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1975-02-14 第75回国会 衆議院 運輸委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十年二月十四日(金曜日)     午前十時三十分開議  出席委員    委員長 木部 佳昭君    理事 加藤 六月君 理事 佐藤 孝行君    理事 佐藤 文生君 理事 佐藤 守良君    理事 増岡 博之君 理事 金瀬 俊雄君    理事 三浦  久君       石井  一君    大竹 太郎君       關谷 勝利君    徳安 實藏君       西銘 順治君    宮崎 茂一君       綿貫 民輔君    久保 三郎君       斉藤 正男君    梅田  勝君       紺野与次郎君    石田幸四郎君       松本 忠助君    河村  勝君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 木村 睦男君  出席政府委員        運輸政務次官  小此木彦三郎君         運輸大臣官房審         議官      中村 四郎君         運輸省海運局長 薗村 泰彦君         運輸省船舶局長 内田  守君         運輸省船員局長 山上 孝史君         運輸省港湾局長 竹内 良夫君         運輸省鉄道監督         局長      後藤 茂也君         運輸省鉄道監督         局国有鉄道部長 杉浦 喬也君         運輸省自動車局         長       高橋 寿夫君         運輸省航空局長 中村 大造君         運輸省航空局次         長       薄木 正明君         運輸省航空局技         術部長     中曽  敬君         海上保安庁長官 寺井 久美君         気象庁長官   毛利圭太郎君  委員外出席者         航空事故調査委         員会委員長   岡田  實君         海上保安庁警備         救難部長    山本 了三君         日本国有鉄道総         裁       藤井松太郎君         日本国有鉄道常         務理事     山岸 勘六君         運輸委員会調査         室長      鎌瀬 正己君     ――――――――――――― 委員の異動 二月五日  辞任         補欠選任   山村新治郎君     箕輪  登君 同月六日  辞任         補欠選任   斉藤 正男君     多賀谷真稔君 同月十日  辞任         補欠選任   綿貫 民輔君     中村 梅吉君   多賀谷真稔君     斉藤 正男君 同日  辞任         補欠選任   中村 梅吉君     綿貫 民輔君 同月十三日  辞任         補欠選任   斉藤 正男君     堀  昌雄君   石田幸四郎君     正木 良明君 同日  辞任         補欠選任   堀  昌雄君     斉藤 正男君   正木 良明君     石田幸四郎君 同月十四日  辞任         補欠選任   小沢 一郎君     三原 朝雄君   綿貫 民輔君     中村 梅吉君 同日  辞任         補欠選任   中村 梅吉君     綿貫 民輔君     ――――――――――――― 二月七日  道路運送車両法の一部を改正する法律案内閣  提出第二〇号) 同月六日  気象業務整備拡充等に関する請願斉藤正男  君紹介)(第二五二号) 同月十日  国鉄在来線整備強化に関する請願鈴木善幸  君紹介)(第三七七号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 二月十二日  自動車損害賠償保険強制加入徹底に関する陳  情書  (第一〇号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  道路運送車両法の一部を改正する法律案内閣  提出第二〇号)  陸運海運航空及び日本国有鉄道経営に関  する件等運輸行政基本施策)      ――――◇―――――
  2. 木部佳昭

    木部委員長 これより会議を開きます。  陸運海運航空及び日本国有鉄道経営に関する件等について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。河村勝君。
  3. 河村勝

    河村委員 運輸大臣、この前の委員会での所信表明演説の中で、一番先に交通安全の確保という問題を取り上げておられます。そこの中で、一番冒頭に、海上交通については、東京湾等特に船舶航行がふくそうする海域安全対策ということを強調しておられる。航行管制システム航路標識等交通環境整備推進を図る等々のことが述べられておりますけれども、具体的にはどういう方針でやるつもりであるか、まずそれを伺います。
  4. 木村睦男

    木村国務大臣 私が運輸大臣に就任いたしまして最も重要な仕事であると感じておりますのは、交通関係で一番必要な交通安全の問題、これを力いっぱい交通事故防止等努力してまいりたいというのが私の心情でございまして、ごあいさつに申し上げたのもそういう趣旨でございます。  その中で、いま御質問のありました海上における安全の問題でございますが、申すまでもなく、最近ことに海上あるいは港湾内の交通が非常に過密化をいたしております。また、そこには大型タンカー等たん事故が起きた場合の被害が非常に大きくなる可能性を持った海上交通という現状を見ますときに、特にこの点には力を入れなければならない、かように考えておるのでございます。  そこで、この海上交通安全等につきましては、従来ともいろんな方策を講じてまいっておるわけでございますけれども、五十年度の予算等を通じまして、さらに一層海上交通の安全に関する予算措置、あるいは安全のための諸施策を進めていこう、こういうことでございます。  具体的に細かいことは事務当局の方から御説明申し上げますが、基本的な考え方は以上のような考え方に立っておるわけでございます。
  5. 河村勝

    河村委員 きょうは一般的なことを伺っている時間はありませんから、具体的な問題について聞きますが、そうした基本的な方針はそれはそれとして、現実に去年の十一月、パシフィックアリスと第十雄洋丸東京湾衝突をして、非常に大きな惨害を起こしているわけであります。でありますから、少なくともそういう事態が発生しているからには、その問題の地点については何か具体的な対策が講じられてしかるべきである。いわゆる緊急対策ですね。われわれはその当時からも、浦賀水道中ノ瀬航路の問題の地点、これは確かに木更津方面から出てくる船が北上してくる、それと中ノ瀬航路の入り口で競合する地点である、問題の地点なんですから、そこをレーダーによってカバーするとか、これはそう急にできないかもしれないが、少なくともパトロールを強化するとか、あるいは調整海域をつくって、衝突の危険な地域を迂回をさせるとか、そうした方法をとるように注文をしたわけでありますけれども、具体的にそうした応急措置ですね、根本的な対策は多少おくれるにしても、そうした応急的な対策がとられてしかるべきであると思うけれども、実際どういうことがなされておるか。
  6. 寺井久美

    寺井政府委員 ただいま先生指摘のように、この事故に関連いたします対策といたしまして、長期的なものと応急的なものとが二つ考えられるわけでございます。  第十雄洋丸衝突事故につきましては、現在海難審判庁原因等を究明中でございます。その結果をまって所要の安全対策を講じたいというように考えておりますけれども、この事故を契機といたしまして、各界からいろいろ貴重な御意見を伺いました。これらを勘案いたしまして、当面すぐできることといたしまして次のようなことをまずとりあえずいたしました。  木更津航路から出てまいります船が中ノ瀬の先を横切るわけでございますが、これにつきましては、中ノ瀬航路の出口から千五百メートルの地点灯標を入れまして、その灯標を迂回して通るようにということを指導いたしております。また同時に、中ノ瀬航路航行中の船舶に対しては木更津からの出港船状態、逆に木更津港から出ます船舶につきましては中ノ瀬航路航行中の船舶状態というものを通報いたしまして、お互いに関係がわかるというような指導をいまいたしております。  それからこれもいろいろ御意見の中にございましたけれども、日本海域にふなれな外国船につきましてはパイロットを乗せるように強く勧奨いたしております。  また、従来浦賀水道でやっておりましたけれども、中ノ瀬航路船舶航行速度を十二ノットにするように、十二ノット以上出さないようにということで指導いたしております。  また、御承知のように進路警戒船というものを大型船につきましてはつけておりますけれども、これの通信設備強化、見張りの強化といったことも指導いたしまして、またこの進路警戒船が具体的にどういうことをやるかというマニュアルを作成いたします。これはもうほとんどでき上がっておりますが、作成いたしました上で、そういうマニュアルによって進路警戒業務を遂行してもらうということを期待いたしております。  こうした新しい指導に関しまして和文、英文のパンフレットを作成いたしまして、これを直接外国船あるいは代理店等に配布いたしまして周知徹底を図っております。
  7. 河村勝

    河村委員 いま大分並べましたが、それはすでに実行しているのか、それともこれからやろうというのか、どっちなんですか。
  8. 寺井久美

    寺井政府委員 ただいま申し上げました中で、マニュアルを作成してこれを周知徹底する、これだけがまだ実行されておりません。ほかは全部実行いたしております。
  9. 河村勝

    河村委員 それでは次に、交通公害防止を二番目に大臣は述べておりますが、その中で航空機騒音対策について昨年大阪空港空港周辺整備機構をつくって新たな対策をやっておられるわけでありますが、一体国内線のジェット化、これをどのように進めるかというのが根本にあるわけですね。どうも見ておりますと、地方の小さな空港まで次々に何となくジェット空港化を進めているように見えるけれども、そこに基本的な原則がないように思うけれども、一体その点はどうなんですか。
  10. 木村睦男

    木村国務大臣 航空輸送は、一番の特色は、スピードが非常に速くて旅行目的を達せられるというところに交通機関として選択制の一番強い点があるわけです。そういう意味から申し上げますとできる限りハイスピードということで、そうなればジェット化ということが当然出てくるわけでございます。日本のような細長い島国の中でかなり遠距離地域もあるわけであります。それらの点も考えまして今後国内航空路線ジェット機をどういうふうにして使っていくかという問題は、やはり距離との関連において一つは考えなければいけないと思います。  同時に、ジェット機を使いますことはそれ相当の騒音公害等が必然的に起こるわけでございますから、そういう場合には騒音あるいは公害対策としていろいろな方法をきめ細かく講じていかなければならぬ、そういう観点に立ちまして今後航空施策を進めていくわけでございますが、特に最近の公害対策といたしましてはいろいろな方法を講じて、空港周辺の民家に対しては防音装置をするとか、あるいは立ち退きのためのいろいろな補助金を出すとか、いろいろな方法をやっておるわけでございます。現状かなりジェット化をいたしておりますが、今後滑走路延長等を講じましてジェット機を使用したほうが利用者のために非常に便利であるという地域もまだ残されておるわけでございますので、それらにつきましてはその地域におきます騒音公害対策とあわせて今後進めていきたいと思います。  同時に、その地域人たちの了解あるいは同意を得るというふうなことに主力を置きながら、できるだけ航空の利便を提供でき得るような措置を今後講じてまいりたい、かように考えておる次第であります。
  11. 河村勝

    河村委員 基準らしきものが何にもないので、ただ抽象的に三木的総論を言っただけであって何のことか一つもわからない。新しくできるところは田舎だから、そういうところはみんな自分のところのジェット騒音ぐらい何でもないから、みんなつくりたがってどんどん陳情する。だけれどもそういうところに行く飛行機は出ていくところは都会なんですよ。だから新しくつくるところの意見なんというのを聞いて、それでいいからいいというものではないのであって、たとえば岩手県の花巻あたりまでジェット空港をつくるという計画があるように聞いていますが、これは事実ですか。
  12. 薄木正明

    薄木政府委員 先生質問のとおり、花巻につきましては目下ジェット化空港にしたいということで計画をいたしております。
  13. 河村勝

    河村委員 運輸大臣というのは総合交通政策というものを推進する役割りだ。だから飛行機のことだけ考えて、地元陳情があるからつくればよろしいというものではないはずです。新幹線が仙台まで行き盛岡まで行く。花巻というのはわざわざジェットを飛ばさなければならぬような地域じゃないでしょう。一体どういう理由でああいうところまでつくるのですか。
  14. 木村睦男

    木村国務大臣 国内空港整備計画にのっとっていろいろ施策を講じておるわけでございますが、いまお話し花巻国内空港整備基本方針からいいまして、かなり東京からも距離のあることでございますし、ジェット機を使用することが相当便利であるという観点から花巻空港ジェット機がおりれるような方法を現在とろうとしております。が、しかし、いまお話しのような今後の先の見通し等も、五十一年度からいろいろ長期の見通しの上に立って経済発展その他も考えまして考慮しなければならない点も、新しい要素としてできております。しかしながら当面の施策といたしましては、花巻空港ジェット機が使用できるように整備いたしたい。同時に、いまお話しの、到着地点だけではいけないのだ、こういう点はごもっともでございます。その点は発進地の方の騒音防止その他の点もあわせ考えながら施策を講じてまいりたい、かように考えております。
  15. 河村勝

    河村委員 さっぱり答弁になっていないのであって、それはジェットを飛ばせば早く着くことはわかった話で、花巻の人はそれは望むかもしれない。だけれども現実ジェット騒音というものがこれだけ大問題になっておって、それで一体総合交通体系的に考えて、なぜ花巻あたりまでジェット空港をつくり、ジェットを飛ばさなければならぬかというそういう政策的な判断というものが、必然性がまるっきりないでしょう。あなた、そう思いませんか。あなたの責任じゃないからというわけにはいかないので、これは運輸省運輸大臣というものは機関としてはつながっておるのですからね。だから明確な基準をつくらねばいけませんよ。花巻空港なんかはもう工事を着工しているのですか。
  16. 薄木正明

    薄木政府委員 花巻空港は御承知のとおり第三種空港で、これは県が建設、管理する空港でありまして、国は補助金を出すという形で建設するわけでございますが、県の方では目下用地買収を進めておるというふうに聞いております。
  17. 河村勝

    河村委員 それは県がやるから運輸大臣は知らぬなんて、そんなばかなことじゃないでしょう。第一、補助金を出しているのでしょう。国の費用を投下してわざわざ騒音をふやし、しかも新幹線が開通すれば、花巻ぐらいジェットで行かなければならぬほどの必然性がそもそもないでしょう。私はもうこれ以上日本ジェットをわざわざ飛ばさなければならぬほどの必然性は、そもそも一つもないと思っているのですよ。縦の幹線は、確かにあなたの言うように日本列島は細長い、南北が長いですよね。だから南北を貫く幹線、これはジェットが必要でしょうよ、北海道から沖繩まで。だけれども、それからあとの支線についてジェットを飛ばさなければならぬというようなところは本来ありませんよ。だからもう一遍これはジェット空港を、私はもうこれ以上つくるべきではないという判断であるけれども、明確に基準をつくって一遍国会にお示しになったらどうですか。いかがです。
  18. 木村睦男

    木村国務大臣 ローカル路線を全部ジェット化しようというふうなことはもちろん考えていないわけでありますが、いま計画されております、ジェット化しようとしておる空港については、先ほど申し上げたような事情でやっておりますが、確かに河村委員のおっしゃるような点も十分私たちもよくわかります。そこで、今後ジェット化の問題につきましては十分検討をいたしてまいりたいと思います。それで何らかの一つ考え方ができましたらまたお示しをいたしまして御検討をいただきたい、かように考えております。
  19. 河村勝

    河村委員 これは私は再三言っているんだけれども、いまだかつて一遍もそうした基準らしきものは明確にしたことがないのですよ。そのうちにずるずるずるずるできてしまうのですね、陳情行政で。国費の乱費で何の役にも立たぬ、害だけ起こすことをやっているようでありますから、いまあなた基準をつくるというお話であるけれども、ゆっくりやっているとそのうちにどんどんできちゃうんだ、既成事実で。だからひとつ早急におつくりなさい。よろしいですか。よろしいですね。
  20. 木村睦男

    木村国務大臣 ひとつ河村委員の御趣旨を十分そんたくいたしまして善処いたしたいと思っております。
  21. 河村勝

    河村委員 次に、新東京国際空港について伺います。  あなたは五十年、ことし十二月一日に開港するというように言明されたやに聞いていますが、それは事実ですか。
  22. 木村睦男

    木村国務大臣 五十年中に開港するというふうな言明は実はいたしておりません。先般も私現地を視察してまいりまして、最初の予定よりもすでに三年有余たっておりまして、飛行場の中の施設としてはほとんど完備いたしておりまして、その施設がみんな遊んでおるというふうな状況を見ますと、これは一刻も早く何とか障害を排除して開港に持っていきたいという気持ちは非常に強いのでございます。いまいろいろこれから対処して解決をしていかなければならないパイプラインの問題あるいは石油の貯蔵の問題あるいは鉄塔等がございますが、地元の県ともよく相談をいたしまして、また公団を督励いたしましてできるだけ早く開港に持っていくことが国民的利益にも合することでございますし、一生懸命になって努力をいたしたい、かように思います。
  23. 河村勝

    河村委員 具体的に二、三聞きますが、鹿島港から国鉄鹿島線成田線を通って成田市内資材ヤードに運び、そこからパイプライン空港まで持ってくる、こういうことになっているわけですね。一体これは首都圏整備法との関係、その他いままでいろいろな問題があったけれども、これは解決をしたのですか。
  24. 薄木正明

    薄木政府委員 いま先生がおっしゃっておられるのは鹿島貯油タンクだと思います。貯油タンクにつきましては、首都圏整備法関係法律はどうかというお話もあったわけでございますが、これは法律上問題ないという結論を得ております。ただ、現地のほうで県の承認とかあるいは所在市町村消防許可という手続が必要なわけでございまして、まあ一部の方にはそういう施設反対だという方もおられるわけでございまして、何とかそういう手続が円満にいきますように目下鋭意努力をいたしておる最中でございます。
  25. 河村勝

    河村委員 そうすると私の聞いているところでは、消防法関係鹿島町それから神栖町ですか、この二つの町議会が反対決議をして、それでまだタンク建設ができないというように聞いているけれども、その問題はまだ解決していないわけですか。
  26. 薄木正明

    薄木政府委員 先ほど申し上げたとおりなるべく近いうちに、一、二カ月のうちに何とか解決したいということで公団並びに私ども目下その地元と一生懸命に折衝しておるという最中でございまして、まだ最終的には手続は終わっておりません。
  27. 河村勝

    河村委員 いずれにしてもこれは解決したとしても暫定輸送ですね。そうすると本格的に千葉港から成田まで運ぶパイプライン、これの建設めど、そういうものの約束ができないと、なかなか地元が納得しないという事情があるようであるが、千葉から本格的なパイプライン成田まで引くことについての明確なめどはついているのですか。
  28. 薄木正明

    薄木政府委員 暫定パイプラインをつくるにつきましては、本格パイプラインがいつできるんだというお話がございまして、暫定パイプラインの期間は三年だという話でございます。私ども目下それを検討しておりまして、何とか三年間以内に本格パイプラインができますようにこれまた検討しておるわけでございます。
  29. 河村勝

    河村委員 運輸大臣、あなたは年内開業するとは言ってないらしいが、これではどうもちょっと見込みはなさそうですね。  それから仮にパイプラインが完成したとして、成田空港から東京までのアクセス、いまは京成電鉄と道路ぐらいしかないと思うが、一体これでもって何時間かかるのですか。
  30. 薄木正明

    薄木政府委員 日により時間により多少違うのでありますけれども、車で参りますと現在では大体一時間半ぐらいかかります。
  31. 河村勝

    河村委員 一時間半でそもそも来れるわけがないのだな。空港も大事であるけれども、アクセスの問題が解決しないで空港の機能は生きないのですね。成田新幹線は元来五十二年開業の予定であったけれども、こっちの方は一体どういうことに相なるのですか。
  32. 後藤茂也

    後藤(茂)政府委員 先生指摘のような計画ですべての手続を終わり、鉄道建設公団におきましてその工事の準備をしておるのは事実でございますけれども、地元方々反対の運動がございまして、ただいまのところ予定どおりに完成をさせる見込みは立っていないのが実情でございます。
  33. 河村勝

    河村委員 そうすると、成田新幹線はあきらめるわけですか。
  34. 後藤茂也

    後藤(茂)政府委員 あきらめてはおりません。
  35. 河村勝

    河村委員 運輸大臣はまだ新任早々でいろいろな事情をおわかりにならないかもしらぬが、結局何にも片づかないのですよ。これは確かにいろいろな妨害行為があっておくれたことは事実だ、そのもとをつくったのもまた政府であるけれども。だけれども、政府やり方が大体公団だけに任せてしまって、一体本気政府が取り組んでいるかどうかきわめて疑わしい。友納千葉県知事がこういうことを言っているのですよ。千葉県では空港公団総裁は余り信用されていないのです。その原因はというと、総裁成田空港内の問題については権限を有しているわけですが、空港外については権限は持っていない。ところが——ここはちょっとお世辞になるが、理解の深い総裁は住民や市町村からの訴えについても理解……それで総裁権限を越えたことについては方々陳情するだけであって、いかに努力してもなかなかできやしない。成田空港閣僚協議会というものがあるけれども、これは一年に一度か二度開かれるだけで何にもしておらぬ。成田空港の問題が始まってから運輸大臣がいま十一人というけれども、これは去年の話だから、あと二人ふえたから十三人、これではとてもできるはずがないということを言っているわけです。これは事実なんですよ。空港公団に任してしまって、それで本当に政府自体本気で取り組む気がない。それで空港公団でできることは空港をつくるだけのことであって、パイプラインだってもうだめなんだね。鹿島の問題もだめ、いわんや成田新幹線もだめ。だから政府総がかりにならなければ成田空港はいつまでたってもできませんよ。何か特別の推進体制をつくるべきであるし、これは国際信用問題だね。国内空港としての安全問題はもちろん第一であるけれども、国際的にもこれ以上延びたら本当に日本の信用はありませんね。何かそういう方法を考えたらいかがですか。
  36. 木村睦男

    木村国務大臣 お話のように羽田の過密状況を考えますときに、一刻も猶予のできないせっぱ詰まった状況にあるということは私も非常によくわかっておるわけでございます。それでそういうものの、解決すべき問題は除々に解決をしてまいりまして、現在のところはいまの鹿島臨港からの油の輸送、これに当面の問題はかかっておるわけでございます。この問題につきましては、公団だけに任せておくというふうなやり方は現在はいたしておりません。運輸省の方も直接地元に出かけましたり、あるいは公団と十分連絡をとりながら、それぞれの方面と折衝を続けたりしてやっておるような事情でございます。目下のところ一番困っておりますのは、いまの鹿島港でのタンク建設等の問題、御指摘のとおりでございますが、これも地元と非常に密接な関係のあることでございますし、茨城県の問題でもございますので、私も県知事にも会いまして、早く解決の曙光を見出してもらえるように努力をいたしております。  ともかく、お話のようにすでにもう三年以上たっておりますので、私としてはことしじゅうというよりも、できるだけ早く開港の運びに持っていきたいということで全力を挙げて関係各方面とも折衝をしておる事情でございます。しかし、なかなか現実にははかばかしくいかないということも事実でございますが、今後さらに一層努力をしてまいりたい、かように思っております。
  37. 河村勝

    河村委員 本気でそれをやらないと、できませんよ。運輸大臣一人だけでもできない、運輸省だけでも。だから、そういう推進体制を各省寄ってたかってやるようにしないと、こんな消防法だの首都圏整備法の問題などというのは、これは政府総がかりでやればこんなものはできますよ。それが何年かかってもできない——何年でもないかな、一年半ぐらいかな。これではとてもだめですからね。あなたもせっかく就任して、これでまた十三人目の大臣空港ができないというのじゃしょうがありませんから、ひとつぜひそれをやってください。  時間制限を言い渡されてしまったものですから、あと時間がなくなってしまったのですが、日中航空協定。最近仄聞するところによると、カラコルム越えの航路が了解がついて、それでヨーロッパ航路が開設できるようになるとかならないとかいう話が新聞に出ておりましたが、その点はいかがですか。
  38. 薄木正明

    薄木政府委員 いま先生の御質問の御趣旨は、イスラマバードを通過する話かと思います。これにつきましては、近く私どもから国際課長を派遣しまして、北京で交渉させようということにいたしております。
  39. 河村勝

    河村委員 これも運輸大臣、政治的に非常に大きな問題で、あのときの航空協定というのは寺井さん、前航空局長がそこにいますが、それは経済価値から言ったら非常な不平等条約ですよね。アメリカからの以遠権は中南米まで中国が持っておる。わが国はゼロに近いわけですね。従来の南回りの航路に結ぶ権利があるだけで。だから、カラコルムを越えて行くのは、何か当時はパキスタンだけに認めておるのでだめだというような話であったはずだ。寺井さん、そうだね。その後フランス、中国自身もかな、何か二、三その航路が開設されたというふうに聞いておりますが、どうですか、その点は。
  40. 薄木正明

    薄木政府委員 その後イラン航空もそのルートを飛んでおると思います。
  41. 河村勝

    河村委員 そういうことなんです。だから本当はいまごろまでぼやぼやしているのは、おかしいのですよ。当時はパキスタンだけ特殊な事情で認めているのであって、ほかの国には認めない、認めてないからだめだと言ったのですよ。それがすでに他の二、三、の国との間に実際航路が開設されているのにもかかわらず、わが国はまだだめだというのですね。どうしてそうテンポが遅いのですか。
  42. 薄木正明

    薄木政府委員 イラン航空がイスラマバード上空を通過することができるようになったという話を聞きましたその直後に、すぐに私どもの方からも北京の方に参りまして、その上空通過の交渉をしたいという申し入れをしたわけでございますけれども、向こうの御都合で、何か担当の方が病気であるとかいうようなことで、いま来てもらっては困るというふうな話でございまして、実はいままで延びておったわけでございます。近く、先ほど申しましたとおり国際課長が参るということになっております。
  43. 河村勝

    河村委員 わが国の官僚機構は結構下部機構が強いけれども、中国は下から行ったってこれはできはしませんよ。だからこれは、大臣が自分でもってやらなければだめです。おわかりですか。やりますね。
  44. 木村睦男

    木村国務大臣 ただいま次長が申し上げたような経過でございまして、今日まで少し時間がたっておることは非常に遺憾でございましたけれども、御説明いたしましたような状況で、どうやら交渉の舞台に上がれるような時期に参りました。近く私の方から係官を派遣いたしまして詳細な打ち合わせをやることに予定いたしておりますので、この問題につきましては一応見通しが立ちましたので、今後の促進をはかっていきたい、かように考えております。
  45. 河村勝

