに非常に不安定な
状況
を持ちながら推移しているというのが
一般
に言われていることであります。そういう面については、先ほども触れましたように、
政策
的な問題がずいぶんありますからこれは大臣とやらなくてはならぬと私は思うのでありますが、たとえば先ほどの御
説明
にあった
牛乳
の問題でありますけれども、前年対比で出されております
資料
は四十八年の
資料
になっております。四十九年度はことしまだ終わっておりませんけれども、一応
見通し
としては、
生乳
生産
はどの
程度
になりそうなのか。そのほかの
畜産物
等も
説明
がございましたが、とりわけこの
牛乳
については、
生産
が全国的には非常に
伸び
悩んでいるということが巷間言われているわけであります。
頭数
の上から見ますと、先ほど
説明
があったように着実に
伸び
ており、あるいは
戸数
は減ったけれども二月
当たり
の
飼養頭数
もこの十年間に約三倍になったという
報告
でございますが、それなのになぜ全体的には
牛乳
生産
がこのように落ち込んでいくのか。その辺はどういう分析を
政府
側としてはしておられるのか。そこをまず第一点にお尋ねをしたいと思います。
高須儼明
5
○
高須政府委員
生乳
の
生産
を全体で申し上げますと、最近二カ年間、四十八年は前年対比九九・四%、それから四十九年が九九・一%、わずかながら前年を下回っておるわけでございます。これには、この四十八年、四十九年という異常な事態ということがございます。したがいまして、
一般
的になかなかいろいろな要因が重なっておると思います。 まず、
消費
の側面を見てみますると、
消費
全体が先ほどお話し申し上げましたようにきわめて
停滞
いたしておるわけでございます。ただ、飲用乳は相当
消費
も
伸び
ておるわけでございますが、飲用乳以外のものの
消費
がきわめて
停滞
しておる。そういった
消費
からの側面というものも間接的な
影響
を持っているかと思います。 また、
生産
サイドにおきましても、
飼料
の高騰であるとか、その他
生産
資材等の高騰であるとか、そういう
一般
的な困難さと、そのほか
国内
の
生産
環境の悪化と申しますか、特に北海道を除く他の
地域
の
生産
環境が全体として悪化しているというようなもろもろの条件が総合的に働いてこのような
状況
になっておるものかと考えております。
島田琢郎
6
○
島田
(琢)小
委員
消費
が落ちたから
生産
が落ちるというようなことは、これは次元の違う話ですね。そういうことじゃなくて、私の聞きたいのは、
生産
がなぜ
鈍化傾向
を示し、あるいは前年対比でこの二カ年続いて落ち込んでいるのか。その原因についていま幾つか項目を挙げられたわけですけれども、一番大事なことは、
酪農
家を含めて
農業
全般にわたっての政治に対する非常な不信感というものがありまして、確たる
見通し
の上に立った
酪農
民に対する的確な指示が行われないというようなことを
生産
者の側からよく聞くわけです。私はその点では全く同じ考えを持っておりますし、それだけに私ども政治の場にある者としては同じように責任を感じておるわけですけれども、この
価格
問題などが、たとえばこの六ページに
報告
されておりますが、
需要
の
停滞
に対する原因の一つとして、「四十九年には、
牛乳
価格
の値上げ等の
影響
により特に加工乳が目立って
減少
した」というふうに
報告
されているわけですけれども、いまの
生産
者
価格
というものは
政府
側から考えるとそれほどむちゃくちゃに高いと思っておられるのでしょうか。
高須儼明
7
○
高須政府委員
昨年の三月の時点におきまして決定されました
加工原料乳
の
価格
、これは私どもその当時において妥当であったと考えておりますし、その後の推移等を考えましても、ほぼ妥当に推移してきた、かように考えております。
島田琢郎
8
○
島田
(琢)小
委員
需要
が落ちたから
生産
が落ちたというふうなことにはならぬということは、
審議官
もそういうお答えをしているんじゃないだろうと思うのですね。しかし、昨年の夏ごろも私は質問をいたしましたが、
需要
拡大
というような面で、私ども北海道では農民工場をつくりまして関西あるいは関東に濃縮乳ということで送り込んでおるのですけれども、関西方面における濃縮乳の
需要
が目立って
減少
しているという話がありまして、私も調べてみましたら、計画の七〇%ぐらいにしかなっていないというような
報告
が、途中ですけれどもありました。私は現地に戻りまして、農民工場の幹部に、この実態について、どうしてこうなっているか、現地としての分析はどうですかと言って聞きましたら、いろいろとせっかく道あけをしてみても、濃縮乳といったようなものに対するなじみといいますか、こういうものがありまして、ストレートにはなかなかいかない部面がある、一生懸命努力をしているんですが、そういう面についても
政策
上考え直していただくようなことがないとこれはいかぬということを滑り出してから感じ取っております、と、こういう話でした。その後、当時私が質問しましたのは、いわゆるせっかくの本物
牛乳
というようなものをこれから普及していかなければならないやさきに、また農林省サイドからも三・八
牛乳
を容認するような動きが出てきて、せっかく
国会
も附帯決議をしたり、特別な決議をして本物
牛乳
の
消費
拡大
を図っていくというようなことをやっても、一面そういうふうなことが行われるとしたら、
消費
の面でいつも堂々めぐりをして、前に進んでいかぬではないかということを前に御指摘をしたことがありました。
畜産局長
からは、万やむを得ないのでこれは認可する方針だということで押し問答になってしまったわけですけれども、そういう点なども一つ一つ改善し、前進させていくという姿勢がありませんと、今日の
牛乳
の
需要
の減退というような問題は
生産
面にも心理的に与える
影響
は確かに大きいわけです。ですから、こういう
施策
についてもっとしっかりした考え方が出されてまいりませんといかぬと思うのですが、この三・八
牛乳
などというのはその後どういうふうな動きになっているのですか。それによってどの
程度
北海道から来る濃縮乳に対する
影響
をしているのか。この現況についておわかりならお示し願いたいと思うのです。
高須儼明
9
○
高須政府委員
いわゆる加工乳の問題につきましては、しばしば
局長
からお答え申し上げておりますとおり、私どもといたしましては加工乳の存在そのものは好ましいということは考えていないわけでございますが、しかしながら、御
承知
のような
状況
で、内地の大都市周辺において季節的に非常に不足が発生いたすわけでございまして、そういったような際にやむを得ずそういうものが存在しておるというのが現状でございます。 私ども、ただいま、この問題につきましては
委員会
をつくりまして、この問題を解決してまいりますためにはどのような点をどのような方向に誘導していくべきものであるか、また、どのような
問題点
が存在しているのかということを、学識経験の方々に徹底的に分析をお願いいたしておる段階でございまして、それらの御
検討
の結果具体的に出てまいりました方向に従いまして、私どもの基本的な方向に向かって努力いたしたい、かように考えておるわけでございます。
島田琢郎
10
○
島田
(琢)小
委員
お答えが具体的でないのでまことに不満足ですけれども、限られた時間内での質問でありますから、これはまた別な機会に譲って、もう少し詰めなくてはいけないと思っております。 そこで、先ほどのお話しにありました今日の
酪農
の状態というものについて大変幾つかの
問題点
が出てきている。そういたしますと、
酪農
振興
法に基づいての
酪農
近代化計画の樹立についても洗い直しが必要な時期に入ったというふうな見方をしていいんですか。恐らく、
目標年次
に対してこれはかなりの計画そごが出るんじゃないかというふうにいまの御
説明
によると見通されるのですが、酪近計画についてはどういうふうにお考えですか。
高須儼明
11
○
高須政府委員
酪近計画につきましては、その根底となります
長期見通し
というものが、従来の路線からかなり修正されております。したがいまして、そのようなことを前提にいたしながら、酪近計画につきましては五十年度見直す
予定
でございます。
島田琢郎
12
○
島田
(琢)小
委員
これは、
酪農
振興
法ができて酪近計画というものが
制度
化されてから間もなく実は手直しが行われましたが、これは
酪農
近代化計画の考えておる基本の問題が整理されないまま滑り出しをしたのではないか。当時私も町村におりまして、
酪農
近代化計画に参加をいたしまして、市町村の計画作成の段階で大変多くの議論をしたのであります。ところが、間もなく、三年もしないうちに
酪農
近代化計画の手直しだということでまたおろされてきた。事ほどさように
酪農
の問題に関する限り——
酪農
の問題に関する限りではないわけですけれども、きょうの話をしぼって申し上げますと、
酪農
近代化計画一つ取り上げてみても、日本の
酪農
の行政上の取り扱いというものは非常に試行錯誤が多い。確たる自信を持っての、日本の
酪農
はかくあるべしといったような
施策
を農林省自身はまだお持ちになっていないというような印象を私は強めているわけであります。ですから、いろいろな
動向
を踏まえてその都度手直しをしていくというようなことで政治を進めていくということになれば、ますます末端を混乱させて不信感だけが残るというような結果になります。私は、この辺で、
価格
政策
等も踏まえてきちっとした考え方が明確に示される必要があると考えているわけです。 そのいわゆる
酪農
近代化計画につきましてもことしは見直しをしたいというようなことを言っていますが、考え方はどの辺に置いてこの計画を手直しされようとお考えなのか、具体的にお示しを願いたいと思います。
高須儼明
13
○
高須政府委員
わが国
の
酪農
の過去の
発展
状況
を見ておりますと、非常な
発展
を遂げておるわけでございまして、酪近計画の実施自体がいろいろ問題があったことは事実でございましょうけれども、結果といたしまして、
酪農
は目覚ましい
発展
を遂げてまいっております。 今日、
牛乳
、
乳製品
をめぐりまして周囲の情勢が大きく変化してまいりました。日本
経済
そのものが大きく変化いたしておりますし、その中に置かれております
農業
、また、その中の
酪農
のあり方というものも大きく転回し始めておるわけでございます。そこで、私どもは、新しく六十年に対する
見通し
というものを現在固めつつあるわけでございます。そのような方向の中において六十年度の姿を具体的に描きながら、さらに全国的なその肉づけを行うといったような考え方で
検討
いたしたい、かように考えております。
島田琢郎
14
○
島田
(琢)小
委員
これは
政策
の部分に入ってしまったような話で、答えもまことに木で鼻をくくったようなお答えにしか受け取れないのです。 特に、先ほど
審議官
から一昨日の畜審の総会の模様が概略
報告
されましたけれども、その中で
価格
の問題にも触れておるようでありますが、一つは、
農業
者側といいますか、
生産者代表
委員
からいわゆる
経済
条項発動の基準を明確にせいという
意見
が出されたと同時に、
昭和
五十年の乳価決定の時期の問題にまで触れているようでありますが、これは具体的にはどういう
意見
が出されたのですか。
高須儼明
15
○
高須政府委員
その問題は、
年度内改定
をめぐりまして、
年度内改定
がそもそも必要になってくるのは、三月末という時期に
価格
を決定しなければならないという現在の体制が現在
法律
で定められておるわけでありますが、若干それに問題があるのではなかろうか、したがって、三月末という時期に決定するよりは、むしろ他の時期、たとえば夏と秋などに決定すれば、四月に通常ございますところの
一般
のベースアップの問題であるとか、あるいはまた米価であるとか、そのほかえさ
価格
の
見通し
等もある
程度
できるのではなかろうか、そういうためには春三月末にやるよりは秋にやった方がよいのではなかろうか、と、このような
意見
があったわけでございます。これについてはひとつ研究してもらいたいというような感じの御発言でございました。
島田琢郎
16
○
島田
(琢)小
委員
政府
側としては、その問題提起に対してどのように現在考えておりますか。
高須儼明
17
○
高須政府委員
この問題につきましては、技術的な問題もいろいろからまっております。はっきりいまこの段階で申し上げる見解にはまだ到達いたしておりませんが、
種々
の観点から研究をいたしております。
島田琢郎
18
○
島田
(琢)小
委員
畜審における
意見
というものは非常に重要な意味を持ちます。したがって、
政府
側はそういう重要な発言に対して明確な態度でこたえるべきではないかと思うのですが、それは単に聞きおくということに一昨日はされたのですか。
高須儼明
19
○
高須政府委員
この問題が出ましたのは、
年度内価格改定
の問題が
中心
でございまして、
年度内価格改定
について、
発動基準
等を具体的にした方がよろしいといったような御
意見
があり、そのほか、
年度内改定
につきまして先ほど申しましたような
種々
な御
意見
があったわけでございますが、その一環として研究してもらいたいというような御
趣旨
と申しますか、要望と受け取っておるわけでございます。
島田琢郎
20
○
島田
(琢)小
委員
新聞の報道によりますと、
委員会
全体の空気もそういう空気であったということです。これは新聞の報道が正しいかどうかわかりませんが、全体の
委員
の
委員会
における空気がかなりそういう方向を肯定しているような空気であったというふうな報道が一部なされているのですけれども、それだけに、
昭和
五十年の
価格
決定を目前に控えて、これは大変重要な発言だと私は思うのです。その点について、単に
検討
事項
として
検討
しますというだけの
政府
の姿勢じゃ私は困るのです。現行法はきちっと年度末においてこの
価格
を決めることになっておるわけですから、それをあいまいにするということはよくない。いま、
生産
者段階においては、五十年度の
価格
要求をめぐってその運動が大変盛り上がっていこうとしている大事な時期なんです。こういう考え方が
委員会
に出されて、それに
政府
側が明確に答えないということは非常に混乱をさせるということになりかねないと私は考えるので、そこはやはり現行法に基づいて、三月三十一日までに決めて一日に公示するという姿勢を堅持していただかないと困ると私は思うのです。ですから、問答の余地はないと思うのです。もう目の前に来た
