運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1974-05-30 第72回国会 参議院 農林水産委員会 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年五月三十日(木曜日)    午後一時二十一分開会     —————————————    委員異動  五月二十二日     辞任         補欠選任      大松 博文君     佐藤  隆君      柴立 芳文君     亀井 善彰君      辻  一彦君     杉原 一雄君  五月二十八日     辞任         補欠選任      高橋雄之助君     大松 博文君      佐藤  隆君     平井 卓志君      梶木 又三君     山下 春江君  五月二十九日     辞任         補欠選任      大松 博文君     高橋雄之助君      山下 春江君     梶木 又三君      平井 卓志君     佐藤  隆君      足鹿  覺君     上田  哲君  五月三十日     辞任         補欠選任      佐藤  隆君     矢野  登君      平泉  渉君     片山 正英君      棚辺 四郎君     塩見 俊二君      堀本 宜実君     源田  実君      上田  哲君     足鹿  覺君      鈴木  強君     神沢  浄君      工藤 良平君     林  虎雄君      —————————————   出席者は左のとおり     委員長         初村滝一郎君     理 事                 梶木 又三君                 高橋雄之助君                 足鹿  覺君                 工藤 良平君                 塩出 啓典君     委 員                 片山 正英君                 田口長治郎君                 棚辺 四郎君                 温水 三郎君                 堀本 宜実君                 神沢  浄君                 鶴園 哲夫君                 塚田 大願君    国務大臣        農 林 大 臣  倉石 忠雄君    政府委員        農林政務次官   山本茂一郎君        食糧庁長官    三善 信二君        林野庁長官    福田 省一君        水産庁長官    内村 良英君    事務局側        常任委員会専門        員        竹中  譲君    説明員        大蔵省関税局輸        出課長      斉藤 盛之君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事辞任及び補欠選任の件 ○農林漁業団体職員共済組合法改正に関する請願  (第四六号)(第五一号)(第九七号)(第一  〇四号)(第一一一号)(第一一二号)(第一  二三号)(第一二四号)(第一二五号)(第一  五五号)(第一五六号)(第二六一号)(第二  六八号)(第三〇二号)(第三四四号)(第三  五一号)(第三八五号)(第三九七号)(第三  九八号)(第四〇三号)(第四二七号)(第四  二八号)(第四四一号)(第四四七号)(第四  六一号)(第四八二号)(第四八四号)(第四  九六号)(第五三九号)(第七六六号)(第七  九七号)(第四六二四号) ○農林年金制度に必要な国庫補助予算確保に関  する請願(第五三号) ○林野公共事業拡充強化に関する請願(第一〇  三号)(第一一八号)(第一五七号)(第一五  八号) ○漁港整備促進等に関する請願(第一二〇号) ○圃場整備通年施行に伴う休耕奨励補助金に関す  る請願(第一四四号) ○児島湾締切り堤防通行無料化問題に関する請願  (第一八七号) ○昭和四十八年産米政府買入れ限度数量の増大に  関する請願(第一九四号) ○昭和四十八年度加工原料乳保証価格及び豚肉標  準価格の再改定に関する請願(第一九五号) ○鶏卵豚肉価格引上げに関する請願(第一九  七号)(第二三二号)(第二三三号)(第二三  四号)(第三〇一号)(第三三五号)(第三三  八号)(第三三九号)(第三四〇号)(第三四  一号)(第三四二号)(第三四三号)(第三八  四号)(第四二〇号)(第五二七号)(第一二  一一号) ○昭和四十八年度畜産物価格等引上げに関する請  願(第三六九号) ○農林年金制度に必要な予算確保に関する請願  (第四六二号)(第五〇二号) ○中国食肉輸入禁止解除に関する請願(第四八一  号) ○農林年金制度に必要な国庫補助予算確保に関す  る請願(第四八九号)(第五〇九号)(第五一  〇号) ○食糧自給体制確立に関する請願(第五八三  号) ○林業収入早期実現措置のため森林担保金融の  改善に関する請願(第五八四号) ○北海道酪農負債整理資金融資促進に関する請  願(第一三三六号) ○昭和四十八年生産者米価に係る追加払い等に関  する請願(第一四一三号) ○農山漁村における有線放送電話育成強化に関  する請願(第一六二〇号)(第一七〇二号)(  第一七〇三号)(第一七〇四号)(第一七〇五  号)(第一七〇六号)(第一七〇七号)(第一  七二三号)(第一七三〇号)(第一七八二号)  (第一七八三号)(第一七八四号)(第一七八  五号)(第一七八六号)(第一七八七号)(第  一七八八号)(第一七八九号)(第一七九〇  号)(第一七九一号)(第一七九二号)(第一  七九三号)(第一七九四号)(第一七九五号)  (第一八三五号)(第一八三六号)(第一八三  七号)(第一八三八号)(第一八五一号)(第  一九三三号)(第一九三四号)(第一九三五  号)(第一九三六号)(第一九三七号)(第一  九三八号)(第一九三九号)(第一九四〇号)  (第一九四一号)(第一九四二号)(第一九四  三号)(第一九四四号)(第一九四五号)(第  一九四六号)(第一九四七号)(第一九七〇  号)(第二〇四〇号)(第二〇四一号)(第二  〇四二号)(第二〇四三号)(第二〇四四号)  (第二〇四五号)(第二〇四六号)(第二〇四  七号)(第二〇四八号)(第二〇四九号)(第  二〇五九号)(第二一〇七号)(第二一〇八  号)(第二一〇九号)(第二一一〇号)(第二  一四〇号)(第二一四一号)(第二一九八号)  (第二一九九号)(第二二〇〇号)(第二二〇  一号)(第二二〇二号)(第二二一九号)(第  二二九九号)(第二三〇〇号)(第二三三二  号)(第二三三三号)(第二三七一号)(第二  四一〇号)(第二四一七号)(第二四三三号)  (第二四四二号)(第二五〇七号)(第二五〇  八号)(第二五一七号)(第二五四六号)(第  二五六〇号)(第二五六一号)(第二五六二  号)(第二六一七号)(第二六一八号)(第二  六五四号)(第二六五五号)(第二六五六号)  (第二六五七号)(第二六五八号)(第二六五  九号)(第二六六〇号)(第二六六一号)(第  二六六二号)(第二六六三号)(第二七一八  号)(第二七六一号)(第二七六二号)(第二  七六三号)(第二七八三号)(第二八一〇号)  (第二  八六七号)(第二八八二号)(第二八九九号)  (第二九六三号)(第二九六四号)(第二九六  五号)(第三〇〇二号)(第三〇八二号)(第  三一〇三号)(第三一〇四号)(第三一六〇  号)(第三一六一号)(第三二三九号)(第三  二八八号)(第三三〇五号)(第三五四九号)  (第三五九七号)(第三六五一号)(第三七二  八号)(第四二七七号)(第四四九一号)(第  四五二四号) ○農地大幅転用方針の撤回に関する請願(第一  六三二号) ○農用地開発公団(仮称)の早期設立に関する請  願(第一六三三号) ○畜産危機突破に関する請願(第一六三七号)(  第一六六七号)(第一七〇八号)(第一七〇九  号)(第一七一〇号)(第一七三一号)(第一  七六八号)(第一八二一号)(第一八四九号)  (第二〇六七号)(第二〇六八号)(第二一五  二号)(第二一五八号) ○農作物を荒らす有害鳥獣の捕獲に関する請願  (第一六七七号) ○農業災害補償法改正に関する請願(第一六七  八号) ○畜産危機打開に関する請願(第一九一二号)(  第一九一三号)(第一九六二号)(第一九八八  号)(第一九八九号)(第一九九六号)(第一  九九七号)(第一九九八号)(第二〇〇六号)  (第二〇〇七号)(第二〇六〇号)(第二〇六  一号)(第二〇六二号)(第二〇六三号)(第  二〇六四号)(第二〇六五号)(第二〇六六  号)(第二〇八〇号)(第二〇八二号)(第二  〇九一号)(第二一二九号)(第二一三〇号)  (第二一三一号)(第二一五一号)(第二一五  九号)(第二一六〇号)(第二一六一号)(第  二一六二号)(第二一六三号)(第二一六四  号)(第二一六五号)(第二一六六号)(第二  一六七号)(第二一六八号)(第二一六九号)  (第二一八八号)(第二一八九号)(第二一九  〇号)(第二一九一号)(第二一九二号)(第  二二一七号)(第二二二二号)(第二二三一  号)(第二二三二号)(第二二三三号)(第二  二三四号)(第二二三五号)(第二二三六号)  (第二二三七号)(第二二六七号)(第二二六  八号)(第二二六九号)(第二三二二号)(第  二三二三号)(第二三五四号)(第二三五五  号)(第二三五六号)(第二三五七号)(第二  三五八号)(第二三五九号)(第二三六〇号)  (第二三六一号)(第二三六二号)(第二三六  三号)(第二三六四号)(第二三六五号)(第  二三六六号)(第二三六七号)(第二三六八  号)(第二三六九号)(第二三九九号)(第二  四〇〇号)(第二四二二号)(第二四二三号)  (第二四二四号)(第二四二五号)(第二五〇  〇号)(第二五〇一号)(第二五〇二号)(第  二五五八号)(第二五五九号)(第二五七六  号)(第二五七七号)(第二六一六号)(第二  六五一号)(第二六八六号)(第二七〇四号)  (第二七七一号)(第二八七二号)(第二八七  三号)(第二九七一号)(第二九八六号)(第  三〇〇〇号)(第三〇〇六号)(第三〇〇七  号)(第三〇八五号)(第三〇八六号)(第三  一〇五号)(第三一二七号)(第三一三〇号)  (第三一六四号)(第三二三七号)(第三三七  五号)(第三五九四号)(第三六一八号) ○畜産物価格の安定に関する請願(第一九七六  号)(第一九九〇号)(第二〇八九号)(第二  一三五号)(第二二一六号)(第二二二三号)  (第二二七〇号)(第二四三五号)(第二五〇  三号)(第二六八五号)(第二七七三号)(第  三〇〇八号)(第三一八三号)(第三二五一  号)(第三六四三号)(第四一二五号)(第四  一六九号)(第四三二四号) ○畜産危機打開に関する請願(第一九七七号)  (第二〇〇一号)(第二〇〇二号)(第二〇〇  三号)(第二〇〇四号)(第二〇〇五号)(第  二〇六九号)(第二〇七〇号)(第二〇七一  号)(第二〇七二号)(第二〇七三号)(第二  〇七四号)(第二〇七五号)(第二〇七六号)  (第二〇七九号)(第二〇八八号)(第二一三  二号)(第二一三三号)(第二一三四号)(第  二一三六号)(第二一三七号)(第二一三八  号)(第二一三九号)(第二一七一号)(第二  一七二号)(第二一七三号)(第二一七四号)  (第二一七五号)(第二一七六号)(第二一八  四号)(第二一八五号)(第二一八六号)(第  二二一五号)(第二二二五号)(第二二二六  号)(第二二三八号)(第二二三九号)(第二  二四〇号)(第二二四一号)(第二二四二号)  (第二二四三号)(第二二四四号)(第二二四  五号)(第二二四六号)(第二二四七号)(第  二二四八号)(第二二七二号)(第二二七三  号)(第二二七四号)(第二二七五号)(第二  二七六号)(第二二七七号)(第二三二四号)  (第二三二五号)(第二三二六号)(第二三四  一号)(第二三四二号)(第二三四三号)(第  二三四四号)(第二三四五号)(第二三四六  号)(第二三四七号)(第二三四八号)(第二  三四九号)(第二三五〇号)(第二三九七号)  (第二四一五号)(第二四一六号)(第二四二  六号)(第二四三四号)(第二五〇四号)(第  二五〇五号)(第二七〇五号)(第二七七四  号)(第二八七一号)(第二九九九号)(第三  〇八四号)(第三一九九号)(第四二四六号) ○飼料値上がり等による畜産危機打開に関する請  願(第一九九九号)(第二〇〇〇号)(第二一  五七号)(第二二七一号)(第二三九八号)(  第二五〇六号)(第二五五五号)(第二六一九  号)(第二七七五号)(第二八〇九号)(第二  八六八号)(第二八六九号)(第二九七〇号) ○飼料値上がり等による畜産危機打開に関する  請願(第二〇〇八号)(第二〇七七号)(第二  一七〇号)(第二一八七号)(第二四九八号)  (第二四九九号)(第二五二三号)(第二五二  四号)(第二五二五号)(第二七〇七号)(第  二七〇八号)(第二七四二号)(第二七七二  号)(第二八〇二号)(第二八〇三号)(第二  八七八号)(第三〇〇四号)(第三一〇二号) ○畜産危機打開対策に関する請願(第二〇〇九  号)(第二二七八号)(第二七一六号) ○畜産危機打開のための緊急対策に関する請願  (第二〇九〇号)(第二二二九号)(第二二三  〇号)(第二三五一号)(第二三五二号)(第  二三五三号)(第三一六二号)(第四三二五  号) ○昭和四十九年度加工原料乳保証価格豚肉安定  基準価格及び鶏卵基準価格大幅引上げ等に関  する請願(第二一二七号)(第二一七八号) ○畜産危機打開のための施策に関する請願(第二  一五六号)(第二二七九号)(第二三四〇号)  (第二四四一号)(第二五四四号)(第二五八  一号)(第二七〇六号)(第二七七〇号)(第  二八七〇号)(第二九七二号)(第三〇〇五  号)(第三〇九〇号)(第三一〇六号)(第三  一六三号)(第三二三八号)(第三二八九号)  (第三二九六号)(第三三七六号) ○畜産危機打開のための諸施策に関する請願(第  二一八三号) ○昭和四十九年度加工原料乳保証価格等引上げ  等に関する請願(第二二二四号)(第二三三四  号)(第二四四〇号)(第二五五六号)(第二  五五七号)(第二六〇九号)(第二六八七号)  (第二七四五号)(第二八八九号)(第二九七  三号)(第二九八七号) ○昭和四十九年産てん菜最低生産者価格に関する  請願(第二三三八号) ○昭和四十九年度加工原料乳保証価格に関する請  願(第二三三九号) ○昭和四十九年度加工原料乳保証価格大幅引上  げ等に関する請願(第二六〇九号) ○畜産経営安定対策に関する請願(第二六九四  号) ○畜産危機突破に関する請願(第二七一〇号)  (第二八〇四号) ○昭和四十九年産生産者米価引上げに関する請  願(第三一一二号) ○農林漁業用資材緊急確保に関する請願(第三  一一三号) ○牛枝肉安定基準価格大幅引上げ等に関する請  願(第三一八二号) ○農業者年金制度改善に関する請願(第三三二  五号) ○農業経営安定に関する請願(第三三二六号) ○農業振興地域整備に関する請願(第三三二七  号) ○養蚕農家経営安定に関する請願(第三五三八  号) ○基本農政確立に関する請願(第三五三九号) ○畜産危機打開緊急対策等に関する請願(第三五  四〇号) ○漁業経営安定のための緊急対策に関する請願  (第三五四一号) ○国有農地等の売払いに関する特別措置法改正に  関する請願(第三六〇二号) ○畜産経営危機突破振興対策に関する請願  (第三八二三号) ○牛の流・早・死産、奇形子牛発生防止対策確  立等に関する請願(第三八二四号) ○畜産農業振興に関する請願(第三九一四号) ○農業用資材確保農業経営安定に関する請願  (第三九四一号) ○食糧国内自給体制確立に関する請願(第四〇  八〇号)(第四四九六号)(第四四九八号)(  第四五四四号)(第四五八九号)(第四五九〇  号)(第四五九一号)(第四六二〇号)(第四  六二三号)(第四六四三号)(第五一四四号)  (第五二二八号)(第五二六四号)(第五二六  五号)(第五二六六号)(第五二六七号)(第  五二六八号)(第五二六九号)(第五二七〇  号)(第五二七五号)(第五二七六号)(第五  三七四号)(第五四七七号) ○農林年金制度改善に関する請願(第四一六八  号)(第四三二六号) ○農業現状克服及び長期安定対策確立による  食糧供給確保に関する請願(第四一七九号) ○農業危機対策に関する請願(第四三九四号) ○畜産経営危機打開に関する請願(第四三九五  号) ○昭和四十九生糸年度における基準糸価引上げ  に関する請願(第四三九七号) ○漁業経営安定確保のための金融措置に関する請  願(第四五二五号) ○昭和四十九年産米政府買価格引上げ等に関  する請願(第四六六四号)(第四六六五号)(  第四六六六号)(第四六六七号)(第四六六八  号)(第四六六九号)(第四六七〇号)(第四  六七一号)(第四六七二号)(第四六七三号)  (第四六七四号)(第四六七五号)(第四六七  六号)(第四六九四号)(第四七〇七号)(第  四七〇八号)(第四七〇九号)(第四七一〇  号)(第四七一一号)(第四七一二号)(第四  七一三号)(第四七一四号)(第四七一五号)  (第四七一六号)(第四七一七号)(第四七一  八号)(第四七三八号)(第四七三九号)(第  四七四〇号)(第四七四二号)(第四七五〇  号)(第四七五一号)(第四七五二号)(第四  七五三号)(第四七五四号)(第四七五五号)  (第四七五六号)(第四七七五号)(第四七七  六号)(第四八二六号)(第四八二七号)(第  四八二八号)(第四八二九号)(第四八三〇  号)(第四八三七号)(第四八三九号)(第四  八四〇号)(第四八六〇号)(第四八六一号)  (第四八六二号)(第四八九〇号)(第四九二  五号)(第四九八七号)(第五〇七九号)(第  五〇八〇号)(第五〇八一号)(第五〇八二  号)(第五〇八三号)(第五〇八四号)(第五  〇八五号)(第五〇八六号)(第五〇八七号)  (第五〇八八号)(第五〇八九号)(第五〇九  〇号)(第五〇九一号)(第五〇九二号)(第  五〇九三号)(第五〇九四号)(第五〇九五  号)(第五〇九六号)(第五〇九七号)(第五  〇九八号)(第五〇九九号)(第五一〇〇号)  (第五一〇一号)(第五一〇二号)(第五一〇  三号)(第五一〇四号)(第五一〇五号)(第  五一〇六号)(第五一〇七号)(第五一〇八  号)(第五一〇九号)(第五一一〇号)(第五  一一一号)(第五一一二号)(第五一一三号)  (第五一一四号)(第五一一五号)(第五一一  六号)(第五一二八号)(第五一二九号)(第  五一四三号)(第五一二九号)(第五二六一  号)(第五二六二号)(第五三六三号)(第五  三六四号)(第五三七七号)(第五五一一号) ○昭和四十九年産米政府買価格引上げ等に関  する請願(第四七四八号)(第四七四九号)(  第五一一八号)(第五一一九号)(第五一二〇  号)(第五一二一号)(第五一二二号) ○優良道産米「ユーカラ」の銘柄指定に関する請  願(第四八一九号) ○農業構造改善のための土地農業的利用促進  に関する請願(第四八二〇号) ○昭和四十九年産米政府買価格引上げ等に  関する請願(五〇〇〇号) ○日本漁業危機に対する緊急救済措置等に関す  る請願(第五二三一号)(第五二三二号)(第  五二三三号)(第五二五三号)(第五二五四  号)(第五二五五号)(第五二五六号)(第五  二五七号)(第五二七一号)(第五二七二号)  (第五二七三号)(第五二七七号)(第五二七  八号)(第五二八三号)(第五二八四号)(第  五二八五号)(第五二八六号)(第五二八七  号)(第五二八八号)(第五二八九号)(第五  二九〇号)(第五二九一号)(第五二九二号)  (第五二九三号)(第五二九四号)(第五二九  五号)(第五三五九号)(第五三六〇号)(第  五三六一号)(第五三六六号)(第五三六七  号)(第五三六八号)(第五三六九号)(第五  四六四号)(第五四六五号)(第五四六六号)  (第五四六七号)(第五四六八号)(第五四六  九号)(第五四七〇号)(第五四七一号)(第  五四七二号)(第五四七三号)(第五四七四  号)(第五四八五号)(第五四八六号)(第五  四八七号)(第五四八八号)(第五四八九号)  (第五四九〇号)(第五四九一号)(第五四九  二号)(第五四九三号) ○農林水産政策に関する調査  (米価問題に関する件)  (漁業関係融資問題に関する件)  (昭和四十九年産米麦価等に関する決議)  (国有林経営に関する件) ○継続調査要求に関する件 ○委員派遣承認要求に関する件     —————————————
  2. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  まず、理事辞任及び補欠選任についておはかりいたします。  鶴園哲夫君から文書をもって、都合により理事辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  ただいまの理事辞任及び委員異動に伴う欠員三名、計四名の理事欠員となっておりますので、この際、理事補欠選任を行ないます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事梶木又三君、高橋雄之助君及び工藤良平君を指名いたします。  なお、欠員一名の選任は後刻行ないます。     —————————————
  5. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 次に、請願第四六号農林漁業団体職員共済組合法改正に関する請願外六百九十九件を議題といたします。  本委員会に付託されております七百件の請願につきまして、先ほど理事会において内容を審査いたしました。  まず、第一〇三号林野公共事業拡充強化に関する請願及び第四八二〇号農業構造改善のための土地農業的利用促進に関する請願についておはかりいたします。  これら二件の請願は、議院会議に付するを要するものとして、内閣に送付するを要するものと決定することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手
  6. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 総員挙手と認めます。よって、これら二件の請願は、全会一致をもって議院会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものと決定いたしました。  次に、請願第四六号外六百九十七件についておはかりいたします。  先ほどの理事会において審査いたしました結果、第一二〇号漁港整備促進等に関する請願外四百八十四件は、議院会議に付するを要するものとして、内閣に送付するを要するものとし、第四六号農林漁業団体職員共済組合法改正に関する請願外二百十二件は保留とすることに意見の一致を見ました  つきましては、理事会審査のとおり決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  9. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 次に、米価問題に関する件を議題とし、これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 工藤良平

