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1975-06-20 第75回国会 衆議院 建設委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十年六月二十日(金曜日)     午前十時三十分開議  出席委員    委員長 天野 光晴君    理事 内海 英男君 理事 梶山 静六君    理事 唐沢俊二郎君 理事 村田敬次郎君    理事 井上 普方君 理事 福岡 義登君    理事 浦井  洋君       小沢 一郎君    三枝 三郎君       田村 良平君    中尾  宏君       野中 英二君    林  義郎君       松野 幸泰君    渡辺 栄一君       佐野 憲治君    清水 徳松君       中村  茂君    柴田 睦夫君       瀬崎 博義君    新井 彬之君       北側 義一君    渡辺 武三君  出席国務大臣         建 設 大 臣 仮谷 忠男君  出席政府委員         建設大臣官房長 高橋 弘篤君         建設省計画局長 大塩洋一郎君         建設省都市局長 吉田 泰夫君         建設省河川局長 増岡 康治君         建設省道路局長 井上  孝君         建設省住宅局長 山岡 一男君  委員外出席者         環境庁自然保護         局企画調整課長 新谷 鐵郎君         厚生省環境衛生         局水道環境部水         道整備課長   国川 建二君         林野庁指導部長 藍原 義邦君         住宅金融公庫総         裁       淺村  廉君         住宅金融公庫理         事       沖  達男君         参  考  人         (日本住宅公団         総裁)     南部 哲也君         参  考  人         (日本住宅公団         理事)     上野 誠朗君         建設委員会調査         室長      曾田  忠君     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  建設行政基本施策に関する件  国土行政基本施策に関する件      ————◇—————
  2. 天野光晴

    天野委員長 これより会議を開きます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  建設行政基本施策に関する件調査のため、本日、日本住宅公団から総裁南部哲也君及び理事上野誠朗君に参考人として御出席を願い、御意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 天野光晴

    天野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人からの御意見は、質疑応答の形式でお聞きすることにいたしたいと存じますので、さよう御了承願います。      ————◇—————
  4. 天野光晴

    天野委員長 次に、建設行政基本施策に関する件及び国土行政基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出かありますので、順次これを許します。中村茂君。
  5. 中村茂

    中村(茂)委員 私は住宅金融公庫融資住宅について質問いたしたいと思います。  まず最初に、五十年度予算上は個人住宅十九万一千戸、こういうふうになっているわけでありますが、特に一般融資住宅について十七万三千戸、それが第一次分として七万四千戸、第二次分として七万戸、合計十四万四千戸というふうに計画を立てて実施しているように聞いているわけでありますけれども、十四万四千戸というのはどうして全体的な予算の中からそういう数字になってきたか、その点をまず最初に明らかにしていただきたいと思います。
  6. 山岡一男

    山岡政府委員 昭和五十年度住宅金融公庫個人住宅につきましては予算上十九万一千戸と、先生おっしゃるとおりでございます。その中に、五十年の一月から三月までの間に五万戸の募集をいたしております。そのうちの二万戸分はやはり契約がずれ込みまして、十九万一千戸のうちからその二万戸分をまず差し引くわけでございます。それから、そのほかに特別貸し付けの枠がございます。これは年度を通じまして公共事業のために移転をする人もしくは特別の災害に遭った人に対する特貸しでございますが、そういうものと計画建て売りというのがございます、合わせて一万五千戸ございます、それも引くわけでございます。それを引きますと十四万四千戸というのが一般個人住宅の枠になります。そのほかにマンション購入、これも中に入っておりますので、前期後期に六千戸ずつ入っております。したがいまして前期の分の個人住宅については一般分七万四千戸と、それからマンション分譲の六千戸、後期につきましては一般個人住宅七万戸、それにマンション六千戸、こういう予定になるわけでございます。
  7. 中村茂

    中村(茂)委員 その第一次分七万四千戸の中に購入マンション六千戸が含まれているわけですか。その六千戸は入っているわけですか入っていないわけですか、そこのところを……。
  8. 山岡一男

    山岡政府委員 第一次分は一般個人受け付け七万四千戸、別にマンション六千戸ということでございます。
  9. 中村茂

    中村(茂)委員 そうすると、私の言わんとするところは、結局予算で示されている個人住宅、これは購入じゃない数字は十七万三千戸のわけですね。そこへ前年度分二万戸引いて、その他の分を二万五千戸引くと十三万八千戸、そこへ六千戸の購入が入ってくると十四万四千戸になる。外れていると十三万八千戸だ。それでこのいままでの言い方からいくと、第一次分七万四千戸というのについては、言い方からいけば六千戸という購入は外れていろいろ言われているのじゃないか。そこのところの数字がどうしても私の計算からすると合ってこない、こういうことで聞いているわけであります。
  10. 山岡一男

    山岡政府委員 では、もう一度申し上げたいと思います。  個人住宅の中には、いまの一般個人住宅マンション購入があるわけでございます。予算を全体的に二つに分けますと、十九万一千戸は十七万三千戸の一般個人と一万八千戸のマンション購入に分かれるわけでございます。いまの十七万三千戸というのが一般個人でございますが、その中からすでに受け付けをしましたもののうちで一般個人分の一万九千戸を引きます。特別貸し付けが別に一万戸ございますので二万九千戸引くことになります。そういたしますと一般個人受け付けば十四万四千戸ということになります。十四万四千戸、先生がおっしゃったとおりでございます。そのほかにマンションが一万八千戸あるということでございます。このマンションの一が八千戸のうちでも、受け付け分ですでに受け付けたものの今年度繰り延べ分が一千戸、それから計画建て売り分が五千戸、別にございます。
  11. 中村茂

    中村(茂)委員 そこで、その十四万四千戸募集をしたわけでありますが、四月二十八日の締め切りで十三万四千戸だった。先般の六月十六日の経済対策閣僚会議の中で追加分約五万戸が決定されたという報道があります。  そこで私はお聞きしたいというふうに思うわけでありますが、七万四千戸第一次分があって約五万戸追加になると、申し込みの十三万四千戸全部、数字上は消化できない数字が出てきてしまうのですけれども、その差が一万戸ぐらい、そこへ出てくるのですけれども、そこら辺のところはどうなっていますか。
  12. 山岡一男

    山岡政府委員 十三万四千八百三十戸というのが最終の発表いたしました数字でございますが、そのうちでやはり報告ミス等がございまして、最初から千八百戸ほど減っております。さらにいままでの例で申しますと、たとえば申し込んでおりましても一割ぐらいは脱落があるということを見込みますと、ちょうど十二万二、三千戸の用意をしておけばいいということでございまして、五万戸を準備すれば今回分の受け付けについては大体全部消化できるという見込みでございます。
  13. 中村茂

    中村(茂)委員 先月の二十八日の建設委員会清水委員から質問があって、小さなミスまで入れれば一万戸くらいある、しかし、それについては全部実施します、こういう局長答弁があったと思うのです。ですから私は、そういうものは全部オミットされないで合格として今度実施される、こういうふうに理解していたわけですけれども、いまの答弁からいくと、そういうものは全部不合格ということでオミットされてしまうのですか。
  14. 山岡一男

    山岡政府委員 前回申し上げましたとおり、軽微なミスのあるものにつきましては約一万件ございますけれども、それは大体ミスの訂正をしていただいて全部貸し付けする方針でございます。私の申し上げましたのは、たとえば十万人お申し込みになりますと必ず一万人くらいは、自己資金の準備ができなかったとかいろいろな理由脱落者がいつも出るということでございます。過去すべてそういう例がございますので、資金計算等をいたします場合にはそういうものを見込んで、一万人以上を脱落しておいても執行上問題はない、で、貸し付けの中には全部軽微なミスのある方は含んでおります。
  15. 中村茂

    中村(茂)委員 それではその中には、一括購入は禁止されていますから、業者等一括購入があって不合格にしたというようなものはないのですか。
  16. 山岡一男

    山岡政府委員 前回のときに十三万四千戸の受け付けがあったけれども、その中には軽微なミスのものが約一万戸ある、それから集計ミス辞退等のあったものが千八百件くらいある、それから申し込み内容に問題があって、今後精査する必要があるものが千六百件くらいあると申し上げたと思います。そのうちのいまの集計ミス辞退等の中の千八百件、それから申し込み内容に問題があって今後精査する千六百件、その中にあるいはそういうものが含まれておるというふうに推定をいたしまして、現在厳しく一件一件の調査をしておるということでございます。
  17. 中村茂

    中村(茂)委員 業者一括申し込みがその中に含まれていたとすれば、それは不合格にする考えですか。
  18. 山岡一男

    山岡政府委員 不合格にいたす考えでございます。
  19. 中村茂

    中村(茂)委員 次に、金融公庫の方へお聞きしたいのですけれども、五十年四月七日付の公庫の  「昭和五十年度個人住宅建設資金付け高層住宅購入資金付け及び住宅改良資金付けの第一次申込受付に伴う事務処理について」という文書が出されておりますけれども、そこの2の項のところに「借入申込書頒布にあたっての留意事項について」という中の(1)項、(2)項それぞれ書いてあるわけでございますが、その中の(2)項の中に「一人一部を原則とする」ということがあって、部数については「必要とする者(業者等一括購入は禁止する)」ということを括弧書きで書いて、その後の方に「必要な在庫部数を勘案のうえ理由を聴取し二十部程度限度として頒布すること。」こういうふうになっていますけれども、これは、一括購入を禁止するということを括弧書きで書いて、したがって一人一部で、書き損じ等の場合にはまあ二部くらいやれ、こういうふうになっていて、今度、在庫部数がある場合には理由を徴して二十部くらい渡してもいい、これはどういうことなのですか。一括購入の道を開くようなことになると思うのですけれども、それはどういう意味で理由を聞いて二十部は渡してもいいという指導になったのですか。
  20. 淺村廉

    淺村説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生指摘のとおり、私ども業者一括購入といったような事態を起こさないように、申し込み用紙頒布につきまして「一人一部を原則とする」ということを厳重に金融機関にも申し渡しました。ただ、ここに書いてあります「理由を聴取し二十部程度限度として頒布する」ということは、たとえば会社厚生課が職員の利益を図るためにまとめて買ってあげるというような事態もございます。それから、地方公共団体等住宅相談所を設けておりまして、そういうところで、もちろん一括購入などはさせませんけれども、ある程度まとめて用意しておいてお客様の便宜を図るというようなことまでとめるわけにもまいりませんので、そういう場合には私どもの出先で十分理由を伺った上で二十部を限度としてお配りしますということにいたしたわけでございます。
  21. 中村茂

    中村(茂)委員 そうすると、ここに言っておるように、業者等一括購入について禁止するということについては厳しく指導している、こういうふうに理解していいのですね。
  22. 淺村廉

    淺村説明員 そのとおりでございます。
  23. 中村茂

    中村(茂)委員 それと、やはり公庫から聞いておきたいのですけれども、先ほどの申し込みの中で、いろいろ書類不備のあったものについて、やはり公庫としては五月三十日付で、この「申込者の選定などについて」という表題の文書の中で、「書類が完備してないものは不合格とする」こういうふうに内容としては出ているわけでありますけれども、細かく申し上げません。その書類不備のものは不合格にするということと、先ほど住宅局長の方で言った、書類の若干のものについては全部いいようにするけれども一括購入とか基本的に間違いのあるものについては不合格にするというそのけじめの問題ですけれども、それは、この文書住宅局長が言っている内容とは合致してきているわけですか。
  24. 淺村廉

