○大出
委員 ずいぶん無責任な話で、私
ども審議してきているんですからね、これは。
長官は、
新聞から雑誌から週刊誌からやたらいろいろなことをしゃべっちゃっているわけでしょう。よく読んでみると、言っていることをずいぶん集めてみたんですが、中にはうちの石橋書記長と話したものまであるんだから。どこをどう調べてみても何もない、調べてみると。安保協議会がある、運用協議会があるのも知らないわけではないけれ
ども、いまの話で言うと、新しいものをつくろうか、つまり戦略
戦術まで話し合うのをつくろうか、いや、運用協議会の中で話し合えるようにしようか、運用協議会の中で話し合えるようにするなら、それだけのことで何も言うことはない。運用協議会を公開するのではないんだから。私
どもにはわからないんだから。戦略
戦術は話し合わないことにしていると言ったって、しているかもしらん。私にはわからぬ、出たことはないんだから。そうすると、それは別に、運用協議会でやるのなら、いまあるままで、ただ、その中に戦略
戦術の話し合いをするということになったということだけのこと。何も大きな騒ぎをすることはない。そうすると、これは何もないということでは、いままで何をわいわい騒いでいたのか、わけがわからぬ。
これはしようがないから、具体的に聞きますから答えてください。
一つ、
アメリカの側というのは一体何を求めている。いままでいろいろなところでいろいろなことを言っています。皆さんに言ったってむだだから余り言わぬことにして、具体的に聞きますが、
アメリカは、これは高宮が言ったとかいろいろなのがありますけれ
ども、常識で
考えたってあるので聞きますが、防空というのがありますな。空。私は、松前・バーンズ
協定は生きていますかと聞いたら、
丸山さんは生きているとお答えになった。だから、米軍との間の
協定はこれしかないはずだ。空については松前・バーンズ
協定しかない。ADIZは手前に引っ張って
日本が決めて、防空識別圏は決まっている。はっきりしている。韓国には韓国の防空識別圏がある。韓国には三百十四師団、空軍がいます。沖繩は三百十三。三百十四師団は三百十四師団でやはり防空識別圏を持っている。だから、
一つの飛行機に対して韓国からスクランブルがかかる、こっちからかかるという場合があり得るわけです。オケアン演習なんていって飛んできた。行ってみた。向こうからもこっちからも来たなんということがある。中には韓国の飛行機を知らないで、こっちがスクランブルをかけた。行ってみたら韓国だったので、あわてて帰ってきた。ばかみたいな話。
なぜ一体、こういうことになるか。
アメリカの側だって、これはこのままで、ただで済まされないです。もとならば、つまり横田集約以前ならば、これはそれなりに
意味がありました。一緒にいたのだから。それでCOC——府中に第五空軍司令部と自衛隊の航空総隊司令部が同居していましたね。私、行ってみたことがありますが、総隊司令部の責任者と第五空軍司令部の司令官とネームプレート入りの席が並んでいた。当時はこうなっている。それでCOC、これは戦闘指揮所ですね、ここで——
日本本土あるいは沖繩を含めまして二十八ヵ所のレーダーサイトがございますね、これは情報を一手にここで握る、
日米共同のCOC、戦闘指揮所でございました。本来戦闘指揮所というものはあったのです。
日米共同の戦闘指揮所。これが昨年の六月、横田に移ってしまった。だから、そこにすでに米軍の席はない。下部機関にはADCC防空管制所がある。ここにも米軍の連絡係将校が来ていた。このCOCなんというのは、韓国との間はボイス通信をやっていたわけですね、声、口で。当時、私が参りましたときには。だから、すぐ韓国軍とも連絡がついた。鳥山なら鳥山とすぐ連絡がついた。ボイス通信ですから、声ですから。ところがそれもない。それでADCC防空管制所もない。こうなっているわけですね。だからスクランブルかけたら韓国軍の飛行機だった。あわてて回り道して帰った、そういうことができ上がっている。その間に連絡がない。
そうだとすると、これは平時、かつまた有事、
長官のおっしゃるように有事の際に松前・バーンズ
協定しかないんですから、その
意味では補完なんです、米側が
日本に渡したわけですから。そうすると、この間の空の共同戦闘というのは、三百十三が沖繩にいたり、三百十四が韓国にいたりするんですから、その間一体どうするかという、これは当然話し合いのテーマでしょう。あたりまえでしょう。
アメリカがそう言う。不思議はない。そうすると、これは一体どう
