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1974-05-31 第72回国会 参議院 内閣委員会 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年五月三十一日(金曜日)    午前十一時十一分開会     —————————————    委員異動  五月三十一日     辞任         補欠選任      堀本 宜実君     林  ゆう君      楠  正俊君     川野辺 静君      中山 太郎君     斎藤 十朗君      星野 重次君     棚辺 四郎君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         寺本 広作君     理 事                 岩動 道行君                 岡本  悟君                 鈴木  力君     委 員                 川野辺 静君                 斎藤 十朗君                 高橋 邦雄君                 棚辺 四郎君                 中山 太郎君                 長屋  茂君                 林  ゆう君                 平島 敏夫君                 戸叶  武君                 中村 波男君                 宮崎 正義君                 星野  力君    衆議院議員        発  議  者 小宮山重四郎君    国務大臣        国 務 大 臣        (環境庁長官)  三木 武夫君        建 設 大 臣  亀岡 高夫君        国 務 大 臣        (総理府総務長        官)       小坂徳三郎君    政府委員        内閣審議官    粟屋 敏信君        内閣審議官    小幡 琢也君        内閣総理大臣官        房総務審議官   佐々 成美君        経済企画庁総合        開発局長     下河辺 淳君        環境庁企画調整        局長       城戸 謙次君        農林大臣官房長 大河原太一郎君        農林省構造改善        局長       大山 一生君        建設大臣官房会        計課長      森田 松仁君        建設省計画局長  大塩洋一郎君        建設省河川局長  松村 賢吉君        建設省道路局長  菊池 三男君        建設省住宅局長  沢田 光英君    事務局側        常任委員会専門        員        相原 桂次君    説明員        大蔵省理財局国        有財産第二課長  川崎 昭典君        国税庁微収部管        理課長      河合 一郎君        通商産業省産業        政策局商務課長  荒尾 保一君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○内閣法の一部を改正する法律案衆議院提出) ○国土総合開発庁設置法案(第七十一回国会内閣  提出、第七十二回国会衆議院送付)     —————————————
  2. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) ただいまから内閣委員会開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る三十日、林迫君が委員を辞任され、その補欠として中山太郎君が選任されました。     —————————————
  3. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 内閣法の一部を改正する法律案国土総合開発庁設置法案、以上両案を便宜一括して議題といたします。  両案につきましては、すでに趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  4. 戸叶武

    ○戸叶武君 国土総合開発庁設置法案に対し、小坂総務長官質問をいたします。  政府提案理由説明によると、近年における経済開発に伴う人口産業の急激な都市集中の結果、過密過疎の問題が発生し、一に環境の悪化、二に交通難、三に住宅難、四に地価高騰等のひずみが深刻化したのでその対策を樹立し、豊かで住みよい生活を確立する目的を達成したいとのことでありますが、政府のいうきれいな空気、きれいな水、緑に恵まれた生活環境をつくり上げたいという趣旨環境保全並びに土地対策及び水問題及び住宅問題の対策、そういうそれらの問題に対してもっと具体的な構想を承りたいと思います。
  5. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) まず最初に、国土庁設置に関連いたしまして、われわれが現在非常に難問になっております土地問題に対して国土利用計画法が決定されましたことは、今日までの非常に混乱した土地行政、また土地をめぐる国民の所得の乖離というような問題に対しての一つ解決をなし得るスタートラインが引かれたというふうに評価しておりまして、私は国土庁はこのような国土利用計画法というものを正確にまじめに基本的な線を追求しながら各般の行政措置をとっていくべきだというふうに考えております。  特に、土地に関しても長年いわれておりまする、いわゆる土地の取得というものに対して、これをある程度制限を加えたりチェックをするということが非常に重要なことであったわけでありますが、なかそれも果たし得ないで今日まで来たというところに、いまわれわれがきれいな水であるとかあるいは過密過疎の問題であるとかいろいろな問題を提起しておりながらも具体的に大きな前進をはかり得なかった点でございました。これなども先ほどから申し上げておりますような利用計画法というものの設置によりまして一つの社会的なチェックというものがなされる。同時にまた、各自治体がそれぞれの計画をつくってそれを推進をしていくと、言うならば住民参加ということが今度の国土庁仕事基本のラインの中に利用計画法が基礎をつくってくれたというふうに考えております。したがいまして、それぞれの具体的な施策についての諸点につきましては担当官からお答えを申し上げますが、基本的には国土庁というものはそのような新しい感覚の中で、これからのきわめて重要な社会問題全般に対して取り組むという姿勢を貫いてまいりたいというふうに考えております。
  6. 戸叶武

    ○戸叶武君 ただいま総務長官が述べられた土地取引や投機のチェック、そういう問題は、土地問題との取り組みというのはきわめて私はむずかしい問題だと思います。それだけに国土改造を強化するには十分な企画調整能力というものを具備しなければならないと思いますが、今度のこの国土総合開発庁発足にあたって、総合的行政機構整備というものがどういうところに重点を置いているか、それを承りたいと思います。
  7. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 一応その問題につきましては、国土庁の組織を考えたわけでございまして、これにつきましては衆議院におきましても修正の御意見が出まして、われわれもそれはけっこうでございますというふうにお答えいたしましたが、まずやはり計画調整局というものを置いて、そこの中で計画を立てると同時に調整を行なう。この調整も従来のような形式的なものでなしに、ある程度予算と申しますか、資金の裏づけのある調整実施できるような形、これが国土庁の大きな私は目玉だと思います。それと同時に、土地局を置きまして、従来の土地利用調整あるいは地価調査国土調査、そうしたものを踏まえての土地局の活動もこれは非常にユニークであろう。また、水資源局は新たに今後設置することになったわけでございますが、やはり国土土地と水というものは切り離せないものであるという考えの中での水資源局設置。また同時に、過密の問題は、従来も各大都市圏整備、その他三大都市圏整備等につきまして、それぞれ事務局を設けてやっておりましたけれども、これを一括して過密問題へのアプローチをする。あるいはまた、地方振興がきわめて重要な役割りでございましたが、これも言うならばばらばら行政であったものを、今後は地方振興局というものの中でまとめて過疎対策をできるだけ推進していくというような方向もとってまいりたい。同時にまた、災害対策も、従来は総理府の所管になっておると申しますか、事務局地方防災会議事務局が担当しておりましたが、それではやはり十分ではないという認識のもとに、長官官房災害対策室を新たに置きまして、災害対策につきましても縦割りでなしに、さらに横割りの総合的な強力な部門をここで発動していきたい等々を考えておるわけでございます。同時に、土地鑑定委員会、これらも今後の地価対策上はきわめて重要な役割りを果たすものであるし、いずれにいたしましても、従来のばらばら行政であっては、指摘される面は幾らあっても、それを縦割り行政の中で救済をし修正をしていくということはなかなか困難な面が多々ございますが、国土庁はそうした各省間の間に落ちる問題が、特に土地問題を中心過疎過密問題等すべてを包括いたしまして、横割り行政の中で今後は統一的な姿勢とアイデアを持って行動していく、そのように考えておるものでございます。
  8. 戸叶武

    ○戸叶武君 国土利用計画法案の内容に盛られているそれは、小坂総務長官が申されたように、住民参加ということをも取り入れているというお考えでありますが、いまの御説明にも見られるように、ばらばら行政を統合することと、それから重点的にいろいろな仕事をする場合において、そのファンクションを十分に発揮させるという機能的な行政というものを打ち出している点において、これは日本行政の、いまのマンネリ化した行政に対して、新しい活路を見出そうとしているものだと私たちは感ずるのでありますが、しかし、この土地利用法に関する委員会報告が去る五月二十七日に参議院の本会議で行なわれた際におきましても、野々山委員長がこの問題に関して、政府要路の人々の政治姿勢というものに対して、問題はその人にある、人の考え方にあるという形できびしくやはり警告を発しております。それに関連して田中首相も、法案採決の直後において、先日のテレビ放送中における私の発言をめぐり、国会審議の紛糾を生じたことはまことに遺憾であったという形において、田中首相としては珍しくすなおに自分の放言を全面的に取り消して反省し、陳謝の意を表しておりますが、これは田中首相だけのことでなく、私はいまの内閣制度における各閣僚の一小坂さんは別でしょうが、どうもものの受けとめ方というものに、自分のやはり先入概念がなかなか切りかえることができなくて、もたもたしている点があると思うのですが、まあ小坂さんはすっきりしていると思うのですけれども、過去のこの経緯から見ても、この国土利用法案の成立、それを受けての国土総合開発庁設置の問題、この問題をめぐってどのような受けとめ方をしているか、それをまず承りたいと思います。
  9. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 先般の国土利用計画法参議院会議における御審議の際の総理発言は私も拝聴しておりましたが、ただいま御指摘のように、たいへん私は率直な御意見の開陳であったと思います。同時にまた、これはわれわれ全部が十分、この国土庁設置あるいは利用計画法、その持ついまの、現時代の社会的な重さというものを十分認識をしていく、できるならば、いろいろないい御意見があるならば、前向きにどんどんと吸収させていただくということがやはり非常に重要な要素であるというふうにも考えます。ただ、大都市圏整備局あるいは地方振興局というものを国土庁の中に置きますゆえんのものは、現時点におきましては、土地問題あるいは水資源問題、あるいはそれをめぐる計画調整ということだけで足りるではないかというような御意見もあったように考えますが、しかし、過密過疎の問題についても、これはやはり現時点におきましては放置できない大きな社会的な問題でございます。そうしたものもこの国土庁ファンクションの中に入れて、土地政策中心にしての新しい方向づけの中で大都市圏過密、そうしてまた地方都市過疎という問題も同時にやはりこの庁の中で取り扱っていくほうが、より行政的にも能率的ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。ただいま戸叶委員の御指摘になりました、やはりこの土地の問題を中心にした現在の問題というものはきわめて重要であって、これの解決は党派を越えてきわめて切実に国民から政治に求められているものであるという認識は、強く私は持っておるものでございます。
  10. 戸叶武

    ○戸叶武君 この土地問題にうっかり手をつけるとそのたたりがおそろしい、土地と食べもののことは政治の鬼門だということが日本の古くからの歴史研究学者において言われておるのですが、それは大化の改新前後から鎌倉時代、明治初年における動きを見ても、おおむねこの土地問題と食糧問題にへたに手を触れて革命の暴発をうながしたようなことは非常に多いのであります。そういう意味において、田中さんはブルドーザーだから非常に勇気をもって暴走しておりますけれども、この暴走の結果というものが、今日これでは何とかしなけりゃいけない、ばく進するだけじゃなく、もっと調整というものが必要だということは国民全体が考え、また内閣においてもその反省があらわれたんだと思いますが、やはり議会政治のもとにおける、十八世紀末におけるイギリスのウオルポールの二十年政権の時代にキャビネットとしての内閣責任制というものは確立したのでありますが、日本における内閣制度の中において、どうも行政の長としての内閣総理大臣というものが、権力にたれると独走したくなって、住民参加とか国会における審議とかというのがおろそかになって、ヒットラーやニクソンが失敗したと同じように、やっぱり田中さんも何か自分の意のままに世の中を動かしてみたいと思うような妙な興味と錯覚を持っているのでありますから、今後における内閣及び国会というものは、もっとぴっちりこの田中さんの言動というものを監視しながら、特に田中さんを取り巻くもろもろの野心家たち動きというものをチェックしながらいかないと、やはり私はたいへんなことになると思うのでありますが、特に総務長官が御承知のように、土地問題というのは、イギリスにおいてもビクトリア王朝を背景としてのあの資本主義繁栄期において、マルクスですらも、資本論において晩年において考え方がよほど違ったり、またマルキストのカウツキーと対立したベルンシュタインも、リビジョナリストとしての資本主義安定期における大きなマルキシズム修正を行なったように、この土地問題を中心としていろいろな変動を経済上にも及ぼした時代がいまから九十年ほど前にはあったのであります。  しかし、そのときに、やっぱりイギリスにおいて、このマルキシズムをなまのまま受け入れたハイドマンの社会民主同盟なんかの考え方イギリスの中へ入らなかったのは、マルクス考えているようないわゆる剰余価値説利潤論争と違った形において社会的関係の変化によって土地価格は暴騰してくると、このリカードやあるいはジョン・スチュアート・ミルを通じて発展してきたところの不労所得説というものが大きく、イギリス経済現実から正統学派の中で大きな支配力を持ったのであります。現実がものの考え方を決定していったのであります。だからこそ土地社会主義が発生し、あるいは後年のこのローカル・ギルドのアーサー・ペンティの考え方なんかから発展し、フランスのサンジカリズムを取り入れたG・DHコールギルド社会主義が提唱されたように、やはりあの段階におけるイギリス悩みと同じような悩みを、日本経済学者たちも、もっと実証的に日本経済の流れ、世界経済の中における日本の現段階における特徴的な流れというものを謙虚につかむならば、そこにもっと創造的な考え方というものが出てきて、それが政治の中にも反映しなけりゃならないと思うんですが、どうもいまの政府考え方というのは、田中さんも感度のいい人だが、どうも何か不安定な、せかせかした落ちつきのないつかみ方で、年じゅう思いつきが変わっていくという、私はこういう形で日本政策というものが支配されていくと、年じゅう変更するんじゃないか。  きのうもテレビで何か財界のえらい人と田中さんの対話がなされていましたが、あれは住民参加対話の形式とは違って、田中さんに同調しなければならない財界巨頭との漫才的対話です。ああいう漫才的趣味が横行すると、ほんとう情報化時代におけるコミュニケーションというものが、何だという、ばかばかしく、漫才なら聞いてやるが、とにかくああいう、ただより高いものはないで、あんな話を聞いていたら、ばかばかしくてこれは聞いていられないと、私も聞いていたが、思いつき発言であって、国民生活に根をおろしていない財界巨頭の古い感覚の受けとめ方、田中さんの、何だか、どっかの地方あたりへ行けば、総理大臣発言として耳を傾けるかもしれないが、冷静に茶の間で聞くと、何言っているんだいという感じきりしか私は出てこない。しかも国会で重要なこの法案のような審議がなされているときに、この問題点を与野党のリーダーによってディスカッションされるなら別だ、国会というものを無視して、しかも国民から遊離した一大企業は大きな責任反省を持たなけりゃならないときに、大企業巨頭日本権力を握っている総理大臣との対話、こういうものが国会無視の形において独走していく行き方というものは、私は外国にもないことだと思うんです。ニクソンがやたらにテレビを使って人気をあおった結果というものが、盗聴問題にまで尾を引いて、いまのようなみじめな最後を遂げなけりゃならないところに追い込められているんですが、あの道を行くならば別だけれども、国会において大きな問題が討議されているときに、国会反対意見の人と対話をするというのならば意義はあるけれども、庶民の悩み、それから国民が問題にしている問題点をそらして、一国の総理大臣日本の財閥の巨頭とのテレビ会談なんというものは、国会開会中においては私は慎むべきことだと思うのです。やたらに、取り消しを要求するとすぐあやまることは平気だが、こういうことでは、私は国会を軽視し、国民をばかにした風潮というものが、おそるべき結果を誘発するんじゃないかと思って心配しているんです。  で、小坂さんは非常にすなおですが、すなおなかわりに、田中さんにまではきびしい忠告はあまりできないかもしれませんけれども、やっぱりこの国土総合開発庁を所管するのにあたっては、それだけの見識を持って、まず一国の総理大臣言動チェックするような政治力を発揮しなけりゃ、とてもこの問題を、やはりさっきあなたが言った問題点チェックなんというものは困難だと思うのです。  それで、まず地価対策土地に関する問題及び水の需給の問題、そういうものから質問を行ないますが、具体的にはこの地価対策、また水の需給調整の問題、これを、大まかに言ってどういうところを問題にしようとしているか、それを承りたいと思います。
  11. 粟屋敏信

