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松浦(利)
委員 私たちの
調査した範囲内では、
アメリカ自体は企業分割まで進むと思います。これはもう結果が出てみなければわからないですけれども、現にこれは
新聞の報ずるところですが、IBM告発以来初めて今度ATT社、これをウエスタン・エレクトリック社と分離独立させるんだという勧告も出しましたね。ですから、企業分割というのは、
アメリカでも今日の
法律の中でもいまやっておるわけですね。あるいは原価の公表の問題にしたって勇み足だというような
長官のお話がありますけれども、これもわれわれがここで
議論をしてきた過程の中では、そこまで準備をしておく必要があるのじゃないか。発動するかしないかは別として、法体系の中にそこまで準備しておくことによって、相手側の、逆にいうと企業側の勇み足を防ぐことができるのではないか。こういった
意味で、私は、
公取がいっておる企業分割とかあるいは原価の公表というのは、本
委員会の
議論を通じて出されてきた結論が、
改正案として出されてきておると思うのですね。そのことで自民党が反対かどうかということは、これからの
議論だと思います。
だから、そういった
意味では、何といったって
経済企画庁長官自身が消極的だったらまとまらぬわけですよ。大体、
長官の所属しておられる中曽根通産
大臣自身もあまり積極的でない。しかし、通産省というのが
消費者サイドに立った役所じゃないからいいですよ。私たちは、通産省というのは
消費者のためにある役所だと思っておらぬです。これは企業側べったりです。企業側べったりだから、中曽根
大臣が何を言おうと、また言っておるかぐらいにしか私たちはとらない。ところが、
経済企画庁は、消費する
国民にとってこれはただ
一つのよりどころなんです。それは理屈はあるし、学問的にも理論的にもいろいろ問題があるということは私たちも理解できます。すぐできるというものではありません。しかし問題は、そういった
試案に対して積極的に取り組んでいくんだ、問題があるなら問題点を掘り下げていくんだ、これはすぐ実行できるじゃないか、そういった
積極性がないんですよ。それならわれわれはどこにいけばいいんですか。
経済企画庁がそんな消極的なことだったら、通産省もだめ、
経済企画庁もだめ、こういうことになってしまったら、私は
国民のよりどころというのはなくなってくると思うのです。そのことを私は
長官に
期待をしたいというのですよ。
だから、
長官の姿勢がどうあるかによって、
独禁法の扱いも変わってくると私は思うのですね。不幸にして前の内田
経済企画庁長官も、率直に言ってどうも
独禁法の
改正には非常に消極的でした。だから、私が
経済企画庁長官に
期待をしたいのは、ぜひ
経済企画庁が積極的に進めていくんだ、消極的なところも引っぱり上げて、どこに問題があるのかということを
国民の前に明らかにして、できるものはどんどん実行していくという扱いにしてもらわないと、
公取が出した
試案はオシャカになって、日の目を見ないまま、結局はもう
公取の一人相撲に終わってしまう、そう思います。
長官のそういった
物価問題全体に取り組む姿勢がそうだということではありませんけれども、一事が万事という
ことばも逆にあるわけでありますから、この際もっと積極的にひとつ取り組んでいただきたいと思うのですね。各省庁に文句を言ったらどうですか、もっと積極的にやれと。それくらいのことは、
長官、置きみやげにされたらどうですか。そういう意気込みでやられたら、新
内閣に留任されるかもしれないのですよ。もう一ぺんひとつ
長官聞かしてください。それで終わります。