    河村委員 時間が来ましたので、最後に日台航路の再開のことについて聞きます。  これは当時、航空協定締結の際に、台湾の亜東協会、それから日本の交流協会ですね、この折衝の経過からいって、本当は実質的にいろいろな条件、成田を使わずに羽田を使うとか、それから日航が就航しないでほかのものを使うとか、そうした具体的な問題については台湾は全部了承しておった。ただ一つ、日台航路をどう変更するかというのを中国との間の航空協定によって左右されるということが台湾ではいやであったわけですね。だから本当は自主的に変更するという形がとれればできる可能性はあった。それを怠ったのは大変な間違いだと私は思うのだけれども、いま具体的に折衝をやっておられますか。
  46. 木村睦男

    木村国務大臣 日台間の航空路は日中国交再開後間もなくとぎれて現在に至っておるわけでございまして、わが方といたしましては、日中国交回復、日中共同声明、これらの枠組みの中で、いま途絶しております日台間の航空路が再開されることを強く希望をしておるわけでございます。  そこで、日中国交成立をいたしましたけれども、台湾との関係におきましては、文化ないしは経済的な交流は民間の間で引き続きやるということは日中間の国交樹立と何ら矛盾するところでもございません。その枠内でやることでございます。しかしながら、台湾とのいわゆる政府としての交渉のルートは御承知のような状況で、ないわけでございますので、民間の相互間でこの問題を現在処理をしようとしてせっかく一生懸命になってやっておるのが現状でございます。われわれ政府の立場といたしましては、ことに国際航空行政を担当しております運輸省といたしましては、この不自然を一日も早く解消いたしたいということで強く希望は持っておりますが、政府の立場で動くことはできません。いまお示しのような両方の民間の機関の間でいろいろ折衝を続けてもらっておるような状況でございます。ただ、いろいろな受け入れる場合の細かい問題等になってきますと、航空行政の立場でいろいろやらなければならないことがあるのですが、いまはただ、とぎれておりますところの日本−台湾間をまず回復する、もとへ戻すということの話し合いができ上がることが何よりも前提でございますので、それを現在大いに期待しておる、これができることが政治的な、大変大きな問題でございますが、これができます見通しが立った後では、われわれとしてはいろいろとやらなければならないことがたくさんあるわけでございますが、現在はそういうところで、民間における日台間の航空路の復活の交渉をじっと見守りながらそれを強く希望しておるというのがわれわれの立場でございます。
  47. 河村勝

    河村委員 国鉄総裁、せっかくおいでをいただいて、時間がなくなってしまったので、大変相済みませんがこの次にひとつお願いいたします。  これで終わります。
  48. 木部佳昭

    木部委員長 久保三郎君。
  49. 久保三郎

    ○久保委員 大臣に個別の質問をいたします前に、全体的な物の考え方をちょっとお尋ねしたいのです。  それは、御承知のように、従来政府がとってまいりました、あるいは日本の歩んできた高度成長経済政策、こういうものは、申し上げるまでもなく、オイルショックによって決定的な方向転換を余儀なくされたということでありまして、それでは方向転換のその方向は何であろうか、どういうところであろうか。あるいはその方向がこうであるとするならば、それに到達する方法はどうなのか。それからその方向転換の歩みの開始はいつからどうやってやるのかということがいま国民大衆の側から求められておる大きな筋だと私は思うのです。基本的な方針だと思うのです。ところが三木内閣はリップサービスとも言われておりますが、国会を通していろいろお話は上手にいたしますけれども、国民みんなが知ろうとするようなその問題については、一向にどうも明らかでない。というよりは、まあ暗中模索のていではなかろうか。その暗中模索の政治の姿勢が、言うならば社会一般にいろんな不安と動揺を巻き起こして、混乱と言ってはちょっと極端かもしれませんが、混乱的な状態にあると言ってもいいと思うのです。  それで、先般運輸行政について大臣から所信の表明がございました。それを通読いたし、あるいはお話を全部聞いてみて、やはりいま申し上げた前提がちっとも明確でない。大事なところはこれから何か考えていくようなお話がちらちら出てくるということなんでありまして、そういうことからいきますというと、当面する運輸行政の課題は、お話しのとおり、一つには高度成長経済政策のひずみとも言うべきいわゆる安全や環境保全の確保であることは事実なんです。これ一つなんですね。これを取り上げたのは当然だと思うのです。ところが、この安全や環境保全についてもあまり見るべきものはないと言ったら失礼かもしれませんが、予算を中心にしての施策においてはあまり前進がないようにわれわれには見受けられるのであります。これはやはり徹底した対策が今日必要だと思うのですね。よく言われる発想の転換がいま必要だと思うのです。従来の延長線上による単なるひずみ是正ということで安全の問題や環境保全の問題を議論しあるいは論じても、これは決定的な改善策というか対策にはならないのではないだろうかというふうに思うのです。そういう点についてどういうふうにお考えであるのか。  それからもう一つ交通運輸というのはいままでは交通市場、いわゆるマーケットでそのサービスを取得することが可能であったのでありますが、最近はどの交通運輸機関を見ましてもそういうサービスを自由な競争のマーケットによって取得することは困難である。最近よく言われるように公共輸送をどうやって確保するのかというのが私は運輸、交通行政の当面の重大な課題だろうと思うのですね。これに対していかなる考えをお持ちであるのか。あるいは基本的にはそういう時代になったのだが、これに対処する考え方としてはどんなふうにお考えであるのか。これがどうもこの間の所信表明では表に出ておらないように思うので、この機会にお漏らしをいただければ幸いだと思います。
  50. 木村睦男

    木村国務大臣 私の所信表明の中でいろいろ申し上げておるわけでございますが、長い間の高度成長経済、国民の所得の増大という環境の中では、交通運輸を担当いたしております運輸省としましても、国民の利用者の需要に応じまして、また国民生活の非常な伸びに対応いたしまして、輸送力を極力つけていくというところに重点が置かれておったことは事実でございます。より安全に、より速くということで交通本来の輸送力の増強に力を尽くしてまいったわけでございますが、お話しのようにいまや経済的な背景も社会的背景も徐々に転換をいたしてまいっておるこの時点に、運輸行政はどうあるべきか、どのように方向転換をすべきであるかということは、確かに私たちにとって大きな命題であり、使命であるわけでございます。そこで所信の中にも申し述べておきましたように、この高度成長経済のもとでひたすら輸送力の充実と増強ということに努力してまいったのでございますが、そのひずみといたしましていろいろ公害あるいは環境破壊、そういった弊害がだんだんと高じてまいっております。さらに地域的な交通手段のバランスが欠けてきた、こういうふうな欠陥も露呈をいたしてまいっております。したがって、これからの運輸行政といたしましては、従来蓄えてまいりました輸送力、これを保持しながら、現在病弊となっております交通機関による騒音あるいは振動あるいは排気ガスといったような公害問題あるいは環境の整備、そういう方面に並行して力を尽くしていかなければならない、こういうふうに考えておるのでございます。そういう趣旨から五十年度予算におきましても、公害防止等のためにも、これは海上、陸上、空それぞれにわたってかなり予算もつけておるようなわけでございます。さらに地域的な不公正を極力なくする、その中で最も重点的に考えますことは、陸上における過疎地帯の交通対策をどうするかという問題でございます。この問題につきましても、公共輸送機関でありますところのバスの輸送力をもっとつけなければいけない。これにはやはり政府が十分な力をつけてやらなければならない。そういうことで過疎地帯のバス対策にもかなり、前年に比べましては三倍に近い補助金等の予算も盛っておるようなわけでございます。また、陸上交通の一番大宗をなします国鉄の問題につきましても、いまさら申すまでもございませんが、大変な財政的な危機に陥っており、いままでつくっておりました長期の再建計画というものも両三年にしてその達成が不可能になってきておるという時点に立ちまして、新しい構想のもとで今後の国鉄の再建も考えていかなければならない。その再建のポイントはどこにあるかというふうなことをいま省内におきましてもグループをつくりまして、どこにメスを入れたらいいかということを目下検討をいたしておるわけでございます。国鉄自体におきましても同様に部内において検討いたしております。近く両者の検討の結果を持ち寄りまして、問題がどこにあるか、また今後の再建はどうすべきかということを、ただ単に従来のような再建の方策だけではどうも私は無理ではないか、むずかしいではないかということで、そこに新しい再建の方途を見出していきたい、こういう観点で現在検討を重ねておるような次第でございます。
  51. 久保三郎

    ○久保(三)委員 大臣質問時間がたくさんありませんので、あと局長あるいは政務次官からお答えいただくこともありますので、私の質問にだけお答えいただければ幸いです。  それでは、いまのお話、いろいろお話がありましたが、私が言いたいことは、たとえばいままで交通運輸の一つの柱としては大型化、高速化という問題でずっとやってきたのですね。これに対して、単にそのままやっていくことにして安全や環境の問題を論じてもこれは意味のないことだというようにもとれるわけですね。だから根源に立ち返ってもう一遍見直すと言うならば、いままでの大型化、高速化を基本にした輸送の増強というものを考え直す時期ではないか、そういうものも考えていらっしゃるのかどうかと実は聞きたいのですよ。そういうものについては、もちろんいまのお話では残念ながらまだそこまではお考えにならぬようでありますので、今後考えていくべき筋合いではないかというふうに一つは思う。  それからもう一つ例にあげられた過疎バスというか地方バスの助成も、なるほど御努力によりまして二倍以上のものがついた、これはまあ前進であります。しかし、それは国鉄の問題と同様に公共輸送を確保するためにどこまで公的に政策が介入し、あるいは財政的にもてこ入れをどこまでやるべきかという、そういう問題についてでなく、去年よりはことしは大体二倍半ほどよけいつけました、ああそうですかと。それは一つ前進ではあるけれども、これを経営し、あるいはこれを利用する者にとっては先行きどうなるのだろうかという安定感がちっともないのですね。国鉄ももちろんそうですね。ことしは転がしで足りない分は借金やその他で穴埋めできたから帳じりはわずかながら合うだろう、しかし先行きどうなるのだろう、ちっとも先行きについての問題は明確でないところに、私は、運輸行政の貧困があると思うのですね。もちろん具体的にこれをこうするんだということはなかなかしさいにはすぐにはできないでしょう。しかし三木内閣ができて何カ月になるのですか。国会が開かれているから忙しいと言えばそれまでの話ですが、基本的なそういう方向ぐらいはやはりきちっとして、そういう方向で検討していくというのが私はあるべきだと思うのですがね。そういうことを言いたいのです。  時間もありませんから先へ行きますけれども、いずれにしてもそういう基本的な問題を早急に打ち立てる必要があると私は思う。そういう物差しがなくて何となく安全が心要だとか環境がどうだとか公共輸送がどうだと言っても、それはそういう世間というか社会というか国民大衆の要求だけにこたえるという当面の問題だけであって、基本的な方向がちっともないと私は思うので、重ねてその辺を強調しておきたいと思います。  そこで、もう大臣の時間はあまりないようですから、河村さんの引き継ぎでひとつお聞きしたいのは、日中の問題であります。この国会に日中海運協定が提案になっておりますが、この協定がなるほど皆さんの御努力でスムーズに締結に至ったことは大変喜ばしいことだと思うのです。そこで、問題はこれからだと思うのです。どういう内容か、具体的にたとえばいままでは友好商社によるところの運航というか、そういうものが中国の港に出入りできて積み取りができた。今後はどういうふうになるのか。あるいは積み取り比率はどういうふうになるのか。それから運賃の問題はどうなるのか。運賃の問題は御承知のように中国は運賃同盟については批判的であるように私は聞いております。そういうことからまいりますというと、この運賃についての問題はどういうふうになるのか、なるのかというよりはどんな考えで今後具体的な折衝をやっていかれるのか、その辺のところをお聞きしたい。
  52. 薗村泰彦

    ○薗村政府委員 先生いまお話ございましたように、私どもも、海運協定が、この通常国会に批准をお願いいたしましてそれで発効いたしました後の姿がどうなるかということについては、非常に考えておるところでございます。御承知のとおり海運の自由の原則で、われわれは民間の当事者が相談し合うことがいいということを考えておりますので、民間の当事者間で話し合いをさせるということを考えますけれども、この協定の中に政府間の協議という条項もございますので、そういったことについて、必要があれば発効後政府間の協議を待って民間を指導しながらいろいろな面で円滑な海運活動が相互にできるようにしていきたい。  ただ、いままでの運賃にしても積み取りの問題にしても実績がございますので、従来の実績を基礎としながら民間の話し合いが進められるであろうということを私どもは考えております。  それから窓口の問題などについては、いままでの行きがかりを一応発展的な解消を遂げて政府間の窓口にすることができるものということを私どもは期待しております。
  53. 久保三郎

    ○久保(三)委員 海運の問題は後からまた局長にお尋ねしましょう。  大臣にお伺いしたいのですが、先ほどお話しのように国鉄の問題についても言及されました。それでお話はどう見直すかという問題だと思うのですね。いままでの計画を踏襲するおつもりはないようでありますが、改めて再建計画をおつくりになる、当然つくらにゃいかぬと思うのでありますが、その場合の見直しはどんな点を見直しされようとするのか。いままでの国鉄の再建計画というのは財政再建でありました。いわゆる独立採算制に終局的には持っていこうというようなことで、ポンチ絵のようなと言っては大変失礼かもしれませんが、十カ年計画というものを電算機に無理して押し込んでまいりましたから、半年もたたないうちに崩れてしまうということなのでありますが、財政を中心にしてやってきた今日までの作業を続けていくのかどうか。  それからもう一つは、新たな観点から国鉄の国民経済的に持っている使命をより有効に機能させるという方向で再建策をとるのか。この場合は強いて独算制は打破しなければならぬ場合があると思うのですね。そういう観点でどっちをとっても、独算制だけははずさなければ、後の問題は——後の問題というか、十分に機能させるのは現代においては非常に困難だろうと私どもは見ておるわけなんです。独算制をどうしてもなし遂げるんだという前提でいろいろなことを考えてもそれは無理であるというふうに思うのでありますが、その辺のところはどういうふうに考えておられるのか。それから、計画というものはやはりどうしても何年とか、いままでは十カ年計画でありますが、計画の中にも、あるビジョンを描いておいて、それに近づくためのステップ・バイ・ステップの計画もあろうと私は思うのですね。だからそういう、なかなか条件が変化する、非常に変化に富むような条件をたくさん抱え込んで長期の年次計画などを決めるのは、もはや荒唐無稽に等しいというふうに思うので、やるならばやはり試行錯誤を取り入れながらそのビジョンに近づいていくということが一つだろうと思う。そういう考えで今後見直すのかどうか。  それからもう一つは、国鉄は単独で機能するわけではございません。先ほどもお話がありましたように、総合交通体系の中での国鉄ということだと思うのですね。そうなれば、単に体系だけで機能はできませんから、やはり政策介入というのが当然出なければ、最近のように省エネルギーあるいは省労働というか省資源というか、そういう制限のある中で有効に機能させるというのには、やはり政策介入、しかもそれは、ある場合には法的な体制も整えなければならぬというふうに一つは思うのですが、それはどういうふうに考えておるか、これが二番目。  三番目は、国鉄の経済は、なるほど国鉄利用者はいまでもたくさんあります。だから、それは存在の値打ちというか価値は十分にあるわけですね、これは取られたら困るのですから。しかし、それじゃ利用者である国民大衆が国鉄を自分のものとして考えておられるかどうかということになると、これは大変疑問がある。国鉄総裁もお見えでありますけれども、国鉄の管理者というか経営者の中には、自分たちがこれを管理し経営するんだという、言うならば独善的なものが経営の中にちょいちょい出てまいることは否定できない事実だと思うのです。そういうものを取り払わなければ、国民の足としての国鉄として機能することは大変むずかしいだろうというふうに手前ども思っている。言うならば国鉄経営の民主化ですね。これはどうするのか。いまあるような財界から代表を入れたりすればそれで民主化されるというものではございません。むしろ、日常国鉄を利用しなければならぬ、そういう者の意見が十分に取り入れられる体制があって初めてできるし、それから独善的は計画推進、それによるところの財政的なむだもたくさんあります。そういうものを監視する機構を別につくる。いまの監査委員会制度は残念ながら、これは言うならば国鉄の外郭団体と言っては大変失礼でありますが、まあそれに近いようなかっこうでいるのではないか、そういうものを三番目か四番目には考えていく必要がある、こういうように思うのですが、そういう観点から見直すのかどうか、改めてお聞きしたいと思います。
  54. 木村睦男

    木村国務大臣 いま久保委員からお話のありました点、実はまさにその点がわれわれいま非常に問題にいたしまして、再建のメスをどこに入れるかというポイントになるわけでございます。申し上げるまでもありませんけれども、国有鉄道というものは国民の財産でありまして、それを預かって交通の利便を提供するというこの基本的な線に立って、いまのような問題を考えていかなければなりません。ただ単に財政的な継ぎはぎだけで国鉄の再建ができるかといいますと、私は決してそうではない、かように思っております。ことに公共企業体日本国有鉄道、その公共性と企業性、この二つを欲張って一つにおさめた経営の方式というものは、実は過去の様子から見ましてもいろんな欠陥が出ております。したがって、今回、私たちが改めて再建を考えようという基本的な考えの中には、この公共性と企業性というものを従来のようにあわせ考えて果たしてできるかという一番根本的な問題からメスを入れていきたい、かように思っております。さらに外的な要因といたしましては、お話しのような日本全体の総合交通体系の中において、国鉄はどうあるべきかということも見直していかなければなりません。  それから、従来のような十年という長期計画は実は非常に問題があるではないかというお話、私もさように思っております。しかし再建をいたしますからには、ある程度長期の一応骨格的なものは持っていなければ場当たりの再建になりますので、それは骨格的な長期的な一つのプランを持ちまして、しかし実際には一年なり二年なり三年なりという短期の具体的な再建の具体策を立てていきたい、このような考え方で再建計画をつくっていきたいと、かように思っております。  それから、再建並びに国鉄の運営等について、もう少し民主化の方向をとるべきではないかという御意見でございます。私も抽象的な気持ちとしてはそういうことは当然なことであると思っておりますけれども、これを実は具体的にはどういうふうにしたらこの考え方国鉄の運営なり再建にあらわれてくるかということは非常にむずかしい問題でございまして、しかしこれは私たち一つの再建のポイントとして当然考慮に入れて、今後具体的にどうこれを生かすかということを考えていきたい、かように思っております。  大体、久保先生がおっしゃいましたような点が、実は私たちの再建のポイントでございますので、委員の皆さんからも今後いろいろ御意見をいただいて参考にしながら、この方向で再建の方策の根幹をつくっていきたいと、かように思っております。
  55. 久保三郎

    ○久保(三)委員 国鉄総裁にお伺いしますが、国鉄の安全性の確保ですね。これはたびたび国会でもお尋ねしているのでありますが、最近では、新幹線計画的に運行をとめて総点検をするということになりまして、この結果はまだ出ないんだろうと思うのでありますが、中間的な新聞の報ずるところによれば、それぞれ確かめることができたし、いい仕事もできたように評価されております。ところが、さっきあなたがいる前で大臣国鉄は独善的だという話をしたのは、この前、この席ではなくて交通安全かの委員会で、新幹線をとめて点検したらどうかという提案をしたことがある。それから運輸委員会で去年の春そういう安全性の問題でいろいろ質問をした。あなたのところの副総裁は、安全のことは任せてくれ、言うならばそういうことなんでありますが、よけいなことを言うな、おれらは、専門家だ、だから、いろいろなことを言わぬでもらいたいというような言葉のニュアンスでありました。しかし議事録は完全にそういうふうになっておりますので、そういうのが独善というものでありまして、しかもその後、交特の委員会で、年内に運転をとめてやるという考えならば、来春を待たぬでもすぐにでもやったらどうだろうかという提案をしたのだが、がんとしてこれは聞かなかった。その後——いいことだから難癖をつけるわけじゃありませんけれども、その後、年内にやることになったのですね。これがいわゆる独善というのですよ。そういうのを改めるのにはどうしたらいいのかということを、私は私なりに考えておる。きょうは議論にしません。ただ一言よけいですが、独善と言ったのは、久保三郎は何を言っているのだろうか、おわかりにならないと思うから、解説を加えたのです。  それから次に、安全の問題で総点検をされた。ついては、私は国民大衆のためというか乗る人のために——国鉄マンのためにじゃなくて、乗る人の安心のために、高い値段かもしれませんけれども、定期的にこういう点検のことはやるべきではないか、制度化したらどうだろうかというふうに思っているわけです。  それからもう一つは、在来線についてもこれはやるべきである。これは前にも提案しているのでありますが、これも何かやるようなやらぬような考えのようでありますが、在来線でも、今日では人手の問題もありまして、その一保線支区というか、そういうものの要員や機材だけでは総点検というのはなかなかむずかしいようになっている。あなた専門家だからおわかりでしょう。それから幹線、亜幹線のようなところでは、列車密度がうんと高いものでありますから、間合いがとれない。それから従来の軌道の補修の、機械化するその機械も、そのために使えなくなってしまったのですね。人間もそうだ。そうなれば、せっかくあった機械が使えないで、どっかの保線支区の片すみに高価な物が眠っている現状ですね。これは使えるようにしなければいけない。そして安全を確保するといったら一石二鳥だろうと私は思うのですよ。これはやはり制度化するというのが正しい方向ではないかというふうに思うのでありますが、いかがでしょうか。  それからもう一つ、時間がありませんので続いて。これは一つの例でありますが、投資について。国鉄の投資にはむだが多い。ある再建の議論をしたときに、そうですね、数年前に私は、工事費やそれから調達する物品の単価を大体一割下げる提案をしたのです。ところがこれは抵抗がありましたね。それはそういうことがいいか悪いか別として。ごく最近私は金沢の方へ出張した。金沢へ行って——国鉄調査に行ったわけじゃないのですよ、別な用件で行ったところが、まくら木が六千五百丁も新しいものが積んだままになっているという。それで七尾線とか能登線ですか、あの辺は。これは暮れまでに騒いだような、まくら木ががたがただというのですね。これは最近やるのでしょうが、こういうむだというのはだれがチェックをする、だれが責任をとるのかということですよ。いままで近代化、合理化で大きな鉄筋コンクリートの建物を建てたが、三年も職員が入らぬままで空き家になっていたものも、いつかここで私は言ったことがある。これが大体親方日の丸の体質だと思うのです。そういう体質を改めることをだれがやるのか。総裁一人でまさか私と同じように能登線まで行ってまくら木六千五百丁確かめてくるわけにはまいりませんね。いまの仕組みが問題だと思う。だからこれをやはり民主化し、もっと真剣になるようにするには、どうしたらいいか。投資効果なんというのは出ないのがたくさんあるのですよ、寝たままで。だから遊休土地の売却をしたがいいなんということも一つかも知れませんけれども、八千億以上の投資をするのでしょう。それがむだであるなんて、みんなむだとは言いませんけれども、これは困るわけだ。そういうものもひとつ点検というかチェックする機構はどうなのか。監察局というのがあるようだし監査委員会というのがあるようだけれども、用に立ちませんな、あれは。用にならぬ。そういうものについてもっと真剣にやる必要があると思うのだが。  二点です。こちらで説明が長かったが、答えは簡単にお願いしたい。
  56. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 第一点の、国鉄は独善であるというおしかりを受けたのでありますが、これは尊重すべき御意見はいつでも拝聴いたしまして、それに従えるものは従うということで、まあ国鉄は独善だとおしかりを受けるのは、久保先生はそうおっしゃらなかったけれども、過去において国鉄は役人だったので、何だおまえらが陳情に来たら聞いてやるというような気分が、幾分かまだ残っているのじゃないか。そういうことで私はおしかりを受けているのだろうと実は思っていたんだが、先ほどのような、安全はおれらは専門屋でおまえら黙れということじゃ決してないので、いかなる方がおっしゃっても尊重すべきものは尊重いたしたい、かように思います。  第二番目の、点検で、東海道の議論でございますが、これはもう一回やりますので、三回までやったところによると、これはいやいややったとは決して言わぬけれども、このとおり効果がありましたとはにわかに言いづらいかもしれぬが、あまり私は効果がこのとおりありましたという結果は聞いておりませんが、もう一回やりまして、どういう効果があったということをつぶさに検討して、それでそいつを制度化してやるということがよければ、それは一年に一回じゃなくて一月に一回でも結構だろうと思うのでありますが、まあそいつを検討する時間をおかし願いたいということと、これはまた久保先生のおしかりを受けるだろうと思うのですが、これを半日やりましても相当の方に御不便をかけて、じゃおまえ東海道の現在線を増発しろとか、バスを出せとか、いろいろな御議論もございますし、たまたま国鉄は独算なんかになってないやつをおまえそんなに忠義ぶることがあるかとしかられるだろうけれども、あれ半日とめると三億ぐらい飛んじゃうというようなこともございますので、そこらをひとつ考えて、御趣旨に沿って善処したい。  現在線またしかりでございまして、現在線は御指摘のように少し使い過ぎているので、まあ貧乏人が働き過ぎて少し体の調子が悪くなったというようなものなので、おしかりのように列車を間引いて安心のいくようなものにいたしたい。  それから七尾線とかなんとかのは、これは言いわけはあるようでございますが、先生よく御承知であえて申しませんけれども、レール更換を先にやっていたので、しかられたからじゃないんだが、その四千丁のまくら木を今年度中にしかるべきところに入れるということに相なっておりますす。
  57. 久保三郎