    政府委員粟屋敏信君) お答え申し上げます。  まず、土地対策の問題でございますが、先生御承知のように土地対策にはいろんな手だてがあるわけでございます。まず地価安定のためには、もちろん今度御制定をいただきました国土利用計画法によりまして、公的権力によって取引介入をいたしまして、その介入の際に取引価格チェックをする、これによって相当の効果があがるのではないかと思います。また同時に、税制の機能あるいは金融の機能、これをあわせて活用することも必要であろうかと思います。  さらにまた、問題は需給のバランスの問題でございますけれども、供給の面も無視することができないわけでございます。現在これらの対策はそれぞれ関係省庁にわたって実施をいたしておるわけでございますけれども、今回国土庁の御設置をお認めいただきますならば、国土庁土地局におきまして、国土利用計画法を軸といたしまして、その上に立ちまして総合的な政策企画立案をし、かつ関係省庁にその実施をお願いをするというかっこうで、一体としての土地対策が強力に進められるものと考えております。  なお、現在土地対策につきましては、地価対策閣僚協議会政府基本方針を決定いたしておるわけでございますが、その事務部局内閣審議室でございまして、これをほんとうに真正面から取り組む専門の官庁がなかったわけでございますが、国土庁はその事務を所掌をすることになりますので、総合的な土地対策推進が一そうはかられるものと考えておる次第でございます。  また、水の問題でございますが、水につきましては需要供給の両面があるわけでございます。需要につきましては、それぞれ厚生省、農林省通産省が、生活用水農業用水あるいは工業用水の立場から需要見通しを立てているわけでございます。また、供給につきましては、建設省あるいは農林省におきまして、ダム建設し、また海水淡水化技術開発等につきましては通産省が進められておると、そういう状況でございます。これらを、需要供給は相関連をして初めて総合的な政策が樹立されるわけでございますので、今度国土総合開発庁水資源局におきましては、そういう広範な観点から長期的な水需給見通しを立て、それに対するダム建設の促進、さらには海水淡水化、あるいは水の有効利用等政策を樹立し、かつその総合的な体系化をはかることによりまして、将来逼迫してまいります水需要、水問題に対処することができるのではないかと考えておる次第でございます。
  12. 戸叶武

    ○戸叶武君 これは十数年前のことでありますが、私がアメリカに招かれていきましたときに、日本国土を研究した著名な統計学者が、日本の個の長所は、日本人は、台風によって大きな被害を受けるというふうに、台風のことをうらんでいる向きがあるが、あの台風がもたらす雨量というものが、日本の国の水資源というものが、私は大きな宝だと思うと。もう一つは、やはりあの気候温暖な島国に一億の優秀な人口が存在するということが、これが日本のエネルギーの源泉ではないかというふうに彼はアメリカの雑誌に書いておりました。  最近においても、水の問題で、日本水田に多くの水をためておく、それによって水を保有している、このことがやはり日本のいままでの水保有においては重要な問題であったが、このごろはその水田がこわされて、どんどん工場や住宅が建つ、そういう形から伏流水というか、水がだんだん粗末にされてしまって、そして日本でもきれいた水に困るようになっているじゃないかということが問題になっておりますが、古代からやはり治山治水、水を治めるということが政治の中の要諦だというふうにされております。中国の禹の治水の物語もその一斑を示すものであり、中国人民共和政府になってからの三門峡ダム建設したときにも、黄河の水を初めてダム建設によって清らかにすることができたというふうに凱歌をあげたことがありますが、日本では、やはり水の問題と取り組むのに、非常にこの問題を軽視しておったのではないかと思います。たとえば内務省において渡辺技官が当然次官になるのじゃないかというふうなうわさがされても、それは水関係専門家であるからというので、おそらくは道路関係その他に排除された、これは建設省ですか、そういう話も伝わっておりますが、私は、いまはやはり水の問題というものを、この国土庁発足にあたって土地の問題と同じく重視していることは非常にすばらしいことだと思いますが、日本では——水の問題を外国ではわりあいに過大に評価しておって、先般はあのバグダードにも東大の安芸皎一博士が水の権戚として講演に招かれております。  それはチグリスユーフラテス水源地をやはり治めるということと、もう一つは、あの古代文明の開けた、いまの砂漠と化しているようなチグリスユーフラテス文明を再び復活するのには、オイルでもうけた金を治山治水のほうに振り向けて、緑の山、緑の原野をつくり、また河川を治めなければならないという構想がそこに躍動しているのだと思いますが、ベトナムにおいても、私はそういう水の問題に対する、河川の問題に対しての日本の協力を求めることが切なるものがあると思いますが、まず国内にその範をたれなければたらない段階において、もちろんこれは建設省その他農林省などとも協力を必要とするのでしょうが、この国土庁においては、まずそういう水の問題と取り組むのにあたっては、どういうふうな形から取り組みを出発するか、それを承りたいと思います。
  13. 粟屋敏信

    政府委員粟屋敏信君) 先生ただいま御指摘いただきましたように、水問題はきわめて重要でございます。これは明治二十九年に旧河川法が制定されまして以来、そのときは治水がまず第一番の要諦であったわけでございます。その際オランダその他から技術を導入をいたしまして治水技術の発達につとめてまいったわけでございます。その歴史的変革をおきまして、農業利水の問題はもちろん基本でございますけれども、さらに電力の問題、さらに水需要の問題、特に現在一番問題となっておりますのは、水利用の問題で申し上げますと生活用水の問題でございます。たとえば東京の人口増、これは将来幾らになるかということは大問題でございますが、かりに趨勢のまま放置いたしましておきますと実に三千数百万、現在より千五百万人も増になるわけでございます。それに対応する水を確保するということは現実問題としてきわめて困難でございます。これをせめていわゆる自然増にとどめ、社会増をストップするということになりますと、現在よりさらに六百万人ぐらいふえるわけでございますけれども(それに対しまして水を供給をするためには、建設省の広域河川利水調査によりますと、なお十九億トン、十数億トンが不足するという状況でございます。それに対応するためには水資源の開発、すなわちダム建設と同時に水利用の合理化の問題とか、あるいは海水淡水化とか、あるいは農業用水の問題とか、そういう多角的な面からこれに対応していかなくてはならないわけでございまして、国土庁におきましては、そういう観点に立ちまして、総合的な過密過疎問題と関連をさせながら水問題に対処をしていきたいと考えておる次第でございます。     —————————————
  14. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、堀本宜実君が委員を辞任され、その補欠として林ゆう君が選任されました。     —————————————
  15. 戸叶武

    ○戸叶武君 次に、環境庁長官というよりは副首相として、三木副首相から国土庁設置法の発足にあたり大所高所から見解を承りたいと思います。  それは三木さんが最近保守党から招待を受け、また労働党のウイルソン首相から招待を受けて、イギリス及びフランスにおもむき、ウイルソン首相やフランスの新大統領及びミッテランさん及びOECDの指導者たちと会談して帰ってきておるので、最近における、日本を離れてヨーロッパから、日本のこの高度経済成長の驚異の裏表というものをヨーロッパは見ておると思うのですが、あなたは英国でヨークシャーテレビが取り上げた「日本の経験」という一時間半ほどのテレビを見て非常に感ずることがあったということでありますが、それらのことを含めて、国の内と外から観察して、日本経済成長並びにそれに伴って起きた公害や自然破壊、この二つの面、国土総合開発と環境整備の問題というものは表裏一体をなすものでありますから、そういう点において、ひとつこの機会に御所見を承りたいと思います。
  16. 三木武夫

    国務大臣(三木武夫君) まあ、日本は今日まで高度経済成長の道をたどってきた。また、それはそれなりの理由が私はあったと思うのであります。戦後食べるものもない、住む家もない、働き場所もない、着るものもないというこういう貧困のどん底から、まず物質的な安定を求めて根限り国民が働いたということは、それなりの理由があったと思えますが、しかし、成長を急ぐのあまり、一つ環境とのバランスを失してきたことは事実であります。どうしても経済成長というのは能率を要求するわけでありますから、各臨海工業地帯にコンビナートのようなものができて、集中的に工場の誘致をやった。それはきわめて能率的でありますが、しかし、そこにはやっぱり人間が住んでおるということに対しての配慮が足らなかったことは反省しなければならない。そこでまず、今日では多少おそきに失した感はありますけれども、その反省の上に立って国土の総合的な利用というものを考えていこうということは、おそいからといってやらなくていいかというと、おそくても、いまからでもいわゆる国土庁をつくって日本土地利用といいますか、しかも限られた、日本国土は至って狭いわけですから、しかもその狭い中で山岳地帯が大部分ですから、きわめて狭小な国土に人間が住んでおる、人間が住んでおるということを頭に入れたがら、これの有効な利用を考えていくということは私は必要だと思うのであります。われわれとしても、ヨーロッパなどを旅行をしまして、空間、緑、こういうものが人間というものの生活にどういう影響を持つかということを非常に考えさせられる。十分ぐらい行ったらすぐ大きな森が一ぱいあるんですから、その森を歩きながら日本考えてみると、ここらでやっぱり日本考え方を変えて、もう少し人間の生活というもの、これをめぐる環境というものを大切にしようという、GNPもそんなにアメリカを追い越すような必要もないんですから、人間というものをもう少し考えてみれば、これはやはりいままでの行き方というものが反省されなきゃならぬ。その反省の上に立って国土庁を置こうというわけでありますから、おそきに失したりといえども、こういうものを置くことの必要性は私も認めて賛成をしておるわけでございます。
  17. 戸叶武

    ○戸叶武君 三木さんに私が聞きたかったのは、特にイギリスでヨークシャーテレビが取り上げた「日本の経験」というものは、日本経済成長の脅威と、もう一つはその裏の面と、二つの面を取材して帰って、それをやはり問題としてイギリス人に提供していると思いますが、その反響はどのような反響を与えているでしょうか。
  18. 三木武夫

    国務大臣(三木武夫君) ヨークシャーテレビという民間の放送局が、「日本の経験」というのでドキュメンタリーなフィルムを一時間半にわたって三回にイギリスでそれを放映したようでありますが、私が会いますと、みながやっぱりそのことを話題にするんです。相当にやっぱり反響を与えたフィルムであることは明らかなんです。それはイギリスとすれば、日本のいろんな姿を客観的にとらえてイギリスの教訓にしようではないかということで結んでおるのであって、そこはやはり高度経済成長からくる日本生活環境に与えたひずみというものをみな大写しにしたわけです。私は見たわけじゃないんですけれども、たいへんにやっぱりこれは事実をそのまま拾ったんですが、その中には、どうも西欧の人たちには日本の高度経済成長というものが非常に異常といいますかね、異常というように目に映っておることは事実で、これからは日本もいままでのような高度成長の時代をずっと続けていくわけにはいかぬわけですから世界並みに日本もなってくると、そんなに人類史上かつてないような、一〇%をこえるような成長が、これずっと長期にわたって続いていくということになれば、まあ五、六年もたてば日本経済規模は倍々になっていくんですから、そういうふうなことがやはりいままでの統計の上ではそうなっても、人間がそのときに生きておるのかどうかということは疑問ですからね、そういうふうな経済の非常な成長というものは。ここらで日本もスピードを落として、やはり世界並みな日本になって、いままでわれわれがフルスピードで走ったわけですから、周囲の景色をあんまりゆっくり見る機会もなかった、ここらでやっぱりわれわれの周辺、どんなひずみ、そういうものがあるかということをわれわれは反省しながら、これをバランスのとれた一つ環境をつくり上げるということが国土庁をつくる大きな役割りだと私は思っております。
  19. 戸叶武

