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1974-04-10 第72回国会 参議院 本会議 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年四月十日(水曜日)    午後四時五十八分開議     ━━━━━━━━━━━━━議事日程 第十七号   昭和四十九年四月十日    午後三時開議  第一 国会議員選挙等執行経費基準に関   する法律の一部を改正する法律案内閣提   出、衆議院送付)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、昭和四十九年度一般会計予算  一、昭和四十九年度特別会計予算  一、昭和四十九年度政府関係機関予算  以下 議事日程のとおり      —————・—————
  2. 河野謙三

    議長河野謙三君) これより会議を開きます。  この際、日程に追加して、  昭和四十九年度一般会計予算  昭和四十九年度特別会計予算  昭和四十九年度政府関係機関予算  以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 河野謙三

    議長河野謙三君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長の報告を求めます。予算委員長鹿島俊雄君。   〔鹿島俊雄登壇拍手
  4. 鹿島俊雄

    鹿島俊雄君 ただいま議題となりました昭和四十九年度予算三案につきまして、予算委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  昭和四十九年度予算は、物価の異常な事態を克服し、経済正常化をすみやかに達成するため、総力をあげて総需要抑制につとめ、予算及び財政投融資計画を通じ、その規模を厳に抑制するとともに、機動的、弾力的な運営を行なうことを基本方針といたしております。  予算内容の詳細につきましては、すでに福田大蔵大臣財政演説において説明せられておりますので、これを省略させていただきます。  これら予算三案は、去る一月二十一日国会に提出せられ、委員会におきましては、同月二十八日大蔵大臣より提案理由の説明を聴取、三月十二日衆議院からの送付を待って、翌十三日から審査に入りました。その後本日に至るまで委員会を開くこと二十一回、その間、二十八人の参考人の出席を求めて物価問題に関する集中審議を二日間、公聴会を二日間行い、また、分科会を四日間開き、慎重審議を重ね、本日、討論採決をいたしたものであります。  以下、委員会におけるおもな質疑応答について、その要旨を申し上げます。  最も多く論議されましたのは、いわゆる石油危機をめぐる諸問題でありまして、国際政治外交、資源、経済金融及び物価政策など、あらゆる角度から熱心な質疑が行なわれました。  まず、石油危機は量の問題から価格の問題に移った観があるが、政府はどう見ているか。原油の四十九年度輸入量をどのように見通しているか。今後のエネルギー政策基本をどこに置こうとしているか。石油危機が続く中で、産業構造の転換にどのような展望を持っているのか、などの点について質疑がありました。これに対して、田中内閣総理大臣及び関係大臣より、石油問題は確かに価格の問題へ移行しつつあるが、量の問題もまだ流動的で必ずしも完全に解決したとは考えていない。四十九年度の輸入量については、不確定要素が多いが、大体二億七千万キロリットル程度を見込んでおり、総需要抑制や節約などにより成長率が落ちるので、需給が見合うものと見ている。なお、国際収支を考えると、たとえ輸入量の増加が可能な状態になったとしても、価格の面からの制約が生ずる。いずれにせよ、供給を確保することが一番大切なので、量、価格の両面を考慮に置きながら内外情勢の推移を見きわめて行政を進めていきたい。エネルギー政策については、当面の事態処理の問題としては、DDオイルメジャーズからの輸入確保問題国際的調和を乱さない範囲内での産油国との長期契約の問題、民族系外資系による価格落差の調整などがあり、長期的な政策としては石油に片寄ったエネルギー源を水力、石炭、原子力、太陽や地熱エネルギー等に分散させるとか、産業構造や公害との関連とか、石油会社企業形態の望ましいあり方などいろいろあるが、これらの長期的展望については総合エネルギー調査会の答申を待って総合的に検討していきたい。産業構造の転換については、今回の石油危機によって日本経済脆弱面が遺憾なく出てきたことを教訓として、今後は付加価値の高い省エネルギーの知識集約型産業構造への転換をはかる必要があるが、当分の間は重化学工業を基盤にしつつ順次切りかえていくべきであると考えている、との答弁がありました。  次に、物価政策につきまして、政府はかねてから物価対策短期決戦を唱えてきたが、そのねらいは何か。石油製品価格引き上げや近く予想される電力、私鉄料金値上げなどを考えれば、夏ごろまでに物価が鎮静するどころか、第二の大波が来る心配のほうが大きい。また、かりに短期決戦が成功したとしても、これを物価凍結解除後の長期安定へどう結びつけていくつもりか。物価高値横ばいで鎮静せず、不況が深刻化した場合はいかなる方策をとるか、などの質疑がありました。これに対して、政府側より、今日の物価情勢は一刻の猶予も許されない異常な事態にあるので、多少の摩擦を恐れることなく、きびしい総需要抑制政策をとって混乱状態を一日も早く乗り切ろうというのが短期決戦のねらいである。今日では物価安定の法律的裏づけ政府に与えられているので、指導価格の設定、価格の凍結及び値上げ事前承認制など的確な運営をはかると同時に、総需要抑制策を進めることによって、すでに先高、仮需要といった空気は鎮静し、石油危機による物価の水ぶくれ部分は抜かれつつあり、緊急対策は七、八割方達成されたと思うので、夏ごろまでには安定的な状態になると確信している。短期決戦異常事態を乗り切ったあとの物価見通しとしては、水抜き作戦で鎮静化する一方で、春闘による賃上げや電力料金とか、鉄道運賃の改定など、コストアップ要因もあるので、下半期にはこのプラス.マイナス分が調和され、価格上昇を踏まえた新しい価格体系が形成されることになる。その時期以降においては、海外要因は押えられないが、国内要因については総需要抑制策を堅持することによって物価の安定は定着していくものと考えている。不況状態になって物価が鎮静しないときは、ちゅうちょなく物価対策を重視する。中小企業問題とか連鎮倒産などには個別対策で処置し、物価安定の見通しがつくまでは総需要抑制の姿勢をくずすべきでないというのが基本的姿勢である、との答弁がありました。  