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1975-06-24 第75回国会 衆議院 大蔵委員会金融機関の週休二日制に関する小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    本小委員会昭和五十年五月二十三日(金曜日) 委員会において、設置することに決した。 五月二十三日  本小委員委員長指名で、次の通り選任され  た。       大石 千八君    金子 一平君       小泉純一郎君    塩谷 一夫君       野田  毅君    村山 達雄君       毛利 松平君    山下 元利君       佐藤 観樹君    武藤 山治君       山田 耻目君    増本 一彦君       広沢 直樹君    内海  清君 五月二十三日  山下元利君が委員長指名で、小委員長に選任  された。 ————————————————————— 昭和五十年六月二十四日(火曜日)     午前十時四十四分開議  出席小委員    小委員長 山下 元利君       野田  毅君    毛利 松平君       佐藤 観樹君    武藤 山治君       山田 耻目君    増本 一彦君       広沢 直樹君    内海  清君  出席政府委員         大蔵政務次官  森  美秀君         大蔵省銀行局長 高橋 英明君  小委員外出席者         大蔵委員長   上村千一郎君         大蔵委員    坂口  力君         大蔵大臣官房審         議官      安井  誠君         大蔵委員会調査         室長      末松 経正君     ————————————— 六月二十四日  小委員塩谷一夫君同月六日委員辞任につき、そ  の補欠として塩谷一夫君が委員長指名小委  員に選任された。 同日  小委員広沢直樹君同月十日委員辞任につき、そ  の補欠として広沢直樹君が委員長指名小委  員に選任された。 同日  小委員大石千八君同月十八日委員辞任につき、  その補欠として大石千八君が委員長指名で小  委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  金融機関週休二日制に関する件      ————◇—————
  2. 山下元利

    山下委員長 これより金融機関週休二日制に関する小委員会を開会いたします。  この際、一言ごあいさつ申し上げます。  先般、各位の御推挙により、私が当金融機関週休二日制に関する小委員会の小委員長に就任いたしました。  金融機関週休二日制実施の問題につきましては、かねてから大蔵委員会金融に関する調査重要事項として、政府並びに金融機関当局者との間に議論を重ねてまいったところであります。  また、日本社会党からはこのための銀行法改正案が提案されていることは、各位の御承知のとおりであります。  この問題が単に銀行等営業日としての問題にとどまらず、国民経済全体に深いかかわりを持つ重大事であることにかんがみ、先般、全会一致この小委員会が設置されたのであります。経済事情の推移が著しいときでもあり、本問題については特に慎重な討議が必要かと思われますので、各位の御協力を得てその職責を全うする所存であります。何とぞよろしくお願い申し上げます。  金融機関週休二日制に関する件について調査を進めます。  この際、本問題に関する経過並び問題点について政府より説明を求めます。高橋銀行局長
  3. 高橋英明

    高橋(英)政府委員 金融機関週休二日制問題につきまして、その普及状況並びにこれまでの検討経緯及び金融機関完全週休二日制を実施する際の問題点等につきまして、簡単に御報告申し上げます。  近時、わが国におきまして一般民間企業中心週休二日制が導入されつつある中で、金融機関週休二日制の問題についても関心が高まってきております。  昨年九月末の労働省調査によって金融機関における週休二日制の普及状況を見ますと、ほとんどの金融機関企業数で九四・六%、労働者数で九七・九%がすでに何らかの方法で職員の土曜交代休暇制実施しており、全産業平均普及状況企業数で四二・八%、労働者数で六七・五%を大幅に上回っております。  しかしながら、金融機関につきましては、土曜日を閉店する形でのいわゆる完全週休二日制を実施することは、銀行の休日につき定めた銀行法第十八条及び同条を準用している長期信用銀行法相互銀行法信用金庫法等規定によりまして、現行法上は不可能になっているわけであります。  そのため、金融機関につきましても完全週休二日制を実施できるよう銀行法第十八条を改正してはどうかとの意見が出され、各方面で活発な議論がなされるに至っております。  こうした状況を踏まえまして、国会におきましても金融機関週休二日制問題がしばしば取り上げられてまいりましたが、本年四月二十三日の当大蔵委員会の席上で大平大蔵大臣は、諸外国における週休二日制の普及状況、最近のわが国における進捗の状況国会における審議状況などから見て、金融機関週休二日制については真剣に検討すべき問題であるとの認識を明らかにされ、そして同時に、金融機関週休二日制の導入は、一般経済取引その他社会経済全般に与える影響もきわめて大きいので、この影響の問題も含めて、週休二日制・定年制延長問題関係閣僚懇談会において検討を開始し、なるべく早い機会結論を出してほしい旨、閣議の席上提案することを表明されたわけであります。  大平大蔵大臣は、五月九日の閣議におきましてその旨の提案を行い、直ちに了承されましたので、今後は同閣僚懇談会において検討が進められることとなっており、同懇談会が近く開催される予定であると聞いております。  また、金融制度調査会におきましても五月十四日に銀行法等改正についての大蔵大臣諮問が行われ、その検討が開始されたところでありますが、現行銀行法全体を見直していく過程で、第十八条をめぐる問題につきましても今後種々の角度から検討していただくことになると存じます。  金融機関週休二日制についての問題点でございますが、今後これらの機関におきまして金融機関週休二日制問題が検討されることになるわけでございますが、金融機関公共的性格を考えますと、土曜閉店の形で週休二日制を実施することについては、現在のところ、いろいろと検討すべき問題も多いと考えております。  まず実体面でございますが、金融機関は本来一般経済取引を円滑化するための媒体機関であり、その活動実体経済取引状況に適合して行われる必要があるわけですが、一般企業においても土曜日に事業所を閉鎖しているところはいまだ少なく、大半の企業が土曜日も営業しているのが現状であり、特に中小企業においては、完全週休二日制を実施している企業の割合は大企業に比べて著しく低いのが実情であります。したがって、現状において金融機関が土曜日閉店による完全週休二日制を実施するならば、これら中小企業営業活動にかなりの支障が生ずるのではないかと懸念されるわけであります。  現在、規模別週休二日制の実施状況企業数で見ますと、完全週休二日制を土曜日閉店の形でやっております企業普及率は、従業員千人以上のところで二〇・六、百人以上九百九十九人までで四・七、三十人以上九十九人までという事業所で〇・九という状態になっております。  また、最近の金融機関における土曜業務実態を見ますと、企業取引の多い都心店舗においては土曜日の来店客が減少しているのに対し、住宅地大都市周辺個人客中心店舗では逆に土曜日の来店客が増加し、このため土曜日の業務がむしろ繁忙化している傾向が見られます。このような状況で、個人客等の利便を十分考慮せずに、いま直ちに土曜日閉店実施できるかどうか問題ではないかと考えております。  こうした実態のもとでは、銀行一般民間企業に先行して土曜日に閉店することについて、社会的なコンセンサスを得られるかどうか、またそれが適当かどうかという問題があると存じます。  欧米先進諸国の例を見ましても、フランスが金融機関先行型であったのを除けば、おおむね一般企業における週休二日制の普及と並行するか、またはそれに追随する形で金融機関週休二日制が実施されているのも、そうした問題があるからではないかと考えるわけでございます。  次に法制面でございますが、法制面においても、金融機関完全週休二日制を実施するためには、必ずしも銀行法第十八条を改正すれば足りるものではなく、手形小切手の土曜日の決済に関する混乱等を防止するため、手形法第八十七条、小切手法第七十五条等の経済法規における休日の規定や、国税通則法第十条、地方税法第二十条の五など税法の休日の規定等についても、あわせてその改正検討する必要があると考えられます。  また、民間金融機関での週休二日制の採用は、貯金業務を扱う郵便局週休二日制をどうするかという問題を生じ、さらに公共企業体や公務員の週休二日制にも関係が出てまいりますので、それらへの影響や対策についても十分検討する必要があると考えます。  以上のように、金融機関における完全週休二日制の実施には、種々検討すべき問題も多いと考えられます。これらの問題については、ただいま申し上げましたように、今後関係閣僚懇談会等において検討が進められるわけでありますが、経済社会全体の動向一般企業における週休二日制の今後の普及状況等を考慮しながら、金融機関週休二日制についての諸問題に関してさらに検討を進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
  4. 山下元利

