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1974-03-28 第72回国会 参議院 内閣委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年三月二十八日(木曜日)    午前十時三十五分開会     —————————————    委員異動  三月二十七日     辞任         補欠選任      中村 登美君     今  春聴君      高橋雄之助君     田中 茂穂君      平島 敏夫君     源田  実君      稲嶺 一郎君     郡  祐一君      竹田 現照君     上田  哲君      神沢  浄君     中村 波男君      松下 正寿君     中村 利次君  三月二十八日     辞任         補欠選任      今  春聴君     金井 元彦君      田中 茂穂君     木内 四郎君      上田  哲君     沢田 政治君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         寺本 広作君     理 事                 岩動 道行君                 岡本  悟君                 鈴木  力君     委 員                 金井 元彦君                 木内 四郎君                 楠  正俊君                 長屋  茂君                 沢田 政治君                 中村 波男君                 宮崎 正義君                 中村 利次君                 岩間 正男君    国務大臣        国 務 大 臣        (総理府総務長         官)      小坂徳三郎君    政府委員        人事院事務総局        職員局長     中村  博君        内閣総理大臣官        房審議室長    亘理  彰君        内閣総理大臣官        房総務審議官   佐々 成美君        総理府統計局長  川村 皓章君    事務局側        常任委員会専門        員        相原 桂次君    説明員        外務大臣官房儀        典官       野村 忠策君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○総理府設置法の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付)     —————————————
  2. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  昨二十七日、中村登美君、高橋雄之助君、平島敏夫君、稲嶺一郎君、竹田現照君、神沢浄君、松下正寿君が委員辞任され、その補欠として今春聴君田中茂穂君、源田実君、郡祐一君、上田哲君、中村波男君、中村利次君が選任されました。     —————————————
  3. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 総理府設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  4. 鈴木力

    鈴木力君 最初に、この迎賓館についてお伺いいたしますけれども、迎賓館昭和四十年からですか、調査工事を行なって今度完成をするわけでありますが、今日に至るまでの手続的な経緯はどういうふうになっておられましたのか、まず伺いたいと思います。
  5. 佐々成美

    政府委員佐々成美君) お答えします。  昭和三十八年の五月に迎賓館を建設するという閣議決定が行なわれました。それから昭和四十二年の七月に同じく閣議決定で旧赤坂離宮を改修して迎賓館とするということがきめられたわけでございます。そういたしまして、四十二年の八月に閣議決定臨時迎賓館関係閣僚協議会を設置するということが決定されまして、この協議会が同年八月に開かれ、ここで迎賓館建設基本方針決定されました。それより前に、同じく昭和四十二年の七月でございますけれども、旧赤坂離宮衆議院所管となっておりましたが、これを迎賓館として使用することについて、総理府所管がえの手続がとられております。  以上のような経過をとりまして昭和四十三年の十二月に本館の工事に着工をいたし、今日まで工事が継続し、今年の三月末をもって工事完了という予定でございます。
  6. 鈴木力

    鈴木力君 新聞等に伝えられるところによりますと、あともう、館長島津久大さんとおっしゃる方、前のカナダの大使ですか、そういうところまできまっておるというふうに伝えられておるのですけど、これは事実ですか。
  7. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 館長人事につきましては、過般来いろいろと総理及び内閣官房長官のとろで人選を進めておるようでございますが、新聞紙上等に島津氏の名前が出ておりまして、その後一応島津氏の方向だというふうに理解をしておりますが、なお最終的な決定を見るに至っておりません。
  8. 鈴木力

    鈴木力君 それから何か落成式は四月十日ときまっておるというふうに聞きますけれども、これはほんとうですか。
  9. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 四月十一日の予定でございます。
  10. 鈴木力

    鈴木力君 そこで、私はどうも政府は少し手回しがよ過ぎるみたいに思うのですけれども、もしこの法案が四月十五日に採決、通過ということになれば、いまの落成式計画とか、それはどうなさるおつもりですか。
  11. 佐々成美

    政府委員佐々成美君) 現在、総理府の長房の中に迎賓館準備室というものを便宜置いておるわけでございまして、そこでまあ職員が業務を行なっておりますが、したがいまして、もしかりに法律が通らない場合には、その準備室でとりあえず落成式を行ない、法律が通ったあと付属機関としての迎賓館ということで発足をいたすということに相なろうかと思います。
  12. 鈴木力

    鈴木力君 そうすると、きよう採決しなくともそれほど支障はないわけですね。
  13. 佐々成美

    政府委員佐々成美君) 迎賓館運営につきましては、お願いしておりますような法律に基づく付属機関ということで責任のある運営をいたしたいということが趣旨でございますので、落成式も多くの方に来ていただく、それに対する諸準備、それからその際におけるこの迎賓館の公的な立場というものがございますので、落成式までに付属機関としての迎賓館お願いし、そのような形で落成式をやらしていただきたいというふうにわれわれは思っておるわけでございます。
  14. 鈴木力

    鈴木力君 これは長官ね、笑い話みたいに申し上げましたけれども、ごらんのとおり、きょうは採決できる状態じゃないんです。まあだれのせいということじゃないですけれどもね。だから、何を基準にして四月十一日に落成式というのをきめられたのか。国会法律を通すというのは国会がきめることなんであって政府がきめることじゃないんですよ。どういうわけで四月の十一日というのをきめたんですか。これは長官に伺いたい。
  15. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 三月一ぱいで工事が一応済むということを踏まえまして、それならば落成式その他をなるべく早い機会にやったほうがよかろうという考えでございまして、ただいま鈴木委員が仰せられましたように、この法案がだめだということは実はあまり考えておらなかったわけでありまして、またそれを政府が先行して、当然通るものだときめてかかったりもりも全くないんでございますが、いずれにいたしましても、建物のほうができ、そしてこの迎賓館としての機能国際的に十分果たしていけるというようなことを考えて、なるべく早くこれがスタートしたらよろしいというような考え方で日にちをきめましたものですから、ただいまの御質問には、ちょっと質問されまして実は弱っておるわけでございます。お察しいただきたいと思います。
  16. 鈴木力

    鈴木力君 私は、これはほんとうに弱ってもらいたいと思ってお聞きしているんですよ。実は何かいじわるみたいに聞こえるかもしれません。恐縮なんですけれども、いじわるにするつもりはありませんがね。私は常日ごろ政府の、国会法律審議するというものに対する基本的な考え方が私どもとはどうも合わない。こういう方式で、こういう考え方で、この手続でいきますと、結局国会議決というのは追認機関、この委員会はそういうことになるんじゃないですか。もうおぜん立てが全部できまして、これをやらなきゃ困るから法律は早くやってくれることをお願いしておるんですということにしかならぬわけでしょう。それなら議決機関というのは、これは政府仕事をやったものの追認機関であって、議決機関ということはどうもおかしくなってしまう。これは私は総理府迎賓館だけをこうしたという意味で申し上げているんじゃないんです。これは長官にお聞きいただきたいのは、ほとんどのことがみんなそういう形にいま政府がなっているのじゃないかということですね。たとえば文部省が医科大学をつくるにしても、もう建物のほうが先に準備室かなんかつくって先行してしまって、あと最終的な手続だけのときに法律ができる。これも追認機関だと思うのですよ。  私は、こういうことは特にこの総理府立場からしますと、もう少し政府側のほうで検討すべき問題がたくさんあるんではないか、たとえばある程度の政府の原案が、案がまとまったときには、建物ができ上がらなくても法律を提出できるはずです。設計が完全にできて着工した場合にはもう私は法案が提出できるはずだと思うんです。一年前にも提案できるはずです。そういう形になりますというと国会でもいろいろな審議をすることができる、それから行き方なんかにつきましてもいろいろな議論があれば、あるいは国会の意思というものもそこに反映する余地もあると思うんですね。こうなってくると、ほとんどもう国会追認機関になってしまっている。私はこれは政府全体として、迎賓館だけのことを申し上げておるわけじゃありません。総理府だけがけしからぬと言っているわけじゃない。政府全体が国会というものを、あるいは法律というものの位置づけをもう少しまじめに検討する必要があるんではないかと思いますけれども、いかがです。
  17. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 委員のただいま仰せになりましたことは非常に私もよくわかります。特にこの総理府設置法の中での迎賓館についての今度の問題点は多くの議員方々も同じようなお考えで、四十三年から工事をやってながら、なぜいまごろになって、完成直前になってこの所管総理府に持ってくるというようなものを出したのかということで、たいへんに各議員からもいろいろと御質疑をいただいておりまして、そうしたことを伺えば、伺うほど、これは多少もう少し前にこうしたことは十分国会の議を経ていただくのが至当ではあるということを私もよく理解できるわけでございまして、今度はたいへん申しわけございませんが、ひとつこういうことになっておりますのでお許しをいただきたいというふうに考えます。
  18. 鈴木力

    鈴木力君 これはもうこれ以上は申し上げませんですけれども、もしいまの総理府長官のおっしゃることが真意であるとすれば、このあとのいろいろな行政には必ずそれが生きてくるようにひとつ強くこれは要望しておきたいと思います。  もう一つこの迎賓館関係で簡単にお伺いしますけれども、この法律にあります国賓及びこれに準ずる待遇を要する者を接遇するための施設としてのと、こうありますですね。それから公賓というのもございます。この国賓及びこれに準ずる者、あるいは公賓、こういうのはどういう人たちをさしておるんですか。
  19. 佐々成美

    政府委員佐々成美君) 法律で「国賓及びこれに準ずる賓客」というふうに書いてございますが、国賓は、外国から賓客が来られる場合に閣議決定に基づきまして国賓ということにいたすわけでございますが、その国賓をさしてございます。そしてあと「これに準ずる賓客」の範囲をどのように定義づけるかということでございますが、まずいま先生おっしゃいました公賓、これはこの「準ずる賓客」の中に含めて考えたい。公賓と申しますのは、これも外国から来られる賓客の中で、外務省がこれを公賓ということに基準の上できめまして、そして閣議の了解を求めるものでございます。なお、「これに準ずる賓客」には、いま申しました公賓のほかに、衆議院議長あるいは参議院議長、また最高裁判所長官が招待いたします外国のこれらに相当する地位にある賓客、これをもこの「準ずる賓客」に含めたい。そのほか、まあ国際慣例とかあるいは国際上の相互主義の原則によりまして迎賓館において接遇することが適当であるというものをもこの「準ずる賓客」に含めて運用していきたいというふうに思っております。
  20. 鈴木力