    淺村説明員 私ども貸付業務を実施するに当たりましては、必要な書類は必ず添付をしていただかなければならないことは当然でございます。そこで、私の方では書類不備のまま進めてしまうということは、もう言うまでもないこと、こういうことはもう絶対やらせないつもりでございますが、今回のように一日で、まさか私どももそう思っておりませんでしたし、まして一般の方々、当然予想もされなかったような事態で起きたことでございますので、土地登記簿の謄本などはなかなかとりにくいということもございましたろうし、いろいろございましたので、その時点では若干そういうものが足りなくても、必ず数日後に添付されるというようなことであれば、その時点をつかまえますと書類不備でございますけれども、私どもとしてはそこまでやかましく申し上げるのはいかがかと思っておりまして、そういうものは私の方では軽微のミスということで、局長がただいま申されましたように、十分配慮してあげたい、こう考えておりまして、考え方は決して矛盾いたしておりません。
  25. 中村茂

    中村(茂)委員 そこで、今度第一次分が相当多く申し込みがあって、一万くらい減るとしても約五万戸くらい第二次分を食ってしまう、そういうことになると、あと予算上は何万戸二次分として残っている勘定になるのですか。
  26. 山岡一男

    山岡政府委員 一般個人分では約二万戸、それからマンションで六千戸ということでございます。
  27. 中村茂

    中村(茂)委員 そういう二万戸ぐらいだとすれば、将来これはどういうことになるのですか。
  28. 山岡一男

    山岡政府委員 第三次不況対策一環としまして、今回五万戸分につきましては繰り上げて貸し付けをするということになったわけでございます。その結果、秋にはいま申し上げた二万戸に一般個人分が減ってしまいます。ところが、やはり第二回以降の申し込み予定をしておられた国民の方も多数いらっしゃいますので、最小限年度当初予定をしました七万戸については必ず計上したい、われわれといたしましては、ざらに最近の情勢を見ましてプラスアルファもつけて募集したいという態度で現在関係省相談中でございます。
  29. 中村茂

    中村(茂)委員 今度二次分も、第一次分のように相当ふえると思いますけれども、それよりも多く申し込みがあったという場合には、申し込み方法なりまたは選考方法はどういうふうにするつもりですか。
  30. 山岡一男

    山岡政府委員 やはり年度の初めの申し込みのときに控えられまして、秋に、おれは涼しくなったころ家をつくるのだからと思って待たれた方は、条件その他について変えるべきではないだろうというのがわれわれの考えでございます。ただ、秋になりますと、何万戸本当に募集できるのか、まだ確定しておりません。われわれはできるだけたくさんという努力をするわけでございますが、やはり枠も最大限の限度がございます。今回のような殺到ということになりますと、またまたオーバーしてしまうということは十分に予想されるところでございます。そういう場合には、秋になって決めるわけでございますけれども抽せん制導入等についても検討しなければならないだろうと現在のところ考えております。
  31. 中村茂

    中村(茂)委員 私は、抽せん制というものについて非常に納得できない幾つかの問題を感ずるのです。これは多分四十二年ごろまでですか、抽せんでやったと思うのです。いまは抽せんでなくて選考方法ということでずっとやってきた。多く申込者があるから今度は抽せんだ。こういうふうになってみれば、抽せんというのは公平のようで公平じゃないと私は思うのです。どうしても必要だ、こういうふうに思う者は申し込むでしょう。しかし、抽せんということになると、おれも二、三年ぐらい先でいいけれども、やはり落ちるということもあるからということで、抽せん方式になればいままでよりも申込者は多くなることははっきりしている。その結果、どうしても必要の者は抽せんから落ちて、まあまあということで申し込んだ者が当たるということになるという要素も出てくるわけです。特にこの住宅建設ということが、金融公庫の利用の問題を含めて、不況対策ということで大きく取り上げられてきた。そうなってまいりますと、不況対策波及効果が大きいということで国の大きな柱として取り上げてきているということになれば、抽せんで少しぐらい落とすなんというみみっちいことをやらないで、そこへいって二万や三万ぐらいふえたって、やはり全員を吸収していくという、これが一番正しい対処の仕方じゃないか、こういうふうに私は思います。  それと、これはさしむきということで、来年の問題はどういうふうに考えていますか。抽せんというふうにことし抽せん方法を第二次分でとったとすると、五十一年度もその抽せんという方法でずっといく予定ですか。五十一年になったらまた新しく考えようと思っているのですか、どうなんですか。
  32. 山岡一男

    山岡政府委員 先生おっしゃいますように四十二、三年ごろだったと思いますが、それまでは抽せん制でやっておりました。その場合、落選された方には、たとえば二回落選されたらその次はフリーパスというふうな取り扱いをしてまいりました。その結果だんだん戸数が定着してまいりまして、四十七年くらいまではやはり年度の終わりにもう一回募集するところまで実はつり合っておったように思っております。このように殺到されるといいますのはここ二年ほどの特殊事情であろうと思っております。したがいまして、この秋につきましてはそういうことについて検討するわけでありますけれども、五十一年度につきましては、いろいろなものを含めまして公庫受け付け制度等について現在いろいろな検討をいたしております。その中の一環として検討いたしてまいりたいと思っておるわけでございます。
  33. 中村茂

    中村(茂)委員 そうすると、検討するということで、この二次分もはっきりと抽せんでいく、こういうふうに決まったわけではないですね。それから、それを受けて五十一年度の分もどういうふうにするかということはこれから検討するということで、まだ決まったわけではないのですね。
  34. 山岡一男

    山岡政府委員 先ほど申し上げましたように、秋の分につきましては、募集する戸数と当時のいろいろな状況、たとえば民間住宅ローンがうんと出たとか、そういうような状況も勘案しながら検討してまいりたい。しかし、現在のところの感じといたしましては、この秋は、やはり予算の範囲内でいろいろな仕事をするという立場から申しますと、抽せん制導入もやむを得ないのではないかという感じは持っております。ただ、その場合にも抽せんの結果落ちられた方をどうするかということもあわせて検討したいと思っております。
  35. 中村茂

    中村(茂)委員 委員長、ここにテープレコーダーがあるのですけれども、いままでここでこれを回して音を立てるという慣行はないそうですけれども、こういうテープがここにあるのです。これは大きな一流のプレハブ住宅へ、それを申し込もうと思って行ってセールスマンといろいろやりとりしたことの内容です。要旨を簡単に申し上げますと、この公庫融資というのについて、いままでの一次分については私の会社は全部代行で申し込みを受けた人のものを消化いたしました。それから、秋の分については抽せんになります。それで抽せんになっても、私のところは銀行との約束抽せん漏れということはありません。それから、明年度については今度厳しくなって所得制限が出てきます。所得制限ということになるとこれはなかなか制限が厳しいんで、抽せんの秋の場合には銀行と話がついていますから、絶対私のところへ申し込めばこの抽せん漏れというものはないのです、こういうやりとりになっているわけであります。  そこで問題になりますのは、私先ほど申し上げましたこの一次分のものについても、業者一括申し込みについては禁止されている、それは厳しく指導しています、こういうふうに言っているけれども、私のところが代行して受け付けたのは全部パスいたしました。これはそうでしょう。恐らく一括申し込んだのではないかと思いますけれども。それから秋の分についてはもう抽せんだというふうに言っているわけですよ。しかも、抽せんになっても私のところは代行していて銀行と話がついているから絶対抽せん漏れということはないのです、明年になった場合には所得制限という問題が出てきます、非常に厳しくなってきます。まあ、セールスマンですからお客をとるのだから、オーバーに言ったり、いろいろ新聞なんかも見たり研究していろいろなものを先取りしてお客さんがつくように言っていく、その言い方はわかりますよ。しかし、私はここのところで、やはり抽せんであっても銀行約束ができていて私のところに申し込めば落ちばないのです——ここなんですよ。これ、公庫の方、どういうふうに思いますか。
  36. 淺村廉

    淺村説明員 私どもは、いままでも非常に厳正な態度受託金融機関に臨んでおりますので、いまのようなお話を伺いますと、それがどういうことなのか、ちょっと理解に苦しみますが、何か枠のようなものを業者銀行と話し合って持っておるなんてことは、絶対に私の方としては許せないことだと思います。そういうことは、実情をよく聞いてみなければわかりませんけれども、私どものこけんにもかかわることでございますので、先生指摘のようなことは大変よくないこと、そんなことがあっては大変でございますから、なお一層私の方は監督をいたしまして、万が一遺憾な事例等でもありますれば委託契約取り消し等も含めまして十分に善処したいと私は考えております。
  37. 中村茂

    中村(茂)委員 それをセールスマンを使ってやっている会社並びにその内容について、また後日私の方から正式にそういうものはつけて申し込みますから厳重にひとつ対処してもらいたいと、こういうふうに思います。  そこで、この問題は受け付けに絡んだりする問題ですけれども、私はいま銀行一本で受け付けているその受け付け方に非常に問題があるんじゃないか、こういうふうに思うのです。銀行業者というのは、銀行がまずそこへ恐らく金を相当出して、その不動産会社、デベロッパーでは、その金を使って土地を買い、不動産をいろいろやっている、そして住宅ローンなんかも、恐らくそういう銀行と取引した中で銀行ローンをそこのところを購入した人に勧めてやる、そういう中へその銀行公庫の割り当てがくる。そうすると、これは何といってもそれは消化した方がいいんですし、利息が安いですから、こういうものをあっせんし、めんどうを見る。だから、これはいろいろ厳重にやると言っても、環境がそういうふうになっているから、どうしても業者銀行の癒着というものが、いろいろ手だてをしたりするけれども打ち切れない一番のもとがそういうかっこうの中に私はあるんじゃないかと思う。したがって、これは検討していただきたいと思うのですけれども、地方自治体にこれを全部じゃなくある部分委託してやらせるとか、もっと間口を広げて一般の人も安易にまた行けるようなシステムにして、やはりその環境全体を変えていかなければ、いま銀行だけ一本にしておいて、そしてこういうものがあった、こういうものがあった、セールスマンがこうやっている、なかなかこれを解決することはできないと思うのです。ですから、そういう点をひとつ検討していただきたいと思うのですけれども、建設省からひとつ……。
  38. 山岡一男

    山岡政府委員 先ほど申し上げましたとおり、五千一年度からの募集のやり方等につきまして現在十分な検討を加えたいということで進めております。その中の一環に、いま先生おっしゃいましたような地方公共団体をかませることもどうかということで検討の中には上がっております。現在地方公共団体には公庫融資にかかわるものの出来高検査、竣工検査等について委託をしております。現在そういう出来高等についてのみでございますけれども募集に当っても地方公共団体が何かしら役割りを持ったらどうかというようなことについても内部では検討しております。ただ、いろいろな問題がございまして、もうしばらく検討の時間を与えていただきたいと思っておるわけでございます。
  39. 中村茂

    中村(茂)委員 大臣、やはりこれは不況対策波及効果が非常に大きいということで取り上げられてきている問題ですよね。したがって、私がこういう問題を取り上げているのは、そういう不況対策として取り上げている以上、一部のところにそれがいろいろなかっこうで行ってしまうとか、それが業者にうまく利用されるとか、こういうことではなくて、やはり全体的にまんべんなく広がっていくということにならなければならぬと思うのです。そういう重要な段階ですから、そういうことを十分考えていただくと同時に、いま申し上げました受け付けの仕方等についても、広く、自由にできるような対策を立てていただきたい、こういう立場でいろいろお聞きしたわけですけれども、ひとつ大臣の決意を……。
  40. 仮谷忠男