    山下委員長 以上をもって政府説明は終わりました。     —————————————
  5. 山下元利

    山下委員長 これより質疑に入ります。
  6. 山田耻目

    山田(耻)小委員 高橋さん、いまの御報告の中で、四月二十三日以後大蔵大臣意見を述べられて、本委員会意向をお伝えになったことが新聞に出ていましたね。それはもうそれで、閣僚懇談会は一度もこの問題に触れた経緯がなかったのかどうなのか。  それからもう一点は、五月十四日に金融制度調査会が改組して発足しましたね。それで、この週休二日を非常に熱心に推進してほしいという要望を持っておる労働団体、ここの代表者も今回は加えられて制度調査会発足したわけですが、この金融制度調査会にいま御報告のように週休二日についての取り扱いを諮問なさったようですね。そうなりますと、本小委員会のこれから果たしていこうとするいろいろな作業内容とほぼ同じような形の分野制度調査会の中にも発足をする、言いかえたら、金融制度調査会の中に週休二日制問題の小委員会などを設けられて、専門的に検討なさるという用意のもとに経過が述べられたものと私は承知をするのですが、そういうことでよろしいのかどうなのか。  そうして三つ目には、そうであるとするならば、この金融制度調査会の中の週休二日制問題の小委員会は、どういう作業手順問題提起をなさっていこうとしておるのか、これに対して大蔵省当局は、どういう手順でこの委員会により具体的な諮問をなさっていこうとするのか、そこらあたりについてひとつもっと細かいところの話をしていただきたいと思います。
  7. 安井誠

    安井説明員 先生お尋ね週休二日制・定年制延長問題関係閣僚懇談会の件につきましてお答え申し上げたいと思います。  御承知のように、四月二十三日に先生の御質問に対して大蔵大臣からお答えを申し上げたわけでございます。そのお答えを受けて、五月九日の閣議におきまして、この閣僚懇談会の方がしばらく開いておりませんので、週休二日制・定年制延長問題関係閣僚懇談会を開いてこの問題について検討を開始し、なるべく早い機会結論を出してほしい、こういう旨の発言をいたしたわけでございます。  その後、この関係閣僚懇談会でございますが、事務当局内閣審議室になっておるわけでございますので、懇談会をただ開くというわけにもといいますか、直ちに開くという前に、やはり準備が要るわけでございます。具体的には、この閣僚懇談会の下に、先生も御承知のような第一部会から第四部会まで設けられております。これらの部会をどのように動かしていくか等、幾つかの問題もございますので、現在それを内閣審議室中心にして検討を進めているわけでございまして、私どもといたしましてはこの内閣審議室の方から、近く開催することを予定しているということを承っているわけでございます。
  8. 高橋英明

    高橋(英)政府委員 金融制度調査会の方の御質問でございますけれども金融制度調査会は五月十四日と六月十一日と、現在まで二回開かれているわけでございます。先生も御承知のように、今度は委員の人選も大幅にかえまして、労働界代表ども二人加えましてやっておるわけでございます。  現在まで金融制度調査会は二回開きましたけれども、二回ともまだいわゆる総会という段階でございまして、これは銀行法改正中心に御議論いただくという諮問をしているわけでございます。したがいまして、現在までは、現在の銀行法が成立するに至った基盤というようなもので、明治以来の日本金融制度の法制的な移り変わりといったようなものをみんなで勉強している段階でございます。したがいまして、現在際立って一つ問題意識を持って部会をつくるというところまではいってないということでございますので、週休二日制に関する小委員会というようなものは、まだ設置されておりません。  ただ、いままで二回の総会の中で、国会におきます最近の銀行法をめぐるいろいろな質疑応答といったようなものの紹介などをいたしておりますので、当然その中には週休二日制に関するやりとりといったようなものも、そのまま委員皆さんには御紹介してございます。それからまた、労働界代表というわけではございませんが、かつてのそういう方々からは、この際、週休二日制問題について議論が高まっておる折でもあるので、早く小委員会をつくってこれを検討すべきではないかという主張もなされたことは事実でございます。これに対しましてある委員は、いや、それはまだ早いというような意見もあったりしまして、現在のところ小委員会設置までは至っておりません。  金融制度調査会を進める予定といたしましては、この次七月には、諸外国銀行法金融制度といったようなものの中で、日本に参考になるようなところの説明会というようなことをいたします。この一、二、三回をもちまして総論的な御勉強をしていただくという形にしておりまして、その段階におきまして、どういう部会をつくり、どういう小委員会をつくって熱心に検討していくかということが決められるものと思います。  その際、こういう週休二日制の問題だけは先に急いでやれよというようなことが委員会の大勢を占めて、そういうことになりますかどうか、現在のところ実はまだわからないわけでございます。したがいまして、現在は金融制度調査会はいわば総論といいますか、そういうことで皆さんが御勉強なさっているという段階でございます。
  9. 山田耻目

