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山原委員 初中
局長、
あとで
文部大臣にもお尋ねしたいのですけれ
ども、問い合わせ中などという
状態じゃないでしょう。私は十一月の十三日に
文部省へ行って、
ほんとうに涙を流しながら話したのです。こんなことで
教育ができるのかということで話をして、
ほんとうに調べてください。電話で問い合わせてどうして真相がつかめますか。しかも、
兵庫県
教育委員会の方針の中には、文章としては確かに、同和
教育については各
関係団体と相談をしてやっていきますと、こう出ています。これは正しいことです。同和
教育に関する諸団体がありますから、それと相談してやっていきますと、こう書いてあるのです。しかし、私が杢谷
教育次長に会えば、
関係諸団体というのは部落
解放同盟だけです、他の団体とはお
話し合いをしません、こういう思想です。しかし、ちゃんと出している方針は、りっぱに諸団体と
話し合いをしていきますと、こうなっている。これ以外にないわけですね。ところが、それにもかかわらず、連帯をしていくものは部落
解放同盟だけだ、こういう
考え方。部落
解放同盟というのは一定のイデオロギーを持った団体ですよ。政治的な主張も持っています。また、部落解放に対する一定の、それなりの見解も持っておるわけです。それが正しいかどうかということについてはまた意見もあるわけです。また、それと違う団体もあるわけです。しかし、その
一つだけが連帯をする団体だと、こういう規定をしておるところに問題があるわけです。
だから、私は、ちょっと
文部大臣にも聞いていただきたいのですけれ
ども、十月の下旬から十一月にかけまして、一週間にわたって
橋本哲朗教諭の家を包囲したとき、しかもそれは、十月の二十三日に
裁判所の仮処分が
決定をされまして、そういう家を取り巻いてやる
集会あるいは不法な
監禁はやってはならぬという
裁判所の
決定がなされている。ところが二十五日、この日に
兵庫県
教育委員会の但馬
教育事務所長は、この
集会へ行ってどういう演説をしておるか。私はこれを、録音を忠実に起こしてみました。こういう演説をやっているのです。
「但馬の事務所長であります。声明文を読み上げます。部落の完全解放をはばみ、運動と
教育の分裂をはかる橋本哲朗の危険な部落差別は断じて許せません。但馬
教育事務所は
教育行政の責任において、
解放同盟と連帯し、橋本糾弾、完全勝利をかちとるまで戦い続けることを声明いたします。なお、今日の戦いに参加していただいた皆さん、この戦いは但馬の夜明けを迎える歴史的な戦いであることを私
どもは信じております。最後の最後まで戦ってください。私
どもも戦います。以上。」こうして、司会者が
拍手を
要請して、この但馬の
教育事務所長は万雷の
拍手をもってこの演説が終わるわけです。
公正中立を憲法、
教育基本法で明示して、それを守れといっておる
文部省の直接の
兵庫県
教育委員会の、しかも最末端の
責任者である事務所長が、まさにこのような演説をしておる。
解放同盟の意に沿わないからといって、その人物が確認書に、私が悪うございましたと書かないからといって、何でこんなことをしなければならないのですか。まさに
教育の中立性に反したこの但馬の
教育事務所長は、これだけの事実に基づいても、これはまさに、いままでの
教育行政のあり方からいうならば、私は懲戒免職に値する人物だと思っております。こんなことが平然と行なわれている。
しかも、そのほかに、——私は自分の主観を申しておるのではありません。すべて彼らが出したことば、事実に基づいてきょうは
発言をいたしております。たとえば、これはこの
事件の起こりました
八鹿町のすぐ北にあります日高町の場合です。これは日高町の町長と日高町の
教育委員会教育長羽渕木兵衛氏が出しておる
回答書であります。これを見ますと、この中にこういうふうに書いております。
「この組織の拡大強化に逆行する運動は」——この組織というのは部落
解放同盟のことです。「この組織の拡大強化に逆行する運動は、かえって解放のテンポを遅らせるものであるとの判断から、このような表現となりました。」これは前文がありますけれ
ども、「ともあれ、このような観点から、町といたしましては、同和地区の
住民の皆さんが一体となって、
解放同盟の旗の下に結集され、運動を展開して、解放に立ち上られることを願い、そのためには、万難を排して
努力したいと決意いたしております。」こういうふうに、まさに
教育機関が平然とこういう文書を出す
事態が起こるわけであります。このような
状態でございますから、
文部省がどんなに公正中立な立場を標榜しても、
兵庫県
教育委員会に聞いたならば真相がつかめないのは当然です。まさにべったりとなっておる一方の相手に真相を幾ら電話で聞いても事実はつかめないのです。だから
文部省は
現地に人を
派遣して
ほんとうにその
人々の意見も聞けばいいでしょう。しかし相手の
被害者あるいは
住民、これらの
人々の声を
ほんとうに聞くということ、これがいま一番大事なんです。そのことをやらないで
兵庫県
教育委員会を通じてやっても、こういう一面的な立場に立った
兵庫県
教育委員会が正しくものごとを皆さんに
報告するはずはないわけです。まさに違法、不法な
行為を彼らはやっているのです。
教育委員会そのものがやっているのです。このことについて官房長は、全く異常なことであります、不正常なことでありますと私に言いましたが、私はこの官房長のことばは全くそのとおりだと思うのです。私がいま発表したこの事実について安
嶋局長はどうお
考えになりますか。このやり方が、但馬
教育事務所長の態度が正しいですか、日高
教育委員会の
教育長の態度が正しいですか。どうですか。