また、石油価格引き上げに関連しまして、新価格の決定に至った経緯、新価格一般物価に及ぼす影響、行政指導による凍結価格をいつまで守らせ、また標準価格へはいつ移行する考えか、などの質疑がありました。これに対して政府側より、新価格の決定にあたっては、物価安定策を推進するという前提のもとに、二分の一平均法というきびしい水準できめた。値上げ幅国際水準物価政策を考慮して最小限にとどめ、その際、石油企業の過去の便乗利益を全面的に吐き出させるとともに、内部留保処理等国民感情に合致した石油企業の自粛と協力をまず求めることを基本的な考え方とした。新価格は、いわば石油業界も、政府も、国民一般もともに苦労するという意味合いのもとで決定されたものである。なお、輸入価格為替相場の変化によって値下げできるときはすみやかに引き下げ、上がる場合には行政指導により、できるだけ先に延ばす考えである。石油製品価格引き上げにより、一応卸売り物価を一%ぐらい押し上げるものと予想されるが、卸売り物価はすでに落ちつきを見せつつあるので、企業努力先取り利益の吐き出し、総需要抑制政策推進等によって吸収できるよう努力する。石油製品の新価格は、一年ぐらい何とか持続したい。生活関連物資等価格凍結も夏ごろまでと理解してもらってよい。しかし、凍結解除により物価暴騰のおそれがある場合には解除しない方針である。標準価格への移行時期についでは、当面とりあえず行政指導で対処し、国際情勢原油価格見通し需給関係などの影響等も考えて、なるべく早く標準価格に移行する考えである。いずれにせよ、統制経済を行なうつもりはないので、国家権力の介入による物価の統制は、できる限り幅狭く、しかも期間は短いほうがよいと思っている、との答弁がありました。  これらの物価問題は、国民が当面する最重要課題であることにかんがみ、四月二、三日の両日、総合商社、全銀連、経団連、石油及び生活関連物資メーカーとその団体、及び学識経験者消費者側の代表並びに政府側担当官の出席を求め、特に集中審議を行ないました。なお、民間出席者の資格を参考人とするか証人とするかについて、与野党間に合意が得られなかったため、委員会で討論、採決を行ない、参考人とすることに決定した次第であります。  物価集中審議内容は、広範多岐にわたり、現代インフレの性格と対策、流通の近代化企業のもうけ過ぎと社会的責任原価公開の是非、行政と業者の癒着、天下り人事など基本的な問題をはじめ、個々の具体的問題に触れる論議が行なわれました。石油危機につきましては、石油会社カルテル行為、及び公正取引委員会勧告応諾後に取り消した事情、石油企業経営内容、新価格平均八千九百四十六円決定のいきさつとこれに対する評価、石油輸入量見通しメジャーズ対策民族系会社あり方などに質疑が集中し、また、物価対策につきましては、ゴムタイヤ、ビニール、繊維原糸、洗剤、砂糖、飼料などについて行政指導内容が具体的に取り上げられ、指導価格標準価格末端価格に対する行政指導あり方値上げに際しての仕切り価格小売り価格関係、問屋を利用したメーカー流通支配などについて質疑が行なわれました。このほか、商社や金融機関業務拡大に対する規制措置便乗値上げ為替差益社会還元為替投機行為不当性住宅ローンあり方預貯金目減り防止策輸入牛肉をめぐる諸問題配合飼料安全性畜産振興事業団調整金、手数料などについても質疑が行なわれました。  予算審議の過程におきましては、以上のほか、今後の経済運営をどう行なうのか。インフレ犠牲者への対策、特に年金受給者預貯金目減りに対する補償など弱者救済について真剣に検討すべきでないか。石油危機を利用して不当利得を得た企業に対して融資の規制を行なうべきではないか。春闘は重大局面を迎えているが、政府はいかに収拾する考えであるか、との質疑に対し、政府側より、新価格体系が形成されたあとの経済運営は、先進九カ国の水準プラスアルファー成長率を目安とし、五十一年から十年間の新計画をつくる必要がある。弱者救済には熱意を持っており、年金受給者に対する支給時期のタイムラグをできるだけ短縮するよう検討している。預貯金利子引き上げは影響する面が多いので苦慮しているが、六月のボーナス期の段階で何らかの方法を考えてみたい。反社会的行為をなしたものに対し、政府関係金融機関等からの融資を制限することも一つの方法であるが、その場合基準なくして制裁すれば権力乱用になるので、目下ルールづくりに専心している。春闘の解決について政府は鋭意努力してきたが、本十日臨時閣議を開き、ゼネストの中止を要請するとともに、三公社五現業等の労働基本権問題に対処するため向こう二年間に結論が出ることを目途に関係閣僚協議会を設置することにした、との答弁がありました。  このほか、昭和四十九年度予算は、はたして転換期に対応できる内容を持っているかどうか。総需要抑制といいながら財政投融資計画の放漫な運用によってしり抜けになるおそれはないか。教育はいまや質的な面での抜本的改善が急務とされているが、これからの教育指導原理をどこに置くか。また、教育者あり方、教員の養成、国立大学管理体制大学入試制度、大学の格差是正、私学への助成、大学臨時措置法廃止後の措置、週休二日制などについてどのような基本的姿勢を持っているか。畜産は飼料の高騰で自殺者が出るほどの危機に直面しているが、どのような対策を用意しているか。また、農政はネコの目のように変わるが、食糧の自給率向上についての基本的な考え方を聞きたいなど、当面する重要問題について質疑が行なわれ、それぞれ関係大臣より答弁がありました。  質疑は、さらに、政府経済見通し数値整合性国際収支の前途、公債及び租税政策の今後のあり方地方財政をめぐる諸問題、公共事業繰り延べ中小企業対策経済社会基本計画の改定、沖繩振興開発計画公害対策企業のモラル、独占禁止法の強化、地価対策原子力発電安全対策資源外交内容とその方向、日ソ平和条約及び日中航空協定締結見通し政治献金など、国政全般にわたりましたが、その詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。  かくて、本日をもちまして質疑を終局、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して小野委員が反対、自由民主党を代表して嶋崎委員が賛成、公明党を代表して矢追委員が反対、民社党を代表して木島委員が反対、日本共産党を代表して須藤委員が反対の意見をそれぞれ述べられ、採決の結果、昭和四十九年度予算三案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げ。(拍手)
  5. 河野謙三

