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説明員(
野呂田芳成君)
法案は衆議院の建設
委員会のほうにきのう付託になりまして、参議院のほうはまだでございますが、概要について御説明申し上げますと、非常に
都市の環境悪化ということが叫ばれておるものですから、公園とか、緑地のように公共空地をつくることとあわせまして、民有緑地で、条件のいいものを
都市計画制度にのせまして、
都市の環境保全に寄与させたいということで、この法律を構成しております。それを生産緑地地区といっておりますけれ
ども、二種類ございまして、第一の第一種生産緑地と申しますのは、市街化区域内にある農地等で
——農地等と申しますのは農地と一体となる山林とか湖沼を含んでいるものでございますから、そういう農地等で幾つかの条件に該当するものを第一種生産緑地といっております。
一つの条件は、公害や災害の防止等良好な生活環境の確保に相当の効用があり、かつ、公共施設、これは公園とか緑地とかでございますが、そういう
敷地の用に供する
土地として適しているということが第一の要件でございます。
それから
面積要件といたしましては、おおむね一ヘクタール以上あるということが条件でございますが、これには
特例がございまして、
一つは、森林とか果樹とか茶畑のような永年作物といわれるものにつきましては、おおむね〇・三ヘクタールあればよい。それから、こういう永年作物でなくても、
都市公園等が現に介在しまして、その周囲にあります農地等であれば、やはりおおむね〇・三ヘクタール以上あればいいということになっております。
あとは、用排水等の
状況を勘案いたしまして、農林漁業の継続が可能な条件を持っているというような条件になっております。
第二種生産緑地は、いま申し上げましたのと同じでございますけれ
ども、違います点は
面積要件でございまして、
面積要件はおおむね〇・三ヘクタール以上ということになっております。しかも、この第二種生産緑地は、市街化区域内で
土地区画整理
事業等の
事業が完了し、または継続中である、そういう開発行為がすでに行なわれたところで、七割以上
宅地供給が進みました場合に、三割を限度といたしまして二種の生産緑地地区として指定できるという制度にしてございます。もちろんこれは関係権利者の全員の同意を得た上で
市町村長が知事の承認を得て定めるということにしてあります。
市町村でございます。
市町村が定めるということにしてございます。
第一種生産緑地は、
都市計画制度としてはずっとかかりますが、二種につきましては、十年間で失効するということにしてございます。それから一回に限り十年間延長できるというふうにしてございます。この趣旨は、市街化区域内でございますから、御案内のとおり、市街化区域というものは、今後おおむね十年間の間に段階的計画的に市街化をしなければならない区域でございますから、しかも、そこで二種のように、せっかく市街地開発
事業が完了いたしまして、七割以上
宅地供給がなされた地区につきましては、一応十年間制度としてありますれば、その間、もう使い道が確定いたしまして、
都市計画としてもはっきりしてくるということで、一応十年間の失効にしたわけでございます。
それからこの生産地区に指定されますと、「行為の制限」が働きまして、非常災害等の応急
措置とか、公共施設の設置、管理にかかる行為とか、それから、この制度ができまする前にすでに着手していた行為とか、そういうものを除きまして、建築物の増改築とか
宅地の造成とか水面の埋め立て、干拓のような行為が禁止される。それに違反しますと、原状回復命令が発生するということにしてございます。
この両方の生産緑地とも、買い取り請求権というものを認めておりまして、一種につきましては十年、二種につきましては五年たちますと、
市町村に対しまして買い取り請求ができるということにしております。この五年、十年たたなくても、農業に従事していた主たる者が死亡したり、あるいは死亡までは至らなくても、事実上農業を継続することがきわめて困難になった場合におきましては、買い取り請求ができる。買い取り請求がありますと、
市町村長は適正価額、これは公示
価格でございますが、それで買い取らなければならないということにしてあります。特別な事情がない限り買い取るということにしてございます。もちろん、
市町村長は
自分だけではすべてのものは消化できませんから、
住宅公団とか県とか
住宅供給公社とか、そういうものも含めまして、買い取りの相手方を定めて受けるということにしてございます。価額につきましては公示
価格をとりますけれ
ども、公示
価格は一平方キロメッシュでとっておりますから、具体の価額につきましてはやはり当事者間の協議にまかしておりますが、価額が合わない場合には第三者協議ができるということにしてございます。それから、死亡とか重大な事故とかということじゃなくて、比較的軽い疾病によりまして農業を継続することがつらいという場合にも、買い取り請求を認めておるということにしてございます。
それから、先買い制度を適用するということにしてございます。まあ大きな問題といたしまして、こういう生産緑地地区に指定されますと、
宅地並み
課税の適用が除外されるということにしてございますし、それからこの
法案には入っておりませんけれ
ども、買い取り請求で農地を手放した場合には、譲渡
所得が五百万円基礎
控除になる。それから先買い制度が適用されますと、やはり五百万
控除が働くというふうに税法の
改正が進められ、すでにまた先買い制度については、制度がございますから、これに乗れるということになります。
非常に簡単ではございますが、趣旨はそういうことでございます。