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1974-05-22 第72回国会 参議院 文教委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年五月二十二日(水曜日)    午後二時九分開会     ―――――――――――――    委員異動  五月二十二日     辞任         補欠選任      高橋 邦雄君     志村 愛子君      黒住 忠行君     竹内 藤男君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         世耕 政隆君     理 事                 斎藤 十朗君                 内藤誉三郎君     委 員                 今泉 正二君                 梶木 又三君                 金井 元彦君                 志村 愛子君                 竹内 藤男君                 中村 禎二君                 中村 登美君                 二木 謙吾君                 矢追 秀彦君                 松下 正寿君                 加藤  進君    衆議院議員        修正案提出者   西岡 武夫君        修正案提出者   受田 新吉君    国務大臣        文 部 大 臣  奥野 誠亮君    政府委員        文部政務次官   藤波 孝生君        文部大臣官房長  井内慶次郎君        文部省初等中等        教育局長     岩間英太郎君    事務局側        常任委員会専門        員        渡辺  猛君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○学校教育法の一部を改正する法律案(第七十一  回国会内閣提出、第七十二回国会衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) ただいまから文教委員会開会いたします。  学校教育法の一部を改正する法律案(第七十一回国会閣法第一一二号)(衆議院送付)を議題といたします。
  3. 矢追秀彦

  4. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) 議事進行について御発言があります。矢追君。
  5. 矢追秀彦

    矢追秀彦君 私は、本日の委員長職権のこの委員会開会につきまして、非常に遺憾の意を表しながら、ただいまから意見を申し上げたいと思います。まだ会期もあと一週間以上あるにもかかわらず、しかも、昨日まで当委員会におきましては、非常に民主的に運営が行なわれてまいりまして、決して異常な状態ではなかったと思います。であるにもかかわらず、今日、このように委員長職権によりまして強行にこの委員会開会されることにつきましては、非常に私たちは遺憾の意を表するものであります。特に、この今回議題となっておりますいわゆる教頭法案につきましては、この法律案は、現在でも上意下達の管理体制が強化されつつあるにもかかわらず、さらに、これが一そうピラミッド型の職階制を、ピラミッド型の管理体制を強め、そして職階制へのワンステップであると私たち考えております。しかも、現在でも部長、課長というような、いわゆる世間にありますようなそういう階級制がとられておる、そういう状況の中でこの教頭法が成立をいたしましたならば、さらにこれを強化することについてはもう明らかでありまして、本来、学校教育におきまして教員立場というものは、もっと楽しい、生き生きとした教育がなされなければならない、そのための場づくりができなければならないと思うわけであります。にもかかわらず、これを踏みにじって、特に最近の田中内閣政治、特に教育に対する政治姿勢というものは非常に反動化がうかがわれております。そういうことを考えますと、この法律案は、あくまでも慎重審議がなされなければならないと、こう考えておるにもかかわらず、しかも理事会――先ほど開かれました理事会、これはまあ理事会にはならないと思いますが、肝心の理事の席にある社会党出席もなく、自民党だけで、理事会にならないようなそういう運営のしかたでこういう委員会開会される。これに対して強く反対をし、即刻この委員会中止をされまして、あすの定例日に本来の姿に戻して慎重審議をされることを強く要望して、私の議事進行に関する意見とさしていただきます。
  6. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、高橋邦雄君及び黒住忠行君が委員を辞任され、その補欠として志村愛子君及び竹内藤男君が選任されました。
  7. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) ほかに御意見ございますか。――加藤君。
  8. 加藤進

    加藤進君 昨日急速、定例口外ではあるけれども理事会委員会開会すると、そして教頭法審議を行なう、こういうことが自民党理事か二表明されました。昨日の段階では、委員長は、この自民党理事からの意思表示に対して、これを受けられるかどうかということはまだ明確ではありませんでした。ところが、本日の公報には、明確に委員長職権において公報掲示が行なわれ、そして理事会委員会強行される、こういう事態になったことは、今日までの文教委員会の民主的な運営というたてまえから見てきわめて遺憾な事態が発生していると、私は言わざるを得ないと思っています。  しかも、昨日の段階までは、その過程でもちろん相当論議を要するような状態も起こったと思います。しかし、にもかかわらず、各党合意のもとで順調に今日まで審議日程あるいは発言者の予定等々が決定されて今日まできたわけでございます。私たち共産党立場から言うなら、あと残された審議日程が非常に少なくなっておるという状況のもとで、公党であるわが党が、この委員会においても衆議院と同様に何ら一言半句の発言もできないという事態は黙っておるわけにはいかない。こういう立場に立って、わが党のみならずほかの党も含めてそれぞれ各党を代表する発言の機会を保証してほしい、こういうことを野党間においても申し入れました。その点において、これを野党間の協議の問題にしていただきました。また私は、公明党の方とも打ち合わせながら、この問題を委員長に対しても正確に意思表示をする必要がある.こう感じまして委員長に対する意思表示もしたわけであります。その真意は何かといえば、いかなることがあっても、共産党等々の各党発言をやって、そうして強行あるいは採決を行なえというようなことを私たちは毛頭考えておるわけではございません。このような教育という日本の将来にかかわるきわめて重要な法案審議するにあたっては、国民の合意も必要ですし、その前提としては、国会における各党間の合意を十分にかちとっていくという、そういう前提条件が当然のことながら要求されると思います。その意味では、私たち審議要求要求として、今後の審議日程を相互の協議の上で進めていこうという立場に立って提案をいたしました提案は、昨日、理事会において出されました。もうすでにそのことは、自民党理事皆さんも御承知のとおりであります。二十三日、すなわち明日からの審議は、第一陣は社会党、次は公明党、そして民社党共産党、すなわちあすからの日程については各党一巡方式をもって行なおう、そして、そのあと引き続いて、残された委員発言を保証していこうではないか、そして三十日までの審議について十分に納得のいく案を立てて自民党理事皆さんに提示したわけであります。私は、これについて自民党から納得のいく反論は一つも聞いておりません。にもかかわらず、こういう野党の四党が合意に達した私たち審議日程あるいは発言者の順序に対しても、これとは全く話が合わない、すれ違いだ等々のことが発言されて、ついに審議すべき理事会の正常な運営も行なわれないままきのうは散会になり、そして今日のような委員長職権による異常な理事会委員会開会になった。この事態考えてみると、これは自民党が、事、教育に関する重要な法案に対して是が非でもこれを早く成立させようこういう下心がなくしてはこんなことが起こり得ないという感じをもって受け取らざるを得ない事態になってきておると思います。私はきわめて遺憾であります。この状態をぜひとも早急に正常な状態に戻していくのには決してむずかしいことはない。きょうの委員会審議はこれでやめて、そして明日の二十三日からの審議日程について与野党間の理事を中心とした十分な打ち合わせを行なって、一致点にわれわれは到達する努力を払いながら、二十日までの会期の十分なやはり審議を続行すべきである。私は、このことによって何ら教頭法がある部分審議を引き延ばされるんではないかとか、ある部分では実力的な抵抗を行なうんではないかなどというような危惧は全くなくして堂々とやはり審議を通じてこの法案に対する態度が明確になし得ると考えております。そういう立場に立って、私は、今日この理事会及び委員会出席はいたしましたけれども、それは以上申し上げましたような立場に立って、わが党を代表して、このような理事会運営は認めがたい、そしてこれに基づく委員会そのものもわれわれは認めない、こういう立場に立って、直ちにこの議事中止して、明日の正常な定例日における委員会審議に移していただきたい、このことを申し上げます。  以上。
  9. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) 前回に引き続き、本案に対する質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言を願います。速記をとめてください。   〔速記中止
  10. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) 速記を始めてください。
  11. 松下正寿

    松下正寿君 学校教育法の一部を改正する法律案は普通、教頭法案といわれておるのでありますが、これについて、まず初めに文部大臣にお伺いしたいと思いますが、お伺いというよりかむしろ確認であります。  御承知のとおり、この法案というものは衆議院において民社党自民党共同提案修正案が出されております。この修正案衆議院で可決されておるということになっておるわけでありますがそうなっておれば、今回参議院に送られてきたこの法案というものは、当然修正を含んだ案、その修正前のものはこれは無効である。この前、初中局長がちょっとその点で少し間違っておられたのではないかと思いますが、後に訂正があったようにも記憶しております。誤解のないようにはっきりと文部大臣から、こういうことは間違っているこれが正しい見方だということをもう一ぺん確認していただきたいと思います。
  12. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 御指摘のように、政府原案衆議院におきまして修正を受けたわけでございます。「教頭は、校長を助け、校務を整理し、及び児童教育をつかさどる。」といたしておりましたのを、「及び児童教育をつかさどる。」を「及び必要に応じ児童教育をつかさどる。」と改められたわけでございます。これは私は、教頭をどう学校に配置していくかという姿勢についての基本的な改正だと、かように受け取っております。参議院におきましてはもとより修正された案が送付されてまいっておるわけでございますので、修正された案を基礎にして御審議いただいている、かように存じているわけでございます。事務当局お答えをいたしますときに、政府原案姿勢お答えをして御指摘を受けたこと、これも御指摘のとおりでございます。いまお話しになりましたように、衆議院修正された修正後のものが参議院において議題になっている、かように理解しているわけであります。また、それによりましていま申し上げましたような本質的な変更が行なわれている、かように理解をいたしております。
  13. 松下正寿

    松下正寿君 私はきょうは、主として改正案に対する修正についてはっきりしたことをお伺いしたいと思いまして、特に受田議員からお尋ねしたいと思います。  いろいろこまかい問題がございますが、こまかい問題に入る前に、まず一番基本的な問題をお伺いしたいと思います。  一言で言いますというと、今回の改正案の、特にこの修正案の主たるものは、必要に応じていわば従たる職務を行なう。つまり教頭地位を強化する。どういう教頭の、何を強化するかというと教頭のいわば管理権といいましょうか、これを強化するというところにこの全体の法案趣意があるし、特に、この修正案においてはそれが強化されたというのが、これがいままでの私自身の見解であるだけじゃなくて、この参議院文教委員会においてずっと野党側質問を通して終始一貫その立場がはっきりしておるように私は考えるわけでございます。その点において、文部大臣はあまりそのことを強調されないどころか、むしろ幾らか弱く見ておられるような感じがいたします。その点で、後ほど文部大臣の御意見伺いたいと思いますが、まず、受田議員提案者としての立場からいまの点について、つまりはっきり言えば、教頭職権が強化されておるかどうか、あるいは全くされていないのかという点をはっきりとひとつ御答弁願いたいと思います。
  14. 受田新吉

    衆議院議員受田新吉君) 学校教育法の一部改正案に対しまして修正案提案した一人といたしまして、ただいまの松下議員の御質問お答えいたします。  いま御指摘のとおり、教頭という地位管理監督権の強化という形に置きかえられておるのではないかというお尋ねであります。もちろん、これは明確に校長補佐役であり、また校務を整理するというはつきりした任務がうたわれておるのでありますから、その校長補佐する、校長そのものが「校務を掌り、所属職員を監督する。」という学校教育法第二十八条の基定に基づく職務執行権を持つ校長補佐責任を持つものでありまするから、これにかわる校長職務代理者代行者という立場からは、当然従来うたわれていなかった新しい監督権が提起されたわけでございますので、この点は、御指摘のとおり、管理監督権修正案でそれが専任化されたという点においては御指摘のとおりであります。
  15. 松下正寿

    松下正寿君 受田議員の御答弁、非常に私にはよくわかる、明瞭だったのですが、それについて文部大臣のお考えはいかがですか。違いますか、同じですか。
  16. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 特別変わった意見を持っているわけじゃございません。
  17. 松下正寿

    松下正寿君 この修正案のおもな点がただいま受田議員の御説明のとおりであるとすれば、それに引き続いて、もりちょっと具体的なことをお聞きしたいと思いますが、この法案が成立した場合には、定数標準が表上、標準定数法の上において、一般的にこの児童生徒教育に従事しない校長定数、これと同じ、つまり、教頭についても教頭原則として教諭でないという立場になりますというと、授業担当教員定数とは、これはどういうことになるか――別ワクに新たな定数措置を講ずべきであると、これは常識だろうと思いますが、この点について受田議員はどういうことをお考えになっておられるか。現在のところは、ことしは間に合わない。もう現に法案は出ておりませんが、これについて、どういうふうなお考えであるかということを受田議員からお伺いしたいと思います。
  18. 受田新吉