    鈴木力君 それで、そういうことだと思うのです。これは長官にまたお伺いしたいんですが、これはたぶん昭和四十一年九月十六日に一部改正を行なったんですが、昭和三十九年の六月三十日に「国賓等待遇について」という閣議決定がありますね。いまの審議官のお答えはそれに基づいたものと、こう思うのですが、それを見ますと、「国賓とは、政府儀礼をつくして公式に接遇し、皇室接遇にもあずかる外国賓客をいい、元首首相その他これらに準ずる者であってこの待遇を適当とするものにつき、外務大臣において宮内庁長官と連絡の上その請議により閣議において決定するものとする。」、こうあります。まあいいんです、全部正確でなくても。大体こういうふうにある。そこで私は、これは長官にお伺いしたい意味は、国賓とは、私は通俗のことばで言いますと、国のお客さまということになると思うのですが、そうでしょう。この文面を読んでみると、どうしても私は国のお客さまという感じがしないんです。政府お客さまという感じがする。閣議決定をして、閣議できめて、閣議でという、すべてが閣議が権限であってですね、そして国ということの代表すれば、議会というものは一つの国の代表機関だと私は思う。ところが、衆参両院議長は「その他これらに準ずる者」というものの扱いを受けている。この辺は変じゃないんでしょうか。長官、どうですか。
  21. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 三十九年の六月三十日の閣議決定、四十一年の九月十六日の一部改正でございますが、「国賓とは、政府儀礼をつくして公式に接遇し、」というふうになっております。「政府儀礼をつくして公式に接遇」するのが国賓であるというふうにわれわれは理解いたします。したがいまして、この政府お客さまという意味でなしに、政府は一国の行政的な代表という意味で、「政府儀礼をつくして公式に接遇し、皇室接遇にもあずかる外国賓客」というふうにも出ております。私は、国賓というものは必ずしも政府だけのものではない。われわれが、政府がたまたま国民のその時点における総意を受けて行動するものであるというふうにも考えるわけであります。     —————————————
  22. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、今春聴君委員辞任され、その補欠として金井元彦君が選任されました。     —————————————
  23. 鈴木力

    鈴木力君 私が申し上げますのは、どういう手続をとっても中身にはあまり変わらないだろうとは思うのですね。ただ、基本的な考え方に、閣議がきめればというところなんですよ。国賓にしても、公賓にしても、準ずる者にしても、閣議がきめてある。そして、たとえばさっき言いましたように、衆議院議長参議院議長は「その他これらに準ずる者」という扱い。私はやはり国のお客さまという考え方に立つなら、もちろん「政府儀礼をつくし」云々という中身はそれにしても、やっぱり国賓とは何かというような決定議会の議を経てきめるということが正しいのではないか。でないと、国民はもう関係がないことなんであって、きめるのは閣議できめて、閣議呼ばってきてやればよろしい。国民はこれには関係がありませんぞという意味のことが書いてある。だれがきめても、国賓という場合に、まさかわれわれの友だちが来たのを国賓にしろなどと言っても通るはずがないことは常識的にわかっております。だから、内容的にはそう私はこの中身についてどうこうとあまり申し上げられる筋じゃないとも思いますけれども、きめ方考え方、基本的に、政府がきめれば何でもこれがいいんだと、この考え方は私はどうも疑問があるんですけれども、長官、どうですか。
  24. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 鈴木委員のお考えもまた一理あると思います。しかし、現実に国賓というものが、世界じゅうにどこにあっても国賓として遇せられる待遇を受けるにふさわしい人間はおるわけでありますから、やはりそれを受けて、政府が公的に儀礼を尽くして接遇をし、それを閣議においてきめるということは、私は別段いま鈴木委員の言われたこととそんなに根本的に違うことにはならないように考えます。
  25. 鈴木力

    鈴木力君 だいぶん考え方が隔たりがあると思うのですね。私はたとえばさっき言いましたように、くどいことを言いますけれども、「元首首相」とはっきり出ておる。「その他これらに準ずる者」というのに国会議長が入っている。こういうこの格差のつけ方ですね、表現のしかた。「準ずる者」だからいいじゃないかというふうに言われるかもしれません。事実上は国賓にするのだということになるかもしれません。しかし、考え方からすると、やっぱりどうしても内閣というほうが、政府というほうが優先であって、そうして議会というのはその下にあるという、この表現はそうなるでしょう。こういうことがあるから、閣議だけできめずに、やっぱり議会の議も経ると、そうして国全体の客としての位置ずけというものをきっちりすべきだ、こう思うんです。これはさっきの長官のお考えと私とはだいぶ違いますけれども、ただ、やはり相当国の行事としてやる以上、法律ができ上がってからこれを認めると、さっきまあ長官の御答弁にあったからもう繰り返しませんけれども、事実上はいままではそういう性格だったでしょう。法律追認をしなさい、あと全部セットしてある、その中身閣議できめるからいいのだ、こういうことではやっぱり国の客の扱いという、国の、というものと、政府の、というものとの、主役は政府がやることはわかり切っておりますけれども、考え方に大きな相違がある。これはいま公式制度調査会という総務長官が主催しての調査会がありましょう。そこでいまこういう問題を検討なさっているものであると思いますから、私のいま申し上げたようなことも含めて、こういう調査会等でもさらに検討していただきたいと、これは御要望申し上げておきたいと思うのです。いかがですか。
  26. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 鈴木委員のお考えは御要望として十分承りました。
  27. 鈴木力

    鈴木力君 で、急ぎますので、あと同和対策協議会について一点だけお伺いいたしますけれども、今度五カ年協議会を延長なさる、これは私は所期目的を十分に果たし得なかった場合に、延長してさらにこの種の仕事を続けるという考え方については賛成いたします。ただ、その五年とまた区切ったところにですね、もちろんこれは同和対策事業特別措置法による十年間で五十四年までの計画がありますから、それを合わせたものではないかとも思いますから、一応の五年というめどというのはわからないわけじゃないと思いますが、ただ、いままでの繰り返しですと、二年ごとに刻んで延ばしてきたり、三年延ばしたりしてやってまいりました。まあ目的を達しない場合にはさらに継続をするという考え方は賛成だとさっきも申し上げたんですけれども、それならば、やっぱり私はそうこの問題は簡単にあと五カ年間で完成するというふうにも思えないほどむずかしい問題も含んでおれば、あるいは予算財源等からいいましてもなかなか十分にはいかないというような事情もあるだろうと思うのですが、五年という区切らずに、延期をしておって、期限を入れずに入れておいて、そうして所期目的を達したときに廃止をするという法律案で処理したほうがむしろ有効ではないかとも考えるのですけれども、この間の事情はいかがですか。
  28. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 鈴木委員がただいま仰せられたとおり、特別措置法そのものが十カ年のあれでございまして、ちょうどこれで前期五年が終わりました。われわれといたしましては、いま御指摘の諸点につきましても大いに深く反省いたしております。もっと効率的な、あるいはもっと効果のあがる方法があったのではなかろうかということはもちろん考えておりますが、しかし、さしあたり無期限というわけにもいかない、ちょうど措置法そのものとあわせてさらに五カ年延長する。それに対応して今度四十九年度の予算の中におきましても、御理解をいただいて、同和対策室を今度ははっきりつくりまして、そこを中心に、いままでやってまいりましたいろいろな世論調査あるいはまた実態調査、こうしたものも不十分な点が多々あるものでございますので、そうしたものも詰めてひとつやってまいりたい。いずれにいたしましても、これから五年間は、前期五年でずいぶんこの問題にはいろいろな形で国会の御指導もいただいたし、御協力もいただいてきておりましたが、あと五年間はひとつぜひこれを本物にしたいという熱意を持っておりまして、私、必ずしもこの五年間ですべて済むとは考えませんが、しかし、さしあたりの目標を五年間にいま以上の効果のあがる実践活動をひとつやりたいという気持ちでおるわけでございます。
  29. 鈴木力

    鈴木力君 この問題は、長官もおっしゃるとおり、だれがやっても非常にいろいろな事業も大きいし、なさねばならないこともたくさんありますから、そう当初考え計画が一ぺんにいくというわけにはいかないということも私もよくわかっております。いまの長官の御答弁でも、五年間で何とか仕上げるという決意で五年間という期限を切った、こういうように承れると思いますから、それならこれは私のほうからお願いをしておきますけれども、相当決意を持たれまして、そして対策室等もつくられ、それが十分に生かされるように御努力をお願いしたい。中身の問題についていろいろお伺いしたいこともありますけれども、きょうはあまり時間がなさそうですから、これはもうお願いだけにしておきますけれども、五年間という区切りをつけたということを、有効に事業を発展させるような御配慮といいますか、万全を期すように御要望申し上げておきたいと、こう思います。  それで、もう一つの問題は、同和対策室をつくっておやりになる、私はしごくけっこうなことだと思います。各省にわたっていろいろな対策が行なわれ、施策が行なわれなければならないこの問題でありますから、どうしても総理府が先頭に立っておやりにならなければこの種の問題はできない。と同じように、アイヌ問題についてですね、アイヌ問題についても私はもうそろそろ政府全体として取り組まないと——そろそろと言うことばがよくないので、ほんとうはおくれておったと思いますけれども、そういう時期が来たと、こう思うのです。これから若干の時間、このアイヌ問題についてお伺いしたいと思いますけれども、政府として、このアイヌ問題というものをどういうとらえ方をなさっていらっしゃるか、長官にまず伺いたいと、こう思います。
  30. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) ウタリ問題と申しますか、対策は、やはりこれは一万八千人の方々生活及び社会生活すべてを含めた問題であることはわれわれもよく認識いたします。このために自民党にはウタリ対策推進委員会というものがございます。また、社会党にも同じような組織をお持ちでございますが、問題は、やはりおもに自治省あるいは北海道開発庁等中心になってこのウタリ対策を進めていくべきであるということについては、もうすでにずいぶん前から具体的に行動を皆さんにしていただいているわけでございます。政府といたしましても、先般来やはりこのウタリ問題をもう少しはっきりした形の中で浮き彫りにしていくことが必要なのではないかという、特に社会党方々からの強い御要請もございまして、昨今、内部的にこの問題をどこが主として窓口となり、全体のいろいろな政策の総合調整等機能を果たさせるかということについて検討をいたしているわけでございます。
  31. 鈴木力