    議長河野謙三君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。小野明君。    〔小野明登壇拍手
  6. 小野明

    小野明君 私は、日本社会党を代表して、昭和四十九年度予算三案に対し、反対討論を行ないます。  日本経済現状は、田中内閣の相次ぐ経済政策失敗によって、卸売り物価は対前年比上昇率で三七%、消費者物価は同じく二六%、国際収支は年間百億ドルをこえる赤字、GNPの成長率名目で三七、八%という高さにあるのに対し、実質成長率は五、六%という異常な状態にあります。このような経済状態のもとにあって、企業は相次いで便乗値上げを行なっているのに、政府は何ら有効な規制策をとらず、国民生活インフレ物不足に悩まされ、年金生活者や働く能力を持たない低所得者は、物価高騰によって日用品さえ満足に買えない状態にあります。経済的強者経済的弱者の差が今日ほど開いたことはなく、社会的公正が今日ほどそこなわれていることはありません。  このような状況を前にして、政府は、物価対策国民生活に対し何ら有効な手を打ち出せないばかりでなく、これをすべて石油危機中心とする海外要因のせいにしようとさえいたしております。しかし、日本経済が今日のような状況になった根本の原因は、田中内閣列島改造論をはじめとする経済政策失敗と、国際収支の黒字による過剰流動性対策失敗、並びに円切り上げ以後の財政金融政策野方図拡大による調整インフレ政策にあることはすでに周知の事実であり、石油危機はこれを加速させたにすぎないことは、あらためて指摘するまでもない明白な事実であります。(拍手)  田中総理は、昨年来、たびたび予算委員会の席上で、経済政策失敗したときは出処進退を明らかにすると言明をしておりますが、いまだに政治責任を明らかにしていないことは、きわめて遺憾であります。申すまでもなく、日本経済の当面する最大の課題物価問題の解決であり、そしてまた、国民生活の安定や福祉をいかにして確保するかということと、及びこれによって生じた社会的不公正をいかにして是正するかにあります。したがって、財政役割りは、財政支出を通ずる総需要抑制機能や、租税政策公債政策等財政の持つ政策手段を通じ、これらの政策課題にいかに対処していくかにかかっております。しかるに、昭和四十九年度予算内容を見ると、その対処策はきわめて不適切であり、不十分であり、われわれのとうてい賛成できるものではありません。  以下その理由を申し述べます。  その第一は、財政支出物価対策との関連であります。  総需要抑制物価対策基本であり、したがって、財政面から総需要抑制策をとらなければならないことは言うまでもありません。しかるに、四十九年度予算の総需要抑制策を見ると、当然交付しなければならない地方交付税借り上げによって削減する等、全くのごまかし措置がとられており、しかも、公共事業費財政投融資についても、大型予算を組んだ前年度の繰り延べ分が加わることによって、実質的な伸び率経済名目成長率を上回るなど、総需要抑制策自体しり抜けとなるおそれさえあります。すなわち、一般会計予算規模は十七兆九百九十四億円でありますが、これは当然交付しなければならない地方交付税千六百七十九億円を国が強制的に借り上げるという方法によって削減したものであり、これ自体ごまかし財政規模圧縮であるのみならず、四十四年度予算編成の際の交付税借り上げは今後行なわないという約束にも反する措置であります。しかもこのような見せかけの圧縮策をとった結果でも、予算規模伸び率は一九・七%という高さであり、経済名目成長率を七・二ポイントも上回っております。  さらに、政府活動の全体を見る場合、一般会計特別会計政府関係機関予算を加えたものの純総計がより正確な動きをつかみ得るものと思われます〇四十九年度の純総計は三十四兆九千億円、この対前年度伸び率は二〇・四%で、いままでの最高指数を示しております。これではたして圧縮予算と言えるかどうか。一般会計規模のみを誇張する政府態度に、国民はだまされているとしか思われないのであります。  さらに、政府は、総需要抑制の目玉として公共事業費伸び率をゼロとした点を強調しておりますが、前年度の繰り越し分を加えれば公共事業費実質上の伸び率は八・九%になり、財政投融資実質上の伸び率も三四・八%にもなります。これでは、財政面から総需要抑制策をとったと言っても、とうていそのままに受け取るわけにはいかないのであります。真に総需要抑制しようという意思があるならば、防衛関係費中心として、不要不急経費を削る道は他に幾らでもあるはずであり、財政面からの総需要抑制策はきわめて不適切、不十分であると言わざるを得ません。  また、公共料金については、消費者米価国鉄運賃を半年間据え置く措置をとっておりますが、わずか半年間の据え置きが今日の物価情勢のもとではたしてどれほどの効果があるかは疑問であり、参議院選挙を前にしての政策的意図のにおいさえするのであります。  さらにまた、物価対策関係予算は、一般会計特別会計を通じてわずかに一六・九%の伸びであり、前年度の伸び率の半分にすぎない金額であります。これではたして物価に最重点を置いて編成した予算と言えるかどうか、いなであることはだれの目にも明らかであります。  その第二は歳出面における生活福祉の面に対する対策であります。  総需要抑制のためには財政規模を押えなければならないことは言うまでもないことでありますが、国民生活実態考えれば、国民生活福祉の面に対する対策を重視しなければならないこともまた当然であります。しかるに、歳出予算内容を見ると、これらの面に対する財源配分はきわめて不十分であります。すなわち社会保障費は三六・七%も伸ばしたとしておりますが、その中身を見れば大部分社会保険費中心とした当然増経費であり、最近の物価情勢考え措置は少しもとられておりません。福祉年金の七千五百円への引き上げは、消費者物価上昇率が年率四%という前提のもとにつくられた経済社会基本計画で予定されていた額であり、すでに一年も前から約束されていたものであります。また、年金には物価スライド制が取り入れられることになっておりますが、その実行期は、厚生年金が十一月、国民年金は五十年一月からであります。生活保護費引き上げのごときは、消費者物価上昇率にも及ばない内容であります。また、住宅生活環境対策費は、金額こそ若干ふえているとしても、戸数や事業量は軒並み前年度を下回っております。さらにまた、国民福祉の上から最も重視さるべきはずの環境保全対策費は、前年度予算伸び率の三分の一程度金額であります。これではとうてい国民生活実態福祉重点を置いた予算とは言えません。  その第三は租税政策についてであります。  