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竹田四郎君 現実には、鉄鋼なんか外へかなり最近出ておりますね。そういうことが、国内における中小企業の物資不足という問題というのは、私はある一定の
段階になれば出てくる可能性が非常にあると思うんです。そのときには、おそらく凍結
価格をある
程度解除していくという、そういうからくりをせざるを得ないだろうと思うわけですけれ
ども、それはいま現実にそういう事態でないわけでありますから、これについては十分対処してもらわないと、また国内で物不足、中小企業で材料不足というものが起きてくる可能性が私は非常にあると思うんです。この辺はあらかじめひとつ対処の方法というものを
考えておいてもらわなければ困るだろうと思うんですが、そういう
価格の凍結をするというようなことが、現実的にはもうその弊害というのは出てきているわけですね。私もここ一日ばかり中小企業、まあ中小零細と言ったほうがいいと思うんですが、そういうところを歩いてみたわけですけれ
ども、あるダイカスト工場でありますけれ
ども、せいぜい十人か十五人
程度のところでありまするが、このある工場が
——いままではA重油リッター当たり二十七円で三月一ぱい、ところが四月一日になってから三十四円に
値上げをした、七円
値上げをした。しかし、現実にはこのA重油にB重油をまぜて売っているわけですね。これはダイカストの工場でありますから、そうした重油をまぜれば、もう必ず炉にすぐかすが出てくるということで、明らかにまぜたということがわかるわけです。また同時におそらくそういうことになれば、公害問題という問題も今後出てくるだろうと思います。しかし現実には、いま
石油というのは売り手市場でありますから、そうした小零細は、今度はどこどこの工場、どこどこの卸へ行って買うというだけのなかなか売り手市場の中ですから余裕ないだろうと思います。現実にはそうした問題がいま出てきているわけです。こういう問題は一体どう
通産省として一なるほど値段は押えた、押えたけれ
ども、そういう形で油の質が悪くなった、こういう問題が
一つある。
それからもう
一つは、民生用の灯油については、これはある
程度十八リッター二百八十円ですか、これで押えました。しかし、工業用の灯油については小
需要者に対してはそういうことないわけですね。一応指導
価格的な
価格はあると思いますけれ
ども、しかし、それはタンクローリーで運んでいった場合の値段である、小零細ということになれば、必ずしも貯蔵するタンクがなかなかあるわけじゃないし、また消費もそんなに多いわけではないですね。そうしますと、結局二百リッター入りのあのドラムかんですか、あれでもらうということになりますと、この手間賃と運送費ですね、これについては別に
価格というものはないわけです。そうしますと、このことによって、まあ比較的たくさん使っているところでも、この手間賃と運送費というのは、キロリッター当たり五、六千円取られているわけですね。こういうふうになると、一体そうした小零細企業というのは
——大きな企業は少なくとも
もとの灯油自体が非常に安い、それからある
意味では生産性向上によって、そうした
価格の値上がりというものを吸収することができる可能性というのはこれはある。ところが小零細になれば、そういうものの吸収ということは、実際問題としてはなかなかできないわけですね。投資をやるにしても、金融の金詰まりというような問題があるわけでありますから、なかなか投資ができないし、その手間賃と運送費というものについては、これは幾らでなくてはならないという
一つの
基準はない。そうしてみると、売り手市場の油の中で、こうした中小企業というのは、とても他の大きな企業との競争
条件というものはなくなってしまってきているわけです。こういうものを一体どうするのか、この辺は、このような
石油価格というものを、国のほうがある一定水準を出すということが、実際問題としてそういう効果をねらっていなかったとしても、やっぱり小零細企業をつぶしていく可能性というようなものは、非常に大きく私は出てきている、こう思うわけですが、こういう質が下がって悪いものを買わす、あるいは値段がこう高くなってしまう、こういうものは一体具体的にどういうふうに
措置されるのか、非常に私は、その点では不公正なやり方に現実になってしまっている。大きな企業は安い、小中の経費のかかるところは高い、これじゃ小零細企業というものはとてもやっていけない。その上、手形サイトが長くなる、あるいは、それでは油の代金がこれだけ高くなったから下請の
価格をもっと上げてくれと言っていっても、いまの事態の中でそう簡単に上げてくれるという事態では私はなかろうと思うのです。一体どういうふうに
——こういういま当面している小零細の油問題、されるつもりなのか、明らかにしてほしいと思うのです。