    鈴木力君 いま長官が、北海道開発庁が中心になってやるべきだというふうにおっしゃったと思うのですけれども、そういう意味だったのでしょうか。
  32. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 最もいろいろな面から見て開発庁が窓口になるのがいいのではないかというふうに考えております。
  33. 鈴木力

    鈴木力君 これはことしの三月八日の衆議院予算委員会の第三分科会で、社会党の岡田春夫氏が質問した中には、町村自治大臣が答えている中に、北海道開発庁という役所には北海道開発法の考え方からしてなじまないということが言われているのですね。これは北海道開発庁、なるほど北海道ということがあるから北海道開発庁と、こう考えられるみたいでありますけれども、北海道開発庁というのは法律的ないろいろなきめた中の仕事があって、この問題はどうしても「北海道開発庁以外のところで窓口はきめていただくのがよろしかろうというふうに、いまは私考えております、」これがまあ町村自治大臣の御答弁なのです。私もそう思うのです。  それからもう一つ総務長官にお伺いしたいのは、さっきの御答弁で、一万八千人の生活社会生活を保障するということに重点を置かなければいけないという趣旨の御答弁だったと思うのです。まあ私はその御答弁に別に異議があるわけじゃありませんけれども、ただ、お考えいただきたいのは、北海道で調査をした一これは北海道庁が調査をした結果から一万八千人という数字が出てきた、こう思うのです。しかし、実際は東京にも五千人いる、こういわれているのですね。決して北海道にいる人だけが対象になっていないはずであります。そういうこともひとつ考えなくちゃいけない。  それからもう一つ、私はこのウタリの人たちのこれはまあいままでのいろいろな経緯がありますから、具体的なことをどうこうと、いまここでふろしきを広げて言えとは言いませんけれども、確かに生活条件や何かは非常におくれている問題はたくさんございます。そういう問題の解決と同時に、もう一つ、やはり長い間続いてきたところのあのウタリの人たち生活習慣ですね。あるいは宗教、あるいは伝統的にあの人たちが持ってきたいろいろな美術、芸術というようなものもあります。いわゆるウタリ文化とでもいいますか、言語の問題もあります。いわばアイヌ民族としてのそういう貴重な文化面というものについても、これは私どもはやはり国として保存をするというのが——適当なことばじゃないと思うのですけれども、さらにこうした文化を発展をさしていけるようなそういう施策というものも政府としては必要ではないのか、こうも考えるのですけれども、こういう面についてのお考えはいかがですか。
  34. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) このウタリ問題、ウタリ対策というようなきわ立った形でこの問題を取り上げていくことが、はたして北海道以外の地区において適当かどうかということについては、なお私ら十分に検討は済ましておりませんので、さしあたり一万八千名の五千五百世帯に及ぶウタリの方々の問題を現地の北海道開発庁において扱うのが一番現実的ではなかろうかという考えでございます。それとただいま御指摘の文化的な問題、言語にいたしましても、習俗にいたしましても、そうしたものを、やはり日本の古い、古来からの長い歴史の中の大きな一つの文化的遺産としてこれを位置づけていくということについては私は少しも異存はないわけでございます。まあいずれにいたしましても、そうした問題を第一義的に取り上げるのはやはり北海道が一番適切なんじゃないかと、したがって、この開発庁が担当するのが一番適当ではないかと私は現在考えております。
  35. 鈴木力

    鈴木力君 そうすると、これはまあウタリの人たちのことをウタリ対策とうたうのはどうかという長官ことばなんです、いまの。これは参議院で社会労働委員会が、昨年の十月に社会労働委員会として調査をしておるんですね。この調査の報告には、いまの長官の御答弁とは違った報告が出ておる。それからその際に、参議院の社会労働委員会が調査に行ったときに北海道のウタリ協会の理事長野村義一さんから特に要望書が出ている。これは正式に参議院の社会労働委員会に要望書が出ている。これもいろんなずっとこう項目がございますけれども、時間の関係中身は申し上げません。この要望書を見ましても、このウタリという問題については、もっともっと政府がいろんな形において施策をやってほしい、そういう趣旨のことが非常に強く要望されておる。それから北海道の日高総合開発期成会、ここからもやや同じような要望が出てるんです。私はそうした人たちの要望というものがあったということは、これはやっぱり大事にしなければいけないと思うんです。そこで、この要望を受けて、実は参議院でも齋藤厚生大臣の御答弁もあります。齋藤厚生大臣の社会労働委員会での御答弁の趣旨も、窓口を一本にすべきであるということが強調されております。同じことは、さっき私が言いましたことしの三月八日の衆議院予算の第三分科会でも、やはり総理府中心にして相談をいたしますという答弁があるんですね。それから去年の三月五日に、やはり衆議院の第三分科会の質疑の中にも、社会党の岡田春夫氏の質疑に対しまして齋藤厚生大臣が、総理府中心として検討するという御答弁がありました。これは去年からずっと繰り返しているわけでありますから、もうここらで方向をきっちりとつけるべきときだと、こう思います。それで長官が、いま、北海道開発庁が窓口になってやることが正しいということを繰り返しておっしゃったんですけれども、これは町村開発庁長官とは協議がなされているんですか、なされていないんですか。
  36. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 岡田春夫氏の御質問があります前後、特にことしになりましてから、ウタリの問題をもっと政府内部で窓口を一つにして扱ったほうがいいのではないかというような議論が出されておりまして、齋藤厚生大臣、それから町村自治大臣と話し合いまして、ウタリは北海道開発庁をまず窓口にするのがよかろうではないかというような話し合いを進めておるところでございます。すでに数回話し合っております。
  37. 鈴木力

    鈴木力君 ところがさっきも私が言いましたように、町村自治大臣の御答弁の中に、こうあるのですね。これは三月八日ですね。「私も実は、この問題が起きましてから、多少部内で検討をさせてみたわけであります。とこが、御承知のとおり、いまの北海道開発庁というお役所は、岡田議員も非常によく御承知のとおり、開発法というものに基づきまして、北海道に関係する公共事業だけをやるというたてまえになっており、また、役所の構成も、そこにおりまする人的関係も、およそこういうことにはなじまないような役所だということが、どうもだんだん検討いたしてみまするとはっきりいたしましたので、」——それからずっとこうある。開発庁長官は、総務長官と御協議なさったときにはその方向だというけれども、国会での答弁では、北海道開発に関する公共事業だけをやるというところであるからこの問題を扱うのはなじまない、こう御答弁なさっておる。そうすると、これは政府間の調整ができているとはどうも私は思えないんですね。事実上、たとえば北海道ウタリ協会からの参議院の社労委員会に対する要望事項を見ましても、それはもうたいへんなものです。厚生省関係が非常に多い、あるいは文部省関係がある、労働省がある、建設省がある、各省に非常にずっとこうまたがりますから。で、この間の連絡調整ということも必要になってくる。だから私は、どうしてもこういう各省にまたがることの連絡調整機関、これはやはり総理府が、たとえば同和もそうであります。あるいは災害対策にしても、そういう問題はほとんど総理府のところがこのかなめになって、そして調整機関の役割りを果たしておる。どう見ても私は、やっぱり開発庁がだめであれば、なおさら特に総理府が乗り出さなければこの問題は解決しないのではないかこう思うんです。いかがですか。
  38. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 委員の御趣旨よく承りましたが、私、何でもかんでも総理府に持ってくるということはもうやめたらいいと、現実に現在の日本の政府機構を見ましても縦割り行政なんでありまして、これをただ形式的に横に寝かしてみましてもそんなに効果はあがらぬということは、よく皆さん御承知のとおりでございます。むしろ、やはりこのウタリの問題のように、主たる方々の住まわれる北海道、ここをまず問題の中心として選ぶのが、北海道開発庁を窓口にするのが一番具体的であって現実的ではなかろうかという私は考えを持っておりますが、委員のただいまのいろいろな御発言も十分踏まえまして、さらに自治大臣、厚生大臣とも話し合いをしてみたいと思います。
  39. 鈴木力

