○
和田(貞)
委員 そこで、一つは大阪の羽曳野市における同和向け住宅の入居の問題について
現地でごたごたしているわけですね。その点についてひとつ、大臣が先ほど言われた公正、民主的、平等でなくてはならないというものの考え方に、私はいろいろと話をしながら、大臣だけじゃなくて
関係各省のほうにお尋ねしていくわけなんですが、まず大阪のいま申し上げた同和向け住宅、これは解放行政の一環として、
地域の環境をよくするという立場に立った地区の改良住宅あるいは公営住宅の建設という事業であるわけですが、大阪府では
昭和二十六年、赤間文三さんが知事をやった当時ですね。赤間文三さんの知事の当時から、同和事業を実施するには公益法人大阪府同和事業促進協議会、略称府同促協というようにいっておりますが、こういう公益法人の団体をつくりまして、そして行政が同促協と協力してより効果あらしめるという考え方のもとに同和事業を進めてきておるわけです。念のために申し上げておきますが、この同和事業促進協議会には知事ももちろん入っておりますし、府下の全市町村長も入っておりますし、もちろん運動体としての部落解放同盟の代表者、役員あるいは学識経験者も入っておる全く政治色のない財団法人です。ところが昨年の十一月に羽曳野市に建設された同和地区向けの公営住宅、百戸建設されて、いま二十四戸建設中でありますが、この百戸の住宅が建てられたのは、部落差別に反対して解放行政を求めて、そしていま申し上げましたように、その一環である住宅の建設のために部落解放運動に結集した部落大衆の苦しい戦いの中で実現ができたわけです。にもかかわらず、建設が終わったこの百戸の住宅が約一年間今日まで放置され、そしてその間におきましては、先ほども申し上げました府同促協の第二十三回の定例総会の決議として、地元の実施機関の長である羽曳野市長に勧告をいたしております。あるいは五月に
入りまして知事が調停に
入りまして、知事、市長、そしていま申し上げた府同促協の三者による確認書が次のようにつくられておるわけです。その当時は羽曳野の津田一朗市長は、府下でただ一人だけ、彼が市長に就任するや府同促協を脱退しておるわけです。そこで知事が調停に
入りまして三者で協定いたしましたのが、府同促協に復帰をする、これが一つ。したがって、羽曳野市も七月十六日にこの府同促協に復帰をいたしております。だから、もとどおり全府下の全市町村長がその府同促協の構成員になっておるわけです。二つ目は、住宅問題については府同促協との協議の上に立った入居選考
委員会や実態
調査を経て実施する、これが二つ目の協定事項です。この二つを骨子とした協定事項ができた。あるいは入居選考
委員を選考するにあたっては部落会長、自治会長ですね、町会長です。その部落会長の意見を聞いて選考していく、こういう約束を部落会長との間にしておるわけです。いま申し上げましたようなそういう経緯を再びほごにいたしまして、十一月十九日、突如として記者会見をやりまして、その三つの経緯を振り捨てて、新旧区長さん八名おりますが、この八名を一方的に選考
委員として委嘱状を送っております。そして委嘱を受けておらない者もある、受けた者もある。ところが、その委嘱を受理されなくても十二月のかかりになれば入居を行なう、こういうように記者会見で発表をしておるわけです。したがって、再び入居についての混乱が起こる、こういう
原因をつくり出しておるわけです。(「市町村長がやるんだよ」と呼ぶ者あり)これが十二月十四日から十五日の未明にかけての羽曳野市の住宅入居紛争
事件であります。羽曳野市の大西という市長公室長は、そのような記者会見のあとで何度も市長に進言したが市長は聞いてくれなかった、こういうように嘆いているくらいであります。これが羽曳野の住宅問題の紛争
事件の最近におけるあらましなんです。
そこで、この一方的に市長が八人の選考
委員を委嘱して四人しか受理しなかった。その四人で選考してしまった。もちろんその前に受け付けをするところにも問題があったわけであります。
私は、話をあとに進めるにあたりましてこの機会に建設省に……。公営住宅というのは一般向きの公営住宅もあれば特定目的を持つ公営住宅もあります。一般向きの公営住宅というのは住民一般を対象とするわけでありますから、これはどの自治体でもやっておることは大体同じようなことをやっておられると思う。しかし、特定目的に合致する公営住宅というのは、まずその特定目的に合致する資格があるかどうかということです。一般向きの住宅のように、さあ収入はどうであるとか家族構成はどうであるとかということだけでなくて、その特定目的に合致する資格があるかどうかということが一番大事な問題でありますから、だから、この点につきましてはやはりむずかしい問題なんです。そこで建設省は、こういう特定目的のところの公営住宅の入居にあたってどういうような事務をやればいいかということを行政指導されておるかということについてまずお聞かせ願いたいと思う。