○
高須政府委員 私、
畜産局の
審議官の高須でございます。
ただいま
局長が
畜産振興審議会の
飼料部会の方に出席いたしておりますので、間もなく参ることと思いますが、それまで
局長にかわりまして私の方から御説明を申し上げたいと思います。
まず、初めには、十五日に行われました
畜産振興審議会の議事の
状況を簡単に御報告申し上げます。
冒頭に
農林大臣の
あいさつがございまして、その後、
部会長等役員の
指名がございまして、お手元の資料の中に入っております
諮問が正式に
諮問されたわけでございます。
この
諮問の中身は三つございまして、最初のものは、
飼料需給安定法第三条の規定に基づきまして
政府が行う
輸入飼料の買い入れ、保管及び売り渡しに関する昭和五十年度
飼料需給計画の
意見を求めておるわけでございますが、これはただいま三番町の方でこの
部会が行われておる段階でございます。
第二番目の
諮問は、お手元にございますように、
畜産物の
価格安定等に関する法律第三条第一項の規定に基づきまして、
豚肉の
安定価格を定めるに
当たり留意すべき事項について
意見を求めるといった趣旨のものでございます。
第三の
諮問は、
加工原料乳生産者補給金等暫定措置法第十一条第一項の規定に基づきますところの
加工原料乳の
保証価格等につきまして留意すべき事項について
審議会の
意見を求めるというものであります。
こういう趣旨の三つの
諮問が出されたわけでございますが、その後で、
畜産局長から、最近におきますところの
畜産の
動向と
畜産の諸
施策等についての報告がございました。これはかなり長いものでございますので、その要旨だけを簡単に私から説明いたしたいと思います。
まず、初めには、
畜産をめぐります
一般動向についてでございます。
わが国の経済は、四十八年秋以降異常な混乱に見舞われたわけでございますが、最近におきましてはようやく収束の兆しが見られたというふうに、まず
一般の
経済事情を説明いたしております。この中におきまして、
農業面にもいろいろな種々の影響がありましたが、とりわけ
畜産につきましては、国際的な
飼料穀物需給の逼迫というようなことが起こってまいりまして、きわめて困難な情勢になった。特に、
消費節約ムードが浸透いたしまして、
畜産物、とりわけ
牛肉につきましては
需要の減退が見られ、
卸売価格が低落するというような
状況が起こったわけでございます。この
畜産物需要の停滞というものは、しかしながら一時的現象にすぎない。そうして、今後においては、
国民経済の発展に伴って
拡大するというふうに考えております。
そこで、御承知のように、
農政審議会におきまして、昭和六十年を
目標年次といたします
長期見通しをただいま検討中でございますが、この
長期見通しの中におきましては、
一般の
消費支出水準の伸びを大体五%くらいに想定いたしておりまして、こうした
見通しの中におきまして、
畜産物の
生産といったようなものあるいは
消費というようなものの
見通しが行われておりますが、これにつきましてはまた後に申し上げますが、
一般的に言いまして、ほかの
農産物の伸びが非常に低いにもかかわらず、
農産物の中におきましては
畜産物は安定的な発展をすることがこの中に述べられておるわけでございます。
そこで、この
畜産物の政策といたしましては、
生産の増強、特に一その基盤でございますところの
飼料穀物の需給、粗
飼料を中心といたします
国内飼料資源の開発というようなものと、それから
海外原料に依存いたしておりますところの
濃厚飼料の輸入の確保、そのほか、
畜産物価格安定対策であるとか、技術、
経営の
改善合理化というような諸
施策を推進することを述べておるわけでございます。
こういう
畜産物一般の
状況から、次に、
牛乳乳製品と
酪農の
動向に及んでおりまして、まず、生乳の
生産につきましては、四十五年以降
鈍化傾向をたどっておるわけでございますが、特に、最近二カ年は前年を下回って推移いたしております。