    山田(耻)小委員 七月はいつごろを目途におやりの予定ですか。
  10. 高橋英明

    高橋(英)政府委員 七月は十五日だったと思います。
  11. 山田耻目

    山田(耻)小委員 大体のことはわかりました。三回ぐらい総論段階を経て、部会、小委員会ということになるだろうが、賛否もあることだからと、こういう意見もありましたが、いままでの大蔵省週休二日に対する考え方が、特に日本経済の中に占めておる中小企業動向実態、そういう産業との媒体金融機関は果たしておるだけにきわめてむずかしいということが再三述べられていたわけですよ。だから、総体的な銀行法改正の動きの中で、もちろん長い年月をかけておやりになる気持ちなら、それはそれで一つの目的は達せられると思いますが、特にその中で金融機関週休二日については、確たる限界として五十一年六月をめどにしてやるということが確立はしておりませんけれども目安としてやりたいということを委員会でも言ってきておるので、来年の六月を目安としてやっていこうとすれば、長期間かけて作業を進めていくという銀行法全体の改正の中に入れたまま総論的に進められていくのでは、とても委員会で述べ確認し合ったことの趣旨には乗っていただけないという気がするわけです。  だから、これは大蔵省当局としても、制度調査会の中ではいま総論をやっておるけれども、やがて銀行法十八条の改正分野だけ抜き出して、そしてこれを先行させていくという作業をやっていただかないと、いままで審議してきた四月二十三日のあの状態がまたほごになっていく、そういう心配があるのですよ。だから、せっかく労働団体代表まで入って改組された制度調査会なんですから、やはりこの本旨は、別に私が我田引水で申し上げておるのじゃなくて、今日までの委員会経過結論に忠実でありたいという立場から見るならば、これだけ抜き離してひとつ審議を深めていただいて、期待する時期に結論を間違いなく出していただけるように、こういう気持ちを私たちは持っておるのですよ。  そういう作業手順を私は求めておるのだが、きょうここで高橋さんも、そのとおりやろうということは言われないにしても、その方向で努力していただくということはいいんじゃないかと私は思いますが、大体どうなんでしょう。
  12. 高橋英明

    高橋(英)政府委員 金融制度調査会のやり方、進め方というのは、これは会長並びに委員方々の決定されるところが大きいわけです。もちろん、私ども事務局でございますので、緊密な連絡をとりながらやります。もちろん、銀行法全体の見直し、改正といったようなものにつきましては、そう簡単には結論は出ないかと思います。ただそれを、週休二日制の問題に関する限り待っておれぬということもわからないでもないわけでございます。したがいまして、少なくともこういうことは言えると思います。銀行法全体の結論が出るまで週休二日制の問題も結論を出さないというような、そういうかたくなな態度は私どももあるいはまた金融制度調査会自体もとらないと思います。  これから先はやや私見になりますけれども週休二日制の、この十八条の規定というものを直すということは、銀行法立場からいけば、もちろんこれは法律でございますから国会の御審議もありますが、実は簡単なことでございまして、削除するなりあるいは土曜日を加えるというような改正だけ取り出していくということは、これは調査会調査しておる途中においてそれだけ片づけてしまおうじゃないかということになれば、できる話だと思います。もしそういうことをそれだけ取り出してやった後、それじゃ銀行法の全体の改正作業支障を来たすかというと、そういうこともないと思います。  したがいまして、現在言えますことは、銀行法全体の改正案が煮詰まるまでこの休日の問題はたな上げであるということは言わないとは言えると思います。ですから、場合によっては、金融制度調査会の方でもこれだけ急いでやろうじゃないかということになることはあり得ることだと思っております。
  13. 野田毅

    野田(毅)小委員 実は、金融機関週休二日の問題についても賛否両論があるのは事実です。賛成論も強いし、特に労働条件の改善というか、そういう面からの話も非常によく聞いております。しかし同時に、これは笑い話ですけれども、実際問題として中小、特に零細規模人たちにおいては、休んでもらうのはいいけれども、その間金利も休んでくれるんだろうかというようなことを言う。  これは冗談話ですけれども、何を意味するかというと、結局、日本人というのは間際にならなければ、せっぱ詰まらなければ一生懸命にならない。したがって、返済期限が来て本当に走り回るわけです。そのときに、こういう二日制というような問題になると、恐らくいわゆる庶民金融といいますか、高利貸し的なものに依存するものがかなり零細規模の業者においては出てくるんじゃないか、そういう点も見逃してはならない。  そういう点で賛否両論があるものですから、小委員会を設置して進めていく場合に、この小委員会を設置することが何か週休二日制に一歩進んだのだとかいうような方向づけ、先入観を最初から持たないで、そもそもこのこと自体を取り上げるんだ、それには賛否両論をも含めて検討していくんだというような姿勢でひとつやっていっていただければ非常にありがたい。このことは当局のみならず小委員長におかれましても、ひとつ運営方法については十分留意していただきたいということを要望申し上げておきます。
  14. 山下元利

    山下委員長 ただいまの御発言については、小委員長におきましても十分各方面意見を伺いながら進めてまいりたいと思っております。
  15. 山田耻目

    山田(耻)小委員 いまの野田さんのお話、私はわからぬことはないですよ。もちろん、この委員会を進めていくと、賛否両論あるでしょう。しかし、この小委員会発足をしたのは、金融機関週休二日をやるという前提発足しているのですよ。だから、やるやらぬも含めてここで討議しようという意味でできたものではないと私は思うのです。四月二十三日に大平大臣と時期の目安まで定めてあるのですよ、五十一年六月を目安としてやると。  二つ目には、本来この種のものは労使協議で決めていくべきものなので、今日やられておる五百人以上の規模の七七・三%というこの週休二日の動態というのは、みんな労使協議でやられておる実態なんですね。その労使協議を尊重するたてまえをとるならば、いわゆる銀行協会とそこの組合との約束は五十一年六月を目途実施をしたい。それまでなし崩しに今日閉店はしませんけれどもやってきておるのが実態なので、これを受けて大平さんも述べたことなんですよ。  そうして生まれてきたこの小委員会なんですから、気持ちはわかりますけれども野田さんの気持ち委員長はちょっと確認したようなかっこうになっちゃったけれども、それは実施をするという前提発足をしたこの小委員会である、そのためには、どうすれば無理のないような、しかもできるだけ円滑に、しかもコンセンサスを得ながら進めていかれるかということを大事にしてもちろん結構ですし、閣僚懇とか金融制度調査会意向も聞き、あるいはこちらから意見も述べながら全体の作業を円滑に進めたいということなんですから、そのようにひとつ御理解いただきたいと思うのです。  別にあなたに反論したわけじゃないのですが、そういう意味で御理解いただきたいと思います。
  16. 広沢直樹