    衆議院議員受田新吉君) いま御指摘のこの修正案に基づく定数の問題でございますが、これはもう衆議院審査段階で、私、修正案提案者としても、その提案以前の質疑応答を通じて、教頭専任化をはかっていくという関係からは、当然これが別ワク定数法改正に踏み切るべきであるというはね返りが予測されるわけで、それは文部当局からも、やがて標準定数関係法改正に当然及ぶものであることの答弁をもらっているわけです。  私、このお尋ねの点につきまして、いま文部省で調査しているところでは、教頭の数というものがどれだけあるか。大体現在小学校中学校高等学校特殊教育学校、幼稚園を含めて三万八千有余名、その中で小学校の占める部位が二万、中学校が一万、その他ということになって、小学校が圧倒的な比率を占めているのでありますが、これらの皆さん定数を、教頭専任化されてくると、自然にその分だけを教員定数をふやさなければならない。これは当然のことです。特に政府原案よりも修正された点は、教頭校長補佐校務整理という専念事項がありまして、そうして必要に応じて児童生徒教育をつかさどる、そういう任務が明確になっている。主任務とそして従任務が明確になっている関係からは、政府原案のように、児童教育をつかさどり、一方では校長補佐し、校務をつかさどるという並列主義時代とはもう明確に違ってきているのです。  私、ここで特に指摘したいのは、なぜ修正をしなければならなかったかという点でございますが、児童教育をつかさどりながら教頭職務を遂行するということは非常に困難である。いわんや、最近において事務指導または対外的に社会教育その他の重い使命を持ってくる。校長及び教頭は外へ出かけることも多い。校外的な生徒児童生活指導等も多いということになりますと、自然に教育をつかさどるほうの職務がおろそかになる。私たち、第一線の先生方にお聞きしてみるのですけれども、教頭が受け持った学級子供は非常に不幸である、教頭先生がいろいろと外へ出られたり事務のお仕事をなさったりして、学校でそういう児童教育担当する以外のお仕事に従事される結果、受け持ち子供たちは欠ける時間が多い、自習時間が多いという批判です。つまり、教頭以外の専任教諭のおる学級教頭の受け持つ学級とでは、子供たちの上に、直接指導をしてくださっておる、つまり別任務のない専任先生指導を受けるほうがはるかに有利であるという。また、これは父兄たちもよく認めていらっしゃることです。そういうことから言うならば、むしろこの際、教頭専任化して、そして児童教育をつかさどる教諭原則的に分離する、そういうことによって、いまの弊害が除かれるではないか。そこで、ただし、必要に応じて児童教育をつかさどる、あるいは生徒教育をつかさどるとしたのは、いま受け持ち先生方にしても、いろいろな重荷を背負うて、校外指導出張なども多い。そうすると、教頭にしても、教頭以外の先生にしても、そういう関係子供たち自習をさせられる、あるいはかけ持ちの指導を受けるという時間が非常に多い。これを教頭専任化されることによって、必要に応じてそうした出張その他の事故のあった先生のクラスへ行って教育をつかさどる、つまり、教育をつかさどる仕事が必要に応じて従的にある。そうすると、いずれの学級にしても、そうした事故のあった授業時間の担当教師のいないその学級へ出かけて教頭が直接補充教育をやってあげる。そうすると、がやがや自習時間が非常に少なくなってくるという、一般先生方にも大きな効果が出るわけです。父兄にしても、がやがや自習時間が減って学校へ安心して子供さんがまかされるということにもなる。そういう意味から、教頭自身が重い校務担当校長補佐、そうした任務のほかに、一応必要に応じて児童教育をつかさどる仕事を付与してあるわけです。まあ、そういうことで、この教頭任務は、主と従の二つの明確な任務が規定されておるんでございますが、これによって、一応説明しておかなければならないのは、この教頭が主としたる任務のほうへ専念するために、他の一般先生負担が逆に非常に多くなるではないか、教頭専任化されることによって一般教師過重負担を受けるんだという一部の声であります。これは、いま申し上げましたように、教頭専任化することにより、そして、あわせて必要に応じ補充教育に乗り出すことによって、これはりっぱに解決する。がやがや自習時間をなくするには、教頭自身が必要に応じて補充教育に乗り出していく、こういうことで救われるのだ、従来よりも、政府原案よりもはるかに大きな教育効果をあげることができるんだ、父兄の信頼も確保できるんだという意味で、ここに修正案を提出いたしまして、民社党提案自民党のほうで御賛同くださって、自民・民社共同提案としていま指摘しました修正案提案したわけです。  そこで、この定数の問題でございますが、教頭専任化される。もちろん教頭には、大都市などでは直接担当する授業時間のない教頭もたくさんある。東京都では、小学校などは全部専任ですかね。大体そういうような大都市では専任化された地区がたくさんあるわけです。しかしながら、また一方で、過疎地帯などへ行くというと、六学級以上で教頭を置いているところなどは教頭が、事務職員もいないというようなことで、逆に割り当ての時間――小学校では大体教頭担当時間は一週十三時間、中学校で十二時間、高等学校で九時間となっているんですけれども、それよりもはみ出て授業をしているところもある。こういうような現状をわきまえまして、今度教頭専任化することによって問題の解決がはかられるわけでございますが、同時に、それならば定数をどうするかということです。これは教頭の数が小、中、高、特殊教育学校を合わせてさっき申し上げたような三万八千ある。これにはもちろん複数もあるし、それで高等学校定時制通信制の主事なども含めた数字でありますが、その中で六学級以上の学級を持っている学校には教頭が置かれている。三学級以上の中学、高等学校も三学級。もちろん特殊教育学校では全校にそういう制度が置かれているんですが、この教頭を、全部教頭数だけを別ワクとして計算をして定数改正するのがこれが理想である。しかし実際は、教頭担当している時間が一般教員の半分しかないという現実も踏まえて、一挙にこれを実施するということは困難性も、財政上の理由などむずかしい点もあろうから来年度から、これをできるだけ短期間に実行に移していけるようにというわれわれの要望文部省へ伝えてあります。これは別ワク計算という意味でございますから、教頭専任化をはかると同時に、当然そちらへはね返るべき使命を持ったお仕事文部省に残されている。もちろん、財政当局との交渉等で直ちに実行できないという場合はきわめて短い年次計画でやる。標準定数法改正をはかっていくという意味で、教頭の数の別ワクにおける定員の増を要求してあるわけでございます  ただ、ここで松下委員お尋ねお答えしておかなければならないんですが、事務職員養護教諭、そのほか司書教諭と、こういうようないろいろな職種の職務があるわけでございまして、それらとあわせてこの教員定数が改善されていくわけでございますから、また、わけて四十九年から五十三年、これから五年間というものは例のベビーブーム時代に多く産まれた方のお子さんたちが就学する時期になってきておる。そうすると、この数字なども百五十万もこれからふえるという見通し等もありますから、教員定数一般的増加の中に、この教頭の別ワク増員というものができるだけ短い期間に実現するように要望をしてあります。  御答弁をさしていただきました。
  19. 松下正寿

    松下正寿君 結局、具体的解決としては、この標準定数法改正ということになると思います。相当膨大な数に教員数がふえるわけであります。それで、一番初めに文部大臣にこの修正案の性格についてお伺いしたのは、いわば、あたりまえのことをお伺いをしたようなわけで、したがって、また、あたりまえのようなお答えがあったわけであります。ただ、心理的にちょっと考えてみますというと、これが、文部省のいわゆる政府案ではなく修正案で、結局これが政府案みたいになってしまったわけですが、ただし、そういう点で文部省のほうで、単に原理原則だけでなくて、原理原則を同時に数の形であらわすわけですから、それについて、文部大臣がそれだけの御用意があるかどうか、いま受田議員の言われたようなそういう趣意に御賛成であると思いますが、これについてこれを実行していくだけの御用意があるかどうかということを大臣からお伺いしたい。
  20. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 先ほどもお答えをいたしましたように、衆議院における修正によりまして、教頭職のあり方についてかなり大きな変更を含む修正があったと、かように理解をしているわけでございます。そうしますと、義務教育学校における教職員の定数標準に関する法律、これを今後どう定めていくかという問題につきましても、これを受けて新しい検討を加えなければならない、かように思っているわけでございます。現在は、各府県ごとの定数法律できめておるわけでございます。その場合に、およそ学校には校長さんは一人いるのだということで、まず校長さんの一人は計算をするわけでございまして、あと教頭さんを含めまして教員の数、何人必要かというような計算のしかたになっておるわけであります。それをむしろ校長さんは一人いる、教頭さんは一人いる、あと教員の方々を含めて何人必要かというような計算をしなければならなくなるんじゃないかな、こんなことも考えているわけでございますが、いずれにいたしましても、法改正の趣旨が定数の上に生かされるように将来、教職員の定数考えていきたい、計算方法を考えていきたい、そして教頭仕事に専念できる体制、それが各学校原則としてとられるように配慮していかなきゃならない、このように考えておるわけでございます。
  21. 松下正寿

    松下正寿君 原則論としてはわかったんですが具体的に、そういう法案が提出されて実行されるのは、今国会というわけにはいかぬと思いますがいつごろという御予定になっておりますか。
  22. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 従来、教職員の定数を五年ごとに改善をしてまいりました。今回国会法案を提出させていただきましたのは、四十九年から五年間にわたってこのように定数を改めたいんですがということで、計画を立て、提案させていただいたわけでございます。しかし、こういう問題が起こってきたわけでございますので、文部省としては、この五年の間にも、できるだけ早く教頭職をある程度一そうふやせるような改善方法を考えなければならないんじゃないだろうか、こう思っているわけでございまして、具体的な要領につきましては、法案成立の暁に、財政当局との間の話し合いも始めてみたいものだと、こう思っておるわけでございます。
  23. 松下正寿

    松下正寿君 大臣にちょっとあとまだ二、三ごめんどうでも御答弁願いたいのですが、その次に予算措置ですが、これについてもごめんどうでもひとつ御両所から――文部大臣にもお答え願いたいですが、初めに受田議員から予算措置についてどういうふうにお考えになっておりますか。
  24. 受田新吉

    衆議院議員受田新吉君) 予算のまだ計数的な算出をしておらないわけでございますが、いまの教頭専任化ということに伴う当然の定数増、それは予算との関係数字を出せば文部当局にもあると思いますけれども、少なくとも、いま人材確保法案で処遇改善がされた、そして、それにさらに、毎年公務員給与の引き上げ予想額というものを五%程度計算したと同じように、文部省も毎年五彩程度の教職員の給与費の増を見込んでおるわけでございます。これは別ワクに三万八千の教頭を全部認める場合と、いまのような時間数などを計算してやる場合と違うわけですが、私のほうは別ワク、つまり、教頭の数を別ワクとして定員化をはかるという要望をしておるわけでございまするので、その線からの数字はまだつまびらかに修正案提案者としては用意されておりません。この点、文部省のほうから、いまのような教頭担当する時間を計算したものは出ておるようでございます。一般教員の二分の一の一週間あたり授業時間の計算からいく数字というものは、一応試案を用意してあるようでございますが、私から教職員の定数の中に教頭職を全員別ワク計算とする立場の資料をまだ用意してありませんので、その点はお許しを願いたいと思います。  それから、いまお尋ねになられたことで、ちょっと補充答弁しておかなければならぬのですが、教頭職を、厳密な管理、監督権の強化という解釈、それは事実的にはそうなってきます。学校教育法の施行規則でうたった教頭職務から、学校教育法法律として校長補佐責任と校務整理責任をうたったわけです。しかし実際に、現場の学校教頭先生は依然として続くわけですし、また、管理職手当を昭和三十五年からもらっておることですし、また、対外的には、教頭として重く見ておられる方々でありますから、別に学校教育法でこの段階から教頭になったんだ、おれは法律による教頭であるぞという管理権をほのめかすような教頭はいないわけです。その点は、全く従来の形が法律に規定する教頭として指定されることになるのでございまして、法律の文章からいえば管理権の強化ということになりますが、実際の運営は、そうした管理、監督権を、この法律施行と同時に急に思い上がるような教頭さんというものは教師等の中にはいないという意味から、学校運営、組織的な体系がすかっとする形に今度なる。今度なるが、その内部の運営は、人間関係で従来の形で運行するものであるというふうに理解をしていただきたいと思います。
  25. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) 松下君の質問に関連質問がございます。二木君。
  26. 二木謙吾

    ○二木謙吾君 私は、受田先生修正案に心から賛成するものであります。教頭を私もやったことがある。それで、校長もやった経験がありますが、教頭を今度管理職で法的に認めるということになるわけでありますが、現在でも教頭というものはおるわけですから、これが管理職になったからといったって、管理統制の権力は非常に強化に相なるものじゃない。私はいまの受田先生の説に全面的に賛成です。やはり学校運営というものは、校長教頭がぴったり腹を合わせて、そうして力を合わせて学校運営をやり、また生徒児童教育に専念をするということが大事であります。教頭というものは、校長一般職員との間に立って、そうして、その連絡係をつとめて、そうして学校運営がほんとうに民主的に正しく行なわれる、こういうことが教頭職の私は大きなる使命であると思う。教頭職を法的に認めたからといったって、管理統制が強化になる、こういうことは私はないと思う。受田先生の説に賛成するのであります。  同時にまた、教頭を別ワクに置くという、この意見にも私は賛成。教頭任務というものは非常に多いのであります。それでありますからこれを別ワクに置く、こういうことは私も賛成。いまの小学校の実情を考えてみましても、学校先生仕事はまことに煩であり、また、いろいろな問題を解決をしていかなければならない。個別指導とかなんとかというのはなかなか困難な状況にあるのであります。それで、教育は、やはり個性を伸ばしていくということが一つの大きな任務である。それについては個別な指導ということもやらなきゃならぬ。そこで、あまり仕事が煩瑣であるからそういうことに手が回らない。それであるから、教頭というものを別ワクに置いて、やはりそれだけ教諭の人数をふやしていく、こういうことが教育の振興なり、また、生徒児童教育に非常な私は効果があると思うのです。で、これには予算を伴うものでありますが、文部省におかれても、ひとつ別ワクに置いて、そうして学校教諭の陣容を充実する、こういうことに一段と御留意を願いたい。早急にこれの案を、いま受田先生からも言われましたとおりに案をまとめてやってもらいたい。そうして初めて私は教頭職任務が完全に遂行されるものである、かように信ずるわけであります。文部省においてもこの点に格別にひとつ御留意を願いたい。これが予算化につとめてもらいたい。お願いをして、関連質問を終わりますが、文部大臣のひとつ御所見を承りたい。
  27. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) いろいろお述べいただきました意見、もっともな意見だと拝聴させていただきました。同時に、また、衆議院段階における修正を通じまして教頭職の定員の増加をはかっていく責任も加わってきている、かように考えておるわけでございます。定数計算します法律改正、すでに衆議院の議決を得まして参議院に送られてきているわけでございますし、予算もそれを前提にしてすでに決定を見ているわけでございます。したがいまして、やはりこの考え方を受けて、もう一歩増員への努力をするということは、五十年度からではないとむずかしいのじゃないだろうか、かように考えておるわけでございます。五年ごとに定数の改善を進めてきているわけでございますけれども、五十年度から、私としては、教頭さんをさらにふやすことへの努力をすべき地位に立たされたと、かように判断をいたしておるわけでございます。いずれ法案が決定を見ました暁には、財政当局とも話し合いを始めていきたいと、かように考えております。
  28. 松下正寿

