○原説明員 ただいま公社で行っております海外産地におきます技術指導を具体的にどういうようなかっこうで行っているかという御
質問でございますが、公社が対象としております地域はインドネシア、インド、ブラジル、韓国の四カ国でございます。
このうち国別に申し上げてまいりますと、インドネシアには二つのプロジェクトを持っております。
一つは南スマトラのランポンという地域でございますが、これは本邦の
企業でございます三井物産が
昭和四十四年ごろからインドネシアのコスゴローという協同組合と提携をいたしまして合弁会社をつくっております。この会社は当初はトウモロコシの栽培をやっていたわけでございますが、トウモロコシ栽培のローテーションとの関係で葉
たばこもやってみたい、技術指導してほしいと公社に
要請がございましたので、公社といたしましてもこれを受けまして、
昭和四十八年から現地に二人の職員を派遣いたしまして、主にこの地区におきましてはバーレ一種の栽培の
調査試験を行っております。現在まだ試験面積は一ヘクタール程度の大変小規模な土地でございます。
インドネシアのもう
一つの拠点は、中東部ジャワにソロというところがございます。この地域はインドネシアにおきます従来からの黄色種葉
たばこの中心産地でございます。ここに本邦
企業でございます三菱商事がインドネシアの国営農業
企業でございますPNP-19という
企業と提携をいたしまして、葉
たばこの黄色生産のための
調査試験を
実施してまいりました。公社は
昭和四十八年から若干の黄色種の葉
たばこを試験購買してまいったわけでございますが、購買に際しまして初めてのことなので職員を派遣して調理指導をさせました。その結果が非常によろしゅうございましたので、現地
企業の
要請がございまして、継続的に二人の職員を派遣いたしまして指導をやらせております。ここはさようなことでございまして、いままでに試験面積は三ヘクタール程度の小さな地域でございますが、試験購買としましては百トンないし三百トンぐらいの葉
たばこを購買しております。
それからインドでございますが、インドは従来、東部にございますグンツール地方というところが葉
たばこの生産の中心地でございました。ただ、この地方はどちらかと申しますと最近は綿花の栽培の方が採算性が高いということで綿作へシフトする傾向がございまして、将来性が必ずしも期待できないということで、インド中央
政府及び州
政府が西部にございます前のマイソール地方、現在はカルナタカ地方と名前を変えておりますが、ここに産地を開発しようという意図を持ちまして、公社も技術的な指導に参加しないかという呼びかけがございました。公社といたしましては、まず職員を駐在させましていろいろと
検討いたしました結果、最も中立的な
企業でございますナショナルタバコカンパニー、NTC社というのが一番中立的であるということでNTC社の
要請を入れまして、現在耕作の技術指導中でございまして、これも試験面積は一・五ヘクタール程度でございます。試験的に購買いたしました数量は四十九年度で十七トン程度でございます。
次に、ブラジルでございますが、ブラジルに二つの拠点がございます。これは公社が
昭和四十六年から七年にかけまして現地の
調査をいたしましたときに、二つの現地
企業から提携の申し込みがございました。
一つはサンパウロ州、パラナ州でハッカの
企業をやっております本邦系の
企業でございますが、プラスメントール社という
企業でございます。これがハッカの跡地を利用するということで葉
たばこの栽培に手をつけてみたいと、こういうことから
日本専売公社に協力の
要請がございました。
昭和四十八年からこの地域には四名の職員を派遣いたしまして指導に当たっております。
なお、申しおくれましたが、それぞれ先ほど何名派遣と申しましたのは現地の奥地への職員の派遣でございまして、私
どもはインドネシアにはジャカルタの事務所を持ちまして三名の職員を送っております。また、インドはバンコクの事務所の出発ということでございますので、特別の事務所を持っておりません。
それからブラジルでございますが、これはブラジルの事務所には二名の職員を派遣しております。このほかに、ただいま申し上げましたサンパウロ州、パラナ州には四名の技術員を派遣しているということでございます。またブラジルのこのもう少し南部にサンタカタリナ州というのがございますが、ここにはエクスカ社という中堅のバーレーのサプライヤーがございまして、これに対しまして二名の職員を派遣して技術指導を行っております。
このほかに韓国でございますが、これは
昭和四十七年から技術交流を行いまして、展示圃と申します模範農場をソウルの近くにございます礼山地域を中心といたしまして十一ヘクタールぐらい置きまして、現地の農民を指導しております。このほかに韓国は
日本に職員を送って研修をさせる、あるいは韓国と葉
たばこの種子を交換して比較し合うというようなことを一般的な技術交流として
実施しております。
覚書の内容は、どういう覚書をやっているかということでございますか。(横路
委員「それをちょっと答えてください」と呼ぶ)
簡単に申し上げます。
これらの
三つの現地の私
企業と組んでおります場合には、ごく簡単なメモ程度の交換をしております。その内容は、基本的に申しますと、公社が技術員を派遣して現地の指導を行うこと、これが第一点でございます。第二点は、ただ現地の受け入れ側としては公社の職員が安んじて仕事ができるように、その安全保障について全力を尽くすということが第二点でございます。第三点は、先ほど申しましたようにまだ数量は大変わずかなのでございますが、将来相当量の生産ができました場合には公社に対してこれらの産品を優先的に提供するという、この三点が骨子でございます。
このほかブラジルにおきましては、ブラジルの州
政府が、州
政府の開発のために大変興味を持ちまして、自分もこれらの
協定の円滑な
実施に協力をしたいということで、これもごく簡単な友好的な覚書でございますが、公社に対して協力をしようという覚書をもらっております。
韓国につきましては、内容が少し先ほど申しました点で細かい点の
協定を結んでおります。
以上でございます。