財政硬直化によって歳出面からの景気調整資源配分機能が働きにくくなっている現状から考えるならば、租税政策の活用こそが財政政策上重要であることは申すまでもありません。特に今日のような物価情勢のもとにあっては、税制を通じて社会的不公正をなくすことはきわめて重要であります。しかるに、この予算案では、法人税は二千百十億円の増税を行ない、所得税は一兆四千五百億円の減税を行なうこととしておりますが、法人税率引き上げ幅は財界に遠慮して低く押えられ、配当課税率のごときは上げ幅を二分の一に押え、その時期を一年間も延期する措置さえとられております。また、所得税減税内容も二兆円減税の公約を大幅に下回っているのみならず、給与所得控除最高限度ははずされ、税率の緩和は三千万円の高所得者にも及ぶ金持ち減税になっております。また、配当利子に対する分離課税や、医師の社会保険診療報酬の特例などの不公平税制は、依然として残されたままであります。これでは税制面から社会的不公正を是正しようとしている予算とははなはだ縁遠いものと言わなければなりません。それどころか、所得税高額所得者に対する減税によって、社会的不公正はかえって拡大さえいたしております。  その第四は公債政策についてであります。  公債政策については、われわれはもとよりこれを全然否定するものではありませんが、財政法の精神からいっても、財政政策の上から見ましても、その運用はきわめて慎重でなければなりません。特に今日のような経済情勢にあっては、財政支出減税との関係から考えて、公債の減額は景気政策上きわめて重要であります。しかるに、今回の予算においては、公債は前年度より千八百億円減額しただけであり、相変わらず二兆一千六百億円もの公債を計上いたしております。公債依存率は一二・六%であり、先進国最高であります。また、公債対象経費との関係で見ましても、建設公債発行余力はわずかに六千億円しか残されておらず、不況によって歳入欠陥が生ずるような事態にでもなれば赤字公債の危険さえあります。昨年度予算好況下にかかわらず多額の公債を計上し、民間設備投資と相まって景気を過熱させたことへの反省は全くなく、総需要抑制策にも逆行するものであります。公債政策はいずれの点から見ても不健全であることは、火を見るより明らかであります。このほか、食糧自給度向上の上から抜本的な見直しを必要とされている農林予算金融引き締めのしわ寄せを最も強く受ける中小企業予算文教予算エネルギー対策地方財政対策等に対する予算措置はいずれもきわめて不十分であります。このような予算では、とうてい今日の物価情勢国民生活現状に対処することは不可能であり、当面の緊急課題である社会的不公正を是正することはできないことは明らかであります。われわれはこのような予算に対しては断じて賛成することはできません。  最後に、政府経済政策運営姿勢について一言いたします。  予算は一年間の財政計画でありますが、これにも増して重要なことは、政府政策運営姿勢であります。三十日間の予算審議を通じ明らかになったことは、第一に、政府経済政策失敗についての反省が全く見られなかったこと、第二に、行政企業癒着によって物価対策公害対策について企業に対し強い姿勢がとれないこと、第三は、低所得者対策福祉の面に対する対策にはきわめて消極的な姿勢であったという三点であります。  すなわち、第一の点については、日本経済が今日のような状態になったのは、それがすべてではないにいたしましても、列島改造論をはじめとする田中内閣経済政策失敗が大きな原因になっていることはすでに明白な事実であるのに、田中総理は依然として列島改造論を撤回する態度を示さなかったのみならず、抜本的な見直しを必要とする経済社会基本計画についても、福田大蔵大臣との間に見解の相違すら見られたのであります。政策失敗に対する反省が見られないことはあまりにも明らかであります。  第二の点については、今日の狂乱物価企業便乗値上げややみカルテルにあることはすでにだれが見ても明らかなのに、買い占め売り惜しみ防止法などの取り締まり立法は一度も発動されたこともなく、その超過利得についても、税制を活用さえすれば幾らでも吸い上げる道はあるのに、これにすら消極的な姿勢を示していたことであります。あるいは反社会的行為を行なった企業に対する融資規制措置が要請されているにもかかわらず、ゆるやかな基準づくりにじんぜん時間をかせいでいるとしか考えられません。また、物価革命とまでいわれた石油製品値上げにあたっては、当然法律によって定められた標準価格によるべきであるのに、独禁法の骨抜きにもひとしい設置法に基づく行政指導でこれを決定しております。しかのみならず、物価集中審議にあたっては、事実関係を明らかにするために要求した野党の証人喚問の要求さえも否決いたしております。これは行政企業癒着関係の強さを示すものであり、これでは今日の物価問題の解決は不可能であります。  第三は、低所得者中心とするインフレ弱者に対する姿勢であります。狂乱物価の中にあって最も急を要するのは、低所得者に対する対策であり、インフレ弱者への対策であります。しかるに政府は、経済見通しをたてにとって、少しも前向きな姿勢を示さなかったのみならず、低所得者に対する最高二千五百円の一時金ですら労働側の要求によって初めて取り上げるというありさまであり、年金生活者にとっては火急の問題であるインフレ目減り対策のごときは、ついに対策らしい対策は聞けなかったのであります。経済政策は今日ほど抜本的な転換を必要としているときはなく、生活優先の政策福祉優先の政策の展開は今日ほど急を要するときはないのに、このような政府姿勢はきわめて遺憾であります。  日本経済は、いまや政府みずからが行なった八千九百四十六円という石油の大幅値上げによって、物価安定に最重点を置いて編成した予算とはうらはらに、空前の高物価時代を迎えようとしておりますが、政府は、物価安定への明確な方途を示さないのみならず、あまつさえその責任を国民生活の防衛を掲げて戦っている春闘に転嫁し、コストインフレの名のもとにこれを抑圧しようとさえいたしております。政府のいう物価の安定とは、国民の望む狂乱物価の引き下げではなく、新価格体系の名のもとに政府みずからが主導した物価の高値安定であることは、委員会における閣僚の答弁と、最近における電力、私鉄、バス、トラック等一連の公共料金を相次いで値上げを認めようとしている動きから見てももはや明瞭であります。  政府は、すみやかに経済見通しを修正するとともに、予算内容を全面的に補正し、国会に提出すべきであります。  また、田中総理は、今回の予算審議にあたって、物価の安定を夏ごろまでに達成することを約束しておりますが、これが実現しなかった場合は、今度こそ、うそ偽りもなく退陣することを要求して、私の反対討論といたします。(拍手)     —————————————
  7. 河野謙三

