○平田
委員 じゃ、いますぐ問い合わせますね。それがあなた出てこなければ、私が話すのもたいへんぐあいが悪いのだ。
そこで、この部落解放同盟、これは朝田という人が
委員長のはずです。そして部落解放運動を進めている多くの人々の間では、あなた方が言っている部落解放同盟というのを朝田一派というふうに言っているのです。一つの集団です。部落解放同盟全体を総称していないという立場に立っているのですよ。それであなた方がここで指導を受けると言っているこの勢力がどんなことをしているか。どういう勢力か。最近の新しい事例を
——これはどうしても検討してもらわなければならぬ問題ですから、紹介して
おきます。
きのう神戸で「公正、民主的同和
行政の推進、地方自治、教育と人権を守る兵庫県共闘
会議」というのが声明を発表しているのです。その中身をお伝えして
おきたいと思います。問題はテレビでも
新聞でも報道されました兵庫県の八鹿町、八鹿高校事件といわれるものです。こう言っております。
「この事件のまえ、「解同」丸尾一派らは教
職員にたいする暴力的“糾弾”を目的とした「八鹿高校差別教育糾弾闘争共闘
会議」なるものをつくったが、その本部は八鹿高校内の応接室におかれた。この応接室には、丸尾らのほか、校長、教頭、同校育友会会長、副会長、県教育
委員会同対室参事の畑中、同係長の前田らが連日たむろしていた。こうした状況のもとで、二十日ごろには、丸尾一派が「解放車」をしばしば校内に入れ、マイクで宣伝。十九日には学校内で工事し投光器をとりつけ、校舎内をわがもの顔に歩きまわる状態になった。二十二日、身体の危険に直面した六十一人の教師は、生徒と教師の身体、生命の安全をまもるため下校することにきめ、年休届をだすこととして、その旨を生徒に伝えると、教頭はこれを
放送で妨害。下校をはじめると、丸尾が数百人の集団の先頭にたって阻止し、襲撃を指揮した。この間、県教育
委員会の畑中が、これを玄関前で見守り、校外に出るなと
先生たちを制止している。襲撃現場には警官が当初三人おり、公道上でリンチがはじまると、一台のパトカーと六人の警官が出たが、まったくこれを放置していた。丸尾一派は、教師の顔、手、腕、背中などをなぐりつけ、両手足をとってトラック、「解放車」に投げこむなどして、人によっては両手足をもたれ、ぶらさげられたまま正門まではこばれた。そのさい、教師は、警官の足につかまったり、剣帯につかまるなどしているが、警官は足をはらうなどし、丸尾らの暴行を放置していた。警官のなかには路上で傷をうけた教師一人を病院へはこび、病院で多数の被害、教師の名前を確認しているものもある。警察は、事態を完全に諒知していた。この間、約一時間、生徒と町民の目の前でこの事件が
おきたもので、多くの目撃者がおり、警察にたいし丸尾一派を逮捕せよと
要求する町民さえあった。教師たちは旧体育館につれこまれ、そこでいったん、なぐる、ける、水をかけるなどの徹底的なリンチをうけた
あと、バラバラに二階
会議室、「解放研」部室(これは教
職員会議で反対されているのに、校長が部屋をあたえることを許可した)などにつれこまれ、さらにリンチをくわえられた。重体者のなかには、休養室、応接室などにいれられたものもある。このリンチのなかで多くの教師が県教育
委員会の前田や校長やはちまきをしめてあるきまわっている但馬教育事務所長上田平雄を確認している。水をぶっかけられてずぶぬれになった教師は、下着を着がえさせられた。なかには、放置すれば死にかけたため、強心剤をうたれたり、全身マッサージをうけたものもいる。注射をしたり、マッサージをしたりしたのは、それまで待機していた町
職員の保健婦である。いかに
