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1974-03-26 第72回国会 参議院 内閣委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年三月二十六日(火曜日)    午後一時五十二分開会     —————————————    委員異動  三月六日     辞任         補欠選任      片山 正英君     源田  実君      高橋 邦雄君     今  春聴君      西村 尚治君     中山 太郎君      今泉 正二君     郡  祐一君      吉武 恵市君     田中 茂穂君      星野 重次君     小枝 一雄君      沓脱タケ子君     岩間 正男君  三月八日     辞任         補欠選任      小枝 一雄君     星野 重次君  三月十二日     辞任         補欠選任      村田 秀三君     中村 波男君  三月十四日     辞任         補欠選任      宮崎 正義君     矢追 秀彦君  三月十五日     辞任         補欠選任      矢追 秀彦君     宮崎 正義君  三月十八日     辞任         補欠選任      山崎  昇君      中村 利次君     田渕 哲也君  三月二十五日     辞任         補欠選任      田渕 哲也君     松下 正寿君  三月二十六日     辞任         補欠選任      今  春聴君     中村 登美君      郡  祐一君     稲嶺 一郎君      源田  実君     平島 敏夫君      田中 茂穂君     高橋雄之助君      上田  哲君     竹田 現照君      中村 波男君     神沢  浄君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         寺本 広作君     理 事                 岩動 道行君                 岡本  悟君                 鈴木  力君     委 員                 稲嶺 一郎君                 高橋雄之助君                 中村 登美君                 長屋  茂君                 平島 敏夫君                 神沢  浄君                 竹田 現照君                 戸叶  武君                 宮崎 正義君                 松下 正寿君                 岩間 正男君    国務大臣        国 務 大 臣        (総理府総務長        官)       小坂徳三郎君    政府委員        人事院総裁    佐藤 達夫君        人事院事務総局        給与局長     茨木  広君        内閣総理大臣官        房総務審議官   佐々 成美君        総理府人事局長  皆川 迪夫君        防衛庁人事教育        局長       高瀬 忠雄君        文部政務次官   藤波 孝生君        文部省初等中等        教育局長     岩間英太郎君        文部省体育局長  澁谷 敬三君        文部省管理局長  安嶋  彌君    事務局側        常任委員会専門        員        相原 桂次君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○総理府設置法の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○一般職職員給与に関する法律の一部を改正  する法律案内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る六日、片山正英君、高橋邦雄君、西村尚治君、今泉正二君、吉武恵市君、沓脱タケ子君が委員辞任され、その補欠として源田実君、今春聴君中山太郎君、郡祐一君、田中茂穂君、岩間正男君が、去る十二日、村田秀三君が委員辞任され、その補欠として中村波男君がそれぞれ選任されました。また、去る十八日、山崎昇君が委員辞任されました。同日、中村利次君が委員辞任され、その補欠として田渕哲也君が、昨二十五日、田渕哲也君が委員辞任され、その補欠として松下正寿君が選任されました。また、本日、今春聴君委員辞任され、その補欠として中村登美君が選任されました。     —————————————
  3. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) この際、ただいまの委員異動に伴いまして理事に一名の欠員を生じましたので、その補欠選任を行ないたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事鈴木力君を指名いたします。     —————————————
  5. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 総理府設置法の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。小坂総理府総務長官
  6. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) ただいま議題となりました総理府設置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  改正点の第一は、総理府本府の付属機関として、新たに迎賓館を設置することとしたことであります。  近時わが国と諸外国との国際関係緊密化に伴い、外国賓客の来日がひんぱんとなっておりますが、これらの賓客については、国際儀礼に従い、その地位身分にふさわしい十分な接遇を行なう必要があります。諸外国におきましては、国が外国賓客を迎えるにふさわしい宿泊施設を設けている例が多いのでありますが、わが国には、このような施設がないため、かねてからその設置必要性が痛感されておりました。政府は、昭和三十八年五月七日の閣議決定に基づき、旧赤坂離宮国賓等接遇するための迎賓施設として改修する工事を進めてまいりましたが、本年三月末に完成する運びとなりましたので、このたび、これを総理府本府の付属機関とし、館長以下所要職員を置き、国賓及びこれに準ずる賓客宿泊招宴等に関する接遇を行なわせることとするものであります。  改正点の第二は、総理府付属機関のうち同和対策協議会設置期限昭和五十四年三月三十一日まで五年間延長することとしたことであります。  同和対策協議会は、同和対策として推進すべき施策で関係行政機関相互の緊密な連絡を要するものに関する基本的事項を調査審議することを目的として、去る昭和四十一年四月一日に総理府付属機関として設けられたものでありますが、その後、昭和四十三年及び昭和四十五年の二度にわたり設置期限が延長され、現在その設置期限昭和四十九年三月三十一日までとされております。  しかしながら、今後とも同和対策事業の効果的な推進をはかるためには、同和対策協議会の積極的な活動が必要であり、また、昭和四十四年に制定された同和対策事業特別措置法昭和五十四年三月三十一日まで有効とされておりますので、同協議会設置期限をさらに五年間延長し、昭和五十四年三月三十一日までとすることが必要であります。  以上がこの法律案提案理由及びその内容概要であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。
  7. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 以上で説明は終わりました。  本案の審査は後日に譲りたいと存じます。     —————————————
  8. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 次に、一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。小坂総理府総務長官
  9. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) ただいま議題となりました一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容概要について御説明申し上げます。  先般、学校教育水準維持向上のための義務教育学校教育職員人材確保に関する特別措置法が施行されましたが、これに伴い、人事院は、去る三月十八日、教育職員給与について、教育職俸給表改定内容とする勧告を行ないました。政府としては、その内容検討した結果、人事院勧告どおり、本年一月一日からこれを実施することとし、このたび、一般職職員給与に関する法律について、所要改正を行なおうとするものであります。  次に、法律案内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一は、教育職俸給表俸給月額改定することとしたことであります。  第二は、附則において、この法律施行期日適用日俸給月額の切りかえ及び切りかえに伴う所要措置等について規定したことであります。  以上、この法律案提案理由及びその概要について御説明申し上げました。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
  10. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 以上で説明は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  11. 鈴木力

    鈴木力君 大臣総裁予算委員会関係で長くおいでになれないそうでありますから、まず大臣総裁に簡単に御質問を申し上げて、あとでまた詳しく局長さんあるいは次官等にもお伺いを申し上げたいと思いますが、いわゆる人確法が通りまして、それに基づいての教育職員給与改定であるという御趣旨であります。  まず、総務長官にお伺いいたしたいのは、あの人確法趣旨からいいまして、それから政府予算を見ましても、来年度のといいますか、五十年一月からの給与についての改定部分予算があるはずでありますが、今後の一般職給与といいますか、公務員給与あり方とこの法案との関係取り扱いがどういうことになっていくのか。これはあと総裁にも同じことをお伺いするわけなんです。つまり例年八月に官民比較人事院勧告をされまして、そして一般職公務員給与改定をしておる。これはもう例年繰り返してきておることなんですが、そのうち教育職員の分については来年一月からまた改定をするという予算が出ておるわけです。そういたしますと、また人確法も計画的にというあれになっております、財源的にですか。そういう形になりますので、この扱い方については従来と違った扱い方が出てくるだろうと思いますが、給与担当大臣総務長官の今後のお考え方、まず先に伺っておきたいと思います。
  12. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) お答え申し上げます。  この人確法に基づく教職員給与改定の問題は、これは私は一つの特例であると考えています。一般公務員給与関係はすべて人事院決定に基づいて勧告を受けて、それを受けて政府としては動くという方針は変わらないわけでございます。
  13. 鈴木力

    鈴木力君 そうしますと、人事院のほうは勧告がなければならないわけでありますが、要するに、具体的にお伺いしますと、八月の今度の勧告の中に、この人確法に基づく部分についての勧告も一ぺんにおやりになるのか、今後ですね。あるいはまた今度のように、八月は八月として一般職公務員勧告をなさって、それから教育職員部分はまた別途勧告をなさるという御計画なのかお伺いいたします。
  14. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) この今回の改善に続いて、今度はわれわれとしては夏のまた一般勧告の場を迎える。そのときにどうするかというようなことが第一のお尋ねだと思います。  これは、われわれとしては今度これで済んでいるじゃないかという気持ちでは臨まないという気持ちでおるわけでございます。それはまたその節いろいろ御批判をいただくべきことではないかと思います。基本的にはそういう気持ちでおります。  それから、ちょっと失礼でございますが、先ばしって、お答えのほうよりも先に一言御報告申し上げなければならないところをちょっと順序狂いましたけれども、実は本日の午前中に看護婦給与改善につきまして国会及び内閣にまた勧告をお届け申し上げておりますので、これはこれとしてよろしくお願いしたいと思います。
  15. 鈴木力

    鈴木力君 どっちでやるかということについては、はっきりなさらないんですけれども、つまりこれで終わりというお考えではないということはよくわかりました。ただ、このやり方としては八月に一ぺんにやるのか、あらためて教育職員だけをもう一度やるのかということは、まだお考えはさまっていないんですか。
  16. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) まだそこまではっきりしたお答えをすべき段階にはなっておりませんけれども、まあ給与局長と打ち合わせたわけではありませんけれども、私は、実は先ほど申しました気持ちは、この夏にまたいずれ勧告を申し上げることになろうと、そのときに学校先生の分はもうこれで済んだからこれはそのままでおいとくと、据え置くというようなことにはならないだろうと、一般勧告のやっぱり一環をなすものとしては、やはりそのほうの面から考えなきゃならぬことではあるまいかと思っておりますということを申し上げたわけでございます。
  17. 鈴木力

    鈴木力君 それともう一つ、これも総裁にお伺いしておいたほうがいいと思うんですけれども、従来もそういう議論があったんですけれども、この法案が通過いたしまして、教育職員給与法案趣旨に従っておるから悪いということではありませんが、別途給与が上がるわけです。そういたしますと、いままでの一般職給与改定官民比較あり方がこれからは違ってこなければいけないだろうと、こう思うんですね。そうしますと、おそらく教育職員部分は一応とっておいて、そうして教育職員を除いた部分官民比較をして今後の給与改定勧告になる。これが大体筋だと思いますけれども、いかがですか。
  18. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) これはもうかねがね申し上げてもおると思いますし、昨年の勧告の際の報告書でも触れておりますですけれども、今度のような、まあ従来ただでさえ民間私立学校に比べますと逆の格差であったものを今回さらにまた大幅に改善をするということになりますと、従来のような官民比較総合格差の中でのやりくりということはもう今後継続できない。これはこの点についてやはり根本的に考え直していかなければならない。いわゆる総合格差方式というものは再検討を要するだろう。もちろん民間給与を調べて、それを基盤にすることはこれは堅持いたしますけれども、総合格差の中での配分の問題にこれを取り入れるということは、ちょっと従来のやり方ではいけないんじゃないかということで、そのほうはそのほうとして、新しい問題としてわれわれは検討を進めておるということでございます。
  19. 鈴木力

    鈴木力君 もう一つ伺いますけれども、いまのお考え方はわかりました。私もそうだと思っておりますが、もうちょっとさかのぼっての——そういう問題は実は前からあったことは私も知っておりますし、人事院でも苦労なさっていらっしゃることはわかっておる、知っておりますが、昨年の八月に一般職給与改定をなさって、こういう形になってきた場合の一般職についての第二次勧告についてのお考えはどうなっていらっしゃいますか。八月の以前にいろいろな問題の調整をした第二次的な勧告をなさる、いろいろなそういう必要が出てきているように見受けますけれども、時間がありませんからあまり具体的には申し上げませんが、どうなっておるでしょうか。
  20. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 基本的にはいま申しましたようなことで、要するに問題が表面化するのは、まずそもそもこの法案が成立して教員給与改善が実現すると、もう一つ、実は先ほど申し上げましたが、看護婦の分もありますけれども、それらのものが実現した暁において例年どおりに、先ほども申したとおりに民間調査はいたしますと、その結果によってこちらの公務員側給与水準と突き合わせるというような意味の基本的な官民比較はやりますと、それからその次の問題として、従来のような総合格差の中での配分ということは、それはそのまま通用できないでしょうということでございますからして、問題は、結局この夏の勧告の際における問題ということにわれわれはなると、これは筋からいっても当然だろうと思っておるわけでございます。
  21. 鈴木力

    鈴木力君 時間がありませんから、この問題はあとでまた局長さんにもう少し詳しく伺ってみたいと思います。  あと総裁がいらっしゃる間に、具体的にこの法案に直接関係のあることで、勧告の要旨の中にも、教員養成免許あり方等についても今後の重要な研究課題でと、これは報告でそういう御指摘をなさっていらっしゃると思いましたのですが、時間がありませんから、もう一つ勧告についた報告の中に、学校事務職員任用配置、処遇について配慮を要する、こういう表現がたぶんあったと、こう思いますが、この二つについての御意図、どういう内容をお考えになってこういう表現をなさったのか、一緒にお伺いいたしたいと思います。
  22. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 学校事務職員のほうから先に申し上げさしていただきますが、これはわれわれの所管しております国立付属の諸学校について、当然事務職員の問題があるわけでございますけれども、このほうは何と申しますか、人事運用と申しますか、人事交流あるいは昇進等運用において何とか待遇は適当なところにいっておるのじゃないかという、まあ一つの経験を踏まえておるわけでございますけれども、一方、われわれの所管の外にはなりますけれども、公立学校先生たちお話をしょっちゅう聞いておるわけでございますけれども、そのお話によりますると、公立の場合の事務職員の方は、一人か二人しか非常に人数も乏しいということもあるのでしょうけれども、どうも待遇からいって先生との間の差が目立ち過ぎるというふうなことのお話も承る機会があります。かたがた前回の参議院の文教委員会附帯決議にもちょっと出ておりました。そういう意味でわれわれは、これはこれとして一つ問題意識を持って臨んでおるということは一つであります。  ただ、いま申しましたように、国立の場合についていいますると、そういうような面において昇進の問題、人事交流問題等を含む任用上の取り扱いでありますとか配置やり方の問題を気をつけてやってきておりますし、今後もそういう面に十分留意をしていけば何とか適当なところでいくのではないかということを踏まえて、公立学校場面においてもそういう方式があるのではないかということを頭に置いて書いたことで、これは申し上げるまでもなく、正面切ってわれわれが出しゃばって公立学校はかくあるべきだなんていうことを言うべき立場でもありませんし、ここのところをじょうずニュアンスを出した——じょうずというのは取り消しますけれども、あまり露骨にならぬ形でニュアンスを出した。この方式についてわれわれも、公立のことだから知ったことじゃないというような立場はとっておりませんので、文部省あたりとの接触の機会においても、どうしたらよかろうかという意味のお互いの勉強はしておるわけで、その態勢は続けてまいりたいと思っておるわけでございます。  それからもう一つ公立先生方との給与の均衡、教員養成免許あり方という点については、われわれこれはほんとう専門機関でも何でもありませんけれども、しかし給与の面からいろいろわれわれは勉強してみますと、きわめて素朴な意見かもしれませんけれども、教員についてたとえば学歴差というようなことを見ますというと、現在のように大学卒が三〇%をこえておるというような時代に、中小学校短大卒、高校は大学卒というような資格基準をもとにしての制度というものがはたして妥当なんだろうかどうだろうかというような、別に学歴を問題とするわけではございませんけれども、そういうような面から問題意識を持っておりますということ。  それから養成の問題としては、実は人材確保ということも、なるべくこちらの分野に多くの人が来ていただくということも大事でありますけれども、人材そのものの、お一人お一人の教員方々素質、実質というものもやはり改善していく努力というものは当然必要なんじゃないかと、給与改善と相まってそういう面も必要なんじゃないかというようなことも考えられますものですから、教員養成、それからいまの免許あり方というようなことも含めて、われわれとしては相当重要なポイントとして気にしながら来ておったということを指摘したわけで、これも厳密に言えば所管外のよけいなことじゃないかという御批判もあるかもしれませんが、給与の面から見ておってそういう感想を持ちますということを表現したわけでございます。
  23. 鈴木力

