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澤邊政府委員 インテグレーションのお尋ねでございますが、先ほどの御
質問で一つ
答弁漏れがございましたので先に補足させていただきますと、経営
対策でどのようなことをやっておるかという点につきましては、
大臣の先ほどのお答えの中に一部ございましたけれ
ども、
輸入の
調整措置あるいは
生産者団体の
調整保管措置、あるいは
消費拡大のための安売りキャンペーン、これは若干の助成もいたしまして、小売業者に対する助成もいたして、昨年の夏以来数回にわたってやっておるわけでございます。そのようなことによりまして
消費をできるだけ上向きにするということ、それによって
価格の
回復をはかるということをやる反面、経営が
相当打撃を受けております。
価格が下がり、しかもえさ
価格が非常に
高騰しておるということではさみ打ちになったようなかっこうになっておりますので、そのような経営を維持していくために、あるいは負担を軽減するということのために、低利融資を昨年は二回にわたって二種類についてやったわけでございます。一つは夏の初めでございましたか、肥育継続資金の融資というものをやりまして、これは
価格が安いために肥育をやめた、あとの子牛を導入しないということがありますと、
長期的に見て先が不安になりますので、子牛の導入資金に対する低利融資をやったわけでございます。さらに、年末におきましては、
牛肉価格の低落によります負債の
増加が見られる肥育経営が
かなりございますので、低利資金に借りかえをするために、二百五十億
程度の総枠におきまして、五カ年間を融資期間といたします低利融資の道を開いたわけでございます。そのようなことによりまして何とか苦境を切り抜けるように
現状はしておるわけでございます。
さて、インテグレーションの
現状いかんのお尋ねでございますが、御
指摘のように、農外資本が
畜産生産分野に進出する形には、いわゆる契約
生産と直営農場と二つあるわけでございますが、
農林省が四十八年に調査をいたしました契約飼養について見ますと、やはりブロイラーが一番多い。それから肥育豚、採卵鶏がそれに次ぐわけでございますが、圧倒的にブロイラー
関係が契約
生産では一番進んでおるように思います。
肉用牛につきましては、当時ほとんどそういう例がない。全くないかどうかはわかりませんが、ほとんどないということで、実は調査をしておらなかったわけでございますが、われわれが最近耳にするところからいたしましても、
肉用牛経営につきましては契約
生産は余り進んでおらないというように考えております。
なお、契約
生産というか、契約飼養が最近進んだと言いましたけれ
ども、最近、以前に比べますと新しくふえるのがやや
鈍化をしてきておるというような
傾向が見られます。
なお、直営農場について見ますと、これは四十九年のわれわれの調査でございますが、全体で三百二十一農場ということになっておりまして、これは採卵鶏、養豚、ブロイラーが
かなり多い。
肉用牛につきましても、われわれの調査では五十三農場ございまして、このタイプのものにつきましても、最近新しく始めるというのは比較的
減少してきておるというふうに見ております。
これについて
農林省としてはどのように考え、どのような指導をしておるかという点でございますけれ
ども、契約飼養は、御案内のように、企業が自社系列の
畜産資材を農家に売る、それと見合って、
生産されました
畜産物を集荷して販売をするということによりましてシェアを拡大していくというねらいでやっておるわけでございますけれ
ども、農家側から見ますと確かに
生産物の販路や販売
価格が比較的安定する。たとえて申し上げれば、ブロイラーにつきましては、
相当のインテグレーターが自主的に
価格安定基金
制度のようなものを設けてまるということによりまして、市況が下がっても、契約数については、一定の
価格をインテグレーター側が
かなり補償してくれるというような面でメリットの面もございますけれ
ども、力
関係という点におきましては、経済的な力はインテグレーターと飼養農家では
かなりの格差がございますので、その間に不適正な取引
関係というものが入り込む余地があるわけでございますので、そのようなことがなくて公正な契約飼養
関係が成立するように指導しておるところでございます。
直営農場につきましては、われわれといたしましては、そういう農外資本が直営農場でブロイラーその他を大規模にやるという形が今後大いに
伸びるとまでは見ておらないわけでございますが、当面の問題といたしましては、たとえば養鶏あるいはブロイラーもそれに近い
傾向が出ておると思いますけれ
ども、やや
生産過剰という
傾向がここ数年来出ております。そうしますと、そこに大規模な農外資本による直営農場が新たに出現してくるということになりまして、しかもそれが猛烈なシェア争いをやる、シェアを拡大するために競争するということになりますと、全体の
生産を
計画化していくことが過剰
生産基調のもとにおいては
価格の安定をはかるために必要であるというときに、新たな大企業が操業を始めるということは全体の
需給バランスを崩すという点でいろいろ問題があると思いますので、その点について特に節度を持った事業をやってもらいたいということで行政指導をいたしておるところでございます。
いずれにいたしましても、そのようなインテグレーターが進出してくるということは、反面、農協等によります
生産者の組織が弱いという面がそれらの農外資本の進出を可能にするゆえんでもありますので、農民の自主的な集団なり、農協その他の団体によります共同行為というものをわれわれとしては一層強化するように指導してまいりたいというふうに考えております。