審議会
の
意見
です。その辺は毅然たる姿勢というものが示されていないように新聞報道等で感じられるのですけれども、その辺はいかがなんですか。かなりあいまいに考えているのじゃありませんか。
高須儼明
21
○
高須政府委員
豚肉価格
あるいは乳価関係のこれは、
法律
で現在はっきり定まっております。年度内に決定するということになっておりますので、それを改めなければ方法は変えられないわけでございます。したがいまして、この際、いま当面の問題を先に延ばすというようなことは全く問題外でございます。将来の
制度
のあり方としてそういうことも研究した方がよいという御
趣旨
でございまして、現在当面の問題を先に延ばすというようなことをお考えの方は、どなたも、一人もいないのではないかと思います。その点は新聞が若干きつかったかもわからないと思いますが、私ども、先ほど申し上げましたように理解いたしております。
島田琢郎
22
○
島田
(琢)小
委員
非常に大事な時期ですから、
生産
地における
影響
というものは大きいわけですね。ですから、この取り扱いには非常に慎重を期していただきませんと、もう早速私のところに、
政府
は五十年の乳価を秋に延ばす意向なのかという質問が電話で飛んでまいりました。私はそのことについては聞いていないので、きょう
畜産
小
委員会
があるのでその点は公式に明確にしたいとお答えしたわけですが、そういう経過もあります。 非常にこれは混乱をいたしますね。それだけにいま微妙な時期に来ている。その微妙な時期に来ている矢先の総会における
委員
各位の発言というのは、これは非常に
影響
が大きいですから、私は重ねて言っておきますが、そういう場合であるだけに、
政府
側としては、将来の課題と今日の当面決めていかなければならない五十年の
価格
の決定とは明らかに分離して、明確に
委員会
の席上でお答えになるべきではなかったか。そうしないと私がいままで申し上げたような混乱が起こってしまうということを私は改めていま警告しておきたいと思います。 さて、先ほど
酪農
近代化計画について考え方が示されたようでありますが、この酪近計画の取り扱いにつきましてはもう少し政治的な立場での議論をしなくちゃいけないと私は思っておりますから、きょうは余り政治的な話は抜きにしておきたいと思いますけれども、
加工原料乳
の北海道におきます
シェア
というものは依然として改まらない
傾向
があります。北海道においては九対一で、市乳の部分は一割しかありません。先ほど私が関西に送っている濃縮乳の問題について現状を御
説明
願いたいということを申し上げたのは、北海道における
加工原料乳
地帯の
牛乳
をできるだけ多く市乳化するという考え方に立って
政府
も行政上の取り扱いを進めてきたと考えているのですが、補助金などは何とか出す形をとったものの、現実にはこれらの輸送に対する一部補助、助成という点もまだまだ十分でないということ、そこら辺に非常に大きな問題があるのではないだろうか。それから日数の問題などもあります。産地から
消費地
に送り込むときの技術的な問題などもあるようであります。これらについて、今日段階でこのせっかくの市乳化
促進
の方向が計画どおりに進んでいないということに対して、
政府
としては手直しをするべきだと私は思うのですけれども、その考え方を具体的にお示しをいただきたいと思うのです。 お考えがなければしようがありませんけれども、なければ私の方から問題を出しますが、このままではだめだと
政府
側もお考えになっているのではないかと思うのですが、これを具体的に一〇〇%達成できるような方法を急いで
検討
いたしませんとこの
事業
はなかなか進んでいかぬと思うのです。いま私の方から問題を出しましたように、輸送の一部補助、助成という方法、あるいはまた具体的な輸送の技術的な問題の解決方法、こういう点が幾つかあると私は思いますが、いかがでしょうか、この考え方をお示し願いたいと思います。
高須儼明
23
○
高須政府委員
先ほど申しましたように、加工乳をできるだけ少なくして、
生乳
なり濃縮乳の形で
消費
を
促進
するという方向につきましては、私どももそのように考えておるわけでございます。ところが、加工乳が使用されておるという現実の背後には、簡単には申し上げられないような
種々
の困難な問題があるわけでございます。したがいまして、その一つ一つをよく分析いたしまして、そして具体的に何が可能なのかということを——理屈はきわめて簡単でございますけれども、現実のいろいろな困難な問題が存在いたしておりますので、その分野でどのようなことが可能であるかということを現在学識経験者の方々にお諮りいたしておる段階でございます。 今日まで、
問題点
等の分析等は徐々におおむね進んでおるわけでございますが、なかなか一朝一夕にはまいらないわけで、具体的な解決方法を考えます場合にむずかしい問題に突き当たるわけでございまして、これらをどのように乗り切ってまいりますかということについてはもう少し
検討
の時期をかしていただきたい、かように考えるわけでございます。
島田琢郎
24
○
島田
(琢)小
委員
そこで、最後に
飼料
の問題で若干お考えを聞いておきたいと思います。
飼料
の中の特に配合
飼料
の問題でありますが、先般当農水のどなたかの質問に対してであったかと思いますが、
政府
側から答えて、
見通し
として四月に入ってから配合
飼料
の値下げがあるだろうというふうな話が出てまいりましたが、これは値下げをする方向なのか、値下げをするとすればどれくらい下げるのか、そして、下げる要因としては何と何が出てきているのか、この点を明確にしていただきたいと思います。
高須儼明
25
○
高須政府委員
配合
飼料
の
価格
につきましては、一−三月まで、途中で若干の変化はございましたけれども、おおむね上げを続けたわけでございます。ところが、この配合
飼料
の過去の値上げの原因を分析いたしてみますと、第一番目には、配合
飼料
の原料でございますトウモロコシ、マイロ等の穀物の値上がりでございます。これは御
承知
のように、二、三年前はブッシェル
当たり
一ドル五十セント
程度
のものであったものが昨年の十月には四ドルを超えたというふうに、原料で三倍もの値上がりを示しておるわけでございます。配合
飼料
の五、六〇%がこの原料で占めております関係上、配合
飼料
の建て値を改定せざるを得ないというのが第一点でございます。 それから、第二点は、円とドルとの為替換算率でございます。これがちょうど円がきわめて強かった当時があるわけでございますが、この前のえさの値上げ当時には三百円を超えるというふうな円の安値になっておったわけでございます。この円、ドルの為替換算率の問題が一つであります。 それから、もう一つは、海外のフレートの問題がございます。フレートは、エネルギーショック等の前に
経済
が非常に加熱いたしましてきわめて上昇いたしたわけでございます。この点が一つでございます。 この
三つ
の要因について、最近の
状況
をかいつまんで申し上げますと、一つは外国の穀物が値下がりを始めたということでございます。最近時点の値段は、一時二月は相当下がりまして、二ドル五十セントくらいまで下がったわけでございますが、その後ちょっと持ち直しまして、現在三ドル
程度
で推移いたしております。したがいまして、この要因が一つ。 それから、もう一つはフレートの問題でございます。一時三十ドル
程度
までいっておったと思いますが、これが急激に安くなってまいりまして、最近十ドル
程度
で推移いたしております。 また、円の方もドルに対して最近は大変強くなってまいりまして、一時二百八十五円くらいになったこともございますが、また最近ちょっと円が弱くなってまいりました。 これらの要素は絶えず変動いたすものでございます。四月以降の配合
飼料
がいつ買った原料を使って出てまいるのか、それによります。それからこれらの原料の値決め、それからフレートの決済、あるいは円為替、ドルの関係でございますから、その決済がいつ行われたかという、そういうようなもろもろのものが
影響
してまいりますが、方向といたしましては、四月以降は値下がりの方向にございます。ただ、幅につきましては、現在全農あるいは商系の方々から
種々
飼料
の提供を受けまして、できるだけ下げていただきたいということをお願い申しておる段階でございます。
島田琢郎
26
○
島田
(琢)小
委員
配合
飼料
の製造者の方から出されている案というのはどれくらいですか。それから長期的に見て——長期的と言っても、五年も十年も見通すことはなかなかむずかしいでしょうけれども、少なくとも
昭和
五十年度の年度末までの見込みで、配合
飼料
の
価格
はどういう状態で推移するというふうに
政府
側は見ておりますか。
高須儼明
27
○
高須政府委員
幅については、私どもまだ最終的な考えにまとまっておりませんので、御勘弁いただきたいと思います。 今年度、外国の要因とか、あるいは世界
経済
の流れの中において決まってまいります要因に規制されておりますので、この点の
見通し
はきわめて困難でございます。一つ原料をとらえてみましても、昨年のちょうどいま時分にはアメリカの作付が有史始まって以来の作付ということで、シカゴ相場も大変安くなったわけでございますが、それが春になりまして長雨が始まる、夏に至りまして干ばつが起こる、秋に至って早霜が来る、と、こういうようなことで輸出規制までやられるんじゃないかという騒ぎになって、それが八月にわかったことでございます。 そのように今後世界の構造が大きく変化してまいりまして、二、三年前までは一年間の輸出分の二倍から三倍に達するような在庫を抱えておりまして、したがって、若干の不作が起こっても別に動揺はしなかったわけでございますが、現在アメリカの在庫は船底すれすれといったような
状況
でございますので、全く天気に支配されるという様相が非常にあるわけでございます。したがいまして、私どもはきわめて不安定である、私どもは一カ月先、二カ月先のことが容易に見当がうかない、こういうことが本当でございます。
島田琢郎
28
○
島田
(琢)小
委員
まだ、値下げ幅について
政府
側としては結論は出していないでしょう。ただ、私は、全農なり商社なり商系なりが一体どれくらい値下げできると言ってきているのか、そこを聞きたいので、あなたの方の決定を聞きたいのではありません。ですから、それが幾らなんだと、それを先にお答えください。それから私は聞きましょう。
高須儼明
29
○
高須政府委員
全農さんもあり、それから
飼料
会社もあり、
飼料
工業会関係だけでも七十社ございます。それがほとんど各社ごとに違うと言ってもいいくらいでございまして、幅は非常に大きゅうございますので、ほとんどできないというところから、かなりできるというところまでございまして、そこをどう判断するかということがなかなかむずかしい
状況
でございます。
島田琢郎
30
○
島田
(琢)小
委員
その代表的なものだけでいいですが、一体どれくらい譲ると言ってきているのですか。
高須儼明
31
○
高須政府委員
具体的な数字だけは御勘弁をいただきたいと思います。
島田琢郎
32
○
島田
(琢)小
委員
私はいまのやりとりでも指摘をしたいのですけれども、
酪農経営
者あるいは
畜産経営
者としては、この二、三年来えきに振り回されて
経営
がぐらぐらしたという苦い経験を皆様も強く持っていらっしゃる。ですから、えさの値上げ、値下げ、これはどちらにしても非常に関心が高いわけですね。せっかく値下げという空気があるなら、この際これくらい下がるぞということぐらいはおっしゃった方がいい、また、おっしゃるべきだと私は思う。現行法のいわゆる
飼料需給安定法
という
法律
は、いまの
政府
のとっているやり方としては、基金
制度
できわめて不安定な
飼料
の
需給
をやっていこうというわけですから、これは長期的に見てかなり問題が出てくるだろうと思う。いままでも出てきたし、また、これから先も、おっしゃるとおりえさに大変振り回されるという事態は続くであろうというふうに私は考えざるを得ません。私は、長い間、この
飼料
の
需給
安定法というものに対して、これを
改正
して、
価格
も
政府
がきちっと関与できるような
飼料
の
需給
と
価格
の安定法というようなものをつくるべきだという主張をしている一人でございます。きょうは時間がなくなりましたからこのことに長々と触れることはできませんので、また別な機会に譲りますけれども、根本的な抜本的な
対策
を穀物を原料とする配合
飼料
に対しておとりになりませんと、これから先もまだまだえさに振り回された日本の
畜産
、
酪農
というものが続いていくと私は思うのですね。ですから、そのときどきのばんそうこうを張ったようなやり方からこの際大きく脱却するべきときです。
飼料
の将来
見通し
だって、さっきお話しがあったように、これからの
需要
量はまだまだふえていきます。もう米の倍に達する。この大変な配合
飼料
をそのままにしておいて日本の
畜産
の
発展
を考えるということはもはやできない。そういう立場にいまは立っているわけですが、これはまた改めて私の考え方を申し上げて、御
意見
を聞かせていただく機会を持ちたいと私は思います。 私に与えられた時間がやってまいりましたから、最後に一つだけ申し上げておきますと、今度の
国会
に、えさの添加物の規制の問題について、
飼料
の品質改善に関する
法律
の
改正
案が持ち出されるようであります。
消費者
サイドから私どもいろいろな質問を受けておりますが、この添加物の中で今日まで非常に心配されておりましたAF2の問題にしても、あるいは石油たん白の問題にしても、今度の
予算
でこの研究を始めるということでありますけれども、ここら辺もきちっとした
政府
側の明快な姿勢というものが
消費者
の皆さんに理解されませんと、これはひっくり返って
生産
者の方にひっかぶってまいります。仮に、そんな物を使っていたら私どもはもう
牛乳
も飲まぬ、
牛肉
も食わぬというような事態になったとしたら大変なことになるわけであります。これはひとり
消費者
の問題ばかりではありませんで、
生産
者も挙げて心しなければならない大事な点であります。
飼料
の絶対量が不足するという、その逃げ場を簡単なAF2とか石油たん白というような形のものに求めて逃げていくということはゆゆしき問題を残すことにもなりかねませんから、これは
飼料
の品質改善に関する
法律
の一部
改正
が出されてまいりました時点でもっと細かに私は申し上げてまいりますが、きょうは、えさ問題の中にこういう点も含めて、日本のえさのあり方について、ぜひ抜本的に考え方を変えていく姿勢をお示しくださるようにお願いをしておきたいと私は思うのです。 私の時間がなくなりましたから、