    松下正寿君 受田議員にお伺いをいたしますがこの教頭法案にはいろいろ疑問があるわけで、私のほうにも質問がくるわけです。ただ、私らの言うことはごく私的なことになるわけですから、この委員会受田議員からはっきりとお伺いをしたいのですが、国立学校教頭地位教頭は一体どういうことになるのか、至って簡単なようですが、はっきりとひとつ御説明をいただきたい。
  29. 受田新吉

    衆議院議員受田新吉君) 国立学校教頭との関係は、これは国立学校教頭は、すでに国立学校設置法の施行規則の規定で、明確に教諭と併任的に、いわばいまのように公立学校のように、教諭が兼ねるものでなくして、教頭、そして教諭という併任措置がとられておるわけです。と同時に国立学校の付属の小、中、高、特殊、養護、そういうものを含めた教頭さんは――そこの校長なるものはその大学の教授が兼ねることになっているわけでございますが、教授は自分の本務もあるわけです、兼務のほうが付属学校でございますので事実問題としては、教頭が明確に校長職務を行なっておる。校長代理の職務を行なっている。そして、俸給の適用も――俸給表も、一般の職員よりも一等級高い地位にある、こういう形になっておりまして、国立学校の附属の諸学校教頭というものは、もう現に独立した任務を持っておる、そういう職務担当者である、この法律の当然対象になるわけでありますが、定員のほうはすでにそういう地位にあるわけでございまするから定員増は要らないわけで、このままでよいと、こういう形です。
  30. 松下正寿

    松下正寿君 もう二つほど、受田議員にお伺いをしてやめようと思いますが、今度、衆議院の採決に附帯決議が行なわれたわけですが、あの趣意をひとつ簡単に受田議員から御説明を願いたいと思うのです。
  31. 受田新吉

    衆議院議員受田新吉君) この附帯決議は、私たちのほうで提案し、自民党共同提案で採決された決議でございますが、 「一 本案第二十八条第十二項の規定の運用については、過密及び過疎地域等の教育水準が低下することのないよう限定された場合に適用すること。  二 養護教諭及び事務職員は、できる限り早い機会に各学校に必置するよう政府は格別の努力をすること。   右決議する。」 最初の規定については、これは別に特に取り上げるまでもない過密過疎地帯教育水準を守るため、水準の低下を防止するためのそういう措置としての規定でございます。二番目のほうの場合は、これはちょっと私たち味わいがある問題だと思っているわけです。「養護教諭及び事務職員は、できる限り早い機会に各学校に必置するよう政府は格別の努力をすること。」現にこの養護教諭及び事務職員は、それぞれ相当数の定数定数法にも明記してあります。けれども、それは各学校一校一人ずつというところにははるかにかけ離れた低水準にあるわけです。それで、これを各学校に必ず養護教諭事務職員はせめて一人ずつは必置するようにという決議をしたわけです。特にこの事務職員、これは軽視されてきた傾向があるのですけれども、この事務職員の存在は、一般教育をつかさどる職員にとっても非常に貴重であって、学校運営の基礎に貢献することまことに顕著な職種である。事務処理が能率があがることによって学校教育効果が倍加するわけでございまするので、山間僻地にも、また島にも、そうした小さな学校にも事務職員がおって、地域社会の教育関係する事務もあわせて担当してもらう。また、養護教諭というのは、これはわれわれとしたら、やっぱり生命の源泉である、子供の養護をつかさどるお仕事のほかに、地域社会にも養護任務をもって貢献できる職種である。特に五十人とか百人とかいう小さな離れた部落など、一里も二里も離れたところにある学校などでは、学校のある部落全体が隔遠地である。お医者さんもいない。そうした僻地にはお医者さんも希望しない、療養所もない、診療所もない。そういうところに養護教諭が必ず派遣されて、職務に当たってもらうことによって、小さな病気の手当て、ちょっとした傷、そういうものは、その養護教諭があわせて地域社会の人々に奉仕してあげる。いわば、そうした山間僻地で無医村、病気になったらどうしようかという、町の医者へ連れていくまでの過程の暫定措置、ちょっとした止血措置、包帯を巻く、ちょっとした腹痛をなおしてあげるというようなことは、医師法違反ではあるかもしれないが、応急措置としては、当然認められることでございますので、これらの地域に、こうした養護教諭が必ず一人派遣されるようにせよ。こういうことは、その地域から見たならば、ナイチンゲール先生が来たという歓迎を受けると思うんです。日本の各地に、こうした医師のいない不幸な地区にある学校養護教諭がいないところがたくさんある。それをひとつ急いで、養護教諭事務職員はできるだけ早い機会に各学校にこれを置くようにせよという附帯決議でございまして、文部当局もこの決議に共鳴をしてもらっておるわけです。早急にこれを法律の上に明文化するように、そうして実際に地域地域の社会で、社会教育にも、地域社会の住民の保健の上にも、そして人間関係のあたたかい愛情のこもった、地区の学校を中心にして、その地域が国家の一地区としてほんとうに美しい盛り上がりができるように守ってあげる必要があるこれはやっぱり、そうした小さな学校にも、こうした職種の先生がいるんだというだけで地域社会にどんなに安心感を与えるか、潤いを与えるか、私はそれを思ってやみません。武者小路実篤の言をかるまでもなく、「天に星あり、地に花あり、人に愛あり」実篤がそう言うておる。天にまたたく星は非常に美しい、地に咲く花、清らかな花、人間関係のあたたかい愛、そして私の部落に、あの学校に養護の先生ありと、地域社会からあこがれるようなりっぱな学校をつくりたいんですね。そういうことです。
  32. 松下正寿

    松下正寿君 この教頭法が成立しますというと三万八千内外の先生が今度ふえるわけです。けっこうなことだと思いますが、ちょっと心配なのは粗製乱造になりはしないかということがちょっと気になるわけであります。それについて、まず和めに受田議員からお伺いして、その次に、順序尤失してまことに失礼でありますが、初中局長からの御意見を伺って、最後に文部大臣の御意見を円います。  これで、私の質問を終了したいと思います。
  33. 受田新吉

    衆議院議員受田新吉君) 私が初めということでございます。  この教員の採用対策、充足対策、これはもちろん文部省がやるお仕事でございますが、私、修正案を出して、教頭職だけを別ワクで、三万八千という一つの目標を別ワクで措置せよという要望をした修正案提案者でありますので、それなら、その大量の教員、さっき申し上げたような百五十万も四、五年間にふえてくるという状態からいうと、各県八万ないし十万という教員が要るのだということが、この四、五年間に起こるわけです。そうすると、それをどうしたらいいかということについては、別ワク増員計画を提案した修正案の責任者としても注文があるわけです。まあ、去年の免許法の改正で検定試験制度というのができたわけです。これは非常にいいことで、みずからの力で独学で教員の資格を得ようとする、かつてその制度があった、われわれもその制度の恩恵を受けた一人でございますが、確かに人間にはずみのできる道を昨年の免許法の改正で開いたわけです。こういうところで人材が吸収される、刻苦精励の士が、教育に熱情を持った士が、検定制度で生きてくるという道がひとつ開かれた。それから、四年制の大学を出た者には、例の教職課程があって十五単位で、二週間の教育実習を終えて、資格を得られるようになっている。だから、免許獲得の道はずいぶん広範囲にわたって行なわれておるのでございますが、それらの中から人材を吸収していく道をとればいいのでございまして、この問題については、文部省がそうしたりっぱな教育者として適格者をいかに採用するか、すでに人材確保法案等で教職員の給与改善がされつつある。他の職種よりも教職のほうが職務に生きがいを感ずるのだ、聖なる職務であって、同時に、働らく人であるという一つの希望を持ちながら、この世界に飛び込んでくる熱情ある人を迎える道は十分あるわけでございまして、それについては、文部省がひとつ幅広い範囲から人材を確保するためには、免許法の改正等もさらにこれから重ねていきまして、どの社会よりも人材が教育界に集まる、次代を背負う優秀な小国民を養成する国家百年の大計を打ち立てる、そういう重い使命を持った教育者に人材を確保する方法を十分文部省に検討してもらいたい、そのくらいの熱情を持って文部省というお役所は働らいてもらわなければいけぬ役所なんでございますから、この点、特に目を広く全国に向けて、いかに人材が教育界に吸収できるか、それは単に給与の改善だけではなくして、そうして、ほんとうに居ごこちのいい教育の世界というものを目ざして、文部省が教師の養成、そうしてその採用はまた十分基準をきびしくして、人材が確保されるような努力をしてほしいわけでございます。私たちは、そういう意味で、松下さんの御指摘の点、これからの日本の将来に夢を持たせる若き人々を育成するのには、教師そのものがまた夢多き将来を持った有為の人材であって、先生生徒が一体となって、うるわしい学園ができ、その学園がやがて国全体に平和の光を投げかける、こういうふうにして、アジアの一国として伸びゆく国家が、経済大国にのみ力を入れるのではなくして、そうした平和的な、教育的な、文化的なにおいを濃厚にする国家に育てていくべきであるというように、教師の養成をしてほしいと思うのです。私、何回か文部大臣にも申し上げたわけでございまするが、よい教師を得る、いまの松下さんの御要望にこたえるためには、文部行政にひとつ筋を入れてもらいたい。文部大臣自身が、国会開会堅頭に行なわれる総理大臣以下の施政方針演説、大蔵大臣、外務大臣、経済企画庁長官が演説をやる、衆参両院で、文部大臣の演説がない。人づくりの総本山の演説がない。これはむしろ、総理のあとに外務、そうして、そのあとに大蔵、そうして文部――もう経済企画庁長官の演説など要らぬですよ、これは。大蔵大臣と一緒にやればいい。文部大臣の演説をやって、人づくりの根幹を示すぐらいにして、人材確保の本流をひとつ文部行政が歩むようにしてやれば、人材が教育界に幾らでも集まると思うんです。  以上、私の答弁を終わります。
  34. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) ただいま先生が御指摘になりましたように、私どもが一番心配しておりますのは、定数をふやす場合に、いい教員を確保できるかということでございます。幸いにいたしまして、日本の児童生徒の学力の水準は、算数及び理科の国際比較では世界の一流国にひけをとらないということが明らかになっておりますけれども、これは日本の場合には、まだまだ優秀な教員が確保できているからだというふうに、私ども考えておるわけでございます。世界的に見ますと高度の工業国家といわれておりますような国々では、私は教員の質がかなり落ちているんじゃないかと思う。それに比べまして、わが国の教員の資質がなおそれらに比べまして高い。そこにいまの日本の教育の水準が維持できている一番大きな原因があるということでございます。これをもし落とすといたしますと、今後の日本の将来にもかかわるような問題でございまして、ただいまの先生の御指摘はまことにごもっともだというふうに考えるわけでございます。  そこで、すでに衆議院を通りました今度の標準定数法改正におきまして、自然増を加えまして毎年約二万三千名の教員が必要になるわけでございます。ただいま先生指摘になりましたように三万八千名の教頭先生方をまあ、みんな専任にするというふうな方針でまいりますと、約その半分はすでに財源措置をしているわけでございますので、残りの半分の問題があるあるわけでございます。特に小学校の場合だけに限って申しますと、一万人程度の人数になるわけでございまして、これをどのように教員の資質を落とさないで確保するかということは、私どもに課せられました今後の大きな課題だと思います。現在、教員養成学部の卒業者が毎年一万一千名近くあるわけでございますが、これはまあ小学校関係だけに限っておりますけれども、そのうちで、いままでの二万三千人の確保の計画では、九千人ないし九千五百人をそういうところがら補充をする。それから一般大学学部から約二千五百名、それから短期大学、教員の養成機関、そういうところがら四千名、それから過年度の卒業者等、そういうところがら二千人ないし二千五百人、そのほかただいま受田先生から御指摘のございました教員の検定、そういうところがら四千五百人から五千人、五千五百人というふうな期待をいたしているわけでございます。しかし、ただいまお聞きいただきましたように、それでは、まだ不十分な点があるんじゃないかというふうなおそらく御感想をお持ちじゃないかと思われるわけでございまして、その点につきまして、ただいま教員養成大学の拡充等につきましても、いろいろ計画を練っているところであります。御期待に沿いまして優秀な教員が確保されますように、ひとつこの上とも努力をしてまいりたいというふうに考えております。
  35. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 私は、常日ごろ、教育の基本はそのにない手である教師にあると、こう考えておるわけでございます。教育界にりっぱな方々を迎え入れるための努力、これが教育行政をになう者の最大の責任だろうと、こう思っております。いま必要な教頭さんを確保できるかという趣旨でのお尋ねであったように思いますが、私は教頭さんの予備軍といいましょうか、教諭の中から教頭さんのつとまる方、これはもう十分いらっしゃると、こう思っておるわけでございます。いま第二次ベビーブームが始まっているところでございまして、今後特に小学校先生、これがかなり不足ぎみで推移するんじゃないかとたいへん心配をいたしているわけであります。中学校高等学校につきましては、教員の免許状を取られる方々の人数が非常に多いものでございますので、必要な先生方を確保することはそれほど困難ではないだろう。しかし、小学校の場合には、よほど計画を緻密にして進んでいかなければ、適当な方々を教育界に迎え入れるのに困難を来たすのではないかと心配をいたしているわけでございますそういうこともございまして、小学校教員養成課程の定員などは漸次ふやし続けてもきたわけでございますし、また、先ほど受田さんのほうからお話のありましたような法律改正も昨年済ませていただいたところでございますが、やはりいろいろな施策をとりまして、社会が先生を尊敬する、そういう態勢が生まれてくる。もちろん、その前提として、先生方が社会から尊敬されるだけの資質を備えていかなければならないと思うんでございますけれども、教育というものを国民全体の中から重視していく、先生方については特段の敬意を払っていく、そういう社会環境、それが教育界に私は人材を招き入れる基本的な力になるのじゃないだろうかなと、こうも思っているわけでございます。そういう意味合いにおきまして、いろんな角度からの総合的な施策を講じていかなければならない。ただ一つの施策だけで、この問題が解決できるという性格のものではない、こう思っておるわけでございます。そういう意味合いにおきまして、さきには人材を教育界に導き入れる法律をつくっていただきましたし、さらにはまた、定数改善をして、教育現場を快適なものにしていかなければならないと、かように考えますし、あるいはまた海外にもどんどん出て行ってもらう、あるいはまた停年を延長して、安心して教職についていただくということも大切だと思いますし、あるいは予算措置はすでに四十八、九年と一般の公務員よりもかさ上げするものを組ませていただいたわけでございます。そのほか、今後もさらにいろいろな施策を講じながら、御心配いただきましたことにおこたえできるような対策を確立していきたい、こう考えております。あらゆる方法、また、いろんな意見は積極的に各方面から出てまいってきているように思いますので、それらにこたえられるように努力をしていく所存でございます。
  36. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) 御質疑のある方は、続いて御発言を願います。   〔委員長退席、理事斎藤十朗君着席〕
  37. 中村登美