    鈴木力君 もうこれでやめますけれども、一番重要なことは、特にこのウタリの関係の団体の代表人たちの意見を聞きましても、いろんな問題は、とにかく現状のままではもうどうにもならないような問題がたくさんあるわけです。特に今度の北海道道庁を通じての政府に対する予算要望なんかにつきましても、その何分の一かしか採用になっていないわけですね。そういう点では非常にこのウタリの人たちもがっかりしている。それで陳情に来ますけれども、さっき言いましたように各省にまたがってどうにもならないだから、どうしても政府に窓口を一本化してくれという要望が非常に強いわけでありまして、だから私は、いまの長官の御答弁と私の質問申し上げた間で、ここだけは一致していると、こう思うんですが、それは窓口を一本にする必要がある、そこは長官もお認めいただいたと、こう思います。ただ長官は、一本にするが、北海道開発庁のほうがよろしいというお考えである。まあ私は総理府がいいんじゃないかということを申し上げましたけれども、こんなやりとりはそうたいした値打ちのあることではありませんで、要は早く政府として意思統一をなさって、そして一本化した制度的なものをきちっとつくることだと、こう思います。必ずしも私は、必ず総理府ということをいまあえて申し上げるつもりはありませんが、政府全体として、開発庁なら開発庁ということになれば、自治大臣が御答弁なさったようなこの問題を解決するということも政府としてはおやりにならなければいけないわけであります。そういう意味で、長官がさっきおっしゃいましたように、相談をして早急にこの窓口をどこにするかもきめたいという御答弁を、私は必ずできるだろうという期待を持ちまして伺いましたけれども、これはもうこの話が国会で議論されてから、去年もそういう話、早急に早急にということでことしになっておるわけでありますから、小坂長官のときにひとつこれは早急に、ほんとうに具体的に実現をしてもらうようにぜひひとつお願いしたいと、こう思います。いかがですか。
  40. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 努力をいたします。
  41. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 最初にお伺いしたいのは、今回の総理府設置法の一部を改正する法律案の、総理府を本府とした付属機関としての迎賓館を設置するということについてでございますが、私は四十七年の九月二十六日の朝日新聞をいま手にしているわけですがございますが、ここで田中首相が訪中をなさったときの記事が出ているわけです。実を言えば総理にここに来ていただいて、ほんとうかどうかその真意をお伺いをしたいわけなんですが、おいでになりませんので、長官にかわっていただきながら、外務省の人にも明確な御答弁お願いをいたしたいと思うわけでございます。  と申し上げますのは、周恩来首相田中総理が対談をいたしましたそのことが出ておるわけですが、この中で、このたび「古い建物を大改造して迎賓館にしています」、さらに、「迎賓館が出来ましたら第一号としてどうぞ」と、田中総理は周首相にこのように言われておるわけです。その周恩来首相もなごやかな笑いの声を出しながら、「これは光栄なことです」と、このように答えられているということが出ているわけです。  なお、さらにそのあとには、総理は、小さいがベルサイユの宮殿をかたどったような内容がお話の中にあるわけです。こういうふうなことは、一国の総理が、私はいい意味として、外交辞令でこういうふうなお話をされたと思いますが、ところが、外務省のある幹部の人は、外交辞令とは言えないでしょうともいうようなことも報じられているわけです。そうかと思いますと、フランスのポンピドー大統領が第一号としてその迎賓館に来るんじゃなかろうかと、招牌をされるんじゃなかろうかという、第一号、第一号というのを二つも私は聞いているわけですが、こういうふうなことが、先ほども鈴木委員からお話がありました、この法律審議も、法律設置法案も出ないうちに、こういうことを外交辞令で——外交辞令だからいいというようなことでこれは済まされることかどうかということがひとつ私は疑問なんですが、いかがでしょう。     —————————————
  42. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、田中茂穂君が委員辞任され、その補欠として木内四郎君が選任されました。     —————————————
  43. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) その朝日新聞の記事は総理が自身でコメントしたものかどうか私存じませんし、また総理が、その当時北京において、招待をいたしますということを公式的あるいは公的に述べられたかどうかは存じませんので、いまここでその問題について私の意見を申し述べることは控えさせていただきたいと思います。
  44. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 ですから私は申し上げたわけです。田中総理にここに来ていただいてこの真意を聞かなければならないという、前もって申し上げておきました。で、長官としては、私は総理ほんとうにどういうお考えでこういうふうにおっしゃられたのか、ほんとうにここに来ていただいて、長官のほうから総理を呼んでいただきたいんですよ。そういうぐあいにしていただかないと、まだ問題があるんですよ。この間また総理は、東南アジア訪問の際にも、フィリピンのイメルダ・マルコス大統領夫人にも迎賓館にぜひお立ち寄りくださいというみたいなことを発言されているという報道も見ているわけですがね。こういうふうに国会でこの設置法審議もされないのに、しかも先ほど鈴木委員もお話がございましたので、私はそれは重複するからなるたけ言わないように言わないようにと思っているんですが、昭和三十九年六月三十日に政府閣議決定を行なって、そのあと昭和四十一年九月十六日に一部改正するという閣議決定等を行ないながら、そして四十年には調査工事を始めて四十三年に着工している、そして今日に至って工事費の総額予算が九十七億七百四十六万四千円、家具製作費等を含めて七億円を要する、総合計が大体百四億円かかると言われているという。こういうふうな一連のことから考え合わせてみまして、こういうことが許されていいものなのかどうなのか、国会というものをどんなふうにお考えになっているのか、これは総理は御答弁できるだろうと思うんですがね。
  45. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 先ほどから今回の迎賓館についての政府総理府設置法一部改正につきましてはるる申し上げているとおり、やはり国会のもっと十分なる議を経て、もっと事前にこうした問題は国会に御提案申し上げていくべきであったということについては御指摘のとおりだと思います。それで、たいへんに申しわけないが、こういう事態でございますので、今度だけはひとつお許しをいただきますようお願い申し上げているわけでございます。  それからなお総理の発言につきまして、私は具体的につまびらかにいたしておりませんが、ただいま宮崎委員が御指摘になりました昭和三十九年六月三十日及び四十一年九月十六日の改正に基づく「国賓等待遇について」という閣議決定は、いずれも外国大臣が、国賓につきましては宮内庁長官と連絡の上、公賓につきましては外務大臣関係大臣と協議の上、それぞれ閣議決定あるいは閣議了解を経て国賓あるいは公賓とするというふうになっております。そうしたことから見ますれば、おいでくださいという軽い気持ちで言われたのではなかろうかと推測いたすわけでございまして、本質的には、政府としては、外務大臣の要請あるいは発議によって国賓または公賓決定されるというふうに理解しております。
  46. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 これは国内だけならいいんですよ。私の言っているのは、外国に対して、そういうことが報じられているということはないということじゃないと思うんです。これは外交上非常に大きな問題に私は考え方によってはなると思うんです。なぜかならば、日中航空協定もまだはかどっておりません。こういう状態で締結もいつできるやらわからないという、今国会中にやりたいんだというふうな希望だけはあるようでございますが、これだって満足な形態で進んでいるとは私は言えないと思うんです。こういうことを一つ取り上げてみましても、もしかりにこれが事実であるならば、第一号というふうにおっしゃられていることが事実であるならば、これはもう近いうちにお呼びをしなければならない。その前にもこの協定等の問題もいろいろなことが解決をされつつ進んでいかなければならないと思うわけですがね。いずれにしましても、そんなような、いま長官の御答弁がありましたように、外務大臣のお話もございましたけれども、ある一面には、田中首相と大平外相のラインで迎賓館外交というものが続けられているんじゃないかともこれは取りざたされているということなんです。そういう面から考えていきますと、なおさら私は、国内じゃない、外国に対しての、一国の首相なり外務大臣なりがもしかりにそういうふうなことを言われておるということならば、これはたいへんな問題に、とりょうによってはなると、こう思うわけですが、この点どうなんでしょう。
  47. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 御指摘のとおり、私は非常に慎重になすべき事柄だと思います。
  48. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 報じられているところによりますと、フランスのポンピドー大統領が第一号というふうに報じられているんですがね。何か最近はおからだの都合で取りやめになったとかどうだとかいうことを聞いているですが、この点どうなんですか。
  49. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) ただいままでボンピドー大統領が国賓あるいは公賓として接遇を受けるんだということについては公式には私は遺憾ながら耳にしておりません。しかがいまして、新聞紙上でボンピドー大統領が来れなくなったということを承知した程度でございます。
  50. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 外務省の人、来ているでしょう。
  51. 野村忠策

    説明員(野村忠策君) 新聞紙上で取りざたされてありますが、先般フランス政府と日本政府が一緒になりまして、若干延期したいというふうな表明が行なわれたわけでございます。
  52. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 外務大臣でないんですから、はっきりいろいろなことをおっしゃることはできないだろうと思いますけど、いま総務長官と私が質疑を取りかわしておりましたね。その点、あなたはどういうふうにお聞きになっていました、外務省として。
  53. 野村忠策

    説明員(野村忠策君) 私どもといたしましても、できるだけ迎賓館の御審議をいただきまして、外国お客さまをちゃんともてなすことができますように希望いたしております。
  54. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 そうじゃなくて、先ほどの総理が訪中された、あるいはフィリピンのイメルダ・マルコス大統領夫人にも、どうぞおいでになってくださいというような、いろいろなことを言っているということが報じられているわけですよ。外交辞令であろうが何であろうが、外務省として、この迎賓館設置法がきまらなかったら、外国に対して発言したことに対してどう受けとめていくのか、またそれをどう対処していくのか、そういうことを聞いているわけですよ。さっきの長官と私との話し合いは、そういうことに触れておったんでしょう。だから、外務省としての立場というものが当然あるわけでしょう。
  55. 野村忠策

    説明員(野村忠策君) 先ほど総務長官が御説明されましたように、私どもも真相につきましてはよく承知しておりませんので、ここでの御答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
  56. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 私は報道されていることを中心にしてお話をしているという意味でもないんですよ。それはひとつ誤解をされないようにしてもらいたいと思うんです。もしかりにそういうことが事実としてあるならば、これは外交上非常な問題があるということ、これ、指摘しておきたいと思うんです。したがって、そういうふうな、こういう設置法案をお出しになるとき、先ほどから長官は、今回はとにかく許してもらいたいというお話がございますので、この点につきましては、外国に影響していくというようなことになりますと、これは事国内だけでとどまらないということを再確認なさって今後のあらゆる施策というものを進めていかなければいけないんじゃないかというふうに思うから申し上げたわけです。  次に内容を見ていきますと、非常に心配される面があるわけなんです。あの建物の周辺には、迎賓館の周辺にはかなり高層建築が建っておりますね。その高層建築から見ると、みんな見通しできるという、これは私も実感としてそうとめております。極端な言い方すれば部屋の中まで見えるんじゃないかとまでいわれているんです。こういうようなことがもしあったとする、また不祥事件でもあった場合ですね。特に見方もいろいろあるんです。望遠鏡で見ればより詳細に見えますし、それからまたせっかくの国賓なり公賓なり——先ほど国賓公賓の論議をされておりましたが、外国方々がせっかくわが国にお見えになって、もし万一のことがあったりなんかしたらどういうことになるか。狙撃事件が過去にはあるわけだし、ですからそういう点から考えましても、どんなふうにそういう環境づくりというものをおやりになろうとしているのか、その点を伺っておきたいと思います。
  57. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 警備関係につきましては警察庁並びに警視庁等々が直接的に担当いたしておりますが、実は私も先般建設中の迎賓館に参りましたときに、そばのホテルニューオータニの新しいビルがほんとう迎賓館のそばにそびえ立っておりまして、なるほど世間ではあの屋上からねらえば一発だというようなことがいわれておる、そうしたことをはだ身でよく感じました。私はやはりこれについては迎賓館の性格、特に他国の元首、あるいはそれに次ぐような重要な役割りをしている方々にもしものことがあったらたいへんでございまして、私、総務長官として別に、警備について警察庁並びに警視庁には十分警備の行き届く配慮を要望しております。  なお、宮崎委員の御質問には具体的なお答えを申し上げなきゃならぬと思いますので、担当の者がおると思いますので、かわって御答弁さしていただきます。
  58. 佐々成美