    ○仮谷国務大臣 いろいろ先ほどから住宅問題についての御意見は十分に拝聴いたしました。私ども一番考えなければならぬことは、住宅金融の必要なこと、それから希望する人が非常に多い、その希望する人にどういう形で一番実情に即すように、実態に合うように貸し付けをすることができるかどうかということを考えることが一番大事なことであります。  したがいまして、後期の場合まあ抽せんという声も出ておりますけれども、もちろんまだ決定はいたしておりません。いまやっておるのは御承知のとおり受け付け順である。これは悪い言葉で言えば早い者勝ちということになるわけであって、そこにもいろいろ弊害がある。そうすると、決められた枠内で解決をつけるとすればもう一遍抽せん考えたらいいじゃないかという問題。抽せん制はおっしゃるようにその以前からやっておった、それを受け付け順に変えたわけでありますから、私は公庫にも住宅当局にも言ってあります。抽せんがだめで、それから先着順にした、先着順がどうもおかしいからまた抽せんに戻るというようなことじゃ余り芸がなさ過ぎるじゃないか、もう少しこの問題を実態に即して何とか努力する方法を真剣に考えてはどうか。出先も、ただ言ってきたから受け付けました、抽せんしましたで問題を解決つけるのではなしに、もう少し事務を扱う者も真剣に考えながら、一般の住宅希望者の中にも飛び込んで、十分実態を調査して実情に合うように考えてはどうか、それをもう少し研究しようじゃないかということでいろいろ指示をいたしておるわけであります。  その中に所得制限の問題もあります。所得制限をするとするなれば、制限をされたそれから上はどう対処するかという問題も、抽せんにするとすれば抽せんに漏れた者をどうするかという問題も考えなければならないし、あるいは実態調査の場合に単なる所得制限というのではなしに、家族構成を考えてはどうか、二人の場合と子供を連れた場合とあるいは年寄りを連れた場合と、それぞれ構成員の家族構成が違うわけでありますから、その家族構成に対してもある程度重点を置くことを検討してはどうかと、こういう問題をいま具体的にいろいろ検討をいたしておるわけでありまして、そういった検討の結果、できるだけよりよいものをやりたいと、そういうように考えておるわけであります。  ただ、いまの受け付け順のやつが、たとえば上期の場合には、七万四千戸の受け付け最初予定が十三万戸になっても、下期を繰り上げて全部の人に一応希望を満たすことができたわけであります。ところが、これはいつもそういうふうにできないわけであって、たとえば下期の場合にわれわれはまあ少なくとも最初予定の七万戸、できれば去年の実績に応じた十万戸ぐらいは要求したいと思っておりますが、もしそれを要求して枠が認められるとしても、受け付けをしてみると、これはまあそのときの実情で変わるかもしれませんけれども、恐らくその枠だけではおさまらぬと思います。相当また大きくオーバーすることはこれは現実にわかっておる。そのオーバーしたものをさらに追加枠で決めるということは、これはなかなかむずかしい。そうすると五十一年度にそれは繰り越さなければならぬということになりますと、決められた枠内で今度は処置をしていこうということになりますと、先着順だけではどうも無理があるという問題も出てきて、そこに抽せんといったものも実はまたもう一遍考えなければならぬじゃないか。ただしその場合に、抽せん漏れをどうするかという問題ももちろん考慮のうちに入れてやらなければいかぬじゃないかといった問題も、いろいろ検討をいたしておるわけであります。  業者が一括して申し込みするなんということは事実としてあるはずはありませんし、一人一人の個人の住宅の希望者に対して貸し付けするわけであって、まとめて借りるなんということは考える性質のものではありませんから、これは私は断じてそういうことはない、あってはならぬと思っておりますし、それからまた出先のいろいろの扱いでありますが、銀行だけではないし、農協もやっておることは先生御承知のとおりでありますが、まあできれば地方自治体あたりの意見をある程度聞くということもこれも一つの方法でありますけれども、現実に金を貸すのでありますから、貸したその金をこれを回収する責任は金融機関が負わなければならぬ。そうすると金融機関の回収に全く責任を負わない地方自治体がこれへ介入すること自体にもいろいろ一長一短があるわけであります。しかし、そういう意見は十分聴取しながら意見を反映して、できるだけ期待に沿えるようにすることは、これは行政の責任であり努力すべき点だと、そういうふうに思っております。そういう意味で、私どもこの住宅問題はできるだけ努力をして、できるだけ多くの人に貸せるように枠をとると同時に、そのとった枠は、期待に沿えるように、できるだけ実態に即したものになるように、われわれもこれから大いに努力をし、研究をせなければならぬ、こういうことが私どもの課題だと思ってこれから努力をいたしてまいるつもりであります。
  41. 中村茂

    中村(茂)委員 終わります。
  42. 天野光晴

    天野委員長 清水徳松君。
  43. 清水徳松

    清水委員 時間がありませんので簡単に質問をいたしたいと思いますので、簡単に要領よくお答え願いたいと思います。  まず最初に、環境庁は自然保護局長の名前で、山梨県の田辺国男知事に対して、二月十八日、無許可の林道工事に関する通達というのをお出しになったようですが、それはそうですね。
  44. 新谷鐵郎

    ○新谷説明員 そのとおりでございます。
  45. 清水徳松

    清水委員 この通達に対してはわれわれとしても十分検討をしなければならないものもありますので、ぜひこれを全部資料としてお出し願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。
  46. 新谷鐵郎

    ○新谷説明員 結構でございます。
  47. 清水徳松

    清水委員 要約して四点にわたる項目が通達されておりますが、もうすでに四カ月たっておるわけです。この通達に対して山梨県が大体どのようにこれを実行しつつあるか、対処しつつあるか、このことについて環境庁は点検をされておるかどうか、また、何らかの報告があったかどうか、その辺のところをお伺いします。
  48. 新谷鐵郎

    ○新谷説明員 無許可で着工されました林道につきまして、特に黒金山、鶏冠山、嵯峨塩裂石の各林道につきまして、二年間に約六千万円を投ずる修景緑化工事を指示いたしたわけでございます。現在までのところ、私ども確認いたしておりますところでは、黒金山林道と、鶏冠山林道の土砂崩壊防止のための擁壁につきましては、すでにほぼ完成をいたしておるわけでございます。修景緑化工事につきましては、近々に着工する予定でございます。  以上のことにつきましては、山梨県の方を通しまして現在のところは確認をいたし、状況を把握いたしておるわけでございますが、今後の進捗状況につきましては、いずれ環境庁といたしましても直接把握する必要があるというふうに考えております。
  49. 清水徳松

    清水委員 むしろ、山梨県は自分で違法の行為をした方でありますので、それは自主的にそういう処置をされるのを待つということもある程度やむを得ないと思うけれども、それに対して積極的に環境庁としては、どれだけやっておるか、このことを点検するような処置というものをされたかどうか、また、するような準備をしておるかどうか、その対策を持っておられるかどうか、お伺いしたいと思います。
  50. 新谷鐵郎

    ○新谷説明員 御指摘のような点がございますので、これまでのところ直接職員を派遣いたしましてその後の状況を把握するということはいたしておりませんけれども、今後はその点を行う必要があるだろうというふうに考えております。
  51. 清水徳松

    清水委員 具体的にはどういうふうにされるおつもりですか。
  52. 新谷鐵郎

    ○新谷説明員 環境庁は国立公園の管理のために管理事務所を設けておりますけれども、直接秩父奥多摩を管轄する管理事務所を持っておりませんので、一番近い富士箱根国立公園の管理事務所の駐在員を通じて把握いたしたいというふうに考えております。
  53. 清水徳松

    清水委員 駐在員が非常に少なくて、もう全然そういう機能を果たすことができないというのがいままでの状況じゃなかったでしょうか、いままで三年も四年も知らないでいたのですから。ですから、そういったような状況を克服するために、それに対してどういう対策を講ずる、そういう準備を整えておるかどうかをお伺いいたしたいと思います。
  54. 新谷鐵郎

    ○新谷説明員 具体的に申し上げますと、富士箱根国立公園の河口湖の周辺の駐在員が従来まで二名だったわけでございますが、三名にいたしまして、そのうちの一名を秩父奥多摩とかあるいは南アルプスの方の監視、指導に向けたいというふうに考えておるところでございます。
  55. 清水徳松

    清水委員 こういうような状況というものは恐らく各所に起こるんじゃないかというような気がいたします。そういったようなことについて、全国的にこういう自然保護のための監視制度というものを強化する、そういう準備があるかどうかお伺いをいたしたいと思います。
  56. 新谷鐵郎

    ○新谷説明員 御指摘のとおり、基本的な問題といたしましては、全国二十七カ所ございます国立公園の管理貝が現在のところ八十六名という状況でございまして、その数を今後ふやしてまいりたいというふうに私ども考えておるわけでございますが、最近そういう自然保護に対する社会の要請の高まりに伴いまして、毎年かなりの数の増員を見ておるわけでございまして、今後その努力を続けてまいりたいというふうに考えております。
  57. 清水徳松

    清水委員 この無許可林道というのは、自然公園法十七条違反でございます。昨年十一月一日、連峰スカイライン反対連合から田辺知事が告発をされておるわけであります。それに対して、この五月の七日ですか、甲府地検の方は不起訴処分ということを発表をしたわけであります。五月二十二日には、それを不服として甲府検察審査会に対してまた異議申し立てをしておるというのが現況でございます。われわれは、この裁判問題等については深く立ち入る余裕は現在のところございませんが、ただ、明らかに自然公園法違反という事態だけははっきりしておるわけでございます。検察審査会に対する異議申し立ての書類の中で私は拝見したわけでありますが、最近、高山植物を採集いたしまして処罰をされた例があるわけでございます。それほど厳しく自然公園法違反というものに対して扱っておるその態度というものは、私は結構だと思います。しかし、一方においてこの大がかりな自然公園法違反、しかも管理者がやっているわけです。そういったようなことについてきわめて寛大だというか、非常に緩いそういう扱い方がされておるわけでありますが、そういったようなことについて環境庁はどういうふうにお考えになっておるか、お伺いをいたしたいと思います。
  58. 新谷鐵郎

    ○新谷説明員 山梨県の具体的な問題につきましては、最終的には検察庁側の御判断でございますので、私ども直接にそれをどういうふうに論評するということも適当でないと存じますが、環境庁といたしましては、今度のような事件が起きましたことを十分反省いたしまして、特に問題となります点は、県の方としては許可されるという見込みで公共事業ということでやってしまったという点はございます。そういう点につきましては、林野庁ともその後十分打ち合わせをいたしまして、今後こういうことがないように、事務的には事前によく打ち合わせをしまして、環境庁の方の決定があった後補助金も出していただくというようなことを決めていきまして、万全を期しておるわけでございます。
  59. 清水徳松

    清水委員 高山植物を取るといったようなことは、もちろんこれは取り締まってもらわなければいけません。ですから、それだけの理由があって起訴もされ、有罪の判決にもなったと思いますが、一方においてそういったようなことをやりながら、知らなかった、あるいはそれは当然許可されるものと思っておったというような理由で、法の解釈からすると全く不平等だというか、理屈にならない理屈で不起訴処分になっている。検察ですから、まだ行政の段階だろうと思います。お互いに行政同上の間の争いについては——争いというか、そういう問題については非常に寛大な処置をとっておるということについて、やはり自然公園法を本当に守っていこうという意欲にお互いに欠けているんじゃないか。やる方もやる方、またそれを取り上げて処置する方も非常にルーズな考え方があるんじゃないかという気がしてなりません。チャップリンの殺人狂じゃないけれども、一人を殺せば有半、そしてまた百人を殺せば英雄になるといったような、そういうやり方の自然保護の行政というものは私はまことに問題があると思います。その点について環境庁は、この山梨県のやり方に対してどういうふうに考えているか、もう一回はっきりお考えを述べてもらいたいと思います。
  60. 新谷鐵郎