    ○戸叶武君 国の政策推進するのにあたっては、長期的な見通しと、やはり計画を立てその計画推進するにあたっては、一定のプログラムをもって具体的にそれを推進させなければならないと思うのです。そういう意味において、この国土総合開発庁のあり方というものが、出発に際してやはりしっかりとしたそういう考え方を固めていかなけりゃならないと思うのでありますが、文明史観と哲学を持たない政治は滅びるといわれておりますけれども、日本の現在において一番考えなけりゃならないのは、やはり一個の歴史の流れとしての文明史観と、もう一つは、総合的にものを考えて、何が正しいかというようなけじめをしっかりつけることの習慣を身につけてないので、そういうことが年じゅうネコの目玉が変わるように、政府の言ったことに従っていけば日本の百姓は貧乏してしまう、桑の木を抜けって言って抜いたらもう損をする、やっぱり政府が、農林省が抜けと言ったから今度は抜かずに植えるようにしたらいいだろうといって養蚕も振興した、すべて不信感があるのです。農地の問題でもそうですが、いま三木さんが言われましたが、日本国土は確かに狭い、しかし、気候温暖な土地としてはこれほど恵まれた土地は世界にないと思います。  そこで、日本は山岳地帯が多いといいますが、スイスと比べれば非常に私はまだ日本のほうが平地が多いと思うのです。スイスにはしかもレマン湖のようなあんな大きな湖が山の間にあります。そのスイスにおいて、万年雪をいただくアルプスのような氷河のあるような地帯があるのにもかかわらず五五%まで耕地化されているのです。日本では二〇%前後じゃありませんか。スイスと日本とを比較するならば、日本においてきのうの田中さんの放言では正確な調べ方をしておりませんけれども、私はスイスに数回行きまして、山岳酪農をも見てまいりましたけれども、万年雪をいただいている下の灌木地帯の灌木は整理して、そこは牧草地帯として夏季酪農を行なっておりますが、その下が森林地帯になっております。傾斜地においては果樹を植えております。ブドウの栽培や何かが盛んであります。そうして平地においては穀物や野菜をつくっております。スイスの農家において、日本の昔の農民以上の熱心さで庭先にコンクリートで下を固めて堆肥を重ねております。住宅の二階、三階には牧草を、夏季には朝の三時、四時に起きて刈ってきた牧草の干し草を二階、三階の屋根裏にふき上げております。農家の平土間では暖炉をたいているが、二階ではその熱や煙を利用して薫製をつくっております。そうしてそこは冬の仕事場にもなっております。そういうふうに合理的に一つ国土の開発なり農民の生活というものも営まれているのでありまして、肥料や牛小屋から流れてくる動物のふん尿やそういうものまで大切にして、そうして堆肥にして地力を力づけているのであります。昔の日本がそうだった。それが全部大地に還元しないで、たれ流しやった結果というものが今日のヘドロの世界を生み、公害を生んでいるのであります。  政府のやはり農政なら農政の指導というものがよろしきを得ない、こういう点にあるので、今度の水の問題に対しても、日本では多目的ダムという名のもとに、大体は農民をだまして工業用水のほうへ水を持っていきますが、工場経営には水が必要なのは当然です。しかし、人間にとって水が非常に大切であるということ、それから工場用水としての水が大切であるということを思ったならば、もっともっと日本では水力発電が可能なのです。重油のほうが安いというような形において石炭を捨て、そして水力電気も軽視しというような、何かその場だけの政府施策のもとにやったことが、エネルギー資源の確保の問題においても、私は非常な石油ショックに見られるような大きなやはり日本の弱点を生んだんだと思いますが、そういう問題に対して、今後、政府の副総理の地位にある三木さん、あるいは財界から入って総務長官の重任にある小坂さん、この人たち田中内閣における理想主義政治家の一つのタイプだと思いますが、タイプだけじゃどうにもならぬが、この人たちの具体的な構想をこの機会に承りたいと思うんですが、これ、田中内閣の明るい面というものを幾らかわれわれが見ないと、もうやりきれない思いをしているので、ひとつその辺をお示しを願いたいと思います。
  20. 三木武夫

    国務大臣(三木武夫君) 法案を手がけておる小坂総務長官からいろいろ具体的なお話はあると思いますが、しかし、いま戸叶委員の言われるように、国土は美しいですから、この美しい国土を保全するという責任はあるので、そういう意味からいって、いままではとにかくこの高度経済成長という、まあGNPというのは、こんなに国民の間にまでGNP、GNPという国はどこにもないですね。そういうふうな、何かGNPといえば結局生産力を増大するということになるわけで、工場誘致というようなものがやっぱりGNPを引っぱっていく原動力になるわけです。ここまで来たんですから、ここらで少しバランスのとれた、一体、人生とか人間のしあわせとかいうものを考え一つ国土庁にならなければ、これは役所的な考え方国土庁をつくったんでは、私はいま国民政府に対して要請している願望に沿うものではないと思いますね。非常にこう何というのか、国土庁というものが従来の発想から一つの転換した、非常にクリエーチブな考えでなければ、もとのようなことの延長みたいなことをやればこの美しい国土というものは保存できませんよ。やはりここまで生産力も増大して、そして世界で三番目と言ったら、もうこれででき過ぎておるわけですから、これ以上何もそんなに経済成長というのでなくして、これから人間を大事にする、経済成長でなしに人間を大事にする、そういう観点に立って日本国土の利用はどうあるべきかということが、これからの国土庁というものがやっぱり考える根本である。そうなってくれば、環境というものは非常に大事になってきますから、自然の環境もひとつ保存しようとするでしょうし、そうでなければ人間しあわせになれないですから、そういうことで、人間に目を向けた国土庁であってほしい。これが私の願いであるし、また私も内閣におってその責任の一端を背負うておるのでありますから、そういう方向で私も努力をしたいということでございます。
  21. 戸叶武

    ○戸叶武君 この新しい国土総合開発庁は、通産省なり農林省なり建設省なり環境庁なり経済企画庁なりのやっていたいろんな仕事が入ってまいるのでありますが、この中で、やはり国土保全の関係では建設省農林省がいろんな点で深く関係があると思いますが、建設省のほうから、私はやはり河川の問題、道路の問題、住宅の問題を承りたいと思いますが、まず第一に、土地問題と関連しての住宅の問題ですが、これは今後どういうふうに推し進めようとしておりますか。戦後、戦争が終わった後において、アメリカ、フランス、イタリア、ドイツ、イギリス等の私は住宅事情を調べに数回参ったことがありますけれども、いち早く、やはり衣食住の中において食べものの問題、それから住居の問題、これが生活の安定にとっては非常に重要なのでありますが、日本ではいままでおろそかにされ、しかもその制約は土地問題から制約を受けている。このごろは資材の入手が困難だなどといわれておりますが、政府がやる気ならやり得るので、やる気がないからやれないんだと思うんですけれども、こういうふうな私の見方は皮肉な見方かと思いますけれど、このいまの住宅問題の立ちおくれというものをどういうふうに打開しようと考えておりますか。
  22. 亀岡高夫

    国務大臣(亀岡高夫君) 戸叶先輩御承知のとおり、戦後廃墟と化した日本が今日まで大体二千七百万戸の住宅をつくってきておるわけでございます。そして昨年の暮れの時点における総理府の統計によりましても明らかなごとく、あき家率が五・五%という現実のデータが出ておるわけでございます。百三十万戸近くのあき家がある。また、別の統計によりますと、世帯数よりも住宅戸数のほうが百三十万戸ほど上回ってきておるという実はデータも出ておるわけでございます。そういう中にあって、住宅に対する国民の不満、国民の要望、国民住宅に対するきびしい要請というものが、一億一千万近い国民のうちに三五%も実はその不満を持っておる次第でございます。特に東京、大阪、名古屋等、三大都市圏における住宅難という問題はもう非常にきびしい情勢に置かれておるわけでございます。まあ政府のやり方が悪いから家が建たないんだという御叱正でございますけれども、確かにいままでは数さえふやせばいいという立場でやってきた傾向もございます。住宅に関する不満というものをいろいろ分析してきますと、やはり狭い、もう設備が非常に古い、それから日照がよくないというような問題についての不満が非常に多いわけでございます。したがいまして、そういう現実を正確に把握をいたしまして、東京、大阪等においてなぜ住宅が建たないかという——これは結局土地の高騰、それから公共施設に対する各自治体の異常なる超過負担、そういう問題と、人口はもうこれ以上入ってきてもらいたくないと、人口抑制に対する各自治体の気持ち等がございまして、公営住宅等、都や府県にお願いしても、なかなか予算どおり消化されないという現実が昭和四十七年、四十八年と現実に出たわけでございます。  そこで、何と申しましても地価対策を確立していかなければならないということで、昨年の地価問題閣僚協議会におきまして方向を打ち出して、私権制限をして土地取引の規制をしていこうという方向を政府としては打ち出した次第でございますが、立法化されるに至らず、今国会においてほんとうに私ども待望してやまなかった国土利用計画法が制定されたわけでございます。この法律を前提といたしまして、実は建設省におきましては、市街地の再開発についての法律、それから大都市地域における住宅及び住宅地の促進をはかるための関係法律、それから建築基準法、宅地開発公団法というような方式でこの住宅難の解消をはかっていこうということで御提案を申し上げ、予算等も裏づけをいたしてきておるわけでございます。何と申しましても、やはり地方自治体の超過負担をたくすようなことを講じませんと、もう地方自治体の協力を受けられないということは、これははっきり実はいたしておる次第でございます。したがいまして、宅地開発公団等において宅地を造成をし、市街地を造成をするという際にあたりましては、宅地開発公団で公共施設——学校、病院あるいは幼稚園、保育所、集会所、そういうものを公団がみずから建設等いたしまして、地方自治体に長期の年賦償還で、十年据え置きで貸していこう、こういうことまで実は考え国会法案を提案をいたしておる次第でございます。と同時に、この公団につきましては、市街地から通勤できる交通機関も公団みずからの力で敷設、建設、経営できるような立法措置もお願いをしておると、こういうことでありますと同時に、やはり東京とか大阪とかの非常に過密になっておる都市内における市街地再開発ということをいま住宅公団等において進めておるわけでございます。江東地区等においては、工場の地方分散に伴いまして、そのあいた分の一部を住宅建設に使わせていただいておる。また、今度筑波学園都市が進んでおるわけでありますが、都内で約十七カ所の政府の研究機関が移転をしてまいるわけでございます。そういうところも全部が全部、住宅というわけにはまいりません。先ほど環境庁長官からお話がありましたとおり、東京は緑が非常に少ないわけでございますので、それらのところはほとんど緑化をしよう、公園緑地という方向に持っていこう、そういう中でも、その一部を都民のための住宅難にあえぐ方々の住宅建設に供用をしていこう、こういうような考え方で進めておる次第でございます。
  23. 戸叶武

    ○戸叶武君 次に、通産省農林省に簡単に質問をいたします。  それは最近ゴルフ場の問題ですが、これはゴルフ場が日本の国に、この十年そこそこの間にたいへんな数ができておりますが、通産省なり農林省ではどのようにこれを受けとめておりますか。これは各都道府県の知事の認可や何かでできたのでしょうが、ゴルフ場の数と、そのゴルフ場に使っている土地の面積、そういうものがありましたら示してもらいたいと思います。
  24. 荒尾保一

    説明員(荒尾保一君) ゴルフ場の数でございますが、これは数え方がいろいろございますが、私どもの調べましたところでは、昭和四十九年三月一日現在で七百四十三ホールでございます。面積にいたしますと七万一千六百四十一ヘクタールでございまして、国土面積の〇・二%弱であろうかと思います。  なお、このゴルフ場につきましての規制でございますが、これにつきましては、先ほどお示しのような国土の保全、緑地の保全、そういう面が非常に重要でございます。こういう乱開発は防止しなければならないということで、すでに各種の法律があるわけでございまして、自然環境保全法、自然公園法、森林法、都市計画法、農地法、その他数々の法律があるわけでございますが、これらの法律に基づきまして、各関係省庁におきまして規制が行なわれますとともに、各地方自治体が、大体都道府県ほとんど全部でございますが、条例ないし指導要綱をもちまして、それに基づいて事前に各ゴルフ場の開発計画を審査をし、自然環境の保全その他に問題がないかどうか、災害の発生に問題がないかどうかということをチェックした上で認可をしておるというのがいままでの実情であろうかと思います。  なお、先生御承知のとおり、現在衆議院にゴルフ場事業の規制に関する法律案が五党共同提案によって提案されておるわけでございますが、私どもといたしましては、この法律の審議結果に基づきまして、適切な措置をとりたいと考えておる次第でございます。
  25. 戸叶武