考えるのか、あなた方は一体どう
考え、米側はこの問題をどう
考えているのかということを答えてください。これが
一つ。
次に、対潜
能力を高めろ、これは本年二月のブラウン報告。本年二月の
シュレジンジャーの国防報告に補完の
意味で出しているブラウン報告がございます。米議会に出しましたこのブラウン報告の中で強調しているわけですね。対潜
能力ASW、これを高めるよう
日本を激励するんだなんて書いてありますね。だから、当然これは
一つの議題です。
あわせて海上交通路の保護、これがございます。これはうらはらなんですね。対潜
能力を高める、これと、つまり海上交通路の保護というのは裏表。なぜならば、
シュレジンジャー氏が言っている
言葉の中に、敵は——ソビエトですよ、主として。何をやるかと言えば、つまり水上戦力の劣勢な
相手だから水中戦力で来るだろう、つまり潜水艦だというわけですね。そうすると、これはいま言われているシーレーン、航路帯をねらう。船が常時通っているそこを撹乱する、こういうことになる。第七艦隊が一番弱いのはどこかと言ったら水中勢力だ。対潜
能力であります。だから一生懸命、多目的型に
攻撃型空母を改編して、対潜
能力のある機を載せてやってきているわけですからね。そうすると、いまこの広大な改編で何が欲しいかと言えば、対潜
能力に違いない、向こう側にすれば。それを求めてくるのはあたりまえです。そこでしからば、いまのわが国の海上自衛隊の対潜
能力というものはどの程度のものなのだ、これは相当な力に耐え得るものかどうか、それが
一つ。力たり得ないのだとすれば、そこから先
相手が求めているものに応ずるのか応じないのか。つまり
相手方は
日本にもう少し何とかしてくれないかと言う。つまり対潜哨戒機、これは四十八機ぐらい必要だぞと言う。国産にするのかしないのかという問題は後から聞きます。向こう様はP3Cオライオンを使えと言うのでしょう、恐らく。P3Cはたしかロッキードでしょう、
丸山さんそうでしょう。だから、ロッキードの副社長なんかを
日本の大使にしているんだから、P3Cを早く採用しろ——
シュレジンジャーさんが来て、二時間なんだが、二時間の半分ぐらいは
兵器の売り込みになるかもしれない。ロッキードの副社長を大使にしてよく言ってあるじゃないか、何にもできないなんて
日本が言うなら、せめて
アメリカの
兵器を買えぐらいと言いかねない。P3Cオライオン四十八機買え、対潜
能力なんかないじゃないか、こういうことになりかねぬです、これは。つまり対潜
能力の強化ということは、
アメリカ側が求めるものでしょう。そうすると、P3C四十八機なら四十八機、それからフリゲート艦を十八隻ぐらいふやせと言っている。このくらいは最低限度必要だと
アメリカが言っている。これは長い懸案ですよ、いま言ったのじゃない。
そうすると、そこらのところを
アメリカ側が持ち出すのはあたりまえでしょう。それに対して
坂田防衛庁長官は、二時間の中でそれが出てくるとそれに一体どう答えるのだ。そうでしょう。そうすると、現有海上自衛隊勢力プラス対潜哨戒機PXLは、ちんたらちんたら何年もかかってわけがわからぬじゃないか、これは一体どうするんだ、わけがわからぬ。向こうだって売りたいのだから、そのぐらいのことは平気で言いますよ。わざわざ空席になっていた大使にロッキードの副社長をおくめんもなく持って来るんだから。そうでしょう。そうすると、さて護衛艦の十八隻、これをどうするお
考えでございますか
坂田さん、こう聞きますよ、
シュレジンジャーさんというのは頭のいい人だから。その後の方からP3Cはどうですかというようなことになると私は思う。そこのところは、二時間
会談の中で一体どういうふうにお
考えになるのか。これが実は二番目の問題です。
三番目の問題は、航路帯云々というのでありますが、これは、いまの
最初の問題とも絡むんですが、ソビエトを意識するとなれば——対象国でも何でも構いません。ソビエトを意識するということになれば、
日本の海上自衛隊のやれることというのは私は限られてくると思うんですよ。
まず三矢図上研究でも出てくるんですが、ソビエトは参戦するのかしないのか、参戦するという段階で三矢図上研究は何を決めたかというと、完全に三海峡の封鎖なんです。宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡の三海峡封鎖なんです。なぜならば、カムチャツカの一番突端にペトロパブロフスク軍港がソビエトにはあるけれ