計画的であったかは明白である。暴行は異常をきわめ、一度、強心剤をうった教師に暴行を加えたり、水をかけられて、ずぶぬれになった男女の教師をむりやり裸にしたり、気絶した人の顔面にたばこの火をいく度もおしつけるなど、戦前の特高の拷問を思わせるものであった。これらの戦りつすべき暴行のなかで重傷をおい、気絶し生命に危険が生じたため病院にはこばざるをえなくなった教師は、現在、はっきりしているだけで七人はいる。こうした蛮行が十二時間以上もつづけられたうえ、それまでに病院にはこばれなかった教師は、最後に新体育館にならばされ、「解同」県連幹部山口、丸尾らが一人ひとりの教師の名をなのらせ、「自己批判書」は自分の意思で書いたことを確認させ、さらに「解放研」の生徒に
先生の前で行進させるなどの「儀式」をおこない、勝利宣言なるものをおこなった。かれらは、そのまま重傷者を放置し、証拠いん滅をはかり、丸尾が「いまから機動隊がはいるから、機動隊には手をだすな」と告げて体育館を引き揚げた。残された教師たちは、
職員に車をたのんでもらい病院にいくなどの状態であった。この教師たちにたいし、
職員室にいた校長は「ご苦労さん、おくるまを用意してあります」とのべ、自分が丸尾一派と協力してリンチを遂行したことを放言したのである。
以上の新事実はつぎのことを物語っている。
(1) この血の集団リンチはたんに丸尾一派だけでなく、県教育
委員会関係者、校長、育友会一部役員らがぐるになっておこなった
計画的な犯行であることは明白であり警察はこれに協力している。県教育
委員会関係者や校長、育友会役員が学内での暴力事件があったこと自体をみとめず、朝の路上での暴力事件をただのもみあいであったかのようにいいつくろっているが、これは、かれら自身の共犯者としての犯行をもみけすためのいいのがれにすぎない。また、校長、教頭、教育
委員会関係者、育友会役員は、校内でのせい惨をきわめたリンチの現場を目撃しており、あきらかに生命に危険が生じているものにたいして、みずから救急車をよんでいる。しかるに警察当局の言によれば「正常な話しあいだから学内にはいってくれるな」と、警察が学内にはいることをこばんだという。まったくの丸尾一派との共謀によるリンチ事件であることは明白である。
(2)警察は、当然やらなければならない現行犯逮捕、被害者救出、犯行現場確認、犯人逃亡放置などの責任をまぬがれようとしている。警察が当初、路上で重傷者がでていることを諒知していたのは、警察官が立ちあっていたことでも明らかである。むりやりけがをした教師がら致されていくのも、現場にいて諒知している。さらに、警察は八鹿病院にいき、重傷者の名前の確認をしながら、危険があるか、ないかわからぬ、として校内にはいり、教師たちを救出することなく、リンチを野ばなししてきた。教師たちは、警察によって救出されてはいない。丸尾一派がリンチを終わり、教師が病院に向かったのち、はじめて校内にはいったのであり、まだ校内にいた丸尾一派をまったく放置したのであり、警察の責任はあまりにも明白である。
われわれは以上の重大な事実を
国民のまえにあきらかにするとともに、法治国日本において絶対に許しがたい今回のファッショ的残虐行為を断固糾弾し、犯人の即時逮捕を
要求してひきつづきたたかうものである。」こういうふうに声明を出しております。
私が全文読み上げましたのは、とにかくこんな事態が日本で起こっているのだ、しかも教育史上初めてといわれるような重大事件が起こっている。これを起こしたのはだれなのかということなんですね。これはあなた、ここで言っている解放同盟、あなた方が指導を受けると言っている解放同盟の連中なんです。だから私は全文読み上げている。きょうは警察庁からも来てもらっていますから、まず
最初に警察庁にお伺いしましょう。こういうふうに歴然としている事実に対して、警察庁は犯人を何人逮捕したのか。もし逮捕してないとすれば、いつ逮捕するのか明らかにしてもらいたい。