○仮谷国務大臣 いろいろ先ほどから住宅問題についての御
意見は十分に拝聴いたしました。私
ども一番
考えなければならぬことは、住宅金融の必要なこと、それから希望する人が非常に多い、その希望する人にどういう形で一番実情に即すように、実態に合うように
貸し付けをすることができるかどうかということを
考えることが一番大事なことであります。
したがいまして、
後期の場合まあ
抽せんという声も出ておりますけれ
ども、もちろんまだ決定はいたしておりません。いまやっておるのは御承知のとおり
受け付け順である。これは悪い言葉で言えば早い者勝ちということになるわけであって、そこにもいろいろ弊害がある。そうすると、決められた枠内で解決をつけるとすればもう一遍
抽せんを
考えたらいいじゃないかという問題。
抽せん制はおっしゃるようにその以前からやっておった、それを
受け付け順に変えたわけでありますから、私は
公庫にも住宅当局にも言ってあります。
抽せんがだめで、それから先着順にした、先着順がどうもおかしいからまた
抽せんに戻るというようなことじゃ余り芸がなさ過ぎるじゃないか、もう少しこの問題を実態に即して何とか努力する
方法を真剣に
考えてはどうか。出先も、ただ言ってきたから
受け付けました、
抽せんしましたで問題を解決つけるのではなしに、もう少し事務を扱う者も真剣に
考えながら、
一般の住宅希望者の中にも飛び込んで、十分実態を
調査して実情に合うように
考えてはどうか、それをもう少し研究しようじゃないかということでいろいろ指示をいたしておるわけであります。
その中に
所得制限の問題もあります。
所得制限をするとするなれば、
制限をされたそれから上はどう対処するかという問題も、
抽せんにするとすれば
抽せんに漏れた者をどうするかという問題も
考えなければならないし、あるいは実態
調査の場合に単なる
所得制限というのではなしに、家族構成を
考えてはどうか、二人の場合と子供を連れた場合とあるいは年寄りを連れた場合と、それぞれ構成員の家族構成が違うわけでありますから、その家族構成に対してもある
程度重点を置くことを検討してはどうかと、こういう問題をいま具体的にいろいろ検討をいたしておるわけでありまして、そういった検討の結果、できるだけよりよいものをやりたいと、そういうように
考えておるわけであります。
ただ、いまの
受け付け順のやつが、たとえば上期の場合には、七万四千戸の
受け付けの
最初の
予定が十三万戸になっても、下期を繰り上げて全部の人に一応希望を満たすことができたわけであります。ところが、これはいつもそういうふうにできないわけであって、たとえば下期の場合にわれわれはまあ少なくとも
最初予定の七万戸、できれば去年の実績に応じた十万戸ぐらいは要求したいと思っておりますが、もしそれを要求して枠が認められるとしても、
受け付けをしてみると、これはまあそのときの実情で変わるかもしれませんけれ
ども、恐らくその枠だけではおさまらぬと思います。相当また大きくオーバーすることはこれは現実にわかっておる。そのオーバーしたものをさらに
追加枠で決めるということは、これはなかなかむずかしい。そうすると五十一
年度にそれは繰り越さなければならぬということになりますと、決められた枠内で今度は処置をしていこうということになりますと、先着順だけではどうも無理があるという問題も出てきて、そこに
抽せんといったものも実はまたもう一遍
考えなければならぬじゃないか。ただしその場合に、
抽せん漏れをどうするかという問題ももちろん考慮のうちに入れてやらなければいかぬじゃないかといった問題も、いろいろ検討をいたしておるわけであります。
業者が一括して
申し込みするなんということは事実としてあるはずはありませんし、一人一人の個人の住宅の希望者に対して
貸し付けするわけであって、まとめて借りるなんということは
考える性質のものではありませんから、これは私は断じてそういうことはない、あってはならぬと思っておりますし、それからまた出先のいろいろの扱いでありますが、
銀行だけではないし、農協もやっておることは
先生御承知のとおりでありますが、まあできれば地方自治体あたりの
意見をある
程度聞くということもこれも一つの
方法でありますけれ
ども、現実に金を貸すのでありますから、貸したその金をこれを回収する責任は
金融機関が負わなければならぬ。そうすると
金融機関の回収に全く責任を負わない地方自治体がこれへ介入すること自体にもいろいろ一長一短があるわけであります。しかし、そういう
意見は十分聴取しながら
意見を反映して、できるだけ期待に沿えるようにすることは、これは行政の責任であり努力すべき点だと、そういうふうに思っております。そういう意味で、私
どもこの住宅問題はできるだけ努力をして、できるだけ多くの人に貸せるように枠をとると同時に、そのとった枠は、期待に沿えるように、できるだけ実態に即したものになるように、われわれもこれから大いに努力をし、研究をせなければならぬ、こういうことが私
どもの課題だと思ってこれから努力をいたしてまいるつもりであります。