○青柳
委員 もうこれで私は、この問題は終わりにいたしますが、いずれにしても持ち合い
状態というよりは悪化の方向へいっている。しかも老齢である。だから、いろいろ
条件、
条件とおっしゃいましたこの監獄法の四十三条ですか、これを厳格に考えておられるのだろうと思いますけれども、しかしこれはもっと柔軟に考えてやっていただきたいということを申し上げておきます。
次に、あと二点、
安原刑事局長にお尋ねいたします。
先ほど裁判官の暴行問題あるいは非行と言われるか、非常に例外的なことについての
質問がありました。今度は私は、検察官の言論による暴力といいますか、それと腕力による暴力、この
二つの
事件が最近頻発しておりますので、それをお尋ねし、どういう
措置をおとりになるつもりか、お聞きしたいと思います。
これは
会議録に残す必要もありますから、簡単に申しますが、金沢地検に緒方政昭という検察官がおりますが、この検察官が、竹内という小松市長にかかわる公職選挙法違反
事件が金沢地裁にかかっておりまして、その主任検事を担当しておったのでありますが、第六回公判期日、ことしの八月二十八日に開かれて、そこで証人調べがあって、その証人調べのやり方に対して
異議を申し立てた弁護人の野村という人に対して、大声で「野村弁護士は弁護士の資格がない、法廷から出ていけ、裁判官、退廷を命じてください」というようなことを言って、これはあまりにも不当な言辞でありましたから裁判長からたしなめられて、一応は取り消すということになったのですが、それを根に持ったのかどうか知りませんが、そのあとまた、「証言の内容は推測によるものですか」というようなことを証人に野村弁護士が言ったことに対して、再び緒方検事が立って「野村出ていけ、まじめにやれ」というようなことを言うとか、それから野村弁護士が何かの
説明をしておりましたところ「早く言え、早く言え、何を言いたいのか、早く言え」――言ってくださいとか言いなさいとかいうのではなくて、まさに法廷の言辞としてはふさわしくない、相手を侮辱するようなことばがぽんぽんと飛び出してきて、しかも裁判長も再三にわたって注意あるいは制止をしたにもかかわらずこれを無視した。こういう
事件に対して、金沢弁護士会では九月十一日に全員協議会を開いて、こういう行為に抗議する決議がなされ、その結果、この小松市長にかかわる公選法違反の主任というか、担当は解除された、こういう
事件がある。
ところがこの検事は、こういう
事態のあった後になおかつ、今度は、ことしの九月十二日午前七時半ごろ、松任市の金産自動車工業株式会社正門付近において、東茂という
人たち三名が持っていた組合のビラ六百枚が盗まれたということで、この東氏らから告訴
手続の依頼を受けた金沢弁護士会所属の梨木作次郎、菅野昭夫、加藤喜一という三名の弁護士が代理人となって告訴状を金沢地方検察庁に提出をいたしまして、その取り調べを担当いたしましたのがこの緒方検察官でございますが、この検察官は、九月の二十三日の午前九時から告訴人東茂氏の取り調べをやりました。その祭どういうことを言ったかといいますと、この東茂氏に対して「この告訴は梨木弁護士を通じて出したものだな。君は知っているかどうかわからないが、梨木はつまらん
事件でもすぐ告訴する、告訴狂だ。こんな
事件は告訴せんでも警察にまかせておけばいいんだ。この中の菅野や加藤も一緒だ。本当に困ったもんだ。現に取調べをしている
事件を検察庁へ告訴してくるやり方は梨木のやり方で、こういうのを告訴狂というのだ。帰ったら梨木へよくいっておけ」とか、「君はこの告訴状によると窃盗となっているが、窃盗というのはどういうのか知っているのか。これは窃盗じゃなく器物毀棄だ、これならまだ
事件になる。判例もあるのに梨木は知らんのだ」こういうことを言ったそうです。
これを文章にして、九月の二十六日に、この検察官に三名の弁護士が会ってこれを読み上げて、この事実はどうなんだと言ったら、そのとおり間違いないと言って確認をした、こういうことであります。
それで、このことについても、先ほどの暴言のことにつきましても、ローカル紙はもちろん、毎日あるいは読売、東京というふうな全国紙にも大々的に報道され、また、この梨木弁護士に対する侮辱的な言論につきましても新聞に報道されております。
そして梨木弁護士は金沢弁護士会に善処方を要請いたしました結果、金沢弁護士会では十月四日に常任
委員会を開きましてこの問題を取り上げ、すべての検察
事務からはずすことを決議して十月の七日に地検に申し入れたところ、検事正の回答は、検事の人数も少ないので一般
事件担当からもはずすことはできないという返事であった。弁護士会としては、この
要求をいれないならば検察官適格審査会にかけても黒白を明らかにしなければならぬと言っているそうであります。弁護士会が申し立てるかあるいは
関係の
人たちが申し立てるかは別といたしましても、検察官適格審査会の問題にも発展する
可能性はあると思いますが、この点についての
刑事局長の御答弁はいかがですか。