    鈴木力君 御趣旨はわかりますが、この事務職員についてのいま短い時間での総裁の御答弁ですけれども、問題意識として持っておる、それから国立学校のほうはどうにか救えるけれども公立学校のほうは非常に問題がある、問題意識として持っておる。これは具体的にはあとでまた局長さんにお考えになっていらっしゃることをもう少し伺いたいと思います。  それからいまの教員養成免許あり方の、短大卒をそろそろもう大学卒に切りかえたらということもよくわかりますけれども、あとのこの教員養成の問題の一人一人の素質を引き上げる必要があるとおっしゃったのですが、具体的に人事院で現在の一人一人の教員素質が低いというのはどういう点を指摘なさっていらっしゃるわけですか。
  24. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) いまが低いというような問題ではなしに、給与改善にからめて考えていきます場合に、たとえばまだまだ今後教員給与をどんどん上げていくのだというような方向がひとつ示されているわけです。それはそれで私はけっこうだと思いますけれども、たとえば、普通にいわれている裁判官並みというようなかけ声——かけ声というのもことばは不適当かもしれませんけれども、そういうような表現があるわけです。そういうことになる場面考えていくと、たとえば裁判官はどういう養成過程を経て一人前になっていらっしゃるかというと、これは相当厳重な司法試験を通ってそれから司法の修習の期間を経て、相当の訓練を経て一人前になってようやくあれだけの月給を取っていらっしゃるというような面と比べあわせて、やはりそっちのほうも今後は給与改善と同時に並行して考えていかないと一般のそれ以外の職種の人たちに対する納得も得られないだろうし、一般国民方々納得も得られないのじゃないかというような気持ちを心の底に持ちながら書いているものですから非常に舌足らずにはなりましたけれども、ほんとうの少なくとも私の気持ちはそういう気持ちでいるわけです。ですから、いまの問題ではなく、遠い将来のさらに改善改善とこれを進めていく場合の一つ場面についての考えということを申し上げたわけで、こう御了解いただいてよろしいかと思います。
  25. 鈴木力

    鈴木力君 大体お考えはわかりました。そうすると、大体この免許制度ということとの結びつきのほうがむしろ養成というよりもどういう条件資格を与えるか、どういう条件で教師の採用の条件になるのかというところにむしろ重点があるようにも伺いましたけれども、そういう意味での教員養成という問題というふうに伺いましたのですが、あともう時間がありませんものですから、もう一つだけ総裁に伺っておきたいのは、幼稚園の教職員調整額についてですね。これは前からのいきさつがありまして人事院のほうで勧告をなさるはずだったと実は私は——途中は省略いたしますけれども、そう思っておったのですけれども、まだ勧告が出ていないわけです。これは勧告をまだしていない理由はどこにありますか。
  26. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) これは例の教職調整額のあの法律案のときからの実は宿題になっておりまして、私どもも相当前向きの姿勢を表明しておったものでございますが、その後いろいろ実態の研究を重ねてまいりまして、先ほど来申しますように、少なくともわれわれの所管に入ります国立大学の付属の幼稚園の場合については克明に調べまして、なるほど一般教員方々と幼稚園の先生方との間には、少なくとも国立の場合について考えました場合においては職務と責任なり何なりその活動の場面において大差はない。しかも人事交流なども相当に行なわれているということを実態をつかみましたものですから、ことしの予算の編成に際しては、これをぜひやりたいと思っているからこの予算を組んでおいていただきたいということもお願いをして今度の四十九年度の予算に入っているわけでございます。したがいまして、これからさらにわれわれとしてはその研究を煮詰めてまいるのであります。それでその検討がまとまり次第やはり勧告の形でお願いしなければならぬと思いますけれども、これには御承知のように公立の幼稚園関係の問題もあります。これも私どもの所管じゃないからと言えばそれきりの問題ではございますけれども、なかなかいろいろ複離な問題もあるようで、したがいまして、その点やはり文部省あたりと一緒に勉強しながらおるというのが現状でございます。ですから、成案を得ましたら勧告を申し上げるつもりでおるわけでございます。
  27. 鈴木力

    鈴木力君 もう時間がありませんから、いまの問題等も含めまして、あと局長さん、それから文部省にもあとでまた質問さしてもらいます。大臣総裁への質問はこれで一応終わっておきます。
  28. 宮崎正義

    宮崎正義君 この法律の中に入る前に、国家公務員給与法という、また教職員給与に関する問題、これは非常に国家公務員全体に及ぼす重大な、早く言えば公務員の生活権を確保していく、また将来はこれによって方向がきめられていくということも中に出てくるわけでありますが、こういう大事な法律を衆議院の本会議で上がってくるのをこの委員会を開いて待っているという、そして衆議院で通過した、参議院でそれを待つようにしてこうやって短い時間で、しかも予定されている時間、予算委員会があって時間が限られている中で、この短い時間でこの重要な法案審議していけという、こういうことに対して私は非常に不満を持つ一人なんです。いま鈴木委員も時間がないから時間がないからと言って一々気になさって、もう言うことの十のうちの一つも言わないで話を進めているというその苦しい質問をなさっている姿を見るばかりでありません、私自身もそうだと思うんです。ですから、こういう短い時間によけいなことを言うな、言わなくてもいいじゃないかとおっしゃられるかもわからないけれども、これは将来にわたりまして、はっきりしておかなければ私はいけないと思うんです。しかもこの法律というのは、私がいまさら申し上げるまでもなく、人確法からそれによって人事院勧告をしてきた、それを今度また総理府長官のほうでは受けとめて、この法律を通過さしていかなきゃならないというような形になってくる、この行き方自体だって私は問題があると思うんです。  少なくとも国家公務員法の二十八条というのは、これは八月の勧告だけにとらえられているものであるのか、また給与法のこれは第二条でしたですか、一般職職員給与に関する法律の二条にもあります。この二条の点と、先ほど申し上げました国家公務員法の二十八条のこの法律趣旨という、この二つのものは考えないで今回の法律改正してくるのかどうか、そういう基本的なものも私は十分決議していかなきゃならない諸問題が残されていると思うんです。こういう立場の上からこれを審議していくという、限られた時間の中でやっていくということは、まことに日夜激務の中で事務を遂行されているそれぞれの職種の公務員方々に対して私は非常に申しわけないと思うんです。また、もう一面は、人間としての生活権というものをどんなにして守ってあげなきゃならないかという立場から考えていっても、十二分にこれは審議して、そして是は是、非は非としてやっていかなければならないと思うんです。長官並びに総裁のお考えをひとつ伺っておきたいと思うんです。
  29. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) ただいまの御指摘はまことにごもっともだと思います。私たちといたしましても、もちろん教育関係者の人材確保のためにこのような特別措置法設置されましたことも、これまた現在の教育情勢から見ると、まことに時宜に適したものだと考えておりますが、同時にまた、このような給与改善がこのような形で実施されるということ、見方によれば、やはり他の一般公務員人たち給与の問題とのバランス等についてもこれは十分に審議をし、みんなに理解をよくしてもらわなくちゃ困るじゃないかというふうにも考えておるわけでございます。しかし、この点につきましては、公務員給与は言うなれば国民の税金なんでございますので、その額をどのようにきめていくかということについては、これは人事院という組織がたいへんにいいのであって、この人事院の組織の中で客観的に十分立証し得るような、対抗し得るような数字が計算されて出てくるというこのシステムはこれは私は今後も続けていくべきであるけれども、いま委員の御指摘のようなこういう重要な問題について、全く私も、いま衆議院の本会議が終わった瞬間からこちらで待っていらっしゃるというので走ってきたようなわけでございまして、これなどもいささかどうかと私も思います。もっとゆっくりした環境の中で十分に御論議をいただいたってちっとも悪いことじゃないと思っておりますが、そのようなことでいろいろと仕組みその他についてはそれぞれ考えを持つわけではございます。しかし、特にただいま御提案申し上げている教職員給与の問題、きわめて重要なものでございますので、よろしくお願いしたいと思うのであります。
  30. 宮崎正義

    宮崎正義君 総裁のお考え
  31. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) まことにごもっとものように拝聴しておりましたけれども、結局、ただいま総務長官お答えしたとおりのことに尽きるんじゃないかと思いますので、要するに、これは人確法案そのものからずっと連なっての御審議権の問題にもかかわることでございますので、私どもがこれについてとやかく申し上げる立場ではありません。ただ、私どもとしては、人確法案が成立して、これが二月の二十五日に法律として公布されております。これによって私どもは勧告義務が具体化したわけでございますから、これからもう急遽この立案に努力をいたしまして、できるだけ急いで勧告をお出しする努力をしたと、そういう弁明を申し上げることに尽きるんじゃないかという気がいたします。
  32. 宮崎正義

    宮崎正義君 人確法勧告がなかった、それで今度なった、それを明確にされたから勧告をしていくんだという行き方ということは、なるほどある面ではうなずけます。しかしながら、総裁、先ほど私が質問の中にもお話をしておきました国家公務員法の第二十八条の情勢適応の原則という、この原則というのは、もともと原則を、常に内閣から独立した機関である人事院という立場の上からいけば、当然これは八月だけに考えるべきじゃないと私は思うんですがね。例年は八月を中心にいつもこの勧告については、二十八条、給与法の第二条というものを主体にして考えておられる。そうなれば、今度ほかの省で、たとえばこれは文部省でございますよ。文部省では、人事院総裁あてに文部大臣から給与改善に関する要請ですか要望でございますか、そういう書類が出ているように私は思っているんですが、いずれにしましても、それはそれとして、情勢適応の原則というのは非常に考えてなきゃならない。また、ほかの省で、いろんな法律ができた、その法律によって、今度人事院は、適正なときに、ああいう法律をつくってくれたから私のほうはまた勧告をしますよじゃ、ちょっと納得できないんでございますがね、どうなんでしょう。
  33. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 普通の場合、情勢適応の原則をわれわれが考えますについては、物価が上がったとか、民間給与が上がったとかいうような面、そういう面を常に考えながら給与勧告を申し上げる。したがって、毎年の夏の勧告の際には、そういうふうなデータを整えた上で勧告を申し上げているわけでございます。ただ、いまの御指摘の教員の今回の改善の問題、それと先ほど触れました看護婦改善はよく似ておるのでございますけれども、これは情勢適応というよりも、教員なり看護婦なりの法律にそれぞれの職種の職務と責任に応じて適正な給与の扱いをしなければならぬという大原則がございまして、そういう面のほうへのむしろつながりを持ってのことであろうというふうに一応考えて、これはどちらでもいいことですけれども、われわれとしては職務と責任のここで確認をしたんだということにつながる問題であろうと思います。その確認の問題としては、これは従来官民比較をやります場合に、学校先生看護婦さんたちは、民間のほうは本来低くて国立のほうの病院なり学校先生のほうが実は給与が高い。格差からいくと逆の格差になっているわけです。しかし、われわれとしては、職務と責任の面からいうと民間はあるいは低いかもしれないけれども、この国立の場合の病院の看護婦なりあるいは学校先生たちなりがこのままでいいかというあれを持ちまして、そして従来は総合格差配分の問題でやっておりましたために相当制約はありましたけれども、その制約の中で、なおかつ逆格差であるにかかわらず相当の努力はして改善に積み上げをしてきたということは一つの前提問題としてありましたけれども、ところが、いまちょうど機運がこういう方向に向いてきて、そして教員の場合には今度法律が通りあるいは予算も通ったわけでありますけれども、それから片や看護婦のほうもこれに準ずる措置はぜひわれわれとしては必要だということで、これは法律はありませんけれども、われわれのほうから予算のお願いをしまして予算を取って、四十九年度からの給与改善予算をいただいて、そして前提を整えた上で看護婦の場合は先ほど申しましたように本日勧告を申し上げたと、すなおに筋道を申し上げればそういう系統の考え方の事柄だというふうに思うんであります。
  34. 宮崎正義

    宮崎正義君 今後も各省でこういう人確法のような法律ができた場合、いつもそれに基づいて人事院は動くのかということなんです。それじゃなくて時宜適応に、内閣から独立した機関である人事院は常にそういうものを見ていながら、あっちから言われ、こっちから言われてやるのじゃなくて、独自性といいますか、その独自性の立場で当然手を打つべきは打たなきゃならない。御答弁にもありましたように、目下の情勢というのはインフレだ、高物価だとか、そういったような状態を見て、八月はそういうものを中心として二十八条と給与法の二条を考えてきたとおっしゃられましたけれども、そのこと自体を私は、二十八条、給与法の二条というものに対して、これを常にあらゆる面に目を向けていかなきゃいけないんじゃないかということを言っているわけなんです。その点に対する御答弁がなかった。
  35. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 大事なポイントをのがしまして残念に思いますけれども、大体の考え方としては、たとえば人材確保法案というものがどこからか出てきて、それで人事院はただいたずらにそれに引きずられて、そして法律ができたからやらざるを得ないというような形の受け身の形での勧告じゃないかというような御疑念が一つはあるというふうにも思うんでありますが、われわれとしては、たまたま人確法の場合はこれは法律の形で通りましたんですけれども、この法律で出ました際に、他の委員会あたりで、これは法律を待つまでもなく人事院が独自の勧告でやればいいことじゃないかというようなことで、そういういま宮崎委員御指摘のような趣旨の御疑念を表明された向きも相当ございましたけれども、われわれとしては、これはまあ法律でものごとがきまるということはそれ自体は何も人事院勧告権の侵害でも何でもない。人事院給与勧告に関する権限それ自体が公務員法という法律によってお与えいただいた権限でございますので、だから、人事院ああせい、こうせいということを法律の形でおきめいただくことは、これは国権の最高機関がおきめいただくことですから、それは何もわれわれとしてはそれに対して抵抗感を持つべき筋じゃない。むしろ抵抗感を持ったら国賊みたいなものですというふうに、これは筋はそうだと思うんです。しかし、その法律になる前提の法律案そのものが政府から提案されるというような場合には、これは決して人事院抜きにやっていただくべきことではないんで、それは人事院の意見をお聞きになった上でやっていらっしゃる。今回もそうです、人事院の意見を聞かれた上でやっていらっしゃる。  それからまたその法案の、たとえば人確法の場合でいえば、人確法の御審議の際、文教委員会では必ず私を呼び出していただいて、人事院総裁これどう思うかということで、十分われわれの意見を申し上げる場は保証していただきながらでき上がっている法案であります。したがって、法律になってしまえばこれは唯一の立法機関がおきめになったことですから抵抗するわけにいきませんが、法律が成立するまでの段階においてはわれわれは堂々とこれに対しての批判——批判ということばはちょっと過ぎるかもしれませんけれども、われわれの考えを申し上げる、かつてそういうこともたびたびあったわけでございます。したがいまして、今回の人確法についてそういう面から見ますと、これは先ほどもちょっと触れましたように、本来教員給与というものはいまのままではだめだという気持ちでわれわれはささやかではありますけれども毎回努力を積み重ねてきた、その努力に方向の一致する一つ法案の形で今度出るわけだということから、これは全面的にけっこうだということで御賛成申し上げて、そして法律の形になったのでございますから、その点においては、むしろわれわれの自主性の面からいっても何にもそれをそこなわれたというような問題もありませんし、われわれとしては、むしろその成立に努力をしてきたと申し上げてよろしいと思います。  それから予算だけの問題というのはこれもたびたびございまして、先ほども触れましたように、われわれとしては、やはり勧告をするについては普通の場面においても、たとえば毎年の夏の勧告の場合においても、大体この夏は相当一般民間も上がるだろうということが常識であるならば、それに見合った予算をすでにもう当初予算の中に組み込んでおいていただきたいということをかねがね申し上げて、ようやくその努力が功を奏しまして、まあささやかではありますけれども、五%だけは当初予算に組み込んでいただけるようになったわけであります。それが一つ。われわれとしてはそれはいいことだと思います。  それからいまの看護婦の場合についてもそういうこともありますから、看護婦をぜひやりたいからひとりお願いしますといって今度はまた予算に入れていただく。それから先ほどの幼稚園の教職調整額についても、われわれとしてはこういう考えでおりますからぜひ予算に入れていただきたいということは、そのことが成立するまでの下のぜん立ての問題はわれわれの意図に反するものでない限りはちっともこれは——むしろわれわれが推進することさえあるわけでございます。これは何も独立性、自主性には関係のないことだということに尽きるのじゃないかと思いますものですから、人確法についても全然抵抗感を持ちません。実は文部大臣には、これは普通の予算だけよりも法律でやったほうがいいかもしらんなぐらいのことは、むしろこちらから申し上げたぐらいなことなんです。したがいまして、いまのような御心配の点は、われわれに関する限りにおいては全然そういう気持ちは持っておりません。
  36. 宮崎正義

    宮崎正義君 それならいいんですが、四十九年の一月から一律に一〇%ずつ、四十八年度当初予算に百三十六億の予算が組み込まれて、そして人確法で義務づけられた形で来たということになれば、もう人事院というものは空洞化されたことになってしまいますし、ですから、そういうような面も私は心配しておりました。  それからもう一つは、先ほど申し上げましたように、他省から来た、受け身の形でやるんだったら、これは人事院は要らなくなるわけですから、文部省の下部機関かなんかに、逆に変な言い方をすればそういうような形にもとれるわけなんですから、そういうことはないという総裁の御答弁でございますから、私はそれはまたあたりまえのことだと思うのです。ですから、国家公務員法二十八条と給与法二条の趣旨というものは常に、いまの看護婦の問題にしても、幼稚園の問題にしても、こうだこうだとおっしゃられましたことがこれで生かされておるわけでございますね。
  37. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) おっしゃるとおりでございます。     —————————————
  38. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、源田実君、郡祐一君が委員辞任され、その補欠として平島敏夫君、稲嶺一郎君が選任されました。     —————————————
  39. 宮崎正義

