○島田参考人 御質問のポイントにお答えをしているかどうかわかりませんが、実はこれは全体の問題でございますけれ
ども、
日本というのは、
先ほども申し上げましたようにアラビア
石油を除きますというと、単独で国際
石油開発に挑戦をするような会社がなかったわけでございます。したがいまして、公団がみずからそちらの事業をやるわけではございませんし、特に
最初は民間がこのリスクに挑戦するというムードに乗りまして、意欲に乗っかって公団がこれに援助をするということになったわけでございます。そこで、実はできる会社というのは、残念ながら
石油の
開発に経験のあった人でない人たち、あるいは株主も同様でございまして、そういう人たちがなかなか金を出さないのを、民間で是非動員をしてくださいと、まあ率直に言えば国の金をなるべく少なくするつもりでお願いした、それで民間から公団は非常に消極的だと言われた時代があるわけでございますが、そういうことでできてまいりましたから、いま
石油の
開発をしております会社というのは、私から言いますれば、
開発企業の
実態から見たらほど遠いということは率直に申し上げざるを得ない。これは
日本の歴史が誤っておった。ところが、外国の企業というのは数十年でございますから、メジャー等には
技術陣が二千人から三千人おる。
日本は恐らく全体で
技術陣が数百名でしょう。数百名ですけれ
ども、その人たちは要するに
技術は持っております、秋田、新潟、山形等で掘りましたから。ところが、
日本のような温暖なところでない海外の現場に行きまして、灼熱のところ、原始林の中でやるということになりますと、まず言葉の
関係があるわけです。そういう点から言いますと、海外活動のできる
技術屋さんというのが非常に少ない。その上に、公団の対象企業でもラウンドで申しますともう四十近くになっていると思いますが、そういうところに
技術陣がばらまかれてしまった。そういうことになりますと、なかなか
技術力の結集というのができませんし、いま
田中参考人から率直なお話がございましたが、これをどうするかというのは、本当にもとの
技術陣が不足である、その不足の中でも海外活動のできる
技術陣というのは、非常に厳しい現場に行っておるわけですから、そういう点から言いますと、これは私
ども通産省にもお願いをして、要するに一刻も早く
技術者の養成をしないと間に合わないということを申し上げておるわけであります。
それからもう
一つは、海外
石油に限らず、株主といたしましては幾つかの企業に、
開発企業としてできましたところに実は金を出しておるわけでありまして、海外
石油はまだ企業の数から言えば商社等に比べれば少ない方であります。
一つ問題がありますのは、海外
石油というのは御承知のように、私が
先ほど申しました海外
開発油田と探鉱地域とのミックスしたところに参加するという問題を、
政策としてでなしに具体的なプロジェクトとして実は私
どもも
関係いたしました。
政府も
関係をいたしました。そこで、だれがその
中心になってやるかというときに、いまのような資金動員力が
相当なものでございますから、そこに今里社長初め財界を含めまして、
政府とも一緒になって、もうすでにお話しになったように、探鉱リスクのみてなしに——一定の油はあるわけです、それをさらに探鉱リスクをあれしながらふやしていくという前提で、三〇%入りました。その金が海外
石油としては非常に多いわけでありまして、その他の企業には恐らく私はごくわずか——実は海外
石油というのはできましたのも遅いわけですから、その点は私がもし誤っておったら御勘弁を願いたいのですが、恐らく多くて十数%、もっと少ないワン・オブ・ゼムの参加しかしておらぬと思います。そこには
中心になる株主というのがございますから、その点は、要するにむしろほかの企業よりも数多く参加しているところが少ない。問題はADMAの、要するに大きく投じた金の問題であろう。
もう
一つは、これからも実は問題がまた起こってくるわけでございますが、冒頭に申し上げた、要するに
日本が不況から安定路線に行った場合に条件が非常に悪くなりますから、
先ほど私は八割、二割と申し上げましたが、二割でも当たりますと、あの当時は一〇〇%エクイティーオイル、コスト
原油が入ってきますから、それでメジャーはもうけたわけです。超過利潤を搾取したといわれるのはそこにあるわけですが、もうそういう時代ではないわけですから、
日本はプロフィットは少なくても
エネルギーそのものを幾らかでも多くするというそういう行き方をしなければならぬですから、民間企業にとっては非常に問題になってきます。そういう
意味では、どうしてもやはり民間の財界の動員力を持った人が経営者となっていただかないと、
先ほど先生のおっしゃったとおり国の金をどんどん、リスクマネーを出していただかなければならぬわけですから。
私が数年間どういうことを一番心がけたかというと、
一つには民間の資金をやはり何としても動員してもらいたい。動員するためには、要するにいまの
政府の、量だけでなしに質のいい金を動員していかないと誘導にならないわけです。だから、たとえばここで率直に——時間がちょっとあれして申しわけありませんが、十年くらい前からドイツは要するに探鉱の資金を融資しておるわけです。この融資をしておるときに、探鉱中の金利というのは無利子なんです。大体探鉱から
開発に行くまでに数年から七、八年かかるわけですが、その金利というのは無利子でありまして、公団ができたときにも、要するにドイツ方式というものを考えておったが、実はこれは実らなかった。そういうような質の金を出しませんと、これから民間はなかなか出し渋る。それでは国がみんなこれを出すかというと、私もこれには問題があると思うし、恐らく
先生もそうだと思う。だから、民間の資金を動員するという面で力のある人が経営者になってもらう。率直に言いますと、素人であることはもう
日本はやむを得ない。
もう
一つは、
先ほど田中参考人から言いましたアラビア
石油のように長くなりますと
技術を持っておりますが、そうでないところは全く
技術陣が払底した中で
技術を持っていかなければなりませんから、この
技術力の問題がある。この二つを全体的にどうしていくかというのは非常にむずかしい問題でございまして、いまこれを統合するといっても、いまのように失敗したところと一緒になるといったら、なかなかなりませんから。
それで、もう
一つはドイツ方式で、これは通産
大臣にもお願いし、ここにおる
エネルギー庁長官にもお願いをしておるプロジェクト別成功払い方式、しかも探鉱中は無利子という質の問題を少しでも——これて民間が前向きにリスクに挑戦するということには限りませんけれ
ども、そういうような問題を是非ひとつ考えていただきたいということを
政府にも申し上げておる次第であります。