○旗野
委員 御
説明の御趣旨はよくわかりますし、
最低保障額を引き上げるということについて、予算措置を相当されたという努力は私は買います。しかしそれも、
年金と
恩給とはもちろん違いますけれども、各種
年金がもう次々と上昇をしておるというさなかに、
最低保障額を上げるのは、これは当然だと私は思うんですね。これを、いままでもお上げにならないところに問題がある。さっき申し上げたように、もうすでに二十万そこそこしかもらわない、もちろんそれだけの勤務
年限もなかったのでありますから当然でしょうけれども、もう要援護家庭になっている人もおる。これは事実を示せと言えば私は示します。そういう状況にあるのでありますから、それとこれとはおのずから私は別だと思うんですね。しかも先ほど申し上げたように、二百二十七万人に対して六百七十一億というはっきりとした、いわゆる人員と予算が出ておる。それをあなた方はお直しになれないということは、私はおかしいと思うのです。
そういう意味からして、旧態依然たるこのいわゆる
恩給制度の中で、十八
号俸はさっき申し上げたように、
仮定俸給年額が既応三カ年で二十一万八千三十二円なんです。
物価上昇でありながら、百分の五十として基本
恩給額は三年間でたった七万二千六百七十七円しか上がっておらない。ところが一方、六十三
号俸の人は
仮定俸給額が三カ年で百六万九千八百六十二円
増額されていますから、基本
恩給額が三十五万六千六百二十円となります。さらに八十二
号俸の一番高給の人は
仮定俸給額が三年間で百八十二万四千五百五十八円でありますから、基本
恩給額が三年間で六十万八千百八十六円の
増額になっておる。これでは全く格差というものは物すごい状態になる。
ですからあなた方、これをこのまま私どもの
委員会で通せと言うことは、私はおかしいと思うのです。私は、
政府・与党の立場に立つ自民党の党員でありますし、議員でありますけれども、かくのごとき格差の激しい一律アップを、しかも
附帯決議にこのようにうたっておるにかかわらず、何でこれをあなた方おやりにならないのか。これは私、重大な問題だと思いますよ。
また、いまの
恩給受給者は、ことごとく七十歳近い人が多い。だから、はなはだしいのになりますと、
小学校の
校長が自分の部下になっておった女の教員が
年金制度に変わっておりますから、だから女の教員の方が多くて、
校長がその下の
恩給をもらっておるというようなのは、全国にたくさんありますよ。そういう状態を皆さんよくお
考え願いますと、私は何も十八
号俸と最高の八十二
号俸の局長クラスの人たちを同じにせいなんという
考え方ではないんですが、これをどうしても直してもらわなければ、私はこれは通せない。これは
委員長において、しかるべくこの問題について
検討していただきたいことを私は要望しておきます。少なくとも両院の
委員会において
附帯決議がなされておる、それをまた一律アップしている。
私、こういうおこがましいことを申し上げることは、まことに失礼かもしれませんけれども、歴代の
長官やあるいはまたその他の方々に、私どもは
内容はわかりませんから、法案が出まして初めてこの問題が議論の対象になるわけでありますからして、まことにおしかりを後でちょうだいするかもしれませんけれども、
委員長の方からひとつしかるべくこの問題について慎重に御
検討いただいて、単なる
附帯決議ではなくして、二百二十七万人に対する六百七十一億を、どう一体適正に
上薄下厚の施策を打ち出すか、これは三木内閣としては大事な問題でありますよ。
私などからこんなことを申し上げる必要は何もないが、ただ
恩給問題ということになると、ややもすると高等数学が用いられておるものだからわれわれにはわかりにくい。わかりにくいから余りこの問題に対してどなたも議論なさろうとしない。しかしこれは非常に重要な問題であり、また日本の
国民の中で一番努力をして、そして黙々と国家の繁栄を祈っておる人たちが多い、そしてその
恩給というものによって、自分たちの生活を何とか守り続けようとしてきておる人たちであることは、いまさらもう言うまでもないわけであります。でありますから、まさに
委員会軽視ではないか、こう私は野党であればきめつけたいところでありますけれども、野党でない悲しさであえて申しませんけれども、しかし内部告発をやるというわけではございませんけれども、率直な見解として、この際、総務
長官からこの問題について慎重にひとつお
考えをいただきたい、こういうことであります。御意見をお伺いいたしておきます。