    工藤良平君 農林大臣にお伺いをいたしますが、昨日の新聞によりますと、農業団体から農林大臣に対して、米価の引き上げについての要請がなされておったようでありまして、その点について文書の回答が行なわれたようでありますが、これは新聞報道でありますから詳細はわかりませんけれども、新聞報道を拝見いたしますと、農林大臣が、農家の皆さんに対する回答といたしましては、きわめてそっけない御回答のように私は解釈をせざるを得ないわけであります。きわめて遺憾であるように思いますが、この点に対する内容と真意について伺いたいと思いますので、まず冒頭にその点を大臣からお聞きをいたしたいと思います。
  11. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) 申し入れがございまして、それに対するこちらの回答は、「作付前に価格を決めるということは一つの考えであり、それなりの理由はあると思うが、他の農産物の例をみても作付前に価格を決定しているものはむしろ例外的である。米価についても、毎年七月頃に決定するのが通例となっており、一定の算式により一定の期間のデータを用いて算定を行うという米価決定のルールに従い、従来の算定との連続性を保ちつつ、賃金、物価の動向を適正に反映した米価算定を行うためには、決定時期についても、通例に従うことが適当である。」と、これが回答でございます。考え方もこの回答のとおりでありまして、別にそっけないわけではありませんので、気持ちを丁寧に表白いたしておる次第であります。
  12. 工藤良平

    工藤良平君 大臣、私どもは、昨年からことしの春にかけてこの食糧の問題については、各委員の皆さんはずいぶん心配をいたしまして議論をしてまいりました。御承知のように、昨年の当初大豆の値上がりをはじめといたしまして、飼料、小麦とあらゆる農産物が上がりました。そのために、多くの農民の皆さんが、命まで失ったという現実をあなたは知らないはずはないと私は思います。そういう現実を踏まえて特にことしの生産者米価については、いち早く農家の皆さんから、作付前にぜひ米価に対する提示を願いたいという悲壮な要求というものが出たはずであります。私は、この点については、先般田中総理にも決算委員会におきましてその点を強く要請いたしました。これは農政という立場からではなくて、むしろいま米価の問題については農民の人権の問題としてとらえるべきだ、そういう深刻な問題であるということを私は指摘をしてまいりました。おそらく農林大臣がそのことを知らないはずはない、このように考えるのでありますけれども。大臣いまおっしゃるように、確かに米価については、今日までの長い経緯がございます。私もその点は十分承知をいたしております。  しからばお聞きをいたしましょう。過去五年間農林省がどのような数字を提示をし、米価がどのような形で決定をされてきたか、その点に対する理解をひとつ示していただきたい。
  13. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) 米価を決定いたしますのには、もちろん御存じのように米審を開きまして、その米価審議会は、構成は御存じのように生産者の代表も入っておられるし、消費者のお立場の方もおり、また、専門的にそういう問題について検討いたしておる人たちもわずらわして、米価審議会が構成されておるわけでありますが、それに提出いたします資料は、私どものほうで収集をいたし、そして方式は、もうすでにきまっておりますように、生産費所得補償方式ということでありますので、米価決定を願うのに一番近いもろもろのデータを整理いたしまして、御審議の資料に提出するわけであります。  そういうことを考えてみますというと、私どもは、ただいまお話のございましたように、昨年来諸物価が非常に高騰してきております。労働賃金もまた高騰いたしております。労働賃金の算定につきましても、御存じのように、生産者米価に採用いたします賃金は五人以上四百九十九人の一般の製造業の賃金を採用することにいたしております。したがって、そういうようなもののデータの一番近いもの、これはやはり労働省がやっております毎月勤労統計の集計を参考にいたすわけであります。これは、四月末の現時点の数字が出てまいりますのは六月末でありまして、その他のいろいろな資料を採用いたしますにつけても、やはり政府は、一番近いデータを採用いたすということが——むしろ米価決定につきましては、決定に一番近いデータを採用するということが、米をつくっていらっしゃる方に対して一番妥当な親切なやり方ではないかと、こういう考えでやっておるわけでありまして、したがって、そういうことを考えてみますと、やはり七月、例年のごとく七月に入って、そういう新しい資料を提供するということが米審で御審議を願うのにも必要なことではないかと、こういうことを考えておるわけであります。
  14. 工藤良平

    工藤良平君 私が食糧庁長官にお聞きするならばともかくといたしまして、大臣は政治家でございます。今日まで、いまお話のように、例年七月にきめてきたと言われますけれども、過去五年間さかのぼってみましても、六月にきめてきたこともあるわけです、六月の当初に。数字が間に合わないということはないわけであります。もちろんそれはいま上昇を続けておりますから、田中さんがなるべく安定をしたい——近ごろ何か落ちついたということは言っておりますけれども、また上昇傾向にありますから、これはいつまで上がるかわからないんで、どっかで筋を引かなければいかぬ。しかし、農家の皆さんのことしの米の生産における状態は、異常な状態だということをあなたは理解をしているはずだと私は思うんです。そういたしますならば、できるだけ早くこの米価を示してやるということは、ことしの四十九年産の米を、政府の目標どおりに生産をしてもらうという趣旨からいたしましても私は、たいへん重要な問題だと思っているんです。  そういう意味合いから、たとえば過去五年間の農業パリティを見ましても、四十四年に四・二%でありまして、四十五年に八・二——いいですか、四十六年に九・一、四十七年に七・三、こういう傾向で大体四%から最高いきましても九%という状態の中で、比較的、日本の物価というものは、もちろん上昇は続けておりましたけれども、農業パリティは四%から九%の間に落ちついてきた。ことしは、すでに農林省が一月に発表しております数字を見ましても、三〇%近い農業パリティの上昇を示しているということがいわれているわけであります。これは異常と言わなくて何と言いますか。この異常の状態の中で、例年七月にきめたからといって、ことしも、七月になって農家の皆さんに米価を提示する、ということはきわめて不親切であるし、日本の食糧事情を考えますと、後ほど触れますけれども、非常に私は、重大な問題だと思っているわけであります。  しかも、今日まできめてきた米価というものが、それでは計数に基づいてきちんとそのとおりにやられてきたかどうか。あるときは計数よりも低く、あるときは計数よりもさらにさらに大幅に政治的な米価をきめてきたはずであります。計数は一つの目安にはなったかもわからないけれども、形式的な目安にはなったかもわからないけれども、過去、ほとんど全部と言っていいくらいに政治的にきめられてきた。四十八年の米価にいたしましても九・二%という農林省の数字を提示をした。しかし、米価は一六%をこえてきめられたわけであります。それは、過去三年間米価を据え置いてきたという問題もあったでありましょうし、非常に需給が逼迫をしたという状態の中で一六%をこえてきめざるを得なかったという政治的な決断というものがあったわけであります。今年度、異常な農業パリティを一つとってみても、上昇しておるこの状態の中で、なぜ、政治的な決断において早く農家の皆さんにそういう数字を提示できないのか。私は、もちろん、米審を無視し、数字を無視していいということはあり得ないと思いますけれども、異常な状態に対して異常な措置をとることが、私は、政治家としてのとるべき措置ではないか、このように実は考えるわけであります。その点から、過去の例をとりましても、六月の初めにきめたこともあるわけでありますから、それは、私は、大臣、言いわけにしかすぎないと。あなたの農民に対する誠意というものをここで示して、最大限の努力をしてみる、そういう決意というものがいまここでは必要ではないのか、このように思いますが、私の考えに異論がございますか。
  15. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) 別に異論というわけでもありませんが、ただいまのお話は、米価決定のときの心組みのお話とすれば、これは、私も承っておりながらたいへん共感を覚えるところがあるわけであります。そのことは、いわゆる植えつけ前にということと必ずしも一致することにはならないと思うんでありまして、植えつけ云々ということになりますというと、やっぱり苗代をつくる前のこと、苗代をつくるときに、ことしの米価はどうだろうか、ということで苗代をつくる方が、あるいはやめたり、自分で生産の調整をしたりなさるということは、はたしてそういう事情があるだろうかということをも考えてみる必要があるだろうと思います。私どもといたしましては、米が過剰ぎみでありましたとき、そういうときと今日のようなときとは、心組みをやはりある程度変えて考えていかなければならないと思っております。しかしながら、権威ある米価審議会というものに提出する資料というものは、われわれは、どこからつつかれても、正々堂々と説明のできる資料を提出しなければなりません。そういうものが一番整備される時期というのは、先ほど申し上げましたとおりでありますので、その結果、米審の答申が出た上で、ただいま工藤さん御指摘のように、国際的な食糧事情、国内における農業政策全般を考慮いたしまして、また、政府がいろいろ周辺の状況等も御意見を聞いたり判断をした上で決定をすることは、しばしば、例年行なわれておるところであります。が、私ども担当者といたしましては、先ほど申し上げましたように、一番近い資料を提供して、そして、そこで十分委員の方々に御審議を願って得た答申をもって、この答申に対してどういう態度をとるかということは、これは政治的にきめなければならないときもあると思いますが、現状におきましては、やはり、その前段であります米審に提出する資料を整えることに鋭意努力をいたしておるというのが現状でありますので、いろんな事情を考慮いたしてみましてもやはり七月ごろになるんではないかと、こういうふうに考えておる次第であります。
  16. 工藤良平