    ○戸叶武君 このゴルフ場の規制の問題は、私の栃木県でも知事認可の数が百をこえている上いうことであります。これはばく大な面積であって、もう正確に把握したならば、各市町村におけるスキャンダル、県庁まで入れての全部露呈してきております。これは私は栃木県だけのことじゃなくて、東京近県においてほんとうに本格的にゴルフ場を調べていけば、国民健康のためというよりは、大企業なりあるいはその背後に銀行その他の金融機関がバックをなして、一個の投機的な投資が行なわれていると思うのですが、私がいまから四十数年前にイギリスにおった時分に、正宗白鳥という文学者が来て、イギリスには牧場が多いからサッカ−の競技場やゴルフ場があるのはあたりまえだが、日本ではゴルフ場なんかは、まあああいうふうに農地をこわすわけにいかないからできないなということを彼が言いましたときに、私は、イギリスでも耕地が牧草地に変わったのは、アメリカの縦貫鉄道ができ、蒸気機関による船が発達して、南北戦争前後からカナダやアメリカや豪州の穀物が安く入ってきたんで、麦をつくっていちゃ割りに合わないから結局牧場にしてしまったんだ。だから、あのヒルを歩いてみれば、昔畑だったという土地があるといって示しましたが、こういうふうに私は大きな経済変動のときには、やはり日本の高度経済成長政策の裏側には、こういうゴルフ場の乱造というか、非常な数が多くできたようなことがあると思うんです。  これは結びの質問にいたしますが、緑を保存しなけりゃならないということは、あのアデナウアーですらも、エアハルトのドイツの経済発展の奇跡の時代に、エアハルトには哲学がない、われわれの国土、われわれのふるさとを保存するには、ドイツ特有の森や緑地地帯を残さなけりゃいかぬ、緑の土地をなくしてしまうと水が逃げてしまう、気候に変化がくるからといって、食糧・農林大臣のリベックにも言って、そしてドイツでは国土計画の中で森林やそういう——田中さんが言う、鎮守の森と田中さんは言っているが、そういう問題、いまさんざんこわしちゃってから鎮守の森もないもんだと思いますが、そういう緑地を保存したのです。ということは、これは総務長官並びに農林省にお願いしたいんですが、もっとやはり緑を大切にするために、いまのゴルフ場なんか半分ぐらいはやっぱり私は思い切って規制する必要があるんです。そういう思い切ったことをやらなけりゃ改革ということにはならないんで、行き過ぎと思うけれども、そういうだんびらを振り上げてやれば、幾らか目をさまして、ゴルフをやり過ぎて顔面神経痛なんかになって口がひん曲がるような人が出てこなくなるんです。どうぞそういう意味において、私は、いまのような昭和元禄の退廃を押えるのには、だんびらをふるうことも必要なんで、今度の風土総合開発庁設置法が通るやいなや、まずそういうだんびらをひとつ抜いてやると、なるほどこれはやるわいということを国民がわかって、国民の協力も得られると思うんですが、湯の中でおならをたれるようなことをやっていたんじゃとても私は政治というものは前進しないと思うんで、総務長官なりなんなり、やはりこの国土開発庁に責任を負う人は、もう少し朝野をひっくるめて自粛するような体制にしなければ自然環境の破壊を押えることはできないと思いますが、総務長官、どういうお考えでしょうか。
  26. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 戸叶委員のただいまのお説は私も非常に共感をいたしますし、またお考えの筋道もよく理解できるわけでございます。しかし、一方から、政府がそのようなだんびらを引き抜くということは、必ずしも私はいい結果ばかりがあるとは思わないわけでございまして、もちろんそれは現在の土地問題を処理するということはなまやさしいことでないことはよくわかります。と同時に、今後のわれわれの国土庁の今後の進め方の一つ基本は、やはり地方自治体のいわゆる利用計画というものが骨子にならなくてはならない。もちろん大きな方向としての国土の開放と申しますか、あるいは国土の緑の増加と申しますか、そのような方向というものは万人私は否定しないと思いますが、しかし、現実にはこの利用をどうするかということは、自治体における選択の問題が非常に大きいと思います。ただいまも御指摘のゴルフ場の設置でございますが、これは必ずしも政府が干渉してやっているものじゃないのであって、ほとんどが自治体がゴルフ場をつくることのほうがメリットがあるといって、それを許可し造成をさせているのが実情ではないかと思うわけでございます。問題は、やはり日本全体の行政機構の中に国土をいかに持っていくかという、ただいま戸叶委員の仰せられたいろいろな諸点も踏まえて、みんなが一回ここで反省してみる必要があるように思うわけでございます。特に自治体における経済性の問題と、また住みよい自分のふるさとというものの関係を、どっちを選択するか。私はやはりそこに選択をどっちにするかということについて、特に国土の問題、また同時に土地をいじくるということは命取りになるという御指摘、私は非常にそのとおりだと思います。したがいまして、この選択をどちらにするかということの選択を、やはり地域の住んでいる人たち、住民あるいは国民の大きな幅広いコンセンサスを得るような形での選択を求めるという仕組みがいいのではないかと、私は自分としてはそう思います。やはりこのどちらをとるか、急速な成長を求めるか、あるいはまた、そんなに生活の急激な変化を求めないが、もっと自然に親しみたいという選択を国民はいまや選ぼうとしているのではないかと思いますが、しかし、実際の問題の処理の中で、その選択をもう一度ひとつ日本じゅうの行政機関が国民に求めるというような姿勢から、土地の問題についてのまず最初のアプローチはなされていくべきではなかろうかと、そのように考えております。
  27. 鈴木力

    ○鈴木力君 関連。  さっきの亀岡建設大臣の御答弁のうち、二千七百万戸の住宅建設をしたという御答弁があった……。
  28. 亀岡高夫

    国務大臣(亀岡高夫君) 二千三百万戸です。
  29. 鈴木力

    ○鈴木力君 それは私はまあ二千三百万戸でもいいですよ。その数字は訂正されてもいいですけれども——御答弁いただかなくてもいいです。時間がありませんですから。この問題をひとつ資料として出してみてくれませんか。何か政府がそちこちに行って二千何百万戸・世帯数より多い家を建てたなんというおかしなことを言って歩かれたんでは、実態とは違った、あまりにもひどい言い方だと思うんですね。そこで、戦前に建てられた家は幾らなのか。あるいは個人が自力で建てた家は幾らなのか。政府の制度を利用して建てた家は幾らなのか。それから二戸のうちにはおそらく六畳一間というのも一戸に入っておると思いますから、そういう規模別にすればどうなるのか。そういう点を、きょうは時間がありませんから、あとで資料として出していただきたいと、こう思います。
  30. 亀岡高夫

    国務大臣(亀岡高夫君) 資料としてただいま御指定のありましたデータは全部提出いたします。
  31. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 午前からの審査はこの程度にとどめ、午後二時再開することとし、休憩いたします。    午後零時二十九分休憩      —————・—————    午後二時四分開会
  32. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、内閣法の一部を改正する法律案国土総合開発庁設置法案、以上両案を便宜一括して議題とし、質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  33. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 今回の国土利用計画のこの法案ができます経緯というものは、いま私が申し上げることもないので、そういうことは時間の簡略化をして申し上げません。ということにしまして、直接議題に入って進めていきたいと思います。  提案理由説明の中にも、「地方の都市及び農山漁村の整備、総合的な交通施設の体系の整備等国土の総合開発に関する総合的かつ基本的な政策及び計画企画立案することとしております。」というこの一項のところをとらえてでも、相当問題点が多いということを見のがすことできないと思いますが、長官も限られた時間のようでございますので、おもにいままでの私の調べましたことをお聞きになっていただいて、そしてこういう事実が過去において一ぱいある、現在も行なわれているということを知っていかれながら、今後の計画及びその運行、行政管理等を将来にわたってやっていただきたいということをまず最初に申し上げておきたいと思います。  最初に、行政管理が非常によくないということ、行政管理が非常にまずいという問題点を取り上げてみたいと思いますが、たとえば国有財産の管理という問題で、宅地造成の開発が盛んに行なわれておると同時に土地売買が盛んに取引をされている。こうした中で、国有財産がかってに使用されているという事実を大蔵省はどのようにとらえておられるか。また建設省もしかりでありますし、また農林省もしかりでありますが、まず大蔵省にお伺いしますが、全国的に畦畔の処理問題ということについて御説明を願いたいと思います。
  34. 川崎昭典

    説明員(川崎昭典君) 御指摘の畦畔でございますが、いわゆる田のあぜやくろを畦畔と呼んでおるわけでございますけれども、一般的には民有地でございまして、ただ、明治の時代に官民有の区分ということをいたしましたが、その際に民有地とされなかったものが、無主物は国有になると、そういう意味で国有地となっでおりまして、いわば脱落地の一種ということになっております。したがいまして、その場所が具体的に宅造といったようなことにならないと具体的に所在が明らかにならない、こういった場合が多うございまして、従来まま、御指摘のように、知らない間に宅造が行なわれているということがございましたが、最近関係官庁に鋭意働きかけまして、開発許可のおりる段階で把握するというふうに改善してまいっております。大体この一、二年の間では、従前のように知らない間に国有地が開発されておるということは非常に少なくなってまいった、かように考えております。
  35. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 それでは詳細になりませんね。各県どのような状態で大蔵省がこの処分をしているのか、どういう実態を掌握しているのかということを伺っているわけですから。
  36. 川崎昭典

    説明員(川崎昭典君) 畦畔というお話でございましたが、畦畔と申しますのは、先ほど言いましたように、国有畦畔となっておりますものは各県にあるというものではございませんで、神川県以下ごく少数の場所にあるわけでございます。そこで、御指摘の畦畔とおっしゃっておられますのは、おそらく里道といわれる法定外公共物のことだろうと思いますが、これはいわゆる公衆の用に供せられる道路のようなもの、こういったものは元来が国が管理しておるべきものということでございまして、国が管理をしておるわけでございますが、これは大蔵省が所管しておるというものではございません。したがいまして、宅造なんかがございまして、その道路が要らなくなったといったような場合には、用途廃止という手続をとりまして、所管の省、まあ具体的には道路の場合ですと建設省でございますが、建設省から大蔵省へ引き継ぎが行なわれておる、これを大蔵省において処理をしておるという状況でございます。
  37. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 じゃ、神奈川県のことを言ってください。神奈川県とそのほか少数と言ったでしょう。神奈川県の、実際この関東財務局一関東だけでもいいですよ、関東財務局の扱っている売り払い状況とでもいいますか、そういった実情を説明してください。
  38. 川崎昭典

    説明員(川崎昭典君) 神奈川県で畦畔の売り払いという状況は、このいわゆる畦畔というのは、私どものほうで普通財産として要処理財産というふうに呼んでおりますが、要処理財産の中には畦畔以外にもいろいろございまして、物納財産、そういったものが入っておりますけれども、畦畔だけを抜き出した統計というものはございませんけれども、神奈川県下における畦畔の売り払い数量は大体二十万平米程度と、毎年その程度売り払っておる。件数にしまして千件程度というふうに考えております。
  39. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 私は横浜財務部へ行って調べてきたんですよ。意地の悪い質問してすみませんけれどもね。資料もここにいただいておりますわ。いま説明がありました千件程度というお話ですが、この内訳等については御存じなんですか。
  40. 川崎昭典

    説明員(川崎昭典君) 千件程度ございますし、この資料は早急の間につくりましたもので、内訳については一々知っておりません。
  41. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 ずいぶん不親切な答弁だな。内訳なんか知っちゃおりませんと言ってぽんと投げ出すんで、どうもしようがないですね。この私の手元にあるもので見ましても、神奈川県下における普通財産、いまおっしゃったとおりです。土地売り払い状況調べ、これを見ますと、一般会計の四十八年度分としてありますけれども、法人関係が三百三件、数量にしますと、幾らですかこれは、四十二万四千六百六十七平方メーターですか、お金にして九十九億五千五百七十七万七千円。個人にしまして、個人のもの——いまのは法人ですが、個人をとらえてみますと、千二百二件、十二万八千六百九平方メーター、金額、売り払い価格として十四億八千七百五万二千円。計千五百五件、数量が五十五万三千二百七十六平方、金額が百十四億四千二百八十二万九千円、このような膨大なものになっている。しかも日本全体の畦畔の点だけとらえてみても六百万件ぐらいあるんじゃなかろうかともいわれておる。これは届け出がされて初めてそれを掌握するというふうな答弁がございましたね。そうじゃなかったですかね。
  42. 川崎昭典

    説明員(川崎昭典君) 脱落でございますので、届け出といいますより申請がございまして、それで初めて調査を始めるという形になっております。
  43. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 これも一つの大きな管理のずさんの面です。これはたいへんなことです。毎年千件以上、それでこの財務局の地方財務部のほうでは、こういう問題で人手が足りなくてふうふう言いながらやっているわけです。たいへんな労力をこの作業に費やしているわけです。その苦労を知らないでいるということは大きな間違いだと思いますよ。いまのは畦畔であります。  その次取り上げるのは、今度は建設省の、道路法による道路が、いつの間にかその道路のところに家が建ち、国の土地が使用されているという、その実態があるわけです。このまた件数も相当なものです。ちなみに、私が、横浜の金沢区の寺前というところなんです。人からこういう問題があったのですが、これは、私は土地を買わなきゃならないので、この土地が国の道路が入ってるんだと、しかもこれを持ち主の方から、買うときにはこれをその坪数だけは除いて買ってくれと、こういうふうに言われている。——建設省の人、どなたですか。——そういうふうなことがあるのを知っておりますか。全国的にも相当あると思うんです。  それからもう少し話を進めていきたいと思いますが、なぜ私がこの問題を取り上げましたかといいますと、これも道路が全部家が建ってしまって、そしてその家の持ち主は、個々に申請をして今度はその国から払い下げを受けるということになる。それを正直にしようとする人と、そのまんま知らぬ顔している人と、これさまざまだと思うんです。これは私の想像ですけれども、この土地がものすごい坪数もあるわけです。こういうふうなことを御存じでしょうか。
  44. 菊池三男

    政府委員(菊池三男君) 一般的な問題といたしましては、できるだけ道路の上にそういう不法な、あるいはこれは不法じゃない、ずっと前から経過をたどれば、ずうっと以前からのそういう道路法上の道路に物件が乗っているという例がございますけれども、まあそういうものについて、やはり私どもはパトロール等を強化いたしまして、発見すればすぐにそれをのいてほしいというようなことを口頭あるいは文書で通告いたしまして、のいていただくと。  それからただいまの、そういう場所がたくさんあるかということでありますけれども、やはり管理の行き届いております国道あるいは県道等につきましては非常に例は少ないと思います。ただ、それ以外に、いろんな市町村道でも路地のような道路もございます。そうなりますと、その管理が行き届いておりませんで、もう大正の時代、あるいは昭和の初めごろから物件がそのまま乗っかっておる。しかもそこにそれを払い下げする手続もしてない、あるいはそれを占用するという手続もしてないという例が若干あると思います。ただいま先生のお話の、金沢八景のことがお話に出ましたけれども、その付近にも、横浜の市道で、公図上は道路法の道路がありますけれども、道路の実態はなくて、そこに物件が乗っかっているという例が何カ所かございます。知っておるかということの御質問でございますので、そういう個所はあるということは知っておるというふうに御返事申し上げていいと思います。
  45. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 知っておられればどうしなきゃならないか、処理のしかたというのはあると思うんですね。処理のしかたがなされてないということですね。これはいまお話にありましたように、大正年間か、それ以前かというようなころからあるものもあるというような御答弁ですけれども、これも相当古いものだと思うんです。かなりのキロ数があるわけですからね。その実情も御存じですかね。どの辺からどういうふうになって、何メートル幅で、そして何キロあるか、そういうことをおつかみになっていますか。
  46. 菊池三男

