○芳賀委員 そういうことであれば一ページに大きく書けばいいのですよ。一番大きな活字で書いて、
小麦以外は自信がない、しかし、麦といってもいろいろ種類があるので、
小麦以外の分については参考的に書いておいたのでそのつもりで扱ってくれということであれば別だけれども、大事な一ページというのは全部確信のあるようなことが書いてあるじゃないか。
統計というものにはわれわれは信用を置いているのですよ。
統計情報部長というのは農林省の中でも局長ではなく部長だが、少なくとも独立性を持っておるでしょう。
長官だろうが、局長だろうが、おい
吉岡部長、おまえけしからぬということを言う者はだれもいないのじゃないですか。だから、日雇い
労賃の一時間三百円そこそこではじいた
生産費調査よりも
食糧庁の麦の
買い入れ価格が去年も安い、ことしもまたそれよりもさらに安いという場合に、
三善君これはおかしいじゃないか、
生産費というものは法律のむ中「
生産事情」等を十分に参酌して、これが反映できなければ麦の再
生産は確保できないじゃないかぐらいのことをはっきりとまともに言う必要があると思うのですよ。これは私は重要事項として申しておきますが、そのくらいの決意でやってもらわぬと、周囲を見たってなかなかうまくいっていないでしょう。がんばってください。
先ほど同僚の
美濃委員からも言ったとおり、きのう
米価審議会が
政府試算麦価をおおむね可とするような
答申を出したとしても、それに満足してその値段で決めるということは、われわれ
農林水産委員会としては絶対これは認めることはできませんよ。だから、食管法第四条ノ二の二項の後段にあるところの、
パリティで
計算した
価格に
生産事情、経済事情を十分に反映される
価格でことしの麦作の再
生産を確保すると同時に、
政府が閣議で決めた
昭和六十年を目標にする十年間二倍増産の目標が完全に達成されるような値段をこれから鋭意作成して、そして、それを自民党に相談する必要があれば、自民党の農林部会でも政調会でも
審議会でもいいですから、こうしなければだめですよということをあなたが
説明しなければだめでしょう。幸いにきのう米審の
答申が
政府試算どおりでいいと言いましたから早くこのとおり決めてくれなんてことで、委員会へ来るのをサボってあちこち歩いているようじゃまともな値段は決まらないじゃないですか。それがいわゆる国会軽視ですよ。自民党だけがあって国会も委員会もないという間違った考え方、それがいまの
日本の農業や
食糧政策を根本から覆して誤らしておるわけですからね。国民の役人としてがんばってもらいたいと思うのですね。ときどき私はあなたにも直言することがあるのですが、これは大事な点ですよ。
そこで、最後の締めくくりになりますが、
試算麦価をそのまま決めることは断じてまかりならぬ。
それから、特にこれからの問題として、まず
一つは、
政府が閣議で決めた
長期見通しの実現に向かって、「農産物の需要と
生産の
長期見通し」による
生産目標を必ず達成するために、これは
価格政策あるいは
生産対策について実現する必要がある。それには
生産基盤の整備の問題が大事だが、大増産をやるということになれば、内地府県における水田の裏作による米麦一貫体制の確立を進めなければ所期の成果を上げることはできないと思うのですよ。だから、これに対して特別の助長
政策をとる必要がある。
もう
一つは、北海道を中心とする畑地帯における麦作の集団化あるいは機械化というものが十分に意欲的に発展されるような体制についていままで以上に強力な
助成を行う必要があるのではないか。
それから、いままでは国産麦を全滅させるために麦の品種改良も何もしなかったでしょう。このおくれを取り返すということになれば大変な苦労が要るわけであります。幸いにして農林省においてそういう試験研究のための技術陣というものは一応体制的には用意されているわけだが、それを活用していないわけですから、休眠させておるわけですから、その優秀な諸君が十分に奮起して品種改良とか栽培の改良等について第一線でがんばってもらえるような体制をつくるについて、予算を要すればそれを確保するということをやる必要があると思うわけであります。こういう点は重点的な増産対策、
生産振興対策の強化ということになるが、これを十分念頭に入れてことしの
価格決定をしてもらいたいと思います。
それから、もう
一つは、昨年行われました
麦生産振興奨励補助金等についても、二千円あるいは千八百円に区分するというような非常に不統一なやり方をして不満を招いておるわけでありますが、こういうものはできるだけ速やかにことしから一本化して、さらに補助
単価等についても一再
検討して上げるものは上げて、少なくとも、
政府に売り渡した麦の販売
価格を
農家が受け取ると同時期にこれらの
補助金等についても支払われるようにする必要があると思うわけであります。
あるいはまた、集団的な
生産地帯等の輸送費の問題であるとか、あるいは麦の
振興奨励のための要綱等も非常に不完全な点があるわけですから、これらを
政府の行政の中で抜本的に
改善をして、全国的に
農家の皆さん方が麦作についても意欲を燃やして十分に取り組むことができるようにすべきである。
こういう点はかかって今度の産麦の
価格決定というものが一番基礎になるわけですから、思いを新たにして
長官においてもぜひ十分にがんばってもらいたいと思いますよ。本当はこれは大臣を呼んではっきりさせたいわけですが、ちょうど参議院においてわれわれの委員会から送ったえさの品質保全とか
改善に関する法律をきょう委員会で上げるということになっておるので、それに大臣が出席しておるわけでしょう。あなたが来なかった
理由とは全然違うわけだが、きょうは
食糧庁長官としてあなたの
責任が一番重いわけだからしっかりやってもらいたいと思うのですが、その点についてはどう考えているのですか。考えがあれば示してもらいたい。