    工藤良平君 私は、異常な状態にある農家の皆さんが、実際ことし、四十九年産の米をつくる意欲を失うということ、もしもそういうことが事実起こったとするならばたいへんな状態が今年度は後半に起こってくるのではないかということを心配をしているわけです。よろしゅうございますね。過去三年間、四十六年、七年、八年、これの政府の予約限度数量に基づいた買い入れ見込み数量と現実に政府が買い入れた米の間にはかなりの開きがあるようであります。あまり具体的に申し上げましてたいへんな事態が起こると私は責任がありますから、公の席上ではそのことを詰めることはやめましょう。しかし、政府の予定している数量に届かなかったということは、過去三年間の事例を見ても明らかであります。私が一番おそれるのは、いま異常に——米価をきめなければおれらの生活ができないんだ、もういっそやめて都会の出かせぎのほうが手っとり早い、そのほうが生活をする上において緊急の問題だと。こういうことをみんな言っているわけですから、四十九年産の予約限度数量、政府の買い入れ見込み数量が達成できるかどうかということは、きわめて憂慮すべき状態にあるわけです。しかも、十月の消費者米価値上げを前にいたしまして、かなり消費の需要というものは、もちろん他のパンをはじめとしてめん類も上がっておりますから、ぐんぐん上昇の傾向にあるわけです。消費が伸びるという傾向もあります。十月の値上がりを控えて、すでにいろいろな思惑が起こらないという保証はないという現実を見るときに、私は、四十九年産の米をどのようにしてこの植えつけの段階から確保していくかということはきわめて重要な問題だと私は理解をしているわけです。  そういう点を考えてみますときに、確かに形式的にはきちんと計算をし、それを米審にかけ、その米審の答申に基づいてそれを政府がきめるということは、それは筋書きであります。しかし、それを早く、なるべく早くやるということもこれまた、いまの緊急な事態に対する私は、政府としての仕事ではないかと、このように考えるわけであります。あえて七月という設定をする必要はないだろうと思います。できるだけ早く、すみやかにそういう措置を事務的にも進め、農家の皆さんに生産意欲を起こさせるような状態をつくることこそが大臣としての発言ではないかと私は思うのですが、その点についてもう一度お伺いをいたします。
  17. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) ここしばらくずっと米の一人当たり消費量が減退、逓減しておりましたが、昨今、大体その傾向は少なくなってきた、そういう事実はたいへん私どもとしてはけっこうなことだと思っております。むしろ、文部省と交渉いたしまして熱心にわれわれは学童給食等にもパン食以外に米をできるだけ消費してもらうように奨励をいたしておりますし、めん類等に要するものの国内生産の可能なものにつきましても、これは増産を希望するわけでありますが、他の麦につきましても、できるだけ自給度を維持して、そして国内には米食をやると同時に、また輸入いたしておるものの量は、できるだけわが国の中で自給を高めていきたいという方向はとっておりますが米それ自体の消費量がふえていくということは望ましいことでもありますし、そういうことを希望しておるわけであります。  現在の一般的食糧事情等につきましての工藤さんの御意見には私ども全く同感でありますが、米価の、米審を開いて決定をする時期ということにつきましては、やはり私どもがいろいろな角度から検討いたしました結果、例年のとおり、七月のなるべく早い時期に米審を開くということが一番妥当な措置であるということ。しかし、そういう際には、やはり米審でも、現在の状況ももちろん判断の資料にされるでありましょうが、われわれといたしましても、現在の諸般の状況を勘案いたしまして、米の生産者たちの生産意欲を阻害することのないように、全力をあげることは当然われわれの義務である。このように理解しているわけであります。
  18. 工藤良平

    工藤良平君 それでは麦の問題については、これは米の問題とも関連をするわけですけれども、例年六月に大体麦価というものはきめておったわけでありまして、麦の値段がきまりますと、大体、およその目安というのは、米のほうも、私は、いまのような物価の状態でありますと目標は立つと推定をするわけですけれども、麦についてはそれじゃいつごろおきめになりますか。
  19. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) これはきまっておりまして、六月中にきめるわけであります。
  20. 工藤良平

    工藤良平君 六月中といいましても、前とうしろでは一カ月違いがあるわけであります。
  21. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) 毎年のように、六月下旬にしたいと思っております。
  22. 工藤良平

    工藤良平君 米の米価の決定もおそくなる、麦のほうもなかなかきまらない。そういたしますとでは農家の皆さんは一体どうやって生活をし、また、米を植えつけ、生産をすればいいのですか。その点、大臣教えていただけますか。  生産者米価というものは、昨年の春のいろいろな物価のデータを集めて、御承知のように、六月から七月にかけて米審にはかってきめてまいりましたですね。そのきめられたものが昨年の十月から十一月に自主流通米あるいは政府に対して売却をいたしまして所得を得てきました。しかしその後、異常に物価が上昇しました。その異常な物価の上昇の中で、農家の皆さんは蓄積は全くないわけであります。マイナスなんであります。これから農協から肥料や農機具あるいは農薬を買うにいたしましても、全部借金であります。これには金利がつくのであります。そういうような状態で、農家の皆さんに米をつくってくれ、夏までがまんをしてくれ、こういうことで農林大臣、米の生産ができるとお考えでございますか。もしできないとするならば、できないという判断が立つならば、一体それに対してどのような手だてをすればいいのか。あなたがどうしても七月じゃないと米価が間に合わないとするならば、手をこまねいて、こうして見ておればよろしゅうございますか。米が集まりますか。できますか。私はその点を心配するわけでありますが、どうでしょうか。
  23. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) 私どもの判断によりますと、米作農家は大体今日の物価上昇の傾向について察知もいたしておりますし、直接の被害をこうむっておる。これはまあ、農家ばかりではありません、国民全体がそうでありますが、そういうことを、もちろん米価決定にあたりましては、政府は十分判断をいたしておるということの理解は農家の方々は持っておられるはずであります。それぞれの団体等とも、いろいろ陳情がございますごとに意見の交換をいたしておりますが、私どもは、米作農家が従来どおり十分な意欲を持ってやっていただけるものであるという確信を持っておるわけであります。
  24. 工藤良平

    工藤良平君 農家の皆さんが、生産をするということについては確信を持っていらっしゃるということですが、農家の皆さんが、いま米価を明示してくれなければ、政府が預けてある倉庫の米もとめますよ、われわれは、もうがまんができない。これじゃ生産ができない、命つぎができないということを言っているわけです。私さっき申し上げましたけれども、四十六年、七年、八年と、政府の買い入れ目標に対して、現実にどれだけ政府が買い取りをしておりますか。言わなきゃなりませんから言いますけれども、長官どうですか。この三年間をとってみましても、目標どおり買い取っていないわけでしょう。その量はどれくらい下回っておりますか。
  25. 三善信二

    政府委員(三善信二君) 先ほど工藤先生おっしゃいましたように、四十六年、四十七年、これは一方では余り米を生じ、一方では予定どおりに集荷ができなかったということは先生のおっしゃるとおりでございます。四十八年につきましては御承知のように、限度数量の県間調整をやりましたし、そういうことで予定どおりの集荷が確保されるということで、私どもそういう報告を受け、現実にそうなると思っております。ただ、四十六年、四十七年は御承知のように、そういう数量の調整等ができなかった面もありましたので、一方では余り米を生じていたというような事態もあったことは事実でございます。
  26. 工藤良平

    工藤良平君 そのような状態の中で、それじゃことし目標を定めました六百二十万トンという政府の買い入れ目標を達成できるとお思いですか。
  27. 三善信二

    政府委員(三善信二君) ことしの、四十九年度産米につきましては、御承知のように、相当余裕を見て備蓄と申しますか、ランニングストックの量もふやすということで、私ども、県間いろいろ相談をし、予約の配分をしたわけでございますが現在まで私ども、集まってきております状態ではこれは消化はできるし、四十九年度産米は、私はだいじょうぶというふうに現在考えております。
  28. 工藤良平

    工藤良平君 長官もおそらくそれ以上のことはこの公式の場では言えないと私は思います。言ったらたいへんなことになりますからね。私は、これは容易なことではないと思っているわけですよ。容易なことではございません。農家の皆さんに聞いてみなさいよ。政府にはおそらく売らないでしょう。そういうきびしい状態にある。あなた、一ぺんひとつ下のほうにおりて見てください、長官、どのような状態にあるかということを。自分の米を売らないということだけじゃなくて、政府の預けてある米さえも出さないぞと、こういうことをしきりに言っているわけです。そういう現実を踏まえて現状理解をしないと、たいへんな問題が起こりますよということを私は言っているわけです。食糧庁から各県が配給米の割り当てをいただきます。この割り当てにつきましても、かなりきびしい規制をやっているようであります。もちろんそれは、十月に値上げがあるということでありますから、相当きびしい規制をしなければ、先取りが行なわれますとこれはたいへんでありますから、それは私はよろしいと思います。きびしい規制をしていただきたい。それは、政府が目標を確保して初めてそういうことができるんだと私は思うんです。政府の買い入れ量が、きちんと六百二十万トン集まったときに初めてそれは可能であって、それがもしも下回るとするならば、たいへんなパニックが起こるわけであります。それを起こらせないためにも、私は、政府が四十九年産米の六百二十万トンをびっしりと確保するということは、これは至上の命令だろうと思います。それをやらなければたいへんな事態が起こりますから。しかし、事態はもっと深刻な状態にある。——これは、まともな作柄が、そういう状態になったときの話であって、もしもこれが気候の異変等が起こりますと、たいへんな状態が起こるわけです。いますでに、九州あたりでは非常に雨が少なくて干ばつが予想されているわけであります。作付がおそらく相当おくれるのではないかという心配までも出ているわけです。あるいは東北あたりも昨年の降雪が非常に多かったということから、若干田植えがおくれるのではないかということが心配されております。そういう想定をしてまいりますと、事はより深刻でありますので、私は、この問題についてそれ以上深追いしません。  ただ、政府の目標を完全に達成をしていくために、あらゆる手段をこれから講じていただきたいそうしなければ、おそらくこれが食糧庁の命取りになるでありましょうし、農林省自体としてもたいへんな国民の批判を受ける結果になるのではなかろうか。この点については私は特に大臣の政治的な強い決断を要請したいと思います。したがって、どうしてもやむを得ず米価の決定が田植え前にできないとするならば、農家の皆さんに生産を促進をしていくためにどのような措置を講じられるのか、その点に対して早急に私は対策というものを講じていただきたい。これはもちろん最後の手段でありますけれども。この点に対して大臣の私は決断を促したいと思います。
  29. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) たいへん貴重な御意見でございますので、十分そういう御意見を参考にいたしまして対処してまいるつもりであります。
  30. 工藤良平

    工藤良平君 さらに、この問題に加えまして、昨日の新聞によりますと、農地の非常な高騰というものが報道されております。昨年一年間に三〇%をこすほど農地が上昇した。これは農業経営者が経営を拡大するために、その需要に追いつかないために上昇したのではなくして、いわゆる全く外的な要因で農用地の地価の高騰が続いております。これは農業にとりましては非常に憂慮すべき問題だと私は思うわけであります。大臣、そういう点からいたしまして、この問題に対してどのように対処するつもりでございますか。
  31. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) これはひとり農業に限らず、日本経済全体から見まして土地価格の高騰というものはいろいろな意味で非常に災いをなしておるわけでございます。ことに私どもは先年来規模を拡大して他産業に比較してひけをとらないような農業を育成していくということがねらいでありまして、農業を一生懸命やろうとする方にとりましても、地価の高騰は非常にそれの障害をなしておることは御指摘のとおりであります。こういうことにつきましては、今度各党御賛成をいただいて国土計画法というふうなものもできてまいりましたが、私どもといたしましては、御審議を願っております農振法の改正案等思い切った手段を講じまして、規模を拡大して経営の合理化をはかってまいりたい。そういうことにつきまして、一方においては政府全体としては地価の抑制に全力をあげてまいる。こういうことが並行して行なわれる必要があると思って、いずれもそういうっもりで施策を進めておるわけであります。
  32. 工藤良平