    政府委員(菊池三男君) たまたま横浜の市道の百二十三号と百二十四号というものでそういう事例が見受けられております。それでそれを調べてみたんですが、ただいま先生は相当長くというお話でしたけれども、私どものいまつかんでおります実態は、一つの道路は長さが三十七メートルでございます。延長が三十七メートルです。それで幅が一メートル八十二と、そういう道路が公図上はありますけれども、実態は道路がなくて、家屋が二軒、あるいはそのほかにも駐車場というような形でそれが使われておる。それでそれがどういう形でそこに残っているのか、いま実態を詳細に調べております。何か聞くところによりますと、昭和の——これは大正九年に道路法の道路であるという認定をして、大正九年に認定して、そして昭和の初期からどうもその家があるらしいというようなことでございますので、その経緯が、どういう形でそこに残っておるのか、あるいは当初はそこに道路の認定をしたけれども、そこに道路をつくらずに別の場所に道路をつくりまして、そうした場合に、そこを道路区域からはずすべきでありますけれども、その廃止の手続がしていなくてそのまま残っているのか、これはまだちょっとこまかいことが、ただいま調べている最中でございますので、まだよくわかりません。  それからもう一つが、その続きの道路で百二十四号というのがございます。これは長さが七十メートルでございます。それで幅はやっぱり同じように一メートル八十二でございます。これも一部が車庫であり、一部は何か工場が乗っておるというようなことのようでありますけれども、これもどういう形でそういうこれが不法に使われておるのか、あるいはそこに、不法というよりも、道路の廃止の手続がしてなくてそうなっておるのか、そこら辺のいきさつをいま調査中でございますので、もしそれがどういうふうなことをするのかという御質問であるとすれば、これはその経緯を調べまして、不法なものであれば、あるいはのいていただくということもあるし、また、そこにもう道路として要らないという場所であるとすれば、これはもう不要なものとしてあるいは払い下げるというようなことにもなろうかと思います。まず実態を先につかまなきゃいけないと思いますので、現在調べておる最中でございます。
  47. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 これは私がこういう質問をするよと言ってから調べられたわけです。ですから、こういう質問をするよと言う私のほうがよく知っているわけです。で、いま御答弁がありましたけれども、相当な道のりですわ。もう少しよくお調べになるといいと思います。これは私も幾ら、何キロだということは、私自身もはかったわけじゃありませんからわかりません。しかし、公図を——一部分の公図しか私は見てこない、それをつないでみれば相当長距離のものじゃなかろうかと思うんです。で、もうそこにはすでに家がみんな建って、ほとんどが人が住んでおります。で、しかも国道ができた、それも国道ができたために、その間が遮断されているというような形で、そこに、その道路法の道路の上に家が建っている、その人たちが家屋を売買する場合に、土地を売買する場合に、この土地をどうするかということが問題にいままでなっていなかったんです。今度初めてその求める人から、こういうふうなことになっているんだけれども、国ではどんなふうにしているのかという質問を受けたわけです。それで私も調べに行ったわけです。で、行ってみましたら、いま言う道路法の道路というものがずうっと横断をしているというので、この点についてすぐ関東財務局の横浜財務部へ行ってみたりして、登記所にも行ってみたりして、そしていろいろ調べてみてきたわけなんです。それで私も事情がわかったので、今度の国土法というのは、こういう形態が日本の全国あちらこちらにずいぶん隠されてあると思うんです。いま言いましたように、この畦畔だけを取り上げてみましても百億からの、たった一年間の経緯を見ていってもそれぐらいの売買ができているということですね。そういうふうなことを考え合わしていきながら、将来にわたって国土計画をしていくのには、まずこの現時点におけるその国土がどんなふうに消化され、どんなふうに活用され、どんなふうに計画化されているのかということがわからなければ将来に手を打てないという、そういう観点で私はこういう問題を取り上げているわけです。  それからこれも建設省のほうですが、不法占用実態調査というのがございます。これは河川が主体であります。これは河川です。河川局長、このところもたいへんなんですね。件数なんというのはたいへんであります。これ、一々やってもいいんですけれど、この不法占用実態というのはどんなふうに、大ざっぱでもいいですから、建設省は掌握をされていろのか。
  48. 松村賢吉

    政府委員(松村賢吉君) 河川敷地の不法占用につきましては、これは実は戦争中あるいは戦争後、これらにおいての不法占用が実態としては多いと思いますけれども、いわゆるバラックと申しますか、スラム街と申しますか、そういうような占用形態が確かに相当あるわけでございます。これらにつきましては、鋭意是正して、これらの移転計画等によってやってきているわけでございますが、現在でも一級河川のいわゆる指定区間以外、直轄管理区間、これだけをいろいろ調べてみましても二千五百十余りのいわゆる不法占用の物件と申しますか、バラックが残っておるような実態でございます。これをわれわれといたしまして計画的に移転をはかっておるわけでございますが、実情といたしましては、これら不法占用している家屋——実態はここに住んでおりまして、これを移転させるのに、不法占用でございますので、当然まあ十分なる補償金というのは払うわけにはいかぬわけでございます。したがいまして、これを実態として移転させるにつきましては、やはり地方公共団体あるいは市町村、こういうところと協力をお願いをいたしまして、公営住宅等に移すというような措置によってわれわれのほうといたしましては順次移転をはかっておるという実態でございます。
  49. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 これは川ですから、河川ですから、国土のほうには関係ないとは言えないわけですね。と同時に、今度はいまお話がありましたように、新しい住宅を建てて、その移転をさせるというふうなことを地方公共団体もやっているという、それに対する住宅地区改良法ですか、それに基づいておやりになっているというお話ですね。こういうふうな、いま一級河川だけを取り上げても、いま御答弁では二千五百件と言いましたですね。これは地方公共団体のそれぞれで一番悩んでいる周題なんですよ。これなんかも、これは予算関係だといいますと、地方公共団体ではこの方々の住宅というものを建てるためには、また土地を提供するためには、財源のないところを相当な金を使っているということになるわけですが、こういうふうな問題もずいぶんあります。これをまた掘り下げていきますとたいへんな問題が一ぱい出てくるわけです。この環境整備の事業の一環として当然このこともやっていかなきゃならないというふうにもお考えになっておやりになっているんだと思いますが、いずれにいたしましても、これ一つずつ、東北だとか、関東、北陸、中部、近畿、中国、四国、九州というふうに、現時点の実態を一つ一つ調査していくのにはきょうは時間がありませんので、さあっといってしまいますけれども、この問題にやはり一番悩まされているのは建設省じゃないんでしょうか。また、もちろん自治省もそうだと思います。まあいずれにいたしましても、こういう問題も処理しなければならないという、これが一点ですね。  それから農林省のほうの関係を申し上げましょう。農林省の方。一この農地法の四十四条、六十一条、それから七十四条の二項のこの法律の適用事項がございますが、これで無断転用されているものがあるかどうか、四十四条について、あとでゆっくり伺います。長官が時間の都合等あるので。一つ一つこれこまかく条文に入っていって論議を進めたいと思っておるんですが、これはあと回しにして、いますぐ答えていただきたいことは、他目的のために無断転用されているものがあるかないかどうか、それを調査されているかどうかということです。
  50. 大山一生

    政府委員(大山一生君) 国有農地等の管理は原則として都道府県に行なわせておるわけでございますが、まあそういうことで県の管理の適正化を期しているわけでございますけれども、無断転用が発見されたというような事態につきましては、その間の使用期間中の損害賠償権をどうするかとか、そしてまた原則として原状回復し、それから明け渡し請求をする、場合によっては時効中断、そして訴訟を行なって問題を解決してまいる、こういうふうな方針をとっております。まあ無断転用された例ありやということでございますならば、これはございます。そのことで訴訟までやった例もございます。     —————————————
  51. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、楠正俊君が委員を辞任され、その補欠として川野辺静君が選任されました。     —————————————
  52. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 四十七年度の売り渡したものを見ましても、これは農地法の第六十一条、百七十七ヘクタール、それから譲与の場合が二千百二十ヘクタール、合計で二千二百九十七ヘクタール、これは毎年大体これに近いものが、さたそれ以上のものがやられているわけですが、その中で、いま御答弁がありましたように、目的以外の他目的のために無断転用しているということを事実を認められましたね。これはこれとして、またあとで一つ一つ指摘しても、時間があればやっていきますけれども、長官、いま私が各省にまたがって、建設、農林、大蔵、こういうふうに一つずつ事案を取り上げまして、今日いま現在、国土が非常にずさんな管理のもとに手がつけられないような形で放任されているような形でいるわけであります。これを解決すると同時に、今後の国土の利用計画というものが立てられなければならないと思うんです。まだ一ぱいあります。問題は。問題一ぱいありますけれども、全部私は省略していて、突き詰めていまお話をしているわけでありますが、こういう事実の面を踏まえながら、今度の法律というものをどう生かしていかなきゃならないか、また、現時点にあるこういう事例に対してどう考えていかれようとしているのか、明確な御答弁をいただきたいと思います。
  53. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 国土庁におきまする土地の問題に対しては、やはり私は非常に長期的な長い目の一つのプロジェクトを考えて実現をしていくという方向と同時に、ただいま御指摘のように、現実のいま社会にありまするいろいろな、ある場合には不法であり、ある場合には行き過ぎであり、いろいろな問題が土地については付帯している、付随していると私は理解しておりますが、ただいま御指摘のようた、具体的にしかも国有しておる土地、そうしたようなものに対しての調査たども各省それぞれの立場においてやっていると思いますが、問題が小さいというような観点から、初めて宮崎委員からの御指摘があって調査をしたというような感じも私は答弁を聞きながら受けたわけでありますが、やはりこの国土庁というものは、遠いビジョンも必要でございますが、現実のいま起こっている問題に対しても詳細にひとつ現状を把握するということも非常に大事な私は行き方の一つだと考えます。同時にまた、そうしたことが各省庁にいままでばらばらになされておったわけでありますが、今後は土地局というものをつくって、そこの一つの一本の計画政策の方向を各省に実務的にお願いをして調べてもらうわけでございまして、現状の正確な把握ということをやはり同時にやらなくてはならないというふうに考えるものでございます。
  54. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 今回のこの国土計画法に基づきまして、地方公共団体に相当の荷重がかかってくると思うんです。労力についても、それからその財政面につきましても相当な負担がかかってくると思います。現在でも相当な荷重がかかっている。三割自治とか負債が多いとか、もうたいへんな負担がかかっておる中で、今回またこうしていろんな計画法の一つ一つの個条を見ていきましたその中の問題等を地方自治団体でやる場合に、どれほどの負担がかかってくるかということを一つ一つお調べになったとは思いますが、どんなふうなお考えであり、どんなふうな計画を立てながら、地方公共団体に対する補助なりあるいはその援護策なりを考えていかれようとしておるのか、これは総合的な総理府国土利用計画という面の上に立ってのお考えがあるだろうと思うんですが、この点についてもひとつ御答弁願いたい。
  55. 下河辺淳