    政府委員佐々成美君) 警備の問題はまさに重要な問題でございまして、これは警察庁のほうにもお話をして、警察庁のほうも十分注意を払って万全の措置をしてもらうように、こちらから強力に申し入れをしてございます。  なお、中の部屋が見えるという問題でございますけれども、われわれのほうも、過日担当官がホテルニューオータニの部屋に参りまして望遠鏡等をもって見たわけでございますけれども、部屋の形が全面的に見えるという位置にはホテルニューオータニは建ってございませんで、側面でございますが、その側面の部屋でも望遠鏡をもってしても中はよく見えないということを一部確認をしてございます。
  59. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 それぞれお考えがあるでありましょうが、角度によって見えるところと見えないところがございます、私も見てきたんですからですから。ですから、角度によっては見えるところも見えないところもあるでありましょうけれども、植樹の点なんかも十二分に考慮していかなければならないと思うんですが、そういう点等も御答弁にございませんでしたけれども、どんなふうに設営関係等もお考えになっているのか伺っておきたいと思います。
  60. 佐々成美

    政府委員佐々成美君) 植樹の関係を言い忘れましたけれども、ホテルニューオータニのほうに面した庭園の部分に、できるだけそれを遮蔽するような形での植樹に配意をしておるところでございます。
  61. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 もう一つ総務長官、この迎賓館運営についてですが、四十三名の人でこれをおやりになるというふうになっておるようですが、どんなふうな人が接待のしかたをなさろうとするのかお伺いをしたいんです。何か、これもまた聞くところによりますということですから、私はよく存じないんですけれども、このホテル経営者、要するにホテルオークラとか、あるいはニューオータニだとか、あるいは帝国ホテルだとか、そういった方々に実際上の面は下請をさせていくんだというようにも聞いているわけなんですがね。こういう運営上の問題について御答弁願いたいんです。
  62. 佐々成美

    政府委員佐々成美君) 職員の定員四十三人、この四十三人は迎賓館運営するについての一般事務あるいは管理というようなことに常時当たるわけでございますが、外国賓客が参りますのは、常時ではなくて、そのつど来るわけでございまして、その際における中のサービス、すなわち宿泊あるいはお食事等のサービスがございますわけですが、その際におけるいろいろな接遇につきましては、ホテルに委託をいたしまして、そうして接遇に当たりたいというふうに考えておる次第でございます。で、ホテルに担当してもらう接遇の部分を常時迎賓館の定員として置いておくということになりますと非常な数になるものでございますから、いわばここを合理的に運営するといいますか、効率的に運営するといいますか、そういう見地から賓客がお泊まりいただいているときのいわばサービスはホテルに委託するという方針でやっていきたいというふうに思っているわけでございます。
  63. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 ホテルなんかの状態を聞きましても、マネージメントの、まああそこをやるとすると、かなりな人数が要るだろうと思うのです。ホテル自体従業員が不足しているといわれているのですが、また各国、国々によっては料理がみんな内容が違うだろうと思うのです。食事の内容もそれぞれ変わってくると思うのですがね。そういった面についての御用意といいますか、大体どれぐらいの員数を要するかというようなことも御研究なさったわけですか。たとえばマネージメントがどれだけぐらいあってやればいいのか、その予算はどれだけであるのかというような内容について御検討なさっているだろうと思いますが、この点についてどうですか。
  64. 佐々成美

    政府委員佐々成美君) 迎賓館の中における予算でございますが、御説明を申し上げますと、   〔委員長退席、理事岡本悟君着席〕 この迎賓館に計上しております予算は、内部の維持管理、そのほか庭園の維持管理、それから一般的な事務費等でございまして、外国賓客が来た場合における接遇費は、これは外務省あるいは宮内庁にそれぞれ計上されております経費をもって充てることとしてございます。  先生いま御質問の、それぞれ国情あるいは風俗による食事の問題とか、あるいは経費の問題とかというのがございますわけですが、それらにつきましては、それぞれホテルと契約をいたすわけでございますので、そこでその契約の際に、ホテルのほうでどれだけの費用がかかるか、それぞれ役所の側とホテルの側と、この予算の範囲等を勘案しながら今後きめていくことに相なろうかと思います。それでホテルのほうの人手不足というふうなお話が出ましたが、ホテルのうらもこの迎賓館における接遇については非常に力を入れておるというふうに聞いております。で、ホテルのほうが、一度の接遇に向こうが提供する人数は約七十五人ぐらいであるというふうに外務省のほうから聞いております。
  65. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 いま御答弁がありました中で、接遇費の問題で外務省はどれだけ考えておるか、また総理府はどの程度のものを考えているか、御答弁願いたい。
  66. 佐々成美

    政府委員佐々成美君) 直接賓客が来た場合の接遇費については総理府には計上されておりません。すべて外務省あるいは宮内庁、また国会議長がお呼びする場合には国会の経費ということになります。
  67. 野村忠策

    説明員(野村忠策君) お答えいたします。  私ども、以前にホテル——これはいろんなホテルの人たちとお話しして、大体国賓一行の所要経費、特に宿泊と食費、ホテルがケータリングする場合のおおよその見当を出してもらったことがあるんですが、そのときの話では、大体一件当たり六百万円ぐらいのケータリング費用がかかるんじゃないかというお話でございました。
  68. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 いずれにしましても、お客さんによっていろんな方面から、各省から、宮内庁から出すとか、あるいは議長の場合には今度は議長のほうからとか、あるいは外務省からとかというようないま御答弁でしたけれども、この点なんかもやはり総理府として明確な、何というんですか、計画書といいますか、予算書といいますか、そういうものが明らかになっていかなきゃいけないんじゃないかと、こう思うわけですが、その点はまあそつないだろうと思いますが、どうなんですか。
  69. 佐々成美

    政府委員佐々成美君) 予算でございますので、まあいろいろな積算に基づきまして、これは財政当局にお願いをして計上されておるわけでございますが、その範囲内の中で十分われわれとしても外交上の体面を保てるような実施をしてまいりたいというふうに思っております。
  70. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 先ほど私、総括的な費用のことを言いまして、今年度の迎賓館の管理運営に関する経費、この総額は全額で二億六千二百八万一千円というふうに承知しておりますが、これのほうの光熱水料等の関係費、これも建物関係で四管方式を使っているから相当な費用がかかるということもいわれております。  私、時間がございませんから、一つだけこの中で取り上げていきたいのは庭園管理関係費でございますが、先ほど植樹のことをちょっと質問をしましたんですが、この庭園管理、大体庭園がどれぐらいあるのか、またこの庭園の芝生がどれだけあって、それでその芝生に要するその費用とか、あるいは花壇とか、あるいは落葉樹だとか常緑樹だとか、そういった内容ですね、そんなようなことがどのように振り向けられているのか、お伺いをしたいと思うんです。
  71. 佐々成美

    政府委員佐々成美君) 庭園の関係でございますけれども、庭園をいわば最初にこしらえますまでは営造費のほうでやるわけでございまして、いま先生のお尋ねの問題は、それをどのように管理していくか、維持していくかというお話であろうと思いますが、これはまあ全体の庭園を、芝生ならば常に刈り込んでおく、また樹木ならば枝おろしをしたりしてこの管理をしていくということになろうと思いますが、それから花壇等もございますから、花壇等の整備というようなこと、そのようなことをまあ年間にどれだけのことをすれば整備されていくかということを一応積算をいたしまして、そうしてこの予算の中に積算として入れてある次第でございます。
  72. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 まだ、庭園の大きさはどれくらいあるか、芝生はどれくらいあるか、樹木はどれだけやるのか。
  73. 佐々成美

    政府委員佐々成美君) 庭園の大きさは大体十万平米でございまして、そうして芝生は三万三千二百平米でございます。それであと、松が約二百本ばかり、それからそのほかマテバシイ等の木が百八十本ばかり、それからサザンカ等の灌木が約六千本ばかりございます。
  74. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 これも民間請負でやらせるのですか。
  75. 佐々成美

    政府委員佐々成美君) そのとおりでございます。
  76. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 そうすると、請負でやらせる場合に、芝は何回刈り込むとか、あるいは目土はどういうふうにやるとか、肥料はどういうふうにやるとか、いろいろあると思うのです、雑草を取るのも。目土あたりの費用なんかもいろいろ出ておりますが、どころによってみな違いますけれども、芝生なんて、芝刈りなんてどれくらいに見込んでおられるのか、これはこまかいことを聞けば際限ないわけです。防腐剤を使わなければなりませんし、いろいろなこまかいことが一ぱいあります。芝刈りのときはごみ処理なんという問題も出てきますし、相当綿密な考えの中から予算を見込まれたろうと思うのですけれども、この当時の見積もりをなさったときと現在との物価がどう違うかというようなことを推しはかっていきまして、非常に私は心配する面が多いわけです。これはいまその庭園だけを取り上げましたから申し上げるんじゃなくて、一つ取り上げましても、そういうふうに刈り込みから目土から肥料から防腐剤から雑草取りからごみの処理から一連のものがずうっとあるわけですね。そういうふうな費用というものは、この予算を計上されてやられたときと現在とは相当その金額が違ってきておりますし、それから同じように光熱水料等も、もうすでに電気料金も上げなければならないとかいうようなこともいわれておりますし、もう燃料もそうでありますし、こういうような関係から考えていきまして、この予算だけで相当予算だと思うけれども、さらに私はこれはこれだけでは満足できないんじゃないかと思うんですが、そういう点に対する見通しなんかどんなふうにお持ちになっていますか。
  77. 佐々成美