また、このような中にございまして、生乳の
主要生産地帯は次第に
遠隔農業地帯に移行するという現象が見られ、このために
生乳輸送の問題が増大いたしております。
牛乳の
需要につきましては、堅調に推移してまいっておりましたが、四十九年には、対前年比九八・五%とやや
停滞ぎみに推移いたしております。
また、
乳製品につきましても、最近の
消費節約ムード等の影響もございまして、
消費も減退いたしております。そして、
指定乳製品の市況は、
安定指標価格の
水準か若干それを下回るというようなことで推移いたしております。
次に、
酪農経営の
動向でございますが、
飼料戸数は三十八年がピークでございまして、その後、
一貫して減少いたしております。四十九年には十七万九千戸となっております。
飼養頭数を見てまいりますと、これも四十六年以降停滞いたしておりまして、四十九年も一・六%の減少を示しておるわけでございます。
ところが、一戸
当たりの
飼養頭数を見てまいりますと、四十年当時三・四頭が四十九年には九・八頭となっておりまして、
規模拡大が着実に進んでおるわけでございます。
また、
酪農の
飼養規模階層別の構成も非常に変化してまいりまして、
成畜十頭以上層の
シェアが大幅に増加いたしております。
このような
酪農の
一般事情を踏まえまして、
酪農関係の
施策を申し上げますと、まず、第一番目は、
加工原料乳生産者補給金制度についてでございますが、四十九年度は御承知のように大幅な値上げをいたしまして、七十円二銭、
基準取引価格等も五十三円四十一銭、その結果、
補給金といたしましては十六円六十一銭、これは御承知のとおりでございます。五十年度におきましては、この三月三十一日までに適切な
水準に決定してまいるという考えでおるわけでございます。
第二番目に、
酪農の
生産対策でございますが、何よりも必要なのは
飼料生産の
積極的推進でございまして、五十年度予算におきましても、
自給飼料の
対策の強化とか、あるいは
乳用牛資源の
有効利用等を中心にいたしまして
生産の
振興を図る予定でございます。
飼料関係の問題につきましては、後でまた
飼料部会の
会長報告がございますので、その中で詳しく御説明いたすことにいたしまして、ここからはすべて省略させていただきます。
それから、
乳用牛資源につきましては、従来から引き続き、
優良乳用種雄牛選抜事業であるとかあるいは
乳用牛群改良推進事業等を通じまして、一層
改良増殖対策の拡充を図りますとともに、
乳用牛資源確保対策事業その他
乳用牛の導入を推進いたすことにいたしております。
また、従来から引き続きまして、
市乳供給モデル団地育成事業等を実施いたしまして、
酪農経営の
組織化にも努めてまいります。
第三番目には、牛乳の
需要の
拡大と
流通対策でございますが、これには、まず
学校給食用牛乳供給事業を引き続き計画的に実施いたすことになっておりまして、前年度同様六十三万キロリットルの
供給量を予定いたしておりますが、また、
僻地校への
輸送費についても助成いたすことにいたしております。
流通改善問題につきましては、生乳の
輸送体系の
整備であるとか、あるいは送
乳用のコンテナをリースする
事業でございますとか、こういう
事業を行うことにいたしております。
また、協業化につきましては、
牛乳配送合理化促進モデル事業ということを引き続き実施することになっております。
以上のように、
酪農対策につきまして、現状とその
施策を御説明申し上げたわけでございます。
次に、
牛肉と
肉用牛飼養の
動向でございますが、
牛肉の問題につきましては、一昨年及び昨年と、諸
先生方も
十分内容を御存じでございますので、簡単に御説明申し上げます。
牛肉の
国内生産は、四十八年に非常に低下いたしまして、そのために
牛肉価格が暴騰いたした。その反動といたしまして、四十九年は
生産もきわめて増大いたしておりますが、
価格は非常に低迷を続けたわけでございます。このために、
政府は、四十九年の二月以降、
輸入枠の凍結と申しますか、