    政府委員(下河辺淳君) 国土利用計画法によりまして、第四十条の経費の補助の規定がございますので、内容は政令で定めるということになっておりますので、制定後、この政令をつくる仕事を始めておりまして、政令ができました段階で正確なお答えをするということになるかと思いますが、現在の限りにおいて、お答えできる範囲でお答えしたいと思います。  実は、昭和四十九年度予算におきましては、政府提案の国土総合開発法案国会へ御審議を願ったわけでございますが、その国土総合開発法案の中におきまして、政府といたしましては四十九年度予算にその必要経費を組んでおります。その内容を多少御説明さしていただきますが、一つは一般事務費の都道府県に対する補助でございます。これは土地利用基本計画を立て、届け出制を受け付け、そして許可制をしくということに関しまして事務量がふえますので、その事務費の補助をいたしたいということを中心といたしまして一般会計から都道府県への補助金を組んでございます。さらに、この買い取り請求権を、許可制の場合、不許可になったものに対して認める場合の買い取り資金が問題になりますので、その手当てとして地方債——政府債を一応一部加えまして地方債を予定いたしまして、その場合に都道府県としては償還利子がかさんでまいりますので、償還利子の一部を補助するということで、一応四十九年度におきましては八億五千百万円という予算を計上してございます。法律の趣旨は変わりましたけれども、国土利用計画法の施行にあたりまして廃案となりました国土総合開発法に向けて予定しておりましたこの八億五千百万円の予算をそのまま使わせていただこうということを今日考えておるわけでございます。なお、土地の取得につきましては、おおよそ九十二億ということを予定しておりますが、さらにこのほかにこの公共用地の取得債もございますので、地方債の中で自治省と相談しながら運用したいと考えておるわけでございます。  しかし、国土利用計画法におきましては、この遊休土地対策というものも加わりてまいりましたし、許可制度というものについてもさらに強化するということになってまいりましたので、五十年度予算におきましては、四十九年度予算をべースにいたしまして、さらにこの法律の施行に必要な補助経費あるいは土地取得のための地方債の強化をはからなければならないというふうに考えておりまして、一昨年、各都道府県が条例もしくは要綱等によりましてすでに土地対策実施しておられる都道府県もございますので、それらの都道府県の必要経費等の調査も一度したことがございますが、この時点で、あらためて国土利用計画法の施行に必要な経費について、都道府県との話し合いをできるだけ早い機会にさせていただきたいということで、国土庁発足して土地局が成立しました段階ですぐに都道府県との話し合いができますように、現在事務的な用意を始めているところでございます。
  56. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 いまお話にありましたけれども、届け出、審査、許可、指導、検査、これはもう物品費、一般事務、これはたいへんだと思うのです。いまでさえ各県庁で、建物が職員で入り切れなくなって、継ぎ足し継ぎ足しやってどうにもならないような時点で、事務量がそれでなくたって満ぱいでやり切れたいほどやっているわけですね。そういう事態等踏んまえて、この施設関係の費用でも相当の補助ということが必要になってくると思うんですよね。富山にしても石川県にしても、どこの県庁も、行ってごらんになればわかりますが、たいへんなことですよ、これは県庁は県庁で。今度は市町村のほうはまた市町村のほうで、届け出だとか審査、許可、指導。調査に行って、機動力も使わなければならないでありましょうし、新しい計画に基づいて動かなければならないということになると相当な負担量がかかってくるわけです。ですから、いまお話のありました、一つのことをおっしゃっておられましたけれども、土地利用規制等費、これが八億五千九百万とあれにはなっておりますが、いま御答弁では百万と言われましたけれども、利子補給にしても、許認可制に関する事務費だとか、それから計画樹立のための半額補助していくということでも、これを振り当てたからということで済まされることじゃないと思う。こういう面から、一つのところだけとらえてみても、相当なしわ寄せを与えていくということになるわけですね。ですから、こういう点についても、ただ、この計画が十一月に施行されるようになるか、実際は実働していくのは来年度になるでありましょうけれども、その間に手当てができるのかどうなのか、またそれが今度は具体化して実働化していくことができるのかということが心配ですよ。  しかも、まだ今日の時点で問題点は一ぱいあります。たとえば土地の価格の問題にしても、土地の価格を一元化していくか、一本に土地価格というものをきめていくかいかないかという問題等、あとでまた問題を提起いたしますけれども、そういうふうな土地価格の問題、地価の問題等含めて、どうこれを運営していくかということが大きな課題になってくると思うのです。こういう点について、やはり私は総理府長官のほうから考え方をお聞かせ願いたいと思います。
  57. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 御指摘のように、やはりこの国土庁の最も重要な仕事は、いまのお話のような点、そうしてまた同時に、地方自治体の協力と申しますか、また地方自治体の行なう国土利用計画法に基づく計画の立案等含めまして、やはり非常な事務量の増大ということは避け得られたいことだと思います。したがいまして、本年度は一応予算としては一千六十三億程度のものを準備しておるわけでございますけれども、いよいよこの国土庁発足いたしまして、実際の当面の緊急の諸問題に対処すると同時に、地方自治体における事務量の増加ということを考えますると、やはり五十年度の予算においては、特に地方自治体に対する財政的な協力と申しますか、そのようなものを予算額の中で十分見ていくということは、この国土総合利用計画そのものの運用とともに、国土庁の最も基本的な重要な事項であるというふうに認識をいたしております。
  58. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 速記をとめてください。   〔速記中止〕
  59. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 速記を起こしてください。
  60. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 これは土地評価一本化を検討していくということは建設省考えておられるようなんですが、それぞれ大蔵省にしても自治省にしても経企庁のほうでも、この問題については、固定資産税、相続税の問題だとか、地価の公示価格の問題の考え方がまちまちなんですね。これを保有課税の強化もやっていかなきゃならないみたいないろんな問題ありますが、これからほかの委員会のほうに長官がおいでになるということでありますので、総合していくという立場の上から、土地評価に対する考え方、どんなふうにお考えを進めていこうとするのか。一本化にするのか、一本化には、とうてい現在の状態見ていきましても無理な点が一ぱいあるわけですね。地価公示価格の時価の七、八割でやるとか、固定資産税の評価の価額の問題にしても時価の三割から四割ということもありますし、相続税評価価額も時価の約六割だとか、こういったようないろんな問題点がそれぞれの省の中で、今日土地評価のことについてはまちまちな状態でありますが、これを総合していくという立場でどんなふうにお考えになっているのか、この点をお答え願いたいと思います。
  61. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) この地価評価の問題につきましては、私のきわめて個人的な見解にならざるを得ません。まだ政府内部におきまして、どのような方式、またどのような形で評価をするかということについてはまとまった議論がなされておりませんが、私はまず第一義的に地価公示制度を、地価公示をもっと拡大した形において全国的にまずやるということが非常に大事なことではないか。その公示価格そのものが高いとか安いとか、あるいは現行の税金の対象になる、固定資産税の対象になるもの、あるいは相続税の対象になる評価というものとの関連をやはり十分見ていく必要があるんじゃないかと思うんです。地価は、この土地は坪十万冊であるとか、この土地は三千円でいいんだとかいうことを恣意的にきめるというわけにもいかない。しかし、一方においてはやはりある程度あまりアンバランスのある地価というものを公認していくということもまたいかぬわけでございます。私はやはりそのような面から見て、いまございます三つの評価方法というものと同時に、現時点でどのように評価されているかという公示価格そのものを並べて、どの点に落ちつけたらいいかということを慎重に検討していく必要があるんではないかと思います。  それと同時に、やはりもう一つ取引の規制の問題があるわけです。著しくばか値で買うということが行なわれて今日の非常な混乱を招いておるわけでございます。あるいはまた期待的な、期待されるような開発ということを過大評価して非常に地価をあおるということもありましょう。また、将来そこに鉄道が敷かれるとか、大きな工場ができるとかということを予測しての地価というものも現実に出ております。それらをどのような形で実際の政策の中に取り入れていくかということにつきましては、たいへんなまぬるいような御答弁になりますが、私は相当時間をかけていかざるを得ないというふうに思います。やはり土地取引の規制ということと、また各自治体でつくる利用計画というものが一つの骨になって、そうしたものを組み合わせながらの中で、将来三年ないし五年の間に日本国土の評価というものを達成していくというような、やはりそのようなやや長期的なプログラムを許してもらわないと、一挙にはできないのではないかというふうに考えております。
  62. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 確かにむずかしい問題でありますが、先ほど道路法の道路の上に家が建っている、その人が今度は個人的に、いま自分土地に払い下げ申請を出して、市から県に出して、県から建設省へ出て、建設省から大蔵省へ来て、大蔵省からまたもとに戻ってきて売却ということになるわけです。払い下げということになりますが、その取引の規制問題等で、いまの値段で売買をされたのでは、これはえらい負担もかかってくるでありましょうし、また当然公示価格の面を利用してその払い下げ価格を指定するというような場合も生じてくるでありましょうけれども、問題問題によっても、非常に複雑になってくるこの今日の時点を考えていってみても、なかなか容易なことじゃないと思うのです。ですから、いまはこれに対して明確な御答弁というのはなかなかむずかしゅうございましょうが、ただ、私の申し上げたいのは、先ほど来から申し上げている畦畔の問題にしましても、里道の問題にしましても、水路の問題にしましても、自分は知らないで、国の土地でありながら知らないで家を建てていて、それで今日の時点になって売買されても、それが何もわからないで売買されているという、長い年数のかかったものに対する払い下げなんというのは、相当な襟度をもってそれぞれの事情に適応したやはり考え方をしてあげなきゃいけないのじゃないかなと思うわけなんですが、そういう点について、いま御答弁がありました中から想像して、取引適正価格というもの、これはやはりそれはその時点でお考えになるのじゃなかろうかと思うのですが、その点どうでしょうか。
  63. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 非常に具体的ないろいろなケースも私知っておりますのですが、これを幾らにしたらいいかということを何かの基礎の計算方式を立てるということも、私は最初のスタートがその人の悪意でなかったと、あるいはまた不作為のと申しますか、そういうようなことから起こっている場合と、もう明らかにそれを知っていながらとぼけてやっているという事態、むしろそのとぼけてやってばかもうけをしているやつに対する世の中の反撃が今日の土地問題だと思うのでありまして、善意であったのか、あるいはとぼけてやっていたのかというようなこと、私はそこまで評価の基準にしていくということが、一体どういうものさしがあるかと、正直に申し上げてちょっとお答えができませんので、また研究をさせていただきます。
  64. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 まだ大事なことを何点もお聞きしなきゃならないのですけれども、お行きになるのじゃもうどうにもなりませんね。これからが本番に入るのですがね。  それでは、先ほどの農地法の四十四条の買収の点から、それから六十一条及び同七十四条の二項の他目的のために無断転用されているということ、これなんかの事例を御存じでしたらば発表をしていただけませんか。
  65. 大山一生

    政府委員(大山一生君) 具体的な例の発表というお話でございますけれども、われわれのほうで申し上げますと、先ほど先生が農地法六十一条の売り渡し、四十七年百七十七ヘクタールという問題を言われましたけれども、これはわれわれは無断占有されていたところを売り払ったということではございません。
  66. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 わかってます。
  67. 大山一生

    政府委員(大山一生君) と申しますのは、開拓地として道路をつくるわけでございますので、その土地を売り渡しているわけでございまして、中に、地方に農業委員会その他もございまして、そういうところにいわば財産管理人を置いて、財産の適正管理、こういうことをやっております。そしてこの前国会におきまして、いわば不要地認定をして売り払うという制度もできてまいりました。農用地として利用するのに適さぬところがある、こういうことであります場合にはこれはそれなりに売り渡す、こういうふうなわけでございますけれども、無断で占有されている事例があるということでございますと、ここで発表される材料を持ち合わせておりません。
  68. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 じゃ、私のほうから申し上げようかな。一それはやめましょう。時間がありませんので、きょうはいいことにします。  先ほど、大蔵省のほうで、畦畔というのを、里道ということを言っておりましたですけれども、里道というのは、建設省で私どものほうに資料よこしておりますけれども、建設省の方にお伺いしますが、公共用財産の用途の廃止の点で、これは四十七年度が千四百九十八・三三五平方メーター、水路が三千二十八件で千三百五十・三九八平方メーター、その他ため池とか海浜地帯等でいろいろなものがございますけれども、用途廃止等がありますけれども、私は里道だけでもいいですから、四十八年度の四月から十二月までの件数が三千六百七十八件、数量が千三百七十二・四七八平方メーター、この四十八年度の分だけでもいいですから、里道の財産用途廃止の問題点、これらをひとつ御説明願いたいと思うんですがね。
  69. 森田松仁

    政府委員(森田松仁君) 建設省で主管いたします法定外道路——道路法の適用のない里道と申しておりますが、それにつきましては、先生おっしゃいましたように、四十八年度、件数にしまして三千六百七十八、数量で百三十七ヘクタール、平米で申しますと、百三十七万二千四百七十八平米でございます。これらにつきましては、それぞれこの事務を都道府県の知事に委任いたしておりまして、各府県におきまして、それぞれあいてございまして、用途廃止をいたして大蔵のほうに手続をしたものでございます。
  70. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 それは言われなくても私はわかってますよ。だから、各県のこの資料請求したのに、どこの県でこういうふうなものがあるんだという具体的な説明がほしいわけなんですよね。ただまとめただけのものじゃないんですよ。私の調査したものもあるわけなんです。意地の悪い質問かもわかりませんけれども、こちらは調査しているわけです。それで問題点があるから出しているわけです。ですから、それをお調べに一まだお調べにならないでいるならいるだけでけっこうなんです。いま私の資料——いただいた件数と、数に対して私のほうからも申し上げたいことは、あなたいまおっしゃられたんですが、各県でそれはやっているからといって、そんなことぐらい知ってますよ。先ほど来、初めから私が問題提起しているのは、みんな各県の問題なんですよ。各県が、知事が、部長であり、局という局長の立場で処理をしていることがあたりまえのことなんですよ。それを承知の上で伺っているわけですからね。そういう説明は要らたいわけなんです。内容ずぱりがほしいわけなんですよね。
  71. 森田松仁

    政府委員(森田松仁君) 手元にございますのは、ただいまのところ各府県の里道用途廃止いたしました件数と面積は一応ここに持っておりますので、四十六府県分、それぞれの件数と面積はわかってございます。
  72. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 わかっておりますか。それをおっしゃってくださいよ。
  73. 森田松仁

    政府委員(森田松仁君) それでは、四十八年度のこれは四月から十二月三十一日現在のものでございますけれども、北海道はちょっと確認してございません。青森が十一件で二千九百七十八平米、岩手が十五件で六千五百六十九平米でございます。宮城県が十件で千二百四十九平米、秋田県が七件で千六百六平米、山形県が五十四件で三万六千百九平米、福島県が五十六件で二万七千四百七十六平米、茨城県が四十一件で四万四千九百四十三平米、栃木県が百二十三件で五万六十九平米、群馬県が八十八件で三万一千百十一平米、埼玉県が二十七件で三万九千三百四十三平米、千葉県が五十四件で二万二千四百八十六平米、東京都が二十九件で五千四百九十七平米、神奈川県が七十七件で四万一千八百二十一平米、新潟県が百五十二件で五万五百三十二平米、山梨県が四十五件で五千九百四十六平米、長野県が九十二件で二万九千九百七十平米、富山県が百三十七件で二万五千六百七十六平米、石川県が八十七件で四万四百九十五平米、岐阜県が百四十三件で十万七千七百二十三平米、静岡県が百七十一件で三万二千七百四平米、愛知県が九十八件で三万七千二十七平米、三重県が六十件で二万四千五百七十二平米、福井県が七十四件で二万八千百四十六平米、滋賀県が百三十四件で五万百九十九平米、京都府が百三件で一万九百三十三平米、大阪府が百一件で一万六千三百八十平米、兵庫県が七十七件で二万三千三百五平米、奈良県が三十二件で一万七百二十一平米、和歌山県が二十八件で八千三百八十一平米、鳥取県が百十件で二万六千九百二十六平米、島根県が二十九件で五千六百六十一平米、岡山県が八十九件で三万百二十九平米、広島県が百九十七件で五万八千九百四十六平米、山口県が二百二十五件で四万八千四百七十六平米、徳島県が四十件で四千二百五十一平米、香川県が百六十六件で六万三千三百十七平米、愛媛県が百四十件で二万四千七百九平米、高知県が七十七件で二万四千二百四十八平米、福岡県が百二十四件で五万九千七百八十一平米、佐賀県が六十九件で一万三千九百五十三平米、長崎県が九十二件で一万四千四百二十一平米、熊本県が二十八件で六万五百五十六平米、大分県が八十九件で三万三千四百八十九平米、宮崎県が十五件で二千五百三平米、鹿児島県が四十四件で四万三千九百五十五平米、沖縄県が十八件で四万三千百九十平米。
  74. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 金額はわかりますか。価格は出しておりませんね。該当価格は出しておりませんね。
  75. 森田松仁