    中村登美君 私は、いろいろの問題を二、三お伺いしたいと思います。  たいへん教頭職法制化が先生方の間で賛否両論というような形になっておりますが、現在の教頭先生方が、授業は実際どのくらい週に受け持っておられるのでございましょうか、それを伺いたいと思います。
  38. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) 最近の正確な調査をいたしますと、さらに、これも時間は減るかと思いますが、私どもが昭和四十四年度に教員の勤務の調査をいたしました場合に、大体小学校の場合には、十時間お持ちになっている方が二四・七%で、これが率としましては一番高い。それから中学校におきましても、同様に十時間持っておられる方が三二・四彩で、これが率としては一番高い。それから高等学校の場合には、二十時間程度持っておられる方が二〇彩でございまして、まあ、これが率としては一番高いということになっているわけでございます。  しかしながら、その後に定数の改善が続けられておりますので、この担当時間というのはかなり少なくなってきているのではないかというふうに考えているわけでございます。
  39. 中村登美

    中村登美君 反対なさる先生方の理由の中に、この法案が通ると、教頭先生方負担がたいへん多くなるのでというようなことを申されておるようでございますが、この法案が通った場合に、どのようなことになってまいりますのでしょうか。ほんとうに教頭先生方負担が非常に多くなるというようなことになりますのでしょうか、どうでしょうか、お伺いしたいのでございます。
  40. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) ただいま衆議院で御修正をいただきまして本院に送付をされました修正案によりますと、これは、教頭先生教頭職務に専念をしていただける度合いが非常に高まったように私ども理解をしているわけでございます。そういたしますと、いままで法的にもその地位が明らかでなくて、校長先生先生の間に立って、実質的には職務命令というような形で教頭の発令は受けておりますけれども、教諭をもって充てるというふうな職として精神的にもすっきりしない面がおありになった先生が、この法律が成立することによりましてその地位が明確になる、その権限が明らかになる、その責任も明らかになるということで、本格的に教頭先生としての職に取り組んでいただけるんじゃないかということを期待いたしているわけでございます。この法律案ができまして、教頭先生のお仕事がさらに加重されるというふうなこと、これは教頭先生教頭としての自覚を持ってその教頭職務に専念をしていただく度合いが高まるわけでございますから、そういう意味で、張り切ってやっていただければ当然その仕事もふえると思います。いろんなことを新しい角度からやっていただくというふうな余地が出てくるんじゃないかということを期待はいたしておりますけれども、現実問題として、この法律ができたから教頭先生のお仕事がふえるというふうなことは私はあり得ないことではないかというふうに考えておるわけでございます。   〔理事斎藤十朗君退席、委員長着席〕
  41. 中村登美

    中村登美君 この教頭職が法制化になるということは、学校運営の円滑化、教育効果をあげるためにも、管理体制の強化ということではなく、サービスの充実と申しますか、校長先生の世話役としていくわけでございますから、一人でなく、学校によっては二人ないし三人ぐらいが実際必要なのではないかとも考えられるわけでございますが、これらの問題については、どのようにお考えでございましょうか。
  42. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) いまのところ教頭先生は、私どもで考えておりますのは、お一人を原則として考えておるわけでございます。しかしながら、学校によりましてはお二人おられるところもございますし、これは例外的な場合だと思いますけれども、四人おられるところもあるわけでございます。そういうことで、教頭先生がお一人でなければいけないというふうなことは少しもないわけでございまして、たとえば、指導面と管理面というふうにお分けになって、大きな規模の学校ではお仕事を分担されるということもあり得ることでございます。  それからこれはちょっとよけいなことかもしれませんが、ただいま、戦後民間に職がなくて公務員あるいは先生のほうに就職をされた方がかなりたくさんございまして、公務員の場合には、たとえばひしめく四十代というふうなことも言われておるわけでございます。そういう方々が、そういう公務員あるいは先生のかなりの部分を占めておられる、こういう実態がございます。そういう方々を処遇する道として、一般公務員の場合でございますと、たとえば、課長のほかに参事官でございますとか、それからその上のほうでございますと、審議官でございますとか、いろんな制度をつくりまして、そういう方々の処遇の道を講ずるというふうなことも行なわれておるわけでございます。現在、教頭先生の平均年齢が四十七歳、昔から比べればずいぶん高くなっておる。それは四十代の方がかなりたくさんおられまして、昔ならば四十歳で教頭になられたのが、現在では四十七歳にならないと教頭にならないというふうなことも一面ではあらわしているということで、現在、先生方の一割、あるいはそれ以上を占めますそういう四十代の先生方の処遇をどういうふうに考えていくかというふうなこと、これは教頭職と関連するかどうかは別にいたしまして、そういうふうな方々の優遇の道というものを教頭職と関連して考えるかどうか、これは今後の課題として私ども事務的には頭の中に持っている問題でございます先ほど申し上げましたように、相当規模以上の学校では教頭先生がお二人、あるいはそれ以上おられて学校運営に当たられるということが、学校教育を通じての国民に対するサービスにさらによい結果を与えるというふうなことが明らかになりました場合には、当然それ相応の処置があってしかるべきだというふうにも考えておる次第でございます。
  43. 中村登美

    中村登美君 ただいま先生の中の半数ぐらいが女子教員であるというふうなことも伺っておりますが、そのような意味で、やはりただいま初中局長さんがおっしゃったように、女性にも希望を持たせるというような意味もございまして、女子教頭というようなことも男子の教頭と並んで、女子の教頭先生は女子の先生方をまとめるというような形で将来お考えはございませんでしょうか、いかがでございましょうか。
  44. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) まず数字を申し上げますと、現在、小学校では二万一千九百六十二名の教頭先生がおられるわけでございますが、そのうちで女子の教頭先生は六百二十三名、三%でございますか、その程度でございます。中学校にまいりますと、教頭先生の数が一万百五十六名に対しまして百二十四名ということで一%強でございます。それから高等学校にまいりますと、現在三千五百九十三名の教頭先生のうちで女子の教頭先生が九名ということで、これは一%以下になっておるわけでございます。それから校長先生のほうは、小学校が二万二千二百八十八名の校長先生の中で女子の校長先生が二百五十名、一・一%ぐらいになっております。それから中学校では九千二百六十八名のうちで十三名、〇・一%、それから高等学校では三千百五十六名のうちで三名、〇・一%以下になるわけでございます。そういうことで、校長先生に比べますと、教頭先生の数はその三倍あるいはそれ以上にはなっておるわけでございます。私どもが県の指導課長をしておりますときには、女子の教頭先生あるいは校長先生というのはもうほとんどおられなかったということでございます。全国的にも非常に珍しかったというふうなことでございましたが、年々女子の教頭先生校長先生がおふえになってきておられますことはこれは確かでございます。今後女子の教員がふえてまいりますと、女子の教頭先生あるいは校長先生というふうな責任のあるお立場の方々もふえてまいるのじゃなかろうかと、そういうふうに思うわけでございます。
  45. 中村登美

    中村登美君 現在の教頭先生が病気で一年ぐらい休んだと、あるいは教育委員会からあまり好まれていないというような場合に、たとえば一年ぐらい休んで出てさましたらば、教頭の職を落とされて平教員にされたというような話も聞いておるのですけれども、このような問題についてはいかがでございましょう、お聞きになっておられますでしょうか。  それから教育委員会のおぼしめしがまことに感服しないというような理由で教頭をやっていた方が平教員にされたと、そういう例も聞いておりますのですが、このような病休の場合とかの例をお聞きになっていらっしゃいますでしょうか。
  46. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) いまの法律上のたてまえでは、教頭先生は、これは都道府県の教育委員会が任命をするということではございませんで市町村の教育委員会職務命令として命ずるという乞うなたてまえになっておるわけでございます。したがいまして、これが教頭先生をはずされたから、これは不利益処分になるかどうかということになりますと、現在の解釈では、不利益処分にならないんじゃないかというふうなことが言われているわけでございます。したがいまして、御病気で長くお休みになっておられますと、これは教頭先生をはずされましても、不利益な処分を受けたということにならないわけでございますから、まあ、そういうことでただいま先生が御指摘になりましたようなことが起こり得るわけでございます。しかしながら、このたびの改正法律案が成立いたしますと、今度は職として確定をするわけでございまして、そうなりますと、教頭先生の身分ないしは地位というものが非常に高まる、今度はうかうかと教頭の発令を取り消すなんということはできなくなるというふうなことがあるわけでございます。もちろん、そういう職務についておられないといたしますと、学校運営等も困るわけでございますから、そういう場合には、それ相応の教頭先生の進退も考えていただかなければならないという問題はございますけれども、いままでのようないわば切り捨てごめんといっては語弊がございますが、一方的に教頭先生のお立場を無にするというふうなことはなくなっていくんじゃないかというふうに考えているわけでございます。  それから、まあ、教頭先生教育委員会がお気に召さないからはずしたというふうな問題につきましても、同様な観点からこれは教頭として発令をされれはそれは一種のやはり身分保障的なものになるわけでございますので、そういう意味で、教頭先生地位というものは確立をされるということであろうと思います。  それから、いままででございますと、たとえば小規模学校教頭先生が大規模学校に行かれました場合には、やはり次席、三席ということで教務主任あるいはその他のお仕事をしていただくという場合もそれはあったかもしれません。これは人事管理上ある程度やむを得ない面があるわけでございますけれども、今度は校長先生と同じように教頭先生というものの地位がはっきりいたしますと、人事管理もそれ相応にしていかなければならないということになるんじゃないかというふうに思っております。したがいまして、教頭先生地位というものは、いままでのお仕事の御苦労に応じたような、即応した、まあ、地位が保障されるということでございますので、そういう意味ではぜひ教頭の職というものを確立していただきたいというふうにお願い申し上げているところでございます。
  47. 中村登美