    工藤良平君 どうも先ほどから大臣と議論をしておると戦意を喪失するわけでありますが、農地は高騰し、米の生産をしようと思っても、なかなか生産意欲をそがれるような固定観念で、さっきも私言いましたけれども、そっけない御答弁をいただくということではこれは全くこの農業というものに対するわれわれ自身の取り組みがどうも気合いが入らないということになってくるわけであって、大臣、これはいつまでやってみてもしようがないような気がしてきたんですが、そうではなくて、やはりここでもって農業に対する今日まであなたが示してまいりました熱意というものをこの際思い切ってはっきり出していただきたいと思うんですね。そうしなければもう農業はつぶれてしまいますよ。近ごろの報道を見なさい。どんなに農業で騒いでみても、新聞報道なんかでも、隅っこのほうに、ちょっと一段くらいしか載っからならないような、まことにあわれな状態なんです。これがおそらく、ことしの秋あたりに、たいへんな状態が起こってくると、また報道関係も騒ぐでありましょう。これではおそいわけでありますから、その前に、農林省が手だてをする。農家の皆さんと一緒になって生産のための最大の努力をしていくということが私は、必要じゃないかと思うんです。そういう意味合いから、いま言った農地の高騰の問題、あるいは米のいまの生産対策の問題につきましても、思い切ったやはり措置というものをぜひ講じていただきたい。  何か近ごろ、一時、米の飼料化という問題が出ておりましたけれども、それも実はしばらく見合わせようというようなことで、何もかも八方ふさがり。大蔵省からそれはだめだというようなことを言われますと、農林省はそのままついえてしまうということでありますが、私はそうじゃなくて、この際思い切って全体的に生産調整等も一日も早くやめて生産を軌道に乗せる。そのためのやはり米価の決定であり、対策だと、このように実は思っているわけであります。  これ以上責めてみても、どうもこれはあまりいい答弁が出なくて、もう残念でしようがないんですけれども、大臣、一言最後に私、申し上げておきます。いまここにちょっと持ってきましたけれども、これは私、実は大事に持っているんです。この稲は、私が四十四年にソビエトに行ったときに持ち帰ったものです。まだ米をつくり始めて十年しか歴史がないというソビエトで——これは一粒の米ですよ。一粒の稲から出た、十八本か九本ありますけれども、この稲を見まして、これがヘクタール当たり九トン取れるという稲なんです。十年しかたっておりませんよ。折っても軸が折れないんです、これは。日本の稲と違いますよ、折れない。この先についている米を私、持って帰りました。日本のササニシキやそういう米に負けないような米がちゃんとくっついている、九トン取れるという。二千六百年間つくってきた日本の米よりもりっぱな米が大量に取れるという、たった十年の経験しか持たないソビエトで。私は感心してこれを持って帰ったのですが、あとで見ていただきたい。折っても折れないんですよ、この稲は。いいですか。私、ある試験場にこれを持っていきまして、これつくってみてくれと言っておいたんですが、そして、この前三年ぶりに行って聞きましたところが、いや工藤さん、あれは日本のどうも嗜好に合いませんから、もうつくるのやめました、と言うので、私はおこったんです。これはただ単に、優良なササニシキやそういうものと比較するために持って帰ったんじゃないんだと。私はずいぶん以前にこれを持って帰ったんですよ。それはやっぱりできるだけ狭い面積の中から多量の米をつくる。それがもしも食用に向かないとするならば、それは飼料にも向けられるじゃないかということで、私はずっと以前にこういうものを試作さしたわけですけれども、むげに断わられてしまった。非常に残念なことなんです。しかし、いまこのような食糧事情の中で、こういうものが見返される時代になってきた。私はいまだにこれを大事に持っているんです、大臣。  私は、皆さんがそれだけの熱意を持って農業に取り組んでもらいたい。そうすれば、おのずから米価の問題だって一日も早くやはりきめてやろう、そして生産をしてもらおう、ということになるのではないか。そういうことを私は大臣に申し上げたいんです。私の申し上げること、おわかりになりますね。ぜひひとつ大臣、農家の皆さんにそっけない答弁ではなくて、誠心誠意、あなたが、これは政治的な問題ということではなくて、農民の人権的な問題として、あなたが、いま天下に、農家の皆さんに納得できるようなひとつ御発言と誠意を示していただきたい。そういうことを申し上げて、私は、あと鶴園さんがまた米の問題をやるようでありますから、この程度にとどめたいと思いますけれども、ぜひひとつ政治的な発言を期待をしますから、皆さんにおっしゃっていただきたい。
  33. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) いろいろな御意見、私どもも参考として非常に大切な御意見であると承っておりますが、ただ一つ、私と工藤さんとの間にピントの合わない点があるんでありまして、それは私の誤解でなければしあわせでありますが米価を早く決定することが生産意欲を増強していくゆえんだという御意見、それはそれなりにあるかもしれません。私は、いま農林省の責任者として考えますのに、中途はんぱなデータで米価を、米審を開いてきめるということは、十分な計算が出てこないのじゃないか。先ほど工藤さんは、政治的な判断できめるじゃないかというお話でありましたが、やはり政治的な考慮を加えます前には一番近いデータでやることのほうが——その後、経済情勢が非常に流動的でありますので、残念ながら農業用資材等の価格も高騰してきておりますし、賃金も上がってきている。したがって、私の立場といたしましては、できるだけ決定に近い時期のデータを提供して、それが米価に——それならば高くなることをおまえは希望するのかという質問をされますと、私の立場でそんなことは言えませんけれども、生産意欲を増強していただき、食糧供給という大事な立場を守っていただいておられる方々の利益を考えてみるときに、やっぱり私どもの考えが一番親切だと、こういうふうな判断をいたしておるわけでありまして、全く結論は同じでありまして、生産意欲を増強してもらいたい。  ただ一つ、私はいつも考えておることでありますが、生産調整というふうなことがもうすぐ即農業の将来に暗いイメージを与えるようなことがもしずっとあったとすれば、それは私どもにとっては非常に残念なことなんでありまして、そうではないのです。やはりあの当時から、昭和四十二、三年ごろからずっと見ておりまして、過剰ぎみでありましたものを、どのように調整していくかということについて、その当時の状況と需要量とを判断いたしました結果、ああいうことになったのでありますけれども、やはり食糧全体として国民の希望する、必要とする量を確保するということにつきましては、ほかの作物をもあわせて自給度の向上ということは、もう基本的たてまえでありますので——先ほどちょっと財政当局から一喝をくらえばすぐ引き下がるようなお話がありましたが、少なくとも今日の農林省においては、そんなことは全然意に介しておりません。もちろん政府部内でありますから相談はいたしますけれども、農政は農政として私どもはき然たる態度でやっておるのでありまして、率直に申せば、農家の方々に日本の農政の重要な立場を十分理解していただいて、またそのためには、私どもも御意見のように、これからもなおわれわれの考えを十分徹底するように努力いたします。しかも、国際的な立場に立って、一般的に逼迫ぎみである食糧政策につきましては重大な関心をもって最大の努力をいたしてまいるというのが、ひとり農林省だけではございませんで、現在の政府の基本的たてまえであることを、ひとつ率直に披瀝して御了解を得たいと思っております。
  34. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私は、工藤委員に引き続きまして米価の問題とそれから漁業の問題、この二つについていろいろ論議をし、また、お尋ねをしたいと思います。  まず米価ですが、これはいま工藤委員のほうから論議がありましたように、早期決定という問題と、概算払いの問題と、追加払い、この三つについて論議をしたいと思います。  これはもう大臣も御承知のように、ことしはたいへんな年でありまして、ことしに入りまして酪農の危機突破全国大会が開かれますし、さらに畜産農家危機突破の大会が持たれる。あるいは果樹を中心とした全国の危機突破大会が持たれる、さらに米価を中心とした基本農政確立の、農協を中心としたたいへん大きな全国大会が持たれる。あるいは、漁業危機突破するということで、これまたたいへんな全国大会が持たれる、というようなことが連続して行なわれておるわけであります。その目的としますところは、御承知のように、価格政策であります。生産者の価格政策の問題であります。もう一つは、農政の基本を確立をしてもらいたい。この二つが私は中心だと思っております。なぜ、こういう事態になってきたか、ということについては、大臣はじめ農林省もとくと御承知のとおりだと思います。論議をする必要もありません。  そこで、この早期決定でありますが、私は、農協が中心になってこの早期決定ということをきめたということは、たいへん貴重なことじゃないかこう思っておるわけであります。田植えの前にきめている。非常に私は貴重だと思うのです。従来から、農業というのは、農産物をつくる選択権が非常に弱いというところに、農政の大きな欠陥があるといわれてきたわけです。農業のいま中心をなしております、また、価格政策の中心をなしております米について、米の管理、米の統制について、私は早期決定という、こういう決意をするということは、絶好の機会じゃないか。田植えの前に米をきめてやろう。そして、米をつくるか、つくらぬか、その点の選択権を農家に与えよう。こういう私は、本来の農政の姿というものをつくる必要があるというふうに一つは考えております。  もう一つは、農政の一番やはり欠点といいますのは、農家なり農協の意欲というもの、その上に立っていないということであります。可能な限り農協なり農民の強い意欲、その上に農政を打ち立てていく、可能な限りその上に打ち立てていくという必要があると思うのですよ。それでこそ、農政というものが力を得る、こう私は考えておるわけであります。霞が関のあのビルディングの中で鉛筆をなめてみたってしょうがない。よく霞が関農政といわれる。私はそういわれてもしょうがない面があると思っておるのですよ。  ですから、田植えの前に価格をきめるということは、農政上の二つの点からいいまして、私は、この機会こそ政府は決断をすべきではないかと、そう思うのですけれども、先ほどの大臣のお話を聞いておりますというと、過去の経緯がこうであった、ああであったというお話であります。しかし、昨年からの農業事情というもの、あるいは国際的な農業事情というもの、穀類の状況というもの、そしてまた、異常なインフレという状況の中、そういう中で、いまの農家なり農協の強い意欲というものにどうして対応できないのか。対応できていないですよ。ですから、農政を進める上において私はたいへんな欠陥を持っているのじゃないか、変えたって全然おかしくないと私は思います。  よく、国家公務員の賃金の問題なり、〇・三の繰り上げ支給の問題なり等々が引き合いによく出されます。衆議院でも御承知のように、早期決定そうして大幅引き上げを内容といたしました全会一致農林水産委員会における決議が行なわれております。私どもの委員会でも、あとほど同じような趣旨をもった決議を行なおうと思っております。衆議院内閣委員会におきまして、公務員の賃金について決議をいたしました。参議院でも決議をいたしました。それに対応いたしまして、人事院が従来の長い間の、二十数年にわたる勧告方式というものを改めまして、御承知のとおりに本日勧告をいたしました。〇・三の問題についてもそうであります。長年にわたる人事院の勧告様式というものを、国会の決議に基づいて変えたわけです。ですから、私は、いま大臣が従来からの長い間の慣行というものをここでお改めになっても全然おかしくない。それだけではなくて、農家なり、農協の非常な強い意欲というものに対応するという、それが私は農政じゃないでしょうか。参議院選挙のごたごたした間にどうだ、こうだというような話もあるようであります。参議院選挙が終わりますと、これはまた、何か内閣改造の問題がありましてごたごたいたしましょうし、ポスト総裁選挙の問題でまたごたごたいたしましょうしいずれにいたしましても、まあよけいな話ですけれども、私は、この際、早期決定できめるべきだというふうに思うのですけれども、大臣の見解をお聞きしたいと思います。
  35. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) 現実の問題として、ことしはもう田植えは——私この間植樹祭で東北に参りまして、農政局長も参りまして、いろいろ地域の報告も受けましたが、ごらんのとおり田植えは済んでおります。現実の問題として、田植え前という話は、まあ、そういう点でももうすでに少し時期がおくれております。昭和四十九年度予算編成の前に、私どものほうの党の政務調査会では米価について、両米価を予算編成のときに決定すべきであるという有力な意見も、これは前からあるのでありまして、私は、政務調査会の責任者で会長でありましたので、これはだめだ、そういうことは、理想的にはそれが一番いいことかもしれないけれども、米というようなものは、なかなかそう簡単にやるべきではないということを申してまいりました。ことしのように、早期決定、田植え前という御議論が非常に強くなりますと、やっぱり予算決定のときに、という意見もまた有力に出てくるかもしれません。私は、やっぱり、予算編成は、十二月の新しい国会に提出するためにつくっておりますから、十一月ごろのことでありますので、これはおそらく実情に合わないのではないか。  公務員給与の決定などでも、鶴園さん御存じのように、われわれは、一カ月ずつだんだん繰り上げてきて、いまは人事院勧告と同じものを実施するようになってまいりました。これが、できるだけ実情に沿うゆえんであるということでああいうふうにしましたが、他の三公社等のベースアップをおよそ予定いたしまして、五%ぐらいは大体見込んでおることは、これは御存じのとおりです。さっきのように、現実に合わないものですから、ああいうところを見ましても、私は、予算米価というものについては疑問を持っておる一人でありますけれども、ことしは、たいへん米価の早期決定論が出ておりますので、生産者米価と消費者米価の同時決定問題と同時に、おそらく来年の予算編成には、じみちにそういう議論が出てくると思います。が、私は、先ほど工藤さんにもお答えいたしましたように、この田植え前という御意見が衆議院でも出てまいりましたときに、だれに相談いたしたというわけではありませんけれども、私の感触を申し上げましたのも、先ほどお答えいたしましたように、現実に合わないということです。決して専門家の鶴園さんにお説教がましいことを申す意思はありませんけれども、私は、私どもの考えが一番農家のために親切ではないか。来年度の米価がどうなるか、新年度の米価がどうなるかということによって作付を考えようということならば、むしろ私は予算米価の措置のほうがはるかに合理的だと思っております。  しかし、それが実情に合わないじゃないかということを考えてみますと、やはり現在までやっておりますように、まあ四月から五月にかけては例年労働関係のほうのベースアップも行なわれておる。それからことに、ことしのようなときには、非常な農業用物資の高騰を見ております。こういうときに、米価を決定するときに開きます米審に提出する農林省側の資料といたしましては、やっぱり一番現実に近いものを出して、そういうものを参考にして米審の先生方に意見をきめていただくということが一番親切なやり方ではないかと、こういう考え方はどうもいまだに間違っておるという感じを持つことができませんので、私は、残念ながら、その点だけにつきましては、鶴園さんの御意見と違うんでありまして、やはり先ほど来お答えいたしておりますような諸般の状況を、米審の決定直前までのデータを集めた、その最近似値のものを提出して参考にしてもらうということが、一番その米づくりの方々に対しても親切なやり方ではないかと、こういうふうに考えておるわけであります。
  36. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私は、国家公務員の給与関係その他を長年やりまして、計算のやり方なりなんなりそういう問題については、いろいろと承知をいたしております。また、米価の計算のやり方についてもいろいろ承知をいたしております。ですが、それは米審を七月にお開きになるという考えですから、そういうおつもりでしょうが、ただ、これは六月なら六月に開くということであれば、それに相応したやり方はあるわけです。あるいはまあ、田植えがすでに始まっているというようなお話もございましたですけれども、これは、早期決定というふうにきめましたのも一ヵ月前です、農協がきめましたのも。ですから、やろうと思えばこれはやれるわけですよ。従来こうやってきたから、ことしもこうやらなきゃならないということでは、私は、進歩はないと思うんです。これほど農協が意欲を持ってきているその場合に、いまの農政を立て直す、農政を見直そうという考え方を明確に出すんなら、その意欲の上に可能なだけ乗っかると。そのことが私は、農政を見直すと、あるいは農家に対して農政というのは、確かに見直すという考え方を出した、ということになると思うんです。旧態依然だと——去年もやったから、おととしもやったから、ことしもこうやるんだというお話では、農政に対する考え方というものについて私は、農協なり農民の人たちは期待をつなぎ得ないと思うんですよ。あまりこの問題にとらわれておりますと、時間がなくなりますから……。  次に、予約の概算払いですね、一俵千円。これはたしか昭和四十年にきまったと思うんですね。九年たつことになると思うんです。私はこの要求というのは、貴重だと思うんですね。まあ政府は、たいへんなこの異常なインフレの状態の中で、一体その米作について何をなさろうとするのか。  異常なインフレの中で、御承知のように、公務員の賃金の問題にいたしましても、あるいは民間の賃金の問題にいたしましても、それぞれ解決を見ました。厚生年金も三カ月前に持ってきました、本年に限りです。国民年金も四カ月繰り上げてやるという決定をいたしました。公務員のまた、三月末の手当についても、御承知のとおり。今度の春闘における賃金についても三カ月前払いをするという勧告も出ました。一体、この米作について政府はどのような対策をお持ちなのか。米価についてどういうお考えをお持ちなのか。何らかの私は措置をする必要があると思うんです。  その場合に、まず私は問題になりますのは、この概算払いの千円だと思います。要求は三千円です。九年前になりますか、四十年に千円ときめた。これが三千円という要求です。これはまあいま田植えが始まって、これからの米作をやるわけですけれども、やっておるわけですけれども、七月には金の要る時期です。農家には夏期手当もなければ、何もない。金が要るわけですから、その場合に要求である三千円という金を考えるのは、これは至当ではないかというふうに思います。  もう一点は、このあと払いです、追加払いです。これは、前にパリティ計算でやっているときは、二十二年から二十八年まで七年間追加払いをやっていたわけです。インフレがやわらかになる、緩和すると同時に、これがやめられました。当然だとも言えましょう。そしていまや生産費所得補償方式になって、そういうものはとられてこなかった。しかし、ことしは、この問題についてぜひひとつ追加払いをしてもらいたい、という強い意見が出ている。御承知のとおりであります。ですから、やり方が違うから、前のやり方はパリティ計算でやったから、いまは所得補償方式でやっているから違うからというような言い方は、一つの理屈でありますが、しかし、それもインフレを中心にして考える必要があるんじゃないでしょうか。インフレであったからあれだけの政策がとられた。いまは、あの当時よりもっときびしいインフレになっている。その中で追加払いというものが出てくるのは当然だと思うんです。それに対して私ども、これは対応しなければならない、可能な限り対応する必要がある、こう考えておりますけれども。この二つについてどういうふうに考えていらっしゃいますか、お伺いします。
  37. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) 概算払いは、お話しのように、まあ地方は、東京と違いましてお盆も月おくれでありますし、そういうときに、売却する米の代金を、実際の全額よりは概算でお金を支払うという制度は、私はたいへんいい制度だと思っております。そこで、この概算払いも、まあ子供が暑中休暇で林間学校に行くとか、農家もいろいろ経費が要るでしょう。そういうことを考えてみますと、これは、ごもっともな御意見であるなあという感じがいたしますが、ひとつこういうことは十分できるだけ検討いたして、努力したいと思っております。  それから追加払いでございますが、これは、まあ鶴園さんはインフレだという断定をしていらっしゃいますけれども、    〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕 現在がインフレであるかどうかということにつきましては、私は、まあ、にわかにインフレであるということについては疑問があると思いますが、そういうムードであることは確かであります。そこで、そういうものは、やっぱり基本になる原因が物価の高騰でありますので、そういう物価の高騰等は、やはり米審の方々もお考えになるでありましょうし、米審の答申を得た上で政府がやはり判断をする資料になると思います。したがって、これは、新米価の決定に十分参酌されるべきものでありまして、四十八年産米価につきましては、鶴園さんも御承知のように、近来にない大幅な引き上げをいたしておりますし、私どもといたしましては、現在の段階で追加払いということは全く考えられないことだ、こういうふうにきめておるわけでございます。
  38. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 先ほど工藤委員のほうからもお話がありましたですが、    〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕 これは生産者米価は田植えの前にきまらない。追加払いの問題についても、これはいまのところ、問題にならないようなお話。さらに、概算払いの問題についてはお考えになっているようでありますが、これもはっきりしない。こういう状況の中で、これは工藤委員が話しましたが、農協が出荷に対して、出庫に対して協力をしないという考え方を出しておりますですね。この協力のしかたがいいかどうかという問題は、これは別の論議があると思います。非常に問題だと思っております。ですが、いずれにしても、出庫に対して協力しないという考え方が出ている。あるいは、もし一割でも米をつくらないという形の者が出てくるというようなことになりますと、御承知のとおりに、日本は米については潜在生産力というものを持っております。過剰的な生産力を持っておりますが、しかし、ぎりぎり一ぱいといっていいほどいまのところ、政策的にやっとるわけですから、その中で何らの米価に対する政策をおとりにならないで、これで田植えが行なわれていくということになりますと、これは、たいへん心配するような、しなければならないようなことになりゃしないか。ぎりぎりになっとるんですから。そんな余裕を持ってやってないですよ。ですから、一割でも何か出かせぎに行くというようなことになるとか、あるいは何かほかのものに変わっちまうとかいうようなことになりますと、これは異常なことになるんじゃないかという心配をするわけです。  ですから、米というものを中心にして、価格政策にいたしましても、あるいは農政の問題にいたしましても、いま農協が言ってる意欲というものを、できるだけこれに相応した考え方というものを出していくということ、これが私は農政の新しい出発点だ、こう思っているんです。その意味で、ぜひこの意欲の上に農政を乗せてもらいたい、できるだけ乗せてもらいたいという私は考え方なんです。大臣の考え方をひとつ伺いたいと思います。
  39. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) その点は全く御同感でございまして、私どもも、表向きは表向き御陳情を受けたりしておりますが、いろいろ団体のほうとも接触をいたしておりまして、いまお話のございましたように、生産意欲を持っていただくために、あらゆる努力をいたしておるわけであります。したがって、私どもは、諸般の状況を頭にちゃんと入れておりますので、米審の答申を待ちまして、さらに政府として相談をいたしてまいりたい、このように考えております。
  40. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私は、どうも大臣のお話を聞いておりまして、昨年から世界的な穀類農産物の異常な状態、あるいは価格のたいへんな騰貴、やれ食糧危機だ、あるいは石油危機だといわれた中にあって、日本の農業というものを見直そうという感じが相当国民的な合意として強まってきた。その中で、大臣も、国内において生産できるものはできるだけ生産をしたいというような意欲を出されました。しかし、私は、依然として、農政について農政を見直していこうという考え方はないのではないか。  例といたしまして、カメが首だけは出した。首だけは出しているけれども、まだ手足は動かしていない。首もあちこち見回しているだけだ、という感じを持っていることを私、率直に大臣の所信表明のときにも申し上げました。依然として首をもたげているだけだ。最近になりまして、どうもそうではなくて、もっと首を引っ込めたんじゃないかという感じすら持っているんです。それは安定供給ということばが非常に強く出てきたということであります。大臣もおっしゃっている。田中総理も非常にこの安定供給というのを強く出されて、そして俗称開発輸入ですね、そういう考え方が非常に強く出てきている。依然として農業というものは、農政というか、国内の農業を見直そうという考え方はかっこうだけだったという印象を私は非常に強く持っているんです。  少なくとも米価の問題について、これは田植えの前に考え方を出すべきだと思うんです。米というのは、言うまでもなく政府が直接統制をしております。価格をこれほど正確に農林省が決定しておるものはないですよ。農業が中心ですよ。それについて、農協の非常な強い考え方について即応できないということは、私は、農政についての考え方がまた前に戻ったのではないか、こういう結論を下さざるを得ないですね。残念ながらそう思わざるを得ない。  大臣、先ほど私が申し上げましたが、インフレでなくてもよろしい、こだわる必要は何にもありません。異常な物価高、かつて日本が経験したことのないような異常な物価高、そういう中で一体、米価について何をなさるのか、このことです。公務員の問題についても私は先ほど申し上げました。あるいは年金の問題についても申し上げました。何をなさるんですか、農家に対して。何にもなされないまま七月の中ごろまで持っていこうというお考えなんですか。私は理解できないです。大臣のひとつ見解を聞きたいですね。
  41. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) 見解の相違はあるかもしれませんが、結論においてはちっとも違っておりません。私どもは、七月なるべく早い機会に米審を開いて早くきめる。なるべく早いということは必要なことだと思っております。その点では鶴園さんの御意見と同じであります、早いほうがいいというのは。  そこで、いまのような国際情勢の中で、農政について首を出し始めたが、また引っ込ましたというお話でありますが、カメというのは背中が棒でたたいたって割れませんから、これはかたいものでありまして、来年度予算編成の農林省の態度をひとつ見ていただきますれば、私が今日ただいま申し上げていることの間違いでないことを御理解いただけると思うのでありまして、農政には、ただいまの政府は、異常な情熱を持っておる次第であります。したがって、その農政推進のために行ないます施策の一つの中にやはり価格政策があることは御指摘のとおりでありますが、これは価格政策だけでもいけません。したがって、生産対策、流通対策も価格対策と並行してやってまいるわけでありますが、米以外の農作物の価格につきましては、もうすでに飼料対策等これも、いわゆる酪農畜産の問題のとき政府がとりました措置をごらんいただきましても御理解をいただけると思うんであります。で、米につきましては、私がいま考えておりますことはどうだ、というふうなことを申し上げることは、これは御遠慮いたしたほうがいいと思うんでありまして、米価審議会というりっぱな機関があるわけでありますから、それに十分な資料を提供して適切な御答申をいただいた上で政府は考えると。こういうふうに御理解いただければ政府の考えておる価格政策も御理解いただけると思うんであります。  開発輸入ということにつきまして、私どもは開発輸入というのは、とかく誤解を生じやすいイメージがございますので、なるべくそういうことばは使いたくないと思っています。今度成立さしていただきました海外協力事業団でもやはり国際協力ということがたてまえでありまして、先方の諸国に必要なものは先方の諸国の用に供するようにできるだけ協力しようと。余力があるならば、われわれのほうでもそれを入れたいというのは、鶴園さんも御承知のように、飼料穀物等でも全部国内で産出するということはとうていむずかしい。そういうものについての協力体制でありますので国内生産に影響を及ぼすようなものではありませんことは、あの事業団の御審議中にも、政府から十分御説明申し上げておるのでありまして、その点は総理のお答えも全く同じことでありますので御理解をいただきたいと思っております。
  42. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 だいぶ時間をとりましたですが、大臣、私はそういうふうに考えてないんですよ、遺憾ながら。私は開発輸入の問題についてもそう考えていない。ただ大臣の、農政についてはひとつこれから見ていてくれというお話については、これはひとつ期待をしたいと思いますがね。どうもしかし——首引っ込めて、首出して、また引っ込めちゃったですね。一緒ですよ。農政の力は一体どこにあるのだと、農政というのはやっぱり力がなきゃいけない。力はどこにあるのかということになれば、私はやっぱりいまの米価の問題についてあるいは漁業の問題についてあるいは酪農や何かの問題について農民が威力を持ってきている、あるいは農協はたいへんな威力を持ってきている。そういうものに総合したやっぱり農政というものをつくっていくということが私は力だと思うんですよ、どういう方向に対しても。財界に対しても、財政当局に対しても、その他の国民に対しても、そうだと思うんですけれどもね。ですが、それはこの程度にとどめまして、私は少なくとも大臣が米価の問題についてインフレの異常な物価高の中で総合する対策というものをお出しにならないということははなはだ遺憾であると、これは農政の失敗だというふうに私恩っていることを申し上げまして終わります。
  43. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  44. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 速記を始めて。  本件に対する質疑はこの程度といたします。     —————————————
  45. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 次に、漁業関係融資問題に関する件を議題とし、これより質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  46. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 まずお尋ねをいたしたいのは、この間も若干水産三法を論議しますときに出たんですけれども、また、ほかの委員会でも論議になっておりますが、韓国籍のカツオ・マグロ、特にマグロですね。それからパナマ国籍のマグロ船、これがたいへんな隻数が日本の魚市場におろしている、水揚げしているという問題ですね。いま御承知のように、カツオ・マグロ漁業経営がたいへん苦しい状況にある、そういう中で、こういう問題について一時これをひとつ禁止するか、何か押えてもらえないかという考え方があるわけですね。で、私、念のために、どの程度の韓国籍のカツオ船といいますか、そういうものがあるのか。日本で新造をして、あるいは日本で使っておった船を韓国籍なりあるいはパナマ国籍にした、あるいは売ったもので、そういう隻数があるのかということをちょっと聞いてみましたら、四十五年から四十八年一ぱいで韓国籍のものが約二百隻くらいになるようですね。それからパナマ国籍のものもほぼ二百隻に近い。そしてここ両年の間急速に、新造船が非常にふえているということで、全体として四百隻近いものが日本から輸出をし、あるいは日本から漁船を売って、それが操業をしておるんじゃないか。そうして特に近年になってその多くが大商社の資本によって運営をされておる、そして安い賃金でたくさんのものが日本の魚市場に陸揚げされている、こういう実情のようですね。  で、御承知のとおりに、マグロ漁業を例にとりますと、マグロ漁業は許可漁業になっておるわけでしょう。その許可漁業ということは、要するに過当競争をできるだけ排除しようということ、あるいは魚族の問題もあるんでしょう、そのために許可漁業になっているんだと思うんですね。で、おそらく三百トン前後の船でいいますと、八百隻ないんじゃないか。それに対して、私が先ほど申し上げたように、この四十五年から四年の間に約四百隻の船が、日本が売り払ったもの、日本が輸出した船、そういうものがパナマ国籍と韓国の国籍になって、そうして日本にたいへんな量のものが陸揚げされている、こういう実情なんですね。これについて、どういう考え方を水産庁としては持っていらっしゃるのか。去年の十月から農林省やあるいは通産省との協議の上いろいろ政策をとっていらっしゃるようですけれども、私は、これはある意味で合法的な脱法行為だというふうに思うんですね。中身は、日本の資本がやっておるわけでしょう。  それで、もう一つ、これは大蔵省もお見えになっていると思いますから聞きたいんですけれども、漁場から直接日本の港に、日本の魚市場におろす、あるいは一たん韓国なら韓国に帰って、そうしてこれは何か証明書をもらって持ってくるという場合もあるようでありますが、そういうものをどういうふうにつかんでいらっしゃるのか。これは大蔵省としては荷積み証明というんでしょうか、それしか把握できていないのかもしれませんが、水産庁としては、おそらく全体を把握していらっしゃると思うんです。どういう状況になっているのか、そこら辺のことについて聞きたいわけです。
  47. 内村良英