    宮崎正義君 私も、鈴木委員じゃございませんが、時間がないないと言わなければならないのですが、これは全く情けないと思うのです。あわただしい、ひとつも気が落ちつけないで大事な法律審議するなんというのは、全くこれは国民にも公務員の皆さんにも申しわけないと思うんです。そういう気持ちで一ぱいなんです。  私は、そこでもう一つだけ伺って、あと局長さん等にお伺いするわけですけれども、行政職と教育職の特に小中高との対比の問題について、従前と改正後とどんなふうになっているか。また、同格という立場がありまして、均衡という立場の上からでもいろんな問題がこの中に伏在されていると私は思うんですが、この点についてひとつお考えを聞かしていただきたいと思います。
  40. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) ちょっと誤解を——よくお尋ねの趣旨をあれしておりませんかもしれませんが、たとえば教育の日表で申しますというと、初任給の場合は現在でも実は行政職よりも上になっておりますけれども、それをさらに今度上のせをした。それから普通にいわれておりますのは、十何年かたちますというと行政職のほうはずっと上へ行っちゃって、せっかく初任給が高く出発しても先生のほうが下になってしまう。その不合理というものをここでほとんど根本的に是正をするというようなことが今回の主眼になっております。
  41. 宮崎正義

    宮崎正義君 あとでこまかい点につきましては申し上げますけれども、小中学校の校長は大体行政の等級のどの面に該当していきますか。
  42. 茨木広

    政府委員(茨木広君) 小中学校の校長は、従来大体行政の四等級と合わせておりましたが、一つ上の段階の三等級と二等級の中間くらいのところに今度改善をしておるわけでございます。それから高校長のほうは、従来は行政の二等級と三等級の間、大体本省の課長補佐と課長の中間に合わせておりましたが、今回はやはりそれを二等級と同程度の水準に、要するに本省の課長クラスと同程度に扱うと、こんなふうにしておるわけでございます。
  43. 宮崎正義

    宮崎正義君 総裁の御答弁がありましたように、今度はこの同格あるいは均衡ということを考えながら、この点を特に今度はお考えになったと言われるんですが、現在のこの俸給の等級別標準職務表という中の二等級というのは「本省の課長の職務」というふうになっております。これはこまかく分類できている。一等級については「局次長又は部長の職務」「委員会の事務局の長の職務」、三番目には「管区機関の長の職務」、四番目には「本省の特に重要な業務を所掌する課の長の職務」と、こうなっておるんですが、私はこの問題について、本省だけでもいいから、課長が何名くらい一等級の中にいるのか、それから課長補佐が二等級のところに何名ぐらいいるのか、管区部長は一等級のところに何名ぐらいいるのかということの資料を求めたのですが、この資料がいまの短い時間では間に合わないということで、ここで課長の一等級という人を概算だと言って持ってこられたのが約三〇%、三割近い課長が一等級の中に入っている。いまの御答弁がありましたように、小中学校の校長先生というのは大体従来は四等級ぐらいの考えで、三等級をその目途としているというような話でございました、いま答弁が。そうしますと、何も私は校長だから、課長さんだからと言うのじゃありませんけれども、教員には相当な待遇を与えたと、こう給与の面でも相当考慮したというふうに言われておりますが、この点について高等学校の校長先生が、いま先ほどの御答弁だとあれですか、二等級とおっしゃったですか、そうですね。そういうふうにこれで打ちどまりみたいな形に私たち受け取れてならないわけですがね。これを今度は改正したからこうなってきたのだという詳細を伺うと同時に、小中学校、高等学校の校長さんというのはもうそれ以上給料を取れないのかというようなことになるわけですが、この点どうなんですか。
  44. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  45. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 速記を起こしてください。
  46. 宮崎正義

    宮崎正義君 その答弁だけしてください。
  47. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 非常に卑近な表現で恐縮でございますけれども、従来、いま局長が答えましたように、校長さんが大体本省の課長補佐クラスだというようなことは一般にいわれておりましたし、私ども自身、非常にひどい、ことばも適切ではありませんけれども、課長補佐程度というのはいかにも人聞きの悪いことで、こういうのはもっと何とかすべきじゃないかというようなことを年々言っておったわけでございますが、幸いにしてその辺のところが今度の改正によりましてまあ課長クラスのところまでいったということで、さらにこの教員の俸給表の一等級のところ、それから二等級の上のほうのところも今度は十分気をつけまして積み上げておりますので、まずその辺は、いまのところでは、ほどのいいところにいったというふうに考えております。
  48. 宮崎正義

    宮崎正義君 いってないですよ。いまの御答弁ではいってないですよ、局長の御答弁では。あとでこれは煮詰めます、いってませんから。
  49. 松下正寿

    松下正寿君 今回の人事院勧告で小中校と高等学校教員との給与格差というものは非常に縮小されたようであります。私は元来この格差というものは必要ないという考え方を持って前回文教委員会のときに文部大臣にそういう趣意の質問をいたしましたわけであります。幸いにして、非常にその格差が縮小されておるようでありますが、私、頭があんまりよくないせいか、よく見回してもあまりたいした格差じゃないようなんですが、何か非常にこまかい差がある——ちょっと大ざっぱな議論ですですが、めんどうくさいから全部一緒にしちゃったらどうかしらんという、こういう感じもするくらいなんですが、非常に何かこまかくこだわって、まあ歴史的理由がありますか、あるいは校長になるチャンスがあるとかないとか、あるいは昔の師範学校の伝統がどうとか、いろいろな理由がたくさんあるようでありますが、ちょっとこの小さいところにこだわり過ぎておるような感じがするわけですが、これは一挙に全部廃止してしまったらどうか、非常にきれいさっぱりするんじゃないか、ちょっと大ざっぱな議論のようですが、そんな感じがするわけでありますが、総裁の御意見はいかがですか。
  50. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) いまのお話の点は、いわゆる三本立ての問題としてわれわれとしては一つのやはり検討課題にはなっておるわけでございます。で、二つのこの高校と小中学校との区別の出発のなされました昭和二十九年ごろの制度から申しますというと、教員免許の基礎の資格が違うとか、あるいは当時における在職者の学歴の違いというようなことが相当大きな前提になっていたんではないかとわれわれ承知しておるわけでございますが、そういう点が最近の制度においてはだいぶん変わってまいりまして、従来のようなたてまえをそのまま堅持することもいかがかという情勢になってきておるということと、それから今回の人材確保法案でも義務教育先生方を主眼に置いての法律になっております。したがって、このいわゆる三本立てというものをそのまま堅持していくべきだというような根本的な理由というものはだんだん薄れてきているんじゃないかという気持ちを率直に持っているわけであります。しかし、これはなかなか関係者の方々によっていろいろまたお考えがございまして、相当大きな問題にもつながることでございますので、いまのお話のように、たいへん割り切れないというような御批評があるのはこれは御無理ないと思いますけれども、われわれとしては、根本的にこの三本立てというものを解消すべきかどうかという点については、現在いろいろ関係の識者の方々の御意見も非公式に伺いながらまあ勉強を進めておるところでございますけれども、確かにおっしゃるような問題があるということは十分意識しておるということだけを申し上げておきます。
  51. 松下正寿

    松下正寿君 次の質問は、実は文部大臣に御答弁願いたいと思っておったんですが、文部大臣おいでにならぬようであります。ちょっとついでながらと言っちゃ失礼ですが、総理府長官お見えになりますから、文部大臣にかわってというわけじゃないですが、大臣としての、国の政治をあずかる方としての御意見を伺いたいと思うのであります。  今回のこの勧告によりまして教員給与が上がったのは非常にけっこうなことでありますが、これはつまり国家公務員、まあ一般公務員と、私など私立の関係の者でありまして、この前の文教委員会のときなんかも申し上げましたが、実は上がることはけっこうだが、一体私立はどうなるかということがこれ非常に心配になるわけです。かえって公務員のほうが上がるために私学のほうにめんどうが起こるわけであります。これについて、この前文教委員会のときに文部大臣は、まあ極力そういう点についても考慮するということをおっしゃったわけであります。文部大臣にかわってと言っては失礼だし、また不適当だと思いますが、長官の一般的な立場に立っての御意見を伺いたいと思います。
  52. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 文部政務次官がおられますから、特に文教関係プロパーの問題は私からお答え申し上げないほうがいいかと思いますが、私は一人の政治家として一番いま重大だと思うことは、私立学校、特に私立大学、まあ学校を含めましての私立がほとんど教育の過半のポジションを受け持っておる。それに公立が今度はあれに入りますが、国立というようなものはだんだんとそのポジションが少なくなっております。特に教育問題における私立の学校の問題をどのようにしていくか、私はこれは非常に重大なことであるし、いま言われているところの教育問題の基本はやっぱり私立の学校をどのようにして国が政策の中で援助をし、あるいはまた自立できるような方向をとっていかせるか、私はそこが非常にきめ手だと考えておるものでございます。そうした意味で、いま松下委員の御指摘のように、このような形で官公立先生たちが上がる、これはすぐまた逆に私立の学校でも引き上げなければならぬという問題になる。そこに支払い能力の問題その他いろんな問題が出てくるはずでございまして、そうした問題をどのように調整するか、私は私立の学校先生たちの生活が不安定であっていいとは決して思わないわけでございます。同時にまたこの法律特別措置法によって今回お願い申し上げておるこの教職員給与の引き上げは、何と申しましても教職にある者が安心して生活できるということが基盤なんでありますから、これと同じようなことが当然私立学校先生たちにも保障されてしかるべきだというふうにも思うわけでございまして、問題は、この私立の学校の現在の非常に財政的に困難な問題、同時にそれは月謝との関係、また一人当たりの教育費の格差、こうした問題をもっと深く掘り下げて対処していくということが基本的に今日の日本の教育問題の重要なことであるというふうに私は理解をして、またそのような形の方向をわれわれの内閣がとることを一人の閣僚として努力をしてまいりたいと考えております。
  53. 松下正寿

    松下正寿君 御承知のように、私学は、少なくとも大学においてはもう七割ぐらいまで量的には分担をしておるわけなんです。したがって、この法案、この人確法というものも非常にけっこうでありますが、この運用を誤まりますと非常にかえっておかしな結果になる、そういう点を内閣においても十分に考慮していただくことを強く要望しておきます。  長官のおいでのうちにもう一つ、これもやはり文部大臣からお答え願いたい点でありますが、もう一点お伺いしておきますが、これもこの前に文部大臣にお伺いしたわけであります。教員人材確保、これに教育制度改善ということが必要であることはもちろんであります。給与さえ改善すればそれで十分というものじゃなくて、給与以外のこの勤務にかかわる諸条件の整備改善、そういうことが必要だろうと思いますが、そういう点についてどういうお考えであるか。それからまた教員免許制度養成制度ということに触れておられますが、これと何か私が申し上げましたような条件の整備改善関係があるかどうか、これも文部関係のことであると思われますが、やはり国全体のこと、非常に私重要であると思いますから、長官の御意見を伺いたいと思います。
  54. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 私は、人間はやはり月給だけですべて満足するものではもちろんないが、さればといって生活に困るような状態であってはなおいけないわけでございます。その辺のところのバランスをどのように考えるか、現時点においては人材確保ということがこのような形で一方においては財政支出をし、教員の生活を豊かなものにしていこうという方向が現在とられているわけでございますが、私はやはりこれと同時に、もっと教員としての誇りであるとか、あるいはまた自分の受け持っておる教育というもののその教育を受ける子供たちの人生の中においてどんな意義があるのかとか、またどんな意味合いを持ったのかというようなことをやはりいつでも考え直すようなそうした他の研修あるいは体験の交流の場を持ちながら、一つの教職者としての生きがいを感ずるようなことがなされなければいけないのではないかと思うものでございまして、同時に、繰り返しますが、月給が高くなったこと、それだけで万事終われりとは考えられない。そこになお月給が他の公務員よりこのような形で高くなる、同時に一般公務員にとっては非常にこれは不当に高くなったという意識を持つのではないか。学校先生だから特別だというふうに思ってくれる人は少ないのではなかろうかと私は思います。しかし、まあそんなことを乗り越えてもまず教職員の生活安定を期するということが大事であるという方向でなされておりますから、それはそれといたしましても、同時にそうした特別な待遇を受けたということが、何らかの形で一般の他の公務員方々にも何か貢献するような形でこれが発揮されることを私どもは強く期待したいと考えております。
  55. 岩間正男

    岩間正男君 文部大臣がおられないところでこの法案を質問するので、非常に突っ込んだところは——まあ次官が出ておられますので、次官の答えられる範囲内で答えていただきたいと思いますが、国務大臣として総務長官がおるんでありますから、総務長官に主として伺いたいと思います。  第一に、これは専門外のことになって、あるいは勉強を要する問題かもしれませんけれども、教育行政として教育基本法の第十条にこれははっきりした定めがあるわけですね。「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである」、この第一項を満たすために、第二項として、「教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない」、こういうふうにあるわけですね。それで、むろんこの人確法によりまして教員給与を若干引き上げを行なって、これによって人材確保を保証し、学校教育水準維持向上をはかる、こういう趣旨は、これはこれとして一応けっこうであると思う。しかし、教育行政全般から見ると、これは全体のごく一部なんですね。一つの重要な条件ではあるけれども一部分と言わざるを得ない。ほんとうにこれは教育行政そのものを満たして教育の水準維持向上、発展をはかるというならこれだけじゃ足らぬので、一体どういう条件が満たされなければならないというふうにお考えになっていらっしゃいますか。これは総務長官として、国務大臣としての見解を承っておきたい。
  56. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 具体的にいまの御質問に対して私お答えするのにはちょっとまだ考えが十分まとまっておりませんのでお許しをいただきたいのでありますが、ただいまも委員の御指摘のとおり、給料だけですべて事済むものではないということは事実。同時にまた先ほどもお答え申し上げましたように、自分が教育しているというそのこと自身がどのような社会的な意義を持ち、またそれが国民の間で評価されているかということがわかるというようなこと。私は特にその点が重要なんではないかと思うんであります。特に、ものを教えるということは、だれもそれを評価してくれないわけでありますから、それをやはり社会的に評価して、いい教育であったとか、その成果はこうであったということを政府の中では常に教職員方々にそれを逆にお示しをしていくというようなことも非常に激励する一つの問題である。  それからもう一つは、教育はもう人間の問題でございまして、これはきわめて高度のものだと思います。したがいまして、これは千差万別であることは当然であります。やはり、千差万別であるがゆえにまたそこに大事なのは私は教職員としての体験だと思うのです。経験を積んでいるということが非常に重要な要素であろう。したがって、その体験を豊かに持っているということに対する評価をやはり政治や行政の中で十分にしなければならないだろうというふうに考えております。
  57. 岩間正男

    岩間正男君 教育に対するこれは感想みたいなことを述べられたわけですが、私のお聞きしているのは基本法との関連でお聞きしたわけです。「教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立」、これが文部省がまさになさねばならない、日本の文教政策が責任を持っている問題だと思うのです。したがって、どのような条件がこれは諸条件の整備ということになるか。それは教員の生活権を確立するということも一つです。しかし、これは一つにすぎない。当然これは文部次官もはっきり胸におさめておられなくちゃならない問題ですが、大体どんな条件がありますか。
  58. 藤波孝生

    政府委員(藤波孝生君) 教育行政を進めてまいりますのには非常に大きな広がりを持っております。先生御指摘のように、教員給与だけではありませんでして、たとえば学校教育だけとってみましても、定数を改善をいたしまして一クラス当たりの生徒数をできる限り少なくしてりっぱな充実した教育を進めていく、こういった仕事も確かに一つではございます。同時に、やはり居は気を移すと申しますか、学校施設なども十分充実をいたしまして、特に学校教育で地域的に施設などでアンバランスのないように、義務教育を中心として考えればなおさらのことでございますが、充実した教育施設で教育を進めていく。また、教育の教材等につきましても、最近では視聴覚教育だけ例にとりましてもいろいろな施設が新しく取り入れられてきておりまして、こういった面もできる限りバランスのとれた配置をしていくことが教育を充実させてまいりますために非常に大事なことだ、こんなふうに考えておるわけでございます。  しかし、今回の人確法の非常に高邁な精神によりまして教員給与改善が行なわれ、世界にも例のない、一般公務員よりも優遇する措置が恒久的に講ぜられる、こういうことになりましたことは今後国民の教育に対する期待と希望にこたえて教育界があるいは教育行政がいろんな面で力強い活動を進めていく上で非常に大きな意味があると、こんなふうに考えておるわけでございまして、教員給与改善だけで終われりと考えておるわけではございませんけれども、これを一つの足がかりといたしまして、さらに教育行政全般にわたって充実をしていくように努力をいたしたい、こんなふうに考えておるわけでございます。
  59. 岩間正男