    中村登美君 そのような事情からも、今度の教頭職の法制化が安心して教頭先生方仕事に徹していただけるというような意味においてもぜひ必要な法案であると存ずるわけでございますが、それから北海道のほうの例でございますが、教育委員会の任命した教頭先生、それから日教組、教員組合で選んだ教頭先生というのが一つの学校で二人対立いたしまして、一般の職員が、その日教組側の先生から選んだ教頭と申しますか、についていて、教育委員会が任命した教頭の言うことを全然聞かないというような現実の問題が北海道に幾つかの学校であるように聞いております。校長は中に入って教員への意思の伝達をどちらを通してすべきかということに非常に苦慮しておられるわけでございます。このような問題を大臣、お聞きになっておられますでしょうか。
  48. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) いまのような混乱が教育現場に起こっているわけでございまして、また、そういう教育現場の混乱から教頭職法制化をぜひしてほしいと一番強く最初に主張されたのが教頭先生方であったということを聞かされているわけでございます。日教組のほうでは、職員会議決議機関化、これを運動方針にあげておられるわけであります。職員会議が決議機関だと、そして校長さんや教育委員会などの正当な権限を排除していく。私から申し上げますと組合管理をねらってるんじゃないかという疑問を持つわけでございます、したがいまして、校務の分掌も職員会議がきめるんだ、校長さんの権限じゃないんだと、こういう態度をとっておられるわけでございます。そこから教頭職公選というような主張が生まれてきているわけであります。職員会議で教頭さんをきめるこの教頭さんがほんとうの教頭さんだということのようでございます。したがいまして、教育委員会からきめられてまいった教頭さん、地域によりましては先生方の中に教頭さんの席もある、教育委員会できめられた教頭さんの席を校長室へ押し返してしまう、夜校長室からまた一般先生のところへ戻す、そうすると翌朝また一般先生方の席からその任命の教頭さんの席を校長室へ押し返す、こういうようなことを繰り返しておられる学校もあるそうでございます。あるいはまた、任命された教頭さんについては口をきかない、いやがらせをやるというようなこともあったりするわけでございまして、そういう事態から考えると、やっぱり法律できめてください、そうすると、職員会議がきめるんだ、公選するんだというような問題も起こらないし、教頭さんの職というものが国会において定められるということになりますとそれだけの重みを持ってくるということにもなるわけでございます。そういう意味で、教頭さんの方々が一番最初に強く主張されたと、こう伺っているわけでございます。その次に強い主張をされてまいりましたのは、校長先生方だそうでございます。校長を助ける者が教頭であるにかかわらず教頭さんがそういうことであって、なかなか校長さんを助けにい姿に置かれちまってる、だからほんとに助けてくれるような教頭さんになってもらうためには、教頭さんをやっぱり国会において法律できめてもらいたいんだということであったようでございます。制度的には、学校教育法の施行規則で教頭さんを教員のうちから定めることになっておるわけでございますし、すでに管理職手当も支給されておるわけでございますし、そこにはちゃんと校長を助けるんだということも書かれておるわけであります。しかしながら、いまのような問題からだんだんと強い主張が出てまいりましたし、同時にまた、文部省として考えましても、教頭さんの管理職としての仕事が非常に多くなってきている。教頭さんが新任の先生方指導していかなきゃならない、こういう仕事もなかなか手数のかかることのようでございます。時間を食うことのようでございます。そのほか企画とか管理とか、いわゆる管理職としての仕事も非常に多くなってきているわけでございますので、教員のうちから選ぶんじゃなくって、教頭という職を法定をしようと、こういう考え方で今回の提案になっているわけでございます。だいへんに残念なことでございますけれども、教育現場の混乱が御指摘のように起こってるようでございます。いまお話もございましたが、管理強化、だから教育現場がすさんだものになるんだと、こんなものの考え方をされます。私たちは管理適正化と、こう言っているわけであります。管理を適正にすることによって教育効果があがってくる、校内が潤いのある教育現場になってくる、ものの言いようだと、こう思いますけれども、そういう対立めいたことになってるようでございます。かつて筑波大学法案が、私たちは管理の適正化、適正にすることによって学問の自由を守ることができるんだ、学長さんも副学長さんも、みな学校が選ぶんですよ、ほかの大学と一つも変わりはないんですよと、こう申し上げてまいりました。それを反対する方々は管理強化だ、学問の自由を奪うんだ、全く正反対の結論に持っていかれるわけであります。私たち教頭さんを法制化することによりまして、潤いのある教育現場を取り戻したいんです。それを逆に教育現場がすさんだものになるんだと、こうおっしゃるわけであります。なぜならば管理強化だと、こうおっしゃるんであります。私たちは管理を適正にするんだと、やっぱり学校にはたくさんの人たちがつとめておられるわけでご、ざいますから、それぞれ責任を分かち合う体制が必要でございます。そして協力をし合うということでございまして、校長さんと一般先生方との間の媒体にも教頭さんはおなりになるでございましょうし、また、教頭さんは一般先生方の中に入っていって指導的な役割りもなさるだろうと思うのであります。また、よい企画もそこから生まれてくることも期待できる、教育効果があがってくる、こう考えるわけでございまして、どうも同じことを考えてまいりましても逆なほうの結論に持っていって反対をされたりする、たいへん残念ないまの姿だと、かように考えているところでございまして、何といいましても、教育現場の潤いを早く取り戻さなきゃならない。これがいまの教育の上で私は最大の課題だと、こう感じながら今日まできておるところでございます。
  49. 中村登美

    中村登美君 いまの問題、初等中等局長はお聞きになっておられましたでしょうか、北海道のような例を。もしお耳に入っておりまして、何かこれらに対して手段を講じられたことがございましょうか、いかがでございましたでしょうか。
  50. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) 教育を進めてまいります上で一番大切なことは、やはり人事管理ということだろうと思います。たとえば、一つの学校に御専門の教科を担当する方が余分におられて、必要とする教科を担当される方が少ないというふうなこと、これが実際に教育効果をあげます場合に一番の支障になるわけでございます。そういう意味で、私ども人事主管課長会議等がございました場合には、人事の管理の適正化ということを口がすっぱくなるほど毎度申し上げているわけでございまして、まあ、いい先生を得るということも大切でございますけれども、その先生方のそれぞれのその能力を生かしていくということ、これは人為的にある程度できるわけでございますから、そういうことが一番大切だということを申しているわけでございます。  ただいま先生が御指摘になりましたようなこと、これも、その実際の教育を遂行してまいります場合の一番支障になる問題の一つであろうと、私ども考えまして、前々から大臣からも申し上げましたように、この問題につきましては心配をしてまいりました。教職員団体とか職員会議、そういうものが人事に干渉するということは本来あり得ないことでございます。そういうことになりました場合には、これは教育そのものが破壊をされてしまうというふうなきわめて重大なことでございますので、そういう職員団体が人事にいろいろ干渉するというようなことがあっては、これは職員団体の発展自体にも非常に大きな問題のあるところでございます。ともかく、人事権というのは、これは都道府県の教育委員会原則として持っているわけでございまして、文部省といえども人事につきましては慎重の上にも慎重な態度で臨んでいるわけでございまして、そういう意味におきまして具体的に個々の人事等につきましては、私どもは、もうできるだけ口を差しはさまないようにいままでもっとめてきたつもりでございます。人事というのは、これは権限のある者におまかせをして、そこで最良の判断をしていただくということが大切でございまして、それに対しましてほかの目的をもって職員団体等が人事に介入するというふうなこと、これはもうあってはなりませんし、あることによって先ほども申し上げましたように教育に重大な影響を与えるということを十分自覚をしていただきたいという、そういう意味で、私どもは、そういう人事の担当者に対しましても、また、職員団体等に対しましても、それを是正するように従来からも指導してまいりましたし、これからも万一そういうふうな事態が続くようでございましたら、それに対しましては、その是正につきまして最善の努力をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  51. 中村登美

    中村登美君 ちょっと問題が違いますのですけども、いま日本の食糧の危機など申されております。いまの子供が成長した時分などに、そういったときが訪れるのではないかという考え方もございますし、かつての日本民族の伝統の美しさというものなども、農業ということを無視しては考えられない日本の過去であったと思うのでございますが、その農業問題を初等また中学程度でどのようにいま取り上げて子供指導しておりますでしょうか、お伺いしたいと思います。
  52. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) 農業につきましては、これは農業に携わられる方々の人数がずっと減ってきておるというふうな事態がございまして、日本が戦後大きく高度工業国家とでも申しますか、まあ、そういうものに転換をしてまいったというそういうまあ事実はございます。しかしながら、農業というのが日本のまだ基幹的な産業の一つであると、また、非常に重要な産業の一つであるということは、これは間違いのない事実でございます。また最近、ただいま御指摘もございましたように、食糧の問題が特に大きく問題になってまいりました。食糧の自給というふうな問題が浮かび上がってまいったわけでございまして、私どもも新たな事態に即しましてそういう農業の問題につきましては認識を新たにして、これに対処する必要があるというふうな考えでございます。  現在、御案内のとおり、高等学校では農業につきましてはまあ各県に農業に関する職業高校、単科ができてきておるわけでございますけれども、私どもは、その農業の比重が下がってまいりましたときにも、やはりその基幹的な産業としての農業というものの重要性にかんがみまして、農業の自営者といいますか、そういう者の後継者を育出するという意味で、農業高等学校につきまして、その質的な転換をはかるというふうなことをやってきたわけでございます。それからまた、御案内のように、各県にそれぞれ大学があるわけでございますけれども、そこでも農学部が必ずございまして、農業に関する研究、そういうものは不断に続けられてまいってきたわけでございます。それが、日本の農業の質的なかなり高い水準を維持してきた原因であろうというふうに考えるわけでございます。  そういうふうにいたしまして、農業の自営者の養成等につきましては、具体的にそういうふうなことをしてまいったわけでございますけれども、さらに小学校中学校におきましてどういうふうな教育をしてきたかということでございますが、まず第一は、生命のあるものの、生命の尊重と申しますか、そういう立場から、植物とか動物とか、そういうものにつきましてその生命を尊重する、いつくしむというふうな態度で、低学年におきましては、特にそういう生きもの、植物を含めました生物というものを大事にする、かわいがる、そういうふうな指導をしてまいりました。まあ、一般的に生命の尊重と申しますか、そういう立場で農業の問題につきましても対処をしてきたわけでございます。また高学年、さらに中学校高等学校になりますと、いろいろ産業の問題につきまして社会科等で取り上げて教えているわけでございまして、その際には、産業としての農業というものについての理解を深めると、そういう立場から農業につきましても十分いままで指導してきたというふうなことでございます。しかし、ただいま先生指摘になりましたように、少し前は農業というものは、むしろ、その食糧などは輸入をして、そうして工業のほうに力を入れるべきじゃないかというふうな考え方が一時支配的なことがございました。相当有名な経済評論家でも、そういうふうなことを申しておりました。ところが、事態は最近変わってまいったわけでございまして、農業というものが再び見直されてきたというふうなこともあるわけでございます。そういう問題につきましては、私ども、ただいま教育課程審議会で学校教育全般の問題につきましていま見直しをしていただいているということでございます。産業としての農業、あるいは生物としての農作物、そういうものにつきましては、私どもの生活と直接密接な関係のあることでございますし、そういう意味で、ぜひ新しい角度から御検討をいただきたいというふうにも考えているわけでございます。
  53. 中村登美

    中村登美君 まあ、昔は、昔はと申しますとあれですけれども、戦前などは、農業の実習の時間というのがございまして、実際に畑へ出て先生子供が作業をするということがあったわけでございますが、現在は、そのような実習時間というのはどのようになっておりますんでしょうか。
  54. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) 最近では、すべての子供たちが農業の実習をやるというふうなことはなくなりまして、たとえば、農村の地域等でも、クラブ活動等でもやれるようにはなっておりますけれども、あるいは技術・家庭科あたりでも、そういうようなことができるようになっておると思いますが、現在、都会地等で、そういうことをやるということがきわめてむずかしくなっていることは御案内のとおりでございます。ただ、私、個人的に考えますと、やはりいろんな教育というものは、生涯教育としてある程度見直さないといけないんじゃないか。たとえば、高等学校のときに農業科などに行くその希望者というのは少ないんですけれども、農業科にいざお入りになってみられると、またそれを見直して、よかったという人がふえていくというふうな、職業科全般でございますが、そういう傾向もあるわけでございます。たとえば、定年退職された方が、昔、農業の技術に対して関心を持っておられる方は、まあ、老後の楽しみと言っちゃちょっと語弊がございますが生涯教育、趣味というふうな面で、そういう技術というのは私はかなり生きているんじゃないか。ところが、現在の高等学校の普通科などを卒業された方は、一体、本来趣味があればいいですけれども、そういう方々は、一体どうやってそのあとの余生を送っていったらいいか、そういう問題がこれからの一つのやはり大きな問題になるのじゃないかというふうな感じがするわけでございまして、そういう意味じゃ、ほんとうに園芸などができる方、そういう方は、私はある意味では幸福じゃないのかというふうな気がしているわけでございます。そこで、現在高等学校教育につきまして特に見直していただきたいというようなお願いもしているわけでございますけれども、その場合に、現在の普通科のように、何も専門を持たない、あらゆることについて英語とか、国語とか、数学、物理、化学、音楽、体育というふうに一通りのことは全部タッチをしたけれども、しかし、自分がほんとうに得意だという、ほんとうにこれが、この分野に関しては自分は能力を発揮できるんだというふうな分野が一つもないということはいかにもさびしいというふうな気がするわけ石ございます。そういう意味から申しますと、たとえば園芸などは、都会の学校高等学校生徒でも、もしある程度知識があれば、それは一生の間にずいぶんその楽しみもふえていくのじゃないかと、そういう感じもするわけでございまして、何か高等学校で、専門と申しますか、自分の自信のある分野あるいはからだを動かす、あるいは手を動かすというような分野、そういうものを考えていかないと、これから余命がどんどんどんどん延びてまいります。そういうふうなこととの関連で、もっとほんとうに考えなければならない問題じゃないかというふうに思うわけでございます。ただいまのところは、御質問のように、農業関係のことが昔から比べますとずっと少なくなっている、からだを動かす機会というのがずっと少なくなっているということは、ある意味では残念なことでございます。まあ現状と、それから将来、こうあったらどうかというふうな御意見を申し上げたような次第でございます。
  55. 中村登美