    ○新谷説明員 今回のような事件を山梨県か起こしましたことにつきましては、大変遺憾なことでございまして、私どもの方といたしましては、県に対しましては十分厳しい態度で注意をいたしましたし、その後の措置につきましても厳しい方針で臨んだわけでございます。
  61. 清水徳松

    清水委員 環境庁としては、この無許可林道に対する後始末、一応の通達でもってこうしなさいという始末はつけたわけでありますが、以後こういったようなことを絶対なくすための具体的な対策としてどういうような考え方を持っておるか、お聞かせ願いたいと思います。
  62. 新谷鐵郎

    ○新谷説明員 先ほどもちょっと申し上べましたけれども、この事件が起きました以後、林野庁と打ち合わせをいたしまして、今回の事件というのは、要するに県が予算の関係等で公共事業ということで見込み着工したという問題が一番大きな問題でございますので、ある年度の事業につきましては、その年度開始前に具体的に環境庁と林野庁並びにそれぞれの出先で打ち合わせをいたしまして、十分検討いたしまして、林野庁か林道のための補助金を決定する以前に環境庁の方でその可否につきまして方針を明らかにするということで、全国に両庁から通達も出しましたので、そういう意味では、今回山梨県で起きたような事件は今後は起こらないという措置を講じたわけでございます。
  63. 清水徳松

    清水委員 しかし、山梨県側としてはなかなか遠大なる計画があるのです。これは皆さんの方でもうお気づきになっているんじゃないかと思います。今度のたまたま一番問題になった黒金山林道の環境破壊の問題、これがその写真でございます。大変な破壊でございます。これをさらに西沢ラインと申しましてやはり連峰スカイラインの一番主なる計画林道でございますが、それと結びつけようというようなそういう計画もあるやに聞いておるわけでございまして、これは新聞報道でありますが、もう一回申請を出し直して、そして必ずこの林道はまた完成するんだ、そして西沢ラインの方へつないで、そしてこの連峰スカイラインの一環として完成させるというようなことを言っておるわけなんですね。だから、そういったような山梨県側であるだけに、もう少し徹底した環境庁としての態度を明らかにしておかないと、これに押されてしまうんじゃないかというような感じがするわけでありますが、これについて環境庁はいかにお考えになっておられますか、お答え願いたいと思います。
  64. 新谷鐵郎

    ○新谷説明員 山梨県のいわゆる連峰スカイライン構想につきましては、当初構想なるものが確かに出た時期があったわけでございますが、その後いろいろ自然保護の関係の方たちからも反対もございまして、当初の構想は撤回をいたしまして、その後自然公園道路としていろいろ検討がなされておるということだけが伝えられておりまして、私どもの方には具体的な計画内容は伺っていないわけでございます。  ただ、具体的にいま御指摘のございました西沢渓谷を道路を通すかどうかという問題につきましては、今回の事件のございました黒金山林道の延長がそれにつながるという問題になると思いますので、私どもは黒金山林道につきましてはあそこでストップという指示をいたしたわけでございます。
  65. 清水徳松

    清水委員 その指示は今後絶対変えることありませんね。確認しておきたいと思います。
  66. 新谷鐵郎

    ○新谷説明員 変えない方針でございます。
  67. 清水徳松

    清水委員 わかりました。  それじゃ、林野庁の方へちょっとお伺いをいたしたいと思います。林道の建設については、林道と一般の道路との関係を局長がおりますから聞こうと思いますが、時間がありませんので、またそのうちにお聞かせ願いたいと思います。きょうは林野庁だけにお伺いをいたしておきたいと思います。  最高六五%ですか、補助がありますそうですね。この無許可林道ですね、連峰スカイライン反対連盟の方の告発書によりましても、はっきりしたものだけでも、秩父多摩公園の中だけでも七本あるわけですね。この無許可林道に対して補助金が出されておったか確認をいたしたいと思います。どうでしょうか。
  68. 藍原義邦

    ○藍原説明員 先生ただいま御指摘の七本につきましては、補助金は交付されております。  ただし、昨年許可以前に着工したという事例が判明いたしましたので、四十九年度につきましては、環境庁のそれに対します判断が出るまで補助金の交付は延ばしておりました。
  69. 清水徳松

    清水委員 それは、こういう問題が起こったからそういう処置をとったというのは当然だと思いますが、林野庁は、特別地域における林道で、いままで無許可のものであってもこれに補助金をずっと交付しておったわけですか、お伺いします。
  70. 藍原義邦

    ○藍原説明員 林道の開設に当たりましては、当然自然公園法に基づきます許可を得ることになっておりますし、それにつきましては事業主体がそれぞれ申請するという手続になっておりますので、私どもといたしましては、当然そういう手続がなされておるというふうに理解して、補助金の交付をいたしております。
  71. 清水徳松

    清水委員 先ほど同僚の中村議員が住宅金融公庫の質問をされておりましたが、融資の場合にはなかなかやかましいんですよ。判こ一つなくてももう、ちょっとストップということになるわけなんです。もうすごくやかましい。特に補助金の場合は、税金から出すわけですから非常にやかましい。その法律までできておるわけなんです。それなのに林野庁は、明らかに、山岳地帯というと公園にかかるかどうか、特別地域にかかるかどうかというのは、やはりそこが調べなければならぬポイントだろうと思いますね。それを全然見ないで、そういう許可という非常に重要な条件が欠落しておるにもかかわらず、どんどん補助金を出したというのは非常にまずいんじゃないか、法律違反になっているんじゃないかとすら考えておるわけですが、いままでどうしてそういうようなやり方でやってきたか、ちょっと納得いかないのですが、お答え願いたいと思います。
  72. 藍原義邦

    ○藍原説明員 先ほどお答えいたしましたように、林道の審査をいたしますときには、当然国立公園の特別地域であるかどうかその辺は十分審査いたしております。したがいまして、審査をいたしまして、国立公園の許可が必要なものについては許可を出すような指示をし、そしてそれは当然事業主体が行うことになっておりますので、そういう事業主体が申請をし許可を得て行っておるものというふうに理解いたしておりまして、たまたまいま先生から御指摘のような事件が起きましたことは、私どもとしても非常に遺憾というふうに考えておりますし、先ほど環境庁からお話しございましたように、それに対応するため、今後は補助金の申請交付をする前に環境庁と十分連絡をとって、許可を得たものについて補助金の交付申請をするという手続に切りかえております。
  73. 清水徳松

    清水委員 そうすると、具体的なそういう特別地域においては、環境庁の許可承認書ですか、そういったようなものがなくてもいままでは補助金は出していたということですね。たとえばそれは公共団体が、いわゆる管理者の方が出してきたものであっても、一応それも一緒に書類がついてこないと補助金を交付しないというのがたてまえだったろうと私は思いますが、そういったようなことはなくして、何というか本当に信頼をして補助金を出した。ここに新聞報道ですが、林野庁は、特別地域で工事をするための環境庁の許可などは、そんな制約事項は当然山梨県が措置したものと思っておった、これは信頼の原則といって事務を早めるために当然だといったような言い方をしておりますが、そういう必要な条件がきちっと整備されておらなくても補助金の交付が行われたというのは、いわゆる信頼の原則というのに基づいて補助金が交付された、こういうことになるわけですか。
  74. 藍原義邦

    ○藍原説明員 先生お話しのように信頼の原則かどうかちょっとわかりませんけれども、一応私どもといたしましては、査定をする場合にその辺は十分留意をし指示をし、指示に基づいて事業主体がそれぞれ行っておるというふうに判断しておったところに、われわれとしても非常に遺憾な点はあったかと思いますけれども、当然なされるものというふうに理解して補助金の交付はいたしておりました。
  75. 清水徳松

    清水委員 これは環境庁にしても林野庁にしても、自然保護という問題についてまだ本当に考えておらない、そういうことのあらわれじゃないのだろうか、特に中部日本の山岳地帯の自然というものは日本国民の財産だと思います。林道はどういう目的であるかお伺いしたいところでありますが、時間がありませんのでこれは省略しますが、とにかく山岳地帯の林道というものはこういうような状況でもうつくられておる。この実態、これを見れば、いかに自然保護のためには慎重を期さなければならぬかということが一目瞭然わかるわけなんです。それなのに、山岳地帯のこの林道の建設については非常に安易な考え方を持っておる、非常に槙重を欠く、こういう気がしてならないわけであります。自然公園法についても、利用と自然保護と両方目的に掲げておりますが、利用の方だけウエートを置いているのじゃないかというような感じがするわけなんです。ですから、これからよほど環境庁にしても林野庁にしても、林道の建設ということについては、自然保護ということをいかにすれば達成できるかというところに自然公園法の運営のウエートを置いてかかっていただきたい、そうでなければとてもこの貴重な日本の財産は守ることはできないだろう、そういうふうに思うわけでございます。  林野庁としても、林道計画について自然保護の立場を今後十分注意してほしいと思いますが、今後林道をつくる場合に自然保護という立場をいかに貫いていくか、いままでのような考え方ではだめだと思います。ですから、この無許可林道の問題が起こったことを契機に、どのような対策を立てながらこの自然保護ということと林道の建設ということを両立させていくか、その具体的な方策あるいはその基本的な考え方をお聞かせ願いたいと思います。
  76. 藍原義邦

    ○藍原説明員 ただいま先生指摘のように、林野庁といたしましても、林道につきましては今後十分自然保護の観点から問題のないような林道の建設に当たるという気構えから、林道の設計に当たりましては、大型のものについては事前に路線の場所あるいは設計の内容等を調査し、それに基づいて開設に当たるということ、さらに工事に当たりましては、のり面の保護あるいは崩壊防止といういろいろな面から、工事実態についても十分その辺を配慮し、当然法律的その他自然環境のいろいろな、関係方面と協議しなければいけないものについては事前に十分協議をするという姿勢で対応し、関係方面に文書をもって連絡いたしております。
  77. 清水徳松

    清水委員 林道の件については、時間の関係でこの程度にしておきたいと思います。  住宅公団の方から来ておいでになりますか。——先日来私かこの委員会でいろいろ問題にしました川口の芝園団地、いわゆる万里の長城と言われる団地、これについて住民との話し合いがまだ不十分のようでありますが、その後どのような経過をたどっているか、簡単に御説明願いたいと思います。
  78. 上野誠朗

    上野参考人 川口芝園の住宅団地につきましては、現在問題になっております塚原、樋爪地区以外の地元の方々とは昨年の八月までに協定を結びまして、市議会の了承を得まして最終的に市と覚書を交換しまして、現在工事中でございますが、その後に塚原、樋爪地区の方々からいろいろ問題が出まして、数回説明会を開催してまいったところでございます。  現在は、五月九日に最終的な公団の対策を提示いたしまして、市の方ともよく相談をいたしまして、市を介しまして現在説明中でございます。公団といたしましては誠意をもってこの線で何とか御納得を得たい、こういうふうに考えております。
  79. 清水徳松

    清水委員 それはまとまる見通しありますか。簡単に……。
  80. 上野誠朗

    上野参考人 ぜひこの線でまとめるようにいたしたいと思って、一生懸命ただいま説明中でございます。
  81. 清水徳松

    清水委員 工事は進行しているわけですね、一方において。
  82. 上野誠朗

    上野参考人 現在工事は進行中でございます。
  83. 清水徳松

    清水委員 そうすると、一部の住民との話し合いが完了したということで、いわゆる他の一部の住民との話し合いが進行中の中で、まだまとまらない中で工事が進行しておるということは事実でございますが、このままの状態ですと、住民との話し合いがまとまらないままに、そのまま工事が完了してしまうというような事態になるということも予想されるんじゃありませんか。どうでしょう。
  84. 上野誠朗

