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中路委員 給与の問題について二、三お尋ねしたいこともあるのですが、きょうは
あとの
大臣の都合で非常に時間が制約されまして、最初に聞いておきたいことが
一つありますので、順序を変えましてそちらのほうから二、三御質問したいと思うのです。
これは
公務員の昇給あるいは昇格の問題非常に重要な問題ですが、建設省の問題で、すでに
国会においても建設省の組合員に対する差別の指示文書の問題これは、ことしになりましても衆議院の決算
委員会あるいは社会労働
委員会、参議院、衆議院の建設
委員会等の
委員会でも取り上げられた問題であります。私も調べてみましたら、全国紙の新聞
報道だけでも、ここに取り上げられた建設局あるいは地方局のこういう類する問題九種類が全国紙にすでに取り上げられていますし、新聞の地方版を見ますと、それ以外にも幾つもやはりそういう事実が出ているわけです。
私は、きょうこの
委員会で、時間もありませんし、新しくそれに関する問題を取り上げて
皆さんにお尋ねするということではなくて、こういう中で起きてきている差別の問題で、建設省の組合の
皆さんの話によりますと、約二千人にのぼるのではないだろうか、こういうことで昇給や特別昇給がおくらされて非常に差別を受けている、その大部分が建設省の組合員に集中している、そのために組合員が
給与の面で受けた被害だけでも数十億にのぼるということも組合の
皆さんが言っておられるわけです。いままで
国会で取り上げられた問題五つほどありますが、その点について私、議事録も全部読んでみました。きょう官房長お見えになっていますし、官房長がほとんど答弁をされている。たとえば四十五年の二月に関東地建から出されている文書、これは本省(案)と記入されている文書ですが、労組の三役や活動家あるいは共産党員は昇任、昇格をさせないという昇任等の取り扱いについての文書、これもすでに
国会で取り上げられた問題です。この問題については、官房長は、
調査したが、こういう文書はなかった、ここ五、六年はこういう秘密文書はあり得ないという答弁をされています。
さらに四十四年の十二月二十三日の、これは社労委で取り上げられたと思いますが、中部地建の代表者
会議で確認された昇格基準——差別基準といってもいいと思いますが、この文書についても、官房長は
国会答弁で、四十四年の十二月二十四日に事務所長
会議が開かれたのは確認できたけれ
ども、二十三日の
会議は確認できなかったから、この文書についてはよくわからないという答弁をされておりますね。しかし、この答弁は、こういうことがあったということを逆に裏づけておるのではないか。普通、
皆さんのほうがよく御存じだと思いますが、事務所長
会議の前日には、幹事的な事務所長による代表者
会議あるいは連絡
会議が開かれるのが通例でありますから、答弁は、二十四日の
会議はあったのだという答弁をされておりますから、二十三日の代表者の事務所長
会議の開催を逆に裏づけているということにもなっているのではないかと思うのです。
この文書には、詳しく出ていますけれ
ども、やはり八等級から七等級への昇格、これは組合の
機関の
責任者や活動家は、
原則として八等級八号俸で九カ月おくれ、一般組合員は
原則として八等級八号俸で六カ月おくれ等の基準が出ていますし、組合活動家は
原則として昇格基準に達してから四年から六年おくらせる、一般組合員は当局の昇格基準に達してから
原則として二年おくらせるということが述べてありますし、さらに各地建の昇格、特別昇給のいわゆる差別の基準を一覧表にして添付されている。これも
国会で取り上げられた問題であります。
また、これは建設
委員会ですが、取り上げられた文書を見ますと、四十八年六月の神通川の工事事務所が出している業務
分担表、北陸地建の文書ですが、これは、きめられた様式以外に労務管理へのいろいろな欄が設けられてありまして、仕事はやるが一番悪玉であるとか、ビラの作成者であるとか、職員一人一人の組合活動や性格などを書き加えている。これについて官房長は、新聞に取り上げられたような記載はされていなかったという答弁ですが、そういうものがあったということは事実なわけですし、もとの表を私たちが取り上げて、
あと若干手直しをしたのを
皆さんは見て、そういう記載はないという答弁です。しかし、書き方の表現は適切を欠くので改めるという答弁もされております。
四十七年度の近畿地建の事務所概況
報告、労働組合の状況
報告書ですが、これも
国会で取り上げられました。これの答弁は、書式はあったけれ
ども、四十七年度廃棄してしまったので確認できないということだけであります。そして、ここにあるが、これは政党加入状態まで書いてあるわけですが、これは様式を改めるということも答弁でされている。
また、もう
一つ取り上げられました中部地建の四十八年四月の身元
調査書、これは建設省が採用予定者を、その前から採用予定者の学校に身元
調査をやっている。その中に思想欄があって友人三人まで記入する、その思想
調査までやっているということです。これはすでに、答弁に立った当時の亀岡建設
大臣が、事実だったのであ然とした、あってはならないことであり、即刻やめるように処置をとったという答弁もされているわけです。
いままで取り上げられましたこういう例から見ても、十分確認はできなかったとか、あるいはそのとおりの記載でなかったとかいう答弁はありますが、こういうものが各地建で行なわれていたということは、逆に
皆さんの答弁の中でも裏づけられますし、いま五つあげましたけれ
ども、組合がいま出している資料を見ますと、すでに三十一、こういう類似のものが出ています。
私は、これだけ問題が出ていて、これが本省の何の指示もなしに、これに類することを各地建がやっているのだということは考えられないわけですが、こういう問題が事実だとすれば、これは憲法やあるいは労働基準法、国家
公務員法に違反する、それを踏みにじった行為であるということですね。こういう差別はあってはならないことだということについて、答弁でもされておられるところもありますけれ
ども、全体としてこれだけ問題が出、あるいは一般新聞にも
報道されて社会的な問題になっているという状態ですから、建設省としてこの問題についての明確な
皆さんのお考えを、もう一度ここではっきりとお答えを願いたいと最初に思います。