    中村登美君 農業の後継者が非常に少なくて困っておる現況等も考えまして、その問題だけではなく、人間的なその潤いと申しますか、先生との触れ合いなどの意味からも、ぜひその農業の実習というのをこれから実施していただけますように教育課程の中へお入れいただけたらと希望するものでございます。  いろいろで、たいへん恐縮なんですけれども、私どものすぐ近くの町に高校がございまして、その高校の先生が、日中にですね、「赤旗」を自分たち父兄のところへ配って歩いているという先生がございますんですが、これらの問題はどのように文部大臣、お考えでございましょうか。
  56. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 先ほどの農業問題、ちょっと一言、こういうふうに努力しておりますということだけつけ加えて申し上げさせていただきます。  農業で一番問題は、自営者が少なくなってくるということじゃないだろうかなという感じがするのでございます。文部省では、そういうこともございまして、自営者を育てていく農業高校にしたい。現在高等学校生徒数の中で、農業関係高等学校生徒数で五彩弱であります。机の上で学んで、農業高校を卒業したんだと、そういう方々がなかなか農業に従事しない、ほかの部門に行ってしまう。やっぱり農業というのは、植物の成長と合わせて自分も活動していく、そういう姿勢が大切である。だから全寮制で農業高校、農業教育をやっていくというようなことで、現在、公立で三十五校あるようでございます。四十九年度は、私立にもそういう高校があるものでございますので、初めて国から補助する道を開かせていただきました。やはり、こういう行き方で農業高校の教育をやっていかなければ、ほんとうに農業に従事してくれる人を育てていくことは困難だと、こう考えておるわけでございまして、公立につきまして、そういうことを奨励してきたわけでありますけれども、私立の高等学校につきましても、別徐国からある程度の助成をするという道を開いたわけでございまして、やはり教育といいましても、将来どういうところに従事するかということによってあり方が変わってくるはずだと、農業のような場合には、やはり植物の成長に合わせて生活をしていくという姿が望ましいんじゃないか、それで一そう愛情というものも生まれてくるだろうし、またほんとうの、農業の実習の話をしておられましたけれども、そういう心得も確立されるのじゃないかなと、こう思っておるところでございます。  先生方政治活動の御指摘がございました。いまお話しのようなことは、政治活動の制限される対象の中に入っているのであります。先生方につきましては、国家公務員の先生もございますし、地方公務員の先生もございます。国立学校先生方は国家公務員でございますので、政治活動の制限は、日本の全地域にわたって制限されているわけであります。同時にまた、その制限に違反した場合には、刑事罰にも問われます。地方公務員は政治活動の制限は所属の地方団体の区域内だけ制限される、したがって、刑事罰の適用はない。しかし、学校先生について、国家公務員の先生と地方公務員の先生との間に違いがあることが混乱を招くと、だから、昭和二十九年でございましたでしょうか、国会改正法案が出されまして、地方公務員であっても、教育公務員は国家公務員である教育公務員の例によるんだとされたわけでございます。したがいまして、先生方であります限り地方公務員でありましても、所属の団体の区域内だけが政治活動を制限されるのではなくて、日本の全域にわたって政治活動が制限される。制限される事項は、いろいろ書いてありますけれども、御指摘の問題は、制限事項になっているわけであります。同時に、それに違反した場合には刑事罰だと、これが政府原案でございまして、それが参議院において刑事罰の適用だけはずしたわけであります。そうなりますと、私は、先生方政治活動の制限違反行為をどの程度やっておられるか、学校の中でありましても、なかなかこれを引き出して行政処分をするということはしにくいものだと思います。学校の外で政治活動やっておられましても、なかなか目につきません。いわんや、所属団体以外の地域で行なわれます場合には目の届きようがありません。だからまた、国家公務員の場合には、政治活動の制限に違反する場合、刑事罰だと、刑事罰だから警察当局が取り締まる、こういうことになるわけであります。でありますから、教育公務員につきましては、政治活動の制限は法律上行なわれているんだけれども、実際取り締まりが行なわれていないというのが現状でございます。でありますから選挙のたびに目に余る選挙運動、政治活動というよりも選挙運動と申し上げたほうがいいと思います、激しさを加えてまいってきているわけであります。そうしますと、これをこのままにしておいていいんだろうかどうだろうかということが一つの大きな研究課題になってくるわけでございまして、そういうこともあって、先般、参議院の予算委員会で総理大臣がこんな問題もあるんだというようなことを指摘されたように承知いたしているわけでございます。ぜひ私は、先生方には社会から尊敬される先生になってほしい、それには社会から何らの指摘も受けないような先生方であってほしいもんだなと、こう思っておるわけでございます。公務員は政治活動を制限されるわけでありますけれども、その公務員の中でも、私は、先生方は特に政治活動については自己規制しなきゃならない職種だと思いますよと、こう申し上げてまいってきております。たとえば、裁判官が政治活動に興味を持つ、だんだん熱が入ってくる、そうしますと、現行法に基づいて裁判しなきゃならないのを、自分なりの考えに基づいていわゆる偏向裁判という弊におちいると思うんです。また、自衛官が政治活動に興味を持つ、熱情を傾ける、武器を持っておりますから、これはたいへんなことになってしまいます。先生方はまた、教育基本法の中に、「学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。」と書いてあるわけであります。学校というのは先生を含んだ学校であります。そうしますと、やっぱり先生方には、政治活動については自己規制していただきたいなと、こう希望を申し上げたいのであります。やっぱり政治活動に特別な興味を持たれて、それに熱情を傾けていかれますと、どうしても特定の考え方を子供さんに強制をする、洗脳しようとすることになりがちであります。やはり児童生徒はもっとからだもでき、知識もでき、客観的な判断力も持つようになってから、自分はどういうような政治的な考え方を支持するかきめていくべきであって、小さいときから私は片寄った教育をしてもらうと、子供の将来のために適正でない、日本の将来のためにも危険だ、こういう考え方をしているわけであります。しかし、不幸なことでございますけれども、先生方の片寄った政治活動がかなり強くなってきているというのが現実の姿でございます。それに対しまして、私は機会あるごとに自粛を求めているということでございます。それだけで足りるのかということが今後の大きな政治課題ではなかろうかと、こう判断をいたしております。
  57. 中村登美

    中村登美君 いま問題は、大臣がおっしゃられましたように、自分の学校の建っている町の、それも父兄のところへ配って歩いたりしてますのでまあ、批判的にちゃんと考えられる父兄は、日中に歩いていてあの先生授業はまさか放棄してはおらぬでしょうがというような程度の批判をするわけですが、だんだん自分の子の担任の先生が持ってきたんだという、何となく親近感を持ってたびたびそのようなことが繰り返されている間に何か慢性になって批判力もなくなってくるというおそろしさを感じるわけでございます。  それから現在の子供が、昔、私ども小さいころは、先生などに会うと、学校で会っても、校外で会っても、直立不動の姿勢をしておじぎをしたものでございます。ただいまは学校の中でもあまりあいさつもしないのが現状のようでございます。それから小学校先生というのは、非常に熱心で――しかられようとたたかれようと、精神的に思い出に残る先生というか、一生を支配してくれるような、印象に残る先生が昔はたくさんにおったものでございます。総理なども小学校先生が現在の自分を何かつくってくれたというようなことをおっしゃるのを聞いたこともございますが、そのような戦前の先生と比べますと、現在の先生子供というのがまことにそのつながりが浅く、人間関係がさびしいものを感じるわけでございます。それはどういうところに原因があるとお思いでございましょうか、大臣の御意見を承ります。
  58. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 一つは、先生方、りっぱな先生方ばかりかということになりますと、やっぱり疑問を感ぜざるを得ない。何といいましても戦後進学率が急上昇いたしました。私は、量的拡大には目ざましいものがあると、こう申しております。自然、量的な拡大が急でありますと質がこれに伴わない。これは一般の場合も例外ではない一思うのであります。昭和二十二年に六三制が発足いたしました。昭和二十二年は全く国土は焼け野原、しかも男子は全部戦場、そして女子もまた勤労動員、その中で義務教育年限三年延長、画期的な政策でございますけれども取り上げられました二十二年中学校一年、二十三年中学校二年、二十四年中学校三年と、校舎を建て進学させたわけでございますから、それだけ先生を採用していかなければならない。十分に中学教育にたえる先生ばかり確保できたんだろうかということになりますと、あの状態の中でそういうことはあり得ないと思うんでありまして、戦前大学へ進む方々が同一年齢層の一彩でありました。現在三三彩であります。そんなに早い間に大学の教授、りっぱな方かばっかり教授にできたんだろうかということにたりますと、ちょっと首をかしげたくなるわけでございます。不幸にしてそういう事態がございました。しかし、この政策はこの政策なりに私は大きな成果をあげたと思います。教育の量的な拡大、それが日本の発展のために大きな役割りを演じたと、こう思います。しかし、いま申し上げましたことを考えますと、何も反省しなくてもいいかということになりますと、やつぱり教育界に人材を招き入れる、りっぱな方々に先生になってもらわなければ教育の実はあがらないんだということは、これはあわせて考えていかなければならない。また、そのための政策も並行してとっていかなければならない。これは今日皆さんたちにもたいへん御苦労いただいております大きな課題だと、また真剣にみんなで努力をしていく、先生方もそういうつもりで御苦労いただいておると思っております。  もう一つの問題は、先生方の権威がなくなっているという意味の御指摘がございました。私は戦後民主化が強調された、これもたいへんそれなりにけっこうなことでございます。あわせて占領軍としては、天皇の権威も否定したい、過去のそういうものに対する権威も否定したい、そして日本がまた団結してきて他国にぶつかってくるような国になっちゃたいへんだという気持ちが私はあったと思うんであります。だから民主化、平等の名のもとに悪平等みたいな政策が私はあおられたきらいがあるような感じがいたします。地方によってでございますけれども、軍政部が、先生が教壇の上でお話をする、先生といえども児童生徒と平等だと、教壇を取っ払え、教壇をはずされた地域もあるのであります。私は、権威というものは、先生がそれなりに内容あるものを備えている、だから児童生徒先生を仰ぎ見るようになってくると思うんです。権威は生まれてくると思うんです。つくられるものじゃないと思うんです。その生まれてくる権威までも先生自身がだんだんと否定してしまう。先生自身が権威を否定してしまって、みずから中身をつくる努力を十分しない。児童生徒先生をそういうものとして尊敬をしない、こういうことも私はあったと思うんでして、これは一例ですけれども。こういう式の占領政策から出た混乱、これも私は教育界がいろんな面において今日苦汁をなめてきていると思います。そういうことも改めていかなければならないと思うんです。戦前は、国家や社会のことを中心に議論いたしました。戦後は、個人の充実を叫んでまいりました。そして、国家とか社会といいますと、すぐ戦争につながるとおっしゃるんです。軍国主義だと、こうおっしゃるんです。やっぱり社会や国が充実しなかったら個人も充実しないんです。国家、社会ばかり言っておったんじゃ間違いですけれども、個人ばかり言っておっても間違いであります。しかし、その辺の混乱、戦争につながるとか、軍国主義化とか、これはやっぱり占領軍の扇動的なものもあった。また、それなりの社会革命を考えておられる人たちの政策にも乗ったいろんな点があると思うんでございますけれども、こういう面でも、私は不幸な混乱を繰り返していると思います。これからほんとうに日本人として将来の日本をどう持っていくのかということをみんなが考えていかなければならない。よそに気がねをしないで、真剣に私は日本人が考えていかなければならない時期に来ているんだと、新しい国をつくっていくそういう気概が必要じゃないか、こんな気持ちを持っているのでございまして、たいへん失礼なことまで申し上げて恐縮でございましたが、お答えにかえさせていただきます。
  59. 中村登美

    中村登美君 ところで、その占領政策によって施されてきました教育が、私どもが考えますと、よかったなという点もあるのですけれども、人間的には非常にマイナスの面もあったように思われますので、ここいら辺で大きく転換を必要としておると存じられますので、それらに対して、文部大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
  60. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) まさにそのとおりでございまして、私はそんなことばがあるのかどうか知りませんけれども、戦後三十年の教育は、戦前戦中の超国家主義の教育の反省の上に立って進められてきた。これからは、過去三十年の超個人主義の教育の反省の上に立って進められていかなければならない、こんなことを言っているわけでございます。超国家主義とか、超個人主義とかいうことばがあるのかどうか知りませんけれども、やはりそういう反省が必要じゃないだろうか、こう考えるわけでございまして、ほんとうにこれから新しい国づくりを始めるぐらいの気概で、過去の行きがかりにとらわれないで努力をしていきたいものだな、こう思っておるところでございます。
  61. 中村登美

    中村登美君 終わります。
  62. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) 続いて御質疑のある方は御発言を願います。
  63. 今泉正二