    上野参考人 ただいま、早いところは鉄骨を建てる工事中でございますけれども、相当工事期間がございますので、この間にぜひともただいまの公団の提案の線で御了承を得たい、こういうふうに努力いたしたいと考えております。
  85. 清水徳松

    清水委員 川口の市長さんも八十過ぎた人なんですが、非常に心配しまして、また公団の南部総裁のところへ会いに来るそうです。どうしても、話し合いがないままに、まとまらないままに工事をこれ以上進めることはやめてもらいたい、そのことを非常に心配しまして来るそうですが、この市長の市を代表した意見というものに対しても耳をかさずに、今後とも予定どおり工事を進行するというつもりでしょうね。その点、お考えをお伺いしたいと思います。
  86. 上野誠朗

    上野参考人 この五月の九日に出しました公団の対策につきましても、あらかじめ市と十分相談いたしまして、市長さんにも説明をいたしまして、その後の説明会はすべて市を仲介といいますか、市に立会していただきまして、十分市と相談しながら進めておるところでございます。
  87. 清水徳松

    清水委員 市の方ではそれでは了解できないということで来るわけです。それからまた地域の住民も、私たちの接触するところ、公団の示したようなそういう条件では納得しないという方向というよりも、そういうふうに決めておるわけであります。  まあ私は個人的な考え方ですが、大体三階ぐらいあの線路に沿った方だけでも下げれば、住民はもうそこまでいけばまあ何とかがまんしようというような、そういう方向でございます。そうしたら、まあ住民の要望も入れられたというようなことで、住民協定も結びましょうといったような、そういう動きというものも観察されるわけであります。ところが、公団の方ではあれを削るというような動きというものは全然ないようです。市長さんも、せめて一階だけでも削ってくれないか、説得してみようというようなことを言っているようですが、公団はあれを削る——いまならば遅くないと思いますね。ですから、それを削る意思がないか、それぐらいの構造を改める意思がないか、お伺いをいたしたいと思います。
  88. 上野誠朗

    上野参考人 ただいま公団が出しております対策の中には、屋上にペントハウス——エレベーターあるいは高架水槽を置くそういうペントハウスがございますが、それを八メートルないし十メートル切る、こういうところまで考えておりまして、一階あるいは三階切る考えは現在ございません。
  89. 清水徳松

    清水委員 今度の建築基準法でも、日照だとか——まあ日照だけですが、そのほか風害だとか電波障害だとかいろいろあるわけです。今後建築する場合にはそういう問題を解決してから建築するようにということで、その一部を建築基準法改正の中に入れてあるわけですが、自治体等によっては、住民との合意ということを条件にしてそういったような問題を次々に解決をしていく、その上に立った建築基準法に基づく建築をやらせよう、こういうような行政指導をやっているわけなんですね、ですから、本来ならば川口の団地でも、いまこれから県の方へ出そうとするなら、いまのような一部の住民との協定だけでもって、ほかのちょうど樋爪、塚原ですか、この人たちの合意かなかったら、恐らく了解されることはなかったのじゃないかというようなことです。建築基準法でも遡及していろんな防災対策なんかやろうとしている状況ですからね。  ですから私は、大公団ですから、やはりこういったような現在の建築を進めるための条件を考えた場合、合意を得ないままに強引に工事が進行するあるいは完了するといったようなことは絶対にこれは避けなければならぬ。私は本当に、誤りては改むるにはばかるなかれという格言を言うわけじゃないけれども、絶対に強引な工事というものはやるべきじゃない、そういうふうに考えております。どうですか、三階ぐらい下げて、それで早急に住民の合意を得て工事を進捗させるというような考えはお持ちできませんかね。強引にやるつもりですか。
  90. 上野誠朗

    上野参考人 公団が現在出しておる案を十分説明いたしまして、ぜひともそういう線で御納得を得るように努力をいたしたい。ただ、説明もせずに強引にやるつもりはございませんが、十分説明をいたしまして御納得を得るように努力をいたしたい、こういうふうに考えております。
  91. 清水徳松

    清水委員 絶対住民との協定を必ずやる、やらないと少なくとも完成させるようなことはないというようなことをひとつここで約束してください。公団が住民との協定をちゃんとやらないままで工事を進行させることもないし、そして工事を完了することはないということをここで約束してください。そうでないと今後われわれは、本来なら公団に協力する立場にあるわけですが、こういう仕事のやり方については絶対に協力はできない。再三申し上げたとおりです。約束してください。
  92. 上野誠朗

    上野参考人 この川口芝園の場合は、一度は地元の市と十分相談をいたしまして、すべて問題が解決をしまして、市と最終的な覚書を交換して工事を始めたわけでございます。その後において問題が起こったわけでございますから、したがいまして私どもは、当初から問題があったというのとややケースが違うと考えておりますので、ぜひとも了承を……
  93. 清水徳松

    清水委員 それは当初から問題があったのじゃないというのは、違いますよ。あなた方がそれをやらなかったから、相手が知らなかったから問題にならなかったということですよ。一方の人とそういう交渉をしながら、反対側の人、東側の人とは全然交渉がなかったわけでしょう、あなた方は。それが今日起こってきた問題ですよ。だから、半分の人と協定をして、あとの半分と協定をしないままに仕事を続けるかどうかということを言っているので、協定をきちっとしてから仕事を続け、そして完了させるということを約束しろ。こういうことを言っているのですよ。するつもりですか、しないつもりですか。
  94. 上野誠朗

    上野参考人 そういうふうに努力をいたしたいと思います。
  95. 清水徳松

    清水委員 努力はするけれども、結果的に協定ができなくても全然責任はとらぬということですか。努力はするけれども、協定ができなくてもそれを建てるということですか。はっきり言ってください、時間がないですから。あとやめますから。あなたがお答えをしないと時間が経過するばかりで、ほかの人が迷惑しますから。
  96. 南部哲也

    南部参考人 芝園の問題につきましてかねがねいろいろ御心配いただきまして、私どもも川口芝園という、通勤としては職住接近の非常に理想的な場所であるということで、できるだけたくさんあそこには住宅を入れたいということで、当初二十五階から始まったわけでございます。ただいまそれを十階削ってというまでにはいろいろ経緯がございまして、すでに二年以上の……(清水委員「半分の人とやっていたのですよ」と呼ぶ)
  97. 天野光晴

    天野委員長 答弁中は発言を慎んでください。
  98. 南部哲也

    南部参考人 ですから、この問題につきましては、市当局、市長さんとよく相談をいたして、できるだけ住民の御納得を得るような線で努力していきたいと思っております。
  99. 清水徳松

    清水委員 最後に、時間がありませんので、公団の方にお願いしたいのですが、一つは川越と鶴ケ島の間にまたがったところに公団の予定がございます。それの計画はどういうような計画であって、どういうように進行しておるか、それからまた東坂戸でもいま工事が着工されておりますが、どういうような状況であるか、できるだけその計画の全貌をひとつお示し願いたいと思います。これは資料として私のところへ届けていただきたい。  それからもう一つ、いま公団のテラスの人が三坪の増築をぜひやらしてもらいたいということでいろいろ運動を続けております。二坪の小屋だけはいま許しておりますが、三坪を部屋の増築の形でやらしてもらいたい。これは非常にむずかしい問題であって、これはまた希望は全国的にあると思いますね。ですから、これに対してどのような対策を講じるつもりであるか、そして今後、これに対してもし対策があるならば、どういうような計画でおやりになるつもりであるか、それを後で文書でお答え願えれば幸いだと思います。  時間がありませんので、答弁はいただかないで、これでやめたいと思います。
  100. 天野光晴

    天野委員長 浦井洋君。
  101. 浦井洋

    ○浦井委員 まず最初に、新所沢団地のことをお聞きしたいと思います。  ここは、私も行ってきたわけなんですけれども、確かに居住環境としてはすばらしいというふうに私は思うわけなんです。ところが一たん住宅の中に入りますと、非常に狭い。特に昭和三十六年入居ということですから、子供さんがどんどん大きくなる、それからお年寄りが同居をしておられるような場合には、全く狭い。本が置いてあって、その本がずっと並んで、とにかく公団サイズですからね、だから六畳あるいは四畳半といっても、普通の概念よりもぐっと狭いということで、そこの公団の方々、団地の良治会が、ここに私持ってきておりますけれども「公団住宅テラス建増し実現要望書」ということで、何とか公団で一室建て増しをしてくれぬか、それがもしできなければ自費ででもやりたい、こういう要望を持っておられる。これは私、もっともだと思う。  そこで、まず公団にお伺いをしたいのですけれども、既設のテラス住宅やらそれから中層の住宅の建て増しについて、ひとつ公団としての基本的な考え方をお伺いしたい。
  102. 南部哲也

    南部参考人 テラスにつきましては、一つは立地条件がいろいろございまして、これらについて、各立地によって千差万別でございまして、一律にたとえばいま先生お話しの建て増しをするとかいうようなことがなかなか簡単に判断できないという問題がございます。したがいましてわれわれの方としては、このテラスを初めとして御指摘の古い住宅、十年、十五年、二十年たっておる住宅について、今後どういう対策でこれに処置するかということにつきましては、ただいま建設省ともいろいろ御相談中でございます。したがいまして、立地において、あるいはむしろこれはテラスの償還か終わった際に建てかえる——テラス住宅の償還が終わった際に、立地によってはもっと高層化して合理的に敷地を使うというような方向も考えられる場所もないわけではございません。  それから、いま先生お話しのように、ここでずっとやっていくという方々については、これは増築の可能性、将来の管理上の諸問題について支障がないということとか、あるいは現実の問題としては、まず増築をするとすれば一戸百万なり何なりの金がかかると思いますが、そうしますと、この予算をどうするかというような問題もございます。それから、その団地全体の方々が一致団結してといいますか、全員がこの増築に賛成であるかどうかというような、いろいろな問題がございます。  したがいまして、個々の団地についてどういうふうにやっていくかということをただいま慎重に検討中でございます。
  103. 浦井洋

    ○浦井委員 いろいろ質問しますから、一括して答えていただきたいと思います。  一つは、全国にいま言われたテラス住宅というのはどれくらいあるのか。総裁はごく一般的に言われたわけなんですが、私は具体的に新所沢団地のことを聞いているわけなんですが、そういうような場合に、テラス住宅について建て増し事業というものを建設省と相談しておると言われたのですが、公団としては一挙にやるつもりなのかどうか、これが第一点。  それから第二点は、中層の二DKあるいは三K、これは迫っているわけですね。だから、この建て増しをどういう形でやっていくのか。一般的、抽象的でなしに、具体的に答えてもらいたい。  それから三番目は、予算の関係とか、いろいろなことを言われたのですけれども、年内にテストケースとして実施をするつもりがあるのか。そういう場合に、その団地全体をやるのか、それとも規模をぐっと小さくして、新所沢団地の場合でしたら、六戸ないし十戸ぐらいが長屋風につながっているわけですから、その一つぐらいをテストとしてやるつもりなのかどうか、これが三点目。  それから、公団のいろいろな新聞記事などを見ますと、住民の方も六畳一間を増築してほしい、自分たちでやる場合にはこれくらいの見積もりなんだというようなことも考えておられるわけですが、公団がやるとすれば家賃は一体どれくらいアップするのか。  この四点について、ひとつ具体的に答えていただきたい。
  104. 南部哲也