    ○久保(三)委員 列車を間引いてやることは、まあ計画的におやりになることは結構であります。いずれにしても考えていただきたいということであります。  それから、時間もありませんので、各局と言いたいところですが、なかなかそうもいきませんので、まず航空局。これは政務次官。  国内航空政策というか、これは最近航空会社も赤字になってまいりました。そういう傾向にこれからまあ、大体あまり立ち上がりがそう簡単には、昔の夢よもう一度というわけには、航空界もいかないのだろうというふうに私は思うのであります。ついては、いまある日航、全日空あるいは東亜国内あるいは南西、それから最近誕生させました日本距離航空とかありますが、そういうものについて、たしか四十六年か四十七年に一応の政策を出しました。それでその当時も申し上げたのでありますが、航空政策というのはしょっちゅう秋の空と同じように変わり身が早くて、集まり、散り、散り、集まるということで、新しい企業をちょいちょいつくっちゃ、今度は合併、また今後は分割、と言うか分散、というようなことの繰り返しなんですね。やはりこれ、この辺で安定した国内航空政策というものを立てるべきだと私は思うのであります。この点についてどういうふうに考えているか。  それからもう一つは、さっきも河村さんからお話がありましたが、空港整備五カ年計画というものがあるわけですね。これも新しい時代に即応して見直すべきだと私は思うんです。それは言うまでもありませんが、単に大型、高速化のための空港拡張じゃなくて、安全航行と環境保全のための空港整備という観点から、五カ年計画というかそれは見直すべきだと私は思うんです。この点についてどう思うか。  それからもう一つは、那覇空港の進入管制業務はいまだに米軍に任せているわけなんです。これはいつになったらわが方の手に取り戻すのか、これははっきりお伺いしたい。大体三点であります。以上です。
  58. 小此木彦三郎

    ○小此木政府委員 久保先生のおっしゃるとおり、四十五年の答申さらに四十七年の通達等を通じまして、航空会社のいろいろな指導を行っておるのでございますけれども、実際問題、具体的に申しまして、たとえば南西航空などは四十九年度は赤字の見込みである。その経営は御指摘のように確かに苦しいのでありますけれども、その原因は他の航空会社、日航その他と同じく主として需要の減退、一時的な問題であるとわれわれは判断いたしておるのでございます。しかし、たとえば南西航空等にいたしましては、沖繩海洋博覧会等も開催されるところカら、経営状態は好転するんじゃないかというような考え方も持っておるわけでございます。しかし現実国内航空会社の経営が苦しいことは事実でありますので、各社に対しまして、安全性の確保及び経営合理化につきまして指導を一層強化していきたいと考えておる次第でございます。  さらに、三番目の問題でございますけれども、沖繩における航空管制、この業務の引き継ぎは、沖繩における航空交通管制合意書に基づきましていま段階的にこれを行っておるところでございます。すでにこの委員会におきまして久保先生は何回もこの問題にお触れになりましたけれども、たとえばまず第一に那覇空港の飛行場及び着陸誘導管制業務につきましては、昭和四十七年五月十五日の沖繩返還と同時にこれを引き継いで、以後航空管制官の増員、管制機材の改善等を行っておりまして、運用体制の充実強化を図っておるのであります。  二番目には、那覇FIRにおける航空管制業務につきましては、返還後二年間の準備期間中に約七十名の管制官の配置及び訓練並びに航空路監視レーダー等、必要な機材等の施設整備を行いまして、昭和四十九年五月十五日からこれを引き継ぎ、那覇FIR内の航空路管制及び那覇空港等を除いて宮古、石垣空港ほか合計九港の進入管制を円滑に行っておるところであります。  また、三番目は那覇空港の進入管制業務につきましては、これに近接して嘉手納及び普天間の飛行場が位置しておるどころから、航空交通の安全を図るためにはこれらの三飛行場の進入管制業務を一元的に実施する必要があることから、さきに述べました合意書によりまして、日本側においてこれらの飛行場のレーダー進入管制業務が実施可能となるまでの暫定期間、嘉手納進入管制所がこれら三飛行場の進入管制業務を引き続いて行うことといたしておるところでございます。  さらに空港整備五カ年計画のことにつきまして御質問がございましたけれども、この点につきましては大阪空港その他の周辺整備飛行等、われわれ真剣に取り組んでおりますので、今後よろしく御指導のほどお願いしたいと思います。
  59. 久保三郎

    ○久保(三)委員 政務次官、私がお聞きしたのは、進入管制業務だけ聞いた。あとの返還のことは私も知っているんです。進入管制業務は、いまのように嘉手納の飛行場と一体的にやらぬと安全性がない、それはそうかもしれませんね、近いから。しかしながら、いつまでも米軍に任せておくというのはおかしいじゃないか。その受け入れ体制というか、引き継ぎ体制というのはあるのかないのか。これは航空局次長おいでですが、ちょっと簡単にそれだけ説明してください。何かやっておるのかやってないのか。
  60. 薄木正明

    薄木政府委員 久保先生承知のとおり、三空港が隣接してあり、これをまとめて管制する必要があります。そのためには、私どもこれをコモンIFR管制と申しますけれども、まだこの経験がないのです。そこでまず要員にこの経験をさせる必要がある。要員の教育、訓練がございます。(久保(三)委員「やっているの」と呼ぶ)これそのものは、個々の管制官がレーダーを見ながらやる管制でございまして、これそのものは、一つ空港についてやる方式は各港でやっておりますけれども、三カ所を同時にやる、複数の空港を同時にやるというようなことは、実はまだやっておりません。そこで、まずそういうことを職員に対しまして教育、訓練しなければいかぬ。そのために必要なレーダー、これを設置しなければならぬということもございまして、それらの要員あるいは施設整備のためには相当な日数が必要だということでございまして、何もやってないようでございますけれども、私どもとしましてはまず百里と成田でございますね、ここらあたりからまず第一番に着手したい、こういうふうに考えて、一応計画的に検討しておるわけでございます。
  61. 久保三郎

    ○久保(三)委員 次長ね、進入管制のことを聞いているのでありまして、できない原因はないんですね、やればできるんですね。三つのレーダーを一遍に見てやるのはできないなんて、それは教育を受ければできる。教育やってないんでしょう、大体レーダー入れる予算要求もしてないでしょう。そういうことは怠慢の限りですよ。  政務次官、これは本省にお帰りになってから、航空局からよく説明を聞いておいてください、あらためて後でしますから。こういう怠慢な話はないですよ。沖繩復帰してから、あれは四十二年、ことしはもう三年目です。まる三年。三年になって何も予算も要求してない、教育もやってない、何も段取りもしてないというのはおかしいじゃないですか。これは聞いておられませんぞ。——いいです。  それから、時間がありませんから次に行きます。続けて質問しますから簡単にお願いしたい。  海運の問題でありますが、海運の問題は前段私の考え方などは抜きにしまして、新しい海運政策というのは何を考えておりますかということです。いままでやってきました計画造船によるところの船腹増強、それにプラス利子補給、こういう制度でやってきたんだが、その一つの柱である利子補給は海造審の答申にもかかわらず、これは今年度限りでやめるという。それから計画造船の応募の数も、御承知のように大変少なくなってきている。最近のようにタンカーの不況というか、そういうものも影響するんでありましょうが、これが未来永劫そういう傾向であるのかどうか別にして、これもある。それから国際的にはUNCTADの同盟憲章の問題が出てきた。これは定期船の問題です。しかしこれはこれだけじゃなくて、あらゆる発展途上国が自国船主義を主張してくるだろう、あるいは海洋法の問題が出てくる、そういうような幾つかの問題が出てくる。  それからもう一つは、海運の政策というのは六中核体に集約しての体制であったが、今度はその中核体を、その体制を守っていくのか、それとも別な方向を考えているのか。この中核体には功罪いろいろありますね。特に昔の海運と違ってきたのは、昔のオーナーというのはもはやなくなったと言っては語弊がありますが、多少あるでしょうが、ほとんどない。オペレーターは、その船はみんな外国用船がほとんどだ。しかもそれがどんどん多くなっていく傾向にある。こういう中で、いままでのような海運政策でいいのかどうかというのは、これはだれが考えてもいいとは言えないと思うんですね。  それからもう一つは、いままで推してきた海運政策というのは、言うなら船腹増強によってわが方の積み取り比率を向上して、そして海運収支をうまくやる、かたがた安定輸送をするということなんでありますが、そういう大義名分も揺らいできた。こうなればわが方は、いわゆる安定輸送一つとりましても、国際協調的な立場でやるのか、それとも自国的ないわゆるナショナルインタレストの観点から追求していくのか、いろいろあると思うのですね。そういうものをひっくるめて今後の海運政策の方向というのはどういうふうに考えていくのか。特に最近海運政策が崩れているのは、御承知のように、先ほど申し上げたように企業間格差が大分出てきた、それからもう一つは便宜置籍船とかあるいは仕組み船がなし崩しにどんどん認められてきた現実というのもある。そういう中で今度は船員雇用対策というか雇用の問題が不安定になってきた。そういう問題をひっくるめて一口に言うならば、海運政策をどういう方向へ持っていこうとするのか。これは細かいことは別にして原則だけお聞きすればいいと思うのです。  それから次にはカーフェリーの発展と内航輸送との問題ですね。これは最初旅客船に多少の貨車航送を入れたものが多かったのだが、最近では定員十三人以下のいわゆるカーフェリーというのがかなり多くなってきた。そこで内航との調整が明確でない。そのために、片方では内航の船腹調整をしながらも、今度はカーフェリーは枠外であるというようなことのために混乱が出てくる気配が出てきたということなんで、カーフェリーと内航の関係の調整はどういうふうに考えられているのか。時間がありませんから海運関係は大体そのぐらい。  それから保安庁にお尋ねしたいのは、いろいろな最近の傾向から言えば何といっても次のようなものはひとつ早急に手配をすべきだと思うが、これはどうか。たとえば強制水先区というのは余りない。これは船員局かもしれませんが、強制水先区を設定するのが当然だと思う。それについてはパイロットの養成、その他が円滑にいく見通しがあるのかどうか。それからもう一つは、海上交通法によって航行規制をする航路の出入り口の安定対策というのがおろそかになっている。だからこの間浦賀水道ではそれが問題になったのですね。これについての規制というか対策も考える。それから狭水道あるいは内湾というんですか、小さい湾内あるいは瀬戸内海みたいなところ、そういうようなところにおける巨大船の速度制限、速度規制、こういうものも考えるべきではないか。それから特に大型船並びに危険物の積載船の航行規制区域を設けて狭いところからは締め出すという思い切った対策がなければ、最近における事故の傾向から見て徹底的な対策にはならぬと思うのですね。この点はどうなんですか。それからもう一つ海上交通安全法に言うところの進路警戒船、エスコートシップ、これは単にその本文に書いてあるだけであって、任務とかあるいは権限とか本船との関係とか、そういうものは余り明確でない。何となく先に行ってもらおうじゃないかというような船のようである。これでは用をなさないのではないか。だからこれの関係を明確にしたらどうだということであります。それから外航船舶の海外における航行安全についても考慮すると言うが、この間のシンガポールのマラッカ海峡ですか、そういうところの問題もあります。今後はロンボク海峡の問題が出ているが、これはやはり日本が積極的に財政的にも技術的にも関係国と協力をしなければ問題の解決にはならないと思うのだが、これはどういうふうに考えているか。  それから港湾局。港湾局では、港湾五カ年計画はことしは改定する年であったが改定はしない。これも国鉄やなんかと同じで転がしというかそういうことだと思う。ついては、港湾整備五カ年計画は五十一年度から改めてつくり直すんだろうと思うのでありますが、私からは言うまでもありませんが、改めて見直せば欠陥港湾が非常に多い。たとえばこの間事故が起きた水島港一つとっても、これは欠陥港のそしりを免れない。たとえば喫水二十メートルの大型船があすこに入っているわけです。ところが満船で来ると、底が突っかえるから途中で一部荷おろしして少し浮き上がらせて入ってくると言う。それからふところが小さくて回転が非常に無理であると言う。それからぼくの選挙区であるところの鹿島港にしても、これは港外の泊地がない。最近のように船込みの場合は、そこが内航船の通路になっている、東京湾から北海道あたりの通路になっている、あるいは漁場でもある、そうなるとこれは非常に危険だ。ところがこれはいま申し上げたように泊地がない。そういうためにいろいろな問題が出ている。だからこの際はこの欠陥港の整備というかそういうものを中心に一つはやるべきだと思う。それからもう一つは、言うまでもありませんが、環境整備の問題ですね。これは港湾法の改正によって一部そういうものは取り入れられたが、まだまだそう簡単なものではない。あるがままの、たとえばコンビナートならコンビナートはいままでどおりのものをつくると同時にその辺に公園をつくったりなんかということ、環境保全とか安全というものは臨港地帯とプラス港湾区域内、少なくともそれ全体の中での安全と環境保全を考えていくべきだと思うのだが、これはどうなのか。それからあわせて、いま申し上げた区域におけるところの防災体制というのが、余り明確でない。これは法制化するような話もちらちら聞いておりますが、これは積極的に法制化の方向をとって、責任のあり個所、権限のあり個所を、そして協力体制をどうやるか、これはやはり明確にすべきだと思うが、どうか。いまのような災害対策協議会という便宜的なもので、いかがでしょうか、やっていただけないでしょうかなんというようなことでやったのでは残念ながら大きな事故を防ぐことができないし、事故があった場合には被害を抑えるというわけにはまいらぬと思うのですね。そういうことを考えれば港湾整備の五カ年計画というのは、改めて考えるとすればいま申し上げたようなものを中心にして考えることではないのかということであります。  それから最後に一つだけ、これは政務次官にお尋ねしますが、交通運輸の企業というのは、たとえば先ほどお話が出た地方バスの補助金一つとりましても、実際言うと急の場合には間に合わぬのですね。去年の九月三十日までのものをことしになって払おうというように非常に遅い。そのために四苦八苦の企業が非常に多くなってきた。ところが交通運輸の企業というのは中小私鉄とかバスとか言われても、一般のたとえば資本金一億、従業員三百人以下というような範疇にはまらぬいわゆる中小が多いのですね。そうだとすればこれに対して、金融一つとってもいまは中小金融公庫の枠外である、あるいはその他の金融でもなかなかめんどう見てもらえぬということであるわけです。これは単にパスばかりでなくてトラックというか貨物運送あるいはハイヤータクシーあるいは私鉄あるいは定期航路をやっている内航の小さいもの、そういうもの全体に共通する問題だと思うのですね。いままでいろいろな方面にはいろいろな特殊な金融公庫制度があったわけです。ついてはこの際中小の民営の交通運輸の企業に対する金融公庫をいまの公共輸送確保という観点から私はつくるべきだと思うのですが、そういう考えはどうなのか。  以上です。
  62. 小此木彦三郎

    ○小此木政府委員 二、三の重要な問題につきましてお答え申し上げまして、抜けた点は各局から答弁していただくことにいたしたいと思います。  最初の海運政策、特に新しい外航海運政策についての御質問でございますが、確かに利子補給というものは廃止する方向ではございますけれども、それ自体がすべて新しい外航海運政策ではないと思うのであります。新しい海運政策にいたしましても古い海運政策にいたしましても、国際協調という観点に立ち、また、わが国は四面海に囲まれた島国である、貿易を国是とするという考え方に立てば、そういう立場に立てば、やはり国際競争力というものを頭に置かなければならないことは当然であります。したがいまして、国際的なイコールフッティングをどういうふうにやるかという上において今回の措置をしたわけでございますけれども、これからの海運政策は、もちろんわれわれはそのような立場で自主的な考え方を持ちながら、諸外国ではどういうふうにしているのかということを見守った上で進めていかなければならないと思うのでございます。  それから、マラッカ海峡の問題が出ましたけれども、従来からウルトラマンモスタンカーにつきましては、もうすでにロンボク海峡を回っておることは先生も御承知のとおりでございます。しかし、ロンボク海峡を回ったからといって、ロンボク海峡そのものにしっかりした海図等ができているわけではございませんので、必ずそこを通れば安全であるというわけにはまいらないのであります。無論マラッカ海峡よりも安全ではございましょうけれども、マラッカ海峡にはわが国の船が大体六〇%、他国の船が四〇%というような状況において、わが国だけの考え方を強調して進めていくわけにはまいらないと私は思うのです。と同時に、沿岸、シンガポール、マレーシアあるいはインドネシア等の三国の考え方というものも尊重しなければならず、このような各国の考え方等を主にして、われわれは今後とも対策を進めていきたいと思っている次第でございます。  最後の、交通運輸企業の危機は突然やってくるから、すぐこれに対して処置を行わなければならない、したがって、交通運輸企業にだけの中小企業金融公庫というか、そういうものを考えたならばどうだという御質問でございますけれども、その考え方は確かにわれわれに大いに参考にはなるのでございますけれども、現在のところ私どもは、中小企業対策の一環として、現在ある政府系の融資機関の中でできるだけ手厚く措置をしていきたい、救済していきたい、こういう考え方でおるわけであります。
  63. 寺井久美

    寺井政府委員 久保先生の御質問の順序と多少前後いたすかもしれませんが、お答え申し上げます。  まず、狭水道、内海等で大型船の速度制限をすべきではないかという御指摘でございます。私の方では、現在、船の大きさ、潮流等を考えまして、浦賀水道など六航路につきましては十二ノットという制限速度を課しております。  それから、海上交通安全法の航路の出入り口付近における安全の問題でございますが、御承知のように、この出入り口千五百メートルまでにつきましては、一種の緩衝地域といたしまして、工作物等の設置あるいは作業の制限を行っておりますが、そのほかに、先ほども中ノ瀬航路の例で申し上げましたけれども、必要な灯標を置きまして、千五百メートル程度迂回して横断するような指導を行っております。  それから、警戒船の任務がはっきりしておらないという御指摘でございましたが、この警戒船につきましては、通信設備等の性能の向上を図ると同時に、その任務あるいは任務の遂行の方法等を明確にいたしましたマニュアルを作成いたしまして、これによって行うように指導をしていきたいというふうに考えております。  それから、こういう狭水道あるいは狭い海域の中に大型船が入ってくるのを制限してはどうかということでございましたが、これは現在のところ、やはり臨海地帯に非常にたくさんの工場、特に石油精製群がございまして、エネルギー源の確保という観点からまいりますと、即時にこれを制限するというわけにはまいらないわけでございまして、やはりあらゆるきめ細かい指導をしながらこの安全を図っていきたいというふうに考えております。基本的にはやはりこうした工場地帯の立地計画から出直してこの問題は解決していかなければならぬというふうに思っております。
  64. 竹内良夫

    ○竹内(良)政府委員 港湾局長からお答えいたします。  先生の御提案は、港湾の長期計画を改定する場合に、まず欠陥港の問題、それから全体的な環境の問題を考えなさい、さらに防災の面からの港湾区域あるいは背後地に対する明確化をしなさいというような点であったと思います。確かに従来までの港湾のつくり方はある意味において余裕のなかったつくり方であったと思います。今後の計画につきましては、安全であるとか環境であるとか、そういう点を十分頭に置いた余裕のある港湾にしていかなければいけないと思います。先ほどお話のございましたように、外海に面する港等におきましては、確かに泊地が少なかったというような点は明らかでございますので、そういう点については今後十分考えていくべきであると思います。また計画といたしましては、水面の計画だけではなく、ある程度背後地の臨港地帯のあり方というものの上に立った計画を進めていくべきであるというように考えます。したがいまして、環境というものを考えた場合には、背後地の臨港地帯の線のあり方というものを十分踏まえたところの港湾計画をつくっていきたいというように考えます。  防災の体制につきましては、現在のところ、水面におきましては海上保安庁、陸上におきましては消防庁にその防災のリーダーというものをとっていただきまして、港湾管理者はそれに協力するというような姿勢でやっている次第でございます。たとえばコンビナートの防災問題等がいま論議されておりますが、そういう法制の確立等に対してはわれわれ積極的に協力してやっていきたいというように考えておる次第でございます。
  65. 薗村泰彦

    ○薗村政府委員 新しい海運政策につきましては、先ほど政務次官からも御説明申し上げましたが、やはり私どもはわが国の貿易、物資の安定輸送体制を確保するために、日本船を中心として日本の船隊を構成していきたい。したがって、外国との協調というような点も御指摘ございましたけれども、やはり私どもは五〇%、重要なものについてはあるいはそれを少し上回るというような積み取り比率で安定輸送を図っていきたいと思います。ただ、最近の情勢から申しますと、不況というお話が出ましたけれども、やはり不況のときにこそその体力培養を図って外部流出を避けて、その企業の活動を続けさせなければいけないと思いますので、集約のお話が出ましたけれども、特に対外競争力という面から、私どもは集約体制は一応守って、いまの集約体制は維持していった上で国際競争を十分やっていくということにいたしたい。ただ集約についても、いままでのように融資利率を変えるかというようなことはしないで、国際競争力のある企業であって、日本向けの安定輸送に資するものであるというものについては、集約についても財政融資をしていくということに考えたい。  それから中核体を中心にオペレーターとオーナーとが共存共栄でやっていくということが大事でありますので、そういった面で指導はしていきたい。  それから定期船コードの点について御指摘がございましたが、わが方は一応賛成ということで、採択会議には署名はしてまいりましたが、その後の情勢によりますと、先進国を中心にこれが具体的に世界じゅうに有効に働き得るものであるかどうかということについて議論がかなりまだ残っておりますので、私どもはそれを見守って慎重に処理をしていきたい。  それから海洋法の関係については、やはり商船については、公海の自由通航に近いようなかっこうで商船は通してもらいたいということで、世界じゅうの海運活動が円滑に行われるようにしてもらいたいと思っております。  それからやはり船腹が外国用船、仕組み船便宜置籍船ということについては、日本船を補助する手段として、やはり一番心配なのは船員費の高騰を中心とする諸経費の高騰によって競争力がなくなっているという分野について、補助的な手段としてこれを利用していく必要があるのではないか。  それから今後の見通しについては、世界的な不況で係船というような問題も起こりつつあるので、世界的な経済の動きが世界的な需要減になってくる、その影響が日本海運にも出てくるということが非常に心配でございます。  それから、内航のカーフェリーとの関係につきましては、旅客のカーフェリーについての適合貨物は、私どもは一般雑貨である、内航の貨物は大部分が原材料、石油等のロットのものであるということで、かなりその内容は違うということも私どもは考えております。ただ、流通近代化、一貫輸送の要請は無視できませんので、内航業者の中からもこういう旅客カーフェリーに進出してきたという事態は十分見られるところでございます。ただ、一部の航路によっては、競合があるという場合には慎重に考えていきたいと思っております。  それから、最近の自動車航送貨物定期事業については、いわゆる貨物フェリーとしてかなり大型化のものができてきたということでございます。これも近代化、特に無人のトラックを乗せるというようなことが経済上の理由として出てきましたので、そういう芽を摘むわけにはいかないとは思います。  内航の船腹調整との関連については行政指導で特に内航調整の場にそれを持ち出して議論をしてもらうように、すでにやっております。  そういうことを考えながら、自家用定期航路事業、いわゆる貨物フェリーの今後については慎重に考慮していきたいと思います。
  66. 久保三郎

    ○久保(三)委員 時間が来ましたので、質問が残っていますが後にしましょう。ただ、お答えの中で私の意見とは違うものもありますので、ちょっと申し上げます。  いまの海運の問題で政務次官からも海運局長からも、国際競争力云々のお話が出ましたが、いまの日本の船主は、御承知のように、国際競争力を日本の船を使わないで、外国用船をする。はなはだしいのは七、八割も外国用船なんですね。普通でも五割。そういう傾向が、しかもとまるのじゃなくてだんだんふえていくのです。だから、国際競争力をつけるために開銀融資というか、そういうものを手配しましたというが、そんな融資では間に合わないのじゃないですか。だから、むしろ政策的にきちんとしなければならない時期であるというふうに私は申し上げているのでありまして、いま言った外国用船あるいは仕組み船、便宜置籍船、そういうものを全部容認しながら片方でそういうものをやってみても、国際競争力の強化にはちっともならない。国際競争力の強化は、船社は全部そういうかっこうをとっているのでありますから、そういったことを考えていく時期ではないか。いい悪いは別ですよ。ただし、その後は、局長が言うように日本の船で安定輸送——日本の船なら日本の船員が乗らなければいかぬですね。そういうことが前提だと思う。そういうものを前提にして、これから安定輸送をするのにはどうしたらいいかということを、国際的ないろいろな諸情勢の変化の中で、私どもは探っていかなければならぬと思うのですね。だからUNCTADのコードの問題にしても、それはそれでいいです。いいですが、ただ、やっぱりサインしたからにはこれに乗っかっていかなければならぬ。乗っかっていくのには、やっぱり国内体制というものも考えていかなければならぬ。あるいは対抗と言ったらおかしいが、国際的にどうやって体制を整えていくか、こういうようなことを全然検討しないで様子を見ていますでは、新しい方策ではないだろうというふうに思うのです。そういうこともひとつやっていただきたい。  それからもう一つは、港湾局長にちょっと注文といいますか、海岸の埋め立てですね。これは日本の海岸というのはだんだんなくなってしまった。いわゆる海浜——海浜と言った方がいいのでしょうね。そういうものがなくなってしまった。埋め立てをどんどんやった。だから今度の新しい港湾計画も、埋め立てについては十分規制の方向で持っていく、海浜を残す。新しい港湾法では養浜というものがあるのですが、養浜というよりは、まずあるものを確保するということが先ではないかというふうに思うので、これはひとつ十分考慮してほしい。  それから自動車局長にもう一つ抜けたのは、大きい問題では、最近トラック、ハイヤー、タクシーの企業が非常にむずかしくなってきた。むずかしいためにどうやってきたかというと、運転手に対してリース賃金というか、賃金じゃないけれども、リース形態が非常にはびこってきた。そのために安全性が阻害される問題が出てきた。これは後ほどまた改めて申し上げますが、少なくとも実態調査を一遍早急のうちにやって、リースというものはどういうものであるのか、この程度はいいのか、あるいはこういうものはだめなのか、はっきり見解を示すべき時期だと私は思うのですね。そうでないと、ことさらに業界が混乱していく、あるいは安全性を阻害するという問題がありますので、この点を申し上げておきます。  以上です。
  67. 木部佳昭