    岩間正男君 教員給与改善、それから一学級の生徒の定数の問題、それから学校の教育の設備の問題、こういう問題に触れられたのでありますが、まあ大体そういうところが教育行政の中では非常に重要な課題にこれはなってくるでありましょう。さらに教職員のこれを保持するためには大幅の増員ということも一つの重要な課題になってきますね。さらにこれに対して当然研修をやる、資質を向上させるための研修を自主的にやる。それをはっきり補助をする。こういう事態もこれは教員の資質改善の中では非常に重要な課題になります。そういう問題がたくさんあるわけですね。基本法の目的からいうとずいぶん広範にわたっているわけです。その中でこれは徐々にやっているとは言いますが、微々たるものですね。目についたことはほとんどなされていない。たとえば一学級の児童生徒の定数の問題などというのは、問題にはあがっているけれども二十何年これは放置されている。高校なんかはもっとこれは多い。中学校よりもこれは定数が多いという形で進んでいる。こういう問題も何ら解決していないわけです。  それから学校の設備の問題は、プレハブを取り上げるまでもないことで、やっぱりたいへん大きな課題になっているわけですね。ところが、特に教員のこの問題だけ、生活向上の問題、給与改善の問題だけを取り上げたというのは、これはやはり教育行政としてはアンバランスになるんじゃないですか。非常にやはりここのところに問題がないかという問題です。だから私は、教員の資質向上や給与改善をやった、同時に全般のものがこれと即応してバランスがとれたそういう教育行政であるのなら、あえてここで意見を差しはさむ必要はないと思うんですよ。ところが、ほかのほうは、むしろいろいろな圧力のもとにやったり、これに対するむしろ助長じゃなくて妨害なんかが加えられているんです、実際は。そういう中で教員給与だけが取り上げられて、そしてこのような給与改定がなされる、こういう点についてやはりどう考えられますか。この点はどうですか。
  60. 藤波孝生

    政府委員(藤波孝生君) 全般にわたっていろんな施策を進めていかなきゃいかぬと考えておりまして、ただいまも衆議院の文教委員会のほうに第四次の五カ年計画の定数の改善法案も御審議をお願いいたしておるわけでございます。しかし、何といいましても教育は人にありでございまして、まずりっぱな先生確保する。そして先生が落ちついて生活をする中で全力投球で教育に取り組んでいただく。そういった条件を満たすことがまず何よりも大事でございまして、そういった意味で今度の人確法をめぐっていろいろ御審議をいただいたわけでございます。昨年の二月に国会に提出をいたしまして以来ちょうど一年間人確法の御審議がございまして、与野党いろいろな御議論が出たわけでございます。いろんな階層からいろんな御意見も出たわけでございますけれども、人確法が約一年間の審議を通じて最終的には与野党一致で御可決をいただきましたことは非常に教育界にとっては大きな意味があった、こんなふうに考えておるわけでございます。
  61. 岩間正男

    岩間正男君 つまり、教育基本法第十条はつまみ食いされているような形になるのです。それでもいいでしょう。突破口を開いて、それに全部あと合わしていくというならいいのです。ところが、財政の配置を見ればわかる、予算見れば一目りょう然たるものですよ。ほかの予算とは相対的に削られている。額はふえているかもしらんが、ほかのものは減っている、こういう事態でしょう。教員の増員の問題なんか微々たるものですよ、これは。問題になりませんよ。こんなものは焼け石に水だ。いまの学級定数、やりますか。少なくとも国際的なレベルで二十五人、できますか。できないじゃないか。そういうことをやっていて、そしていまのようなことだけうたい文句にしたって、そんなものは、これはしろうとは本気にするかもしらぬが、長年苦しんできた者から見れば問題にならぬですよ、こんな議論は。いまのような答弁を、これは文部大臣が出てくるともっといいのですけれども、依然としてむしろこういう問題が解決できない。だから、こんなものはやっぱり非常につまみ食い的な性格があるのだということですね。  もう一つ聞きたいのだけれども、これと関連して憲法二十六条、「義務教育は、これを無償とする。」と、こうやっているのですね。そうすれば、どうですか、たとえばいまの学童給食の問題を見てください。それから最近の諸物価の値上げで学用品がものすごく上がっている。もう七割、八割と上がっている。ものによっては三倍ぐらい上がっている。そして消しゴムなんかだって、鉛筆だって上がっているし、消しゴムが五円も安いと子供はそこに殺到するという事態が起こっている。三べんもラベルが張りかえられている。そのラベルを一々はがして見ているのですよ、子供は。二回目のやつは何ぼだ、その先は何ぼだって、これは教育的になりますか。こういう事態の中で、当然憲法二十六条がこれは実施され、ほんとうにこの教育を憲法の精神でやられるなら、少なくともこんな問題はないはずです。ところが、大衆負担にこれは全部転嫁しているでしょう。給食の問題、いま非常に大きな問題になっている。そういうふうな問題を並行さして私はこの教員給与問題を取り上げるならこれは納得するところがあるというわけです。つまり憲法に近づく努力をしているということです。どんどん遠去かっているじゃないですか。これは総務長官にお伺いしたい、どうですか。これは国政の立場から、こんなアンバランスというものは正しいと思っていますか。
  62. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) そのような形で見れば、ただいま御審議を願っている人材確保法に基づく特別措置の給与改定も非常にアンバランスだというふうに映るかもしれませんが、私は先ほどから申し上げているように、やはり教職員の生活の安定ということをまずはかるということは決して悪いことではない。また同時に、いま御指摘の学校の給食の問題であるとか、あるいはまた学用品の現在の異常な値上がりという状態に対しては、これはもちろん政治は非常な責任を感じて、現在これの値引きや、あるいはまたこれ以上上がらない措置や、ある場合にはそれに対するある程度の補償、補給をしようということを日夜努力をしているところでございます。そのようなことで、この給与だけを一方的に上げてあとは知らぬ顔をしているのだというふうには、おとりいただかないようにお願いしたいと思っております。
  63. 岩間正男

    岩間正男君 それは一応わかるのですが、この政治のあとを見るのですね、あとを見るとそうなっていないのですね。そうなっていないから私は問題にしているわけです。特にいま大きな問題になっている学童給食の問題、これは憲法二十六条だったら無償にして少しも差しつかえないものです。無償にできないまでも大幅にここは国家の負担にすべきであって、明確な問題です。学用品のごときは、これはもう国家の全額負担でいいわけです。給食だってそうなんだ。ところが、何らそういうことには手を打たないでこれだけを取り上げれば、意図が明らかだといわれることになるのですよ、これは。教員の、何よりも大切な人の問題だ、そんなことはわかっていますよ。だから、ちゃんと自主的なそういう教育を守る戦いをやってきたのじゃないですか。何も文部省は入るべきじゃないよ、中に、実際は。基本法十条を見なさい。十条に反した、侵化をいまやっているのじゃないですか、実際は。範囲を越えている、いまのやり方は。教育の内容にタッチしないのだよ、基本法のなにではね。そうでしょう。国民全体に対して直接の責任を負って行なわれる、不当な支配に服するものじゃない。したがって、文部省がこれに対していろいろな教育内容に干渉したり、教員のいろいろな活動、政治活動なんかに対してこれを禁止するとか、そういうことを企てて、これは非常に大きないままで問題になりました。むろんそれは学校内の中立法があって、そういう立場は一応守られているわけだ。しかし、今度は、もうほんとうに勤務外の政治活動にまで立ち入るようなそういう印象を持った立法までが考えられておるようなそういう事態というものはこれは許すことができない。明らかにこれは侵犯だ。基本法違反だ、第十条。そういう点から、私はこの点を明らかにしておかぬといかぬと思う。だからほんとうに、どうですか、今度の教員給与改善は教育改善のそのような一突破口として、そうしてさらにその他の諸条件ですね、先ほどあげたようないろいろな諸条件がありますけれども、そういう諸条件を充足する、さらに憲法二十六条の「義務教育は、これを無償とする。」というこの大精神に近づくための努力をするのだ、こうはっきりここで言い切れますか。ここのところでこれは明確にしておいてもらいたいと思います。これは文部次官とそれから総務長官にちょっと。
  64. 藤波孝生

    政府委員(藤波孝生君) 先生お話になりました幾つかの課題の個々には、またそれなりにいろいろな条件もございます。たとえば学校給食法につきましては、一部は国が持って、あとは父兄負担というたてまえでまいっておりまして、これをどのようにして父兄の負担を少なくするように持っていくかといろいろ努力をいたしてまいりました。従来もPTAが給食の施設でありますとか、あるいは給食のまかないの職員方々の人件費まで持っておられたのをできる限り解消する方向で進めてきておりまして、人件費や施設につきましては大体満足できるところまで来ておるのではあるまいかと、こんなふうに考えておりますが、今後各方面の意見を聞いて、父兄負担の解消をどのような形で持っていくかということについてのいろいろ御議論をちょうだいをしなければまだ踏み込めない問題でございます。したがいまして、そんなふうに個々にはいろいろ考え方もあるわけでございますけれども、いま先生お話になりました教員給与改善一つの突破口にして、長年にわたって教育界がかかえてきたいろいろな困難な問題を、より教育を充実させ、より教育の水準を高めてまいりますためにいろいろ政治が手を打っていかなければならないたくさんの課題にこれから積極的に取り組んでいくということにつきましては、国会で人確法を御審議をいただきました過程でたびたび大臣も言明をし、また人確法を与野党一致で御通過をいただきましたその精神を文部省をはじめとして日本の教育界全体が厳粛に受けとめている事実から考えましても最善の努力をしていくのでなければいかぬ、こんなふうに考えておるわけでございまして、今後積極的に困難な課題に取り組んでいきたい、このように存じておるところでございます。
  65. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 特別措置法に基づく教職員給与改定それだけだということは決してわれわれ思っておるわけではございません。いまも藤波政務次官が申し上げましたとおり、内閣としては、こうしたまず教職員の生活の安定ということを一つの大きな足場にして、長い間かかえておった重要な問題についての対策を今後引き続き展開をしていこうというつもりでおるわけでございます。
  66. 岩間正男

    岩間正男君 はたしてそのように行なわれるか、努力がなされるかどうかというのは、これは当然われわれは非常に大きな関心を持って見守りたいと思うのです。  もう一つお聞きしますけれども、人確法が通るときに参議院で附帯決議を出しておりますね。これは御承知だと思います。この附帯決議はこれは一体守られるかどうかという問題です。これは一応黙約のような形で、衆議院の審議あるいは文部大臣と日教組委員長との間の話し合いの中でこれに近いようなものが出された。それがまあ成文化されていると思うのですが、読み上げるまでもないことだと思います。「高等学校、幼稚園並びに盲学校、聾学校及び養護学校の高等部及び幼稚部の教育職員給与についても、義務教育学校教育職員給与改善との均衡を考慮して同時に必要な措置を講ずること。」——これは最後にいっているのですが、それから第二に、「五段階給与制度はとらない」。はっきり現行の給与改善方式による。それから学校事務職員についての給与改善、これも配慮する。それから「私立学校教職員給与改善について、国は財政上の措置を講ずること」。  この四点が附帯決議のおもな案文になるわけですけれども、これはどうでしょう。これについて、それならこの法案が通るにあたってどのような努力をされるのか、詳しくは高等学校教職員についての待遇改善をどうするのかという問題。それから事務職員、用務職員の問題それに高等学校と幼稚園、それから盲学校、ろう学校、養護学校、こういうものの職員をどうするか。  第二には事務職員の問題、さらに用務職員の問題それから私立学校給与改善について財政上の国の負担措置を講ずる、こういう問題。これはどういうふうにされるか一つ一つ伺っておきたいと思います。
  67. 藤波孝生

    政府委員(藤波孝生君) 先生御高承のように、人確法に基づいて人事院勧告が行なわれて今回の給与法の改正ということになっておりますので、まず人事院総裁のほうからお答えをいただきまして、そのあと私お受けをさせていただきたいと思います。そのたてまえだけは貫いていきたいと思います。
  68. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) いまおあげになりました附帯決議の一の部分が一番大きなポイントになっておると思いますが、高等学校、幼稚園、盲学校云々のところです。これは今回御提案申し上げております法案の中にもう処置済みでございます。それから五段階はもちろん入っておりません。  それから学校事務職員給与改善については、先ほど鈴木委員からも御指摘ありましたように、国立学校の場合についてはそれほど深刻な問題はございませんけれども、しかし、このことについて一般的な気づきをわれわれの説明書の中で触れておいた次第でございます。
  69. 藤波孝生

    政府委員(藤波孝生君) その中で、五段階の問題につきましては、人確法の御審議をいただきます中で再三大臣からお答えをいたしまして、中教審答申に基づく五段階の考え方によってこの人確法が生まれたものではない、あくまでも従来の給与体系の中で改善を進めていくということを言明をさせていただいておりますので御了承いただきたいと思います。
  70. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 速記をとめてください。   〔速記中止〕
  71. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 速記を起こしてください。  政府委員に対する質問をこれから始めます。
  72. 鈴木力

    鈴木力君 能率的に審議をするために、具体的にまずこの法案の処理について項目別に伺いますから、きちっとした御答弁を先にいただきたいと思います。  第一は幼稚園の教職員待遇の問題です。さっき総裁は、国立学校のほうは問題がないけれども公立学校の幼稚園に問題がある、これは勤務態様等も含めてという御答弁でありました。私はこの意味はこういうことだと思うのです。国立学校の幼稚園の教育職員の場合には全部これは教育職日表が適用になっておる。ところが、公立学校教職員の場合には相当部分が行政職が適用になっておって、教育職員給与表の日表が適用になっていない部分がある。そのためにこの調整額の場合でも、あの法律に基づきますと教育職適用の職員ということ、きまっているから、したがってこの四%が適用、支給にならないし、人事院勧告ができていないわけです。今度人確法に基づくこの法案が通りますと給与のアップがあるのですけれども、ここで始末をしないと公立の幼稚園の教職員の大部分は救われない、私はそう思いますけれども、まず人事院給与局長の御見解はどうですか。
  73. 茨木広

    政府委員(茨木広君) この給与法の適用の問題につきましては、教育職俸給表日表の備考欄に書いてございますように、幼稚園についてもこれは適用になるというのが国のほうのたてまえでございます。それから地方のほうの問題につきましては、いま鈴木委員さんが言われましたような状況に地方がなっているので、そのとおりでございます。したがって、今回の措置をどういうふうになさるかという問題はあるだろうと思っております。  それから幼稚園の問題、もう一つの問題につきましては、そのような問題もやはり一つの課題となって、いま検討されている材料の中に入っているというふうに申し上げざるを得ないと思います。
  74. 鈴木力

    鈴木力君 そこで、文部省にお伺いするのですが、元来教育職の給与表の日表を適用するというたてまえになっているのに、まだ適用になっていないところが相当にある。大体何%くらいありますか。  それともう一つは、ついでですから、時間の節約のために、今日までに給与表日表を適用させるのに具体的にどういう御指導をなさっていらっしゃるのですか。
  75. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) ただいま教育職の俸給表の適用を受けてないのが大体五六%でございます。私ども教育表の日表の適用を受けるようにいままでもいろんな機会に指導してまいったつもりでございますが、たとえば市町村の教育長さんのお集まりの際に、財源措置は交付税で済んでいるのだから教育職の目の適用を受けるように努力をしてもらいたい。あるいは都道府県の人事給与主管課長会議、そういう場合におきましても私ども指導をいたしているつもりでございますけれども、現実問題としまして、市町村ではたとえば保育所の職員との均衡問題、あるいは吏員との均衡問題がございまして、やっとまあ四四%でございますか、そこまで来たというふうなのが実情でございます。
  76. 鈴木力

    鈴木力君 私は、指導してきたのがやっとここまで来たということの御答弁で、いままでとにかく指導はしたけれども実施されなかった。これはほんとうは保育所と混同したような、これは私もそういう実情があることは知っております。しかし、文部省の指導は、これは次官に——ほんとう大臣に聞いてもらいたいことなんですけれども、別に次官を差別するわけじゃありません。大臣だと思って申し上げますが、責任を持ってください。文部省の指導というのは、さっき岩間氏も言ったけれども、つまらぬことには指導が強力であって、大事なことはさっぱりほんとうの指導というのは行なわれていないのです。もしもこれをいままでに文部省が本気になって指導しておったらこんなはずはないわけなんです。そうでしょう。そうして人確法案をあんなに苦労してつくって、やっといまこの給与法が通っても、幼稚園の教育では五五%が適用にならない状態にいま置かれている。しかも調整額につきましては四年前でしょう、四年前にすでに人事院総裁勧告するというような積極的な意欲を示している。ところが、実態は教育職員給与表を適用していないがためにこれも実現していない。職員に大きな損害を与えているのは私は文部省の指導が弱いからだと思う。何か統一行動をやったのを処分せよなんというときは、ばかに徹底をする指導をしておって、そして本来あるべきものを適用さして教育職員を少しでも待遇改善しようというときには熱意がない。どうですか。これは次官に率直に所感を承りたい。
  77. 藤波孝生

    政府委員(藤波孝生君) どういう問題が徹底をして、どういう問題が徹底をしないというようなことはないと思っておりますが……。
  78. 鈴木力

    鈴木力君 あるんじゃないか、現に。
  79. 藤波孝生

    政府委員(藤波孝生君) 月日をかけて指導してきておるわけでございますが、いまだに実現をしていないことは非常に残念だと思います。強い指導をして先生の御期待にこたえていきたいと思っております。
  80. 鈴木力

