○下河辺説明員 お答えいたします。
昨年十二月に、地震予知
連絡会から川崎地区の地盤隆起につきまして発表があったわけでございますが、その翌日、神奈川県を通じまして、川崎、横浜地区のコンビナート関係の事業所の責任者にお集まりいただきまして、いろいろと県を通じまして指示をいたしたわけでございます。
その
内容を簡単に申し上げますと、まず神奈川県としましては、従来から高圧ガス関係の設備の耐震強度の見直しをやっておったわけでございますが、当初の計画では五十三年度を目標としておったものを五十年度に繰り上げて、この工事を完了するようにというのが第一点でございます。それから次に第二点としまして、この際に緊急遮断弁とか除害設備、それから保安設備の作動状態の点検を十分にやるようにというようなことが第二点でございます。第三点が、
先生がさっき御
指摘ございました可燃性ガス、毒性ガスの保有量を極力少なくするように努力するということが第三点でございまして、第四点といたしまして、夜間、休日におきます保安体制を強化することというような四つの点を指示いたしまして、その指示いたしました点を実行させるために、その後の
実施状況な
ども調査いたしておるわけでございます。
現在まで判明しております
実施状況につきまして御報告いたしますと、五十三年度末に完成させるよう指導していた塔槽類の耐震性向上
改善工事につきましては、現在約六〇%
程度の設備につきまして対策が終わっているようでございます。それから、夜間、休日の保安体制強化につきましても、
現実の問題としまして
実施されておるようでございます。それからまた、地震時の設備の作動状況の
調査等につきましては、実は県が披き打ち的に、地震発生訓練を先月中旬ごろ一部の地区で
実施いたしたようでございますが、そういうことを通じまして、その進捗状況を把握しているというふうに聞いている次第でございます。
なお、その設備の
改善計画につきましては、約四割
程度のものがまだ済んでいないわけでございますが、これの
改善につきましても、なるべく早い機会に完成するように指導してまいりたいと思っておりますし、特に毒性ガス等の設備につきましては、大体六月末を目途にいたしまして工事を完了したい。それから、その他につきましても危険度の高い物から順次完成させたい。またこの防災訓練等につきましても、他の地区につきましても、順次これを
実施していきたいというようなふうに、一応県の計画としては
承知しているわけでございます。
なお、特に夜間、休日における保安管理体制の問題が
一つ大きな問題としてあるわけでございますけれ
ども、夜間、休日につきましては、
先生御
承知のとおり、工務とか保全あるいは総務関係、あるいは具体的に申しますと事業所長とかあるいは管理者クラス、あるいはその他の技術スタッフというものが休みをとって現場にいないというような状態になるわけでありますが、このような管理者層がいない場合に、運転上のトラブルなんかあった場合に、その対応を誤ったり、あるいは
事故等の場合の対策がおくれるというような問題も生じやすいわけでございますので、現在こうした問題の解決のために、管理者クラスの人に、休日あるいは夜間であっても、宿日直させるように指導しております。
また、設備類の運転の開始あるいは停止というようなことは、どうしても若干の危険を伴うものでございますから、保安上万やむを得ない場合を除いて、原則として、そういうようなときにはやらないというような措置をとるよう、これは特に強力に指導しているわけでございます。
以上のように、それぞれ対策をとっておるわけでございますが、特に今回高圧ガス取締法の改正を考えておりますが、その中には、この保安管理組織の強化、特に各プラントごとあるいは直ごとに、国家
試験に合格したような知識、経験、技能を持った技術者を責任者として置かせるというような措置をとることによりまして、異常時においてもより的確な判断、処置がとれるように措置をさせたい、このように考えております。
なお、もう一点でございますが、現在、塔槽類あるいは入っております高圧ガスなどの保有量につきましては、上限というものはいまのところ、現在の規則では別段いたしておりません。
以上でございます。