畜産局長
は途中からお見えですから、
高須
さんからいまの私の考え方に対してお考えをお聞かせいただきたいと思います。
高須儼明
33
○
高須政府委員
ただいま御指摘のございました
飼料
添加物の問題は非常に問題でございます。しかしながら、今日全く行政の手を出すことができないような、そのような
制度
は
法律
的に担保されておりませんので、今回
飼料
品質改善法の
改正
ということでお願いいたしておるわけでございます。このような
制度
ができました暁には、
飼料
添加物の問題については、あるいは新しい
飼料
がどのような物が出てまいるかわかりませんが、たとえば微生物たん白等の問題が出ました際には、徹底的に安全性の
検討
をいたした上で使用できる物を使用してまいる、そのような確証のない物は使用を禁止してまいる、そういう
制度
を確立することが今回の品質改善法の
改正
でございます。そのようなものを含めまして、先ほど来先生がおっしゃっておりました配合
飼料
の諸問題について今後も鋭意
検討
を続けてまいりたい、かように考えます。
澤邊守
34
○澤邊
政府
委員
質問の後半だけしかお聞きしておりませんでしたが、いまの添加物の話につきましては、われわれといたしましては、安全性が確認され、しかも国民的合意が得られるということ、この二つの条件が満たされなければ使用を認めないということでやっていきたいと思っています。したがって、いま
飼料
添加物について
種々
行政指導はしておりますけれども、これは
法律
があるものではございませんので、それをきちっとした
法律
制度
にしたいということ、それからさらに、添加物についてももう一遍総洗いをしまして、必要最小限度にとどめていくということ、もちろん、安全性の問題と養鶏、
養豚
、
畜産
全般の
経営
の安定というものをどこで調和させるかということが一番苦慮するところでございますけれども、基本的な考え方といたしましては、いま申し上げたようなことで、安全性というものに十分配慮をしてやっていきたい、こういうふうに考えます。
島田琢郎
35
○
島田
(琢)小
委員
終わります。
坂村吉正
36
○
坂村
小
委員長
芳賀
貢君。
芳賀貢
37
○
芳賀
小
委員
局長
に尋ねますが、まず、第一に、
昭和
四十九年の
生乳
の
生産
費
調査
並びに肥育豚の
生産
費
調査
の公表の日にちが迫っておるわけでございますが、これはいつになりますか。
澤邊守
38
○澤邊
政府
委員
例年でございますが、二十日過ぎごろに出る見込みでございます。
芳賀貢
39
○
芳賀
小
委員
この
生産
費
調査
の公表の問題については、毎年の当
委員会
における
畜産物
の
価格
審議
の際、この
審議
に間に合うように提出すべきであるということを指摘しておるわけですが、それが改善されないわけですね。極端な例から言うと、たとえば
生乳
の場合は
畜産
審議会
の
酪農
部会
の開かれる日に合わせて公表するとか、あるいは肥育豚の
生産
費については畜肉の
部会
が開かれる日に公表するとか、あるいはまた農安法の場合においても、てん菜の
生産
費が、毎年四月十日までに、てん菜の最低
生産
者を決める直前にしか公表されぬとか、米価のごときは、五月に決める場合は米審の直前に公表になるとか、七月に決める場合には七月の米審直前とか、そういうことになっているけれども、
政府
の
価格
決定作業の最終段階に符節を合わせるような公表のやり方というのは間違いでしょう。四十九年の
生産
費
調査
の必要な原材料というのは、去年の六月までに全部そろっているわけですから、それを整理して公表するということになっておるのですね。たとえば、きょうの小
委員会
に間に合わすということになれば、これはできることなんですよ。統計を
政策
的に、政治的に扱うというのは問題ですからね。これはどう考えていますか。
澤邊守
40
○澤邊
政府
委員
昨年六月までにというのは
調査
期間でございますので、その後
資料
を収集し、集計をし、その間いろいろ
問題点
をチェックするというような作業もございますために大変おくれているわけでございますが、われわれといたしましては、統計情報部にできるだけ早くというお願いをしておりますが、全体のスケジュールの中でやっと三月末の
審議
に間に合うということで例年出していただいておるわけでございますが、今後とも統計情報部に対しましてはさらに少しでも早めるようにお願いをして、便宜に供したいというふうには思います。
芳賀貢
41
○
芳賀
小
委員
この点については、小
委員長
から統計情報部長に出席を求めてもらいたい。統計情報部長が出席しなくても、きょう出席した農林省の皆さんでわかればいいですけれども、責任を持って明快にできないとすれば、早速出席を求めてもらいたいと思います。
坂村吉正
42
○
坂村
小
委員長
芳賀
君に申し上げます。 統計情報部長に連絡をとって、すぐに出席させるようにいたします。
芳賀貢
43
○
芳賀
小
委員
それでは、この問題は統計情報部長が出席してから尋ねることにいたします。 第二の点は、昨年四十九年度の
生乳
の
加工原料乳
保証
価格
を四月一日に告示したわけですが、
政府
価格
決定時点における
価格
決定のそれぞれの要素と、実施されてから一年間の実績というものが全く同一ということにはなっていないと思うわけであります。 そこで、問題を四つに分けて、まず、第一に、保証乳価決定時の自家労賃については、これは重要な算定の
基礎
になっておるわけでありまして、つまり、決定時の時間
当たり
の自家労賃に対して、その後七五年春闘等が闘われまして、民間労働賃金が前年度に比べておおよそ三二%具体的に上昇をしておる。そういう点から見て、決定時の自家労働に対する推定労賃というものは、これは春闘後の民間の労働賃金の上昇、特に保証乳価の自家労賃に対応するものとしては、主要なる
生乳
の
生産
地域
の製造業の平均労賃を加重平均するというような、非常に複雑な低賃金を志向した計算をしておるわけでありますが、結局、三様の賃金というものはどういうふうに変わっておるかという点について、まず、
資料
に基づいて
説明
してもらいたいと思います。
澤邊守
44
○澤邊
政府
委員
四十九年度保証乳価の算定
基礎
となりました飼育管理家族労働の労賃単価は、四十八年十一月から四十九年一月における
加工原料乳
地域
、一道四県でございますが、製造業五人以上
規模
の労賃
水準
として四百六十円一銭というように算定をしたわけでございます。現時点では、労働省の毎月勤労統計は、県別の製造業三十人以上の
規模
の労賃は十一月までしか把握されておらず、また、全国製造業三十人以上の
規模
の労賃は本年一月までしか把握されていないので、試算の域を出ませんけれども、強いて申し上げれば、約四百六十円の三割強
程度
になるのではないかというふうに思われます。
芳賀貢
45
○
芳賀
小
委員
決定時の自家労賃が四百六十円一銭、それじゃ、これに三〇%上昇した金額を加算すると幾らになるのですか。
澤邊守
46
○澤邊
政府
委員
三〇%ですと、百三十八円足すことになりますので、約六百円前後になると思います。
芳賀貢
47
○
芳賀
小
委員
これは結局、去年の四月一日から四十九
牛乳
年度である三月三十一日までの変化というのは、これと大きな変化はないということですか。十一月だから、十二月の年末手当とか、あるいは年が明けてから年度末手当等のものがこれに入ればまだ上がるでしょうがね。
澤邊守
48
○澤邊
政府
委員
若干は上がるかと思いますけれども、余り差は出ないのじゃないかと思っております。一月までの分でやりますので、それほど差は出ないのじゃないかと思います。
芳賀貢
49
○
芳賀
小
委員
そうすると、時間的に見て、
政府
の推定して決めた四百六十円に対して、この四十九
牛乳
年度においてはおおよそ六百円ということになれば、時間
当たり
百四十円、
政府
が推定して定めた乳価よりも労賃部分が高くなっておるということになるのですね。
澤邊守
50
○澤邊
政府
委員
そのとおりでございます。
芳賀貢
51
○
芳賀
小
委員
二番目は、
生産
費の一番大きなウエートを占める
飼料
費の点ですが、農林省の計算によると、
飼料
費を分けて購入
飼料
と
自給飼料
に区分しておるわけですが、そのうちの購入
飼料
については、
価格
決定時の単位
当たり
の
濃厚飼料
代と、その後一年を経過した平均の実績
価格
というものはどうなっておりますか。
澤邊守
52
○澤邊
政府
委員
平均の実績
価格
というお尋ねですが、直接のお答えにはならぬかと思いますが、昨年織り込みました場合の
配合飼料価格
が、その後四月以降約四千円の値下がりをいたしましたが、十一月から七千六百円、四千円下がったところからまた七千六百円、一月からさらに四千円というように上がっておりますので、
飼料
価格
は当時算定したときに算入いたしました
価格
よりは上がっておるということは当然言えると思います。
芳賀貢
53
○
芳賀
小
委員
それでは、年度初めに決めるえさ代ですから、当然、推定、つまり織り込み
価格
ですが、それと実績を対比するとどのくらいですか。十キロ
当たり
でもいいし、百キロ
当たり
でもいいです。
澤邊守
54
○澤邊
政府
委員
ちょっといま大ざっぱな計算をしてみますけれども、先ほどお答えしたことをもう少し正確に申し上げますと、四月から八百円ですか、四−六が八百円トン
当たり
下がりました。 それから、七月からはさらに三千二百円下がりまして、七月から十月末までは、三月の織り込み
価格
よりトン
当たり
四千円下がった。四月から六月までは八百円下がって、それから十一月からは織り込み
価格
よりは三千六百円、十一月、十二月と上がりました。一月からは三千六百円にさらに四千円、ですから、七千六百円三月の織り込み
価格
より上がった、こういうことになるわけでございます。 したがいまして、平均しますと織り込み
価格
より上がったということでございますが、いま計算をさしてみたいと思います。 なお、一月からの値上がり分につきましては、四千円——全農ベースの話でございますけれども、上がった分につきましては特別基金からの補てんが約三千円、それから通常補てんが約四百円ということで、三千四百円は最低限補てんをされますし、さらに残りの六百円につきましても、各県連によりまして値引きしたところもございます。全面的な値引きをしたところもございますし、一部値引きしたというようなことがございますので、実質的な農家負担は一月からの分はかなり緩和されておるというように思います。
芳賀貢
55
○
芳賀
小
委員
私の尋ねておるのは、これは毎年のことでありますが、
生乳
の
価格
決定は年度の初めに決めるわけですからね。毎日毎日これは
生産
をしておるわけです。一年三百六十五日、日々の
生産
になっておるわけですからして、一年じゅうの中で
生産
費に変化が生ずるということは当然あり得ることだし、また、インフレの高進が激しい場合においては、年中途においても、年の初めに決めた
価格
というものは適合しないではないかという場合も出てくるわけです。ところが、農林省の場合、毎年の
生産
費
調査
の結果というものが、たとえば
加工原料乳
にしても、あるいは肥育豚にしても、四十九年度の
生産
費がいまだに公表されておらぬ。それが早目に出てくれば、大体の
生産
費の
動向
というものはその年度中においてどうなっておるかということを掌握することができるが、これがぎりぎりしか出てこないわけですからね。結局は、実態を知るためには農林省事務当局から正確なものを聞かなければ判断ができないということになるわけです。一回決めて大臣が告示すれば、一年間安くても高くても構わぬというわけにはいかぬと思うのですね。だから、実績の発表等については迅速、正確を期すようにしてもらいたいと思います。 後で数字が調ったら、質問を終わるまでに知らせてもらいたいと思います。
三番
目は、副産物収入の変化がどうなっておるかということです。これは昨年の副産物収入の
価格
を論議する場合においても、食肉の
価格
動向
というものは非常に不安定ではないか、そういう場合においては、むしろ
生産
費の中に副産物収入というものを取り入れるということに問題があるのではないかということを指摘したわけでございますが、
価格
が告示された後、国産の
牛肉
等はその前年に比較すると、大体一〇%ないし二〇%というふうに暴落をしておるわけですからして、
価格
決定の時点における副産物収入のそれぞれの要素についても相当修正すべき点があるのではないかというふうに思うわけですが、その点はいかがですか。
澤邊守
56
○澤邊
政府
委員
これも先生のお尋ねになったことずばりのお答えにはあるいはならぬかと思いますが、四十九年の保証
価格
の際の副産物の織り込み
価格
は、問題になりましたのは特に子牛かと思いますが、子牛についてみますと、一頭
当たり
雌子牛は七万八千円、それから雄子牛は九千三百円という
価格
を織り込んでおるわけでございますが、その後の
価格
を見ますと、昨年の乳雄の子牛
価格
はかなり低落をしまして、四十九年の七−九月の物賃
調査
結果では、乳雄子牛一頭
当たり
六千九百八十八円。これは九千三百円を織り込んだと言いましたが、七−九でございますが、それよりさらにその後下がった
価格
で売られておりますが、その七−九でとりまして六千九百八十八円ということでございます。これは全国でございますので、
地域
によって若干の差はもちろんあるわけでございます。したがって、織り込み
価格
を下回っておるということでございます。 それから、一方、乳雌子牛、これも副産物で出るわけでございますので、これの
価格
は九万二千八百二十三円、これは同じく七−九でございます。したがいまして、これは織り込み
価格
七万八千円よりはこの段階ではかなり高いということでございますので、問題となります雄のスモールの
価格
は下回っておりますが、雌の方は織り込み
価格
より上回っておるということが七−九まで見られております。 この
傾向
はその後も若干幅が縮まっておる、あるいは乳雄についてはさらに格差が開いた、乳雌については織り込み
価格
より高かったものの幅が縮まった、ということはございますけれども、
傾向
自体はそう変わっていないのではないかというふうに見ております。
芳賀貢
57
○
芳賀
小
委員
第四点は、直接保証乳価の
価格
に
影響
はないわけですが、しかし、同じ
生産
される
生乳
が用途別に
加工原料乳
と飲用向けに販売されておる。ところが、飲用向けの