    政府委員佐々成美君) 芝の手入れあるいはこの除草、それから肥やしを入れる施肥等々、この予算の見積もりの中では一応これはすべて見積もりをしてございます。で、この迎賓館の管理運営、まあ初めてやるわけでございまして、先生御心配のような問題、今後いろいろ出てくると思いますし、かつ、このいろいろ物価の値上がりあるいは労賃の値上がり等々の問題、これは予算一般の問題ではございますけれども、この予算の中で迎賓館の管理を十分に——まあいろいろやりくりの問題もございますので、われわれとしても全力を尽くして恥ずかしくないこの迎賓館というものの維持管理をしていきたいというふうに思っておる次第でございます。
  78. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 時間がございませんからこれでとめますけれども、この問題については。いずれにしましても、これを着工したときには高度経済成長で相当豊かな潤沢な中で計画をされてきている。今日では石油危機に端を発して非常なインフレ化の中でわが国の経済もたいへんな時代に来ている。そういうときに迎賓館が豪華な落成式を、このふたあけをしていくという非常に一面で見ていきますと皮肉な時代の中に誕生するようにも思えるわけです、皮肉な見方をすれば。まあいずれにいたしましても、最初から申し上げておりますように、新聞等で報じられておりますように、外国でもうすでに諸外国方々を招聘するようなことまでも云々されているときでございます。そういうふうな面から考え合わせて、この運営については私はあと相当まだ研究をしなきゃならない問題が多々あると思います。そういう総合的な考え方長官から伺っておきたいと思います。
  79. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) たいへんに迎賓館の問題については関心を持っていただきまして、現地も御視察いただいたし、また、ただいまも種々な点で、これが着工されたころ、あるいは今日との社会情勢の変化等々を踏まえてのたいへん有益なる御忠告及び御意見を承りまして、たいへんありがたく拝聴いたしました。われわれといたしましては、この法律の通過を待ちまして全力を傾けて御期待に沿う努力をしてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
  80. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 外務省の、これからどんな人がお見えになるかということは、質問しようと思いましたけれども時間がないからやめます。どうもありがとう。けっこうです。  次は、四十九年度の同和対策関係予算のことについて一言だけ質問をして、私の質問を終わりたいと思うのですが、答弁によっては長くなると思いますのでひとつ委員長のほうも御了承願いたいものです。  この四十九年度の関係予算を見ていきますと、減額されているんですね、前年度より。その減額されているというところ、文部省関係、厚生省関係、通商産業省関係、これらが減額されているように見受けられるのですが、その理由ですね。このすべてが予算が増加しているのにかかわらず減額をしているということについての御答弁をひとつ願いたいと思います。
  81. 亘理彰

    政府委員(亘理彰君) 予算の問題についてお答えいたしますが、同和対策事業全体の予算といたしましては、ことしの予算規模が総体として圧縮されました中でかなりの増額がはかられておる。いわゆる特別ワクということで申しまして五六%の増額になっておるということで、まだまだ十分ではないということかもわかりませんが、全体の抑制的な予算規模の中では相当に努力をいたしたというつもりでございます。  個々の費目についてみますと、御指摘のように若干減額になっているものもあるわけでございますが、特に事務的な経費につきまして予算全体で八%の節約ということが編成方針の一環としてかけられておりますので、そういう関係で減ったものがこまかい事務費的な面で多少あるわけでございます。
  82. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 各省あげたでしょう、私が、各省——文部省、厚生省、通商産業省。その減額している内容を説明していただきたいと言ったでしょう。よく質問している内容を聞いてくださいね。
  83. 亘理彰

    政府委員(亘理彰君) 各省参っておりませんが、文部省の関係で申しますと、たとえば同和教育の推進に関しまする研究協議会の開催の経費が、これはごくわずかでございますが四千円減っておるとか、資料の作成費が十四万三千円減っておるとかいうようなたぐいはこれは節約によるものでございます。それから厚生省関係で減額になっておりますので目立ちますのは、トラホームの予防費が前年に比べて三百五十万ほど減っておりますが、これは必要とする対象人員が減ったというふうなことによるものでございます。それから通産省では産業振興の委託費というのがございまして、これが九十七万九千円、これは県などに対する委託費でございますが、これは対象地区が減りましたことに伴う減少でございます。まあそのほか事務費で、やはり通産省関係で十八万六千円減ったというな項目がございます。これは節約等に伴うものでございます。  以上でございます。
  84. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 いやにこまかいかと思うというと、いやに大きな増額、こまかい減額、これを一つずつとらえて私じっくりやりたいと思ったんですが、もう全然私の約束した時間がなくなってしまって何とも言えないんですがね。いまのトラホーム予防費の問題でも人間が減ったから減額していくんだということ、そういう面から一応はわかりますけれどもね、これだっていろいろな問題があるわけです。きょうはこまかいことはやりません。いずれにしましても総体的に見てこの同和対策協議会の審査報告等に基づいての事業というものを円滑に進めていかなきゃならぬ。それを特に私は要請しておきまして、もうきょうはこれで質問をやめます。あと、こまかいことを聞こうと思いましたのですけれども、きょうは、また後日に譲ってやめます。
  85. 岩間正男

    ○岩間正男君 時間があまりございませんので、要点質問しますから、要点についてお答え願いたいと思うんですが、それは総理府統計局職員の頸肩腕症候群の問題です。実はこの問題につきまして私はさきに二回ほど質問しているわけです。ことに総理府設置法の一部改正法案、これがいまこうして出されているのでありますが、その当時の審議の状況から考えますと、もうすでに一年近く経過しておるんですね。そういう中でこの問題はどうなっているのか、これは非常に総理府政治姿勢の問題とも関係すると思いますのでお伺いするわけでございます。  そこで、私はまずお聞きしたいんですが、昨年の七月十二日の当委員会でこの問題を取り上げました。職場の状況とそれから罹病の関係について十分に調査するよう当局側にこのことを要求し、指摘したわけです。その後、職員組合とどのような話し合いを進め、また被害者の救済策をとってきたか、この経過についてお伺いしたい。
  86. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) お答え申し上げます。  岩間委員から昨年来二度にわたってこの問題について質問をいただいておることは引き継ぎ事項で十分承知しております。それで、第二問の職員団体との話し合い等につきましては統計局長からお答え申し上げますが、私といたしましては、こうような問題がすでに起こっておって、岩間委員及び参議院のほうからこの問題についてのいろいろ問題の御提起なりありますのでこの実情を調査をいたしましたが、問題はやはりこうした統計事務、特に機械を主体とする非常に高度の集約的な労働でございますから、こうした職場においては特に健康管理ということがきわめて重要であるということを私は認識をいたしております。そういう意味で、特に頸肩腕症等だけでなしに、全般の職員の健康の増進維持ということに特段の配慮を払うことを統計局運営の基本に据えておるわけでございます。そのような考え方の中でこの問題もできるだけ早く御期待に沿う解決への努力を積み重ねておりますが、なお問題が多少なま煮えの状態のところもあるように考えております。いずれにいたしましても、このような職場における健康管理の重要性は十分認識して、全体としての働く方々の健康を守るということを大きな方針といたしておるわけでございます。
  87. 川村皓章

    政府委員(川村皓章君) お答えを申し上げます。  昨年の七月十二日に岩間先生からこの席で伺った以降の問題といたしましては、それまでの経緯が多少紆余曲折があったことは先生すでに御存じのとおりでございまして、ただ、その経過等を踏まえてみますと、やはり何といたしましても私どもの総理府といたしましては、まあ理由のいかんを問わず、できるだけ早期にこれを解決するということが基本に据えらるべきであるという考えのもとに関係機関、まあ人事院なりあるいは労働省等でありますが、それらの御意見も伺いまして、頸肩腕症候群に関する専門家を有し、かつ一般の信用も厚い総合病院にお願いをするのが適当であるという判断のもとで、その総合病院にもお願いをいたしまして、その解決を促進するというところで、現在これらの準備をいたしまして、具体的には職員団体とこれらの運び方について話に入っているところでございます。
  88. 岩間正男

    ○岩間正男君 早急に解決するということを基本に据えるというお話ですが、もうどのくらいたちますか。もう一年近くたっている。それでこの問題、解決したんですか。政府の早急というのは、これはどういうことなんですか。日本語の範疇からはみ出しているんですね。どうなんです、具体的に解決したのですか。昨年私はあげているのですね。十八人の認定申請者がある。これについて具体的にどうしますか。そうして最初に、これは災害補償法のときにこの問題を提起した。ところが、少しも解決していない。そこで、一ケ月後くらいだったと思いますが、八月段階で今度は総理府設置法の一部改正があった。そこで最後の詰めとして、これ、そのとき大臣に確約してもらったわけです。確約した。それであの法案が通ったわけですよ。そういうような中でいま同じようなことを繰り返している。あれから何カ月になりますか。もうすでに十カ月近くになるでしょう。そういう中でとても早急ということにはならぬと思うのですが、これはどうなんですか。
  89. 川村皓章

    政府委員(川村皓章君) 先生のただいまの御指摘は昨年の九月のたしか二十六日のときだったかと思いますが、それで、それ以前に実は、先生もこれは御存じのとおり、人事院から体力等検査データを求めるという話がございまして、これが実際に職員団体の協力が得られなかったという、まああとにおいての話でございます。そこで、先ほど申し上げましたように、できるだけこれは早期にしたい。ただ、先生も御存じのとおり、この問題の本質は一般事務の新しいケースでございまして、実はこの中身としても、そう簡単には右から左というほどにもいかないという問題も事実ございます。ということは、やはり一つの認定行為の中では、何といいましても業務との因果関係がやはり認定上は必要であるという問題がございますので、それらのやはり手法と申しますのは、何と申しましても医学的な問題が多小人っております。したがって、私どもだけではその医学的な判断もいたしかねますので、その辺の準備もある程度の時間はかかる。そこで、昨年の後半でいわば早期に準備をしてきた中身を御報告申し上げたつもりでございます。
  90. 岩間正男

    ○岩間正男君 まあ、そういうことを言っておりますけれども、そんなに時間かかるものですか。一方、病人は苦しんでいるんですよ。そういう中で、すでにほんとうに八カ月以上ですね、もうたっているんですよ。  それじゃお聞きしますけれども、認定についての調査が人事院から現在総理部本府のほうに移された、こういうことを聞いておりますけれども、これは事実ですか。その経過と理由を明らかにしてほしいと思います。人事院からもお聞きしたい。統計局長から先に……。
  91. 川村皓章