    政府委員(内村良英君) ただいま先生から御指摘がございましたいわゆる便宜置籍船の問題でございます。確かに、現在、わが国から韓国、パナマ等に対しまして、主としてマグロ船でございますが、中古船あるいは新船の輸出が行なわれております。そこで、なぜそれじゃ、そういうような輸出が行なわれるかということでございますが、漁業の進歩によりまして、日本のマグロ業界といたしましても極力能率の高い、しかも省力的な新船をつくりたい、そうすると前に持っている船が要らなくなる、そこでその船を捨ててしまえばそれでいいわけでございますけれども、やはりまだ価値もございますし、それだけそれを売却して次の新船建造の資金の一部に充てたい、こういう要望があるわけでございます。その結果、ただいま先生から御指摘がございましたように、昭和四十二年には十四隻であった韓国向けのマグロの中古船の輸出が四十八年には五十五隻というふうなことになっておるわけでございます。  そこで、水産庁といたしましては——確かに先生御指摘のように、わが国の漁業規制の一つの脱法行為じゃないかと——お説のとおりのような面があるわけでございます。その反面、わが国のマグロ業界自体から船を出さしてくれという要求が非常に強いわけでございます。そこで、水産庁といたしましては、中古船の輸出について通産省といろいろ話し合いました結果、一応の規制をかけております。そこで、四十八年の十月から四十九年の三月三十一日までの期間につきましては、輸出の総ワク数が百隻、一国について二十五隻以内という措置をとったわけでございます。そこで、最近、御指摘のようにマグロの価格も低迷しております。さらに輸入が必ずしも減っていないという面もございまして、マグロ業界からもマグロ価格の安定ということについて強い要望もございますので、四十九年の四月一日から四十九年の九月三十日までの期間につきましては、総隻数を七十五隻、一国について二十隻というふうにこれを制限したわけでございます。そのような船自体の制限措置はとっておりますけれども、すでにもう現在この二十隻は韓国向けは一ぱいでございまして業界のほうから何とかしてくれないか、何とかしてくれないかという要望が実は水産庁にもあるわけでございます。そこで、私どもといたしましては、そういうことをすればまた、その船がマグロをとって日本に出してくるということになるのではないか。だから、これは絶対にこれ以上ふやすことはできぬということで、いま、がんばっておるような状況でございます。ということで一つの非常にこれは問題のある問題でございます。すなわち、マグロ業界からいくと新しい船をつくるために中古船を出したい。ところが、出せば、その船が、もちろん一部は韓国に揚げたり、あるいはサモアからアメリカに出すとか、外国に韓国もだいぶ出しておりますけれども。日本に向かってくる面もあるということで、私どもといたしましては、そういうことで、中古船の輸出自体に非常に規制をかけていまやっておるわけでございます。  さらに昨今の状況を見ておりますと、これが価格の低落の原因になっているかどうかという点にはかなり問題がございます。と申しますのは、確かに過去においてはCIF価格のほうが国内価格よりも安かったわけでございますが、四十八年の統計を見ますと輸入価格のほうが高くなっております。これはもちろんマグロの種類、まあキハダが多いわけでございますけれども、品質の問題その他がございますので一がいには言えませんけれども、輸入品が非常に安い価格で、これが国内市場を乱しておるということではないのではないか。しかし、いずれにいたしましても値段が下がっているときに供給が増大するということは非常に困りますので、先般もわが国の商社——これは先生御指摘のように商社がかなりバックにいてやっておりますので、商社の担当の部長を水産庁に呼びつけまして、こういうことでわが国のマグロ業界も非常に困っておるから、その辺のところは十分国内事情を考えてやってくれという強い警告を発しているわけでございます。  そういうことで、水産庁といたしましては、極力中古船の輸出を押えると同時に、供給が一時に増加するというようなことがございますと、さらに魚価の低下に拍車をかけるということにもなりますので、そういうことがないように十分注意を喚起しているということでございます。  そこで、それでは手ぬるい、むしろこれをクォータ制にするなり何なり、もうちょっと関税を上げるとか、そういうことをやったらいいじゃないかという意見がございます。これはいまの状況から見ますとごもっともなことでございますが、すでにマグロは自由化されておりますし、わが国の貿易体制から見て、自由化物資を非自由化にすることには国際的な問題もございます。さらに、マグロの場合には、実は輸出のほうが多いわけでございます。四十八年の統計によりますと、キハダマグロの場合には、輸入が一万三千八十九トンで、輸出が一万三千八百八十五トン、それから全体の数字で見ますと輸入が五万五千四百二十七トン、輸出が十三万八千八百九十一トンというようなことで、輸出が多いというような一つの国際商品であるという面もございまして、これはなかなかそういった貿易体制の変革ということについてはむずかしい問題があるわけでございまして、先ほど申しましたような措置を水産庁としてはとっているところでございます。
  48. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 大臣にちょっとお尋ねをしたいのですが、いま私が申し上げたように、中古船が輸出される。新しく新造されたものが輸出される。近年は特にその新造船、新しくできたものが輸出されて、それがパナマ国籍、韓国国籍ということで、その多くは商社の資本によって運営されている。これは、マグロは許可漁業なのに、そういう形で脱法化されている、というふうな形で行なわれているということは、これは非常に大きな問題だと思うのですね。これは、その国自身の漁船なり何なりであれば別ですが、そうではなくて、日本の商社の資本で動かされている。しかも、そのマグロは自由化されているということになりますと、しかもこれが急速にこの三年くらいの間に増大してきているのですね。そしていまや四百隻をこすというような状態になってきているわけなんですよ。それについて、先ほど水産庁長官としても、商社を呼んでいろいろきつい注意もしているこういうことなんですけれども、これは何らかの措置をしてもらわないというと、少しばかり利益の上がりそうなところにはどんどん商社は入ってきてしまう。  先般、私はブロイラーが、これは半分ぐらいは商社の系統になっておるじゃないかと、あるいは鶏卵も一〇%というものはもうすでになっていると、豚も五、六%というものはもうそういうふうになってしまっている。選択的拡大と言われるようなものについて、農業がおるところへ、どんどん商社が入ってくる。言うなれば、豚小作、鶏小作、ブロイラー小作というような形になっておるじゃないかという点を強く指摘してきたわけでありますけれども、漁業の場合におきましても、いま申しましたような形で、非常に、ある意味では合法的に、ある面では脱法的な形でどんどん出てきている。それが日本に陸揚げされるということで非常に困る、こういう事態になっているのですけれども。水産庁長官が注意をされると同時に、大臣としても、この問題については、はっきりした措置をとってもらいたいと私は思うわけなんです。水産庁は、何ですか、パナマ国籍の中で、この五年ぐらいの間に、四十五年からでいいのですが、どの程度のものが商社のものになっているのか。韓国にも昭和四十五年から二百隻くらいのものが出ているのですが、その中のどの程度のものが日本の商社の資本によって運営されているのか。そういう点を調べていらっしゃるわけですか。
  49. 内村良英