    鈴木力君 これはもうこれでやめますけれども、次官、これは責任をもって、この法案が施行と同時に直ちに切りかえできるというぐらいまで——もちろんこの三月中にはできないだろう。しかし、これはもうほんとうに決意を持ってやらないとそう簡単にはいかない問題ですよ。これはぜひいまの御答弁で責任を持っていただきたい。と同時に、幼稚園の職員でことしの三月退職になる職員は、これは文部省と行政を相当に恨んでやめていく。この気持ちをあなたたちは忘れないようにしていただきたい。行政というものはそんな役人的なことでいままでのようにやっておったら、せっかくのいいことを考えたと思っても逆に恨まれる部分が出てくるんです。そういうここで痛い経験をしたという気持ちをこれは大臣にもきっちりと伝えていただきたい。  その次は事務職員の問題です。さっき総裁は、任用配置、処遇について配慮を要する。これも次官、これ、聞いていただきたい。総裁のさっきの私の質問に対する御答弁は、国立学校のほうはそれほど問題がない、公立学校に問題があると、その実情を私もよく知っているつもりです。その公立学校事務職員に問題があるというところにやっぱりこの事務職員というものに対する文部省の考え方がどうしても私には理解できないんですよ。まず第一には、学校教育法に「置かなければならない」。ということを、事務職員及び——これは養護教員もそうですよ。あとでも申し上げますけれどもね。事務職員にしても、養護教員にしても、政府みずからが法律に「置かなければならない。」ときめておいて、しかもあとのほうには逃げ道はつくってますわな、当分の間と。当分の間という文部省用語は何十年だ。何十年までが文部省では当分の間という日本語を使うのか、それをひとつ私はきょう聞きたい。「置かなければならない。」といって置いていない。それはどういうわけなのか。そんな根性だから事務職員任用配置、処遇について配慮すべきであるという報告を受けるんですよ。まず、私のいま聞いたことについての御答弁をいただきたい。
  81. 藤波孝生

    政府委員(藤波孝生君) 今日の学校教育あるいは学校行政を進めてまいります中で、いま先生が御指摘になりました事務職員、養護教員が非常に大事な役割りをしていただいておりますこと、その評価につきましては、文部省はごうももうそれは先生からおしかりをいただくことはないと思っております。非常に大事なお仕事であり、その仕事の内容を評価をしておるわけでございます。ただ、当分の間というのはいつまでかということにつきましては、十分各方面の御理解を得ながら進めていかなければならぬことでございますので、文部省がいつまでにと言って、それで徹底をさせるというふうにもいきませんので時間がかかっておりますが、さらに強い指導をしていくことにいたしたいと、こんなふうに考えておるわけでございます。
  82. 鈴木力

    鈴木力君 いまの次官の御答弁がある限りは、これは事務職員の問題ばかりじゃなくて公立学校の諸問題の解決にはならぬのです。文部省が言い出さないでだれが言い出すんですか。来年からは全部——さっき岩間氏の質問にあなたは、定数法をいま衆議院に提案しておりますと言ったでしょう。あの定数法を提案するときに、全部の学校事務職員を置く定数法をなぜ出せなかったのか。それぞれの機関と協議しなければといって言い出すのは文部省です。重要な職務であるという評価をしておるけれども、当分の間置かないことができるということでずるずるやっておる。怠慢と言われても逃げようがないじゃないですか。怠慢でなかったらなぜ全校必置制を今度の定数法改正に置けなかったのか、その理由を聞きたいのです。
  83. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) ただいま先生御指摘いただきましたように、事務職員は現在学校数の五四%、それから養護教諭が五二%という状態でございますが、このたび提出をいたしました定数法案におきましては、いずれも七五%まで引き上げるというふうな改善をはかっているわけでございます。一挙にというお話もございますけれども、たとえば養護教諭の場合でございますと、養成関係もございまして、これが一応の段階的な充実の最大限度であろうというふうに考えております。それから法律の規定から申しまして、やはり養護教諭と事務職員とどちらが先かと申しますと、法律の規定の上では、先生が御指摘になりましたように、養護教諭のほうが必置というたてまえで先であるというふうなことで、併列いたしまして、このたびは七五%までつまり六学級以上の学校には置けるような一応の目安で配置させていただくというふうに考えたわけでございます。
  84. 鈴木力

    鈴木力君 私はあとで申し上げたいと思っておるんですけれども、さっき岩間委員も指摘をしたように、この給与で一体魅力のある学校になるのかと、そういう問題とからんでいるんですよ。たとえば、養護教諭をなぜ当分の間置かないことができるというああいう条文をつくったかということは、私は知っています。発足のときに有資格者がいなかったからです。そこで、私の記憶だけでも、文部省に何べんか養成機関を早くつくれ、養成をもっともっと積極的にやるべきだということを何べんか私は文教委員会でも指摘をしておったはずだ。それなのに、ずるずるずるずる少しずつ前進をして、何%になりましたという自慢げの答弁がここで出てくる。私はその気持ちがわからぬのです。事務職員なんかはこれは有資格者が必要じゃないんです。定数さえ置けば置けるのです。あとの二五%はどうしてくれる。せめて私はここで答弁をする場合に、七五%までしかいけませんでしたという答弁がほしいんだ。七五%にしましたという胸を張った答弁をされる限りは、教育職員にとってこれはほんとうに文部省が学校というところを大事に考えているとは思わぬのです。次官の御感想をお聞きしたい。
  85. 藤波孝生

    政府委員(藤波孝生君) いろいろ御指摘をいただきまして、従来もそういった努力を進めてきておるわけでございますが、今回の定数法の改善によりまして七五%という数字にしかならなかったことは、まことに申しわけないと思っております。
  86. 鈴木力

    鈴木力君 そう、そう言わなければいかぬ、言われないうちに。
  87. 藤波孝生

    政府委員(藤波孝生君) この給与改善を中心にいたしまして、先ほど岩間先生から御指摘もありましたように、非常に広範な教育行政のいろいろな困難な問題をこれから乗り越えていかなきゃならぬ、解決をしていかなきゃいかぬ。その中の一つに、先生学校の中でのいろいろ繁雑な仕事をできる限り整理をして教育の仕事に一〇〇%取り組んでいただくためにも事務職員を必置に近いところまでぜひ持っていかぬことにはその期待にこたえられないというふうに考えております。ただ、今日の改正ではそういったことにとどまっておりますが、なるべく早い機会に全校必置になるようにさらに努力をいたしてまいりたいと、このように考えております。
  88. 鈴木力

    鈴木力君 同時に私は、この給与関係して、これは文部省に調べてもらいました。事務職員教育職員でないから、要するにこの法案趣旨は、教育職員免許職ですから、免許職という立場で優遇をしようというこの考え方の筋は私はわからぬわけではない。ただ、事務職員を優遇せよという理由の中に、もちろん一つ学校という職場の中にいるということが一つです、勤務の環境が。生徒は事務の先生と呼んでいるんです。事務の先生と呼ばれるに値する待遇ということはこれはまあ一つある。もう一つは行政職であるという考え方。理屈の上ではそのとおりなんです。しかし、学校事務職員になった行政職は、県庁の職員がなるように、係長になり、あるいは課長補佐になり、課長になりというそういう昇給の機会というのはないんです。小さい学校には一人、いつまでたっても課長でもないんですね。だから、たとえば同じ短大卒で、文部省に調べてもらった、そうしましたら、現在最高の四等級までやれるということになっているけれども、四等級を適用しているところはごくまれです。五等級が大部分だ、小中学校事務職員の人は。最高になりますと、短大卒で二十五年五カ月の勤務ですと十二万七千六百円になる。ところが県庁の職員になりますと、これももっともっと上に行く人があるんだけれども、中級職で国の四等級適用の五カ年ですね、課長補佐どまりのところの人でも十三万七千七百円。その差が一万百円になった。そういう職場の実態というものをこう考えてみたところで、事務職員給与というものを改善しなければこれはいけないと思うんですね。それは必置制さえやろうとしないんだからなかなか待遇改善まではというような、そんなことではとてもじゃないが事務職員学校という職場で雑務を自分がしょってという気持ちにならない。これはもう多くはあまり申し上げません。これは人事院給与局長にも申し上げたい。そういう立場事務職員給与体系というものがどうあるべきかということを早急にひとつ御検討いただきたいと思う。これはまあ国立学校が直接の担当だと言いますけれども、公立学校は別だという気持ちは持ってないというさっきの総裁の御答弁もありました。十分に御検討いただきたい。それから文部省も積極的に事務職員給与改善について直ちにでも着手をするというぐらいの御答弁をひとつここでやっておいていただきたい、こう思います。
  89. 藤波孝生

    政府委員(藤波孝生君) 人確法の御審議の中にもたびたび事務職員待遇の問題が話題に出たわけでございます。また、人確法に基づいて人事院勧告が行なわれるまでの間にも各方面から、特に職員団体などからも事務職員をどうしてほおっておくのかと、これを文部省としても強く人事院にお願いをすべきではないかといったようなお話も承らせていただきました。ただ、先生御指摘のようなたてまえになっておりますので、今回の人事院勧告の中には含まれておりません。したがって、給与法の改正ということになっておらないわけでございますが、文部省といたしましても、当然学校生活の中でそのお一人として事務職員が占めておられますお仕事の重要性というもの、また特に子供たちから見て事務職員先生というのは別に区別があるわけではありません。そういった実情等も考えまして、かねて文部省から通達も発しまして、事務職員待遇改善につきましては十分留意をしてもらうようにお願いをいたしてきておるところでございますけれども、さらに今回の給与表の改正を契機に一そうその趣旨の徹底をはかりまして、事務職員待遇改善に努力をいたしますようにこの機会に御答弁申し上げておきたいと存じます。
  90. 茨木広

    政府委員(茨木広君) 事務職員の問題につきましては、今回の教員の措置に伴いまして、学校の中でございますとすぐわきにおります関係上たいへん強く出たわけでございますが、この問題は、同時に他の一般事務職員のほうの問題ともいろいろ関係がございまして、したがって、全般的にはやはり先ほどから話題に出ております総合格差比較方式検討の問題とも関連いたしまして事務職員の問題は検討をしなきゃならぬ問題だと思っております。それと、学校事務職員については、一般事務職員とまた異なるいろんな事情があるというような問題につきましても、先般事務職員についていろいろ記述されました約一〇〇ページばかりの資料等も読ませていただいていろいろ勉強させていただいておるつもりでございますが、その辺の問題もたいへんデリケートな問題がございますので、よく検討させていただきたいと思っております。
  91. 鈴木力

    鈴木力君 これは私の意見として申し上げておきますが、少なくとも一般の行政職と比べてみてということば、これは私は学校という職場が、あとで文部省の次官に申し上げたいことなんですが、基本的に言って、皆さんの頭の中には官が民より上だという思想がまだある、意識の中に。だから、学校事務職員は四等級どまり、一般の行政職は三等級でも二等級でも道を開いてある。同じ行政職という考え方をもってしても、なぜ学校職員は四等級、五等級どまりにしなければいかぬのか。行政職という立場からいってももっと上がっていく道を開いてもいいのですよ。学校にいるのと役所にいるのとでは格が違うという思想が基礎的にあるからそういう答弁が出てくると思うのですよ。私はそうではなしに、学校なんという一人で全部をやらなければいけないような繁雑な職場でやっている者こそ、もっともっとこつこつと努力をしている者は上に上がっていけるような給与というものを考えてやるべきだと、こう思うのです。それは一般と比べてみてというと、学校は下なんだというあれがあるから、頭打ちを下に押えているんでしょう、どうですか。
  92. 茨木広

    政府委員(茨木広君) 学校にはやはり学校のいろいろ特殊な事情もおありだということはよくわかります。しからば、たくさんの職場の中には、一般のほうにもいろんな職場がございまして、そこでこの問題についていろいろ文部省の方なり、あるいはおいでになられました組合の方々等ともお話をしました際に、一応これは県費負担の職員でございますので、県の教育委員会の事務局なり、あるいはその出先のそれぞれの事務局がございますか、それらとも一体的な交流等もお考えおきいただいて、いま申しました、さらに上から抜けていかなきゃならぬような段階に来ました際には、そういうような処遇ができるようなことは考えられるのかというようなことを申し上げたことがございますけれども、そんなことをいろいろ考えられまして、人事交流その他のことをにおわせた御意見を申し上げたというような次第でございます。
  93. 鈴木力

    鈴木力君 人事交流もそれは一つ考え方ですよ。しかし、ポストの数から言いましたら、学校のたくさんある小中学校教員人事交流で全部本庁に持っていって課長にするなんというようなことではこれは答弁にすぎない、可能性がない、そんなことは。だから私は、事務職員給与のウエートですね、県庁なら県庁にいるウエート、そういう格差をつけるという基本方針をまず捨てなさい。私は何も学校事務職員だけが苦労をしているというようなことを言うつもりはありませんよ。同じ行政職であるならば、その上に行けるという者を何も頭を切る必要がないじゃないの。そういう立場からひとつ御検討いただきたいということなんです。現在あるのを頭を打っていると、すでにもう三等級の伸びが一万三千円も違っておるんですからね。そういう格差が出ているんですから、現に。そういう面からの検討ということもぜひひとつやっていただきたい。これはもう要望にしておきます。  それから文部省の次官に伺いますが、文部大臣の、これはいつか新聞を見たことなんですけれども、教頭を一等級に格づけをするという通達を出すということを記者会見でおっしゃっていらっしゃるのですね。これはいつごろ出されるつもりなのか、それから出そうとなさる意図はどういう意図なんですか伺いたい。
  94. 藤波孝生

    政府委員(藤波孝生君) 昭和三十二年ごろに一度いま先生御指摘の通達を出したことがございます。ごくわずかの県でそういった運びになっておるところもございますが、今日の段階で特にいま通達を出すことは文部省としては考えておりません。
  95. 鈴木力

    鈴木力君 そうすると、大臣の言ったのは、ひとりでかってに言ったので、大臣代理の次官は、そんなことはない、こうおっしゃるんですね。
  96. 藤波孝生

    政府委員(藤波孝生君) 三十二年に一回通達の出ておることでございますから、その間にたびたびこういろんな考え方が出たり入ったりしたことは事実でございます。しかし、各方面のいろいろ御指導もございまして、今日ではそんな通達を出すことは考えておりませんということをお答えいたします。
  97. 鈴木力