    政府委員(森田松仁君) 出しておりません。
  76. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 これが問題なんですよ。これを一々やりますとたいへんですから、これはまた調査されて報告していただければいいと思いますよ、できますか。
  77. 森田松仁

    政府委員(森田松仁君) ただいま申し上げました数字は、用途廃止をいたしました件数と数字でございまして、これを大蔵のほうに引き継ぎまして、大蔵省において評価の上処分される、こういうことでございます。
  78. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 四十七年度のやつなんかは、価格は全然ぼくのほうに報告ないんですよね。これは価格の面を報告できますか。
  79. 森田松仁

    政府委員(森田松仁君) 建設省におきましては、価格の面はタッチいたしておりません。
  80. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 なぜこういうことを私尋ねているかといいますと、公共用の財産用途の廃止という件についてだいぶんいろんなことを聞いているわけですよ。それで県ごとのことを念のために発表してもらったんです。この県の一つ一つのことを、私の知っているもののことについても相当の時間かかるわけですから、いろんな事例があるんで、きょうは時間がないのでやめます。できれば価格調査等も進めていくことが大事だと思うんですがね。この点だけ私の希望を申し上げておきます。  それから大蔵省の国税局の人、おいでですか。——いま不動産業者の方や建設業者の方が土地造成をやって、そして倒産をして工事を中途でほうり出してしまったというもの、それから中止をさせて国税庁が差し押えをしているもの、そういった件数はわかりますか。
  81. 河合一郎

    説明員(河合一郎君) いま御質問の数字は持ってきておりませんけれども、確かに土地業者につきましては、最近の何と申しますか滞納の状況があるということは事実でございます。ちょっといま数字をここでお示しするものは持ち合わせておりませんので御了承いただきたいと思います。
  82. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 一つの事例として、内外地所なんかの場合なんかは、これは朝日新聞等で報道されておりますけれども、こうした事例というので、これに関係した方々がとうとい私財を投じて、中途はんぱになって非常に困っているという問題がある。一つの事例をいまあげて言っているわけですけれども、このほかにもずいぶんある。これは朝日新聞の報道されているところによりますと、「南伊豆や東北地方に大量の別荘地分譲を手がけていた大臣免許の不動産業者「内外地所」が約三億円の負債を残してこのほど倒産、販売した分譲地の工事をほうりだして廃業した。約八百人が買った静岡県下田市大賀茂の「吉野苑」は法人税約五千万円を滞納していたため道路や水道タンク、クラブハウスなど約八万平方メートルを東京国税局に差し押えられ、このままでは住めない状態。」というような報道がされております。こうい一った問題についてどう対処されようとしているのか。この八百人にも関係している……。  私、まだほかにあるんですよ。ただ、いま手元にこれしかございませんから申し上げているのですが、仙台のほうにもあります。神戸にございます。横浜なんかでもずいぶんあります。しかもいま連結ブロックというものがあり、がけを連結ブロックでやっているもんですから、水がしみ通れば、あれはもろいんですから、すぐはらんじゃってくずれていく、それで泣いている人も一ぱいおります。建築工法あるいは道路工法等にいろいろ問題点もあるでありましょうが、とりあえず、そういう倒産をして、しかもその倒産した業者のあおりを食って、ほんとうにとうといお金を投じてやっている人たちのを国税庁が差し押えるんで、じゃその人たちをどうあとしてやるのかという問題をどういうようにお考えになっているか。
  83. 河合一郎

    説明員(河合一郎君) 御指摘のとおり、倒産というようなことになりますといろいろな関係者に影響が出るわけでございますが、私どもとしては、できるだけその第三者の権利を尊重し迷惑をかけないような形で、しかし、やはり納める税金はいただきたいということでやってきております。  いま先生のお話しになりましたその事例につきましては、お読みになりましたことはほぼ事実でございますけれども、その中で、水道タンクの差し押えという表現が若干誤解を招くのではないかと思いますが、水道タンクそれ自体は差し押えはいたしておりません。できるだけわれわれといたしましても、その辺を配慮しながらやっていきたいという方針でございます。     —————————————
  84. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、中山太郎君が委員を辞任され、その補欠として斎藤十朗君が選任されました。     —————————————
  85. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 どういうふうにして——その方々が迷惑をこうむっているわけですよ。えらいとばっちりを受けているわけですよ。そういう人たちを自後どんなふうにして——ただこの会社は差し押えたけれども、これに関係して、その住んでいる人たちの状態というものはどういうふうな考え方をしてあげようとしているのかですね、それが心配なんですよ。私の言っている意味がわかりませんか。その答えがないんでね。
  86. 河合一郎

    説明員(河合一郎君) 税の面ですべてを解決するのも非常にむずかしい問題でございますが、私どもで考えておりますことは、たとえばいまの分譲住宅地でございますと、その土地はすでに購入してしまった形、これは当然差し押えはしていないはずでございます。つまり滞納した会社のもの、それを差し押えをするはずでございます。それから共同施設のタンクを差し押えているとすれば、これも問題でございますけれども、それ自体は差し押えはしていない。それからかりに差し押えをほかの何か土地でしておるといたしまして、したがって、それを利用している人が直ちに迷惑をこうむることにはいまのところはなっていないのでございます。問題は、たとえば仮登記をした人と税との関係というようなことでございますけれども、その辺は仮登記をされた方の、要するに支払い済みの方があればそれを確認をして、その人の権利ということでございますと、当然滞納者のものではございませんので、それはもしそういう事例がございましたら、差し押えは解除しなければならないのでありますけれども、おそらくそういうふうにはなっていないのではないか。なお、各個税局でやっておりますので、その辺は十分指示をいたしたいと思います。
  87. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 まだこれは工事は全部終わっていないのですよね、この地域は。こういうケースがまだあるのですよ、ほかにも。ただ、私の手元にはこれしか持ち合わせがないから問題点だけ提起しているわけですよ。「一期工事の区域は集中浄化そうが未完成の程度で、」「二期の区域は道路がようやく半分ほどでき、あとは土がむき出したまま。この道路も地目が原野のままだったため国税局に差し押えられた。ローンで買い、仮登記になっていた土地を差し押えられた人もある。」というふうに報じられているわけですけれども、いま御答弁にもありましたね、仮登記云々ということも。とにかく業者は、金を払わないから、その点だけを一つ手きびしくやっちゃったと言うけれども、あとのことは知らないよじゃ、これは人間性なんか全くない。それこそ高利貸しが金を払わなきゃふんだくっていくぞと言って、踏みつぶしてでも持っていくぞと言って、着ている着物までも持っていくと同じみたいな形になっちゃいけないんじゃないかと思うから、私心配して言っているわけなんですからね。
  88. 河合一郎

    説明員(河合一郎君) 御指摘のことは全くそのとおりでございまして、私どもも何が何でも差し押えをし、どんな事態があってもそれを無理にどうこうするということはとるべきではない。もちろん、ゆめにも考えることではございませんし、その辺は先生のいまの御指摘のような気持ちにわれわれも同感でございますので、十分に配慮していきたいというふうに思っております。
  89. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 これで私終わりますけれども、長官がおいでにならないと結論を出せないから……。
  90. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  91. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 速記を起こしてください。
  92. 星野力

    星野力君 私は簡単な問題を時間が少ないですから少しばかりやります。  国土総合開発庁の名称のほかに所掌事務及び権限などが部分的あるいは字句的に修正されて今回本法案が出されておりますが、原案の国土総合開発庁国土庁とはその性格、内容でどう違っているのか、私、名前は変わっても中身はちっとも変わっておらない、国土庁というのは国土開発庁の略称にすぎない程度のものだとしか思われないんでありますが、まずお答え願います。
  93. 粟屋敏信

    政府委員粟屋敏信君) 先生御指摘ございましたように、衆議院におきまして政府が提案をいたしました国土総合開発庁設置法につきまして、名称でございますとか、あるいは任務、所掌事務、権限その他につきまして御修正をいただいたわけでございます。この御修正趣旨は、四党の合意によりまして衆議院建設委員会提案で国土利用計画法の制定を見たわけでございますけれども、この国土利用計画法は、国土を適正に利用をする、それと当面問題でございますところの土地問題を、許可制度でございますとかあるいは遊休地の買い上げ等を通じまして、現下の国民の要請にこたえるという御趣旨で御制定をされたものと拝承をいたしております。そこで、その事務を執行いたしますのは新しい機構でございますが、今後の国土行政を進めるにあたりましては、あくまでも国土の適正利用でございますとか、あるいは当面緊急な問題である、国民の要請である土地問題、これにまっ正面から取り組む、それを基本とする官庁である、また、それを踏まえて国土政策も進めていく官庁であるというようなものであるべきだという御趣旨で、名称並びに任務、所掌事務及び権限について御修正をいただいたものと了承をいたしておるわけでございます。  そこで、われわれといたしましては、その御修正趣旨を受けまして、国土の適正利用の確保、土地対策の総合的な推進、これに全力を傾注いたしますとともに、国土利用計画法基本理念で示してございますような公共の福祉優先、環境の保全あるいは国民の健康で文化的な生活環境の確保、こういうものを主軸にしながら国土行政を運営をしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
  94. 星野力

    星野力君 そうしますと、国土庁は一体何を任務とするところの役所なんでしょうか。この第三条に任務の規定があるようでありますが、もう一度そこをひとつ読んだ上で述べていただきたいと思います。
  95. 粟屋敏信

    政府委員粟屋敏信君) これは原案におきましては、原案をまず読ましていただきますと、「国土総合開発庁は、国土の均衡ある発展を図り、豊かで住みよい地域社会の形成に寄与するため、国土の総合開発に関する行政を総合的に推進することをその主たる任務とする。」であったわけでございますが、これを御修正によりまして、「国土庁は、国土を適正に利用することにより健康で文化的な生活環境の確保と国土の均衡ある発展を図り、豊かで住みよい地域社会の形成に寄与するため、国土に関する行政を総合的に推進することをその主たる任務とする。」というふうに御修正を受けたわけでございます。  御修正いただきました御趣旨は、先ほども申し上げましたけれども、原案の国土総合開発庁設置法案が、現在もなお残っておりますけれども昭和二十五年の国土総合開発法を基軸として任務並びに所掌事務が書かれておったわけでございますけれども、国土利用計画法の制定によりまして、国土の適正な利用あるいは土地問題、そういうものを基軸に据えて国土に関する行政を総合的に推進する官庁であるということを明らかにされた御趣旨であると思うわけでございまして、行政運営にあたりましても、その趣旨を受けまして、それを基本にして進めてまいりたいと考えておるわけでございます。
  96. 星野力

    星野力君 三条の読み方、わかりました。やはり原案にありますところの「国土の総合開発に関する行政を総合的に推進することをその主たる任務とする。」、この点は変わっておらないわけでありますから、しいて名前を国土庁にする必要はなかった、国土総合開発庁で少しもこれはおかしくないわけであります。  それではお聞きいたしますが、現在経済企画庁が行なっておる、企画庁設置法第四条十五号の「国土総合開発に関する基本的な政策及び計画企画立案すること。」や、同庁組織令に基づく総合開発局の総合開発課、それから開発計画課の新全国総合開発計画の策定、洗い直し、新産都市の基本方針の立案や計画の承認など、総合開発関係の仕事国土庁設置された場合は同庁に引き継がれるわけでございますか。
  97. 粟屋敏信

    政府委員粟屋敏信君) 政府が先国会に提案をいたしました国土総合開発法案は、昭和二十五年の国総法を廃止をいたしまして提案をいたしたわけでございますが、今般御制定を見ました国土利用計画法は、国土総合開発法を改正するというよりも、先決問題として国土の適正利用の確保でございますとか土地問題に取り組むべきだという御趣旨で提案をされ、政府提案の国土総合開発法案がたな上げになったわけでございます。ただし、昭和二十五年の国土総合開発法は残っておるわけでございまして、それに関連をする事務は従来経済企画庁で所掌をしておったわけでございまして、それは引き続いてやるわけでございます。ただ、その事務を遂行するにあたりましては、先ほど私申し上げましたように、新しい国土利用計画法の制定のその精神をくんで、それを重点に実施をしていくというふうに御修正をいただいたものでございますし、われわれもその精神に沿ってやっていただきたいと思うわけでございます。なお、先生御指摘のございましたような、現在経済企画庁にございます規定その他は削除をされたわけでございますが、その削除された御趣旨も、先ほど来申し上げておりますような、とにかく国土利用計画法趣旨を鮮明にして、それを基軸にして行政運営をすべきであるという国会の御意思であるとわれわれは了承をいたしておる次第でございます。
  98. 星野力

    星野力君 先ほど私が申しました経済企画庁設置法第四条十五号のこういう業務ですね、それから組織令十七条や十八条の各課のやっておるところの新全総開発計画の策定など、あれは引き継がれるわけでございますね。
  99. 粟屋敏信

    政府委員粟屋敏信君) 昭和二十五年の国土総合開発法が生きておりますので、それに関連する事務は引き継ぐわけでございます。ただし、現在経済企画庁におきまして、現在生きております新全国総合開発計画につきましては、環境の保全でございますとか、経済社会情勢の変化、あるいは農業問題その他の観点から総点検が進められておるわけでございまして、その総点検の結果を踏まえまして、新しい国土に関する基本的な計画が今後立てられていくであろうと思うわけでございます。その新しい計画を立てます際には、御修正趣旨を十分体して計画づくりに邁進をするということになると考えております。
  100. 星野力