    議長河野謙三君) 西村尚治君。    〔西村尚治君登壇拍手
  8. 西村尚治

    ○西村尚治君 私は、自由民主党を代表して、昭和四十九年度予算三案に関し、賛成の討論を行ないたいと思います。  言うまでもなく、昭和四十九年はわが国にとってまことにきびしい試練の年であります。戦後二十九年、当初何人も予想し得なかったほどの高い経済成長を遂げて、その間、国民生活水準は向上し、国際社会における地位も重要性を加えてきたわが国でありますが、昨年初め以来の異常な物価高に加えて、にわかに台頭した石油ナショナリズムの直撃をもろに受けて、わが国経済は戦後最大の難局に逢着していると言わなければなりません。この難局に対処してどのような政策を実行するか、その内容のいかんはわが国産業経済の命運を決するかぎとなるのでありまして、政府の的確な判断と果敢な施策が強く要望されるところであります。  総理は、今国会冒頭の施政方針演説において、過去の一切の行きがかりにこだわることなく、反省すべきは率直に反省し、改むべきは謙虚に改めて、思い切った発想の転換と強力な政策を推進してまいりたい、かように申されております。このことばは、政府が、身を挺してこの難局に処し、そこから前進と発展のための新しい活路を切り開こうとする強い決意の表明であると思うのであります。昭和四十九年度予算三案は、この決意の具体的な表現にほかならぬのでありますが、その内容をしさいに検討しました結果、以下申し述べますとおりの理由により、私はこの三案に賛成するものであります。  まず、理由の第一は、物価の問題であります。  物価抑制国民すべての切なる願いであり、政府にとって何ものにも優先すべき緊急の課題であると言わなければなりません。もともと、わが国の物価上昇は、海外におけるインフレなど多くの要因に基づくものではありますが、その中でも特に、国内需要の増大と供給力の制約に伴う、需給ギャップの拡大によるところが大きいと見られておるのであります。このような事態解決には、何よりも総需要抑制が緊要でありますが、政府は四十九年度予算案の編成にあたって、この方針を強く貫いているのであります。すなわち、一般会計規模は、前年度に比べて一九・七%の増加に押えております。これは前年度の二四・六彩、前々年度の二一・八%に比べてかなり低い増加率でありますが、とりわけ公共事業関係費については、昨年は一挙に三二%もふえたにもかかわらず、新年度は伸び率をゼロ以下に押えたのでありまして、このことは、物価の安定に対する政府のなみなみならぬ意欲のあらわれとしてその姿勢を高く評価するものであります。  また、財政投融資計画伸びは一四・四%でありまして、前年度の二八・三%、前々年度の三一・六%に比すればはるかに低い伸び率であります。  公債の発行額も、前年度当初予定額より千八百億円縮減し、公債依存度は一二・六%に低下させております。  しかも、こうした抑制予算の中にあっても、住宅対策及び生活環境施設整備については特別に配意しているのであります。すなわち、住宅対策については、一戸当たりの規模拡大をはかる等、質の向上を目ざすほか、住宅建設を円滑に推進するために、特定住宅地区整備促進事業を実施するなど、前年度に対して二〇・七%増の二千四百五十五億円を計上いたしております。  また、生活環境を改善するために、下水道事業について補助率の引き上げを行なうほか、上下水道、廃棄物処理、都市公園等の整備を推進すべく、予算を大幅に増額しておりまして、これらはすべて国民福祉の向上をはかろうとする政府の周到なこまかい配慮のあらわれと言ってよいと思います。  さらに、国有鉄道運賃及び消費者米価改定時期をそれぞれ六カ月延期することとして、その財政措置を講じましたことも、物価抑制を強く希求する政府の英断と言うべきでありましょう。  以上の一連の施策と相まって、金融政策の推進と、いわゆる物資三法の運用の万全を期することによって物価騰貴はやがて鎮静化するものと期待されますし、現にその徴候は二月以降の卸売り物価にあらわれているのであります。  なお、物価安定のための対策費は、一般会計特別会計を通じて、実に総額一兆五千億円余が計上されているのでありまして、本問題に取り組む政府の熱意がうかがわれるのであります。  以上が政府原案に賛成する第一の理由であります。  理由の第二は、石油中心とするエネルギー資源についてであります。  産業の血液ともいわれる石油の大部分を海外に依存するわが国にとって、このたびの石油価格の大幅引き上げは、まことに甚大な影響をもたらしました。資源に乏しいわが国としては、省資源、省エネルギーの産業構造への転換をはかるとともに、代替エネルギーの研究開発を鋭意推進してまいらなければなりません。代替エネルギーの開発計画としては、まず原子力発電をはじめとして、石炭の液化、ガス化、さらには地熱発電や太陽熱発電など、いわゆるクリーン・エネルギーを開発するためのサンシャイン計画、そしてまた、人類永遠のエネルギーといわれる核融合の開発などが予定されておるのであります。いわば新しい世界への挑戦でありまして、決してなまやさしいことではありませんが、わが国民のすぐれた英知と、卓越した適応力は、必ずや所期の成果をあげるものと期待されるのであります。ただ、そのためには、必要にして十分なる研究対策費の確保が前提とならなければなりません。幸い政府は、早くより本問題の重要性を認識して、四十九年度予算においては、四百七十四億円余の経費を計上して、この問題解決への確固たる方針を明示しているのであります。  以上が政府予算に賛成する第二の理由であります。  理由の第三は、食糧問題についてであります。  従来、わが国の食糧自給率はかなり低く、海外に依存するところが多いのでありますが、最近における農産物の国際需給は決して楽観を許さない状況にあることにかんがみますとき、このことは真剣に検討しなければならぬ重要課題であります。食糧をして第二の石油たらしめることがあっては断じてならないと思うのでありますが、新年度予算にはこの課題に取り組む政府姿勢が積極的に打ち出されているのであります。  すなわち、まず第一には、主要食糧のうち、国内生産の可能なものは極力国内でまかない、自給度の向上をはかる方針のもとに、農林水産業の生産基盤の整備を進めるとともに、麦、大豆等の生産の奨励、畜産等の大規模生産基地の建設などを推進することとして三千七百二十九億円を計上しております。  さらにまた、海外に依存せざるを得ない農産物等については、一定量の備蓄を確保することとして、そのための所要経費九億八千万円を新しく計上しているのでありまして、食糧の安定的な供給を確保するために、きわめて当を得た、適切な施策と言わなければなりません。  理由の第四は、社会保障の充実であります。  最近における物価の動向を考え合わせますとき、社会保障の充実は特別に力をいたさなければならぬ大事なテーマでありますが、その要請にこたえて、四十九年度の社会保障関係費は二兆八千九百八億円、前年当初予算に比べて実に三六・七%という飛躍的な伸び率を示しているのであります。昨四十八年度は、いわゆる五万円年金体制の確立と、物価スライド制の導入をはじめとして、社会保障制度の画期的な改革がはかられた年でありましたが、さらに、本年度におきましては、ただいま申しましたとおり、三六・七%という文字どおり史上最高伸び率を示したのであります。  少しく内容に触れますならば、各種の福祉年金は五〇%の増額が認められ、他の厚生年金国民年金についても、また生活扶助基準についてもそれぞれ引き上げが認められたのをはじめとして、物価高の影響を最も受けやすい老人、心身障害者、母子世帯、生活保護世帯、失業対策事業就業者等に対して特段の配慮がなされているのであります。  このほか、医療費の改善とか、社会福祉施設の整備、施設職員の処遇改善等もはかられて、予算に対する構成比率は、いままで一四%台であったものが、一挙に一七%に飛躍しまして、地方交付税を別にすれば、予算項目のうちで社会保障費が第一位に登場してきたのであります。性格は若干違いますけれども、恩給や遺家族年金も大幅に引き上げられたことを考え合わせますとき、本年度予算は名実ともに福祉予算たるの性格が証明されたと言っても過言でないと思います。  その他、教育の刷新をはじめとして、中小企業振興対策、環境保全対策等についても、いずれもよく配意されていて、どの面をとってみても政府の苦心のあとが十分うかがえるのであります。  ただ、最初にも述べましたとおり、わが国はいま大きな試練のもとに立たされて、数々の難問をかかえているのであります。中でも、物価騰貴の問題は、最近ようやく鎮静化のきざしが見えたとはいうものの、電力、ガス、交通などの料金改定は必至と見なければならず、春闘による大幅な賃金引き上げとともにコストアップの要因となることはいなめません。したがって、基礎物資、生活関連物資等についてもやがて価格改定の動きが出ることは避けがたいのみならず、不況下の物価高を招きかねない情勢にあると言わなければなりません。その成り行きやいかにと国民はいまかたずをのんで事態の推移を見守っていると思うのであります。  政府は、責任をもって、今後、諸物価が混乱なく平穏裏に新価格体系に移行できるよう適宜適切なる行政措置をとるとともに、財政、金融両面を通じての総需要抑制政策の推進にあたっては、機動性と弾力性をよく発揮して、的確に所期の成果をあげ、もって国民の期待にこたえなければなりません。  そのことを特に強く要望いたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)     —————————————
  9. 河野謙三