    鈴木力君 これは大臣にほんとは聞かないと——いまの次官の御答弁でそのとおりだとは思いますが、これはもう大臣にもはっきりそう言っといてもらいたい。どういう意図でああいうことを言ったのかどうしても理解ができない。  それからさっき次官が、給与については人事院勧告を待ってという、そういう筋は通したいということをおっしゃった。いまの制度上からいうと、私は次官のさっきの御答弁はそういう御答弁になると思います。ところが、教頭については、これは出すつもりないとおっしゃったからいいんですけれども、一言聞いておいていただきたい。人事院国立学校の教頭を一等級にしようと言い出したのは、国立学校の特に付属学校付属学校などでは学校長というのは大学の教授でその学校にはいないんだと、教頭であるけれども事実上は校長の職務をやっているから一等級にやれ、こういうことなんです。ところが、そこのところを三十二年に通達を出したかどうかということで、人事院の意思とは違うんですよ、小中学校の一等級というのは、校長がいるんですから。だから、その辺ははっきりと整理をしてこういう問題をやっていただきたい。これは私のほうから申し上げておきます。  それで、あと時間があまり長くなると恐縮ですからやめますけれども、さっき岩間氏が指摘をされました、給与を上げるということは私はいいことだと思いますよ。いいことだと思うが、やっぱりそれに見合った職場をつくらないと。そのうちの何かというと、やっぱり教員定数の問題ですよ。いま法律案を提出していますなんということで、あんなことで文部省が満足しているんだったら話にならぬ。それはもうはっきり言って、予算が取れないからこの程度と率直に言ってもらえばがまんもできますけれども、大蔵省がなかなかわからず屋でしかたがなかったんですと言ってもらうんなら私はがまんできるですよ。そうじゃなしに、今度あれだけの定数法を改正したんですから、わかっていますと、こう言われたんじゃ私はわからない。  まず、小学校——もうくどく申し上げませんよ、いま学級担任制でしょう。これは何べんか私はもう——局長はよくわかっていますよね、またかという顔をなさっていらっしゃる、その気持ちはわかる。能力があるなしは別として、いまの小学校の教育課程に基づいて授業をする場合に、たとえば一校時日に算数なり国語なりの授業をやる。その次に理科室へ行って理科実験をやる。その理科実験の準備にどれだけの時間を要すると思いますか。私どもの知っている仲間の教師からの報告によると、化学実験の場合には最低二十分かかるそうですよ、薬品を扱うから。子供にやらしてもしものことがあっちゃまた処分を受けるから自分でやらなきゃいけないでしょう。理科室が豊富にあればいいけれども、次のクラスが来て待っている。そうすると、早目に授業をやめてあと始末をして渡さなきゃいけない。そういう状態のときには理科の授業は平均して二十分ないし二十五分です、実際に行なわれておるのは。文部省は帳面づらでやっているから四十五分授業したと思っておる。今度の定数法改正でそこのところ補いがつくと思いますか。つかないですよ。そういう問題が一つある。それからいま小学校の授業時数から計算をしてタイムテーブルを——どこかの学校のタイムテーブルを次官あとで見てください。授業を済んでクラブ活動をやったら、どの時間に一体小学校先生が教材研究をする時間があると思いますか。どの時間に生徒の作品なんかを見たり、あるいは生徒の何かをこう聞いてみたり、そういう時間をどこに求めさせようとしているのか。  次官は、教育は人間であるということをおっしゃった。いいことをおっしゃったと思うんです。ほんとうの教育は、授業がうまくいった、うまくいかないじゃなしに、たとえば休みの時間に生徒と先生が子供なりに遊ぶ、そういう時間の中からほんとうの教育の下地ができてくる。いまの学校はそれを全部取り返しているでしょう。真剣にこういう問題には取り組んでいかなきゃ——。前の〇・何ぼかけるとかなんとかという数字でそろばんを置いて皆さんは教育行政だと思っている。教育はそろばんじゃないんですよ。もっと大事なことがある。このもっと大事なところに先生たちを送り込まないと——。だから、あんな定数でと私は言うんです。私はこれは何べんも言っているんですが、いわば重量制限の橋なんですね、学校は。設備からいっても教員定数からいっても重量が制限されている橋だ。しかし、教育課程のほうは満載した荷物ですよ。それを皆さんのほうは通せと、こう言っている。重量オーバーはかまわないと言っている。普通の土木の場合だったらその橋は落ちるからだめだけれども、教育の場合に落っこちるところが気がつかない。だから、現在の教育を皆さんがほんとうに救う気なら日教組の悪口を言っている時代じゃもうないですよ。そうじゃなくて、そういう条件を整えてやることにもっと本腰を入れなければいけないということだ、私はそう思うんですよ。  それからもう一つは、まあたくさんありますけれども、こんなことをくどくど申し上げたら夜中になるから言いません。まだまだありますけれども、もう一つ。教育実習に行った学生がもう教員になるのをやめたと言ってくる最も大きい理由はいまのようなことです。あれじゃとてもおれは教員つとまらぬ。大学の付属でやってみたのとは事が違うということが一つ。その次は、やっぱり校長さんと教頭さんの給与ですね。皆さんは管理管理と、こう言っていらっしゃる。ところが、管理ということを皆さんが指導し過ぎるものだから、校長はもう教諭でなくなっているでしょう。そこに基本的に問題がありますよ。私は昔がよかったとは言いませんけれども、昔は校長は訓導兼校長という辞令をもらったものです。校長は兼務職だ、本職は訓導でしたよ。だから、役所との関係でいえば、県庁から県視学が来ますが、そのときには校長は教員の側に立って教員資格で視学と応対したんです。いまの校長はどうです。皆さんの指導がよ過ぎるために、管理主事が来ると、校長は管理主事の前に教員のほうを向いている。これじゃ学校というところは魅力のあるところにならぬでしょう。日教組が悪いからと言いたいだろうけれども、そんなけちなことを言っている時代じゃないと思うんです。もう一ぺん教諭兼校長になぜできないか。学校というところは教育責任を持つところなんです。そういう教諭にもう一ぺん校長がなって、そこで教師の中の中心になり、リーダーにならなければいけない。ところが、文部省の校長講習なんかのあれを見ても、なるほどと思うような教育の生き生きとする講習はほとんどない。学校教育法何条によって職場を離れるときにはどういう扱いをする、どういう書式の手続の書類をとるかとか、そんなことばかりやっているんです。だから、校長というのは教育的には魅力のない存在になってしまっている。これじゃ教師が校長を中心にして教育をやろうという気持ちにならぬ。こういう面は私はほんとうに再検討してもらいたい。  それからもう一つの面は人事管理です。人事異動です。これはもうやむを得ない事情がありますから、私はだれもが満足するような人事異動をやれなどということは言いませんよ。しかし、あまりにも機械的に人事異動が多過ぎるために最近教員のその学校にいる年数というのはきわめて短くなっている。校長さんなんか二年か三年でもうぼんぼん動いているでしょう。やっぱり学校長が自発的に、主体的に、ほんとうにそこの教育に根をはやそうとするには二年や三年じゃ本物にならぬですよ。ところが、機械的にその校を何年とかやって動かしている。教員も動かしておる。そして私の県と言えば岩手県ですけれども、過疎地域があるものですから、これは非常にむずかしい条件にあるけれども、二〇%以上の教員が夫婦別居させられているんです。まあこれもしかたない事情があるから一ぺんになくせとは言わないけれども、そういう場合にはもっと思いやりのある人事異動というやり方があるはずだ。そういうことによって、教師になってよかったという、行政と教育というものが一体になれるその道を皆さんが検討していかないと人材確保にはつながらないと思うのですね。  私は、そういう問題はひとつ意見としてきょうは申し上げて、あとで御異論があれば御反論もちょうだいしたいと思いますが、これは私は真剣な問題だと思うのですね。管理職がどうしたとか、教員が職場で職場会議を開いたとか、そんな議論をしているところに教育を破壊する問題がある。そういう立場で、そういう中で教師のほんとうの自主的な研究活動というものを保証していかなければいけないと思うのです。私はそういう職場をつくるためにはもちろん行政だけでやれるとは思いません。教師に納得のできるような行政があるときにそれが出てくると思います。そういう意味で、この法律で教師の待遇をよくするという考え方については私はよくわかります。わかるが、さっき岩間委員も指摘したように、月給を上げたから今度はというようなことであっては、しかもさっき言った養護教諭なりあるいは事務職員なり、みずから法律に書いたことをこれを三十年近くもほっておく、こんなようなことで他との関係でなどと言っているんじゃもう文部省に情熱がないんです。そうしたものを排除してもやっていくという情熱がほとばしるときに先生たちも情熱ある教育が出てくると思うのです。そういう行政に積極的にひとつ切りかえていただきたい。  要望申し上げて質問を終わります。     —————————————
  98. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、田中茂穂君が委員辞任され、その補欠として高橋雄之助君が選任されました。     —————————————
  99. 宮崎正義

    宮崎正義君 先ほど途中で肝心なところで質問を中断しちゃったんですが、その続きをお伺いをしたいと思います。  行政職と教育職との小中高校長等の俸給の対比、それらについて先ほど質問をしていたんですが、総裁は、総裁の答弁の中で、校長は行政の課長補佐というふうなこともいわれておるというそれをなくしたというふうにはっきり言われておりましたんですが、給与の面で、もちろん私も申し上げましたように、その職名のことを云々するわけじゃありませんけれども、同格等級等という立場の上から考えてみますと疑問が相当あるわけです。この点について、局長のほうから先ほどの総裁の補足をひとつしてください。
  100. 茨木広

    政府委員(茨木広君) 行政職と教育職とを比較いたしますにあたりまして、前提として申し上げなけりゃいかぬことは、教育のほうは御案内のように校長職が一つの等級、それからその他の教諭の方が一つの等級、それから助教諭の等級、そういうことで一つの職名が一等級というふうになっておるわけでございます。行政のほうは御案内のように一から八等級までございまして、だんだんだんだん上がっていく。その間にそれぞれ相当の競争がございまして選抜をされていく。こういう関係にございますものですから、基本的には直ちにどれとどれとどう対応するということを比較するということは、率直に申しますと適しているかどうかというのは多少問題があるんではないかと思いますけれども、しかし、一応どの程度のところを満たしておるかというようなところで申し上げさしていただきたいと思っております。現在まで日本において行なわれておりました行政と大体教員との対応で見ますというと、これが欧米等の国と比べましても、大体似たようなやはり課長クラスの二分の一とかないし課長相当のところに校長を当てて比較しておる、その他の方はその下の補佐ないし係長のところと比較しておるというところがその到達点の比較であったようでございます。  今回は、従来の扱い方比較しながら申し上げますが、初任給のところでいきますというと、これもどこと比較するかというのはたいへんむずかしいところだと思いますが、一応大学出の試験採用のところの上級乙の層が一般のほうでございますが、そのほかの中級その他にも大学出はまじっておりますけれども、一般的には上級乙でございます。これと比較いたしますというと、従来でいきますというと、大学卒で二号プラス三百円高程度の扱いでございました。約八・六%高でございました。今回の措置でいきますというと、それが三号プラス千二百円高、一五・一%高程度の比較になってくるというふうに、初任給のところでそういう格差になるわけでございます。これは、この程度の水準というようなものは他の職種に比較しましてもたいへん高い格差に相なるわけでございます。この考え方は、先生方は当初から一人で責任のある教育を担当されるというその仕事をなさるから、当初から高い俸給に上げていく。いわゆる高原型給与制度という考え方がございますが、ややそういうような思想でもって従来も扱っておりましたし、今回もそういう扱い方で、人材確保法案が通ったときでございますので、そこの初任給をやはり魅力あるものにしなければいかぬだろうというようなところからそういう処置をいたしました。  それから最終到達点のところでの議論であるわけでございますが、そのほかに中間のところを相当よくせいと、これは従来から——従来の師範の卒の方が順次大学出の方に置きかわりつつあるわけでございます。そこで、大学卒の方がずうっと年次進行をされるところに合わせながら、行政との関係あるいは高等師範との対比、そういうようなことがございまして、いままあ二十一号俸ぐられのところまでそれが進行しておりましょうか、その辺から折れ曲がると、こういわれておったわけでございますが、その辺のところを今度上げておるというところでございます。  それからいまの最終到達点のところでございますが、教育日表のほうの小中学校関係でございますが、旧来でございますというと四等級、五等級の中間程度の水準であったわけでございますが、今回のものは、四等級に対しまして、大卒の十四年目ぐらいのところで三号俸、それから十五年目のところで二号俸、十六年目以降のところで一号俸程度上回る水準というようなところにいたしてございます。さらに一等級のほうの校長さんのほうになりますというと、旧来が行政職四等級と同程度。この四等級と申しますのは、国でございますというと補佐になりますが、県段階になりますというと、やはり課長補佐の一番古手のところがそこにいくわけでございます。今回はそれを一つ上げまして、行政職三等級に対しましてさらに二号俸程度上回る水準というようなところでございますから、地方に行きますというと県庁及び教育委員会の課長相当のところに比較いたしておるわけでございます。  それから高等学校のほうでございますが、初任給は先ほど申し上げましたものと同じ扱いでございます。それから教諭のほうの関係でございますが、二等級のところは行(一)の四等級と同程度のものであったのを、今回は一つ上の三等級というようなところで、それを上回るというようなところまで入れるというふうにしてございます。それから校長のほうの一等級のところは、従来は行政職の二等級と三等級の中間程度の水準でございましたわけですが、今回は行政職一等級と二等級と同程度の水準というようなところにいたしたわけでございます。二等級といいますというと、国では課長でございますけれども、県庁にこれをおろしてまいりますというと、県の部長ないしは教育委員会の教育長ないし次長というようなところがそういうふうな等級に当たってくるというようなところになるわけでございます。それから国のいろいろ出先機関の長がございますが、そういうようなところも大体似たようなところに一切してくるわけでございます。そんな関係がございますので、国のほうの段階でながめました場合と、これを地方におろしましてながめました場合と、たいへんこの比較関係が感じとしましては違ってくるわけでございます。  今回のものは第一次の改善ということになっておるわけでございますが、今後この上のほうをどの程度どうしていくかということはやはり問題としては残っておるだろうと思います。それからこれを一律に上げていくのかどうかというような点もたいへん問題でございますし、今後よく検討しながら、各方面の意見を承りながらやっていかにゃいかぬだろうと、こんなふうに考えつつ今回のものを出した次第でございます。
  101. 宮崎正義

    宮崎正義君 御答弁の中に、初任給の例をとってお話しなさいましたけれど、この初任給につきましても、いつの時点で、大体水準というものをどのようにしていくかという問題もこれはございます。これはまたあとで聞きますけれども、いまの例を引いてみますと、これは四十九年度版の緊急追録という小六法のほうの付表がありますね。これの中で例をとってみますと、大学の初任給が七等級の一号俸ということになりますね。これ、行(一)のほうです。そうしまして、先ほど総裁の答弁の中にありました、この等級が変わっていく、行のほうは等級が変わっていくから違いが出てくるというふうな話もありました。確かにそうでありますが、例をとってみると、四年たって六等級になった、四年たって今度は六等級の四号俸になった、また四年たって五等級の二号俸になった、また四年たって今度は五等級の五号俸になった、また四年たって今度は四等級に上がっていくという形態がずうっと行政職のほうにはありますね。そのたんびに、お話もありましたように、等級が上がれば本俸も上がっていく勘定になってきます。しかし、教育職のほうの大学初任給、これが二等級の四号俸ということになります。これをずうっと考えていきまして、校長でない人、校長でない教諭という立場の人というものとの差がどんなふうになってくるのか、またどのような形にあらわれてくるかという点が問題点であると、こう見るわけですが、これが一つ。  それからもう一つは、現行の面からいって行政職のほうが初任給は、いま私が例をとりました七等の一号俸から端を発したとするのですが、それからずうっと毎年つとめ上げていきまして十八年の歳月がたったときに、現行法の小中学校教員でいきますと千百円少ない十一万五千九百円ですか、行政職のほうは十一万七千というこういう形で、それ以後ずうっと小中学校教員の俸給が少ないということになるので、今度の改正によって、勧告によって変えていくのだという私はいま比較の参考を見ておるのですがね。こういう面から考え合わしてみて、どういうふうに第一問と第二問との関係性というものが、その差がどうなってくるかということをお伺いしたいのですが。
  102. 茨木広

    政府委員(茨木広君) 先ほど申し上げましたように、そういうようなところで行政のほうは等級をだんだん上がっていくとういようなことになりますので、片方のほうはそういう一つの等級の中を順次上がっていく、こういうことになりますので、そこで、給与表を作成いたします際に、ただいま御指摘ございましたような比較を実はやりながら俸給表をつくっておるわけでございます。先ほど到達点を申し上げましたけれども、そういうようなところに到達させるようにということで順次比較をしていくわけでございます。そこで、たとえばいま十八年目のところを御指摘になられまして、千百円低いなと、こういうお話がございましたわけでございますが、今度のこの四等級との比較でございますが、今度の改善でいきますというと、十八年目のところが七千四百円ばかり上回るというふうな改善になってくる。ですから、マイナスとプラスをいたしますというと約八千円の改善になっておる、こんなふうなことに相なるわけでございます。それは一例でございまして、行政職の四等級と比較いたしましても、その辺が八千円、七千円台をずっと上回るというような改善に相なるわけでございます。
  103. 宮崎正義

    宮崎正義君 そうなりますと、今度行政職のほうも非常に問題が通年のようになって出てくると思う。この点なんかも将来考慮に入れていかなければならない点だと思います。その点どうですか。
  104. 茨木広

    政府委員(茨木広君) ただいま御指摘になられました点が大へん今後の課題になってくるのだろうと思います。法律趣旨一般職比較してというふうな表現になっておりまして、幾らどうせいということは具体的には書いてございません。また、それをどういうところとどういうところとを比較すべきかという問題も今後に残された問題だろうと思います。今回の九%の改善で、ただいま申し上げましたような改善になるわけでございますが、今後さらにやっていきますと、今度は行政のほうが問題になるのではないか、こういう御指摘があったわけでございます。やはり行政のほうは官民比較の原則で考えていかなければいかぬことになりますので、さらにこれを、相互関係をどうするかというような問題は今後よく各方面の意見を承りながら考えていかなければいかぬ問題ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
  105. 宮崎正義

    宮崎正義君 先ほど鈴木委員の質問の中で総裁が、総合格差方式というものについての考え方ということも改めなければならないというようなことを言っておられました。そういう面からいまの答弁を聞いて、そういう点からも一応は検討されるだろうと思いますが、先ほど私がちょっと触れました初任給の比較問題なんかも、これはどんなふうに考えておられるのか伺っておきたいんですがね。行政職、税務職、あるいは公安職——警察官とか、あるいは公安調査官だとか、海事職、教育職はもちろんですけれども、研究職、医療職——医療の中には薬剤も保健もございますが、こういった初任給の水準というものをどういう時点できめようとするのか、また現在のこの差のままで過ごしていこうとされるのか、そういう点についてお考えを聞いておきたいんですが。
  106. 茨木広