    木部委員長 本会議終了後再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後零時二十七分休憩      ————◇—————     午後二時二十七分開議
  68. 木部佳昭

    木部委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、道路運送車両法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。木村運輸大臣道路運送車両法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  69. 木村睦男

    木村国務大臣 ただいま議題となりました道路運送車両法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  わが国における自動車の保有台数は、現在二千七百万台を超えており、現代の経済社会の諸問題の中で自動車の占める比重は、ますます高まってきております。  したがいまして、政府といたしましても自動車の登録、検査等に関する事務の処理体制を整備し、自動車の安全性の確保等の社会の要請にこたえていく必要があります。  これらに要する経費の財源につきましては、道路運送車両法に定める額の範囲内で政令で定める額の手数料を徴収することにより確保することになっておりますが、自動車の登録、検査等に関する事務処理体制の整備に要する経費は、年々増加の趨勢にある一方、自動車需要の動向を見ますと、業務量の増加による手数料の増収には多くを期待することができない状況にあります。  今回の改正は、このような実情にかんがみ、自動車の登録、検査等に関する事務を円滑に遂行するための経費の財源を確保することができますように手数料の額の範囲を改めることを内容とするものであります。  以上が、この法律案を提案する理由でありますす。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
  70. 木部佳昭

    木部委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。      ————◇—————
  71. 木部佳昭

    木部委員長 陸運海運航空及び日本国有鉄道経営に関する件等について調査を進めます。  質疑を続行いたします。梅田勝君。
  72. 梅田勝

    ○梅田委員 私は、日本共産党・革新共同を代表いたしまして、先般行われました運輸大臣運輸行政に対する基本姿勢、こういった問題につきまして御質問を申し上げたいと思います。  御承知のように、日本列島を改造するというような大げさなことを言って登場いたしました田中内閣は、インフレと深刻な不況というものをもたらして崩壊したわけでございます。そこで新しい三木内閣が誕生したわけでございますが、いま国民は、この新しい内閣が従来の大企業本位の自民党政治の延長線上の政府であるかどうか、これが今国会の審議を通して明らかになることを期待し、また注目をしているのでございます。  先般行われました運輸大臣のいわゆる運輸行政の基本姿勢というものを承っておりますと、エネルギーの国際的制約、物価抑制のための経済成長への歯どめ、公害、環境問題等、厳しい経済社会情勢の中で、交通事業の経営状況は一段と悪化して大変だということが述べられまして、そしてその中で、国民の足としての交通機関の維持、整備努力していくことを強調され、交通安全の確保、交通公害防止、国民生活の安定、向上のための輸送力の確保、こういう三つの柱を重点施策とする内容が強調されたわけでございます。  しかし、これを伺っておりますと、昨年、第七十二国会におきまして当時の徳永運輸大臣が行いました所信表明と大体同じような内容で、少々表現が変わっておるということと、三つの柱の順番が入れかえになっているという程度でありまして、田中内閣での失政、失敗というものと何ら変わらないものが出てきている。だから、基本姿勢そのものをお伺いいたしましても、従来の自民党の大企業本位、大規模プロジェクトをどんどん建設をして、大企業はもうかるが、中小企業は倒産し、また働く労働者は合理化によって苦しめられるというような事態になりはしないか、こういうことを私どもは感ずるわけでございます。  インフレが悪化いたしまして、交通経営がこれまた一段と悪化といいましても、これは決して自然発生的に生まれたものではありませんでして、御承知のようにこれは経済的な現象であり、そしていま社会問題になってきているわけであります。ですから、こういった問題につきまして、いままでの政府のとってきた施策というものが果たしてどうだったのか、きちっとした反省の上に立って三つの重点施策をおっしゃっているのかどうか。自動車排出ガスの問題も大きな社会問題になっておりますが、これだって、いわゆるモータリゼーション政策というものを政府が推し進めてきて、その果てが、大量の自動車、どんどん有毒ガスを出すという事態になったわけです。一方におきましては、私は京都でございますが、公害を生まない路面電車なんかは有効な乗り物だと思うのでありますが、そういうものは自動車がどんどんと駆逐をしていった。こういう従来の運輸行政というものに対してもっともっとメスを入れて、真剣な姿勢で今後正しますということを表明していただきませんと、国民は聞いていてどうも納得がいかないということになるわけでございます。  そういう点で、まず政府の従来やってまいりましたような大企業本位の運輸行政というものを根本的に改めて、本当に事故や公害をなくし、そして国民が必要としている生活の足を確保していくという点におきまして、運輸大臣の基本的な姿勢を改めてお伺いしたいと思います。
  73. 木村睦男

    木村国務大臣 運輸行政は、申し上げるまでもございませんが、国民の輸送を確保することが本命でございます。したがって、運輸行政ほど国民の日常生活に最も密接な関係を持っておる行政は、他に例がないほど密接さが強い行政であると考えております。そういう意味におきまして、運輸行政を担当いたします私といたしましても、いま御指摘のように、運輸行政が大企業寄りであるとか、大企業中心の運輸行政というふうなことは私は毛頭考えておりませんし、過去の運輸行政におきましても、そういうことはないと私は断言をしてはばからないと思っておるわけでございます。  そこで、一年前の運輸大臣の施政方針と今回私が申し述べました方針と大同小異であるという御指摘があったわけでございますが、運輸行政といったようなものが毎年毎年ネコの目のように変わるということが本来おかしいのでございまして、やはり基本的なものは終始変わらない、ただ、その時代、そのときの背景の推移によりまして、重点の置きどころが逐次変わってくるというものであろうかと私は考えておるわけでございます。そういう意味におきまして、いまも御指摘いただきましたが、重点の置き方等について配慮をいたしまして、私の所信を表明したようなわけでございます。  もとより高度成長時代はもはや過ぎ去ろうとしておりますし、静かな安定成長という経済的な背景のもとに、運輸行政をいかに進めていくかということが私の任務であろうと思います。それには、ただ単に需要を充足するための輸送力の増強、整備、充実、もちろんこれは怠ってはいけませんが、同時に、これらの交通事業のもたらすところの社会的環境を破壊することに対する措置、あるいは公害等の防除、そういった社会環境、国民生活の周辺に与えるところの害を極力なくする。同時に、交通事業の宿命ともいうべき交通事故防止には常に意を用いてこれが対策を図り、そして交通事故の絶滅を期するということは、終始変わらない交通事業を担当する者の使命であろうと私は思います。こういうところに重点を置きながら今後の運輸行政を進めていきたい、かように考えておるような次第でございます。
  74. 梅田勝

    ○梅田委員 まあ従来と余り変わらない、順番が変わった程度だ、それが重点の置きどころの違いだとおっしゃるわけでございますが、大企業擁護、大企業を中心とした政治姿勢というものは私は変わってないと思うのです。たとえば公害の絶滅をおっしゃっております。しかし先般来五十一年度のいわゆる自動車の排出ガスの規制問題、これが大いに議論をされ、問題になっておりますが、これは政府の政治姿勢が非常に後退したというのが国民の受けている印象でございます。なぜならば、一度はやる、努力すると告示まで出してやったものが後退をしているということになりますと——いろいろ技術問題でできないとか言いますが、しかし中公審の審議の状況は、この間明らかにされましたように、大企業が裏で操っておったということは、これは今日国民は広く知っておるわけでございます。そこで私は、今日の経済成長というものがどうしてできてきたかという角度からもう少し問題を考えてみる必要があると思います。  一つは、経済の成長といいますのは言いかえますならばこれは資本の高度蓄積でございます。資本の高度蓄積というものは、これは働く人たちが強度に搾取をされているということのあらわれでもあるわけです。しかし、それだけで今日の日本の高度成長ができたとも思えない。もっと別な角度でやっておる。それは、国民から税金を巻き上げて、政府がこれを再配分するときにおいて大企業中心の財源配分をやる。国民の零細な預貯金の財投にいたしましても、大企業中心に配分をするというような形で高度成長が促進された。さらに第三の問題は技術の進歩がございますが、しかしその技術の進歩そのものもいろいろ問題を含んでおるわけであります。いろいろ新しいのができましても公害が一方で出てくるという問題が発生いたしましたならば、これは大変なことになる。ところがそういうものに対して資本は十分な手当てをしないでやってきた。いわば安全、公害、災害対策なしの高度成長というものをやってきたところに根本的な問題があるのではないか、このように思うわけでございます。  そこで、自動車排気ガスの問題について、政府は、自動車の一キロメートル走行当たり窒素酸化物は〇・二五グラムに規制しよう、五十一年にそれを実現しようということで努力しようということを言われてきて、いま変更が問題になっているわけでありますが、その努力目標が提示されて以来運輸省としてはどれだけの努力をしてきたのか。検査体制その他について、実現がされた場合にどうするかというような努力を具体的に聞かせていただきたいと思います。
  75. 木村睦男

    木村国務大臣 排気ガスの規制につきまして、後退したではないかという御指摘でございますけれども、実は中央公害対策審議会の総会において審議をされ、その答申を受けて、その答申に基づいてただいまその実施の時期を決めようという段階で、環境庁あるいは通産省、関係各省といま協議を進めておるところでございまして、別に私は後退をしておるというふうな感じは持っていないわけであります。ことに、現在まで一酸化炭素等の規制につきましては、運輸省の方は車両の検査の段階でこれをチェックするわけでございまするから、いままでの規制の基準に従って、新たに検査の段階でこれは一々チェックをいたしておるわけでございます。今回五十一年度規制につきましては、ただいま申し上げましたような状況で、いつからこれを実施するかということで、環境庁と協議をしながらいずれその時期を明確にいたしたい、こういう状況であるわけでございます。
  76. 梅田勝

    ○梅田委員 具体的に五十一年度規制の車の検査体制ですね、それは運輸省としてきちっとできるようにされたのですかどうかということを聞いておるわけです。
  77. 木村睦男

    木村国務大臣 これは、実施の時期が決まりまして、そしてメーカーの方で基準に合った車を出してまいります。それから運輸省で最終的な型式の検査をやるわけでございますが、その体制はそれに合わして支障なくでき得るように準備を進めております。運輸省に回ってきまして大体二カ月くらいの期間がありますとこれは全部処理できる、こういう計画を立てております。
  78. 梅田勝

    ○梅田委員 その点につきましてさらにもっと追及したいのでありますが、きょうはちょっと時間がないのでその点でとどめますが、私が聞いておりましても明らかに体制は後退している。二カ月でできるというのは私は疑問ですね。実際問題として五十一年規制がきちっとできたら、果たしてチェックできる機構があるかどうか、機械にいたしましてもできておるのかどうかということについて、私ははなはだ疑問なんです。だからこの点につきましてはまた後日議論するといたしまして、さらに大企業べったりの実態につきまして追及したい問題がございます。  それは過日の三菱石油の水島製油所における油の流出事故の問題でございます。非常に大変な量が流出をいたしまして、そして関係漁民を初めとした方々に対して大変な迷惑をかけておる。これは深刻な問題でございます。単に漁民だけでなくて、瀬戸内でお魚がとれましても本当に安全に食べられるのかどうか。新聞報道によりますと、魚を食べて下痢をしたというようなことも起こっておる。ですから、単にあそこに住んでいる方だけの問題でなくて、魚類をたん白源としている日本人全体の問題であるということで重視をしなければなりません。  いろいろ聞いてみますと、二百七十号タンク破損による油の流出は約四万三千キロリットル、そのうち構内その他で回収をいたしましたものが約二万五千キロリットル、差し引きますと約一万八千キロリットルが行方不明。われわれの想像では約十万本分に相当する油が海上に流出をしたというように考えます。そこでお聞きしたい点は、この油があの構内へ具体的にどの個所からどういう経路で流れたか、最後に海へ落ちるときにはどの個所から出たかという点につきましてお伺いしたいと思います。
  79. 寺井久美

    寺井政府委員 油が海上に流れました経路といたしましては、三菱石油構内から切り込み、いわゆる川鉄の切り込み湾の中に四本の排水溝がついておりますが、その排水溝に至る手前に実は水をためる大きな堀がございまして、その堀に流れ込んで、それからこの排水溝を伝わって出た油が相当量ございます。また、岸壁に流れ出まして、岸壁の外側にへりがございますが、そのへりは越えておりませんで、岸壁のいわゆるコンクリートのすき間、こういうところから海上に漏れ出ておるという油もございます。また、川崎製鉄側の構内に一部入りまして、川崎製鉄のマンホールの穴から漏れて切り込み港湾に流れた。大体この三つの経路から油が出ております。その大部分は一番最初に申し上げました排水溝を伝わって出た油の量が大部分である、六割程度はそこから出ているというふうに考えられております。
  80. 梅田勝

    ○梅田委員 その油が流れました最初に流れ出した時刻、それと大体油が流れてしまったという終わりの時刻、それはわかりますか。
  81. 寺井久美

    寺井政府委員 最初に海面に油が出たという時刻と大体終ったという時刻の御質問でございますが、それほど正確に現在私は承知しておりません。
  82. 梅田勝

    ○梅田委員 そんな重大なことがわからぬようでは困ります。  それではさらに聞きますが、その時の潮の状態、潮の干満は引き潮であったのか満ち潮であったのか。その干満の時刻、これをちょっと聞かせてもらえますか。
  83. 寺井久美

    寺井政府委員 私正確に存じないと申し上げたのですが、私どもが十八日の午後九時三十八分に三菱石油から海面に油が流出しているという報告を受けておりますので、その時点に少なくとも海面に油が落ち始めたということでございます。  それから、干満の差でございますが、この当時の満潮がたしか一時四十分ごろでございます。したがいまして、明け方にかけまして引き潮が始まっているということでございます。
  84. 梅田勝

    ○梅田委員 つまり、そのときの潮の状態といいますのは引き潮であった。事故発生が二十時四十分ですね。通報はおくれておりますね。海上保安庁が聞きましたのは大体一時間後に聞いているわけです。しかし、一時間後に聞いているということは、もう一時間前に流れているということですね。流れたときには大体引き潮が終ったころの時刻というようになる。そうすると、海の動きはほとんどなかったということですね。そして、満ち潮が一時四十分ということになりますと、だんだん攻めてくるんですね、三菱石油の方へ向けて潮が上がってくる、こういう状況です。そうしますと、潮の落差というのが、あそこの場合にはこのときは大体八十八センチというように私どもは聞いておるのでありますが、流出時間が先ほどの質問では明らかになっていなかったんですが、大体二時間くらいで油は流れてしまっているんじゃないかと思うのですが、ちょうど潮が押し寄せてきて真ん中ぐらいのところで油はほとんど流れ終わっているというように判断したほうが正しいのじゃないかと思いますが、その点いかがですか。
  85. 山本了三

    ○山本説明員 事故発生は二十時四十分でございます。で、二十時十七分に最低潮位でございまして、十九日の一時四十一分が満潮でございます。したがいまして、二時までは満ち潮ということでございます。だんだんに三石の方に潮が押し寄せてくるということでございます。二時以降は、今度は下げ潮でございますから外へ出ていく、こういうことになります。
  86. 梅田勝

    ○梅田委員 そこでお聞きしたいのでございますが、先ほど、油は三つの経路で流れた、しかし大部分は排水溝から流れたと言われておりますが、私も実際はほとんどが排水溝を通して流れたのじゃないかと思うのです。なぜならば、私ども共産党の議員団が現地へ行きまして、そしてあそこの大島所長にお伺いをいたしまして、まだこの興奮さめやらぬころ、どうなってどうしたという質問に対しては、タンクが破れた、そして構内を伝わって排水溝を通って海へ出たということを言っておられますから、だからこれは一番正確な記憶だろうと思いますし、また事実だろうと思います。そうなりますと、問題は、その排出溝がふさいでおればほとんどの油は防ぎとめたというふうに推定ができるわけです。そう思いませんか。
  87. 寺井久美

    寺井政府委員 排水溝がふさげたといたしましたならば、あそこに相当大きな貯水槽がございますので、その容量分だけは出なかったということは言えるかと思います。
  88. 梅田勝

    ○梅田委員 水島の製油所の敷地は全部で何ぼあるのですか。
  89. 寺井久美

    寺井政府委員 私はまことに申しわけないのですが、全部の敷地の面積はちょっと承知しておりません。
  90. 梅田勝

    ○梅田委員 こういう重大なことを海上保安庁が知らぬということはおかしいのだな。私どもが三菱石油からいただいた資料の中には百五十三万平米、ものすごい広さですよ。約四十六万坪あるのです。あそこがふさいでおれば油はほとんど出なかった。現に、あなたが先ほど言われましたように、この海岸線の接点、第九桟橋があるところでございますが、そこには相当高い区切りがある。これを油は乗り越えてないということはあなた最前おっしゃいましたね。われわれも行って知っているのだから、あそこに油はほとんどついていないのだから。あの二百七十号タンクがぼんといって最初は相当の勢いで出た、向かい側のタンクのいわゆる防油堀のところまで行っています。しかし、ずっと海へ行けば行くほどこの山はずっと下がって、最後の方はないのだ。確かに油の出たその周辺はどっと来たでしょう。しかし、膨大な敷地ですから、どっと広がってしまって、水際のところはほとんど油がなかった。大島所長が言っているように、油は轟音を立てて排水溝から出てしまったというのが私は真相だろうと思うのです。だから、海を汚されてその海の汚染の問題について厳重な監督官庁である海上保安庁は、油が大量に出てきたというときには、引き続きそれをいかに防除するか。防除とは防ぐことと取り除くことだと、私は海洋汚染防止法の第三十九条の理解でそのように考えておりますが、その点はどうなんですか。
  91. 寺井久美

    寺井政府委員 先生指摘のように、やはり出なくすることと除くことと両方あるかと存じます。ただ、現在の海洋汚染防止法では、タンクそのものはそういう意味では罰則の方が対象になっておらないわけでございまして、そこで私どもとしては、こうした陸上のタンクから大量の油が出るということを、正直申し上げて余り十分想定をしていなかった。ただ大型タンカーから油が出ることを想定していろいろな準備をしておったわけです。今回の水島の場合も、やはり船から出た場合と同じ応用動作でやっておったわけです。先生指摘のように、確かに陸上でとまっていただくことが望ましいわけですから、そうした防油堀なり何なりというものの構造、あるいは出ないようにするためのそうした排水溝の処理といったものは、今後大いに詰めていかなければならぬというふうに考えております。
  92. 梅田勝

    ○梅田委員 あの排水溝ですね、大体ああいう油を使っているところでございますから、一たん公害防止のために遊水池のようなところへ持ってきて、それでそこから適宜外へきれいな水を排出させるというシステムになっているというように私ども聞いておるのですが、問題は、あそこは満ち潮のときには排水溝のところへ海水が入ってくるというのは御存じですか。そのためにあそこはふたをしているというのを御存じですか。満ち潮のときに排水溝の入り口をふたをしているというのを御存じですか。
  93. 寺井久美

    寺井政府委員 満ち潮のときにふたをしているという事実は、私は承知いたしておりませんでした。
  94. 梅田勝

    ○梅田委員 出すときだけあそこをあけておるというように私どもは聞いている。これは岡山県の県議会でも問題になっているんだな。ところが、あれがどうしてあいていたか。なるほど事故発生のときは引き潮だ。しかし直ちに閉めることは可能なんですね。海上保安庁は、油が出てきたというときには、直ちにこの三十九条に基づいて防除に努めなければならぬ。まして大量だ。タンクが破裂して出てきたんだから大変な量だということは想定できますね。そんな役に立たぬ人たちが配置されているとは私は思わない。どうしてもそこをとめる必要があるということになれば、必要な措置を命令する権限海上保安庁はお持ちのはずですね。どうなんですか。企業に対して命令する権限あるのでしょう。どうですか。
  95. 寺井久美

    寺井政府委員 必要な措置をとることを指示することはできます。
  96. 梅田勝

    ○梅田委員 そうしたら、あなた方は通報を受けたときに具体的にどのような措置をしたのか。委員会会議録等を読みますと、すぐに巡視艇を現地に急行さした、これが一点。もう一つは、水島港の災害対策協議会、企業が六十社加盟しているこの対策協議会に応援といいますか救援を依頼した。私ども聞いておるのはその二つのことしか聞いておらぬ。そして、引き続いてオイルフェンスを張るということぐらいじゃなかったですか。土のうを積んで、海上への油の流出を絶対阻止せい、排水溝を閉鎖せいということをどうしておやりにならなかったか。そこのところを重ねてお伺いしたいと思う。
  97. 寺井久美

    寺井政府委員 まず通知を受けまして、すぐ消防艇と巡視船の緊急出動を手配いたしますと同時に、御指摘の水島港湾災害対策協議会、これの幹事会社がございますが、そこへ連絡をいたしまして、オイルフェンス等の機材を緊急に出動することを要請いたしております。そこで、この巡視船、消防艇が現場に参りまして、油の状態その他を見ると同時に、オイルフェンスの展張を指示いたしまして、一緒に展張にかかっております。先ほど先生指摘の水門の件につきましては、直接指示をしたという報告は受けておりませんけれども、閉めようということを試みて閉まらなかったという報告を受けております。
  98. 梅田勝

    ○梅田委員 閉めようと思って閉まらなかったというのは、だれが言うたのですか。海上保安庁の方が行って直接現場で指揮して、やろうとしてそうなったのか、企業に要求してそうなったのか、それとも後からそういうことを聞いたのか、どうなんですか。
  99. 寺井久美

    寺井政府委員 私の知っておる限りでは、後に報告を受けたときに、おそらくこれは企業の側であろうかと思いますが、閉めようと思って閉まらなかったというふうに聞いております。
  100. 梅田勝

    ○梅田委員 私は、この点につきましては、もう非常に大きな疑惑が残っておると思うのです。潮の満ち潮は一日に二回ある。だから必ず閉めたりあけたりしておったはずだ、まあ雨が降っておらなんだらどうなっておったか知らぬが。いずれにしても、かかる事故が発生しておるのに、その水門の取り扱いが従来どのようになっておったかということを調べてないというのはおかしいのじゃないですか。防除する、防ぐ、そういう責任が油を流出した企業に対してはある。それを監督する権限また海上保安庁にある。ところがちっともそれは追及してない。ただ油が流れて大変だ大変だと言うておるだけ。これでは国民は納得しない。どうですか。
  101. 山本了三

    ○山本説明員 排水溝をとめる水門の件でございますけれども、これは先生指摘されましたように満潮、干潮の場合に、満潮の場合に閉めるとか、そういうことはやっておらないものであります。私どもの聞いておる範囲では、それはやっておらない。と申しますのは、あの水門は本来三石の水門ではありません。これは県の港湾事務所の管轄に属しておる水門だと私どもは聞いております。これは埋め立ての当初使ったものであって、現在三石がそれを運営はしておらないと私どもは聞いております。そのためにあれがさびついておりまして、実は三石はあれを閉めればということで、担当官は一生懸命閉めるように努力したそうですけれども、一個は大体閉まった。しかし、あとの三個は、本来そういう機能のためにあるものではないので整備をしておらない、したがってそれは閉まらなかった、私どもはそういうふうに聞いております。
  102. 梅田勝

    ○梅田委員 それはきわめていいかげんな話なんだな。私はこんなことで絶対納得いきませんよ。なぜなら、当委員会において現地が実際どうなっておったかということで委員派遣をして一遍調べる必要がある。非常時のときに役に立たぬようなそういう水門でどうしますか。もしこれが合理化のために整備が不行き届きであるとか、非常応急のときにはどうにもならぬような体制になっておったということであれば、それはそれとしてまた重大な問題ですね。あの二百七十号から二百七十一号の隣のタンクへパイプで連結しておりますね、これをバルブであけた。しかしこれは自動になっておるものだから、あけたら今度はぼーんといってこっちへ流れてしまった。あわてて逆流をとめようと思っても、オートマチックで便利がいいようだけれども、一たんあけたらなかなか閉まらない。非常時には間に合わぬということになっておったということと考え合せまして、私は重大な問題だと思うのです。大体、海洋の汚染の問題につきまして、海洋汚染防止法の「目的」を見ましても、「海洋の汚染の防除のための措置を講ずる」ということが明記されておりますし、第二条におきましては、「何人も、油又は廃棄物の排出その他の行為により海洋を汚染しないように努めなければならない。」そして第三十八条におきましては、通報義務をそれぞれの危険なところには課している。船舶の船長とかあるいはそういう施設の管理者にそういう通報義務を課している。さらに第三十九条において防除義務を課している。これに違反をいたしましたら、ちゃんと罰則があるんだ。第五十五条の六号、七号で、「六月以下の懲役又は二十万円以下の罰金」——この罰金もちょっと安いと思いますがね。あれだけの大事故をやっても罰金で済むかもしれぬ。しかし、これは懲役を科しているわけだから、必要な防除作業をやらなかったということに対して、断固やることもできるんだな。  それから、油は、最初二百キロリットル流れたという通報があったそうだね、それは事実ですか。
  103. 寺井久美

