○西村国務大臣 これは私に御指名はありませんが、私は
中小河川について多少意見を持っておるし、また考え方も持っておるわけでございます。
たとえば一〇〇%の経費のうち、金を大
河川、直轄
河川に使うのか、あるいは
中小河川に使うのか、零細な
河川に使うのかという、その分配の問題です。実はいままで、これは
河川改修の五カ年計画がございますが、戦後間もなくは大
河川が
はんらんをいたしておりましたので、相当に大
河川のほうに力を入れました。したがいまして、いまの
災害から申しますと、大
河川が
はんらんして大きな
災害を受けるということは比較的少ないわけです。しかし、ようやく大
河川の
改修ができましたので、いま
災害を一番起こすのは
中小河川でございます。この
中小河川の問題を皆さま方からやかましく言われ、世間からまたやかましく言われたのはもう相当の前からです。前からでございますが、なかなかこれがうまくいかないのでございます。私はやはり、これからはもちろん
中小河川に力を入れなければなりませんが、その
中小河川の管理は県がやっておるわけです。また
市町村がやっておるわけです。これは補助
河川に全部なるわけですが、
地方公共団体の管理をする長がもう少し
河川を愛さなければならぬと思うのです。やはり自分の市に川が通っておるということは、これは相当な資源でありますが、どちらかというと、金の面もあるんでしょうが、雨が降らなければ、もうほったらかしです。したがって、今度
中小河川があふれた、
はんらんしたと言いますけれども、その
河川の
改修ではなしに、整理ができていないのです。いまは川のふちにごみを捨てるようなばか者はあまりありませんけれども、やはり
改修があまりうまくできていないのですね。もうたいへんなアシがはえまして、
河川の幅が十メートルあるといっても、五メートルはアシでもってほとんどふさがっておる。そういうようなものを除去するのは
地方公共団体の責務でございますけれども、いまはとても
地方の金ではやる能力はないと私は思っております。したがって、
河川の
改修の点について、寄り州とか中州とかいうようなものの除去はやはり国家の
河川改修の対象にしなければならぬと思うのです。これは
建設省は少し考えてもらわなければ困るのです。いまは対象になっていないのですよ。そういう点について、
中小河川はずいぶん前から言われておりますが、直っておらないのは、
政府にしても、われわれのほうにも手落ちがあります。なかんずくこれは
建設省です。
それから
地方公共団体についても、長はやはりもう少し
河川に対して——
道路は、つくってくれ、つくってくれということは言いますが、
河川の
改修は比較的、雨が降らなければほったらかしですね。そういう傾向がどちらかというとあるのですがね。
それからもう
一つは、いまお話が出ました
岡山県の吉井川——吉井川は直轄
河川でございますが、その支流はみな県の
河川になっておるのです。もとを正さぬで、下のほうを正すような結果になって、大きい川幅のところは直轄でございますから、それは直轄でやっていますが、その支川はみな県の所管になっておるのです。したがいまして、直轄
河川のほうでもってだんだんよくなりましたから、その直轄
河川の範囲をもう少し広げてやる、
上流まで範囲を広げて、やはり直轄でもって見てやるというようなことも考えなければならぬというような
河川は相当にあるわけでございます。
したがいまして、
中小河川といいましても、
改修の方法には、たとえば東京都であるとか、あるいはいなかの
中小河川等とはやり方が違いますけれども、おおむねやはり今後は直轄のほうに投資をするよりも
中小河川のほうにもつと投資をしなさいというような気持ちが私はいたしておるのでございまして、いつもいつも、毎年毎年、
災害のときは
中小河川、
中小河川と言われてきたのでございまするから、先生の御指摘のように、私もその点は十分総括的に、総合的に見まして今後やっていきたいような気持ちでございます。
これは私の私見でございますけれども、ひとつ申し上げまして御了承を賜わりたいと思う次第でございます。