輸入調整、それからまた
生産者団体による
自主調整保管事業あるいは
小売価格指導、
消費拡大促進等の種々の政策を繰り返してまいりまして、最近では
牛肉の
価格も回復の兆しを見せておりまして、たとえば
和牛去勢肉「中」一キログラム
当たり千三百円
程度、
乳雄牛肉にいたしましても千百円弱の
水準で推移いたしておるわけでございます。
また、注目すべき
状況といたしましては、四十九年の夏以降、
乳用雄子牛の屠殺が急激に増大いたしております。昨年の十一月には二万五千頭を超える屠殺になっております。ところが、最近、この屠殺の
動向もやや
減少傾向を示しておりまして、この二月、一月でございますか、一万八千頭
程度まで減少いたしてまいっております。このことは
肥育仕向け率もまた次第に回復しておるということを示すわけでございますが、しかし、昨年の後半に屠殺の増加いたしましたことは、五十年の後半、特に暮れから五十一年にかけて
牛肉の不足を予想されるわけでございます。
肉用牛の
一般の
経営動向を見てみますと、
乳用牛と同じように
飼養戸数は減少いたしておりますが、
飼養頭数の方は最近やや上昇いたしております。特に
乳用雄牛を中心といたしまして急速に増大いたしておりまして、
肥育用の
仕向け率も四十八年は非常に高かったわけでございますが、四十九年は若干下がりましたが、最近再び復活してまいっております。
このような
経営の
動向を対象といたしまして、
肉用牛の
生産振興対策の概略を申し上げますと、やはり大家畜でございますので、
自給飼料、特に粗
飼料の
利用ということを重点に
飼料基盤の
整備を図ってまいりたいと思いますが、これにつきましては後ほどまた申し上げます。
特に、この
肉用牛につきましては、山林と農用地が併存する地域において、
林業経営との調和を図るというような形で
林間放牧の問題の新たな調査を実施してまいることにいたしております。
第二点は、
肉用牛資源の
維持強化でございますが、このためには、
産肉能力調査であるとか、あるいは
乳用雄子牛利用促進事業であるとか、また、
肉用牛の
導入事業を引き続いて実施することにいたしております。
それから、
草資源の
利用ということを基礎といたしまして、多
頭繁殖経営の集団的な
育成を図るための
肉用牛生産団地育成事業であるとか、また、高能率な
大型畜産専門経営群の
育成を図るための
畜産基地建設事業の拡充というような基盤の
事業があるわけでございます。
それから、四番目は
牛肉価格安定対策でございますが、これには先般国会の方で御
審議をいただきました
畜産物の
価格安定等に関する法律の改正を行いまして、
牛肉を同法の
指定食肉に追加するということで将来の
価格安定を図ってまいりたいと思うわけでございますが、この三月三十一日までに可能であるならば、同法案の
可決成立によるわけでございますが、速やかに
牛肉の
安定上位価格と
安定基準価格を
審議会に諮って決定できることを期待いたしておるわけでございます。
それから、
牛肉流通の問題でございますが、これにつきましては、
生産圏を単位といたします大
規模な
食肉処理保管施設の
整備であるとか、また、
消費地における
生産者団体等による大
規模冷蔵施設の
整備であるとか、こういう流通問題にも新たな
施策が五十年度には予定されておるわけでございます。
さらに、また、
牛肉の小売問題はなかなか問題でございますが、これにつきましても、
標準食肉販売店の
育成事業を新たに実施することといたしております。
牛肉につきましては以上のようなことでございますが、次に、
豚肉と養豚の
動向を御説明いたしたいと思います。
豚肉の
需要は順調に、きわめて急速に伸びてまいったわけでございますが、最近やや鈍化の兆しを示しております。
豚肉の
国内生産もこの
需要に対応して急速に
拡大してまいったわけでございますが、昨年に至りまして、年度後半、
生産の
伸び悩み傾向を示しておりました。したがって、