    寺井政府委員 二百キロリットル流れたという通報は受けておりません。
  104. 梅田勝

    ○梅田委員 われわれは現地へ行くと、流れたのは二百キロだ、二百キロだと言っているのだな。最初はそうだったと言うのだ。ところが、膨大な万キロの単位で流れておる。虚偽の通報じゃないか。そういうのがあったとしたら、虚偽の通報で、第五十七条によって十万円以下の罰金ということで、海上保安庁は今度の問題におきましては、これだけ広範囲の海域が汚染をされたということにつきまして、もっと徹底的な解明が私は必要じゃないかと思うのです。そういう点で、先ほどそちらから言われたのははなはだおかしいわけでございますから、この件に関して、事実を調べた報告を本委員会提出をしていただきたいと思うのでございますが、いかがですか。     〔委員長退席、増岡委員長代理着席〕
  105. 寺井久美

    寺井政府委員 水門の関係につきまして、詳細、事実関係調査の上、追って御報告したいと思います。
  106. 梅田勝

    ○梅田委員 次に、さらに今度はオイルフェンスの問題でございますが、オイルフェンスは約一万五千メートルほど用意をした。しかし、そのうち使ったのは約五千メートルだ。一万メートルほど余った。いろいろ張ってはみたけれども、風が強いとかあるいは潮流が激しいとかということによって切れてしまったとかなんとかという説明がなされております。実際はどうであったのか。三菱の大島所長は、自分のところのオイルフェンスをとりあえず動員をして張った。それは八百メートルの切り込みの幅の六百メートルしか張らなかった。最初から二百メートルあけておったということは言うておるわけです。だから、これは一体どういうことになるんだ。そこを航行した船、これを全面的に航行禁止にしないで、こう通しておった。船が出るときにどっと油が出ちゃったというように現地で問題になっておりますが、この点について、海上保安庁はどういう処置をとったのか、お伺いしたい。
  107. 寺井久美

    寺井政府委員 まず、オイルフェンスの総量につきましては、水島地区で約一万五千メーターのオイルフェンスがございます。先生指摘のように、今回、水島地区で展張いたしましたのは、五千百二十メーターでございますから、一万メーター近くのオイルフェンスは、水島地区で使われないであったという関係になります。  それから、オイルフェンスは六回、九カ所にわたって張っておりますが、いま先生のまず、最初に張りました切り込みのところのオイルフェンスでございます。これは、午後の十時ごろ展張を開始いたしまして、零時二十分に張り終わっております。この間に二百メーター残したということではございませんで、展張作業と並行いたしまして、中に錨泊いたしておりました小型鋼船八隻を、二十二時四十五分ごろ切り込み港外に待避させております。これは接岸しておりました船はほかにもございましたが、当時の状態では、重油が流れたということで火災の危険をも考えまして、錨泊中の乗組員の生命の安全を考えまして、これを並行的に待避させたという事実がございます。船が出るために二百メーターをあけたということではございませんで、まずもって三菱石油が持っていきましたオイルフェンスが、八百メーターでございましたかもしれませんが、これと合わせまして、零時二十分には一応この入り口に全部オイルフェンスを張っております。  その後、これは切断をいたしておりますけれども、それはまた御報告を……。
  108. 梅田勝

    ○梅田委員 この油が流れておる時期にどれだけ船が出入りしたのですか、それの数と、それから、どこの船がどこの企業の岸壁へ行ったのか、わかりませんですか。
  109. 寺井久美

    寺井政府委員 御質問は、水島港全体でございますか。
  110. 梅田勝

    ○梅田委員 そうです。
  111. 寺井久美

    寺井政府委員 水島港の入港船舶、これは入港届によるものでございますが、事件が発生いたしまして、十八日の午後八時以降に十四隻、十九日に百二十六隻、二十日に百二十二隻となっております。ただ、これは平水区域を航行する資格のある船舶はこの中に入っておりません。
  112. 梅田勝

    ○梅田委員 私は、あのような非常事態でございますから、完全に港全体は航行禁止にして、そしてオイルフェンスを十重二十重と張る。現地の漁民の方々は、きのうもお見えになっておりましたけれども、三百隻の船をだあっと並べたら、いかに潮流が激しくとも、それを支えにして、オイルフェンスは切れたり流されたりしないようになるんだ、なぜ現地のそういう漁民の協力を求めなかったのかということを言っておられるわけです。だから、やはり皆さんの知恵を結集すればできるわけですから、ぼくは保安庁はしかるべきことをやっていないというように思います。そういう点で、今回の三菱石油のああいった海洋汚染についてどういう処罰をするのか、考えておられましたら明らかにしていただきたい。
  113. 寺井久美

    寺井政府委員 事故原因につきまして、現在調査中でございます。どういう処罰をするかというようなことは、事故原因が明白になりました上で決定されるべき事柄であろうかと思います。
  114. 梅田勝

    ○梅田委員 昭和四十四年に大阪の海上保安監部は、海上に廃油をたれ流した石油会社について、港則法違反の疑いで送検をしております。だから、この廃油をたれ流すだけでも、これは陸上の石油会社ですよ、厳重な処置をしているという事例もあるわけでございますから、これだけの問題を起こして何の処置もしないということにならないように厳重な処置を私は要求したいと思います。  以上聞かれまして、運輸大臣大変な事態だと思うのです。これについて大臣としてどのようにこういう問題に対しての処置を今後やっていくかということについての決意を、簡潔に言っていただきたいと思います。
  115. 木村睦男

    木村国務大臣 先般の水島の油の流出事故、流出いたしました油の量が非常に多うございまして、実はこれを防除する側も非常にあわてたことは事実でございます。     〔増岡委員長代理退席、委員長着席〕 ことに、事故が起こってから海上保安庁がその連絡を受けましたのが約一時間後であるということでございますので、それまでに大量の油がすでに海上に出ておった。そこへ向かって行ったわけでございますし、大変な大規模の流出でございまして、なかなか思うように行動がとれなかったであろうということも容易に想像がつくわけでございます。  従来、こういう事故等に備えますために、これは海上保安庁だけの力ではどうにもなりませんので、全国をたしか六地域くらいに分けまして、平素からそういった関係機関総合して対策の機構をつくっておるわけでございます。それが事故が発生すると同時に直ちに発動をして防除に当たることができますればかなり効果は上がっただろうと思います。  今回の事故は、そういうことで事故発生の連絡を受けたということが遅かったということにも一つ原因があろうかと思います。  同時に、いままで(梅田委員「だから、大企業に対して厳重にやるということを言うてもらったらいいのです」と呼ぶ)そういう大事故に対して防除体制、防除の器具、そういったものがまだまだ私は不十分であると思います。こういう点は今後整備していこうと思います。  それから、今回の水島の事故は、先ほども保安庁長官が申し上げましたように陸上から起きた事故ということでございまして、なお一層保安庁だけでどうにもならない。いまお話の大企業に対して大いに注意を喚起するという点につきましても、そのタンクの所在しておる陸上のその付近のそういう問題について取り締まり等の責任に任じておる機関とも十分連絡をしながら、今後はもちろん注意をしていかなければならないと思いますが、今後こういう事故が再び起こらないように、いろいろな点で今回の事故にかんがみまして防除する方は防除する側といたしましてさらに一層体制を強化して準備万端整えていきたい、かように考えております。
  116. 梅田勝

    ○梅田委員 徹底的な大企業に対する規制を決意していただくということを期待いたしまして次の問題に移ります。  とにかく運輸省はそういう点で仕事が国民の足、生活に直結をして非常に重要な仕事が多いわけです。ところが、第三次定員削減計画というものが行政管理庁の勧告に基づいて進められておる。気象、海運港湾海上保安庁、それぞれ重大な問題を抱えているわけなんです。  ここで具体的に気象庁の問題について、資料もいただいておりますが、六十五名削減をするということになっておりますが、どこをどのように減らすのか、具体的に方針を聞かせてください。
  117. 毛利圭太郎

    ○毛利政府委員 申し上げます。  気象庁第三次削減計画の第一年度の計画といたしまして、総員六十五名でございますが、これは本庁には部が四つございますが、本庁の部、付属は研究所、管区は五つございますが、五つの管区、これから合計六十五名の削減計画を立てております。
  118. 梅田勝

    ○梅田委員 いわき市の小名浜測候所、これは廃止になるのですか。
  119. 毛利圭太郎

    ○毛利政府委員 小名浜測候所につきましては削減計画一つ方針といたしまして、二十四同行っております気象観測通報を八回の通報に改めるということで二名の減員を予定しております。
  120. 梅田勝

    ○梅田委員 廃止じゃなくて、機能の縮小ですね。
  121. 毛利圭太郎

    ○毛利政府委員 ええ。
  122. 梅田勝

    ○梅田委員 気象庁の仕事というものは、測候所の仕事というものは非常に国民の生活にとって直結している、漁民の仕事をする場合におきましても。今回のああいう油の流出におきましても、風のぐあいだとか潮流のぐあいだとかいうものをもっともっと常時監視できるような体制というものがあればよかったと思うのでありますが、とにかく通報所が廃止になったりあるいは測候所の機能が縮小されるということは私は重大だと思います。その中で、合理化の一つの手段として当局が考えられております地域観測網システムというのがございますが、通称AMeDASと言うているものでございますが、これは全国でどれだけ配置されていますか。
  123. 毛利圭太郎

    ○毛利政府委員 地域気象観測網計画といたしまして四十九年度中に全国約九百カ所の雨量観測点の設置をいたしまして、昨年の十一月から実施運用に入っております。なお、そのほかに四要素と申しまして、風向、風速、気温、日照を加えました個所を約百カ所も同時に整備されることになっております。
  124. 梅田勝

    ○梅田委員 現在は寒いときでございますが、雪が降ったときにはそれは測定できますか。
  125. 毛利圭太郎

    ○毛利政府委員 雪に関しましてなお将来この計画の中に取り入れる予定でございますが、現在は従来どおりの方法でやりまして仕事として支障ないと存じております。
  126. 梅田勝

    ○梅田委員 そのAMeDASによって、現在雪のためにそれが十分に機能できないという個所はどれぐらいありますか。
  127. 毛利圭太郎

    ○毛利政府委員 現在のAMeDAS計画といたしまして将来は全国十七キロ間隔、千三百カ所予定しておりますが、現在展開されました九百カ所の観測によりまして大体雨、四要素が入ってまいりますが、雪は、これに雪を取り入れますまでは従来どおり変わらない観測を続ける予定でございます。
  128. 梅田勝

    ○梅田委員 いや、私が聞いているのは、雪が測定できない、だからせっかくつくったけれども機能が十分運用されていないというのはどれぐらいあるかと聞いているわけです。われわれの調べたところによりますと、この九百二十三カ所のうち五百九十カ所ある。そうしたら半分以上じゃないですか。
  129. 毛利圭太郎

    ○毛利政府委員 雪に関しましては、現在では雪を測定いたします雪尺並びに積雪板というものを使いまして雪の観測を行っておるのでございまして、これを将来自動化いたしまして、AMeDAS組織に加えますように、われわれとして今後努力していきたいと存じておる現状でございます。
  130. 梅田勝

    ○梅田委員 昭和四十七年の七月に豪雨がございまして、そして四百人を超えるとうとい人命と数千億に及ぶ被害が起こっております。これは有名なことでございますが、この原因が、気象状況というのは非常に局地的な変化が多いということで、気象庁のつかんだ情報では柳川市で四百ミリ近い降雨量が降っておったにもかかわらず、それを全体としてはつかめなかったという苦い経験がある。それは結局昭和四十五年の四月に久留米の気象通報所を廃止したから、こういう現象が起こってきて判断を誤る。学校の先生から大変だという連絡が来て初めてそういう状況があるということを知ったというような苦い経験があるわけでありますから、やみくもにどんどんそういうところを合理化していくということにつきましては、私は問題があると思う。ですから大臣、そういった点につきまして、せっかく合理化してつくったものを——豪雪が降ってもそれははかれない、従来の体制でやらざるを得ぬということになるわけでありますから、だから第三次定員削減計画については、住民の生活を考えで再検討していただきたいという点で、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  131. 木村睦男

    木村国務大臣 官庁機構の簡素化、合理化も私は非常に必要なことだと思いますけれども、それによって大切な業務に支障が起きるというふうなことがあってはならない、かように考えております。したがいまして、ことに気象業務などといいますものは専門的な知識、技能を非常に要求する仕事でございますので、簡単に他の普通の官庁と同じような削減の仕方だといろいろ支障が起こると思います。ただ一方におきまして、機械化あるいはコンピューター等で、リモートコントロール等で実際に省力化のできる部面もあると思います。そういう点も十分勘案いたしまして業務に支障の起こらないように、しかも定員の切り詰めをやっていきたい、かようにして気象庁の精度に影響がないように、業務の運営に支障のないようにやっていきたいと考えております。
  132. 梅田勝

    ○梅田委員 時間がございませんので、この問題もさらに今後追及をしていくということにしたいと思いますが、最後に一つ国鉄問題でお聞きをしておきたいと思います。  去年も再建計画が第一次年度において破綻した、その政治責任はどうなのか。インフレによって経営が困難になる。ならばインフレを促進するような運賃の値上げというものは厳重に戒めるべきだ。ところが、国鉄総裁は先日、極端な話だという前提論もございますが、運賃は倍くらいにせなければあかぬというようなお話でございます。来年度根本的な見直しということにいよいよ政府方針としてきまったようでありますが、そういう点につきまして私は国民の犠牲ではなくて、国民に必要な足は国がめんどうを見ていくという私どもが一貫して主張してまいりました方向において、国鉄財政の再建を図っていくということなのかどうなのかという点をお伺いして、私の質問を終わります。
  133. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 私は過日国からお助けを願うか運賃に頼るか、これは大いに議論があるところであるけれども、国鉄としては人件費も上がったし物価も上がったのではやはり二倍ぐらいの金は要るのだ、この金を一体どういう方法で調達するかということは大問題で、各位にお助けを願ってひとつ明るい道を開いてくださいというふうにお願いしたつもりであります。
  134. 梅田勝

    ○梅田委員 大臣、いかがですか。
  135. 木村睦男

    木村国務大臣 過去の十カ年計画が非常に短期間で実行が不可能になった、これにはいろいろ事情がございまして、したがって、長期計画というものが必ずしもそのとおりにいくとは実際は限らないと思います。ただ計画をつくりますときには、一応いろいろな前提のもとに最大公約数的な計画の構想を立ててきておりますので、それが途中で思わぬ経済事情の変化があったとか、あるいは上げるべき運賃が適当な時期に上がらなかったとかいろいろございますが、これはこれといたしまして、今後改めて再建計画を立てていきますときに、そのいままで蹉跌を来したこともひとつ非常に大きな参考にいたしまして、りっぱな計画をつくっていきたい、かように思っておる次第でございます。
  136. 梅田勝

    ○梅田委員 とにかく先ほどからのお話を聞きましても、反省というものがない。従来の施策が失敗したら本当はやめるべきなんです。ところが内閣の交代で糊塗していく、あるいは順番を変えることぐらいでごまかしていく、こういうことでは本当に国民が期待しているような運輸行政にはならない。私は政府当局も今日までの自分たちのやってきた施策に対して抜本的なメスを入れて、今後は国民の生活を本位にして政治を実行していく、こういうことで考え直していただくことを希望いたしまして、いろいろ質問したいことは山ほどございますが、時間でございますので、本日はこれにて終わります。
  137. 木部佳昭

    木部委員長 松本忠助君。
  138. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 先般二月四日に大臣から運輸行政の所信をお伺いしたわけでございますが、大臣が重視せられておる面は、まず第一に交通安全の確保、第二番目が交通公害防止、さらに第三番目に国民生活の安定、向上のための輸送力の確保の問題、こういうふうに三つに大臣が分けられまして、御高説を伺ったわけでございます。午前から午後の野党の同僚議員の質問は非常に広範にわたっておりますが、私はきょうはこの海、空、陸の輸送の安全という問題、その中で特に航空関係の問題にしぼりまして質問をしたいと思うわけでございます。  まず第一番目にお伺いをいたしたい点は、航空機の安全輸送、そのために最も要請されるものは何であろうか、こういう点をひとつ大臣からお考えを伺いたいわけであります。何をポイントにどこに重点を置いて航空の安全輸送という面を展開されようとなさるか、大臣にお伺いいたしたい。
  139. 木村睦男

    木村国務大臣 航空輸送におきます安全確保の重点はどこにあるかというお尋ねのようでございますが、これは航空といわず、交通機関については共通をしたポイントが二、三あろうかと思います。  言うまでもございませんが、輸送機が完全に整備をされていなければならない。またその航空機を操縦するところの人的な面が十分に訓練をされまた操縦上のいろいろな必要な事柄について十分知り抜いていること、また非常に豊富な経験を持っておること、この二つが一番の重点であろうと私は思います。  それに配するに、航空の場合は道路のない、レールのない無限の空間を走るわけでございまして航空管制上非常に詳細、緻密な配慮のできる管制網ができ上がり、そしてその管制に従事する従事員がまた非常に訓練されていなければならない、こういうところが航空上の安全を期する上において非常に必要だろうと私は思います。  さらに、地上の、飛行場の設備におきましても十分な設備がなければ、離着陸のときにいろいろ危険が伴うということも加えて重要な点ではないか、かように考えております。
  140. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 きょうは、航空事故調査委員会の委員長さんに初めて国会へ御出席を願ったわけです。専門家でいらっしゃる岡田委員長から、私の、いま大臣に対して申し上げました質問航空安全行政、この中で大事なものは何でしょうかということを申し上げましたが、ちょっと大臣のお答えの中に私としてもまだ不満な点もございます。御専門の岡田委員長からお答えをいただきたいと思います。
  141. 岡田實

    ○岡田説明員 ただいまの御質問に対しまして、私の意見を申し上げたいと存じます。  ただいま大臣からお答えがありました点は、いずれも航空の安全に対しまして基本になる問題でございます。大臣のおっしゃるとおりでございますが、さらにもし何かつけ加える必要があるとするならば、最近の航空機は人と機械との組み合わせが非常に大事な問題になっておりまして、その点について十分なる訓練も必要でございましょうし、機械についての技術の習得も必要でございましうし、操縦者の機械に対する理解も必要であろうかと思います。
  142. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 私の質問がまずいのかもしれません。お答えにぴんとこない点がございます。私、ここで申し上げたい点は、まず三つに区分して考えてみたいと思うのです。  そのまず第一番目は何かというと、要するに国家が、国際民間航空条約及び航空法によるところの航空保安施設、飛行場等の管理維持に関すること、これをまず完全に責任を遂行してもらいたいということであります。この点については大臣も触れられましたし、いいと思います。  第二番目が、航空機製造会社、これが航空機自体に関する完全な責任を果たしてもらいたいということであります。この点がちょっと私大臣のお答えの中になかったのではないかと思うわけでございます。航空機製造会社は、これは日本でも外国でもどこでも、要するに安全な航空機をつくるということについてはそれぞれ衆知をしぼっておるわけでありますが、大事なことではないかと思います。  第三番目が航空輸送会社、これが航空機の運航、整備及び乗客、貨物等に関するこの分野を完全に責任を果たしてもらいたい、こういうふうに私はお答えが返ってくるかと思ったわけでございます。  まず、きょうはここで、民間の航空機の製造会社並びに輸送の会社、そういったものはお呼びしておりません。したがいまして、運輸省、要するに国家を代表して航空行政をつかさどるところの運輸省から、そしてまた事故の問題について、特に航空事故調査委員会というものが発足をいたしまして一年ちょっとでございますけれども、この航空事故調査委員会の問題等についてお答えを願いたいと思っておるわけでございます。  そこで、大臣に伺いたいわけでございますが、現在、私がただいま申し上げました国際民間航空条約の規定並びに同条約の付属書として採択された標準の国際基準及び勧告方式の実施が、日本の国においては十分になされているかいないか。これは二つの答えのうち、なされている、なされていない、どちらかでございます。お答えを願います。
  143. 木村睦男

    木村国務大臣 私はなされておると思っておりますが、なお詳細は航空局長からお答えいたします。
  144. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 当然のこと、大臣がなされていないなんていうことになったら大変でございます。しかし、不十分だろうと私は思いますが、この点はいかがでしょう。
  145. 木村睦男

    木村国務大臣 詳細にわたりますので、航空局長からお答えいたします。
  146. 中村大造

    中村(大)政府委員 国際基準に適合するべく最大の努力をいたしておるわけでございます。したがいまして、細部につきましていろいろ今後配慮する点はあるかと思いますけれども、私の承知する限りにおきましては、この基準というものに十分のっとりまして、管理をいたしておるというふうに承知いたしております。
  147. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 当然これは航空局長としても、不十分だなんということを答えたら首が飛ぶわけですから、そんな答えは返ってこないと思います。しかし、私は不十分だと思います。それで、十分にしてもらいたいというところから、きょうは御質問をするわけであります。  ここで具体的な例を申し上げますが、東京国際空港のC滑走路、現在主力として羽田で使っている滑走路であります。この滑走路整備は十分であるかどうか。
  148. 中村大造

    中村(大)政府委員 現在の航空機の運航の安全の確保という点から考えまして、必要な整備はやっておるというふうに申し上げられると思います。
  149. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 もう少し具体的にお伺いしますが、羽田のC滑走路面に付着しているゴムの除去作業、これは年間何回ぐらいやっているか、これをお伺いしたいわけであります。  また、五十年度予算としてはどれぐらいこれに計上しているか、お答えを願いたい。
  150. 中村大造

    中村(大)政府委員 滑走路に付着いたしますゴムの除去作業でございますけれども、これは四十五年から始めておりまして、だんだん回数をふやしてきておるわけでございます。四十九年度につきましては、全部で三回行う予定でございます。  それから、予算でございますけれども、これは特にこのための特別の予算ということではございませんで、滑走路の維持修繕費というものがございまして、その中で必要に応じて支出するということにいたしております。
  151. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 私は、ここでもう専門家である皆さん方に申し上げることもないと思いますけれども、この問題について調べてみますと、国際民間航空条約の第十四の附属書の中の一章の八条の一項というところに、滑走路の表面について次のような勧告がなされている、これは御承知と思います。「滑走路の表面は、制動操作に損失をもたらし、または飛行機の離陸着陸に有害な影響を与えるような不整地」要するに整地されていない「不整地のないように建設すべきである。」そしてさらにこれの注の一には「表面の起伏は、過度のはずみ、縦揺れ、振動、または飛行機の操縦を困難にせしめ、飛行機の離陸及び着陸に有害な影響を与えることがある。」こういう注が入っておりまして、さらに一章の八条の二項には「滑走路の表面は、湿潤状態」湿りのある状態「湿潤状態においても良好な摩擦系数を有するよう建設さるべきである。」そしてさらに、この保守についても次の一章八条三項において「滑走路表面は、有害な起伏の形成を防ぎ、湿潤状態においても良好な摩擦系数を有するように保守すべきである。」このように勧告されております。そしてまたさらに一章八条の五項では「滑走路の表面は、良好な制動摩擦系数と低い回転抵抗を提供できるよう、でき得る限り清潔な状態に保つべきである。雪、雪どけ、結氷、溜水、泥土、塵埃、砂、油、ゴム付着物、その他の不純物は、できるだけ迅速かつ完全に除去すべきである。」このように具体的な名前まで挙げまして勧告がされております。私が特にここで問題にしておりますのが、先ほど申し上げましたゴムの不純物が付着している、この問題でございます。  そこでお伺いしたいわけでございますけれども、三回——まあ予算については飛行場全体としてでございましょうから、なかなかこの計数ははじけないと思いますけれども、そういうものを年に三回というお話でございます。  ここで私は、ニューヨークのケネディ空港お話を申し上げてみたいと思うのです。これはちょっと古くなりますが、昭和四十七年の九月十七日のサンデー毎日に次のような記事が載っております。ちょっと読んでみますと、これは原文のままでございますが「ニューヨークのケネディ空港で三十六年から二年かけて、このゴム問題を調査した。その結果、パイロット・ミスと片付けられていた事故のかなりが、この湿潤ゴム滑走路のせいとわかった。以来、ケネディ空港は、月一回のゴム除去を行ない、この種の事故はなくなった。ケネディの成果は国際的関心を呼んだ。」とございます。このサンデー毎日の記事は信頼すべき記事として受け取ってよろしいでしょうか。
  152. 中村大造

    中村(大)政府委員 サンデー毎日の記事につきましては、その信憑性について特にそれを調査したことはございませんけれども、ケネディ空港におきましてそのような頻度でゴムの除去を行っておるということにつきましては、それはその空港の運用状況等から考えまして必要な措置としてやっておるんだというふうに考えております。
  153. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 ケネディ空港の例を私申し上げましたけれども、日本ではこの種の、いわゆるぬれたゴムによるところのスリップ事故というのが起ったことがないのかどうか。簡単にお答えください、時間もございませんから。
  154. 中村大造