    南部参考人 第一点の、全国でテラス住宅がどれぐらいあるか。約一万五千ほどございます。新所沢におきましては千五百戸ばかりのテラスがございます。  それから、中層の方をどういうふうに改造するつもりか。これは先ほど申しましたように、テラスよりも中層の改造という方が格段むずかしゅうございます。したがいまして、これについてどのような方途でやるかということは、建築基準法との関係、その他もありますし、目下検討中でございます。  それから、新所沢についてそれでは予算その他の関係で本年度試験的にやるかどうか、この点について目下建設省と打ち合わせ中でございます。  と申しますのは、先ほど申したように、予算的に増築予算というものがいまのところは全然見られてございません。したがいまして、先ほど申しましたようにどのぐらいの増築の規模でどのぐらいの単価でこれができるかというような問題の詰めも要りまして、それで何戸やるかというようなことが現在の資金事情からできるかどうかというような詰めがございます。そんな点がございますので、先ほどちょっと申しましたように、いろいろ古くなりまして、たとえば木製サッシ、いろいろなところも、どうせやるならばこの際ついでに直したいというようなことになりますと、やはり百万円ぐらいのものはかかるのではないか。百万円かかるとすると、それで家賃がどのぐらい上がるかということでございますが、大体九千円ぐらい上がろうと思います。そういった点につきましてもただいま検討中でございます。
  105. 浦井洋

    ○浦井委員 そうすると、ちょっと補充質問になりますけれども、テラスで早急に検討をして、その結果を見ながら建設省と相談をして中層にも手をつけていきたい、こういうことなのかどうか。  それから、六畳一間を増築して九千円ぐらい家賃が上がるだろう。新所沢の方たちの御意見を聞きますと、現在が、家賃だけで五千二百五十円ですか、それにアップする、こういうことで、事の善悪は別にして、やはり住民の納得を得られない、こういう点をどう打開されていくのか、その点をちょっと補充質問したい。
  106. 南部哲也

    南部参考人 中層については、先ほど申しましたように、これは非常にたくさんあるわけでございまして、増築の方針としては、実際には実行上はテラスの方がやりやすい、増築するとすれば。そういうことで、現在まずテラスについて考えるとすればやっていくということでございます。  それから家賃の問題は、これはそういう点がございますから、具体的に各団地の方々と十分に話し合いをしていかなければいけない、このように考えております。と申しますのは、御承知のようにそういう家賃では増築はしてもらいたくないという方々も出てきましょうし、いろいろ各現在住んでいる方々の御意見も十分に反映した上でなければこれはできないことでございますので、そこら辺の点もありますので、具体の問題になりますと、十分に話し合いを詰めてからでなければなかなか実行はできないということになろうと思います。
  107. 浦井洋

    ○浦井委員 建設省と公団とが話し合いを十分するのでなしに、やはりそこに現に住んでおられる方と十分な話し合いをしなければ物事は進まぬだろう。それがいままで公団に一貫して欠けておる姿勢なんで、指摘しておきたいと思います。  全体として話を聞いておりますと、非常に迂遠な感じがする。ところが現地の方々に行って話を聞いてみると、とにかく早くやってほしい。全国的に一挙にやるとかいうようなことになると、金も時間もかかる、なかなか話が進まぬというような点でいろいろ新聞に報道され、テレビにも出ている。住民の方々は非常にそういう意味では意識高揚と言いますか、高揚されているわけですね。だから、どうしても早くやって上げるべきだというふうに私は思うわけです。  そこで、一つの提案なんですけれども、たとえば住民の方がいまも見積もりもつくって、そして業者も選定するというような段階に来ているわけですから、公団の方が一定の基準を設けてみて、そして政府の方も民間自力建設主義というふうに言われているわけですから、そこに住んでおられる方が自力で建てるというようなことを一定の基準を決めて認めるというようなやり方というのは、これはもう絶対にあかんものですか。その点をちょっと総裁に聞いておきたいと思う。
  108. 南部哲也

    南部参考人 従来増築については一定の公団なりの規定がございまして、これは管理上あるいは建築基準法上いろいろ問題がございますから、公団の許可した範囲でなければこれは認めないということで、御指摘のようにパーゴラであるとか物置きであるとかいうものについてのみ認可をしてきているわけでございます。したがいまして、私どもの方でこれを実施するとすれば、やはり公団の手で実施したい。皆さん方一応の基準でと、見積もりをとってということをおっしゃっておりますけれども、これはやはりばらばらになりますし、そこを退去する場合には、今度は公団側にそれの買い取り請求権、これも発生いたします。いろいろ問題がございます。したがいまして、やるとすれば公団側でやった方が、これは実際には入居者の方々が、ばらばらとは言いませんけれども、ある程度一棟ごとにまとまってということでございましょうけれども、現在のところ認めるわけにいかない、こういう方針でございます。
  109. 浦井洋

    ○浦井委員 認めない、それでぐずぐずしておるというようなことではぐあいが悪い。やはりここでもこういう話が出たわけですから、公団は早速詰めるべきところは詰めて、早く住民の要望にこたえるべきだということを要望しておきたいと思います。  そこで、それに関連して住宅局長にお伺いしたいのですが、公的住宅という点では、いま公団からこんな話が出た。公営住宅の問題ですね。公営住宅についても事情は同じようなことが言えると思う。だから、中層であるとかあるいは公営の平家、こういうものについて建設省として建て増しの方針はあるのかないのか、この点を聞いておきたい。
  110. 山岡一男

    山岡政府委員 ずいぶん古くつくりました公営住宅の中には、住宅建設五カ年計画で定めておる基準を下回るものが生じております。したがいまして、そういうものについては水準アップを図る必要があるということで五十年度から増築予算を計上いたしております。
  111. 浦井洋

    ○浦井委員 時間が二十五分までということなんで、これはひとつ公団に負けずに早急に検討を進めていただきたい、このように思う。  それで大臣にお伺いしたいのですが、ことしの七月に住宅宅地審議会の本答申が出る、そういう予定なんですね。そこで、そこでは当然、住宅の居住水準であるとか、あるいは家賃問題、こういうようなところがポイントになっておるはずだというふうに伝えられておるわけですが、それに基づいて、数日前の新聞でも出ておったように、住宅基本法というような案があるそうなんですが、ひとつその辺について大臣の見解を聞きたいと思います。
  112. 仮谷忠男

    ○仮谷国務大臣 住宅宅地審議会がずっと審議を進めております。その中間報告と申しますか、住宅基本法についての厳しい要請があっております。私どももいずれにしても五十一年度から第三期住宅計画を立てなければならぬ、そういう状態でありますから、基本的に住宅に対する方針を決めるべき時期に来ておると思います。  ただ、これはまだ中間の報告でありまして、恐らく七月中には本答申があると思います。それに基づいて、住宅基本法を制定すべしという答申が出てくれば、それに従って私どもは進めていかなければならぬと思っておりますし、それだけの準備をする必要もある、かように思っております。  それから、さきにお話のありました家賃の問題とか居住水準の問題とか、これは原価主義でいっている関係で家賃にも限界があるということ、支払い者にも限界があるということ、それから居住水準も量でなしに質の向上を図れという国民の強い要望もありますから、そういったものも含めて当然検討しなければならぬし、現在検討いたしておりますが、これまた答申もはっきり出てくると思いますから、その答申を十分に尊重しながら、ぜひ実現するように努力をいたしてまいりたいと思っております。
  113. 浦井洋

    ○浦井委員 その場合に、たとえば仮称住宅基本法というようなかっこうで出てくるわけですか。その点をちょっと追加して聞いておきたいと思います。  住宅局長答弁に出て来られるのだったら、ついでに聞いておきたいと思います。その場合に、その点を答えていただいて、それからさっき大臣がちょっと言われたのですが、住宅水準は大体どの程度のものを考えておられるのか、これのアウトライン。それからいまも大臣が言われたのですが、応能家賃制度、一体これを取り入れるのかどうかという問題。応能家賃制度というものは公的住宅、公営、公団あるいはその他の公的住宅に限るのか、それとも民間の賃貸住宅にも適用していくのかという問題。こういう点について一緒にひとつ住宅局長からお答え願いたいと思います。
  114. 山岡一男

    山岡政府委員 中間の報告によりますと、住宅基本法、もちろん仮称でございますが、というかっこうで、全般の住宅政策の理念の統一と明確化、それから国、地方公共団体、企業、個人の責任の明確化及びそれらが果たす役割りの体系的、整合的位置づけ、適正な居住水準及び住居費負担の程度、住宅供給計画の策定、住宅に関する諸統計の整備等を内容とするようなものとして、そういうような問題を検討すべきであるという中間の御報告が出ております。実はきょうもその基本問題の委員会を開いておりまして鋭意詰めております。そういうことの結果、内容的にはもう少しまとまったものが出ると思いますけれども、その結果を踏まえて検討させていただきたいと思っておる次第でございます。  その中に出ております適正な居住水準につきましても、別途研究会をつくりまして現在鋭意検討中でございまして、これも本答申のときに時期を合わせまして御報告があるということになっております。したがいまして、この場で直ちにこういうものだということを申し上げられないのが実情でございます。  それから、応能家賃につきましても、数回にわたりまして小委員会で検討されております。それでいろいろな問題が出ております。実施につきましては相当な問題がございますので、直ちに来年からというようなことではどうもむずかしいぞというのが最近の雰囲気でございます。いろいろな勉強もしっかりして、第三期の五カ年の間には必ずひとつ実現するような方向で検討しようじゃないか。恐らくきょうもそういうことにつきましての議論をされていると思います。それらの点を含めまして最終的に決まるわけでございますが、中間の御報告がございましたときには、まず公的なものから始めて良好な民間にも及ぼすべきだという提言が中間の報告には入っております。
  115. 浦井洋

    ○浦井委員 いま検討されているようなんですが、これはいろいろわれわれも考えなければならぬ。  そこで、要望しておきたいのですが、やはり応能家賃制度というのがすでに相当問題になってきておるわけなんです。大臣は私に二度ばかりPRをされたわけなんですが、これは下手すると、いまのこの新所沢団地にも関係があるのですが、古い家賃の公的、公団、公営住宅の家賃値上げにつながる危険性がある。そういう点で、これは相当いまもすでに反対が強いし、問題がこじれると複雑になると思う。だから大臣に要望しておきたいのですが、もうすでにそういうふうに具体的に検討されているのならば、たとえば三大都市圏の自治体の代表であるとか、あるいはいろんな住宅方面の学者であるとか、あるいは住宅に関していろんな運動をやっておられる団体、その代表であるとか、そういう人たちの意見を早く聞いて、そういう人たちの意見を入れて問題を詰めていくべきではないか、このように思うわけなんですが、これを要望しておきたいと思う。ひとつ局長なり大臣なり、どちらでもいいですから、御意見を承ってこの問題を終わりにしたいと思います。
  116. 山岡一男

    山岡政府委員 現在まだ基本問題の小委員会の段階でございまして、その後、部会、総会となるわけでございますが、総会の場合には各方面の代表の方全部入っていらっしゃいますので、一応それでいいかと思いますけれども先生おっしゃいますように非常に大きな問題でございますので、本当の成案を得るまでには十分に多方面の意見を聞きたいと思っております。審議会の答申までの間にいろんな御意見を入れるということについては、いまここで私どうも申し上げられない段階でございます。審議会が決めることだと思っております。
  117. 浦井洋