豚肉価格も最近に至って急激に上昇いたしておるわけでございまして、これは特に本年に入りましてから肉豚の出荷の減少ということから由来いたしておるわけでございます。したがいまして、三月十三日から
関税減免措置を実施いたしまして、
消費者価格の安定を図っておるところでございます。
豚の
飼養動向につきましても、やはり同じような
状況を示しておりまして、
飼養戸数は減少、
飼養頭数は増大というようなことで、二戸
当たりの
飼養規模は確実に進んでおるわけでございます。
特に、
肥育経営の
規模拡大というものはまことに顕著でございまして、五十頭以上の階層の
シェアが現在戸数にして九%、頭数にして六〇%に達しているわけでございます。
このような、養豚に対しまして種々の
施策を行っておるわけでございますが、豚、そのほか鶏等につきましてはほとんど
完全自給の体制でございますので、それを一層進める、ほぼ
完全自給をさらに一層進めるというようなことで基本的に考えておりますが、そのために
養豚団地育成パイロット事業等を引き続き計画的に実施するわけでございます。
また、豚の
改良等につきましては種々の
改良増殖の
事業を行っております。そして、
優良種豚生産促進事業等を実施いたすことにいたしております。
それから、豚と、後に申します鶏の場合には特に
環境汚染の問題が問題でございまして、これらにつきましては、
土地還元を軸といたした適正な
ふん尿処理を推進することを考えておるわけでございます。
次に、
豚肉の流通の問題でございますが、これは
牛肉とともに、
食肉処理施設であるとか、あるいは大
規模冷蔵施設等の
整備を行ってまいる予定でございます。
豚肉の
価格安定対策につきましては、これは御承知のように、
畜産物の
価格安定等に関する法律に基づきまして
安定価格帯をお決めいただくことになっておるわけでございます。これにつきましては、いずれ
部会が開かれまして御答申をいただくことになっております。
そのほか、子豚の
需給調整につきましても、
需給調整対策事業を拡充してまいりたいと考えております。
次に、鶏卵、鶏肉及び養鶏の
動向でございますが、鶏卵の
需要につきましては、すでに日本の
消費は世界的にもきわめて高い
水準にございますところから、
伸び悩みの傾向を示しておるわけでございます。大体百八十万トン
程度ということで
横ばいになっておりますので、鶏卵の
生産もこのような
消費の
動向に合わせまして計画的な
生産を指導いたしてまいりたいと考えておるわけでございます。
価格につきましては、四十九年の夏ごろは二百円を少し超える
程度の異常な低落を示したわけでございますが、最近に至りまして鶏卵の
価格は
計画生産の効果が如実にあらわれてまいりまして、四百円という
史上最高の
高値水準に到達いたしておるわけでございます。
鶏につきましては、特に卵につきましては、毎年毎年
季節変動を繰り返すわけでございますが、この
季節変動を調整するために
卵価安定基金があることは御承知でございますが、五十年度の予算から初めて国がこれに対しててこ入れをすることを考えておるわけでございます。
液卵公社の強化あるいは団体の
調整保管事業に対する
助成等も引き続き講じてまいる予定でございます。
鶏肉につきましては、最近
需要はやや
横ばいと申しますか、いままできわめて急速に伸びてまいりましたが、ようやく転換期に到達したように思われます。したがいまして、ブロイラーの
卸売価格も非常に安定的な
水準と申しますか、最近三百三十円
程度で推移いたしております。
鶏の
飼養状況につきましても他と同じことでございまして、他よりはもっと激しく
飼養戸数が減少、
飼養羽数が増大、一戸
当たりの
飼養規模が
拡大というような
規模の
拡大が引き続いて進んでおるわけでございます。
この鶏につきましても、
生産対策といたしまして、
優良種鶏集団の
育成事業であるとか、
優良鶏相性テスト事業であるとか、こういうものを引き続き進めてまいるわけでございます。
流通対策その他につきましては、その資料にございますが、これは省略させていただきます。