    政府委員(川村皓章君) あとで人事院からもお答えがあると思いますが、先生も先ほど言われましたとおり、人事院に当初お願いしたことは事実でございます。そこで、人事院から具体的には指示がございまして、公務との因果関係を明らかにするために必要な資料ということで、筆圧であるとかあるいは指機能であるとか、いわば労働衛生学的な検査を新しい問題であるだけにということで言ってこられたわけでございますが、この辺は不幸にして協力が得られなかったといういきさつがございます。そうしますと、その事態でありますが、やはり実際に病気におかかりの方はいわば日夜苦しんでいる方々でありますから、その事態に着目をすれば何らかの手段でできるだけ早期解決というのを優先的に考えるべきじゃなかろうかということで実施機関としても考えてまいった次第でございます。
  92. 岩間正男

    ○岩間正男君 いまのあれはどうですか、移したというのは。人事院から総理府本府のほうに移したというのは、どうですか。
  93. 中村博

    政府委員中村博君) ただいま統計局長から御説明申し上げましたように、先般先生から委員会で御指摘いただきました。したがいまして、私どもが労働衛生学的資料をいただくことがいろんな事情によって非常にむずかしいということでございいましたので、やはり補償の迅速をはからなきゃいかぬという趣旨から統計局とも逐次打ち合わせを始めまして、その結果、迅速に補償するという観点から、しかも一方医学的な十分な資料をいただく、御判定をいただく、両方の観点をかね合わせまして、統計局のほうでとりあえず先ほど統計局長から御答弁申し上げましたような措置を講じて、そうして一刻も早くこの問題を解決いただくようにということで両者合意に達しまして、先生のおことばによりますれば統計局のほうに問題を渡したと、こういうかっこうが現在の状況でございます。
  94. 岩間正男

    ○岩間正男君 急ぐ急ぐと言っていますが、民間の場合なんかは、これはそんなめんどうくさい手続をとらなくたってやっているでしょう。その事例はこの前私は詳しく述べました。苦しんでいるのは本人なんですから、その問題を解決するという親心があったら立場と態度を私は変えなければと思うんです。   〔理事岡本悟君退席、委員長着席〕 人事院のほうでは、それは立ち入り調査とかそういうことまではできないわけなんで、結局そういう資料を要求してもこれは来なかったわけだ。そういうことで、これは非常に基本的な本人の人権の問題ですからね、これは組合側でそういうような意見を出しておる。しかし、それを人事院で解決していると、とにかく何といっても人事院の立場で監視されているんです。総理府の本府のほうだとぐあいがいいというので本府にこれは移した、こういうかっこうになれば、それで解決したかというと、どんどんどんどんおくれているじゃないですか。結局、おくらすための手段と言われてもしようがないんじゃないですか、これ。どうなんです。
  95. 川村皓章

    政府委員(川村皓章君) 先生がただいま人事院から実施機関たる総理府へというのを、おくらしたというふうに思っておりますが、いや、実は私どもは職員団体の協力が人事院の検査の場合に得られなかったという事実を踏まえれば、さらに多少実情を知っている者としては、できるだけ早期にやりたいということで実は人事院とも相談したつもりでございます。それで、しからば何カ月じゃないかというような問題もございますが、確かに私どもの気持ちといたしましては、これ、急ぐということは先ほど申し述べたとおりでございます。ただ、やはり一方こういう認定という行為は新しいケースであるだけに因果関係等もある程度明らかにしなきゃならぬという問題もございまして、それとのかね合いでできるだけ急ぐという問題でございます。これは御理解を賜わりたいと思います。
  96. 岩間正男

    ○岩間正男君 善意で移したというんですね。善意で移して、結局は結果は悪くなったということになる。どんどんどんどんおくれていく。こういう形で行政がやられるということは非常にこれは問題だと思うんです。これは総務長官がさっき、とにかく健康管理は非常に重要だと、こう考えている。——これはあとでお聞きしますけれども、そうおっしゃっている。当人は苦しんでいるんですよ。これは私も頸肩腕症候群というものの経験はないからあれですけれども、実際これはたいへんだね。いろんな手記なんかを見ていますけれども、心理的にもそれから経済的にも参るし、全くこれはたまったものじゃないですよ。そういう問題に対してもっと的確に処理をしていくというそういう基本態度をやっぱり堅持するなら、いま言ったけれども、因果関係、因果関係といって、ちょうど公害の問題と同じようなことを言っているわけです。因果関係でなくて、当人がどれほど苦しんで、どんなふうにやっているか、ここから出発したら私は違ってくると思うんです。これは長官、どうでしょうか、そこは。
  97. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 先ほど申し上げましたように、やはり健康管理がきわめて大事であるし、同時にまたその反面、現在罹病をされて苦しんでおられる方々を早く救済をしていくということはこれは当然のことでございます。ただ、これ、がたいへんにいろいろな面で行きつかえておるのは、残念なことに職員団体との間の話し合いがスムーズに進まないという面もありましたが、ようやくそれも昨今軌道に乗ってきたという報告を受けております。しかし問題は、いまるる御指摘のように、病気の問題は病気をして苦しんでいる人たちが一番つらいのでございまして、それをはたの者がいろいろとするよりも、やはり苦しんでいる方々を早く救済できるような措置を進めるということは当然のことだと考えて、さらに一そう努力を重ねてまいりたいと考えております。
  98. 岩間正男

    ○岩間正男君 それじゃお聞きしますが、総理府は現在の段階でどこの医療機関に総合的な判断を求めているんですか。
  99. 川村皓章

    政府委員(川村皓章君) これは組合と現在お話を申し上げておる中身になりますが、実際にこの病気の内容からいいまして、病理の関係とかあるいは神経外科の関係とか、いわば専門家の分野としては多少多岐にわたる問題がございます。かつ、この問題はいわば専門家にたよらざるを得ない要素がございますので、先ほど申し上げました総合病院、すなわち慶応病院を具体的にはお願いをしようかと思いまして、その意味職員団体と話をしております。
  100. 岩間正男

    ○岩間正男君 まだ決定していないんですか。
  101. 川村皓章

    政府委員(川村皓章君) 職員団体にはその内容をお話し申し上げて、いま返事をいただいておる最中でございます。
  102. 岩間正男

    ○岩間正男君 慶応病院のどこかが担当するんですか。
  103. 川村皓章

    政府委員(川村皓章君) いまは慶応病院にお願いするということで職員団体がそれでよろしいということであれば、具体的には医師団を編成していただこうと思っております。
  104. 岩間正男

    ○岩間正男君 これはいつごろきまるんですか。いま交渉中だという話ですが、いつごろきまるんですか。どうして長引いているんですか。
  105. 川村皓章

    政府委員(川村皓章君) 職員団体にお話を申し上げたのは二月中旬でございまして、もう間もなく返事があると思います。
  106. 岩間正男

    ○岩間正男君 この点、やっぱりもっとはっきりさせて促進しなければならぬ。それから慶応病院といっても具体的にただ病院に頼むんだというだけじゃ話にならない。これは神経外科——どこなんですか、明確にしてください。
  107. 川村皓章

    政府委員(川村皓章君) 先ほど申し上げましたように、おそらくは神経外科なり整形外科なりあるいは病理なりといういわば専門家が要りますので、一カ所だけではなくて、医師団を編成していただこうというかっこうになろうかと思います。どこのどうというかっこうについてはまだ申し上げられません。
  108. 岩間正男

    ○岩間正男君 これはまないたに乗せるようなことになるんですね。いま苦しんでいる現実があるんですよ。それを何だかんだいって、官庁のやり方は。こんなことをやっておりますか、民間では。苦しければ、民間の病院でやったら、すぐにやってみてもわかるでしょう、一日で解決できる。それを一年近くもかかって、あっちだこっちだと。それから総合的なやつ、新しい問題だから別だということでやっていたんでは、実際これはたまったものではないですよ、病状だって悪化しますよ。この点はきょうを契機にしてこれはぜひやってください。この経過については報告がほしいですね、当委員会に。当委員会としても重要な課題ですから、どういうふうな経過であるか。それから最終的にはだれが判断を下すんですか、責任者はだれですか。この認定の判断を下すのはだれですか。
  109. 川村皓章

    政府委員(川村皓章君) この最終的な判断はいわば実施機関たる総理府でございます。
  110. 岩間正男

    ○岩間正男君 総理府のだれですか。
  111. 川村皓章

    政府委員(川村皓章君) 実施機関の長は内閣総理大臣ということになります。
  112. 岩間正男

    ○岩間正男君 自分も非常に神経がいらいらするんだから、経験があるんですから、これは早く総理大臣やってもらいたいんだが、最後はそういうことだろうが、実質的には最後の判を押すだけだろうと思いますが、実際には統計局長ですか、この問題をやるのは、それとも長官ですか、どこですか。
  113. 川村皓章

    政府委員(川村皓章君) 内閣総理大臣が総理府の長でございまして、それを担当します機能といたしましては内閣総理大臣を補佐する総務長官、さらに実施機関としてはやはり人事の関係でございますから官房の人事課、それから具体的な場の管理者でございます私どもがいわばその衝に当たることになります。
  114. 岩間正男

    ○岩間正男君 とにかく促進して、もうきょうはこれは法案が上がるかどうかわからないんだけれども、ほんとうは私はこの法案にも関係あると思うんですね。この前から、こんな懸案はいつまでも引きずって歩く問題じゃない。そのことはまたいまの労務管理の問題と非常に深い関係も出てくる。それから実際は能力の問題と深い関係が出るでしょう。これは総理府の能力が一体こういうことでは果たされなくなってきますね。そういう点からいいまして、とにかく時間をかけないで急いでこれについて解決すると、こういうことはどうですか、長官、ここで言明できましょうか。
  115. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 職員団体の諸君が、たとえば慶応なら慶応の総合病院のグループのお医者さんに見せるということを了解して、またその技能的、技術的な診断というものを尊重してくれれば話は非常に早くいくと聞いております。それがなかなか十分に意思の疎通ができないところに問題の遅延のガンがあるわけでございます。それらの点について私らも努力をいたしまして職員団体の諸君の十分なる了解を得たいと、そうして努力をいたしておるわけであります。
  116. 岩間正男

    ○岩間正男君 その経過についてはわれわれも非常に見守っているわけですから、報告をいただけますか。そのつど、どういうことをどうやったかということは報告いただけますか。
  117. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) いたしましょう。
  118. 岩間正男

