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大矢正君
石炭部長ね、私
どもも、
コストが五万円かかろうと十万円かかろうと、
石炭としての価値がある限りは掘るべきだという、そこまで
極論は申しません。しかしながら、やはりある
程度高いものも、
唯一の
国内資源でありますから、掘らざるを得ないし、掘るべきだと、ただ、その
数字が全くその
経済性というものを度外視してやれというまで
極論は申しませんがね。そういう
意味でいきますれば、いま
部長がおっしゃっておりました、すでに閉鎖された、ないしは
買い上げ鉱区等を今後やるとしても百五十万トン
程度しか見込めないということは、ある
程度うなずける面もありますが、しかし、やはり
バルクラインの設定のしかた、たとえば
コストもこの
程度までならばやむを得ないんではないかというその線の引き方ですね。この辺は非常にむずかしいところでありまして、
原料炭と
一般炭とでも違いがありまするし、
一般炭でも
カロリーの違いも出てまいりますし、北海道のように、いろんな炭がふくそうしている。たとえば
天北のように、非常に低品位で
一般炭であるというような場合に、はたして
経済合理性に合うかどうかというような議論も出てくるかとも思われますが、いずれにしても、残り少ない
わが国唯一の
エネルギー資源であることに間違いはないので、私は、極力やはり使うという、掘って使うということを原則にして今後とも
努力をしてもらいたいと、こう思います。なおまた、二千万トン、三千万トンの問題は、これは
審議会の
答申その他が出てからおそらく議論されることだろうと思いますから、これ以上深くは申しませんが、
希望意見として申し上げておきます。
それからもう一つだけ、時間もありませんので、
お尋ねというよりも、こういうことがやられたほうがよろしいのではないかという
意味で申し上げておきたいと思うんですが、実は、
大臣その他
部長以下、いろいろと御協力をいただきまして、
炭鉱労働者の
賃金がかなり大幅に上昇して、
炭鉱に働く者はかつてない明るい表情を実はいたしております。しかし、ことしの春の賃上げが
一般が三万円のところを四万円以上上回る
賃金が上がったからといって、今後もそれが継続的にできるという保証は何もないわけですね。そこで、四月の
賃金引き上げの際に問題になりましたのは、
国会で、
鉱山並みの
賃金に合わせるという、引き上げるというそれが問題になって、そのうちの何割かが
現実に上積みされたという形になって解決をしておるわけですが、ただ、御了承のとおり、
鉱山の
賃金と
炭鉱の
賃金とをどう比較をするのかということになりますと、これはお互いに非常に言い分があります、
労使ともにですね。
鉱山のように、
坑外の一方当たりを基準にして計算をするというような
やり方と、
炭鉱のように、
坑内外平均でやるという
やり方とか、いろいろもう
賃金の決定をする
段階において大きな相違があるという面もありますので、なかなかうまくいかない。
鉱山の場合には、比較的これは
安全面におきましては不安は少ないんですが、
炭鉱の場合には、
御存じのとおり、爆発、落盤、さまざまな事故がありますから、それだけにやはり
稼働率も低下する、実際には。したがって、
鉱山並みの
稼働率をかけるというわけにも単純にはいかないということもありますし、せっかく
大臣も、
衆議院におきまして、全
鉱並みにとりあえずの目標として
炭鉱の
賃金は引き上げるべきだとおっしゃっておられるのでありますから、
鉱山並みの
賃金とは大体今日の
段階ではどの
程度のものをさすのかというようなことを、通産省としても
労働省と
十分話し合いをし、あるいはまた
労使からも
意見を聞きつつ、ある
程度の目安を出してもらいたい。そうしないと、今後、来年の
賃金の問題の際にこれがまた非常に大きな問題になるおそれもありますので、ぜひひとつそういう面についての
配慮をお願いしたい。
御存じのとおり、この四月には他の
一般の
産業の
平均よりは上がっておりますが、これで全部全鉱との
格差、
鉱山との
格差が埋まったというわけではございませんので、その間の問題についての十分なひとつ
配慮を願いたい。これは
質問というよりも、
要望意見として申し上げておきたいと思います。