    議長河野謙三君) 阿部憲一君。    〔阿部憲一君登壇拍手
  10. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました昭和四十九年度予算三案に対し反対討論を行なうものであります。  最初に、予算編成前提となる政府基本姿勢の誤りを指摘したいのであります。  昨年暮れからの狂乱物価は、政府・自民党が長年にわたり推し進めてきた大企業優先の高度経済成長政策と、大企業、大手商社等が石油危機を利用し、生活必需物資を買い占め、売り惜しみ、大幅な便乗値上げをし、パニック状態をつくり上げたからであります。  さらに、政府の過剰流動性に対する金融政策失敗、四十七年度の大型補正、さらに四十八年度、いわゆる列島改造予算等によってすでに悪性インフレ状況が発生していたにもかかわらず、好況期二兆三千四百億円の空前絶後の国債発行も計画した財政政策失敗等々によってもたらされたものであります。主要閣僚である福田大蔵大臣が悪性インフレをごまかすために名づけた狂乱物価は、ともすれば政府はこれを石油危機のせいにしようとしておりますが、さきに述べたように田中内閣の責任であり、長年にわたる政府・自民党の手によって起こされた狂乱インフレなのであります。田中内閣の無定見、無節操な政治、経済運営によって、もはや国民大衆の生活は根本から破壊されております。田中内閣予算を提出するに際しては、インフレ政策失敗をすなおに反省し、大企業優先の政策を改めることが最低の条件であったはずであります。  しかるに、本予算の審議の過程で明らかになったことは、大企業政府癒着であり、政府の大企業擁護の姿であり、経済成長政策に関する総理と蔵相の極端な意見の相違すなわち閣内不統一であります。また、参議院の良識をもって行なおうとして注目を集めた物価集中審議において、政府・自民党は野党の強く要求する証人喚問についてはこれに強く反対し、これを否決させ、国民の前に真相を明らかにすることを妨害するなど、全く国民不在の政治姿勢を終始一貫取り続けてきたのであります。口でどう言おうと、田中内閣はこれまでの誤れる政策姿勢転換する能力がないばかりか、国民大衆の願いを踏みにじる姿勢を強引に続けていることは、断じて許すことはできません。  次に、予算案反対理由を申し上げます。  第一は、見せかけの物価対策費しか組まれていないことであります。物価狂乱の元凶である財政インフレを是正するための予算規模圧縮地方交付税の操作と災害復旧費の当然減九百三十一億円がおもなもので、政策努力に見るべきものは何らありません。  他方、公債は四十八年度実績を三千五百億円も上回り、公債依存率は九年間の実績に比べ四番目という高さであり、先進資本主義諸国にも一二%という依存率の国はないのでありまして、これほどの巨額な赤字国債を計上しておいて、総需要抑制、引き締め型予算とどうして言えるでありましようか。  さらに狂乱物価で足腰が立たなくなった庶民の家計が消費支出の激増、貯蓄の減少となってあらわれていることは、統計的にはっきり出ております。しかるに、政府は、さきに石油価格の大幅値上げを行ない、近日中に九社平均六二%という電力料金引き上げをねらっており、さらに私鉄、バス、国鉄、消費者米価とすべての公共料金値上げをたくらんでおります。政府は、価格凍結とか、事前承認制とかかっこうのいいポーズをとって新価格体系施行などとことばでごまかし国民には物価の安値安定の期待とムードをちらつかせながら、その実態はすべての物の価格をさみだれ式に長期にわたって値上げすることにしており、夏ごろまでに物価を安定させるとの総理の言明がごまかしであり、高値安定どころか、高値追いの競争となるのが落ちでありましょう。不況下の物価高騰で庶民を苦しめる田中内閣の新価格体系という新しいインフレ政策と断じる以外はないのであります。  また、政府は、四十九年度予算で、一兆五千八百十七億円、前年度比一六・九%増の物価対策予算を組んだと宣伝しておりますが、その中身を見ると、十数年来、物価上昇の原因政府が言い続けてきた低生産部門への資金配分がこれまでの惰性から一歩も出ないばかりか、大企業価格協定を取り締まる競争条件整備の予算はふえず、その比率は年々低下しており、政府がやみカルテルや価格協定を予算面から暗黙に承認し、あと押しする結果となっているのであります。したがって、公明党は独自の独禁法改正案を提出し、物価政策の前進を強く要求したのであります。  次に、この予算政府の宣伝とはうらはらに規模縮小もインフレ対策も不十分であることを指摘しなくてはなりません。  予算規模圧縮が不当表示であることは、財政インフレを燃え上がらせた四十八年度予算伸び率二四・六%に比べて、一九・七%が若干低目であるというにすぎず、四十年代の一般会計予算伸び率で見ますと三番目に高く、これまで政府財政経済に対する影響を説明するために用いた政府財貨サービスの購入の伸び率経済名目成長率比較で見ても、四十九年度は財貨サービス購入一四・九%、経済成長率二一・九%と財政経済成長率を上回っており、景気刺激型の財政規模と言わねばなりません。  さらに、財政収支のバランスがくずれ、予算総額の一割三分もの赤字国債を抱いた財政は、身分不相応の肥満児であり、総需要抑制政策と矛盾していることは明らかであります。  さらに、物価安定の武器として政府がその手中におさめている唯一の公共料金も、消費者米価国鉄運賃のわずか半年の延期だけでほかに見るべきものがないばかりか、さきに指摘したごとく、公共料金値上げが第二の物価狂乱の引き金にすらなろうとしておるのであります。この予算では国民が望む物価安定は期しがたいと断ぜざるを得ません。  第三の反対理由は、物価狂乱の最大の被害者である社会的、経済的に弱い立増の人たちの生活防衛を無視していることであります。  インフレは富める者をさらに富まし、貧しい者を一層苦しめて社会的不公正を拡大する社会的犯罪行為であります。これを是正し救済するものが財政機能であり、責任であるべきであります。しかるに、年率三五%をこす卸売り物価、同じく二五%をこす消費者物価高騰インフレ下で、生活扶助基準は昨年度に比べ一五%の引き上げにすぎず、物価上昇分を差し引いたネットの保護基準改善率では、四十年代の最低であります。この扶助基準改正で、東京など一級地では、一人一日たった六十三円の引き上げであります。また、福祉施設等入所者の一日の食事代は、老人ホーム三百十四円、養護施設三百三十六円となっており、とうていこの物価高の中で満足な食事のできるものではありません。  老齢福祉年金も五千円から七千五百円に引き上げ政府は五〇%アップと宣伝していますが、この絶対額から見てあめ玉年金である実体は変わらず、また、厚生年金のスライド制実施も宣伝だけは盛んにやっていますが、不十分のそしりを免れません。しかも、それら両年金スライドの実施が来年一月とことし十月からというに至っては、政府の感覚を疑わざるを得ないばかりか、憲法二十五条を政府はどう理解し、憲法擁護義務を規定した九十九条を何と心得ているか、その責任を問わねばなりません。  さらに、狂乱物価のあおりで、マイホームの夢は実施の見通しが全くなくなりましたが、現在五百万戸とも八百万戸とも言われている住宅困窮者に対し、四十九年度の政府の公共住宅建設は、前年度より四万五千戸も削減しております。社会的弱者には安心して住める場所すら与えないようなひどい政策をとっている政府は世界に例がありません。それでも福祉重視とは驚きのほかであり、政府が言う福祉の尺度は目盛りのないものさしを使っているとしか言いようがありません。  第四は、社会的不公正是正を放棄した税制改正についてであります。  政府は二兆円減税を四十九年度予算の目玉商品と騒ぎ立てておりまするが、これは自民党の人気取りの政略的性格が強く、インフレ下では中小給与所得者中心にしたインフレ調整減税をとるのが当然であるのに、給与所得控除の上限撤廃、高額所得者の累進税率緩和などいわゆる重役減税であって、勤労国民大衆の要請とは相いれないものと言わざるを得ません。そればかりか、高度経済成長のてことして使われた資産所得優遇措置という資本蓄積のやり方は改められず、昨年十二月の東京都の調査及び大蔵省の資料でも、各種分離課税が多用される現行課税方式では高額所得者ほど負担が軽減される逆累進型となっているのであります。そうした現行税制の不公平な負担関係を是正しないばかりか、拡大する結果となる四十九年度税制改正は、税制の使命である所得再分配機能を放棄しているもので、断じて認めるわけにはまいりません。  第五には、この予算が苦しい地方財政に千六百八十億円余の削減を強要していることであります。  福田蔵相は、四十四年、地方財政からの借り上げ措置は行なわないと当時の野田自治大臣との間に文書を交換し調印しておることは、お忘れではないと思います。しかるに、四十九年度一般会計予算の増加率を二〇%以下にしたいという全く形式的な理由によって約束を破り、調印をほごにして、交付税借り上げを行なった結果、予算伸び率は一九・七%になりましたが、たったコンマ以下の伸び率の伸縮で蔵相のメンツは立っても、物価高騰で苦しむ地方財政を一そう圧迫し、いまこそ住民福祉を向上しなければならないときに、地方自治を財政面から侵害していくことは、高騰する物価高の中で国民にさらに大きな苦しみを与えることになり、断じて容認ができないのであります。  以上、狂乱物価抑制できず、国民福祉向上を無視する予算に対して、強く反対の意思を重ねて表明し、私の反対討論を終わります。(拍手)     —————————————
  11. 河野謙三

