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渡辺(武)
委員 実はいま、新しい布設
下水道にいたしましても大変反対運動が盛んなんですね。そういう
現状を見るときに、既設の古い
下水道がそのまま放置をされておることによっていまのようなテレビニュース等も流されてしまう。そうしますと、
住民はよくわかりませんから、その
下水道がいつできて、能力以上に汚水が流れ込んでおるんだとかいうことは一切報道してないわけですから、ただあらわれている現象だけで、実際の排水口からは
下水道法に定められた排出基準以上の汚染された水が流れておるとか、付近に悪臭が漂っておるとか、それを市当局は大変困ってしまっておるとか、そういう形の流し方というものは大変誤解を生んでしまって、新しい
処理場施設そのものをもできなくしてしまうおそれがある。こういうことですから、そういう問題を現に起こしつつあるような施設は、
相当強力に指導をして一日も早い改善施設をやらないと、悪いところは大変なんだ、いやあそこを見に行ったらばよくわかるから行ってらっしゃいというようなことになりますと、これは反対をするためのよりよき見本を残しておくようなもので、大変な問題ではないかと私は思うのです。そういう
意味では、もっと別な
意味でそういう面に対する行政指導なり強力な改善措置をとる必要があるのではないか、こう考えますので、実は何カ所ぐらいそういうところがあるのか、把握しておられるかどうか、こういうことをお尋ねしたわけでございます。現実にゆうべもそういう報道がされておったわけですから、大変大切なことではないであろうか。
一方また、特定な学者グループがいろいろ発表いたしております中では、これも故意か偶然か知りませんが、現在の
下水道布設工事そのものをも抑制をさせるような発表がなされてしまう。一例を挙げますれば、
公共下水道と「公共」という名前がついておるんだから、公共とは人間の生活を守るということに通ずるんだ、したがって生活汚水を入れるたけであって他のものは一切入れてはいかぬのだ、それが
公共下水道なんだ、こういう宣伝もなされてしまっておる。
下水道法を見れば決してそうは書いてありませんし、
下水道法による
公共下水道とは何か、あるいは下水とは何をいうのかということは明確に記されておるんだけれ
ども、そんなことはそっちのけで勝手な解釈が公表され、こうあるべきだと流されてしまっておる。そうしますと
住民国民側で見れば、こんな細かい
法律は御存じないわけですから、なるほどそうか、でたらめなことをやっておる、実はこういうふうに通じていってしまうわけでございます。
そういう
意味で、そういう誤解を招くような報道なり発表なりに対しては、それらに対応する処置というものを何かもう少し考えなければいけないのではないか、私は実はこう考えるわけでございます。
建設省自身としては、むしろそれらに対応していけば火に油を注いだようなもので、彼らは得たりや応とまた反応してきて、逆に宣伝をされてしまうというようなおそれもお持ちのようでございますけれ
ども、黙っておれば黙っておるほど、これはまた大変なことになっていくんではないか。現に私の地区でもそういう傾向があらわれておるわけでございます。
だからといって、ではそういう人たちは依然としてたれ流しをしろと言うのかということになりますと、そうではないのですね。やはり
下水道をつくらなければいかぬ。つくらなければいかぬのだけれ
ども、
現状こういう悪いところがあって、つくるのに反対だ、こうなってきまして、非常に矛盾が生じておるのです。つくるのが反対ならば、たれ流しをさせておけということなのか、こう反論をいたしますと、いや、そうではないのだ、やはりつくらなければいかぬのだけれ
ども、
現状ではこういう
技術的な未熟さがあって、いまつくることには反対だ、こういうことになっていってしまう。そこで必要以上に長い間工事もできずに放置がされていくというのがいまの
現状ではないか、私はこう考えざるを得ないわけです。
したがって、そういう面に対してこれから
一体どのように対処していかれるおつもりか、お考えを聞いて私の質問を終わりたいと思います。