    政府委員(茨木広君) まず、総合格差是正の問題でございますが、これは従来教育とか看護婦とかの対民間との関係でいきますというと、公務の場合のほうが上回る水準にあったというようなものは、官民格差のときには、総合いたしますというと、総合の格差として出ました額のうちを優先的に食っていくような関係に相なっていたわけでございます。今回それが一応別途財源で改善を加えるという措置をとることに相なりますというと、その点を先ほど総裁も、総合格差比較方式の外にそれを出さないといけない、これは公安と税等についてはすでにそういうことに相なっておるわけでございます。そんなところで、その他の残りましたものを今後どうやってしていくかということについてはまだ結論を得ておりませんが、夏までの間にそれを詰めてまいりたいというふうに考えております。そういたしますというと、特に行政職等はたいへんそういうことを強く言っておるわけでございますが、従来食われておったものを本来の姿に返していただきたい、こういう要望が熾烈にございます。そういうものをどのようなふうに本来の姿に戻していくのか、こういうことにやはり真剣に取っ組んでいかなければならぬ問題がまず緊急の課題としてございます。  それから従来の公安とか税職種等につきましては、行政職を基準にいたしまして一〇%程度の、平均でございますけれども、等級によって、若い等級のほうは高く、上のほうにいくに従って順次収斂されるというような方式でございます。で、上のほうは順次一般行政職と一緒の取り扱いのほうに入っていきますから、そういう方式をとっておるわけでございますから、そういうものにつきましては行政職(一)を基準に大体その水準差というようなものを考えていく。そういたしますというと、先ほど申し上げましたようなことで、総合格差是正というようなことで行政職のほうの本来の姿があらわれてまいりますというと、そのはね返りがおのずからそれらの俸給表にも及んでまいるというようなことに相なるんではないかと思っております。そんなことでそれぞれの俸給表の水準というようなものの相互関係をやはり安定させてまいらないといかぬと、こんなふうに考えておるわけでございます。何ぶんやはり従来の公安部内の均衡を、義務教育職員人材確保という一つの政策から均衡を変えていくわけでございますから、やはりその落ちつきを得るまでにはいろいろ研究を重ねていかなければいかぬではなかろうかというふうに考えております。
  107. 宮崎正義

    宮崎正義君 初任給の比較ですが、この点について明快なお話がないんですが、たとえば行政職の上級甲乙としまして、これは乙のほうを一〇〇とした場合、甲のほうがパーセンテージでいきますと一〇三・九、それから税務職のほうが一一六・四、これは甲のほうです。乙のほうが一一一・六、いまお話しありました行政職を基準にしていくというお考えですが、乙の面を一〇〇とした場合の考え方の一いま私はこの一つの資料を見ているわけですが、こういうふうな、ずっと見ていきますと相当のバランスがくずれているんですがね。ですから、こういう面の是正というものを八月のときにおやりになるのか、将来の問題としての考え方としていくのか、各職の実態というものの面から、ひとつこの面については、公安職に対して行政職は今度はどうしていくんだとかというようなお考えがあれば御答弁を願いたいと思うんですがね。
  108. 茨木広

    政府委員(茨木広君) 先ほどの教育の関係は主として大学卒の方が大宗でございますので、そこで乙というものと比較をしてまいったわけでございます。で、職種によりまして、行政のほうを基準に申し上げますというと、初級試験合格者と比較するところもございますし、それから中級試験合格者と比較するところもございますし、それぞれのその職種の採用の大宗が高卒であるのか、短大卒であるのか、大学卒であるのかというふうなことを踏まえながら比較していくというふうなことに相なります。警察のほうの場合でございますというと、高卒のほうを一応対象にいたします関係上、そちらと比較をしてまいるというふうなことになります。それで、全般的には、先ほど申し上げましたような八月のときに総合格差方式の若干の変更ということを前の勧告の際の報告で触れておりますので、その点からくる検討を一応全般的にしなきゃならない。その一環として、いまの初任給等についても変える必要があるのか、そのままでいいのか、そういうふうなこともその関係をよく吟味をしなければならぬとは思っております。
  109. 宮崎正義

    宮崎正義君 私のきめられた時間もございますので、この問題はもう少し煮詰めていきたいと思いましたけれども省略しまして、総合格差方式の件につきましても月報から通していろいろな面をお伺いしたいのですけれども、これもまた後日に譲りまして、先ほど大臣のおられたときに私ちょっと触れておきましたんですが、等級別の標準職務表、先ほどの高等学校の校長職の方が二等級ということになって、これが行政では大体課長の立場にあるというような御答弁がありました。そうしますと、この別表第一を見てみますと、現実の姿とだいぶん違っているのがありますね。先ほども申し上げましたように、課長さんが約千五百名いて、それで一等級の人がすでに三割弱もあるという、そういった面から見まして、標準職務表というのだから、標準だから、この中の内部の標準的な職務という内容が1、2、3、4とあるけれども、その内容の訂正はする必要はない、それから二等級の、たとえばこれは課長補佐が六%から七%はこの中に入っているということなんですが、こういうような面から見ていってもこの標準職務表というものの内容を変えていくことが妥当じゃなかろうか、こう思うわけですが、その点についてどうですか。
  110. 茨木広

    政府委員(茨木広君) これは標準職務表でございますから中心的なものを書いておるわけでございますが、全般的には何年か一ぺんにやはり運用と実態との関係をよく検討しまして、改正をすべき段階が来ますと改正を行なっておる経緯が過去にもございます。課長のところは、一等級のところは、この表自体にも「本省の特に重要な業務を所掌する課の長」というものは一等級というふうにここにもずばりと書いてあるわけでございます。したがって、運用も大体違っておらないだろうというふうに考えておる次第でございます。課長補佐のところはやや最近若干の者が、いわゆる終戦後入りました者がずっと上がってきました関係もございまして、二等級の中に一部出ているところがございます。重要な課長に準ずるような職務をやっておるというようなところが、そういうものがございます。しかし、全般的にはいま内部でもいろいろ検討はいたしておるところでございます。したがって、検討の結果、職務表を直すべきあるいは追加をすべきところがございますれば追加をしたいと思っております。でありますから、ものによりますと三段階にまたがるというような場合も出てまいります。そんなところでございます。
  111. 宮崎正義

    宮崎正義君 管区部長の問題なんかは明らかになっていますね。一等級のときには「管区機関の長の職務」ということになっています。二等級の場合には「管区機関の部長の職務」と、こう明確になっていますね。ところが、一等級のところに管区部長がもうすでに現実としてはあるわけです。ですから、いまお話がありましたように、この人事院の規則の別表も変えていかなければならないというふうな、時期を見てはやるというふうなお話がありましたけれども、当然こういうふうな給与法の改正のときにはそういうところまで考えを及ぼしていかなければいけないんじゃないかと思うんですが、どうなんですか。
  112. 茨木広

    政府委員(茨木広君) いま御指摘になられました管区のほうの部長の問題でございますが、これは昨年の給与勧告の際に触れてございまして、税務職でございますとか、公安職でございますとか、そういうようなものについて一等級にというようなことを改正をいたしたわけでございます。またお手元に、あれにはそれが登載されてないんじゃなかろうかと思いますけれども、昨年の勧告で触れました点でございます。
  113. 宮崎正義

    宮崎正義君 いずれにしましても、現実と合わない面がだいぶんあるわけです。一応いま答弁のありましたものを了とはいたしますけれども、さらに内容検討が必要だと私は思いますし、それから特に委員長にお願いしたいのは、本省関係だけでもいいですから、課長の一等級、二等級のメンバー、どのくらいいるのか、また補任が二等級——三、四等級の残りはそうでありますけれども、二等級の中にどれだけいるのか、管区部長の一等級というのは何%ぐらい、どれぐらい、率はどれぐらいなのかという、そういうふうな資料をひとつ私は要請したいと思います。この点よろしくお願いします。  最後にお伺いしたいのですが、いずれにしましても、先ほど来からいろいろ論議されておりますが、総合格差方式ということについてもまだ私問題を残しておりますけれども、時間の関係で質問を省略しますけれども、この点もひとつ明確にしていかなければ給与改定というものの行き方に疑義が生じてくるのじゃないかというように思うわけですが、この点を一度念を押しておいて私の質問を終えたいと思います。
  114. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 人事院に申し上げます。  ただいま宮崎委員から要求のありました本省、管区の課長級、補佐級の等級別実情を資料として当委員会に御提出願います。
  115. 茨木広

    政府委員(茨木広君) ただいま委員長からお求めのございました資料につきましてはさっそく調査を、取り調べまして提出いたすようにしたいと思っております。  それから総合格差所得方式の問題につきましては、先ほど総裁の答弁もございましたように、夏の勧告までの間に十二分に検討いたしまして成案を得たいというふうに考えております。
  116. 岩間正男

    岩間正男君 給与法の問題について基本的な問題で先ほど二、三質疑したのでありますが、先ほどの質問の中でも、基本法第十条との関連で教育行政、これがかたわになってはならぬ、そういう点で私はいま大きな問題になっている学童給食の問題についてもう少しお聞きしたいと思うのです。  これは言うまでもなく将来をになう子供の命をどう育てるかという問題もありますが、もう一つは最近物価の値上がりの中で教育費の父兄負担が非常に加重されてきておるわけですね。これは先ほど申し上げましたから繰り返しません。そういう中で学校給食に対する要望というものは非常に大きくなっておると思うのですが、大体小中の場合、これはどれぐらいの負担になるというふうに文部省は見ておりますか。
  117. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) ただいま所管局長が参りまして御説明を申し上げたいと思います。ちょっと資料がございませんので後ほどお答えをさせていただきたいと思います。
  118. 岩間正男

    岩間正男君 これはまああと説明があろうと思いますが、私たち、これはいろいろ聞いているわけです。とにかく物価の値上がりの中で三つの方式があるだろう。現状をいままでのやり方で週に五日、大体月二十日、それをやっていくためには、一つは少なくとももう四割か五割の給食費の値上げをしなくちゃならぬ。あるいは日数を、五日を四日に減らす、そういうような削減を、日数を減らすことを考えているのがある。もう一つ内容を非常に薄めてしまう。三つの方式があると思うのです。しかし、これは第二、第三の方式というやつは望ましくないことは言うまでもないことですね。そうなれば父兄負担がいま非常に苦しくなっている中で、たとえば例をあげますけれども、中学校に二人、小学校に一人、そういう場合を考えるというと、大体年額にすると八万円の負担になると聞いております。そうすると、労働者がいま春闘の賃上げをやっているわけですが、これは少々上げても一方からもうかご抜けになるわけですね。そういうことで、これは大衆負担としてはたいへんだと思うんです。特に大学生なんか持っているということで——この前もハスの運転手の方、勤続もう二十数年というような方で、もう五十歳近くの方、大体月収が十万円、その中で大学生なんかのそういう問題も含めると、少なくとも教育費が五万五千円かかる、あと四万五千円で暮らしているんだと、涙の出るような話を聞いたわけでありますが、そういう中で、いま給食費用の問題というのは非常にこれは大きな問題をはらんでいると思うんです。だから、一方で教員給与を上げられる、これとのバランスで、やはり教育の実際の行政のバランスから考えましても、この問題を等閑に付しておくことはできない、こういうふうに考えるわけですけれども、これに対して文部省の一体姿勢というものはどういうふうに考えておられるかお伺いしたい。
  119. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) いま父兄負担の経費がいろいろございまして、義務教育の無償というのは授業料を取らないというふうなことに解されているわけでございますけれども、教科書につきましては御案内のとおり無償の措置が講じられているわけでございます。そのほか、先ほどもお話ございましたように、給食以外にも学用品、それから通学用品、通学費、修学旅行費、衣料費、そういうものにつきましては、これは原則といたしまして個人の負担ということになっているわけでございますが、しかしながら、家庭の貧困な児童生徒につきましてはその一〇%、要保護、準要保護、合わせまして一〇%の子供に対しましてこれは無償の措置を講ずるというふうな形で一部無償の措置をとっているというふうなことでございます。また、父兄負担の軽減をはかります場合には、公費で負担すべきものと、それから個人で負担すべきものをどういうふうに分けていくかというところが一つ問題でございますけれども、直接子供に返っていくような費用、たとえば給食の場合でございますと、これはもし学校で食事をしなければ家庭から弁当を持ってくるというふうな性質のものでございまして直接子供に還元されるような費用でございます。そういうものにつきましては、順序といたしまして、やはり家庭のほうで持っていただくというふうな考え方をとっておるわけでございます。しかしながら、本来公費で負担すべきものにつきましては、つまり子供から遠い経費と申しますか、たとえば人件費でございますとか、あるいは施設費、設備費、そういうものにつきましては、これはできるだけ公費のほうでまかなっていくというたてまえをとっているわけでございます。したがいまして、給食につきましては、給食の施設設備あるいは人件費、こういうものは公費でできるだけ負担をしていく、しかしながら、直接子供さん方に還元されるような材料費等につきましてはこれは父兄のほうで御負担を願う、公費でもって負担すべきものにつきましてこれを父兄に転嫁するということはできるだけ避けていくというふうな方向でまいっているわけでございます。いまのところ、そういうたてまえを変えまして、全部父兄の負担からはずしましてこれを公費で負担するという点につきましては、いろいろ問題がございましてまだそこまではとても踏み切れないと、現在の負担区分をできるだけ守っていくという方向で進めているわけでございます。
  120. 岩間正男

    岩間正男君 学校給食法というものがあって、あなたたちはそういうたてまえに立っているわけです。しかし、私はこの問題は検討をする必要があるんじゃないかということを提唱しているわけですがね。つまり無償の問題についても、二十六条の解釈について、ずいぶんこれは長い間論議が行なわれたことも知っております。そうして教科書無償の問題とかその他の二、三の問題、全く取るに足らないもので二十六条というものがこれは政府の解釈としては通っておる、これも非常におかしな形ですよ、こういうことは。これはほんとうに多数で通ったからといって、この解釈が通っているかというと、そういうことじゃない。国民の立場に立てば、こういうことであの憲法の条項がほんとうに民主的に守られているというふうにはこれは考えていないですよね。財政の措置からも来ているわけでありましょうけれども、その背景には日本の、ことに安保体制下、自衛隊がどんどん増強されていく、それとの関連、あるいは大資本本位のその政策の中で、実際父兄負担、そういうものに転嫁をしていく、教育予算がそういうような傾向をずっとたどってきておることも、これはいまさら言う必要もないことだと思うんです。したがって、いま申しましたのは、国民生活が非常に破壊されていっているんですよね、この物価高の中で。とにかく消費者物価指数だけでもまあ二六、七%、それから卸売り物価に至ってはもう三五%、六%、前年対比がそういうふうになっている。そういう中で全くこれはぐらぐらゆれているわけですよ。  ことに、家庭の主婦はたまったものじゃないわけなんです。自分の立っている基盤というものは全くもう毎日ゆれているわけですよ。マーケットに行って、そのたんびに、いまさら、もう何といいますかね、恐怖に襲われるっていう感じですよ。あるいは、非常にいまの政治に対する怒りが高まっている、こういう態勢なんです。そういう中で教育費の全般的なその負担の問題と大幅な国家負担の問題がどうしてもこれは再燃せざるを得ない、そういう情勢の中にあることはこれは言うまでもないと思います。そういう中で、この学童給食の費用、これはまあとりあえず当面する問題としては非常にやはり切実な感じを持った課題だと思いますね。そういうものに対して、いままでのような学校給食のやり方で、人件費の一部をまかなう、それから施設費を負担する、これもまあ補助程度、それから燃料費を一部まかなう、しかし、これは全体の給食予算——かりにこれは全額国庫から負担するとしたら、全体としてはどれぐらいかかるという一体調査をしておられますか。文部省は少なくともこの基礎的な調査を持っていて、その中で一体いま政府の支出しているこの学校給食法による負担というものはどの程度になっているか、こういう見当はついておりますか、調査はありますか。
  121. 岩間英太郎

    政府委員岩間英太郎君) 文部省に残されておりますいろんな課題がございますが、学校給食の問題も将来改善すべき課題の一つであろうと思います。おそらくこれを全額無償にすれば一千億をこえる大きな金額になると思いますけれども、ただいま所管局長がこちらへ向かっておりますので、参りましたらお答え申し上げたいと思います。
  122. 岩間正男

    岩間正男君 これは一千億をこえることは間違いないんですがね。私は何年前かな、四年ほど前に、少なくともその想定ははっきり調査をして立てるべきだと、その上に立って、この問題は再検討に値する問題じゃないかと。といいますのは、先ほど私があげました、一つの標準だと思いますが、中学生二人、小学校一人、そうすると年間八万になるんですね。その八万がかりに国庫負担というようなことになれば、これはいまの少なくとも勤労者の実質賃金は上がるわけです、はね返ってきて。この八万というものはこれは相当な額ですからな。だから、そういう点から考えますと、単にこの問題は子供の命を守るという切実な直接の問題でもありますけれども、同時に、春闘なんかを戦っていて、全く赤字補てんのための生活防衛のためにきょうもすでにこのような大きなストが行なわれている。そうして国民共闘をほんとうに遂行して、どうしても生活防衛のためにこれは具体的な問題を解決しなきゃならぬ、こう言って戦っておる中で、いまの給食費用は親が、自分の子供なんだから、まあ自分が少々無理をしても子供に食わせるのがほんとうじゃないかというようなたてまえには日本の憲法は立っていないと思うんです。はっきりこれは二十六条の指向するところを明確にすれば、当然国家は責任を負って、教育行政のやはり一つの大きな課題として遂行すべきじゃないか。また、戦後における発足の状況から考えても、親の願いはそこにあったわけでしょう。まあ私も当時それを推進した責任者の一人でありますけれども一そういう点から考えて、だんだんだんだんこれは後退をしているのです。そういう点で私はお聞きしているのですが、少なくともあなたたちはこの問題と対決しないわけにはいかない、そこまで来ているだろうと思う、それでお聞きしています。  見えたようでございますけれども、どれぐらいですか、全体。かりにこれを憲法の指向する方向で全額国が出すといったらどれぐらいの額が要るのか。その中で現在学校給食法で出している額はどれぐらいなのか、この点をまずお聞きしたいと思います。
  123. 澁谷敬三