生乳
価格
は、最近は加工向けの
生乳
に比べてキロ
当たり
大体三十円ないし三十五円、場合によっては四十円の格差があるわけですが、
加工原料乳
の方は
政府
が行政
価格
として決めるわけで、特に責任がある。飲用向けはこれは売り手と買い手、
生産
者と工場側の合意によって成立する
価格
でありますが、この方が
需要
供給との間に生じた実勢
価格
としては実効力があるというふうに考えられるわけです。 だから、これは毎年のことであるが、加工原料保証乳価を決める場合に、実勢で決められるところの飲用向け乳価というものを相当配慮して保証乳価を決めないと、
政府
の決める保証乳価というのは
生産
者に対する所得補償というものを全く忘れた低乳価を押しつけるのではないかというような非難が毎年
生産
者から起きてくる。それが
酪農
を後退させ、破壊きせる原因になっておるわけですから、こういう点はいまどの
程度
の格差になっておりますか。
澤邊守
58
○澤邊
政府
委員
全国的な平均で申し上げますと、われわれが把握しておりますのは、飲用乳価は九十八円十銭、保証乳価は御
承知
のように七十円二銭でございますので、二十八円八銭の格差があるわけでございます。このほかに
地域
ごとに若干の差がございますし、
価格
ではございませんけれども、それに類似の奨励金等も、正確ではございませんけれども出されておる
地域
が多いわけでございますが、それらを見るともう少し開くかと思いますが、一応純粋の
価格
だけで見ますと二十八円余の格差になっております。
芳賀貢
59
○
芳賀
小
委員
以上の四点を踏まえて、いま同僚の
島田
小
委員
も指摘したわけですが、まず、四十九年の保証乳価というものは年間を通じて妥当であったかどうかということを十分再
検討
する必要があると思うのです。米とか雑穀のように一年一作の場合、しかも、
価格
決定が収穫の直近時に行われているという場合においては、おおむねその時期を前後にして取引が行われるわけですから、その後の変化というものは、次の再
生産
をやる場合に追加払い等の改定措置が必要なときもありますね。とにかく、三百六十五日
生産
するわけですから、四月一日から翌年の三月三十一日まで同一
価格
が底辺をなすわけでしょう。そして、毎年の
価格
決定、新しい乳価を決めるという場合、昨年の場合には大体三七%ぐらい、四十八年度乳価については上がっておるわけですね。丸めて四〇%上がるとしても、四十八年の四月一日を起点にして乳価の実施が始まって、そして四十八年度乳価というのは、去年の三月三十一日まで五十円台の乳価でずっときているわけです。そして、今度の四十九年四月一日以降の実施
価格
については、四〇%の二十円以上上がっておるということになると、次の年度の決定
価格
と前年度の決定
価格
の間においてちょうど四〇%の差が出る。底辺は同じですからね。そうすれば三角形というものができるでしょう。三角形の中に置かれた面というものは、
生産
者の立場から見れば、当然それが赤字要因ということになっておるわけですからね。それを補てんしなくてもいいという理由はないと思うのです。そういう点についての配慮とか
検討
というものは当然行うべきだと思うのですがね。 それはことしの
価格
審議
の場合においては、この問題についての根本的な処理をどうするかということは、農林省としても当小
委員会
に対して十分明快にしておく必要があると思うのです。きょう即座というわけではないですが、小
委員会
は次回二十七日に開くことになっておるし、毎年本
委員会
も決定直前に
畜産物価格
問題について開くということになっておるので、それまでの間に十分
検討
して明快な方針を示すようにしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
澤邊守
60
○澤邊
政府
委員
四十九年に決めました
価格
が一年間固定されておるのが妥当かどうかという点は、そういうものも含めて次回までに
検討
するように、こういう御
意見
でございます。 他の機会にも
農林大臣
からお答えしておりますように、
年度内改定
の問題につきましては、
農産物
の種類ごとにそれぞれ
需給
事情なり
生産
事情も違いますし、
価格
決定の時期も違い、
価格
決定の方式も違いますので、それらを考慮しながら個別に研究をしてみる、こういうふうにお答えしておったところでございますので、われわれといたしましては研究を続けたいというように考えております。二十七日の際に改めてお答えをしたいと思います。
芳賀貢
61
○
芳賀
小
委員
次に、ことしの新しい年度の
価格
決定について、先ほどもちょっと触れました
自給飼料
費に対する計算というものは購入
飼料
と全く違った計算によって計上されておるのですが、これはやはりことしは統一する必要があると思うのです。購入
飼料
の場合には、これは購入した
飼料
ですから、その実績、平均
価格
というものを織り込み
価格
に計上する。これは当然としても、
自給飼料
の場合は、自給
飼料作物
の
生産
費
調査
に基づいた、その答えを
自給飼料
価格
の単価にしては、これは非常に問題だと思うのです。 同一
家畜
に与えるえさの価値というものを二様に分けるというところにまず問題があるし、もう一つ大きな
政策
的な面から見ると、
国内
で自給された
飼料作物
というものは極端に評価を安くして、そしてそれを
牛乳
とか畜肉に
価格
上低く反映させるというようなやり方をするということは、結局、
国内
における
自給飼料
の作物の
生産
意欲というものを
政府
が
政策
的に抑圧するという結果になるわけです。 何もこれは
自給飼料
だけに限ったわけじゃないですからね。
国内
で
飼料
の大増産をやるということになれば、
生産
されたえさ作物というものは、販売しても、他の
農産物
に比較して収益の面においても決して遜色がない、あるいは
経営
の上においてもプラス要素が非常に多いというような刺激がなければ、
国内
における自給
飼料作物
の大増産を進めるということは全然できないわけでしょう。それが増産をして、できるだけ購入
飼料
に依存しないで
自給飼料
をもって
畜産経営
をやろうとすれば、それによる
生産
費の算定というものは非常に低く押えられてしまうということになるわけです。だから、
飼料作物
をつくって、それを
家畜
に供給すればするほど
生産
された
牛乳
あるいは畜肉の値段が安くなるという答えしか出ないわけです。 そういう点から見ても、やはり、ことしは、この
飼料
費の計上というものは、購入であろうと自給であろうと、たとえば可消化養分総量、TDN方式で同一の単位に換算して、一単位
当たり
の
飼料
費というものは幾らであるというふうに、もう少し科学的根拠の上に立って
飼料
費というものは計上するというふうに改める必要があると思うわけです。この点について、これは毎年繰り返している点ですが、
局長
から、ことしはこうするというふうに明らかにしておいてもらいたい。
澤邊守
62
○澤邊
政府
委員
自給飼料
費につきましては、
自給飼料
というのは市場で
一般
に
流通
しておりませんので、市価がないわけでございます。
流通飼料
は市価がございますので、幾らで買ったかという算定ができるわけでございますが、牧草あるいけ粗
飼料
等につきましては、
一般
に
流通
しておらなくて市価がございませんので、われわれの現在のやり方といたしましては、
生産
費
調査
と同一期間をとりまして費用価
調査
というものをやっております。
飼料作物
を
生産
する場合にどの
程度
の費用がかかるかという、一種の
生産
費
調査
のような
調査
をやっておりまして、労働費、建物費、農具費、肥料費等、それぞれの費目ごとに
調査
をしておるわけでございます。それによって、それを
飼料作物
費として全体の
生産
費の中に含めているわけでございますが、昨年は御
承知
のように
流通飼料
が配合
飼料
を
中心
といたしまして非常に値上がりをいたしましたので、
飼料
の自給率を高めることが
酪農
の場合特に大事であるということから、
飼料作物
費のうちの労働費につきまして、従来
農業
労賃をそのままとっておりましたのを、
農業
労賃と都市労賃との平均をとることによりまして粗
飼料
の
生産
を
振興
するような効果を持たせるということにしたわけでございます。 全体が
生産
費方式でやっておりますので、
飼料作物
につきましてもその方式に従って、一部労賃だけは
農業
労賃を他に換算しておりますけれども、その方式でやっておるわけでございます。
坂村吉正
63
○
坂村
小
委員長
念のため
芳賀
君に申し上げますが、吉岡統計情報部長が出席しております。
芳賀貢
64
○
芳賀
小
委員
局長
にもう一問伺いますが、
国内
で
生産
された
飼料
に市価がないというのはおかしいじゃないですか。市価がないというのは、
国内
で
生産
された
飼料作物
は
国内
において販売できないというのですか。市場性がないというのは、販売する場合、
飼料
としての市場価値がないから市価がないというわけですか。
澤邊守
65
○澤邊
政府
委員
私が申し上げましたのは、
一般
に
流通
しておらなくて、客観的な
価格
というものは統一的なものがないということを申し上げたわけで、粗
飼料
であっても
一般
に全く
流通
していないわけではございませんが、
一般
には
流通
しておりませんので、市場性がないといいますか、よるべき市場
価格
がとり得ないということのために、
生産
費の積み上げのようなやり方で
飼料作物
費を出しておるということでございます。
芳賀貢
66
○
芳賀
小
委員
それはおかしいじゃないですか、
局長
。
国内
の
飼料作物
といえば、ほとんど粗
飼料
ですがね。いわゆる乾燥した乾牧草にしてもそうだが、あるいは水田の転作によっての
飼料作物
を農林省は奨励して、転作栽培を相当やらしているでしょう。水田地帯で
飼料作物
を栽培する場合は、水田地帯ですから
酪農
地帯と違うのですから、大半はそれを農協等を通じて販売するということになるのですが、幾らでも羽が生えて売れて困るのですよ。量的にもう少しないかというような希望は多いが、せっかく農林省の転作の
対象
になった
飼料作物
が収穫されて、販売できないで困るというような現象は全然ないですからね。そういう点はもう少し勉強しておかぬといかぬじゃないですか。
国内
の
自給飼料
は市価がないからわからぬ、わからぬから情報統計部の牧草の
生産
費
調査
だけに頼って、そうして
自給飼料
費を計上するというやり方をやっておる。勉強不足だからそういうことをやっているんですよ。もう少しみんなで勉強をして問題に取り組まぬと、いつまでたっても
国内
における
飼料
増産というものはできないと思いますが、どうですか。 もう少し
飼料
問題についての優秀な局員はいないのですか。いまいなければ、農林省全体としては多士済々なんですから、そういう問題をこなせる人を連れてくるとかしたらどうですか。何でも
局長
一人だけではやれぬことはわかるが、どう考えているのですか。
澤邊守
67
○澤邊
政府
委員
確かに、将来牧草その他粗
飼料
が広範に
流通
するということになれば、そこに客観的な粗
飼料
の市価というものが把握されますので、そういう段階に至りますれば、
流通飼料
と同じように購入
価格
あるいは購入に要した費用をそのままとるということは当然考えられますが、現在のところもちろん一部では
流通
しておりますけれども、粗
飼料
につきましては自家用というものが大部分でございまして、
一般
にはまだ
流通
しておりません。われわれといたしましては、粗
飼料
が
流通
するようにいろいろな
施策
でいろいろな助成措置も講じておりますけれども、現状においてはただいま申し上げたようなことでございますので、まだとり得ないということで、費用価計算をいたしまして
飼料作物
費を算定しておるわけでございます。今後の問題として研究をしてみたいと思います。
芳賀貢
68
○
芳賀
小
委員
あと
、
豚肉
の
安定価格
の算定についてですが、これは大体
昭和
三十六年以降同一の計算方式をとってきておるわけですが、この際、国際的にも食肉の
価格
が相当高騰しておるときだし、特に、
豚肉
の場合においては
国内
の
生産
が後退ぎみでしょう。それで、
輸入
関税を免税して外国から
輸入
を続けておっても、それがまた高いわけですからね。
輸入
豚肉
によって
安定上位価格
を超える
価格
を抑えるだけの作用はもうできないでしょう。そうかといって、
国内
の
豚肉
の
生産
はどんどんやめさせて
輸入
豚肉
だけでやっていくというようなこともできないわけですからね。そうなれば、算定方式についても、いままでの市場
価格
の五カ年間を平均にした、いわゆる実績
価格
を
基礎
にしたやり方をさらに高度に改善して、
畜産
農家の
生産
費と所得が補償されて再
生産
が安定的に持続できる
価格
決定方式というものをこの際どうしても採用する時期に来ておると思うのです。 この点についてもまだ正式な案が出ておらぬと思いますし、特に、先日ようやく衆議院を通過した
畜産物価格
安定法の中における
畜産
牛肉
の
価格
決定等についても、参議院の
審議
が順調にいけば三月中に
牛肉
の
安定価格
を決めることができるかもしれませんが、それとあわせてことしの
豚肉
、さらに
牛肉
の
安定価格
の算定については一層の工夫というものが必要じゃないかと思いますが、その点はどうお考えになりますか。
澤邊守
69
○澤邊
政府
委員
最近
豚肉
の出荷が減退しておるということは御指摘のとおりでございます。しかし、それは豚価の
安定上位価格
の問題ももちろんございまするが、それとともに、えさ
価格
が非常に不安定であった。一時下がったと思えば、また二回にわたってかなりの上昇をしたというようなことが何回もございまして、
養豚
農家が先行きに対して不安を持ったということのために子取りが進まなかったというような点が主要な原因ではないかと思っておりますが、最近御
承知
のようにえさの
価格
もやや下がり始めておりますし、将来におきましても、四月以降はある
程度
の値下がりが期待できる、七月以降はさらに値下がりするのではないかというような
見通し
もございますので、その意味ではやや明るくなってきたのではないかと思うのでございます。そういう点もございまして、最近小豚の
価格
がかなり高くなって、種つけも進むのではないかというように見ておりますので、豚は御
承知
のように回転が速いものですから、年度後半になりますれば
生産
もある
程度