    広沢委員 先ほどの山田委員質問に関連しているのですけれども、四月二十三日の委員会のとき、私も金融制度調査会にどういう諮問の仕方をしますかということを大蔵大臣にお聞きしましたら、そのことについても一応調査会諮問する前にそれぞれの方々と相談をしてやりたい、やはり諮問するからには当局姿勢というものがはっきりしていなければいけないでしょう、それで週休二日制の十八条の問題については当然切り離して考え、そしてまた切り離して答申を早急にいただくように、こういうことだったのです。  ところが、いまのお答えは大体そうなるだろうというお答えで、調査会任せのようですけれども諮問する側の主体性の上から、そういうふうにしてほしいというお話はしなかったのかどうか。そういうことはあらかじめ事前に協議してから円滑にやりたいという大蔵大臣の答えだったのですよ。その辺はどうなっているのか、ちょっとお答えいただきたいですね。
  17. 高橋英明

    高橋(英)政府委員 諮問する前にいろいろな人と相談して、結局はああいう形の諮問になったわけでございます。もちろん、銀行法等見直すべきところはどこかというような広い諮問になっておりますけれども諮問をしました際、なぜこういう諮問をしたか、あるいはなぜいま銀行法というものが調査会検討されなければならぬようになったかということにつきましては、十八条だけじゃございません、いろいろ説明をるるいたしまして、その中でも週休二日制の問題というようなことがかなり切迫したといいますか、そういうような形で取り上げられておりますということは十分説明して諮問もしましたし、諮問補足説明としてもそういうことはしております。  したがいまして、委員皆さん方あるいは制度調査会会長さんも、銀行法改正というものをこれから審議していくんだが、その中で、よく言われております銀行の公共的使命云々等といったようなもののほか、この十八条の休日の規定というものが大きな要素になっておるんだなということの認識は皆さん持っておられます。
  18. 広沢直樹

    広沢委員 それは認識を持っているでしょう。いま各方面でこれが大きな話題になっておりますし、後からまたいろいろ話題に上ると思いますが、公務員の関係においても一応来年から考えていこうというふうに人事院の方で考えているようですから、それは各方面で話題になっていることは事実ですよ。しかし、この間の委員会では、分離して来年の六月ですかをめどにしてということだし、大蔵大臣も一両年ということははっきりおっしゃっておられたわけですからね。  期間的に見ると、やはりこれは物理的に考えても、分離して答申をもらうようにしなければ、局長は先ほどそうなるだろうとおっしゃっておられたけれども、私もそうせざるを得ないと思うのです。やはりこれは早くそういうことを一つのめどにして答申をもらうというふうなことでなければならぬと思うのですがね。ずるずると仮に来年の上半期まで、こういった問題は非常にむずかしい問題であるということで論議が重ねられていったということになれば、片一方、大蔵大臣委員会でその方向でやりますということをはっきりおっしゃっておられるわけですから、そういう問題と関連してくるわけですよ。だから、諮問の仕方もやはりこれは早急に答申をもらうような要望をつけた諮問をすべきじゃなかったかと思うのですが、その点どうなんですか。
  19. 高橋英明

    高橋(英)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、週休二日制のところだけ先に審議結論が出てくるということについて、現在の諮問がそれの妨げになっておるというような形にはなっておらないわけでございます。  ですから、本当にこれからの審議によってそういうことが、あるいはこの部分だけ早く片づけましょうということになることはあり得るということだけ申し上げられることなんでございまして、諮問の形が、銀行法改正してくださいということを中心にした諮問になっております。これは非常に包括的な諮問でございまして、それは銀行法だけじゃなくて、その周辺の問題もみな徹底的に見直していただこうということからああいう形になっておるわけでございます。この週休二日の問題はその中に入っておりますので、支障はないんじゃないかというふうに私は考えておるわけでございます。
  20. 武藤山治

    武藤(山)小委員 銀行局長、いま広沢委員が言ったことは、これからの事を運ぶ上で非常に重要なんですよ。だから、銀行局長なりあるいはそれを補佐する諸君が本気で国会議論に耳を傾け、総理大臣も私は週休二日制論者であると言い、大平大臣ももう世界の大勢でもあるから日本もここまでいかざるを得ないという情勢を十分認識してくれたわけですね、国会のこの討議の場で。ですから、それを素直に大蔵省側が受ければ、諮問のときに当然銀行法及び銀行法関連法規、そういうもの全般を包括的に同時に検討せいというやり方ばかりでなくて、同時に銀行法十八条の問題は差し迫った国会における論議の問題でありますから、委員各位は十分その辺を勘案してひとつ審議を進めてほしいと、一言そういう主体性ある諮問の仕方を銀行局としてはすべきではないのか、これをいま広沢委員は詰めているわけですね。  どうも銀行局長の先ほどの冒頭の説明を聞いても、そんなに早くこの問題はやれるものじゃねえぞ、産業一般とか中小企業が土曜閉店になったときにはどうなっちゃうか、そういうような先の危惧を、不可能な面を強調するような説明がざあっとあるんだね。たとえば銀行が先にやったのはフランスだけだ、あとは一般企業が先行しているのだというような、よけいなことまで言っている感じなんだね。  銀行局長、ひとつやらせてみよう、労使間の来年六月を目途にやろうじゃないかという気持ちを十分くんで対処してやろう、そういう気持ちが局長にないのじゃないですか。そのためにいま出ている質問の危惧が、これは先に延ばされて銀行法並びに関連法規全体の中へ引っくるめられてしまって先へ追いやられるなという不安がどうも消えないのだな、ぼくらのいま聞いていた範囲では。そこらを、本当なら高橋銀行局長にもう二年ぐらい銀行局長にとどまってもらって、この問題をまず来年六月を目途に片づけ、さらにその後の一年間で銀行法及び関連法規を徹底的に検討する、そういう気持ちでやればもっと変わった諮問の仕方が出たと思うのです。何か銀行局長自身が逃げを打っているような感じで、後のやつにもう任しておれはこの辺で逃げるのだというような印象を受けてならぬのだよ。
  21. 増本一彦

    増本委員 法制度の問題もありますが、もう一つは、現在の実態の中でも、先ほども若干御報告がありましたけれども、何らかの形で土曜休日の交代制をやっている、もう少しここのところを細かくおわかりになっていればひとつ教えていただきたいのです。  たとえば、今度は従業員規模別に見て金融機関の交代制勤務がどういう状態になっているのか、あるいは都銀、地銀、相銀とか、そういう各金融機関の業態別に見てはどういう状態なのか。それから土曜日の交代で休んでいるという実態ですね、月に一日余分に休んでいるのがどのくらいで、隔週がどのくらいとか、あるいはまるまる土曜日はみんな何らかの形で交代で休んでいるというような状態がどのくらい普及しているとか、そこらのところはどういう実態になっているのですか。
  22. 高橋英明