    ○浦井委員 大臣……。
  118. 仮谷忠男

    ○仮谷国務大臣 大体局長からお話が出たようですが、応能家賃制度というのは、やはりヨーロッパのいろいろな例もありますから、私どもも真剣に考えなければいかぬ問題でありますが、新しい入居者だけが応能家賃制度で、古い人はそのままでいいのかという問題は必ず議論として出てくるわけですよ。それは公正を欠くわけです。浦井さん、いろいろ御意見もありましょうけれども、二十年前に取った家賃の百円や二百円で入っている人なんか、これは率直に言って応能家賃じゃないのですから、そういう問題を公正に判断せなければいかぬ。それかといって必ずしもいまやろうと考えておりません。いま審議会の方でいろいろ検討されておりますから、せっかくお願いをして、審議会で検討しておる途中でわれわれがあれこれとまだ意見を述べる段階ではないと思いますから、いま局長から話がありましたように、審議会の答申も出てくれば、いざそういう問題を実施しようということになれば非常にむずかしい問題もありますが、おっしゃるように各方面の意見も十分に聞いて相談をして決定していくようにしていきたい。これはおっしゃるとおりにいたします。
  119. 浦井洋

    ○浦井委員 われわれもその問題についてはひとつ十分な論議をしていきたいというふうに思うので、きょうはそれぐらいにしておきたいと思うのです。  それで、住宅問題はそれで終わりまして、上水道の問題、これは建設省直接ではないのですけれども、建設省、水という点では関係があるのでお聞きしたいと思いますが、これはどことも上水道赤字であるわけなんです。私に関係のあるところでは阪神水道企業団、阪水、阪水と言っておるやつですね、これがことしの二月に分賦金八〇%の値上げを提案してきた。トン当たり十六円八十五銭から三十円三十四銭になる。これで神戸市は水道料金を二倍に引き上げなければならぬということで、いま市会筋でも大騒ぎをしておるわけなんです。何で上がるのかという問題なんですが、私はやはりいまの政府のとってきておった高度成長政策、こういうことからどんどんと産業や人口が都市に集中をする、そうすると上水道を設置しなければならぬ、水資源も開発をしなければならぬというようなことで、水需要の伸びが起こってきたわけなんです。ところが一方、この現在の水道法あるいは公営企業法では、特に公営企業法は独立採算制を原則にしておりますから、国庫補助の制度がない。だから、全部資金は利子のつく起債で賄う。その元利償還が水道原価の中に相当部分を占めるというようなことで、こういうことが起こっておるわけなんです。だから私も、簡単に要望したいわけなんですが、やはりこの際各方面から意見が出ております水道法なりあるいは公営企業法なりを改正をして、そしてもっと大幅に、いまもごく一部分あるようですけれども、国庫補助制度を導入すべきではないか、こういうことを私は提案をしたいと思うわけです。そういうふうに言うと、いまもうありますからということなんですけれども、その内容を見てみると、ダム、水資源開発に三分の一というだけであって、これは非常に少ないわけです。これはもっと上げなければならぬ。  阪水の場合で言えば、この委員会でも問題になりました琵琶湖総合開発、これの下流負担分が十四億以上になる。そして水道料金原価の十数%になっておる。こういう点で、もっと水資源の開発、ダム建設に大幅な国庫補助を導入するべきではないかということが二つ目です。  それから三番目は、広域的な事業にも補助制度があるのだということなんですが、これは新規の場合に限られておるということで、阪水の場合には補助対象にもなっておらない。ところがどんどん事業は拡張していかなければならぬ。拡張するのは新規と同じなんですから、当然これは補助対象の中に入れて十分な手当てを国としてすべきではないかというふうに私は思うわけなんですが、ひとつ厚生省の意見を聞いておきたいと思います。
  120. 国川建二

    ○国川説明員 お答えいたします。  お話の水道事業に対します国の助成の問題でございますが、お話の中にもございましたように、一応たてまえといたしまして、公営企業法のたてまえもございまして、独立採算制に基づくのが原則とされているわけでございます。しかしながら、最近の水需要の増大といったことに伴いまして、非常にコストを押し上げる要因となっておりますのは、これは明らかに水源問題であり、水資源の開発事業であるという点から、私どもといたしましても、御承知のように四十二年度から補助制度をとっているわけでございます。毎年予算も大幅に増額いたしまして、本年度におきましても全国の上水道では約三百億近く、対前年度一三三%という形で予算措置を行ってまいっているわけでございます。御指摘のようになお不十分ではないかというお話もございますかもしれませんが、このような形で今後とも一層その強化には努めでまいりたいと思います。  なお、その具体的な個々の事業につきましては、私どももそれぞれのケースにおきまして十分検討してまいりたいと思いますが、阪神水道企業団、従来、戦前から行われておりました事業で、現在もつい最近まて拡張事業——拡張事業と申しますか、構成する四団体の事業が行われてきているわけでございます。地元からもそういう御要望もございますが、現在の国の助成の考え方といった点から申しますと、広域的な事業を特に推進したいという観点からいきまして、若干の検討を要する問題があろうかと思います。しかし、今後とも私どもとしては慎重に検討いたしたいと思います。
  121. 浦井洋

    ○浦井委員 まあそういう答えだろうと思っていたのですが、時間がないのでひとつ建設大臣に、水道は所管外だということなんですが、やはり水問題でもあるし、三木内閣全体としての閣僚の一員としての責任もありますので、御意見をお伺いしたいと思うのです。  ここに四十八年十月三十日に出た「水道の未来像とそのアプローチ方策について」、生活環境審議会から厚生大臣へのこれは答申書なんですが、この中を見ますと、こういうふうにあるのです。「水道財政のあり方」として「国民の大半が都市生活者または都市生活者に近い生活様式をとるようになり、水道が生活にとって不可欠なものとの考えが次第に定着してきたことに伴い、水道事業は特定人に対するサービス給付の思想から国民生活において最重要な基幹施設のひとつとして評価されるようになってきた。」ここが大事なところなんですね。だから、やはり水道財政の考え方を変えなければいかぬと思うのです、いままでのあり方を。それからさらに言いますと、「水道用水に対する需要の著しい増大により遠隔地に水源を求めざるを得なくなったため、必然的に拡張事業費が急激に割高となっており、新施設の生産原価は旧施設の数倍にも達している。しかし、現行制度のもとでは、大部分を借入金によってまかなうほかなく、その元利償還のため料金を急激に上昇させざるをえない。水道料金の急激な上昇は水道が生活に不可欠の施設である点からみて避けるべきであり、わが国の健全な社会発展、国民生活の安定のため水道の建設財源について特段の配慮が払われるべきである。」こういうふうに審議会の答申にはっきり書いてあるわけなんですが、それがなかなか具体化しない。  そこで大臣に、これは所管外ではありますけれども、水道事業に対する考え方をやはりこの際三木内閣の閣僚の一員として抜本的に再検討するようなことを要望したいと思うのが一つ。  それから、これは自治体なんかからも具体的に要望が出ておるわけなんですが、当面の問題としては、先ほども私言いましたように、補助率が非常に低いわけなんです。これを引き上げなければいかぬ。それから、補助対象も新規事業でなければ対象にならぬ、だから補助対象ももっと広げなければいかぬ、こういう点。それから起債ですね、これも非常に利率の高いのが入ってるわけですから、こういう点。それから償還期限。こういう問題も十分にこの自治体の意見を吸い上げて改善をすべきではないかというふうに私思うわけなんですが、この点について大臣にお伺いしたい。
  122. 仮谷忠男

    ○仮谷国務大臣 所管が違いますから一般論としてひとつ御理解願いたいと思うのですが、水の問題がもう国民生活から切り離すことのできない重要な問題であること、特に大都市における水の需要は非常に厳しくなってきておる、そういったものを考えてみますと、これに対してはこのままの状態ではいけないということは、これは常識的に一致する意見だと思います。たとえば私ども団地をつくっても、一番最初、水とは人だと言われるくらいに重要な問題でありますから、私の方の建設省の所管としては、まず水源を確保すること、これに対して最大限の努力をし、高率の補助を適用して、できるだけ安い水をつくるということが、これが私どもの所管でありまして、全力を挙げて努力をしなければならぬと思います。  それから、地方自治体にはできる限りそういった水の需要に対して施設をするための費用負担軽減をすることは当然のことでありまして、これはそれかといって自治体の言うとおりにすべてオーケーでいけるかどうかは財政の問題ですからともかくといたしまして、負担の軽減をして、できるだけ水の需要の国民の要望にこたえるということはこれまた当然の時代の要請であり、解決をつけることは政治の課題である、こういうふうに私は考えております。  直接のお答えになったかどうか知りませんけれども一般論として御理解をいただきたいと思います。
  123. 浦井洋

    ○浦井委員 一般論であるから当然不満なんですが、時間もないことですし、それぐらいにしておきます。  委員長にお願いしたいんですが、梅雨を控えて都市防災の問題でお伺いをしたかったんですが、二十五分ということなんで、一応保留してきょうはここで一たん終わりますので、よろしくお願いしたいと思います。
  124. 天野光晴

    天野委員長 新井彬之君。
  125. 新井彬之

    ○新井委員 初めに、先日第三次の不況対策として政府が発表されましたが、その八項目の対策の中で「住宅建設の促進について」ということがあるわけです。この件について、どういうねらいなのか、初めにお聞きしたいと思います。
  126. 山岡一男

    山岡政府委員 第三次不況対策におきましては、住宅建設の促進を図るため、住宅金融公庫の貸付契約枠の拡充及び民間住宅融資の実行に対する配慮が中身になっております。その内訳といたしましては、住宅金融公庫につきましては、五十年度個人住宅貸付契約枠、千七百四十六億円ばかりになりますが、約五万戸相当分を下期から上期に繰り上げて実施をするということがその内容の一つでございます。それからもう一点は、民間住宅融資につきまして関係方面が力を合わせまして枠をふやし、ローン金利の引き下げ等について努力をするということでございます。
  127. 新井彬之

    ○新井委員 いままでの融資におきましても、やられることは住宅金融公庫の枠の拡大ということが大体唯一の政策みたいになっておるわけですが、これについては確かに申し込みがたくさんありますから、そういうことについて住宅建設を進めるということも大事なことだとは思います。しかしながら、結局不況対策とこの住宅問題の解決ということについては、やはり住宅に困っている方々に対してより一層推進をするような形でやるべきであるということを私は考えるわけでございます。したがって、今回のこの住宅金融公庫の枠の拡大だけであれば確かにそういう業者は潤うかもわかりません。あるいはまた土地を持っておって所得の比較的高い方についてはそれで住宅問題は解決されるとは思いますけれども、一つの東京都の例を見ましても、四十九年度で都営住宅については一万戸の計画で着工できたのは千二百十一戸である、それから五十年度も八千戸しか計画がされていないし、今後これがどのような状況でできるかということですけれども、東京都では三百五十六万六千三百世帯のうちで、民間借家が最も多くて四三・六%、それから持ち家が三八・六%で、公営とか公団、公社は九・六%しかないというデータが出ているわけでございます。これに対して、大都市では公共の賃貸住宅が主力であるということにならなければ仕方がないというような現状だとは思いますが、公共の住宅が九・六%ということについては、これは非常に少ない。都の住宅審議会におきましても、一応のめどというのは三〇%まで持っていかなければならない、こういうように言われているわけでございますけれども、こういう不況の中にあっても、やはりそういう都営住宅とか公営住宅というものを重視をするということが大事ではないか、こう思うのですけれども、そういう件についていかがですか。
  128. 山岡一男

