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政府委員(増田実君)
昭和四十九年度の
通商産業省関係予算案及び
財政投融資計画につきまして、お配りいたしました資料に沿い、ポイントを御説明申し上げます。
まず、
昭和四十九年度の
通商産業省の一般会計予定経費要求額は、二千五百五十二億一千四百万円でありまして、前年度当初予算二千百二億一千二百万円に対し、四百五十億二百万円、二一・四%増しとなっております。
次に、重点事項別に予算の内容を御説明申し上げます。
第一、
物価の安定と
消費生活の
充実。
物価の安定と
消費生活の
充実につきましては、対前年度比四〇・九%増しの十八億六千八百万円を計上しております。
まず、主要
基礎資材等の
需給計画の策定を内容とする主要
基礎資材等
需給安定
対策費、流通合理化
促進費、
消費生活
改善対策費等の
充実をはかるとともに、本年六月で期限が切れる繊維
工業構造
改善対策のあとを受けて
繊維産業の
知識集約化、零細
企業対策等を内容とする新しい構造
改善対策を行なうこととし、このための経費として六億六千三百万円を計上するとともに、
中小企業振興
事業団への出資の中で九十一億一千三百万円をこれに充てることとしております。
また、
わが国の伝統的工芸品
産業の振興をはかるため、伝統的工芸品
産業の後継者育成、
技術保存等のための経費一億一千八百万円を計上しております。
第二、無
公害社会の
建設と
環境保全の
推進。
無
公害社会の
建設と
環境保全の
推進につきましては、対前年度比五四・九%増しの三十三億九千八百万円を計上しております。
まず、
公害防止技術の
研究を
充実することとし、重要
技術研究開発費補助のうちに新たに
窒素酸化物対策技術ワクを設けるための経費六億円を計上しております。
また、
産業公害総合事前
調査、
資源再生
利用技術システム
開発等の
拡充をはかるとともに、発電所立地に伴う
環境審査等を新たに行なうこととしております。
さらに、故紙の
有効利用を
推進するため、紙類再生
利用促進センターに債務保証基金を設けることなどを内容とする経費一億七千百万円を計上しております。
また、
休廃止鉱山等鉱害対策につきましては、新たに坑廃水処理を補助事業の対象に加えることなどにより十二億九千六百万円と大幅に
拡充するとともに、金属鉱業の坑廃水
対策等
調査費を新たに計上しております。
第三、
中小企業対策の全面的な展開。
中小企業対策につきましては、対前年度比二六・六%増しの八百二億一千百万円を計上しまして、
施策全般にわたり
充実をはかることとしております。
中でも、四十八年度に創設された小
企業経営改善資金にりきましては、貸し付け規模を三百億円から一千二百億円に
拡大するとともに、貸し付け限度の
引き上げ、貸し付け期間の延長を行なうこととしており、このために必要な予算百四億八千四百万円を計上しております。
また、商工会、商工
会議所等の経営
改善普及事業を中心とした小規模事業
対策の大幅な
拡充をはかることとし、このための経費として百十二億二千三百万円を計上しております。
さらに
中小企業振興
事業団の事業運営につきましては、四百十四億四百万円を計上するとともに、商工組合中央金庫出資につきましては、
中小企業者の事業資金の融通の
円滑化に資するため、五十億円の出資金を計上しております。
第四、
資源エネルギーの安定供給の
確保。
資源エネルギーの安定供給の
確保につきましては、二百二十四億七千六百万円を計上しております。
まず、省
資源、
省エネルギーに関する広報費、
石油需給適正化法の
施行のための経費を計上するとともに、鉱物
資源につきましては、金属鉱床精密地質構造
調査の補助率
引き上げをはじめとして、国内外における探鉱
開発を
促進することとし、また、電力につきましては新たに地熱発電
開発のための精密
調査費を二億八千二百万円計上しております。さらに原子力につきましては、ウラン濃縮国際共同事業及び再処理
関係事業の
調査費一億百万円を計上し、また、水