    ○今泉正二君 私は各委員の方々の、もう重複があるかもしれませんけれども、私も一通り大臣文部省関係の方々に対して質問をいたします。  私は、正当な事柄がそのまますなおに相手に正しく認められれば、世の中はまことに楽でございますけれども、そうとられなくて、ゆがめられて受けとめられる場合が間々あると思います。これは、教育とは関係ございませんが、アメリカの有名な喜劇俳優のチャーリー・チャップリンが、アメリカでチャップリンに似ている人のコンテストがあったので、ひょうきんな彼が、いつもの映画に出ておりますそのままの扮装でそのコンクールに参加いたしましたら、似てないという理由で三等になりました。こういう現実がアメリカにあります。それと教育と何も関係ないようでございますけれども、こちらの思っていることが正しく相手側にとられてない場合は、意見が交差をいたしますし、平行線となりがちであります。日本の家庭では、女の子は贈りものも、人々の配慮も、教育費も、すべて男のほうにいってしまうのをおとなしく傍観していなければならない。ベネディクトが「菊と刀」というものの中で、いまから――私詳しく計算しておりませんが、三十年ぐらい前に書いたのを覚えております。それをいま考えてみますと、女の人も堂々と権利を主張し、教育もそういうことのないようになってきたことは、まことに御同慶にたえません。それについて、私は、教頭を置くということになりました過去の経過も含めまして、その歴史的といいますか、そういうことにつきまして、まず文部当局の、教頭を置くようになった過程を伺って質問の初めにいたしたいと思います。
  64. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) 「教頭」という文字があらわれてまいりましたのは、これは明治十九年に尋常師範学校官制というもの、それから高等師範学校高等中学校東京商業学校官制というふうなものの中に規定がございまして、尋常師範学校官制では「教頭教諭中ヨリ之二兼任シ学校長ノ監督二属シ教務ヲ整理シ教室ノ秩序ヲ保持スルコトヲ掌ル」、それから高等師範学校高等中学校東京商業学校官制では、「教頭教諭ヨリ之二兼任ス  教頭学校長ノ指揮ヲ承ケ教務ヲ整理シ教室ノ秩序ヲ保持スルコトヲ掌ル」というふうな規定があったわけでございます。これはいまの学校段階で申しますと、高等学校、大学、そういうふうな段階のものでございまして、小学校中学校につきましては、明治十九年に小学校令というのができましたが、この小学校令は、わずか十六条でございまして、この中に教員の設置等につきましては規定がなかったわけでございますが、その後、明治二十三年に小学校令が大幅に改正をされまして、九十六条の条文ができたわけでございます。その中に第六章としまして、「小学校長及教員」というふうな規定がございまして、教員につきましては「専科教員」、それから「本科教員」、それから「准教員」、「正教員」、そういうふうな区別をつけております。  それから、この小学校令に基づきまして、教員等の職務及び服務規則は文部大臣が定めるというふうなことになったわけでございまして、明治二十四年の勅令で、「市町村立小学校長及教員名称及待遇」というのがございまして、「小学校長」、それから「高等訓導」、「訓導」、「准訓導」、「授業師」、「准授業師」、そういうふうな教諭にも区別ができたわけでございます。  それから学校長につきましては、「学校長ハ校務ヲ整理シ所属教員ヲ監督スヘシ  学校長ヲ置カサル学校二於テハ首席教員学校長ノ職務ヲ行フヘシ」というふうな規定がございまして、そこに「首席教員」というようなことばが出てくるわけであります。これが小学校令では、教頭の芽ばえがここに出てきておるということも言えるんじゃないかと思うわけでございますけれども、昭和十六年に国民学校令というものが制定されまして、そこに初めて小学校中学校段階では、「教頭」ということばが出てきたわけでございます。その第十五条には、「国民学校ニハ学校長、訓導及養護訓導ヲ置クベシ」、その二項には、「国民学校ニハ教頭及准訓導ヲ置クコトヲ得」というふうな規定ができました。その第十六条には、「学校長ハ奏任官又ハ判任官ノ待遇トス地方長官ノ命ヲ承ケ校務ヲ掌理シ所属職員ヲ監督ス」と。それから「教頭ハ其ノ学校ノ訓導ノ中ヨリ之ヲ補ス学校長ヲ輔佐シ校務ヲ掌ル」。それから十七条に「訓導ハ奏任官又ハ判任官ノ待遇トス学校長ノ命ヲ承ケ児童教育ヲ掌ル  奏任官ノ待遇ト為スコトヲ得ル訓導ハ教頭タルモノ又ハ功績アルモノトス」というふうに、教頭につきまして、その職務権限、それから待遇につきましての新しい規定ができたわけでございます。その際の国民学校令制定ノ要旨というのがございまして、その中で教頭に触れておりますが、それを御紹介いたしますと、「国民学校ノ職員中新二教頭ヲ置クノ制ヲ定メ学校長及教頭ハ訓導ヨリ之ヲ補スルコトトセリ蓋シ国民学校二在リテハ多面的ナル教育ノ内容及施設ヲ全一的二統合スル必要一層切ナルモノアリ特二学級数多キ学校ニアツテ其ノ円滑ヲ期シ且ツ多数職員ノ監督ヲ強化スルタメ学校長ヲ輔佐シテ克ク校務ノ統整二当ラシムルノ要アリコレ教頭ノ制ヲ定メタル所以ナリ而シテ学校長タル訓導ヲ奏任待遇ト為シ得ルノミナラズ教頭タル訓導モ又奏任待遇ト為シ得ルコトトセリ」というふうな説明があるわけでございます。この国民学校令は戦後学校教育法にかわったわけでございますけれども、その際に、教頭というものの職務規定がなくなったわけでございます。これは、この前も国会で御説明申し上げたわけでございますが、おそらくその当時アメリカの占領軍といろいろ相談をしながら教育行政を進めてまいりまして、その際に、教育関係の法令も整備してまいったわけでございますが、アメリカでは教頭という制度はございますことはございますが、しかしながら、五%ぐらいしか実際には置かれてないということで、おそらく学校全般について教頭というものの職務を規定するということが理解できなかったんじゃないかということを申し上げたわけでございますが、ただ、これにつきましては十分な証拠がございませんで、私どもは、そういう推測をしておるという程度にお受け取りをいただきたいと思うわけでございます。  そして、昭和三十二年、学校教育法の施行規則に第二十二条の二という規定を設けまして、そこで現在のような教頭職務に関する規定を設けたわけでございます。それから昭和三十四年には、教頭の管理監督の職務が明らかになりましたもんですから、管理職手当の支給が行なわれました。それから昭和四十年には、正式に管理職員としての指定が行なわれた。人事院規則におきまして、管理監督の職にある者、これを人事院規則で定めました際に、その中に教頭が含まれたわけでございまして、教頭が管理監督の職にあるということが明らかになったわけでございます。  ただ、現在御審議をいただいております学校教育法の一部改正にございますように、法制上一つの職として規定をしその職務権限を明らかにするというふうな点に欠けておったわけでございまして、そういう点につきまして、今回、学校教育法の一部改正法律案国会に御提出申し上げまして、ただいま御審議をいただいておるという段階でございます。  少し長くなりましたが、過去の経過はそんなようなものでございます。
  65. 今泉正二

    ○今泉正二君 私も文教委員会一度も休まずに――あたりまえでございますが――ずっと各党の御意見も、御答弁も、もう暗記するぐらい、重複している分もありますので、私がどっかの国へ行くと文部大臣でかわりにやれるぐらい覚えましたけれども、内容の徹底がなかなか各党行き渡りませんのでいろいろ紛糾を続けながら今日に至っておりますが、それを総合いたしますと、教頭は一等級つまり校長と同じ等級に格づけしたいというように私は受け取っておりますが、大臣は人事院に対しましてどのような勧告といいますか要望をされるおつもりですか、そこのところを明確にお伺いしたいと思います。
  66. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) いわゆる人材確保の法案につきまして当初日教組が反対をされておりました。その反対の理由の中に、五段階給与をねらっているんだ、このまんじゆうには毒が含んでいるんだ、だから反対だということのようでございました。それを伺ってまいりますと、どうも現在は三段階校長さんの俸給表、教諭の俸給表、それから助教諭の俸給表、その中に上級教諭の俸給表と教頭の俸給表二つ加えるんだろうと、こういう臆測のようでございました。また、五段階にすることによって必要以上の競争を教育現場に持ち込んで、教育現場をすさんだものにするという心配のようでございました。そういうこともございまして、私は、人材確保の法案について五段階給与などを考えておりませんよと、教頭職法制化の法案も出しておるけれども、教頭さんの俸給表を別にもう一つつくってくださいというようなことを人事院にお願いする考えも持っておりませんよと、むしろ教頭さんの仕事というのは非常に責任は重いのだ、責任が重いのだから現在は二等級、教諭の俸給表が適用になっておるわけでありますけれども、大きな学校教頭さんでありますとかあるいはまた多年教頭をおつとめになっておる、そういう方々については一等級、校長さんの俸給表を適用したいと思うと、こんなことも申し上げてまいったわけでございます。適当なときにそうしたいと、こう考えながら今日に至っているわけであります。人事院的な感覚から申し上げますと職務の複雑と責任の度合い、そういうこどによって給与はきめるんだから、教頭さんというものが法制化される、そうなってくると、教頭さんの職務の複雑さ、責任の度合いから考えると教諭と同じでは適当でない。だから教頭さんの俸給表をひとつ勧告するかと、こういう気持ちになる可能性はあると思うのであります。先般来ここで人事院の考え方をただしておられる向きもございました。ければならないしかし私は、教頭職法制化ができても、人事院に対して俸給表をひとつつくってくださいというお願いをする考え方を持っていないということでございます。将来先生方の間で、やっぱり俸給表を別に考えたほうがいいのじゃないかということが皆さんたちの間から強い希望として出てくる場合には、またそれをくみ上げて努力をすればいいと思うのであります。できる限り私としては先生方の期待にこたえて努力をしていきたい。先生方が何を期待しておられるか、希望をしておられるかよくわからない。日教組の反対も現実にあるわけでございますので、そういう際には軽々には結論を出したくない。先生たち教育に熱情を傾けられる、傾けやすいような環境をつくることが私の責任だと、こう思っておるものでございますので教頭職法制化ができましても、私としては、人事院に俸給表をつくってくださいということをお願いする意思は持っておりませんと、こう答えてまいりました。衆議院の人材確保法案審議の際には、人事院総裁を置いて、私はこういうことも申し上げたりいたしました。人事院総裁としては、文部大臣としては少し出過ぎたことを言っているなという感じも持っておられたんじゃないかと思います。思いますが、率直なことを私は国会でこういうふうにお答えをさせていただいてるわけでございます。
  67. 今泉正二

    ○今泉正二君 教頭さんの中で現在組合に入っている方もいらっしゃるということを聞いておりさすけれども、今回の法制化並びに現在の管理職手当支給ということに照らし合わせまして、組合の加入というものは認められるべきものではないと私は思いますが、大臣及び関係当局の御答弁をね願いします。
  68. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 現在でも教頭さんは管理職でございますし、管理職手当が支給されておるわけでございますので、管理職の組合とその他の組合とこれははっきり峻別していかなければならない、干渉的なことはお互いに排除していかなければならない、こういうたてまえになっておるわけであります。したがいまして、教頭さんが一般先生方の組合にお入りになりますことは適正な組合ではないということになってくると思います。
  69. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) 現在地方公務員法及び教育公務員特例法には職員団体の規定がございまして、職員団体をつくりまして当局と交渉するというふうな権利も認められているわけでございます。教頭先生は管理職でございますから、教頭先生自体として職員団体をおつくりになるということはできるわけでございまして、その場合に法律上の利益を受けるということがあるわけでございます。しかしながら、もし一般の職員団体、一般教員の方がつくっておられます職員団体の中に管理職である教頭先生がお入りになっておるということは、これはその職員団体が法律上の利益を受けなくなる理由になるわけでございまして、これはただいま大臣から御説明申し上げたとおりでございまして、そういうようなことは普通には考えられないことでございます。しかしながら、教頭先生が職員団体に入っていけないかどうかとなりますと、これはちょっと疑問がございましてまあ、入ることは差しつかえないかもしれません。しかしながら、そういう職員団体はおよそ職員団体としての法の利益は受けないということになるわけでございまして、そういうふうな職員団体がかりにあるといたしました場合に、当局と交渉するというふうな権利というものは失われるわけでございます。したがって、そういうふうなことはあり得ないし、また、法律上もそんなことは考えておらない。もし職員団体をおつくりになるんでしたら、これは管理職である校長先生教頭先生そういう方々が独自に職員団体をおつくりになりましてそうして当局と交渉されると、そういうふうなことはあり得るわけでございますが、ただいま先生のおっしゃいましたようなことがもしかりにあるといたしましたら、これは法の利益を受けることのできないような事態になる。ただ、現実問題として教頭先生から何か寄付を取るとかいうふうなこどがこれはあるかもしれません。また、そういう事態が現実にありました場合に、それはやはり現在の職員団体の趣旨から申しまして、これは誤ったというか、行き過ぎたことでございまして、そういうことは本来あるべきものでない。使用者とそれから職員団体というものはお互いに干渉し合わない、お互いに介入し合わない、お互いにまた利益も与えないということでございまして、何もその相互不介入というのが、両方で干渉し合うということだけじゃなくて、その利益を与えるというふうなこともまたこれは相互の干渉になるわけでございます。そういうふうな当局とそれから職員団体との関係は相互不介入というふうな原則が貫かれるべきでございますし、また、管理職と一般の職員との間には厳格な区別がつけられるというふうなかっこうでございます。その点につきましては、ただいま先生のおっしゃいましたことがもしあるといたしましたら、これはやはりまあいろんな意味での問題だということが言えると思います。
  70. 今泉正二

    ○今泉正二君 教頭の今度は任命について、もういままでもお答えになったと思いますけれども、どのような方式が、たとえば試験制度、推薦制度エトセトラ、いろいろありますけれども、こういう方式に分けて各県の実情はどうなっておりますか。そのいいところ悪いところ、それぞれあると思いますが、そういう点がおわかりでしたらその方法とその結果を聞かしていただきたいと思います。
  71. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) そもそも教員――校長とかそれから教頭にまあ試験制度を実施するかどうか、すべきかどうかというふうな問題はあるわけでございますが、現状を先に申し上げますと現在教頭試験をやっておりますのは二十四県とそれから六つの指定都市、これが教頭試験を実施しておるわけでございます。これ以外の県はしたがって試験制度は実施をしておらないということでございまして、どういうふうな形をとってるかにつきましてはちょっと私ども詳細承知をしておらないのでございますが、まあ教育公務員特例法によりますと、教員の採用はこれは競争試験ではなくて選考によるというふうになってるわけでございます。それは、教員がまあ免許状を持ってるというふうなこともございましょうけれども、また、その職務の特殊性も考慮いたしまして選考というふうな形をとってるわけでありますが、その趣旨から申しますと、教頭につきまして競争試験を行なうというふうなことははたして適当かどうかというふうなことになりますと、これは必ずしも適当であるかどうかという問題があるわけでございます。ただ、多数の教員の中から教頭先生を任命いたします場合に、やはりそのまあ選考等によりますと、まあ一部の方々の御意見が強く反映をしたり、あるいはまた自薦他薦というふうに、任命をゆがめていくというふうな、外部のいろんなまあ圧力と申しますか、いろんな外部の力も加わってくるというふうなこともございまして、まあ、おそらくその教頭につきましても試験制度をとるというふうなこと、つまり公正を確保するとそういう観点から現在教頭につきまして試験が行なわれてるというふうなことではないかと思います。この点につきましては、もちろん公正を確保するという意味では利点があるわけでございますけれども、他面におきましてそれに伴う弊害があるわけでございます。まあ、ふだんほんとうに教頭職に熱を入れてそれに打ち込んでやっていただけるというふうな方が自然にまわりから認められて教頭先生になられるというふうなことがこれは本来一番望ましいわけでございます。しかしながら、それぞれ個人にはうぬぼれと申しますか、自分を高く見るというふうな、高く評価するというふうな、そういう傾向もあるわけでございますから、その自分を高く評価されておられる方は、そういうふうにほんとうにまじめに職務に励んでおられて教頭としての適格者だと第三者が判断をしてもそれに納得しないというふうな場合もこれはございましょうし、そのためにまあいろいろほかの人に頼んで推薦してもらうだとか、そういうふうな弊害もあることはある。しかし、ほんとうに本来の趣旨からいいますと、ほんとうにほかのことにかかずらわずにその職務に専念しておられる方で、ほんとうに教頭さんとして適格な方をまわりの方々が評価をする、任命権者がそれを正確に把握をするということが本来あるべき姿ではないか。しかし、それが現実問題としてはいろいろな障害によって確保できないということのために、公正というものを確保するために試験が行なわれている。まあ、ある意味ではたいへん情けないと申しますか、本来の趣旨から申しますと、そういう選考というふうな考え方が否定されるわけでございますからあまりよくないわけでございますが、現実問題としましては、先ほど申し上げましたように、公平あるいは公正を確保するという見地からそういうような制度が行なわれるということでございます。
  72. 今泉正二