回復の基調に乗り得るのではないかというふうに思っておるわけでございます。 そこで、
安定価格
の決め方の算定方式の問題でございますが、われわれはこの問題を白紙で議論するのはなかなかむずかしいと思っております。と申しますのは、現在の
畜産
振興
事業団
によります買い入れ、売り渡しという
制度
の仕組みがいいか悪いかということはまた御議論があって、別の
価格
安定
制度
をやるべきだという御議論もあるいはあるかと思いますけれども、そこはまず一応おきまして、現在の
畜産
振興
事業団
が下がったときに買い、上がったときに売り渡すという仕組みを前提にする限り、
生産
費所得補償方式というものを直ちにとるというのはなかなかなじみにくい点があるのではないかというように思います。もちろん、
生産
費の上昇要因というもの、上昇の
傾向
というものは、来年度の
安定価格
を算定する場合にも当然一つの要素として働きますので、その分は従来どおり織り込んで
価格
を算定しなければならないと思いますけれども、現在のいわゆる
需給
実勢方式といいますか、そういうものをがらりと変えて
生産
費所得補償方式というような
制度
に移行するということは、現在の買い入れ
制度
を前提にする限りなかなかなじみにくい点があるのではないかというように思っておるわけでございます。 えさの
価格
の
動向
も非常に微妙なところに来ておりますので、それらも含めまして、三月末に適正な試算をし、
諮問
をした上で決定をしたいというふうに考えております。
芳賀貢
70
○
芳賀
小
委員
吉岡部長に尋ねますが、四十九年度の
牛乳
の
生産
費
調査
と、それから肥育豚の
生産
費
調査
もまだ公表になっていないわけですね。これは毎年指摘する点ですが、三月に入れば毎年の
加工原料乳
の保証
価格
あるいは畜肉の
安定価格
の
審議
に入るわけですからして、それに間に合うように
生産
費の公表を行えば、われわれ
農林水産委員会
としても適正な
審議
が行われるし、それを
基礎
にして的確な
価格
安定措置を講ずるように強力に
政府
を鞭撻することもできるのですが、いつもぎりぎりの段階しか大事な統計
資料
が出てこないのですよ。 これは毎年
委員会
としても希望している点ですが、ことしは公表がいつごろになりますか。
吉岡裕
71
○吉岡
説明
員
牛乳
生産
費は、いまのところ四月二十五日の公表という
予定
で準備をいたしております。それから、肥育豚の
生産
費は二十日でございます。 それから、これは直接今回の
審議会
の討議の材料となるかどうかは存じませんが、肥育牛の
生産
費は二十四日公表というふうなことで準備をいたしておるわけでございます。
芳賀貢
72
○
芳賀
小
委員
次に、二月二十八日の
予算
分科会でも私から
農林大臣
並びに吉岡部長に質問した点ですが、
生産
費
調査
の場合、自家労賃の評価を改善する、いままでの
農業
日雇い労賃から適切な評価方法を求めて作業を進めておるということを了承したわけですが、それは現在
審議
の始まっておる
加工原料乳
あるいは畜肉等の決定に対しての
生産
費の
資料
として間に合うかどうか、その点はどうですか。
吉岡裕
73
○吉岡
説明
員 私ども、いま先生の御指摘のとおり、家族労働の評価賃金についていろいろ
検討
を進めておるところでございますが、農林省としての結論を得ました結果は、総理府の統計
審議会
等の御了承も受け、最終的に決定しました暁には、出先にそれぞれ指示をし、準備体制を整えて
調査
を始めるということになりますので、今後始まる
調査
について適用になるわけでございますので、今回の
畜産
審議会
等にかけられます
生産
費
調査
は過去の
生産
費
調査
の結果を用いられるものでございますので、私どもの家族労働の評価を変えますものが使われるということにはならないのであります。将来の問題でございます。
芳賀貢
74
○
芳賀
小
委員
きょうはこれで質問を終わりますが、先ほど来指摘した問題の
資料
として提出してもらうべきものについては、小
委員長
から農林省に対して要求してもらいたい。いいですか。
坂村吉正
75
○
坂村
小
委員長
要求されたものは、いま頭にありませんけれども、即にやるでしょうから……。
芳賀貢
76
○
芳賀
小
委員
局長
が聞いておるから……。
坂村吉正
77
○
坂村
小
委員長
提出をしてもらうように手配いたします。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
坂村吉正
78
○
坂村
小
委員長
速記を始めてください。
諫山博
君。
諫山博
79
○
諫山
小
委員
ごく常識的な観点からお聞きしたいと思います。 第十回
畜産振興審議会
で行われた
畜産局長報告
によりますと、
牛乳
の
需要
が
伸び
悩んでいる、加工乳が目立って
減少
しておるという部分があるのですが、これは生
牛乳
の
消費
も減っていますか。
澤邊守
80
○澤邊
政府
委員
生
牛乳
とおっしゃいますのは、おそらく飲用
牛乳
のことじゃないかと思いますが、これは昨年は前年に比べて減になっております。
諫山博
81
○
諫山
小
委員
需要
が減っておるというのは、理由として、
牛乳
価格等
の値上げの
影響
となっていますが、それがやはり一番大きな原因と見ていますか。
澤邊守
82
○澤邊
政府
委員
一昨年の十二月、実際には昨年の一月から値上げしたところが多いと思いますが、それからさらに、昨年の七月半ばだったと思いますが、約半年間に二回値上がりしたということが
消費
の減退の一つの大きな要因になっておると思いますが、そのほか、
一般
的には、先生御
承知
のように、一昨年末のドルショック以来の諸物価高騰によります
消費
の節約ムードといいますか、これがさらに背景にあるということで、大きく言えば二つが原因ではないかというように思います。 ちょっと数字で申し上げてみますと、六月が前年に比べて一〇三・〇になっています。四月から申し上げますと、一〇一・五、一〇二・六、一〇三・〇——これは六月でございますが、七月に九四・二、九五・二、九六・八、九八・二、九七・六、十二月が九八・一、一月が一〇二・六ということで若干上向いてきた、というのが飲用乳の
消費
量でございます。 ただ、その中で、普通の飲用乳、
牛乳
と言っているものと、加工乳——加工乳は脂肪なりたん白を添加しているもので、普通の
牛乳
よりも脂肪率が高いというような、いわゆる良質のものが比較的多いわけでございますが、これは値段がやや高いということもありまして、これの減り方が特に大きい。普通の
牛乳
は先ほど言いましたように、全体が九〇%台のときでも一〇〇%を下回ったことはございませんが、加工乳の方はたとえて申し上げれば七月は八二・七%とか、年末まで八〇%で来ております。ことしの一月になりまして九二%ということで、やや上向いてきました。このように値段の高いものの減り方が特に大きいという
内容
になっております。
諫山博
83
○
諫山
小
委員
現在の
畜産
を取り巻く諸
状況
から見ると、この
価格
が下がる
見通し
はほとんどないように思うのです。飲用乳にしても、加工乳にしても、当然上がらざるを得ないと思うのですが、そうなれば
需要
がますます減ってくる。そうすると、
畜産
というのはさらにむずかしい
状況
になってくるというふうに考えるのですが、まず、
価格
の面から
需要
がふえる
見通し
がこの一、二年ありましょうか。
澤邊守
84
○澤邊
政府
委員
飲用乳について申し上げれば、現在、二百CC一本ですが、配達料込みで四十六円というのは建て値のようなものになっているわけです。実際には販売店ごとに若干違いますし、値切れば少しまけてくれる。それからスーパーへ行きますと、大体五百CCとか一千CCという単位でカートン入りのやつを売っているわけですが、これは相当目玉商品にされていることもございまして、かなり安くなっておりまして、極端な場合には、二百CCにしてですが、三十数円というものも出ておるわけでございます。 そういうことがございますけれども、いま御
意見
がございましたように、下がるという要因は、店により一時的ということは別にしまして、
傾向
として全体的に下がるという要因は余りないと思います。 ただ、
価格
が上がる場合に、どこまで
消費
がついてくるか、あるいは逆に減退するかということは非常に心配されるところでございますけれども、もう一つ考えていいことは、
一般
の物価の上昇あるいは賃金の上昇というものもあるわけでございます。それらとのバランスの問題もございまして、
一般
物価との相対関係で飲用乳の
消費
量というものは変化をする面もありますので、
一般
物価が上がり、あるいは名目的であれ賃金が上がるということでございますれば、若干の値上げ分は
消費
の著しい減退も来たさずに実現できるという面もございますので、一概には言えませんけれども、相当
価格
を引き上げれば
消費
が減るというような一つの節目にかかってきておるということは言えると思います。
諫山博
85
○
諫山
小
委員
飲用乳について少し質問したいのですが、私たちがお菓子屋で
牛乳
を飲む場合でも、やはり五十円以下ではほとんど飲めない。そして、ほかの飲料に比べて
牛乳
の値上がりが特にひどいような感じがするのです。確かにジュース類とかコカコーラ類も値上がりしているのですが、それにしても
牛乳
の方が高いというのは最近出てきた現象ではなかろうかと思うのですが、ほかの飲み物との値上げの比較なんというものはありますか。
澤邊守
86
○澤邊
政府
委員
いま手持ちに
資料
を持っておりませんけれども、確かに、御指摘のように、他の飲料に比べまして
牛乳
の値上がりが大きいということは否定できません。 これは一つには、いまお話しのございました店頭で買うような場合、特に駅売りで飲むとか、あるいはお菓子屋さんで飲むという場合には、先ほど言いました四十六円が、配達はなくても五十円であるというのが
一般
だと思います。その値上がり幅も確かにほかのものと比べて大きいという点が
消費
の
伸び
を押えておるという面は否定できないと思います。
諫山博
87
○
諫山
小
委員
そうすると、
畜産
の
状況
から見て、このままほうっておけばだんだん
価格
は高くなっていくんじゃなかろうかと思われる。そうすると自然に
消費
も減っていく。
牛乳
でなければいけないというような病院とか、あるいは特殊の栄養的な観点から飲んでいる人は別として、そうでない人から見ると、飲用乳の
需要
というものはますます
減少
せざるを得ないような感じが私はするのですが、この問題を抜本的に解決するためには、農家の人が安心して
酪農
が営めて、そして、農家の手取りがふえたからといって
牛乳
の
消費者価格
に直ちにはね返らないような仕組みにして、その差を何らかの形で
政府
が補償していくというようなやり方をしない限り悪循環がずっと続いていくのではなかろうかと思うのですが、いかがでしょうか。
澤邊守
88
○澤邊
政府
委員
牛乳
の
消費
が他の飲料との関係から言いましても
伸び
が
鈍化
しておるということは否定できないわけでございますが、これは
消費者
の嗜好が非常に多様化しているということと、これは
牛乳
という栄養食品であるわけですが、これを飲む
消費者
がそういう栄養価を必ずしも評価して飲むかというと、そういうことが少なくなってきておるという面は否定することができないと思います。 そこで、
価格
は
生産
費との関係で上がらざるを得ない、
消費
は減退するということであるならば、そこで何らか
政府
が
価格安定対策
を——現在の不足払いということかもしれませんが、何らかの
価格安定対策
を飲用乳についても直接やるべきだという御
意見
が一部にあるわけでございます。先生の御指摘になっていることも、あるいはそのようなことを念頭に置いての御質問かと思いますけれども、これにつきましては、現在の飲用乳の
流通
機構自体にいろいろ問題がございます。 〔小
委員長
退席、
島田
(琢)小
委員長
代理 着席〕 先ほども一例を申し上げましたけれども、現在の宅配
制度
、しかもそれぞれメーカー別の専門販売店がございまして家庭まで届けるというようなことで、配達料と
牛乳
代が一緒になってしまっているというような点、それに対して片や最近スーパーにおきますカートン入りの一千CCクラスの販売が非常に
伸び
ておる、しかも
価格
は宅配
価格
と比べますと非常に安い、目玉商品として客を集めるためにマージンを非常に圧縮しておるということもございますけれども、とにかく相当な格差がありまして、
一般
の宅配からスーパー買いに
消費者
の購買
傾向
が変わってきておるということも事実でございますが、いままでの専門店を通ずる宅配
制度
というものが新しい
消費者
の要望にこたえる
流通
機構として果たして存続できるかどうかという問題がございます。われわれといたしましては、配達料と
牛乳
代というものは当然分離して考えるべきではないかというふうに思いますので、そういう
流通
機構の不合理な点、おくれておる面を改善をする必要があると思います。それらによりまして原料乳代の値上がり分を
流通
段階でできるだけ吸収する努力もわれわれはしていかなければならないというように思うわけであります。 それから、また、国が直接
価格
安定措置として
価格
に介入をするということにつきましては、
牛乳
は確かに栄養食品として重要な食品ではございますけれども、米だとかその他のような
一般
的な基本食糧と同じように財政負担をして、それを
消費者
に安く届くようにすることが国民的な合意が得られるかどうかという点についてはなお
検討
すべき点が非常に多く残されているのではないかというふうに思いますので、いま直ちにたとえば不足払いというようなことを飲用乳についてやることについてはなお
検討
すべき点が非常に多いというふうに考えております。研究はいたさなければいけないと思いますけれども、そこまで直ちに踏み切るのにはなお時間がかかるのではないかと思います。 〔
島田
(琢)小
委員長
代理退席、小
委員長
着席〕
諫山博
89
○
諫山
小
委員
飲用乳の技術的な問題についていろいろ
説明
があったわけですが、しかし、これは処理しようと思えば処理できる問題で、
中心
的な課題はやはり財政負担ではなかろうかと思うのです。しかし、このままであったら
消費者
もだんだん
牛乳
が飲みにくくなるし、
酪農
農民も
経営
が成り立たなくなる。そういう悪循環の中でどうにもこうにもならないような事態が起こるんじゃないかと思うし、現にそれに近い状態が出てきていると私は思うのです。ですから、財政負担ということが