資源につきましては、
工業用水道事業費補助は、対前年度減となっておりますが、新しい水源を
開発するため、廃水の再生
利用、海水淡水化等を内容とする造水
促進対策費三億七千四百万円を計上しております。
第五、
国民福祉のための
産業活動の
調整。
国民福祉のための
産業活動の
調整につきましては、百八億一千三百万円を計上しております。まず、
企業行動の適正化をはかるための
調査研究を
実施するとともに、製品安全性
確保対策、特定
化学品安全
確保等
対策をそれぞれ
充実することとしております。
また、
工業再配置
促進対策の
拡充をはかるため九十八億九千万円を計上しております。
さらに、工場
環境整備
促進対策費として二億五千二百万円を計上しております。
第六、高度
産業社会の創造。
高度
産業社会の創造につきましては、九百四十億九千九百万円を計上しております。
まず、これからの
わが国経済をリードしてゆく電子計算機
産業、航空機
産業等の振興をはかることとし、電子計算機
産業等振興
対策費として百九十六億五千五百万円、次期民間輸送機の本格的な
開発事業費として二十一億二百万円を計上しております。このほか、日本周辺大陸だなの海底
調査等を内容とする海底地質
調査費四億五千二百万円を計上しております。
次に、西歴二〇〇〇年を目途に
太陽エネルギー、地熱、合成天然ガス、水素
エネルギー等の無
公害新
エネルギーを
開発する
サンシャイン計画を発足することとし、四十九年度は二十二億七千万円を計上しております。
さらに、沖縄国際海洋博覧会につきましては、開催が五十年三月から七月に変更されることとなりましたが、準備に万全を期すべく百九十七億二百万円を計上しております。
第七、
国際協調による世界経済への貢献。
国際協調による世界経済への貢献につきましては、百六十三億七千二百万円を計上しまして
経済協力関係予算を中心に
拡充をはかることとしております。
まず、日本
貿易振興会に対する補助を七十一億二千五百万円に増額しております。
経済協力につきましては、
発展途上国からの強い
要請にこたえまして、
通商産業省所管の
経済協力費を対前年度比四〇・九%増しの七十二億二千六百万円に増額しております。
まず、
発展途上国の
要請に応じた
中小企業の海外投資を
促進するため、
中小企業海外投資
協力事業費として十一億一千七百万円を計上しております。
また、
発展途上国産品の
開発輸入を
促進するため、これに関連したインフラストラクチュアの整備などに二十三億七千五百万円を計上しております。
第八、特別会計。
以上の一般会計のほか特別会計といたしまして、アルコール専売事業特別会計は、歳八百四十三億三千三百万円、歳出百四十一億四千七百万円、輸出保険特別会計は歳入歳出とも六百十九億一千三百万円、機械類信用保険特別会計は歳入歳出とも二十二億六千二百万円を計上しております。なお、輸出保険特別会計につきましては、
為替変動保険を創設することとしております。
また、
石炭及び
石油対策特別会計につきましては、歳入歳出とも他省所管分を含めまして、一千四百七十五億八千百万円を計上しております。
さらに発電所立地を
促進するため、
電源開発促進税(仮称)を財源とする電源
開発促進対策特別会計を創設することとし、発電用施設等の所在する市町村及び周辺市町村に公共、
福祉施設を
設置するための費用の交付等を行なうこととし、歳入歳出とも百一億円を計上しております。
引き続きまして、
昭和四十九年度の
通商産業省関係の
財政投融資計画につきまして御説明申し上げます。
総額は、二兆四千三百二十八億でありまして、前年度当初計画二兆一千四百四十一億円に比べ一三・五%の伸びとなっております。この伸び率は、
財政投融資計画全体の伸び率一四・四%を下回っておりますが、新規項目を中心に資金の重点的配分をはかることにより、
通商産業政策の新しい目標に沿った
施策を
実施し得るものと考えております。
以下、一般会計と同様、七つの柱に沿い、お配りいたしました資料では分類しておりますが、御説明は省略させていただきます。
以上でございます。