このように各
部門別の御説明を終えまして、その基礎でございまするところの
飼料問題を詳細に御報告申し上げておるわけでございます。
資料をずっと四十ページまで飛びまして、
えさ関係は後でまた御説明申し上げたいと思いますが、時間がございませんので、さらに四十ページのところの
畜産経営の
環境整備の問題ですが、これは
ふん尿処理が一番の問題でございます。
それから、四十三ページにございますように、家畜の
改良増殖の推進であるとか、あるいは四十五ページの
家畜衛生対策と、
畜産局の現在推進いたしております
一般的な御報告を申し上げております。特に、
衛生対策のところで、四十六ページにございますように、
豚水胞病を
家畜伝染病予防法の一部改正によりまして
伝染病に指定していただくという
法律改正を現在国会に提出しておるところでございます。
時間がございませんので、
畜産局長報告をこの
程度でやめさせていただきます。
このような報告がございまして、
あと質疑がございました。そこで若干の
問題点が指摘されておるわけでございます。
その
問題点だけ申し上げますと、まず、
年度内価格改定の問題で、
生産者代表の方から
改定条項の
発動基準を具体的に明らかにした方がよろしいというような御
意見が出ておったわけでございますが、
中立委員、
消費者の方々からは、
年度内改定は慎重にすべきであるというような御
意見が出ておりました。なお、
年度内改定の問題に関連いたしまして、この
畜産物価格を決定する時期についても検討、研究の必要があるというような発言がございました。
それから、第二番目の問題は、
国有林をもっと積極的に活用すべきであるという御
意見が主張されておりました。
それから、第三番目は、そのほかいろいろな問題が出ておりましたが、農業の位置づけであるとか、あるいは
畜産対策とか、各種の制度があるけれども根本的に再検討を加えるべき時期ではないかとか、あるいはまた
金融制度を新たに見直すべきではなかろうかとか、あるいはまた
牛肉輸入調整金といったようなものをもっと活用すべきではないかとか、そういうような御
意見が聞かれたわけでございます。
このようにいたしまして、十五日の二時半ごろ終了いたしまして、それからあと若干時間がございますが、本日三番町におきまして、ただいま
畜産振興審議会の
飼料部会が行われておるわけでございます。ここで
部会長あいさつあるいは
諮問が行われまして、
畜産局長あいさつといったような順番で目下進んでおる最中でございます。
この
諮問の内容は、先ほど申し上げましたように、
飼料需給計画についての
意見を求める趣旨の
諮問でございます。そこで、
飼料部会の
局長の説明の中に
一般の
飼料需給の
動向等を詳細に説明いたしております。これはいまさら御説明するまでもございませんが、一昨年来の
飼料穀物の
国際需給の逼迫、特に昨年の
国際需給の逼迫で国内の
配合飼料価格が非常に上がった、そのために
畜産経営が非常に苦しい
状況になったというような
状況を御説明申しまして、そこで、これらのこのような
状況を踏まえまして、
飼料関係の
施策といたしましては、やはり良質な
飼料を安定的に供給して
畜産経営の
安定向上を図ることにあるというようなことで、各種の
施策が述べられております。
これは、お手元の資料の
飼料部会の方の資料の中に
局長説明というものがございまして、その六ページから七ページあたりから重要な点だけ御説明させていただきたいと思います。
まず、
飼料対策といたしましては、
飼料生産の増強でございまして、この方向といたしましては、
長期見通しにおきまして、将来、六十年までに
作付面積を百四十七万ヘクタールに
拡大する、そうして大家畜について粗
飼料給与率を六七%
程度に高めるということを目標にいたしておるわけでございます。このためには、八ページにございますように、従来からの
草地開発事業を推進する、あるいはまた、
事業団の行います
畜産基地建設事業の拡充を行ってまいる、また、従来から行っております