    政府委員(澁谷敬三君) これはある程度かなり推計が入りますが、小学校は現在九五%の児童生徒が完全給食を受けております。それから中学校は五二%の児童生徒が完全給食を受けておるわけでございます。  昭和四十七年度と四十八年度、完全給食を受けている生徒が少し伸びておりますが、その二つについて申し上げますと、昭和四十七年度は、パン、ミルク、おかず代、推計いたしまして千七百六十一億円でございます。昭和四十八年度は推計いたしますと二千二百四十一億円ということになります。そのうち負担割合でございますが、昭和四十七年度は千七百六十一億のうち保護者の負担が千五百二十五億円、国が二百四億円、設置者が三十二億。四十八年度は二千二百四十一億の推計のうち保護者の負担が千九百七十五億円、国が二百三十二億円、設置者が三十四億というのが私どもが全国の調査の実態から推計いたしました見積もりでございます。
  124. 岩間正男

    岩間正男君 学校給食法による負担ですね、人件費、それから施設、燃料ですか、そういうものの概要はわかりますか、どのぐらいを支出しているか。
  125. 澁谷敬三

    政府委員(澁谷敬三君) いま御指摘の学校給食法は、経費の負担区分といたしまして、学校給食を実施するにつきまして必要な施設設備に要する経費、それから人件費は設置者の負担、その他の経費は保護者の負担、こういうたてまえになっておるわけでございます。そういたしますと、その他の負担は食材料費、光熱水費ということになりますが、現実問題といたしまして、光熱水費はほとんど学校設置者が負担いたしております。施設設備に要する経費、それから人件費、それから光熱水費につきまして全国的に正確なる推計をいたしておらないわけでございますが、人件費につきましては、学校栄養士と調理従事員の数と、それから給与の大体がわかっておりますので、人件費はある程度の推計が出ると思いますが、いまちょっとその資料を手元に持っておりません。     —————————————
  126. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、上田哲君、中村波男君が委員辞任され、その補欠として竹田現照君、神沢浄君が選任されました。     —————————————
  127. 岩間正男

    岩間正男君 これはあとで詳細に資料としていただきたいと思いますけれども、先ほどの御説明によりますというと、保護者の支出が四十七年度では千五百二十五億、それに対して二百四億ということになりますと、これは全体の額のわずかに一〇%そこそこになるわけですね、一一%から一二%。四十八年度も千九百七十五億に対して二百三十二億ということになるわけですね。これで一体給食をほんとうにまかなって、次代を背負う子供たちの重要なこのような給食の問題を取り上げているということになるかどうかという課題なんですけれども、この問題はやっぱり十分に検討されなければならない問題だと思うのですね。これ、どうですか、次官、こういうような現状でこれは甘んじていいのか。ことに火のついているようにこの給食の費用というものは大きな課題になっている。そうして当然そうなれば、このような給食の問題についての全額負担の要求というものはこれはだれでも持っているわけです。ことにこれは勤労者の場合なんかやり切れないですよ。これがもしも国庫から出資されるというそういう事態、そういう事態が起こればこれは賃金なんかのベースアップなんかも実質的には非常に高まる。こういう点も持っているわけですから、これは単に子供に食わせるかどうかという問題だけじゃないわけです。こういう点について、どういうお考えをお持ちになりますか。
  128. 澁谷敬三

    政府委員(澁谷敬三君) さっきの御説明へちょっと補足さしていただきますと、先ほど申し上げた金額は、学校給食の食材料費につきましての金額を申し上げたわけでございまして、施設設備に要する経費、それから人件費、光熱水費は先ほどの中に入っておらないわけです。それでそういう施設設備につきまして相当の金がかかるわけでございますが、来年度予算でも国の補助金で三十六億を計上いたしておりますが、それの正確な推計はいたしておりません。人件費につきましては、調理従事員だけで現在約七万人おります。それから学校栄養士の方々が五千人前後おりますので、そういう人件費はやはり相当の額になっておりまして、大ざっぱにやりますと手数百億に人件費がなっております。それから光熱水費、これもほとんど設置者が負担していただいておりますが、これも相当の額になっております。そういう施設設備、学校栄養士、調理従事員の方々の人件費、光熱水費はほとんど全額公費で負担をいたしておりまして、食材料費につきましては先ほどのようなことになっておるわけでございます。
  129. 岩間正男

    岩間正男君 これは資料を出してください。それでこの負担も、一体国庫の負担は幾らなのか、それから地方の負担は幾らなのか、それから足りないところはほとんどこれはもうPTAなんかでまかなっているところがずいぶんあるわけでしょう。人員も足りない。そういう人員についてはPTAの費用でまかなっておる、こういう実態があるわけですから、これは調査としては進んでおるかどうかわかりませんけれども、とにかく父兄の負担が二千億近くだ、四十八年。これは物価高の中では二千五百億になるかもしらぬし、これも推計でも大体そんなふうに考えられるわけですね。この負担を父兄にまかしておいて、そうしていまのこの物価高の生活の危機の中で一体ほんとうにこれは教育がうまく遂行できるのか。特に教育をささえる子供の命の問題ですが、こういうものをやれるかどうか。国家の一体政治の手としてこれはどうなるのかという問題が出てくるわけです。だから、全額負担というものは一ぺんにいけるかどうかそれは問題あるでしょう。しかし、少なくともいまの困難な中で、とりあえずこれだけはとりたいというそういう方策というのはないのですか。文部省はこの問題について、これは考えているのですか、いないのですか。
  130. 藤波孝生

    政府委員(藤波孝生君) 学校給食が子供たちの健康の増進、体位の向上に非常に大きな役割りをになっているということは、当初出発以来ずっと年月を重ねてまいりまして非常に大きな意義を持ってきておるわけでございます。そういった中で、これだけ改善をいたしてまいりましたと言うとまたおしかりをいただきますけれども、やっぱり出発当初は施設でありますとか、あるいは調理従事員の人件費でございますとか、大半が父兄負担、PTA負担というような形で出発をいたしておりましたのをぜひ是正をいたしたい、こういうつもりで努力を積み上げてまいっておりまして、先ほど来御答弁申し上げておりますように、それらの大半は今日では公費ということになってきておるわけでございます。しかし、やっぱりだんだんこうできてきますと、さらにその次の施策がほしいということになりまして、今日では学校によりましては非常にいい食堂をつくるというようなことになってきておりまして、明るい、非常に施設に恵まれた学校食堂で喜々として子供たちが学年を交えながら食事を一緒にする、それが衛生上からも、また学校生活の非常に潤いの面からも大きな意味を持っているというようなことから、そう、いった希望も非常に多くなってきておるわけでございまして、こういった施設もさらに充実をしていくように今後取り組んでいかなければいかぬというような施設面の話題も持っておるわけでございます。ただ、先生御指摘のように、今日物価の高騰によりまして非常に父兄負担が高まってきておるという感じが出ておりまして、いろいろ設置者と十分連絡をとりまして、たとえば材料の共同購入をいたしましたり、あるいはまあこれはなかなか口でそんなことを言うけれどもとまたおしかりをいただくかもしれませんけれども、たとえば産地から材料を直結をして学校へ運び込むとかいろいろな苦労はいたしておるわけでございます。こういった中で、できる限り父兄負担が高くならないようにぜひがんばってもらいたい、こういった連絡を十分全国の府県、市町村とも密にいたしておるわけでございますが、先生御指摘の方向は何といいましても今日文教行政のかかえておる大きな課題の一つだと、このように考えておりますので、父兄負担、特に学校給食を公費で全額見られないかという国民的な御要求、御要望に対しましては、今後さらにひとつ誠心誠意検討を進めさしていただきたい、このように考えておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
  131. 岩間正男

    岩間正男君 この問題、どうですか、これはいままで年度計画を立てるとか、あるいはそれを今度予算折衝の中に持ち込むということですね。まあ部分的なことはやったでしょう。パン代をちょっと上げるとか、それから少し人件費をふやすとか、それから施設を少しふやすとか、そういうようなことはこれはやったでしょう。そうでなくて、基本的にこの問題と対決するかどうかということが非常に大きな課題だというふうに私は考えております。したがって、そういう努力というのは、基本的な問題解決のための努力というのはこれはいままでされたことがあるのかどうか。まあ考えてみますというと、額はこれは二千億前後ということになりますと相当な額ではあります。しかし、十七兆の予算から考えてみるとどういうことになりますか、八十分の一かそんなものでしょう。その結果は非常に多くのこれは父兄の負担というものが緩和されるわけですね。生活の安定にも非常に役立つ。それから子供のとにかく命を守って、それを計画的な一つの意思としてこれは進展させることもできるのであります。むろんいまの財政の中でいきなり全額というのは、なかなかそれは文部省のいまの力ではたいへんでしょう。しかし、この問題について一体PRを起こしたり、それからほんとうにこれは国民の世論にこういうことを訴えるとか、そういうことがなされたということは聞いていないわけですね。学校教育法があるのだと、この範囲のワク内でまかなわれておるのだということになっているが、しかし、いまの情勢というものは、この問題はやはり大きな国民的な要望にこれは大きく発展する可能性を持っている。そこで、いま一方で教員給与問題、これも非常にまだ望ましい十分なことではないと思います。しかし、まあこれが出されている中で、一方ではこれとのバランスでほんとうに国民の切実な要求の一つである、いまもう焦点になっているこの学童給食の問題と対決をしないというわけにはこれはいかない問題だと思うんですが、どうなんですか、その辺の基本姿勢。文部大臣は来ていないんですが、まあ次官、文部省を代表して答弁をおっしゃってください。
  132. 藤波孝生

    政府委員(藤波孝生君) 大臣が出ておりませんでまことに申しわけないと思っております。  出発当初から学校給食をぜひ普及をして、全国のアンバランスのない義務教育での学校給食をはかっていくようにぜひ御協力をお願いしたい、こういう気持ちでその普及化に努力を進めてきたわけでございます。今日ではたいへんな普及率になっておるわけでございますので、学校給食の重要性も十分勘案をいたしまして、先ほど来申し上げておりますように、ぜひ父兄負担の軽減の方向に向かいますように文部省として最善の努力をさせていただきたい、このように考えております。
  133. 岩間正男

    岩間正男君 具体的に——基本的なのはいいです。基本的なあなたの腹の中は伺ったわけですが、具体的にいま当面する課題として考えておられるのはないんですか。ただ一般論でこれは逃げたんじゃ困るですから。こういう切実な要求の中でどの問題をどう取り上げてこの給食の問題は解決すると。とにかく値上げの問題だけでもたいへんですね。こういう問題に対してどういう具体的な手を打つか、そういうことについては当然文部行政そのものが要求されていると思うのですがね、これについての検討をされたかどうか。それから具体的にどういう案を持っておられるか。この点がないというと、いつでも文部省の精神主義ではもうこれは耳にたこができていますからね、そういうことでまかり下がるわけにはいかぬのです。どうなんです、あるのかないのか、あるならある、ないならない、はっきり言ってください。
  134. 澁谷敬三

    政府委員(澁谷敬三君) 私どもといたしましては、現在の学校給食法のたてまえにのっとりまして施設設備、人件費、それからこれは法律では父兄負担みたいに読めますが、光熱水費、こういうものは公費で負担をすべきであるし、現実にそういうふうになっております。食材料費につきましては、やはり毎日の食事のことでございますし、学校給食というのは学校設置者、学校、父兄の協力のもとに行なわれるべきものと考えます。そこで、現在給食材料費、父兄からいただいております給食費は、小学校は大体七十円から八十円、中学校が八十円から九十円でございます。一般の食事に比べますと、かなり安い価格で栄養も一応確保した給食をいたしておるわけでございまして、毎年一般の物価が上がりますので、ある程度かなりの給食費の値上げはせざるを得ないというわけでございますが、その場合に、できる限り日本学校給食会あるいは都道府県の学校給食会、さらには市町村にも学校給食会をつくっていただきまして、物資の一括購入方式によります安定した供給といいますか、そういうことを数年前から国でも補助金を計上いたしまして価格調整安定基金あるいは保管倉庫を持ちました給食センター、そういうものをつくりまして、そういう給食用物資の安定供給、そういうことに努力をいたしておるわけでございまして、基本的には今後もそういう方面の充実を先ほど政務次官からもお話がございましたが、そういう充実をはかっていくべき筋合いのものではないか。やはり毎日の食事のことでありますから、おかず代につきましては父兄にも御協力をいただく。ただ、要保護、準要保護につきましては全額公費負担による制度を充実していく、そういう方向で考えておるわけでございます。
  135. 岩間正男

    岩間正男君 次官とあなただいぶ食い違う答弁をしてるんだね。次官が前向きの姿勢で基本的に検討するんだと、そのために努力をいたしますと言っているときに、私は学校給食法の立場で、それでもって流通の問題しかないんだ、いま話を聞いてみますとね。安定供給、数年前やっていた、やはりこれは答弁にならぬですよ。私そんなこと聞いてない。そういうことはわかっています。そうじゃなくて、いまの生活変動が激しくなってきている、とにかく卸売り物価が三六%も前年対比で上がっている。そういう中で生活は、ことに一家の主婦なんかはもうあすへの生活設計が立たない。そういう中で相当なウエートを占めている学童給食、この問題とどう対決するかと聞いたんです。そんな官僚答弁を聞いているわけじゃないです。やっていることについて、それだけでいくなんて言ったら、全然無策だと言われたってしょうがないんです。私が聞いているのはそんなことじゃない。そんなことなら聞く必要はないんです。いままでわかっているんです。浅学にして、不肖にしてわかっています、そのぐらいのことは。問題は、どうするかというのです。いまその論議をやっているわけです。だから、それが検討されていないということは、結局それはもう体育局長のところでは検討されていない。そうすると、どうなんです、文部省でどこで検討していますか。どうなんですか。先ほどの答弁とこれはずいぶん違いますが、どうですか。
  136. 藤波孝生

    政府委員(藤波孝生君) 従来学校給食の中での父兄負担を軽減をさせる方向でいろいろ努力をいたしてまいってきておりますので、四十八年度から四十九年度にわたって努力をいたしております一端をいま体育局長から御答弁申し上げたわけでございます。基本的に、先ほど来先生御指摘をいただいておりますように、もっと父兄負担の思い切った軽減になるような、これは相当根本的な法律改正まであることでございますし、同時に学校教育全体の中でこれをどう持っていくかというようないろいろな問題をかかえておるわけでございますので、簡単に私はいまここで答弁申し上げられるようなものではないと思います。各方面の御意向も十分承って新しい施策が打ち出されるように努力をいたしたい、このように考えておりますが、今日の物価高のこの生活の中で、いろいろ学校の教育上に支障があってはいかぬというようなことで、たとえば文房具、教材などにつきましても十分文部省から通産省と連絡をとりまして、所管が通産省でございますので、そういった教具、用材等につきまして、なるべく安い価格で買えるようにひとつあらゆる措置を講じてもらいたいという働きかけをいたしてまいっております。また、農林省などとも十分連絡を密にいたしまして、学校給食の材料をできる限り安い値段で購入できるような方向の努力もいたしてまいっておりまして、いま申し上げましたことと別に食い違っておるわけではありませんでして、基本的にはぜひ何か学校給食についての抜本的な新しい方向を打ち出せるようにさらに検討を進めさせていただきたいということをお話をさせていただいておるわけでございます。
  137. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 速記をとめてください。   〔速記中止〕
  138. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 速記を起こしてください。
  139. 竹田現照

    竹田現照君 議事進行で。  ぼくはいま内閣に来て、採決に入るんですけれども、これは全会一致の法案のようですけれども、与野党が同数だなんというのは、これは非常に採決としてはみっともないことです。やっぱり少なくとも政府与党がね、野党が全部いるのに、数が同じだなんというのは、これは法案を扱う趣旨としても……。ぼくなんか商工にいたら、こんなとき採決しませんよ、幾ら全会一致でも。これは出席をちゃんとしてもらわなければ困る。
  140. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 御発言の趣旨はよく了承いたしました。今後、委員の出席について、なお努力されるようにお願いしておきます。  他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。——別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  141. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  142. 寺本廣作

    委員長寺本広作君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時十六分散会      —————・—————