    中村(大)政府委員 そのようなゴムの付着したということのためにスリップ事故を起こした、こういうふうなケースは承知いたしておりません。
  155. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 私どもはそれが完全にいわゆるぬれたゴムによるところのスリップ事故と言うことができないと言われるかもしれませんけれども、われわれが知る範囲におきましては、四十六年六月のノースウエストのジャンボ、これも滑走路から飛び出した事故、四十七年七月のパン・アメリカンのジャンボの暴走事故、こういったものはやはりこのいわゆるゴムの湿潤状態によって起きたものであるというふうに理解しているわけです。日本においてもこういう例があったということです。  そこで、私はここで一つお伺いしたいことがございますが、それは四十七年の八月二十五日に楢林壽一氏から当時の運輸大臣の佐々木秀世さんにあてまして公開質問をいたしました。その回答がどのようになされているかを伺いたいわけであります。この公開質問の内容は一項から六項までございます。そして羽田のC滑走路の表面に付着したゴムについてのものでございますが、回答の期限が四十七年十一月三十日、このようになっておりますが、どう対処されたかを伺いたいわけであります。  またこの質問がなされました直後と私は記憶しておりますが、羽田のC滑走路のゴムの除去作業を現在の事務次官の内村さんが航空局長当時にやった経験がございます。その後もやはり日本でもやっておるわけでございます。その点も申し添えておきます。
  156. 中村大造

    中村(大)政府委員 先生指摘の昭和四十七年八月二十五日付、楢林氏から当時の運輸大臣あてに出されました公開質問状につきましては、その内容につきまして必要な措置をとり、また質問者に対しまして必要なデータの提供を行っておるわけでありますけれども、公開質問状に対しまして回答書というようなかっこうで文書をもって回答したということはございません。
  157. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 私は、公開質問でございますから、やはりこれに対しては文書で正式に回答をされるべきではなかろうかと思っております。  もう一つございます。時間もございませんからこの問題を続けてやってしまいますが、航空安全推進連絡会議の吉田諭樹彦さんから四十八年四月二十四日に、当時の新谷運輸大臣あてに公開質問が出ております。これも御存じと思います。この問題に対しても御回答がないということを私はきのう推進連絡会議の方の事務局に問いただしてみました。このように楢林質問に対してもあるいは航空安全推進連絡会議の吉田諭樹彦氏の公開質問に対してもどちらも答えがないということは一体どのようなことなのか。私はこの航空安全推進連絡会議の公開質問というものは、実際パイロットとしての切実な叫びと、こう受け取っております。あのモスクワのシェレメチェボ空港におけるDC8の事故の問題、これに対しまして六項目の事故調査資料と報告書の全文の公表、これを要求いたしました。さらに八項目の質問をいたしております。これも回答期限が四十八年六月三十日となっております。航空機の事故調査報告書は、御承知のようにソ連邦の民間航空事故調査委員会が作成いたしました事故報告書、これを日本で訳したのがここにございます。運輸省で出されたこれでございます。ですから、これで報告書の方は出ていると言うけれども、それ以外のものに対してこの航空安全推進連絡会議に対する回答がなされていない、このように私は思うわけでございます。楢林質問並びにこの航空安全推進連絡会議質問、どちらも回答がされていないという点について、大臣どのようにお考えになりますか。
  158. 中村大造

    中村(大)政府委員 公開質問状等につきまして、それに対してどのように対処するか、どう取り扱うかということにつきましては、これはやはりケース・バイ・ケースだとわれわれは承知いたしております。御指摘のようなケースにつきましては、当時これに対して文書をもって回答する必要はないと判断したというふうに承知いたします。
  159. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 私、大臣に伺いたかったわけであります。大臣、お答えを願いたい。
  160. 木村睦男

    木村国務大臣 当時のことで私もよく承知をいたしておりませんが、公開質問という形がどういう意図でおやりになったかという点もよく考えてみなければなりませんが、公開質問の中で指摘されました事柄で、いまも航空局長の答弁の中にありますように回答申し上げた点もあるようでございます。なお大切なことは、そういった質問の中で、運輸省検討いたしてみまして、これはもっともだ、その質問の内容を今後行政の施策の中に取り入れた方がいいというふうに判断できるものは大いに取り入れてやるべきであると思いますが、公開質問状であるので、公開の回答書をどうしても出さなければならないかどうかということはひとつそのときどきの状況判断によってやってしかるべきではないかと考えております。
  161. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 先ほど午前中でありましたか、久保先生が言っておられました、国鉄総裁の独善だという言葉が出てまいりました。私は、やはり三木内閣の閣僚であるところの大臣を目の前に置いて、対話強調という点からいって、もう何でも包み隠さずお互いに日本航空事故の絶滅を期して、質問に対しては正々堂々と答えて、必要がないというものは必要がない、そのようにお答えになったらいいと思う。われわれの見解はこうである、こういうふうにはっきりと申し上げればよろしいんじゃないかと思う。それを全然回答しないで握りつぶすというか、やらないでいるということは私は非常に残念に思うわけであります。ここで私は、アメリカのFAA長官のアレクサンダー・P・バターフィールドという人が一九七三年十一月二十一日付で「親愛なる同志たる航空従事者諸君」こう言いまして、航空従事者一人一人に、個人あてで、直接行われたところの手紙を御参考に供したいと思うのであります。私は、この手紙を、和訳でございますけれども、読みまして感心をいたしましたのは、航空技術行政の最高責任者がみずから一人一人の航空従事者を仲間意識を持って扱って、FAAの政策なり見解なりを個人個人に明解に説明し、自己の所信を明らかにすることによって不況下にあるところの従事者を激励し、不信、不満があればみずからこれにこたえようとしている態度、これは実に見上げたものだと私は思う。いま私はここですぐ日本政府にこのやり方を取り入れなさいというふうには申し上げませんけれども、この点についてはもう一ぺん日本政府としても考えてみなければいかぬのじゃないかと思うのです。     〔委員長退席、佐藤(文)委員長代理着席〕 ちょっとその中の重点的なところだけ私読んでみますので、大臣も御参考にしていただきたいと思うのです。前の方を四ページほど飛ばしますが、この中で私が最も感心した点でありますが、「さてここで航空界とFAAの監理業務との間における意思疎通の手段を広めるために、われわれがなしつつあることについて一言、二言述べたい。できるだけ広い範囲の、双方に関連ある問題について、ほとんど継続的な連携を保つため、われわれは六つの航空界の代表グループと緊密に働く関係を樹立しているが、そのほかに今月と来月の間に一連の傾聴会を計画しつつある。われわれは各会に特定の航空部門に従事している人たちを二十人から二十五人ほど呼んでいる。つまりある会には自家用とスポーツ航空のパイロットだけに出席してもらう。もう一つの会にはエアタクシーの運営者だけが出席する。もう一つの会には農業航空のパイロットが、別の会には定期航空の乗組員が、さらにもう一つの会には空港経営者だけに出席してもらうということになります。  この一連の新しい諮問形式における会合は、でき得る限り形式的なものを少なくし、率直なやり方で運営されるでありましょう。列席者は語り、FAAはこれを聞く。われわれはこのやり方が、航空の安全を強化するばかりでなく、昨今航空のあらゆる分野、特にスポーツ及びリクリエーションのために飛ぶ人たちにおいかぶさっている経費やその他の圧力を最小のものにするであろうところの多くの責任あり、かつ実際的な活動を招来するであろうと考えています。こういうふうに言われているわけです。私はこのFAA長官の態度というものを取り入れて対話の精神でやらなければいけないんではないかと思うのです。その当時公開質問に対して回答する必要がないと決めたから  それは一方的に決めたんだ、一方的に決めた。役所の独善だと、私はそう言わざるを得ないのです。そういうことでなくて、もっともっと民間の人たちに自分たちの考えを聞いてもらう、そして自分たちがいま何をしようとしているか、そのことについてはっきりと理解をしてもらう、そのことが私は航空安全行政に大きくつながると思うわけでございますが、大臣、お考えはいかがでしょうか。
  162. 木村睦男

    木村国務大臣 いまのお話、私も非常に心深く拝聴した次第でございます。非常に事故の危険性の高い航空行政を預かる最高責任者としては、まことに行き届いたやり方であると私は高く評価をいたします。  先ほどの公開質問の件でございますが、せっかくそうして関心を持たれる方が、しかも専門的な立場の方が公開質問されるわけでございますから、それに対してお答えするということは当然必要なことでございます。ただ私が申し上げましたのは、公開質問だから回答の形式も公開の形でやるかどうかというふうな形の問題について触れたわけでございまして、これを握りつぶすとか回答しないとかそういう趣旨でないことをひとつ御了解願いたいと思います。  なお、私も実は昨年の暮れ、運輸関係の従事員が暮れの忙しい、非常に心のざわめきの多いときに、交通事故を起こしてもらっては困ると思いまして、経営者はもちろんでございますが、全交通従業員の皆さんに実は語りかけたいつもりで、歳末の事故防止についてお願いのメッセージのようなものを出したわけでございますが、何せ非常に範囲が多いものですから、お一人お一人に徹底することはできませんで、報道機関を通じてやってもらいましたけれども、いまのお話を参考にいたしまして、今後大いに一層勉強いたしたい、かように考えております。
  163. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 私、大臣がいま非常に前向きに御答弁されたこと、本当に心強く思うものであります。私は、楢林質問にしてもあるいは航空安全推進連絡会議質問にしても、公開質問だからできる限りそれは文書で答えた方がいいと思います。しかし、まず来てもらって話をするという態度、そういうのが必要じゃないかと思うのです。全然それに対して回答を与えていない。本当にいま第一線で働いているパイロットたちがどんな思いをしているかということを、航空行政を担当される運輸省航空局がそれに対して全然無関心である、この態度は改めるべきだと私は思うのです。やはり話を聞く。そして自分たちやり方もこうだということをお話ししていくところに安全確保の道があると思うのです。御承知のように、日本のいわゆる審議会なんというものは隠れみのでございまして、そこに出ている人たちというのは全く業界の代表であり、あるいはまた政府側の代弁者であるというような例が非常に多い、非常に残念に思っております。また審議の中間で審議会の内容を流してしまうお方がある。これはお名前を申し上げなくてもおわかりでございましょうが、そういう方もあるわけでございまして、そういうお方を審議会の委員に委嘱していくなんということでなくて、もっともっと本当に航空行政の安全を確保する、こういう意味から、本当に真剣になってその問題に悩んでいるパイロットの意見あるいは経験者の意見、こういうものを聞くべきではないかと私は思うわけでございます。  そこで、航空事故調査委員会設置法の第六条にこうございます。「委員長及び委員は、委員会の所掌事務の遂行につき科学的かつ公正な判断を行なうことができると認められる者のうちから、両議院の同意を得て、運輸大臣が任命する。」とあります。「科学的かつ公正な判断を行なうことができる」、この問題について私かつてやり合ったことがあるのでございますけれども、原因究明のために科学的かつ公正な判断ができるという方々委員になられているわけでございますから、公開質問に対して文書で返事ができない、だったら対話でもいいと思う。やはり私は委員の方あるいは専門委員の方、まあ委嘱はしていないようでありますけれども、この専門委員の中から何人かを選んで、そういう人とそのパイロットたち、公開質問状を提出している人たちとの間のいわゆる公開討論といいますか、公開討論と言うと言葉が過ぎると思いますけれども、そこまでいかないでも、とにかく話し合いの機会をつくるということが必要じゃなかろうかと思うのです。それすらもしやらないとしたならば、これは、ぼくはどうもちょっとどうかと思わざるを得ないのです。そうなってくると、逃げの姿勢です。私いろいろ聞いておりますけれども、航空局の事故調査委員会に関連のある方々は、部品の一つのビスでさえもどこにあるのか、どこについているビスなのか航空会社の整備員に聞かなければわからないんだというようなことを航空会社の側では言っているわけですね。お役所の人は何も知らないんだよ、おれたちがみんな知っていて、おれたちが教えているんだ、こうなんだ。こういうことを整備会社の人たちに言われても、それに対して返す言葉がないというんじゃ、これはちょっとどうも見識がなさ過ぎると思います。そこで私は、五十一人か専門委員を選んであるというその中から何人かの方が、公開討論でなくてもいいですけれども、公開にして、技術の向上、事故防止のためにひとつ話し合いをやってみてはどうか、こう思うわけでございます。この点についての大臣の前向きのお答えを私は期待するわけでございます。
  164. 木村睦男

    木村国務大臣 非常に示唆に富んだ御親切な御忠言であると私は敬意を表してお受けいたしておるわけでございます。お説のように、航空機のメカニズムというものは非常に複雑で、私などはもちろんわからない、最も専門的な人でなければわからない点が非常に多いと思います。航空行政を預かっております航空局、相当な人数おりますけれども、そういう専門的な機械の知識のある者はごく限られた人たちだけであろうと私も考えておるわけでございます。したがいまして、機会を持って、航空事故対策委員会の専門家の先生方とそのときどきのいろいろな問題で意見を交換をし、あるいは懇談をするということは、ぜひ私もやっていきたいと思っております。航空局を指導いたしまして、その方向で今後運営をやっていきたい、かように思っております。
  165. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 大臣の前向きなお答えで、私も大変意を強くするわけでございます。     〔佐藤(文)委員長代理退席、委員長着席〕  私は、全く科学的な公正な手腕を持っていらっしゃるところの委員さん初め、またさらに専門委員方々とそういうことをやることによって、日本航空行政というもの、事故防止というものが大きく発展するのではないかと思うわけでございます。  御承知のように、この法律が施行されましたのが四十八年の十月十二日、実際に事故調査委員会が置かれたのが四十九年の一月十一日でございまして、しかもまた初代の委員長さんが亡くなられるというようなことがございまして、この一年間というもの、大変御苦労が多かったと思うわけでございます。御承知のように、この事故調査委員会の発足に当たりまして、内閣委員あるいはまた運輸委員、野党が一生懸命に勉強しまして、いまの事務次官と渡り合いまして、このことは大臣にもぜひ知っておいていただきたいと思うのです。当時の航空局長が非常に熱心に討議してくれた、われわれもまた一生懸命やった、そういうふうに思っております。本当にこの事故調査委員会というものができ上がりまして、この事故調査委員会日本航空機の事故防止のために大きく役立っている。幸いにして発足以来大きな事故はございません。小さな事故が三十五件ほどあったということ、その報告書もきょういただいたわけでございます。これも要求しなかったらいただけなかったのでありますけれども、きょう話の中から出てきましてここにいただきまして、きょう初めてこういったりっぱな報告書を四冊もつくっているということを伺いました。この御苦労は私もよくわかるわけでございます。  しかし、ここでもう一歩、私はこの事故調査委員会というものが取り組んでもらいたいことがあるわけです。それは、幸いにしてことしは大きな事故がなかったからいいようなものの、いわゆる過去に日本で起きたところの事故、こういったものについても非常に疑問点のあるものが何点か残っております。こういったものも取り上げてやっていくべきではないか、私はこう思うのです。  この三条の二号と三号にも、航空事故防止のために講ずべき施策について勧告と建議をすることができるというふうになっております。一年間でございますので、こういった報告をつくることも大変だったと思いますけれども、何かこの報告をつくっている間にこれは今後の事故防止のために必要だ、ぜひともこの点は大臣に建議したいと思うようなことは本当になかったのかどうか、この点、委員長、お答えを願いたい。
  166. 岡田實

    ○岡田説明員 お答えいたします。  ただいま申されましたように、小さい事故だけで一年を過ごすことができて、大変御同慶に存ずる次第でありますが、その問題におきましても、その小さい事故原因がまた大きな事故に関連してまいることを深く承知いたしておりまして、私どもといたしましても、そういう点で十分検討し、調査を小さい事故だからといってなおざりにすることなく徹底的にやってまいりましたが、ただいままでのところ、御質問にありました建議あるいは勧告に至るようなことはございませんでした。
  167. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 建議、勧告することがなければいいわけでございます。あったなら、これはもう速やかにやっていただきたいと思うわけでございますし、また、その建議、勧告があったときには、十分に大臣も対処していただかなければならぬと思うわけでございます。  そこで、一点伺っておきたい点がございます。それは、委員長初め委員方々事故調査という任務の性格上、事故があれば、被告的な立場に立つおそれのある航空輸送会社と、そう言っては大変失礼でございますけれども、事故を起こしたとなると、機体の欠陥なのか、整備の欠陥なのか、あるいはまたパイロットのミスなのか、いずれにしましても、それらのパイロットなり整備士なり、そういった人たちを抱えているところの航空機の輸送会社、整備会社、そういったものは被告的な立場に立たされなければならないのじゃなかろうかと思います。そうした方々とこの委員長なり委員なりが疑いを持たれるような交際は厳に慎むべきではないかと私は思うのです。  法の六条の四項にもそのことがございます。それは、「次の各号の一に該当する者は、委員長又は委員となることができない。」として、一号、二号、三号、四号とございます。一号、二号はこれは当然のことであります。三号の中で、「航空運送事業者若しくは航空機若しくは航空機の装備品の製造、改造、整備若しくは販売の事業を営む者又はこれらの者が法人であるときはその役員若しくはこれらの者の使用人その他の従業者」、こういう者はこの事故調査委員会に籍を置くことができないというふうな規定がございます。  これを裏返して言えば、こういう方々と余り変なおつき合いがありますと、肝心かなめの調査のときに支障を来たすのではないかというおそれが、私はあるのではないか。だから、こういうことがあってはならないと思いますので、こういう点については厳に委員長が目を光らせてもらわなければならないし、また大臣もその監督をする必要があるのではなかろうかと私は思うのです。変な誤解を受けるということになりますと、これは大変なことでございます。そういう会社の方々と仮にも深いおつき合いがあったりしては大変だと思います。  私は、この委員会をつくりますについて、社会党の木原先生といろいろ問題をやり合ったことがあります。二人で言った中に、仏つくって魂入れずでは困るから一生懸命魂を入れようじゃないかというような話をしたこともあります。いまようやく形はできました。しかし、ここで精神というものをはっきり入れておかないと、将来に禍根を残す。その最初の一年間であります。この一年間のうちに、とんでもないことがうわさに立つようなことをやると大変だと思いまして、私はあえて御忠告申し上げておくわけでございます。そういうことがないということは当然のことでございますし、また、あってはならないことでございますが、この点について、調査委員会の会務を総理しておるところの、委員会の代表であるところの委員長お話も、そしてあわせて大臣のお考えも、伺っておきたいわけでございます。
  168. 岡田實

    ○岡田説明員 ただいまの御忠告は大変大事な点でございまして、委員会といたしましては現在までそのようなことは完全にやっておりませんし、また、今後も当委員会としては全くやらぬ所存でございます。
  169. 木村睦男

    木村国務大臣 事故調査委員会委員方々事故調査に当たられますときに科学的な知識を持って厳正公平にやっていただくということは当然のことでございまして、今回委員になっていただいております委員の皆さんは、皆そういう精神で十分に目的を達成するために努力をしていただいておることと信じております。
  170. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 いまの大臣並びに委員長のお答えで十分理解できます。やはり事故調査委員会というものが厳正公平に事故の解明に当たっていく、事故防止に当たっていくとするならば、当然いまの大臣並びに委員長のお答えのとおりであろうと思いますので、これはぜひともお願いをしておきたいわけでございます。  その次に、十四条の事務局のことであります。  十四条の事務局の問題につきまして、四十七年の六月六日の審議のさなかに、当時の内村局長といろいろと話したことがありますが、私はこういうふうに申し上げているのです。「それでは、ちょっと先に飛びますけれども、」これは前の質問との関連です。「十三条の事務局のことです。「事務局に、事務局長その他の職員を置く」と二項にございますが、この事務局長は、この委員会の性質からいって、私は技術関係の者を充てるべきだと思いますが、これに対してどのようにお考えですか。」、こういうふうに内村政府委員にただしましたところ、内村政府委員は、「確かに航空事故調査でございますから、やはり航空の各方面について相当造詣のある者が必要であると思います。ただこの場合に、必ずしも技術者ということには限定しない、少なくとも航空に関してのいろいろな知識のある人というふうに考えたいと思っております。」、こういうふうなお答えが返ってまいったわけでございます。それで、私見ておりますと、やがて事務局が発足をいたしたわけでございます。その初代の事務局長は、私も知っておりますが、昭和二十一年の九月大阪帝国大学の航空学科の出身でございまして、その後ずっと航空畑に働いておられた方でございます。残念なことに、ごくわずかな期間で、お若いにもかかわらず退職されて、航空輸送会社へ転任をされたと伺っております。その後の事務局長さんがおられます。私は、やはり事務局長というのは実際上の仕事の中心者であろうと思います。職員の中心的な存在でございます。したがいまして、適格な者、そしてまた下僚から信頼される者、こういう技官が望ましいと私は思うのです。非常に言葉が過ぎるかもしれませんけれども、この事務局長、何か運輸省が人事面において軽視しているのじゃないか。この事故調査委員会の事務局長というのは重要な人物なんです。私は、人事のたらい回しのために事務官がそういうところに行くということは余りに歓迎できない、こういうふうに思っているわけです。私の調べによりますと、昭和二十六年に東大の法科を卒業されて運輸省に入られまして、昨年の八月の九日に事故調査委員会の事務局長に就任されるまでの二十三年四カ月間に、航空に関する仕事についていたのは三年と四カ月であります。二十年間というのは航空関係以外の仕事ばかりであります。こうした前歴の方で、この方が事務官。私は、技術者が本当にいいのだ、これは技術者を充てるべきだぞということは、ずいぶんとそのとき強調しておいたわけでございます。本来の任務遂行のために、私は、この際、岡田委員長が内村航空局長の——前の航空局長、いまの事務次官でございますが、お考えのとおりかどうか、岡田委員長としてはどのようにお考えになっていらっしゃるか、この点をひとつ参考のために聞いておきたいわけであります。
  171. 岡田實

    ○岡田説明員 ただいま仰せになりました御趣旨はよくわかります。ただ、ただいま事務局長をいたしております中島は、航空関係が官職についております期間の中で非常にわずかである、二年数カ月にすぎないという御指摘がありましたが、この二年数カ月という期間において航空関係の中心的な地方の局長として働いたわけでございまして、そういう面で航空関係のことにつきましては十分な知識を持っているものと信じております。  なお、事務局の一つの仕事といたしまして、対外的ないろいろな折衝がございます。たとえば警察関係とのいろいろな問題その他の私たち技術者にはふなれないろいろな法的な問題がございますので、そういう面におきまして、事務局長航空をよく理解して、しかもそういう事務的なあるいは法律的な面で間違いのない処置をしてくれるということは、私はある面で結構なことだというふうに存じておる次第でございます。  結論といたしまして、現在の事務局長に信頼してよい、私はそのように存じております。
  172. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 大臣にお尋ねいたしますが、この事故調査委員会設置法の第四条に、「委員会委員長及び委員は、独立してその職権を行なう。」というふうに定められております。この問題は、四条「職権の行使」ということで、これは最初の提出案にはなかった。それを私どもがお願いして入れていただいた。「独立してその職権を行なう。」ということにわざわざ一条入れていただいたいわくつきのものでございます。  そこで、大臣に伺いたいのは、この法の十四条の事務局の人事については委員の職権が及ぶのかどうか。人事については、二項に、「事務局に、事務局長航空事故調査官その他の職員を置く。」となっております。そして四項に、「事務局の内部組織は、運輸省令で定める一ということになっております。事務局長以下の人事については大臣の決裁によってやられるのかどうか、この点をお答えを願います。
  173. 木村睦男

    木村国務大臣 事故調査委員会事故調査の仕事は、これは独立をしてやっていただかなければならない性質のものでございまして、この事故調査に当たっての業務上のことについて、運輸大臣が指揮をしたり指示したりすることは絶対にあってはならないという趣旨でこの条文ができておると思います。  それから、事務局の人事のことでございますが、これは事故調査委員会という一つの行政機構の運営に当たるのが事務局長の仕事の一つでもございます。取り扱います事故そのものの調査以外に、いわゆる庶務的な管理業務があるわけでございます。そういう意味におきまして、事務局の事務局長以下職員の任命は運輸大臣が決裁をして任命をいたしておるのでございますが、それだからといって、事故調査委員会事故調査の仕事そのものに干渉するというふうなことは絶対にあり得ませんし、またそういう点には細心の注意をいたして、今後運営に当たらせたい、かように思っております。
  174. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 先ほど委員長から事務屋さんも必要なんだ、確かに事務の関係を担当される方も必要だと思います。しかし、やはり調査委員会の性格といいますか、性質といいますか、そういう面から言って、やはり私は技官がやっぱり中心になっていろいろなことを進めていくのでないとわからないのじゃないかという気がしました。そこでその人事の問題をいま伺ったわけでございます。大臣が人事権を握っていらっしゃるということでございます。私、先ほど言葉が過ぎましたけれども、人事のたらい回し、事務官のたらい回し、そういうことをやられたのでは技術屋が泣くという場合もございます。この辺を非常に私、心配しております。内部の技術屋さん方がくさってしまうような人事をなさることはないと思いますけれども、十分大臣もこの点について目を配っていただきたいことを重ねてお願いを申し上げておくわけでございます。これはお願いでございます。  それから時間もあと十分少々になりましたので、お答えをまとめていただきたいと思いますが、私は四十七年の七月の六日に内閣委員会におきまして、当時の新谷運輸大臣、この航空事故調査委員会設置法の法案を上げる最後の段階のところでも質疑をいたしたことがございます。そのときも要するに事故が発生すれば、大臣から委員会に通報する、これは十六条の規定でそうなっております。そして委員会調査を開始することになっておりますが、事故が起きた、その事故について調査するほかに、過去の事故についてもふだんからいろいろなデータを調べておいて、万が一事故が発生した場合には事故原因を早く掌握できるというような方法を講じるためにも、もっと予算をつけろ、こういうことを私は新谷運輸大臣に要望いたしました。四十九年度の予算は人件費を除きまして必要な経費が千五百三十六万九千円、この中で調査経費が千二百五十七万五千円でございます。五十年度の方は伺いましたところによりますと、航空事故調査経費には三千二百九十万九千円、こうなっておりますけれども、その中にディジタル・フライト・データレコーダー、これの購入費が千八百六十一万円を含んでおります。それを除きますと、前年度の航空事故調査経費の千二百五十七万五千円から、わずか百七十二万四千円しか増額していないわけであります。これは予算であるから予算の中で賄うなんということになりますと、大変なことで、事故が起きなければいいのでありますけれども、事故が起きたときには当然何らかの策は追加の予算なりとられなければならないと思うわけでありますが、こうした問題についてどのように大臣は、事故が起きなければ恐らくいろいろの計数から考えてこれでできるというふうに事務当局が立案したのだと思いますが、やはりそういった事故が起きないことを望むわけでございますが、万が一事故が起きた場合にはその方の予算の獲得については大臣も即刻動いていただかないと、事故調査が渋滞するというようなことになっては大変でございますので、気を配っておいていただきたいと思う。要望でございます。  先ほど申し上げましたように、この委員会が四十九年の一月の十一日の発足でございます。したがいまして、発足以前の航空事故につきましては関係があるのかないのか。たとえばそれ以前に事故が発生し、調査報告書が出ていない事故があったとしたならば、その調査報告書はだれの責任で出すのかを伺っておきたいのであります。この事故調査委員会が発足以前の事故、その事故について処理がされていない、調査報告書が出されていない、こういうものが仮にあったとしたならば、それは一体どのような、だれが責任を持って出すのか、これを伺いたいわけであります。  もっと具体的に言うならば、昭和四十五年の五月の二十三日に羽田で中華航空のボーイング727が滑走路工事中の車両に接触をいたしまして死者一名を出した事故がございます。この報告書は私の調べた限りでは出ていないと思いますが、それはいつごろ出すのですか。この点はひとつ明確に答えておいていただきたい。
  175. 木村睦男