    山岡政府委員 先生のおっしゃるとおりだと思います。国の住宅対策が持ち家需要に対する公庫の融資拡充だけで尽きるものではないという点は全く同感でございます。公営とか公団住宅の公的機関による住宅建設も大いに推進すべきだというのがわれわれの考え方でございますが、公営、公団住宅等の本年度におきます実施状況を見ますと、各事業主体におきましていろいろな制約の中で鋭意建設に努めてはおりますけれども、年間事業量の予定したものの消化が当面の急務であるというのが現状でございまして、直ちに事業量を追加し得るような状態になっていないというのが、まことに残念でございますが、実情でございます。     〔委員長退席、内海(英)委員長代理着席〕  住宅金融公庫個人住宅融資につきましては、御案内のとおり、国民の皆さんの需要がきわめて強い。さらに個人住宅融資の枠の拡充及び繰り上げ実施は景気対策としては非常に効果が高い、二・一八倍という波及効果を見込んでおります。しかも早期に波及するし、全国的な規模で効果を上げ得るという点に着目いたしまして、今回は当面の対策として住宅金融公庫個人住宅融資の拡充に重点を置いたということでございます。
  129. 新井彬之

    ○新井委員 住宅金融公庫の場合については、五・五%の利子でございますし、ほかの八%で借り入れた財投資金については利子補給等をしているというような、いろいろな面でそういう推進を図っているわけですけれども、現在、公共住宅の建たない原因というのが、一つは用地高騰による入手難と、それから二番目が建築費の暴騰、あるいはまた三番目が自治体の反対、四番目が日照権紛争による住民の反対、こういろいろあるわけですけれども、こういう問題を見ていきますときに、一番の用地高騰による入手難であるとか、建築費の暴騰というような問題については、いま一時おさまっているのではないかと思うのですけれども、そういうことで、極力そういう方向についての不況対策についてもそういう方向で解決をしていただきたい、このように要望しておくわけでございます。  それから、さっきもちょっと話が出ましたけれども、公団の増改築でございますが、これは前の委員会でも、現在の公団というのは非常に狭い、大体二DKが四〇%強、それから三Kが三〇%といことで、非常に狭くてなかなか住めるような基準ではないと思います。そういうことで、実際子供さんが大きくなると、その近くのアパートを借りて、そこから学校に通うとかいうことをやっておるわけでして、そっちの方が家賃が高いとかいうようないろいろな問題というものがいままでにもあったわけですけれども、これが増築であるとかあるいは改造であるとか、改築というようなことになってくることは当然でございまして、今回、所沢市のさっきも問題に出ましたようなことで、公団としてはテラスハウスについては全面的に検討するということでございますが、基本的に今後の五カ年計画において、住宅を建てる場合においての基準ですね、これをやはりきちっとしておかないと、同じような問題というのが当然出てくるのではないか。  それからもう一つは、今回の基準が出てきたときには、いままでの見直しというものをやって、当然増改築というものについても見ていかなければならない、こういうことがあると思います。これはさっき質疑がございましたので、こっちとしてもそういう要望をしておきたい、このように思うわけでございます。  次に、道路の問題でございますけれども、いままで主要地方道が国道に昇格された。そういうことでは、国道になれば、いろいろのことで非常に手当てが行き届くだろうということで期待をされているわけでございます。  その中で、これは赤穂から佐用に行っている国道三百七十三号線でございますけれども、ここに建武橋という橋がかかっているわけでございます。ところが、この建武橋のかかっているところについては、幅員が五・五メートルから六メートルしかなくて非常に狭い。しかし、そこは前に主要地方道であったために、通学とかあるいはまた通勤、そういう方々がたくさんいて、いつも危険な状態にさらされているということが一つあるわけです。  それからもう一つは、この建武橋の、かかっている橋が非常に低くかかっているために、去年の八号台風のときにもその低い橋に材木がたくさんかかりまして、結局それが防波堤みたいになって、水が非常にあふれてくる。あるいはまたこの道路自体がその下にかかっておりますくまみ橋というのがあるわけですけれども、そこが非常に高いところにあるし、橋げたも高いわけです。しかしその上流に行ったところは非常に坂になって下っておりまして、一帯が水につかってしまう。これは台風とかそういうときでなくても水につかるために、国道でありながら通過ができないということがあります。したがいまして、去年のこの八号台風でもそこを通って奥の部落に救援活動に行こうとしても全然行けないので、そこが孤立されたような状態になっている。こういうようなことで、前々から住民の方々大体千二百世帯くらいの方が、いつも浸水したりあるいはまた不安に思っているわけでございますけれども、こういう問題については町とかあるいはまた県とか国ということでいろいろ話し合いがあると思いますけれども、この話も当然町とか県からもう来ていると思いますけれども、こういうことについては建設省ではいかがお考えになっておりますか。
  130. 井上孝

    井上(孝)政府委員 三百七十三号国道の建武橋につきましては、御指摘のようにこの橋は昭和十七年に架設されまして、延長九十メーター、幅が六メーターくらいという鉄筋コンクリートの橋、で、非常に古くなっております。特に御指摘のように、昨年の台風八号のとき流水の疎通に支障を与えたということ、それから高水時に交通不能になったというような事例が報告されました。したがいまして、地元の方から早くこの橋をかけかえてもらいたいという御陳情も受けております。     〔内海(英)委員長代理退席、委員長着席〕 現在このかけかえが必要というふうに考えておりますが、御指摘のように鞍居川の改修計画に合わせてこの橋をかけなければなりません。河川改修計画の検討結果を待って早急に具体的なかけかえの事業を決定したいというふうに思っております。なお、現状の狭い幅もかけかえに際して広げるという計画を持っております。
  131. 新井彬之

    ○新井委員 道路を高くしていただくようなこと、あるいはまたいまお話がありましたように、取り合い道路とかそういうことと一体的にやらないとできないと思いますけれども、早急にそういうことについては検討していただきたいと思います  それから次に、国道二号線が非常に渋滞をするわけです。われわれ車に乗りましても、一時間とかあるいは長いときでは二時間ぐらい渋滞している場合というのが多々あるわけでございますけれども、そのときに、姫路あるいは上郡の方に行く場合に、唯一の主要道というのが姫路−上郡線というのがあるわけです。ここの道路も非常に狭くて通りにくいところですけれども、特に山野里大橋という、これは木の橋でございますけれども、被損が非常にひどくて、改修しなければいけないと通るたびに思うのですけれども、こういうのも早急に解決をしておかなければならないと思うわけですけれども、いかがですか。
  132. 井上孝

    井上(孝)政府委員 御指摘の山野里大橋は、主要地方道でありながら現況まだ木橋でございます。かけかえる必要があると思いますが、御承知のように上郡町内を通っております姫路−上郡線そのものが、橋梁だけではございません、そのものが非常に幅が狭いし、線形も屈曲が多くて通りにくいという道路でございますので、現在市街地を迂回するようなバイパスのようなルート、そういったものを含めて改良計画を検討中でございまして、その一環として山野里大橋のかけかえも計画する予定でございます。
  133. 新井彬之

    ○新井委員 姫路バイパスはことしじゅうに開通をするということですが、それが青山から抜けてまた第二国道へ戻ってくるわけです。そうしますと、それからの二国西行きが非常に混雑するだろう。その場合に、太子バイパスだとかそういうものをきちっと予定に入れるなり、あるいはそういうことができない場合においては、いま言った姫路−上郡線とかそういう線の整備を早急にやらないと非常な混雑になるではないか、こういうぐあいに思うわけです。  それから中国縦貫道につきましては、山崎まで現在開通しているわけですけれども、それに伴いまして、姫路の臨海工業地帯それから中国縦貫道路を結ぶそういうような道路というのが、いままでよりも非常に交通混雑するのではないか、いろいろなデータでは約二万台くらい通るのではないかということがあるのですけれども、その通る道路が山崎−新宮線というこれも地方主要道でございますけれども、幅員が六メートルぐらいしかないということで、いままで地元の各町村の方々が全部集まりまして、これでは環境破壊にもつながるしどうしようもないということで、いろいろと協議会を設けまして今後のこの中国縦貫道路に対してどのようなことをやるかということで検討しているわけでございます。そういうことで、県の方としても基本的な計画を持っておるようでございますけれども、そういう問題については建設省ではいかがお考えになっておりますか。
  134. 井上孝

    井上(孝)政府委員 中国縦貫道の山崎インターから南の方へ抜ける主要地方道の山崎−新宮線、御指摘のように幅員六メートルではございますが、全線二車線に改良舗装済みでございますので、現在のところこれの具体的な二次改築計画というのは確定をいたしておりません。しかしながら、この道路が新宮町で国道百七十九号線と合流する付近が非常に渋滞がはなはだしいということで、この部分につきましては二次改築の計画を現在立てておる段階でございまして、文化財その他いろいろとルートに関係する事案について検討中でございます。
  135. 新井彬之

    ○新井委員 あといろいろと道路の欠陥個所というのがたくさんあるわけですが、各市町村におきましては、道路の欠陥のために交通事故に遭うとか、そういう場合においては国家賠償法においてやられるわけでございます。したがって、保険に掛けてそういうことがあっても地方財政あるいは市財政がつぶれないようにということをいまやっているようでございますが、いままでにも飛騨川事故とかそういうのは特殊な事故といたしましても、いろいろと欠陥のあるために事故等が起こっておる個所というのが何万カ所にも上っておるということになっております。したがいまして、そういうような問題につきましてもひとつよく検討して今後やっていただきたい、このように要望いたしておきます。  それからもう一つ、河川の件でお伺いしておきたいわけでございますが、去年八号台風とかあるいはまた集中豪雨によりまして非常に災害がたくさん出ているわけです。ことしもいよいよそういう時期に来たわけですけれども、応急復旧、応急工事は一応できておると思いますけれども、それらに対して、今後また台風が来たときに大丈夫かどうか、その進みぐあいというのはどのようになっておるのか、お伺いしたいと思います。
  136. 増岡康治

    ○増岡政府委員 お答えいたします。  いま地元から非常に強い要望が出たものが三点ございます。これは安室川の改修でございまして、いま先生おっしゃいましたように上流は大災害を受けまして、これは災害助成関連も含めまして三年ないし四年で仕上げるという計画で来ておりますけれども、その下流の問題でございます。二級河川の千種川の支川に安室川という川がございますが、この間緊急を要します区間の上郡町の竹万から西方寺の三キロの間を改良しようということで、五十年度から局部改良事業として取り上げました。本年度は、主として河床の掘削を実施いたしますけれども、五十一年からさらに事業の促進を図っていこうということにしております。  それから二番目に、やはり砂防関係で問題になりました新垣内川というのがございまして、これは流路工と砂防ダムがございますが、最初の新垣内の砂防ダムにつきましては、昭和五十年度に完成いたします。それからその下流の流路工が一キロ余りございますけれども、これも砂防事業と災害復旧事業と合併いたしまして、五十一年度に残事業を全部完成する予定でございます。  もう一つの問題は、地元の方から上流に治水ダムをつくったらどうかという御要望がございますけれども、これにつきましてもいろいろと県と相談いたしまして、現在県にいろいろ調査を命じております。その調査結果を待ちまして、本省としても判断したいと思っておる次第でございます。
  137. 新井彬之

    ○新井委員 確かに災害で非常にやられた地域もたくさんございまして、そういう地域については、また同じような状態どころか、やはりきちっとしておかないと、前よりも少ない雨量でまたやられるということで心配をしておるわけでございます。そういうことで、そういうことについても、これは全国的にいろいろございますけれども、そういうところをよく目を通してやっていただきたいと思います。終わります。
  138. 天野光晴

    天野委員長 次回は、来る二十七日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時四十七分散会