中心
的な課題と思うのですが、農林省が強力にこの問題は
推進
する必要があるのではないかと思います。 さらに、さっきの
畜産局長報告
の中では、
牛乳
の
需要
が
伸び
悩んでいる一番大きな原因として、
牛乳
価格
の値上げ等の
影響
ということを挙げています。ところが、
牛乳
の
需要
拡大
の方法として幾つかのことが述べられているのに、その問題が触れられていないわけですね。農林省としては、
牛乳
の
需要
が減った一番大きな原因は値上がりだと言っているのに、この値上がりをどうして抑えるのかという問題に触れない解決策というものでは解決にならないと私は思うのです。
牛乳
の
需要
が減った最大の原因として値上がりを挙げながら、
需要
を
拡大
する方法として、値上げ問題の解決にどうして触れなかったのか。恐らく触れることができなかったんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
高須儼明
90
○
高須政府委員
需要
の減退の理由の一つといたしまして、確かに、飲用乳の
価格
の改定というようなことが四十九年の現況におきまして一つの要因であったということを指摘いたしておるわけでございます。 それならば直ちに不足払いをすれば解決できるのではないかという御
意見
もあるわけでございますが、不足払いにつきましては、不足払いの難点がまた非常にございます。これは現にイギリス等においても行われ、今回やめようとしておる
制度
でございますが、不足払いにつきましては不足払い特有のいろいろな問題がございますので、その点は慎重に
検討
を要する
事項
であろうかと思います。
価格
を指摘いたしておるという点につきましては、それらの
価格
の引き上げの要因となるもろもろの
生産
の諸条件等についても、
生産対策
なり、合理化
対策
なり、あるいは
流通
の合理化なり、
価格
を引き下げる方向に働きますいろいろな要因を考慮しなければならない。これは諸般の
政策
によるかと思いますが、
価格
そのものもあるでございましょうが、それ以外のコストの引き下げの諸
政策
ということを留意しなければならないというふうに考えておるわけでございます。
諫山博
91
○
諫山
小
委員
需要
が
減少
するいろいろな原因があると思います。しかし、高いから使わないということが何といっても
中心
だと思いますよ。安い
牛乳
をもっと自由に国民が飲めるようにしなければならない。同時に、
牛乳
を
生産
する
酪農
民の
経営
が安定しなければならない。この二つの要求を同時に満たすためには、不足払いという言葉を使われたわけですが、これに技術的な難点があるとすればもっと違った方法を研究することも考えられましょうし、とにかく、何らかの形で
政府
が介入し財政を投入しなければこの問題は解決しないということを私たちは一貫して主張してきたわけですが、その必要性が現在ほど切実になった時期はないということを意味しているのではないかと思います。 そこで、飲用乳について、小売
価格
が四十六円という
説明
があったわけですが、この
価格
の構成を見てみますと、昨年七月で
生産
者、農民の取り分が四四・四%、メーカーの取り分が二〇・三%、小売店の取り分が三五・三%という数字が出ています。これはずっと以前に比べると比率が大分変わっているわけです。たとえばメーカーの取り分は
昭和
四十二年度は一七・八%だったのが、昨年七月では二〇・三%にふえている。メーカーの取り分がふえただけ、当然、そのしわ寄せは
酪農
農家に行くか小売店に行くしかないわけです。どうしてこういう結果になっているのか、これは避けられないことなのか、御
説明
願いたいと思います。
高須儼明
92
○
高須政府委員
この末端
価格
の四十六円の
価格
の中には、
生産
者段階あるいは工場段階、
流通
段階、それぞれの段階におきますところの
シェア
と申しますか、そういうような——特に、メーカーから小売といったようなことは、何といいますか、メーカーの側、それから小売の側ということで、自主的な折衝によっていろいろお決めになっておる段階でございます。もちろん、そのメーカー段階における諸経費の関係、それから小売段階における
流通
経費の関係、それらが年々変動いたしまして、その変動の率と申しますか、それぞれの年におきまして特殊な事情が働きまして、おのおの納得されるところに決定されておるわけでございますが、結果としてこういうことになっておるということでございます。
諫山博
93
○
諫山
小
委員
一言で言うと、この割合というものは力関係で決まる、メーカーの力が強くなったからメーカーの取り分が多くなった、と、こういうことになるのですか。
高須儼明
94
○
高須政府委員
力関係と申しますか、お互いに納得のいく線で決まるわけでございまして、現在の段階でどちらの側が力が強いというわけには、私ども一概には申されないわけでございます。そのときそのときにお互いが納得のいく線、こういうところで決められておるものと考えております。
諫山博
95
○
諫山
小
委員
納得と言うけれども、それは心から納得して受け入れるんじゃなくて、泣く泣く受け入れざるを得なくさせられるんじゃないですか。たとえば
生産
者、農家の取り分が四十二年に四七・三%だったのが、昨年七月に四四・四%に
減少
する、これを快く納得するはずがないわけです。〇・一%でも取り分をふやそうと一生懸命になるはずです。それでもやはりこういう結果が出てくるというのは、私のわかりやすい表現で言えば、力関係でメーカーから押しまくられているということにならざるを得ないと思うのです。納得をしているんじゃなくて、無理に押しつけられているというのが実情じゃないかと思うのですが、こういうふうに取り分の比率が変わってくるのも当然だという
経済
的な背景は何かあるんですか。力関係で決まっているんですか。
高須儼明
96
○
高須政府委員
これらの取り分につきましては、年々の諸物価、諸資材の変化の相対的な関連がいろいろございます。
経済
的な諸因で、結果として出てまいるものでございます。
諫山博
97
○
諫山
小
委員
そうすると、この問題には農林省は全く関与しませんか。たとえば助言と勧告というようなこともしないんですか。
高須儼明
98
○
高須政府委員
この問題につきましては、農林省の方は干渉ないしはタッチは何らいたしておりません。
諫山博
99
○
諫山
小
委員
この問題で、メーカー側のいろいろな協定というものがよく問題になるんですが、そういう問題も農林省は余り関心を持っていないんですか。
高須儼明
100
○
高須政府委員
そのような協定等につきまして公取
委員会
の方で取り上げられているということは聞いておりますが、その実態の詳しいことは
承知
いたしておりません。
諫山博
101
○
諫山
小
委員
私も、メーカーがもうけ過ぎているのか、損をしているのか、そういうことはよく知りません。ただ、この経過を見ていますと、まさに強い者が弱い者を食うという現在の独占資本主義の姿が非常に端的にあらわれてきているように思うのです。ですから、これは農林省が関与すべき分野ではないということで高見の見物をするんじゃなくて、この点は農林省としてはもっと関心を払わなければならないんじゃなかろうかと思うのですが、いかがでしょうか。そうでなければ、ただでさえ
酪農
農民の
経営
は圧迫されるのに、さらに
経済
外の要素としてメーカーからどんどん押しつけられてくるというのでは、これはもうどうにもならないのじゃないですか。
高須儼明
102
○
高須政府委員
これは四十二年に国民生活
審議会
というのがございまして、
消費者
保護の観点からこのような
価格
の形成には
政府
は介入してはならないという御勧告をいただいておりまして、私どもとしては、これは
経済
の
需給
の実勢にゆだねるということで、干渉はいたしておりません。
諫山博
103
○
諫山
小
委員
乳製品
も全体として
需要
が減っているようですが、この問題はどういうふうに解決していくつもりですか。
高須儼明
104
○
高須政府委員
どのような食品をどのように選択してまいるかということは
消費者
の選択でございます。したがいまして、製品の中には栄枯盛衰がございますが、現在のところ、
乳製品
につきましては、
一般
経済
の
動向
と、その
経済
から生み出してくるところの所得の
動向
、家庭の
消費
支出の
水準
というものに非常に大きく
影響
を受けております。 御
承知
のように、四十八年の十一月以降、いわゆるエネルギーショックが起こりまして、節約ムードが浸透いたしております。家庭の食事につきましても、ぜいたく品よりは実質品へと現在のところ徹底した対応がなされておりまして、このような段階におきまして、
乳製品
関係とか、あるいは
牛肉
等の肉類の中でも比較的高級品とか、魚でもマグロ等の高級品に属するものとか、こういうものはすべていま
消費
が非常に減退いたしておるわけでございます。しかしながら、
経済
が順調に回復いたしまして、家庭の
消費支出水準
が向上いたしますならば必ずや
消費
は回復してくるもの、かように考えておるわけでございます。
諫山博
105
○
諫山
小
委員
ずいぶん達観したといいますか、栄枯盛衰というような観点でこれを見られたのでは、これは政治によって前向きに打開していこうという姿勢ではないと思うのです。やはり、
乳製品
がぜいたく品扱いされるような
価格
に置かれておることに問題があるわけで、そういう点から考えますと、私たちは、
酪農
家が
経営
が非常に困難な状態になっていることはよく知っている。その意味では、
加工原料乳
の保証
価格
を引き上げるということは切実な要求なわけです。同時に、
消費
が
伸び
なければ元も子もないということで、
消費者価格
は絶対に上げてはならないという立場を貫いていくなら、この面でも
政府
の支出をもっと大幅にふやして抜本的に解決していくという策をとらざるを得ないと思うのですが、そういう方針というものはないのですか。いつの日にかまた
乳製品
をうんと使ってくれるだろうというようなことでは、何のための政治かわからないと思うのですが、いかがですか。
高須儼明
106
○
高須政府委員
これは全体の国民の負担をどうするかという問題にかかる問題でございまして、赤字補てんと申しますか、不足払いと申しますか、そういったものは
一般
納税者の負担に転嫁するということでございます。したがいまして、農林省の産品の中におきましては、米のように農家にとってもきわめて重大で、かつ国民にとっても主要食品であるというようなものは社会がこれをある
程度
認めるが、ところが、それ以外の産品につきましては、物によりまして違うわけでございますが、
畜産物
の中でも
牛乳
等につきましては最も手厚い保護が行われているものでございまして、そこに段階がございます。今日、ブロイラー等につきましてはほとんどまだ手のつけられていない分野もございまして、おのずからそこに段階がございますので、一挙にすべてを米のように赤字負担をしてまいる、
一般
国民の税金負担にするということにはなかなか社会の御納得が得られないというのが実情でございます。
諫山博
107
○
諫山
小
委員
私は総理大臣や大蔵大臣と議論しているんじゃなくて、農政の直接担当者と話しているわけで、この負担は結局は国民の税金でございまして、という式の議論は余りする必要はないと思うのです。私が希望するのは、このままであったら
牛乳
の
消費
は減ってしまう、このままであったら
酪農
は壊滅するという、そういう立場で大胆に
予算
を要求していく、大胆に
制度
の改善を要求する、そうしなければいまの事態というものはなかなか解決できないと思います。もっとも、農林省がそういう要求をしても、大蔵大臣や総理大臣は、まさにあなたが言われたように、これは結局国民の税金で賄いますからというような言い方をすると思いますが、農林省は余りそういうことは考えなくていい。こうしなければ農家の
経営
は守れないし、こうしなければ
牛乳
の
需要
もふえないんだということで、強く
政府
当局に当たっていくようにということを要望いたしまして、終わります。
坂村吉正
108
○
坂村
小
委員長
次は、
瀬野栄次郎
君。
瀬野栄次郎
109
○瀬野小
委員
去る十五日に
畜産振興審議会
の総会が開かれ、
畜産物価格
が三月末までに法に基づいて決定されることになるわけで、これから各
部会
が逐次行なわれるわけであります。最終的には二十八、九日ごろ
価格
が決定されると予想していますが、来る三月二十八日にさらに
畜産
小
委員会
を開いて
政府
の姿勢をただすということにいたしております。
審議会
が始まったばかりでありますので、
政府
としても
内容
については即座に答弁できない面もいろいろとあろうかと思いますけれども、
畜産
農家が危機に瀕している現状にかんがみて、以下いろいろ質問申し上げてまいりますので、ぜひ再
生産
ができるよう、今後
畜産
農家の要求に応じた
畜産
諸
価格
の決定をお願いしたい、かように冒頭申し上げる次第であります。 そこで、まず最初にお伺いしますけれども、
畜産振興審議会
の
委員
が二十五名おるわけですけれども、一五日の出席はどんな
状況
であったか、また、欠席
委員
はどういう理由で欠席されたか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
高須儼明
110
○
高須政府委員
お答えいたします。 欠席の方は二名でございました。ただいま名前を調べておりますので、ちょっとお待ちくださいませ。
瀬野栄次郎
111
○瀬野小
委員
二十五名中、欠席は二名ですか。
高須儼明
112
○
高須政府委員
さようでございます。
瀬野栄次郎
113
○瀬野小
委員
今回の総会で、年度末に決定をするということは適当でないということが論議されて、理由が幾つも挙げられております。その
内容
は省くとして、特に中立派が慎重論を唱えたということでございますが、この問題についてはいろいろ
検討
する余地があるとわれわれも思っておりますけれども、
畜産
農家が動揺するようなことがあってはならぬ。既定の方針どおり三月末をもって決定をし、四月一日には告示をするということで、当初の方針どおり
政府
は考えて進めておることは事実でありますけれども、どういう
内容
で大勢が占められたか。これは今後の参考にもしておきたいと思いますし、年度末は適当でないというのがほとんど大勢であったと言われておりますけれども、出席の
委員
の中でそれはどういう比率であったか、その点の
説明
を願いたいと思います。
高須儼明
114