    高橋(英)政府委員 ただいまお手元にお配りしました交代休暇制実施状況というので、いま先生の御質問のはほぼおわかりいただけるのじゃないかと思います。都銀の場合は月二回というので十三行全部やっておりますし、地銀は月二回は二行で、月一回というのは五十五行ということで、規模別にと申しますと、都銀、地銀というのはわりあいに大きい方でございますから、この表でごらんいただけますように、規模の大きいところほど交代制が普及しているということは言えると思います。一番右の方に信金というのがございますが、これはまだなしというのが百四十もあるということでございますから、規模の小さいところほど普及率は悪いということは言えると思います。
  23. 増本一彦

    増本委員 こういう実態に対して、では銀行局は、この週休二日制の問題については、これはいろいろな環境や条件がありますけれども、そういうものを整備してさらに促進をしていく、そういう方向でいろいろ指導をされているのかどうか。また、今後そういうことで一方では実態を詰めて、これも週休二日制に向かっての準備作業ですから、そういうことをおやりになるお考えはあるのかどうか。その点はどうでしょうか。
  24. 高橋英明

    高橋(英)政府委員 店を閉めるということを除きまして、それ以外のことでは、むしろ私どもの方は、たとえば土曜日の仕事は減らすように考えろというようなことは、経営者にはよく言っているわけでございます。たとえば土曜日の集金なんというものは一切やめろというようなことを言ってみたり、あるいは手形貸し付けなどをやる場合、期日が土曜日にならないように配慮してこれからやれというようなこととか、それから一方では例のキャッシュディスペンサーとかナイトデポジットとか、そういったようなものをなるべくつけなさいということで、現在私どもは土曜日の業務量を無理なく減らすというようなことについては真剣に考えなさいということで指導はしておるところでございます。
  25. 増本一彦

    増本委員 その関係で要員をもっとふやせ、たとえばさっきもちょっとお話がありましたけれども、都市部あるいは団地なんかの支店では土曜日の午前中のお客さんというのは物すごくふえているわけですね。ところが依然として人数がふえない、きりきり舞いをしているというような実態が各所にあるわけですよ。こういうような点について、やはり要員を確保していかなければ交代制なんて言ったってなかなかうまくいかないという点もあるわけですね。その辺についてはどうなんですか。
  26. 高橋英明

    高橋(英)政府委員 各店にどれだけの人間を配置するかというようなところまでの指導は実はやっておりませんので、その辺は経営者の判断というものもございましょうし、あるいは労使間で協議なさって、本当にオーバーワークになるというようなことのないような人員配置をするのは当然銀行の経営者の責任であろうかと思います。  私の方で各個別の店の実態調査してそこに人が足らぬじゃないかというようなことは、行政の上では実はやっておらないわけでございます。検査に行きましたときにそういうのでひどい例があったりすれば、検査のときに指摘するということはあろうかと思います。
  27. 増本一彦

    増本委員 週休二日制を法制化して、そして労働者の労働条件をより一歩前進させよう、改善しよう、こういうところから運動が起きているわけでしょう。労働団体の方の運動はそうですね。  その一つの大きな原因として、もう現在の通常業務の中でも要員確保の問題とかあるいは交代制勤務を提起しても、経営者のディフェンスがなかなかかたい、抜けないというような問題はたくさんあるわけですよ。だからこれは法制化して、もともと労働者の基本的な要求として週四十時間労働制、週休二日というような要求もありますし、そういうものとの絡みで出てきている問題でもありますから、やはり要員をきちっと確保して、基本的には銀行法十八条を改正して手だてをとるということが抜本的な解決になるのだけれども、そこに至るまでの間でもその方向に積極的に近づけていくというこの面での指導を、これは金融制度調査会の答申を待たずに、毎日の指導の中で十分できることだと思いますので、その方向でひとつやっていただきたい。そういう方向でおやりになるお心持ちがあるのかどうか、その辺だけひとつお伺いしておきたい。
  28. 高橋英明

    高橋(英)政府委員 非常にむずかしい問題だと思います。と申しますのは、ちょっとうかつにやりますと労使問題に介入するような形になりますので、私どもの方でも節度は非常に必要だと思いますけれども金融機関に働く職員の方々労働条件がよくなるというようなことについては、むしろそうあってほしいと私も思っております。したがって、そういう労働条件の見地からいろいろ労使間で交渉なさるということ、これも当然のことであろうと思いますし、その辺は経営者の方も時代の動きといったようなものを考えながら対処されていくようにという抽象的なことしか言えませんが、私は別段それに反対するような指導をするつもりもございませんし、結構なことだ、要員を確保し、つまらない仕事を減らしていくということは当然のことではないかと思うわけでございます。  もちろん、勤労者全体の意欲とか意思というものは目ざめてまいりまして、最近銀行でもなかなか人が採れなくなってきているというのは、一見楽に見えますけれども非常に集中的に重労働をするようなことがあるというようなことで敬遠されておるというようなことも聞いておりますので、その辺は人員を確保するというような意味からも、経営者の方もなるべく労働条件をよくしようという意欲に燃えているのではないかと私は了解しているわけでございます。
  29. 武藤山治

    武藤(山)小委員 安井さん、一つ聞きたいのは、IMF加盟国で金融機関週休二日制をやっていない国はどこか。IMF加盟先進国家は全部週休二日制じゃないですか。国際的に見て、やってない国はどことどこですか。
  30. 高橋英明

    高橋(英)政府委員 IMF加盟国というのであれしませんが、ともかく金融機関週休二日制を採用しておりますのは五十九カ国ですか、約六十カ国あるわけですから、よく言われますように先進国の中では日本だけということですし、それからパーキャピタ千ドル以上の国では日本とクウェートだけ、こういう調査はございます。
  31. 武藤山治

