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政府委員(
高木俊介君) 第一の
原料炭と
一般炭の
価格の相関関係でございますけれども、いままでは確かに先生御指摘のように、
原料炭に引きずられて
一般炭はいやいやながら上がったというのが実態であるのも、これはもうそのとおりでございます。しかし、今回
一般炭のほうがいわゆる
石油の問題とのからみ合いで値上げという問題が出てきているわけでございますけれども、
原料炭におきましても、同じような問題が輸入
原料炭については起きてきております。これはきのうも
衆議院のほうの参考人の御意見のところで稲山鉄連の会長、まあ
石炭鉱業審議会の会長もしていただいておるわけでございますけれども、稲山会長の御
説明によりますと、いわゆる製鉄原料の弱粘でございますけれども、弱粘においても、海外からの
取引にいま値段の交渉をやっておられる向こう側の外国からの指示というものが、十ドルないし十一ドルのアップを要求しているというのが事実でございまして、これも近いうちに、おそらく四月中旬ごろまでには本年度の
原料炭の
取引価格というのがきまるんじゃなかろうかというふうに
考えております。
また、そのほか現在の
原料炭と
国内炭の、いわゆる輸入
原料炭と国内の弱粘との
価格でございますけれども、これは千四百五十円というものの格差は守るということで、いままで鉄鋼のほうは
原料炭の
価格について御協力いただいたわけでございまして、この点もきのうの御
質問でいろいろ参考人から意見が述べられたわけでございますけれども、ものすごく
輸入炭が上がる場合は別としましても、いま申し上げました程度の場合は千四百五十円というものの格差は守っていくというようなお話もございまして、一応
原料炭のほうの
価格も相当上げていただけるのではないかということを期待いたしております。
国内炭においても、
原料炭価格を上げていただけるんではないかという期待を持っております。これもおそらく外国との
取引でございますので、国内のほうがいまどういうような状態だということは、外国のほうとの
取引関係上金額はまだ示しておいでになりませんけれども、きのうの
委員会でのお話みたいに十ドルないし十一ドルのアップというようなことでございますと、いまは、先ほど申し上げますように、確かに
国内炭のほうが千六、七百円高いというような金額にはなっておりますけれども、千四百五十円のベースは守るということでおっしゃいますと、相当な期待ができるということでございます。
また一方、
一般炭につきましても、けさほど話がございましたように、カロリー
当たりで直しますと二円前後と、これは硫黄分に応じまして相当開きはあるようでございますけれども、平均して二円ということになりますと、現在の
石炭価格カロリー
当たり約七十銭と、これは当然メリット差、そういうものを入れますとおそらく八十何銭に相当するんじゃなかろうかと思いますけれども、それから見ましても、一円十何銭の値開きがあるということからいきますと、
一般炭においても相当な値上がりが期待できるというふうに私なんかは
考えておりますし、また期待もいたしておりますので、先ほど申し上げましたように、来月下旬には
審議会の需給部会を開きまして、
価格を前提にしました
取引引き取り料をセットしたいというふうに
考えております。
なお、二番目の運転
資金の問題でございますけれども、確かに本年度、四十八年度百億近い金を貸し出しておりますので、新たに四十九年度としては、御指摘のとおりの七十億という金を用意しなくちゃならぬわけでございます。この用意につきましては、いま
事業団が主体になりまして銀行関係等とも話を進めておりますし、なお不足の場合は財投のほうからも入れるということで、いろいろ交渉しておるわけでございますけれども、これは必ずや七十億ということを期待いたしまして、この前の、いわゆる一時金として四万円を支出するような形になったわけでございますけれども、この金は全部で約十三億ぐらいになるんじゃなかろうかと思います。この金は、すでに、来月へ入りましたら手続の上で支出しようということにも準備もいたしておりますし、そういう点では問題ないと思います。
なお、いま先生御心配の、今後の賃アップに伴う支出という問題が生まれてくるわけでございますけれども、これは
企業のほうも一応
経理的には来年度、各社によってこれは違いますけれども、十数%のアップというものは一応組んだ上での
資金収支というものを各
企業からの
計画でいただいております。これに結局上乗せになるという分が
企業としては負担しにくいという点になりますので、この点を一カ月になるか、二カ月になるかわかりませんけれども、負担すると、
事業団のほうを通じて金を出すということになりますと、さほど心配しなくても運転
資金上の問題はないんじゃなかろうかというふうに私どもはいま
考えておるような次第でございます。