    議長河野謙三君) 向井長年君。    〔向井長年君登壇拍手
  12. 向井長年

    ○向井長年君 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま議題となっております政府提出の三予算案に対し、以下申し述べる理由によりまして、反対態度を明らかにいたしたいと存じます。  田中内閣は、組閣以来、日本列島改造構想を最大の柱として内政を推進してまいりましたが、その構想が大企業優先、生産第一主義の高度成長を目ざすものであるため、諸物価、地価の高騰はすでに慢性化するに至ったのであります。加えて、昨年末の石油危機を口実に一部の大企業は買い占め、売り惜しみに走り、価格のつり上げを思うがままに行なってまいったのであります。この結果、国民生活は、生活必需物資の不足と狂乱物価によって窮地に追い込まれてまいったのであります。このような大企業の反社会的、無責任な経営態度は断じて許しがたく、また、今日に至るまで大企業の横暴を放任してきた政府・自民党の責任はきわめて重大であります。  かかる見地に立って、わが党が政府予算案反対する第一の理由は、この予算案ではたしてほんとうにインフレを克服し物価抑制でき得るのかという大きな疑問でございます。なるほど、予算案の表向きは、総需要抑制の一つと称して公共事業費が押えられております。しかし、つぶさに検討いたしますと、そこには四十八年度からの繰り延べ分が相当多くプラスされております。これでは不当表示のそしりを免れません。また、政府は、前からインフレ抑制の短期決着をつけると表明されておりますが、たとえば石油価格をこれ以上引き上げないという確信を持っておられるのか。また、政府が真剣に物価抑制をはからんとするならば、まず政府みずからが公共料金を少なくとも三年間凍結し、物価鎮静の先導者たる役割りを果たすべきであります。しかるに、消費者米価国鉄運賃などの公共料金値上げの据え置き期間はわずか半年間にすぎません。このことは、政府物価抑制の決意がないことを如実に示しているのであり、政府物価政策失敗を料金値上げという安易な形で国民の負担に転嫁せんとするものであります。こうした国民をあざむくような政府姿勢は断じて許しがたいのでございます。  第二の反対理由は、福祉関係予算がきわめて貧弱だということであります。  社会保障関係費は対前年度比で三六・七%近くの伸び率であります。しかしながら、消費者物価が対前年度比で二〇数%も上昇している今日にあっては、実質においては対前年度比で数%ぐらいの伸びしかないのであります。政府福祉重点というかけ声はかけているのでございますけれども、実際においては国民の期待を裏切るものであります。社会的な弱者に対しては国が責任をもって生活を保障すべきでございます。そのことは、政治の使命であり、福祉国家建設への第一歩でもあります。  また、公団、公営住宅等の公共住宅の建設戸数は四十八年度よりも四万五千戸削減されておるのであります。現在三百万世帯が住宅難に苦しんでいるといわれておりますが、これらの大半の世帯は劣悪な狭い木賃アパートの生活を余儀なくされているのであります。これらの人々の願いは、一日も早く低家賃の公共住宅に入居したいということであります。しかるに、政府は、宅地開発公団の創設によって、庭つき二戸建て住宅国民に与えるという庶民にとっては実現しそうもない夢のみを与えておるのであります。当面する公共住宅の建設が大幅に削減されていることは、国民の期待に逆行するものであると言わなければなりません。  第三に指摘しなければならないことは、国民の不公平をさらに拡大するものであることであります。  政府のいわゆる二兆円減税については、当初、夫婦子供二人の標準世帯では年間百七十万円までが非課税であったのが、これから大幅に後退して、今回の予算案では百五十万円にまで引き下げられておるのであります。すなわち、二兆円の減税予算が一兆円の減税に大幅に縮小されたのであります。このような減税では、今日のようなインフレ状況におきましては全くの焼け石に水でありまして、実質的な減税にはならないのであります。そればかりか、給与所得控除の上限撤廃、高額所得層の税率軽減など、減税重点高額所得者層に置かれておるのであります。インフレで一番の被害を受けているのは低額所得層の庶民であり、政府減税措置は本末転倒と言わざるを得ないのであります。また、こうした措置は、逆累進税への傾向をますます助長するものであり、所得の不平等な分配をさらに拡大するものであります。  また、農林漁業の予算につきましては、食糧需給の逼迫が世界的規模で叫ばれておる今日にありながら、これらに対する配慮はなされておりません。  第四には、地方財政を圧迫する予算であるということであります。  国の予算規模が縮小されたために四十九年度の地方交付税のうち千六百八十億円の削減を行なうことは、地方財政を窮地におとしいれるものだと言わなければなりません。諸物価高騰、地価の暴騰によって公営住宅、下水道等の建設や福祉施設の建設、運営も行き詰まっているのが地方自治体の現状であります。福祉国家の建設は、地方自治体の福祉財源を確保することが大前提となるのであります。そのためには、地方交付税の削減はとりやめるべきであります。  次に、政府予算案反対する第五の理由は、防衛費の増大であります。  昭和四十九年度は四次防の三年目に当たり、その防衛費は初めて一兆円をこえたのであります。現在、国民政府の防衛力増強計画に対して深い危惧の念を与えていることは、いまさら言うまでもありません。わが党は、自主防衛の必要性を認める立場に立ちながらも、国民的合意が成立していない現状においては、四次防のごとき防衛力増強計画だけが独走することは断じて許しがたいと考えるのであります。この際、わが国が率先して防衛費の削減をはかることこそアジアの緊張緩和を一そう促進し、ひいてはわが国の平和と安全を確立する道であります。  私は、以上五点の理由によりまして、政府の猛反省を促しまして、反対討論を終わります。(拍手)     —————————————
  13. 河野謙三

    議長河野謙三君) 岩間正男君。    〔岩間正男君登壇拍手
  14. 岩間正男

    ○岩間正男君 私は、日本共産党を代表して、昭和四十九年度予算三案に反対討論を行なうものであります。  反対理由の第一は、本予算は、インフレ物価問題の解決には何らの効果を持たないというものであるということであります。  いま、国政が直面している最大の課題は、石油など資源の安定的確保と食糧自給度の向上と並んで、物価狂乱状態を鎮静し、国民生活防衛をはかることにあるにもかかわらず、本予算案が、この事態を招いた責任に何ら抜本的なメスを加えようとせず、依然として大企業の利益擁護、国民への犠牲をしいる予算案となっています。  物価危機は峠を越したなどという政府の言明にもかかわらず、二月の東京の卸売り物価消費者物価は、それぞれ前年同月に比べて、依然として三七%、二四%の異常高騰を続け、また、原燃料、資材不足、金融引き締め等による中小企業の相次ぐ倒産、失業、半失業の急増となっているのであります。しかも、石油の平均六二%という大幅再値上げが、電力、ガス料金や私鉄運賃の大幅引き上げなど、公共料金、諸物価値上げに一段と拍車をかけることは明白であります。しかるに、政府は、こうした異常物価原因を海外物資の高騰や国内需要の増大、さらには労働者の賃上げにあるとし、買い占め、売り惜しみ、便乗値上げなど前代未聞の反社会的行為によってばく大な不当利得をかちとった大企業商社に対しては何ら有効な規制を行なわず、臨時超過利得税構想すら骨抜きにするなど、大企業の利益擁護に狂奔しているのであります。しかも、予算案は、今日の悪性インフレの根源であり、国民の痛烈な批判にさらされている日本列島改造計画の野望を依然として捨てず、国債発行額もまた四十八年度補正後の発行予定額一兆八千百億円を上回る二兆一千六百億円の巨額を予定しているのであります。高速自動車道路には五千億円、国鉄投資額の半ばを占める新幹線建設には三千六百億円を投入し、産業基盤中心公共事業費は、前年度の繰り延べ分を合わせると実に三兆円に近い巨額なものになっています。これでは、インフレ抑制など、期待できないことは全く明白であります。  第二の反対理由は、福祉重点を唱えながら、実際には弱者切り捨て、社会的不公正拡大予算となっている点であります。  老齢福祉年金引き上げは十月以降ようやく月額七千五百円になるにすぎず、生活保護費も昨年十月の五%増を含めてもわずか二〇%にすぎません。これで政府はどうしてこの物価狂乱の中を生きよというのでありましょうか。鳴りもの入りで宣伝された二兆円減税も一兆四千五百億円、しかもその内容は、高所得者の累進税率は緩和され、給与所得控除の上限を撤廃するなど、国民の要望に反した高所得者優遇減税なのであります。  また、いわゆる総需要抑制は、列島改造事業の推進をはかる一方で、国民生活に直結する公共事業には過酷なまでに削減を押しつけ、福祉水準を一そう引き下げる結果となっています。公共住宅建設は低家賃住宅中心に四万五千戸も削減され、第四次下水道五ヵ年計画は見送られ、緊急を必要とする学校、住宅など生活関連公共施設の整備さえ不可能にしているのであります。  さらに、インフレからの住民生活防衛のために乏しい財政を投入している地方自治体に対し、地方交付税法、地方財政法を無視して、一方的に交付税一千六百七十九億円の削減という地方自治破壊の暴挙を、わが党は断じて容認し得ないものであります。  第三の反対理由は、こうした国民生活の破綻をよそに、政府が日米軍事同盟を堅持し、軍国主義の復活強化を進めている点であります。  防衛関係予算は、実に一兆円を突破しており、これは前年度に比べて千五百七十六億円もの増額であり、総需要抑制から聖域として温存されていますが、これこそまさに不要不急予算の最たるものと言わなければなりません。  また、日本独占資本の対外進出費は、一般会計経済協力費六百五十九億円、さらに財政投融資特別会計などを含めると、まさに総額一兆円規模のものであり、この膨大な予算を使って東南アジアなどで独占資本の新植民地主義的海外進出をはかる経費をふやしていることなど、きわめて重大であります。  予算審議においては、国民福祉、社会保障、教育施設の拡充強化、学童給食対策地方財政の窮迫など、国民生活の全般にわたって積極的な提案と要求が出されたにもかかわらず、政府・自民党はこれに耳を傾けようとはせず、あくまで国民に犠牲をしいる予算をそのまま押し通そうとしています。これこそまさに反国民的な立場以外の何ものでもありません。  しかも、政府・自民党は、大企業の常軌を逸した不当行為を究明するためのわが党をはじめとする広範な国民の証人喚問要求に終始反対したのであります。  さらに、大企業のぼろもうけに特別の税金をかけようという会社臨時特別税法なるものは、資本金が巨大な企業であるほど税金が少なくて済むという、本来の超過利得税構想とは全くかけ離れた大企業奉仕の甘い内容のものであり、超過利得の徴税にならないばかりか、大企業の過剰資金を吸収してインフレ抑制することにも何ら役立たないものであります。このことは、自民党と大企業癒着の根深さをあらためて余すところなく国民の前に暴露しました。この一連の事実は、田中内閣にはもはや適正な予算の策定と執行は期待できないということをあらためて証明したものであります。日本共産党は、以上のような国民生活破壊の予算を、名実ともに国民生活防衛を最大の柱にし、四次防の中止、軍事費の大幅削減、列島改造計画の中止、公共投資の産業基盤中心から生活基盤中心への転換福祉の向上、農漁業、中小企業への積極的な援助、自主的なエネルギー政策の確立、対米追随と新植民地主義的外交政策転換など、政策の根本的転換への第一歩を踏み出す予算とするよう強く要求するものであります。以上の立場から日本共産党は、政府提出の四十九年度本予算案反対することを明らかにして、私の討論を終わります。(拍手
  15. 河野謙三