    武藤(山)小委員 だから、この週休二日制問題というのは単に労使間の、労働者側だけの立場の要望から生まれてきている論議でない、そういう認識を一つ持ってもらいたいと思うのですよ。私は総理大臣とやったときも、世界各国の状況というものを先に発言して、だから日本も当然もう先進国の仲間入りをしているのだから、国際的なそういう動向に一致するような体制をとるべきだと言ったわけですよ。そういう点をひとつしっかり、単なる労働組合のエゴだとか労働組合の要望だとかそういうことではないのだということだけは、大蔵省もきちっと認識してもらいたいと私は思うのです。  それからもう一つ、これは局長にお尋ねしたいのですが、一般企業支障が起こる、特に中小企業に大変な支障が起こるということが一番難点なような言い方なんですね。ところが、諸外国ではすでに五十九カ国も週休二日制をやっていて支障がない。そういう慣行がだあっとそれらの国ではでき上がったのですね。だから日本だって、一たび踏ん切ればそういう心配というものは解消すると私は思うのですよ。  だから局長の、中小企業が大変だ大変だという先走った心配というものは一体解消し切れないものなのか、金融機関が土曜閉店した場合に本当にそれに対応し得ないというネックは何なのか、そこらをもうちょっと分析して、なるほど局長の言うのは無理ないな、こう思わせるような何か積極的な説明をひとつやってみてくれませんか。私はやってしまえばできると思うのですよ。
  32. 高橋英明

    高橋(英)政府委員 ちょっとお断わりいたしますが、銀行局長としての答弁というのはちょっと申し上げにくいのですけれども、私は個人的には本当に週休二日になった方がいいと思っておる人間でございます。ただ、なぜ日本の場合に問題があるのかということになりますと、諸外国の場合は金融機関に限らず一般的に八百屋さんから何からみんな休むという風習が前からありまして、そういったものは金曜日に用意して、土曜、日曜は休むのだということがかなり普及しておったと思うのです。したがって、銀行が休んでも、ああそういうものかということになったのだと思いますけれども、遺憾ながら現在の日本というのは、土曜日は当然ですが、日曜だって店を開いておるというようなことが多いわけですね。そういうときに、銀行だけ土曜、日曜と休んで二日間金融取引がなくなるということが、許されると言うとおかしいですが、いいのでしょうかねというようなためらいがあるわけです。  特に、これから先は少しよけいなことかもしれませんが、何となく銀行というのは好不況にかかわらずうんともうけていやがってとか、いろいろ歩積み両建てをやってとか、さんざん怒られているときに、真っ先に土曜、日曜と休んでしまったというようなことで、なお輪をかけて怒られやせぬかなといった心配も私にはあるわけでございます。だから、コンセンサスが得られるかどうかというようなことで抽象的なことを銀行の人も言っておりますし、われわれも時に言ったりするのですが、銀行が率先して休んでもいいですよというコンセンサスはあるいは日本においては得られないかもしれない、むしろ休んでも仕方がないかというところくらいまでのコンセンサスしか期待できないのではないかなということを考えておりますものですから、何となく私も歯切れの悪いことを申し上げておるということなんでございます。
  33. 野田毅

    野田(毅)小委員 先ほど来の話でかなり方向づけをなさろうということは結構だと思うのですが、私も個人的に特に労働条件の問題やいろいろ考えた場合には、その方がベターであるかもしれない。しかし、労働条件とかそういう面からの週休二日制という問題と、それから銀行が営業を二日間休むということとは必ずしも一致はしていない、切り離してやろうと思えばできないこともない。だから、国会の論議の中でそういう前向きのことが非常に強くなった、あるいは大臣の答弁の中でもそういう前向きの姿勢が非常に強くなった、だからこの小委員会が設けられたということでは必ずしもない。この問題を避けて通れなくなっているということは事実だと思う。  だからここで、仮にこれを一生懸命推進しようという場合に、具体的にどういうようなデメリットが出てくるのかということ、こういう事柄もやはり率直に真剣に論議をしていかなければならない。そういう検討の過程において、余りにもそういう中小企業等に対する影響が大き過ぎるというようなことが出てくるならば、これは時期尚早というような雰囲気の中であえて押し切ってやるべきじゃないじゃないかという結論になるかもしれない。しかし検討の結果、先ほどの銀行局長のいろいろな御懸念、それはそこまで懸念するには及ばないじゃないかというような結論になれば、あるいはこれがもっと早目に実施ということになるかもしれない。  そういうようなことで、余り最初から方向づけをしないで、まあフランクにその辺の問題点を静かに、余り熱しないで検討を続けていくというようなことでこの委員会ができたんじゃないかというふうに私は認識をしておるのです。国会の論戦の中でも、必ずしもやれという言葉だけではないというふうに考えております。
  34. 森美秀

    ○森(美)政府委員 懇談会風な運営だというので、あえて一言しゃべらせていただきます。  結論から申しますと、先ほど局長が言いましたように、銀行法改正とこの週休二日制というのは別個に考える認識の上に立ってもいいのじゃないかという発言もあったと思いますが、私は、それでもって私ども政府側の熱意も十分に皆様方は感じ取っておられるという認識に立っておるわけでございます。  率直に申しまして、先ほどの野田委員お話もございましたが、私は五十五年間企業の中に生きて、おやじのやり方あるいはみんなのやり方を見ながら来ておりますと、大正の末期から戦争の中ごろぐらいまでというものは、工場というものは休むものじゃなくて、一月に一日くらい休むという程度のことであったと思います。これは中小商工業者の小僧さんたちもそうだったと思います。しかし、それがだんだんと休日が相当ふえていきながら、もう二十一世紀というものを間近に控えて、われわれは生きていくためには、また文化をある程度受けていくためには、週に二日ぐらいの休みがあることが大きな川の流れだと考えておる者の一人でございます。  そういう中にあって、しからば銀行週休二日制を、いま皆様方のおっしゃるように率先してとることが、つまり法を改正してまでやることがいいかどうかというのは、これはやはり考えてみる余地もあるかと思います。しかし、根本的なものは大きな川の流れだという認識には立っておりますし、先ほど局長が言いましたように、銀行法と切り離してもいいという認識は、私は皆さん方が本年、政府と話し合った大きな収穫であると考えておりますが、いかがなものかという感じでございます。
  35. 広沢直樹