○
高須政府委員
いまの点でございますが、この問題につきましては、特に全
委員
の御
意見
を色分けするような採決とか何か、そういうことは全くやっておりません。ただ二、三の
委員
の方からそういう御要望なり
意見
が述べられたということでございます。
瀬野栄次郎
115
○瀬野小
委員
さらに、これはわれわれがかねがね指摘していることですが、
畜産
については米価と同じように諸物価の高騰によって——米価の場合は追加払いということで要求しているわけですが、
畜産
についても諸物価の高騰によって
価格
に相当問題があるということから指摘をしておるわけでありますが、この総会の席で、
農林大臣
は、
年度内改定
をなぜやらなかったかという問題に対して、再
生産
確保
に支障がなかったので改定しなかった、しかし、再
生産
確保
の基準をどうするかという
検討
はしているというような答弁をしたやに聞いておりますけれども、その点はどうだったか、さらに
説明
をいただきたい。
高須儼明
116
○
高須政府委員
農林大臣
からお答え申し上げましたのは、
年度内改定
について、
生産者代表
の方方から、昨年の実際の
状況
を考えて何らかの基準があった方がいいではないかというような御
意見
が述べられましたのに対しまして、
農林大臣
から、そのような基準について
検討
してみましょうというふうに答えがあったと聞いております。
瀬野栄次郎
117
○瀬野小
委員
審議官
の答弁を聞いているといやに慎重のようだけれども、
局長
が
畜産振興審議会
の方に出席するのでやむなく私も退席を認めたのですが、
局長
にかわって明快な答弁をお願いしたいということを冒頭に申し上げておきます。 さらにお伺いしたいことは、何といっても今回一番問題になるのは乳価の問題であると思っております。そこで、
加工原料乳
等の問題、また飲用乳価の問題等を
中心
にお伺いをしたいと思いますけれども、「最近における
畜産
の
動向
と
畜産
諸
施策等
について」という
畜産局長
の
報告
書が先ほど読み上げられましたが、この五ページを開けていただきたいと思います。「口
牛乳乳製品
と
酪農
の
動向
」というところで、「まず、
生乳
の
生産
は、四五年以降その
伸び
が
鈍化傾向
をたどってまいり、特に最近二カ年は、それぞれ対前年比九九・四パーセント、九九・一パーセントとわずかながら前年を下回っております。」ということになっており、先ほど
審議官
から
局長
にかわってこれの
報告
があったわけですが、これに基づいてお尋ねしたいのです。 四十九年度はまだ年度が終わっていないのでわからないかもしれませんが、四十九年ならば総
生産
量がわかるのじゃないかと私は思うのですけれども、その辺はどうですか。
生産
の
報告
がたしかこちらの方の「
畜産
関係
資料
」の中の九ページに出してありますけれども、この「
牛乳
、
乳製品
の
需給
状況
」では四十八年までしか書いてないのですね。この場合は四十九年がないわけですけれども、四十九年度であればまだ済んでいないからはっきり数字が出ないと思いますけれども、四十九年ならば数字はつかんでおられると思うのですが、その点を明らかにしてもらいたいと思う。
高須儼明
118
○
高須政府委員
暦年でございますともう出ております。 この
資料
の九ページの方に出ておりますのは年度でございます。したがいまして、これに対応する数字を申し上げますと、四十八暦年の場合には、ここには四百九十万二千トンとございますが、この数字に対応いたしますものが四百九十万八千四百トンでございます。これに対しまして、四十九暦年が四百八十六万四千トンでございます。暦年で見まして対前年比九九・一%、この数字が
畜産局長
の
説明
の中に書いてございます九九・一%という数字でございまして、これは
局長
の
報告
の中には暦年で述べてございます。
瀬野栄次郎
119
○瀬野小
委員
そうしますと、いろいろさっきからも述べておられるけれども、四十五年以降
鈍化傾向
をたどって、いま言われたような。パーセントになってきておるわけですね。これは飲用
牛乳
にしても同じことが言えるわけですけれども、減ったということについては、この原因はどういうふうに踏まえておられるのか、改めてお聞きしたいのです。
高須儼明
120
○
高須政府委員
減る
傾向
を示し始めておりますのは
昭和
四十八年からで、四十七年まではわずかながら対前年比で上回っております。四十八年が九九・四%、四十九年が九九・一%と、この二カ年が若干の微減を示しておるわけでございます。 御
承知
のように、この二カ年間と申しますのは非常に異常な年であったということは最初申し上げたわけでございますが、まず、
乳用牛
の飼養がなぜ
停滞
してまいったかと申しますと、兼業化の進行に伴います零細飼養層が急速に飼養から離脱が進んでおるということ、これが一つでございます。また、これは土地の
規模
、土地の限界といったようなものもあるかと思いますが、
飼料生産
基盤
の
拡大
の困難ということ。それから、これは若い人々から最もよく聞くことでございますが、三百六十五日一日も休暇がとれないという労働事情、特に若い方々がこれをきらうというような問題。そのほか、
一般
的に申しまして、
飼料
価格
の値上がり等その他
経営
の困難な事情、特に環境保全等の問題で、内地におきましては周辺が市街化してまいるというような
種々
の事情が重なってこのような微減となっておるものと思われます。
瀬野栄次郎
121
○瀬野小
委員
そこで、
政府
の「
畜産
関係
資料
」の十六ページから十七ページにかけての「飲用
牛乳
価格
の
動向
」をあけていただきたいのですが、この中で小売りの家庭配達
牛乳
の
価格
が示されておりますけれども、二百ccで四十八年二月が三十二円、四十八年十二月が四十円、四十九年七月が四十六円と急騰しておるわけです。そこで、現行飲用原料乳価がキロ
当たり
九十八円となっておりますが、この
牛乳
の
価格
を見ましたときに、今後もかなり上がることは当然考えられますわけで、
団体
からは百三十八円二十六銭の要求が出ておりますが、実際にこの要求をのむということになりますと、私の試算では、小売りが現在四十六円となっているのが六十円ないし七十円くらいになることは当然間違いないであろうというように考えられます。そうなってくると
消費者
はますます買わなくなるということで、
消費
、
生産
もともども減退をするということはかねてから憂慮し、心配されておるところであります。 そこで、いよいよこういうふうな
状況
を迎えておる段階で、
畜産
農家を今後保護、
育成
していくためには、飲用原料乳については、
加工原料乳
と同様に不足払い
制度
、すなわち二重
価格
制というものをどうしても採用していかなければ今後行き詰まりが来る、これは問題ではないか、と、こういうことを今回の
畜産振興審議会
の開催に当たって私はしみじみ感じているわけですけれども、いまのままでは続けていくことはなかなか無理である、いよいよ限界がやってくるというように思うわけです。 そういうことについて当局はどういうふうに今後の
見通し
を立てて考えておられるか、その辺を明らかにしていただきたい。
高須儼明
122
○
高須政府委員
先ほども実はその御質問がございましてお答えいたしたわけでございますが、具体的に申しますと、飲用原料乳について不足払いを行いまして、原料乳価の値上げを直接
消費者価格
へ反映することのないようにするということが不足払いの
趣旨
であろうかと思いますが、これは一つの考え方として、現実に英国等でとられておった
制度
でございますが、この食料の購入費を一体だれが負担するかということで、私ども、
畜産物
につきましては、一応
消費者
に負担していただくということを原則として考えておるわけでございまして、なかなか不足払いというのはむずかしい問題であろうかと思います。 それから、先ほどもちょっと申し上げましたが、
牛乳
の家計支出に占めます地位というものを考えますと、最も重要な米、それから肉類、野菜といったものと比べました場合に、きわめてウエートは小さくなっておるわけでございます。日本では
牛乳
は英国やヨーロッパ諸国と違いまして、家庭の重要な食料品というよりは、先ほども比較が出ましたように、どちらかと申しますとコカ・コーラとかジュースとかいうものとの対比がなされるほど、
牛乳
の
消費
の形態が
わが国
では若干違っておるわけでございまして、そのような性格を持つ
牛乳
に対しまして、納税者負担という原則を貫き得るかどうかという
一般
的な問題があるわけでございます。 それから、段階もなかなかいろいろと複雑でございまして、技術的にも
種々
の問題があろうと思いますが、ともかく、不足払いということは何よりも相当な財政負担を引き起こすということでございまして、なかなか現実のものとなりにくいという性質を持っておるわけでございます。
瀬野栄次郎
123
○瀬野小
委員
なかなか財政負担で困難だということでありますけれども、飲用原料乳価については、
酪農
農家と乳業メーカーとの直接交渉によって決定されていくわけでありますが、再
生産
加工ができるような取引
価格
にするという点で行政指導を強力にやるというふうに言われておりますけれども、その辺についてはどういうふうな行政指導をなさる考えであるのか、その点もこの機会に明らかにしていただきたい。
高須儼明
124
○
高須政府委員
飲用乳の
価格
につきましては、先ほども申しましたように、
政府
としてこれに干渉するということはよろしくないということで、国民生活
審議会
消費者
保護
部会
等の御勧告をいただいておりまして、したがって、私どもはこれに対して介入するという考えは現在持ち合わせていないわけでございます。したがって、今後におきましても民間における自主的な折衝にゆだねたい、かように考えております。
瀬野栄次郎
125
○瀬野小
委員
次に、
加工原料乳
の保証
価格
問題ですけれども、「
畜産
関係
資料
」の十九ページに
安定指標価格
等の
内容
が盛られておりますが、
安定指標価格
の
水準
が若干下回るということで推移しておるわけです。言うまでもなく
消費
減退が続いている関係でありますが、この
安定指標価格
を今後上げるということはなかなか厳しいという問題であると思いますけれども、基準取引
価格
もそう上げるわけにいかないということになってきますと、結局、財政負担その他もかさむと言いながらも、保証
価格
を上げなければどうしようもないのじゃないかと私は思うのです。 こういうことで
諮問
をしておられるわけですけれども、ぜひこれは保証
価格
を上げるということで
検討
してもらいたいということを申し上げるわけですが、その点、今回
諮問
に当たって
政府
はどういうふうな
検討
をされておるのか、述べていただきたいと思います。
高須儼明
126
○
高須政府委員
先ほど
局長
から
芳賀
先生の御質問に対してお答えいたしましたように、
生産
費の中に占める重要な要素でございます労賃であるとか、いろいろな要素について、昨年決定いたしました際よりは若干変動のある要素が入っております。したがいまして、
一般
的には上げると申しますか、適正な修正を行うという必要が——まだはっきりした結論は出ておりませんけれども、
傾向
といたしましてはそのようなことになろうかと思いますが、しかし、問題は幅でございまして、
生産者団体
はすでに御発表になっておりますけれども、その点がいかが相なりますか、私ども慎重に
検討
いたしたい、かように考えておるわけでございます。
瀬野栄次郎
127
○瀬野小
委員
慎重に
検討
していただきたいと思うが、そこで、四十九年度は二十一円五十一銭のプラスとして、四四・三%アップ、七十円二銭となったわけであります。最近では近年にない大幅アップということでいろいろ
政府
は言っておられるようだけれども、しかしながら、
価格
を上げたにもかかわらず、
牛乳
、
乳製品
の
生産
が減っているということは、やはり
生産
者の
価格
に問題があるということはもう当然に指摘されておることだし、また、
政府
もそういうことの原因を申されておるわけです。 そこで、
補給金
の単価ですが、現在十六円六十一銭となっておりますが、
政府
はこれをどのくらい上げるつもりで
検討
しておられるのか。これもなかなか言えないかと思うのだが、聞くところによると一〇%ぐらいの保証
価格
のアップというようなことも言われておるのですけれども、そういった
程度
では
生産
減退をますます招くばかりか、今後
生産
者が仕事ができないというふうに考えておるわけです。こういうようなところも大変問題なんですけれども、十分
諮問
をし、また、
諮問
の結果を得て考えたこととは思うのだけれども、一〇%というようなことが巷間伝えられておりますが、その辺の
検討
はどういうふうに持っておられるか、さらに
説明
を願いたい。
高須儼明
128
○
高須政府委員
この七十円二銭、四四・三%は昨年上げました。これは
加工原料乳
に適用いたします保証
価格
でございまして、この
加工原料乳
地帯だけを取り上げてみますと、必ずしも
生産
が減退しているということではございません。むしろ、全国的に飲用乳地帯をすべて含みますと微減ということでございますが、
加工原料乳
地帯だけをとらえますと、前年対比で上昇いたしておるわけでございます。 それはともかくといたしまして、財政負担のことは、現段階におきましてはまだなかなか申し上げかねる段階でございますので、御了承いただきたいと思います。 それから、なお、つけ加えて、先ほど欠席者はだれかというお話しがございまして、二名と申し上げましたが、三名の誤りでございましたので訂正させていただきます。
瀬野栄次郎
129
○瀬野小
委員
ただいま申し上げた
補給金
の問題ですが、四十八年度の実績は百七億、四十九年度はまだ
予定
でありましょうが、二百二十五億というように私は思っておりますけれども、その点は間違いありませんか。
高須儼明
130
○
高須政府委員
今度
予算
上ふえておりますのは、昨年の修正が平年度化したということで自動的にふえたものでございまして、別段変わった要素を含んだ
予算
ではございません。
瀬野栄次郎
131
○瀬野小
委員
そうすると、四十九年度はおおむね二百二十五億ぐらいですか。
高須儼明
132
○
高須政府委員
二百二十五億、大体
予算
どおりだと存じます。
瀬野栄次郎
133
○瀬野小
委員
そこで、これもまた
審議官
では答弁は無理かと思うのだけれども、
畜産振興審議会
が開かれておるさなかであるので、私たちも
政府