    議長河野謙三君) これにて討論は終局いたしました。これより三案を一括して採決いたします。表決は記名投票をもって行ないます。三案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名を点呼〕   〔投票執行〕
  16. 河野謙三

    議長河野謙三君) 投票漏れはございませんか。——投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。   〔投票箱閉鎖〕
  17. 河野謙三

    議長河野謙三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。   〔議場開鎖〕   〔参事投票を計算〕
  18. 河野謙三

    議長河野謙三君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数         百九十五票 白色票            百六票 青色票           八十九票 よって、三案は可決されました。(拍手)      —————・—————   〔参照〕  賛成者(白色票)氏名      百六名       中山 太郎君    熊谷太三郎君       森 八三一君    小山邦太郎君       斎藤 十朗君    中西 一郎君       寺下 岩蔵君    平井 卓志君       中村 登美君    細川 護煕君       橋本 繁蔵君    中村 禎二君       棚辺 四郎君    増田  盛君       山崎 五郎君    柴立 芳文君       小林 国司君    高橋 邦雄君       嶋崎  均君    桧垣徳太郎君       河口 陽一君    橘直  治君       岡本  悟君    高橋雄之助君       山内 一郎君    温水 三郎君       木島 義夫君    鹿島 俊雄君       大森 久司君    植木 光教君       植竹 春彦君    木内 四郎君       新谷寅三郎君    上原 正吉君       古池 信三君    杉原 荒太君       松平 勇雄君    青木 一男君       高橋文五郎君    楠  正俊君       柳田桃太郎君    山本茂一郎君       石本  茂君    志村 愛子君       古賀雷四郎君    黒住 忠行君       河本嘉久蔵君    金井 元彦君       川野 辺静君    今泉 正二君       安田 隆明君    山崎 竜男君       世耕 政隆君    佐藤  隆君       竹内 藤男君    原 文兵衛君       長田 裕二君    上田  稔君       佐田 一郎君    藤田 正明君       木村 睦男君    西村 尚治君       岩動 道行君    土屋 義彦君       内藤誉三郎君    平泉  渉君       鍋島 直紹君    増原 恵吉君       米田 正文君    小笠 公韶君       柴田  栄君    大竹平八郎君       江藤  智君    郡  祐一君       安井  謙君    後藤 義隆君       堀本 宜実君    塩見 俊二君       剱木 亨弘君    吉武 恵市君       迫水 久常君    西田 信一君       前田佳都男君    長屋  茂君       若林 正武君    片山 正英君       梶木 又三君    岩本 政光君       初村滝一郎君    星野 重次君       稲嶺 一郎君    鬼丸 勝之君       佐藤 一郎君    林田悠紀夫君       中津井 真君    宮崎 正雄君       久保田藤麿君    寺本 廣作君       伊藤 五郎君    平島 敏夫君       山本 利壽君    山下 春江君       徳永 正利君    町村 金五君       田口長治郎君    八木 一郎君     —————————————  反対者(青色票)氏名      八十九名       喜屋武眞榮君    山田  勇君       藤原 房雄君    栗林 卓司君       藤井 恒男君    青島 幸男君       峯山 昭範君    沢田  実君       木島 則夫君    上林繁次郎君       矢追 秀彦君    三木 忠雄君       阿部 憲一君    松下 正寿君       田代富士男君    柏原 ヤス君       原田  立君    中沢伊登子君       中尾 辰義君    宮崎 正義君       中村 利次君    高山 恒雄君       山田 徹一君    多田 省吾君       小平 芳平君    向井 長年君       田  英夫君    上田  哲君       工藤 良平君    戸田 菊雄君       前川  旦君    杉原 一雄君       茜ケ久保重光君    杉山善太郎君       野々山一三君    田中寿美子君       戸叶  武君    森中 守義君       鶴園 哲夫君    西村 関一君       中村 英男君    阿具根 登君       森  勝治君    羽生 三七君       加藤シヅエ君    藤原 道子君       中村 波男君    松永 忠二君       片岡 勝治君    辻  一彦君       佐々木静子君    須原 昭二君       小谷  守君    神沢  浄君       鈴木美枝子君    宮之原貞光君       加藤  進君    竹田 四郎君       安永 英雄君    小笠原貞子君       川村 清一君    鈴木  力君       小野  明君    山崎  昇君       星野  力君    塚田 大願君       林  虎雄君    松本 賢一君       小林  武君    瀬谷 英行君       矢山 有作君    渡辺  武君       須藤 五郎君    竹田 現照君       占部 秀男君    鈴木  強君       横川 正市君    大矢  正君       河田 賢治君    岩間 正男君       藤田  進君    沢田 政治君       村田 秀三君    田中  一君       足鹿  覺君    成瀬 幡治君       加瀬  完君    秋山 長造君       野坂 參三君      —————・—————
  19. 河野謙三

    議長河野謙三君) 日程第一 国会議員選挙等執行経費基準に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。公職選挙法改正に関する特別委員長橘直治君。    〔橘直治君登壇拍手
  20. 橘直治

    ○橘直治君 ただいま議題となりました国会議員選挙等執行経費基準に関する法律の一部を改正する法律案について、公職選挙法改正に関する特別委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。  本法律案は、最近における公務員の給与の改定、賃金及び物価の変動等の事情を考慮し、国会議員選挙等の執行について国が負担する経費で都道府県及び市町村に交付するものの基準を実情に即するよう改めるため、所要の措置を講じようとするものであります。  委員会における質疑の詳細は、会議録によって御承知願います。  質疑を終わり、討論もなく、採決の結果、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本案に対しまして、執行経費基準の適正化等について、さらに政府の善処を求める附帯決議を付しております。  以上御報告いたします。(拍手
  21. 河野謙三

    議長河野謙三君) これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  22. 河野謙三

    議長河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時四十一分散会