    広沢委員 これも前回の大蔵委員会のときに、大蔵大臣はこの問題について山田委員質問に対して、これは座して得られるものではない、政府も民間もそれだけに努力しなければいけない、こういう非常に前向きなお話を答弁なさっていらっしゃるのです。  そこで、いま局長が懸念された何項目かの中に、社会コンセンサスというようなことがありましたね。これは確かに慣習上から考えても、影響力から考えても重大な問題だと思うのです。それは急激に百八十度。はっと変えようと思えば、いろいろ大変なことが起こってくるんじゃないかと思う。しかし、それでは社会コンセンサスはどうして得られるのかと言えば、世論調査か何かするのかということになると、そんな大がかりなことではないわけですね。そうすると、いま労使間でお互いに話し合って、閉店はしていないけれども実際上週休二日制をほとんど実施してきている。公務員も来年からそれを考えていこうという前向きな姿勢に変わってきておるというようなことですね。ですから、そういうような実態面に従事している者の努力によって、それからの影響というものからコンセンサスは生まれてくるものだと思うのですよ。議論しておったらコンセンサスなんてなかなか出てこないと思う。  そこで具体的には、先ほど具体論の話がありましたけれども、土曜日は一カ月四回あるわけですね。第一週、第二、第三、第四、これは先ほど局長のお話の中にも、いまの銀行金融機関の実務上、土曜日に集中してきてうんとふえている週もあるのだということがありましたが、その点はどうなっておるのか。  それから、慣習上から言うと摩擦もあるかもしれません。ですから諸外国においても、短期間でありますけれども、一応段階的に行ってそういう摩擦を避けていこうという手段をとられたところもあるのですね。ですから、そういう実態面をちょっと教えていただきたいと思うのです。  新聞報道によりますと、銀行もできるだけ土曜日はそういうような方向で努力していこうというふうにもうすでに努力なさっているようですし、局長の先ほどのお話の中にもそういうようなことがありましたから、そうなると、比較的仕事の集中しない土曜日からでも具体的に進めていけるような体制に持っていけるんじゃないかと思いますね。ですから、完全実施するまでには、それはやり方ですから、これはどうするということはいまここで結論は出ませんけれども一つの進め方としては、諸外国に例があるように段階的な進め方もあるわけですから、そういう土曜日の実態はどんなふうになっているのでしょうか。それはおわかりにならなければ、後からまた調べて資料で出していただいても結構です。
  36. 高橋英明

    高橋(英)政府委員 全体の銀行についての調査はございません。それから第一土曜、第二土曜というようなことでの調査はないのですが、私の方で、ある銀行につきまして四十七年三月の土曜日、それからことしの三月の土曜日につきまして来客数を調べてみた一例がございます。  これによりますと、たとえば都心にある取引者が大企業だけであるというのは、四十七年三月は八百八十六人だったわけですが、五十年三月には七百七十五人ということで、つまり率にしますと八七%に落ちておるわけでございます。  それがたとえば住宅地にある店舗は、これでまいりますと、これは二つほど店を調べてみたんですが、七百四十九人、これが千百七十人になっております。それから九百七人、これが千三百七十九人、これは率にしまして一五六%、一五二%というようなことで、来客数は五割ふえておるわけでございます。  それから大都市周辺店舗というので二つほど調べてみましたが、これが千百八人が千二百七十一人、これは一一五%、七百三十八人が千九十三人で一四八%というようになっております。  それからターミナル店舗になりますと、これは二つ調べてみましたが、九百十九人が七百二十二人というので七九%に落ち、もう一つの方は千四百十人と千四百十四人でほぼ一〇〇%。  こういうような動きになっておりまして、先ほど冒頭に申し上げましたように、都心あるいは企業中心の店は八割ぐらいまで下がっておるけれども、個人といったようなものを相手にしているところでは四割から五割お客がふえておる、こういう資料はございます。
  37. 広沢直樹

    広沢委員 そこで、確かにそれはいろいろな周囲の状況によって利用度というのは変化があると思いますね。あると思いますけれども、いまのは三月という土曜日の利用度の集計でございましょう。ですから、いま言いましたように、もう少し実態を知る上においては、一週から四週までありますから、それは銀行間の業務の持っていき方によっても顧客の動きというものは変わってくると思うのです。そういうようなところから、銀行方面では努力をしているようなんですけれども、こういう問題が特に強く言われ出してから銀行がどういう考え方で進めようとしているのか、それによってその各週の動きはどうなったのか、こういったこともやはり実施をしていく上においては調査をしておく必要があるのではないかと思います。ですから、それはでき次第ひとつまた資料としてお出しいただきたい、こう思うのです。
  38. 高橋英明

    高橋(英)政府委員 そういう実態調査するにやぶさかではございません。  ただ、念のために申し上げますけれども、たとえば第三土曜日がほとんどお客がないじゃないかというような結果が出ましたとしましても、第三土曜日を閉めるというのには法的な手当てが要るわけでありまして、完全に閉めるということはいまの段階ではできないということが一つ。  それからもう一つ金融機関の場合の土曜日といいますか、週休二日をやりましょう、こういう場合、法律で現在休日はこれだけですよ、こう言われておって、今度は仮に土曜日も休日に入るというような法律になったとしますと、金融機関普及率は一挙に一〇〇%になるわけですね。つまり、ほかの企業と違いまして、休んでいる企業もあるけれども休まない企業もありますよというわけにはいかない。したがって、現在の週休二日制の普及率が、金融機関全体ということになりますと、保険会社などもありますから〇・何%というようなことがいま出ておりますけれども、これが法律を直しますと途端に一〇〇%になる。つまり、ほかの企業は四割だ、五割だ、六割だと徐々に広がっていっておるのに、金融機関だけはばっと一〇〇%になりますという実態もあるということを御了解いただきたいと思うのでございます。
  39. 広沢直樹

    広沢委員 それは当然法は直さなければなりません。それは当然の話です。ですから、そういうふうにして実施しようということでこういう具体的な検討をしようということなんですから、そういう過程においてこういう実態というものは、実施の仕方においては段階的なやり方もあるし、あるいはコンセンサスを得られれば一遍にぱっとできる完全実施の場合もあるわけです。  これは先ほど御報告いただいた中にも、四週全部交代制にしても実施しているというところは非常に少ない。やはり隔週だとか一カ月に二回とか、これが一番多いようですね。ですから、実施に当たっては少し段階を設けているところもあるわけですから、そういう意味からも実態を知りたいわけですよ。よろしくお願いします。
  40. 高橋英明

    高橋(英)政府委員 実態調査いたします。  それから、土曜日だけ休んでいるんじゃなく、土曜日と平日というような休暇をとらせておるわけです。これは先ほど申し上げましたように、土曜日がかえって忙しいということにもなるものですから、むしろ平日に休んでもらった方がいいということで、職員の労働条件といった意味からは、皆さん土曜日に交代休暇をとりなさいということを初めはやったのですけれども、かえって土曜日に休まれると残った人がたまらぬ、平日の方がいいということで、平日と土曜日とコンビネートして交代休暇をとっているというのが現在の状態でございます。
  41. 武藤山治