    政府委員(内村良英君) これはちょっと、実態把握が非常にむずかしい問題でございまして、どの程度商社が食い込んでいるかということについては、水産庁としては非常に数字のとりにくい面がございまして、はっきり申しまして把握しておりません。
  50. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 大臣。
  51. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) わが国の商社が——外国に漁船を輸出いたしまして、その漁船によって外国人が漁獲いたしたマグロ類を、当該商社がわが国に輸入いたしておる事実が見られることは、先ほど水産庁長官からも御説明申し上げました。これらの商社の行為が、わが国の正常な漁業秩序を乱すことになりますれば、非常に問題であることは御指摘のとおりであります。これらの商社に対しまして、わが国の漁業の正常な秩序維持に悪影響を与えるようなことの行為を自粛するように十分指導いたしておるわけでありますが、今後とも、商社の行動につきましては十分注意をしてまいりたいと、私どもはそういう決意で指導してまいるつもりでございます。
  52. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 本件の質疑は暫時中断いたします。     —————————————
  53. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) この際、理事補欠選任を行ないます。  欠員中の理事足鹿覺君を指名いたします。     —————————————
  54. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 次に、決議案についておはかりいたします。  生産者米価問題につきましては、先刻質疑が行なわれましたが、理事会において協議いたしました結果、この際、本委員会として決議を行ない、生産者米価の引き上げ及びその早急な決定等を政府に要求することに意見が一致いたしました。案文がまとまっておりますので、便宜私から提案いたします。  案文を朗読いたします。    昭和四十九年産米麦価等に関する決議(案)  最近の世界の食料事情はきわめて深刻なものがあり、世界人口や世界経済の長期的な展望からすれば、わが国の食料自給度の維持向上は、その社会的経済的安全性を確保するうえに不可欠の国の責務というべきである。  よつて政府は、食糧管理制度の堅持等に遺憾なきを期するとともに、米麦価の決定にあたつては、食料自給度を維持向上し、農業所得を安定的に向上させるよう、左記事項を十分配慮して適切な措置を講ずべきである。       記 一、米の政府買価格については、生産費及び所得補償方式に基づいて賃金の上昇、農業資材の高騰等の最近の諸動向をできるだけ反映させるとともに、これまでの経緯を十分考慮し、すみやかにその価格を大巾に引き上げること。 二、米の政府売渡価格については、食糧管理法の規定の趣旨に即し、消費者家計を安定せしめる見地に立つて慎重に対処すること。 三、米のいわゆる予約概算金についてその大巾な引き上げに努めること。 四、生産者麦価については、麦の国内自給度の向上を図る見地から、拡大再生産が可能な価格とすること。 五、米麦等の主要食糧及び流通飼料にっいて、その備蓄措置を拡充すること。   右決議する。  以上であります。  それでは、本決議案の採決を行ないます。本決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手
  55. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 総員挙手と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、倉石農林大臣から発言を求められておりますので、これを許します。
  56. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) ただいまの本委員会の御決議の趣旨につきましては、米価審議会の意見も十分に聞いて対処いたしたいと存じております。     —————————————
  57. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 再度漁業関係融資問題に関する件を議題とし、質疑を行ないます。
  58. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 この問題は、これからの開発途上国との漁業協力、たくさんこの漁業協力の関係を行なわなければならぬわけでありますが、そういう場合に、いま私が指摘したような例というのが相当懸念をしなければならなくなるんじゃないかと、こういうふうに思っておるんですけれども。ですから、いま問題になっておりますこのマグロの、こういう他国籍の船を使って、そして実際は日本の商社が運営をしている。そういうやり方では、日本の漁業秩序というものを乱すことにしかならないと私は思っております。先ほど大臣が開発輸入だというふうなお話で、何か足らないものを開発して輸入するんだというお話でありますが、私がこの開発輸入について反対をします最も大きな理由は、いまみたいなことを心配しておるわけです。商社がいってつくることになりはしないか、ということを一番心配しておるのです。現にマグロがこういう形でやられておるわけです。しかも、その隻数がまだ十そうや二十そうというならわかる。たいへんな隻数ですよ。これが日本のマグロ漁業というもの、その漁業秩序というものを乱さないでおくわけがないでしょう。四百隻もあるわけです。その中で、どの程度が日本における大商社の運営になっておるかどうかというのはよくつかんでいらっしゃらないという話なんですが、百八十隻ともいうし二百隻ともいう。異常な状態に私は、なっているのじゃないかと思う。ですからこの点については大臣、先ほどお話がございましたですけれども、乱さないように——これからも開発途上国との関係でいろいろこれは問題が出てくると思います。十分いま配慮をやっておいていただきたい。このことを強く要望いたしたいと思います。これは大臣、よろしくこれは効果を発揮しておいてくださいよ。えらい話です。  そこで大蔵省の方に聞きたいのですけれども、一たん韓国なら韓国に帰って、パナマ籍で韓国にいって、そして積み出し証明を持ってきて日本の市場におろしておるもの、これはどの程度あるのですか。隻数だけでもいいです。
  59. 斉藤盛之

    説明員(斉藤盛之君) 魚介類の輸入手続をまず御説明申し上げたいと思いますが、本邦の漁船で公海で採捕されました魚介につきましては輸入手続の必要がございませんので、私どもの把握の範囲外でございます。  本邦漁船で、公海で採捕いたしました以外の魚介につきましては、輸入手続が必要でございますけれども、マグロにつきましてはほとんど例がございません。  そこで、私どものほうで把握いたしております通関統計上のマグロの輸入というものは、これは外国の漁船が公海もしくは外国の領域で採捕しましたマグロが本邦に到着したものでございます。ただいま先生お尋ねの、パナマ籍の船が韓国へ入って、韓国から持ってきたという場合でございますと、パナマ籍の漁船がマグロをとったところが公海であるかどうかによりますけれども、おそらくそれはパナマからの輸入もしくは韓国からの輸入、いずれかの輸入に分類されることになると思います。昨年の四十八年にパナマから輸入しておりますマグロは三千三百十八トンでございます韓国から輸入いたしておりますのは一万七千六百五十六トンであります。ちなみにわが国のマグロの輸入額、輸入額と申しますのは、先ほど申し上げました関税法上の輸入手続が必要なものであるものに関しての輸入額でございますが、マグロの輸入総額は三万三千八百八十一トンでございます
  60. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 そうしますと、いまお話ですというと、約半分以上というのはパナマ国籍と韓国国籍のものが入ってきていると、こうなりますね。
  61. 斉藤盛之

    説明員(斉藤盛之君) わが国に輸入されておりますマグロの大半は韓国とパナマでございます。あとは台湾が若干ありまして、ほとんどそれらですべてでございます。
  62. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 だから、水産庁で、長官、これははっきりしておいてもらいたいですね。こういう一種の脱法行為ですね。つまりマグロは許可漁業になっている。なぜ許可漁業になっておるかということは御承知のとおり。それがいまみたいに日本の資本で——籍がパナマにあるだけ、韓国にあるだけで、そしてそういうものが非常な勢いで入ってきている。こういうものについてもっとしっかりした態度をとってもらいたいと思うんです。大臣はしっかりした態度をおとりになるという話なんですけれども、きちっとしてもらいたいですね。これは先ほども申し上げましたように、これからますます開発途上国との関係の漁業協力をやるということになりますと、こういう現象というのは非常な大きな勢いで発展する可能性があるわけです。だから、いま、こういう問題についてはっきりとした態度をとっておいてもらいたい。そうしなきゃこれどうにもならないでしょう、こんなものが入ってきたんじゃ。マグロの魚価が低迷している、これはあたりまえな話、こうなっちまうと。油が三倍にも上がっているのに、魚価というのはほとんど変わらないというような状態じゃどうにもならない。だから異常な事態になってきている。もっと——これは手も足も出ないんですか、これは大臣、こういうことは。もう少しこの輸出の問題等についても、これは新造船の輸出の問題についても、通産省のほうもお見えになっておると思うんだけれども、はっきりした態度で臨んでもらいたいし、商社に対しても——どうも商社というのはあらゆる場合に日本における諸悪の元凶だというふうに私は思うんですが、この場合にもそういう印象を非常に強く与えておる。あらゆる面に出てくる、商社というものは。もっと新しいしっかりした対策をとってもらいたいという点について大臣なり、具体的に長官の考え方を聞きたい。
  63. 内村良英

    政府委員(内村良英君) 開発途上国の漁業活動の問題は、これは非常にデリケートな問題でございます。ただいま先生から、いま、日本からマグロの新造船が韓国に出ているじゃないかというお話がございました。確かにそういうことになっております。しかし、韓国自体におきましても、国民所得の向上なり何なりのために漁業を拡大したいという意欲は強く持っておるようでございます。先般韓国の水産庁の次長が参りましたけれども、韓国のような……。
  64. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 そんなことを言ってるんじゃない。
  65. 内村良英

    政府委員(内村良英君) 国柄から言って漁業を広げたいと……。
  66. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 日本の商社の問題を言ってるんだ。
  67. 内村良英

    政府委員(内村良英君) そこで、日本が新船を出さないということになりますと、おそらく韓国は外国から新船を買うんだろうと思います。そこで韓国の漁業活動自体を押えるということはできないわけでございます。それで問題は、その入ってきた、その韓国がとった魚が日本に陸揚げされると、それが日本のマグロ業界に非常な影響を与えると、こういう問題だと思います。そうなりますと、これは貿易体制の問題になってくるわけでございます。で、私どもといたしましても、そういった被害が大きくなってくるというような場合におきましては、やはり緊急関税かけるとか、その他の措置を考えなければならぬと思いまして、実はその辺のところについてもデータを集めていろいろ分析はしておりますけれども、まだ緊急関税を課さなきゃならぬというようなところまで事態がいっていないという状況になっているわけでございます。  したがいまして、韓国自体あるいは台湾パナマの漁業活動を押えるということは、これは日本政府としてはなかなかできないわけでございまして、わが国のマグロ業界の利益を守るということのためには、やはりそこで入ってきたマグロ自体についてそれを押えるとか、あるいは関税をかけるとかいうようなことを、必要があれば考えなければならぬという問題ではないかと私は考えているわけでございます。
  68. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私は韓国のマグロ漁業をどうせよとか、パナマのマグロ漁業をどうせいということを言っているんじゃないんです。とにかく日本商社がやっておるじゃないかと、日本人が、日本の商社が——輸出したものを、とんとん自分で輸出しているんじゃないですか。自分で持っているんでしょう。それは日本のマグロの許可漁業に対して違うじゃないか、だから、商社に対する考え方をはっきりしてもらいたいということを言っておるわけなんです。それを、あなたはやみくもにどうとか、こうとか言いますが、いま言った日本の商社がやっておるんじゃないかと、それが問題だということを言っている、それが問題だと。その点について長官は、それは商社の代表を呼んで十分注意もしたというお話ですけれども、これから途上国との問題について漁業協力の問題が出てきます。それを私はどうせいと言っているんではない。そうじゃなくて、そういう形で——韓国もそうですよ、漁業協力ですよ。しかし中身は、日本の商社がやっておるじゃないですか。そういう面について、これは許可漁業という立場から言っておかしいじゃないですかと。はっきりするものははっきりしてもらいたい、自粛を求めるものは自粛をしてもらいたい、という形の政策をとる必要があると。もちろん関税の問題もございます。そういうことを言っておるわけです。  大臣、こういう問題について、商社のこういうようなやみくもな、一種の自由化されたことをいいことにして、また漁業協力というようなものをいいことにして、済まして、ほとんど韓国とパナマから来ているんですよ。商社がどの程度握っているかということはよくわかりませんよ。相当数商社が資本で動いていると、こう言うんです。脱法行為ですよ、ある意味では。そういう問題について、ひとつ自粛すべきものはきちっと自粛をさしてもらいたいと、こういうことを言っているわけですよ。そうでなければ、私が先ほど言ったように開発輸入というような形にあって——実際はそういう形になるおそれがあるんじゃないか、というのが私のこの開発問題についての反対の一つなんです。大臣のひとつ考え方を伺いたい。
  69. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) いま政府委員からもお答えいたしましたように、これはわが国の漁業秩序を乱すようなことになればこれは困ることである、そういう点が問題だと思っております。わが国のいろいろなメーカーが物を輸出することは、輸出に関しましてのことでありまして、われわれの関する限りは、やっぱりわが国の漁業秩序を乱されないようにしてもらいたい。そういうことをするためには、いまお話のありましたように、やむを得ないときには関税の措置等でこれをきびしくすることも必要であろうし、それはいま種々検討をいたしておると、こういうことであります。  開発輸入につきましては、これは鶴園さんに誤解があるんじゃないかと思うんでありまして、私は漁業に関しての開発輸入というふうなことにつきまして、いまあなたから初めておことばを承るわけでありますが、私どもが考えておりましたのは、いわゆる開発輸入というよりも、いまわが国に求めておりますもの、開発途上国が、自分の国の力ではようやれないものでわが国に協力を求めてきておるものはかなりあります。しばしば御報告いたしておるとおりでありますが、そういうものに対して——従来のように簡単に民間で資本を投資して、そしてそこのものを持ってくるというふうなことよりも、そういうことでは不安定でありますので、われわれといたしましては、政府間のベースで話し合いをいたして、先方に技術と資金が必要であるという計画が立つならば、それは政府間で話し合いをいたして、そして先方でもやっぱり生活が安定するに従っていろいろな食生活の変化もありましょうから、そういうものに対する供給はそういう機関で供給してあげましょうと。そのことがひいては両国の親善にもなり、そして先方の生活向上にも役立つことである。こういうことでありまして、余力があれば、わが国では、国内でできない、外国から買わざるを得ないような、たとえば飼料穀物等を一定量安定した価格で、先方にできました機関からわが国に持ってくる。こういうことは両方が非常にいいことではないかと、こういうのがスタートでありますので、この点はひとつ誤解のないようにお願いしたいと思います。
  70. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 この問題につきまして、先ほど水産庁長官が説明になりましたように、いろいろ努力されていることはわかっております。漁船の輸出の問題についても通産省とも協議の上やっていらっしゃる、さらに業界と商社等の代表を呼んでいろいろ自粛を要望しておられることもわかっております。ですが、一そうこの問題についてはひとつ、さらにそういうようなことを進めてもらいたいということを要望しておきたいと思うんです。  次に、カツオ・マグロの設備資金の、造船の資金ですね、これの中間据え置きの問題です。この間、水産三法を審議いたしましたときに、漁業の近代化資金にいたしましても、あるいは農林漁業金融公庫の資金にいたしましても、その他の市中銀行の資金にいたしましても、七割近いものは造船資金であることは御承知のとおりであります。したがいまして、近年マグロ漁船の近代化というものが進められております。そしていま償還にかかっているという状況にあるところが非常に多いわけですね。いま御承知のように価格が非常に低迷をする、一方、重油は三倍に上がってくると、あるいは漁具その他が二倍になるという状況で非常に苦しい状況にある。したがって、この間も全国からたくさんの漁民の方々が集まって、そしていろんな決議をされた。その中に、いま設備資金の中間の据え置きというものをつくってもらいたいと。これについて水産庁が、たしか四月でありましたですか——四月の二十三日ですね。中間据え置きの指導をしているということも承知をいたしております。そこで問題は、確実にやられるのかどうかという問題です。確実にやられるのかどうか、実行できるのかどうかという問題が一つ。それから公庫にいたしましても、中金にいたしましても、業務方法書によりますというと、これは三年据え置きの十五年年賦という形になっておりますですね。実際はしかし、これが二年据え置きの九年あるいは七年という形でやられておるわけですね。そういうようなことから考えますと、中間の据え置きということは、二年の中間の据え置きということはきちっとやってもらいたいと思うんです。下のほうできちりと具体的に行なわれるように指導してもらいたいと思うんですが、そのことはどういうふうに考えていらっしゃるのか。
  71. 内村良英

