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内村政府委員 お答え申し上げます。
現在
ソ連の
操業は、
わが国の領海が三海里である
関係上、三海里の外の公海において行われておるわけでございます。ところが、三海里の外におきましても
わが国の定置の
漁具がございますし、それからさらに
わが国のいろいろの
漁業がそこにあるわけでございます。
そこで、国内におきましても先生御案内のように、いわゆる底びき
漁業と他の
漁業というものにおきましてはいろいろ
紛争が各地であるわけでございまして、そういったことを考慮いたしまして、
漁業法に基づきまして国内
措置として各県とも底びき禁止区域というものを大体つくっております。それが大体七海里から、遠いところは十五海里ぐらいの海域にわたりまして、
わが国の
漁船が底びきをやってはいけないという海域があるわけでございます。
ソ連漁船は、トロール以外にその他まき網等の
漁船も来ておりますけれ
ども、何と言いましても
ソ連の
操業の主体はトロールでございます。そこで
わが国の底びき船も
操業できないようなところで、いかに公海とはいえ
ソ連漁船が
操業するということは、これは
わが国の
漁民感情を非常に刺激するわけでございます。特に今年の春、北海道の襟裳岬の西から噴火湾にかけての海域で
ソ連の大々的な
操業があったわけでございますが、その海域は歴史的に底びきと他の漁法との非常な
紛争がございまして、長い間時間をかけて底びき禁止区域をつくったようなところでございます。そこで
ソ連漁船が底びきをやった
関係上、
漁民が非常に激高したということもあったわけでございまして、私
どもといたしましては、そういった点を考えに入れてくれということをイシコフ
漁業大臣に申したわけでございます。
それ以外に、静岡の沖の方に銭州というサバの産卵場がございます。ここは
わが国は一本釣りしか認めなくて、他の漁法は認めておりません。ここで昨年の春、
ソ連がまき網の
操業その他をやって、これも非常に問題を起こしたことがございますので、昨年の秋、第二回の
操業協定の
話し合いをしたときに
ソ連に厳重に抗議したわけでございます。ことしの春は幸いにして銭州付近では余り大規模な
ソ連の
操業はなかったわけでございますが、いずれにいたしましても、そういった国内
措置がございますので、公海といえ
ども、少なくとも
わが国がやっている
漁業規制は守ってほしい。それは
国際法上は問題があるにしても、私たちの言葉で言いますと、いわば漁師の仁義みたいなものじゃないかというようなことを申しまして、そこでイシコフもやはり
漁業担当の
大臣でございますから、そういうことはわかるということで、
漁業規制
措置を考慮に入れて
ソ連の
操業パターンを決めよう、その問題につきましては、漁期が始まるのが大体九月の末でございますから、
専門家会議をやって、なお詳細に
日本の規制
措置を聞きたいというようなことを言っておりますので、それまでに
専門家会議でわが方の規制
措置を詳細に
説明する。そうなりますと、向こうが現場で
操業する船団に対して、こことここはやめた方がいい、やめろというようなことを指示することになるだろうと思います。