    武藤(山)小委員 この委員会はこういう会議を何回も続けて、コンセンサスをできるだけ広く得られるようなそういう会の持ち方を今後していくべきじゃないかという感じを強く持っているのです。ひとつ次回に各金融機関の責任者、それからやがては中小企業代表する日本商工会議所会頭にも来てもらって、いろいろそういう関係コンセンサスを得るための方法を、委員長並びに理事諸公とよく協議の上、ぜひそういう機会をより多くつくってもらいたい。余り性急に結論をばちっと出せということもなかなか至難でしょうから、そういう機会をなるべく早い機会に詰めて数回持っていただきたい。ひとつそういう提言をしておきたいと思います。
  42. 山下元利

    山下委員長 ただいまの御発言につきましては、各位と御相談の上、小委員長においてしかるべく取り計らいます。
  43. 山田耻目

    山田(耻)小委員 いま武藤さんが言いましたように、私たち金融制度調査会動向を非常に重視しておりますので、金融制度調査会長にも出ていただいて、少し制度調査会動向などについても意見を聞きたいと思いますから、いまの金融各界代表に商工会議所会頭、それに制度調査会長を加えていただいて、コンセンサスを深めていきたいと思います。  大体約束の時間が来ましたが、若干私、銀行局長に注文があるのです。七月十五日に開かれます制度調査会の方に、銀行法改正総論的におやりになっていたのでは時間的に一応の目安として定めた五十一年六月というものが何となく宙に浮いてしまって、話の段階がなかなか進まない、こういうことになったのでは本意でございませんので、この小委員会意向大蔵委員会委員会意向を受けておりますが、分離をしていただいて十八条関係だけ、週休二日制だけの問題をどうかひとつ先行審議をしていただきたいという意向を、どうせ議事録をお読みになると思いますが、委員会意向としてお伝えをいただきたいと思います。  それから、ちょっと私気になるのですが、野田さんはしきりに性格論をおやりになっておりますけれども、これはもちろん慎重にということは私も同感です。慎重にコンセンサスを得ながらやりたい、こういう気持ちは変わりございませんが、この小委員会自身は週休二日制を実施するという前提目安として定めて、時期までほぼ定めて発足したのがこの小委員会である、これは前提ははっきりしていて、土俵もそう設定をされているわけです。  いま内閣審議室は四部会、国家公務員と地方公務員、公企体、教育公務員、それに一般と四部会に分かれておりますから、総体的にはいま進んでおるのです。進んでおる中のこれは一部門なんで、特に日本経済動向等を片側でしっかり考慮しながら、コンセンサスを得つつ実施をしたいという金融機関週休二日なんです。そういう面から見ましても後退を許されるというものでもないのですから、そこらあたりは、私は別に声を大きくして言おうとは思いませんけれども、この小委員会の性格はそういうものである。その点ひとつ金融制度調査会もお含みの上配慮願いたい。どういう小委員会をおつくりになるかということには私たちは別に注文はつけませんけれどもそこらあたり十分御配慮いただいて措置願いたいという気持ちです。きょうはそれ以上のことを申し上げる気もございませんが、そういうことを十分配慮していただいてこれからの審議に当たっていただきたいという気持ちです。  それから、制度調査会動向については、次の委員会ではまた御報告いただけるものと思いますから、それはそれでひとつお願いいたします。
  44. 佐藤観樹

    佐藤(観)小委員 最後に一言。いままでのことは別にいいのですが、少しつけ加えて、われわれ委員側も考えなければいかぬことは、金融機関関係ですから銀行法なんですが、それに関連して、高橋局長からもお話があったようにたとえば手形法、これはうちの委員会ではないわけですね。それから小切手法、民法、商法、これは法務委員会あるいは法務省の関係国税通則法はうちの方の専門ですけれども、あと地方税法、民事訴訟法、ここまで直していかないと金融機関週休二日制を実現することができない。  そうなってくると、これはかなり幅広いし、しかも尾っぽが頭を振り回すタイプの法改正になっていくわけなんで、委員長等においても、あるいは政府側も、その辺のコンセンサスを得ていかないといかぬし、皆さんが先ほどから盛んに御心配なさるように、スムーズに事を進めるためには、その辺と絶えず意思疎通をしていかなければいけないと思います。これはわれわれの方にも責任があるわけですけれども、その辺も配慮していただきたいということだけつけ加えさしていただきたいと思います。
  45. 高橋英明

    高橋(英)政府委員 いまの佐藤委員の御注文でございますけれども、私ども銀行法の休日の問題が起きましたときに、いまお挙げになりましたような法律とも関係するのではないかということで、事務的には法務省あるいは税といったようなものとは十分に連絡しながらやってきております。したがって、実態的に二日制の問題というものが日程に上ってくれば、そのときに初めて向こうが聞かされたというようなことにはなっていない、こういうふうになっておりますよということは、十分連絡しながら現在までやってきております。
  46. 山田耻目

    山田(耻)小委員 たびたび申しわけありません。これは安井さんでも局長でも結構ですが、例の十八条に絡みのないもので保険関係、生命保険と損保の関係ですが、銀行法改正ができないまでは生保、損保の週休二日については若干セーブされた、労使間協議においてセーブをなさったという話が私の方に来ておるわけです。  しかし、これは銀行法関係ないのですから、ひとつ週休二日を促進させてあげる意味から労使間協議にゆだねる。もちろんお客さん、顧客の方に対しては、自分の会社のデメリットにならないような配慮は十分なされて労使間協議は進むわけですから、別に大蔵省の行政指導とかかわりなく労使間協議にゆだねてやってほしい。これは別に金融制度調査会の御相談事項ではない事項だと思いますので、御返事がいただけるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  47. 高橋英明

    高橋(英)政府委員 保険会社の場合にははっきりした休日の規定などがございませんので、労使間でお決めになって実行されて差し支えない問題でございます。  いままで銀行などが休日の規定があって動けないから、同じ金融機関である保険会社も遠慮したらどうかというような行政指導をしたのかどうかということをちょっと尋ねてみましたら、そういうことはしておらぬ、こういうことは言っております。これは保険会社に限らず、証券会社もそうなんですね。しかしながら、証券会社の場合は顧客業務がありますからなかなかむずかしい。  保険会社の場合には、顧客業務の少ない業種と顧客業務のある業種がございます。損保の方は、どちらかと言えば顧客業務が多いのでございますか、そこで顧客業務がある方は多少ためらいがちである。そこは経営者の方に、やはり率先踏み切りますというのにためらいがあるようでございます。これは真実のようでございます。したがって、生命保険会社でございますが、生命保険会社の中には完全週休二日をもうすでにやっておるところもあるわけでございます。  そういうわけで、私の方が行政指導で一律にとめておりますということだけはございません。また今後、私もとめる気はございません。
  48. 山下元利

    山下委員長 本日は、これにて散会いたします。     午後零時六分散会