    政府委員(内村良英君) ただいま先生から御指摘がございましたように、水産庁といたしましては、去る四月二十三日、金融機関に対しまして漁業者の企業貸し付け金についてその償還期限の延長、特に、長期資金についての中間据え置き期間の設定等、償還条件の緩和について特段の配慮をするよう指導したところでございます。この通達を出す前に、実は水産庁といたしましては、農林漁業金融公庫、農林中金の担当者と何回か話し合いまして、どういうふうにやるかということについていろいろ打ち合わせをしたわけでございます。そこで、現在だんだんそれが下で行なわれておりまして、中金からの情報によりますと、すでに期限が来たものについて延滞金を取らないとか、そういうことをやっておると、それから公庫としては、とりあえず、たな上げ措置をとるというようなことを、末端でケース・バイ・ケースで始めているというふうな情報が入っております。  問題は、漁業の場合には、かなりの部分が市中金融機関から借りているケースがあるわけでございます。農林中金とか、農林漁業金融公庫等につきましては、私どもも、常々密接な関係を持っておりますから、かなりきめのこまかい指導ができるわけでございますが、一般の市中金融機関には残念ながら水産庁はなかなか手が届かないという現実になっております。そこで、先般大蔵省の銀行局長とも会いまして、るる事情を説明して、大蔵省からもよろしく指導をしてほしいということを依頼してございますが、まだ私どものほうにおきまして一般の市中金融機関、特に銀行がどういうふうな措置をとったかについてはまだ報告を得ておりませんが、私どもといたしましては大蔵省に対して協力方を強く要請したわけでございます。
  72. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 いま長官のお話のように、農林漁業金融公庫それから中金、これはおっしゃるとおりで指導ができると思います。ですが、市中銀行が占めている割合がまた、漁業の場合は農業と違って高いわけですね。ですから、いまお話のように、大蔵省の銀行局長とも相談の上、これらが同じように二年据え置きという形のものが実行されるように、ぜひひとつ指導をしてもらいたい。これは利子補給等をしないでもやれるんですか。利子補給等をしないでもやれるのかどうかという点ですね。
  73. 内村良英

    政府委員(内村良英君) これは政策に協力するという意味で、中金等は、利子補給等もしなくて協力してくれているわけであります。
  74. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 次にもう一つ、融資の問題で、これも緊急融資として——重油が三倍になったということを中心にして、緊急融資として五百三十億円というワクがきまって、四分、六カ月据え置き、そして二年償還ということでやられたことに対しまして評価をいたしておるところです。問題は、これが、いまの漁業の融資の状況の中で四分というものが実行されるのかどうか。実際の漁業者との関係のところで実行されるのかどうかという点が懸念されるわけです。ですから、近代化資金の場合はいいでしょう。あるいは公庫の場合においてもいいかもしれませんですね。ですが、国は出しますけれども、県で出していないところもあるわけです、御承知のとおりです。銀行の場合もありましょう。そういう点について四分というものが実行されるのかどうか、どの程度実行されると見ていらっしゃるのかという点を伺いたいと思います。
  75. 内村良英

    政府委員(内村良英君) この五百三十億円の緊急融資につきましては基準金利九分、それから五分の利子補給、三分の二は国、三分の一は県、そこで、末端金利は四分ということでやるわけでございます。問題は、原資がはたして九分でできるかどうかという点にかかってくるわけでございまして、この点につきましては、御案内のように、漁業の系統金融というものは農業に比べて非常に弱いという事情もございますので、実は大蔵省ともいろいろ折衝いたしました結果、二百六十億円の運用部資金を、中金債を引き受けるという形で運用部資金を使わしてもらうということにいたしまして、金利が、何とか基準金利九分でおさまる。中金も、中金自体の資金を九分三厘で出すということでございますので、基準金利は九分が守られて、一定の必要な経費は、漁業系統もとれるということでございますので、四分の金利は守られるというふうに私どもは確信している次第でございます。
  76. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 もう一つだけ、この問題について。私は、えさと、重油を中心とした漁業の場合、現在、ことしになってからの異常なえさの値上がり、あるいは重油その他漁具等の値上がりについて、——えさについても五百四十億円という融資のワクをつくって緊急のつなぎ資金にする、漁業については五百三十億というワクをつくってつなぎ融資にする、いずれも四分というような形でやっていらっしゃる。しかし私は、えさについて昨年の五月から秋にかけまして二百十一億という補助金をもって安定資金のほうにその補助金を流して、えさの安定をはかった、あるいは従来から出している古々米を、さらに二分の一という安い値段にして、これを放出をする、あるいは政府が持っておった麦等を放出をする、というような政策をとったわけですね。本年になって、五百四十億円というつなぎ融資を出しているわけですね。ところが、漁業の場合においは、そういう政策がとられていないわけなんです。本年の場合でいえば、これは、えさと重油との間、漁業との間には差がない。昨年からの値上がりについていうならば、漁業の場合はたいへんおくれているという点ですね。  従来から、私は、この間も水産三法の論議をしましたときに、漁業というものは、たいへんおくれているという点を申し上げました。今度の、このえさの場合においても、えさと油との関係にいたしましても、もちろんそのえさが畜産の中に占めている地位というものは、これは鶏、豚にしますというと六割ぐらいのものでしょう、これは、肉牛なり乳牛にいたしますと、三割に足らぬぐらいのものだと思うんです。漁業の場合においてはこれは二割ぐらいのものではないかと思います。値上がりが、一方は三倍から四倍になっている、一方は二倍というような状況を考えました場合に漁業と、農業の畜産のえさに対する施策との間にたいへんな差があるというふうに私は思うんですそういう差がないような努力を水産庁としては払っていくべきではないのか。従来からたいへんおくれておりますから、急にこれを改めるといっても無理な点があると思います。あると思いますけれども、そういう努力をしていく必要があるのではないかというふうに思うわけですけれども、水産庁長官としてどういうふうにお考えになっているのか。それから農林大臣としても、半には退出をされるということでありますから、大臣としてもこの点については十分注意を払って善処をしてもらいたいと思っております。長官の答弁を求めて、大臣の答弁を求めたいと思います。
  77. 内村良英

    政府委員(内村良英君) 先生の御質問におことばを返すようでございますけれども、えさの場合には、えさ価格の高騰、すなわち輸入農産物の高騰というものは、たしか昨年のかなり早い時期に起こってきたわけでございます。ところが、漁業のほうの経営危機というものは、例のオイルショック以降の問題でございまして、時間的な違いが一つございます。  そこで、さらに畜産物の場合、先生からも数字がございましたけれども、経費の中におけるえさの役割りというのは非常に高いわけでございます六割以上になっておるんじゃないかと思います。それに対しまして、漁業のほうの場合には、今度の値上がり分を見まして、一番オイルのウエートが高い漁業で二割五分ぐらいでございます。定置のごときはほとんど油は使わないというように、漁業によって非常に種類が違います。それから、御案内のように、魚価というものは大体春先からぐっと上がってくるというような過去の例でございます。そこで、二月の数字で見ますと、確かにコストは、油、漁網綱その他約四四%昨年に比べて上がっております。それに比べまして、魚価が平均二割しか上がらないということで、経営はかなり苦しいという問題は、オイルショック以降起こってきたわけでございます。そこで、私どもといたしましては、そういった経費の上昇というものは、魚価で吸収できればこれは問題はないわけでございます。そこで従来、魚価の動きを見ておりますと、大体花見ごろから上がるという傾向がございますので、その辺でカバーできるのではないかと思っていたわけでございますが、ことしは総需要抑制による需要の停滞が中高級魚にはある。それから大衆魚につきましては、そういった面はございませんけれども、必ずしも値段がよくないというような問題もございまして、これは漁業経営の重大問題としてほうっておけないということで、とりあえずつなぎ資金の措置をとったわけでございます。そこで今後はこれは魚価の問題になるわけでございます。そこで魚価がいまのように低迷していくということでございますと、今後の漁業経営は非常に重大な問題にぶつかるわけでございまして、私どもといたしましても、今後この下半期、魚価の動きをよく見ながら、将来、場合によっては抜本的な魚価対策の検討が必要になるのではないかというふうに考えているところでございます。  したがいまして、畜産との関係において、私どもは決してそのバランスがとれていないということではないと。漁業漁業の特殊性があって、あとからそういう措置をとったわけでございますけれども、今後——畜産のほうは価格支持政策がございますけれども、水産のほうは直接的なそういった支持政策がないということもございまして、魚価政策を今後どうするかということは、私どもとしてまじめに取り組まなければならぬ問題としていろいろ検討している段階でございます。
  78. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) この問題は、やっぱりいまお答え申し上げておりますように、基本的にいろいろな問題がふくそうしておるわけでありますので、十分そういう点を考慮いたしまして、私どものこういう政策に対する目的が達成されるように当局を指導してやってまいるつもりであります。
  79. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 五月から十月の間という限定がありますね。それから六カ月の据え置きという限定がありますね。これは弾力的な運用というのはできないんですか。五月から十月というのでは、これはまだ問題残りますし、それから遠くへ出ますというと、とても六カ月で帰ってこない。九カ月十カ月というところもありますし、そうしますとまだ水揚げもしないというところで、すでにまた償還をしていかなければならないという形にもなるわけですね。五月と十月では、ノリ漁業というのはこれははずれるのでしょう、という問題。  もう一つは、これは重油だけの問題ではなくて漁具その他の値上がりについての対処でもあると思うのですね。つまり沿岸漁業に対する対処もこの中に入っているということだろうと思うのですけれども、その三つぐらいの点について、長官のほうの答弁をいただきたいと思います。
  80. 内村良英

    政府委員(内村良英君) 対策期間の問題でございますけれども、運転資金に低利資金をつくるというのは、これは非常な緊急な政策でございまして、そういった緊急対策の性質から見て、半年ぐらいがぎりぎりのところではないかというふうに思うわけでございます。  それから、石油だけではないのではないかという点でございますが、この資金の使途につきましては、石油以外のあらゆる漁業資材をカバーできるというふうにいたすつもりでございます。  それから、将来弾力的な運用をもうちょっと考えたらどうかということでございますが、五百三十億という資金は、これは系統の金融の状況その他全体から考えましてきめた線でございますのでそのワクの中で状況によっては考えたい、というふうに思っているわけでございまして、現在のところ、直ちにこれをまたさらに延ばすということを申し上げるところまで考えておりません。
  81. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 本件に対する質疑はこの程度といたします。     —————————————
  82. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 次に、国有林経営に関する件を議題とし、これより質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言願います。
  83. 片山正英

    片山正英君 会期も非常に迫っておるときでございますから、たいへん貴重な時間でございますので、ごく簡単に御質問を申し上げます。さきに御通知申し上げましたように、国有林の問題について御質問をいたします。  御承知のとおり国有林問題は、たいへん最近国民の関心事になってきておると、こう私は思います。自然保護の面から見ましても、あるいは木材価格の面から見ましても、あるいは国有林経営が赤字化するであろうというような経営の面から見ましても、非常に関心が深くなってきていると私は思います。また、そういう諸情勢の中であれば、国有林が、地元民についても無関心ではいられない、非常に関心事になってきております。また、ここに国有林を取り巻くいろいろな関連企業にとっても非常に重大になってきておるわけでございます。かつまた、国有林に勤務する職員、従業員、その人の心がまえ、そしてその人たちが地元にPRする腹がまえ、そういうものも私は、明確にしなければならない時代に来ておるというふうに思います。そういう意味で、国有林のあり方を明確にするというようなことから、一昨年の暮れ、国有林事業に対する答申が、林政審議会並びに財政制度審議会からあったと私は拝察いたしますがそれらの答申のごく要点でけっこうですから、まずもってお答えをいただきたいと、こう思います。
  84. 福田省一

    政府委員(福田省一君) 一昨年の暮れに林政審議会からの答申をいただいたのでございますが、この答申の趣旨をかいつまんで申し上げます。  今後の社会経済情勢に対応する国有林野事業のあり方としまして、国有林野の持つ公益的な機能と、それから経済的な機能の調和の上にその多角的な機能を最高度に発揮する必要がある。このために三つの役割りを重点的に果たしていく必要があるということになっておるのでございます。その一つは、自然環境の保全形成、国土の保全、水資源の涵養などの公益的な機能の発揮ということでございます。第二点は、林産物の計画的、かつ持続的な供給を果たす役割りがあるということでございます。それから第三点は、地域の振興への寄与を果たす役割りがある、ということを三つの大きな柱として、答申の中でいわれておるわけでございます。  林野庁としましては、この答申の趣旨を尊重いたしまして、このような役割りを重点的に、かつ調和的に発揮できるように国有林野事業の改善を進めることといたしまして、四十八年の三月には地域施業計画の全国一斉改定を行ないましたほかに、四十八年の七月には長官通達で国有林野事業改善の基本的な考え方を示しております。それから四十八年の九月には、さらにその細部の方針でございます国有林野事業業務改善方針というものを指示いたしまして計画的、かつ着実な改善に取り組んでいる段階でございます。
  85. 片山正英

    片山正英君 もう一つ、先ほど言った財政制度審議会の答申の要点、それだけちょっと。
  86. 福田省一

    政府委員(福田省一君) 財政審議会の答申は出ておるのでございますが、それの要点を申し上げます。  一つは、国有林野事業経営の悪化というのは、過大な人員と規模と弾力性を欠く組織機構に起因するのであるということが指摘されております。次には、このため、経営の抜本的改善をはかる必要がある国有林野事業の基本的役割りのあるべき姿につきまして、根本的に再検討するとともに、機構及び財政等のあり方についても改善を必要とするということが指摘されております。第三点は公益的な機能発揮のためのもろもろの施策については一般会計へ導入という考え方もあるけれども国有林の持つ公益的な機能は、経営的な面と明確に区分することは困難なことが多い、また、事業の効果等について十分な分析のないままに一般会計負担を安易に拡大すれば、改善、合理化を不徹底のものにするおそれがあるので、検討を要するということの三つが、基本的な方向として示されておりまして、改善策の重点としまして五点をあげております。  その一つは、人員とか規模の縮減、それから職員配置の合理化、組織機構の簡素化、統廃合。二点としまして、直用事業を縮小し、立木販売または請負へ移行すること。第三点として、市場の広域化と販売単位の拡大等を通じて、需要の動向に即応した販売体制を確立すること。第四点としましては、粗放利用または都市近郊の森林経営に適さなくなった国有林については利用のあり方を考え、積極的に処分または活用をはかること。第五点としまして、当分の間は長期借り入れ金を導入すること。  こういうふうに重点を指摘されておるわけでございまして、先ほど申し述べました林政審議会の答申とやや違った点がございます。  繰り返して申し上げますと、公益的機能の発展のための諸施策について一般会計導入の問題については非常に批判的であるということ、第二点は直営、直用についての考え方がやや違っておる、それから国有林の活用あるいは処分についての考え方が若干違う、この三点が、林政審議会の答申と財政審議会の答申と異なった点であろうというふうに判断されます。
  87. 片山正英