既耕地における
飼料作物生産の増強を行うところの
飼料作物生産振興対策を行ってまいる、特に、五十年度におきましては、新たに
水田裏における
飼料作物の
生産利用という
事業や、また、地域の実態に即応いたしました
飼料作物の
作付拡大、
効率的利用あるいは粗
飼料流通の促進、
稲わらの
利用といったようなことを対象にいたしますところの緊急粗
飼料増産総合対策を強力に実施してまいる、こういうことになっております。
第二番目の点といたしまして、
わが国の場合
流通飼料が非常に重要な位置を持っておるわけでございます。そこで、
流通飼料対策といたしましては、まず第一に、
政府操作飼料を安定的な運営を行ってまいるということでございます。また、国内におきまして
飼料穀物の備蓄を行うとか、また、
飼料穀物の
長期輸入取り決めの推進といったようなものを考えてまいるとか、あるいはまた
輸入先の
多元化を図ってまいるとか、このような
事業を五十年度において考えておるわけでございます。
特に、
流通飼料対策といたしまして特筆すべきものは、
配合飼料価格安定対策でございます。これは四十九年度内に、本年の二月一日でございますが、すでに
配合飼料価格安定特別基金制度というものを発足させまして、この一−三月
対策ということを考えておるわけでございます。この細かい点は省略させていただきたいと思います。
それから、
飼料につきましては、
価格の問題あるいは量の問題のほかに、もう一つ
飼料の品質問題があるわけでございます。これにつきましては、今回
飼料の品質改善に関する法律の一部改正というような形で、すでに去る十四日閣議決定が行われまして、国会提出の運びとなっておるわけでございますが、この問題は、配合
飼料におきましては非常に種類の多様化等も進んでまいりましたし、また、
飼料添加物が非常に多くなってまいりまして、中には人体への影響、残留性の問題等も問題になってまいったわけでございます。したがいまして、現行制度では十分対応し得ないというようなことで
飼料の品質改善法の改正を考えておる次第でございます。
この改正の内容は先刻御承知のとおりでございますが、
飼料添加物を規制の対象に加えるとか、あるいはまた安全性を重視いたしまして、
飼料、
飼料添加物についての基準または規格を設定してまいるとか、また、品質改善のために公定規格適合表示の制度を設けまして、その内容を表示するということを義務づけるといったような性質の内容でございます。
以上のような
飼料事情を背景にいたしまして、十三ページにございますように、昭和五十年度の
飼料の需給計画ということを御
諮問申しておるわけでございます。
個々の内容につきましては、「昭和五十年度
飼料需給計画説明資料」というのが資料の中に入っておると思いますが、この説明資料の二枚目をあけていただきますと、「一、
飼料需給安定法による昭和五十年度
政府売買計画(案)」というのが載っております。これがその内容でございまして、小麦につきましては、ふすま増産用の昭和五十年度計画は百十八万トン、前年と同じでございます。それから配合用の小麦は五十万トンでございまして、前年四十九年の欄を見ていただきますと、二十万五千トン、ざっと三十万トンをふやしてあるわけでございます。これは、万一の場合、トウモロコシ、コウリャン等の輸入が困難になりました場合のための余分のものでございます。それから、大麦につきましては、前年度より五万トンふやしまして百十五万トン、それからさらに、備蓄用といたしまして十五万トンを考えておるわけでございます。それから、従来、調整用として掲げておりましたトウモロコシ、コウリャンは、これはなかなか技術的にも困難な点がございますので、この六万トンは落としてあるというのが今回の需給計画の骨子でございます。先ほどの
局長の説明資料の中には、これが詳細に述べてあるわけでございます。
いただきました時間を経過いたしましたので、また細かい内容は御質問の際にお答えいたすことにいたしたいと思います。