    ○今泉正二君 世の中にやさしいものありませんが、この間そういう話しましたら、よそで。じゃあくびするのは簡単だろうと言った人がありますが、あくびをするんでも、私の知っているメゾソプラノの歌手はあごがはずれるんです。大きいあくびができないというんで、押えてこうあくびする方がいます。ですから、よその方が見てたやすいと思うことでも、本人にとってたいへんだということが間々ありがちでございます。その中でも教育という問題は一番私は人間としてむずかしい問題の一つに入ると思いますが、この間送ってきましたやつを、もちろん私は英語は弱いんで、日本語だけでもやっとでございますから、訳したものを読みましたが、「学校制度改革、学校をマーケットに出せるか」という表題がございまして――ちょっとこれ枝に入りますが、シカゴ大学の経洛学教授の意見ですと、政府が親に証票――これは証書やなんかの証の字に選挙の票の――証票の形で、教育費を一様に支給し、自由に学校を選ばせて、学校を自由マーケットで競争をさせたら、その好きな学校へあまり貧富の差がなく、公正に入れるんじゃないかというようなことを言った大当の先生がいるくらい、いろんな意見が持ち出されるのが教育問題でございます。  で、私のこれから言う学校のほうは、そういうからだのじょうぶな人で自由に選択できる方はとにもかく、私自身のことで恐縮でございますが、私自身は身体障害者でございます。私は八つのときに関節炎をわずらいまして、名前は控えますが、某大学の見立て違いで左足をひざから下切断をするというのを、医者をかえて助かったんでございます。ですから、いっか「朝日ジャーナル」に出ておりましたように、医者の誤診によりましてもう平然と殺人が行なわれているような、あるいは一生取り返しのつかない、ですから、三人ぐらい医者をかえろという名言がジャーナルにも出ておりましたが、私も医者をかえて、八つ上がりの小学校を九つでもう一回上がり直しまして級長になったというふしぎな経歴でございますが、(笑声)これは同じことを二度やりましたから私が級長になってもおかしくないんですが、そのつまり、からだの不自由な方の問題に今度は入りたいと思います。  盲学校、ろうあ学校と、まあ学校の名称につきましてこの間さんざんそういう名前がいいかどうかなんていう御質問がありましたけれども、寄宿舎と寮母のほうの関係についてちょっと観点を変えて伺いたいと思います。ただいま目の不自由な方、耳の不自由な方、またしゃべれない方、そういう養護学校の寄宿舎の設置状況について身体障害者の一人としてお伺いをいたしたいと思います。――突然質問いたしましたので、いろいろ悩ませておりますが。(笑声)
  73. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) 現在盲学校、ろう学校、養護学校の寄宿舎の数は、盲学校が七十六、それからろう学校が百九、それから養護学校が二百八十六と、そういうふうになっておるわけでございます。まあ、養護学校の場合には、御案内のとおり、盲学校やろう学校と違いまして、病院との関連あるいは福祉施設との関連ということを考えたほうがむしろ適切な場合があるわけでございます。たとえば、肢体不自由児の場合でございますと、まあ整肢療護園というふうなものがございまして、その隣に肢体不自由の養護学校をつくる。その間にこう障害物をつくりまして、その障害物を通りながら機能訓練を兼ねて学校に通うというふうな例もあるわけでございます。それから、病弱、虚弱の場合などには、むしろ病院の中に養護学校の分校をつくるということが適切な場合もあるわけでございまして、まあ、必ずしも寄宿舎というふうな方針でいくのが適当であるかどうかというふうな問題もございまして、その点につきましてはまだこれからいろいろ検討しなければならないということがございます。  それからまた、自宅から通える場合には、むしろスクールバスなどを用意いたしまして、そうして身体障害児の方もバスに乗れるようなそういうふうな構造のスクールバスで通っていただく。それから、時間外の生活の場面はまあ家庭にしていただくというふうな場合も考えておる次第でございます。  まあ、いろいろなその障害の状況、程度に応じましてそれに対する対応を考えたらいかがかと、必ずしも寄宿舎で全部やるということが必要ではないのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。ただ、寄宿舎の必要な場合、まあ軽度の――軽度と申しますか、比較的お世話をしやすい方々の場合には寄宿舎でやっていただくということはもちろんあるわけでございます。  まあ、そういう点を考えまして、今後その具体的な例に即しまして対応策を考えてまいりたいというふうに考えております。
  74. 今泉正二

    ○今泉正二君 特殊教育の諸学校におきましては寄宿舎の必要性というものはもう特に強調されていいものだと私は思っておりますが、寄宿舎の設置義務を設けました理由につきまして当局からひとつお伺いしたいと思います。
  75. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) このたびの改正案でこういう特殊教育学校には寄宿舎を原則として設けるというふうな規定を設けまして、これはただいま先生からも御指摘ございましたように、特殊教育につきましては、先ほど申し上げましたような、障害の場合に応じましては病院でございますとか、それから自宅からの通学でございますか、そういうふうなことが必要ではございますけれども、やはりその特殊教育学校には原則として寄宿舎を置くのだということを明らかにしたわけでございます。また、その場合に、やはりその寄宿舎の中で実質的にお子さん方のいろいろな世話をしていただく、ごめんどうを見ていただく、あわせて広い意味教育もしていただくという意味で寮母が必要であるということで、寮母を設置する根拠といたしましても、やはり特殊教育学校においては寄宿舎というものの重要性というものを法令上も認める必要があるという考え方から寄宿舎につきまして規定を設け、あわせて、そこで子供の養護をつかさどるような職員といたしまして寮母というものの規定をさせていただいたということでございます。
  76. 今泉正二

    ○今泉正二君 現在の目の御不自由な方、耳の遠い方、そういう養護学校には現在どの程度の寮母さんが置かれておりますか。
  77. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) 寮母の数でございますが、現在盲学校には千二十四名の寮母の方がおられます。それから、ろう学校につきましては九百八十四名の方々がおられるわけでございます。それから、養護学校につきましては千百八十一名の方々がおられるわけでございます。そのほかに小中高等学校のいわゆる寮にも若干の寮母がおられるわけでございますが、全体としましては三千六百六十九名おられるわけでございますけれどもそのうちの三千名以上が特殊教育の諸学校の寄宿舎に勤務をしておられる、そういう実態でございます。
  78. 今泉正二

    ○今泉正二君 その寮母を置きます基準というのはどういうところにございますか。
  79. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) 寮母の基準につきましては、現在、これから御審議をいただきます公立義務教育学校学級編制及び教職員定数標準に関する法律というもの、それから公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数標準に関する法律と二つの法律に分けまして、小・中学部、それから高等部の寮母についての設置の基準を定めているわけでございます。それから、幼稚部につきましては現在規定がございませんで、現在地方交付税の中で積算をしてきているわけでございますが、幼稚部につきましては、交付税の積算の基礎で、幼児数かける五分の一、つまり幼児五人についてお一人、それから小・中学部につきましてはやはり同じように児童五人についてお一人、ただし肢体不自由児の養護学校につきましては四人についてお一人、それから高等部につきましては生徒数五人についてお一入、それから肢体不自由児につきましては四人についてお一人、大体五人について一人というふうな基準でやっております。ただ非常に規模の小さいところがございますそういうところでは寮母の方々に夜泊まっていただかなければならないということで、大体四交代ができますぐらいのことで、最低八名はどんなに小さな寄宿舎でも確保するというふうに、最低保障と申しますか、最低の寮母の数をきめておるわけでございます。
  80. 今泉正二

    ○今泉正二君 今回出されております標準定数法改正では設置基準がどのような改善に変わって出てまいりますか。寮母さんの今回提出されて去ります標準定数法改正案ではどのような改善になってまいりますか。
  81. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) 寮母につきまして片ただいま申し上げましたように、四交代制ができますようにということが主眼でございまして、義務教育の場合にはいままでと中身は変わっておらないわけでございますが、いままで最低七人の方どんなに小さくても七人の方を保障するということでございましたけれども、やはりそれでは若干無理がございますので、最低八人の方を確保するということにした点が一つございます。  それから、高等部につきましては、現在六人に一人というふうなことでございましたけれども、やはり義務教育と同じようにいたしまして五人に一人、それから肢体不自由児につきましては四人に一人というふうに改めまして、そうして今度御審議を願うということにいたしているわけでございます。
  82. 今泉正二

    ○今泉正二君 寮母さんの資格につきまして今度いろいろ定めるおつもりはございますか、資格というもの。
  83. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) 先生も御案内のとおり、いま厚生省関係のいろんな施設で看護婦さんが非常に足りなくて、実際にベッドはあるんだけれどもその該当の子供さん方のお世話ができないというふうな事態がございます。  看護婦さんの養成につきましては、私どもも高等学校の看護学科の設置等につきまして援助をするというふうなことで、その増員をはかることにつきましては私ども御協力を申し上げているわけでございますけれども、寮母さんにつきましてもやはりそういうふうな医療関係の心得のある方が来ていただくことはもちろん望ましいことでございます。しかしながら、現在までの看護婦の方々の養成の計画、それについては私ども若干疑問を持っておりまして、資格はかなり高くされたわけでございますが、それから正規の学校でというふうに魅力のあるものにするということで努力はされてきたわけでございますけれども、しかし、幾ら資格の高い方がおられましても、資格の高い方が一人おられるよりは資格は低くても十人の方がお世話をしたほうが効率がいいということはこれは当然のことでございます。お世話が行き届くということは当然のことでございます。そういうふうな現在の看護婦さんの不足の状況等を考えますと、寮母の方々につきましてたいへん御苦労願ってお世話を願うわけでございますから、そういうふうな方々を確保して実際の学校教育に支障がないようにするという観点から申しますと、あまり資格をやかましく言うのはいかがかというふうな気持ちを私ども持っているわけでございます。したがいまして、寮母さんにつきまして現在すぐその資格をきめるというふうなことは必ずしも必要じゃないんじゃないか。ほんとうにそういう障害児の方々につきまして理解を持っていただいて熱心にお世話をいただくような方でございましたら、私は、年齢も問わず、それから資格も問わずぜひお願いしたいものだというふうな気持ちのほうが強いわけでございます。もとより、医療的あるいはその教育的な心得のある方、そういう方々がおいでをいただくことが望ましいわけでございます。現在短大出の方も寮母の中には最近おられるわけでございます。そういう意味ではたいへんありがたいことだというふうには考えておりますけれども、しかし、寮母の数をふやす、それから、これから二百校近くの養護学校をふやしていく、義務制にする。そういう中で、ほんとうに熱心に子供さん方に理解を持ってお世話を願う方々を確保するためには、そういう資格につきまして現在とやかく言わないという方針のほうが私は現実にマッチしたような考え方じゃなかろうかというふうに考えているわけでございます。
  84. 今泉正二

    ○今泉正二君 私自身も十数年来、議員になります前から、私は身体障害者のほうの慰問と、自分もわずかなお金でございますが、寄付をさせていただきました。フエルトの帽子だとか――歩いてて廊下でぱたんと倒れる子供がありますので、鉄かぶとではかえってけがするので、フエルトで昔の戦闘帽みたいな――戦闘帽というのも古いですけど、そういう形の帽子をつくって寄付をいたしましたり、NHKも私、六十万ばかり寄付いたしましたが、NHKの受け取りというのはニュースで言ってくれるのが受け取りだなということわかりましたけれども。  そういうことで、相当、国からももちろんですけれども、両者相まって一般の方々の御支援と御理解がないと、宮城まり子さんの「ねむの木学園」のようになかなか実情苦しいのでございます。ですから、何か魅力のある、人材誘致の方法というのを考えませんと、これからその待遇について伺うんですけれども、なかなか人が集まらないんです。おしめなんかももう二十以上になってもおからだが御不自由でおしめを当てている方がいるんです。そのおしめが集まらないんで埼玉県、茨城県、私ども回りましたけれども、個人的に回ったんですけれども、おしめを近所の、近在の農家の方々から供出いただいて、奥さま方が、供出だけでなくてその洗濯したり乾燥したりなんかする。その洗う前と洗ったあとのにおいというものは、私どもも非常に印象深く、これ、えらいことだなということがわかりましたから、その待遇なんかも大幅に改善をしていただくように、厚生省等の問題のからみもありますでしょうけれども、現在はどのぐらいになっておりますか、どういうような待遇でございますか。
  85. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) 寮母につきましてはただいま申し上げましたように特定の資格を定めておらないわけでございますけれども、待遇につきましては高等学校教員の給与の表の中で助教諭の方と同じ表を適用するというふうにしているわけでございますから、私どもとしましては、かなりそういう給与関係の当局も理解をしてくれているというふうに考えるわけでご、ざいます。  それからもう一つは、そういう特殊教育学校の方々につきましては特別の手当を出しております。現在は八%でございますけれども、特別の手当を出しておるわけでございまして、そういう手当の増額、これは今後とも充実していきたいと考えるわけでございます。
  86. 金井元彦

    ○金井元彦君 委員長議事進行について。  本案の質疑を打ち切り、直ちに討論採決に入ることの動議を提出します。   〔「賛成」「反対」と呼ぶ者あり、ぞの他発言する者多く、議場騒然〕
  87. 世耕政隆

    委員長世耕政隆君) ……賛成の方は……願います。……多数と認めます。  討論に入ります。……発言がなければ採決をいたします。……賛成の方は御起立願います。……本案は成立いたしました。……案文については、委員長におまかせ願いたいと思います。これをもって委員会は散会いたします。