ども、これは凍る港ですから、相変わらずウラジオに百十六隻ぐらいの潜水艦が現在いる。この中で三十一隻といわれ三十三隻といわれたりいろいろするけれ
ども、原子力潜水艦が三十隻以上いることに間違いがない。そうだとすると、これが太平洋に出るというならば、宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡しか断じてない。いわゆる間宮海峡、いまのソビエトのタタール海峡、あれはあるけれ
ども、黒竜江の土砂で埋まって明確に通れないのだから、そうすると宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡しかない。三海峡
防衛というのは当然
日本の分担になる。三矢図上研究のときからこれは分担だ。そうすると、三海峡
防衛ということを含めた対潜
能力ということが、当然
アメリカから出てこなければおかしい。だから、そこらの問題まで触れて一体どう
考えるのか、
アメリカ側がどう
考え、
防衛庁の側がどう
考えるのかという問題。
ところでシーレーンですけれ
ども、南西でも東南でも構いません。何遍も私は言っているけれ
ども、六百海里ないし千海里と皆さんが文章で出していることは間違いないんだ。そうすると、
東京からの大阪からのと言うけれ
ども、
日本からということになれば、台湾の向こうまで行っちゃうことに間違いないし、また南西に下ればミクロネシアに近いところまで行くことに間違いがない。その航路帯、南西航路なんというもの、ミクロネシアに行く方に米軍の基地ができる。そのミクロネシア基地というのは、ニクソン・ドクトリンで明確にうたっている。これが出発なんです。どんどんできているのです。そうすると、将来フィリピンのスビック湾その他から、あるいはミクロネシア基地から弾薬など大量に輸送してくることがあり得るわけです。その辺になると、
日本の海上の責任が当然出てくるわけです。当然
アメリカとの共同作戦なり、すり合わせをどこでするかわからぬけれ
ども、私に言わせれば、実はこの種のことをもうやってしまっていなければおかしい。
そうだとすると、この航路帯は断ると言うけれ
ども、筋道として筋論として果たして断り得るものかどうかという点。
アメリカ側にすれば、そのくらいのことは
日本がなぜやらぬと言うに違いない。言い分としてはありますよ。それは一体どうするかという問題。これは大きく言えば三番目。
それから四番目。みんな並べていきますから。
さっき私は、韓国の近代化計画を申し上げたのだけれ
ども、四億六千万ドルばかり
アメリカは支払っていない、未執行である。近代化五カ年計画は米韓の間で米韓軍事同盟に基づいて取り決めてある。それが払えない。本年の六月で五カ年は終わっているわけです。そうすれば、どういうかっこうにせよ、当然
日本側に肩がわりという問題が出てくる。だから苦し紛れにつくったのが、軍事援助と言ったらいきなり国会でばっさり来るから、だから苦し紛れに
防衛庁案といわれたものは、通信機とかトラックだとか車両だとか橋だとかいうものについて
日本が援助をする。韓国はそれを買わないで済む。予算が残る。その予算で
兵器を買えばいいじゃないかという案まで出てきたことがある。これは
シュレジンジャー報告やレアード報告の中からすれば、あるいは下院の歳出
委員会等からすれば、
NATOに対しては明確な要求をしているじゃないか、出さしているじゃないか、何で
日本に対してそれをやらないんだ、やりなさいという決議までしているじゃないですか。そうでしょう。そうだとすれば当然出てくるはずです。そこらは一体どう受け答えるのかという問題。
それから、これらを含めて、さて
日本の
防衛費というものは〇・八%だ〇・九%で果たしていいのかという問題。二%論というのは
アメリカが昔から持っている論理ですよ。そうすると、
シュレジンジャーあたりは、物を買わせる都合もあるんだから、二%ぐらいのものを組みなさいというようなことを言いかねない、これは。そこらのところは一体どういうふうに受け答えるのか。
これは、まあ空と海中心ですけれ
ども、総体で
防衛予算、対韓国の問題、
日本が、だって四万二千の在韓米軍韓国にいてくれと言う限りは、いてくれと言っておいて、じゃ金出せと言ったらいやだという手はないだろう、これは。そうでしょう。
防衛レベルだって出てこなければならぬ筋合い。そこのところは一体どういう受け答えをするのか。せっかく二時間話すんだから、少し聞かしてください。何にもないと言われたんじゃ
委員会開いた
意味がない。どうですか。