    片山正英君 ただいま御説明があったように、林政審における答申と財政制度審議会における答申は、若干のニュアンスの相違と申しますか、あるいは考え方の相違と申しますか、そういうものがあろうと思います。これらの総合した対策というものは一朝一夕にできるわけじゃございませんから、きょうここでこれを議論してもなかなか時間がありません。したがって、きょうは主として林政審の答申を踏まえた国有林のあり方というものについてだけ一、二点お伺いをしたいと、こう思います。  先ほど長官の御答弁では、答申の内容に加えまして、さらにそれを、答申はなるほどだということを是認して、林野庁として、その通達を出したというところまでお触れになりました。私もそれを聞こうと思っておったのですが、先にお触れになりましたから、大体の考え方はわかりました。  しかし、その内容とする国有林野事業改善の基本的な考え方、あるいは国有林野事業業務改善の方針、こういうものをお出しになっておりますけれども、この詳細は、時間がありませんからやめますけれども、この通達というのはむしろ訓令的なもの、いわゆる職員に対する一つの指示、こういうものに私は思います。したがって、対外的な人々、地元とかあるいはそれを取り巻く諸企業あるいはその他等、一般の人にわかりやすいように出しているものではないというふうに思います。そういうこともあってか、私全国歩いてみますとどうも国有林野の事業方針に対して地元をはじめとして若干の不安感を持っておるように残念ながら拝察をいたします。  したがいまして、私はその点時間がありませんから、たくさんいろいろ項目を並べて御質問する余裕はございませんけれども、一点だけお願いしたいのは、ただいま申しました国有林の三つの使命があるんだと、一つは公共性、一つは木材の持続的生産性、そうして最後に地元に対する寄与と要約すればこれが国有林の大使命なんだ、こういうふうに言っておられます。したがって、こういう使命が、片や特別会計制度というのを国有林ではやっておるわけでございますが、どちらがその重点なのか。特別会計制度というものと、いまの三つの使命というのはどういう関係になるのか、その辺の基本的な態度をお聞かせいただきたいと思います。まず長官からひとつお聞かせいただきます。
  88. 福田省一

    政府委員(福田省一君) 確かに特別会計制度は、国有林野事業特別会計法にもいわれておりますように、その経営は企業性を十分に配慮して経営しなさいというふうにいわれております。また、林業基本法の中におきましても、その企業性に配慮しながら経営をしっかりやりなさいということもうたわれているわけでございます。国有林野事業の部面につきましては、林政審議会の答申で、いまお話しましたように、その事業の果たすべき役割りということがはっきりとしておるわけでございますが、これを合理的にかつ効果的に実施していくための手段として特別会計制度が採用されているというふうに考えるものでございます。したがいまして、特別会計方式といいましても、国有林野事業のように、特に公益的な機能の発揮を強く要請されております事業の運用につきましては治山であるとかあるいは林地保全、管理と、こういったような面を直接発揮しなけりゃならぬという分野がございまして、これは原則として一般財源に依存できるように措置するということは、大蔵省との間の話し合いでも十分了解がついておるところでございます。また、その他につきましても、いろいろとこの公益的な機能についての一般財源の配慮ということについて、もっと関係省とは話し合いしまして、これを拡充してまいりたいと思っております。特別会計制度が採用されていますがゆえに、国有林野事業の使命達成に問題を生ずるということはないように、やはり目的は公益的な機能の充実ということでございますし、あるいはまた、経営の面におきまして保続であるとか、生産力増強であるということが、基本法あるいは森林法あるいは特別会計法の中にうたわれておりますとおり、目的ははっきりしているわけでございます。先ほど三つに分類して申し上げました林政審議会の答申にも出ております。この特別会計制度というのは、それを達成する一つの手段というふうに考えているところでございます。
  89. 片山正英

    片山正英君 ただいまの長官のお話ではっきりしたと思います。私もそう期待してそれを願っておったわけですが、御答弁で安心したわけでございますが、いわゆる三つの使命が優先すると、そしてその使命を達成するために合理化をはかるんだと、その意味で特別会計制度があるんだ、というふうに理解をするわけでございます。ところが地元へ行きますと、なかなかそれがそのように理解されてないように拝察するところに問題がどうもあるというふうに思うわけです。ほんとうに困ってくれば三つの使命というのはちょっとたな上げするんだと、あるいは二次的に考えざるを得ないんだと、あるいは三つの使命のうちの二つはいいけれども、一つはだめなんだというような話がたまたまどういうわけか出ることを私は聞きます。そういうことでは、やはりせっかく長官のそういう基本的な方針、そして林政審が答申したその方針、それがうやむやになるんではないですか。何かこう影が薄くなるということでは、国有林のかなえの軽重が問われるんじゃないか、というふうに思いますだけに、その辺をいま御確約いただきましたし、安心はしたわけでございますが、ひとつ機会あるごとに地元営林局署あるいはそれを取り巻く地元民に対して、理解をするように、そういう趣旨の徹底をはかるように、——ぜひ機会を見て、そのつど、ひとつ御徹底方をお願いをいたしたいと、こう思う次第でございます。その点について、重複するようですが、ひとつ政務次官からもお答えをいただければ幸いでございます。
  90. 山本茂一郎

    政府委員山本茂一郎君) ただいまこちらから、事務当局からお話を申しましたような方針でございまして、また、先生からも御意見がございましたように、この点は特別会計の運用というものと、一般会計の適用すべき範囲というような問題について十分な検討をし、将来その線に沿って関係役所のほうの指導に当たりたいと、こう考えておるわけであります。
  91. 片山正英

    片山正英君 ありがとうございました。  それでは次に、予算問題について御質問申し上げます。  今年度の予算は林野庁並びに農林省、そして大蔵省の非常な理解のもとに、私は非常にいい予算であったと、こう思って、その事業の推進を見守っておったわけでございます。ところが、今回の仲裁裁定によるベースアップ、これは額の多い少ないは別問題として、当初予定したよりは私は多いんじゃなかったかと。相当大幅であったというふうに実は拝察をいたしますが、それらのベースアップの簡単な要点と所要総額はどのぐらいになるかお聞かせをいただきたいと思います。
  92. 福田省一

    政府委員(福田省一君) 昭和四十九年五月九日に仲裁裁定をいただいたわけでございます。で、かいつまんで申し上げますというと、いま先生から御指摘ございましたように、四十九年度の予算の中で私たちが予想しておったよりは相当高額になっておるわけでございます。一つは月給制職員の基準内の賃金を昭和四十九年四月一日以降一人当たり同日現在における月給制職員の基準内賃金の一七・九%相当額に八千三百円を加えた額、つまり二万五千七百六十四円の原資をもって引き上げるということが一つでございます。それから日給制の職員の基準内賃金を昭和四十九年四月一日以降一人当たり日額一千二百二十円の原資をもって引き上げること、こういう仲裁でございまして、所要額は、月給制職員については約二百三十億円、日給制職員については約百七十億円、合計しまして四百億円を見込んでおるものでございます。
  93. 片山正英

    片山正英君 大体今度のベースアップによる四百億円というような原資、これは全体の予算から見ると、林野庁のものは、こまかいのはちょっと記憶がありませんが、大体一五%ぐらいの予算のウエートになるんだろうと、こう思います。そうしますと、やはり林野庁は収入は上がるかもしれませんが、支出経費がそれだけ四百億がプラスになるわけでございますから、支出経費というのは——収入は伐採のほうです。支出経費というのは、御承知のとおり伐採したあとの造林とか、あるいは山をよくするための林道とか、あるいは治山とか、いろいろそういう山を育成する保護の面の経費であります。その保護の面の経費が、四百億という賃金上昇によって支障があるんじゃないか、保護の面の経費が制約されてくるのじゃないか。そうすると山をよくしようという基本方針がぐらついてくる結果になるんじゃないか。こういう意味で私は、四百億という予算というものは、そう簡単に合理化してやれる額でもないというふうに思いますだけに、私は、今回は補正予算、どうしてもそういう態度で臨まなければいけないんじゃないだろうか、こういうふうに思いますが、それについて御見解を伺います。
  94. 福田省一

    政府委員(福田省一君) 今回の仲裁裁定実施に必要な金額の財源措置につきましては、あらかじめ予算に計上してありました給与改善費、これは約五%相当額でございますが、約四十四億円の充当であるとか、あるいは業務の能率向上等による既定経費の節減など、あるいは財源の捻出につきまして目下検討を行なっているところでございますけれども、なお不足する財源措置につきましては、今後十分検討の上必要な措置を講じていかなきやならぬというふうに考えているところでございます。  なお、財減措置の検討にあたっては、国土の保全、自然環境の保全形成あるいはまた公益的な機能の維持増進、その他国有林に課せられました使命を達成するために必要なそういう事業につきましては、できる限り支障を及ぼすことのないように配慮していかなきゃならぬ、また、そうしていきたいとこう思っておるところでございます。
  95. 片山正英

    片山正英君 ただいまのお話を伺いますと財源措置については必要な措置だと、こういう表現でございます。私もあえて補正予算というものを固執する必要はないと思いますが、私の考えとしては補正予算しかないじゃないだろうかということを申し上げましたが、必要な措置ということでございます。いま申しました保育予算、山をよくする予算の削減が労賃アップによっての削減にならぬようにひとつ御高配をいただきたいと思います  そこでさらにお伺いしたいのは、国有林野事業を遂行するには、国みずからがやっておる直営直用という形態と請負という形態と二つ相並んであると思います。直用直営と請負のどっちがいいんだというような論議はここですることは差し控えたいと思います。また、なかなか切りがないわけでございます。大蔵省の財政審の答申では、直営直用は、どうも非能率だから、それはやめなさいというような答申もあるようでございますけれども、これはここで私議論するあれはないと思います。  ただ、今回のベースアップというのは、あくまで直営直用の労務者のベースアップであったと思います。したがって、そのベースアップによって車の両輪のごとくある直営直用と、それから請負事業という二つの事業が、直営直用の労賃アップのために、それ以外の請負等のほうにしわ寄せがくるということであっては、私は山村全体の安定にはならないというふうに実は思います。その点について、少なくとも、私は必要な措置と言われるわけでございますから、直営直用で労賃の上がることを決して私は、とやこう言うわけじゃございませんが、それによって地元の労務者に、民間の労務者にしわ寄せがくる、犠性になる、不安定感を持つということだけはないような、必要な措置を、ぜひとっていただきたいというのが私の要望でございますが、その点についてお答えをいただきます。
  96. 福田省一

    政府委員(福田省一君) 仲裁裁定の実施によりまして、ただいま先生御指摘ございましたように直営直用の部門と請負の部門と二つに分けてみた場合に、直営直用のほうは完全に実施できるわけでございますけれども、——そのしわ寄せは請負のほうにいくんではなかろうかという御懸念でございますが、確かにそういうことが懸念されるわけでございます。もしかりに必要な財源措置を講じなかったと仮定いたしますれば、おそらくこれは請負の部門におきまして、賃金の改善等を行なった場合においては、事業量を相当これ減らさなきゃならぬという問題が発生してまいるのでございます。したがいまして、先ほど先生が御指摘ございましたような、補正予算の措置が必要じゃないかという御質問に対しまして、必要な財源措置を講ずる努力をいたしますとお答えしたわけでございますが、この国有林野事業の四十九年度の予算の執行につきましては大幅な、賃金のほかに物件費の上昇等が見込まれておるのでございます。非常にきびしい状況にございます。  しかしながら、直営直用でございましょうと、あるいは請負事業でございましょうとも、林政審議会の答申にもございましたし、また、たびたび国会の場におきまして私お答え申し上げておりますように、この考え方は、先ほどお話しました基本的な考え方、あるいは国営の事業方針の中にもうたってございますけれども、よりよき直営事業よりよい請負事業というものを地域の実態に応じてこれを育成してまいりたいというふうに考えております。したがいまして、この企業的な能率性というものを尺度にいたして、よりよい請負事業体を積極的に育成していくという観点に立ちまして、地域の民間賃金の動向などを基礎といたしまして、適正な請負単価、金額というものを算定するように努力してまいる所存でございます。
  97. 片山正英

    片山正英君 少し時間がありますが、私はあと一点だけお伺いしてやめたいと思います。  山村を歩いてみて、ただいま申しましたように国がみずから労務者を雇ってやる直用直営、それから民間のほんとうの地元の人たちの、農業もやり、林業もやり、そして山村全体が安定する、そういう形で労務提供をされておる地元の人たち、こういう人たちの話を聞きますと、端的な表現をかりて申しわけありませんけれども、国が直営直用しておった人は非常に安定してやっておられるようだけれども、われわれはほんとうに仕事を与えてくれるのか、あるいは山として、ほんとうにわれわれを使ってくれる体制をもっていただけるのか、そういう点に非常に不安感を持っている。そして、その不安感のために、国有林に対する——私は表現が悪いかもしれませんけれども、冷たい風が吹いておるとさえ思うことすらございます。  私は、そういうことでは、国有林は自分だけがよければいいのかと、こういう批判にも通ずるわけでございますから、そうじゃなしに——国有林は、少なくとも山村におきまして、その山村において国有林が圧倒的に多い面積を占めている地帯におきましては、国有林の一挙手、一投足が、その山村全体の安定につながるかどうかという——極端な表現をすれば、ことにさえなると私は思います。そういう場合に、ただ国がやっている仕事だけはうまくいけばいいんだ、ということでは、山村全体の安定は期し得ない。もちろん国全体、国も安定しなければいけませんけれども、やはり山村全体が安定していくということにしないと。請負をとった労務の問題につきましても、その地元の労務者に不安なからしめる——去年はこれだけだったが、ことしはがた落ちだ、来年はまた、ちょっと出たというような不安感の中で、労務の安定というのは期し得ません、いまの山村は。非常になだれを打ってなくなるという時代でございますから期し得ません。それでなくても、やはり山村にとどまって安定的にやっていきたいという熱意が非常に感じられるときですから。  そういう意味で私は、国有林の事業運営に対しては地元の、ほんとうの民間の労務者、こういう人の安定も踏まえた国有林の計画、国有林の事業の推進、こういうことに着眼した政策を営林局長に大胆に推進していただきたい。こういうことを要望をするわけでございますが、ただいま申しましたそれは一つの請負事業の安定化にもつながるわけでございます。考え方としてはそういう角度でひとつ御推進をいただきたい。先ほど長官のお話ではそのように私は理解をいたしましたが、重ねて長官からもう一度、その点は山村全体の労務を安定させる施策として打ち出すんだということ、そういう予算の運営をするんだ、民間労務にしわ寄せだけをするという考えはない、というような点をひとつお示しいただいて、最後に大臣の代理として出ておられます政務次官からもその点をちょっとお触れいただいて私の質問を終わりたいと思います。
  98. 福田省一

    政府委員(福田省一君) 先ほど国有林の役割りについての三つのことを申し上げたわけでございます。特に地域振興に寄与するということが非常に重要な国有林の使命の一つでございます。国有林の事業の運営ということは、先生からもただいま御指摘ございましたように、その沿革を考えましても、非常に長い歴史の中で地元の産業の発展ということの結びつきの中で、国有林経営というものが保たれてきたものであるというふうに考えられるわけでございます。今後におきましてもそういった点を十分に念頭に置きまして、地元の対策ということを特に営林局長を通じてその役割りというものを、使命を十分に認識するように指導してまいりたいと思うわけでございます。そういう意味で、個々に偏することなく、そういった沿革を考えて地域の振興に寄与するような方向で対処してまいりたいというふうに考えております。
  99. 山本茂一郎

    政府委員山本茂一郎君) 国有林に関します産業につきましては、ただいま御質問がございましたように、また長官からお答えいたしましたように、長い間の歴史におきましてこれが相協力をして今日までに至ったわけだと、こう思っております。したがって、その存在する地域の産業の発展と住民の福祉の向上というものが、密接な関係を持つようにわれわれは将来も考えなければならぬと考えております。また、国有林野事業の活動はこれに関連する地域の産業活動を通じまして農山漁村地域の住民に働く場を提供し、そのほか地域振興への寄与という役目を果たす必要があると存じますので、関係地方のいろいろの公共団体等と連携をはかりつつこの役割りを果たしていきたいと、こう考えておるわけであります。
  100. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 本件に対する質疑はこの程度といたします。     —————————————
  101. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 次に、継続調査要求に関する件についておはかりいたします。  農林水産政策に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出したいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  102. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  103. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  104. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。  閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  105. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  106. 初村滝一郎

    委員長(初村滝一郎君) 一言ごあいさつを申し上げます。  委員各位におかれましては、本七十二国会中、農林水産委員会開会にあたっては、終始御協力を賜わり厚く御礼を申し上げます。  なお、農林大臣はじめ政府委員並びに委員部、調査室等の方々にも格段の御協力を賜わりましてありがとうございました。一言ごあいさつといたします。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。午後四時十一分散会      —————・—————