    星野力君 わかりました。その所掌事務や権限の行使は、この新全総などにかかわる所掌事務や権限の行使は、今度の国土庁設置法の何条の規定を適用して進められることになりますか。
  101. 粟屋敏信

    政府委員粟屋敏信君) 所掌事務及び権限、第四条の規定でございますが、二十二号に「次に掲げる法律に基づく内閣総理大臣の権限に属する事項について内閣総理大臣を補佐すること。」というのがございまして、内閣総理大臣の権限に属する事務国土庁長官が補佐する関係法律をずっと列記をいたしております。その中に国土総合開発法というのがございますので、国土総合開発法に規定をされております内閣総理大臣の権限、それを国土庁長官が補佐をして事務を遂行していくということに相なるわけでございます。
  102. 星野力

    星野力君 国土庁設置法に基づく組織令の案はできておりますか。
  103. 粟屋敏信

    政府委員粟屋敏信君) 現在、まあ法律の御制定を待ちまして、われわれとしては本格的な準備をいたしておりますけれども、あらかじめこの国土庁をつくる、御提案申し上げる際に準備をしたものはございます。
  104. 星野力

    星野力君 修正案の趣旨説明によりますと、「同庁の性格をより的確にあらわすため、庁の名称を国土庁に改めた」となっておりますが、性格そのものは何も変わっていないではないか。いまいろいろお述べになりましたけれども、どうも変わっておらないのではないか、文字どおり看板を書きかえただけだという感じをどうしてもぬぐえたいんですが、いかがでしょうか。
  105. 粟屋敏信

    政府委員粟屋敏信君) その点は、先ほど申し上げましたように、やはり国土利用計画法の制定、政府提案の国土総合開発法案のたな上げと、こういう事態は、やはり国土政策に関する国会の御意思なり国民の要望というものが変わっておると思うわけでございます。そういうことで御修正をいただきましたので、私どもといたしましては、性格と申しますか、行政運営につきましてはかなりの変革があるものと考えておる次第でございます。
  106. 星野力

    星野力君 まあ、そう申されますけれども、粟屋審議官も先ほどちょっと言われましたように、現行の国土総合開発法に基づく全国総合開発計画、都道府県の総合開発計画、首都圏整備法、それから新産業都市建設促進法、こうしたものはみんたまだ生きておるわけであります。そして本法案で新たに加えるという国土の「適正な利用」云々は、まあさきに成立しました土地利用計画法に対応するもので、土地利用計画というのは、本来総合開発計画土地に投影した平面図のようなものであって、いろいろあげましたところの一連の計画とこれは表裏一体のものだと思うんですよ。そのことは提案理由説明の中でもはっきり述べられておると思います。説明は、「現在、開発行政を所管し、開発行政に関係する省庁は、きわめて多岐にわたっております。これは、開発行政が内政全般に及ぶきわめて広範な政策分野であることを物語っているわけであります。」、こう述べて、さらに続けておるんでありますが、そのあとのほうが重要だと思います。こう述べております。「しかしながら、」と、こう言って、「国土改造を強力に推進していくためには、十分な企画調整能力をもった総合的な行政機構がぜひとも必要であると考え、このため、新たに国土の総合開発に関する行政を総合的に推進することをその主たる任務とする」国土庁総理府の外局として設置した理由であります。こう述べておりますね、これはまさに国土庁が現行の国総法や新産業都市建設促進法、その他国土総合開発の推進役割りをになってきた法律の適用に当たる主管庁となることだと、−そうではないとこれは言えないと思うんですが、どうですか。
  107. 粟屋敏信

    政府委員粟屋敏信君) 先生いま御指摘いただきましたように、提案をいたしました際には、まさに国土総合開発に関連をする関係行政機関の事務を統合いたしまして、国土総合開発が一体的円滑に行なわれるというようなことで提案をいたしたわけでございます。ただ、先ほど来申し上げておりますように、国土利用計画法の制定でございますとかあるいは政府提案の国土総合開発法案のたな上げ、こういう事態に対処いたしまして、国土庁におきましては、任務の規定の御修正をいただきましたような精神で今後の行政を運営をしてまいりたいということでございます。なお、いろいろ開発立法を所掌することになりますけれども、これも従来の施策の延長線ということではなく、先ほど申し上げましたように、新全国総合開発計画につきましても各般の観点から総点検を進めておりますし、また総点検の結果を踏まえ、また国土利用計画法御制定の趣旨を受けまして、国土に関する新しい基本的な行政の方向を見出していくような努力を国土庁としてはいたしたいと考えておるわけでございます。
  108. 星野力

    星野力君 国土総合開発法と土地利用計画法との関係もありますし、それとうらはらにたっておるところの国土開発庁と国土庁、これはなかなかわれわれしろうとにはわかりかねるんですよ。田中総理はその点端的に言っておられるわけですが、あなたもひとつわかるように言っていただきたいと思うんです。実際は看板の書きかえであって、本体そのものは変わらぬ。本体そのものに国土利用計画の所掌事務及び権限というものと都府県土地利用基本計画の承認、これだけがつけ加わったということじゃないんですか、端的に申しますと。
  109. 粟屋敏信

    政府委員粟屋敏信君) 所管をいたします法律につきましては、お話しのように国土利用計画法が原案に加わったと、まあそういうことであろうかと思うわけでございますけれども、しかし、御修正をいただきました趣旨といいますのは、毎々申し上げて恐縮でございますけれども、やはり国土利用計画法というものを主軸にして、土地対策を、国民のための土地対策基本に据えつつ新しい観点に立った国土行政推進をしていくべしという御要請であろうと思いますし、われわれもそれを受けまして努力をいたしたいと考えておるわけでございます。
  110. 星野力

    星野力君 さきに成立しました法律の趣旨考えて新全総を洗い直すというようなおことばもさっきあったと思いますが、政府が新全総を洗い直して五十一年度に発足させようとしているいわゆる新新全総、これはもう一般に報道もされておりますが、この立案はどこでやるんでありましょうか。
  111. 粟屋敏信

    政府委員粟屋敏信君) 国土庁計画局で立案をいたすことに相なります。
  112. 星野力

    星野力君 最近の新聞報道によりますと、田中総理は、新しいふるさとづくり十カ年計画というものの具体案の策定を経済企画庁などの事務当局に指示して、これをもとに六月中旬ですか、六月中ですかに開かれる国土総合開発審議会に諮問すると伝えられております。この新計画の骨子の中で例の二十五万都市が出てきます。特に大都市圏に集中した人口の分散をはかるため、地方では農地や山林原野などの未利用地を開発して、人口二十五万程度の新都市を百カ所建設するという構想があるといわれております。これは田中角榮著「日本列島改造論」の中で、いわゆる目玉商品として打ち出しておるところの地方中核都市としての二十五万人都市づくり、あれと全く軌を正しておると思うんです。当然この計画は今後の行政に、国土行政に盛り込まれるわけでありますが、どこが計画の具体化を担当しますか。
  113. 粟屋敏信

    政府委員粟屋敏信君) 例の新ふるさとづくり計画につきましては、私はまだ総理から直接承っておりませんが、総点検の結果を踏まえた新全国総合開発の見直し、また新しい計画づくりは、先ほど申し上げましたように、計画局で担当をいたすわけでございます。計画調整局で担当をいたすわけでございます。
  114. 星野力

    星野力君 国土総合開発審議会の庶務担当は今度はどこになりますか。
  115. 粟屋敏信

    政府委員粟屋敏信君) 計画調整局でございます。この国土総合開発審議会は計画調整局でございます。
  116. 星野力

    星野力君 いろいろお聞きしてきましたけれど、それを通じても明らかだと思うんでありますが、この修正説明が強調しておりますところの、国土庁の「性格をより的確にあらわすため、」ということは、国土庁の任務が、経済企画庁の総合開発局などがこれまで推進してきた国土総合開発行政を引き継ぐものである、これははっきりしておる。で、結局は大企業本位の開発行政を一そう効率的に進めるということ以外のことにはならないんではないかと思うんです。たとえ名称を変えたとしても、これまで推進してきた国土総合行政田中流の日本列島改造計画推進官庁としての役割りをいささかも変えていない、そう思うんですね。大きなビルディングの屋上に小さな物干し台か、おいなりさんの赤い鳥居を一つ取りつけただけで、これでビルは変わったと、新しいビルになりましたといってみても、これは通用しない。それと同じようなことではないか。同じような論議を幾らこれかわしておりましても、粟屋さんと私の間にかわしておっても切りがないようですから、私はそのように認定して、その点を強く指摘して、もう質問は終わります。
  117. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 速記をとめてください。   〔速記中止〕
  118. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 速記を起こしてください。
  119. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 向こうでは私のほうの同僚議員の矢追君がいま質問をやってるまっ最中だそうでありまして、まことに相すまぬことです。一つだけお伺いをして私もやめたいと思います。  国土法の成立したあとの今後の課題ということが、そのことによって今日までの地価抑制の適正な運用が望めるかどうかというようなこと等が重要な課題になると思います。それで、全国農業会議所では五月二十九日に田畑売買価格等に関する調査結果というものを発表いたしております。で、五月一日には建設省より発表された全国地価公示価格は全国平均三二・四%と、前年を大幅に上回って上昇をはっきり示しておりますが、サラリーマンの方々にとってみては、土地は全くもう高ねの花のようなことになって、マイホームの夢なんかはもう遠いことにならざるを得ないような状態だと言う以外にないと思います。一万円札の大きさが即一万円の地価というのが全国至るところに一ぱいあるわけです。それほど高いものになっておる。ですから、そういうふうなことをこう考えてみまして、この建設省から発表されました全国地価公示価格の全国のものを見ていきましても、いま私が申し上げたような状態でございます。先ほど来からそういう面も踏まえながら質問を私は続けてずっとおったわけですが、途中で長官がお行きになりましたので、一言だけ伺って終わりたいと思いますが、この法律の施行に伴って、先ほども申し上げましたように、地方公共団体の事務だとか事業の増大というものは、これはたいへんなことだと思うのです。それから長官も御答弁がありましたように、遊休土地の有効利用という、これを促進するためには相当な行政また財政上の問題も、非常にいろんな問題点が出てくると思う。こういうもの等を踏んまえながら、特に考えていかなきゃならないのは、住宅供給に対することはいまだに手の打たれているような形勢がないというふうに私は思うわけですが、こういう面について所信を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
  120. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) まず最初に、やはりこの国土利用計画の全きを期するためには、やはり一つのねらいとしては、現在の地価がこれ以上あまり暴騰しないという保証と申しますか、これ以上年に三〇%も四〇%も上がらないんだという何かの歯どめをやはりするということが私は一番大事なことではないかと思います。つまり地価の安定といいますか、それはもちろん見方によれば高値安定ということにならざるを得ません。しかし、これを半分にするとか三分の一にするとかいうことは、先ほど来私の考え方を申し上げたとおり、不可能なことではないかと思います。したがいまして、現在起こってしまった地価はこれ以上もう上げないんだという方針を一つ基本に置いていくこと、その上に新しい住宅建設であるとかあるいは地域開発であるとか、そうしたものが新しくまた計画として練り直されていくという必要があるのではないかというふうに思います。まあこんなことを申し上げますと、いままでやったことが全部御破算になってしまうというふうにお考えかもしれませんが、私はそうは思わないのでございまして、やはりこれ以上の地価の騰貴と申しますか、高騰を目標にしたようなものはぜひ計画から落としていくということが一つの手であると同時に、国有地あるいは公有地というものを活用するということについても、いままでのようにただ国家の財産であるとかあるいは公共体の財産であるというような考え方から、一切これにはいかなることがあっても手を触れないというようなこととか、あるいは高く売らなければ国が損するんだというような考え方でなしに、現在持っている国有地とか公有地というものをもっと広義に社会的に活用していくという一つの理念と申しますか、そうしたものをやはり国土庁の運営の基本に据えていくことが非常に大事ではなかろうかと私は思っております。  非常に広範な御質問でございますので一言にして申し述べることは不可能でございますが、同時にまた私、いま突然の御質問でございますので、十分考えていること全部を申し述べることができませんのでたいへん残念でございますけれども、基本的には、先ほど申し上げたように地価を安定させるということが何よりもまず主目的にとらえられるという方向を忘れてはならぬというふうに考えております。
  121. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 地価抑制の厳正な運用ということが何よりもということを長官が抑せになりました。それで答弁が、私の答弁していただく中に残念にも漏れたのは住宅供給に対するこの問題点、これらの点を十分に考えていっていただく以外にない、この点もあわせてお伺いをしたわけですが、この全国農業会議所の発表等で見ていきましても問題が、一ぱいまだ質問したいことがあるわけですよ。たとえばその農家の人が、自分がまた田畑をふやそうとしても、ふやすだけの、ふやせるだけのものが高くて買えないというような問題点だとかいろいろ問題があるわけです。また、都市に近い田畑というものがどんどん地価の高騰をしていろんな諸問題も起きているということ等、小さい問題等、また大きな問題等、まだ一ぱいありますけれども、いずれにしましても時間の限られた中で申し上げることですから、とにかく住宅供給対策というものを一つは念頭に置いていただいて、この厳正な運営をする以外になかろうと私は思うわけです。  以上私の希望といいますか要請を申し上げて、終わりたいと思います。     —————————————
  122. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、星野重次君が委員を辞任され、その補欠として棚辺四郎君が選任されました。     —————————————
  123. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより両案を一括して討論に入ります。別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより両案の採決に入ります。  まず、内閣法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  124. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、国土総合開発庁設置法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  125. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、ただいま可決されました両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  126. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時一分散会      —————・—————