    ○岩間正男君 この問題をやはり解決するについて、実は長官は健康管理は非常に重要だということをおっしゃっているわけですけれども、むろんこれは行政の責任者として足元の職員がどうなっているか、この生活条件とか労働条件、さらには健康管理、安全管理、こういう問題というのは非常にこれは重大な課題だと思うんです。これは新しく就任されてからそれほど時間がたっていないわけですけれども、ところがやっぱり責任者として一つの重要な課題になっているわけですね。そういう点からいいますと、どうですか、長官自身が職員組合とこれは会ってこの問題を解決すると。中にいろいろ入れていますというと、日本の官僚機構というものはなかなか複雑でめんどうなことになっていることは私が多く言う必要はないと思います。したがって、そういう趣旨だったら私はこれは職員組合と会って、この問題だけじゃありませんけれども、これはこんな話し合いを進められるということは非常に必要だと思いますが、就任以来お会いになったことはございますか。     —————————————
  119. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、上田哲君が委員辞任され、その補欠として沢田政治君が選任されました。     —————————————
  120. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 私、総務長官に就任いたしましてから、二度でございますが統計局、恩給局のあの事務所に参りまして、同時に二度職員団体の諸君と会いました。で、まあ私の方針としましては、具体的であり、かつ非常に事務的な問題についてはできるだけ局長クラス、特に統計局長が当たってもらいたいと思うのですが、その他の問題について、健康管理ばかりではございません、働く方々の気持ちやあるいはまた希望やいろんな問題を持っておられるわけでございますので、懇談をする機会は幾らでも持とうということを先方にもお話ししております。
  121. 岩間正男

    ○岩間正男君 会われたということですが、会われるのもいろいろあるので、これは労働者のそういう基本的な権利、そういう問題についていろいろ懸案がある、障害にぶつかっている、いろいろ要求もある、そういう要求を果たすために進んでそこへ行って話し合われる、こういうことが必要だと思うんです。具体的にはこの問題についてお話し合いになったことがございますか。
  122. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) この問題は報告を受けておりますが、まだこの問題について特に会ったことはありません。
  123. 岩間正男

    ○岩間正男君 会われるお考えはありますか。
  124. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) やはり事務的にもっと煮詰まった段階、さらに問題はわれわれがいま考えております慶応大学の総合病院としての機能を使うということについての了解が得られそうな段階でありますから、それが得られてから必要があれば会うというふうにしたいと思います。
  125. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは必要が大ありだと思うのですね。それで先ほどからの論議でも明らかなように、いろいろ行政事務のところにだけまかしておきますと、今日のような事態の原因になっているのですから、しかもこれは職員の健康管理、労務管理、そういう要求をいうものは非常に重要だと、こういうことを言っておられるのですから、しかも具体的にこれは問題が起こってきているのですから、この問題は進んでこれは指導的立場をとられて、行ってみて、いままでのやっていることはどうなんだと点検して、ここはいかぬじゃないか、ここはもっと早くできるじゃないか、こういう指導が長官からむしろあっていいんじゃないか、むしろそれが民主的な長官の態度だと思うので、新しい長官に期待するとすれば、そういうところにあるんじゃないですか。それ、どうですか、積極的にこれは自分から果たされるという私はそういう新生面を切り開いてほしい思うのです。何か一定の結論を得て、その段階で会う必要があれば会うというのはこれはいままでの答弁なんですね。小坂長官、そういう答弁されちゃまずいです。そんないままでの繰り返しの紋切り型、そんな紋切り型はやめて、ここで新しいスタイルをほんとうにこれは出すのかどうか、ここのところにかかっているんですから、どうなんですか。
  126. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) この問題に対して岩間委員が過去以来非常な情熱を傾けていらっしゃる事実もよく知っております。また、そうした意味でのただいまの御発言であることもよく理解できます。今後積極的に会う会わないということは私の判断にひとつおまかせいただきたいと思いますが、組合の職員団体の方々といつでもいい状態で話し合いができ、またいい状態にあるということが統計局の仕事を前進させる基本であるというふうに私も認識しておりますから、そうした意味合いにおいての皆さん方との会見、特に職員団体という特定なものでなしに全局員と対話をするということをやろうと思っていますし、それは二度ばかりいたしました。
  127. 岩間正男

    ○岩間正男君 決断と実行ということを言っているのですからね、私はそれは進んでいって、何もそういろいろなめんどうくさい手続じゃないと思うんです。それから職員団体としてはぐあいが悪いというようなことをちらっと言われるんですけれども、これは職員団体が現にあって、そうして労働者たちがこれは権利を守り、生活を守って、しかもこれは公務員としての当然の任務を尽くすための条件ですから、当然健康管理、それから生活の問題、安全管理、こういうものなしにはできないわけです。国民に負っているところのそういう責任を果たすことができないわけですからね。私はそういうかきねを置いているのは、これもまた従来の側近があまりよくないのですよ。いつでもそういう職員団体になかなか簡単に会わないほうがいいですと、こんなことを言っていることをよく聞くので、こういうことのないようにしてほしい。それについて一体事態の認識はどうされておるのかということですね、私お聞きしたい。これはどうですか。私がこの問題を取り上げた昨年の七月の段階では、頸肩腕症候群の認定申請は十八名あった。これは当時の局長は十七名と言っておりましたけれども、そのところは数は十八名として、今日ではどうですか、何人になっていますか。
  128. 川村皓章

    政府委員(川村皓章君) 現在までキーパンチャーの方で認定申請をお出しになった方が九名でございます。そのうち六名は認定済みでございます。それから一般集計事務の関係では三十三名でございます。
  129. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうすると、これはこの八カ月の間にたいへんふえたんですね。十八名から三十三名ということになりますと、これはどうですか、十五名も増加しておるのですね。減っているというんなら話はわかる。解決してないということでしょう。これはたいへんな問題ですよ。そういう中で出された意見書があるわけですね。いままで認定申請の理由書、それからそれに対する申請書、そういう中で、たとえば一人の方はこういうことを言っているんですね。「仕事中トイレに立つのも気兼ねをするようなきびしい労務管理と劣悪な労働条件の中で発病した病気であり、業務に起因した病気として、治療費を含む通院に関する一切の補償と身分上の保障及び、再び発病することのないような適当な業務と、健康で働いていけるような労働条件を実現して頂きたい」、これは切実な血の出るような声ですよ。総務長官、これはどうお思いになりますか。こういうことで、ほんとうにこれはこたえていただくんでなくちゃ——しかもこれは大体いままでの推移を見ますというと、四十一年前までは大体このような申請は一人だった。ところが四十一年にこれは電算機が入りました。電算機に伴うところのこの業務というのはこれはたいへんなものです。というのは、〇・六ミリで長さ五ミリぐらいですか、そこのところに間違いなく線を引くとかそういうようなやり方、それで非常に緊張する。しかも単純労務の繰り返し、こういうことをやっていれば当然これは頸肩腕症候群が発生するというのは明らかなんです。それを原因調査だ、因果関係だ、こういうことだけやっておったんでは、こういう事態にほんとうに対処することはできない。そうして統計業務そのものも円滑に推進することができないことは明らかなんです。したがいまして、こういう問題でほんとうにいまの電算機、つまり合理化、機械化、そういうことから起こるところの人体の故障、そういうものについてやはり明確なこれに対する検討が必要だというふうに思うわけですが、労務管理というのは、まさにそこから出てこなくちゃならない。労働条件の問題もそこからこれは出てこなくちゃならない。そうすればこれに対する適応した対策というのは必要になってくる。これが出されていないから、いま言ったように十八名が八カ月の間にもう二倍近くにもなってきている。こういう実態ですね。そうすると、いいほうにいってないということですね。いまの労働行政はいいほうにいってない、悪いほうにいっている。悪化の傾向をたどっているということになるんですよ。どうでしょうか、長官、この辺にやっぱりメスを入れなきゃ私はほんとうに円滑な行政は確立できないんじゃないか、こう思うんですが、いかがでしょう。
  130. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 速記をとめてください。   〔速記中止〕
  131. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 速記を起こして。
  132. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) ただいまの御指摘でございますが、そうした方からの意見あるいは投書というようなものは、もちろんそのとおりの面もあるかとも思います。しかし、私が先般来二度にわたって統計局に参りまして、もちろん仕事の内容を見て、非常にこれは高度の技能を要するし、また非常に精神的にも疲れる職場であるということもよくわかりましたが、同時に休憩時間その他も十分に取っておりまして、私はそれを見てたいへん安心したわけであります。また、ソファー等の施設もございますし、いろいろな面でいわゆる劣悪というほどではないということは、私、非常に長時間のあれでございますけれども、感じたわけですが、特に問題が非常に高度の技能を要するし、非常に神経を集中するであろうことはしろうとの私もよくわかりますので、それらの問題が、働いている人たちの心をゆがめたり、あるいはまた病気であるという自己意識におちいるということや、あるいは結果においての病気になるというようなことを防ぐ、そうした問題に対していままで以上の努力と配慮を統計局の幹部諸君に求めておるわけでございます。
  133. 岩間正男

    ○岩間正男君 劣悪でないと言っているけれども、事態は悪化しているのですからね。だから、劣悪でないとかなんとかというのは事実によって判定するほかはないわけで、事態は悪化しているのですね。だから、こういう点について、ことに総理府でございますから、総理府はそういう意味じゃ全官庁のこれは模範を示していいだろうと思うのです。労働行政は模範的にやられていると、ほんとうに管理がよく行なわれていると、そうしてほんとうに労働者の権利が保障され尊重されているということ、これが非常に重要だと思います。  それで資料として、時間がありませんから、人事院にお願いしたいんですが、これまでに公務災害認定申請による調査件数は、統計局以外も含めてどれだけ出ているか、人事院で。これは資料として出してください。もう時間がありませんからね。  統計局についても、これについて急速に処理する、そういう方針を確立すべきだと思うが、その方針もあわせて資料として、委員長、これは要求していただきたい。いいですか。これは当然必要だと思います。ようございますか。当委員会に提出してください、できるだけ早くね。
  134. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) ただいま岩間委員から要求のありました資料、当委員会に御提出をお願いします。  他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。——別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これにより採決に入ります。  総理府設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  135. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
  136. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十八分散会