    木村国務大臣 この委員会が昨年の一月に発足いたします以前に起こりました航空事故につきましては、その都度事実上事故調査会のようなものをつくりまして、そこにお願いをして事故原因調査等をしていただき、報告書もそこでまとめていただいた例もあるわけでございます。  いまお示しの何ら事故調査報告というものが出ていないと言っておられます中華航空でございますが、この事故については、私も過去のことでよく存じておりませんが、般空局長からお答えいたします。  それからこの調査委員会のできます以前に起きた事故について現委員会でもって調査できないのかどうかという問題でございますが、これは過去の事故でありましょうとも、委員会の方でお調べになるという御意思があればいつでもお調べになるべき問題だろうと私は思っております。
  176. 岡田實

    ○岡田説明員 中華航空事故につきましては四十八年の十一月十五日に決裁になっております。これは委員会が実際に発足します以前に、実際には四十九年一月十一日に委員会が発足しておりますから、発足前に決裁が済んでおります。ただし、まだ報告は出しておりません。
  177. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 大臣、お聞きのとおりなんです。この問題は決裁は済んでいるけれども、報告書を出していないのですよ。しかも、その決裁の日時というものに大きな疑問点がある。これはお帰りになってお調べになった方がよろしい。私はそれ以上のことは申し上げません。  次に、これも発足以前の事故でございますが、四十七年の十一月二十八日にモスクワのシェレメチェボ空港で起きましたところの日航のDC8、JA八〇四〇、これの事故でございます。この辺につきましても、私、四十八年の二月二十三日に運輸委員会において取り上げまして、いろいろとやりとりをいたしました。まだまだ疑問が残っております。この点について少し私は触れておきたいわけでございます。  御承知のように、先ほどもお目にかけましたが、これは事故調査の報告書、ソ連政府が、ソ連邦民間航空事故調査委員会が発行したものでございまして、この肝心なところのロシア語並びに英語のも持っておりますが、これを四十八年の一月の十七日に運輸省で記者会見をいたしまして、この事故原因について発表をいたしました。これはそのときの原稿でございます。この原稿とそれからこちらの事故調査報告書にこれは全くどういうことでそうなさったのかわかりませんが、わずかな違いでございますけれども、表現の違いがあるのです。そういう点は、これは日本語ですから、まあいいのじゃなかろうかと思ったのですけれども、これはやはり今後の事故調査報告書をつくる上において新聞記者会見をしたときに発表した原稿というものは、やはりこの事故調査報告書というものを基礎にして当然発表されなければならないと私は思うのです。わずかな点でございますけれども、これはいろいろな問題になっているところだけに御注意をしていただいた方が今後よろしいのじゃないかと思う。  その第一は、この中に、事故原因のところで、aというところで、これは日本語の訳でございます、「飛行中スポイラを誤って出し、」と、こう書いてあります。そしてこちらの本物の方は「飛行中誤ってスポイラを出し、」片っ方は「スポイラを誤って出し」こういう違いなんです。わずかな違いでございます。後先の違い。だから、そんなに大きな問題にしなくてもいいというのですけれども、これを問題にしている人もあるのだということをお耳に入れておきたいわけであります。そうしてさらにこの問題について、飛行中に誤つつスポイラーを出したということは、これは機構上の異常などでなくて、パイロットの人為的に誤って出したという表現と私は受け取るのです。パイロットが誤って出した、そのように判定した根拠というのは一体どこにあるのかということを私は聞きたいわけでございます。また誤って操作したとするならば、どのような操作をパイロットがしょうとしていたのか、それを誤ってスポイラーを出す操作をしたのか、この点が全く明確になっていないのです。こういう点は非常に私は明確にしておかなければならないと思いますので、これが第一点。  次は、この事故から約四カ月前にカナダのトロントで発生しましたDC8型機のグランドスポイラーの誤作動による乗員、乗客の全員死亡事故というのがございます。この事故調査しました委員会が、DC8のグランドスポイラーは飛行中作動しないように設計されなければならないし、現用の——現在使っているところのDC8には危険防止のシステムの変更が必要であるというふうにこの委員会は発表しております。しかし、日航のモスクワ事故機も、その後の日航機におきましても、そのような改修が行なわれていないのでございます。このことは当然運輸省承知していると私は思います。かつて、このDC8のカナダのトロントの事故のこの報告を聞き、早く改修させないといけないぞというところの処置を、一体やったのかどうか。わずか四カ月の違いでございますから、できなかったというふうに言われるかもしれませんけれども、少なくともそういう事故が過去にあって、しかもその事故調査委員会が発表した中に、現用のDC8には危険防止のためのシステムの変更が必要である、こういう発表をされた。それを日本運輸省でも聞いているわけなのです。それなのに、なぜ改修に対する命令を出していないのか、これが第二点の質問です。  それから第三点でございます。  私が、かつて四十五年の十月の九日に、当委員会で羽田のボーイング727のJA八三〇二の事故の問題を取り上げたことがございます。そのときもグランドスポイラーの問題でございました。あの事故もパイロットミスをにおわせるところの原因不明で片づけられてしまいました。御承知の山名教授の機体欠陥説というものが大変めんどうな実験の結果割り出されたものでございましたけれども、少数意見として報告書には記載されませんでした。ついでになりますが、その少数意見の併記ということをこの中に特に私は入れていただきたいのは、そこにあったのです。この少数意見を報告書に記載されないそのために山名教授は、大臣に対して報告書の提出される以前に委員辞任をされた、こういういきさつがございます。しかし、この問題はいまもってまだいろいろ取りざたされているわけでございます。  いまここに、日本航空機操縦士協会が発行したところの「PILOT」という本がございます。この本の中にも、木暮右太郎さんという方がこういうことを書いています。これは非常に私は興味を持って読んだのですが、「教授の結論」——これは山名教授を指しております。「教授の結論が正しいか否かは歴史の流れがおのずから明らかにすることである。  ただ、今の時点で確信をもって言えることは、事故調査という事柄には単なる推論よりも実験を基盤とする科学的な取り組みが本道だろうということである。」またさらに、抜粋でございますから御了解願いたいのですが、「今後発生する事故一つ一つに山名教授が行なったような調査や研究を期待することは到底ムリというものであろうが徹底した探究を行わないでシタリ顔で結論めいたことを言うのがいかに危険であるかを痛感させられた。」というふうに、この木暮右太郎さんは言っているわけです。こういうふうに、まだいろんな問題が残っています。  私も思いますのに、この当時私も質問いたしました。調査委員の山名教授が、証拠に基づいてわざわざ実験して立証された、いわゆる飛行中、グランドスポイラーが開の状態になっていたということを、そんなはずがないというへ理屈をつけて否定してしまった。727の事故調査団は、原因不明というふうに出してしまったわけです。全くの原因不明ということは本当にどうも残念でならないわけでございます。もし、山名教授の物理的に正しい実験を素直に認めて、飛行中グランドスポイラーの異常開きに対するところの事故防止対策が行政上行われていたならば、モスクワのDC8の事故も、防止に関しては確実に可能であったと私は推定するのです。しかも、その四カ月前にカナダのトロントの問題があります。これもいまお耳に入れたとおり。ゆえに、ボーイング727の事故調査団の出したところの原因不明というのは、モスクワのDC8の事故の拡大再生産につながった因果関係を有するものだ、私はこう思います。モスクワのDC8の事故の発生から多くの犠牲者の死を招く結果となったわけでございますけれども、これはあの山名教授の唱えたところの機体欠陥説が正しいか正しくないかは、これは全く歴史が証明するだろうと思います。しかし、いずれにしても、この727のJA八三〇二の事故調査団が出したところの原因不明ということは、未必の大量殺人を犯してしまったのではないかというふうなことを、いまでも悔やまれるわけでございはす。  そうした点から、もう一つだけ私はここで文藝春秋に載った記事を、皆さん方に御披露しておきたいと思う。これは文藝春秋の四十八年の四月、百八十九ページから百九十ページにかけまして、有名な柳田邦男さんが、こうういふうなことを書いています。「事故調査の第一権限は」これはシェレメチボ空港のDC8の事故のことでございますが、「事故調査の第一権限はソビエト政府にあったにせよ、運輸省航空局として独自のつっこみはできなかったもとだろうか。  モスクワ事故原因に関して、私は二つのことを思った。一つは、航空専門家が「そんなことは起る筈がない」といい切ったことが悲劇的に起ってしまったということであり、もう一つは、こうした事故が起ったときに、“パイロット・ミス”という個人の責任ですべてを納得してしまおうとする日本の精神的風土についてである。  もう三年前のことになるが、羽田沖の全日空ボーイング727型機事故の四年間にわたる調査が打ち切られたときのことである。調査団の木村秀政団長は、山名正夫委員の機体欠陥説を否定した理由について、記者会見で次のように語ったものである。  「山名説は前提が誤っている。第一に、スポイラーが“上げ”であるとしてしまった点です。それから機首が下がったときに、あわてて引き起すということは考えられません。そんなときは、スポイラーを引っこめるべきです。  それに、失速によってエンジンガがフレームアウトを生じるということは絶対に考えられないし、いままでもあったことがない。また、異常爆発を起すということは、きわめてマレのマレのことです。」この「マレのマレ」ということを言葉を強めて言っているわけでありますが、「そんなものを原因と断定したら大変なことになりますから、これをとり上げるわけにはいきません」 と言って、ついに木村調査団長は、この山名教授の説は全然取り上げなかった。  そこでこの後に、ちょっと飛ばしますけれども、「もちろん、羽田沖の727型機とモスクワのDC8型機は、操縦方法も構造も違うし、スポイラーが立ったいきさつも違う。問題は、「考えられない」「筈がない」「べきだ」といった論理——パイロット養成所の教官が口にするならいざ知らず——は、事故を考えるときには最も忌避すべきものであり、そこからは真の安全哲学は決して生れて来ないということを、モスクワの悲劇が羽田沖の体験に照らして明らかにしたということである。」  このように、これは四十八年です。四十八年までも、まだまだこの羽田沖の事故というのは尾を引いているわけです。こうしたことを考てみたときに、私はもう一度この問題を振り出しに戻して考えてみる、調査をしてみる必要があるのじゃなかろうかと思うのです。  もう最後でございます。一つだけ言わせていただきますと、これは「航空事故調査についての国際標準及び勧告方式 国際民間航空条約第十三付属書」にございます。ページ数で言うと二十九ページ、五章の十五項に、「調査完了後に、新しくかつ重大な証拠が利用できるようになったときは、調査を開始した国は、調査を再開しなければならない。」という条項がございます。この条項を盾にとるならば、やはり私はもう一遍羽田沖の事故についても調査をしてみる必要があるのじゃなかろうか。あるいはまた、モスクワのDC8の事故についても、ソ連の政府が当事者であったからといって、そこに任せ切りでおくのではなくて、日本側からもやはりもっともっと究っ込んだ調査をすべきではなかったか、こう思うわけでございます。  いずれにいたしましても、発足以前の事故についても再調査をしないなんということを言わない、なさるのだ、こういうお話が先ほど大臣からもございましたので、お忙しいとは思いますけれども、こうした疑問の数々を今日まで残しているわけであります。これは私は、ぜひともやはりやっていただきたいと思うわけでございます。  この二つの公開質問の問題は、先ほどお話がございました。中華航空の問題についてもよくお調べになった方がよろしいと思います。  それから、ただいま、申し上げましたDC8に関する三つの問題、この問題についてひっくるめてごく簡単に、時間が超過しておりますので、述べていただきまして終わりにしたいと思います。委員長から先に、後大臣から、ごく簡単で結構でございます、やるかやらないか、そういった点についてのお答えがあれば結構でございます。よろしくお願いいたします。
  178. 岡田實

    ○岡田説明員 外国で起きました事故調査は、ICAOで決められておりますとおり、事故の発生しました国が行うものでございますので、日本独自でこれをやるわけにはまいりません。したがって、当時の状況を改めていまから調査し直すということはきわめて困難なことであろうかと思います。  また、全日空機につきましても、あのような事態で海の中へ突っ込んで、当時ですら調査に非常に難航した事柄でございますので、的確なる再調査ということはきわめて困難なことだと思いますが、この点につきましては、一応私たちとしても検討さしていただいて、ここで調査いたしますというお約束はいたしかねますので、検討をさしていただくということで御了解いただきたいと思います。
  179. 木村睦男

    木村国務大臣 松本先生の詳細な調査と該博な知識のお話、まことに傾聴いたしました。  過去の事故原因を探求して、将来の事故防止に生かすという意味で非常に私は大切なことだと思います。事故調査委員長の方でしかるべく善処なさることを期待しておるわけでございます。
  180. 松本忠助

    ○松本(忠)委員 それでは、委員長からお話があった、検討するということでございますし、十分御検討の上またお答えをいただきたいと思っております。きょうはどうもありがとうございました。
  181. 木部佳昭

    木部委員長 石井一君。
  182. 石井一

    ○石井委員 大臣、きょうは最初に総括の質問をしようと思っておったわけですが、いつの間にか一番最後になりまして、また大臣の時間も非常に限られてまいりました。したがって、方向を転換いたしまして、各論を断片的にお尋ねをいたしますので、ひとつ簡潔にお答えをいただきたいと思います。  まず最初に、日台路線でございますが、この問題は、先ほどもできるだけ早くという御決意のほどはわかりましたけれども、実は時あたかも、きょう東郷外務次官が陳楚大使に会って、第三回目の会合をやろうというふうな状態、外務委員会でもこの問題をどう取り上げるか、重要な問題になっておるわけですが、日中平和友好条約が結ばれると日台路線の回復にやはり多少の阻害要件になるとお考えですか。
  183. 木村睦男

    木村国務大臣 非常にデリケートな問題でございまして、政府側の立場でこの問題にコミットすることはいろいろ問題があろうと思いますが、私の個人的な観察でございますが、日中平和条約を締結する前にこういう不自然な事柄は早く解消したいというのが率直な私の気持ちでございます。
  184. 石井一

    ○石井委員 大臣が就任されましたときに、大臣は非常に中華民国にも近い立場のお方である、恐らくこの日台路線の回復は非常に速やかに行われるというふうに予想いたしておったわけでございます。その後二カ月ほど期日が過ぎておりますが、その間、民間のレベルでもかなりの進展があったわけでございますか、それとも就任されてから何ら進展がないという状態でございますか。
  185. 木村睦男

    木村国務大臣 私が就任いたしましたときに、いまお話しのような気持ちを申し述べたのでございますが、事は民間相互間の話し合いによってこの不自然が解消されるべき事柄でございますので、私の立場といたしましてはこれを祈るような気持ちで実は見守っておるわけでございますが、私の得ました情報の限りでは、進展したと考えていいか、しつつあると考えていいか、あるいは二ヵ月そう大した変わりがないと考えていいか、まあその辺ぐらいな判断しかできないわけでございます。
  186. 石井一

    ○石井委員 余り苦しめたくないのですがたとえば最大の阻害要件というのは、やはり原則を取り消さない限り交渉に応じないという、まあ青天白日旗その他の問題があったわけでございますけれども、その原則がやはり非常に大きな阻害要件になっておるとお考えでございますか。
  187. 木村睦男

    木村国務大臣 少なくとも航空技術上の問題ではないであろうということは考えられ得ると思います
  188. 石井一

    ○石井委員 成田空港開港しないと、両機が並ぶというわけにいかぬわけですから、成田空港以前にこれが妥結したらかえって困られるんじゃないですか、いかがですか。
  189. 木村睦男

    木村国務大臣 これは私はその場に臨みましたらおのずと方法がまた考えられるんじゃないか。いまからいまお話しのような点を細かく刻んで考えていくにはまだちょっと早いんじゃないかという感じがいたしております。
  190. 石井一

    ○石井委員 その日台路線が回復した場合の形態というのがとかくいろいろと言われておるわけですが、大臣は、日航のダミーがいいのか別会社がいいか、どういう形が一番理想的だとお考えですか。
  191. 木村睦男

    木村国務大臣 実はいまの段階では私はそのことについては全く考えを持っておりません。閉ざされております日台の航空路が再開するというこの民間ベースの合意がまずできてから、その後を受けていまの問題は考えていくべきであると思います。これをごっちゃにして考えておりますと、かえって非常に複雑になりますので、私は考えないことにして、ただこの不自然な状況が一日も早く回復することをこいねがっておる心境でございます。
  192. 石井一

    ○石井委員 最後に、大臣の任期中に何とかこの問題はひとつけりをつけたい、特に大臣には台湾との関係も非常によいというような期待もあったわけですれけども、そういうお気持ちで、祈るような気持ちで今後不退転の決意でこれに対処する、こういうお気持ちでございますか。
  193. 木村睦男

    木村国務大臣 ともかく私はこの非常な不自然な状況は一日も早く解消したいという気持ちで終始いたしておりますので、任期中に解決したいとか、その解決をする当面の当事者でないものですから、そういうことは非常に大それたことでございますので、一日も早く解決したいということを祈る気持ちでございます。
  194. 石井一

    ○石井委員 成田空港開港の問題でございますが、年内の約束をしたことはないが、これも鋭意努力中だという御答弁が先ほどございました。  私は全然角度を変えまして、この空港は四十六年四月一日に開港予定でございました。開かれない理由というのはよくわかりますけれども、これを聞くために協力をした関連企業なり関係者というものは莫大な数がございます。私がちょっと調べただけでも、バスの会社もあればガードマンの会社もある。農民も転身を考えてガソリンスタンドをつくったり洗たく屋を始めたり、いろいろなことをやっておる。何か投資された金額が七十億、しかも月々払っておる金利が七千万、こういうふうな被害を一部の人々にかけておる、これもまことにゆゆしき問題だと思うのでございますが、細かくきょうこれは聞こうと思っておったのですが、大臣にもう一、二問お伺いしまして御退席いただこうと思うのですが、開港時にこれらの人々に補償するというのが当局のお考えですか、これはいかがですか。
  195. 木村睦男

    木村国務大臣 私も現状を見まして、航空関係企業あるいは運輸関係企業によりまして、莫大な投資によったいろんな施設ができてそのまま眠っておるという状況でございまして、もう三年半もその状態であるということは、私非常に重大な問題であると考えております。したがいまして、いまそれらに対して補償するかどうかという御質問でございますが、これは補償とかいうふうな問題になりますと、いろいろ法律的な見解等も十分ただしてみませんといまこの席で何とも言えませんが、とにもかくにもそういうことがございますので、一日も早く開港をしなければならないということでいま鋭意努力をいたしておる状況でございます。
  196. 石井一

    ○石井委員 最後に、日航の赤字の問題について大臣にお伺いをしておきたいと思いますが、これだけ大きな高度経済成長に乗っかった国際企業が、恐らく今度の決算期には三百億以上の大きな赤字を出そうという状態に入ってきております。十年ぶりに無配であろうということであり、いろいろと問題が起こっておるわけですが、私は日航の再建、これはまた第二の国鉄のような形になる。後で国鉄問題は総裁にお伺いをいたしますけれども、非常にそれを憂うるわけでございます。この機会に航空行政の再編成と申しますか、これは企業内の体質の改善もあれば人員の整理ということもある。国際路線に対するいろいろの変更なり国内の過当競争の問題、いろいろなものがございますけれども、いまやこのままの状態が定着しようとしておることが私たちは非常に憂えておるところでございます。これまではもうかって仕方がないと言ったらおかしいですけれども、ボーナスの額なんて去年まで大変なものである。これがことしがんばれば来年よくなるというふうな情勢では決してない、この原因というものを追及した場合。これに対して大臣はどういうお考えをお持ちになり、どういう再建を考えておられますか。
  197. 木村睦男

    木村国務大臣 日本航空が大体三百億近い赤字になるであろうということで、運輸省といたしましても非常に憂慮いたしておるところでございます。社会経済的な背景が変わってまいりましたので、その中での航空事業ということは非常にいろいろな問題が起きております。そこで航空事業の再編成というお話でございますが、当面はこの日本航空の赤字をどう克服するかということで、日本航空自身もいまいろいろ方策をめぐらし、赤字克服の細かい施策も立てておるように私、聞いておりますので、これはこれで本航空自体の問題として、今後の運営に十分日航自体が努力をしてもらうことを期待しておりますが、航空事業の再編成という問題につきましては、ここ数年の間に閣議了解あるいは運輸省で決めました方針というものがございまして、それにのっとって今日のわが国の航空行政というものがその上に立って行われておるのでございますが、これをいまの時点で再検討いたしまして再編成するかどうかという問題は非常に重大な問題でございますので、いましばらく状況を見まして、そうすべきであるかどうかということはもう少し私は時期を見たい、かように思います。
  198. 石井一

    ○石井委員 残念ですがどうぞ。大臣への質疑は次回にさせていただきます。  それじゃ政務次官なり政府委員に、一、二細かいことをお伺いします。成田の先ほどの問題でございますけれども、一体この関連企業というものがどれぐらいあって、この間予定時に開港されないためにどれぐらいの被害を与えた、それは何かそういう計算の資料がありますか、いかがですか。
  199. 中村大造

    中村(大)政府委員 四十八年の八月末現在の数字でございますけれども、成田空港関連ということで投資をいたしました企業の投資額の合計は約六百五十億というふうに相なるであろうと思います。企業の数は、たとえば日本航空とかあるいは日本空港動力というような、いわゆる航空関連企業が十数社ございます。それ以外に約三十程度のいわゆる転業といいますか、成田空港のために転業を余儀なくされた、そういう業者が約三十、それをトータルいたしました投資額が先ほど申し上げた額、こういうことでございます。
  200. 石井一

    ○石井委員 航空行政面の上の方だけを見ておられるようですが、やはりこういうことは成田開港時に非常に大きな問題になると思います。これはやはり政府の不手際と申しますか、計画の変更によって予定が大いに変わっておるというわけですから、いま投資した額でも六百五十億ですけれども、恐らくいまここでどれぐらいの損害を与えておるかということをお聞きしても、企業数がきっちり出ないくらいですから出にくいと思いますけれども、この辺についてはやはり早晩開港をされることでありますし、そういう問題が現に起こっておるわけでございますから、これらについての調査なり考え方をまとめられる必要があるのではないかと思います。また大臣も、いま明快に補償をするというところまでおっしゃっておりませんけれども、確かにそれに迷惑を大いにかけておるということは十分に認められておるところでありますから、私はその点についても十分の調査を進められることをひとつ要望をいたしておきます。  それから次に日航の問題でございますけれども、大臣の先ほどの答弁あたりでは総論の序論であって、これから詰めなければいかぬということですから、また機会を設けてやりますけれども、大体私が見ておりましてもいろいろ非難はあるにしましても、半官半民の政府保護の企業が一番赤字を出しておる、一番有利な条件にあるはずだと思うのであります。これはやはり航空行政を指導しておられる立場として、何となく彼らがやっていくだろうということでなく、しっかり取り組まないと非常に大きな問題になっている。国鉄を例に挙げて恐縮でございますけれども、その原因はいろいろとあろうかと思いますけれども、問題が非常に大きいと思います。それで現在日航側と、細かく現在の業績について報告をお聞きになるなり行政指導をするなり、どういうことをいまやっておられるのですか。
  201. 中村大造

    中村(大)政府委員 政府といたしましても、日本航空の最近の業績の悪化というものについては、きわめて重大な関心を持っておるわけでございます。それでまず何よりも、三百億を上回ると予想される赤字の原因がどこにあるかということを究明する必要がございます。これは、会社自身において究明をいたすことはもちろんでございますけれども、運輸省の立場といたしましても会社の報告を聞き、また運輸省独自においても調査をいたしましてその原因の究明をする、それによってその赤字の原因が単なる外的要件によるものか、あるいは内部にその原因があるか、いろいろあろうと思いますけれども、その原因を究明いたしまして、その後にその対策を講ずる、こういうことでございまして、現在運輸省といたしましては会社の方からそういう詳細な内容について報告を求めつつ検討いたしておる、こういう段階でございます。
  202. 石井一

