○磯辺
政府委員 田中角榮氏並びにその関連法人の課税の再
調査といいますか見直しの問題につきましては、ただいま概要を
大臣の方から御
答弁いたしたところでございますが、補足して御説明させていただきます。
なお、その説明に当たりまして、去る当
委員会におきまして、衆議院の
大蔵委員会でまずそのことを報告していないのははなはだ遺憾であるというふうな御
指摘を受けましたことにつきまして、心からおわびを申し上げさせていただきたいと思います。
田中角榮氏並びにその親族及び関連企業として言われております数社の課税関係の見直しにつきましては、ただいま
大蔵大臣から申し上げましたとおり、現在まだ
調査は続行中であります。まだ最終的な結末は見ておりませんけれ
ども、私
どもといたしましては、遅くとも三月中を目途といたしましてこの
調査を完了し、所要の課税上の措置をとる必要があれば、それに基づいて適正な措置をとってまいりたい、かように
考えております。
まず、中身といたしまして申し上げますと、
調査の現況は、東京国税局、関東信越国税局、両局の直税部、
調査部が中心となってこれを担当しておりまして、これが両局両部にまたがることでございますから、国税庁の方におきまして総括的な指揮並びに総合調整というものを担当しております。従事員はいままでのところ一日平均約二十人というのを投入しておりますけれ
ども、最近におきましては、だんだんとその従事員というものを縮小しております。
調査に際しましては、もちろん関係者の出頭を求めて事情聴取を行う、あるいは帳簿書類を提出させてそれを念査する、それからまた、必要に応じて現場の確認
調査を行う、そういったことは一般の事業所あるいは個人に対する
調査と同じでありますけれ
ども、われわれとしてはそれ以上に綿密な態度をもってこの
調査に従事しておるということを申し上げてもいいかと思います。
調査の対象といたしましては、まず個人関係といたしまして、田中角榮氏ほか当
委員会並びに衆参両院の各
委員会等でいろいろと取り上げられました
方々、それからさらに、新聞、雑誌等でいろいろと問題とされております
方々についての
所得税あるいは贈与税等についての見直し
調査であります。
また、関係の法人といたしましては、新聞紙上等でいわゆる田中ファミリーという
言葉が使われておりますが、この田中ファミリーという
言葉はきわめて概念がむずかしいわけでありますけれ
ども、通常の常識に従いまして、私
どもは、新星企業、室町産業、パール産業あるいは東京ニューハウス、そういった会社を中心といたしまして、それと特に取引上あるいは資金上密接な関係があると思われる会社十数社につきまして、法人税の見直し
調査並びに個人との関連、それについての
調査をいたしております。
調査の対象期間といたしましては、これは原則として五年前までさかのぼって
調査をいたしておりますが、必要に応じまして、その五年前の期首を固める
意味におきまして、さらにさかのぼって
調査をするという
ケースもございます。
調査の重点項目といたしましては、個人につきましては、これはいままでいろいろと問題点として御
指摘を受けておりますことについて綿密な
調査をいたしております。二、三例を申し上げますと、競馬の競走馬に係る収入金の課税問題、あるいは関連会社から受けた各種の利益の問題、それから有価証券の配当あるいは払い込み、そういった種々の資金的な動き、それから資産の動き、そういったものについての
調査、それからいわゆる
政治関係資金と言われておるものにつきましては、その
政治関係資金関係、そういったものを
調査いたしておるわけでございます。それからなお、
所得の区分あるいは
所得の計算あるいは税額控除の適否、そういったことにつきましても、当然これは申告書の審査を通じまして私
どもは念査いたしております。
それから、関係法人等につきましては、これも土地建物といった不動産の取得価格あるいは譲渡価格、そういったものの適否、それからたび重なる増資につきましてのその払い込み資金の出所、それから関係企業間相互のいろいろな財産の出入り、そういったものに対する
調査、それからさらに特定の役員もしくは株主等に対しまして特別な利益の供与はないかどうか、そういったことについても
調査をいたしておるわけでございます。
現在までのところ、一口に申しまして、特に大きな税金上の問題というものは発見されておりませんけれ
ども、やはりこれだけの綿密な、大がかりな
調査をいたしますと、どうしてもそこには税務当局と納税者との間の解釈上の相違に基づく誤謬であるとか、あるいは申告書の調理誤謬であるとか、あるいは解釈上の違い、計算の間違い、そういったものは発見されております。
私
どもといたしましては、こういった問題をただいま詰めておるところでありまして、最初に申し上げましたように、三月中をめどといたしまして、この問題を適正に処理して、税務上の適正な措置をとりたい、かように
考えております。