に対して要求をし、また、質問する立場にあるから十分
検討
してもらいたいと思うのですが、この
補給金
については五十年度は幾らであるかということになるわけです。四十八年度が実績として百七億、四十九年度がおおむね二百二十五億。そうしますと、五十年度は
加工原料乳
の要求が
団体
から百二円九十三銭、現在の保証
価格
が七十円二銭ということになりますと、これを差し引きずれば三十二円九十一銭で、約三十三円となります。そうすると、限度数量を百三十八万トンとしましたときに、この三十三円を単純計算で掛けますと四百ないし四百五十五億の
補給金
ということになります。この
補給金
を見なければならぬということをわれわれは試算しておるわけですけれども、こういつたことについても十分対処してもらわないと、先ほど申し上げたように
生産
者の再
生産
の力は減退すると思うわけで、この辺も十分
検討
していただいたと思うが、それについてはどういうふうに
検討
を進めておられるか、その点もお答えいただきたい。
高須儼明
134
○
高須政府委員
私ども、この十六円六十一銭がどのようになるかが決定いたしませんと、どの
程度
の国費が要るかという計算ができかねますので、決定いたしました際に計算いたしたいと思います。
瀬野栄次郎
135
○瀬野小
委員
この
補給金
については、いま私たちの計算でいろいろ試算を申し上げましたが、そういうことで十分
検討
して対処していただきたいことを強く要求しておきます。 さらに、この「
畜産
関係
資料
」の四十ページに、「
農産物
の
需要
と
生産
の
長期見通し
(案)における
畜産物
の
需給
見通し
」というものが出ておりますが、これについてもこの機会にちょっと質問をしておきたいと思うのですが、
牛乳
、
乳製品
についても、四十七年の四百九十四万四千トンに対して六十年は七百六十八万トン、一五五・三%の
見通し
を打ち出しておられます。いま減退
傾向
にあるさなかで、しかも、
価格
がなかなか厳しいような
政府
の考えの答弁であるが、こういったことが果たして実行できるか。こういう問題なども本当に心配でなりません。おくめんもなくこういった数字を並べておられるけれども、どうしていかに実行するかということについてはどういう決意でこの表を出しておられるか、
審議官
からお答えをいただきたい。
高須儼明
136
○
高須政府委員
私どもがこの
見通し
を行っておりますのは、日本
経済
の成長率をある
程度
前提にいたしております。
経済
成長率が四%といたしますと
消費支出水準
が五%、こういったものを前提にしてこの計算をいたしております。現在、日本
経済
の成長率も、昨年はマイナスでございます。しかし、日本
経済
の全体が十年間のうちにマイナスであるというようなことはとうてい考えちれないわけでございまして、後半に至って、あるいはいつからかよくわかりませんが、かなりの成長で、平均して四%、かように考えるわけでございます。したがいまして、四十八年、四十九年におきまして一時的に
酪農
が微減したといいましても、これからの十年先にこの
程度
の伸展ということは当然あり得る、またしなくてはならない、私どもかように考えてこの
見通し
をつくったわけでございます。
瀬野栄次郎
137
○瀬野小
委員
答えることは簡単かもしれませんけれども、この二十八ページによっても、
乳用牛
については、
戸数
、
頭数
ともにここ四、五年落ち込んでおるわけで、この
見通し
から見ますと、四十七年の百八十二万一千頭に対して六十年は二百五十六万七千頭と、一四一%増を見込んでおられますけれども、これまた果たして実際達成が可能なのかということをわれわれは本当に危惧するわけです。そういったことから、いま、保証
価格
問題についてとか、あるいは
補給金
の問題で若干お尋ねしてまいりましたが、こういうふうな
農産物
の
需要
と
生産
の
長期見通し
を立てられるならば、ここらで二重
価格
制の問題やら、先ほどから申し上げましたように交付金の問題やら、こういったことも真剣に取り組んで、大幅な決意で望まないとなかなか
生産
者も意欲が起きてこない、減退をする一途である、と、かように私は思うわけです。 それで、いま、
畜産物
の
需給
見通し
のことでいろいろ御答弁がありまし北が、こういう計画を立てた以上、たとえば新しい
価格
制度
を
導入
するとか、何らかの
施策
をしなければ、これはまさに絵にかいたもちということになるわけでして、その辺はどういうふうに考えておられるのか。何らかの新しい
価格
制度
を設けなければ当然行き詰まってくるということが懸念されるわけですけれども、その点をあわせてお伺いしておきたい。
高須儼明
138
○
高須政府委員
先生のおっしゃいますように、この
目標
を実現いたしますにはかなりの努力が要るであろうということは私どもも十分考えておるわけでございます。しかし、ただ不足払いの
価格
の改定という
価格
政策
だけでこのようなことが実現できるというふうには私どもは考えていないわけでございます。それには、
生産
から、
流通
から、
消費
から、あるいは
価格
政策
といったようなものから総合的に考えまして
推進
していくということを考えておるわけでございます。 もちろん、この不足払いの実施ということも一つの重要な問題でございますが、さらには
飼料生産
基盤
の
強化
というようなことで、今後におきましては、特にこの中堅
階層
の
飼養規模
の
拡大
というようなことを
中心
にいたしまして
生産
条件を
整備
する。これを実現いたしますためには、先ほど詳しく御
説明
する余裕がなかったわけでございますが、五十年度以降
畜産
基地の建設といったようなものを強力に
推進
してまいる。また、土地の流動化の
促進
であるとか、あるいはまた融資
政策
に負うところが非常に大きいかと思われます。また、今後の
酪農
には、新技術の普及、乳牛の改良、増殖等広範な
施策
をますます総合的に展開いたしまして
目標
の達成を図ろう、と、こういうわけでございます。
瀬野栄次郎
139
○瀬野小
委員
時間が詰まってきましたので、次に
飼料
問題にも触れておきたいと思います。 御
承知
のように、四十七年の末にトン
当たり
三万八千三百円であったのが、現在では六回の値上げがされて倍以上になっていることは御
承知
のとおりですけれども、先般、澤邊
局長
は、トウモロコシのシカゴ相場は現在一ブッシェル二ドル八十セントで、昨年十二月末の同三ドル七十セントに比べて九十セント安くなっている、フレートもトン
当たり
十八ドルから十二ドルへ、諸掛かりも三十セントから二十セントへ下がり、さらに、為替レートも一月の一ドル三百円から現在二百八十六円になっている、と、こういうふうに
説明
しておられます。
飼料穀物
のシカゴ相場の低落やフレートの低下などから、四−六月期の
配合飼料価格
というものに値下げの要因があるわけで、適正な値下げができるように指導していきたいというふうにさらにお答えをされておるわけですけれども、このことについて、値下げの幅は大体どのくらいを想定しておられるか、その点お答えをいただきたい。
高須儼明
140
○
高須政府委員
先生のおっしゃいましたように、トウモロコシのシカゴ相場だけを見てみますと、もうすでに二月で二ドル九十五セント七、その後若干上がりまして、現在段階で約三ドル見当で上下いたしております。したがいまして、昨年の一時期から比べますとかなり下がっておるわけでございます。それからフレート等につきましても、最近は十ドル見当で推移いたしておりますし、円為替も先ほど申しましたように二百九十円
程度
で推移しているものと思われます。 このような諸要素を勘案いたしますと、四−六月について値下げの方向にあるということは先ほど
局長
が申し上げたとおりでございますが、いろいろむずかしい事情がございます。というのは、大体四−六月に出てまいります配合
飼料
の原料と申しますのは数カ月前に手当ていたしておるものでございまして、ちょうど一番高い時期から若干過ぎた時期、十月が三ドル八十セント平均でございまして、十一月が三ドル六十五セント、十二月が三ドル五十二セントという、こういうような相場に非常に強く支配されておる原料が四−六月に出てまいるわけでございます。
一般
的には、三ドル切ったんだから、一番高いときが四ドルぐらいだからもっとうんと下がるであろうということでございますが、必ずしもそういうわけにはまいりません。在庫の中から先入れ、先出し方式で原価計算してまいりますので、したがいまして、現在の原価はトウモロコシのシカゴ市況ほどには下がらない見込みでございます。 このように原料の仕入れ時期と原料の使用時期との違いが若干ございます。それからもう一つ非常に問題なのは、最近配合
飼料
の売れ行きが非常に悪くなってまいりました。一月現在では前年対比三〇%の減というような大きな減を示しております。したがいまして
生産
に回すはずの買い入れておったトウモロコシ等の原料が大変な過剰在庫で残っておる、押せ押せで大変高いものが残っておるというような
状況
もございまして、これが各社まちまちでございます。たまたま金がなくて原料手当てができなかったところが非常に有利になっておりまして、原料手当てをしてしまったところが非常に苦しい状態になっておるわけでございます。したがいまして、
飼料
工場会等の七十社の
種々
の原価計算等を見てみましても千差万別でございまして、どの辺が妥当な線であるかということは慎重に
検討
を要することでございます。 したがいまして、現段階におきましては下がることは確かである——下げてもらいたいということは私どもから強く要望いたしておるところでございますが、私どもといたしましては、
畜産
農家の利益になるようにできるだけ下げてもらいたいという強力な申し入れを行っておる段階でございます。
瀬野栄次郎
141
○瀬野小
委員
もう下がることは明らかであるけれども、私はいろいろ
検討
してみました。先般の澤邊
局長
の答弁の
内容
を見ましていろいろ私は業界とも当たってみたのですが、私たちの単純計算でも、これはトン
当たり
一万円以上値下げができるのじゃないかと思われてならないのですが、その点はどうですか。
価格
は言えないにしても、その辺の
見通し
は立ちませんか。
高須儼明
142
○
高須政府委員
まことに申しわけないことだと思いますが、先生のいまおっしゃいました金額まではとうていむずかしいという感じがいたしております。
瀬野栄次郎
143
○瀬野小
委員
それで、これはひとつ大いに指導もしていただきたいと思うが、さらに、澤邊
局長
は先般の
委員会
で、在庫分で古くて高いものが多い、売れ行き不振による在庫分があるということを答弁になっておりますけれども、こういうことについてはどう処置されるのか。時間も参りましたので簡潔にお答えください。
高須儼明
144
○
高須政府委員
先ほど申しましたように、通常の
需要
を見込みまして手当ていたしました原料が予想外の
需要
の減というようなことが出てまいりました。それと、もう一つは、昨年、御
承知
のように輸出規制があるかもわからないというふうな異常な事態もございましたので、手当てできるだけ手当てしたというようなこともございまして、結果としてはそういうことはいま解消いたしておるわけでございますが、そうした備蓄的な意味で社内に持ち込んできたものもあるし、それから
需要
予測に反して意外に
需要
が減退したというようなことのための在庫といったようなものが大量に滞留いたしているのは事実でございます。したがって、これをどのようにコストの中に織り込んでまいるかということが非常にむずかしい問題でございまして、通常の会計計算方式によるのか、あるいはまた別途の方法を考えるのか、そこらあたりが
検討
すべき一つの
問題点
かと存じております。
瀬野栄次郎
145
○瀬野小
委員
最後にもう一点お伺いして、本格的には三月二十七日の小
委員会
でまたいろいろ
政府
の
意見
を聞くことにいたしますが、行政管理庁が、長期的には
飼料穀物
の自給向上が緊急課題となっているということから、農林省の行っている
飼料
行政の中で
輸入
、
生産
、
流通
、
価格
などが効果を上げていないということで、昨年、たしか十月から十二月の間に各関係省庁の
調査
をしてきておるわけで、こういうことに対して近く農林省に対する厳しい改善勧告をするというようなことが言われております。 農林省としてもこういうことを十分受けとめて
検討
しておられると思うし、われわれもこの
内容
を仄聞するところによると、かなり時宜に適した厳しいもので、当然のことだとわれわれは思って受けとめておりますが、これについて農林省はどういうふうに対処しておられるか、また、受けとめておられるか、その点をお答えいただきたい。
高須儼明
146
○
高須政府委員
行政管理庁の方でこの問題をお取り上げになりまして、現在御
調査
中であるということは聞いております。また、私どもも、この問題は相当真剣な問題でございますので、
種々
情報をお伺いしては
検討
いたしておりますが、これはまだ勧告は出ておりませんので、どのような勧告をいただきますか、その結果を見まして早急に
検討
いたしたいと思っております。
瀬野栄次郎
147
○瀬野小
委員
まだ出てないことは当然ですが、三月中にもこれは出すということです。これらが早く出ると、今回の
畜産振興審議会
のいろいろな
審議
の参考にも大いに役立っただろうというふうに思っているわけですけれども、
国会
もいよいよ大詰めになってきておりまして、いま、
畜産振興審議会
がちょうど終わるころではないかとわれわれは思っていますけれども、その結果を待ってまた改めて四月、五月ごろにこれらの問題については
政府
の考え方をただすことにしますが、この中には、ちょっと
内容
を仄聞すると
需給
動向
と
需要
に関する計画とか、
濃厚飼料
の
確保
だとか、配混合
飼料
の
生産
、
流通
及び
価格
形成とか、数々の
内容
が盛られておりまして、農林省初め
畜産
振興
事業団
、国際協力
事業団
、都道府県、市町村、
配合飼料価格
安定基金その他
飼料関係
団体
及び製造工業
団体
にわたって、昨年十月から十二月まで
調査
を実施しておられますので、相当重要なものになると思っています。 これは十分に受けとめて、今回の
諮問
の結果とともに、
価格
の決定について、
酪農
民が再
生産
ができる体制で今後
価格
政策
その他に十分対処されるように要求して、質問を終わります。
坂村吉正
148
○
坂村
小
委員長
本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十六分散会