    ○石井委員 いまの答弁だと、まだその原因は当局として、航空局長として御存じないということですか。
  203. 中村大造

    中村(大)政府委員 三百数十億になろうという原因のうち、たとえばいわゆる燃料の高騰に原因するものがどの程度あるか、それからいわゆる機材の購入によってその資本費がどの程度ふえておるか、その他いろいろのいわゆる経費増、それから収入の減がどのような原因で収入減になっておるか、そのような分析を現在やっておるわけでございます。したがって、その大体の輪郭はわかっておるわけでございますので、ただそれに対してどのような処方せんをつくるか、こういうことにつきましてはまず会社自身でその対策を考え、それを聞いた上で運輸省においても対策を考える、こういう段階でいまそれを鋭意検討しておる、こういうことでございます。
  204. 石井一

    ○石井委員 いまおっしゃられましたいわゆる燃料の高騰だとか日台路線その他の関係からドル箱路線がなくなってしまった。あるいはまた迂回、旋回をするためにそれだけで非常に大きな被害をこうむった、その他やはりその旅客の数が少なくなってきたというようなことがあるわけですが、いまの答弁では私は日航というのはこれからいよいよ危ないなという感じがしてなりません。もう少し積極的に問題点を追及しませんと、親方日の丸の企業であったってたちどころにこういう状態になってきたことはまことにゆゆしいことで、国益上から考えても非常に大きな損失だと思うのです。たとえば機材の購入ということを言われましたが、ジャンボ機を二十五機持っておって世界第二位を誇っておる、ジャンボの買い過ぎじゃないかというふうな意見もあります。外人のパイロット、機長が二百五十名以上おる、そういう状態でその人々の給与というふうなものはそれは莫大なものです、われわれの給与よりもはるかに大きいものです。いろいろわれわれのような者でも原因指摘できる問題がたくさんあるのにかかわらず、局長がいま言っておられる原因というのは、ごく通り一遍の燃料が上がったぐらいで報告を待っておる。こういうことでは、日航というのは先行きまことに暗いものであって、これだけの大きな国益の国家企業と申しますかナショナルキャリアというものがこういう瀕死の状態になっておるということに対して、もう少し真剣に取り組んでいただきたいと思うのでありますが、いかがですか。
  205. 中村大造

    中村(大)政府委員 日航のいわゆる今年度の業績の不振ということにつきましては、先ほど申し上げましたように運輸省としてもきわめて深刻な関心を持っておるわけでございます。したがいましてこれの原因の究明に現在当たっておるわけでございます。ただこの業績不振の中には、いわゆる日航の体質といいますかそういう内的な要因だけではなく、いわゆる世界経済の動向あるいは世界の各航空会社の動向、そういうものとやはり密接な関連のある問題があるわけでございます。したがいまして、これに対する対策というものは、いま簡単に性急にその対策をつくり上げるということが必ずしもできないのではないか。会社におきましても、いわゆる経費のすべてについて洗い直しをいたしまして、経費の節減を図るということを現在計画をいたしておりまして、それを近く具体化しようといたしておるわけであります。政府といたしましても、将来の動向を見きわめつつ必要な対策を講じ、また必要な指導をいたしていきたいというふうに考えておりますので、いましばらくの時間をちょうだいいたしたいと思うわけでございます。
  206. 石井一

    ○石井委員 世界的な傾向だと言われますが、パンナムとかルフトハンザがかなり苦しい状態になっていますがまだ黒字を保っておる会社もたくさんあります。それから全日空の商法など非難される面もたくさんありますけれども、全日空の方が現在まだよほど経営内容がましであるという、これも一つ現実の姿であります。そういうことを考えますと、いまのいましばらくという受け身の状態では、これは国家予算に対する大変な大きな侵害になってくるということは確実でありますから、そういう面もひとつ早急に検討をしていただきたい。きょうは序論で、これからどんどんと追及をしていきたいと思います。  もう一つ、たとえば十年前に日航がニューヨークビヨンドを取ったときに、これぐらい獲物をとったというふうな感じでそれを推進したのは当局であり日航であったのですが、これもみんなやめてしまおうというふうな状態になってきておる。私が言わんとするのは、そういうふうな世界一周というふうなものに対しては国際路線にある程度の補助を、赤字を出しても国家で出してやる、そのかわりもう少し企業意欲に燃えた、合理化の進んだ、やる気がある体質に変えていかないと、決してこれは世界の企業の中に太刀打ちしていくわけにいきませんよ。これまでのように自然に乗客が伸びていくというふうな状態じゃありませんので、だからその点特にきょうは注意を喚起させていただきたいと思います。  それから次に国鉄総裁に一、二お伺いさせていただきたいと思いますが、この当委員会でも、私も数年ここに属しておるわけですけれども、大体もう委員会が開かれたら国鉄国鉄国鉄の再建といってやってきておるわけです。計画を立てるとまたそれを変えていかなければいかぬ。四十八年に国鉄再建に対する相当の論議をやり、決めたものがまたこの時点において大きく変更を余儀なくされておる。これはその理由というのもわかるのですが、今度は何を柱にどのような方向で新しい再建計画を立てられようと思っておるのか、総裁の御所見をひとつ伺いたい。
  207. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 皆様のお世話によりまして財政再建十カ年計画というものができまして、これが一昨年来のインフレでおかしくなっちゃった、こういうことが実情でございますけれども、一体その財政再建十カ年計画というのは、これはこの立案した形の表面上から見れば、いろいろ幾らの収入を仮定し幾らの工事費が要るとかなんとかいうことになりますけれども、そのねらうところは、国有鉄道というものはいろんな悪口を言われるにしても、ここ半世紀ぐらいはやはり陸上交通の主力でなければいかぬ。したがいまして、まあ十年ぐらいたったら陸上交通の主力にふさわしい力をつけて、しかも政府から拝んで金を借りるとかなんとかいうのではなくて、少なくとも黒字の状態においてそういう形になりたいということでございまして、要は金とかなんとかの議論からすれば、これはもう全然ぶっ壊れちゃったという議論が正しいのでございますけれども、われわれはやはり皆さんのおっしゃるように、現在線の補強をやるとか、あるいは新幹線はいろいろな議論がございますようですが、これも国家の財政計画、経済計画に歩調を合わせたものをやるということで、これは何も、弾の方はずいぶんおかしくなったんだけれどもねらっているところは同じである——これはすこぶる乱暴な議論でございましておしかりを受けるかもしれませんけれども、私はさように考えております。
  208. 石井一

    ○石井委員 なかなか率直で結構だと思いますよよ。  そこで、たとえば五十年度予算の計画、余り予算も伸びておりません、しかも物価の高騰その他いろいろの諸問題がありますけれども、千二百億か何かの予算で新幹線工事推進される。何も支障はありませんですか、いかがですか。
  209. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 私どもも当初のお願いは実はもう少し大きかったのでございますけれども、インフレ対策とかなんとかそれに優先した次元の高い問題もおありのようなので、遺憾ながらあれでがまんをしまして、それでまあ今年度は政府のごめんどうも十分見ていただいたのですが借金で泳いで、毎年借金で泳ぐわけにもまいりませんので、五十一年度はひとつ皆様にひどくしかられるような勇敢な再建策を立てたい、かように考えまして、運輸大臣も非常に御激励くださいますので私どもも勉強しているようなわけでございます。要は、金の問題に関しますといろいろな議論はありますけれども、これからわれわれの立てる議論も、十年か五年か知らぬけれども、陸上交通の主力である実力をいかにしてつけるかというだけの問題でございまして、そう変わったことではないと思います。
  210. 石井一

    ○石井委員 いまの御答弁だと、そうすると五十年度は新幹線工事予定よりも相当おくれる、そういうことになるわけですか。
  211. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 東北の例を引きますと、東北新幹線にいたしましても初めは八千八百億ぐらいのものでもって完成できるつもりだったのですが、これが二、三年の物価高騰で一兆何千億もかかるというようなことで、これを二、三年でやっつけるということになると、いま一兆三千ぐらい残っているから、少なくとも四千億や五千億なければ歩調が合いませんという議論になりますが、これが御承知の千二百何十億ということでございまして、その数字だけ見ればはなはだしくおくれるという議論になりますけれども、これは工事なので、来年、再来年あたりでまた何かそういう施策政府がお立てくださるかどうか別問題として、これが立つとすればいわゆる突貫で追いつくという手もまだあり得る。しかし、一般論としてははなはだしくおくれていく、かように思います。
  212. 石井一

    ○石井委員 たとえば五十一年、五十二年、おっしゃるようにそれは一生懸命やろうと思いますが先のことで、本年予算のついておる範囲で大体計画の何%ぐらい完成する予定なんでしょうか。
  213. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 新幹線に関しましてはわれわれは大体三千四、五百億、四千億に近い数字をちょうだいしたかったのですが、千二百億になった。よって三分の一になるとは決して申しませんけれども、そういう形になった。ただし現在線に関しましては、鉄道の安全性ははなはだしく落ちたではないかということで昨年来しかられておるし、それから公害でけしからぬというようなおしかりも受けておりますので、そういうものには四十九年度よりもぐっと力を入れていただいて、現在線に関する限りはやはり二、三割のスピードアップということになると思います。しかし、新幹線に関しましては遺憾ながら大分おくれる、こういうことでございます。
  214. 石井一

    ○石井委員 新幹線のことを聞いておるのですが、どの路線がどの程度この五十年に進むのですか。
  215. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 御承知のように新幹線は、先ほどの御議論でしかられた現在かかっておる成田それから新潟へ行く上越それから私どもがやっておる東北とありますが、いずれも三千億近くのところを千億というような程度になっておりますのでこれは相当おくれると言わざるを得ない。それからさらに、皆さん御承知調査五線というようなものがあって、これの具体的な工事計画を立てろと運輸大臣の命令を受けておる。これも一年ぐらいたっておりますのでこの計画も早晩出さなくちゃいかぬが、これは計画を出すことはいいのだが、一体いつかかれるんだという議論になると、現在工事中の新幹線それ自身が栄養不良みたいな状態なんで次の子供はどうだということになりますので、そこらは御良識から御判断願いたい。
  216. 石井一

    ○石井委員 国鉄の再建の計画の中で合理化の計画、これは総裁としてどういうふうにお考えですか。
  217. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 合理化に関しましては先生のお考えになられているようないろいろな議論がございますけれども、これは企業である限り、政府が金を出して国民にお願いしているということはともかくとして、おまえら精いっぱい働かなければいかぬじゃないかということになっておりますので、合理化をやってできるだけコストを下げる輸送費を下げる、これは当然の話で、しからばどうして下げるかということになると、これはしょっちゅうおしかりを受けますけれども、安全性とかサービス性を考えずに単に人間を落としたのでは危なくてしょうがないということになるので、人間を減らすかわりに、それに代替する省力機械というか省力設備というか知らぬけれども、こういうものの導入と歩調を合わせて人間もセーブするものはセーブしていくというのが国鉄の合理化であって、単に人間を減らしただけじゃ、危なくしたんじゃ、これは合理化じゃなくて非合理化であるということになるのですが、そこらが貧乏人のつらさで、いろいろ誤解もございますけれども、実際はそのとおりなんです。
  218. 石井一

    ○石井委員 そうすると、五十年度当面は人員を減らす計画はまずない、こういう御答弁ですか。
  219. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 私が人員を減らさぬなんと言ったらおそらくしかられるところもあるだろうと思いますけれども、御承知のように山陽新幹線をやる、それから湖西線も本格的にやるということになると、ちょっとやそっと減らしたところで増の方に食われてしまって結果的にはふえたというようなことになりますから、国鉄財政非常に苦しいので、そこらは若干減らしたようなことでひとつ何とかつじつまを合わさぬと困るじゃないかというので労組の諸君なんかにも頼んだり議論をして、今年度は恐ろしく減らすということじゃなくて、若干は減らさざるを得ないと思いますが、そんなようなことで苦労している次第であります。
  220. 石井一

    ○石井委員 最後に、新幹線にしても在来線にしても昨年来事故がかなりありましていろいろと総点検をやってこられましたけれども、これについて事故原因その他の究明は十分なされたのかどうか、今後もこれを非常に持続的に継続されていくのか、いまの合理化の問題とも関連があることでございますけれども、この点はいかがですか。
  221. 藤井松太郎

    ○藤井説明員 安全という問題は交通機関の最上の命令なんで、皆さんのおしかりあるなしにかかわらす——あるいはやり方が足らなかったというおしかりがあるかもしれぬが、そいつに精魂を傾けている次第でございますが、東海道線がしかられ、東北線がしかられ、まだしかられる線が鹿児島あたりにもあるんだろうと思いますけれども、これはやはり輸送量が急にふえ過ぎたということなんですよ。だから線路に力がかかり過ぎておるということなんで、線路に非常に力をかければそれは壊れるので、これを保守し、直すのとバランスして健康な状態になるので、これからは、運ぶことだけじゃなくて、保守に見合ったような、線路の健康状態にマッチしたような運び方、使い方をしなければいかぬ、これは当然の話でございますね。これは実はそのとおりでいいので、東北線だっておまえ、一月に一回、二回休んでやれよ、東海道線も休め、これはいいんだけれども、せっかくああいう大きな金を投資して、休むということはそれだけ収入がカットされるということであり、御利用くださる皆さんには御不便をかけるということなんで、安全だのサービス面を落とさずしていかにして輸送のコストを下げるかということはわれわれの責任なんでございまして、ひとつ御了承願います。
  222. 山岸勘六

    ○山岸説明員 山岸であります。先生の御質問の中で昨年来の事故原因究明はどうなっておるかというお話がございましたのですが、ちょっと申し上げたいと思います。  昨年以来旅客に御迷惑をおけかしたような、いわゆる輸送障害を来したような事故につきましては全部原因を究明いたしております。
  223. 石井一

    ○石井委員 議論としては大変おもしろいのですが、時間のあるときにやらしていただきます。それじゃ、国鉄関係はこれで終わらしていただきます。もしお急ぎでございましたらどうぞ。  そこで、関西国際新空港大阪空港に関してひとつお尋ねをさせていただきたいと思います。  まず、関西国際新空港、私は質問書なども内閣提出をしたりなんかして、答弁もいただいてまいったわけですが、本年度はかなりの予算がついております。これをどういう形で進めようとするのか、まずこの点お答えいただきたい。
  224. 中村大造

    中村(大)政府委員 五十年度の新関西国際空港関係の予算といたしましては、まず調査費といたしまして三億四千万成立いたしております。そのほか、この計画推進いたしますために役所関係の機構を若干整備いたしております。それから、地元においてこれを推進するための協議会、こういうものを、これは官民合同でつくりたいと思っておりますけれども、そういう協議会を開催するための費用、こういうものを計上いたしているわけでございます。
  225. 石井一

    ○石井委員 一応航空審のほうからはいわゆる泉南沖という答申が出ておりますが、その実地検証というもの、そのほかかなりの調査を進められるのですか、その点は…−。
  226. 中村大造

    中村(大)政府委員 先ほど申し上げました三億四千万というものは、泉南沖におきまして必要ないわゆる環境調査といいますか、そういうものをこれから段階的に行うための経費でございます。
  227. 石井一

    ○石井委員 本年が終わると来年度はこの規模をどれぐらいにしようという予定なんですか。
  228. 中村大造

    中村(大)政府委員 五十一年度にどれだけ計上すべきかということはまだ正確に積算いたしておりませんけれども、五十年度よりは増額をいたしたいというふうに思っております。
  229. 石井一

    ○石井委員 一番のガンは関係地方公共団体をどう説得するかということですが、それはことし大分やられるのですか。
  230. 中村大造

    中村(大)政府委員 実は昨年答申をちょうだいいたしましたときに、答申の根底をなします膨大な基礎資料がございますが、これを現在委員会において最終的に整理をいたしておられまして、これが近く完成いたしますので、それを待って関係地方公共団体にいわゆる協力方を要請し、進めてまいりたいというふうに思っております。
  231. 石井一

    ○石井委員 いまの大阪空港の減便計画またエアバスの乗り入れの問題、これについてまずお伺いをしたいのでありますが、いま十一市協などといろいろと協議も進めておられるようでございますけれども、これがどういうふうになっておるのか、次官なりあるいは政府委員からお答えいただきたいと思います。
  232. 中村大造

    中村(大)政府委員 大阪国際空港騒音対策推進、これはいわゆる周辺対策と音源対策の二つがございます。周辺対策については、御承知のように来年度相当な増額をいたしましてこれの充実を図りたいというふうに思っているわけでございますけれども、やはり一番直接的かつ早期に効果の上がるというのは音源対策で、その音源対策といたしましては、やはり低騒音大型機を導入してそして便数を削減する、こういうことでわれわれといたしましては早期直接的な効果を確保するためにこれにいま全力を挙げて地元との折衝をいたしておるわけでございます。  それで、先生指摘のいわゆる十一市協、これは正確には大阪国際空港騒音対策協議会というものでございますけれども、これに対しまして、いわゆるエアバスを導入する、それに伴う削減をどうするか、こういうふうな説明をいたしたいということを申し入れておるわけでございまして、十一市協の理解を得てこの説明を近いうちにする機会をぜひ得たい、こういうふうに思っているわけであります。
  233. 石井一

    ○石井委員 運輸当局からちょうど一年ほど前の四十九年三月二十三日に出されております書類、「大阪国際空港における発着回数の制限について」これは三段階の減便計画というものを明示されているわけです。これはエアバスが入った場合という前提があるわけですけれども、最終的には山陽新幹線が開通した時点に、ジェット機は当時二百六十回であったものが二百回に下がる、こういう計画があるわけです。地元の方としましてはこれを大いに期待をしている。しかも山陽新幹線は三月一日に開通しようとしている。ところがエアバスの問題で非常にひっかかっておる、こういうことなんですが、この点は多少歩み寄りをしなければ地元も納得しないのじゃないか。当局の立場もわかるけれども、地元の気持ちも地元におる者として非常によくわかるのですけれども、山陽新幹線の開通時にどれぐらい減便するのか、その辺はいかがですか。
  234. 中村大造

    中村(大)政府委員 実は昨年二百六十回のジェットの便数を段階的に二百回にするということを約束したわけでございますけれども、昨年すでに二百六十回を二十回減便いたしまして二百四十回にしておるわけでございます。後の段階は、いわゆるエアバスを導入してそれを機会に二百二十回に二十回減らし、しかる後に新幹線開通を待って二百回、こういう段階にいたしておるわけでございます。  先生指摘は、エアバスの導入、それに伴う減便ということを待たないで、山陽新幹線開通による減便だけを先にやれ、こういう御指摘かと存じますけれども、私どもといたしましては現在の段階といたしましては、やはりエアバスを導入して低騒音飛行機を入れるということが緊急の課題ではないかというふうに考えておるわけでございまして、しかる後に段階的に新幹線開通を待ちまして減便をしていく、こういうふうにすべきではないかと思っております。
  235. 石井一

    ○石井委員 そこのところをもうちょっとお伺いしますが、二百六十便あったものが二百四十便に現在なっておるわけですね。ここで一年前に発表された計画というのは何ら変わってない。その前提条件としてエアバスが入らないと、こうならない、こういう答弁のように聞こえるわけですね。山陽新幹線が開通しても、エアバスが入らない限りは二百四十のままで減便しない、こういうふうに答弁を解釈いたしますが、それではエアバスが入りますと一挙に今度は、段階的と言いますけれども、二百便になる。この一年前の計画には何ら変更がない。問題はエアバスの乗り入れがどうか、これ一点にしぼられておる、こういうことですか。
  236. 中村大造

    中村(大)政府委員 実はその点につきましては、そういう内容につきましても地元の十一市協によく説明をし、理解を得たいと思っておる、その内容にも関連するわけでございます。したがいまして、余り突っ込んだ細かい具体的なことになりますと、まだわれわれといたしましてももう少し検討しなければならないわけでございますけれども、いずれにいたしましても、山陽新幹線が開通いたしましてすぐ減便の必要性が出てくるのはどこか、これは輸送の実態から見てどこを減便するのがいいか、こういう点からも検討しなければならないわけでございます。もちろん昨年、地元に対するそういう意思表示をしておることもございます。そういうものを総合的に考える必要があるということでございます。したがいまして、どっちが先でどっちが後でなければいかぬとかいうことを厳密に申しておるわけではございませんけれども、私どもといたしましては現在相当煮詰まりつつあるエアバスの導入に伴う減便、そしてその後段階的に新幹線開通後のいわゆる輸送の実態等も見まして、そのための減便をやっていく、こういうやり方が一番実態に即しておるのではないか。また航空会社といたしましてもこれは相当な無理をするわけでございますけれども、この無理の中でも実現可能な方法ではないかというふうに考えておるわけでございます。
  237. 石井一

    ○石井委員 夜間の九時から十時までの発着制限というもの、これに対しても強い要望があるのですが、これについての減便なり考慮が当面なされようとしておるのかどうか、これはいかがですか。
  238. 中村大造

    中村(大)政府委員 これにつきましても地元は非常に強い関心を持っておられるわけでございます。ただ、大阪国際空港が国際空港としての重要な機能を果たしている、その機能をやはり維持するという至上の命題がございますので、それとの調整をどうとるか、こういうことでございまして、この問題につきましても、いまここでどういうふうにしますというふうなことを、ちょっと申し上げる段階ではないというふうに考えます。
  239. 石井一

    ○石井委員 私は、非常に答えにくいことだと思うのですが、こういう計画があったのですから、これの変更は認められてないわけですから、だから、エアバスが入ってくると、だんだんこういう方向に段階的に、すぐと言えなくてもなっていく、こういうことは言われておるように思うのです。それから、その段階において、九時以降のあれも考える。そうすると、もう結論は、エアバスが入るかどうかということがこの問題の最大の焦点だというわけですが、私が見ておりまして、反対のための反対もありますし、そこにおる住民が全部賛成するまで入れないということになれば、永久に入らないということになるのですが、エアバスを乗り入れるということを決断する条件はどういうことなのですか、いまずっと交渉しておられて。
  240. 中村大造

    中村(大)政府委員 これはもう前々から繰り返し言っておりますように、大阪国際空港騒音問題というものは、非常に長い歴史、長い経過を経ておるわけでございます。したがいまして、一つの理詰めもございますけれども、やはり相当蓄積したいろいろな気持ちがあるわけでございます。したがって、私どもとしては、われわれの考えておる内容につきまして、これを詳細に説明をいたしまして、その内容について地元理解を得るように努める、これに尽きるというわけでございます。
  241. 石井一

    ○石井委員 それが、あなたがいかに万能であっても、完全に政治的に意図のある者まで説得はできないわけですね、反対はあくまで反対なのですから。どこかでやはり一つの決断というものがこの問題に必要だと思うのです。  そこで、私は、やはりエアバスが何十ホンも低いのですから、現実に名古屋でもそういう例があるのですから、これは入れるように大いに説得をするべきだと思います。その辺が非常に十一市協あたりとの話し合いが微妙だと思うのですけれども、ただ、いまあなたが答弁しておられることを聞いておりますと、私が住民であったって、それではエアバスは反対だと言うと思うのですよ。一つも譲歩がない。前にこれだけのことを示されて、二百になるということが書いてあるのに、山陽新幹線がいま開通して走ろうとしておるときに、何を言っておるかわからぬ。何を言っておるかわからぬというのは、そうしか言いにくいという面はあると思いますけれども、それなら住民のサイドとしては、やはり反対だ、こう言うと思うのですよ。やはりこれを入れてくれば、この時点にこうする、山陽新幹線である程度の乗客の動きはこうだけれども、少なくともこれだけはこうする、九時以降にこれだけの、八回のものがあるのだけれども、これをせめてこうする、こういうふうな具体的な材料を示して説得をしないと、これははなはだ官僚的だという感じが私はしてなりません。そういう意味であなたは腹の中でいろいろ思っておられるのですけれども、もう少しそういうことを配慮して、当局ももう少し譲歩する、迷惑もかけておるのだから、私はそういう必要があると思いますけれども、もう時間が迫ってきておりますからあれですが、最後にまとめて、エアバスが入れば当初計画したここまで行くのだということかどうなのか、減便を含めてそういうふうになるのかどうか、この点をお答えいただきたい。
  242. 中村大造

    中村(大)政府委員 私どもといたしましては、昨年の三月二十三日決定いたしました措置というものは、 エアバスの導入を含めましてこれを履行するということについてはかたい決意を持っております。
  243. 石井一

    ○石井委員 ただ当面エアバスの問題が解決しない限り、現時点においては、減便もなければ、また九時以降の減便もない、この話がつく時点においてこれらの問題がたちどころに解決する、こういうことですね。
  244. 中村大造

    中村(大)政府委員 非常にむずかしい問題でございますけれども、とにかく私どもがいまさしあたりやるべきことは、地元理解を得てエアバスを導入し、減便をして、そのとき当然いわゆる九時以降の便数についても言及いたしておりますので、それを履行する、そうして、しかる後に新幹線関係の減便をやっていく、こういうことでございます。
  245. 石井一

    ○石井委員 私が指摘しました、地元の意向をも先取りする、そういう姿勢も必要かと思います。何ぼ説得する、説得すると言っても、そういう配慮がなければなかなか説得はむずかしい、この点御注意申し上げておきます。  きょうは新交通システム、都市交通について御質問をする予定でございましたが、ずっと時間がずれてまいりまして、鉄監局長なり民営部長、わざわざおいでをいただきまして大変恐縮でございましたが、次回に譲らせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
  246. 木部佳昭

    木部委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時四十六分散会